JP2021063737A - 圧電センサーおよび圧電センサーアレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】マトリックス状に並べて、面状のアレイセンサーとした場合でも、アレイの配線抵抗や隣接画素における寄生容量の影響を抑制することにより、わずかな圧力差の検出が可能な圧電センサー素子およびこれを用いた圧電センサーアレイを提供する。【解決手段】圧電センサーは、基板と、複数の薄膜トランジスタと、圧電体層と、を有し、複数の薄膜トランジスタに含まれる第1の薄膜トランジスタの半導体層は、圧電体層と電気的に接続されるセンサー電極と第1の薄膜トランジスタの層間絶縁層を介して重畳しており、外部からの刺激により圧電体層に発生した電荷により、第1の薄膜トランジスタの特性を変化させることによって生じた第1の薄膜トランジスタの電流値の変化を、複数の薄膜トランジスタに含まれる第2の薄膜トランジスタによって電圧値に変換して出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、圧電体層および薄膜トランジスタを含む圧電センサーに関するものである。
圧電体材料は、圧力を加えるとそれに比例した電圧を生じ、また逆に電圧を印加すると変形する現象(圧電効果)を有する材料であり、アクチュエーター、センサー、アナログ回路における発振回路やフィルタ回路などに用いられている。圧電体材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などのセラミックス材料やポリフルオロビニリデン(PVDF)のような有機圧電材料などが知られている。
特に、有機圧電材料は、低誘電率かつ高い圧電定数を有しており、またインク化が可能で塗布/印刷により形成が可能であること、化学的な安定性や柔軟性を有しているなどの特徴から、可撓性を持つ圧力センサーや振動センサー、エネルギーハーベスト素子、アクチュエーターなどへの応用が検討されている。
有機圧電材料としては、フッ素系の高分子半導体材料であるポリフルオロビニリデン(PVDF)が良く知られており、これにトリフルオロエチレン(TrFE)を共重合させたポリフルオロビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体(P(VDF−TrFE))が特に用いられることが多い。またその他にもポリ乳酸やポリアミノ酸などの材料も圧電効果を示すことが知られている。
これらの有機圧電材料をフィルム状および薄膜として、電極に挟む構造とすることで、圧力や振動、熱、赤外線などに反応するセンサーとして応用する検討が進められている(非特許文献1)。また、このような有機圧電素子を薄膜トランジスタなどの回路と接続することで、高感度なセンサー素子を作製することが可能になるという報告もある(非特許文献2および特許文献1)。
S.Hannah,A.Davidson,I.Glesk,D.Uttamchandani,R.Dahiya,「Multifunctional Sensor based on organic field−effect transistor and ferroelectric poly(vinylidene fluoride trifluoroethylene)」Organic Electronics,56,170−171 (2018).
Y.Tsuji,H.Sakai,L.Feng,X.Guo,H.Murata,「Dual−gate low−voltage organic transistor for puressure sensing」,Applied Physics Express,10,021601 (2017).
特開2017−219336号公報
非特許文献2および特許文献1に記載されているような薄膜トランジスタと圧電材料を組み合わせたような圧力センサーにおいては、加えられた圧力によって、圧電体層から電荷が発生し、その蓄積された電荷によって薄膜トランジスタの電流値を変調する仕組みとなっている。
このような原理の圧力センサーにおいては、圧力に対する感度の高い圧電体層を用いることで、高感度の圧力センサーを作製することが可能であるが、わずかな圧力差を検知する場合、微小な電流値の差を検出する必要がある。このことは、単素子の圧力センサーとして用いる場合には大きな問題はないものの、これらの素子をマトリックス状に並べて、面状のアレイセンサーとする場合には、アレイの配線抵抗や隣接画素における寄生容量の影響を受けるため非常に困難となる。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、マトリックス状に並べて、面状のアレイセンサーとした場合でも、アレイの配線抵抗や隣接画素における寄生容量の影響を抑制することにより、わずかな圧力差の検出が可能な圧電センサー素子およびこれを用いた圧電センサーアレイを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一局面は、絶縁性の基板と、基板の上に形成された複数の薄膜トランジスタと、複数の薄膜トランジスタ上に形成された、圧電体を含む圧電体層と、を有する圧電センサーであって、複数の薄膜トランジスタはいずれも、少なくともゲート電極、ゲート絶縁層、半導体層、ソース電極、ドレイン電極、および層間絶縁層を有しており、複数の薄膜トランジスタに含まれる第1の薄膜トランジスタの半導体層は、圧電体層と電気的に接続されるセンサー電極と第1の薄膜トランジスタの層間絶縁層を介して重畳しており、外部からの刺激により圧電体層に発生した電荷により、第1の薄膜トランジスタの特性を変化させることによって生じた第1の薄膜トランジスタの電流値の変化を、複数の薄膜トランジスタに含まれる第2の薄膜トランジスタによって電圧値に変換して出力することを特徴とする圧電センサーである。
また、第1の薄膜トランジスタのドレイン電極が第2の薄膜トランジスタのソース電極に接続されていてもよい。
また、第2の薄膜トランジスタのゲート電極とドレイン電極とが接続されていても良い。
また、第2の薄膜トランジスタのゲート電極およびドレイン電極がグランドに接続されていてもよい。
また、複数の薄膜トランジスタに含まれる第3の薄膜トランジスタをさらに有しており、第3の薄膜トランジスタは、ドレイン電極が第2の薄膜トランジスタのゲート電極に接続され、ソース電極が第2の薄膜トランジスタのドレイン電極に接続されていてもよい。
