JP2021060529A - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像密着性に優れたポジ型感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)水酸基及びカルボキシル基を含有するポリイミド、(B)光酸発生剤、及び(C)式(1)で示されるカテコール化合物(式中、R1〜R4は、独立して、水素原子、アルキル(ここで、アルキルはヒドロキシ又はアミノで置換されていてもよい)、アルコキシ、カルボキシルであり、R1〜R4のうち、隣接する2つの基は一緒になって、環を形成していてもよい。)を含む、ポジ型感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、ドライフィルム及びプリント配線板や半導体素子等の電子部品に関する。
ポリイミドは、耐熱性、電気特性及び機械特性等において優れており、電子部品における表面保護膜、層間絶縁膜等に広く用いられている。表面保護膜等の形成には、アルカリ水溶液で現像可能なポジ型感光性樹脂組成物が用いられることが多いが、ポリイミドは、一般に、アルカリ水溶液には不溶であるため、ポジ型感光性樹脂組成物には、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸が配合される。しかしながら、このようなポジ型感光性樹脂組成物を使用した場合、イミド化のための熱処理工程が必要である。
最近、係る熱処理工程を不要とすべく、アルカリ水溶液に可溶なポリイミドが開発され、該ポリイミドと光酸発生剤とを組み合わせることで、フォトリソグラフィーによるパターン形成を可能としたポジ型感光性樹脂組成物が提案されている。
例えば、特許文献1では、ポリマー主鎖末端に、カルボキシル基、芳香族性水酸基及びスルホン酸基からなる群より選ばれた官能基を少なくとも一つ有するアルカリ溶解性ポリイミドと、キノンジアジドを組み合わせたポジ型感光性樹脂組成物が提案されている。
特許文献2では、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機溶媒可溶性アミド、光酸発生剤、炭素−炭素二重結合を有する化合物を所定量で含むポジ型感光性樹脂組成物が提案されている。
特許文献3では、ポリイミド構造を有するアルカリ水溶液可溶性重合体と光酸発生剤を含むポジ型感光性樹脂組成物に、直接Si原子と結合したアルコキシ基等の官能基を合計4官能基以上含有するシラン化合物を所定の量で配合したポジ型感光性樹脂組成物が提案されている。
特開2009−269936号公報 特開2008−107419号公報 特開2008−276190号公報
ポリイミドを使用したポジ型感光性樹脂組成物については、露光・現像後の組成物の塗膜が基材から剥がれやすいという現像密着性の問題がある。上記特許文献の感光性樹脂組成物では、感光性が低く、現像によって膨潤や剥離が生じるため、微細なパターンが形成できないという問題があった。一方、電子部品の作製においては、パターンの微細化への対応が要求されており、これに応えるため、現像密着性の一層の向上が求められていた。
そこで、本発明は、現像密着性に優れたポジ型感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定のポリイミドと光酸発生剤を含むポジ型感光性樹脂組成物に、特定のカテコール化合物を配合することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記の現像密着性の問題は、現像時に、基材と塗膜との間に現像液が浸透するなどして、塗膜を剥がれやすくしていることが原因であり得るところ、特定のカテコール化合物を加えることによって、該化合物が基材に作用し、基材と塗膜との間への現像液の浸透が抑制され、剥がれが防止されることで、現像密着性の向上が図られるものと推測される。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1](A)水酸基及びカルボキシル基を含有するポリイミド、
(B)光酸発生剤、及び
(C)式(1):
Figure 2021060529
(式中、R〜Rは、独立して、水素原子、アルキル(ここで、アルキルはヒドロキシ又はアミノで置換されていてもよい)、アルコキシ、カルボキシルであり、R〜Rのうち、隣接する2つの基は一緒になって、環を形成していてもよい)で示されるカテコール化合物
を含む、ポジ型感光性樹脂組成物。
[2](A)が、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の重縮合体であり、前記ジアミン化合物が水酸基を含有するジアミン化合物とカルボキシル基を含有するジアミン化合物を含む、[1]又は[2]のポジ型感光性樹脂組成物。
[3]前記ジアミン化合物中、前記水酸基を含有するジアミン化合物と前記カルボキシル基を含有するジアミン化合物の合計が0.1〜100モル%である、[2]のポジ型感光性樹脂組成物。
[4](A)における、前記水酸基と前記カルボキシル基のモル割合(前記水酸基のモル数:前記カルボキシル基のモル数)が、100:0.5〜100:60である、[1]〜[3]のポジ型感光性樹脂組成物。
[5](C)が、炭素原子数1〜4のアルキル又は炭素原子数1〜4のアルコキシによって、モノ又はジ置換されているカテコールである、[1]〜[4]のいずれかのポジ型感光性樹脂組成物。
[6](A)100質量部に対して、
(B)が1質量部以上50質量部以下であり、かつ
(C)が0.01質量部以上30質量部以下である
[1]〜[5]のいずれかのポジ型感光性樹脂組成物。
[7][1]〜[6]のいずれのポジ型感光性樹脂組成物からなる樹脂層を有するドライフィルム。
[8][1]〜[6]のいずれかのポジ型感光性樹脂組成物又は[7]のドライフィルムからなる樹脂層を備える電子部品。
本発明によれば、現像密着性に優れ、パターンの微細化に対応可能なポジ型感光性樹脂組成物が提供される。また、該組成物からなる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物又は該ドライフィルムを用いて得られる樹脂層を備えたプリント配線板や半導体素子等の電子部品が提供される。
