JP2021063182A - 高分子化合物、及び該化合物を含む樹脂組成物 - Google Patents

高分子化合物、及び該化合物を含む樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ラジカル開始剤を併用した樹脂組成物の硬化物が低粗度銅箔に対する高い接着性及び優れた誘電特性(低誘電率及び低誘電正接)を発現する高分子化合物を提供すること。【解決手段】(A)スチレンと(B)オキサゾリン基を有する重合性モノマーとの共重合体であって、(A)スチレンと(B)オキサゾリン基を有する重合性モノマーの合計質量に対して1質量%以上5質量%未満の(B)オキサゾリン基を有する重合性モノマーを用いて得られる数平均分子量が2万以上の共重合体と、(C)ラジカル重合性の二重結合及びカルボキシ基を有する化合物との反応物である高分子化合物。【選択図】なし

Description

本発明は、溶液を基材にキャストする方法で容易にフィルム形状にすることができ、ラジカル開始剤と併用することにより硬化反応が可能で、しかもその硬化物は誘電特性、接着性、耐熱性、耐水性に優れる高分子化合物、及び該化合物を含む樹脂組成物に関する。
フェノキシ樹脂は二官能のエポキシ樹脂と二官能のフェノール化合物を重合することにより得られる分子量の非常に大きな高分子化合物である。このフェノキシ樹脂を添加することにより、一般的なエポキシ樹脂組成物やラジカル重合性組成物をフィルム形状にすることができるため、フィルム状接着剤の重要な成分として幅広い分野で使用されている。特に電気・電子分野ではプリント配線基板の層間絶縁層や樹脂付き銅箔などに用いられている。しかしながらフェノキシ樹脂を添加した樹脂組成物の硬化物は接着性には優れるものの耐熱性が低く、しかも誘電率・誘電正接が高いため(周波数1GHzで誘電率3.5、誘電正接0.03程度である。)、近年の信号応答速度が高速化した電子機器用途には使用できないのが実情である。低誘電率や低誘電正接等の誘電特性に優れた樹脂としてはポリテトラフルオロエタン(PTFE)などの高分子フッ素化合物(特許文献1)や液晶ポリマー(特許文献2)が一般に知られているが、これらの樹脂は他の樹脂との相溶性が極めて低く、しかも接着性が低いという問題がある。
特許文献3には、スチレンとオキサゾリン基を有するモノマーとの共重合体に、メタクリル酸或いはアクリル酸を反応させることにより得られる高分子化合物が記載されている。しかしながら、同文献の高分子化合物の数平均分子量は2万以下に限定されており、本発明者が追試したところ、実施例に相当する官能基割合と平均分子量の高分子化合物は高周波回路基板用途向けとしては誘電特性が不充分であり、しかも低粗度銅箔への接着性も低いことが判明した。
特開2005−001274号公報 特開2014−060449号公報 米国特許3928499号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、ラジカル開始剤を併用した樹脂組成物の硬化物が低粗度銅箔に対する高い接着性及び優れた誘電特性(低誘電率及び低誘電正接)を発現する高分子化合物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、スチレンとオキサゾリン基を有する重合性モノマーとを特定の割合で共重合させることにより得られる特定の分子量を有する共重合体に、ラジカル重合性の二重結合及びカルボキシ基を有する化合物を反応させることにより得られる高分子化合物が上記の要求を満たすものであることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、
(1)(A)スチレンと(B)オキサゾリン基を有する重合性モノマーとの共重合体であって、(A)スチレンと(B)オキサゾリン基を有する重合性モノマーの合計質量に対して1質量%以上5質量%未満の(B)オキサゾリン基を有する重合性モノマーを用いて得られる数平均分子量が2万以上の共重合体と、(C)ラジカル重合性の二重結合及びカルボキシ基を有する化合物との反応物である高分子化合物、
(2)下記式(1)
Figure 2021063182
(式中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rが複数存在する場合、それぞれのRは互いに同じでも異なってもよい。Xは(C)ラジカル重合性の二重結合及びカルボキシ基を有する化合物のカルボキシ基から水素原子を除いた残基を表し、Xが複数存在する場合、それぞれのXは互いに同じでも異なってもよい。m及びnは繰り返し単位数の平均値であって、それぞれ独立に1乃至2,000の範囲にあり、かつ0.01≦n/(n+m)≦0.05の関係を満たす実数を表す。)で表される構造を有する前項(1)に記載の高分子化合物、
(3)式(1)のXが、それぞれ独立にメタクリル酸、アクリル酸、ペンテン酸又はビニル安息香酸からカルボキシ基を除いた残基である前項(2)に記載の高分子化合物、