また、複数の薄膜トランジスタの半導体層がp型半導体であり、第2の薄膜トランジスタのドレイン電極の電位が第1の薄膜トランジスタのソース電極の電位よりも大きい電位であり、かつ一定であっても良く、または、複数の薄膜トランジスタの半導体層がn型半導体であり、第2の薄膜トランジスタのドレイン電極の電位が第1の薄膜トランジスタのソース電極よりも小さい電位であり、かつ一定であってもよい。
また、本発明の他の局面は、上述の圧電センサーをマトリックス状に複数並べた圧電センサーアレイであり、配線として少なくとも複数の走査線、複数の信号線、複数の出力線を有しており、複数の圧電センサーのそれぞれは、第1の薄膜トランジスタのゲート電極が複数の走査線のいずれかに接続されており、第1の方向に沿って並ぶ他の圧電センサーと複数の走査線のいずれかを共有しており、第1の薄膜トランジスタのソース電極が複数の信号線のいずれかに接続されており、第1の方向と直行する第2の方向に沿って並ぶ他の圧電センサーと複数の信号線のいずれかを共有し、第1の薄膜トランジスタのドレイン電極が複数の出力線のいずれかに接続されており、第2の方向に沿って並ぶ他の圧電センサーと複数の出力線のいずれかを共有する、圧電センサーアレイである。
また、複数の信号線ですべての圧電センサーに同一の電圧を印加してもよい。
また、可撓性を有し、圧力、振動、温度、および曲げによる外部刺激の少なくともいずれかに反応して電圧値を出力し、圧電体層の任意の面において外部刺激の発生位置を検出することが可能であってもよい。
本発明によれば、マトリックス状に並べて、面状のアレイセンサーとした場合でも、アレイの配線抵抗や隣接画素における寄生容量の影響を抑制することにより、わずかな圧力差の検出が可能な圧電センサー素子およびこれを用いた圧電センサーアレイを提供することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る圧電センサーの概略回路図 本発明の第1の実施の形態に係る圧電センサーの概略断面図 本発明の第2の実施の形態に係る圧電センサーの概略回路図 本発明の第2の実施の形態に係る圧電センサーの概略断面図 本発明の薄膜トランジスタを用いた圧電センサーアレイの概略回路図 本発明の実施の形態に係る圧電センサーに圧力を加えた際の電圧出力の図
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ、説明する。なお各実施の形態において、同一または対応する構成要素については同一の符号を付け、実施の形態の間において重複する説明は省略する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る圧電センサー100を示す概略回路図である。図2は本発明の第1の実施の形態に係る圧電センサー100を示す概略断面図である。図3は本発明の第2の実施の形態に係る圧電センサー101を示す概略回路図である。図4は本発明の第2の実施の形態に係る圧電センサー101を示す概略断面図である。
圧電センサー100、101は、絶縁性の基板と、複数の薄膜トランジスタと、圧電体を含む圧電体層と、センサー電極と、共通電極とを少なくとも備えている。また複数の薄膜トランジスタは、それぞれゲート電極、ゲート絶縁層、半導体層、ソース電極、ドレイン電極、層間絶縁層を少なくとも有している。ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極については、それぞれ配線により外部との接続端子に接続されるが、以下の説明においては、簡便のため電極、配線について区別する必要が無い場合は電極と記載し、特に明確に区別する必要がある場合のみそれぞれの配線について記載する。
図1および図2に示すように、圧電センサー100は、絶縁性の基板1と、基板1上に形成された第1の薄膜トランジスタ50および第2の薄膜トランジスタ51と、圧電体を含む圧電体層4と、センサー電極15と、共通電極5とを含む。第1の薄膜トランジスタ50は、第1のゲート電極11、ゲート絶縁層2、第1のソース電極12、第1のドレイン電極13、第1の半導体層14、および層間絶縁層3を含む。また、第2の薄膜トランジスタ51は、第2のゲート電極21、ゲート絶縁層2、第2のソース電極22、第2のドレイン電極23、第2の半導体層24、層間絶縁層3を含む。また第1の薄膜トランジスタ50は、その半導体層14が、圧電体層4と電気的に接続されるセンサー電極15と、層間絶縁層3を介して重畳している。また、第1のドレイン電極13は、第2のソース電極22と接続して形成されている。図2に示すように、圧電センサー100では、一例として、第1の薄膜トランジスタ50と第2の薄膜トランジスタ51との間で、ゲート絶縁層2および層間絶縁層3をそれぞれ共有している。
図3および図4に示すように、圧電センサー101は、絶縁性の基板1と、基板1上に形成された第1の薄膜トランジスタ50、第2の薄膜トランジスタ51、および第3の薄膜トランジスタ52と、圧電体を含む圧電体層4と、センサー電極15と、共通電極5とを含む。第3の薄膜トランジスタ52は、第3のゲート電極31、ゲート絶縁層2、第3のソース電極33、第3のドレイン電極32、第3の半導体層34、層間絶縁層3を含む。また、第1の薄膜トランジスタ50は、圧電センサー100と同様に、その第1の半導体層14が、圧電体層4と電気的に接続されたセンサー電極15と層間絶縁層3を介して重畳している。また、第1のドレイン電極13は、第2のソース電極22と接続して形成されている。さらに、第2のゲート電極21は、第3のドレイン電極32に接続され、第3のゲート電極31は、第1のゲート電極11接続され、第3のソース電極33は、第2のドレイン電極23とともにグランドに接続されている。図4に示すように、圧電センサー101では、一例として、第1の薄膜トランジスタ50と第2の薄膜トランジスタ51と第3の薄膜トランジスタ52との間で、ゲート絶縁層2および層間絶縁層3をそれぞれ共有している。
本発明の実施の形態に係る圧電センサー100、101では、外部からの刺激により圧電体層4の圧電体が圧電効果により発する電荷によって、第1の薄膜トランジスタ50の素子特性に変化が生じ、第1の薄膜トランジスタ50に流れるドレイン電流に変化が生じる。そして、第1の薄膜トランジスタ50と接続した第2の薄膜トランジスタ51によって第1の薄膜トランジスタ50のドレイン電流値を電圧値に変換する。その結果、第1の薄膜トランジスタ50を用いて検知した外部刺激を電圧値として検出することができる。
また、圧電体層4の圧電体を、有機強誘電体材料を含む材料を用いて形成することにより、可撓性を有する圧電センサーとして用いることが可能となる。
