JP2021062672A - 支持装置 - Google Patents

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信博 轟木
Nobuhiro Todoroki
信博 轟木
真史 疋田
Masashi Hikita
真史 疋田
竜峰 森田
Ryuho Morita
竜峰 森田
健二 関根
Kenji Sekine
健二 関根
松田 靖之
Yasuyuki Matsuda
靖之 松田
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Abstract

【課題】電動モータと、先端部に車輪を支持し、かつ、前記電動モータにより回転駆動される駆動軸とを備える電気自動車用駆動装置を、前記車輪を構成するタイヤの外周面を路面に押し付けつつ、前記車輪を介して前記路面から車体に伝わる振動および衝撃を緩和可能に、前記車体に対し支持する。【解決手段】全長を伸縮可能に構成されたダンパ42の上側の端部を、マウント部41の進行方向片側の端部に回動可能に支持し、かつ、下側の端部を、ハウジング11のアーム部16に回動可能に支持する。板ばね43を、曲率が大きくなるように弾性変形させた状態で、マウント部41の進行方向他側の端部と、ハウジング11の下側の端部との間にかけ渡す。【選択図】図3

Description

本発明は、電動モータを駆動源として車輪を回転駆動する電気自動車用駆動装置を、車体に対し支持するための支持装置に関する。
近年における化石燃料低減化の流れを受けて、電気自動車の研究が進み、一部で実施されている。特開2006−22879号公報(特許文献1)には、1個の電動モータの出力トルクを、2段変速機とデファレンシャルギヤとを介して、左右一対の駆動輪に伝達する、電気自動車用駆動装置が記載されている。
特開2006−22879号公報
特開2006−22879号公報に記載の電気自動車用駆動装置では、1個の電動モータにより、左右一対の駆動輪を駆動するように構成されている。このため、車両総重量に応じて、適切な仕様を有する電動モータ、2段変速機およびデファレンシャルギヤを使用する必要がある。換言すれば、電気自動車用駆動装置として、特開2006−22879号公報に記載の電気自動車用駆動装置を採用する場合には、車両総重量ごとに専用に設計する必要があり、電気自動車の製造コストを低減する面からは不利になる。
特に、人間が運転操作を行わなくても走行することができる自動運転車は、多数の高価なセンサを備えており、コスト低減の要望が大きい。
ここで、駆動源を構成する電動モータと車輪とを一体として取り扱えるようにユニット化し、車両総重量に応じてユニットの搭載数を決定すれば、車両総重量にかかわらず、電気自動車用駆動装置を共通化することができて、電気自動車のコストを抑えることができる。この場合でも、車輪の接地性を十分確保し、かつ、車輪から車体に伝わる振動や衝撃を緩和することが、乗員の乗り心地を確保する面から重要となる。
本発明は、上述のような事情を鑑みて、電動モータと、先端部に車輪を支持し、かつ、前記電動モータにより回転駆動される駆動軸とを備える電気自動車用駆動装置を、前記車輪を構成するタイヤの外周面を路面に押し付けつつ、前記車輪を介して前記路面から車体に伝わる振動および衝撃を緩和可能に、前記車体に対し支持することができる、支持装置の構造を実現することを目的としている。
本発明の支持装置は、ハウジングと、該ハウジングに対し支持固定された電動モータと、先端部に車輪を支持し、かつ、前記ハウジングに対し回転自在に支持されて、前記電動モータにより回転駆動される駆動軸とを備える電気自動車用駆動装置を、前記車輪を構成するタイヤの外周面を路面に押し付けつつ、前記車輪を介して前記路面から車体に伝わる振動および衝撃を緩和可能に、前記車体に対し支持する。
特に本発明の支持装置は、
前記車体に対し支持される、マウント部と、
上側の端部を、前記マウント部に対して枢支し、かつ、下側の端部を、前記ハウジングに対して枢支し、全長を伸縮可能に構成された、伸縮部材と、
上側の端部を、前記マウント部に対し接続固定し、かつ、下側の端部を、前記ハウジングのうちで前記伸縮部材の下側の端部が枢支された部分と前記マウント部とが遠近動できるように、前記ハウジングに対し接続した、連結部と、
前記マウント部と前記ハウジングのうちで前記伸縮部材の下側の端部が枢支された部分との間に、互いに離れる方向の弾力を付与する、弾力付与部材と、
を備える。
前記伸縮部材は、ダンパ(ショックアブソーバ)により構成することができる。
前記連結部および前記弾力付与部材は、上側の端部を、前記マウント部に対し接続固定し、かつ、下側の端部を、前記ハウジングに対し接続固定した、板ばねにより構成することができる。
または、前記弾力付与部材は、前記伸縮部材の周囲に配置されたねじりコイルばねにより構成することができる。
この場合、前記ハウジングは、互いに揺動可能に接続された、第1のハウジング素子と第2のハウジング素子とを備えることができ、前記連結部の下側の端部を、前記第1のハウジング素子に接続固定し、かつ、前記伸縮部材の下側の端部を、前記第2のハウジング素子に枢支することができる。
もしくは、前記連結部の下側の端部を、前記ハウジングに対し枢支することができる。
なお、前記電気自動車用駆動装置は、前記電動モータと前記駆動軸とを、一対ずつ備えることができる。すなわち、前記電気自動車用駆動装置を、ハウジングに対して支持固定された一対の電動モータのそれぞれにより、一対の駆動軸のそれぞれに支持された車輪の回転数および回転方向を独立して制御可能に構成することができる。この場合、本発明の支持装置のマウント部を、路面に対し直交する旋回軸を中心とする回動を可能に、車体に対して支持する。
本発明によれば、電動モータと、先端部に車輪を支持し、かつ、前記電動モータにより回転駆動される駆動軸とを備える電気自動車用駆動装置を、前記車輪を構成するタイヤの外周面を路面に押し付けつつ、前記車輪を介して前記路面から車体に伝わる振動および衝撃を緩和可能に、前記車体に対し支持することができる。
