JP2021063070A - パック方法及びパック化粧用セット - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、シートを用いてパック化粧料を剥がすタイプのパック方法であって、予めシートにパック化粧料を含浸させたものを用いないパック方法を提供することを課題とする。【解決手段】水を含んだ高粘性のゲルで成るパック化粧料を所定部位に塗布する第1ステップと、塗布した前記パック化粧料に、吸水性を備えたシート状部材を沿うように載せてシート状部材をパック化粧料に吸着させる第2ステップと、吸着したパック化粧料と共にシート状部材を所定部位から剥がす第3ステップと、よりなるパック方法によって課題を解決する。【選択図】 図1
Description
本発明は、美容効果を得ることを目的に顔面や身体等に施すパック方法に関する。
従来、美容効果を得ることを目的に顔面や身体等に施すパックとして、パック化粧料を染み込ませたシートを肌に粘着させるタイプのものと、シートを用いずにパック化粧料を顔面や身体に塗布し、その後洗い流したり、パック化粧料が乾いた後に剥がしたりするタイプのものがあった。
パック化粧料を染み込ませたシートを肌に粘着させるタイプのものにあっては、パック化粧料の成分として、美容効果に加えて、シートへの含浸の要請に応える必要があり、様々な制約があった。また、シートの大きさや形状が既成のものとならざるを得ず、パックしようとする対象に対応した大きさや形状と異なる場合には向かなかった。さらにまた、一つ一つの製品を、乾燥しないよう密封しなければならず、包装が大掛かりになり、使用者が保管するために広いスペースが必要となり、煩わしいという問題があった。美容サロン等、大量のパック化粧料を常備する施設では、保管のために広いスペースが必要な点が問題であった。
一方、シートを用いずにパック化粧料が乾いた後に剥がすタイプのものでは、一続きであるべきパック化粧料が、剥がす途中で途切れ、肌に、剥がし残しが生じる、という問題があった。また、塗布したパックを一続きにするためにある程度の厚さが必要なため、美容効果を得るための必要量を超えた多量のパック化粧料を用いざるを得ない、という問題もあった。
特許文献1に、疎水化変性アルキルセルロース、炭酸塩及び重炭酸塩から成る群から選ばれる少なくとも1種の塩並びに水溶性酸を含む発泡型皮膚外用剤が記載されている。特許文献1の皮膚外用剤は、パック化粧料のゲル化剤として良好に用いられる。
非特許文献1には、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースと界面活性剤と保湿剤を、1対2対5の割合で配合して得た化粧品原料が記載されている。
しかし、上記いずれの公知文献にも、パック化粧料を顔面や身体の所定部位に塗布し、所定時間経過後にティッシュペーパー等、吸水性を備えた薄いシート状の部材をパック化粧料に沿うように載せて貼りつかせ、パック化粧料をシート状部材とともに剥がす、というパック方法は記載も示唆もされていない。
http://www.daido−chem.co.jp/files/pdfs/2015_03_03_09_23_25_912636.pdf(2019年6月25日)大同化成工業株式会社のホームページの「経皮用医薬品添加剤・化粧品原料 サンジェロース」の製品カタログ「応用例・技術資料」
本発明は、シートを用いてパック化粧料を剥がすタイプのパック方法であって、予めシートにパック化粧料を含浸させたものを用いないパック方法を提供することを課題とする。また本発明は、生活者に身近なティッシュペーパーをシートとして用いることのできるパック方法を提供することを課題とする。また、シートをはがすタイプのパック化粧料であって、パックしようとする対象の大きさや形状の自由度の高いパック方法を提供することを課題とする。
(1)水を含んだ高粘性のゲルで成るパック化粧料を所定部位に塗布する第1ステップと、塗布した前記パック化粧料に、吸水性を備えたシート状部材を沿うように載せて前記シート状部材を前記パック化粧料に吸着させる第2ステップと、吸着した前記パック化粧料と共に前記シート状部材を前記所定部位から剥がす第3ステップと、よりなるパック方法によって課題を解決する。
上記パック化粧料にあっては、パック化粧料が水を含んでおり、かつ、パック化粧料は吸水性のあるものと触れると水分を与えやすい状態となっている。このため、吸水性を備えたシート状部材を載せると、シート状部材が化粧料に吸着する。パック化粧料に適度な網目構造が備わるため、肌に塗ったパック化粧料は、シート状部材を剥がす際に、シート状部材に追従して肌からきれいに剥がれる。吸水性のあるシート状部材として、生活者に身近なティッシュペーパーを利用することができる。ティッシュペーパーは生活者の身近にあるので、利用し易く便利である。上記パック化粧料はシートが予め用意されているものでないため、パック対象の大きさや形状の如何を問わず利用できる。
上記パック化粧料にあっては、パック化粧料が水を含んでおり、かつ、パック化粧料は吸水性のあるものと触れると水分を与えやすい状態となっている。このため、吸水性を備えたシート状部材を載せると、シート状部材が化粧料に吸着する。パック化粧料に適度な網目構造が備わるため、肌に塗ったパック化粧料は、シート状部材を剥がす際に、シート状部材に追従して肌からきれいに剥がれる。吸水性のあるシート状部材として、生活者に身近なティッシュペーパーを利用することができる。ティッシュペーパーは生活者の身近にあるので、利用し易く便利である。上記パック化粧料はシートが予め用意されているものでないため、パック対象の大きさや形状の如何を問わず利用できる。
(2)前記高粘性のゲルの粘度が15,000mPa・sから350,000mPa・sであることを特徴とするパック方法によって課題を解決する。
粘度が15,000mPa・sから350,000mPa・sであれば、パック化粧料に適度な編み目構造が備わる。
粘度が15,000mPa・sから350,000mPa・sであれば、パック化粧料に適度な編み目構造が備わる。