また、圧電センサー100、101をマトリックス状に並べて後述する圧電センサーアレイ200として形成することにより、圧電体層4の任意の面における外部刺激の発生位置を検知することが可能となる。特に圧電センサーアレイ200は、薄膜トランジスタを用いて形成することにより、隣接する画素(圧電センサー)におけるクロストークの影響が無く、与えられた外部刺激を正確に反映することが可能となる。
本発明の圧電センサー100、101には、図1および図3に示すように、絶縁性の基板1上に薄膜トランジスタ50〜52が形成される。圧電センサー100と圧電センサー101との相違点は、第3の薄膜トランジスタ52を有するかの違いである。
以下、圧電センサー100、101の各構成要素について、圧電センサー100の製造方法を例にして説明する。
初めに、基板1を準備する。基板1の材料としては、ポリカーボネート、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリビニルフルオライドフィルム、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂、耐候性ポリエチレンテレフタレート、耐候性ポリプロピレン、ガラス繊維強化アクリル樹脂フィルム、ガラス繊維強化ポリカーボネート、ポリイミド、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ガラス、石英ガラスなどを使用することができる。基板1の材料は、これらに限定されるものではないが、可撓性を有することが好ましい。また、これらは単独で使用してもよいが、2種以上を積層した複合材料として使用することもできる。
基板1が有機物フィルムである場合は、圧電センサーの耐久性を向上させるために透明のガスバリア層(図示せず)を形成することもできる。ガスバリア層の材料としては酸化アルミニウム(Al)、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)、酸化窒化珪素(SiON)、炭化珪素(SiC)およびダイヤモンドライクカーボン(DLC)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、これらのガスバリア層は2層以上積層して使用することもできる。ガスバリア層は有機物フィルムを用いた基板1の片面だけに形成してもよいし、両面に形成しても構わない。ガスバリア層は真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、ホットワイヤーCVD法およびゾル−ゲル法などを用いて形成することができるが本発明ではこれらに限定されるものではない。また、基板1上に接して形成される第1のゲート電極11、第2のゲート電極21および、ゲート絶縁層2との密着性を向上させるために、基板1上に高密着層を設けたり、プラズマ処理やコロナ処理を施したりすることも可能である。
次に、基板1上に、第1のゲート電極11を形成する。第1のゲート電極11の材料には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などの金属材料や、酸化インジウム(InO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などの導電性金属酸化物材料を用いることができるが、これらに限定されるものではない。これらの材料は単層で用いても構わないし、積層および合金として用いても構わない。
第1のゲート電極11の形成には、真空蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法や、導電性材料の前駆体などを使用するゾル−ゲル法やナノ粒子を使用する方法、それらをインク化して、スクリーン印刷、凸版印刷、インクジェット法などのウェット成膜法で形成する方法などが使用できるが、これらに限定されず、公知一般の方法を用いることができる。
また、第2のゲート電極21については、第1のゲート電極11と異なる材料およびプロセスを用いて形成しても良いが、作製プロセスの簡便のために、第1のゲート電極11と第2のゲート電極21は同じ材料を用いて、同じプロセスで同時に形成することが好ましい。
次に第1のゲート電極11および第2のゲート電極21上に、ゲート絶縁層2を形成する。ゲート絶縁層2は、第1のゲート電極11および第2のゲート電極21と、他の電極とを電気的に絶縁するために、少なくともそれぞれのゲート電極11、21上に設けられるが、外部およびその他の電極との接続に使用される部分を除いては、基板1上の全面に設けても良い。
ゲート絶縁層2の材料には、酸化珪素(SiOx)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化イットリウム(YOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化ハフニウム(HfOx)などの酸化物系絶縁材料や窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiON)や、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリアクリレート、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)などの有機系絶縁材料などを使用することができるが、これらに限定されるものではない。これらは単層または2層以上積層してもよいし、無機系−有機系のハイブリッド薄膜としても良いし、成長方向に向けて組成を傾斜したものでも構わない。また、ゲート絶縁層2の表面に自己組織化単分子膜などによる表面処理を施し、ゲート絶縁層2の表面エネルギーを制御することもできる。
ゲート絶縁層2は、薄膜トランジスタ50、51におけるリーク電流を抑えるために、その抵抗率が1011Ωcm以上、より好ましくは1014Ωcm以上であることが望ましい。
次に、ゲート絶縁層2上に、第1のソース電極12、第1のドレイン電極13、第2のソース電極22および第2のドレイン電極23を形成する。第1のソース電極12および第1のドレイン電極13は、互いに離間して形成されており、第2のソース電極22および第2のドレイン電極23も同様である。ソース電極12、22とドレイン電極13、23は、それぞれ別の工程および別の材料で形成しても良いが、同時に形成することが好ましい。
