JP2021062699A - 車両用変速操作装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、タッチパネルを全体的に小さくすることができると共に、乗員が容易に変速レンジを切り替えることができる車両用変速操作装置を提供することを目的としている。【解決手段】本発明の車両用変速操作装置1は、変速レンジに対応したレンジ表示を表示する複数のレンジ操作部12a,12b,12cを備え、これらレンジ操作部12a,12b,12cが隣接して配置されているタッチパネル12と、乗員のタッチパネルを指で触る操作に応じて車両の変速レンジを切り替えるECU40とを有し、複数のレンジ操作部のうちの一つの中央レンジ操作部12bには、隣接する前方レンジ操作部12a又は後方レンジ操作部12cに対して上方又は下方へ延びる段差部12e,12fが形成されている。【選択図】図4
Description
本発明は、車両用変速操作装置に係り、特に乗員がタッチパネルを指で触ることにより変速機の変速レンジを切り替える車両用変速操作装置に関する。
乗員(運転者)は、通常、シフトレバーを操作して変速機の変速レンジを変更する。シフトレバーは、ケーブルやリンク機構等により機械的に変速機に接続されて、シフトレバーの操作が機械的に変速機へ伝達されるようになっている。また、オートマチック(AT)車では、操作部と変速機とが電線等により電気的に接続されて、電子制御により変速レンジを変更するシフト・バイ・ワイヤ方式が知られている。シフト・バイ・ワイヤ方式では、乗員が操作部を操作することにより操作信号が出力され、この操作信号に基づいて変速レンジが切り替えられるようになっている。
シフト・バイ・ワイヤ方式の操作部は、変速機と機械的に接続されていないので、設計の自由度が高くなっている。例えば、特許文献1の装置では、タッチパネルが操作部として設けられており、意匠性や操作時の直感性が向上されている。タッチパネルには、各レンジに対応する複数のアイコンが表示されて、指でアイコンを触ることによって変速レンジが切り替わるようになっている。
しかしながら、特許文献1の装置は、平らな表面のタッチパネル上に複数のアイコンが表示されているので、乗員がタッチパネルを見ずに触るだけで正確に所望のアイコンを選択することが困難である。このため、乗員は、運転中にタッチパネルを見なければならず、乗員の視線が車両の進行方向である前方から外れる可能性がある。また、乗員がタッチパネルを見ずに操作すると誤操作を生じる可能性がある。
一方、乗員がタッチパネルを見ずに操作できるように、隣接するアイコンの間隔を十分に大きく設定することが考えられるが、タッチパネル全体が大型化してしまうという問題がある。
本発明は、上述した従来の装置の問題点を解決するためになされたものであり、タッチパネルを全体的に小さくすることができると共に、乗員が容易に変速レンジを切り替えることができる車両用変速操作装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、乗員がタッチパネルを指で触ることにより変速機の変速レンジを切り替える車両用変速操作装置であって、変速レンジに対応したレンジ表示を表示する複数のレンジ操作部を備え、これらレンジ操作部が隣接して配置されているタッチパネルと、乗員のタッチパネルを指で触る操作に応じて車両の変速レンジを切り替える制御部と、を有し、複数のレンジ操作部のうちの一つのレンジ操作部には、隣接するレンジ操作部に対して上方又は下方へ延びる段差部が形成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、複数のレンジ操作部を隣接させているので、タッチパネルを全体的に小さくすることができる。また、一つのレンジ操作部には、隣接するレンジ操作部に対して上方又は下方へ延びる段差部が形成されているので、乗員はタッチパネルの段差部を指で触ることで所望のレンジ操作部の位置を把握して、変速レンジを切り替えることができる。これにより、タッチパネルを全体的に小さくすることができると共に、乗員が容易に変速レンジを切り替えることができる。
