JP2021061182A - 燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、単セルの積層数が多くなるほど、燃料電池スタックの高さが高くなる。また、積層された多数の単セルにそれぞれ、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給する必要があるため、燃料電池スタックの周辺部品も大型化・複雑化しやすい。さらに、単セルの幾何学的面積が大きくなるほど、燃料電池スタックの幾何学的面積も大きくなる。
例えば、特許文献1には、
(a)三角波状に屈曲している膜電極接合体と、膜電極接合体の両面に配置された一対のセパレータとを備え、
(b)一方のセパレータの断面は、平坦部とV字状部とを交互に繰り返す形態をなし、
(c)他方のセパレータの断面は、平坦部と逆V字状部とを交互に繰り返す形態をなし、
(d)V字状部の斜辺と逆V字状部の斜辺との間に膜電極接合体が挟持されている
燃料電池が開示されている。
(A)膜電極接合体と流体とをより大きな面積で接触させることができる点、
(B)同程度の容積を持つ従来型の燃料電池に比べて高出力となる点、及び、
(C)同程度の出力を持つ従来形の燃料電池に比べて小型化することができる点、
が記載されている。
しかしながら、特許文献1においては、一対のセパレータのV字状部の斜辺と逆V字状部の斜辺との間にMEAが狭持されているため、当該部分には反応ガスが供給されにくくなる。その結果、実質的に有効な発電面積が低下し、セルの幾何学的面積当たりの発電性能が低下する場合がある。また、MEAの屈曲部の曲率が大きいため、MEAの耐久性に悪影響を及ぼす可能性がある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、セパレータとガス拡散層との接触面積の増大に起因する発電性能の低下を抑制することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、このような燃料電池スタックにおいて、MEAの耐久性の低下を抑制することにある。
(1)前記燃料電池スタックは、複数個の単セルの積層体からなる。
(2)前記単セルは、
電解質膜の両面にアノード触媒層及びカソード触媒層が接合された膜電極接合体(MEA)と、
前記アノード触媒層の外側に配置されたアノードガス拡散層と、
前記カソード触媒層の外側に配置されたカソードガス拡散層と、
前記アノードガス拡散層の外側に配置されたアノードセパレータと、
前記カソードガス拡散層の外側に配置されたカソードセパレータと
を備えている。
(3)前記MEA、前記アノードガス拡散層、及び前記カソードガス拡散層は、反応ガスが流れる方向に対して垂直方向の断面形状が波型形状(A)を有しており、
前記アノードガス拡散層の山部と前記アノードセパレータの表面とが接触し、かつ、
前記カソードガス拡散層の山部と前記カソードセパレータの表面とが接触している。
さらに、MEAを波型形状に湾曲させると、三角波状に屈曲させる場合に比べて、湾曲部の曲率を小さくすることができる。そのため、MEAの耐久性が向上する。
[1. 燃料電池スタック(1)]
図1に、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池スタックの断面模式図を示す。図1において、燃料電池スタック10aは、複数個の単セル20、20の積層体からなる。
単セル20は、それぞれ、
電解質膜(図示せず)の両面にアノード触媒層(図示せず)及びカソード触媒層(図示せず)が接合された膜電極接合体(MEA)28と、
アノード触媒層の外側に配置されたアノードガス拡散層30と、
カソード触媒層の外側に配置されたカソードガス拡散層32と、
アノードガス拡散層30の外側に配置されたアノードセパレータ34と、
カソードガス拡散層32の外側に配置されたカソードセパレータ36と
を備えている。
なお、図1に示す例では、2個の単セル20が記載されているが、これは単なる例示である。単セル20の個数は、3個以上であっても良い。
[1.2.1. 電解質膜]
本発明において、電解質膜の材料は、特に限定されない。電解質膜の材料としては、例えば、固体高分子電解質、イオン伝導セラミックスなどがある。
電解質膜の一方の面にはアノード触媒層が接合され、他方の面にはカソード触媒層が接合されている。アノード触媒層及びカソード触媒層は、電極反応の反応場となる部分である。アノード触媒層及びカソード触媒層の材料は、電極反応を進行させることが可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
例えば、電解質膜が固体高分子電解質からなる場合、一般に、アノード触媒層及びカソード触媒層には、それぞれ、白金又は白金合金を含む電極触媒と、触媒層アイオノマとの複合体が用いられる。