ソース電極12、22およびドレイン電極13、23は、第1のゲート電極11および第2のゲート電極21と同様の材料を用いて同様の方法を使用して形成することができる。また、第1の半導体層14あるいは第2の半導体層24に、有機半導体材料を用いる場合には、第1の半導体層14および第2の半導体層24とソース電極12、22およびドレイン電極13、23の接触抵抗を鑑みて、その仕事関数が半導体層14、24のHOMOレベルと同程度であることが好ましい。なおソース電極12、22およびドレイン電極13、23の仕事関数は表面処理などを利用して適宜調整することが可能である。
ソース電極12、22およびドレイン電極13、23の仕事関数の測定については、紫外光電子分光法(UPS)や大気中光電子分光法など公知一般の方法を用いることが可能であるが、本発明の実施の形態にかかるパターニング済のソース電極12、22およびドレイン電極13、33はパターンサイズが小さく、仕事関数を直接測定することが困難な場合があるため、その際は別途同様の構成を有する測定用基板を用いて測定を実施し、その代替とすることができる。
本発明の圧電センサー100では、第1のドレイン電極13と第2のソース電極22とが接続されており、これらの電極の電位を出力電圧として検出する構成となっている。
また、第2のドレイン電極23は第2のゲート電極21と接続されるように形成され、これらの電極はグランドに接続される。このように、第2のゲート電極21および第2のドレイン電極23の電位を常に一定に保つことで、第2の薄膜トランジスタ51の特性が安定し、第1の薄膜トランジスタ50の電流値を安定して電圧値に変換することが可能となる。なお、第2のゲート電極21および第2のドレイン電極23の電位は一定であればグランドに接続されていなくてもよい。例えば、半導体層14、24をp型半導体として第2のゲート電極21および第2のドレイン電極23の電位を第1のソース電極12の電位よりも大きい電位で一定としてもよいし、半導体層14、24をn型半導体として第2のゲート電極21および第2のドレイン電極23の電位を第1のソース電極12の電位よりも小さい電位で一定としてもよい。
次に、第1のソース電極12と第1のドレイン電極13、および第2のソース電極22と第2のドレイン電極23をそれぞれ接続するように、第1の半導体層14および第2の半導体層24が形成される。一般に、ソース電極およびドレイン電極を半導体層で接続し、薄膜トランジスタとして機能させる場合、半導体層のソース電極とドレイン電極とで挟まれた領域をチャンネル領域と呼称するため、本発明においてもこのような名称を使用することがある。
第1の半導体層14および第2の半導体層24の材料としては、有機半導体材料、例えばペンタセン、およびそれらの誘導体のような低分子半導体やポリチオフェン、ポリアリルアミン、フルオレンビチオフェン共重合体、およびそれらの誘導体のような高分子有機半導体材料や、金属酸化物を主成分とする酸化物半導体材料、例えば、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、及びガリウム(Ga)のうち1種類以上の元素を含む酸化物である酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(InO)、酸化インジウム亜鉛(In−Zn−O)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)、及び酸化亜鉛インジウムガリウム(In−Ga−Zn−O)などが挙げられる。これらの材料の構造は単結晶、多結晶、微結晶、結晶とアモルファスの混晶、ナノ結晶散在アモルファス、アモルファスのいずれであっても構わない。
半導体層14、24の材料として有機半導体材料を用いる場合は、有機半導体材料を溶解または分散させた溶液をインクとして用いる凸版印刷、スクリーン印刷、インクジェット法、ノズルプリンティングなどのウェット成膜方法で形成することもできるし、有機半導体材料の粉末や結晶を真空状態で蒸着する方法などで形成することもできる。また、半導体材料として酸化物半導体材料を用いる場合は、CVD法、スパッタリング法、パルスレーザー堆積法、真空蒸着法などの真空成膜法や、有機金属化合物を前駆体とするゾル−ゲル法や化学浴堆積法、また、金属酸化物の微結晶およびナノ結晶を分散させた溶液を塗布する方法等のウェット成膜法を用いることができるが、半導体層14、24の形成方法は、これらに限定されるものではなく、公知一般の方法を使用することも可能である。
また、第1の半導体層14および第2の半導体層24は、同一の半導体材料を用いて形成しても良いし、異なる半導体材料を用いて形成しても良い。
半導体層14、24に用いる半導体材料については、有機半導体材料は可撓性が高いため、本発明の圧電センサーが可撓性を有する場合に好適に用いられる。
また、半導体層14、24に、酸化物半導体材料を用いる場合は、その高い特性により、有機半導体材料を使用する場合と比べて薄膜トランジスタ50、51のサイズを小さくすることが可能となる。したがって、酸化物半導体材料は可撓性の面においては、有機半導体材料と比較して劣るものの、薄膜トランジスタ50および51のチャネルサイズを小さくすることで、歪みの影響を低減できる。よって有機半導体材料を用いた場合と同様に可撓性を有する圧電センサー100、101の半導体材料として使用することも可能である。
なお、上記で述べた薄膜トランジスタ50、51の構造は、半導体層14、24に対してソース電極12、22およびドレイン電極13、23が下側(基板1側)に位置するボトムコンタクト構造であるが、本発明においては、半導体層14、24に対してソース電極12、22およびドレイン電極13、23が上側(圧電体層4側)に位置するトップコンタクト構造も好適に用いることが可能である。ボトムコンタクト構造およびトップコンタクト構造の選択については、半導体層14、24、ソース電極12、22、およびドレイン電極13、23の材料の種類やそのプロセス適性や半導体材料および電極材料の組み合わせなどによって選択することが可能である。
さらに薄膜トランジスタ50、51の素子特性を外界の影響から保護し良好に保つために、一例として、第1の半導体層14および第2の半導体層24上にそれぞれ、半導体保護層16および半導体保護層26を形成することができる。
半導体保護層16、26は、薄膜トランジスタ50、51の動作に影響を及ぼさないようゲート絶縁層2に用いたような絶縁性の材料を用いて形成することが好ましい。具体的には、その抵抗率が1011Ωcm以上、より好ましくは1014Ωcm以上であることが望ましい。
