JP2021062129A - 気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル - Google Patents

気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル Download PDF

Info

Publication number
JP2021062129A
JP2021062129A JP2019189685A JP2019189685A JP2021062129A JP 2021062129 A JP2021062129 A JP 2021062129A JP 2019189685 A JP2019189685 A JP 2019189685A JP 2019189685 A JP2019189685 A JP 2019189685A JP 2021062129 A JP2021062129 A JP 2021062129A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distal end
shaft
balloon
rod
bending load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019189685A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7328864B2 (ja
Inventor
浩太郎 三宅
Kotaro Miyake
浩太郎 三宅
真太郎 大角
Shintaro OSUMI
真太郎 大角
圭介 松下
Keisuke Matsushita
圭介 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2019189685A priority Critical patent/JP7328864B2/ja
Publication of JP2021062129A publication Critical patent/JP2021062129A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7328864B2 publication Critical patent/JP7328864B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

【課題】安全性に優れた気管支末梢拡張用のバルーンカテーテルを提供する。【解決手段】本発明の気管支末梢拡張用のバルーンカテーテルは、遠近方向を有するシャフトと、上記シャフトの遠位側に設けられたバルーンとを有するバルーンカテーテルであって、上記バルーンは、上記シャフトに固定されている固定部と、固定されていない非固定部とを有し、上記バルーンカテーテルは、上記非固定部の遠位端から遠位側に向かって延在する棒状部を備え、曲げ荷重の測定方法により求められる上記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1が0.17N以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、気管支末梢拡張用のバルーンカテーテルに関する。
これまでに食道、胆管等の消化管、気管、血管等に発生した狭窄部を拡張して治療するために、バルーンカテーテルが用いられている。例えば特許文献1には、長さ方向に貫通する内腔を少なくとも1つ有するシャフトおよびシャフトの先端部に配置されたバルーンを備え、バルーンがその外面に編組層を備えているバルーンカテーテルが開示されている。
特開2008−36391号公報
肺疾患としては、狭窄部が発生するものや、肺癌等が知られている。そして肺癌の中には気管支末梢に発生するものがあるが、気管支末梢は極めて細い部分であるため従来の技術では気管支鏡を気管支末梢にまで挿入して内視カメラにより観察することは困難であった。そこでバルーンカテーテルを気管支末梢にまで挿入しバルーンにより気管支末梢を拡張してから、気管支末梢を観察する方法が考えられる。しかし、気管支末梢部の末端は臓側胸膜と隣接する部分であり、臓側胸膜を傷付けると肺に穴が開いて気胸になるおそれがあるため、バルーンカテーテルを用いた気管支末梢部の観察に当たっては、安全性が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全性に優れた気管支末梢拡張用のバルーンカテーテルを提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係るバルーンカテーテルは、以下の構成からなる。
[1]遠近方向を有するシャフトと、上記シャフトの遠位側に設けられたバルーンとを有するバルーンカテーテルであって、
上記バルーンは、上記シャフトに固定されている固定部と、固定されていない非固定部とを有し、
上記バルーンカテーテルは、上記非固定部の遠位端から遠位側に向かって延在する棒状部を備え、下記曲げ荷重の測定方法により求められる上記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1が0.17N以下である気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル。
[曲げ荷重の測定方法]
ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、上記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の下側ブロックと、ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、上記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の上側ブロックとを用意する。次に上記シャフトの軸方向が上記下側ブロックと上記上側ブロックの上記長さ方向と平行になるように上記バルーンカテーテルを上記下側ブロックと上記上側ブロックの間に配置する。次に上記下側ブロックの遠位端と、上記上側ブロックの遠位端と、上記バルーンの上記非固定部の遠位端とが上記シャフトの軸方向に揃うように位置合わせし、上記バルーンカテーテルを上記下側ブロックと上記上側ブロックで挟み込んで固定する。次に上記棒状部の遠位端から上記シャフトの軸方向に1.0mm離れた位置までの部分を、加圧面が矩形である加圧子により上記シャフトの軸方向に垂直な方向に1.0mm押し込んだ時の荷重(N)を測定する。
上記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1が0.17N以下であることにより、臓側胸膜の損傷を回避し易くすることができる。
更に本発明に係るバルーンカテーテルは、好ましくは以下の[2]〜[4]の構成を含む。
[2]上記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1(N)と、下記曲げ荷重の測定方法により求められる上記棒状部の1.5mm押し込み時の曲げ荷重A1.5(N)とが下記式(1)を満たすものである[1]に記載の気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル。
1.5≧1.15A1 ・・・(1)
[曲げ荷重の測定方法]
ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、上記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の下側ブロックと、ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、上記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の上側ブロックとを用意する。次に上記シャフトの軸方向が上記下側ブロックと上記上側ブロックの上記長さ方向と平行になるように上記バルーンカテーテルを上記下側ブロックと上記上側ブロックの間に配置する。次に上記下側ブロックの遠位端と、上記上側ブロックの遠位端と、上記バルーンの上記非固定部の遠位端とが上記シャフトの軸方向に揃うように位置合わせし、上記バルーンカテーテルを上記下側ブロックと上記上側ブロックで挟み込んで固定する。次に上記棒状部の遠位端から上記シャフトの軸方向に1.0mm離れた位置までの部分を、加圧面が矩形である加圧子により上記シャフトの軸方向に垂直な方向に1.5mm押し込んだ時の荷重(N)を測定する。
[3]上記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1(N)と、上記棒状部の1.0mm押し込み後に除荷して再度、上記棒状部の1.0mm押し込んだ時の曲げ荷重A1-2(N)とが下記式(2)を満たすものである[1]または[2]に記載の気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル。
1-2≧0.90A1・・・(2)
[4]上記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1と、下記曲げ荷重の測定方法により求められる上記シャフトの曲げ荷重B1とが下記式(3)を満たすものである[1]〜[3]のいずれかに記載の気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル。
1≧0.1B1・・・(3)
[曲げ荷重の測定方法]
ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、上記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の下側ブロックと、ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、上記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の上側ブロックとを用意する。次に上記バルーンの近位端を径方向に切断して上記バルーンの近位端から遠位側を切り離し、上記切断後のシャフトの軸方向が上記下側ブロックと上記上側ブロックの長さ方向と平行になるように上記切断後のシャフトを上記下側ブロックと上記上側ブロックの間に配置する。次に上記下側ブロックの遠位端と、上記上側ブロックの遠位端と、上記切断後のシャフトの遠位端から上記軸方向に5.0mm離れた点とが上記軸方向に揃うように位置合わせし、上記切断後のシャフトを上記下側ブロックと上記上側ブロックで挟み込んで固定する。次に上記切断後のシャフトの遠位端から上記軸方向に1.0mm離れた位置までの部分を、加圧面が矩形である加圧子により上記軸方向に垂直な方向に1.0mm押し込んだ時の荷重(N)を測定する。
本発明によれば、上記構成により、安全性に優れた気管支末梢拡張用のバルーンカテーテルを提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの一例の側面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの棒状部の曲げ荷重を測定する方法を示す側面図である。 図3は、加圧状態の図1のバルーンカテーテルの領域Aにおける軸方向の断面図である。 図4は、図3の断面の他の一例を示す断面図である。 図5は、図3の断面の他の一例を示す断面図である。 図6は、図3の断面の他の一例を示す断面図である。 図7は、図3の断面の他の一例を示す断面図である。 図8は、図3の断面の他の一例を示す断面図である。 図9は、図3の断面の他の一例を示す断面図である。 図10は、図3の断面の他の一例を示す断面図である。 図11は、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルが挿入された気管支鏡の斜視図である。 図12は、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルと気管支鏡の使用方法を示す側面図(一部断面図)である。 図13は、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルと気管支鏡の使用方法を示す側面図である。 図14は、図11の気管支鏡のシースの遠位端の平面図である。
以下では、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
本発明の気管支末梢拡張用のバルーンカテーテルは、遠近方向を有するシャフトと、上記シャフトの遠位側に設けられたバルーンとを有するバルーンカテーテルであって、上記バルーンは、上記シャフトに固定されている固定部と、固定されていない非固定部とを有し、上記バルーンカテーテルは、上記非固定部の遠位端から遠位側に向かって延在する棒状部を備え、下記曲げ荷重の測定方法により求められる上記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1が0.17N以下である。これにより臓側胸膜の損傷を回避し易くすることができる。
[曲げ荷重の測定方法]
ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、上記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の下側ブロックと、ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、上記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の上側ブロックとを用意する。次に上記シャフトの軸方向が上記下側ブロックと上記上側ブロックの上記長さ方向と平行になるように上記バルーンカテーテルを上記下側ブロックと上記上側ブロックの間に配置する。次に上記下側ブロックの遠位端と、上記上側ブロックの遠位端と、上記バルーンの上記非固定部の遠位端とが上記シャフトの軸方向に揃うように位置合わせし、上記バルーンカテーテルを上記下側ブロックと上記上側ブロックで挟み込んで固定する。次に上記棒状部の遠位端から上記シャフトの軸方向に1.0mm離れた位置までの部分を、加圧面が矩形である加圧子により上記シャフトの軸方向に垂直な方向に1.0mm押し込んだ時の荷重(N)を測定する。
以下では図1〜10を参照して、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルについて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの一例の側面図である。図2は、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの棒状部の曲げ荷重を測定する方法を示す側面図である。図3は、加圧状態の図1のバルーンカテーテルの領域Aにおける軸方向の断面図である。図4〜10は、図3の断面の他の一例を示す断面図である。
図1〜3に示す通り、バルーンカテーテル20は、遠近方向Xを有するシャフト21と、シャフト21の遠位側に設けられたバルーン22とを有する。バルーン22は、シャフト21に固定されている固定部27と、固定されていない非固定部28とを有する。バルーン22は、非固定部28内に流体を注入して陽圧がかけられる加圧内腔26を備えており、図3に示すように気管支末梢内で加圧内腔26を加圧してバルーン22を拡張させることにより、気管支末梢を拡張することができる。更にバルーンカテーテル20は、非固定部28の遠位端28Bから遠位側に向かって延在する棒状部25を備える。
バルーンカテーテル20は、下記曲げ荷重の測定方法により求められる棒状部25の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1が0.17N以下である。以下では曲げ荷重の測定方法について、図2を参照しながら説明する。
図2に示すようなステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の下側ブロック90と、ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の上側ブロック91とを用意する。次にシャフト21の軸方向が下側ブロック90と上側ブロック91の長さ方向と平行になるようにバルーンカテーテル20を下側ブロック90と上側ブロック91の間に配置する。次に下側ブロック90の遠位端90Bと、上側ブロック91の遠位端91Bと、バルーン22の非固定部28の遠位端28Bとがシャフト21の軸方向に揃うように位置合わせし、バルーンカテーテル20を下側ブロック90と上側ブロック91で挟み込んで固定する。次に棒状部25の遠位端25Cからシャフト21の軸方向に1.0mm離れた位置までの部分を、加圧面92aが矩形である加圧子92によりシャフト21の軸方向に垂直な方向に1.0mm押し込んだ時の荷重(N)を測定する。
バルーンカテーテル20の棒状部25の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1が0.17N以下であることにより、臓側胸膜の損傷を回避し易くすることができる。棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1は、好ましくは0.16N以下、より好ましくは0.15N以下、更に好ましくは0.08N以下である。下限は特に限定されないが、例えば0.001N以上であってもよい。
棒状部25の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1(N)と、下記曲げ荷重の測定方法により求められる棒状部25の曲げ荷重の測定方法による1.5mm押し込み時の曲げ荷重A1.5(N)とが下記式(1)を満たすことが好ましい。
1.5≧1.15A1 ・・・(1)
以下では曲げ荷重の測定方法について、図2を参照しながら説明する。まず図2に示すようなステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の下側ブロック90と、ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の上側ブロック91とを用意する。次にシャフト21の軸方向が下側ブロック90と上側ブロック91の長さ方向と平行になるようにバルーンカテーテル20を下側ブロック90と上側ブロック91の間に配置する。次に下側ブロック90の遠位端90Bと、上側ブロック91の遠位端91Bと、バルーン22の非固定部28の遠位端28Bとがシャフト21の軸方向に揃うように位置合わせし、バルーンカテーテル20を下側ブロック90と上側ブロック91で挟み込んで固定する。次に棒状部25の遠位端25Cからシャフト21の軸方向に1.0mm離れた位置までの部分を、加圧面92aが矩形である加圧子92によりシャフト21の軸方向に垂直な方向に1.5mm押し込んだ時の荷重(N)を測定する。