本発明において、MEA28は、反応ガスが流れる方向(図1のy軸方向)に対して垂直方向の断面形状が波型形状(A)を有している。MEA28に隣接して配置されるアノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32もまた、反応ガスが流れる方向に対して垂直方向の断面形状が波型形状(A)を有している。この点が従来とは、異なる。
「山部」とは、板状部材の裏面から表面(隣接する他の部材に対向している面)に向かって凸になっている領域をいう。
「谷部」とは、板状部材の裏面から表面(隣接する他の部材に対向している面)に向かって凹になっている領域をいう。
ここで、「正弦波型形状」とは、完全な正弦波だけでなく、歪んだ正弦波を含む形状をいう。この点は、三角波型形状、台形波型形状、矩形波型形状も同様である。波型形状(A)の片振幅、周期長、及び曲率は、単セル20の性能や耐久性に影響を及ぼす。この点は、後述する。
アノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32は、それぞれ、アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36から供給される反応ガスをアノード触媒層24及びカソード触媒層26に供給するためのものである。
また、上述したように、アノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32もまた、反応ガスが流れる方向に対して垂直方向の断面形状が波型形状(A)を有している。
アノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32の材料としては、例えば、金属多孔体、炭素繊維不織布などがある。
アノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32の材料は、特に、金属多孔体が好ましい。金属多孔体は面内電気抵抗が小さいため、これをガス拡散層に用いると、ガス拡散層の面内方向に電流が流れる時の抵抗による損失を小さくすることができる。また、金属多孔体は、プレス成形が可能であり、波型形状(A)の形成も容易である。
[1.4.1. 構造]
アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36は、それぞれ、反応ガスをアノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32に供給するためのものである。
隣接するアノードセパレータ34とカソードセパレータ36との間の隙間には、冷却水路46が設けられていても良い。
本実施の形態において、アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36は、いずれも、反応ガスが流れる方向(y軸方向)に対して垂直方向の断面形状が波型形状(B)からなる。なお、図1では、アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36の双方が波型形状(B)を呈しているが、いずれか一方が波型形状(B)を呈していても良い。
ここで、「波型形状(B)」とは、表面(隣接する他の部材に対向している面)に山部と谷部が周期的に形成されている形状をいう。波型形状(B)の詳細については、波型形状(A)と同様であるので、説明を省略する。
アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36の材料は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な材料を選択することができる。アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36の材料としては、例えば、ステンレス鋼、チタン、チタン合金などがある。
[1.5.1. 接触面積割合]
「接触面積割合」とは、ガス拡散層の総表面積に対する、ガス拡散層とセパレータとの接触面積の割合をいう。
一般に、アノードガス拡散層30とアノードセパレータ34との接触面積、及び/又は、カソードガス拡散層32とカソードセパレータ36との接触面積が小さくなるほど、実質的に有効な発電面積が大きくなる。特に、アノードセパレータ34及び/又はカソードセパレータ36の断面を波型形状(B)とすると、接触面積を小さくすることができる。
同様に、カソードガス拡散層32とカソードセパレータ36との接触面積割合は、40%以下が好ましい。接触面積割合は、好ましくは、30%以下、さらに好ましくは、20%以下、さらに好ましくは、10%以下である。
燃料電池スタック10aは、次の式(2.4)が成り立つものが好ましい。
A/L≧0.1 …(2.4)
但し、
Aは、前記波型形状(A)の片振幅、