(4)前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の高分子化合物、及びラジカル開始剤を含む樹脂組成物、
(5)更に、複数の官能基を有するラジカル反応性モノマーを含む前項(4)に記載の樹脂組成物、
(6)複数の官能基を有するラジカル反応性モノマーが、複数の官能基を有するマレイミド化合物である前項(5)に記載の樹脂組成物、
(7)前項(4)乃至(6)のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなるフィルム状接着剤、及び
(8)前項(4)乃至(6)のいずれか一項に記載の樹脂組成物、又は前項(7)に記載のフィルム状接着剤の硬化物、
に関する。
本発明の高分子化合物及びそれを含む樹脂組成物は、ラジカル開始剤を併用し熱或いは光のエネルギーを加えることにより硬化物とすることが可能で、該樹脂組成物の硬化物は誘電特性、接着性、耐熱性及び耐水性に優れる高分子化合物を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本発明の高分子化合物は、(A)スチレン(以下、単に「(A)成分」と記載する)と(B)オキサゾリン基を有する重合性モノマー(以下、単に「(B)成分」と記載する)との共重合体であって、特定の質量比の(A)成分と(B)成分との共重合反応によって得られ、かつ特定の数平均分子量を有する共重合体と、(C)ラジカル重合性の二重結合及びカルボキシ基を有する化合物(以下、単に「(C)成分」と記載する)との反応物である。
共重合体の原料である(B)成分の具体例としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサゾリン及び2−プロペニル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサゾリン等が挙げられ、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが好ましい。
共重合体を合成する際は(A)成分と(B)成分の合計質量に対して1質量%以上5質量%未満の(B)成分を用いることが好ましい。共重合体中の(B)成分由来のユニットの量を前記の範囲とすることにより、共重合体に(C)成分を反応させて得られる本発明の高分子化合物を含む樹脂組成物の硬化物は優れた誘電特性及び低粗度銅箔に対する高い接着性を発現する。
共重合体の合成((A)成分と(B)成分の共重合反応)は、ラジカル重合やアニオン重合等、一般的なポリスチレンの合成方法に準じて行えばよい。
共重合体の数平均分子量は通常20,000乃至300,000、好ましくは30,000乃至200,000である。
尚、本発明における数平均分子量は、ゲルパーミネイションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果に基づいて、ポリスチレン換算で算出した値を意味する。
本発明の高分子化合物の原料である共重合体としては、下記式(2)で表される構造を有する共重合体が好ましい。
Figure 2021063182
式(2)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rが複数存在する場合、それぞれのRは互いに同じでも異なってもよい。m及びnは繰り返し単位数の平均値であって、それぞれ独立に1乃至2,000の範囲にあり、かつ0.01≦n/(n+m)≦0.05の関係を満たす実数を表す。
尚、式(2)は繰り返し単位数の平均値を用いて表したものであり、共重合体は(A)成分と(B)成分がランダム共重合した構造を有するものである。
共重合体は前記の方法で合成することが出来るが、市販品を用いることも出来る。例えば前記式(2)で表される構造を有する共重合体の市販品としては、下記式(3)で表される構造を有する株式会社日本触媒製のエポクロスRPS−1005(重量平均分子量160,000、式(3)におけるm≒654、n≒19)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。エポクロスRPS−1005中のオキサゾリン基を有する重合性モノマーユニットの割合は2.8質量%である。
尚、式(3)は繰り返し単位数の平均値(式中、m及びnで表記)を用いて表したものであり、式(3)で表される構造を有する共重合体は(A)成分と(B)成分がランダム共重合した構造を有するものである。
Figure 2021063182
前記で得られた共重合体と反応させる(C)成分の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ペンテン酸及びビニル安息香酸等が挙げられ、メタクリル酸又はアクリル酸が好ましい。
本発明の高分子化合物を合成する際の共重合体と(C)成分の使用量は特に限定されないが、共重合体中のオキサゾリン基に対して当量以下の(C)成分を用いることが好ましい。共重合体中のオキサゾリン基に対して過剰なモル数の(C)成分を用いた場合、合成後の高分子化合物中に残存する未反応の(C)成分の影響で、樹脂組成物の硬化物の誘電特性や耐熱性が低下する可能性がある。