棒状部25が、式(1)を満たすことにより、棒状部25のキンクや座屈の発生を低減し易くすることができるため、棒状部25が気管支末梢の末端に位置する臓側胸膜に達したことを感知し易くすることができる。曲げ荷重A1.5(N)は、曲げ荷重A1(N)の1.20倍以上であることがより好ましく、1.25倍以上であることがより好ましく、1.28倍以上であることが更に好ましい。一方、上限は特に限定されないが、例えば2.0倍以下であってもよく、1.5倍以下であってもよい。
棒状部25の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1(N)と、棒状部25の1.0mm押し込み後に除荷して再度、棒状部25の1.0mm押し込んだ時の曲げ荷重A1-2(N)とが下記式(2)を満たすことが好ましい。
1-2≧0.90A1・・・(2)
式(2)を満たすことにより、気管支末梢への挿入に当たって棒状部25に繰り返し負荷がかかっても変形し難くすることができるため、棒状部25が臓側胸膜に達した際の感触をシャフト21に伝え易くすることができる。曲げ荷重A1-2(N)は、曲げ荷重A1(N)の0.93倍以上であることがより好ましく、0.95倍以上であることが更に好ましく、0.98倍以上であることが更により好ましく、最も好ましくは1.0倍である。
棒状部25の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1と、下記曲げ荷重の測定方法により求められるシャフト21の曲げ荷重B1とが下記式(3)を満たすことが好ましい。
1≧0.1B1・・・(3)
以下ではシャフト21の曲げ荷重B1の測定方法について、図2を参照しながら説明する。まず図2に示すようなステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の下側ブロック90と、ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の上側ブロック91とを用意する。次にバルーン22の近位端22Aを径方向に切断してバルーン22の近位端22Aから遠位側を切り離し、切断後のシャフト21の軸方向が下側ブロック90と上側ブロック91の長さ方向と平行になるように切断後のシャフト21を下側ブロック90と上側ブロック91の間に配置する。次に下側ブロック90の遠位端90Bと、上側ブロック91の遠位端91Bと、切断後のシャフト21の遠位端から軸方向に5.0mm離れた点とが軸方向に揃うように位置合わせし、切断後のシャフト21を下側ブロック90と上側ブロック91で挟み込んで固定する。次に切断後のシャフト21の遠位端から軸方向に1.0mm離れた位置までの部分を、加圧面92aが矩形である加圧子92により軸方向に垂直な方向に1.0mm押し込んだ時の荷重(N)を測定する。
バルーンカテーテル20が、式(3)を満たすことにより、棒状部25とシャフト21の剛性差が低減され易くなって、当該剛性差によるキンクや座屈の発生を低減し易くすることができるため、棒状部25が気管支末梢の末端に位置する臓側胸膜に達したことを感知し易くすることができる。曲げ荷重A1(N)は、曲げ荷重B1(N)の0.1倍以上であることが好ましく、0.2倍以上であることがより好ましく、0.3倍以上であることが更に好ましい。一方、上限は特に限定されないが、例えば0.98倍以下、0.95倍以下であってもよい。
シャフト21は、図1〜3に示す通り、内管21aと外管21bと有していてもよい。内管21aは、ガイドワイヤ等の挿通路として用いることができる。また図1〜3では、バルーン22の遠位端側が、遠位側の固定部27により内管21aに固定されており、バルーン22の近位端側は、近位側の固定部27により外管21bに固定されている。このような構成により、内管21aと外管21bの間の空間を、流体を注入するための流路とすることができ、更に内管21aとバルーン22の間の空間を加圧内腔26とすることができる。また内管21aの遠位端21Bは、図3〜5のようにバルーン22の遠位側の固定部27の遠位端27Bよりも遠位側に位置していてもよく、図6のように遠位端27Bと軸方向に揃うように位置していてもよい。内管21aの外径は好ましくは0.3mm以上、0.7mm以下である。内管21aの内径は好ましくは0.2mm以上、0.5mm以下である。外管21bの外径は好ましくは0.5mm以上、1.2mm以下である。外管21bの内径は好ましくは0.4mm以上、0.9mm以下である。
固定部27の遠位端27Bの外径は、1.0mm以下であることが好ましい。これにより、棒状部25の曲げ荷重を低減し易くすることができる。より好ましくは0.90mm以下、更に好ましくは0.65mm以下である。一方、固定部27の遠位端27Bの外径は、例えば0.2mm以上であってもよく、0.3mm以上であってもよい。
図3〜6に示すように、バルーンカテーテル20が棒状体25aを備える場合、内管21aの遠位端21Bは、図3のように棒状体25aの遠位端25Bよりも遠位側であってもよく、図4のように棒状体25aの遠位端25Bと軸方向に揃うように位置していてもよく、図5のように棒状体25aの遠位端25Bよりも近位側であってバルーン22の遠位側の固定部27の遠位端27Bよりも遠位側に位置していてもよく、図6のように遠位端27Bと軸方向に揃うように位置していてもよい。即ち、内管21aの遠位端部は、図3、4のように棒状体25aを軸方向に貫通していてもよく、図5のように棒状体25a内に内蔵されていてもよく、図6のように棒状体25aと隣接するように接合されていてもよい。
シャフト21は、図7に示す通り、外管21bと、外管21b内に配置される線状体21cとを備えるものであってもよい。これにより、バルーン22の遠位端側を、遠位側の固定部27により線状体21cに固定し、バルーン22の近位端側を、近位側の固定部27により外管21bに固定することができる。このような構成により、線状体21cと外管21bの間の空間を流体を注入するための流路とすることができ、更に線状体21cとバルーン22の間の空間を加圧内腔26とすることができる。また線状体21cの遠位端21Cは、図7、8のようにバルーン22の遠位側の固定部27の遠位端27Bよりも遠位側に位置していてもよく、図9のように遠位端27Bと軸方向に揃うように位置していてもよい。
図7〜9に示すように、バルーンカテーテル20が棒状体25aを備える場合、線状体21cの遠位端21Cは、図7のように棒状体25aの遠位端25Bと軸方向に揃うように位置していてもよく、図8のように棒状体25aの遠位端25Bよりも近位側であってバルーン22の遠位側の固定部27の遠位端27Bよりも遠位側に位置していてもよく、図9のように遠位端27Bと軸方向に揃うように位置していてもよい。即ち、線状体21cの遠位端部は、図7のように棒状体25aを軸方向に貫通していてもよく、図8のように棒状体25a内に内蔵されていてもよく、図9のように棒状体25aと隣接するように接合されていてもよい。
なおシャフト21は、図示していないが内管21aや外管21bを備えず線状体21cから構成されるものであってもよい。
内管21aは、例えばポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、及び天然ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよく、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーよりなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうちポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびフッ素系樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリオレフィン系樹脂、およびフッ素系樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
外管21bは、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、及び天然ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよく、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーよりなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうちポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびポリウレタン系樹脂、よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
内管21a、外管21bは、補強部材を有するものであってもよい。補強部材として、線材が編組された編組体、または線材が螺旋状に巻回されたコイル体が挙げられる。これにより強度を向上し易くすることができる。
補強部材を構成する線材として、金属線、繊維等が挙げられる。金属線を構成する素材として、例えばステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金、タングステン合金等が好ましい。このうちステンレス鋼がより好ましい。金属線は、単線であってもよいし、撚線であってもよい。繊維として、例えばポリアリレート繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、PBO繊維、炭素繊維等が挙げられる。繊維は、モノフィラメントであってもよいし、マルチフィラメントであってもよい。