図1(A)は、実施の形態の第1例に係る支持装置を含む駆動ユニットを備える、電気自動車の第1例を示す斜視図であり、図1(B)は、図1(A)の左下側から見た側面図であり、図1(C)は、図1(B)の左側から見た端面図である。 図2は、実施の形態の第1例に係る支持装置を含んで構成される駆動ユニットを示す斜視図である。 図3は、図2に示す駆動ユニットから車高調整装置を取り外して示す斜視図である。 図4は、図3の左上側から見た端面図である。 図5は、図4のX−X断面図である。 図6は、図3に示す状態から一方の駆動輪を取り外して示す側面図である。 図7は、図3に示す状態から旋回装置を取り外して示す斜視図である。 図8は、図7に示す状態から一方の駆動輪を取り外して示す斜視図である。 図9は、電気自動車用駆動装置を取り出して示す斜視図である。 図10は、電気自動車用駆動装置を、一部を分解して示す斜視図である。 図11は、電気自動車用駆動装置を、一対のハブユニット軸受を取り付けた状態で示す斜視図である。 図12は、図11の左下側から見た側面図である。 図13は、図12のY−O−O−O−Y断面図である。 図14は、図12のY−O−O−O−Y断面図である。 図15は、電気自動車用駆動装置を取り出して示す模式図である。 図16(A)は、駆動ユニットを備える、電気自動車の第2例を示す斜視図であり、図16(B)は、図16(A)の左下側から見た側面図であり、図16(C)は、図16(B)の左側から見た端面図である。 図17(A)は、駆動ユニットを備える、電気自動車の第3例を示す斜視図であり、図17(B)は、図17(A)の左下側から見た側面図であり、図17(C)は、図17(B)の左側から見た端面図である。 図18は、実施の形態の第2例を示す、図7と同様の図である。 図19は、図18に示す状態から一方の駆動輪を取り外して示す斜視図である。 図20は、実施の形態の第3例を示す、図7と同様の図である。 図21は、図20に示す状態から一方の駆動輪を取り外して示す斜視図である。 図22は、図21の左下側から見た側面図である。 図23は、図22に示す状態から一部の部材を取り外して示す側面図である。 図24は、実施の形態の第4例を示す、図7と同様の図である。 図25は、図24に示す状態から一方の駆動輪を取り外して示す斜視図である。 図26は、図25の左下側から見た側面図である。 図27は、図25に示す状態から一部の部材を取り外して示す斜視図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1(A)〜図15を用いて説明する。本例を含めて、本発明の特徴は、電動モータを含んでユニット化された電気自動車用駆動装置を、車輪を構成するタイヤの外周面を路面に押し付けつつ、車輪を介して路面から車体に伝わる振動および衝撃を緩和可能に、車体に対し支持するための支持装置にある。以下では、まず、電気自動車用駆動装置および支持装置を含んで構成される駆動ユニットを複数備える電気自動車の構造について説明した後、駆動ユニットの構造について説明する。
電気自動車1aは、4人から5人程度の乗車定員を有する。電気自動車1aは、図1(A)〜図1(C)に示すように、車体2aと、4個の駆動ユニット3とを備える。
車体2aは、矩形箱状の車体本体4aと、車体本体4aの進行方向両側面のうち、下側部分から突出した庇状の一対の被支持部5a1、5a2とを備える。
駆動ユニット3のそれぞれは、図2に示すように、電気自動車用駆動装置6と、一対の車輪7a、7bと、支持装置8と、旋回装置9と、車高調整装置10とを備える。
電気自動車用駆動装置6は、図13〜図15に示すように、ハウジング11と、一対の電動モータ12a、12bと、一対の駆動軸13a、13bと、一対のトルク伝達装置14a、14bとを備える。
ハウジング11は、アルミニウム合金などの軽合金、または、合成樹脂などにより構成され、かつ、複数の部品を組み合わせることにより構成されている。ハウジング11は、互いに平行に配置された3個の円筒部15a、15b、15cを備え、かつ、下側の端部から、進行方向に関して片側(図5および図6の右側、図12の左側)に向けて延出したアーム部16を備える。
なお、進行方向とは、駆動ユニット3を車体2aに取り付け、かつ、車輪7a、7bを直進方向に向けた状態での電気自動車1aの進行方向(図1(B)、図5、図6および図12の左右方向)をいう。また、幅方向とは、駆動ユニット3を車体2aに取り付け、かつ、車輪7a、7bを直進方向に向けた状態での電気自動車1aの幅方向(図1(C)、図4および図13〜図15の左右方向)をいう。
また、ハウジング11は、例えば図2に示すように、上側部分に、コネクタ部17を備える。コネクタ部17は、電気自動車用駆動装置6を構成する一対の電動モータ12a、12bや各種センサとケーブルにより接続されている。さらに、コネクタ部17は、車体2aに搭載した電源や制御装置とハーネスにより接続されている。これにより、一対の電動モータ12a、12bに電源を供給し、かつ、各種センサの出力信号を制御装置に送信可能としている。
一対の電動モータ12a、12bのそれぞれは、図14に示すように、出力軸18a、18bを有し、ハウジング11に対し支持されている。一対の電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bは、それぞれの先端部を、互いに反対方向に向けた状態で、互いに非同軸に、かつ、互いに平行に配置されている。
このために、具体的には、一対の電動モータ12a、12bのうち、一方である第1の電動モータ12aの出力軸18aは、先端部を、幅方向に関して片側(図13〜図15の左側)に向けた状態で、ハウジング11の3個の円筒部15a、15b、15cのうちの1個の円筒部15aの内側に回転自在に支持されている。すなわち、第1の電動モータ12aは、円筒部15aの内周面に支持固定されたステータ19aの内周面を、出力軸18aの中間部の周囲に支持固定されたロータ20aの外周面に近接対向させている。
これに対し、一対の電動モータ12a、12bのうち、他方である第2の電動モータ12bの出力軸18bは、先端部を、幅方向に関して他側(図14および図15の右側)に向けた状態で、ハウジング11の3個の円筒部15a、15b、15cのうちの別の1個の円筒部15bの内側に回転自在に支持されている。すなわち、第2の電動モータ12bは、円筒部15bの内周面に支持固定されたステータ19bの内周面を、出力軸18bの中間部の周囲に支持固定されたロータ20bの外周面に近接対向させている。
一対の電動モータ12a、12bのそれぞれは、ステータ19a、19bとロータ20a、20bとからなる駆動部21a、21bの幅方向に関する位置を、互いに同じとしている。
なお、一対の電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bのうち、ハウジング11の側面から突出した基端部の周囲には、回転センサ22a、22bが装着されている。これにより、一対の電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bの回転数(回転速度)を検出可能に構成されている。
一対の電動モータ12a、12bのそれぞれは、互いに同じ定格出力および定格回転数(定格回転速度)を有し、かつ、それぞれの出力軸18a、18bの回転数(回転速度)および回転方向を独立して制御可能に構成されている。一対の電動モータ12a、12bのそれぞれの定格出力および定格回転数は、互いに同じであれば、特に限定されるものではないが、例えば、定格出力は5kW以上10kWとすることができ、定格回転数は2400rpm以上4500rpm以下とすることができる。
