JP7419893B2 - 電気自動車用駆動装置、駆動ユニットおよび電気自動車 - Google Patents

電気自動車用駆動装置、駆動ユニットおよび電気自動車 Download PDF

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本発明は、電動モータを駆動源として車輪を回転駆動する、電気自動車用駆動装置と、前記電気自動車用駆動装置を備える駆動ユニットと、前記駆動ユニットを複数備える電気自動車とに関する。
近年における化石燃料低減化の流れを受けて、電気自動車の研究が進み、一部で実施されている。特開2006-22879号公報(特許文献1)には、1個の電動モータの出力トルクを、2段変速機とデファレンシャルギヤとを介して、左右一対の駆動輪に伝達する、電気自動車用駆動装置が記載されている。
特開2006-22879号公報
特開2006-22879号公報に記載の電気自動車用駆動装置では、1個の電動モータにより、左右一対の駆動輪を駆動するように構成されている。このため、車両総重量に応じて、適切な仕様を有する電動モータ、2段変速機およびデファレンシャルギヤを使用する必要がある。換言すれば、電気自動車用駆動装置として、特開2006-22879号公報に記載の電気自動車用駆動装置を採用する場合には、車両総重量ごとに専用に設計する必要があり、電気自動車の製造コストを低減する面からは不利になる。
特に、人間が運転操作を行わなくても走行することができる自動運転車は、多数の高価なセンサを備えており、コスト低減の要望が大きい。
ここで、駆動源を構成する電動モータと車輪とを一体として取り扱えるようにユニット化し、車両総重量に応じてユニットの搭載数を決定すれば、車両総重量にかかわらず、電気自動車用駆動装置を共通化することができて、電気自動車のコストを抑えることができる。この場合、車体に対する電気自動車用駆動装置の支持固定部に過大な偏荷重が加わらないようにすることが、電気自動車のコストを抑える面から重要である。
本発明は、上述のような事情を鑑みて、車体に対する支持固定部に過大な偏荷重が加わることを防止できる、電気自動車用駆動装置の構造を実現することを目的としている。
本発明の電気自動車用駆動装置は、
ハウジングと、
揺動軸と、
互いに非同軸かつ平行に配置された出力軸をそれぞれ有し、前記ハウジングに対し支持された一対の電動モータと、
互いに同軸に、車輪が支持されるそれぞれの先端部を、前記揺動軸に直交する方向に関して互いに反対方向に向けた状態で、前記ハウジングに対して支持され、前記一対の電動モータのそれぞれの前記出力軸と非同軸かつ平行に配置され、かつ、前記揺動軸を中心とする揺動を可能とされた一対の駆動軸と、
前記一対の電動モータのそれぞれの前記出力軸の回転トルクを、前記一対の駆動軸のそれぞれに伝達する一対のトルク伝達装置と、
を備える。
なお、前記揺動軸は、路面に対し略平行に配置される。
車体に対し支持されるブラケットをさらに備えることができ、かつ、前記ハウジングと前記ブラケットとを、前記揺動軸を中心とする相対回転を可能に組み合わせることができる。
この場合、前記ブラケットが、ブラケット側支持孔を有し、前記ハウジングが、ハウジング側支持孔を有し、および、前記揺動軸を、前記ハウジング側支持孔と前記ブラケット側支持孔とに挿通することができる。
本発明の電気自動車用駆動装置では、前記揺動軸と、前記ハウジング側支持孔または前記ブラケット側支持孔との間に、軸受を配置することができる。前記軸受は、ラジアル滑り軸受、ラジアルニードル軸受などの転がり軸受、または、転がり軸受を複数備えた軸受ユニットにより構成することができる。
あるいは、前記ブラケットと前記ハウジングとのうちの一方の部材は、少なくとも1個の係合凸部を有することができ、かつ、前記ブラケットと前記ハウジングとのうちの他方の部材は、前記少なくとも1個の係合凸部に対して揺動可能に係合される少なくとも1個の係合凹部を有することができる。
この場合、前記揺動軸は、前記少なくとも1個の係合凸部により構成される。
なお、本発明の技術的範囲からは外れるが、前記一対の電動モータのそれぞれを、それぞれの前記出力軸に直交する方向に関して互いに重畳して配置することができる。
前記一対のトルク伝達装置のそれぞれは、複数個の歯車を備える歯車式減速機により構成することができる。
あるいは、前記一対のトルク伝達装置のそれぞれは、ベルトやチェーンを使用した減速機により構成したり、ウォーム減速機により構成したりすることもできる。
あるいは、前記一対のトルク伝達装置のそれぞれは、前記一対の電動モータのそれぞれの前記出力軸と、前記一対の駆動軸のそれぞれとの間の減速比を調節可能な、無段変速機や有段変速機により構成することもできる。
本発明の駆動ユニットは、
一対の駆動軸を有する電気自動車用駆動装置と、
前記一対の駆動軸のそれぞれに支持された一対の車輪と、
を備え、
前記電気自動車用駆動装置が、本発明の電気自動車用駆動装置により構成される。
本発明の電気自動車は、
車体と、
3個以上、好ましくは4個以上の駆動ユニットと、
を備え、
前記駆動ユニットのそれぞれが、本発明の駆動ユニットにより構成される。
本発明の電気自動車では、前記駆動ユニットの搭載数は、車両総重量に応じて決定される。
本発明の電気自動車用駆動装置によれば、車体に対する支持固定部に過大な偏荷重が加わることを防止できる。
