JP2021062168A - 落下防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガイドレールに沿って連続した移動が可能な落下防止装置を提供する。【解決手段】内壁面6に取り付けられ、長さ方向に連続する中空部4を有するガイドレール5と、ガイドレール5に設けられ、長さ方向に連続する開口部7と、中空部4内を長さ方向に移動可能に設けられた移動体8と、移動体8に設けられ、命綱を連結するリング部10とを備える。使用に際しては、移動体8のリング部10に命綱の一側を連結し、命綱の他側を作業員などに連結することにより落下が防止され、作業員の移動に伴って移動体8がガイドレール5内を移動するため、作業員の連続移動が可能となる。また、移動体8が車輪27,28を有するから、移動体8が中空部4をスムーズに移動することができる。【選択図】図4

Description

本発明は、落下防止装置に関する。
従来、例えば高速道路等のトンネルには、側壁に設置した各種の設備やコンクリート内壁面を点検するために監視員通路が設けられ、この監視員通路には手摺が設けられている(例えば特許文献1)。
前記手摺は一般的に鋼製で腐食処理を施しているが、経年的な劣化や、道路の凍結剤の影響などにより劣化し易く、その補修又は交換作業に費用を要するという問題がある。
一方、高所作業では、屋根に支柱である支持部を間隔を置いて複数設け、複数の支持部の上部に棒部材を設け、この棒部材に命綱を連結する命綱係合装置が提案されている(例えば特許文献2)。
特開2019−76293号公報 実用新案登録第3192243号公報
上記特許文献2の装置では、棒部材に所定間隔で支持部が設けられており、連続して移動する際には、支持部箇所でその都度フックを外す必要があるため、連続移動ができず、作業性が低下するという問題がある。
解決しようとする課題は、高所やトンネル監視員通路などにおいて、連続して移動が可能な落下防止装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、被取付部に取り付けられ、長さ方向に連続する中空部を有するガイドレールと、前記ガイドレールに設けられ、長さ方向に連続する開口部と、前記中空部内を長さ方向に移動可能に設けられた移動体と、前記移動体に設けられ、落下防止用連結部材を連結する連結受け部とを備える。
請求項2の発明は、被取付部に取り付けられ、長さ方向に連続するガイドレールと、前記ガイドレールに設けられ、前記被取付部側から突出した突出部及びこの突出部の先端側の厚さより幅広で基端側の幅方向中央側に前記突出部の先端が接続された係止部と、前記ガイドレールの長さ方向に移動可能に設けられた移動体と、前記移動体に対をなして設けられ、前記突出部を挟んで前記係止部の基端側に配置される移動手段と、前記移動体に設けられ、落下防止用連結部材を連結する連結受け部とを備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記ガイドレールは、前記開口部を設けた前部と、前記被取付部に取り付ける後部とを備え、前記開口部に対応して前記後部に透孔を穿設し、前記透孔に挿通した固定部材により前記後部を前記被取付部に取り付け、前記固定部材が前記開口部を挿通可能なことを特徴とする。
請求項4の発明は、複数の移動体を備え、隣り合う前記移動体同士が屈曲可能に連結されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、対をなす前記移動手段の一方が前記係止部の基端側と外部との間で移動可能に設けられていることを特徴とする。
請求項1の構成によれば、移動体の連結受け部に落下防止用連結部材の一側を連結し、落下防止用連結部材の他側を作業員などに連結することにより落下が防止され、作業員の移動に伴って移動体がガイドレール内を移動するため、作業員の連続移動が可能となる。
請求項2の構成によれば、移動体の連結受け部に落下防止用連結部材の一側を連結し、落下防止用連結部材の他側を作業員などに連結することにより落下が防止され、作業員の移動に伴って移動体がガイドレールの外面に沿って移動するため、作業員の連続移動が可能となる。
請求項3の構成によれば、開口部を挿通した固定部材により、ガイドレールを被取付部に取り付けることできると共に、取付後も開口部から固定部材を視認して点検することができる。また、後部を直接被取付部に取り付けるから、落下防止装置を狭い監視員通路などに省スペースで取り付けることができる。
請求項4の構成によれば、屈曲箇所やカーブ箇所に設けたガイドレール内を、複数の移動体が屈曲しながら通過することができる。
請求項5の構成によれば、他方の移動手段を係止部の基端側で突出部の他方に配置した状態で、一方の移動手段を係止部の基端側で突出部の他方に配置して一方と他方の移動手段で前記突出部を挟むことにより、ガイドレールの外面に移動体を装着することができる。このようにガイドレールの途中で移動体を着脱することができる。
本発明の実施例1を示す全体斜視図である。 同上、ガイドレールの斜視図である。 同上、ガイドレールの側面図である。 同上、装置の正面図である。 同上、移動体の側面図である。 同上、移動体の平面図である。 同上、要部の拡大断面図である。 同上、ガイドレールの要部の斜視図であり、蓋体を開いた状態を示す。 同上、ガイドレールの要部の斜視図であり、蓋体を閉めた状態を示す。 同上、ガイドレールの底面図である。 本発明の実施例2を示す装置の正面図である。 同上、移動体の側面図である。 本発明の実施例3を示す装置の正面図である。 同上、移動体の側面図である。 本発明の実施例4を示す連結移動体の平面図である。 同上、連結移動体を屈曲した状態の平面図である。 同上、連結移動体の側面図である。 同上、連結受け部を複数設けた連結移動体を屈曲した状態の平面図である。 同上、カーブ箇所の平面図である。 本発明の実施例5を示す分解斜視図である。 本発明の実施例6を示す連結移動体の側面図である。 同上、装置の正面図である。 同上、連結移動体の要部の平面図であり、図23(A)は直線状の状態、図23(B)は屈曲した状態を示す。 トンネルの要部の平面図である。 本発明の実施例7を示す装置の正面図である。 本発明の実施例8を示す一部を断面にした装置の側面図であり、図26(A)は移動体を固定する前、図26(B)は移動体の固定状態を示す。 本発明の実施例9を示す装置の正面図である。 本発明の実施例10を示す装置の正面図である。 本発明の実施例11を示す装置の正面図である。 本発明の実施例12を示す装置の正面図である。 本発明の実施例13を示す正面図であり、図31(A)は装置、図31(B)は移動手段を本体に収納した状態の移動体を示す。 本発明の実施例14を示す連結移動体の側面図である。 本発明の実施例15を示すブロック図である。 本発明の実施例16を示す装置の正面図である。 本発明の実施例17を示す装置の正面図である。 本発明の実施例18を示す移動手段の正面図である。 同上、移動手段の要部の断面図である。 同上、移動手段の正面図である。 同上、本発明の実施例19を示す移動手段の斜視図である。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
本発明の実施例1を図1〜図10を参照して説明する。同図はトンネル1の監視員通路2に落下防止装置3を適用した例であり、内部に中空部4を有するガイドレール5がトンネル1の長さ方向に連続して設けられ、前記監視員通路2の外側に位置するトンネル1の縦方向の内壁面6が、前記ガイドレール5の被取付部である。
前記ガイドレール5内には、該ガイドレール5の全長に連続するスリット状の開口部7が設けられており、この中空部4に移動体8が長さ方向に移動可能に設けられており、この移動体8には、落下防止用連結部材たる命綱9を連結する連結受け部たるリング部10が設けられ、このリング部10は横方向で、先端がガイドレール5の前方に突出している。尚、ガイドレール5は、被取付部たる内壁面6側が後側であり、移動体8は、ガイドレール5の長さ方向一側が前側、他側が後側であり、移動体8は前後どちらにも移動可能である。
前記ガイドレール5は、前記内壁面6に当接する後板部11と、この後板部11の上下に設けた上板部12及び下板部13と、間に前記開口部7が設けられた上前板部14U及び下前板部14Sとを一体に備え、例えば断面略長方形形状のC型鋼などからなる。また、前記上板部12と下板部13は相互に平行で同一幅を有し、実施例では、前記ガイドレール5は縦寸法が幅寸法より大きく形成されているが、前記縦寸法と前記横寸法が同じでも、前記縦寸法が前記横寸法より小さくてもよく、前記縦寸法と前記横寸法の大きさは制約されない。
前記開口部7に対応して前記後板部11には、ガイドレール5の長さ方向に間隔を置いて複数の透孔15が穿設され、この透孔15に挿通した固定部材により、前記後板部11が前記内壁面6に取り付けられる。前記固定部材としてはコンクリートに固定可能な螺子16やコンクリートアンカーなどが例示される。尚、開口部7は横方向に限定されず、上方向と下方向のいずれかでもよい。
また、前記透孔15は前記開口部7の高さと略同じ位置に設けられ、外部から前記開口部7を挿通して前記透孔15に前記螺子16を挿通することができ、開口部7に挿通した螺子16の先端側を内壁面6に定着することにより、内壁面6にガイドレール5が取り付けられる。また、取付後は、前記開口部7を通して前記螺子16を視認して点検することができる。
前記螺子16は、頭部16Tに工具係合溝(図示せず)を有する平螺子や皿螺子が用いられ、この例では皿螺子が用いられ、この皿螺子の頭部16Tを収納するテーパー状孔部15Tが、前記透孔15の外側に設けられている。尚、前記工具係合溝は、マイナスドライバーやプラスドライバーが係合するマイナス溝や十字溝が例示される。
前記移動体8は、前記中空部4より縦断面が小さい本体21を備え、この本体21は、上部たる上面部22と、下部たる下面部23と、前部たる前面部24と、後部たる後面部25と、側部たる左右の側面部26,26を有し、上下方向より前記ガイドレール5の長さ方向に長く形成されると共に、縦断面は上下方向が幅方向より長い長方形形状をなし、硬質材料からなる。また、前記本体21には、移動手段たる車輪27,27,28,28が複数設けられている。
また、図4に示すように、移動体8の高さ寸法は開口部7の幅寸法より大きく、リング部10を外側に引っ張る力を受けると、移動体8の上下が前記上,下前板部14U,14Sの内面に係止する。
前記移動体8には、前記下面部23の前後(ガイドレール5の長さ方向両側)に走行用の前記車輪27,27が設けられると共に、前記上面部22に案内ローラたる車輪28,28が設けられ、それら車輪27,27,28,28は水平軸を中心に回動する。そして、前記車輪27,27は前記下板部13の上面に沿って転動し、前記車輪28,28は前記上板部12の下面に沿って転動する。尚、車輪27が前記下板部13の上面に接した状態で、前記車輪28と上面部22との間には隙間があり、接していない。また、この例の移動体8は、上下対象であるから、上下を逆にしても使用することができる。尚、上下を逆にした場合、前記車輪27が案内ローラとなり、前記車輪28が走行用となる。このように車輪27,28は走行用と案内ローラを兼用する。
前記リング部10は、前記移動体8の開口部7側の側面部26で、前後の車輪27,27の間の略中央に設けられ、そのリング部10の先端は前記開口部7から外部に突出する。そして、前記リング部10の外部に突出した部分に、前記命綱9の一端側に設けた連結具(図示せず)が着脱可能に連結され、その命綱9の他端側が作業員の腰ベルトなどに連結されている。尚、作業員以外でも、監視員通路2内を移動する作業用の台車(図示せず)に、命綱9の他端側を連結してもよい。尚、前記台車は走行手段たる車輪(図示せず)を有する。
前記ガイドレール5の途中には、前記中空部4に前記移動体8を出し入れ可能な出し入れ口31が設けられている。この出し入れ口31は、前記上板部12に設けられ前記移動体8の平面形状より大きな本体挿通部32と、前記リング部10を上方から挿通可能なリング部挿通部33とを備え、前記リング部挿通部33は前記開口部7に連通する。尚、ガイドレール5は、1本が数メートルのもの複数用い、隣り合うガイドレール5,5の端部において中空部4及び開口部7が連続するように連結して前記内壁面6に取り付けられる。
また、前記出し入れ口31には蓋体35が設けられている。この蓋体35は、前記本体挿通部32を開閉可能な上蓋部36と、前記リング部挿通部33を開閉可能な前蓋部37とを備え、それら上蓋部36と前蓋部37とをヒンジ部38により回動可能に連結し、上蓋部36の後側縁を前記後板部11の上縁に上ヒンジ部39により回動可能に連結してなる。
尚、前記上蓋部36は前記本体挿通部32より僅かに大きく、前記前蓋部37は前記リング部挿通部33より僅かに大きく、蓋体35により出し入れ口31を閉めた状態で、上蓋部36及び前蓋部37の縁部内面が、ガイドレール5の出し入れ口31の周囲の縁部側外面に重なり、前蓋部37の下縁37Sは前記上前板部14Uの下縁と同一高さ又は該下縁より上方に位置する。
また、前記蓋体35をロック及びロック解除可能なロック手段41を備える。このロック手段41は、閉成状態の前蓋部37の外面に係止する係止片41Aをスライド可能に備え、係止片41Aを前蓋部37側に前進することにより、前蓋部37をロックすることができ、係止片41Aを後退することによりロックを解除することができる。
従って、ガイドレール5の端部以外に設けられた出し入れ口31から、移動体8を中空部4内に出し入れすることができる。この場合、ヒンジ部38,39により、蓋体35を立てるようにして開くことができ、移動体8をスムーズに出し入れすることができる。また、蓋体35により出し入れ口31を閉め、ロック手段41により蓋体35をロックすることにより、蓋体35が不用意に開くことを防止できる。
図10に示すように、前記ガイドレール5の下部には、中空部4内の水や塵埃を排出する排出口42が設けられ、この例では前記下板部13に排出口42が穿設されている。尚、排出口42は円形以外でも、下板部13の幅方向全長に開口するスリット状とすることが好ましい。
次に、前記落下防止装置3の使用方法について説明する。移動体8をガイドレール5内に配置し、移動体8と作業員とを命綱9により連結した状態で、作業員が監視員通路2を移動すると、移動体8がガイドレール5に沿って移動し、途中で付け替えることなく、連続した移動が可能となる。
このように本実施例では、請求項1に対応して、被取付部たる内壁面6に取り付けられ、長さ方向に連続する中空部4を有するガイドレール5と、ガイドレール5に設けられ、長さ方向に連続する開口部7と、中空部4内を長さ方向に移動可能に設けられた移動体8と、移動体8に設けられ、落下防止用連結部材たる命綱9を連結する連結受け部たるリング部10とを備えるから、移動体8のリング部10に命綱9の一側を連結し、命綱9の他側を作業員などに連結することにより落下が防止され、作業員の移動に伴って移動体8がガイドレール5内を移動するため、作業員の連続移動が可能となる。
このように本実施例では、移動体8が移動手段たる車輪27,28を有するから、移動体8が中空部4をスムーズに移動することができる。
このように本実施例では、請求項3に対応して、ガイドレール5は、開口部7を設けた前部と、被取付部たる内壁面6に取り付ける後部たる後板部11とを備え、開口部7に対応して後板部11に透孔15を穿設し、透孔15に挿通した固定部材たる螺子16により後板部11を内壁面6に取り付け、螺子16が開口部7を挿通可能であるから、開口部7を挿通した螺子16により、ガイドレール5を内壁面6に取り付けることできると共に、取付後も開口部7から螺子16を視認して点検することができる。また、後板部11を直接内壁面6に取り付けるから、落下防止装置3を狭い監視員通路2などに省スペースで取り付けることができる。
以下、実施例上の効果として、排出口42は下板部13の幅方向全長に開口するスリット状をなすから、水や塵埃を確実に排出することができる。また、ガイドレール5の途中に出し入れ口31を設けたから、ガイドレール5への移動体8の挿脱を容易に行うことができる。さらに、出し入れ口31に蓋体35を設けたから、移動体8の挿脱時以外は、出し入れ口31を塞いでおくことができる。
また、蓋体35は、平板状の上蓋部36と前蓋部37を回動可能に連結すると共に、上蓋部36を本体挿通部32の端部に回動可能に連結したから、ガイドレール5を縦方向の内壁面6に取り付けた状態で、図8に示したように蓋体35をほぼ垂直に開成することができ、移動体8の挿脱が容易となる。
図11及び図12は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図は、移動手段の変形例として低摩擦部を用いた例を示す。
前記移動体8の前面部24と後面部25を側面視で半円状に形成し、前記移動体8の下面部23に、幅方向に並んだ長さ方向の突条部51,51を突設すると共に、これら突条部51,51の前後の端部51T,51T,51T,51Tを前記前面部24と後面部25の下部側に延設すると共に、湾曲状に形成している。
このように幅狭な前記突条部51を設けることにより、下面部23が下板部13に面接する場合より摩擦抵抗を小さくできる。また、前記突条部51の先端は、移動手段たる低摩擦部52となっている。この場合、突条部51の先端を、移動体8の材料に比べて摩擦係数の低い材料で構成し、または、突条部51の先端に低摩擦部材をコーティングなどにより設けることにより低摩擦部52を構成してもよい。
また、下面部23と同様に、前記移動体8の上面部22に幅方向に並んで長さ方向の突条部51,51を突設すると共に、これら突条部51,51の前後の端部51T,51T,51T,51Tを前記前面部24と後面部25の上部側に延設し、前記突条部51の先端は、低摩擦部52となっている。尚、移動体8は上下対称であるから、上下の向きを気にせず使用することができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、移動手段が、先端に低摩擦部52が設けられ幅方向に間隔を置いて配置された突条部51,51であり、これら突条部51,51により移動体8が中空部4内をスムーズに移動することができる。
また、突条部51,51を本体21の幅方向の左右に設けたから、移動体8の移動が安定する。
図13及び図14は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図は、ガイドレール5とその取付構造61の変形例を示す。
この例のガイドレール5Aは中空部4が円形の鋼管などからなり、このガイドレール5Aの前部には、その全長に前記開口部7が形成されている。
また、取付構造61として、前記ガイドレール5Aの後部には、該ガイドレール5Aを内壁面6に取り付けるブラケット62がトンネル1の長さ方向に間隔を置いて複数設けられている。このブラケット62は、先端をガイドレール5Aの下部に連結した縦杆部63と、この縦杆部63の下端に連結されたトンネル幅方向の横杆部64と、この横杆部64の基端に設けられた平板状の取付部65とを一体に備え、前記取付部65が固定部材たる螺子16により前記内壁面6に固定されている。
また、移動体8は本体21が円筒状に形成され、前部24A及び後部25Aが略円錐状で同一形状に形成されると共に、先端には球面状の湾曲面24W,25Wが形成されている。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、外面が円柱形状のガイドレール5Aが内壁面6から離れて取り付けられているから、ガイドレール5Aを手摺として使用することもできる。
図15〜図19は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図は、トンネル1のカーブ箇所1A(図19)にガイドレール5を設ける例を示す。
前記カーブ箇所1Aの内壁面6は平面視において、湾曲状に屈曲し、その湾曲状をなす内壁面6に対応して前記ガイドレール5には湾曲状のガイドレール曲線部70が形成され、ガイドレール5の後板部11が内壁面6に接するようにして内壁面6にガイドレール曲線部70を取り付けている。
この例では、連結移動体71を用い、この連結移動体71は、前記移動体8に比べてガイドレール5の長さ方向に短い本体21を有する移動体8Aを複数備え、隣り合う移動体8A,8Aの本体21,21の前後を縦方向の連結ピン72により連結して前後の移動体8A,8A同士を屈曲可能に構成している。また、それぞれの移動体8Aの上下に前記車輪28,27を設けている。