一対の駆動軸13a、13bは、図14に示すように、互いに同軸に、かつ、それぞれの先端部を互いに反対方向に向けた状態で、ハウジング11に対し回転自在に支持されている。本例では、一対の駆動軸13a、13bは、一対の電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bと非同軸に、かつ、平行に配置されている。
このために、具体的には、一対の駆動軸13a、13bのうち、一方である第1の駆動軸13aは、先端部を、幅方向に関して片側に向けた状態で、基端部を、ハウジング11の3個の円筒部15a、15b、15cのうちの残りの1個の円筒部15cの幅方向片側の端部に、回転自在に支持している。これに対し、一対の駆動軸13a、13bのうち、他方である第2の駆動軸13bは、先端部を、幅方向に関して他側に向けた状態で、基端部を、円筒部15cの幅方向他側の端部に、回転自在に支持している。
また、本例では、一対の駆動軸13a、13bのそれぞれは、先端部外周面に、スプライン軸部23を有する。
一対のトルク伝達装置14a、14bのそれぞれは、一対の電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bの回転トルクを、一対の駆動軸13a、13bのそれぞれに伝達する。本例では、一対のトルク伝達装置14a、14bのそれぞれは、歯車式減速機により構成されている。すなわち、一対のトルク伝達装置14a、14bのうちの一方である第1のトルク伝達装置14aは、第1の電動モータ12aの出力軸18aの回転トルクを増大させつつ、第1の駆動軸13aに伝達する。これに対し、一対のトルク伝達装置14a、14bのうちの他方である第2のトルク伝達装置14bは、第2の電動モータ12bの出力軸18bの回転トルクを増大させつつ、第2の駆動軸13bに伝達する。
このために、一対のトルク伝達装置14a、14bのそれぞれは、1個の中間軸24と、4個の歯車25a、25b、25c、25dとを備える。
中間軸24は、出力軸18a、18bおよび駆動軸13a、13bと非同軸に、かつ、平行に、ハウジング11に対し回転自在に支持されている。
第1の歯車25aは、電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bとともに回転する。本例では、第1の歯車25aは、電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bの先端部に支持固定されている。
第2の歯車25bは、第1の歯車25aと噛合する。第2の歯車25bは、第1の歯車25aの歯数Nよりも多い歯数Nを有する(N>N)。本例では、第2の歯車25bは、中間軸24に支持固定されている。
第3の歯車25cは、第2の歯車25bと同期して回転する。第3の歯車25cは、第2の歯車25bの歯数Nよりも少ない歯数Nを有する(N<N)。本例では、第3の歯車25cは、中間軸24のうち、第2の歯車25bが支持固定された部分から軸方向に外れた部分に支持固定されている。
第4の歯車25dは、第3の歯車25cと噛合し、かつ、駆動軸13a、13bのそれぞれとともに回転する。第4の歯車25dは、第3の歯車25cの歯数Nよりも多い歯数Nを有する(N>N)。本例では、第4の歯車25dは、駆動軸13a、13bのそれぞれの基端部(互いに近い側の端部)に支持固定されている。
電動モータ12a、12bのそれぞれに通電することで、出力軸18a、18bのそれぞれを回転駆動すると、出力軸18a、18bのそれぞれの回転は、第1の歯車25aと第2の歯車25bとの噛合部を介して、中間軸24に伝達される。さらに、中間軸24の回転は、第3の歯車25cと第4の歯車25dとの噛合部を介して、駆動軸13a、13bのそれぞれに伝達される。このようにして、一対の電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bの回転トルクは、トルク伝達装置14a、14bのそれぞれにより増大されてから、一対の駆動軸13a、13bのそれぞれに伝達される。
一対の電動モータのそれぞれの出力軸の回転トルクを、一対の駆動軸のそれぞれに伝達する、一対のトルク伝達装置のそれぞれは、本例のような歯車式減速機に限らず、ベルトやチェーンを使用した減速機により構成したり、ウォーム減速機により構成したりすることもできる。なお、一対のトルク伝達装置のそれぞれをウォーム減速機により構成する場合には、一対の電動モータのそれぞれの出力軸と、一対の駆動軸のそれぞれとを、互いにねじれの位置に配置することができる。あるいは、一対のトルク伝達装置のそれぞれを、一対の電動モータのそれぞれの出力軸と一対の駆動軸のそれぞれとの間の減速比を調節可能な、無段変速機や有段変速機により構成することもできる。
一対の電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bと、一対の駆動軸13a、13bのそれぞれとの間の減速比は、特に限定されるものではないが、例えば、6.0以上8.0以下であることが好ましい。
上述のように、電気自動車用駆動装置6は、一対の電動モータ12a、12bのそれぞれを構成する駆動部21a、21bの幅方向に関する位置を互いに同じとしている。このため、電気自動車用駆動装置6の幅方向に関する寸法を抑えることができる。
一対の車輪7a、7bのそれぞれは、ホイール26と、ホイール26の周囲に組み付けられたタイヤ27とを備える。
ホイール26は、制動装置28を構成する制動用回転体29とともに、ハブユニット軸受30a、30bを介して、電気自動車用駆動装置6の一対の駆動軸13a、13bのそれぞれに支持されている。
ハブユニット軸受30a、30bのそれぞれは、外輪31と、ハブ32と、複数個の転動体33とを備える。
外輪31は、内周面に複列の外輪軌道を有し、かつ、径方向外側に向けて突出した静止フランジ34を有する。外輪31は、静止フランジ34の周方向複数箇所に備えられた支持孔に挿通または螺合した支持部材35により、ハウジング11に対し支持固定されている。
ハブ32は、外輪31の内側に、外輪31と同軸に配置されている。ハブ32は、外周面に複列の内輪軌道を有する。また、ハブ32は、中心部に、軸方向に貫通するスプライン孔36を有し、かつ、径方向外側に向けて突出した回転フランジ37を有する。
スプライン孔36には、一対の駆動軸13a、13bのそれぞれの先端部に備えられたスプライン軸部23がスプライン係合されている。
回転フランジ37は、周方向複数箇所に、軸方向に貫通する取付孔38を有する。制動用回転体29およびホイール26は、それぞれの周方向複数箇所に備えられた通孔を挿通したハブボルト39を、取付孔38のそれぞれに螺合することにより、回転フランジ37に対し支持されている。
なお、本例では、制動装置28は、ディスクブレーキ装置により構成されている。すなわち、制動用回転体29は、円板状のブレーキロータにより構成されている。制動装置28を構成するブレーキキャリパ40は、ハウジング11に対し支持固定されている。ただし、制動装置を、ドラムブレーキにより構成することもできる。