[ポジ型感光性樹脂組成物]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)水酸基及びカルボキシル基を含有するポリイミド、(B)光酸発生剤、及び(C)上記式(1)で示されるカテコール化合物を含む。
<(A)水酸基及びカルボキシル基を含有するポリイミド>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)水酸基及びカルボキシル基を含有するポリイミド(以下「(A)のポリイミド」ともいう。)を含む。水酸基はフェノール性水酸基であることができる。
(アルカリ可溶性)
(A)のポリイミドは、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸のイミド化率が50%以上であるポリイミドであって、構造中、水酸基とカルボキシル基を含有しており、アルカリ水溶液に可溶性を示すことができる。
ここで、アルカリ水溶液に可溶性を示すとは、厚み5μmのポリイミドの乾燥膜が21〜25℃のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38%水溶液に対し、450秒以内に可溶することをいう。
ポリイミドは、下記の反応スキーム1に示されるように、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物との重縮合反応により、ポリイミド前駆体を製造し、この前駆体の脱水閉環反応によりポリイミド化することにより得ることができる。
その際、ジアミン化合物として、水酸基を含有するジアミン化合物、カルボキシル基を含有するジアミン化合物を使用することにより、ポリイミドに水酸基及びカルボキシル基を導入することができる。
Figure 2021060529
反応スキーム1におけるポリイミド中のYは、テトラカルボン酸二無水物中のY(テトラカルボン酸二無水物残基)に対応し、ポリイミド中のXは、ジアミン化合物中のX(ジアミン化合物残基)に対応する。以下におけるテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物に関する記載は、ポリイミド中のY(テトラカルボン酸二無水物残基)、X(ジアミン化合物残基)にも適用される。
(テトラカルボン酸二無水物)
テトラカルボン酸二無水物は、特に限定されず、芳香族テトラカルボン酸二無水物であっても、脂肪族テトラカルボン酸二無水物であってもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物は、1分子内に1個の芳香環を有していても、2個以上の芳香環を有していてもよく、縮合芳香環を有していてもよい。
1分子内に1個の芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
1分子内に独立した2個以上の芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物、4,4-(p-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4-(m-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,2’,6,6’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等が挙げられる。
1分子内に縮合芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物としては、1,2,5,6-ナフタレンジカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンジカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンジカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物は、脂環式テトラカルボン酸二無水物であってもよく、鎖状脂肪族テトラカルボン酸二無水物であってもよい。
脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3’,4,4’-ビシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-テトラメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、トリシクロ[6.4.0.0(2,7)]ドデカン-1,8:2,7-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸無水物、1,1’-ビシクロヘキサン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
鎖状脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、meso-ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物として、シリコーン系テトラカルボン酸二無水物、例えば、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物(4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)-ジフタル酸二無水物)、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’,5,5’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’-(ヘキサフルオロトリメチレン)ジフタル酸二無水物、4,4’-(オクタフルオロテトラメチレン)ジフタル酸二無水物、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’,5,5’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’-(ヘキサフルオロトリメチレン)ジフタル酸二無水物、4,4’-(オクタフルオロテトラメチレン)ジフタル酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物等のフッ素原子を含むテトラカルボン酸二無水物を用いることもできる。