Lは、前記波型形状(A)の周期長。
燃料電池スタック10aは、次の式(3.3)が成り立つものが好ましい。
A/L2≦σmax/(2π2Et) …(3.3)
但し、
Aは、前記波型形状(A)の片振幅、
Lは、前記波型形状(A)の周期長、
σmaxは、前記電解質膜の降伏応力、
Eは、前記電解質膜のヤング率、
tは、前記電解質膜の厚さ。
例えば、E=100MPa、t=10μm、σmax=3MPaである場合、式(3.3)の右辺は、152(1/m)となる。すなわち、式(3.2)は、E=100MPa、t=10μm、σmax=3MPaである場合、A/L2≦152(1/m)となるように、波型形状(A)のA及びLを選択すると、電解質膜に加わる曲げ応力σがσmaxを超えないことことを表す
燃料電池スタック10aは、次の式(4.2)が成り立つものが好ましい。
RL2 2≦0.1×4×3V/I …(4.2)
但し、
L2は、前記波型形状(A)の一周期分の曲線に沿った長さ、
Rは、前記ガス拡散層の面内電子抵抗、
Vは、最大出力時の電圧、
Iは、最大出力時の電流密度。
例えば、I=2×104A/cm2、V=0.6Vである場合、式(4.2)の右辺は、360mΩcm2となる。すなわち、式(4.2)は、最大出力時の電流密度が2×104A/cm2、電圧が0.6Vである場合にL2 2×R≦360mΩcm2となるように、ガス拡散層のL2及びRを選択すると、ηlossを10%以下にできることを表す。
図2に、本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池スタックの断面模式図を示す。図2において、燃料電池スタック10bは、複数個の単セル20、20の積層体からなる。
また、単セル20は、それぞれ、
電解質膜(図示せず)の両面にアノード触媒層(図示せず)及びカソード触媒層(図示せず)が接合された膜電極接合体(MEA)28と、
アノード触媒層の外側に配置されたアノードガス拡散層30と、
カソード触媒層の外側に配置されたカソードガス拡散層32と、
アノードガス拡散層30の外側に配置されたアノードセパレータ34と、
カソードガス拡散層32の外側に配置されたカソードセパレータ36と
を備えている。
同様に、カソードセパレータ36は、波型形状(B)を呈している。また、波型形状(A)を呈するカソードガス拡散層32の山部と、波型形状(B)を呈するカソードセパレータ36の谷部とが接している。この点が、第1の実施の形態とは異なる。
なお、このような山部と谷部との接触方法は、アノード側又はカソード側のいずれか一方にのみ用いても良い。
燃料電池スタック10bに関するその他の点については、燃料電池スタック10aと同様であるので、説明を省略する。
図3に、本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池スタックの断面模式図を示す。図3において、燃料電池スタック10cは、複数個の単セル20、20の積層体からなる。
また、単セル20は、それぞれ、
電解質膜(図示せず)の両面にアノード触媒層(図示せず)及びカソード触媒層(図示せず)が接合された膜電極接合体(MEA)28と、
アノード触媒層の外側に配置されたアノードガス拡散層30と、
カソード触媒層の外側に配置されたカソードガス拡散層32と、
アノードガス拡散層30の外側に配置されたアノードセパレータ34と、
カソードガス拡散層32の外側に配置されたカソードセパレータ36と
を備えている。
隔壁48、48は、アノードセパレータ34とカソードセパレータ36とを重ねた時に、両者の間の隙間に冷却水路46を形成するためのものである。セパレータを平板型にすると、冷却水路46を形成するために追加の部材(隔壁48、48)が必要になるという欠点はある。しかし、セパレータを平板型にすると、セパレータの製造コストを低減できるという利点がある。
燃料電池スタック10cに関するその他の点については、燃料電池スタック10a、10bと同様であるので、説明を省略する。
図4に、本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池スタックの断面模式図を示す。図4において、燃料電池スタック10dは、複数個の単セル20、20の積層体からなる。
また、単セル20は、それぞれ、
電解質膜(図示せず)の両面にアノード触媒層(図示せず)及びカソード触媒層(図示せず)が接合された膜電極接合体(MEA)28と、
アノード触媒層の外側に配置されたアノードガス拡散層30と、
カソード触媒層の外側に配置されたカソードガス拡散層32と、
アノードガス拡散層30の外側に配置されたアノードセパレータ34と、
カソードガス拡散層32の外側に配置されたカソードセパレータ36と
を備えている。
燃料電池スタック10dに関するその他の点については、燃料電池スタック10a〜10cと同様であるので、説明を省略する。