支持装置8は、例えば図2に示すように、電気自動車用駆動装置6を、タイヤ27の外周面(トレッド)を路面に押し付けつつ、車輪7a、7bのそれぞれを介して路面から車体2a(図1参照)に伝わる振動および衝撃を緩和可能に、車体2aに対し支持する。支持装置8は、マウント部41と、伸縮部材を構成するダンパ42と、連結部および弾力付与部材を構成する板ばね43とを備える。
マウント部41は、電気自動車用駆動装置6の上側に、路面とほぼ平行に配置されている。本例では、マウント部41は、旋回装置9と車高調整装置10とを介して、車体2aのうち、一対の被支持部5a1、5a2のそれぞれの下面に支持される。
ダンパ42は、全長を伸縮可能に構成されている。ダンパ42は、例えば図6に示すように、上側の端部を、マウント部41の進行方向片側の端部に回動可能に支持(枢支)し、かつ、下側の端部を、ハウジング11のアーム部16に回動可能に支持している。本例では、ダンパ42は、オイルショックアブソーバにより構成されている。なお、ダンパ42を構成するオイルショックアブソーバは、複筒式と単筒式とのいずれでも良い。
板ばね43は、略円弧形または略U字形に湾曲している。板ばね43は、曲率が大きくなる(曲率半径が小さくなる)ように弾性変形させた状態で、マウント部41の進行方向他側の端部と、ハウジング11の下側の端部との間にかけ渡されている。すなわち、板ばね43は、上側の端部を、マウント部41の進行方向他側の端部に結合固定し、下側の端部を、ハウジング11の下側の端部を結合固定している。なお、1枚の板ばね43に代えて、複数枚の板ばねを重ね合わせてなる重ね板ばね(リーフスプリング)を使用することもできる。
上述のように構成される支持装置8は、板ばね43が弾性的に復元しようとする力によって、タイヤ27の外周面を路面に押し付ける。また、支持装置8は、ダンパ42が弾性的に収縮し、かつ、板ばね43が弾性変形することで、路面から車体2aに伝わる振動や衝撃を吸収して緩和する。
旋回装置9は、電気自動車用駆動装置6を、路面に直交する旋回軸C(図6参照)を中心とする回動を可能に、車体2aのうち、一対の被支持部5a1、5a2のそれぞれの下面に対し、車高調整装置10を介して支持する。すなわち、一対の電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bの回転数および/または回転方向を互いに異ならせることで、一対の車輪7a、7bのそれぞれの回転数および/または回転方向を互いに異ならせると、電気自動車用駆動装置6は、旋回軸Cを中心に、車体2aに対し旋回(回動)する。
本例では、旋回装置9は、互いに同軸に、かつ、相対回転可能に組み合わされた、固定部材44と回転部材45とを備える。固定部材44は、車高調整装置10を構成する下側支持部材46の下面に支持固定されている。回転部材45は、支持装置8のマウント部41の上面に支持固定されている。
なお、本例では、旋回軸Cは、一対の駆動軸13a、13bのそれぞれに対しねじれの位置に配置されている。具体的には、図6に示すように、旋回軸Cは、一対の駆動軸13a、13bに対し、進行方向に関して他側にオフセットして配置されている。これにより、旋回軸Cを、路面に対するタイヤ27の接地点よりも、進行方向に関して他側に位置させて、キャスタトレールを確保している。
車高調整装置10は、路面に対する車体2aの高さを調整する機能を有する。このために、車高調整装置10は、図2に示すように、支持フレーム47と、調整機構48と、高さ調整用モータ49とを備える。
支持フレーム47は、下側支持部材46と、上側支持部材50と、一対の下側リンク部材51と、一対の上側リンク部材52と、一対の枢軸53とを備える。下側支持部材46は、旋回装置9の固定部材44の上面に支持固定されている。上側支持部材50は、車体2aのうち、一対の被支持部5a1、5a2のそれぞれの下面に対し支持固定される。一対の下側リンク部材51のそれぞれは、下側の端部を、下側支持部材46のうち、進行方向両側の端部に対し揺動可能に支持している。一対の上側リンク部材52のそれぞれは、上側の端部を、上側支持部材50のうち、進行方向両側の端部に対し揺動可能に支持している。一対の枢軸53のそれぞれは、一対の下側リンク部材51のそれぞれの上側の端部と、一対の上側リンク部材52のそれぞれの下側の端部とを、互いに揺動可能に接続している。
調整機構48は、高さ調整用モータ49を駆動源として、一対の枢軸53同士の間の間隔を拡縮させ、下側支持部材46と上側支持部材50との間隔を拡縮することにより、路面に対する車体2aの高さを調整する。このために、調整機構48は、一対の軸部材を伸縮可能に組み合わせてなる伸縮軸と、直動機構とを備える。
直動機構は、例えば、ボールねじ機構により構成される。すなわち、直動機構は、一対の軸部材のうちの一方であるボールねじ軸と、一対の軸部材のうちの他方の軸部材に支持固定されたボールナットとを備える。
調整機構48は、高さ調整用モータ49によりボールねじ軸を回転駆動し、ボールナットを軸方向に相対変位させる。これにより、他方の軸部材を軸方向に変位させ、伸縮軸を伸縮させることで、一対の枢軸53同士の間の間隔を拡縮させ、路面に対する車体2aの高さを調整する。
なお、駆動ユニット3は、支承する重量を測定するための重量センサと、車輪7a、7bの舵角を測定するための角度センサとを備える。重量センサおよび角度センサの取付位置は特に限定されるものではなく、例えば、旋回装置9に取り付けることができる。
本例では、図1(B)に示すように、4個の駆動ユニット3のそれぞれは、すべて同じ向きを向くように、車体2aのうち、一対の被支持部5a1、5a2のそれぞれの下面に2個ずつ支持されている。すなわち、駆動ユニット3のそれぞれを構成する車高調整装置10の上側支持部材50は、一対の被支持部5a1、5a2のそれぞれの下面の幅方向2箇所に支持固定されている。このため、車体本体4a内の空間(車室空間)を広く確保することができる。
駆動ユニット3のそれぞれは、電気自動車用駆動装置6により、一対の車輪7a、7bのそれぞれをいずれの方向にも回転させることができる。ただし、駆動ユニット3のそれぞれの旋回軸C(図6参照)は、一対の駆動軸13a、13bに対し、進行方向他側にオフセットして配置されている。このため、電気自動車1aは、駐車スペースへの駐車時や方向転換時などを除き、通常は、駆動ユニット3のそれぞれの進行方向他側(図1(B)の右側)が前方を向くように走行することが、直進走行の安定性を確保する面から好ましい。
また、本例では、電気自動車用駆動装置6の進行方向他側には、支持装置8の板ばね43が配置されている。したがって、進行方向他側を前方に向けて走行すれば、前方を走行する自動車のタイヤによって小石などが巻き上げられた場合でも、小石などが、電気自動車用駆動装置6に直接衝突するのを、板ばね43により防止することができる。