(3)前記パック化粧料が(A)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース;及び(B)界面活性剤;を含むことを特徴とするパック方法によって課題を解決する。
(4)前記パック化粧料が(A)0.5質量%から2.0質量%の疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース;及び(B)0.5質量%から10.0質量%の界面活性剤;を含むことを特徴とするパック方法によって課題を解決する。
このような配合により、パック化粧料は良好な編み目構造となる。
このような配合により、パック化粧料は良好な編み目構造となる。
(5)前記パック化粧料が(A)1.0質量%の疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース;及び(B)2.0質量%の界面活性剤;を含むことを特徴とするパック方法によって課題を解決する。
このような配合により、パック化粧料はより良好な編み目構造となる。
このような配合により、パック化粧料はより良好な編み目構造となる。
(6)前記パック化粧料が1%の疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース;2%のポリオキシエチレンセチルエーテル;5%の1,3−ブチレングリコール;92%の精製水;を含むことを特徴とするパック方法によって課題を解決する。
このような配合により、パック化粧料はより良好な編み目構造となる。
このような配合により、パック化粧料はより良好な編み目構造となる。
(7)前記パック化粧料が(C)保湿剤を含むことを特徴とするパック方法によって課題を解決する。
(8)(E)防腐剤を含むことを特徴とするパック方法によって課題を解決する。
(9)水を含んだ高粘性のゲルで成るパック化粧料を所定部位に塗布する第1ステップと、塗布した前記パック化粧料に、吸水性を備えたシート状部材を沿うように載せて前記シート状部材を前記パック化粧料に吸着させる第2ステップと、吸着した前記パック化粧料と共に前記シート状部材を前記所定部位から剥がす第3ステップとよりなるパック方法に用いる前記パック化粧料と、前記パック方法で用いる前記シート部材よりなるパック化粧用セットによって課題を解決する。
(10)前記パック化粧料が1%の疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース;2%のポリオキシエチレンセチルエーテル;5%の1,3−ブチレングリコール;92%の精製水;を含むことを特徴とするパック化粧用セットによって課題を解決する。
シートを用いてパック化粧料を剥がすタイプのパック方法であるが、予めシートにパック化粧料を含浸させたものを用いずに、パックを行うことができる。シートを用いてパック化粧料を剥がすタイプのパック方法であって、予めシートにパック化粧料を含浸させたものを用いないパック方法を得ることができる。また本願に係る方法によれば、生活者に身近なティッシュペーパーをシートとして用いることのできるパック方法を得ることができる。また、シートをはがすタイプのパック化粧料であって、パックしようとする対象の大きさや形状の自由度の高いパック方法を得ることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照し説明する。
まず、パック化粧料を製造する。以降に示す「%」は全て「質量%」である。精製水92%にポリオキシエチレンセチルエーテル2%と1,3−ブチレングリコール5%を投入混合し、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%を徐々に加えながら1時間撹拌し膨潤させる。これによりパック化粧料が完成する。
上記において、ポリオキシエチレンセチルエーテルは、他のノニオン活性剤、アニオン活性剤、カチオン活性剤又は両性活性剤に代えることができ、割合は0.5%から10%でもよい。1,3−ブチレングリコールは、他の多価アルコール又はジオールに代えることができ、割合は1%から20%でもよい。疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースの割合は0.5%から2%でもよい。
疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースに過剰に存在するステアリル基を、界面活性剤の疎水基部分で相互作用させることにより、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースが水中で網目構造になり、高粘度のゲル化をさせている。パック化粧料は流動性があるが、網目構造によりゲルが切れにくくなっている。この結果、パック化粧料は皮膚から剥がれやすい状態になっている。
図1に、手の甲にパックを施す例を示す。図1の(a)に示す通り、手の甲にパック化粧料1を塗り、約1〜3分間、放置する。手の甲に塗った直後、化粧料は厚みにむらがあり、凹凸の状態で手に載っているが、流動的であるために数分後には凸凹が均される。この頃には、パック化粧料は肌に密着している。さらにこの状態を維持することにより、パック化粧料1の成分により肌は保湿され、また、パック化粧料の有効成分が肌に浸透する。
次に(b)に示すとおり、外部からティッシュペーパー2を載せて、ティッシュペーパー2をパック化粧料1の表面に沿わせる。パック化粧料1は、80000mPa・s以上の粘度がある(B型粘度計 型式 BH・ロータNo.6×10rpm測定)。またパック化粧料は水分を含んでおり、吸水性の高いシートに接すれば容易に被吸水体となり得る状態にある。このため、パック化粧料はティッシュペーパーに容易に浸透し、ティッシュペーパーに吸着する。
次に(c)に示す通り、シート2を手の甲から剥がす。このとき、パック化粧料1は、ほとんど肌に残ることなく肌からはきれいに剥がれる。ティッシュペーパーにはパック化粧料の浸透性によりゲルが吸着するため、ある程度強い力でティッシュペーパーに貼りつき、その力はパック化粧料が人の肌に貼りつく力よりも強い。