共重合体に対する(C)成分の使用量は、オキサゾリン基に対して0.7乃至1当量が好ましく、0.8乃至1当量がより好ましく、0.9乃至1当量が更に好ましい。
次に本発明の高分子化合物の製造方法(共重合体と(C)成分の反応)について説明する。
本発明の高分子化合物は、上記した所定量の共重合体と(C)成分を反応器に仕込み、溶剤を加えて均一に溶解した後に、昇温して共重合体の有するオキサゾリン基と(C)成分の有するカルボキシ基を反応させることにより得ることができる。溶剤の種類としては、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド等が挙げられ、これらの混合溶剤でも構わないが、特に沸点が低く乾燥しやすいトルエンが特に好ましい。反応温度は通常50乃至150℃であり、好ましくは60乃至140℃である。反応時間は好ましくは1乃至30時間である。反応には触媒を加える必要はない。反応後、加熱減圧下で溶剤を留去し固形樹脂として取り出してもよいし、溶剤はそのまま残して樹脂ワニスとして使用してもよい。
また、反応の際の分子中の二重結合間の重合反応を防ぐために、重合禁止剤を反応前に少量加えておくことが好ましい。重合禁止剤の具体例としては、パラメトキシフェノール、メチルハイドロキノン等が挙げられる。
こうして得られた本発明の高分子化合物の数平均分子量は好ましくは20,000乃至300,000、より好ましくは35,000乃至200,000である。前記の範囲よりも数平均分子量が小さい場合は低粗度銅箔に対する接着性が低くなり、大きい場合は粘度が高くなり塗工等が困難となることがある。
本発明の高分子化合物としては、下記式(1)で表される構造を有する高分子化合物が好ましい。
Figure 2021063182
式中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rが複数存在する場合、それぞれのRは互いに同じでも異なってもよい。Xは(C)成分のカルボキシ基から水素原子を除いた残基を表し、Xが複数存在する場合、それぞれのXは互いに同じでも異なってもよい。m及びnは繰り返し単位数の平均値であって、それぞれ独立に1乃至2,000の範囲にあり、かつ0.01≦n/(n+m)≦0.05の関係を満たす実数を表す。
尚、式(1)は繰り返し単位数の平均値を用いて表したものであり、本発明の高分子化合物は(A)成分と(B)成分のランダム共重合体中のオキサゾリン基が(C)成分と反応した構造を有するものである。
本発明の樹脂組成物は、本発明の高分子化合物及びラジカル開始剤を含有する。
ラジカル開始剤の代表例としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。
本発明の樹脂組成物におけるラジカル開始剤の含有量は、本発明の高分子化合物及び後述する反応性モノマー等の樹脂成分合計100質量部を基準として、0.1乃至10質量部が好ましく、0.1乃至8質量部がより好ましい。
本発明の樹脂組成物には、有機溶剤を併用してもよい。有機溶剤の具体例としては、トルエン及びキシレン等の芳香族系溶剤、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート及びプロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン及びシクロヘキサノン等のケトン系溶剤、γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトン等のラクトン類、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド及びN,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤、テトラメチレンスルフォン等のスルフォン類、等が挙げられる。本発明の樹脂組成物における有機溶剤の含有量は、樹脂組成物中に通常90質量%以下、好ましくは30乃至80質量%である。
本発明の樹脂組成物には、保存安定性を向上させるために重合禁止剤を併用してもよい。重合禁止剤は一般に公知のものが使用でき、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、クロラニル、トリメチルキノン等のキノン類および芳香族ジオール類、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、耐熱性などを向上させるために2官能以上のラジカル反応性モノマーを併用することが好ましい。ラジカル反応性モノマーの有する反応性基としては、例えばアクリレート基、メタクリレート基、シアネート基、イソシアネート基、ビニル基及びマレイミド基等が挙げられるが、アクリレート基、メタクリレート基又はイソシアネート基を有するラジカル反応性モノマーが好ましい。