本例では、駆動ユニット3のそれぞれは、電気自動車用駆動装置6を車体2aに対し、支持装置8により、タイヤ27の外周面(トレッド)を路面に押し付けつつ、車輪7a、7bのそれぞれを介して路面から車体2aに伝わる振動および衝撃を緩和可能に支持している。このため、路面に対するタイヤ27の接地性を十分確保することができ、かつ、車輪7a、7bから車体2aに伝わる振動や衝撃を緩和することができて、乗員の乗り心地を良好に確保することができる。
電気自動車用駆動装置6は、旋回装置9により、旋回軸C(図6参照)を中心とする回動を可能に車体2aに対し支持されている。また、一対の電動モータ12a、12bは、それぞれの出力軸18a、18bの回転数および回転方向を独立して制御可能に構成されている。したがって、一対の駆動軸13a、13bのそれぞれに支持された車輪7a、7bの回転数および回転方向を独立して調節することができる。このため、駆動ユニット3を転舵するためのアクチュエータを別に備えなくても、一方の車輪7aの回転方向と他方の車輪7bの回転方向とを互いに反対方向とすることで、駆動ユニット3の転舵を行うことができる。
要するに、本例の電気自動車1aは、図示しない制御装置により、4個の駆動ユニット3のそれぞれの車輪7a、7bの回転数および回転方向を制御することで、走行方向および走行速度を制御することができる。例えば、電気自動車1aは、すべての車輪7a、7bの回転数および回転方向を同じにすることで、直進走行することができる。一方、電気自動車1aは、それぞれの車輪7a、7bの回転数を適切な値に調節することで、旋回走行することができる。具体的には、旋回走行時には、車輪7a、7bの回転数を、旋回軌跡の径方向に関して内側に位置する車輪ほど小さくする。また、駆動ユニット3のそれぞれについて、一方の車輪7aの回転方向と他方の車輪7bの回転方向とを互いに反対方向とすれば、旋回軸Cを中心に駆動ユニット3を旋回することができ、その場で、駆動ユニット3の向きのみを変更(転舵)することができる。ただし、駆動ユニット3のそれぞれは、旋回軸Cを中心に転舵するためのアクチュエータを別に備えることもできる。
電気自動車1aは、停止する際には、制動装置28(図5参照)を駆動し、ブレーキキャリパ40に支持された一対のパッドを、制動用回転体29に押し付けて制動を行う。ただし、電気自動車用駆動装置6を構成する一対の電動モータ12a、12bのそれぞれを発電機として使用することで、回生制動を行うこともできる。
駆動ユニット3のそれぞれは、車高調整装置10(図2参照)を備える。したがって、電気自動車1aは、駆動ユニット3のそれぞれの車高調整装置10の上下寸法を調節することにより、車高を調節することができる。特に、駆動ユニット3のそれぞれの重量センサによる測定値に基づいて、それぞれの車高調整装置10の上下寸法を調節すれば、車室空間の重量バランスにかかわらず、車体2aの重量を、4個の駆動ユニット3によりバランスよく支承できる。また、乗員の乗降や荷物の積み下ろしの際には、車体2aのうち、乗降口側を低くして、乗降動作や積み下ろし作業を容易化することができる。
上述のように、駆動ユニット3のそれぞれは、電気自動車用駆動装置6と、車輪7a、7bと、支持装置8と、旋回装置9と、車高調整装置10とを一体に組み合わせることにより構成されており、電気自動車の走行、旋回および停止の機能を実現することができる。さらに、電気自動車1aは、駆動ユニット3を複数個(本例では4個)備えている。このため、電気自動車1aは、複数個の駆動ユニット3のうちの一部の駆動ユニット3が故障した場合でも、残りの駆動ユニット3を使用してある程度(例えば、路肩に退避する程度であれば)自走し続けることができる。さらに、電気自動車1aは、故障した駆動ユニット3ごと交換することで、容易に故障を修理することができ、メンテナンス性に優れる。
電気自動車の走行、旋回および停止の機能を実現することができる駆動ユニット3は、車両総重量に応じた適切な数だけ、車体に支持されて、電気自動車を構成する。すなわち、上述の説明では、図1(A)〜図1(C)に示すような、4人から5人程度の乗車定員を有する、小型の電気自動車1aに、駆動ユニット3を適用した場合について説明したが、駆動ユニット3は、例えば、図16(A)〜図16(B)に示すような、中型の電気自動車1bや、図17(A)〜図17(C)に示すような、大型の電気自動車1cに適用することもできる。以下、それぞれの場合について、説明する。
図16(A)〜図16(C)に示す、第2例の電気自動車1bは、8人から10人程度の乗車定員を有する。電気自動車1bは、車体2bと、8個の駆動ユニット3とを備える。
車体2bは、矩形箱状の車体本体4bと、車体本体4bの進行方向両側面のうち、下側部分から突出した庇状の一対の被支持部5b1、5b2とを備える。
駆動ユニット3のそれぞれは、一対の被支持部5b1、5b2のそれぞれの下面に4個ずつ支持されている。すなわち、駆動ユニット3のそれぞれを構成する車高調整装置10の上側支持部材50は、一対の被支持部5b1、5b2のそれぞれの下面に、2列に分けて、両列ごとに幅方向2箇所ずつに支持固定されている。その他の部分の構成および作用効果は、図1(A)〜図1(C)に示す、第1例の電気自動車1aと同様である。
図17(A)〜図17(C)に示す、第3例の電気自動車1cは、20人から30人程度の乗車定員を有する。電気自動車1cは、車体2cと、16個の駆動ユニット3とを備える。
車体2cは、矩形箱状の車体本体4cと、車体本体4cの進行方向両側面のうち、下側部分から突出した庇状の一対の被支持部5c1、5c2とを備える。
駆動ユニット3のそれぞれは、一対の被支持部5c1、5c2のそれぞれの下面に8個ずつ支持されている。すなわち、駆動ユニット3のそれぞれを構成する車高調整装置10の上側支持部材50は、一対の被支持部5c1、5c2のそれぞれの下面に、2列に分けて、両列ごとに幅方向4箇所ずつに支持固定されている。その他の部分の構成および作用効果は、図1(A)〜図1(C)に示す、第1例の電気自動車1aと同様である。
上述のように、駆動ユニット3は、車両総重量にかかわらず、電気自動車の駆動ユニットとして、共通に使用することができる。したがって、電気自動車用駆動装置を車両総重量ごとに専用に設計する必要がなく、電気自動車の製造コストを低減することができる。特に、本例の駆動ユニット3を、多数の高価なセンサを備える自動運転車に適用した場合、駆動ユニット3の共通化によるコスト削減効果を顕著に得ることができる。