本発明において、好ましくは、段差部は、ニュートラルレンジに切り替えるためのニュートラルレンジ操作部に形成されている。このように構成された本発明においては、乗員がニュートラルレンジ操作部を触ることで、ニュートラルレンジのレンジ操作部の位置を基準として、所望のレンジ操作部の位置を把握することができる。
また、本発明において、好ましくは、ニュートラルレンジ操作部は、隣接するレンジ操作部に対して上方に突出する凸形状で形成されている。このように構成された本発明においては、乗員が凸形状のニュートラルレンジ操作部を触ることで、所望のレンジ操作部の位置を正確に把握することができる。また、乗員が触る可能性が高い凸形状が非駆動レンジであるニュートラルレンジ操作部に形成されているので、他のレンジ操作部に形成する場合と比べて、車両の安全性を確保することができる。
本発明において、好ましくは、制御部は、タッチパネルに指が触れてから所定距離移動したことを検出した場合に、変速機の変速レンジを切り替える。このように構成された本発明においては、直感的に操作することができると共に、乗員が意図せずにタッチパネルに触れた場合の誤作動を抑制することができる。
また、本発明において、好ましくは、複数のレンジは、後進走行レンジ、ニュートラルレンジ及び前進走行レンジであり、各レンジ操作部は、後進走行レンジ操作部、ニュートラルレンジ操作部及び前進走行レンジ操作部の順で直列に配置されている。このように構成された本発明においては、各レンジ操作部の中央に配置されるニュートラルレンジ操作部を基準として、乗員が所望のレンジ操作部の位置を把握することができる。
本発明において、好ましくは、後進走行レンジ操作部に隣接するニュートラルレンジ操作部の段差部と、前進走行レンジ操作部に隣接するニュートラルレンジ操作部の段差部とは、高さが異なっている。このように構成された本発明においては、乗員が異なる高さの段差部を触ることで所望のレンジ操作部の位置をより正確に把握することができる。
また、本発明において、好ましくは、後進走行レンジ操作部に隣接するニュートラルレンジ操作部の段差部の高さは、前進走行レンジ操作部に隣接するニュートラルレンジ操作部の段差部の高さより高くなっている。このように構成された本発明においては、乗員が段差部を触ることで所望のレンジ操作部の位置をより正確に把握することができる。また、乗員が誤って操作した場合、後進走行レンジに直ぐに切り替わることを防止することができ、車両の安全性を確保することができる。
本発明の車両用変速操作装置によれば、タッチパネルを全体的に小さくすることができると共に、乗員が容易に変速レンジを切り替えることができる。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態による車両用変速操作装置の基本構成について説明する。図1は、車両用変速操作装置を搭載した車内の前部の概略図、図2は、車両用変速操作装置を示す基本構成図である。
図1に示すように、車両前部左側の運転席の前方には、乗員(運転者)が車両を操縦するためのステアリングホイール2が設けられ、車幅方向の中央位置には、カーナビゲーションシステムの液晶ディスプレイ8が設けられている。ステアリングホイール2には、パドルスイッチ14が設けられている。
液晶ディスプレイ8の下方位置且つ車幅方向の中央位置のコンソールには、P(パーキング)レンジに切り替えるためのパーキングスイッチ10と、変速機の変速レンジを切り替えるためのタッチパネル12とが設けられている。タッチパネル12は、R(リバース)レンジ、N(ニュートラル)レンジ、D(ドライブ)レンジ又はM(マニュアル)レンジに切り替えるための複数のレンジ操作部を備えている。なお、本実施形態では、タッチパネル12の各レンジ操作部をコンソールに設けているが、これに代えて、各レンジ操作部をステアリングホイール14、車両のドア又はインストルメントパネル等に設けてもよい。