図1(A)は、実施の形態の1例に係る電気自動車用駆動装置を含む駆動ユニットを備える、電気自動車の第1例を示す斜視図であり、図1(B)は、図1(A)の左下側から見た側面図であり、図1(C)は、図1(B)の左側から見た端面図である。 図2は、実施の形態の1例に係る電気自動車用駆動装置を含んで構成される駆動ユニットを示す斜視図である。 図3(A)および図3(B)は、一対の車輪が揺動軸を中心に揺動した様子を示す端面図である。 図4は、図2に示す駆動ユニットから一方の駆動輪を取り外して示す斜視図である。 図5は、図4の左上側から見た端面図である。 図6は、駆動ユニットから他方の駆動輪を取り外し、かつ、一部を切断して示す側面図である。 図7は、図2に示す駆動ユニットから車高調整装置を取り外して示す斜視図である。 図8は、電気自動車用駆動装置を取り出して示す側面図である。 図9は、図8のX-O-O-O-X断面図である。 図10は、図8のX-O-O-O-O-O-X断面図である。 図11は、図8のX-X断面図である。 図12は、電気自動車用駆動装置を取り出して示す模式図である。 図13(A)は、駆動ユニットを備える、電気自動車の第2例を示す斜視図であり、図13(B)は、図13(A)の左下側から見た側面図であり、図13(C)は、図13(B)の左側から見た端面図である。 図14(A)は、駆動ユニットを備える、電気自動車の第3例を示す斜視図であり、図14(B)は、図14(A)の左下側から見た側面図であり、図14(C)は、図14(B)の左側から見た端面図である。
本発明の実施の形態の1例について、図1~図12を用いて説明する。本例を含めて、本発明の特徴は、一対の電動モータおよび一対の駆動軸を含んでユニット化され、かつ、路面の状況に応じて該路面と略平行に配置された揺動軸を中心に揺動する電気自動車用駆動装置にある。以下では、まず、電気自動車用駆動装置を含んで構成される駆動ユニットを複数備える電気自動車の構造について説明した後、駆動ユニットの構造について説明する。
電気自動車1aは、4人から5人程度の乗車定員を有する。電気自動車1aは、図1(A)~図1(C)に示すように、車体2aと、4個の駆動ユニット3とを備える。
車体2aは、矩形箱状の車体本体4aと、車体本体4aの進行方向両側面のうち、下側部分から突出した庇状の一対の被支持部5a1、5a2とを備える。
駆動ユニット3のそれぞれは、図2に示すように、電気自動車用駆動装置6と、一対の車輪7a、7bと、支持装置8と、旋回装置9と、車高調整装置10とを備える。
電気自動車用駆動装置6は、図9~図11に示すように、ハウジング11と、ブラケット12と、揺動軸13と、一対の電動モータ14a、14bと、一対の駆動軸15a、15bと、一対のトルク伝達装置16a、16bとを備える。
ハウジング11とブラケット12とは、揺動軸13を中心とする相対回転(揺動)を可能に組み合わされる。ハウジング11とブラケット12とのそれぞれは、アルミニウム合金などの軽合金、または、合成樹脂などにより構成される。なお、ハウジング11とブラケット12とは、互いに同じ材料により構成することもできるし、異なる材料により構成することもできる。
ハウジング11は、図8~図11に示すように、互いに平行に配置された3個の保持部18a、18b、18cを備える。3個の保持部18a、18b、18cのうち、上側の2個の保持部18a、18bは、略円筒状(中空状)に構成され、かつ、それぞれの内側に、電動モータ14a、14bのそれぞれを収納する。残りの1個である下側の保持部18cは、略円柱状(中実状)に構成され、かつ、幅方向両側の端部に、一対の駆動軸15a、15bをそれぞれ支持する。ハウジング11は、下側の保持部18cを進行方向に貫通するハウジング側支持孔19をさらに備える。ハウジング側支持孔19は、軸方向に関して内径が変化しない円筒孔により構成され、かつ、路面R(図5及び図6に図示)に対し略平行な方向(本例では、平行な方向)に形成されている。
なお、進行方向とは、駆動ユニット3を車体2aに取り付け、かつ、車輪7a、7bを直進方向に向けた状態での電気自動車1aの進行方向(図1(B)、図6および図8の左右方向)をいう。また、幅方向とは、駆動ユニット3を車体2aに取り付け、かつ、車輪7a、7bを直進方向に向けた状態での電気自動車1aの幅方向(図1(C)、図3(A)、図3(B)および図9~図12の左右方向)をいう。
さらに、ハウジング11は、例えば図2に示すように、上側部分に、コネクタ部20を備える。コネクタ部20は、電気自動車用駆動装置6を構成する一対の電動モータ14a、14bや各種センサとケーブルにより接続されている。さらに、コネクタ部20は、車体2aに搭載した電源や制御装置とハーネスにより接続されている。これにより、一対の電動モータ14a、14bに電源を供給し、かつ、各種センサの出力信号を制御装置に送信可能としている。
ブラケット12は、図6に示すように、幅方向から見て略U字形または略C字形の基部21と、アーム部22とを備える。
基部21は、ハウジング11の下側の保持部18cを進行方向両側から挟む一対の支持板部23a、23bと、該一対の支持板部23a、23bの下側の端部同士を接続する接続板部24とを備える。さらに、基部21は、支持板部23a、23bのうちでハウジング側支持孔19と整合する部分に、支持板部23a、23bを進行方向に貫通するブラケット側支持孔25a、25bをそれぞれ備える。ブラケット側支持孔25a、25bは、路面Rに対し略平行な方向(本例では、平行な方向)に形成されている。
アーム部22は、基部21のうち、進行方向片側(図1(B)、図6および図8の左側)の支持板部23aの下側部分から、進行方向片側に向けて延出している。