また、この例で、4つの移動体8A,8A,8A,8Aを連結しており、この移動体8Aは、本体21の前面部24と後面部25が平面視で端部に向かった幅狭になるように形成されている。また、隣り合う移動体8A,8Aの本体21,21の前面部24と後面部25の端部側を重ね合わせ、この重ね合わせ部分に前記連結ピン72を挿通して連結している。尚、複数の移動体8A,8A,8A,8Aの全てに車輪27,28を設ける必要はなく、例えば、3つの移動体8A,8A,8Aに車輪27,28を設けてもよい。
また、この例では複数の移動体8A,8A,8A,8Aのなかで1つの移動体8Aの側面部26に前記リング部10を設けている。尚、変形例として、図18に示すように、連結移動体71に複数のリング部10を設けてもよく、この場合、1つの移動体8Aに1つのリング部10を設ける。また、リング部10を設けた移動体8Aには車輪27,28を設けることが好ましい。さらに、ガイドレール曲線部70の曲率などに対応して、移動体8Aの形状を自由に設定することができる。
従って、作業員がカーブ箇所1Aの監視員通路2を移動すると、連結移動体71の移動体8A,8A,8A,8Aがガイドレール曲線部70内を屈曲しながら移動することができる。
このように本実施例では、請求項4に対応して、複数の移動体8A,8A・・・を備え、隣り合う移動体8A,8A同士が屈曲可能に連結されているから、屈曲箇所やカーブ箇所1Aに設けたガイドレール5のガイドレール曲線部70内を、複数の移動体8A,8A・・・が屈曲しながら通過することができ、複数の移動体8A,8A・・・を連結したから、リング部10に加わる力に対抗することができる。
また、実施例上の効果として、複数の移動体8A,8A,8A,8Aを連結すると共に、複数の移動体8A,8A,8A,8Aにリング部10を設けたから、1つのリング部10に連結した命綱9を作業員に連結し、他のリング部10に連結した命綱9を台車(図示せず)に連結し、台車と共に作業員が移動して作業をする際、両者の落下を防止できる。
図20は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、上記実施例4の隣り合う移動体8A,8Aの連結箇所の変形例を示す。
隣り合う移動体8A,8Aには、前記連結ピン72を挿通する連結部73,74が設けられ、一方の連結部73の下面に位置決め突起73Aを設けると共に、この位置決め突起73Aが係合する位置決め凹部74Aを他方の連結部73の上面に設けており、位置決め突起73Aが位置決め凹部74Aに凹凸嵌合することにより、隣り合う移動体8A,8Aが一直線状に保持され、一方、曲げる力が所定以上になると、位置決め突起73Aが位置決め凹部74Aから外れて屈曲可能になる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、位置決め突起73Aが位置決め凹部74Aに凹凸嵌合することにより、隣り合う移動体8A,8Aを一直線状に保持することができ、連結移動体71がガイドレール5の直線箇所をスムーズに移動することができる。
図21〜図24は本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図は、トンネル1の非常駐車帯などに設ける例を示す。
前記トンネル1には、非常駐車帯などを設けるために、前記内壁面6がトンネル外側に凹んだ凹所75が形成されている。この凹所75では、トンネル1の長さ方向両側に凸状の角部76,76が形成されると共に、凹所75の奥側に凹状の角部77,77が形成されている。尚、凹所75にも前記監視員通路2が設けられている。
このためガイドレール5の途中に略90度の屈曲部76G,77Gを設け、前記凸状の角部76では、屈曲部76Gの外側角部がトンネル1の中央側になるようにガイドレール5を内壁面6に取り付け、前記凹状の角部77では、屈曲部77Gの外側角部が内壁面6側になるようにガイドレール5を内壁面6に取り付けている。尚、屈曲部76G,77Gにおいて、隣り合うガイドレール5,5が連結される。
この例の連結移動体71は、単独で前記ガイドレール5の屈曲部76G,77Gを通過可能なように長さ方向に短く形成された本体21を有する移動体8Bを複数備え、この移動体8Bの本体21は、上面部22と下面部23と左右の側面部26,26を有する中空枠状をなす。尚、本体21の前部と後部は開口している。
前記複数の移動体8B,8B,8B,8Bを間隔Kを置いて配置し、これら間隔を置いて配置した移動体8B,8B,8B,8B内に複数の連結部材81,81・・・を挿通し、これら連結部材81,81・・・を各移動体8B,8B,8B,8Bに連結している。尚、隣り合う移動体8B,8Bの本体21,21の間隔Kは、移動体8B,8Bの間において、連結部材81,81・・・が平面視で90度屈曲可能な間隔に設定されている。また、前記連結部材81としては、可撓性を有するロープ材などが用いられ、好ましくはロープ材は伸縮性を有するものが用いられる。尚、この場合、ロープ材は所定の張力を受けると伸び、張力が無くなると、弾性復元力により元に長さに戻るものを用いることができる。
この例では、車輪27,28は、左右一対で移動体8Bの本体21の左右に設けられている。また、複数の移動体8B,8B,8B,8Bのなかで1つの移動体8Bの側面部26に前記リング部10を設けている。尚、変形例として、上記図18に示したように、連結移動体71に複数のリング部10を設けてもよく、この場合、1つの移動体8Bに1つのリング部10を設ける。
従って、作業員が凹所75の監視員通路2を移動すると、図23(B)に示すように、連結移動体71の移動体8B,8B,8B,8Bの間の連結部材81,81・・・が屈曲部76G,77Gにおいて屈曲することにより移動することができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、この例では、隣り合う移動体8B,8Bを連結部材81により連結し、この連結部材81が可撓性を有するロープ材などからなるから、ガイドレール5の屈曲部76G,77G内を連結移動体71が通過可能となる。
図25は本発明の実施例7を示し、上記各実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、ガイドレール5に対する移動体8の左右の間隔を規定するスペーサを設けた例を示す。
この例では、前記移動体8の側面部26,26の上下前後に、スペーサたる案内ローラ85を設け、この案内ローラ85は垂直軸を中心として転動する。また、固定部材たる螺子16は六角形状などの頭部16Rを有するものであり、取付状態で、その頭部16Rが中空部4内に突出している。
そして、前記後側の上下の案内ローラ85,85は、前記頭部16Rを挟む位置で、移動体8が頭部16Rに接触しないように配置され、前側の上の案内ローラ85は上前板部14Uの内面に転動し、前側の上の案内ローラ85は下前板部14Sの内面に転動する。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、本実施例では、移動体8の案内ローラ85がスペーサとなって、移動体8の本体21と取付部材との接触を防止できる。
図26は本発明の実施例8を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、ガイドレール5内での移動体8の移動を規制する位置固定手段たるストッパ91を移動体8に設けた例を示す。
前記ストッパ91は、前記本体21から外部に出没自在に設けた突出部材92を備え、この例では前記突出部材92を前記上面部22から上方に出没可能に設け、前記突出部材92を上方に付勢するコイルスプリングなどの付勢手段(図示せず)を備える。
また、前記ストッパ91は、前記突出部材92を操作する操作部94を備え、この例では開口部7側の側面部26に回転摘み状の操作部94を設け、この操作部94と前記突出部材92はリンク機構(図示せず)により接続されている。また、前記操作部94は、前記側面部26に設けた凹部95に収納されている。
そして、突出部材92が本体21内に没した状態で前記操作部94を一側に回すと、突出部材92の固定が解除され、前記付勢手段により突出部材92が上方に突出し、突出部材92の先端が上板部12に圧接して移動体8が位置固定される。一方、前記操作部94を他側に回すと、突出部材92が引き下げられて本体21に没し、移動体8が移動可能になる。尚、突出部材92はガイドレール5の内面のいずれに圧接してもよい。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、ストッパ91を設けることにより、移動体8をガイドレール5に固定して作業を行うことができる。
また、実施例上の効果として、前記操作部94は、前記側面部26に設けた凹部95に収納されているから、本体21に出っ張りがなく、中空部4内をスムーズに移動することができる。
図27は本発明の実施例9を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、移動体8にガイドレール5の清掃機能を付与した例を示す。
図27では前記ガイドレール5を清掃する清掃手段を備え、内部底面清掃手段である下ブラシ101を本体21の下部に設け、内部側面清掃手段である横下ブラシ102を本体21の側面部26に設けている。尚、前記下ブラシ101が移動手段であり、前記横下ブラシ102がスペーサである。
そして、移動体8が移動すると、下ブラシ101の毛が中空部4の下部側の水や埃を除去し、横下ブラシ102の毛が下前板部14Sの内面の水や埃を落とし、それら水や埃が前記排出口42から外部に排出される。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、清掃手段を設けることにより、ガイドレール5内を清掃することができると共に、清掃手段が移動手段を兼用することにより、車輪などが不要又は数を減らすことができ、移動体8の構成を簡略化することができる。
図28は本発明の実施例10を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、移動体8にガイドレール5の清掃機能を付与した例を示す。尚、実施例9の清掃手段に、以下の清掃手段を追加している。
移動体8の前後に吊り部材103を設け、この吊り部材103は、前記本体21に一端を固定し、前記開口部7を挿通して外部に突出する突出部104と、この突出部104の他端側から上方に延設された縦部105と、この縦部105の上部からガイドレール5の上板部12の上方に伸びる吊り上部106とを一体に備える。
前記吊り上部106に外面清掃手段たる上ブラシ107を設け、この上ブラシ107の毛の先端が前記上板部12の上面に摺動する。
また、前記吊り部材103には、前記上前板部14Uの外面に摺動する横上ブラシ108が設けられている。さらに、前記本体21には、前記上前板部14Uの内面に摺動する横上ブラシ109が設けられている。
そして、移動体8が移動すると、上ブラシ107と横上ブラシ108により上板部12の外面と上前板部14Uの外面の塵が除去される。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、外面清掃手段たるブラシ107,108を設けることにより、ガイドレール5の外側を清掃することができる
図29は本発明の実施例11を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記開口部7からガイドレール5内に挿脱可能な移動体8の例を示す。
この例のガイドレール5は、移動体8を斜めにして開口部7から挿脱し易いように、上板部12と下板部13の幅を広く形成している。また、下面部23と後面部25の角部に面取り部111を設けて、前記面取り部111を下前板部14Sの上縁に沿って挿入し易くしている。尚、開口部7を挿通可能な形状であれば、本体21の断面形状を卵形や楕円形などにしてもよい。
また、挿脱に邪魔にならないように、前記リング部10の基端を枢着部112により水平方向回動可能に前記本体21に取り付けている。さらに、移動手段として、前記下面部23の下面全体を低摩擦部52に形成している。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、前記リング部10の基端を枢着部112により水平方向回動可能に前記本体21に取り付けたから、開口部7にリング部10を通し易くなる。
図30は本発明の実施例12を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記開口部7からガイドレール5内に挿脱可能な移動体8の他の例を示す。
この例の移動体8の本体21はゴムなどの弾性部材からなる。前記本体21の側面部26の上下方向中央に、凹部115を形成することにより、薄肉部116を形成している。また、凹部115の底部に短いリング部10Aを形成し、このリング部10Aに輪部117を連結し、この輪部117に前記命綱9が着脱可能に連結される。また、下面部23に移動手段たる低摩擦部52を設けている。
従って、薄肉部116が内側になるようにとして、本体21を略U字状に折り曲げ、折り曲げた状態で薄肉部116側を先端にして開口部7に挿通し、中空部4内において、元に状態に戻して使用する。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、本体21を弾性材料から形成することにより、本体21を弾性変形させて開口部7を挿通することができる。
図31は本発明の実施例13を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、下と上の車輪27,28を本体21内に出没自在に設けている。
前記車輪27,28は、前記操作部94を操作することにより、本体21内に少なくとも一部が収納され、この例は全体が収納され、この収納状態で本体21の高さが前記開口部7の幅より多少高く、本体21を斜めにして中空部4内に挿入可能となる。そして、挿入後は、操作部94を操作して、前記車輪27,28を上下に突出させることにより、移動体8が抜け止め状態でガイドレール5内に挿入される。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、移動手段たる車輪27,28を本体21に出没自在に設けることにより、本体21を開口部7からガイドレール5に内部に挿脱可能とすることができる。
図32は本発明の実施例を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記連結移動体71に清掃手段を設けた例を示す。
図中、右から2台目と4台目の移動体8B,8Bには、リング部10と車輪27,28が設けられており、残りの1台目と3台目の移動体8B,8Bには、前記下ブラシ101を設け、車輪は設けていない。
従って、車輪27と下ブラシ101により連結移動体71が中空部4内を移動することができると共に、移動と同時に下ブラシ101より水や塵埃を掻き取ることができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
図33は本発明の実施例15を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、移動体8の位置を検出する装置を、該移動体8に設けた例を示す。
トンネル1や道路などにおいてキロポスト(図示せず)がある場合は、このキロポストを撮像する位置検出手段121たる撮像手段を前記移動体8の本体21に設ける。また、キロポストがない場合は、前記ガイドレール5の内面又は外面に位置情報表示部(図示せず)を設ける。尚、キロポストを撮像する場合は、開口部7を通してキロポストを撮像可能な位置で本体21に撮像手段を設ける。
一方、ガイドレール5の内面の位置情報表示部を撮像する場合は、撮像可能な位置で本体21に撮像手段を設け、或いは、ガイドレール5の外面に設けた位置情報表示部を撮像する場合は、撮像手段をガイドレール5の外部に配置し、開口部7を挿通したブラケット(図示せず)により、撮像手段と本体21を連結する。
前記本体21には、制御手段122と通信手段123が設けられ、前記撮像手段による撮像データにより制御手段122が移動体8の現在位置を検出し、現在位置のデータを通信手段123により外部通信手段124に転送し、外部通信手段124を備えた携帯機器125が現在位置を表示し、その携帯機器を作業者などが携帯する。
また、前記位置検出手段121として、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)の受信器を用いることができ、この受信器により受信した位置情報から前記制御手段122が移動体8の現在位置を検出する。
また、前記撮像手段又はGNSSの受信器に、移動距離検出手段(図示せず)を組み合わせてもよい。前記位置検出手段121としては、走行用の車輪27の回転を検出するエンコーダーなどを用いることができ、車輪27の回転により移動体8の移動量を検出することができる。このためキロポストの間や、GNSSの信号の受信できない場所でも移動体8の位置を検出することができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、この例では位置検出手段121により移動体8の位置を検出することができ、これを外部通信手段124により受信して作業者などに知らせることができる。
図34は本発明の実施例16を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、ガイドレールの外側に移動体を設ける例を示す。
ガイドレール131は、I型やH型の鋼材からなり、前後のフランジ部132,132Aをウエブ部133により連結してなり、後板部たる後のフランジ部132Aが、前板部たる前のフランジ部132に比べて上下方向に幅広に形成されている。また、前記固定部材としてはコンクリートに固定可能な螺子16を用い、この螺子16を後のフランジ部132Aに挿通し、螺子16の先端側を内壁面6に定着することにより、内壁面6にガイドレール131を取り付けている。
そして、前記フランジ部132の上下方向中央で、該フランジ部132の内面132Nに、中間部たる前記ウエブ部133が取り付けられており、縦方向の板状フランジ部132と横方向の板状ウエブ部133が交差して設けられている。尚、ガイドレール131はフランジ部132Aを上側にして取り付けることができ、この場合は横方向のフランジ部132Aが上、横方向のフランジ部132が下、ウエブ部133が縦方向となり、さらに、上下逆でもよい。
そして、前記ウエブ部133が内壁面6側から突出した突出部であり、前記ウエブ部133の先端に、係止部たる前記フランジ部132が設けられ、このフランジ部132は、前記ウエブ部133の厚さに比べて幅広で基端側である内面132Nの幅方向中央側に前記ウエブ部133の先端が接続されている。尚、図中9Aは、前記命綱9の一端に設けられたフック状の連結部材であり、前記リング部10に着脱可能に連結される。
以下、移動体135について、ガイドレール131の前後左右を用いて説明する、移動体135の本体136は板材などからなり、この本体136は上下方向の縦部137を備え、この縦部137の上下に斜め後ろ向きの腕部138,138を設け、これら腕部138,138から後斜め中央向きに軸部139,139を突設し、これら軸部139,139の先端側に移動手段たる車輪140,140Aを設けている。このように軸部139,139は後に向かって間隔が狭まる。
また、上下の車輪140,140Aは斜めの回転軸を中心として回動可能に設けられ、これら上下の車輪140,140Aは、ウエブ部133を該ウエブ部133の厚さ方向両側から挟むと共にフランジ部132の内面側に係止可能なようにハの字状に配置され、取付状態で、車輪140,140Aは、フランジ部132の内面132Nとウエブ部133の外面との角部142,142に近接する。また、取付状態で、車輪140,140A同士は略直交し、車輪140,140Aと内面132Nとの挟角は鋭角であり、この例では略45度、範囲としては30〜60度である。尚、車輪140,140Aは軸部139,139と直交する。