テトラカルボン酸二無水物は、感光性樹脂組成物とした場合に、アルカリ水溶液に対する露光部の可溶性と未露光部の耐可溶性のバランスが優れる点から、1分子内に独立した2個以上の芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましく、その中でも、光透過性に優れ、感光性が向上する点およびパターン膜としての機械特性に優れる点から、エーテル結合を有するテトラカルボン酸がより好ましく、4,4’-オキシジフタル酸二無水物がさらに好ましい。
テトラカルボン酸二無水物は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
(ジアミン化合物)
水酸基を含有するジアミン化合物は、1分子内に1個の水酸基を有していても、2個以上の水酸基を有していてもよい。水酸基を有するジアミン化合物は、芳香族ジアミン化合物であってもよく、脂肪族ジアミン化合物であってもよい。水酸基を有するジアミン化合物は、分子内にフッ素原子を含有していてもよい。
1分子内に1個の水酸基を含有するジアミン化合物としては、2,4−ジアミノフェノール等が挙げられる。
1分子内に2個の水酸基を含有するジアミン化合物としては、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシビフェニル、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9’-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)フルオレン等が挙げられる。
水酸基を含有するジアミン化合物は、ポリイミドにアルカリ水溶液への可溶性を付与すると共に、感光性樹脂組成物とした場合に、光酸発生剤と組合せることで優れた溶解阻害効果が得られる点から、1分子内に2個の水酸基を含有するジアミン化合物を用いることが好ましく、さらにフッ素基を含有するジアミンがより好ましく、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンがさらに好ましい。
水酸基を含有するジアミン化合物は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
カルボキシル基を含有するジアミン化合物は、1分子内に1個のカルボキシル基を有していても、2個以上のカルボキシル基を有していてもよい。カルボキシル基を有するジアミン化合物は、芳香族ジアミン化合物であってもよく、脂肪族ジアミン化合物であってもよい。
カルボキシル基を含有するジアミン化合物としては、3,5-ジアミノ安息香酸等のジアミノ安息香酸、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’,5,5’-テトラカルボキシビフェニル等のカルボキシビフェニル化合物、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジカルボキシジフェニルメタン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシジフェニルメタン等のカルボキシジフェニルアルカン、4,4’-ジアミノ-2,2’,5,5’-テトラカルボキシジフェニルエーテル等のカルボキシジフェニルエーテル化合物、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシジフェニルスルホン等のジフェニルスルホン化合物、2,2-ビス[4-(4-アミノ-3-カルボキシフェニル)フェニル]プロパン等のビス(ヒドロキシフェノキシ)ビフェニル化合物、2,2-ビス[4-(4-アミノ-3-カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン等のビス[(カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン化合物等が挙げられる。
カルボキシル基を含有するジアミン化合物は、ポリイミドの保存安定性の点から、1分子内に1個のカルボキシル基を含有するジアミンが好ましく、芳香族ジアミンがより好ましく、3,5-ジアミノ安息香酸がさらに好ましい。
カルボキシル基を含有するジアミン化合物は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
水酸基及びカルボキシル基のいずれも含有しないジアミン化合物(以下、「他のジアミン化合物」ともいう。)を使用してもよい。他のジアミン化合物は、芳香族ジアミン化合物であってもよく、脂肪族ジアミン化合物であってもよい。この場合、芳香族ジアミン化合物は、1分子内に1個の芳香環を有していても、1分子内に独立した2以上の芳香環を有していても、1分子内に縮合芳香環を有していてもよい。
1分子内に1個の芳香環を有する他のジアミン化合物としては、例えば、1,4-フェニレンジアミン、1,2-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミン等が挙げられる。
1分子内に独立した2以上の芳香環を有する他のジアミン化合物としては、例えば、4,4’-(ビフェニル-2,5-ジイルビスオキシ)ビスアニリン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ネオペンタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニル(3,3’-ジメチルベンジジン)、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、N-(4-アミノフェノキシ)-4-アミノベンズアミン、ビス(3-アミノフェニル)スルホン、ノルボルナンジアミン等が挙げられる。