図2に示すように、車両用変速操作装置1は、パーキングスイッチ10、タッチパネル12、パドルスイッチ14、車速センサ27、現レンジセンサ28、自動的又は手動的にギヤ比を変更する変速機30、現在のレンジ位置等を表示するインジケータ32、各種センサからの信号に基づいて変速機30やインジケータ32を制御するECU(Electronic Control Unit)40を備えている。車両用変速操作装置1は、電子制御により変速機30の変速レンジを変更するシフト・バイ・ワイヤ方式で構成されている。
パーキングスイッチ10は、車両を停車状態に維持する際に押下するスイッチである。乗員が停車時に操作すると、変速機30の変速レンジがPレンジに切り替えられる。パーキングスイッチ10は、円筒形状の樹脂製の押しボタン式のスイッチであるパーキングスイッチ本体19と、オン又はオフ状態を検出するパーキングスイッチセンサ20とを備えている。パーキングスイッチセンサ20は、パーキングスイッチ本体19が押下されると、オン信号をECU40に送信するようになっている。パーキングスイッチ10は、運転席に隣接して配置されており(図1参照)、乗員が片方の手でステアリングホイール2を操作しながら、他方の手でパーキングスイッチ10を操作することができるようになっている。
タッチパネル12は、変速機30の変速レンジをRレンジ、Nレンジ、Dレンジ又はMレンジに切り替える際に指で触るタッチパネル式のスイッチである。タッチパネル12は、上面視において、車幅方向(横方向)の幅が約1cm〜3cm、車両前後方向(縦方向)の長さが約5cm〜12cmの表示部を備えている。タッチパネル12は、パーキングスイッチ10の後方且つ下方に配置され、車両前後方向に、パーキングスイッチ10と直列になるように配置されている(図1参照)。また、タッチパネル12は、パーキングスイッチ10に対して約0.5cm〜2cmの間隔を空けて配置されている。更に、タッチパネル12は、運転席に隣接して配置されており、乗員が片方の手でステアリングホイール2を操作しながら、他方の手でタッチパネル12を操作することができるようになっている。
タッチパネル12は、文字、記号、図形等を表示する液晶モジュール21と、液晶モジュールの表面を覆う保護カバー22と、保護カバー22と液晶モジュール21との間に配置されて乗員の操作を検出するタッチパネルセンサ23とを備えている。タッチパネルセンサ23は、乗員の指が保護カバー22に接触している間の位置信号を検出し、この位置信号をECU40に送信する。
タッチパネル12には、初期状態において、Rレンジ表示である「R」、Nレンジ表示である「N」、Dレンジ表示である「D」が表示されるようになっている。乗員が各レンジ表示の何れかを選択すると、ECU40の制御により、変速機30の変速レンジが選択されたレンジに切り替わるようになっている。各レンジ表示は、車両前後方向に、前(上)からR、N、Dの順で直列(直線上)に表示されている(図1参照)。なお、各レンジ表示は、ECU40の制御により、R、N、Dを表示する順番や消灯/点灯を適宜変更することができ、R、N、Dに代えて、Mレンジ表示である「M」を表示することもできるようになっている。
パドルスイッチ14は、変速機30の変速レンジがMレンジに設定されている場合に、乗員が変速機30の変速段(例えば1速から6速)を手動で選択するために押下するスイッチである。パドルスイッチ14は、変速段を増加させるための押しボタン式のスイッチであるシフトアップスイッチ本体24と、変速段を減少させるための押しボタン式のスイッチであるシフトダウンスイッチ本体25と、各スイッチ本体24,25が押されたことを検出するパドルスイッチセンサ26とを備えている。シフトアップスイッチ本体24は、ステアリングホイール2の右側に設けられており、シフトダウンスイッチ本体25は、ステアリングホイール2の左側に設けられている(図1参照)。パドルスイッチセンサ26は、各スイッチ本体24,25が押された場合に、オン信号をECU40に送信するようになっている。
また、変速機30の変速レンジがDレンジに設定されている時に、乗員がシフトアップスイッチ本体24又はシフトダウンスイッチ本体25を操作すると、パドルスイッチセンサ26がECU40にオン信号を送信する。ECU40は、このオン信号を受けると変速機30の変速レンジをDレンジからMレンジへ切り替える。