前記本体136にスペーサたる案内ローラ141を設け、この案内ローラ141は上下方向を回転中心として前記フランジ部132の外面を転動する。また、本体136の外面に前記リング部10を設けている。
従って、ウエブ部133の上下を車輪140,140Aにより挟むと共に、フランジ部132の前後を案内ローラ141と車輪140,140Aが挟んだ状態で、ガイドレール131に沿って移動体135が移動可能となる。そして、図34に示す車輪140,140Aの位置が、ガイドレール131に抜け止め状態で装着された装着位置である。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、被取付部たる内壁面6に取り付けられ、長さ方向に連続するガイドレール131と、ガイドレール131に設けられ、内壁面6側から突出した突出部たるウエブ部133及びこのウエブ部133の先端側の厚さより幅広で基端側である内面132Nの幅方向中央側にウエブ部133の先端が接続された係止部たるフランジ部132と、ガイドレール131の長さ方向に移動可能に設けられた移動体135と、移動体135に対をなして設けられ、ウエブ部133を挟んでフランジ部132の内面132Nに配置される移動手段たる車輪140,140Aと、移動体135に設けられ、落下防止用連結部材たる命綱9を連結する連結受け部たるリング部10とを備えるから、移動体135のリング部10に命綱9の一側を連結し、命綱9の他側を作業員などに連結することにより落下が防止され、作業員の移動に伴って移動体135がガイドレール131の外面に沿って移動するため、作業員の連続移動が可能となる。
また、実施例上の効果として、案内ローラ141を設けたから、フランジ部132と本体136との接触を防止できる。さらに、車輪140,140A及び案内ローラ141がガイドレール131に接するから、それらがガイドレール131に3点で接することにより安定して移動することができる。また、螺子16が露出しているから、点検が容易となる。
図35は本発明の実施例17を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、上記実施例18の一方の車輪140Aを装着位置と非装着位置である外部Gに進退可能に設け、ガイドレールの途中で移動体135を着脱可能に設けた例を示す。尚、非装着位置である前記外部Gは車輪140Aがフランジ部132の内面132Nから外れた位置である。
前記移動体135の本体136は、板片状の横部151の先端に、縦上部152を上向きに設け、この縦上部152に上側の前記腕部138を設け、この腕部138に前記軸部139により上側の前記車輪140を設けている。また、横部151の基端側には命綱9を連結するための透孔153が穿設され、横部151の基端側によりリング部10Aを構成している。さらに、横部151の先端側下面に前記案内ローラ141が取り付けられている。
前記案内ローラ141の位置より基端側で前記横部151の下面には、取付部154が下方に突設され、この取付部154の下部に横方向の回動中心軸155が設けられ、この回動中心軸155により回動腕部156の基端側が前記取付部154に回動可能に設けられ、その回動腕部156の先端側に前記軸部139により下側の前記車輪140Aを回動可能に設けている。
尚、前記横方向の回動中心軸155は、ガイドレール131の長さ方向に配置されている。また、回動中心軸155は、フランジ部132の幅方向の一側端部たる下端132Tの位置より、下方に位置し、すなわち、回動中心軸155は、ウエブ部133を基準としてフランジ部132の幅方向において前記下端132Tに比べてウエブ部133から離れている。
前記回動腕部156の基端には、操作腕部157が一体に設けられている。また、前記本体136には回動腕部156を位置固定及び解除なロック手段(図示せず)が設けられている。図35に示すように、前記回動中心軸155の高さ位置は、前記フランジ部132の下端の高さ位置より低く、図35の位置から操作腕部157を用いて回動腕部156を下方に回動すると、矢印Yに示すように、回動の始めは車輪140Aがフランジ部132から後側に離れるように回動してフランジ部132の下端に当たることなく、車輪140Aを外部に回動することができる。このように車輪140Aは回動することにより、装着位置と非装着位置の外部との間で移動可能に設けられている。
この場合、フランジ部132の幅方向において、回動中心軸155がフランジ部132の一側縁より外側に位置し、回動腕部156に連結した操作腕部157が横部151に並んで設けられているから、ロック手段によるロックを解除し、操作腕部157と横部151の間隔を狭めるように握ると、車輪140Aが非装着位置である外部に回動し、ガイドレール131から移動体135を取り外すことができる。
そして、ガイドレール131に移動体135を取り付けるには、上側の車輪140を前側のフランジ部132の内面に当てると共に、該車輪140をウエブ部133に乗せ、案内ローラ141をフランジ部132の外面に当てることにより、移動体135をガイドレール131により保持することができる。
こうすると、移動体135の荷重が車輪140によりガイドレール131に加わるため、装着作業に力を要さない。その後、操作腕部157を用いて回動腕部156を回動し、下側の車輪140Aをウエブ部133の下面とフランジ部132の内面に当接又は近接し、回動腕部156をロック手段により固定する。
この状態でリング部10Aに命綱9を連結し、この命綱9を連結した作業員が移動すると、上下の車輪140,140A及び案内ローラ141がガイドレール131の外面に転動し、移動体135がガイドレール131の長さ方向に移動する。この場合、主として車輪140により移動体135の荷重がガイドレール131に加わり、車輪140Aにより移動体135の上方移動が規制され、車輪140,140Aと案内ローラ141により移動体135の左右位置が規制される。一方、移動体135を外す場合は、ロック手段による固定を解除し、横部151と操作腕部157とを握るようにして回動腕部156を回動することのより、ガイドレール131から移動体135を簡便に取り外すことができる。
また、移動体135には、上側の車輪140及び下側の車輪104Aをガイドレール131の長さ方向に間隔を置いて複数設けることができるが、上側の車輪140及び下側の車輪104Aを1輪ずつにすれば、移動体135の軽量化が図られると共に、ガイドレール131が90度に屈曲した箇所でも容易に移動することが可能となる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、対をなす移動手段たる車輪140,140Aの一方である車輪140Aがフランジ部132の基端側たる内面132N側と外部Gとの間で移動可能に設けられているから、他方の車輪140をフランジ部132の内面132N側でウエブ部133の一方に配置した状態で、一方の車輪140Aをフランジ部132の内面132N側でウエブ部133の他方に配置して一方と他方の車輪140,140Aでウエブ部133を挟むことにより、ガイドレール131の外面に移動体135を装着することができる。このようにガイドレール131の途中で移動体135を着脱することができる。
また、実施例上の効果として、回動中心軸155は、ウエブ部133を基準としてフランジ部132の幅方向において下端132Tより離れた位置に設けられているから、回動腕部156を回動すると、装着位置から車輪140Aがウエブ部133の基端側に向かって内面132Nから離れるように回動し、車輪140Aが下端132Tに接触することなく、非装着位置である外部に移動することができる。
また、本体136に一方の車輪140が位置固定されていると共に、他方の車輪140Aが車輪140,140Aの間が開閉するように回動するから、構造簡易にして着脱が容易となる。さらに、一方の車輪140が位置固定されているから、装着時に先に車輪140をセットすることにより、装置の荷重をガイドレール131に掛けることができ、取付作業が容易となる。
また、装着時にフランジ部132に対して、車輪140,140Aがそれぞれ好ましくは40〜50度の角度をなすから、図34の状態で、移動体135が上下方向の力、横方向外側に引っ張る力に対して、それぞれ対抗することができる。このためフランジ部132Aを上側又は下側にしてガイドレール131を取り付けた場合にも対応可能となる。
図36〜図38は本発明の実施例を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、上記各実施例の車輪に全方向移動車輪161を用いた例を示す。
全方向移動車輪161は、主輪162と、この主輪162の外周側に位置する複数の副輪163・・・と、を備え、前記主輪162の回転中心には横方向の車軸164が設けられている。前記主輪162は、その外径縁部から外側方向に複数突設されたブラケット部165とを一体に備える。尚、前記主輪162の表面(円周上)は、車軸164に対して45°傾けた樽形状の前記副輪163(バレル)によって覆われている。
前記副輪163の端部に軸受部166を内蔵し、この軸受部166に取付軸167を回動可能に連結し、この取付軸167を前記ブラケット部165に挿通し、このブラケット部165を挿通した取付軸167の端部に固定手段たるナット168を螺合することにより、両側のブラケット部165,165間に副輪163を回動可能に設けている。
前記全方向移動車輪161は上記各実施例の移動手段として用いることができ、特に実施例17の車輪140Aに用いれば、ガイドレール131に移動体135を取り付ける際、仮にフランジ部132の下端に車輪161が接触しても、副輪163が回転することによりスムーズに取り付けることができる。尚、この場合は、前記軸部139を前記車軸164に連結して移動体135に車輪161を設ける。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
図39は本発明の実施例19を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例は前記全方向移動車輪161の変形例を示す。
この例の移動車輪161は、副輪163の回転中心が車軸164と直交して主輪162の外周方向に並んで配置されており、フランジ部132の下端に接触すると副輪163が回転する。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、ガイドレールには、開口部を前側に設けたが、被取付部に取り付ける後部を除いて、開口部を上部(上面部)や下部(下面部)に設けてもよい。また、中空部を有するガイドレールの断面形状は実施例に限定されず、中空部と開口部を有するものであれば、各種のものを用いることでき、例えば、角パイプ形状で、1つの面に開口部を有するものでもよい。さらに、連結移動体の移動体の形状は適宜選定可能であり、平面形状を卵形や楕円形などにしてもよい。また、実施例では、スペーサとして案内ローラを例示したが、実施例で示した突条部でもよく、この場合も突条部の先端に低摩擦部を設けることが好ましい。さらに、連結部材は帯状でもよい。また、連結移動体は、移動体の数が2個以上であればよい。また、実施例16〜19のガイドレールは、突出部と係止部を有するものなら各種のものを用いることができ、例えば、実施例では突出部と係止部がT型のものを示したが、係止部を突出部の厚さ寸法より大きな直径を有するパイプや、外側に向かって拡大する断面略く字状の部材や、外側に向かって拡大する断面略半円状の部材などで構成することができる。さらに、各実施例の構成を組み合わせることができ、例えば、案内ローラ(スペーサ),ストッパやブラシは各実施例の移動体に適用可能である。また、ガイドレールの向きは実施例に限定されず、開口部を下向きや上向きにしたり、フランジ部132を下向きや上向きにしてガイドレールを取り付けたりしてもよい。さらに、実施例の移動手段を他の実施例の移動手段に代えて用いることができる。
1 トンネル
1A カーブ箇所
3 落下防止装置
4 中空部
5,5A ガイドレール
6 内壁面(被取付部)
7 開口部
8,8A,8B 移動体
9 命綱(落下防止用連結部材)
10,10A リング部(連結受け部)
11 後板部(後部)
12 上板部
13 下板部
14U 上前板部(前部)
14S 下前板部(前部)
15 透孔
16 螺子(固定部材)
27 車輪(移動手段)
28 車輪(移動手段)
52 低摩擦部(移動手段)
70 ガイドレール曲線部
101 下ブラシ(内部底面清掃装置・移動手段)
102 横下ブラシ(移動手段)
131 ガイドレール
132 フランジ部(係止部)
132N 内面(基端側)
133 ウエブ部(突出部)
135 移動体
140 車輪(移動手段)
140A 車輪(移動手段)
161 車輪(移動手段)
G 外部
本発明は、落下防止装置に関する。
従来、例えば高速道路等のトンネルには、側壁に設置した各種の設備やコンクリート内壁面を点検するために監視員通路が設けられ、この監視員通路には手摺が設けられている(例えば特許文献1)。
前記手摺は一般的に鋼製で腐食処理を施しているが、経年的な劣化や、道路の凍結剤の影響などにより劣化し易く、その補修又は交換作業に費用を要するという問題がある。
一方、高所作業では、屋根に支柱である支持部を間隔を置いて複数設け、複数の支持部の上部に棒部材を設け、この棒部材に命綱を連結する命綱係合装置が提案されている(例えば特許文献2)。
特開2019−76293号公報 実用新案登録第3192243号公報
上記特許文献2の装置では、棒部材に所定間隔で支持部が設けられており、連続して移動する際には、支持部箇所でその都度フックを外す必要があるため、連続移動ができず、作業性が低下するという問題がある。
解決しようとする課題は、高所やトンネル監視員通路などにおいて、連続して移動が可能な落下防止装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、被取付部に取り付けられ、長さ方向に連続する中空部を有するガイドレールと、前記ガイドレールに設けられ、長さ方向に連続する開口部と、前記中空部内を長さ方向に移動可能に設けられた移動体と、前記移動体に設けられ、落下防止用連結部材を連結する連結受け部と、前記ガイドレールの途中に設けられ、前記中空部に前記移動体を出し入れ可能な出し入れ口と、前記出し入れ口を開閉可能な蓋体と、前記蓋体を前記出し入れ口にロック及びロック解除可能なロック手段とを備えることを特徴とする
請求項2の発明は、被取付部に取り付けられ、長さ方向に連続するガイドレールと、前記ガイドレールに設けられ、前記被取付部側から突出した突出部及びこの突出部の先端側の厚さより幅広で基端側の幅方向中央側に前記突出部の先端が接続された板状の係止部と、前記ガイドレールの長さ方向に移動可能に設けられた移動体と、前記移動体に対をなして設けられ、前記突出部を挟んで前記係止部の基端側に配置される移動手段と、前記移動体に設けられ、落下防止用連結部材を連結する連結受け部とを備え、対をなす前記移動手段の一方が、前記係止部の基端側と外部との間で、前記移動体に設けた回動中心軸を中心に回動可能に設けられ、対をなす前記移動手段の一方の前記回動中心軸は、前記ガイドレールの長さ方向に配置されていると共に、前記係止部の幅方向の一方の端部に比べて該係止部の幅方向において前記突出部から離れていることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記ガイドレールは、前記開口部を設けた前部と、前記被取付部に取り付ける後部とを備え、前記開口部に対応して前記後部に透孔を穿設し、前記透孔に挿通した固定部材により前記後部を前記被取付部に取り付け、前記固定部材が前記開口部を挿通可能なことを特徴とする。
請求項4の発明は、複数の移動体を備え、隣り合う前記移動体同士が屈曲可能に連結されていることを特徴とする
請求項1の構成によれば、移動体の連結受け部に落下防止用連結部材の一側を連結し、落下防止用連結部材の他側を作業員などに連結することにより落下が防止され、作業員の移動に伴って移動体がガイドレール内を移動するため、作業員の連続移動が可能となる。また、ガイドレールの途中に出し入れ口を設けたから、ガイドレールへの移動体の挿脱を容易に行うことができる。さらに、出し入れ口に蓋体を設けたから、移動体の挿脱時以外は、出し入れ口を塞いでおくことができ、蓋体により出し入れ口を閉め、ロック手段により蓋体をロックすることにより、蓋体が不用意に開くことを防止できる。
請求項2の構成によれば、移動体の連結受け部に落下防止用連結部材の一側を連結し、落下防止用連結部材の他側を作業員などに連結することにより落下が防止され、作業員の移動に伴って移動体がガイドレールの外面に沿って移動するため、作業員の連続移動が可能となる。
請求項3の構成によれば、開口部を挿通した固定部材により、ガイドレールを被取付部に取り付けることできると共に、取付後も開口部から固定部材を視認して点検することができる。また、後部を直接被取付部に取り付けるから、落下防止装置を狭い監視員通路などに省スペースで取り付けることができる。
請求項4の構成によれば、屈曲箇所やカーブ箇所に設けたガイドレール内を、複数の移動体が屈曲しながら通過することができる。
また、請求項の構成によれば、他方の移動手段を係止部の基端側で突出部の他方に配置した状態で、一方の移動手段を係止部の基端側で突出部の方に配置して一方と他方の移動手段で前記突出部を挟むことにより、ガイドレールの外面に移動体を装着することができる。このようにガイドレールの途中で移動体を着脱することができる。また、装着位置から移動手段が突出部の基端側に向かって係止部の内面から離れるように回動し、移動手段が係止部の一方の端部に接触することなく、外部に移動することができる。
本発明の実施例1を示す全体斜視図である。 同上、ガイドレールの斜視図である。 同上、ガイドレールの側面図である。 同上、装置の正面図である。 同上、移動体の側面図である。 同上、移動体の平面図である。 同上、要部の拡大断面図である。 同上、ガイドレールの要部の斜視図であり、蓋体を開いた状態を示す。 同上、ガイドレールの要部の斜視図であり、蓋体を閉めた状態を示す。 同上、ガイドレールの底面図である。 本発明の実施例2を示す装置の正面図である。 同上、移動体の側面図である。 本発明の実施例3を示す装置の正面図である。 同上、移動体の側面図である。 本発明の実施例4を示す連結移動体の平面図である。 同上、連結移動体を屈曲した状態の平面図である。 同上、連結移動体の側面図である。 同上、連結受け部を複数設けた連結移動体を屈曲した状態の平面図である。 同上、カーブ箇所の平面図である。 本発明の実施例5を示す分解斜視図である。 本発明の実施例6を示す連結移動体の側面図である。 同上、装置の正面図である。 同上、連結移動体の要部の平面図であり、図23(A)は直線状の状態、図23(B)は屈曲した状態を示す。 トンネルの要部の平面図である。 本発明の実施例7を示す装置の正面図である。 本発明の実施例8を示す一部を断面にした装置の側面図であり、図26(A)は移動体を固定する前、図26(B)は移動体の固定状態を示す。 本発明の実施例9を示す装置の正面図である。 本発明の実施例10を示す装置の正面図である。 本発明の実施例11を示す装置の正面図である。 本発明の実施例12を示す装置の正面図である。 本発明の実施例13を示す正面図であり、図31(A)は装置、図31(B)は移動手段を本体に収納した状態の移動体を示す。 本発明の実施例14を示す連結移動体の側面図である。 本発明の実施例15を示すブロック図である。 本発明の参考例を示す装置の正面図である。 本発明の実施例1を示す装置の正面図である。 本発明の実施例1を示す移動手段の正面図である。 同上、移動手段の要部の断面図である。 同上、移動手段の正面図である。 同上、本発明の実施例1を示す移動手段の斜視図である。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
本発明の実施例1を図1〜図10を参照して説明する。同図はトンネル1の監視員通路2に落下防止装置3を適用した例であり、内部に中空部4を有するガイドレール5がトンネル1の長さ方向に連続して設けられ、前記監視員通路2の外側に位置するトンネル1の縦方向の内壁面6が、前記ガイドレール5の被取付部である。