本例では、電気自動車用駆動装置6は、一対の駆動軸13a、13bのそれぞれを、一対の電動モータ12a、12bのそれぞれにより、一対のトルク伝達装置14a、14bを介して駆動するように構成されているが、本発明の支持装置は、電動モータを駆動源とする電気自動車用駆動装置であれば、これに限らず、種々の構造を有する電気自動車用駆動装置を、車体に対し支持することができる。例えば、本発明の支持装置は、駆動軸のそれぞれを、2個以上ずつの電動モータにより駆動する電気自動車用駆動装置を、車体に対し支持するために使用することができる。あるいは、前記支持装置は、1個の電動モータにより、1個の駆動軸を回転駆動するように構成された電気自動車用駆動装置を、車体に対し支持するために使用することもできる。この場合には、電気自動車用駆動装置および支持装置を含んで構成される駆動ユニットを、路面に直交する旋回軸を中心に転舵するためのアクチュエータを備えることが好ましい。
[実施の形態の第2例]
図18および図19は、実施の形態の第2例を示している。本例の支持装置8aは、マウント部41と、電動アクチュエータ54と、板ばね43とを備える。すなわち、本例の支持装置8aは、実施の形態の第1例に係る支持装置8を構成するダンパ42の代わりに、電動アクチュエータ54を備える。すなわち、本例では、電動アクチュエータ54が、伸縮部材を構成し、かつ、板ばね43が、連結部および弾性付与部材を構成する。
電動アクチュエータ54は、全長を伸縮可能に構成され、かつ、通電に基づいて減衰特性(減衰係数)を調節可能に構成されている。すなわち、電動アクチュエータ54は、上側のアウタチューブ55と下側のインナチューブ56とを互いに相対変位可能に組み合わせてなり、制御ユニット57への通電に基づいて、アウタチューブ55に対するインナチューブ56が変位することに対する抵抗(変位抵抗)を調節可能としている。電動アクチュエータ54は、例えばボールねじやリニアモータなどにより、全長を伸縮可能に、かつ、減衰特性を調節可能にする機構を実現している。
電動アクチュエータ54は、アウタチューブ55の上側の端部を、マウント部41の進行方向片側(図18および図19)の右側の端部に回動可能に支持(枢支)し、かつ、インナチューブ56の下側の端部を、ハウジング11のアーム部16に回動可能に枢支している。
本例の支持装置8aは、板ばね43が弾性的に復元しようとする力によって、タイヤ27の外周面を路面に押し付ける。また、支持装置8aは、電動アクチュエータ54が収縮し、かつ、板ばね43が弾性変形することで、路面から車体2a(図1(A)〜図1(C)参照)に伝わる振動や衝撃を吸収して緩和する。特に本例では、電動アクチュエータ54は、制御ユニット57への通電に基づいて減衰特性を調節可能としているため、路面の状態や走行状況などに応じて、振動や衝撃の吸収特性を調節することができる。このため、路面の状態や走行状況などにかかわらず、乗り心地や走行安定性を良好に確保することができる。
なお、支持装置8aは、電動アクチュエータ54の制御ユニット57への通電に基づいて、アウタチューブ55に対してインナチューブ56を変位させることで、路面に対する車体2aの高さを調節可能に構成することもできる。この場合、駆動ユニット3(図1(A)〜図2参照)は、車高調整装置10を省略することができる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図20〜図23は、実施の形態の第3例を示している。本例では、電気自動車用駆動装置6aおよび支持装置8bの構造が、実施の形態の第1例に係る電気自動車用駆動装置6および支持装置8と異なる。電気自動車用駆動装置6aは、ハウジング11aと、一対の電動モータ12a、12b(図13および図14参照)と、一対の駆動軸13a、13b(図13および図14参照)と、一対のトルク伝達装置14c、14dとを備える。
ハウジング11aは、互いに揺動可能に接続された、第1のハウジング素子58と第2のハウジング素子59とを備える。
第1のハウジング素子58は、一対の円筒部60a、60bと、一対の円筒部60a、60b同士を接続する基部61とを備える。
第2のハウジング素子59は、幅方向から見て略菱形の側面形状を有し、幅方向に間隔をあけて配置された、一対の側板部62a、62bと、一対の側板部62a、62bの先端部(進行方向片側(図22および図23の右側)の端部)同士を接続する柱部63とを備える。一対の側板部62a、62bのそれぞれは、基端部(進行方向他側(図22および図23の左側)の端部)を、第1のハウジング素子58の基部61に回動可能に支持(枢支)している。
一対の電動モータ12a、12bのそれぞれは、出力軸18a、18bの先端部を互いに反対方向に向けた状態で、互いに非同軸に、かつ、互いに平行に配置されている。本例では、一対の電動モータ12a、12bのそれぞれは、ステータ19a、19bとロータ20a、20bとからなる駆動部21a、21b(図14および図15参照)を、第1のハウジング素子58の円筒部60a、60bの内側に収容している。
一対の駆動軸13a、13bは、互いに同軸に、かつ、それぞれの先端部を互いに反対方向に向けた状態で、第2のハウジング素子59の一対の側板部62a、62bの中央部に回転自在に支持されている。
一対のトルク伝達装置14c、14dのそれぞれは、中間軸64と、2個の歯車65a、65bと、2個のプーリ66a、66bと、ベルト67を備える。
中間軸64は、出力軸18a、18bおよび駆動軸13a、13bと非同軸に、かつ、平行に、ハウジング11aに対し回転自在に支持されている。具体的には、中間軸64は、第2のハウジング素子59の一対の側板部62a、62bの基端部に対し、第1のハウジング素子58に対する第2のハウジング素子59の揺動中心と同軸に、回転自在に支持されている。
第1の歯車65aは、電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bとともに回転する。すなわち、第1の歯車65aは、電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bの先端部に支持固定されている。
第2の歯車65bは、第1の歯車65aと噛合する。第2の歯車65bは、第1の歯車65aの歯数Ng1よりも多い歯数Ng2を有する(Ng2>Ng1)。本例では、第2の歯車65bは、中間軸64に支持固定されている。なお、図21および図22は、第2の歯車65bの外周面に形成された歯を省略して示している。
第1のプーリ66aは、第2の歯車65bと同期して回転する。第1のプーリ66aは、第2の歯車65bの外径(歯先円直径)Dg2よりも小さい外径Dp1を有する(Dp1<Dg2)。本例では、第1のプーリ66aは、中間軸64のうち、第2の歯車65bが支持固定された部分から軸方向に外れた部分に支持固定されている。
第2のプーリ66bは、駆動軸13a、13bのそれぞれとともに回転する。第2のプーリ66bは、第1のプーリ66aの外径Dp1よりも大きい外径Dp2を有する(Dp2>Dp1)。本例では、第2のプーリ66bは、駆動軸13a、13bのそれぞれに支持固定されている。