線状体21cとして、金属線、樹脂線等が挙げられる。金属線としては、遠位端部が樹脂により被覆されたもの(いわゆるポリマージャケットタイプ)、遠位端部が金属コイルにより被覆されたもの(いわゆるコイルジャケットタイプ)が遠位端部の柔軟性を向上し易いため好ましい。金属線、樹脂線の厚さ方向断面における外形としては、例えば円形、楕円形、矩形等が挙げられる。
当該金属線や金属コイルの素材として、ニッケルチタン合金等の形状記憶合金、ステンレス鋼、チタン、コバルトクロム合金、タングステン合金等が挙げられる。このうちステンレス鋼が好ましい。
当該樹脂線や金属線の被覆に用いられる樹脂として、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。このうちポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
シャフト21は、図1に示すように内管21aの近位端21Aが後述するハンドル部29内に位置する、いわゆるオーバーザワイヤ型(OTW型)に限定されず、図10に示すように内管21aの近位端21Aがハンドル部29より遠位側に位置する、いわゆるラピッドエクスチェンジ型(RX型)であってもよい。RX型の場合、内管21aは、ガイドワイヤ等の挿通路として用いることができる。また図10では、内管21aと外管21bの近位端部に外管21dの遠位端が結合されており、外管21dの内腔と、内管21aと外管21bの間の空間とが連通するように通路が形成されており、当該通路は流体を注入するための流路として用いることができる。外管21dの素材は、外管21bの記載を参照することができる。
棒状部25は、図3〜6のように内管21aの遠位端部と、バルーン22の遠位側の固定部27と、棒状体25aとを含むように構成されていてもよいし、図7〜9のように線状体21cの遠位端部と、バルーン22の遠位側の固定部27と、棒状体25aとを含むように構成されていてもよい。また棒状部25は、線状体21cを含む一方、棒状体25aを含まない構成であってもよい。この場合、線状体21cにより気管支末梢を探知することが可能である。
棒状体25aを、例えば柔軟性を有する樹脂、金属線等により構成することにより気管支末梢の損傷を回避し易くすることができる。棒状体25aを構成する樹脂として、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂のうちエラストマー樹脂は、柔軟性に優れるため好ましい。即ち、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
棒状体25aを構成する金属線の素材として、ニッケルチタン合金等の形状記憶合金、ステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金、タングステン合金等が挙げられる。
図3に示す通り、棒状部25の遠位端25Cにおける外径は、遠位側の固定部27の遠位端27Bにおける内管21aの外径よりも小さいことが好ましい。これにより気管支末梢に挿入し易くすることができる。一方、棒状部25の遠位端25Cにおける外径は、遠位側の固定部27の遠位端27Bにおける内管21aの外径の0.7倍以上であってもよく、0.8倍以上であってもよい。
棒状部25の軸方向の長さ(mm)は、遠位側の固定部27の遠位端27Bの外径(mm)の6.0倍以上であることが好ましい。これにより棒状部25の押し込み時の曲げ荷重を低減し易くすることができる。更に、棒状部25が式(1)を満たし易くすることもできる。そのため、棒状部25の軸方向の長さ(mm)は、遠位側の固定部27の遠位端27Bの外径(mm)の6.2倍以上であることが好ましく、6.5倍以上であることが好ましい。一方、棒状部25の軸方向の長さ(mm)は、遠位側の固定部27の遠位端27Bの外径(mm)の10.0倍以下であることが好ましい。これにより棒状部25が式(2)を満たし易くすることができる。より好ましくは9.0倍以下である。
棒状部25の軸方向の長さ(mm)は、遠位側の固定部27の遠位端27Bの外径(mm)と、バルーン22の近位端22Aにおける外管21bの外径(mm)との積の10.0倍以下であることが好ましい。これによりバルーンカテーテル20が式(3)を満たし易くすることができる。より好ましくは8.0倍以下である。一方、下限は特に限定されないが、3.0倍以上であってもよく、5.0倍以上であってもよい。
棒状部25の軸方向の長さ(mm)は、図3に示す通り、加圧内腔26に流体が注入された加圧状態のバルーン22のシャフト21の軸方向中心22Cにおける外径(mm)の0.5倍以上の長さであることが好ましい。気管支末梢の末端に近づけば近づく程、バルーン22の拡張時に気管支末梢が損傷し易くなるが、上記0.5倍以上の長さであることにより、バルーン22が気管支末梢の末端に近づき過ぎることに伴う損傷を回避し易くすることができる。そのため棒状部25の軸方向の長さ(mm)は、バルーン22の軸方向中心22Cにおける外径(mm)の0.7倍以上であることがより好ましく、0.9倍以上であることが更に好ましく、1.0倍以上であることが更により好ましく、1.4倍以上であることが特に好ましい。一方、棒状部25の軸方向の長さ(mm)をバルーン22の軸方向中心22Cにおける外径(mm)の5倍以下とすることにより、気管支末梢の末端の近傍を拡張し易くすることができる。そのため棒状部25の軸方向の長さ(mm)は、バルーン22の軸方向中心22Cにおける外径(mm)の5倍以下であることが好ましく、4.5倍以下であることがより好ましく、3.5倍以下であることが更に好ましい。
図4〜9に示すとおり、棒状部25の遠位端部は、軸方向の断面図において、曲率半径が0.1mm以上、10mm以下の曲線部を備えていることが好ましい。曲率半径が0.1mm以上であることにより気管支末梢の損傷を回避し易くすることができる。そのため曲率半径は、より好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.4mm以上である。一方、10mm以下であることにより、棒状部25を気管支末梢に挿入し易くすることができる。そのため曲率半径は、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下、更に好ましくは6mm以下、更により好ましくは2mm以下である。
棒状部25の遠位端部の形状は、特に限定されないが円柱状、半球状、球状、テーパー状等が挙げられる。このうち半球状、又は球状が、気管支末梢101の損傷を回避し易くすることができるため好ましい。なお球状の遠位端部として、図4〜9に示す形態が挙げられ、テーパー状の遠位端部として、図3に示す遠位側に向かって縮径する形態が挙げられる。また棒状部25の遠位端部以外の部分の形状として、円柱状、多角柱状、又はこれらが遠位側に向かって縮径する形状等が挙げられる。このうち円柱状が柔軟性を発揮し易いため好ましい。
棒状体25aは、図3、4、7に示すように軸方向に貫通する内腔を有する中空材により形成されていてもよいし、図5、6、8、9に示すように中実材により形成されていてもよい。
中空材の内腔はガイドワイヤ等の挿通路として用いることができ、ガイドワイヤを用いて気管支末梢の末端を検知してもよい。更に当該内腔を介して気管支拡張剤等の薬剤を投与してもよい。中空材は、図3、4、7のようにシャフト21の内管21aまたは線状体21cの外側面を覆うように接合されていることが好ましい。
中実材は、気管支末梢の末端の感触をシャフト21に伝え易くすることができる。また中実材として、図5、8に示すようにシャフト21の内管21aまたは線状体21cの遠位端と接合するために近位端部に凹部設けられているものや、凸部が設けられているもの(図示せず)が挙げられる。即ち中実材の場合、凹部によりシャフト21の内管21aまたは線状体21cの外側面を覆うように接合してもよいし、凸部をシャフト21の内管21a内に挿入して接合してもよい。また中実材は、図6、9のように凹部や凸部を備えず、バルーン22の固定部27に接合されていてもよい。
図1に示す通り、バルーンカテーテル20は、近位側にハンドル部29を有することが好ましい。ハンドル部29は、内管21aと連通する遠近方向に延在する内腔を有していることが好ましい。当該内腔は、ガイドワイヤ等の挿通路として用いることができる。またハンドル部29は、流体の注入部29aを備え、バルーン22の加圧内腔26に流体を注入するための流路と連通する内腔を有していることが好ましい。
バルーンカテーテル20は、気管支鏡と共に用いることができる。以下では図11〜14を参照して、気管支鏡の説明、及び気管支鏡とバルーンカテーテル20の使用方法について説明する。図11は、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルが挿入された気管支鏡の斜視図である。図12は、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルと気管支鏡の使用方法を示す側面図(一部断面図)である。図13は、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルと気管支鏡の使用方法を示す側面図である。図14は、図11の気管支鏡のシースの遠位端の平面図である。
気管支鏡50は、図11、12に示すように遠近方向Xを有する第1の内腔1と第2の内腔2とを有するシース5を備えることが好ましい。シース5は、外径が6mm以下であるものが好ましく、外径が3mm以下であるものがより好ましい。これにより図13に示すような気管支100よりも遠位側に位置する内径が2mm以下の気管支末梢101へシース5を挿入し易くすることができる。一方、シース5の外径の下限は、後述する内視カメラ10の寸法等を考慮すると、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。シース5の素材は、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