揺動軸13は、路面Rと平行で、かつ、一対の駆動軸15a、15bに直交する方向に配置されている。すなわち、揺動軸13は、車両の進行方向に配置されている。
本例では、揺動軸13は、段付円柱状に構成されている。具体的には、揺動軸13は、進行方向他側(図6の右側)から順に、ねじ部26と、小径部27と、中径部28と、大径部29とを備える。揺動軸13は、大径部29の進行方向片側の端部に、径方向外側に向けて突出したフランジ部30をさらに備える。
揺動軸13は、小径部27を、ブラケット12の進行方向他側の支持板部23bのブラケット側支持孔25bに、中径部28を、軸受31を介して、ハウジング11の下側の保持部18cのハウジング側支持孔19に、大径部29を、ブラケット12の進行方向片側の支持板部23aのブラケット側支持孔25aに、それぞれ挿通している。この状態で、揺動軸13は、フランジ部30を、進行方向片側の支持板部23aの進行方向片側面に突き当て、かつ、ねじ部26に螺合したナット32を、進行方向他側の支持板部23bの進行方向他側面に突き当てている。これにより、ハウジング11とブラケット12とは、揺動軸13を中心とする揺動を可能に組み合わされている。
特に本例では、揺動軸13の中径部28の外周面と、ハウジング11の下側の保持部18cのハウジング側支持孔19の内周面との間に軸受31を配置することにより、ハウジング11がブラケット12に対して円滑に揺動できるようにしている。本例では、軸受31は、揺動軸13の中径部28の外周面とハウジング11の下側の保持部18cのハウジング側支持孔19の内周面との少なくとも一方の面に対して滑りやすい(摩擦係数が小さい)、合成樹脂や含油メタルなどの材料製の滑り軸受により構成されている。ただし、本発明を実施する場合、揺動軸とハウジング側支持孔との間に配置する軸受を、ラジアルニードル軸受などの転がり軸受や、転がり軸受を複数個備える軸受ユニットにより構成することもできる。あるいは、ハウジングがブラケットに対して円滑に揺動できるのであれば、軸受を省略することもできる。
一対の電動モータ14a、14bのそれぞれは、図9および図10に示すように、出力軸33a、33bを有し、ハウジング11に対し支持されている。一対の電動モータ14a、14bのそれぞれの出力軸33a、33bは、互いに非同軸かつ平行に、それぞれの先端部を、揺動軸13に直交する方向に関して互いに反対方向に向けた状態で配置されている。
このために、具体的には、一対の電動モータ14a、14bのうち、一方である第1の電動モータ14aの出力軸33aは、先端部を、幅方向に関して片側(図9~図12の左側)に向けた状態で、ハウジング11の3個の保持部18a、18b、18cのうちの1個の保持部18aの内側に回転自在に支持されている。すなわち、第1の電動モータ14aは、保持部18aの内周面に支持固定されたステータ34aの内周面を、出力軸33aの中間部の周囲に支持固定されたロータ35aの外周面に近接対向させている。
これに対し、一対の電動モータ14a、14bのうち、他方である第2の電動モータ14bの出力軸33bは、先端部を、幅方向に関して他側(図9~図12の右側)に向けた状態で、ハウジング11の3個の保持部18a、18b、18cのうちの別の1個の保持部18bの内側に回転自在に支持されている。すなわち、第2の電動モータ14bは、保持部18bの内周面に支持固定されたステータ34bの内周面を、出力軸33bの中間部の周囲に支持固定されたロータ35bの外周面に近接対向させている。
一対の電動モータ14a、14bのそれぞれは、ステータ34a、34bとロータ35a、35bとからなる駆動部36a、36bの幅方向に関する位置を、互いに同じとしている。
なお、一対の電動モータ14a、14bのそれぞれの出力軸33a、33bのうち、ハウジング11の側面から突出した基端部の周囲には、回転センサ37a、37bが装着されている。これにより、一対の電動モータ14a、14bのそれぞれの出力軸33a、33bの回転数(回転速度)を検出可能に構成されている。
一対の電動モータ14a、14bのそれぞれは、互いに同じ定格出力および定格回転数(定格回転速度)を有し、かつ、それぞれの出力軸33a、33bの回転数(回転速度)および回転方向を独立して制御可能に構成されている。一対の電動モータ14a、14bのそれぞれの定格出力および定格回転数は、互いに同じであれば、特に限定されるものではないが、例えば、定格出力は5kW以上10kW以下とすることができ、定格回転数は2400rpm以上4500rpm以下とすることができる。
一対の駆動軸15a、15bは、図9~図12に示すように、互いに同軸に、かつ、それぞれの先端部を、幅方向に関して互いに反対方向に向けた状態で、ハウジング11に対し回転自在に支持されている。これにより、一対の駆動軸15a、15bは、揺動軸13を中心とする揺動を可能とされている。本例では、一対の駆動軸15a、15bは、一対の電動モータ14a、14bのそれぞれの出力軸33a、33bと非同軸に、かつ、平行に配置されている。一対の駆動軸15a、15bの中心軸O15と、揺動軸13の中心軸O13とは、図5に示すように、路面Rに対して略平行な(本例では平行な)同一仮想平面上に配置されている。より具体的には、本例では、揺動軸13の中心軸O13は、駆動軸15a、15bの中心軸O15上で、駆動軸15a、15bのそれぞれの基端部(互いに近い側の端部)同士の中央位置において、駆動軸15a、15bの中心軸O15と直交している。