[5.1. 発電面積の増大]
図5に、従来の燃料電池スタックの断面模式図を示す。従来の燃料電池スタック10eには、断面が平板型形状を有するMEA28’、アノードガス拡散層30’、及び、カソードガス拡散層32’が用いられている。また、アノードガス拡散層30’及びカソードガス拡散層32’の外側には、それぞれ、断面形状が波型形状(B)を呈するアノードセパレータ34及びカソードセパレータ36が配置されている。
ガス拡散層とセパレータとの接触面積割合が大きくなると、MEA28に反応ガスを供給しにくい領域が増大し、MEA28の単位面積当たりの発電出力が低下する。その結果、接触面積割合が大きくなるほど、一定の出力を得るために必要な電極面積が増加する。
電極面積増加率=(A−A0)×100/A0 …(1)
但し、
A0は、接触面積割合が0%である時に、一定の出力を得るのに必要な電極面積、
Aは、接触面積割合がx%である時に、一定の出力を得るのに必要な電極面積。
他方、接触面積割合を小さく抑えながらも、セパレータとガス拡散層との間の接触抵抗を低減する必要がある。そのため、両者の間に適切な締結圧を印加するのが好ましい。MEAの断面形状をを波型形状(A)とし、セパレータとガス拡散層とを、ガス拡散層の山部で接触させる構造にすると、接触面積割合を小さく抑えつつ、ガス拡散層とセパレータとの間に適切な締結圧を加えることができる。
例えば、カーボン不織布、カーボンペーパー等のカーボン製ガス拡散層に対して切削、プレス等の加工を施すことにより、カーボン製ガス拡散層を波型形状に成形することもできる。しかし、このような加工が施されたカーボン製ガス拡散層はファイバーが毛羽立ちやすく、ファイバーがMEAをショートさせる可能性が高まる。
なお、平板状のMEAを作製した後、ガス拡散層の形状に倣うようにMEAを湾曲させると、触媒層にひび割れが生じるおそれがある。従って、MEAは、ホットプレスの時点で波型形状に成形しておくのが好ましい。
セパレータが平板状である場合において、隣接するセパレータ間に冷却水路を形成するためには、追加の部材が必要となる。
これに対し、セパレータの断面形状を波型形状(B)とすると、両者を重ね合わせた時に両者の間に隙間が形成される。この隙間を冷却水路としてそのまま利用することができる。また、波型形状の片振幅及び周期長を最適化することにより、冷却流路の断面積を酸化剤流路や燃料流路とは独立して設定することができる。そのため、冷却水圧損や配流を適切に設定することができる。
ガス拡散層とセパレータとの間の隙間に、多孔質材料からなる充填部材を挿入すると、セパレータと接触していないガス拡散層の領域が充填部材により押圧される。そのため、ガス拡散層とMEAとの界面の圧縮応力が高くなり、両者の間の接触抵抗を低減することができる。
図7に、MEAの断面を正弦波で近似した時の、断面の位置とMEAの高さとの関係を示す。ここで、片振幅をA(m)、周期長をL(m)とする。この時、断面図における位置をx(m)とすると、MEAの高さy(m)は、次の式(2.1)で表せる。
y=Asin(2πx/L) …(2.1)
A/L≧0.1 …(2.4)
但し、
Aは、前記波型形状(A)の片振幅、
Lは、前記波型形状(A)の周期長。
MEA28が波型形状(A)を有する場合において、電解質膜の耐久性を維持するためには、電解質膜の曲率をある一定の範囲にすることが望ましい。電解質膜のヤング率をE(MPa) 、膜厚をt(m)、曲率をc(1/m)とすると、電解質膜に加わる曲げ応力σ(MPa)は、次の式(3.1)で表される。
σ=(1/2)cEt …(3.1)
c≦2σmax/(Et) …(3.2)
他方、図7の正弦波の曲率cの最大値は、4π2A/L2であるから、これを式(3.2)に代入すると、次の式(3.3)が得られる。
A/L2≦σmax/(2π2Et) …(3.3)
A/L2≦σmax/(2π2Et)=152(1/m) …(3.4)
なお、式(3.4)の条件は、A/Lを固定した場合、次の式(3.5)に示すように、Lの最小値Lminを与える。
Lmin=A/152L …(3.5)
一周期分の曲線に沿った長さL2は、式(2.3)で求めたkLに等しい。MEAの面積当たりの電流密度をI(A/m2)、セル電圧をV(V)、ガス拡散層の面内電子抵抗をR(Ω)とすると、損失ηloss(=発電エネルギーに対する、ガス拡散層を面内方向に電流が流れる時の抵抗による損失エネルギーの比率)は、次の式(4.1)で表される。
ηloss=R(L2/2)2I/(3V) …(4.1)
RL2 2≦0.1×4×3V/I …(4.2)
最大出力時の電流密度が2×104A/cm2、電圧が0.6Vである場合、式(4.2)の右辺は、360mΩcm2となる。すなわち、式(4.2)は、I=2×104A/cm2、V=0.6Vである場合において、RL2 2が360mΩcm2以下となるように、ガス拡散層の材料(面内電気抵抗R)に応じてL2(すなわち、片振幅A及び周期長L)を選択すると、ηlossを10%以下にすることができることを示している。