ラジカル反応性モノマーの具体的としては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングルコールジメタクリレート、トリエチエレングルコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグルコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物メタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジビニルベンゼン、イソフタル酸ジビニル、N−フェニル−マレイミド、N−フェニル−メチルマレイミド、N−フェニル−クロロマレイミド、N−p−クロロフェニル−マレイミド、N−p−メトキシフェニル−マレイミド、N−p−メチルフェニル−マレイミド、N−p−ニトロフェニル−マレイミド、N−p−フェノキシフェニル−マレイミド、N−p−フェニルアミノフェニル−マレイミド、N−p−フェノキシカルボニルフェニル−マレイミド、1−マレイミド−4−アセトキシスクシンイミド−ベンゼン、4−マレイミド−4’−アセトキシスクシンイミド−ジフェニルメタン、4−マレイミド−4’−アセトキシスクシンイミド−ジフェニルエーテル、4−マレイミド−4’−アセトアミド−ジフェニルエーテル、2−マレイミド−6−アセトアミド−ピリジン、4−マレイミド−4’−アセトアミド−ジフェニルメタンおよびN−p−フェニルカルボニルフェニル−マレイミドN−エチルマレイミド、N−2,6−キシリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−2,3−キシリルマレイミド、キシリルマレイミド、2,6−キシレンマレイミド及び4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン等が挙げられ、これらを組み合わせて併用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、その用途に応じて所望の性能を付与させる目的で本来の性能を損なわない範囲の量の充填剤や添加剤を配合して用いることができる。充填剤は繊維状であっても粉末状であってもよく、シリカ、カーボンブラック、アルミナ、タルク、雲母、ガラスビーズ、ガラス中空球等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物には、難燃性化合物、添加剤などの併用も可能である。これらは一般に使用されているものであれば、特に限定されるものではない。例えば、難燃性の化合物では、4,4−ジブロモビフェニルなどの臭素化合物、リン酸エステル、リン酸メラミン、リン含有エポキシ樹脂、メラミンやベンゾグアナミンなどの窒素化合物、オキサジン環含有化合物、シリコン系化合物等が挙げられる。添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤等、所望に応じて適宜組み合わせて使用することも可能である。
本発明の樹脂組成物は、さまざまな基材上に塗布あるいは含浸して使用することができる。例えばPETフィルム上に塗布することにより多層プリント基板の層間絶縁層として、ポリイミドフィルム上に塗布することによりカバーレイとして、また銅箔上に塗布乾燥することにより樹脂付き銅箔として使用することができる。またガラスクロスやガラスペーパー、カーボンファイバー、各種不織布などに含浸させることにより、プリント配線基板やCFRPのプリプレグとして使用することができる。
更には溶剤を含む本発明の組成物をPET等のフィルムに塗布し、加熱によって溶剤を除去した後にPET等のフィルムを剥離することによりフィルム状接着剤とすることも出来る。
本発明の樹脂組成物を含む層間絶縁層やカバーレイ、樹脂付き銅箔、プリプレグなどはホットプレス機などで加温加圧成形することにより、硬化物とすることができる。硬化時間は好ましくは30分間乃至3時間程度、硬化温度は好ましくは120乃至250℃程度である。
以下、本発明を実施例、比較例により更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1(本発明の高分子化合物1の合成)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに、オキサゾリンモノマーに由来するユニットの割合が2.8%であり、数平均分子量が70,000、式(1)における繰り返し単位数の平均値m≒654、n≒19である共重合体(変性ポリスチレン樹脂、エポクロスRPS−1005、株式会社日本触媒製)40部、メタクリル酸0.88部(0.257ミリモル)、トルエン50部及びメトキノン0.2部を加えて撹拌溶解させた後、105℃まで昇温して還流下で6時間反応させた。その後トルエン量を調節し、本発明の高分子化合物1の30質量%トルエン溶液136部を得た。得られた高分子化合物の数平均分子量は78,000、重量平均分子量は175,000であった。尚、ここでいう数平均分子量及び重量平均分子量はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果に基づいて、ポリスチレン換算で算出した値である。