車速センサ27は、車両の車輪に取り付けられて、現在の絶対車速を常時検出し続ける。現レンジセンサ28は、現在の変速機30の変速レンジを常時検出し続ける。各センサは、検出したデータを信号としてECU40に送信する。
変速機30は、AT車に搭載される自動変速機であって、1速から6速までの多段ギヤを有する変速機構と、ECU40からの信号に基づき変速レンジを変更するように作動するアクチュエータ(図示せず)とを備えている。変速レンジは、非駆動レンジであるPレンジ及びNレンジ、前進走行レンジであるDレンジ及びMレンジ、後進走行レンジであるRレンジを備えている。具体的に、Pレンジでは、変速機30のギヤの回転がロックされて、車両が停止状態にされる。Rレンジでは、変速機30がバックギヤになり、車両が後進可能な状態にされる。Nレンジでは、変速機30にトルクコンバータ(図示せず)の出力が伝達されない状態にされる。Dレンジでは、変速機30の多段ギヤが自動的に切り替わり、車両が自動的に変速しながら前進可能な状態にされる。Mレンジでは、変速機30は乗員が選択したギヤ段に固定され、車両が固定されたギヤ段で前進可能な状態にされる。なお、変速レンジは、Pレンジ、Nレンジ、Dレンジ及びMレンジに限定されず、これらに加えて、車両をパワフルに加速させるためのS(スポーツモード)レンジ等を前進走行レンジとして設けてもよい。
インジケータ32は、各種センサにより検出された現在の絶対車速、現在の変速レンジ、走行距離及びエンジン回転数を表示する。インジケータ32は、ステアリングホイール2の前方のインストルメントパネルに設けられて、表示画面が乗員に向いている(図1参照)。
ECU40(制御部)は、コンピュータ装置であり、各機器からの信号を入力するための入力インターフェイス回路、各機器へ信号を出力するための出力インターフェイス回路、入力された信号を処理するためのプロセッサ、各種のプログラムを記憶するメモリ(以上、図示せず)から構成されている。ECU40は、パーキングスイッチセンサ20、タッチパネルセンサ23、パドルスイッチセンサ26、車速センサ27、現レンジセンサ28から信号を受信すると、予め記憶したプログラムに基づいて、液晶モジュール21、変速機30、インジケータ32に信号を送信する。ECU40は、内蔵されたCPU等の作用により、タッチパネル12上に表示するレンジ表示を制御するためのレンジ表示制御手段42と、タッチパネルセンサ23からの信号に基づいて変速機30の変速レンジを切り替えるためのレンジ切替制御手段44として機能する。ECU40は、乗員の指が保護カバー22上を所定距離(例えば、各レンジ操作部の中心間の距離)移動した場合に、変速レンジを切り替えるように構成されている。
図3〜図5を参照して、本発明の第1実施形態によるタッチパネル12を詳細に説明する。図3は、タッチパネルを示す上面図、図4は、タッチパネルを示す斜視図、図5は、図4のI−I線に沿って見た断面図である。
図3に示すように、タッチパネル12は、上面視で、車両前後方向に延びる長方形で形成されている。図4及び図5に示すように、タッチパネル12は、下から液晶モジュール21、タッチパネルセンサ23、透明な保護カバー22の順で積層されて形成されている。タッチパネル12は、液晶モジュール21、タッチパネルセンサ23及び保護カバー22が一体的に上下方向に屈曲して形成されている。なお、本実施形態では、液晶モジュール21、タッチパネルセンサ23及び保護カバー22を一体的に屈曲させて形成しているが、これに代えて、保護カバー22の表面を凹凸形状に形成し、液晶モジュール21及びタッチパネルセンサ23を平板にしてもよい。