このために、具体的には、一対の駆動軸15a、15bのうち、一方である第1の駆動軸15aは、先端部を、幅方向に関して片側に向けた状態で、基端部を、ハウジング11の3個の保持部18a、18b、18cのうちの残りの1個の保持部18cの幅方向片側の端部に、回転自在に支持している。これに対し、一対の駆動軸15a、15bのうち、他方である第2の駆動軸15bは、先端部を、幅方向に関して他側に向けた状態で、基端部を、保持部18cの幅方向他側の端部に、回転自在に支持している。
また、本例では、一対の駆動軸15a、15bのそれぞれは、先端部外周面に、スプライン軸部38を有する。
一対のトルク伝達装置16a、16bのそれぞれは、一対の電動モータ14a、14bのそれぞれの出力軸33a、33bの回転トルクを、一対の駆動軸15a、15bのそれぞれに伝達する。本例では、一対のトルク伝達装置16a、16bのそれぞれは、歯車式減速機により構成されている。すなわち、一対のトルク伝達装置16a、16bのうちの一方である第1のトルク伝達装置16aは、第1の電動モータ14aの出力軸33aの回転トルクを増大させつつ、第1の駆動軸15aに伝達する。これに対し、一対のトルク伝達装置16a、16bのうちの他方である第2のトルク伝達装置16bは、第2の電動モータ14bの出力軸33bの回転トルクを増大させつつ、第2の駆動軸15bに伝達する。
このために、一対のトルク伝達装置16a、16bのそれぞれは、1個の中間軸39と、4個の歯車40a、40b、40c、40dとを備える。
中間軸39は、出力軸33a、33bおよび駆動軸15a、15bと非同軸に、かつ、平行に、ハウジング11に対し回転自在に支持されている。
第1の歯車40aは、電動モータ14a、14bのそれぞれの出力軸33a、33bとともに回転する。本例では、第1の歯車40aは、電動モータ14a、14bのそれぞれの出力軸33a、33bの先端部に支持固定されている。
第2の歯車40bは、第1の歯車40aと噛合する。第2の歯車40bは、第1の歯車40aの歯数Nよりも多い歯数Nを有する(N>N)。本例では、第2の歯車40bは、中間軸39に支持固定されている。
第3の歯車40cは、第2の歯車40bと同期して回転する。第3の歯車40cは、第2の歯車40bの歯数Nよりも少ない歯数Nを有する(N<N)。本例では、第3の歯車40cは、中間軸39のうち、第2の歯車40bが支持固定された部分から軸方向に外れた部分に支持固定されている。
第4の歯車40dは、第3の歯車40cと噛合し、かつ、駆動軸15a、15bのそれぞれとともに回転する。第4の歯車40dは、第3の歯車40cの歯数Nよりも多い歯数Nを有する(N>N)。本例では、第4の歯車40dは、駆動軸15a、15bのそれぞれの基端部(互いに近い側の端部)に支持固定されている。
電動モータ14a、14bのそれぞれに通電することで、出力軸33a、33bのそれぞれを回転駆動すると、出力軸33a、33bのそれぞれの回転は、第1の歯車40aと第2の歯車40bとの噛合部を介して、中間軸39に伝達される。さらに、中間軸39の回転は、第3の歯車40cと第4の歯車40dとの噛合部を介して、駆動軸15a、15bのそれぞれに伝達される。このようにして、一対の電動モータ14a、14bのそれぞれの出力軸33a、33bの回転トルクは、トルク伝達装置16a、16bのそれぞれにより増大されてから、一対の駆動軸15a、15bのそれぞれに伝達される。
一対の電動モータのそれぞれの出力軸の回転トルクを、一対の駆動軸のそれぞれに伝達する、一対のトルク伝達装置のそれぞれは、本例のような歯車式減速機に限らず、ベルトやチェーンを使用した減速機により構成したり、ウォーム減速機により構成したりすることもできる。なお、一対のトルク伝達装置のそれぞれをウォーム減速機により構成する場合には、一対の電動モータのそれぞれの出力軸と、一対の駆動軸のそれぞれとを、互いにねじれの位置に配置することができる。あるいは、一対のトルク伝達装置のそれぞれを、一対の電動モータのそれぞれの出力軸と一対の駆動軸のそれぞれとの間の減速比を調節可能な、無段変速機や有段変速機により構成することもできる。
一対の電動モータ14a、14bのそれぞれの出力軸33a、33bと、一対の駆動軸15a、15bのそれぞれとの間の減速比は、特に限定されるものではないが、例えば、6.0以上8.0以下であることが好ましい。
上述のように、電気自動車用駆動装置6は、一対の電動モータ14a、14bのそれぞれを構成する駆動部36a、36bの幅方向に関する位置を互いに同じとしている。このため、電気自動車用駆動装置6の幅方向に関する寸法を抑えることができる。
一対の車輪7a、7bのそれぞれは、ホイール41と、ホイール41の周囲に組み付けられたタイヤ42とを備える。
ホイール41は、制動装置43を構成する制動用回転体44とともに、ハブユニット軸受45a、45bを介して、電気自動車用駆動装置6の一対の駆動軸15a、15bのそれぞれに支持されている。
ハブユニット軸受45a、45bのそれぞれは、外輪46と、ハブ47と、複数個の転動体48とを備える。
外輪46は、内周面に複列の外輪軌道を有し、かつ、径方向外側に向けて突出した静止フランジ49を有する。外輪46は、静止フランジ49の周方向複数箇所に備えられた支持孔に挿通または螺合した支持部材50により、ハウジング11に対し支持固定されている。
ハブ47は、外輪46の内側に、外輪46と同軸に配置されている。ハブ47は、外周面に複列の内輪軌道を有する。また、ハブ47は、中心部に、軸方向に貫通するスプライン孔51を有し、かつ、径方向外側に向けて突出した回転フランジ52を有する。