1分子内に縮合芳香環を有する他のジアミン化合物としては、4,4’-(9-フルオレニリデン)ジアニリン、2,7-ジアミノフルオレン、1,5-ジアミノナフタレン、3,7-ジアミノ-2,8-ジメチルジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド等が挙げられる。
上記以外の他のジアミン化合物としては、シリコーン系ジアミン化合物、4-フルオロ-1,2-フェニレンジアミン、4-フルオロ-1,3-フェニレンジアミン、3-トリフルオロメチル-1,5-フェニレンジアミン、4-トリフルオロメチル-1,5-フェニレンジアミン、4-トリフルオロメチル-1,2-フェニレンジアミン、2-トリフルオロメチル-1,4-フェニレンジアミン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノ-2-(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノ-2,2’-(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’-ジアミノ-2-メチル-2’-トリフルオロメチルビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-{4-アミノ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ}フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-アミノ-4-メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2、2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス{4-(4-アミノフェノキシ)-3,5-ジブロモフェニル}ヘキサフルオロプロパン等のフッ素原子を含むジアミン化合物、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン等のポリエーテルジアミン等が挙げられる。
他のジアミン化合物を使用する場合、他のジアミン化合物は、パターン膜の機械特性の点から、エーテル結合を含有するジアミンが好ましい。
他のジアミン化合物を使用する場合、他のジアミン化合物は単独でも、2種以上を併用してもよい。
(水酸基を含有するジアミン化合物及びカルボキシル基を含有するジアミン化合物の量)
(A)のポリイミドは、良好なパターン膜の解像度及びパターン膜の応力緩和の点から、ジアミン化合物100モル%中、水酸基を含有するジアミン化合物と前記カルボキシル基を含有するジアミン化合物の合計が、0.1モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、さらに好ましくは10モル%以上である。水酸基を含有するジアミン化合物と前記カルボキシル基を含有するジアミン化合物の合計の上限は特に限定されず、100モル%であってもよく、例えば、90モル%以下であってもよい。
(A)のポリイミドは、現像液による未露光部の溶解や膨張を回避し、露光部の良好な感度及び現像液への優れた溶解性を確保する点から、水酸基及びカルボキシル基のモル割合(水酸基のモル数:前記カルボキシル基のモル数)が、100:0.5〜100:60であることが好ましく、100:5〜100:40であることがより好ましい。
(A)のポリイミドの数平均分子量(Mn)は、5,000以上が好ましく、8,000以上がより好ましく、また、100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましい。本明細書において、数平均分子量は、(GPC)で測定し、標準ポリスチレンで換算した数値である。
(A)のポリイミドの重量平均分子量(Mw)は、10,000以上が好ましく、16,000以上がより好ましく、また、200,000以下が好ましく、180,000以下がより好ましい。本明細書において、重量平均分子量は、(GPC)で測定し、標準ポリスチレンで換算した数値である。
Mw/Mnは1以上が好ましく、また、15以下が好ましく、13以下がより好ましい。
(A)のポリイミドは、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)のポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物からポリイミド前駆体を製造し、これをイミド化することにより製造することができる。テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物から直接ポリイミドを製造してもよい。反応条件は、特に限定されず、適宜設定することができる。
(A)のポリイミドは、下記の反応スキーム2に示されるように、ジイソシアネート化合物を用いて製造することもできる。その場合は、上記ジアミン化合物に対応するジイソシアネート化合物を用いればよい。
Figure 2021060529
(A)のポリイミドは、単独でも、2種以上を併用してもよい。
<(B)光酸発生剤>
(B)の光酸発生剤は、光エネルギーを吸収することにより酸を発生する化合物であれば、特に限定されない。例えば、ナフトキノンジアジド化合物、ジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、芳香族N−オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ベンゾキノンジアゾスルホン酸エステル等が挙げられる。