図3に示すように、タッチパネル12は、前方レンジ操作部12a、中央レンジ操作部12b及び後方レンジ操作部12cの3つのレンジ操作部から構成されている。各レンジ操作部12a,12b,12cは、車両前後方向において直列に配置されている。前方レンジ操作部12a及び後方レンジ操作部12cは、上面視で、それぞれ略正方形に形成され、同一の表面積で形成されている。中央レンジ操作部12bは、上面視で、車両前後方向に延びる長方形状で形成されて、表面積が前方レンジ操作部12a及び後方レンジ操作部12cより大きく形成されている。前方レンジ操作部12a、中央レンジ操作部12b、後方レンジ操作部12cには、それぞれ、Rレンジ表示である「R」、Nレンジ表示である「N」、Dレンジ表示である「D」が表示されるようになっている。前方レンジ操作部12a、中央レンジ操作部12b及び後方レンジ操作部12cは、隣接するレンジ操作部との間に隙間が存在しないように隣接している。
図4及び図5に示すように、中央レンジ操作部12bの接触面は、隣接する前方レンジ操作部12a及び後方レンジ操作部12cの接触面に対して上方に突出する凸形状で形成されている。具体的に、中央レンジ操作部12bは、上方に位置する上面部12dと、隣接する前方レンジ操作部12aに対して上方へ延びる前方段差部12eと、隣接する後方レンジ操作部12cに対して上方へ延びる後方段差部12fとから構成されている。また、前方段差部12eは、上面部12dの前端から前側下方へ傾斜しており、後方段差部12fは、上面部12dの後端から後側下方へ傾斜している。
前方段差部12eの配列方向(車両前後方向)の長さL1は、後方段差部12fの配列方向の長さL2より所定の長さだけ長くなっている。前方段差部12eの高さH1は、後方段差部12fの高さH2より所定の長さだけ高くなっている。即ち、前方段差部12eの傾斜面の長さは、後方段差部12fの傾斜面の長さより所定の長さだけ長くなっている。これらの所定の長さは、乗員がタッチパネル12を見ずに指で触って、前方段差部12eと後方段差部12fとの違いを認識することができる程度の長さに設定されている。
車両を前進させる時に、変速機30の変速レンジをDレンジに切り替える動作について説明する。図3及び図5に示すように、本動作における乗員の指の移動方向がS1で示されている。先ず、乗員は、Nが表示されている中央レンジ操作部12bの接触面に指を接触させる。次に、指が接触している状態で、Dが表示されている後方レンジ操作部12cに向かって指を所定距離移動させる。この際に、指が後方段差部12fに沿って下降するため、乗員は後方段差部12fの存在を認識することができる。その後、乗員は、Dが表示されている後方レンジ操作部12cの接触面から指を離す。指がタッチパネル12の接触面に触れている間、タッチパネルセンサ23は、指の位置を検出し続けている。ECU40は、タッチパネルセンサ23が検出した指の位置に基づいて、Dレンジへの切り替え操作が行われたと判定して、変速機30の変速レンジをDレンジに切り替える。
次に、車両を後退させる時に、変速機30の変速レンジをRレンジに切り替える動作について説明する。図3及び図5に示すように、本動作における乗員の指の移動方向がS2で示されている。先ず、乗員は、Nが表示されている中央レンジ操作部12bの接触面に指を接触させる。次に、指が接触している状態で、Rが表示されている前方レンジ操作部12aに向かって指を所定距離移動させる。この際に、指が前方段差部12eに沿って下降するため、乗員は前方段差部12eの存在を認識することができる。その後、乗員は、Rが表示されている前方レンジ操作部12aの接触面から指を離す。ECU40は、タッチパネルセンサ23が検出した指の位置に基づいて、Rレンジへの切り替え操作が行われたと判定して、変速機30の変速レンジをRレンジに切り替える。
前方段差部12e及び後方段差部12fは、長さL1,L2及び高さH1,H2、即ちそれぞれの傾斜面の長さが異なっているため、乗員は、指をRが表示されている前方レンジ操作部12aの方向に移動させているのか又はDが表示されている後方レンジ操作部12cの方向に移動させているのかを触って認識することができる。
本実施形態では、中央レンジ操作部12bの接触面の略全面を上方に突出させて凸形状を形成しているが、これに代えて、中央レンジ操作部12bの接触面の一部のみを突出させて突起状に形成してもよい。
次に、図6を参照して、本発明の第2実施形態によるタッチパネル12を説明する。図6は、タッチパネルを示す断面図であり、第1実施形態の図5に対応する。以下、第1実施形態との相違点のみを説明する。