さらに、ソース電極12、22、ドレイン電極13、23、半導体層14、24および半導体保護層16、26上には、層間絶縁層3が形成される。層間絶縁層3は後に設けるセンサー電極15とソース電極12、22およびドレイン電極13、23との絶縁を目的として形成される。したがって、その抵抗率は、1011Ωcm以上、より好ましくは1014Ωcm以上であることが望ましい。
なお、特に図示はしないが、各々の電極と外部との接続端子部分およびその他接続が必要な個所については、層間絶縁層3にスルーホールを設けて導通を取ることが可能である。
圧電体層4の電荷の状態変化の影響を第1の半導体層14に及ぼすためのセンサー電極15は層間絶縁層3上であって半導体層14のチャンネル領域に重畳する領域に形成される。センサー電極15はゲート電極11、21、ソース電極12、22、ドレイン電極13、23と同様の材料および形成方法によって形成することもできるが、導電性を有する粘着剤を用いて形成することで圧電材料からなる圧電体層4の固定と電気的な接続とを兼ねても良い。
センサー電極15の電位は、圧電体層4への外部刺激によって変化するが、電荷の蓄積を開放するためにセンサー電極15をグランドに接続するためのスイッチング素子となる追加の薄膜トランジスタを設けても良いし、外部に電荷の蓄積を開放するための回路を形成して接続しても良い。
本発明の圧電センサー100における圧電体層4は、圧電効果を示す圧電体材料が好適に用いられる。その材料には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリフッ化ビニリデントリフルオロエチレン共重合体(P(VDF−TrFE))、ポリ乳酸、ポリアミノ酸などの圧電性有機高分子材料やチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム(BTO)、チタン酸鉛(PTO)などの圧電セラミックス材料、さらにこれらの圧電セラミックスの微粒子を有機高分子材料などに分散させたものや、多孔質ポリプロピレンやフッ素樹脂に電荷をトラップさせた有機エレクトレット材料などを用いて形成することができるが、これらに限定されるものではない。
特に本発明の圧電センサー100を、可撓性を有するセンサー素子として利用する際には、圧電体層4の材料に可撓性の高い圧電性有機高分子材料や、圧電セラミックスを有機材料に分散させたもの、または有機エレクトレット材料などが好適に用いられる。
圧電体層4の形成には、圧電性有機高分子材料やエレクトレット材料のもととなる有機高分子材料を溶媒に溶解させたインクや圧電セラミックスの微粒子を分散させたインクなどを塗布して形成しても良いし、圧電高分子材料やエレクトレット材料を押出法や延伸法によりフィルム化したものを、薄膜トランジスタを形成した基板に貼り合わせて形成することもできる。延伸法については、一軸延伸法により分子鎖を配向制御させたものも好適に用いられる。また、圧電セラミックス材料については、スパッタリング法のような真空成膜法やゾル−ゲル法などのウェット成膜法により形成することが可能であるが、この限りではない。
圧電体層4の膜厚については特に指定は無いが、圧電性有機高分子材料をインクとして塗布する場合は、2μm〜40μm程度の膜厚で成膜することが好ましい。また、圧電セラミックス材料を用いる場合は、100nm〜5μm程度が好ましい。
圧電体層4は分極処理を行うことにより、圧電性を付与することができる。分極処理の方法については、圧電体材料に電界を印加する方法や、エレクトレット材料の場合はコロナ処理などにより、電荷をトラップさせる方法などを用いることができる。しかしながら、薄膜トランジスタ50、51上に圧電体層4の材料を形成した後に分極処理を行う場合は、薄膜トランジスタ50、51に大きな電圧が印加されるため、薄膜トランジスタ50、51が壊れないよう、各電極の電位を適宜調整するなどの対策を実施する必要がある。したがって、あらかじめ分極処理を施したフィルム状の圧電体層を用意し、薄膜トランジスタ50、51に貼り合わせる方法が好適に用いられる。
なお、圧電体層4の分極処理方法としては、2つの電極に挟まれた圧電体材料に100V/μm程度の電界を印加することで、行うことが可能である。また電界は直流電源を用いて実施しても良いし、交流電源を用いても良い。
分極処理の確認方法としては、ソーヤ・タワー回路を用いて、2つの電極に挟まれた圧電体材料に電界を印加し、ヒステリシス曲線を観察することで、抗電界(EC)および残留分極(Pr)を測定することが可能である。また、ヒステリシス曲線は、分極処理と同時に測定することも可能である。
圧電体層4上には、共通電極5が形成される。共通電極5の材料には、前述したようなゲート電極11、21、ソース電極12、22、ドレイン電極13、23と同様の材料および形成方法を用いることができる。また、圧電体層4の材料として圧電体フィルムを用いる場合は、圧電体層4にあらかじめ共通電極5を形成してから、薄膜トランジスタ50、51の形成された基板1と貼合することもできる。
本発明の圧電センサー100の共通電極5は、第2のゲート電極21および第2のドレイン電極23と同様にグランドに接続していても良いし、任意に一定の電圧を印加しても良いし、圧電センサー100の動作に応じた電圧を印加しても良い。
さらに、圧電体層4および共通電極5を形成した圧電センサー100を外部の影響から保護するために、その端部を、封止剤を用いて封止しても良いし、その片面もしくは両面を、バリアフィルムを貼り付けて保護することができる。
また、本発明の圧電センサー101を形成する場合は、本発明の圧電センサー100に第3の薄膜トランジスタ52が追加される。第3の薄膜トランジスタ52は、第3のゲート電極31、第3のドレイン電極32および第3のソース電極33を少なくとも有している。
圧電センサー101においては、第2のゲート電極21は第3のドレイン電極32に接続され、第2のドレイン電極23および第3のソース電極33はグランドに接続される。また、第3のゲート電極31は、第1の薄膜トランジスタ50の第1のゲート電極11に接続されており、第1の薄膜トランジスタ50がオン状態となる際に第3の薄膜トランジスタ52もオン状態となり、第2の薄膜トランジスタ51が第1の薄膜トランジスタ50の電流―電圧変換素子として働くよう制御することが可能となる。したがって、第1の薄膜トランジスタ50がオフ状態の場合は、第3の薄膜トランジスタ52もオフ状態となり、第2の薄膜トランジスタ51も電流―電圧変換素子としての機能がオフ状態となる。なお、圧電センサー101においても、第2のドレイン電極23および第3のソース電極33の電位を一定にできれば、これらはグランドに接続されていなくてもよい。具体的には、半導体層14、24、24をp型半導体として第2のドレイン電極23および第3のソース電極33の電位を第1のソース電極12の電位よりも大きい電位で一定としてもよいし、半導体層14、24、24をn型半導体として第2のドレイン電極23および第3のソース電極33の電位を第1のソース電極12の電位よりも小さい電位で一定としてもよい。