スプライン孔51には、一対の駆動軸15a、15bのそれぞれの先端部に備えられたスプライン軸部38がスプライン係合されている。
回転フランジ52は、周方向複数箇所に、軸方向に貫通する取付孔53を有する。制動用回転体44およびホイール41は、それぞれの周方向複数箇所に備えられた通孔を挿通したハブボルト54を、取付孔53のそれぞれに螺合することにより、回転フランジ52に対し支持されている。
なお、本例では、制動装置43は、ディスクブレーキ装置により構成されている。すなわち、制動用回転体44は、円板状のブレーキロータにより構成されている。制動装置43を構成するブレーキキャリパ55は、ハウジング11に対し支持固定されている。ただし、制動装置を、ドラムブレーキにより構成することもできる。
支持装置8は、例えば図2に示すように、電気自動車用駆動装置6を、タイヤ42の外周面(トレッド)を路面Rに押し付けつつ、車輪7a、7bのそれぞれを介して路面Rから車体2a(図1参照)に伝わる振動および衝撃を緩和可能に、車体2aに対し支持する。支持装置8は、マウント部56と、伸縮部材を構成するダンパ57と、連結部および弾力付与部材を構成する板ばね58とを備える。
マウント部56は、電気自動車用駆動装置6の上側に、路面Rと略平行に配置されている。本例では、マウント部56は、旋回装置9と車高調整装置10とを介して、車体2aのうち、一対の被支持部5a1、5a2のそれぞれの下面に支持される。
ダンパ57は、全長を伸縮可能に構成されている。ダンパ57は、例えば図6に示すように、上側の端部を、マウント部56の進行方向片側の端部に回動可能に支持(枢支)し、かつ、下側の端部を、ブラケット12のアーム部22に回動可能に支持している。本例では、ダンパ57は、オイルショックアブソーバにより構成されている。なお、ダンパ57を構成するオイルショックアブソーバは、複筒式と単筒式とのいずれでも良い。なお、ダンパを、通電に基づいて、全長を伸縮させる電動アクチュエータにより構成することもできる。
板ばね58は、略円弧形または略U字形に湾曲している。板ばね58は、曲率が大きくなる(曲率半径が小さくなる)ように弾性変形させた状態で、マウント部56の進行方向他側の端部と、ブラケット12の下側の端部との間にかけ渡されている。すなわち、板ばね58は、上側の端部を、マウント部56の進行方向他側の端部に結合固定し、下側の端部を、ブラケット12の下側の端部を結合固定している。要するに、ブラケット12は、支持装置8により、旋回装置9および車高調整装置10を介して、車体2aに対し支持されている。なお、1枚の板ばね58に代えて、複数枚の板ばねを重ね合わせてなる重ね板ばね(リーフスプリング)を使用することもできる。
上述のように構成される支持装置8は、板ばね58が弾性的に復元しようとする力によって、タイヤ42の外周面を路面Rに押し付ける。また、支持装置8は、ダンパ57が弾性的に収縮し、かつ、板ばね58が弾性変形することで、路面Rから車体2aに伝わる振動や衝撃を吸収して緩和する。
旋回装置9は、電気自動車用駆動装置6を、路面Rに直交する旋回軸C(図6参照)を中心とする回動を可能に、車体2aのうち、一対の被支持部5a1、5a2のそれぞれの下面に対し、車高調整装置10を介して支持する。すなわち、一対の電動モータ14a、14bのそれぞれの出力軸33a、33bの回転数および/または回転方向を互いに異ならせることで、一対の車輪7a、7bのそれぞれの回転数および/または回転方向を互いに異ならせると、電気自動車用駆動装置6は、旋回軸Cを中心に、車体2aに対し旋回(回動)する。
本例では、旋回装置9は、互いに同軸に、かつ、相対回転可能に組み合わされた、固定部材59と回転部材60とを備える。固定部材59は、車高調整装置10を構成する下側支持部材61の下面に支持固定されている。回転部材60は、支持装置8のマウント部56の上面に支持固定されている。
なお、本例では、旋回軸Cは、一対の駆動軸15a、15bのそれぞれに対しねじれの位置に配置されている。具体的には、図6に示すように、旋回軸Cは、一対の駆動軸15a、15bに対し、進行方向に関して他側にオフセットして配置されている。これにより、旋回軸Cを、路面Rに対するタイヤ42の接地点よりも、進行方向に関して他側に位置させて、キャスタトレールを確保している。
車高調整装置10は、路面Rに対する車体2aの高さを調整する機能を有する。このために、車高調整装置10は、図2に示すように、支持フレーム62と、調整機構63と、高さ調整用モータ64とを備える。
支持フレーム62は、下側支持部材61と、上側支持部材65と、一対の下側リンク部材66と、一対の上側リンク部材67と、一対の枢軸68とを備える。下側支持部材61は、旋回装置9の固定部材59の上面に支持固定されている。上側支持部材65は、車体2aのうち、一対の被支持部5a1、5a2のそれぞれの下面に対し支持固定される。一対の下側リンク部材66のそれぞれは、下側の端部を、下側支持部材61のうち、進行方向両側の端部に対し揺動可能に支持している。一対の上側リンク部材67のそれぞれは、上側の端部を、上側支持部材65のうち、進行方向両側の端部に対し揺動可能に支持している。一対の枢軸68のそれぞれは、一対の下側リンク部材66のそれぞれの上側の端部と、一対の上側リンク部材67のそれぞれの下側の端部とを、互いに揺動可能に接続している。