(B)の光酸発生剤は、溶解阻害剤であることが好ましい。中でもナフトキノンジアジド化合物が好ましい。ナフトキノンジアジド化合物としては、例えば、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル}フェノールのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のTKF528)、トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のTS533,TS567,TS583,TS593)、テトラヒドロキシベンゾフェノンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のBS550,BS570,BS599)等が挙げられる。
(B)の光酸発生剤は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
<(C)式(1)で示されるカテコール化合物>
本発明は、(C)式(1):
Figure 2021060529
(式中、R〜Rは、独立して、水素原子、アルキル(ここで、アルキルはヒドロキシ又はアミノで置換されていてもよい)、アルコキシ、カルボキシルであり、R〜Rのうち、隣接する2つの基は一緒になって、環を形成していてもよい)で示されるカテコール化合物(以下「(C)のカテコール化合物」ともいう。)を含む。(C)のカテコール化合物を加えることによって、該化合物が基材に作用し、基材と、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成される塗膜との間への現像液の浸透が抑制され、剥がれが防止されで、現像密着性が向上することが期待される。
〜Rにおけるアルキルは、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、炭素原子数は1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が挙げられ、tert−ブチルが好ましい。
アルキルはヒドロキシで置換されていてもよく、例えば、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。アルキルはアミノで置換されていてもよく、例えば、アミノメチル、2−アミノエチル等が挙げられる。良好な解像度を得る点からは、アルキルは非置換であることが好ましい。
アルコキシは、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、炭素原子数は1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブブトキシ、tert-ブトキシ等が挙げられ、メトキシ、エトキシが好ましい。
〜Rのうち、隣接する2つの基は一緒になって環を形成していてもよく、環は5〜8の炭素環であることができる。
良好な溶解性及び解像度の点から、(C)のカテコール化合物は、非置換であるか、アルキル(好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル)又はアルコキシ(好ましくは炭素原子数1〜4のアルコキシ)によって、モノ又はジ置換されているカテコールである。
具体的には、
が、アルキル(好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル)又はアルコキシ(好ましくは炭素原子数1〜4のアルコキシ)であり、そしてR〜Rが水素原子である、式(1)の化合物;
が、アルキル(好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル)又はアルコキシ(好ましくは炭素原子数1〜4のアルコキシ)であり、そしてR、R及びRが水素原子である、式(1)の化合物;
及びRが、アルキル(好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル)又はアルコキシ(好ましくは炭素原子数1〜4のアルコキシ)であり、そしてR及びRが水素原子である、式(1)の化合物
が挙げられる。
中でも、4−tert−ブチルカテコール、3,5−ジ−tert−ブチルカテコール、3−メトキシカテコールがより好ましい。
(C)のカテコール化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<(A)〜(C)の配合量>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)のポリイミド100質量部に対し、(B)光酸発生剤を1質量部以上50質量部以下で含むことができる。パターン膜の解像度が優れる点から、2質量部以上が好ましく、また、パターン膜の機械特性に優れる点から、5質量部以下が好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)のポリアミド100質量部に対し、(C)のカテコール化合物を0.01質量部以上30質量部以下で含むことができる。良好な現像密着性を得つつ、未露光部がアルカリ溶解性となることを回避する点から、1質量部以上が好ましく、3.5質量部以上であってもよい。また、未露光部の残膜率が優れる点から、15質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。
<(D)シランカップリング剤>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(D)シランカップリング剤を含有していてもよい。シランカップリング剤を配合することにより、基材との密着性を一層向上させることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、等が挙げられる。乾燥後の基板への密着性向上の点から、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
シランカップリング剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤を用いる場合、架橋剤は、(A)ポリイミド100質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、また、30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