比較例1(比較例の高分子化合物2の合成)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに、オキサゾリンモノマーに由来するユニットの割合が10.1%であり、数平均分子量が10,000、式(1)における繰り返し単位数の平均値m≒85、n≒10である共重合体(変性ポリスチレン樹脂、RP−3、株式会社日本触媒製)40部、メタクリル酸2.94部(0.855ミリモル)、トルエン50部及びメトキノン0.2部を加えて撹拌溶解させた後、105℃まで昇温して還流下で6時間反応させた。その後トルエン量を調節し、比較例の高分子化合物2の30質量%トルエン溶液143部を得た。得られた高分子化合物の数平均分子量は11,000、重量平均分子量は26,000であった。
比較例2(比較例の高分子化合物3の合成)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに、オキサゾリンモノマーに由来するユニットの割合が28.0%であり、数平均分子量が7,000、式(1)における繰り返し単位数の平均値m≒48、n≒18である共重合体(変性ポリスチレン樹脂、エポクロスRP−5、株式会社日本触媒製)40部、メタクリル酸8.82部(2.57ミリモル)、トルエン50部及びメトキノン0.2部を加えて撹拌溶解させた後、105℃まで昇温して還流下で3時間反応させた。その後トルエン量を調節し、比較例の高分子化合物3の30質量%トルエン溶液163部を得た。得られた高分子化合物の数平均分子量は8,000、重量平均分子量は15,000であった。
実施例2(本発明の樹脂組成物1の作製)
実施例1で得られた高分子化合物1のトルエン溶液10部に、ラジカル開始剤としてジクミルパーオキサイド0.06部を加えて均一に混合して本発明の樹脂組成物1を得た。
比較例3及び4(比較例の樹脂組成物2及び3の作製)
実施例1で得られた高分子化合物1を比較例1及び2で得られた高分子化合物2及び3に変更した以外は実施例2に準じて、比較例の樹脂組成物2及び3を得た。
実施例3(本発明のフィルム状接着剤とその硬化物1の作製)
アプリケーターを用いて、実施例2で得られた樹脂組成物1をポリイミドフィルム上に厚さ200μmで塗布し、90℃で10分間加熱して溶剤を乾燥させてポリイミドフィルム上に本発明のフィルム状接着剤を作製した後、更に真空オーブンを用いて180℃で1時間加熱することにより、本発明のフィルム状接着剤の硬化物1を得た。得られた硬化物の厚さは75μmであり、フィルムとして取り扱うことが可能であった。
比較例5及び6(比較例のフィルム状接着剤とその硬化物2及び3の作製)
実施例2で得られた樹脂組成物1を比較例3及び4で得られた樹脂組成物2及び3に変更した以外は実施例3に準じて、比較用のフィルム状接着剤の硬化物2及び3を得た。得られた硬化物の厚さは75μmであったが、実施例3で得られた硬化物1と比べると脆かった。
フィルム状接着剤の硬化物のガラス転移温度及び誘電特性の測定
実施例3、比較例5及び6で得られたそれぞれの硬化物について、ガラス転移温度を動的粘弾性測定装置EXSTAR6000(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、また1GHzにおける誘電率と誘電正接とをネットワークアナライザー8719ET(アジレントテクノロジー製)を用いて空洞共振法によって測定した。結果を表1に示した。
実施例4、比較例7及び8(フィルム状接着剤を有する銅箔の作製)
アプリケーターを用いて、実施例2、比較例3及び4で得られた樹脂組成物1乃至3を厚さ12μmの高周波用低粗度銅箔(CF−T4X−SV:福田金属箔粉株式会社製)のマット面上に厚さ50μmで塗布し、90℃で10分間加熱して溶剤を乾燥させることにより本発明及び比較例のフィルム状接着剤を有する銅箔をそれぞれ得た。
フィルム状接着剤の硬化物の接着強度測定
前記で得られたそれぞれの銅箔の接着剤面上に、前記と同じ銅箔のマット面を重ねあわせて真空プレス中で3MPaの圧力で1時間加熱硬化させた後、オートグラフAGX−50(株式会社島津製作所製)を用いて銅箔間の90°引きはがし強さ(接着強度)を測定した。結果を表1に示した。
Figure 2021063182
実施例5(フィルム状接着剤の硬化物の作製とガラス転移温度及び誘電特性の測定)