図12に示す通り、第1の内腔1には内視カメラ10が挿入されていることが好ましい。内視カメラ10は、遠近方向Xに移動しないように第1の内腔1に固定されていることが好ましい。内視カメラ10は、特に限定されず、例えば対物レンズ11と画像伝達手段12とを備えるものが挙げられる。画像伝達手段12としては、光学ファイバーにより構成されるイメージガイドファイバー、多数のレンズにより構成されるリレーレンズ等が挙げられる。内視カメラ10により得られた画像情報は、例えば図11の気管支鏡50のコネクター部53を介して表示装置にまで伝達されて、表示装置に表示される。
シース5の第2の内腔2は、バルーンカテーテル20を遠近方向Xに移動可能に挿入できるようになっている。具体的には、図11に示す気管支鏡50の挿入孔52からバルーンカテーテル20がシース5の第2の内腔2内に挿入され、バルーンカテーテル20は固定されていないため遠近方向Xに移動可能になっている。これにより図13に示す通り第2の内腔2内に挿入されているバルーン22を第2の内腔2から遠位側に押し出して図12に示すようにバルーン22を拡張したり、バルーン22を収縮した後、第2の内腔2内に引き戻したりすることができる。更にこれにより、バルーン22を第2の内腔2内に収納した状態で、拡張された気管支末梢101にシース5を挿入することができる。
第2の内腔2に陰圧をかけることにより、シース5の遠位端5Bを気管支100の内壁に吸着させることができる。更にシース5の遠位端5Bを気管支100の内壁に吸着させた状態で気管支100の内壁に押しつけて摺動させることにより、内視カメラ10の対物レンズ11に付着した気管支100内の夾雑物を拭うことができる。これにより気管支末梢101を観察し易くすることができる。
図12に示すように、加圧内腔26に流体が注入された加圧状態のバルーン22のシャフト21の軸方向中心22Cにおける外径(mm)は、シース5の遠位端5Bにおけるシース5の外径(mm)よりも大きいことが好ましい。これにより、気管支末梢101の内径をシース5の外径よりも大きくし易くすることができるため、シース5を気管支末梢101に挿入し易くすることができる。バルーン22の軸方向中心22Cにおける外径(mm)は、シース5の遠位端5Bにおけるシース5の外径(mm)の1.2倍以上であることがより好ましく、1.5倍以上であることが更に好ましく、2.0倍以上であることが更により好ましく、2.5倍以上であることが特に好ましい。一方、バルーン22の軸方向中心22Cにおける外径(mm)をシース5の遠位端5Bにおけるシース5の外径(mm)の5.0倍以下とすることにより気管支末梢101の損傷を回避し易くすることができる。そのため好ましくは5.0倍以下、より好ましくは4.5倍以下、更に好ましくは4.0倍以下、更により好ましくは3.5倍以下である。
バルーン22の形状は特に限定されないが、例えば図12に示すような直管部23とテーパー部24を備えるものであってもよいし、球状部または長球状部を備えるものであってもよい。バルーン22は、気管支末梢101の内壁との接触面積が大きい程、気管支末梢101を拡張し易いため、直管部または長球状部を備えるものであることが好ましく、直管部を備えるものであることがより好ましい。一方、シース5の遠位端5Bを気管支100の内壁に吸着させる際の陰圧を大きくする必要がある場合には、バルーン22の軸方向の長さが短い程、陰圧によるバルーン22の拡張を防止し易いため、球状部を備えるものであることが好ましい。
バルーン22が直管部23を備える場合、加圧内腔26に流体が注入された加圧状態において、直管部23の近位端23Aから遠位端23Bまでのシャフト21の軸方向の長さ(mm)は、バルーン22のシャフト21の軸方向中心22Cにおける外径(mm)以上の長さであることが好ましい。これにより気管支末梢101を広範囲に拡張し易くすることができるため、気管支末梢101にシース5を挿入し易くすることができる。そのため近位端23Aから遠位端23Bまでの長さ(mm)は、バルーン22の軸方向中心22Cにおける外径(mm)の1.1倍以上であることがより好ましく、1.2倍以上であることが更に好ましい。一方、近位端23Aから遠位端23Bまでの長さ(mm)の上限は、特に限定されず、例えばバルーン22の軸方向中心22Cにおける外径(mm)の5倍以下であってもよい。
バルーン22が球状部または長球状部を備える場合、球状部または長球状部の近位端から遠位端までのシャフト21の軸方向の長さ(mm)は、バルーン22のシャフト21の軸方向中心22Cにおける外径(mm)以上の長さであることが好ましい。これにより気管支末梢101を広範囲に拡張し易くすることができるため、気管支末梢101にシース5を挿入し易くすることができる。そのため近位端から遠位端までの長さ(mm)は、バルーン22の軸方向中心22Cにおける外径(mm)の1.1倍以上であることがより好ましく、1.2倍以上であることが更に好ましい。一方、上記近位端から遠位端までの長さ(mm)の上限は、特に限定されず、例えばバルーン22の軸方向中心22Cにおける外径(mm)の5倍以下であってもよい。
バルーン22はノンコンプライアントバルーン、またはセミコンプライアントバルーンであることが好ましい。これらは流体を注入する圧力が一定以上になると拡張し難くなるものであるため、バルーン22が拡張し過ぎることによる気管支末梢101の損傷を回避し易くすることができる。このうちセミコンプライアントバルーンは、安全性と気管支末梢101の拡張を両立し易いためより好ましい。ノンコンプライアントバルーンは、バルーンの規定圧(公称値となる圧力=ノミナル圧)の50%から規定圧まで加圧した場合のバルーン22の軸方向中心22Cにおける外径変化率が4%以下のものである。一方、セミコンプライアントバルーンは、バルーンの規定圧(公称値となる圧力=ノミナル圧)の50%から規定圧まで加圧した場合のバルーン22の軸方向中心22Cにおける外径変化率が4%超、15%以下のものである。上記規定圧は、好ましくは2atm以上、20atm以下、より好ましくは3atm以上、10atm以下である。
バルーン22を構成する樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうちポリアミド系樹脂が好ましい。
バルーン22は、拡張圧に対する寸法安定性を高めるために、上記樹脂により形成した樹脂層の外側面に補強材を設けて構成してもよい。補強材としては、例えば、繊維材料を用いることができる。補強材は、樹脂層の外側面の全体に隙間なく設けてもよく、樹脂層の外側面の一部のみに設けてもよい。補強材として用いる繊維材料としては、ポリアリレート繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、PBO繊維、炭素繊維等が挙げられる。これらの繊維材料は、モノフィラメントであっても、マルチフィラメントであってもよい。
バルーン22の加圧内腔26に注入する流体は、特に限定されず、液体、または気体のいずれであってもよい。流体は、例えばシリンジ、インデフレーター、ポンプ等により加圧して加圧内腔26に注入すればよい。
バルーン22の個数は、1個に限定されず2個以上であってもよい。バルーン22の数は少ない程、第2の内腔2から出し入れし易いため、バルーン22の個数は1個であることが好ましい。
シース5の軸方向に垂直な方向の断面において、第2の内腔2の面積(mm)は、収縮状態におけるバルーン22の外周線に囲まれた領域の面積(mm)の1.2倍以上であることが好ましい。これにより第2の内腔2内にバルーン22を配置させた状態においても、陰圧をかけてシース5の遠位端5Bを気管支100の内壁に吸着させ易くすることができる。そのため、第2の内腔2の面積(mm)は、収縮状態におけるバルーン22の外周線に囲まれた領域の面積(mm)の1.3倍以上であることがより好ましく、1.4倍以上であることが更に好ましい。一方、第2の内腔2の面積(mm)を、収縮状態におけるバルーン22の外周線に囲まれた領域の面積(mm)の8倍以下とすることにより、シース5の遠位端5Bを気管支100の内壁に吸着させ過ぎることに伴う損傷を回避し易くすることができる。より好ましくは6.5倍以下、更に好ましくは5倍以下である。
図14に示す通り、シース5の遠位端5Bにおいて、第2の内腔2の中心と対物レンズ11の中心の距離は、第2の内腔2の径の2倍以下であることが好ましい。これによりシース5の遠位端5Bを気管支100の内壁に吸着、摺動させたときに対物レンズ11に付着した夾雑物を除去し易くすることができる。より好ましくは1.5倍以下、更に好ましくは1.2倍以下である。一方、下限は例えば0.6倍以上であってもよい。
図14に示す通り、シース5の遠位端5Bにおいて、第2の内腔2の中心は、シース5の中心に位置しないことが好ましい。これにより、シース5を軸方向に回転等させることにより、第2の内腔2の遠位端を所望の位置に吸着させ易くすることができる。
シース5の軸方向において、対物レンズ11の遠位端は、図12に示す通りシース5の遠位端5Bと同じ位置であるか、又はシース5の遠位端5Bよりも遠位側に位置することが好ましい。これにより対物レンズ11に付着した気管支100内の夾雑物を拭い易くすることができる。またシース5の軸方向における対物レンズ11の遠位端とシース5の遠位端5Bと距離は5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることが更に好ましい。これにより、シース5の遠位端5Bを気管支100の内壁に吸着させ易くすることができる。