調整機構63は、高さ調整用モータ64を駆動源として、一対の枢軸68同士の間の間隔を拡縮させ、下側支持部材61と上側支持部材65との間隔を拡縮することにより、路面Rに対する車体2aの高さを調整する。このために、調整機構63は、一対の軸部材を伸縮可能に組み合わせてなる伸縮軸と、直動機構とを備える。
直動機構は、例えば、ボールねじ機構により構成される。すなわち、直動機構は、一対の軸部材のうちの一方であるボールねじ軸と、一対の軸部材のうちの他方の軸部材に支持固定されたボールナットとを備える。
調整機構63は、高さ調整用モータ64によりボールねじ軸を回転駆動し、ボールナットを軸方向に相対変位させる。これにより、他方の軸部材を軸方向に変位させ、伸縮軸を伸縮させることで、一対の枢軸68同士の間の間隔を拡縮させ、路面Rに対する車体2aの高さを調整する。
なお、駆動ユニット3は、支承する重量を測定するための重量センサと、車輪7a、7bの舵角を測定するための角度センサとを備える。重量センサおよび角度センサの取付位置は特に限定されるものではなく、例えば、旋回装置9に取り付けることができる。
本例では、図1(B)に示すように、4個の駆動ユニット3のそれぞれは、すべて同じ向きを向くように、車体2aのうち、一対の被支持部5a1、5a2のそれぞれの下面に2個ずつ支持されている。すなわち、駆動ユニット3のそれぞれを構成する車高調整装置10の上側支持部材65は、一対の被支持部5a1、5a2のそれぞれの下面の幅方向2箇所に支持固定されている。このため、車体本体4a内の空間(車室空間)を広く確保することができる。
本例では、一対の駆動軸15、15bおよび一対の車輪7a、7bを支持するハウジング11と、支持装置8、旋回装置9および車高調整装置10を介して車体2aに対し支持されるブラケット12とを、揺動軸13を中心とする相対回転を可能に組み合わせている。このため、一対の車輪7a、7bは、車体2aに対して、揺動軸13を中心に揺動することができる。
したがって、電気自動車1aが、車両の幅方向に傾斜している路面を走行したり、一対の車輪7a、7bのうちのいずれか一方の車輪が縁石や段差に乗り上げたりするなどした場合には、図3(A)および図3(B)に示すように、一対の車輪7a、7bが揺動軸13を中心に揺動する。このため、一対の車輪7a、7bのうち、一方の車輪のタイヤの外周面のみが路面に接地し、他方の車輪のタイヤが路面から離れることを防止することができる。換言すれば、一対の車輪7a、7bの両方のタイヤ42の外周面を、路面に接地させることができる。これにより、車体2aに対する駆動ユニット3の支持固定部に、過大な偏荷重が加わることを防止できる。本例では、具体的には、車高調整装置10の上側支持部材65を、車体2aの被支持部5a1、5a2に支持固定するための結合ボルトなどの結合部材に、過大な偏荷重に基づく応力が加わることを防止できる。要するに、前記結合ボルトの強度を徒に大きくする必要がないため、コストを抑えることができる。
本例では、揺動軸13を、路面Rと平行に配置している。ただし、電気自動車が、車両の幅方向に傾斜している路面を走行したり、一方の車輪が縁石や段差に乗り上げたりするなどした場合に、一対の車輪が揺動することで、車体に対する電気自動車用駆動装置の支持固定部に偏荷重が加わることを防止できる限り、揺動軸を、路面と略平行に配置することもできる。具体的には、揺動軸を、路面となす角度が±5度以下の範囲で、路面に対し傾斜させることもできる。なお、この場合であっても、揺動軸と、一対の駆動軸とは、上下方向(揺動軸に直交し、かつ、一対の駆動軸に直交する方向)から見て、互いに直交する。
また、本発明を実施する場合、一対の車輪(一対の駆動軸)が揺動軸を中心に揺動する際に、該一対の車輪が路面に対し所定角度以上傾斜することを防止するためのストッパ機構を備えることもできる。例えば、ストッパ機構として、一対の車輪7a、7bが許容限度まで揺動した場合に、ハウジング11に設けた固定側ストッパ面部と、ブラケット12または揺動軸13に設けた揺動側ストッパ面部とを衝合(当接)させることで、一対の車輪7a、7bがそれ以上揺動することを阻止する構造を採用することができる。
駆動ユニット3のそれぞれは、電気自動車用駆動装置6により、一対の車輪7a、7bのそれぞれをいずれの方向にも回転させることができる。ただし、駆動ユニット3のそれぞれの旋回軸C(図6参照)は、一対の駆動軸15a、15bに対し、進行方向他側にオフセットして配置されている。このため、電気自動車1aは、駐車スペースへの駐車時や方向転換時などを除き、通常は、駆動ユニット3のそれぞれの進行方向他側(図1(B)の右側)が前方を向くように走行することが、直進走行の安定性を確保する面から好ましい。
また、本例では、電気自動車用駆動装置6の進行方向他側には、支持装置8の板ばね58が配置されている。したがって、進行方向他側を前方に向けて走行すれば、前方を走行する自動車のタイヤによって小石などが巻き上げられた場合でも、小石などが、電気自動車用駆動装置6に直接衝突するのを、板ばね58により防止することができる。
本例では、駆動ユニット3のそれぞれは、電気自動車用駆動装置6を車体2aに対し、支持装置8により、タイヤ42の外周面(トレッド)を路面Rに押し付けつつ、車輪7a、7bのそれぞれを介して路面Rから車体2aに伝わる振動および衝撃を緩和可能に支持している。このため、路面Rに対するタイヤ42の接地性を十分確保することができ、かつ、車輪7a、7bから車体2aに伝わる振動や衝撃を緩和することができて、乗員の乗り心地を良好に確保することができる。