したがって、圧電センサー101のような構成は、マトリックス状に多数並べて圧電センサーアレイとした際に、出力線を共有する同列の画素の影響を低減することが可能であり、特に面状のアレイ構成で好適に用いることができる。
本発明の圧電センサー100および圧電センサー101は、マトリックス状に配列し、接続することにより、圧電センサー100および圧電センサー101を画素とした、圧電センサーアレイとして用いることができる。図5は、本発明の実施の形態に係る圧電センサーアレイ200の概略回路図である。圧電センサーアレイ200は、一例として圧電センサー101をマトリックス状に配列して形成されているが、圧電センサー100でも同様に形成することができる。圧電センサーアレイの画素となる圧電センサー100および圧電センサー101を接続する配線としては、少なくとも複数の走査線41、複数の信号線42、複数の出力線43、および複数の共通線44を用いることができる。
本発明の圧電センサーアレイ200の複数の走査線41はそれぞれ、第1の薄膜トランジスタ50のゲート電極11および第3のゲート電極31に接続することができる。走査線41は、圧電センサーアレイ200の横方向(各圧電センサー101において第1の薄膜トランジスタ50と第3の薄膜トランジスタ52とが並ぶ方向)に沿って並ぶ画素で共有して使用することが可能である。
また、本発明の圧電センサーアレイ200の複数の信号線42はそれぞれ、第1のソース電極12に接続され、信号線42により第1のソース電極12に電圧を供給することができる。本発明における圧電センサーアレイ200の信号線42は走査線41に対して直交する方向(縦方向)に形成され、それぞれ縦方向に沿って並ぶ画素と共有することが好ましいが、この限りではない。
また、本発明の圧電センサーアレイ200においては、複数の信号線42を用いてすべての画素に同一の電圧を同時に印加することが可能である。これにより信号線42をライン毎に個別に選択する必要がなくなり、圧電センサーアレイ200駆動時に信号線42を選択するためのドライバーが不要となる。
本発明の圧電センサーアレイ200における、複数の出力線43はそれぞれ、第1のドレイン電極13および第2のソース電極22に接続され、信号線42に対して平行に形成され、それぞれ縦方向に沿って並ぶ画素で共有することが好ましいが、この限りではない。
本発明の圧電センサーアレイ200における複数の共通線44はそれぞれ、第2のドレイン電極23と接続することができる。共通線44は、走査線41に対して平行に形成され、圧電センサーアレイ200の横方向に沿って並ぶ画素と共有することが好ましい。また、共通線44は圧電センサーアレイ200の面内において、同一の電圧であることが好ましく、圧電体層4に接続される共通電極5(図5ではVcomで示した)に接続してもよいし、グランドに接続してもよい。
(実施例1)
実施例1として、図1および図2に示す圧電センサー100を作製した。
本発明の圧電センサー100を作製するために、絶縁性の基板1上に第1の薄膜トランジスタ50および第2の薄膜トランジスタ51を作製した。絶縁性の基板1としてポリイミドを用いた。具体的には、0.7mmの無アルカリガラスを支持基材として、ポリイミドワニスを塗布し、乾燥、焼成を行い、支持基板上にポリイミドからなる基板1を形成した。基板1の膜厚は20μmとした。
基板1上に、DCマグネトロンスパッタ法を用いてアルミニウム−ネオジウム(2at%)合金(Al−Nd)を100nmの膜厚で成膜し、フォトリソグラフィ法により所望の形状にパターニングを行った。具体的には、成膜したAl−Nd合金に感光性ポジ型フォトレジストを塗布後、マスク露光、アルカリ現像液による現像を行い、所望の形状のレジストパターンを形成した。さらにエッチング液によりエッチングを行い、不要なAl−Nd合金を溶解させた。その後、レジスト剥離液によりフォトレジストを除去し、所望の形状の第1のゲート電極11および第2のゲート電極21を形成した(以下、このようなパターニング方法をフォトリソグラフィ法として省略する)。
第1のゲート電極11および第2のゲート電極21を形成した基板1上に、スリットコート法を用いて光硬化性アクリル樹脂を塗布し、マスク露光、アルカリ現像液による現像を行い、その後150℃で焼成し、ゲート絶縁層2を形成した。焼成後におけるゲート絶縁層の膜厚は、1μmとした。
ゲート絶縁層2を形成した基板に、インクジェット法により、Agナノ粒子インクを所望の形状になるよう滴下し、150℃で焼成し、第1のソース電極12、第1のドレイン電極13、第2のソース電極22および第2のドレイン電極23を形成した。これらの膜厚は約100nmである。
その後、第1のソース電極12および第1のドレイン電極13、第2のソース電極22および第2のドレイン電極23を形成した基板を濃度1mmol/Lに調整したペンタフルオロベンゼンチオールのイソプロピルアルコール(IPA)溶液に浸漬した後、IPAで洗浄し、第1のソース電極12、第1のドレイン電極13、第2のソース電極22および第2のドレイン電極23上に自己集積化膜による表面処理を行った。
続いて、有機半導体材料として6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン(TIPS−ペンタセン)を0.1重量%濃度で溶解させたメシチレン溶液をインクジェット法により塗布、パターニングし、第1の半導体層14および第2の半導体層24を形成した。
さらに、第1の半導体層14および第2の半導体層24を覆うように、フッ素樹脂材料Cytop(AGC製)を塗布し、半導体保護層16および26を形成した。
その後、感光性アクリル樹脂を用いてゲート絶縁層2と同様に層間絶縁層3を形成した。層間絶縁層3の膜厚は3μmとした。次に、センサー電極15として、スクリーン印刷法によって、導電性粘着剤を印刷した。