前記ガイドレール5内には、該ガイドレール5の全長に連続するスリット状の開口部7が設けられており、この中空部4に移動体8が長さ方向に移動可能に設けられており、この移動体8には、落下防止用連結部材たる命綱9を連結する連結受け部たるリング部10が設けられ、このリング部10は横方向で、先端がガイドレール5の前方に突出している。尚、ガイドレール5は、被取付部たる内壁面6側が後側であり、移動体8は、ガイドレール5の長さ方向一側が前側、他側が後側であり、移動体8は前後どちらにも移動可能である。
前記ガイドレール5は、前記内壁面6に当接する後板部11と、この後板部11の上下に設けた上板部12及び下板部13と、間に前記開口部7が設けられた上前板部14U及び下前板部14Sとを一体に備え、例えば断面略長方形形状のC型鋼などからなる。また、前記上板部12と下板部13は相互に平行で同一幅を有し、実施例では、前記ガイドレール5は縦寸法が幅寸法より大きく形成されているが、前記縦寸法と前記横寸法が同じでも、前記縦寸法が前記横寸法より小さくてもよく、前記縦寸法と前記横寸法の大きさは制約されない。
前記開口部7に対応して前記後板部11には、ガイドレール5の長さ方向に間隔を置いて複数の透孔15が穿設され、この透孔15に挿通した固定部材により、前記後板部11が前記内壁面6に取り付けられる。前記固定部材としてはコンクリートに固定可能な螺子16やコンクリートアンカーなどが例示される。尚、開口部7は横方向に限定されず、上方向と下方向のいずれかでもよい。
また、前記透孔15は前記開口部7の高さと略同じ位置に設けられ、外部から前記開口部7を挿通して前記透孔15に前記螺子16を挿通することができ、開口部7に挿通した螺子16の先端側を内壁面6に定着することにより、内壁面6にガイドレール5が取り付けられる。また、取付後は、前記開口部7を通して前記螺子16を視認して点検することができる。
前記螺子16は、頭部16Tに工具係合溝(図示せず)を有する平螺子や皿螺子が用いられ、この例では皿螺子が用いられ、この皿螺子の頭部16Tを収納するテーパー状孔部15Tが、前記透孔15の外側に設けられている。尚、前記工具係合溝は、マイナスドライバーやプラスドライバーが係合するマイナス溝や十字溝が例示される。
前記移動体8は、前記中空部4より縦断面が小さい本体21を備え、この本体21は、上部たる上面部22と、下部たる下面部23と、前部たる前面部24と、後部たる後面部25と、側部たる左右の側面部26,26を有し、上下方向より前記ガイドレール5の長さ方向に長く形成されると共に、縦断面は上下方向が幅方向より長い長方形形状をなし、硬質材料からなる。また、前記本体21には、移動手段たる車輪27,27,28,28が複数設けられている。
また、図4に示すように、移動体8の高さ寸法は開口部7の幅寸法より大きく、リング部10を外側に引っ張る力を受けると、移動体8の上下が前記上,下前板部14U,14Sの内面に係止する。
前記移動体8には、前記下面部23の前後(ガイドレール5の長さ方向両側)に走行用の前記車輪27,27が設けられると共に、前記上面部22に案内ローラたる車輪28,28が設けられ、それら車輪27,27,28,28は水平軸を中心に回動する。そして、前記車輪27,27は前記下板部13の上面に沿って転動し、前記車輪28,28は前記上板部12の下面に沿って転動する。尚、車輪27が前記下板部13の上面に接した状態で、前記車輪28と上面部22との間には隙間があり、接していない。また、この例の移動体8は、上下対象であるから、上下を逆にしても使用することができる。尚、上下を逆にした場合、前記車輪27が案内ローラとなり、前記車輪28が走行用となる。このように車輪27,28は走行用と案内ローラを兼用する。
前記リング部10は、前記移動体8の開口部7側の側面部26で、前後の車輪27,27の間の略中央に設けられ、そのリング部10の先端は前記開口部7から外部に突出する。そして、前記リング部10の外部に突出した部分に、前記命綱9の一端側に設けた連結具(図示せず)が着脱可能に連結され、その命綱9の他端側が作業員の腰ベルトなどに連結されている。尚、作業員以外でも、監視員通路2内を移動する作業用の台車(図示せず)に、命綱9の他端側を連結してもよい。尚、前記台車は走行手段たる車輪(図示せず)を有する。
前記ガイドレール5の途中には、前記中空部4に前記移動体8を出し入れ可能な出し入れ口31が設けられている。この出し入れ口31は、前記上板部12に設けられ前記移動体8の平面形状より大きな本体挿通部32と、前記リング部10を上方から挿通可能なリング部挿通部33とを備え、前記リング部挿通部33は前記開口部7に連通する。尚、ガイドレール5は、1本が数メートルのもの複数用い、隣り合うガイドレール5,5の端部において中空部4及び開口部7が連続するように連結して前記内壁面6に取り付けられる。
また、前記出し入れ口31には蓋体35が設けられている。この蓋体35は、前記本体挿通部32を開閉可能な上蓋部36と、前記リング部挿通部33を開閉可能な前蓋部37とを備え、それら上蓋部36と前蓋部37とをヒンジ部38により回動可能に連結し、上蓋部36の後側縁を前記後板部11の上縁に上ヒンジ部39により回動可能に連結してなる。
尚、前記上蓋部36は前記本体挿通部32より僅かに大きく、前記前蓋部37は前記リング部挿通部33より僅かに大きく、蓋体35により出し入れ口31を閉めた状態で、上蓋部36及び前蓋部37の縁部内面が、ガイドレール5の出し入れ口31の周囲の縁部側外面に重なり、前蓋部37の下縁37Sは前記上前板部14Uの下縁と同一高さ又は該下縁より上方に位置する。
また、前記蓋体35をロック及びロック解除可能なロック手段41を備える。このロック手段41は、閉成状態の前蓋部37の外面に係止する係止片41Aをスライド可能に備え、係止片41Aを前蓋部37側に前進することにより、前蓋部37をロックすることができ、係止片41Aを後退することによりロックを解除することができる。
従って、ガイドレール5の端部以外に設けられた出し入れ口31から、移動体8を中空部4内に出し入れすることができる。この場合、ヒンジ部38,39により、蓋体35を立てるようにして開くことができ、移動体8をスムーズに出し入れすることができる。また、蓋体35により出し入れ口31を閉め、ロック手段41により蓋体35をロックすることにより、蓋体35が不用意に開くことを防止できる。
図10に示すように、前記ガイドレール5の下部には、中空部4内の水や塵埃を排出する排出口42が設けられ、この例では前記下板部13に排出口42が穿設されている。尚、排出口42は円形以外でも、下板部13の幅方向全長に開口するスリット状とすることが好ましい。
次に、前記落下防止装置3の使用方法について説明する。移動体8をガイドレール5内に配置し、移動体8と作業員とを命綱9により連結した状態で、作業員が監視員通路2を移動すると、移動体8がガイドレール5に沿って移動し、途中で付け替えることなく、連続した移動が可能となる。
このように本実施例では、請求項1に対応して、被取付部たる内壁面6に取り付けられ、長さ方向に連続する中空部4を有するガイドレール5と、ガイドレール5に設けられ、長さ方向に連続する開口部7と、中空部4内を長さ方向に移動可能に設けられた移動体8と、移動体8に設けられ、落下防止用連結部材たる命綱9を連結する連結受け部たるリング部10と、ガイドレール5の途中に設けられ、中空部4に移動体8を出し入れ可能な出し入れ口31と、出し入れ口31を開閉可能な蓋体35と、蓋体35を出し入れ口31にロック及びロック解除可能なロック手段41とを備えるから、移動体8のリング部10に命綱9の一側を連結し、命綱9の他側を作業員などに連結することにより落下が防止され、作業員の移動に伴って移動体8がガイドレール5内を移動するため、作業員の連続移動が可能となる。また、ガイドレール5の途中に出し入れ口31を設けたから、ガイドレール5への移動体8の挿脱を容易に行うことができる。さらに、出し入れ口31に蓋体35を設けたから、移動体8の挿脱時以外は、出し入れ口31を塞いでおくことができ、蓋体35により出し入れ口31を閉め、ロック手段41により蓋体35をロックすることにより、蓋体35が不用意に開くことを防止できる。
このように本実施例では、移動体8が移動手段たる車輪27,28を有するから、移動体8が中空部4をスムーズに移動することができる。
このように本実施例では、請求項3に対応して、ガイドレール5は、開口部7を設けた前部と、被取付部たる内壁面6に取り付ける後部たる後板部11とを備え、開口部7に対応して後板部11に透孔15を穿設し、透孔15に挿通した固定部材たる螺子16により後板部11を内壁面6に取り付け、螺子16が開口部7を挿通可能であるから、開口部7を挿通した螺子16により、ガイドレール5を内壁面6に取り付けることできると共に、取付後も開口部7から螺子16を視認して点検することができる。また、後板部11を直接内壁面6に取り付けるから、落下防止装置3を狭い監視員通路2などに省スペースで取り付けることができる。
以下、実施例上の効果として、排出口42は下板部13の幅方向全長に開口するスリット状をなすから、水や塵埃を確実に排出することができる
また、蓋体35は、平板状の上蓋部36と前蓋部37を回動可能に連結すると共に、上蓋部36を本体挿通部32の端部に回動可能に連結したから、ガイドレール5を縦方向の内壁面6に取り付けた状態で、図8に示したように蓋体35をほぼ垂直に開成することができ、移動体8の挿脱が容易となる。
図11及び図12は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図は、移動手段の変形例として低摩擦部を用いた例を示す。
前記移動体8の前面部24と後面部25を側面視で半円状に形成し、前記移動体8の下面部23に、幅方向に並んだ長さ方向の突条部51,51を突設すると共に、これら突条部51,51の前後の端部51T,51T,51T,51Tを前記前面部24と後面部25の下部側に延設すると共に、湾曲状に形成している。
このように幅狭な前記突条部51を設けることにより、下面部23が下板部13に面接する場合より摩擦抵抗を小さくできる。また、前記突条部51の先端は、移動手段たる低摩擦部52となっている。この場合、突条部51の先端を、移動体8の材料に比べて摩擦係数の低い材料で構成し、または、突条部51の先端に低摩擦部材をコーティングなどにより設けることにより低摩擦部52を構成してもよい。
また、下面部23と同様に、前記移動体8の上面部22に幅方向に並んで長さ方向の突条部51,51を突設すると共に、これら突条部51,51の前後の端部51T,51T,51T,51Tを前記前面部24と後面部25の上部側に延設し、前記突条部51の先端は、低摩擦部52となっている。尚、移動体8は上下対称であるから、上下の向きを気にせず使用することができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、移動手段が、先端に低摩擦部52が設けられ幅方向に間隔を置いて配置された突条部51,51であり、これら突条部51,51により移動体8が中空部4内をスムーズに移動することができる。
また、突条部51,51を本体21の幅方向の左右に設けたから、移動体8の移動が安定する。
図13及び図14は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図は、ガイドレール5とその取付構造61の変形例を示す。
この例のガイドレール5Aは中空部4が円形の鋼管などからなり、このガイドレール5Aの前部には、その全長に前記開口部7が形成されている。
また、取付構造61として、前記ガイドレール5Aの後部には、該ガイドレール5Aを内壁面6に取り付けるブラケット62がトンネル1の長さ方向に間隔を置いて複数設けられている。このブラケット62は、先端をガイドレール5Aの下部に連結した縦杆部63と、この縦杆部63の下端に連結されたトンネル幅方向の横杆部64と、この横杆部64の基端に設けられた平板状の取付部65とを一体に備え、前記取付部65が固定部材たる螺子16により前記内壁面6に固定されている。
また、移動体8は本体21が円筒状に形成され、前部24A及び後部25Aが略円錐状で同一形状に形成されると共に、先端には球面状の湾曲面24W,25Wが形成されている。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、外面が円柱形状のガイドレール5Aが内壁面6から離れて取り付けられているから、ガイドレール5Aを手摺として使用することもできる。
図15〜図19は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図は、トンネル1のカーブ箇所1A(図19)にガイドレール5を設ける例を示す。
前記カーブ箇所1Aの内壁面6は平面視において、湾曲状に屈曲し、その湾曲状をなす内壁面6に対応して前記ガイドレール5には湾曲状のガイドレール曲線部70が形成され、ガイドレール5の後板部11が内壁面6に接するようにして内壁面6にガイドレール曲線部70を取り付けている。
この例では、連結移動体71を用い、この連結移動体71は、前記移動体8に比べてガイドレール5の長さ方向に短い本体21を有する移動体8Aを複数備え、隣り合う移動体8A,8Aの本体21,21の前後を縦方向の連結ピン72により連結して前後の移動体8A,8A同士を屈曲可能に構成している。また、それぞれの移動体8Aの上下に前記車輪28,27を設けている。
また、この例で、4つの移動体8A,8A,8A,8Aを連結しており、この移動体8Aは、本体21の前面部24と後面部25が平面視で端部に向かった幅狭になるように形成されている。また、隣り合う移動体8A,8Aの本体21,21の前面部24と後面部25の端部側を重ね合わせ、この重ね合わせ部分に前記連結ピン72を挿通して連結している。尚、複数の移動体8A,8A,8A,8Aの全てに車輪27,28を設ける必要はなく、例えば、3つの移動体8A,8A,8Aに車輪27,28を設けてもよい。
また、この例では複数の移動体8A,8A,8A,8Aのなかで1つの移動体8Aの側面部26に前記リング部10を設けている。尚、変形例として、図18に示すように、連結移動体71に複数のリング部10を設けてもよく、この場合、1つの移動体8Aに1つのリング部10を設ける。また、リング部10を設けた移動体8Aには車輪27,28を設けることが好ましい。さらに、ガイドレール曲線部70の曲率などに対応して、移動体8Aの形状を自由に設定することができる。
従って、作業員がカーブ箇所1Aの監視員通路2を移動すると、連結移動体71の移動体8A,8A,8A,8Aがガイドレール曲線部70内を屈曲しながら移動することができる。
このように本実施例では、請求項4に対応して、複数の移動体8A,8A・・・を備え、隣り合う移動体8A,8A同士が屈曲可能に連結されているから、屈曲箇所やカーブ箇所1Aに設けたガイドレール5のガイドレール曲線部70内を、複数の移動体8A,8A・・・が屈曲しながら通過することができ、複数の移動体8A,8A・・・を連結したから、リング部10に加わる力に対抗することができる。
また、実施例上の効果として、複数の移動体8A,8A,8A,8Aを連結すると共に、複数の移動体8A,8A,8A,8Aにリング部10を設けたから、1つのリング部10に連結した命綱9を作業員に連結し、他のリング部10に連結した命綱9を台車(図示せず)に連結し、台車と共に作業員が移動して作業をする際、両者の落下を防止できる。
図20は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、上記実施例4の隣り合う移動体8A,8Aの連結箇所の変形例を示す。
隣り合う移動体8A,8Aには、前記連結ピン72を挿通する連結部73,74が設けられ、一方の連結部73の下面に位置決め突起73Aを設けると共に、この位置決め突起73Aが係合する位置決め凹部74Aを他方の連結部73の上面に設けており、位置決め突起73Aが位置決め凹部74Aに凹凸嵌合することにより、隣り合う移動体8A,8Aが一直線状に保持され、一方、曲げる力が所定以上になると、位置決め突起73Aが位置決め凹部74Aから外れて屈曲可能になる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、位置決め突起73Aが位置決め凹部74Aに凹凸嵌合することにより、隣り合う移動体8A,8Aを一直線状に保持することができ、連結移動体71がガイドレール5の直線箇所をスムーズに移動することができる。
図21〜図24は本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図は、トンネル1の非常駐車帯などに設ける例を示す。
前記トンネル1には、非常駐車帯などを設けるために、前記内壁面6がトンネル外側に凹んだ凹所75が形成されている。この凹所75では、トンネル1の長さ方向両側に凸状の角部76,76が形成されると共に、凹所75の奥側に凹状の角部77,77が形成されている。尚、凹所75にも前記監視員通路2が設けられている。
このためガイドレール5の途中に略90度の屈曲部76G,77Gを設け、前記凸状の角部76では、屈曲部76Gの外側角部がトンネル1の中央側になるようにガイドレール5を内壁面6に取り付け、前記凹状の角部77では、屈曲部77Gの外側角部が内壁面6側になるようにガイドレール5を内壁面6に取り付けている。尚、屈曲部76G,77Gにおいて、隣り合うガイドレール5,5が連結される。
この例の連結移動体71は、単独で前記ガイドレール5の屈曲部76G,77Gを通過可能なように長さ方向に短く形成された本体21を有する移動体8Bを複数備え、この移動体8Bの本体21は、上面部22と下面部23と左右の側面部26,26を有する中空枠状をなす。尚、本体21の前部と後部は開口している。
前記複数の移動体8B,8B,8B,8Bを間隔Kを置いて配置し、これら間隔を置いて配置した移動体8B,8B,8B,8B内に複数の連結部材81,81・・・を挿通し、これら連結部材81,81・・・を各移動体8B,8B,8B,8Bに連結している。尚、隣り合う移動体8B,8Bの本体21,21の間隔Kは、移動体8B,8Bの間において、連結部材81,81・・・が平面視で90度屈曲可能な間隔に設定されている。また、前記連結部材81としては、可撓性を有するロープ材などが用いられ、好ましくはロープ材は伸縮性を有するものが用いられる。尚、この場合、ロープ材は所定の張力を受けると伸び、張力が無くなると、弾性復元力により元に長さに戻るものを用いることができる。
この例では、車輪27,28は、左右一対で移動体8Bの本体21の左右に設けられている。また、複数の移動体8B,8B,8B,8Bのなかで1つの移動体8Bの側面部26に前記リング部10を設けている。尚、変形例として、上記図18に示したように、連結移動体71に複数のリング部10を設けてもよく、この場合、1つの移動体8Bに1つのリング部10を設ける。
従って、作業員が凹所75の監視員通路2を移動すると、図23(B)に示すように、連結移動体71の移動体8B,8B,8B,8Bの間の連結部材81,81・・・が屈曲部76G,77Gにおいて屈曲することにより移動することができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、この例では、隣り合う移動体8B,8Bを連結部材81により連結し、この連結部材81が可撓性を有するロープ材などからなるから、ガイドレール5の屈曲部76G,77G内を連結移動体71が通過可能となる。
図25は本発明の実施例7を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、ガイドレール5に対する移動体8の左右の間隔を規定するスペーサを設けた例を示す。
この例では、前記移動体8の側面部26,26の上下前後に、スペーサたる案内ローラ85を設け、この案内ローラ85は垂直軸を中心として転動する。また、固定部材たる螺子16は六角形状などの頭部16Rを有するものであり、取付状態で、その頭部16Rが中空部4内に突出している。
そして、前記後側の上下の案内ローラ85,85は、前記頭部16Rを挟む位置で、移動体8が頭部16Rに接触しないように配置され、前側の上の案内ローラ85は上前板部14Uの内面に転動し、前側の上の案内ローラ85は下前板部14Sの内面に転動する。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、本実施例では、移動体8の案内ローラ85がスペーサとなって、移動体8の本体21と取付部材との接触を防止できる。