図14に示す通り、シース5は、遠近方向Xを有する第3の内腔3を備えていてもよく、更に遠近方向Xを有する第4の内腔4を備えていてもよい。更に第3の内腔3には第1の照明レンズ30が挿入されていてもよく、第4の内腔4には第2の照明レンズ40が挿入されていてもよい。これにより気管支末梢101を観察し易くすることができる。第1の照明レンズ30、第2の照明レンズ40は、それぞれ遠近方向Xに移動しないように第3の内腔3、第4の内腔4に固定されていることが好ましい。
シース5の遠位端5Bにおいて、第2の内腔2以外の内腔は封止されていることが好ましい。これにより、第2の内腔2における吸着力を向上し易くすることができる。
シース5の近位側には、図11に示すようにシース5の近位側を内蔵するように操作部55が設けられていることが好ましい。操作部55を有することにより、操作者が操作部55を握りながらシース5の挿入角度等を調整することができる。操作部55としては、樹脂製の筐体が挙げられる。
シース5は近位側で2つ以上に分岐していてもよい。例えば2つに分岐している場合、一方の分岐の第2の内腔2の近位端を操作部55の陰圧発生装置取付け口51と連結し、他方の分岐の第2の内腔2の近位端を操作部55の挿入孔52と連結させればよい。またシース5は近位側で分岐していなくともよい。その場合、例えば第2の内腔2の近位端を陰圧発生装置取付け口51に連結する一方で、第2の内腔2から外側面に向けて貫通孔を設けて当該貫通孔と操作部55内の挿入孔52に通じる通路を連通させればよい。また例えば第2の内腔2の近位端を挿入孔52に連結する一方で、第2の内腔2から外側面に向けて貫通孔を設けて当該貫通孔と操作部55内の陰圧発生装置取付け口51に通じる通路を連通させればよい。
陰圧発生装置としてポンプを有する陰圧発生装置が挙げられる。陰圧発生装置により、第2の内腔2に陰圧をかけることができる。陰圧発生装置(図示せず)は、例えば図11に示すように、シース5の第2の内腔2の近位端に直接、又は間接に連通している陰圧発生装置取付け口51に取付ければよい。
挿入孔52には、第2の内腔2に陰圧がかけられたときに挿入孔52を封止する封止部材が設けられていることが好ましい。これにより第2の内腔2の吸着力を向上し易くすることができる。当該封止部材として、切れ込みが設けられた鉗子栓が挙げられ、具体的にはYコネクタの切れ込みがあるシリコンロッドが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記の参考例1のガイドワイヤ、実施例1〜3、比較例1〜3のバルーンカテーテルを用いて、曲げ荷重試験、感触の評価、安全性評価を行った。
参考例1
ガイドワイヤ:朝日インテック株式会社製のPTCAガイドワイヤー「ASAHI SION Blue」
実施例1
バルーンカテーテル:ラピッドエクスチェンジ型(RX型)
バルーンカテーテルの長さ:1460mm
棒状体の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
棒状体の軸方向の長さ:4.0mm
棒状体の遠位端の外径:0.386mm
バルーンの素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
バルーンの外径、軸方向の長さ:1.00mm、6.0mm
固定部の遠位端の外径:0.58 mm
内管:3層構造(高密度ポリエチレン/接着性低密度ポリエチレン/ポリエーテルブロックアミド共重合体)
内管の外径、内径:0.47mm、0.39mm
遠位端部の外管の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
遠位端部の外管の外径、内径:0.84mm、0.70mm
中間部の外管の素材:ポリアミド
中間部の外管の外径、内径:0.84mm、0.68mm
近位端部の外管の素材:ステンレス鋼(SUS304)
近位端部の外管の外径、内径:0.65mm、0.50mm
遠位端部の外管と中間部の外管と近位端部の外管との軸方向長さの比率:3:3:8
実施例2
バルーンカテーテル:ラピッドエクスチェンジ型(RX型)
バルーンカテーテルの長さ:1450mm
棒状体の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
棒状体の軸方向の長さ:4.0mm
棒状体の遠位端の外径:0.460mm
バルーンの素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
バルーンの外径、軸方向の長さ:1.20mm、6.0mm
固定部の遠位端の外径:0.64mm
内管:3層構造(高密度ポリエチレン/接着性低密度ポリエチレン/ポリエーテルブロックアミド共重合体)
内管の外径、内径:0.55mm、0.42mm
遠位端部の外管の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
遠位端部の外管の外径、内径:0.84mm、0.72mm
中間部の外管の素材:ポリアミド
中間部の外管の外径、内径:0.84mm、0.68mm
近位端部の外管の素材:ステンレス鋼(SUS304)
近位端部の外管の外径、内径:0.60mm、0.45mm
遠位端部の外管と中間部の外管と近位端部の外管との軸方向長さの比率:3:3:8
実施例3
バルーンカテーテル:オーバーザワイヤ型(OTW型)
バルーンカテーテルの長さ:1450mm
棒状体の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
棒状体の軸方向の長さ:7.0mm
棒状体の遠位端の外径:0.565mm
バルーンの素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
バルーンの外径、軸方向の長さ:5.00mm、6.0mm
固定部の遠位端の外径:0.85mm
内管:3層構造(高密度ポリエチレン/接着性低密度ポリエチレン/ポリエーテルブロックアミド共重合体)
内管の外径、内径:0.57mm、0.43mm
遠位端部の外管の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
遠位端部の外管の外径、内径:0.95mm、0.78mm
中間部の外管の素材:ポリアミド
中間部の外管の外径、内径:1.11mm、0.87mm
近位端部の外管の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
近位端部の外管の外径、内径:1.28mm、0.94mm
遠位端部の外管と中間部の外管と近位端部の外管との軸方向長さの比率:1:2:3
比較例1
バルーンカテーテル:ラピッドエクスチェンジ型(RX型)
バルーンカテーテルの長さ:1460mm
棒状体の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
棒状体の軸方向の長さ:4.0mm
棒状体の遠位端の外径:0.444mm
バルーンの素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
バルーンの外径、軸方向の長さ:3.00mm、15.0mm
固定部の遠位端の外径:0.69mm
内管:3層構造(高密度ポリエチレン/接着性低密度ポリエチレン/ポリエーテルブロックアミド共重合体)
内管の外径、内径:0.56mm、0.42mm
遠位端部の外管の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
遠位端部の外管の外径、内径:0.84mm、0.72mm
中間部の外管の素材:ポリアミド
中間部の外管の外径、内径:0.84mm、0.68mm
近位端部の外管の素材:ステンレス鋼(SUS304)
近位端部の外管の外径、内径:0.65mm、0.50mm
遠位端部の外管と中間部の外管と近位端部の外管との軸方向長さの比率:3:3:8
比較例2
バルーンカテーテル:オーバーザワイヤ型(OTW型)
バルーンカテーテルの長さ:1450mm
棒状体の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
棒状体の軸方向の長さ:4.0mm
棒状体の遠位端の外径:0.460mm
バルーンの素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
バルーンの外径、軸方向の長さ:5.00mm、6.0mm
固定部の遠位端の外径:0.90mm
内管:3層構造(高密度ポリエチレン/接着性低密度ポリエチレン/ポリエーテルブロックアミド共重合体)
内管の外径、内径:0.57mm、0.43mm
遠位端部の外管の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
遠位端部の外管の外径、内径:0.95mm、0.78mm
中間部の外管の素材:ポリアミド
中間部の外管の外径、内径:1.11mm、0.87mm
近位端部の外管の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
近位端部の外管の外径、内径:1.28mm、0.94mm
遠位端部の外管と中間部の外管と近位端部の外管との軸方向長さの比率:1:2:3
比較例3
バルーンカテーテル:オーバーザワイヤ型(OTW型)
バルーンカテーテルの長さ:1450mm
棒状体の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