図6に示すように、前方段差部12eの配列方向の長さL3は、後方段差部12fの配列方向の長さL4より所定の長さだけ短くなっている。前方段差部12eの高さH3は、後方段差部12fの高さH4より所定の長さだけ高くなっている。即ち、前方段差部12eの傾斜面の傾きは、後方段差部12fの傾斜面の傾きより大きく(急に)なっている。この傾斜面の傾きの違いは、乗員がタッチパネル12を見ずに指で触って、前方段差部12eと後方段差部12fとの違いを認識することができる程度に設定されている。
前方段差部12eの傾斜面の傾きは、後方段差部12fの傾斜面の傾きより大きくなっているため、乗員は、指をRが表示されている前方レンジ操作部12aの方向に移動させているのか又はDが表示されている後方レンジ操作部12cの方向に移動させているのかを触って認識することができる。
図7及び図8を参照して、本発明の第3実施形態によるタッチパネル12を説明する。図7は、タッチパネルを示す斜視図、図8は、図7のII−II線に沿って見た断面図である。以下、第1実施形態との相違点のみを説明する。
図7及び図8に示すように、中央レンジ操作部12bの接触面は、隣接する前方レンジ操作部12a及び後方レンジ操作部12cの接触面に対して下方に突出する凹形状で形成されている。具体的に、中央レンジ操作部12bは、下方に位置する下面部12gと、隣接する前方レンジ操作部12aに対して下方へ延びる前方段差部12eと、隣接する後方レンジ操作部12cに対して下方へ延びる後方段差部12fとから構成されている。また、前方段差部12eは、下面部12gの前端から前側上方へ傾斜しており、後方段差部12fは、下面部12gの後端から後側上方へ傾斜している。前方段差部12e及び後方段差部12fは、配列方向の長さ及び高さがそれぞれ等しくなるように形成されている。
中央レンジ操作部12bが凹形状で形成されているため、乗員は、指をRが表示されている前方レンジ操作部12aの方向に移動させているのか又はDが表示されている後方レンジ操作部12cの方向に移動させているのかを触って認識することができる。
図9及び図10を参照して、本発明の第4実施形態によるタッチパネル12を説明する。図9は、タッチパネルを示す斜視図、図10は、図9のIII−III線に沿って見た断面図である。以下、第1実施形態との相違点のみを説明する。
図9及び図10に示すように、タッチパネル12の接触面が階段状に形成されている。中央レンジ操作部12bには、隣接する前方レンジ操作部12aに対して下方へ延びる前方段差部12eが形成されている。また、中央レンジ操作部12bには、隣接する後方レンジ操作部12cに対して上方へ延びる後方段差部12fが形成されている。前方段差部12eは、平面部12hの前端から前側上方へ傾斜しており、後方段差部12fは、平面部12hの後端から後方向に下方へ傾斜している。前方段差部12e及び後方段差部12fは、配列方向の長さ及び高さがそれぞれ等しくなるように形成されている。
タッチパネル12が階段状に形成されているため、乗員は、指をRが表示されている前方レンジ操作部12aの方向に移動させているのか又はDが表示されている後方レンジ操作部12cの方向に移動させているのかを触って認識することができる。
次いで、本実施形態の(作用)効果について説明する。
本実施形態の車両用変速操作装置1は、乗員がタッチパネル12を指で触る操作に応じて車両の変速レンジを切り替えるECU40を備えている。本装置のタッチパネル12は、変速レンジ(リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ)に対応したレンジ表示(R,N,D)を表示する複数のレンジ操作部12a,12b,12cを備え、これらレンジ操作部12a,12b,12cが隣接して配置されている。また、タッチパネル12は、複数のレンジ操作部のうちの一つの中央レンジ操作部12bに、隣接する前方レンジ操作部12a又は後方レンジ操作部12cに対して上方又は下方へ延びる段差部12e,12fが形成されている。