<(E)有機溶媒>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(D)有機溶媒を含むことができる。有機溶媒は、(A)のポリイミド、(B)光酸発生剤、(C)のカテコール化合物、ならびに場合により配合される任意成分を溶解するものであれば、特に限定されない。有機溶媒は、(A)のポリイミドの合成反応で用いた溶媒をそのまま残留させたものでもよい。
有機溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N-アセチル-2-ピロリドン、N-ベンジル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N-アセチル-ε-カプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、γ-ブチロラクトン、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酪酸エチル、酢酸メトキシブチル、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等が挙げられる。露光部のアルカリ可溶性の点から、乳酸エチルが好ましく、γ-ブチロラクトンがより好ましい。
有機溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶媒を用いる場合、塗布する膜厚、粘度等に応じて、有機溶媒の量を選択することができるが、(A)のポリイミド100質量部に対し、50質量部以上が好ましく、150質量部以上がより好ましく、また、900質量部以下が好ましく、700質量部以下がより好ましい。
<任意成分>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の成分を含有してもよい。例えば、シランカップリング剤以外のカップリング剤(例えば、チタンカップリング剤等)、密着性向上剤、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子(ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、コロイダルシリカ、カーボン、層状ケイ酸塩等の無機微粒子等)、着色剤、繊維等を含有することができる。
<ポジ型感光性樹脂組成物の製造方法>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)のポリイミド、(B)光酸発生剤、(C)のカテコール化合物、ならびに場合により(D)シランカップリング剤、(E)有機溶媒及びその他の任意成分を混合することにより製造することができる。(A)のポリイミドについて、合成反応で用いた溶媒をそのまま残留させておき、その他の成分を配合してもよい。
ポジ型感光性樹脂組成物の粘度は、20mPa・s以上が好ましく、200mPa・s以上がより好ましく、また、50Pa・s以下が好ましく、10Pa・s以下がより好ましい。本明細書において、粘度は、コーンプレート型粘度計により、25℃で測定した数値である。
<ドライフィルム>
本発明のドライフィルムは、本発明のポジ型感光性樹脂組成物をフィルムに塗布後、乾燥させて得られる樹脂層を有する。本発明のドライフィルムは、樹脂層を、基材に接するようにラミネートして使用される。
塗布の方法は、特に限定されず、ブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等を用いて、行うことができる。塗布厚は、塗布の方法、粘度等によって選択することができるが、乾燥後の樹脂層の膜厚にして100μm以下となる塗布厚が好ましく、5μm以上50μm以下となる塗布厚がより好ましい。
ポジ型感光性樹脂組成物を塗布するフィルム(キャリアフィルム)は、特に限定されず、熱可塑性フィルムを使用することができ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。フィルムの厚さは、2μm以上150μm以下とすることができる。
乾燥の方法は、特に限定されず、乾燥温度は、70℃以上140℃以下とすることができる。樹脂層の膜厚は、100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましい。
乾燥させて得られる樹脂層の上に、カバーフィルムを積層することが好ましい。カバーフィルムはフィルム(キャリアフィルム)と同じ材料であっても、異なる材料であってもよいが、樹脂層との接着力がフィルム(キャリアフィルム)よりも小さいものが好ましい。
カバーフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等も好適に使用することができる。
<パターン膜>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物又はドライフィルムを用いて、基材上にパターン膜を形成することができる。
ステップ1:
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥するか、又はドライフィルムから樹脂層を基材上に転写することにより塗膜を得る。ポジ型感光性樹脂組成物の基材上への塗布方法は、特に限定されず、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法、インクジェット法等が挙げられる。塗膜の乾燥方法は、特に限定されず、風乾、オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等が挙げられる。塗膜の乾燥条件は、特に限定されず、例えば、自然乾燥、送風乾燥又は加熱乾燥を60℃以上140℃以下で1分以上60分以下の条件で行うことが挙げられ、ホットプレートあるいは送風式オーブン内で1分以上60分以下で乾燥を行うことが好ましい。真空乾燥も可能であり、この場合、室温(25℃)で3分以上2時間以下の条件で行うことが挙げられる。