電気自動車用駆動装置6は、旋回装置9により、旋回軸C(図6参照)を中心とする回動を可能に車体2aに対し支持されている。また、一対の電動モータ14a、14bは、それぞれの出力軸33a、33bの回転数および回転方向を独立して制御可能に構成されている。したがって、一対の駆動軸15a、15bのそれぞれに支持された車輪7a、7bの回転数および回転方向を独立して調節することができる。このため、駆動ユニット3を転舵するためのアクチュエータを別に備えなくても、第1の車輪7aの回転方向と第2の車輪7bの回転方向とを互いに反対方向とすることで、駆動ユニット3の転舵を行うことができる。
要するに、本例の電気自動車1aは、図示しない制御装置により、4個の駆動ユニット3のそれぞれの車輪7a、7bの回転数および回転方向を制御することで、走行方向および走行速度を制御することができる。例えば、電気自動車1aは、すべての車輪7a、7bの回転数および回転方向を同じにすることで、直進走行することができる。一方、電気自動車1aは、それぞれの車輪7a、7bの回転数を適切な値に調節することで、旋回走行することができる。具体的には、旋回走行時には、車輪7a、7bの回転数を、旋回軌跡の径方向に関して内側に位置する車輪ほど小さくする。また、駆動ユニット3のそれぞれについて、第1の車輪7aの回転方向と第2の車輪7bの回転方向とを互いに反対方向とすれば、旋回軸Cを中心に駆動ユニット3を旋回することができ、その場で、駆動ユニット3の向きのみを変更(転舵)することができる。ただし、駆動ユニット3のそれぞれは、旋回軸Cを中心に転舵するためのアクチュエータを別に備えることもできる。
電気自動車1aは、停止する際には、制動装置43(図4参照)を駆動し、ブレーキキャリパ55に支持された一対のパッドを、制動用回転体44に押し付けて制動を行う。ただし、電気自動車用駆動装置6を構成する一対の電動モータ14a、14bのそれぞれを発電機として使用することで、回生制動を行うこともできる。
駆動ユニット3のそれぞれは、車高調整装置10(図2参照)を備える。したがって、電気自動車1aは、駆動ユニット3のそれぞれの車高調整装置10の上下寸法を調節することにより、車高を調節することができる。特に、駆動ユニット3のそれぞれの重量センサによる測定値に基づいて、それぞれの車高調整装置10の上下寸法を調節すれば、車室空間の重量バランスにかかわらず、車体2aの重量を、4個の駆動ユニット3によりバランスよく支承できる。また、乗員の乗降や荷物の積み下ろしの際には、車体2aのうち、乗降口側を低くして、乗降動作や積み下ろし作業を容易化することができる。
上述のように、駆動ユニット3のそれぞれは、電気自動車用駆動装置6と、車輪7a、7bと、支持装置8と、旋回装置9と、車高調整装置10とを一体に組み合わせることにより構成されており、電気自動車の走行、旋回および停止の機能を実現することができる。さらに、電気自動車1aは、駆動ユニット3を複数個(本例では4個)備えている。このため、電気自動車1aは、複数個の駆動ユニット3のうちの一部の駆動ユニット3が故障した場合でも、残りの駆動ユニット3を使用してある程度(例えば、路肩に退避する程度であれば)自走し続けることができる。さらに、電気自動車1aは、故障した駆動ユニット3ごと交換することで、容易に故障を修理することができ、メンテナンス性に優れる。
電気自動車の走行、旋回および停止の機能を実現することができる駆動ユニット3は、車両総重量に応じた適切な数だけ、車体に支持されて、電気自動車を構成する。すなわち、上述の説明では、図1(A)~図1(C)に示すような、4人から5人程度の乗車定員を有する、小型の電気自動車1aに、駆動ユニット3を適用した場合について説明したが、駆動ユニット3は、例えば、図13(A)~図13(B)に示すような、中型の電気自動車1bや、図14(A)~図14(C)に示すような、大型の電気自動車1cに適用することもできる。以下、それぞれの場合について、説明する。
図13(A)~図13(C)に示す、第2例の電気自動車1bは、8人から10人程度の乗車定員を有する。電気自動車1bは、車体2bと、8個の駆動ユニット3とを備える。
車体2bは、矩形箱状の車体本体4bと、車体本体4bの進行方向両側面のうち、下側部分から突出した庇状の一対の被支持部5b1、5b2とを備える。
駆動ユニット3のそれぞれは、一対の被支持部5b1、5b2のそれぞれの下面に4個ずつ支持されている。すなわち、駆動ユニット3のそれぞれを構成する車高調整装置10の上側支持部材65は、一対の被支持部5b1、5b2のそれぞれの下面に、2列に分けて、両列ごとに幅方向2箇所ずつに支持固定されている。その他の部分の構成および作用効果は、図1(A)~図1(C)に示す、第1例の電気自動車1aと同様である。
図14(A)~図14(C)に示す、第3例の電気自動車1cは、20人から30人程度の乗車定員を有する。電気自動車1cは、車体2cと、16個の駆動ユニット3とを備える。
車体2cは、矩形箱状の車体本体4cと、車体本体4cの進行方向両側面のうち、下側部分から突出した庇状の一対の被支持部5c1、5c2とを備える。
駆動ユニット3のそれぞれは、一対の被支持部5c1、5c2のそれぞれの下面に8個ずつ支持されている。すなわち、駆動ユニット3のそれぞれを構成する車高調整装置10の上側支持部材65は、一対の被支持部5c1、5c2のそれぞれの下面に、2列に分けて、両列ごとに幅方向4箇所ずつに支持固定されている。その他の部分の構成および作用効果は、図1(A)~図1(C)に示す、第1例の電気自動車1aと同様である。