図26は本発明の実施例8を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、ガイドレール5内での移動体8の移動を規制する位置固定手段たるストッパ91を移動体8に設けた例を示す。
前記ストッパ91は、前記本体21から外部に出没自在に設けた突出部材92を備え、この例では前記突出部材92を前記上面部22から上方に出没可能に設け、前記突出部材92を上方に付勢するコイルスプリングなどの付勢手段(図示せず)を備える。
また、前記ストッパ91は、前記突出部材92を操作する操作部94を備え、この例では開口部7側の側面部26に回転摘み状の操作部94を設け、この操作部94と前記突出部材92はリンク機構(図示せず)により接続されている。また、前記操作部94は、前記側面部26に設けた凹部95に収納されている。
そして、突出部材92が本体21内に没した状態で前記操作部94を一側に回すと、突出部材92の固定が解除され、前記付勢手段により突出部材92が上方に突出し、突出部材92の先端が上板部12に圧接して移動体8が位置固定される。一方、前記操作部94を他側に回すと、突出部材92が引き下げられて本体21に没し、移動体8が移動可能になる。尚、突出部材92はガイドレール5の内面のいずれに圧接してもよい。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、ストッパ91を設けることにより、移動体8をガイドレール5に固定して作業を行うことができる。
また、実施例上の効果として、前記操作部94は、前記側面部26に設けた凹部95に収納されているから、本体21に出っ張りがなく、中空部4内をスムーズに移動することができる。
図27は本発明の実施例9を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、移動体8にガイドレール5の清掃機能を付与した例を示す。
図27では前記ガイドレール5を清掃する清掃手段を備え、内部底面清掃手段である下ブラシ101を本体21の下部に設け、内部側面清掃手段である横下ブラシ102を本体21の側面部26に設けている。尚、前記下ブラシ101が移動手段であり、前記横下ブラシ102がスペーサである。
そして、移動体8が移動すると、下ブラシ101の毛が中空部4の下部側の水や埃を除去し、横下ブラシ102の毛が下前板部14Sの内面の水や埃を落とし、それら水や埃が前記排出口42から外部に排出される。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、清掃手段を設けることにより、ガイドレール5内を清掃することができると共に、清掃手段が移動手段を兼用することにより、車輪などが不要又は数を減らすことができ、移動体8の構成を簡略化することができる。
図28は本発明の実施例10を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、移動体8にガイドレール5の清掃機能を付与した例を示す。尚、実施例9の清掃手段に、以下の清掃手段を追加している。
移動体8の前後に吊り部材103を設け、この吊り部材103は、前記本体21に一端を固定し、前記開口部7を挿通して外部に突出する突出部104と、この突出部104の他端側から上方に延設された縦部105と、この縦部105の上部からガイドレール5の上板部12の上方に伸びる吊り上部106とを一体に備える。
前記吊り上部106に外面清掃手段たる上ブラシ107を設け、この上ブラシ107の毛の先端が前記上板部12の上面に摺動する。
また、前記吊り部材103には、前記上前板部14Uの外面に摺動する横上ブラシ108が設けられている。さらに、前記本体21には、前記上前板部14Uの内面に摺動する横上ブラシ109が設けられている。
そして、移動体8が移動すると、上ブラシ107と横上ブラシ108により上板部12の外面と上前板部14Uの外面の塵が除去される。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、外面清掃手段たるブラシ107,108を設けることにより、ガイドレール5の外側を清掃することができる
図29は本発明の実施例11を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記開口部7からガイドレール5内に挿脱可能な移動体8の例を示す。
この例のガイドレール5は、移動体8を斜めにして開口部7から挿脱し易いように、上板部12と下板部13の幅を広く形成している。また、下面部23と後面部25の角部に面取り部111を設けて、前記面取り部111を下前板部14Sの上縁に沿って挿入し易くしている。尚、開口部7を挿通可能な形状であれば、本体21の断面形状を卵形や楕円形などにしてもよい。
また、挿脱に邪魔にならないように、前記リング部10の基端を枢着部112により水平方向回動可能に前記本体21に取り付けている。さらに、移動手段として、前記下面部23の下面全体を低摩擦部52に形成している。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、前記リング部10の基端を枢着部112により水平方向回動可能に前記本体21に取り付けたから、開口部7にリング部10を通し易くなる。
図30は本発明の実施例12を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記開口部7からガイドレール5内に挿脱可能な移動体8の他の例を示す。
この例の移動体8の本体21はゴムなどの弾性部材からなる。前記本体21の側面部26の上下方向中央に、凹部115を形成することにより、薄肉部116を形成している。また、凹部115の底部に短いリング部10Aを形成し、このリング部10Aに輪部117を連結し、この輪部117に前記命綱9が着脱可能に連結される。また、下面部23に移動手段たる低摩擦部52を設けている。
従って、薄肉部116が内側になるようにとして、本体21を略U字状に折り曲げ、折り曲げた状態で薄肉部116側を先端にして開口部7に挿通し、中空部4内において、元に状態に戻して使用する。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、本体21を弾性材料から形成することにより、本体21を弾性変形させて開口部7を挿通することができる。
図31は本発明の実施例13を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、下と上の車輪27,28を本体21内に出没自在に設けている。
前記車輪27,28は、前記操作部94を操作することにより、本体21内に少なくとも一部が収納され、この例は全体が収納され、この収納状態で本体21の高さが前記開口部7の幅より多少高く、本体21を斜めにして中空部4内に挿入可能となる。そして、挿入後は、操作部94を操作して、前記車輪27,28を上下に突出させることにより、移動体8が抜け止め状態でガイドレール5内に挿入される。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、移動手段たる車輪27,28を本体21に出没自在に設けることにより、本体21を開口部7からガイドレール5に内部に挿脱可能とすることができる。
図32は本発明の実施例を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記連結移動体71に清掃手段を設けた例を示す。
図中、右から2台目と4台目の移動体8B,8Bには、リング部10と車輪27,28が設けられており、残りの1台目と3台目の移動体8B,8Bには、前記下ブラシ101を設け、車輪は設けていない。
従って、車輪27と下ブラシ101により連結移動体71が中空部4内を移動することができると共に、移動と同時に下ブラシ101より水や塵埃を掻き取ることができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
図33は本発明の実施例15を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、移動体8の位置を検出する装置を、該移動体8に設けた例を示す。
トンネル1や道路などにおいてキロポスト(図示せず)がある場合は、このキロポストを撮像する位置検出手段121たる撮像手段を前記移動体8の本体21に設ける。また、キロポストがない場合は、前記ガイドレール5の内面又は外面に位置情報表示部(図示せず)を設ける。尚、キロポストを撮像する場合は、開口部7を通してキロポストを撮像可能な位置で本体21に撮像手段を設ける。
一方、ガイドレール5の内面の位置情報表示部を撮像する場合は、撮像可能な位置で本体21に撮像手段を設け、或いは、ガイドレール5の外面に設けた位置情報表示部を撮像する場合は、撮像手段をガイドレール5の外部に配置し、開口部7を挿通したブラケット(図示せず)により、撮像手段と本体21を連結する。
前記本体21には、制御手段122と通信手段123が設けられ、前記撮像手段による撮像データにより制御手段122が移動体8の現在位置を検出し、現在位置のデータを通信手段123により外部通信手段124に転送し、外部通信手段124を備えた携帯機器125が現在位置を表示し、その携帯機器を作業者などが携帯する。
また、前記位置検出手段121として、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)の受信器を用いることができ、この受信器により受信した位置情報から前記制御手段122が移動体8の現在位置を検出する。
また、前記撮像手段又はGNSSの受信器に、移動距離検出手段(図示せず)を組み合わせてもよい。前記位置検出手段121としては、走行用の車輪27の回転を検出するエンコーダーなどを用いることができ、車輪27の回転により移動体8の移動量を検出することができる。このためキロポストの間や、GNSSの信号の受信できない場所でも移動体8の位置を検出することができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、この例では位置検出手段121により移動体8の位置を検出することができ、これを外部通信手段124により受信して作業者などに知らせることができる。
[参考例]
図34は本発明の参考例を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、ガイドレールの外側に移動体を設ける例を示す。
ガイドレール131は、I型やH型の鋼材からなり、前後のフランジ部132,132Aをウエブ部133により連結してなり、後板部たる後のフランジ部132Aが、前板部たる前のフランジ部132に比べて上下方向に幅広に形成されている。また、前記固定部材としてはコンクリートに固定可能な螺子16を用い、この螺子16を後のフランジ部132Aに挿通し、螺子16の先端側を内壁面6に定着することにより、内壁面6にガイドレール131を取り付けている。
そして、前記フランジ部132の上下方向中央で、該フランジ部132の内面132Nに、中間部たる前記ウエブ部133が取り付けられており、縦方向の板状フランジ部132と横方向の板状ウエブ部133が交差して設けられている。尚、ガイドレール131はフランジ部132Aを上側にして取り付けることができ、この場合は横方向のフランジ部132Aが上、横方向のフランジ部132が下、ウエブ部133が縦方向となり、さらに、上下逆でもよい。
そして、前記ウエブ部133が内壁面6側から突出した突出部であり、前記ウエブ部133の先端に、係止部たる前記フランジ部132が設けられ、このフランジ部132は、前記ウエブ部133の厚さに比べて幅広で基端側である内面132Nの幅方向中央側に前記ウエブ部133の先端が接続されている。尚、図中9Aは、前記命綱9の一端に設けられたフック状の連結部材であり、前記リング部10に着脱可能に連結される。
以下、移動体135について、ガイドレール131の前後左右を用いて説明する、移動体135の本体136は板材などからなり、この本体136は上下方向の縦部137を備え、この縦部137の上下に斜め後ろ向きの腕部138,138を設け、これら腕部138,138から後斜め中央向きに軸部139,139を突設し、これら軸部139,139の先端側に移動手段たる車輪140,140Aを設けている。このように軸部139,139は後に向かって間隔が狭まる。
また、上下の車輪140,140Aは斜めの回転軸を中心として回動可能に設けられ、これら上下の車輪140,140Aは、ウエブ部133を該ウエブ部133の厚さ方向両側から挟むと共にフランジ部132の内面側に係止可能なようにハの字状に配置され、取付状態で、車輪140,140Aは、フランジ部132の内面132Nとウエブ部133の外面との角部142,142に近接する。また、取付状態で、車輪140,140A同士は略直交し、車輪140,140Aと内面132Nとの挟角は鋭角であり、この例では略45度、範囲としては30〜60度である。尚、車輪140,140Aは軸部139,139と直交する。
前記本体136にスペーサたる案内ローラ141を設け、この案内ローラ141は上下方向を回転中心として前記フランジ部132の外面を転動する。また、本体136の外面に前記リング部10を設けている。
従って、ウエブ部133の上下を車輪140,140Aにより挟むと共に、フランジ部132の前後を案内ローラ141と車輪140,140Aが挟んだ状態で、ガイドレール131に沿って移動体135が移動可能となる。そして、図34に示す車輪140,140Aの位置が、ガイドレール131に抜け止め状態で装着された装着位置である
た、このように本参考例では、被取付部たる内壁面6に取り付けられ、長さ方向に連続するガイドレール131と、ガイドレール131に設けられ、内壁面6側から突出した突出部たるウエブ部133及びこのウエブ部133の先端側の厚さより幅広で基端側である内面132Nの幅方向中央側にウエブ部133の先端が接続された係止部たるフランジ部132と、ガイドレール131の長さ方向に移動可能に設けられた移動体135と、移動体135に対をなして設けられ、ウエブ部133を挟んでフランジ部132の内面132N側に配置される移動手段たる車輪140,140Aと、移動体135に設けられ、落下防止用連結部材たる命綱9を連結する連結受け部たるリング部10とを備えるから、移動体135のリング部10に命綱9の一側を連結し、命綱9の他側を作業員などに連結することにより落下が防止され、作業員の移動に伴って移動体135がガイドレール131の外面に沿って移動するため、作業員の連続移動が可能となる。
また、参考例上の効果として、案内ローラ141を設けたから、フランジ部132と本体136との接触を防止できる。さらに、車輪140,140A及び案内ローラ141がガイドレール131に接するから、それらがガイドレール131に3点で接することにより安定して移動することができる。また、螺子16が露出しているから、点検が容易となる。
図35は本発明の実施例1を示し、上記各実施例及び参考例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、上記参考例の一方の車輪140Aを装着位置と非装着位置である外部Gに進退可能に設け、ガイドレール131の途中で移動体135を着脱可能に設けた例を示す。尚、非装着位置である前記外部Gは車輪140Aがフランジ部132の内面132Nから外れた位置である。
前記移動体135の本体136は、板片状の横部151の先端に、縦上部152を上向きに設け、この縦上部152に上側の前記腕部138を設け、この腕部138に前記軸部139により上側の前記車輪140を設けている。また、横部151の基端側には命綱9を連結するための透孔153が穿設され、横部151の基端側によりリング部10Aを構成している。さらに、横部151の先端側下面に前記案内ローラ141が取り付けられている。
前記案内ローラ141の位置より基端側で前記横部151の下面には、取付部154が下方に突設され、この取付部154の下部に横方向の回動中心軸155が設けられ、この回動中心軸155により回動腕部156の基端側が前記取付部154に回動可能に設けられ、その回動腕部156の先端側に前記軸部139により下側の前記車輪140Aを回動可能に設けている。
尚、前記横方向の回動中心軸155は、ガイドレール131の長さ方向に配置されている。また、回動中心軸155は、フランジ部132の幅方向の一側端部たる下端132Tの位置より、下方に位置し、すなわち、回動中心軸155は、ウエブ部133を基準としてフランジ部132の幅方向において前記下端132Tに比べてウエブ部133から離れている。
前記回動腕部156の基端には、操作腕部157が一体に設けられている。また、前記本体136には回動腕部156を位置固定及び解除なロック手段(図示せず)が設けられている。図35に示すように、前記回動中心軸155の高さ位置は、前記フランジ部132の下端の高さ位置より低く、図35の位置から操作腕部157を用いて回動腕部156を下方に回動すると、矢印Yに示すように、回動の始めは車輪140Aがフランジ部132から後側に離れるように回動してフランジ部132の下端に当たることなく、車輪140Aを外部に回動することができる。このように車輪140Aは回動することにより、装着位置と非装着位置の外部との間で移動可能に設けられている。
この場合、フランジ部132の幅方向において、回動中心軸155がフランジ部132の一側縁より外側に位置し、回動腕部156に連結した操作腕部157が横部151に並んで設けられているから、ロック手段によるロックを解除し、操作腕部157と横部151の間隔を狭めるように握ると、車輪140Aが非装着位置である外部に回動し、ガイドレール131から移動体135を取り外すことができる。
そして、ガイドレール131に移動体135を取り付けるには、上側の車輪140を前側のフランジ部132の内面に当てると共に、該車輪140をウエブ部133に乗せ、案内ローラ141をフランジ部132の外面に当てることにより、移動体135をガイドレール131により保持することができる。
こうすると、移動体135の荷重が車輪140によりガイドレール131に加わるため、装着作業に力を要さない。その後、操作腕部157を用いて回動腕部156を回動し、下側の車輪140Aをウエブ部133の下面とフランジ部132の内面に当接又は近接し、回動腕部156をロック手段により固定する。
この状態でリング部10Aに命綱9を連結し、この命綱9を連結した作業員が移動すると、上下の車輪140,140A及び案内ローラ141がガイドレール131の外面に転動し、移動体135がガイドレール131の長さ方向に移動する。この場合、主として車輪140により移動体135の荷重がガイドレール131に加わり、車輪140Aにより移動体135の上方移動が規制され、車輪140,140Aと案内ローラ141により移動体135の左右位置が規制される。一方、移動体135を外す場合は、ロック手段による固定を解除し、横部151と操作腕部157とを握るようにして回動腕部156を回動することのより、ガイドレール131から移動体135を簡便に取り外すことができる。
また、移動体135には、上側の車輪140及び下側の車輪104Aをガイドレール131の長さ方向に間隔を置いて複数設けることができるが、上側の車輪140及び下側の車輪104Aを1輪ずつにすれば、移動体135の軽量化が図られると共に、ガイドレール131が90度に屈曲した箇所でも容易に移動することが可能となる。
このように本実施例では、上記各実施例及び参考例と同様な作用・効果を奏する。
また、このように本実施例では、請求項に対応して、被取付部たる内壁面6に取り付けられ、長さ方向に連続するガイドレール131と、ガイドレール131に設けられ、内壁面6側から突出した突出部たるウエブ部133及びこのウエブ部133の先端側の厚さより幅広で基端側である内面132Nの幅方向中央側にウエブ部133の先端が接続された板状の係止部たるフランジ部132と、ガイドレール131の長さ方向に移動可能に設けられた移動体135と、移動体135に対をなして設けられ、ウエブ部133を挟んでフランジ部132の内面132N側に配置される移動手段たる車輪140,140Aと、移動体135に設けられ、落下防止用連結部材たる命綱9を連結する連結受け部たるリング部10と、対をなす移動手段たる車輪140,140Aの一方である車輪140Aがフランジ部132の基端側たる内面132N側と外部Gとの間で、移動体135に設けた回動中心軸155を中心に移動可能に設けられ、対をなす車輪140,140Aの一方である車輪140Aの回動中心軸155は、ガイドレール131の長さ方向に配置されていると共に、フランジ部132の幅方向の一方の端部たる下端132Tに比べて該フランジ部132の幅方向においてウエブ部133から離れているから、他方の車輪140をフランジ部132の内面132N側でウエブ部133の方に配置した状態で、一方の車輪140Aをフランジ部132の内面132N側でウエブ部133の方に配置して方と方の車輪140,140Aでウエブ部133を挟むことにより、ガイドレール131の外面に移動体135を装着することができる。このようにガイドレール131の途中で移動体135を着脱することができる。また、装着位置から車輪140Aがウエブ部133の基端側に向かってフランジ部132の内面132Nから離れるように回動し、車輪140Aがフランジ部132の下端132Tに接触することなく、外部Gに移動することができる。