基材は、特に限定されず、シリコンウェハー等の半導体基材、配線基板、樹脂又は金属からなる基材等が挙げられる。
ステップ2:
上記塗膜を、パターンを有するフォトマスクを介するか、又は直接露光する。露光に用いる光線は、(B)光酸発生剤を活性化させ、酸を発生させることができる波長の光線とし、具体的には、最大波長が350nm以上410nm以下の範囲にある光線が挙げられる。増感剤を用いて、光感度を調整してもよい。
露光装置は、特に限定されず、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー、レーザーダイレクト露光装置等が挙げられる。
ステップ3:
次いで、塗膜を現像液で処理し、塗膜の露光部分を除去して、パターン膜を形成することができる。
現像方法は、特に限定されず、公知のフォトレジストの現像方法を用いることができ、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法等が挙げられる。
現像液は、特に限定されず、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類;エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の四級アンモニウム塩類等の水溶液が挙げられる。メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤を添加してもよい。
その後、パターン膜をリンス液によって洗浄してもよい。リンス液は、特に限定されず、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ステップ5:
その後、パターン膜を乾燥させてもよい。パターン膜の乾燥方法は、特に限定されず、風乾、オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等が挙げられる。塗膜の乾燥条件は、特に限定されず、例えば、自然乾燥、送風乾燥又は加熱乾燥を150℃以上320℃以下で10分以上180分以下の条件で行うことが挙げられ、ホットプレートあるいは不活性ガスオーブンで10分以上180分以下で乾燥を行うことが好ましい。真空乾燥も可能であり、この場合、室温(25℃)で10分以上300時間以下の条件で行うことが挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の用途は、特に限定されず、印刷インキ、接着剤、充填剤、電子材料、光回路部品、成形材料、レジスト材料、建築材料、3次元造形、光学部材等が挙げられる。特に、ポリベンゾオキサゾールの耐熱性、寸法安定性、絶縁性等の特性が有効とされる分野に好適に使用することができ、例えば、塗料又は印刷インキ、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体素子の被覆膜、電子部品、層間絶縁膜、ソルダーレジスト等のプリント配線板の被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築材料の材料が挙げられる。
中でも、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を、パターン形成材料(レジスト)として用いることができる。形成したパターン膜は、ポリイミドを含む永久膜として耐熱性、絶縁性の付与に貢献し、例えばカラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、電子部品、半導体素子の被覆膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストやカバーレイ膜等のプリント配線板の被覆膜、ソルダーダム、光回路、光回路部品、反射防止膜、その他の光学部材、電子部材等に好適に用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。以下において「部」及び「%」は、特に断りのない限り、質量基準である。
<ポリイミドの合成>
ポリイミド1を以下のようにして合成した。
ヒーター、トの字管を取り付けた還流器、温度計、撹拌子を取り付けた1000mL三つ口フラスコにエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート(新日本理化(株)製リカシッド TMEG―100) 30.19g(0.0758mol)、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA) 22.82g(0.0758mol)、3,5-ジアミノ安息香酸(DABz) 3.58g(0.02357mol)、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FAP) 34.52g(0.0943mol)、ポリオキシプロピレンジアミン(BASF製 Baxxodur EC302)13.3g(0.03032mol)、γ−ブチロラクトン270mL加え、2時間撹拌した。ピリジン7.27g、トルエン20gを加えた。窒素雰囲気下で15分撹拌後、ヒーター温度を220℃に設定し、10分間撹拌し固体が完全に溶解したのを確認した。その後24時間撹拌しながら、トルエン、ピリジン及び水を除去した。加熱を停止し、アルカリ可溶性ポリイミドを得た。GPC測定によるポリスチレン換算分子量はMn=12,000、Mw=150,000であった。
ポリイミド2〜4を、以下のようにして合成した。ポリイミド4は、比較のための樹脂である。
ポリイミド2
DABzの添加量を6.72g(0.0442mol)、6FAPの添加量を26.94g(0.0736mol)に変更した以外はポリイミド1と同様に合成した。GPC測定によるポリスチレン換算分子量はMn=10,600、Mw=128,000であった。
ポリイミド3
DABzの添加量を8.96g(0.0589mol)、6FAPの添加量を21.57g(0.0589mol)に変更した以外はポリイミド1と同様に合成した。GPC測定によるポリスチレン換算分子量はMn=11,100、Mw=128,000であった。