なお、図9より、A/L=0.1の時のLminは、657.9μmである。従って、Aは、最小でも0.1×657.9μm=65.7μm必要である。
また、AはMEAの断面を正弦波で近似した場合の片振幅に当たるので、最小の両振幅は、2×65.7μm=131.4μmとなる。
20 単セル
28 MEA
30 アノードガス拡散層
32 カソードガス拡散層
34 アノードセパレータ
36 カソードセパレータ
Claims (12)
- 以下の構成を備えた燃料電池スタック。
(1)前記燃料電池スタックは、複数個の単セルの積層体からなる。
(2)前記単セルは、
電解質膜の両面にアノード触媒層及びカソード触媒層が接合された膜電極接合体(MEA)と、
前記アノード触媒層の外側に配置されたアノードガス拡散層と、
前記カソード触媒層の外側に配置されたカソードガス拡散層と、
前記アノードガス拡散層の外側に配置されたアノードセパレータと、
前記カソードガス拡散層の外側に配置されたカソードセパレータと
を備えている。
(3)前記MEA、前記アノードガス拡散層、及び前記カソードガス拡散層は、反応ガスが流れる方向に対して垂直方向の断面形状が波型形状(A)を有しており、
前記アノードガス拡散層の山部と前記アノードセパレータの表面とが接触し、かつ、
前記カソードガス拡散層の山部と前記カソードセパレータの表面とが接触している。 - 前記波型形状(A)は、正弦波型形状、三角波型形状、台形波型形状、又は、矩形波型形状である請求項1に記載の燃料電池スタック。
- 前記アノードガス拡散層及び/又は前記カソードガス拡散層は、金属多孔体からなる請求項1又は2に記載の燃料電池スタック。
- 隣接する前記アノードセパレータと前記カソードセパレータとの間に設けられた冷却水流路をさらに備えている請求項1から3までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
- 前記アノードガス拡散層と前記アノードセパレータとの接触面積割合は、40%以下であり、及び/又は、
前記カソードガス拡散層と前記カソードセパレータとの接触面積割合は、40%以下である請求項1から4までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。 - 次の式(2.4)が成り立つ請求項1から5までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
A/L≧0.1 …(2.4)
但し、
Aは、前記波型形状(A)の片振幅、
Lは、前記波型形状(A)の周期長。 - 次の式(3.3)が成り立つ請求項1から6までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
A/L2≦σmax/(2π2Et) …(3.3)
但し、
Aは、前記波型形状(A)の片振幅、
Lは、前記波型形状(A)の周期長、
σmaxは、前記電解質膜の降伏応力、
Eは、前記電解質膜のヤング率、
tは、前記電解質膜の厚さ。 - 次の式(4.2)が成り立つ請求項1から7までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
RL2 2≦0.1×4×3V/I …(4.2)
但し、
L2は、前記波型形状(A)の一周期分の曲線に沿った長さ、
Rは、前記ガス拡散層の面内電子抵抗、
Vは、最大出力時の電圧、
Iは、最大出力時の電流密度。 - 前記アノードガス拡散層と前記アノードセパレータとの間の隙間、及び/又は、前記カソードガス拡散層と前記カソードセパレータとの間の隙間には、多孔質材料からなる充填部材が挿入されている請求項1から8までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
- 前記アノードセパレータ及び前記カソードセパレータの少なくとも一方は、前記反応ガスが流れる方向に対して垂直方向の断面形状が波型形状(B)を有しており、
前記波型形状(A)の山部と前記波型形状(B)の山部又は谷部とが接触している
請求項1から9までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。 - 前記波型形状(B)は、正弦波型形状、三角波型形状、台形波型形状、又は、矩形波型形状である請求項10に記載の燃料電池スタック。
- 前記アノードセパレータ及び前記カソードセパレータの少なくとも一方は、平板型形状を有している請求項1から9までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
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