また、回動中心軸155は、ウエブ部133を基準としてフランジ部132の幅方向において下端132Tより離れた位置に設けられているから、回動腕部156を回動すると、装着位置から車輪140Aがウエブ部133の基端側に向かって内面132Nから離れるように回動し、車輪140Aが下端132Tに接触することなく、非装着位置である外部に移動することができる。
また、本体136に方の車輪140が位置固定されていると共に、方の車輪140Aが車輪140,140Aの間が開閉するように回動するから、構造簡易にして着脱が容易となる。さらに、方の車輪140が位置固定されているから、装着時に先に車輪140をセットすることにより、装置の荷重をガイドレール131に掛けることができ、取付作業が容易となる。
また、装着時にフランジ部132に対して、車輪140,140Aがそれぞれ好ましくは40〜50度の角度をなすから、図34の状態で、移動体135が上下方向の力、横方向外側に引っ張る力に対して、それぞれ対抗することができる。このためフランジ部132Aを上側又は下側にしてガイドレール131を取り付けた場合にも対応可能となる。
図36〜図38は本発明の実施例17を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、上記各実施例及び参考例の車輪に全方向移動車輪161を用いた例を示す。
全方向移動車輪161は、主輪162と、この主輪162の外周側に位置する複数の副輪163・・・と、を備え、前記主輪162の回転中心には横方向の車軸164が設けられている。前記主輪162は、その外径縁部から外側方向に複数突設されたブラケット部165とを一体に備える。尚、前記主輪162の表面(円周上)は、車軸164に対して45°傾けた樽形状の前記副輪163(バレル)によって覆われている。
前記副輪163の端部に軸受部166を内蔵し、この軸受部166に取付軸167を回動可能に連結し、この取付軸167を前記ブラケット部165に挿通し、このブラケット部165を挿通した取付軸167の端部に固定手段たるナット168を螺合することにより、両側のブラケット部165,165間に副輪163を回動可能に設けている。
前記全方向移動車輪161は上記各実施例の移動手段として用いることができ、特に実施例17の車輪140Aに用いれば、ガイドレール131に移動体135を取り付ける際、仮にフランジ部132の下端に車輪161が接触しても、副輪163が回転することによりスムーズに取り付けることができる。尚、この場合は、前記軸部139を前記車軸164に連結して移動体135に車輪161を設ける。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
図39は本発明の実施例1を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例は前記全方向移動車輪161の変形例を示す。
この例の移動車輪161は、副輪163の回転中心が車軸164と直交して主輪162の外周方向に並んで配置されており、フランジ部132の下端に接触すると副輪163が回転する。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、ガイドレールには、開口部を前側に設けたが、被取付部に取り付ける後部を除いて、開口部を上部(上面部)や下部(下面部)に設けてもよい。また、中空部を有するガイドレールの断面形状は実施例に限定されず、中空部と開口部を有するものであれば、各種のものを用いることでき、例えば、角パイプ形状で、1つの面に開口部を有するものでもよい。さらに、連結移動体の移動体の形状は適宜選定可能であり、平面形状を卵形や楕円形などにしてもよい。また、実施例では、スペーサとして案内ローラを例示したが、実施例で示した突条部でもよく、この場合も突条部の先端に低摩擦部を設けることが好ましい。さらに、連結部材は帯状でもよい。また、連結移動体は、移動体の数が2個以上であればよい。また、参考例及び実施例16のガイドレールは、請求項に対応する突出部と係止部を有するものなら各種のものを用いることができ、実施例では突出部と係止部がT型のものを示した。さらに、各実施例及び参考例の構成を組み合わせることができ、例えば、案内ローラ(スペーサ),ストッパやブラシは各実施例及び参考例の移動体に適用可能である。また、ガイドレールの向きは実施例に限定されず、開口部を下向きや上向きにしたり、フランジ部132を下向きや上向きにしてガイドレールを取り付けたりしてもよい。さらに、実施例及び参考例の移動手段を他の実施例及び参考例の移動手段に代えて用いることができる。
1 トンネル
1A カーブ箇所
3 落下防止装置
4 中空部
5,5A ガイドレール
6 内壁面(被取付部)
7 開口部
8,8A,8B 移動体
9 命綱(落下防止用連結部材)
10,10A リング部(連結受け部)
11 後板部(後部)
12 上板部
13 下板部
14U 上前板部(前部)
14S 下前板部(前部)
15 透孔
16 螺子(固定部材)
27 車輪(移動手段)
28 車輪(移動手段)
31 出し入れ口
35 蓋体
41 ロック手段
52 低摩擦部(移動手段)
70 ガイドレール曲線部
101 下ブラシ(内部底面清掃装置・移動手段)
102 横下ブラシ(移動手段)
131 ガイドレール
132 フランジ部(係止部)
132N 内面(基端側)
132T 下端(一方の端部)
133 ウエブ部(突出部)
135 移動体
140 車輪(移動手段)
140A 車輪(移動手段,対をなす移動手段の一方
155 回動中心軸
161 車輪(移動手段)
G 外部
本発明は、落下防止装置に関する。
従来、例えば高速道路等のトンネルには、側壁に設置した各種の設備やコンクリート内壁面を点検するために監視員通路が設けられ、この監視員通路には手摺が設けられている(例えば特許文献1)。
前記手摺は一般的に鋼製で腐食処理を施しているが、経年的な劣化や、道路の凍結剤の影響などにより劣化し易く、その補修又は交換作業に費用を要するという問題がある。
一方、高所作業では、屋根に支柱である支持部を間隔を置いて複数設け、複数の支持部の上部に棒部材を設け、この棒部材に命綱を連結する命綱係合装置が提案されている(例えば特許文献2)。
特開2019−76293号公報 実用新案登録第3192243号公報
上記特許文献2の装置では、棒部材に所定間隔で支持部が設けられており、連続して移動する際には、支持部箇所でその都度フックを外す必要があるため、連続移動ができず、作業性が低下するという問題がある。
解決しようとする課題は、高所やトンネル監視員通路などにおいて、連続して移動が可能な落下防止装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、被取付部に取り付けられ、長さ方向に連続する中空部を有するガイドレールと、前記ガイドレールに設けられ、長さ方向に連続する開口部と、前記中空部内を長さ方向に移動可能に設けられた移動体と、前記移動体に設けられ、落下防止用連結部材を連結する連結受け部と、前記ガイドレールの途中に設けられ、前記中空部に前記移動体を出し入れ可能な出し入れ口と、前記出し入れ口を開閉可能な蓋体と、前記蓋体を前記出し入れ口にロック及びロック解除可能なロック手段とを備えることを特徴とする。
請求項の発明は、前記ガイドレールは、前記開口部を設けた前部と、前記被取付部に取り付ける後部とを備え、前記開口部に対応して前記後部に透孔を穿設し、前記透孔に挿通した固定部材により前記後部を前記被取付部に取り付け、前記固定部材が前記開口部を挿通可能なことを特徴とする。
請求項の発明は、複数の移動体を備え、隣り合う前記移動体同士が屈曲可能に連結されていることを特徴とする。
請求項1の構成によれば、移動体の連結受け部に落下防止用連結部材の一側を連結し、落下防止用連結部材の他側を作業員などに連結することにより落下が防止され、作業員の移動に伴って移動体がガイドレール内を移動するため、作業員の連続移動が可能となる。また、ガイドレールの途中に出し入れ口を設けたから、ガイドレールへの移動体の挿脱を容易に行うことができる。さらに、出し入れ口に蓋体を設けたから、移動体の挿脱時以外は、出し入れ口を塞いでおくことができ、蓋体により出し入れ口を閉め、ロック手段により蓋体をロックすることにより、蓋体が不用意に開くことを防止できる。
請求項の構成によれば、開口部を挿通した固定部材により、ガイドレールを被取付部に取り付けることできると共に、取付後も開口部から固定部材を視認して点検することができる。また、後部を直接被取付部に取り付けるから、落下防止装置を狭い監視員通路などに省スペースで取り付けることができる。
請求項の構成によれば、屈曲箇所やカーブ箇所に設けたガイドレール内を、複数の移動体が屈曲しながら通過することができる。
本発明の実施例1を示す全体斜視図である。 同上、ガイドレールの斜視図である。 同上、ガイドレールの側面図である。 同上、装置の正面図である。 同上、移動体の側面図である。 同上、移動体の平面図である。 同上、要部の拡大断面図である。 同上、ガイドレールの要部の斜視図であり、蓋体を開いた状態を示す。 同上、ガイドレールの要部の斜視図であり、蓋体を閉めた状態を示す。 同上、ガイドレールの底面図である。 本発明の実施例2を示す装置の正面図である。 同上、移動体の側面図である。 本発明の実施例3を示す装置の正面図である。 同上、移動体の側面図である。 本発明の実施例4を示す連結移動体の平面図である。 同上、連結移動体を屈曲した状態の平面図である。 同上、連結移動体の側面図である。 同上、連結受け部を複数設けた連結移動体を屈曲した状態の平面図である。 同上、カーブ箇所の平面図である。 本発明の実施例5を示す分解斜視図である。 本発明の実施例6を示す連結移動体の側面図である。 同上、装置の正面図である。 同上、連結移動体の要部の平面図であり、図23(A)は直線状の状態、図23(B)は屈曲した状態を示す。 トンネルの要部の平面図である。 本発明の実施例7を示す装置の正面図である。 本発明の実施例8を示す一部を断面にした装置の側面図であり、図26(A)は移動体を固定する前、図26(B)は移動体の固定状態を示す。 本発明の実施例9を示す装置の正面図である。 本発明の実施例10を示す装置の正面図である。 本発明の実施例11を示す装置の正面図である。 本発明の実施例12を示す装置の正面図である。 本発明の実施例13を示す正面図であり、図31(A)は装置、図31(B)は移動手段を本体に収納した状態の移動体を示す。 本発明の実施例14を示す連結移動体の側面図である。 本発明の実施例15を示すブロック図である。 本発明の参考例を示す装置の正面図である。 本発明の参考を示す装置の正面図である。 本発明の実施例1を示す移動手段の正面図である。 同上、移動手段の要部の断面図である。 同上、移動手段の正面図である。 同上、本発明の実施例1を示す移動手段の斜視図である。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
本発明の実施例1を図1〜図10を参照して説明する。同図はトンネル1の監視員通路2に落下防止装置3を適用した例であり、内部に中空部4を有するガイドレール5がトンネル1の長さ方向に連続して設けられ、前記監視員通路2の外側に位置するトンネル1の縦方向の内壁面6が、前記ガイドレール5の被取付部である。
前記ガイドレール5内には、該ガイドレール5の全長に連続するスリット状の開口部7が設けられており、この中空部4に移動体8が長さ方向に移動可能に設けられており、この移動体8には、落下防止用連結部材たる命綱9を連結する連結受け部たるリング部10が設けられ、このリング部10は横方向で、先端がガイドレール5の前方に突出している。尚、ガイドレール5は、被取付部たる内壁面6側が後側であり、移動体8は、ガイドレール5の長さ方向一側が前側、他側が後側であり、移動体8は前後どちらにも移動可能である。
前記ガイドレール5は、前記内壁面6に当接する後板部11と、この後板部11の上下に設けた上板部12及び下板部13と、間に前記開口部7が設けられた上前板部14U及び下前板部14Sとを一体に備え、例えば断面略長方形形状のC型鋼などからなる。また、前記上板部12と下板部13は相互に平行で同一幅を有し、実施例では、前記ガイドレール5は縦寸法が幅寸法より大きく形成されているが、前記縦寸法と前記横寸法が同じでも、前記縦寸法が前記横寸法より小さくてもよく、前記縦寸法と前記横寸法の大きさは制約されない。
前記開口部7に対応して前記後板部11には、ガイドレール5の長さ方向に間隔を置いて複数の透孔15が穿設され、この透孔15に挿通した固定部材により、前記後板部11が前記内壁面6に取り付けられる。前記固定部材としてはコンクリートに固定可能な螺子16やコンクリートアンカーなどが例示される。尚、開口部7は横方向に限定されず、上方向と下方向のいずれかでもよい。
また、前記透孔15は前記開口部7の高さと略同じ位置に設けられ、外部から前記開口部7を挿通して前記透孔15に前記螺子16を挿通することができ、開口部7に挿通した螺子16の先端側を内壁面6に定着することにより、内壁面6にガイドレール5が取り付けられる。また、取付後は、前記開口部7を通して前記螺子16を視認して点検することができる。
前記螺子16は、頭部16Tに工具係合溝(図示せず)を有する平螺子や皿螺子が用いられ、この例では皿螺子が用いられ、この皿螺子の頭部16Tを収納するテーパー状孔部15Tが、前記透孔15の外側に設けられている。尚、前記工具係合溝は、マイナスドライバーやプラスドライバーが係合するマイナス溝や十字溝が例示される。
前記移動体8は、前記中空部4より縦断面が小さい本体21を備え、この本体21は、上部たる上面部22と、下部たる下面部23と、前部たる前面部24と、後部たる後面部25と、側部たる左右の側面部26,26を有し、上下方向より前記ガイドレール5の長さ方向に長く形成されると共に、縦断面は上下方向が幅方向より長い長方形形状をなし、硬質材料からなる。また、前記本体21には、移動手段たる車輪27,27,28,28が複数設けられている。
また、図4に示すように、移動体8の高さ寸法は開口部7の幅寸法より大きく、リング部10を外側に引っ張る力を受けると、移動体8の上下が前記上,下前板部14U,14Sの内面に係止する。
前記移動体8には、前記下面部23の前後(ガイドレール5の長さ方向両側)に走行用の前記車輪27,27が設けられると共に、前記上面部22に案内ローラたる車輪28,28が設けられ、それら車輪27,27,28,28は水平軸を中心に回動する。そして、前記車輪27,27は前記下板部13の上面に沿って転動し、前記車輪28,28は前記上板部12の下面に沿って転動する。尚、車輪27が前記下板部13の上面に接した状態で、前記車輪28と上面部22との間には隙間があり、接していない。また、この例の移動体8は、上下対象であるから、上下を逆にしても使用することができる。尚、上下を逆にした場合、前記車輪27が案内ローラとなり、前記車輪28が走行用となる。このように車輪27,28は走行用と案内ローラを兼用する。
前記リング部10は、前記移動体8の開口部7側の側面部26で、前後の車輪27,27の間の略中央に設けられ、そのリング部10の先端は前記開口部7から外部に突出する。そして、前記リング部10の外部に突出した部分に、前記命綱9の一端側に設けた連結具(図示せず)が着脱可能に連結され、その命綱9の他端側が作業員の腰ベルトなどに連結されている。尚、作業員以外でも、監視員通路2内を移動する作業用の台車(図示せず)に、命綱9の他端側を連結してもよい。尚、前記台車は走行手段たる車輪(図示せず)を有する。
前記ガイドレール5の途中には、前記中空部4に前記移動体8を出し入れ可能な出し入れ口31が設けられている。この出し入れ口31は、前記上板部12に設けられ前記移動体8の平面形状より大きな本体挿通部32と、前記リング部10を上方から挿通可能なリング部挿通部33とを備え、前記リング部挿通部33は前記開口部7に連通する。尚、ガイドレール5は、1本が数メートルのもの複数用い、隣り合うガイドレール5,5の端部において中空部4及び開口部7が連続するように連結して前記内壁面6に取り付けられる。
また、前記出し入れ口31には蓋体35が設けられている。この蓋体35は、前記本体挿通部32を開閉可能な上蓋部36と、前記リング部挿通部33を開閉可能な前蓋部37とを備え、それら上蓋部36と前蓋部37とをヒンジ部38により回動可能に連結し、上蓋部36の後側縁を前記後板部11の上縁に上ヒンジ部39により回動可能に連結してなる。
尚、前記上蓋部36は前記本体挿通部32より僅かに大きく、前記前蓋部37は前記リング部挿通部33より僅かに大きく、蓋体35により出し入れ口31を閉めた状態で、上蓋部36及び前蓋部37の縁部内面が、ガイドレール5の出し入れ口31の周囲の縁部側外面に重なり、前蓋部37の下縁37Sは前記上前板部14Uの下縁と同一高さ又は該下縁より上方に位置する。
また、前記蓋体35をロック及びロック解除可能なロック手段41を備える。このロック手段41は、閉成状態の前蓋部37の外面に係止する係止片41Aをスライド可能に備え、係止片41Aを前蓋部37側に前進することにより、前蓋部37をロックすることができ、係止片41Aを後退することによりロックを解除することができる。
従って、ガイドレール5の端部以外に設けられた出し入れ口31から、移動体8を中空部4内に出し入れすることができる。この場合、ヒンジ部38,39により、蓋体35を立てるようにして開くことができ、移動体8をスムーズに出し入れすることができる。また、蓋体35により出し入れ口31を閉め、ロック手段41により蓋体35をロックすることにより、蓋体35が不用意に開くことを防止できる。
図10に示すように、前記ガイドレール5の下部には、中空部4内の水や塵埃を排出する排出口42が設けられ、この例では前記下板部13に排出口42が穿設されている。尚、排出口42は円形以外でも、下板部13の幅方向全長に開口するスリット状とすることが好ましい。
次に、前記落下防止装置3の使用方法について説明する。移動体8をガイドレール5内に配置し、移動体8と作業員とを命綱9により連結した状態で、作業員が監視員通路2を移動すると、移動体8がガイドレール5に沿って移動し、途中で付け替えることなく、連続した移動が可能となる。
このように本実施例では、請求項1に対応して、被取付部たる内壁面6に取り付けられ、長さ方向に連続する中空部4を有するガイドレール5と、ガイドレール5に設けられ、長さ方向に連続する開口部7と、中空部4内を長さ方向に移動可能に設けられた移動体8と、移動体8に設けられ、落下防止用連結部材たる命綱9を連結する連結受け部たるリング部10と、ガイドレール5の途中に設けられ、中空部4に移動体8を出し入れ可能な出し入れ口31と、出し入れ口31を開閉可能な蓋体35と、蓋体35を出し入れ口31にロック及びロック解除可能なロック手段41とを備えるから、移動体8のリング部10に命綱9の一側を連結し、命綱9の他側を作業員などに連結することにより落下が防止され、作業員の移動に伴って移動体8がガイドレール5内を移動するため、作業員の連続移動が可能となる。また、ガイドレール5の途中に出し入れ口31を設けたから、ガイドレール5への移動体8の挿脱を容易に行うことができる。さらに、出し入れ口31に蓋体35を設けたから、移動体8の挿脱時以外は、出し入れ口31を塞いでおくことができ、蓋体35により出し入れ口31を閉め、ロック手段41により蓋体35をロックすることにより、蓋体35が不用意に開くことを防止できる。