実施例1で得られた高分子化合物1のトルエン溶液、ラジカル反応性モノマーとしてTMPTA(トリメチロールプロパントリアクリレート)及びTAIC(トリアリルイソシアヌレート)を表2に示す割合(単位は「部」)で配合し、ラジカル開始剤としてジクミルパーオキサイド2.0部を加えて均一に混合することにより本発明の樹脂組成物4乃至6をそれぞれ得た。アプリケーターを用いて、前記で得られた樹脂組成物をポリイミドフィルム上に厚さ200μmで塗布し、90℃で10分間加熱して溶剤を乾燥させてポリイミドフィルム上に本発明のフィルム状接着剤を作製した後、更に真空オーブンを用いて180℃で1時間加熱することにより、本発明のフィルム状接着剤の硬化物をそれぞれ得た。得られた硬化物の厚さは75μmであり、フィルムとして取り扱うことが可能であった。それぞれのフィルム状接着剤の硬化物について、ガラス転移温度を動的粘弾性測定装置EXSTAR6000(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、また1GHzにおける誘電率と誘電正接とをネットワークアナライザー8719ET(アジレントテクノロジー製)を用いて空洞共振法によって測定した。結果を表2に示した。
実施例6(フィルム状接着剤の硬化物の作製と半田耐熱性の評価)
アプリケーターを用いて、実施例5に準じて作製した本発明の樹脂組成物4乃至6を厚さ12μmの高周波用低粗度銅箔(CF−T4X−SV:福田金属箔粉株式会社製)のマット面上に厚さ50μmで塗布し、90℃で10分間加熱して溶剤を乾燥させてフィルム状接着剤を有する銅箔をそれぞれ得た。前記で得られたそれぞれの銅箔の接着剤面上に、前記と同じ銅箔のマット面を重ねあわせて真空プレス中で3MPaの圧力で1時間加熱硬化させた後、オートグラフAGX−50(株式会社島津製作所製)を用いて銅箔間の90°引きはがし強さ(接着強度)を測定した。またこの貼り合わせた銅箔を288℃の半田浴上に浮かべて、膨れ・剥がれなどの異常が発生じるまでの時間を測定した。結果を表2に示した。
Figure 2021063182
以上のように、本発明の高分子化合物とラジカル開始剤を含む樹脂組成物の硬化物は、優れた誘電特性及び接着性を示した。また、更にラジカル反応性モノマーを添加した樹脂組成物の硬化物は、優れた誘電特性を維持したまま、極めて高い耐半田性を示した。
本発明の高分子化合物及びそれを含む樹脂組成物は、ラジカル開始剤を併用し熱或いは光のエネルギーを加えることにより硬化物とすることが可能で、該樹脂組成物の硬化物は誘電特性、接着性、耐熱性及び耐水性に優れる高分子化合物を提供することができる。


Claims (8)

  1. (A)スチレンと(B)オキサゾリン基を有する重合性モノマーとの共重合体であって、(A)スチレンと(B)オキサゾリン基を有する重合性モノマーの合計質量に対して1質量%以上5質量%未満の(B)オキサゾリン基を有する重合性モノマーを用いて得られる数平均分子量が2万以上の共重合体と、(C)ラジカル重合性の二重結合及びカルボキシ基を有する化合物との反応物である高分子化合物。
  2. 下記式(1)
    Figure 2021063182
    (式中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rが複数存在する場合、それぞれのRは互いに同じでも異なってもよい。Xは(C)ラジカル重合性の二重結合及びカルボキシ基を有する化合物のカルボキシ基から水素原子を除いた残基を表し、Xが複数存在する場合、それぞれのXは互いに同じでも異なってもよい。m及びnは繰り返し単位数の平均値であって、それぞれ独立に1乃至2000の範囲にあり、かつ0.01≦n/(n+m)≦0.05の関係を満たす実数を表す。)で表される構造を有する請求項1に記載の高分子化合物。
  3. 式(1)のXが、それぞれ独立にメタクリル酸、アクリル酸、ペンテン酸又はビニル安息香酸からカルボキシ基を除いた残基である請求項2に記載の高分子化合物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の高分子化合物、及びラジカル開始剤を含む樹脂組成物。
  5. 更に、複数の官能基を有するラジカル反応性モノマーを含む請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 複数の官能基を有するラジカル反応性モノマーが、複数の官能基を有するマレイミド化合物である請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 請求項4乃至6のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなるフィルム状接着剤。
  8. 請求項4乃至6のいずれか一項に記載の樹脂組成物、又は請求項7に記載のフィルム状接着剤の硬化物。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021075664A (ja) * 2019-11-13 2021-05-20 日本化薬株式会社 低誘電正接樹脂組成物
WO2023013128A1 (ja) * 2021-08-04 2023-02-09 日本化薬株式会社 硬化性高分子化合物を含む樹脂組成物
JP7476690B2 (ja) 2020-06-22 2024-05-01 味の素株式会社 樹脂組成物

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