上述のように、駆動ユニット3は、車両総重量にかかわらず、電気自動車の駆動ユニットとして、共通に使用することができる。したがって、電気自動車用駆動装置を車両総重量ごとに専用に設計する必要がなく、電気自動車の製造コストを低減することができる。特に、本例の駆動ユニット3を、多数の高価なセンサを備える自動運転車に適用した場合、駆動ユニット3の共通化によるコスト削減効果を顕著に得ることができる。
なお、本発明の電気自動車用駆動装置を実施する場合、車体に支持されるブラケットと、電動モータなどを収容するハウジングとのうちの一方の部材が、少なくとも1個の係合凸部を有し、かつ、前記ブラケットと前記ハウジングとのうちの他方の部材が、前記少なくとも1個の係合凸部に対して揺動可能に係合される少なくとも1個の係合凹部を有する構造を採用することもできる。この場合、前記係合凸部が、揺動軸を構成する。具体的には、例えば、ブラケットの一対の支持板部に、互いに近づく方向に突出する一対の係合凸部を設け、該一対の係合凸部のそれぞれを、ハウジングの進行方向両側面に開口するように設けた有底孔である一対の係合凹部に係合することができる。なお、前記一対の係合凸部のうちの一方又は両方は、例えば、前記ブラケットの本体部分と別体に設けた略円柱状部材を、前記本体部分に支持固定することにより設けることができる。
1a、1b、1c 電気自動車
2a、2b、2c 車体
3 駆動ユニット
4a、4b、4c 車体本体
5a1、5a2、5b1、5b2、5c1、5c2 被支持部
6 電気自動車用駆動装置
7a 第1の車輪
7b 第2の車輪
8 支持装置
9 旋回装置
10 車高調整装置
11 ハウジング
12 ブラケット
13 揺動軸
14a 第1の電動モータ
14b 第2の電動モータ
15a 第1の駆動軸
15b 第2の駆動軸
16a 第1のトルク伝達装置
16b 第2のトルク伝達装置
18a、18b、18c 保持部
19 ハウジング側支持孔
20 コネクタ部
21 基部
22 アーム部
23a、23b 支持板部
24 接続板部
25a、25b ブラケット側支持孔
26 ねじ部
27 小径部
28 中径部
29 大径部
30 フランジ部
31 軸受
32 ナット
33a、33b 出力軸
34a、34b ステータ
35a、35b ロータ
36a、36b 駆動部
37a、37b 回転センサ
38 スプライン軸部
39 中間軸
40a 第1の歯車
40b 第2の歯車
40c 第3の歯車
40d 第4の歯車
41 ホイール
42 タイヤ
43 制動装置
44 制動用回転体
45a、45b ハブユニット軸受
46 外輪
47 ハブ
48 転動体
49 静止フランジ
50 支持部材
51 スプライン孔
52 回転フランジ
53 取付孔
54 ハブボルト
55 ブレーキキャリパ
56 マウント部
57 ダンパ
58 板ばね
59 固定部材
60 回転部材
61 下側支持部材
62 支持フレーム
63 調整機構
64 高さ調整用モータ
65 上側支持部材
66 下側リンク部材
67 上側リンク部材
68 枢軸

Claims (7)

  1. ハウジングと、
    揺動軸と、
    互いに非同軸かつ平行に配置された出力軸をそれぞれ有し、前記ハウジングに対し支持された一対の電動モータと、
    互いに同軸に、車輪が支持されるそれぞれの先端部を、前記揺動軸に直交する方向に関して互いに反対方向に向けた状態で、前記ハウジングに対して支持され、前記一対の電動モータのそれぞれの前記出力軸と非同軸かつ平行に配置され、かつ、前記揺動軸を中心とする揺動を可能とされた一対の駆動軸と、
    前記一対の電動モータのそれぞれの前記出力軸の回転トルクを、前記一対の駆動軸のそれぞれに伝達する一対のトルク伝達装置と、
    を備える、電気自動車用駆動装置。
  2. 車体に対し支持されるブラケットをさらに備え、
    前記ハウジングと前記ブラケットとが、前記揺動軸を中心とする相対回転を可能に組み合わされている、
    請求項1に記載の電気自動車用駆動装置。
  3. 前記ブラケットが、ブラケット側支持孔を有しており、
    前記ハウジングが、ハウジング側支持孔を有しており、および、
    前記揺動軸が、前記ハウジング側支持孔と前記ブラケット側支持孔とに挿通されている、
    請求項2に記載の電気自動車用駆動装置。
  4. 前記揺動軸と、前記ハウジング側支持孔または前記ブラケット側支持孔との間に、軸受が配置されている、
    請求項3に記載の電気自動車用駆動装置。
  5. 前記ブラケットと前記ハウジングとのうちの一方の部材が、少なくとも1個の係合凸部を有し、かつ、前記ブラケットと前記ハウジングとのうちの他方の部材が、前記少なくとも1個の係合凸部に対して揺動可能に係合される少なくとも1個の係合凹部を有し、
    前記揺動軸が、前記少なくとも1個の係合凸部により構成されている、
    請求項2に記載の電気自動車用駆動装置。
  6. 一対の駆動軸を有する電気自動車用駆動装置と、
    前記一対の駆動軸のそれぞれに支持された一対の車輪と、
    を備え、
    前記電気自動車用駆動装置が、請求項1~5のいずれかに記載の電気自動車用駆動装置である、
    駆動ユニット。
  7. 車体と、
    3個以上の駆動ユニットと、
    を備え、
    前記駆動ユニットのそれぞれが、請求項6に記載の駆動ユニットである、電気自動車。
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