本実施形態の車両用変速操作装置1は、乗員がタッチパネル12を指で触る操作に応じて車両の変速レンジを切り替えるECU40を備えている。本装置のタッチパネル12は、変速レンジ(リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ)に対応したレンジ表示(R,N,D)を表示する複数のレンジ操作部12a,12b,12cを備え、これらレンジ操作部12a,12b,12cが隣接して配置されている。また、タッチパネル12は、複数のレンジ操作部のうちの一つの中央レンジ操作部12bに、隣接する前方レンジ操作部12a又は後方レンジ操作部12cに対して上方又は下方へ延びる段差部12e,12fが形成されている。
このように構成された本実施形態においては、複数のレンジ操作部を隣接させているので、タッチパネル12を全体的に小さくすることができる。また、一つの中央レンジ操作部12bには、隣接するレンジ操作部12a,12cに対して上方又は下方へ延びる段差部12e,12fが形成されているので、乗員はタッチパネル12の段差部12e,12fを指で触ることで所望のレンジ操作部の位置を把握して変速レンジを切り替えることができる。これにより、タッチパネル12を全体的に小さくすることができると共に、乗員が容易に変速レンジを切り替えることができる。
また、本実施形態では、段差部12e,12fは、Nレンジに切り替えるための中央レンジ操作部12bに形成されている。このように構成された本実施形態においては、Nレンジ表示を表示する中央レンジ操作部12bの位置を基準として、所望のレンジ操作部の位置を把握することができる。
本実施形態では、Nレンジ表示を表示する中央レンジ操作部12bは、隣接するレンジ操作部12a,12cに対して上方に突出する凸形状で形成されている。このように構成された本実施形態においては、乗員が凸形状のNレンジ操作部を触ることで、所望のレンジ操作部の位置を正確に把握することができる。また、乗員が触る可能性が高い凸形状が非駆動レンジであるNレンジ操作部に形成されているので、他のレンジ操作部に形成する場合と比べて、車両の安全性を確保することができる。また、乗員が誤ってNレンジ操作部を触ったとしても、車両が後進走行や前進走行し始めることがないため車両の安全性を確保することができる。
また、本実施形態では、ECU40は、タッチパネル12に指が触れてから所定距離移動したことを検出した場合に、変速機30の変速レンジを切り替える。このように構成された本実施形態においては、直感的に操作することができると共に、乗員が意図せずにタッチパネルに触れた場合の誤作動を抑制することができる。
本実施形態では、複数のレンジは、後進走行レンジ(Rレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)及び前進走行レンジ(Dレンジ又はMレンジ等)であり、各レンジ操作部は、前方レンジ操作部12a(後進走行レンジ操作部)、中央レンジ操作部12b(ニュートラルレンジ操作部)及び後方レンジ操作部12c(前進走行レンジ操作部)の順で直列に配置されている。このように構成された本実施形態においては、各レンジ操作部の中央に配置されるニュートラルレンジ操作部を基準として、乗員が所望のレンジ操作部の位置を把握することができる。
また、本実施形態において、前方レンジ操作部12a(後進走行レンジ操作部)に隣接する中央レンジ操作部12b(ニュートラルレンジ操作部)の前方段差部12eと、後方レンジ操作部12c(前進走行レンジ操作部)に隣接する中央レンジ操作部12b(ニュートラルレンジ操作部)の後方段差部12fとは、高さが異なっている。このように構成された本実施形態においては、乗員が異なる段差部12e,12fを触ることで所望のレンジ操作部の位置をより正確に把握することができる。