ポリイミド4
DABzの添加量を0g(0.00mol)、6FAPの添加量を43.144g(0.11783mol)に変更した以外はポリイミド1と同様に合成した。GPC測定によるポリスチレン換算分子量はMn=17,800、Mw=169,000であった。
ポリイミド1〜4の厚み5μmの乾燥膜は、21〜25度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38%水溶液に対し、450秒以内に可溶した。
<ワニスの合成>
実施例1
5gのポリイミド1、0.75gの光酸発生剤、0.15gの水酸基含有化合物1、0.25gのシランカップリング剤、有機溶媒として28.3gのγ―ブチロラクトンを、100g遮光容器に投入し、室温(25℃)で10分撹拌してワニスを得た。各成分の種類・量を表1に示すように変更した他は、実施例1と同様にして、実施例及び比較例のワニスを調製した。表中の各成分の量は質量部表示である。
実施例で使用したポリイミド以外の成分は、以下のとおりである。
光酸発生剤:
Figure 2021060529
(三宝化学研究所社製、TKF528)
水酸基含有化合物1〜11(水酸基含有化合物9〜11は比較のための化合物である。)
Figure 2021060529
シランカップリング剤:
Figure 2021060529
(信越化学工業社製、KBM−573)
各実施例及び比較例のワニスについて、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<現像密着性>
各ワニスをシリコンウェハー上にスピンコートして、90℃で3分間加熱し、膜厚6μmの塗膜を形成した。1μm〜10μm(1μm刻み)のラインパターンが描かれたクロムマスクを用いてi線400mJ/cm照射し、その後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で現像した。
現像後、イオン交換水で現像液を除去し、ドライエアーを吹付けてパターン膜面積の内、はく離が発生しなかったものを○、1〜9%剥離が発生したもの△:10%以上剥離が発生したものを×とした。
<解像度>
各ワニスをシリコンウェハー上にスピンコートして、90℃で3分間加熱し、膜厚6μmの塗膜を形成した。1μm〜10μm(1μm刻み)のラインパターンが描かれたクロムマスクを用いてi線400mJ/cm2照射し、その後、2.38%TMAHで基板まで現像した。現像後、イオン交換水で現像液を除去し、ドライエアーを吹付けてパターン塗膜を得た。SEMでパターンが形成された最小の線幅を解像度とした。
Figure 2021060529
実施例1〜13の各ワニスは、現像密着性が良好であり、中でも水酸基含有化合物が3〜10質量である実施例1〜3、5〜13は、優れた現像密着性を示した。ポリイミド2及び3を使用した実施例2〜13は感度が良好であった。実施例の各ワニスは、十分な解像度を示したが、中でも水酸基含有化合物1、2、4及び5を使用した場合に、高い解像度が得られた。
一方、ポリイミドがカルボキシル基を含有しておらず本発明の範囲外である比較例1、水酸基含有化合物を含まない比較例2、本発明の範囲外の水酸基含有化合物を含む比較例3〜5は、十分な現像密着性が得られなかった。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、現像密着性に優れており、パターンの微細化への対応が可能であり、産業上有用性が高い。

Claims (8)

  1. (A)水酸基及びカルボキシル基を含有するポリイミド、
    (B)光酸発生剤、及び
    (C)式(1):
    Figure 2021060529
    (式中、R〜Rは、独立して、水素原子、アルキル(ここで、アルキルはヒドロキシ又はアミノで置換されていてもよい)、アルコキシ、カルボキシルであり、R〜Rのうち、隣接する2つの基は一緒になって、環を形成していてもよい)で示されるカテコール化合物
    を含む、ポジ型感光性樹脂組成物。
  2. (A)が、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の重縮合体であり、前記ジアミン化合物が水酸基を含有するジアミン化合物とカルボキシル基を含有するジアミン化合物を含む、請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記ジアミン化合物中、前記水酸基を含有するジアミン化合物と前記カルボキシル基を含有するジアミン化合物の合計が0.1モル%以上100モル%以下である、請求項2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. (A)における、前記水酸基と前記カルボキシル基のモル割合(前記水酸基のモル数:前記カルボキシル基のモル数)が、100:0.5〜100:60である、請求項1〜3のいずれか1項記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. (C)が、炭素原子数1〜4のアルキル又は炭素原子数1〜4のアルコキシによって、モノ又はジ置換されているカテコールである、請求項1〜4のいずれか1項記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  6. (A)100質量部に対して、
    (B)が1質量部以上50質量部以下であり、かつ
    (C)が0.01質量部以上30質量部以下である
    請求項1〜5のいずれか1項記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のポジ型感光性樹脂組成物からなる樹脂層を有するドライフィルム。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項記載のポジ型感光性樹脂組成物又は請求項7のドライフィルムを用いて得られる樹脂層を備える電子部品。
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