図2に、試験1の結果を表で示す。疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、表の通り,a,b,c,d,e,f,g,hの8通りの割合で混合して、パック化粧料を製造した。
aでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、0.5%,1.0%,5.0%,93.5%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は15,000mPa・sであった。
bでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、0.5%,2.0%,5.0%,92.5%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は7,500mPa・sであった。
cでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース, ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、0.7%,2.0%,5.0%,92.3%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は29,500mPa・sであった。
dでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース, ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、0.8%,2.0%,5.0%,92.2%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は46,500mPa・sであった。
eでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、1.0%,2.0%,5.0%,92.0%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は85,000mPa・sであった。
fでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、1.2%,2.4%,5.0%,91.4%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は120,000mPa・sであった。
gでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、1.6%,3.2%,5.0%,90.2%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は230,000mPa・sであった。
hでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、2.0%,4.0%,5.0%,89.0%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は350,000mPa・sであった。
aでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、0.5%,1.0%,5.0%,93.5%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は15,000mPa・sであった。
bでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、0.5%,2.0%,5.0%,92.5%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は7,500mPa・sであった。
cでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース, ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、0.7%,2.0%,5.0%,92.3%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は29,500mPa・sであった。
dでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース, ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、0.8%,2.0%,5.0%,92.2%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は46,500mPa・sであった。
eでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、1.0%,2.0%,5.0%,92.0%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は85,000mPa・sであった。
fでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、1.2%,2.4%,5.0%,91.4%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は120,000mPa・sであった。
gでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、1.6%,3.2%,5.0%,90.2%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は230,000mPa・sであった。
hでは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリオキシエチレンセチルエーテル,1,3−ブチレングリコール及び精製水を、2.0%,4.0%,5.0%,89.0%の割合で混合し、パック化粧料の粘度は350,000mPa・sであった。