棒状体の軸方向の長さ:4.0mm
棒状体の遠位端の外径:0.489mm
バルーンの素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
バルーンの外径、軸方向の長さ:5.00mm、6.0mm
固定部の遠位端の外径:0.85mm
内管:3層構造(高密度ポリエチレン/接着性低密度ポリエチレン/ポリエーテルブロックアミド共重合体)
内管の外径、内径:0.57mm、0.43mm
遠位端部の外管の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
遠位端部の外管の外径、内径:0.95mm、0.78mm
中間部の外管の素材:ポリアミド
中間部の外管の外径、内径:1.11mm、0.87mm
近位端部の外管の素材:ポリアミドブロックアミド共重合体
近位端部の外管の外径、内径:1.28mm、0.94mm
遠位端部の外管と中間部の外管と近位端部の外管との軸方向長さの比率:1:2:3
<曲げ荷重試験>
上記実施例1〜3、比較例1〜3のバルーンカテーテルのそれぞれについて、棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1と、棒状部の1.5mm押し込み時の曲げ荷重A1.5(N)と、棒状部の1.0mm押し込み後に除荷して再度、棒状部の1.0mm押し込んだ時の曲げ荷重A1-2(N)と、シャフトの曲げ荷重B1(N)とを測定した。詳細は以下の通りである。なお参考例1のガイドワイヤについては、遠位端から4mm離れた位置までの領域を棒状部として、曲げ荷重を測定した。測定方法の詳細は以下の通りである。
〈棒状部の曲げ荷重A1
ステンレス製の長さ方向の長さが6cm、長さ方向に垂直な方向の幅が4cm、厚さが2cmである直方体の下側ブロックと、ステンレス製の長さ方向の長さが6cm、長さ方向に垂直な方向の幅が4cm、厚さが2cmである直方体の上側ブロックとを用意した。次にシャフトの軸方向が下側ブロックと上側ブロックの長さ方向と平行になるようにバルーンカテーテルを下側ブロックと上側ブロックの間に配置した。次に下側ブロックの遠位端と、上側ブロックの遠位端と、バルーンの非固定部の遠位端とがシャフトの軸方向に揃うように位置合わせし、バルーンカテーテルを下側ブロックと上側ブロックで挟み込んで固定した。次に株式会社島津製作所社製の引張・圧縮試験機を用いて、棒状部の遠位端からシャフトの軸方向に1.0mm離れた位置までの部分を、加圧面が矩形である加圧子によりシャフトの軸方向に垂直な方向に1.0mm押し込んだ時の荷重(N)を測定した。この値を曲げ荷重A1(N)とした。
〈棒状部の曲げ荷重A1-2
上記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1(N)の測定後、除荷して再度、棒状部の1.0mm押し込んだ時の曲げ荷重A1-2(N)を測定した。
〈棒状部の曲げ荷重A1.5
押し込み量を1.5mmとしたこと以外は上記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1(N)の測定と同様にして、1.5mm押し込み時の曲げ荷重A1.5(N)を測定した。
〈シャフトの曲げ荷重B1
上記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1(N)の測定で用いたものと同じ下側ブロックと上側ブロックとを用意し、バルーンの近位端を径方向に切断してバルーンの近位端から遠位側を切り離し、切断後のシャフトの軸方向が下側ブロックと上側ブロックの長さ方向と平行になるように切断後のシャフトを下側ブロックと上側ブロックの間に配置した。次に下側ブロックの遠位端と、上側ブロックの遠位端と、切断後のシャフトの遠位端から軸方向に5.0mm離れた点とが軸方向に揃うように位置合わせし、切断後のシャフトを下側ブロックと上側ブロックで挟み込んで固定した。次に島津製作所社製の引張・圧縮試験機を用いて、切断後のシャフトの遠位端から軸方向に1.0mm離れた位置までの部分を、加圧面が矩形である加圧子により軸方向に垂直な方向に1.0mm押し込んだ時の荷重(N)を測定し、シャフトの曲げ荷重B1(N)とした。なお切断後のシャフトの遠位端から軸方向に1.0mm離れた位置までの部分には、シャフトの内管と、遠位端部の外管とが存在していた。
<安全性評価>
図11に示すような気管支鏡のシースを、全身麻酔をかけた豚の肺野末梢まで挿入した後、参考例1のガイドワイヤと、当該ガイドワイヤを内管に挿入した実施例1のバルーンカテーテルとを気管支鏡の挿入口に挿入した。その後、気管支鏡のシースの遠位端から上記ガイドワイヤと、上記バルーンカテーテルとを共に臓側胸膜まで推し進め、上記ガイドワイヤと上記バルーンカテーテルの遠位端を臓側胸膜に押し当てた。その後、気胸発生有無をCT画像により確認した。この操作を実施例2〜3、比較例1〜3のバルーンカテーテルについても行い、更に参考例1のガイドワイヤ単独でも同様の操作を行って、安全性の評価を行った。
<感触の評価>
バルーンカテーテルの遠位端が臓側胸膜に達した際の感触について、臓側胸膜に達したことが分かり易かったものを「良」、臓側胸膜に達したことが極めて分かり易かったものを「優」として評価した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2021062129
表1に示す通り、実施例1〜3のバルーンカテーテルは、棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1が0.17N以下であり、気胸が発生せずに安全性が高いことが分かった。
1 第1の内腔
2 第2の内腔
3 第3の内腔
4 第4の内腔
5 シース
5B シースの遠位端
10 内視カメラ
11 対物レンズ
12 画像伝達手段
20 バルーンカテーテル
21 シャフト
21a 内管
21A 内管の近位端
21B 内管の遠位端
21b 外管
21c 線状体
21C 線状体の遠位端
21d 外管
22 バルーン
22A バルーンの近位端
22C バルーンのシャフトの軸方向中心
23 直管部
23A 直管部の近位端
23B 直管部の遠位端
24 テーパー部
25 棒状部
25B 棒状体の遠位端
25a 棒状体
25C 棒状部の遠位端
26 加圧内腔
27 固定部
27B 固定部の遠位端
28 非固定部
28A 非固定部の近位端
28B 非固定部の遠位端
29 ハンドル部
29a 注入部
30 第1の照明レンズ
40 第2の照明レンズ
50 気管支鏡
51 陰圧発生装置取付け口
52 挿入孔
53 コネクター部
55 操作部
90 下側ブロック
91 上側ブロック
90B 下側ブロックの遠位端
91B 上側ブロックの遠位端
92 加圧子
92a 加圧面
100 気管支
101 気管支末梢

Claims (4)

  1. 遠近方向を有するシャフトと、前記シャフトの遠位側に設けられたバルーンとを有するバルーンカテーテルであって、
    前記バルーンは、前記シャフトに固定されている固定部と、固定されていない非固定部とを有し、
    前記バルーンカテーテルは、前記非固定部の遠位端から遠位側に向かって延在する棒状部を備え、下記曲げ荷重の測定方法により求められる前記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1が0.17N以下である気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル。
    [曲げ荷重の測定方法]
    ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、前記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の下側ブロックと、ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、前記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の上側ブロックとを用意する。次に前記シャフトの軸方向が前記下側ブロックと前記上側ブロックの前記長さ方向と平行になるように前記バルーンカテーテルを前記下側ブロックと前記上側ブロックの間に配置する。次に前記下側ブロックの遠位端と、前記上側ブロックの遠位端と、前記バルーンの前記非固定部の遠位端とが前記シャフトの軸方向に揃うように位置合わせし、前記バルーンカテーテルを前記下側ブロックと前記上側ブロックで挟み込んで固定する。次に前記棒状部の遠位端から前記シャフトの軸方向に1.0mm離れた位置までの部分を、加圧面が矩形である加圧子により前記シャフトの軸方向に垂直な方向に1.0mm押し込んだ時の荷重(N)を測定する。
  2. 前記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1(N)と、下記曲げ荷重の測定方法により求められる前記棒状部の1.5mm押し込み時の曲げ荷重A1.5(N)とが下記式(1)を満たすものである請求項1に記載の気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル。
    1.5≧1.15A1 ・・・(1)
    [曲げ荷重の測定方法]
    ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、前記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の下側ブロックと、ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、前記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の上側ブロックとを用意する。次に前記シャフトの軸方向が前記下側ブロックと前記上側ブロックの前記長さ方向と平行になるように前記バルーンカテーテルを前記下側ブロックと前記上側ブロックの間に配置する。次に前記下側ブロックの遠位端と、前記上側ブロックの遠位端と、前記バルーンの前記非固定部の遠位端とが前記シャフトの軸方向に揃うように位置合わせし、前記バルーンカテーテルを前記下側ブロックと前記上側ブロックで挟み込んで固定する。次に前記棒状部の遠位端から前記シャフトの軸方向に1.0mm離れた位置までの部分を、加圧面が矩形である加圧子により前記シャフトの軸方向に垂直な方向に1.5mm押し込んだ時の荷重(N)を測定する。
  3. 前記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1(N)と、前記棒状部の1.0mm押し込み後に除荷して再度、前記棒状部の1.0mm押し込んだ時の曲げ荷重A1-2(N)とが下記式(2)を満たすものである請求項1または2に記載の気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル。
    1-2≧0.90A1・・・(2)
  4. 前記棒状部の1.0mm押し込み時の曲げ荷重A1と、下記曲げ荷重の測定方法により求められる前記シャフトの曲げ荷重B1とが下記式(3)を満たすものである請求項1〜3のいずれかに記載の気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル。
    1≧0.1B1・・・(3)
    [曲げ荷重の測定方法]
    ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、前記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の下側ブロックと、ステンレス製の長さ方向の長さが5cm以上、前記長さ方向に垂直な方向の幅が2cm以上、厚さが2cm以上である直方体の上側ブロックとを用意する。次に前記バルーンの近位端を径方向に切断して前記バルーンの近位端から遠位側を切り離し、前記切断後のシャフトの軸方向が前記下側ブロックと前記上側ブロックの長さ方向と平行になるように前記切断後のシャフトを前記下側ブロックと前記上側ブロックの間に配置する。次に前記下側ブロックの遠位端と、前記上側ブロックの遠位端と、前記切断後のシャフトの遠位端から前記軸方向に5.0mm離れた点とが前記軸方向に揃うように位置合わせし、前記切断後のシャフトを前記下側ブロックと前記上側ブロックで挟み込んで固定する。次に前記切断後のシャフトの遠位端から前記軸方向に1.0mm離れた位置までの部分を、加圧面が矩形である加圧子により前記軸方向に垂直な方向に1.0mm押し込んだ時の荷重(N)を測定する。
JP2019189685A 2019-10-16 2019-10-16 気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル Active JP7328864B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019189685A JP7328864B2 (ja) 2019-10-16 2019-10-16 気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019189685A JP7328864B2 (ja) 2019-10-16 2019-10-16 気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021062129A true JP2021062129A (ja) 2021-04-22
JP7328864B2 JP7328864B2 (ja) 2023-08-17

Family

ID=75486940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019189685A Active JP7328864B2 (ja) 2019-10-16 2019-10-16 気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7328864B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009534094A (ja) * 2006-04-18 2009-09-24 ボストン サイエンティフィック リミテッド 医療用バルーン
JP2016054874A (ja) * 2014-09-09 2016-04-21 住友ベークライト株式会社 管路径測定装置
JP2016182302A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 大正医科器械株式会社 中空構造を有したバルーンカテーテル
WO2019075634A1 (zh) * 2017-10-17 2019-04-25 上海英诺伟医疗器械有限公司 一种扩张球囊导管

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009534094A (ja) * 2006-04-18 2009-09-24 ボストン サイエンティフィック リミテッド 医療用バルーン
JP2016054874A (ja) * 2014-09-09 2016-04-21 住友ベークライト株式会社 管路径測定装置
JP2016182302A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 大正医科器械株式会社 中空構造を有したバルーンカテーテル
WO2019075634A1 (zh) * 2017-10-17 2019-04-25 上海英诺伟医疗器械有限公司 一种扩张球囊导管

Also Published As

Publication number Publication date
JP7328864B2 (ja) 2023-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8298134B2 (en) Eccentric dilation balloons for use with endoscopes
EP2887989B1 (en) Device for anatomical lesion length estimation
US6585639B1 (en) Sheath and method for reconfiguring lung viewing scope
JP3034340B2 (ja) 直視式前立腺バルーンカテーテル
ES2274984T3 (es) Dispositivo medico de punta blanda que puede someterse a torsion y metodo para conformarlo.
US8343036B1 (en) Flaccid tubular membrane and insertion appliance for surgical intubation
US20180140804A1 (en) Balloon catheter
US20090076447A1 (en) Method and apparatus for conducting peripheral vascular disease procedures using a novel anchor balloon catheter
CN106102814B (zh) 导管
US10561828B2 (en) Treatment tool for endoscope
WO2012132114A1 (ja) 耳鼻咽喉用治療装置
CN105559734A (zh) 一种配合球囊型鞘管的检查用硬质内窥镜
JP2019503734A (ja) 固定ガイドワイヤ
JP2021062129A (ja) 気管支末梢拡張用のバルーンカテーテル
WO2017094697A1 (ja) カテーテルおよびカテーテル組立体
WO2021075229A1 (ja) 気管支鏡、及びその使用方法
US20080015508A1 (en) Telescopic wire guide
JP7548922B2 (ja) 医療器具セット、及びその使用方法
JPH08257139A (ja) バルーンカテーテル
JP7502214B2 (ja) カテーテルシステム
US20140276044A1 (en) Delivery catheter having expandable elements
CN219110583U (zh) 一种医用导管、装置及系统
JP4191517B2 (ja) 拡張バルーンカテーテル
JP2024051066A (ja) バルーンカテーテル
JP4197862B2 (ja) 内視鏡装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230718

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230804

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7328864

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150