圧電体層4には、分極処理済のポリフッ化ビニリデントリフルオロエチレン共重合体(P(VDF)−TrFE)の膜厚20μmのフィルムを用いた。圧電体層4には薄膜トランジスタ50、51と貼合する前に、センサー電極15と接続される反対側の面に共通電極5をAl−Ndを、マスクを用いてスパッタ法により形成した。
そして、共通電極5の形成された圧電体層4のフィルムを、センサー電極15として導電性粘着剤の形成されている薄膜トランジスタ50、51に貼合し、本発明の実施の形態に係る圧電センサー100を形成した。
(実施例2)
実施例2として、図3および図4に示す圧電センサー101を作製した。
本発明の圧電センサー101を作製するために、絶縁性の基板1上に、第1の薄膜トランジスタ50、第2の薄膜トランジスタ51、および第3の薄膜トランジスタ52を作製した。絶縁性の基板1としてポリイミドを用いた。具体的には、0.7mmの無アルカリガラスを支持基板として、ポリイミドワニスを塗布し、乾燥、焼成を行い、支持基板上にポリイミドからなる基板1を形成した。基板1の膜厚は20μmとした。
基板1上に、DCマグネトロンスパッタ法を用いてアルミニウム−ネオジウム(2at%)合金(Al−Nd)を100nmの膜厚で成膜し、フォトリソグラフィ法により所望の形状にパターニングし、第1のゲート電極11、第2のゲート電極21および第3のゲート電極31を形成した。
第1のゲート電極11、第2のゲート電極21および第3のゲート電極31を形成した基板1上に、スリットコート法を用いて光硬化性アクリル樹脂を塗布し、マスク露光、アルカリ現像液による現像を行い、その後150℃で焼成し、ゲート絶縁層2を形成した。焼成後におけるゲート絶縁層2の膜厚は、1μmとした。
ゲート絶縁層2を形成した基板に、インクジェット法により、Agナノ粒子インクを所望の形状になるよう滴下し、150℃で焼成し、第1のソース電極12、第1のドレイン電極13、第2のソース電極22、第2のドレイン電極23、第3のドレイン電極32、第3のソース電極33を形成した。これらの膜厚は約100nmである。
その後、第1のソース電極12、第1のドレイン電極13、第2のソース電極22、第2のドレイン電極23、第3のドレイン電極32、第3のソース電極33を形成した基板を濃度1mmol/Lに調整したペンタフルオロベンゼンチオールのイソプロピルアルコール(IPA)溶液に浸漬した後、IPAで洗浄し、第1のソース電極12、第1のドレイン電極13、第2のソース電極22、第2のドレイン電極23、第3のドレイン電極32、第3のソース電極33上に自己集積化膜による表面処理を行った。
続いて、有機半導体材料として6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン(TIPS−ペンタセン)を0.1重量%濃度で溶解させたメシチレン溶液をインクジェット法により塗布、パターニングし、第1の半導体層14、第2の半導体層24、および第3の半導体層34を形成した。
さらに、第1の半導体層14、第2の半導体層24、および第3の半導体層34を覆うように、フッ素樹脂材料Cytop(AGC製)を塗布し、半導体保護層16、26、36を形成した。
その後、感光性アクリル樹脂を用いてゲート絶縁層2と同様に層間絶縁層3を形成した後に、センサー電極15として、スクリーン印刷法によって、導電性粘着剤を印刷した。
圧電体層4には、分極処理済の膜厚20μmのポリフッ化ビニリデントリフルオロエチレン共重合体(P(VDF)−TrFE)フィルムを用いた。圧電体層4には薄膜トランジスタ50、51、52と貼合する前に、センサー電極15と接続される反対側の面に共通電極5としてAl−Ndを、マスクを用いたスパッタ法により形成した。
そして、共通電極5の形成された圧電体層4のフィルムを、センサー電極15として導電性粘着剤の形成されている薄膜トランジスタ50、51、52に貼合し、本発明の実施の形態に係る圧電センサー101を形成した。
(実施例3)
実施例3として、図5に示す本発明の圧電センサー101を用いた圧電センサーアレイ200を作製した。
本発明の実施の形態に係る圧電センサーアレイ200の作製方法については、実施例2の圧電センサーと同様の方法で作製した。
圧電センサーアレイ200は本発明の圧電センサー101を画素としてマトリックス状に並べたものである。画素における電極の接続は、第1のゲート電極11および第3のゲート電極31は走査線41に接続されており、それぞれ横方向に沿って並ぶ画素と走査線41を共有するように作製した。
さらに第2のドレイン電極23は、第3のソース電極33と接続され、横方向に沿って並ぶ画素と共通の配線である共通線44により、グランドに接続した。なお、本実施例では、第2のドレイン電極23と第3のソース電極33を接続する共通線44を横方向に沿って形成したが、これに限る物ではなく、縦方向に沿って形成しても良いし、圧電センサーアレイ200の電極配線パターン配置の都合により適宜選択することが可能である。
また、第1のドレイン電極13と第2のソース電極22とは出力線43に接続され、縦方向に沿って並ぶ画素と出力線43を共有するように作製した。第1のソース電極12は、信号線42に接続され、縦方向に沿って並ぶ画素と信号線42を共有するように作製した。なお、本実施例において複数の信号線42のそれぞれは端部において、各列の他の信号線42に接続し、全部の画素の第1のソース電極12に同じ電位が印加されるようにした。
本発明の実施例に係る圧電センサー100および圧電センサー101の動作を確認するために、第1のゲート電極11に−3Vを印加し、第1のソース電極12に−5Vを印加し、第2のドレイン電極23および共通電極5をグランドに接続した状態で、圧電体層4に荷重を加えて、第1のドレイン電極13および第2のソース電極22の電圧を測定することで、圧力によるセンサーの反応を確認した。圧電体層4への荷重はフォースゲージ(ZTS−500N,イマダ製)を用いて実施し、荷重により圧電体層4に掛かる圧力が約250kPaから約1000kPaの間で確認を行った。
さらに本発明の実施例に係る圧電センサーアレイ200においては、走査線41の選択時は−3V、走査線41の非選択時には+5Vを印加し、信号線42には−5Vを印加した、また共通電極5および第2のドレイン電極23の接続されている共通線44はグランドに接続し、走査線41の選択/非選択のタイミングと出力線43の電位を観察することで、圧電センサーアレイ200の動作の確認をおこなった。