ベルト67は、第1のプーリ66aと第2のプーリ66bとの間にかけ渡されている。
電動モータ12a、12bのそれぞれに通電することで、出力軸18a、18bのそれぞれを回転駆動すると、出力軸18a、18bのそれぞれの回転は、第1の歯車65aと第2の歯車65bとの噛合部を介して、中間軸64に伝達される。さらに、中間軸64の回転は、第1のプーリ66aと第2のプーリ66bとの間にかけ渡されたベルト67により、駆動軸13a、13bのそれぞれに伝達される。このようにして、一対の電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bの回転トルクは、トルク伝達装置14c、14dのそれぞれにより増大されてから、一対の駆動軸13a、13bのそれぞれに伝達される。
支持装置8bは、マウント部41aと、連結部68と、ダンパ42aと、ねじりコイルばね69とを備える。
マウント部41aは、電気自動車用駆動装置6aの上側に、路面とほぼ平行に配置されている。本例では、マウント部41aは、旋回装置9と車高調整装置10(図2参照)とを介して、車体2a(図1(A)〜図1(C)参照)のうち、一対の被支持部5a1、5a2のそれぞれの下面に支持される。
連結部68は、上側の端部を、マウント部41aの進行方向他側の端部に結合固定し、かつ、下側の端部を、第1のハウジング素子58に接続固定している。具体的には、連結部68は、下側の端部を、第1のハウジング素子58を構成する一対の円筒部60a、60bのうち、上側に位置する円筒部60bの上側部分に接続固定している。すなわち、本例では、支持装置8bを構成するマウント部41aおよび連結部68と、第1のハウジング素子58とは、一体に構成されている。
ダンパ42aは、全長を伸縮可能に構成されている。ダンパ42aは、上側の端部を、マウント部41aの進行方向片側の端部に回動可能に支持し、かつ、下側の端部を、第2のハウジング素子59の柱部63に回動可能に支持している。ダンパ42aは、オイルショックアブソーバにより構成されている。
ねじりコイルばね69は、ダンパ42aの周囲に配置され、かつ、ダンパ42aを構成するアウタチューブ70とインナチューブ71との間にかけ渡されている。ねじりコルばね69は、アウタチューブ70とインナーチューブ71との間に、アウタチューブ70とインナーチューブ71とが互いに離れる方向の弾力を付与している。要するに、本例では、マウント部41aと、第2のハウジング素子59との間に、ダンパ42aとねじりコイルばね69とからなるサスペンション72がかけ渡されている。
支持装置8bは、ねじりコイルばね69が弾性的に復元しようとする力によって、タイヤ27の外周面を路面に押し付ける。また、支持装置8bは、第2のハウジング素子59が第1のハウジング素子58に対し揺動しつつ、ダンパ42aが弾性的に収縮し、かつ、ねじりコイルばね69が弾性変形することで、路面から車体2aに伝わる振動や衝撃を吸収して緩和する。すなわち、本例では、ダンパ42aが、伸縮部材を構成し、第1のハウジング素子58と一体に設けられた連結部68が、連結部を構成し、かつ、ねじりコイルばね69が、弾力付与部材を構成する。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図24〜図27は、実施の形態の第4例を示している。本例では、電気自動車用駆動装置6bおよび支持装置8cの構造が、実施の形態の第1例に係る電気自動車用駆動装置6および支持装置8と異なる。電気自動車用駆動装置6bは、ハウジング11bと、一対の電動モータ12a、12b(図13および図14参照)と、一対の駆動軸13a、13b(図13および図14参照)と、一対のトルク伝達装置14eとを備える。
ハウジング11bは、一対のハウジング素子73を備える。
一対のハウジング素子73のそれぞれは、略台形状の側面形状を有する側板部74と、側板部74の基端部の上側部分に支持固定されたモータ収容部75とを備える。
一対の電動モータ12a、12bのそれぞれは、出力軸18a、18bの先端部を互いに反対方向に向けた状態で、互いに同軸に配置されている。本例では、一対の電動モータ12a、12bのそれぞれは、ステータ19a、19bとロータ20a、20bとからなる駆動部21a、21b(図14および図15参照)を、一対のハウジング素子73のそれぞれのモータ収容部75の内側に収容している。
一対の駆動軸13a、13bは、互いに同軸に、かつ、それぞれの先端部を互いに反対方向に向けた状態で、一対のハウジング素子73のそれぞれの側板部74の中央付近に回転自在に支持されている。
一対のトルク伝達装置14eは、中間軸64aと、2個の歯車65c、65dと、2個のプーリ66cと、ベルト67aを備える。
中間軸64aは、出力軸18a、18bおよび駆動軸13a、13bと非同軸に、かつ、平行に、ハウジング11bに対し回転自在に支持されている。具体的には、中間軸64aは、一対のハウジング素子73のそれぞれの側板部74に対して回転自在に支持されている。
第1の歯車65cは、電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bとともに回転する。すなわち、第1の歯車65cは、電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bの先端部に支持固定されている。
第2の歯車65dは、第1の歯車65cと噛合する。第2の歯車65dは、第1の歯車65cの歯数Ng1よりも多い歯数Ng2を有する(Ng2>Ng1)。本例では、第2の歯車65dは、中間軸64aに支持固定されている。なお、図24〜図26は、第2の歯車65dの外周面に形成された歯を省略して示している。
第1のプーリ(図示省略)は、第2の歯車65dと同期して回転する。第1のプーリは、第2の歯車65dの外径(歯先円直径)Dg2よりも小さい外径Dp1を有する(Dp1<Dg2)。本例では、第1のプーリは、中間軸64aのうち、第2の歯車65dが支持固定された部分から軸方向に外れた部分に支持固定されている。
第2のプーリ66cは、駆動軸13a、13bのそれぞれとともに回転する。第2のプーリ66cは、第1のプーリの外径Dp1よりも大きい外径Dp2を有する(Dp2>Dp1)。本例では、第2のプーリ66cは、駆動軸13a、13bのそれぞれに支持固定されている。
ベルト67aは、第1のプーリと第2のプーリ66cとの間にかけ渡されている。
電動モータ12a、12bのそれぞれに通電することで、出力軸18a、18bのそれぞれを回転駆動すると、出力軸18a、18bのそれぞれの回転は、第1の歯車65cと第2の歯車65dとの噛合部を介して、中間軸64aに伝達される。さらに、中間軸64aの回転は、第1のプーリと第2のプーリ66cとの間にかけ渡されたベルト67aにより、駆動軸13a、13bのそれぞれに伝達される。このようにして、一対の電動モータ12a、12bのそれぞれの出力軸18a、18bの回転トルクは、トルク伝達装置14eのそれぞれにより増大されてから、一対の駆動軸13a、13bのそれぞれに伝達される。