このように本実施例では、移動体8が移動手段たる車輪27,28を有するから、移動体8が中空部4をスムーズに移動することができる。
このように本実施例では、請求項に対応して、ガイドレール5は、開口部7を設けた前部と、被取付部たる内壁面6に取り付ける後部たる後板部11とを備え、開口部7に対応して後板部11に透孔15を穿設し、透孔15に挿通した固定部材たる螺子16により後板部11を内壁面6に取り付け、螺子16が開口部7を挿通可能であるから、開口部7を挿通した螺子16により、ガイドレール5を内壁面6に取り付けることできると共に、取付後も開口部7から螺子16を視認して点検することができる。また、後板部11を直接内壁面6に取り付けるから、落下防止装置3を狭い監視員通路2などに省スペースで取り付けることができる。
以下、実施例上の効果として、排出口42は下板部13の幅方向全長に開口するスリット状をなすから、水や塵埃を確実に排出することができる。
また、蓋体35は、平板状の上蓋部36と前蓋部37を回動可能に連結すると共に、上蓋部36を本体挿通部32の端部に回動可能に連結したから、ガイドレール5を縦方向の内壁面6に取り付けた状態で、図8に示したように蓋体35をほぼ垂直に開成することができ、移動体8の挿脱が容易となる。
図11及び図12は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図は、移動手段の変形例として低摩擦部を用いた例を示す。
前記移動体8の前面部24と後面部25を側面視で半円状に形成し、前記移動体8の下面部23に、幅方向に並んだ長さ方向の突条部51,51を突設すると共に、これら突条部51,51の前後の端部51T,51T,51T,51Tを前記前面部24と後面部25の下部側に延設すると共に、湾曲状に形成している。
このように幅狭な前記突条部51を設けることにより、下面部23が下板部13に面接する場合より摩擦抵抗を小さくできる。また、前記突条部51の先端は、移動手段たる低摩擦部52となっている。この場合、突条部51の先端を、移動体8の材料に比べて摩擦係数の低い材料で構成し、または、突条部51の先端に低摩擦部材をコーティングなどにより設けることにより低摩擦部52を構成してもよい。
また、下面部23と同様に、前記移動体8の上面部22に幅方向に並んで長さ方向の突条部51,51を突設すると共に、これら突条部51,51の前後の端部51T,51T,51T,51Tを前記前面部24と後面部25の上部側に延設し、前記突条部51の先端は、低摩擦部52となっている。尚、移動体8は上下対称であるから、上下の向きを気にせず使用することができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、移動手段が、先端に低摩擦部52が設けられ幅方向に間隔を置いて配置された突条部51,51であり、これら突条部51,51により移動体8が中空部4内をスムーズに移動することができる。
また、突条部51,51を本体21の幅方向の左右に設けたから、移動体8の移動が安定する。
図13及び図14は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図は、ガイドレール5とその取付構造61の変形例を示す。
この例のガイドレール5Aは中空部4が円形の鋼管などからなり、このガイドレール5Aの前部には、その全長に前記開口部7が形成されている。
また、取付構造61として、前記ガイドレール5Aの後部には、該ガイドレール5Aを内壁面6に取り付けるブラケット62がトンネル1の長さ方向に間隔を置いて複数設けられている。このブラケット62は、先端をガイドレール5Aの下部に連結した縦杆部63と、この縦杆部63の下端に連結されたトンネル幅方向の横杆部64と、この横杆部64の基端に設けられた平板状の取付部65とを一体に備え、前記取付部65が固定部材たる螺子16により前記内壁面6に固定されている。
また、移動体8は本体21が円筒状に形成され、前部24A及び後部25Aが略円錐状で同一形状に形成されると共に、先端には球面状の湾曲面24W,25Wが形成されている。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、外面が円柱形状のガイドレール5Aが内壁面6から離れて取り付けられているから、ガイドレール5Aを手摺として使用することもできる。
図15〜図19は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図は、トンネル1のカーブ箇所1A(図19)にガイドレール5を設ける例を示す。
前記カーブ箇所1Aの内壁面6は平面視において、湾曲状に屈曲し、その湾曲状をなす内壁面6に対応して前記ガイドレール5には湾曲状のガイドレール曲線部70が形成され、ガイドレール5の後板部11が内壁面6に接するようにして内壁面6にガイドレール曲線部70を取り付けている。
この例では、連結移動体71を用い、この連結移動体71は、前記移動体8に比べてガイドレール5の長さ方向に短い本体21を有する移動体8Aを複数備え、隣り合う移動体8A,8Aの本体21,21の前後を縦方向の連結ピン72により連結して前後の移動体8A,8A同士を屈曲可能に構成している。また、それぞれの移動体8Aの上下に前記車輪28,27を設けている。
また、この例で、4つの移動体8A,8A,8A,8Aを連結しており、この移動体8Aは、本体21の前面部24と後面部25が平面視で端部に向かった幅狭になるように形成されている。また、隣り合う移動体8A,8Aの本体21,21の前面部24と後面部25の端部側を重ね合わせ、この重ね合わせ部分に前記連結ピン72を挿通して連結している。尚、複数の移動体8A,8A,8A,8Aの全てに車輪27,28を設ける必要はなく、例えば、3つの移動体8A,8A,8Aに車輪27,28を設けてもよい。
また、この例では複数の移動体8A,8A,8A,8Aのなかで1つの移動体8Aの側面部26に前記リング部10を設けている。尚、変形例として、図18に示すように、連結移動体71に複数のリング部10を設けてもよく、この場合、1つの移動体8Aに1つのリング部10を設ける。また、リング部10を設けた移動体8Aには車輪27,28を設けることが好ましい。さらに、ガイドレール曲線部70の曲率などに対応して、移動体8Aの形状を自由に設定することができる。
従って、作業員がカーブ箇所1Aの監視員通路2を移動すると、連結移動体71の移動体8A,8A,8A,8Aがガイドレール曲線部70内を屈曲しながら移動することができる。
このように本実施例では、請求項に対応して、複数の移動体8A,8A・・・を備え、隣り合う移動体8A,8A同士が屈曲可能に連結されているから、屈曲箇所やカーブ箇所1Aに設けたガイドレール5のガイドレール曲線部70内を、複数の移動体8A,8A・・・が屈曲しながら通過することができ、複数の移動体8A,8A・・・を連結したから、リング部10に加わる力に対抗することができる。
また、実施例上の効果として、複数の移動体8A,8A,8A,8Aを連結すると共に、複数の移動体8A,8A,8A,8Aにリング部10を設けたから、1つのリング部10に連結した命綱9を作業員に連結し、他のリング部10に連結した命綱9を台車(図示せず)に連結し、台車と共に作業員が移動して作業をする際、両者の落下を防止できる。
図20は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、上記実施例4の隣り合う移動体8A,8Aの連結箇所の変形例を示す。
隣り合う移動体8A,8Aには、前記連結ピン72を挿通する連結部73,74が設けられ、一方の連結部73の下面に位置決め突起73Aを設けると共に、この位置決め突起73Aが係合する位置決め凹部74Aを他方の連結部73の上面に設けており、位置決め突起73Aが位置決め凹部74Aに凹凸嵌合することにより、隣り合う移動体8A,8Aが一直線状に保持され、一方、曲げる力が所定以上になると、位置決め突起73Aが位置決め凹部74Aから外れて屈曲可能になる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、位置決め突起73Aが位置決め凹部74Aに凹凸嵌合することにより、隣り合う移動体8A,8Aを一直線状に保持することができ、連結移動体71がガイドレール5の直線箇所をスムーズに移動することができる。
図21〜図24は本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図は、トンネル1の非常駐車帯などに設ける例を示す。
前記トンネル1には、非常駐車帯などを設けるために、前記内壁面6がトンネル外側に凹んだ凹所75が形成されている。この凹所75では、トンネル1の長さ方向両側に凸状の角部76,76が形成されると共に、凹所75の奥側に凹状の角部77,77が形成されている。尚、凹所75にも前記監視員通路2が設けられている。
このためガイドレール5の途中に略90度の屈曲部76G,77Gを設け、前記凸状の角部76では、屈曲部76Gの外側角部がトンネル1の中央側になるようにガイドレール5を内壁面6に取り付け、前記凹状の角部77では、屈曲部77Gの外側角部が内壁面6側になるようにガイドレール5を内壁面6に取り付けている。尚、屈曲部76G,77Gにおいて、隣り合うガイドレール5,5が連結される。
この例の連結移動体71は、単独で前記ガイドレール5の屈曲部76G,77Gを通過可能なように長さ方向に短く形成された本体21を有する移動体8Bを複数備え、この移動体8Bの本体21は、上面部22と下面部23と左右の側面部26,26を有する中空枠状をなす。尚、本体21の前部と後部は開口している。
前記複数の移動体8B,8B,8B,8Bを間隔Kを置いて配置し、これら間隔を置いて配置した移動体8B,8B,8B,8B内に複数の連結部材81,81・・・を挿通し、これら連結部材81,81・・・を各移動体8B,8B,8B,8Bに連結している。尚、隣り合う移動体8B,8Bの本体21,21の間隔Kは、移動体8B,8Bの間において、連結部材81,81・・・が平面視で90度屈曲可能な間隔に設定されている。また、前記連結部材81としては、可撓性を有するロープ材などが用いられ、好ましくはロープ材は伸縮性を有するものが用いられる。尚、この場合、ロープ材は所定の張力を受けると伸び、張力が無くなると、弾性復元力により元に長さに戻るものを用いることができる。
この例では、車輪27,28は、左右一対で移動体8Bの本体21の左右に設けられている。また、複数の移動体8B,8B,8B,8Bのなかで1つの移動体8Bの側面部26に前記リング部10を設けている。尚、変形例として、上記図18に示したように、連結移動体71に複数のリング部10を設けてもよく、この場合、1つの移動体8Bに1つのリング部10を設ける。
従って、作業員が凹所75の監視員通路2を移動すると、図23(B)に示すように、連結移動体71の移動体8B,8B,8B,8Bの間の連結部材81,81・・・が屈曲部76G,77Gにおいて屈曲することにより移動することができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、この例では、隣り合う移動体8B,8Bを連結部材81により連結し、この連結部材81が可撓性を有するロープ材などからなるから、ガイドレール5の屈曲部76G,77G内を連結移動体71が通過可能となる。
図25は本発明の実施例7を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、ガイドレール5に対する移動体8の左右の間隔を規定するスペーサを設けた例を示す。
この例では、前記移動体8の側面部26,26の上下前後に、スペーサたる案内ローラ85を設け、この案内ローラ85は垂直軸を中心として転動する。また、固定部材たる螺子16は六角形状などの頭部16Rを有するものであり、取付状態で、その頭部16Rが中空部4内に突出している。
そして、前記後側の上下の案内ローラ85,85は、前記頭部16Rを挟む位置で、移動体8が頭部16Rに接触しないように配置され、前側の上の案内ローラ85は上前板部14Uの内面に転動し、前側の上の案内ローラ85は下前板部14Sの内面に転動する。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、本実施例では、移動体8の案内ローラ85がスペーサとなって、移動体8の本体21と取付部材との接触を防止できる。
図26は本発明の実施例8を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、ガイドレール5内での移動体8の移動を規制する位置固定手段たるストッパ91を移動体8に設けた例を示す。
前記ストッパ91は、前記本体21から外部に出没自在に設けた突出部材92を備え、この例では前記突出部材92を前記上面部22から上方に出没可能に設け、前記突出部材92を上方に付勢するコイルスプリングなどの付勢手段(図示せず)を備える。
また、前記ストッパ91は、前記突出部材92を操作する操作部94を備え、この例では開口部7側の側面部26に回転摘み状の操作部94を設け、この操作部94と前記突出部材92はリンク機構(図示せず)により接続されている。また、前記操作部94は、前記側面部26に設けた凹部95に収納されている。
そして、突出部材92が本体21内に没した状態で前記操作部94を一側に回すと、突出部材92の固定が解除され、前記付勢手段により突出部材92が上方に突出し、突出部材92の先端が上板部12に圧接して移動体8が位置固定される。一方、前記操作部94を他側に回すと、突出部材92が引き下げられて本体21に没し、移動体8が移動可能になる。尚、突出部材92はガイドレール5の内面のいずれに圧接してもよい。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、ストッパ91を設けることにより、移動体8をガイドレール5に固定して作業を行うことができる。
また、実施例上の効果として、前記操作部94は、前記側面部26に設けた凹部95に収納されているから、本体21に出っ張りがなく、中空部4内をスムーズに移動することができる。
図27は本発明の実施例9を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、移動体8にガイドレール5の清掃機能を付与した例を示す。
図27では前記ガイドレール5を清掃する清掃手段を備え、内部底面清掃手段である下ブラシ101を本体21の下部に設け、内部側面清掃手段である横下ブラシ102を本体21の側面部26に設けている。尚、前記下ブラシ101が移動手段であり、前記横下ブラシ102がスペーサである。
そして、移動体8が移動すると、下ブラシ101の毛が中空部4の下部側の水や埃を除去し、横下ブラシ102の毛が下前板部14Sの内面の水や埃を落とし、それら水や埃が前記排出口42から外部に排出される。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、清掃手段を設けることにより、ガイドレール5内を清掃することができると共に、清掃手段が移動手段を兼用することにより、車輪などが不要又は数を減らすことができ、移動体8の構成を簡略化することができる。
図28は本発明の実施例10を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、移動体8にガイドレール5の清掃機能を付与した例を示す。尚、実施例9の清掃手段に、以下の清掃手段を追加している。
移動体8の前後に吊り部材103を設け、この吊り部材103は、前記本体21に一端を固定し、前記開口部7を挿通して外部に突出する突出部104と、この突出部104の他端側から上方に延設された縦部105と、この縦部105の上部からガイドレール5の上板部12の上方に伸びる吊り上部106とを一体に備える。
前記吊り上部106に外面清掃手段たる上ブラシ107を設け、この上ブラシ107の毛の先端が前記上板部12の上面に摺動する。
また、前記吊り部材103には、前記上前板部14Uの外面に摺動する横上ブラシ108が設けられている。さらに、前記本体21には、前記上前板部14Uの内面に摺動する横上ブラシ109が設けられている。
そして、移動体8が移動すると、上ブラシ107と横上ブラシ108により上板部12の外面と上前板部14Uの外面の塵が除去される。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、外面清掃手段たるブラシ107,108を設けることにより、ガイドレール5の外側を清掃することができる
図29は本発明の実施例11を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記開口部7からガイドレール5内に挿脱可能な移動体8の例を示す。
この例のガイドレール5は、移動体8を斜めにして開口部7から挿脱し易いように、上板部12と下板部13の幅を広く形成している。また、下面部23と後面部25の角部に面取り部111を設けて、前記面取り部111を下前板部14Sの上縁に沿って挿入し易くしている。尚、開口部7を挿通可能な形状であれば、本体21の断面形状を卵形や楕円形などにしてもよい。
また、挿脱に邪魔にならないように、前記リング部10の基端を枢着部112により水平方向回動可能に前記本体21に取り付けている。さらに、移動手段として、前記下面部23の下面全体を低摩擦部52に形成している。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、前記リング部10の基端を枢着部112により水平方向回動可能に前記本体21に取り付けたから、開口部7にリング部10を通し易くなる。
図30は本発明の実施例12を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記開口部7からガイドレール5内に挿脱可能な移動体8の他の例を示す。
この例の移動体8の本体21はゴムなどの弾性部材からなる。前記本体21の側面部26の上下方向中央に、凹部115を形成することにより、薄肉部116を形成している。また、凹部115の底部に短いリング部10Aを形成し、このリング部10Aに輪部117を連結し、この輪部117に前記命綱9が着脱可能に連結される。また、下面部23に移動手段たる低摩擦部52を設けている。
従って、薄肉部116が内側になるようにとして、本体21を略U字状に折り曲げ、折り曲げた状態で薄肉部116側を先端にして開口部7に挿通し、中空部4内において、元に状態に戻して使用する。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、本体21を弾性材料から形成することにより、本体21を弾性変形させて開口部7を挿通することができる。
図31は本発明の実施例13を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、下と上の車輪27,28を本体21内に出没自在に設けている。
前記車輪27,28は、前記操作部94を操作することにより、本体21内に少なくとも一部が収納され、この例は全体が収納され、この収納状態で本体21の高さが前記開口部7の幅より多少高く、本体21を斜めにして中空部4内に挿入可能となる。そして、挿入後は、操作部94を操作して、前記車輪27,28を上下に突出させることにより、移動体8が抜け止め状態でガイドレール5内に挿入される。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、移動手段たる車輪27,28を本体21に出没自在に設けることにより、本体21を開口部7からガイドレール5に内部に挿脱可能とすることができる。
図32は本発明の実施例を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記連結移動体71に清掃手段を設けた例を示す。
図中、右から2台目と4台目の移動体8B,8Bには、リング部10と車輪27,28が設けられており、残りの1台目と3台目の移動体8B,8Bには、前記下ブラシ101を設け、車輪は設けていない。
従って、車輪27と下ブラシ101により連結移動体71が中空部4内を移動することができると共に、移動と同時に下ブラシ101より水や塵埃を掻き取ることができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
図33は本発明の実施例15を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、移動体8の位置を検出する装置を、該移動体8に設けた例を示す。