本実施形態において、前方レンジ操作部12a(後進走行レンジ操作部)に隣接する中央レンジ操作部12b(ニュートラルレンジ操作部)の前方段差部12eの高さH1は、後方レンジ操作部12c(前進走行レンジ操作部)に隣接する中央レンジ操作部12b(ニュートラルレンジ操作部)の後方段差部12fの高さH2より高くなっている。このように構成された本実施形態においては、乗員が段差部12e,12fを触ることで所望のレンジ操作部の位置をより正確に把握することができる。また、乗員が誤って操作した場合、後進走行レンジに直ぐに切り替わることを防止することができ、車両の安全性を確保することができる。具体的に、乗員が誤って前方レンジ操作部12a(後進走行レンジ操作部)側へ指を動かした場合、前方段差部12eの高さH1が高くなっているので前方レンジ操作部12a(後進走行レンジ操作部)に指が到達し難くなっている。これにより、後進走行レンジに直ぐに切り替わることを防止することができる。
1 :車両用変速操作装置
10 :パーキングスイッチ
12 :タッチパネル
12a :前方レンジ操作部(後進走行レンジ操作部)
12b :中央レンジ操作部(ニュートラルレンジ操作部)
12c :後方レンジ操作部(前進走行レンジ操作部)
12d :上面部
12e :前方段差部
12f :後方段差部
12g :下面部
12h :平面部
14 :パドルスイッチ
23 :タッチパネルセンサ
30 :変速機
32 :インジケータ
40 :ECU(制御部)
10 :パーキングスイッチ
12 :タッチパネル
12a :前方レンジ操作部(後進走行レンジ操作部)
12b :中央レンジ操作部(ニュートラルレンジ操作部)
12c :後方レンジ操作部(前進走行レンジ操作部)
12d :上面部
12e :前方段差部
12f :後方段差部
12g :下面部
12h :平面部
14 :パドルスイッチ
23 :タッチパネルセンサ
30 :変速機
32 :インジケータ
40 :ECU(制御部)
Claims (7)
- 乗員がタッチパネルを指で触ることにより変速機の変速レンジを切り替える車両用変速操作装置であって、
前記変速レンジに対応したレンジ表示を表示する複数のレンジ操作部を備え、これらレンジ操作部が隣接して配置されているタッチパネルと、
乗員の前記タッチパネルを指で触る操作に応じて車両の変速レンジを切り替える制御部と、を有し、
前記複数のレンジ操作部のうちの一つのレンジ操作部には、隣接するレンジ操作部に対して上方又は下方へ延びる段差部が形成されていることを特徴とする車両用変速操作装置。 - 前記段差部は、ニュートラルレンジに切り替えるためのニュートラルレンジ操作部に形成されている、請求項1に記載の車両用変速操作装置。
- 前記ニュートラルレンジ操作部は、隣接するレンジ操作部に対して上方に突出する凸形状で形成されている、請求項2に記載の車両用変速操作装置。
- 前記制御部は、前記タッチパネルに指が触れてから所定距離移動したことを検出した場合に、前記変速機の変速レンジを切り替える、請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用変速操作装置。
- 前記複数のレンジは、後進走行レンジ、ニュートラルレンジ及び前進走行レンジであり、
各レンジ操作部は、後進走行レンジ操作部、ニュートラルレンジ操作部及び前進走行レンジ操作部の順で直列に配置されている、請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用変速操作装置。 - 前記後進走行レンジ操作部に隣接する前記ニュートラルレンジ操作部の段差部と、前記前進走行レンジ操作部に隣接する前記ニュートラルレンジ操作部の段差部とは、高さが異なっている、請求項5に記載の車両用変速操作装置。
- 前記後進走行レンジ操作部に隣接する前記ニュートラルレンジ操作部の段差部の高さは、前記前進走行レンジ操作部に隣接する前記ニュートラルレンジ操作部の段差部の高さより高くなっている、請求項6に記載の車両用変速操作装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2019
- 2019-10-11 JP JP2019187790A patent/JP2021062699A/ja active Pending
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