支持装置8cは、マウント部41bと、連結部68aと、一対のダンパ42bと、一対のねじりコイルばね69aとを備える。
マウント部41bは、電気自動車用駆動装置6bの上側に、路面とほぼ平行に配置されている。本例では、マウント部41bは、旋回装置9と車高調整装置10(図2参照)とを介して、車体2a(図1(A)〜図1(C)参照)のうち、一対の被支持部5a1、5a2のそれぞれの下面に支持される。
連結部68aは、上側の端部を、マウント部41aの下面の中央部に結合固定し、かつ、下側の端部を、ハウジング11bに対し回動可能に支持(枢支)している。具体的には、連結部68aは、下側の端部を、一対のハウジング素子73のそれぞれの側板部74の基端部の下側部分に回動可能に支持している。
一対のダンパ42bは、全長を伸縮可能に構成されている。図26に示すように、一対のダンパ42bのそれぞれは、上側の端部を、マウント部41bの進行方向片側の端部の下面に回動可能に支持し、かつ、下側の端部を、一対のハウジング素子73のそれぞれの側板部74の先端部(進行方向片側の端部)に回動可能に支持している。ダンパ42bは、オイルショックアブソーバにより構成されている。
一対のねじりコイルばね69aのそれぞれは、一対のダンパ42bのそれぞれの周囲に配置され、かつ、ダンパ42bのそれぞれを構成するアウタチューブ70aとインナチューブ71aとの間にかけ渡されている。要するに、本例では、マウント部41bと、一対のハウジング素子73のそれぞれの側板部74との間に、ダンパ42bとねじりコイルばね69aとからなるサスペンション72aがかけ渡されている。
支持装置8cは、一対のねじりコイルばね69aが弾性的に復元しようとする力によって、タイヤ27の外周面を路面に押し付ける。また、支持装置8cは、一対のハウジング素子73からなるハウジング11bがマウント部41bおよび連結部68aに対し揺動しつつ、一対のダンパ42bが弾性的に収縮し、かつ、一対のねじりコイルばね69aが弾性変形することで、路面から車体2aに伝わる振動や衝撃を吸収して緩和する。すなわち、本例では、ダンパ42bが、伸縮部材を構成し、連結部68aが、連結部を構成し、かつ、ねじりコイルばね69aが、弾力付与部材を構成する。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
1a、1b、1c 電気自動車
2a、2b、2c 車体
3 駆動ユニット
4a、4b、4c 車体本体
5a1、5a2、5b1、5b2、5c1、5c2 被支持部
6、6a、6b 電気自動車用駆動装置
7a、7b 車輪
8、8a、8b、8c 支持装置
9 旋回装置
10 車高調整装置
11、11a、11b ハウジング
12a 第1の電動モータ
12b 第2の電動モータ
13a 第1の駆動軸
13b 第2の駆動軸
14a 第1のトルク伝達装置
14b 第2のトルク伝達装置
14c、14d、14e トルク伝達装置
15a、15b、15c 円筒部
16 アーム部
17 コネクタ部
18a、18b 出力軸
19a、19b ステータ
20a、20b ロータ
21a、21b 駆動部
22a、22b 回転センサ
23 スプライン軸部
24 中間軸
25a 第1の歯車
25b 第2の歯車
25c 第3の歯車
25d 第4の歯車
26 ホイール
27 タイヤ
28 制動装置
29 制動用回転体
30a、30b ハブユニット軸受
31 外輪
32 ハブ
33 転動体
34 静止フランジ
35 支持部材
36 スプライン孔
37 回転フランジ
38 取付孔
39 ハブボルト
40 ブレーキキャリパ
41、41a、41b マウント部
42、42a、42a ダンパ
43 板ばね
44 固定部材
45 回転部材
46 下側支持部材
47 支持フレーム
48 調整機構
49 高さ調整用モータ
50 上側支持部材
51 下側リンク部材
52 上側リンク部材
53 枢軸
54 電動アクチュエータ
55 アウタチューブ
56 インナチューブ
57 制御ユニット
58 第1のハウジング素子
59 第2のハウジング素子
60a、60b 円筒部
61 基部
62a、62b 側板部
63 柱部
64 中間軸
65a、65c 第1の歯車
65b、65d 第2の歯車
66a 第1のプーリ
66b、66c 第2のプーリ
67、67a ベルト
68、68a 連結部
69、69a ねじりコイルばね
70、70a アウタチューブ
71、71a インナチューブ
72、72a サスペンション
73 ハウジング素子
74 側板部
75 モータ収容部

Claims (6)

  1. ハウジングと、該ハウジングに対し支持固定された電動モータと、先端部に車輪を支持し、かつ、前記ハウジングに対し回転自在に支持されて、前記電動モータにより回転駆動される駆動軸とを備える電気自動車用駆動装置を、前記車輪を構成するタイヤの外周面を路面に押し付けつつ、前記車輪を介して前記路面から車体に伝わる振動および衝撃を緩和可能に、前記車体に対し支持する、支持装置であって、
    前記車体に対し支持される、マウント部と、
    上側の端部を、前記マウント部に対して枢支し、かつ、下側の端部を、前記ハウジングに対して枢支し、全長を伸縮可能に構成された、伸縮部材と、
    上側の端部を、前記マウント部に対し接続固定し、かつ、下側の端部を、前記ハウジングのうちで前記伸縮部材の下側の端部が枢支された部分と前記マウント部とが遠近動できるように、前記ハウジングに対し接続した、連結部と、
    前記マウント部と前記ハウジングのうちで前記伸縮部材の下側の端部が枢支された部分との間に、互いに離れる方向の弾力を付与する、弾力付与部材と、
    を備える、支持装置。
  2. 前記伸縮部材が、ダンパにより構成されている、
    請求項1に記載の支持装置。
  3. 前記連結部および前記弾力付与部材が、上側の端部を、前記マウント部に対し接続固定し、かつ、下側の端部を、前記ハウジングに対し接続固定した、板ばねにより構成されている、
    請求項1または2に記載の支持装置。
  4. 前記弾力付与部材が、前記伸縮部材の周囲に配置されたねじりコイルばねにより構成されている、
    請求項1または2に記載の支持装置。
  5. 前記ハウジングが、互いに揺動可能に接続された、第1のハウジング素子と第2のハウジング素子とを備え、
    前記連結部の下側の端部が、前記第1のハウジング素子に接続固定されており、
    前記伸縮部材の下側の端部が、前記第2のハウジング素子に枢支されている、
    請求項4に記載の支持装置。
  6. 前記連結部の下側の端部が、前記ハウジングに対し枢支されている、
    請求項4に記載の支持装置。
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