a〜hの5種類のパック化粧料を、手とガラスを対象に、パック化粧料1gを厚さ1mmほど塗布し、ティッシュペーパーを載せ、数分後にティッシュペーパーと共にパック化粧料を剥がし、手やガラスに残ったパック化粧料の量を調べた。手については、残ったパック化粧料の重さを測ることは困難であったので、重さで示すことをせずに、残った量が多い順に、「多少残る」、「僅かに残る」、「ほとんど残らない」の語で表現した。ガラスについては、aからeまでの化粧料についてそれぞれ3回行い、残った化粧料の重量を測った。
手については、aとbではパック化粧料は多少残り、cとdではパック化粧料は僅かに残り、e、f、g、hではほとんど残らなかった。
ガラスについて、aでは、1回目、2回目、3回目のいずれも0.01g残った。
bでは、1回目は0.06g残り、2回目は0.01g残り、3回目は0.02g残った。
cでは、1回目は化粧料は残らず、2回目と3回目はいずれも0.01g残った。
dでは、1回目は0.01g残り、2回目と3回目はいずれも化粧料は残らなかった。
eでは、1回目は0.01g残り、2回目と3回目はいずれも化粧料は残らなかった。
fでは、1回目と2回目は化粧量は残らず、3回目は0.01g残った。
gでは、1回目は0.01g残り、2回目と3回目はいずれも化粧料は残らなかった。
hでは、1回目、2回目、3回目のいずれも化粧料は残らなかった。
ガラスについて、aでは、1回目、2回目、3回目のいずれも0.01g残った。
bでは、1回目は0.06g残り、2回目は0.01g残り、3回目は0.02g残った。
cでは、1回目は化粧料は残らず、2回目と3回目はいずれも0.01g残った。
dでは、1回目は0.01g残り、2回目と3回目はいずれも化粧料は残らなかった。
eでは、1回目は0.01g残り、2回目と3回目はいずれも化粧料は残らなかった。
fでは、1回目と2回目は化粧量は残らず、3回目は0.01g残った。
gでは、1回目は0.01g残り、2回目と3回目はいずれも化粧料は残らなかった。
hでは、1回目、2回目、3回目のいずれも化粧料は残らなかった。
試験の結果、図2に示す通りの配合の化粧料は、いずれも良好なパック化粧料として使用できることがわかった。図2に示す化粧料のうち、特に、化粧料eの配合が最も良好なパック化粧料ということができる。化粧料f、化粧料g、化粧料hのように粘度が高くなると、肌への塗布のし易さという観点で、化粧料eよりも使用感はやや劣る。
次に、試験2として、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースと1,3−ブチレングリコールの混合割合を、それぞれ、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.0%、1,3−ブチレングリコールを5.0%とし、ポリオキシエチレンセチルエーテルの混合割合を0.5%から10%の間で何通りか変化させた化粧料(i〜m)について、混合の結果得られた粘度と、そのような化粧料を手又はガラスに塗布してはがした場合の、化粧料の残り具合を比較した。化粧料i〜化粧料mの結果を図3に示す。
化粧料iは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.0%、1,3−ブチレングリコール5.0%、ポリオキシエチレンセチルエーテル0.5%、精製水93,5%であるところ、粘度は125,000mPa・sであった。手に塗った化粧料はわずかに残り、ガラスに塗った化粧料は1回目は0.01g残り、2回目と3回目は残らなかった。
化粧料jは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.0%、1,3−ブチレングリコール5.0%、ポリオキシエチレンセチルエーテル1.0%、精製水93,0%であるところ、粘度は140,000mPa・sであった。手に塗った化粧料はわずかに残り、ガラスに塗った化粧料は1回目と2回目は残らず、3回目は0.01g残った。
化粧料kは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.0%、1,3−ブチレングリコール5.0%、ポリオキシエチレンセチルエーテル2.0%、精製水92.0%であるところ、粘度は85,000mPa・sであった。手に塗った化粧料はわずかに残り、ガラスに塗った化粧料は一回目は0.01g残り、2回目と3回目は残らなかった。
化粧料lは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.0%、1,3−ブチレングリコール5.0%、ポリオキシエチレンセチルエーテル6.0%、精製水88.0%であるところ、粘度は24,000mPa・sであった。手に塗った化粧料は多少残り、ガラスに塗った化粧料は1回目と2回目は0.01g残り、3回目は残らなかった。
化粧料mは、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.0%、1,3−ブチレングリコール5.0%、ポリオキシエチレンセチルエーテル10.0%、精製水84.0%であるところ、粘度は2,500mPa・sであった。手に塗った化粧料は残り、ガラスに塗った化粧料は1回目は0.46g残り、2回目は0.50g残り、3回目は0.48g残った。
試験2(図3)により、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.0%、1,3−ブチレングリコールを5.0%とした場合、ポリオキシエチレンセチルエーテルの割合は0.5%から6.0%であれば良好なパック化粧料として利用できることがわかった。また、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.0%、1,3−ブチレングリコールを5.0%とした場合、ポリオキシエチレンセチルエーテルの割合が10%の化粧料では、良好なパック化粧料として利用できないことがわかった。