トンネル1や道路などにおいてキロポスト(図示せず)がある場合は、このキロポストを撮像する位置検出手段121たる撮像手段を前記移動体8の本体21に設ける。また、キロポストがない場合は、前記ガイドレール5の内面又は外面に位置情報表示部(図示せず)を設ける。尚、キロポストを撮像する場合は、開口部7を通してキロポストを撮像可能な位置で本体21に撮像手段を設ける。
一方、ガイドレール5の内面の位置情報表示部を撮像する場合は、撮像可能な位置で本体21に撮像手段を設け、或いは、ガイドレール5の外面に設けた位置情報表示部を撮像する場合は、撮像手段をガイドレール5の外部に配置し、開口部7を挿通したブラケット(図示せず)により、撮像手段と本体21を連結する。
前記本体21には、制御手段122と通信手段123が設けられ、前記撮像手段による撮像データにより制御手段122が移動体8の現在位置を検出し、現在位置のデータを通信手段123により外部通信手段124に転送し、外部通信手段124を備えた携帯機器125が現在位置を表示し、その携帯機器を作業者などが携帯する。
また、前記位置検出手段121として、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)の受信器を用いることができ、この受信器により受信した位置情報から前記制御手段122が移動体8の現在位置を検出する。
また、前記撮像手段又はGNSSの受信器に、移動距離検出手段(図示せず)を組み合わせてもよい。前記位置検出手段121としては、走行用の車輪27の回転を検出するエンコーダーなどを用いることができ、車輪27の回転により移動体8の移動量を検出することができる。このためキロポストの間や、GNSSの信号の受信できない場所でも移動体8の位置を検出することができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、この例では位置検出手段121により移動体8の位置を検出することができ、これを外部通信手段124により受信して作業者などに知らせることができる
[参考例
図34は本発明の参考例を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、ガイドレールの外側に移動体を設ける例を示す。
ガイドレール131は、I型やH型の鋼材からなり、前後のフランジ部132,132Aをウエブ部133により連結してなり、後板部たる後のフランジ部132Aが、前板部たる前のフランジ部132に比べて上下方向に幅広に形成されている。また、前記固定部材としてはコンクリートに固定可能な螺子16を用い、この螺子16を後のフランジ部132Aに挿通し、螺子16の先端側を内壁面6に定着することにより、内壁面6にガイドレール131を取り付けている。
そして、前記フランジ部132の上下方向中央で、該フランジ部132の内面132Nに、中間部たる前記ウエブ部133が取り付けられており、縦方向の板状フランジ部132と横方向の板状ウエブ部133が交差して設けられている。尚、ガイドレール131はフランジ部132Aを上側にして取り付けることができ、この場合は横方向のフランジ部132Aが上、横方向のフランジ部132が下、ウエブ部133が縦方向となり、さらに、上下逆でもよい。
そして、前記ウエブ部133が内壁面6側から突出した突出部であり、前記ウエブ部133の先端に、係止部たる前記フランジ部132が設けられ、このフランジ部132は、前記ウエブ部133の厚さに比べて幅広で基端側である内面132Nの幅方向中央側に前記ウエブ部133の先端が接続されている。尚、図中9Aは、前記命綱9の一端に設けられたフック状の連結部材であり、前記リング部10に着脱可能に連結される。
以下、移動体135について、ガイドレール131の前後左右を用いて説明する、移動体135の本体136は板材などからなり、この本体136は上下方向の縦部137を備え、この縦部137の上下に斜め後ろ向きの腕部138,138を設け、これら腕部138,138から後斜め中央向きに軸部139,139を突設し、これら軸部139,139の先端側に移動手段たる車輪140,140Aを設けている。このように軸部139,139は後に向かって間隔が狭まる。
また、上下の車輪140,140Aは斜めの回転軸を中心として回動可能に設けられ、これら上下の車輪140,140Aは、ウエブ部133を該ウエブ部133の厚さ方向両側から挟むと共にフランジ部132の内面側に係止可能なようにハの字状に配置され、取付状態で、車輪140,140Aは、フランジ部132の内面132Nとウエブ部133の外面との角部142,142に近接する。また、取付状態で、車輪140,140A同士は略直交し、車輪140,140Aと内面132Nとの挟角は鋭角であり、この例では略45度、範囲としては30〜60度である。尚、車輪140,140Aは軸部139,139と直交する。
前記本体136にスペーサたる案内ローラ141を設け、この案内ローラ141は上下方向を回転中心として前記フランジ部132の外面を転動する。また、本体136の外面に前記リング部10を設けている。
従って、ウエブ部133の上下を車輪140,140Aにより挟むと共に、フランジ部132の前後を案内ローラ141と車輪140,140Aが挟んだ状態で、ガイドレール131に沿って移動体135が移動可能となる。そして、図34に示す車輪140,140Aの位置が、ガイドレール131に抜け止め状態で装着された装着位置である。
また、このように本参考例では、被取付部たる内壁面6に取り付けられ、長さ方向に連続するガイドレール131と、ガイドレール131に設けられ、内壁面6側から突出した突出部たるウエブ部133及びこのウエブ部133の先端側の厚さより幅広で基端側である内面132Nの幅方向中央側にウエブ部133の先端が接続された係止部たるフランジ部132と、ガイドレール131の長さ方向に移動可能に設けられた移動体135と、移動体135に対をなして設けられ、ウエブ部133を挟んでフランジ部132の内面132N側に配置される移動手段たる車輪140,140Aと、移動体135に設けられ、落下防止用連結部材たる命綱9を連結する連結受け部たるリング部10とを備えるから、移動体135のリング部10に命綱9の一側を連結し、命綱9の他側を作業員などに連結することにより落下が防止され、作業員の移動に伴って移動体135がガイドレール131の外面に沿って移動するため、作業員の連続移動が可能となる。
また、参考例上の効果として、案内ローラ141を設けたから、フランジ部132と本体136との接触を防止できる。さらに、車輪140,140A及び案内ローラ141がガイドレール131に接するから、それらがガイドレール131に3点で接することにより安定して移動することができる。また、螺子16が露出しているから、点検が容易となる。
[参考2]
図35は本発明の参考を示し、上記各実施例及び参考例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、上記参考例の一方の車輪140Aを装着位置と非装着位置である外部Gに進退可能に設け、ガイドレール131の途中で移動体135を着脱可能に設けた例を示す。尚、非装着位置である前記外部Gは車輪140Aがフランジ部132の内面132Nから外れた位置である。
前記移動体135の本体136は、板片状の横部151の先端に、縦上部152を上向きに設け、この縦上部152に上側の前記腕部138を設け、この腕部138に前記軸部139により上側の前記車輪140を設けている。また、横部151の基端側には命綱9を連結するための透孔153が穿設され、横部151の基端側によりリング部10Aを構成している。さらに、横部151の先端側下面に前記案内ローラ141が取り付けられている。
前記案内ローラ141の位置より基端側で前記横部151の下面には、取付部154が下方に突設され、この取付部154の下部に横方向の回動中心軸155が設けられ、この回動中心軸155により回動腕部156の基端側が前記取付部154に回動可能に設けられ、その回動腕部156の先端側に前記軸部139により下側の前記車輪140Aを回動可能に設けている。
尚、前記横方向の回動中心軸155は、ガイドレール131の長さ方向に配置されている。また、回動中心軸155は、フランジ部132の幅方向の一側端部たる下端132Tの位置より、下方に位置し、すなわち、回動中心軸155は、ウエブ部133を基準としてフランジ部132の幅方向において前記下端132Tに比べてウエブ部133から離れている。
前記回動腕部156の基端には、操作腕部157が一体に設けられている。また、前記本体136には回動腕部156を位置固定及び解除なロック手段(図示せず)が設けられている。図35に示すように、前記回動中心軸155の高さ位置は、前記フランジ部132の下端の高さ位置より低く、図35の位置から操作腕部157を用いて回動腕部156を下方に回動すると、矢印Yに示すように、回動の始めは車輪140Aがフランジ部132から後側に離れるように回動してフランジ部132の下端に当たることなく、車輪140Aを外部に回動することができる。このように車輪140Aは回動することにより、装着位置と非装着位置の外部との間で移動可能に設けられている。
この場合、フランジ部132の幅方向において、回動中心軸155がフランジ部132の一側縁より外側に位置し、回動腕部156に連結した操作腕部157が横部151に並んで設けられているから、ロック手段によるロックを解除し、操作腕部157と横部151の間隔を狭めるように握ると、車輪140Aが非装着位置である外部に回動し、ガイドレール131から移動体135を取り外すことができる。
そして、ガイドレール131に移動体135を取り付けるには、上側の車輪140を前側のフランジ部132の内面に当てると共に、該車輪140をウエブ部133に乗せ、案内ローラ141をフランジ部132の外面に当てることにより、移動体135をガイドレール131により保持することができる。
こうすると、移動体135の荷重が車輪140によりガイドレール131に加わるため、装着作業に力を要さない。その後、操作腕部157を用いて回動腕部156を回動し、下側の車輪140Aをウエブ部133の下面とフランジ部132の内面に当接又は近接し、回動腕部156をロック手段により固定する。
この状態でリング部10Aに命綱9を連結し、この命綱9を連結した作業員が移動すると、上下の車輪140,140A及び案内ローラ141がガイドレール131の外面に転動し、移動体135がガイドレール131の長さ方向に移動する。この場合、主として車輪140により移動体135の荷重がガイドレール131に加わり、車輪140Aにより移動体135の上方移動が規制され、車輪140,140Aと案内ローラ141により移動体135の左右位置が規制される。一方、移動体135を外す場合は、ロック手段による固定を解除し、横部151と操作腕部157とを握るようにして回動腕部156を回動することのより、ガイドレール131から移動体135を簡便に取り外すことができる。
また、移動体135には、上側の車輪140及び下側の車輪104Aをガイドレール131の長さ方向に間隔を置いて複数設けることができるが、上側の車輪140及び下側の車輪104Aを1輪ずつにすれば、移動体135の軽量化が図られると共に、ガイドレール131が90度に屈曲した箇所でも容易に移動することが可能となる。
このように本参考例では、上記各実施例及び参考例と同様な作用・効果を奏する。
また、このように本参考例では、被取付部たる内壁面6に取り付けられ、長さ方向に連続するガイドレール131と、ガイドレール131に設けられ、内壁面6側から突出した突出部たるウエブ部133及びこのウエブ部133の先端側の厚さより幅広で基端側である内面132Nの幅方向中央側にウエブ部133の先端が接続された板状の係止部たるフランジ部132と、ガイドレール131の長さ方向に移動可能に設けられた移動体135と、移動体135に対をなして設けられ、ウエブ部133を挟んでフランジ部132の内面132N側に配置される移動手段たる車輪140,140Aと、移動体135に設けられ、落下防止用連結部材たる命綱9を連結する連結受け部たるリング部10と、対をなす移動手段たる車輪140,140Aの一方である車輪140Aが、フランジ部132の基端側たる内面132N側と外部Gとの間で、移動体135に設けた回動中心軸155を中心に移動可能に設けられ、対をなす車輪140,140Aの一方である車輪140Aの回動中心軸155は、ガイドレール131の長さ方向に配置されていると共に、フランジ部132の幅方向の一方の端部たる下端132Tに比べて該フランジ部132の幅方向においてウエブ部133から離れているから、他方の車輪140をフランジ部132の内面132N側でウエブ部133の他方に配置した状態で、一方の車輪140Aをフランジ部132の内面132N側でウエブ部133の一方に配置して他方と一方の車輪140,140Aでウエブ部133を挟むことにより、ガイドレール131の外面に移動体135を装着することができる。このようにガイドレール131の途中で移動体135を着脱することができる。また、装着位置から車輪140Aがウエブ部133の基端側に向かってフランジ部132の内面132Nから離れるように回動し、車輪140Aがフランジ部132の下端132Tに接触することなく、外部Gに移動することができる。
また、回動中心軸155は、ウエブ部133を基準としてフランジ部132の幅方向において下端132Tより離れた位置に設けられているから、回動腕部156を回動すると、装着位置から車輪140Aがウエブ部133の基端側に向かって内面132Nから離れるように回動し、車輪140Aが下端132Tに接触することなく、非装着位置である外部に移動することができる。
また、本体136に他方の車輪140が位置固定されていると共に、一方の車輪140Aが車輪140,140Aの間が開閉するように回動するから、構造簡易にして着脱が容易となる。さらに、他方の車輪140が位置固定されているから、装着時に先に車輪140をセットすることにより、装置の荷重をガイドレール131に掛けることができ、取付作業が容易となる。
また、装着時にフランジ部132に対して、車輪140,140Aがそれぞれ好ましくは40〜50度の角度をなすから、図34の状態で、移動体135が上下方向の力、横方向外側に引っ張る力に対して、それぞれ対抗することができる。このためフランジ部132Aを上側又は下側にしてガイドレール131を取り付けた場合にも対応可能となる。
図36〜図38は本発明の実施例1を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、上記各実施例及び参考例の車輪に全方向移動車輪161を用いた例を示す。
全方向移動車輪161は、主輪162と、この主輪162の外周側に位置する複数の副輪163・・・と、を備え、前記主輪162の回転中心には横方向の車軸164が設けられている。前記主輪162は、その外径縁部から外側方向に複数突設されたブラケット部165を一体に備える。尚、前記主輪162の表面(円周上)は、車軸164に対して45°傾けた樽形状の前記副輪163(バレル)によって覆われている。
前記副輪163の端部に軸受部166を内蔵し、この軸受部166に取付軸167を回動可能に連結し、この取付軸167を前記ブラケット部165に挿通し、このブラケット部165を挿通した取付軸167の端部に固定手段たるナット168を螺合することにより、両側のブラケット部165,165間に副輪163を回動可能に設けている。
前記全方向移動車輪161は上記各実施例の移動手段として用いることができ、特に実施例17の車輪140Aに用いれば、ガイドレール131に移動体135を取り付ける際、仮にフランジ部132の下端に車輪161が接触しても、副輪163が回転することによりスムーズに取り付けることができる。尚、この場合は、前記軸部139を前記車軸164に連結して移動体135に車輪161を設ける。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
図39は本発明の実施例1を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例は前記全方向移動車輪161の変形例を示す。
この例の移動車輪161は、副輪163の回転中心が車軸164と直交して主輪162の外周方向に並んで配置されており、フランジ部132の下端に接触すると副輪163が回転する。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、ガイドレールには、開口部を前側に設けたが、被取付部に取り付ける後部を除いて、開口部を上部(上面部)や下部(下面部)に設けてもよい。また、中空部を有するガイドレールの断面形状は実施例に限定されず、中空部と開口部を有するものであれば、各種のものを用いることでき、例えば、角パイプ形状で、1つの面に開口部を有するものでもよい。さらに、連結移動体の移動体の形状は適宜選定可能であり、平面形状を卵形や楕円形などにしてもよい。また、実施例では、スペーサとして案内ローラを例示したが、実施例で示した突条部でもよく、この場合も突条部の先端に低摩擦部を設けることが好ましい。さらに、連結部材は帯状でもよい。また、連結移動体は、移動体の数が2個以上であればよい。また、参考例及びのガイドレールは、突出部と係止部を有するものなら各種のものを用いることができ、参考例では突出部と係止部がT型のものを示した。さらに、各実施例及び参考例の構成を組み合わせることができ、例えば、案内ローラ(スペーサ),ストッパやブラシは各実施例及び参考例の移動体に適用可能である。また、ガイドレールの向きは実施例に限定されず、開口部を下向きや上向きにしたり、フランジ部132を下向きや上向きにしてガイドレールを取り付けたりしてもよい。さらに、実施例及び参考例の移動手段を他の実施例及び参考例の移動手段に代えて用いることができる。
1 トンネル
1A カーブ箇所
3 落下防止装置
4 中空部
5,5A ガイドレール
6 内壁面(被取付部)
7 開口部
8,8A,8B 移動体
9 命綱(落下防止用連結部材)
10,10A リング部(連結受け部)
11 後板部(後部)
12 上板部
13 下板部
14U 上前板部(前部)
14S 下前板部(前部)
15 透孔
16 螺子(固定部材)
27 車輪(移動手段)
28 車輪(移動手段)
31 出し入れ口
35 蓋体
41 ロック手段
52 低摩擦部(移動手段)
70 ガイドレール曲線部
101 下ブラシ(内部底面清掃装置・移動手段)
102 横下ブラシ(移動手段
40 車輪(移動手段)
140A 車輪(移動手段,対をなす移動手段の一方)
155 回動中心軸
161 車輪(移動手段

Claims (5)

  1. 被取付部に取り付けられ、長さ方向に連続する中空部を有するガイドレールと、
    前記ガイドレールに設けられ、長さ方向に連続する開口部と、
    前記中空部内を長さ方向に移動可能に設けられた移動体と、
    前記移動体に設けられ、落下防止用連結部材を連結する連結受け部とを備えることを特徴とする落下防止装置。
  2. 被取付部に取り付けられ、長さ方向に連続するガイドレールと、
    前記ガイドレールに設けられ、前記被取付部側から突出した突出部及びこの突出部の先端側の厚さより幅広で基端側の幅方向中央側に前記突出部の先端が接続された係止部と、
    前記ガイドレールの長さ方向に移動可能に設けられた移動体と、
    前記移動体に対をなして設けられ、前記突出部を挟んで前記係止部の基端側に配置される移動手段と、
    前記移動体に設けられ、落下防止用連結部材を連結する連結受け部とを備えることを特徴とする落下防止装置。
  3. 前記ガイドレールは、前記開口部を設けた前部と、前記被取付部に取り付ける後部とを備え、前記開口部に対応して前記後部に透孔を穿設し、前記透孔に挿通した固定部材により前記後部を前記被取付部に取り付け、前記固定部材が前記開口部を挿通可能なことを特徴とする請求項1記載の落下防止装置。
  4. 複数の前記移動体を備え、隣り合う前記移動体同士が屈曲可能に連結されていることを特徴とする請求項1記載の落下防止装置。
  5. 対をなす前記移動手段の一方が前記係止部の基端側と外部との間で回動可能に設けられていることを特徴とする請求項2記載の落下防止装置。
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