図6は実施例1、2に係る圧電センサー100、101に荷重を加えた際の電圧値を示すものであり、荷重により出力される電圧値が変化しており、フォースゲージで印加した圧力を忠実に電圧値として再現していることがわかる。また、圧電センサーアレイ200についても、同様に圧力の印加により電圧値の出力が確認され、本発明の圧電センサー100、101および圧電センサーアレイ200が圧力センサーとして使用可能であることが示された。
さらに、本発明の圧電センサー100、101および圧電センサーアレイ200は、可撓性を有しており、センサーの曲げに応じて電圧を出力することが確認された。したがって、本発明の圧電センサー100、101および圧電センサーアレイ200が膜の形状の変位を検出するセンサーとしても利用可能であることが示された。また、温度の変化に対しても反応を示すことが確認された。これは今回圧電体層に用いた有機強誘電体材料が焦電性を有しているためであり、圧電体層4の圧電体として焦電性を有する材料を使用することにより、本発明の圧電センサー100、101および圧電センサーアレイ200を温度センサーとして応用できる可能性もある。さらに、有機強誘電体材料を〜100Hz程度の環境振動に対しても敏感に反応することが知られており、本発明の圧電センサー100、101および圧電センサーアレイ200センサーも振動に対して反応を示すことが確認された。
以上のことから、本発明の圧電センサー100、101は、圧力、曲げ、振動、温度に対して反応し、電圧値を出力する圧電センサーとして用いることが可能であり、本発明の圧電センサー100、101をマトリックス状に配列し、圧電センサーアレイ200とすることで面状の圧電センサーアレイを提供することが可能である。
本発明は、圧力、曲げ、振動、温度を検出するセンサー等に用いることができる。
1 基板
2 ゲート絶縁層
3 層間絶縁層
4 圧電体層
5 共通電極
11 第1のゲート電極
12 第1のソース電極
13 第1のドレイン電極
14 第1の半導体層
15 センサー電極
16 第1の半導体保護層
21 第2のゲート電極
22 第2のソース電極
23 第2のドレイン電極
24 第2の半導体層
26 第2の半導体保護層
31 第3のゲート電極
32 第3のドレイン電極
33 第3のソース電極
34 第3の半導体層
36 第3の半導体保護層
41 走査線
42 信号線
43 出力線
44 共通線
50 第1の薄膜トランジスタ
51 第2の薄膜トランジスタ
52 第3の薄膜トランジスタ

Claims (10)

  1. 絶縁性の基板と、前記基板の上に形成された複数の薄膜トランジスタと、複数の薄膜トランジスタ上に形成された、圧電体を含む圧電体層と、を有する圧電センサーであって、
    前記複数の薄膜トランジスタはいずれも、少なくともゲート電極、ゲート絶縁層、半導体層、ソース電極、ドレイン電極、および層間絶縁層を有しており、
    前記複数の薄膜トランジスタに含まれる第1の薄膜トランジスタの前記半導体層は、前記圧電体層と電気的に接続されるセンサー電極と前記第1の薄膜トランジスタの前記層間絶縁層を介して重畳しており、
    外部からの刺激により前記圧電体層に発生した電荷により、前記第1の薄膜トランジスタの特性を変化させることによって生じた前記第1の薄膜トランジスタの電流値の変化を、前記複数の薄膜トランジスタに含まれる第2の薄膜トランジスタによって電圧値に変換して出力する、圧電センサー。
  2. 前記第1の薄膜トランジスタの前記ドレイン電極が前記第2の薄膜トランジスタの前記ソース電極に接続されている、請求項1に記載の圧電センサー。
  3. 前記第2の薄膜トランジスタの前記ゲート電極と前記ドレイン電極とが接続されている、請求項1または2に記載の圧電センサー。
  4. 前記第2の薄膜トランジスタの前記ゲート電極および前記ドレイン電極がグランドに接続されている、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の圧電センサー。
  5. 前記複数の薄膜トランジスタに含まれる第3の薄膜トランジスタをさらに有しており、
    前記第3の薄膜トランジスタは、
    前記ドレイン電極が前記第2の薄膜トランジスタの前記ゲート電極に接続され、
    前記ソース電極が前記第2の薄膜トランジスタの前記ドレイン電極に接続されている、請求項1または請求項2に記載の圧電センサー。
  6. 前記複数の薄膜トランジスタの前記半導体層がp型半導体であり、前記第2の薄膜トランジスタの前記ドレイン電極の電位が前記第1の薄膜トランジスタの前記ソース電極の電位よりも大きく、かつ一定である、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の圧電センサー。
  7. 前記複数の薄膜トランジスタの前記半導体層がn型半導体であり、前記第2の薄膜トランジスタの前記ドレイン電極の電位が前記第1の薄膜トランジスタの前記ソース電極の電位よりも小さく、かつ一定である、請求項1ないし5のいずれかに記載の圧電センサー。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の圧電センサーをマトリックス状に複数並べた圧電センサーアレイであり、
    配線として少なくとも複数の走査線、複数の信号線、複数の出力線を有しており、
    複数の前記圧電センサーのそれぞれは、
    第1の薄膜トランジスタのゲート電極が前記複数の走査線のいずれかに接続されており、
    第1の方向に沿って並ぶ他の前記圧電センサーと前記複数の走査線のいずれかを共有しており、
    前記第1の薄膜トランジスタのソース電極が前記複数の信号線のいずれかに接続されており、
    前記第1の方向と直行する第2の方向に沿って並ぶ他の前記圧電センサーと前記複数の信号線のいずれかを共有し、
    前記第1の薄膜トランジスタのドレイン電極が前記複数の出力線のいずれかに接続されており、
    前記第2の方向に沿って並ぶ他の前記圧電センサーと前記複数の出力線のいずれかを共有する、圧電センサーアレイ。
  9. 前記複数の信号線ですべての前記圧電センサーに同一の電圧を印加することが可能な、請求項8に記載の圧電センサーアレイ。
  10. 可撓性を有し、圧力、振動、温度、および曲げによる外部刺激の少なくともいずれかに反応して電圧値を出力し、圧電体層の任意の面において前記外部刺激の発生位置を検出することが可能である、請求項8または請求項9に記載の圧電センサーアレイ。
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