次に、試験3として、ポリオキシエチレンセチルエーテルと1,3−ブチレングリコールとの混合割合を、それぞれ、ポリオキシエチレンセチルエーテル2.00%、1,3−ブチレングリコール5.00%としたものに関し、これに加える成分として、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースに代えて、他の成分を加えた化粧料(n,o,p)について、粘度と、そのような化粧料を手又はガラスに塗布してはがした場合の、化粧料の残り具合を比較した。試験3の結果を図3の化粧料kと比較して図4に示す。
化粧料nは、ポリオキシエチレンセチルエーテル2.00%、1,3−ブチレングリコール5.00%、カルボマー1.00%、水酸化ナトリウム0.25%、精製水91.75%としたところ、粘度は180,000mPa・sであった。すなわち好ましいゲルとはならなかった。手に塗った化粧料は残り、ガラスに塗った化粧料は1回目は0.67g残り、2回目は0.70g残り、3回目は0.71g残った。カルボマーを用いた理由は、カルボマーは従来より拭き取るタイプのパックに用いられるためである。
化粧料oは、ポリオキシエチレンセチルエーテル2.00%、1,3−ブチレングリコール5.00%、ヒドロキシエチルセルロース2.00%、精製水91.00%としたところ、粘度は10,000mPa・sであった。すなわち好ましいゲルとはならなかった。手に塗った化粧料は残り、ガラスに塗った化粧料は1回目は0.53g残り、2回目は0.67g残り、3回目は0.60g残った。ヒドロキシエチルセルロースを用いた理由は、セルロース系で粘度が高く従来よりパックに用いられるためである。
化粧料pは、ポリオキシエチレンセチルエーテル2.00%、1,3−ブチレングリコール5.00%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2.00%、精製水91.00%としたところ、粘度は1,250mPa・sであった。手に塗った化粧料は残り、ガラスに塗った化粧料は1回目は0.41g残り、2回目は0.34g残り、3回目は0.32g残った。
試験3の結果、ポリオキシエチレンセチルエーテル2.00%、1,3−ブチレングリコール5.00%としたものに関し、これに加える成分として、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースに代えて、カルボマーと水酸化ナトリウムを加えたもの、ヒドロキシエチルセルロースを加えたもの、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えたものでは、良好なパック化粧料として利用できないことがわかった。
Claims (10)
- 水を含んだ高粘性のゲルで成るパック化粧料を所定部位に塗布する第1ステップと、
塗布した前記パック化粧料に、吸水性を備えたシート状部材を沿うように載せて前記シート状部材を前記パック化粧料に吸着させる第2ステップと、
吸着した前記パック化粧料と共に前記シート状部材を前記所定部位から剥がす第3ステップと、
よりなるパック方法。 - 前記高粘性のゲルの粘度が15,000mPa・sから350,000mPa・sであることを特徴とする請求項1に記載のパック方法
- 前記パック化粧料が
(A)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース;及び
(B)界面活性剤;
を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパック方法。 - 前記パック化粧料が
(A)0.5質量%から2.0質量%の疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース;及び
(B)0.5質量%から10.0質量%の界面活性剤;
を含むことを特徴とする請求項3に記載のパック方法。 - 前記パック化粧料が
(A)1.0質量%の疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース;及び
(B)2.0質量%の界面活性剤;
を含むことを特徴とする請求項4に記載のパック方法。 - 前記パック化粧料が
1%の疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース;
2%のポリオキシエチレンセチルエーテル;
5%の1,3−ブチレングリコール;
92%の精製水;
を含むことを特徴とする請求項5に記載のパック方法。 - 前記パック化粧料が
(C)保湿剤;
を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のパック方法。 - (E)防腐剤;
を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のパック方法。 - 水を含んだ高粘性のゲルで成るパック化粧料を所定部位に塗布する第1ステップと、
塗布した前記パック化粧料に、吸水性を備えたシート状部材を沿うように載せて前記シート状部材を前記パック化粧料に吸着させる第2ステップと、
吸着した前記パック化粧料と共に前記シート状部材を前記所定部位から剥がす第3ステップとよりなるパック方法に用いる前記パック化粧料と、
前記パック方法で用いる前記シート部材よりなるパック化粧用セット。 - 前記パック化粧料が
1%の疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース;
2%のポリオキシエチレンセチルエーテル;
5%の1,3−ブチレングリコール;
92%の精製水;
を含むことを特徴とする請求項9に記載のパック化粧用セット。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019186810 | 2019-10-10 | ||
JP2019186810 | 2019-10-10 |
Publications (1)
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