JP2021060206A - 位置検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象物の移動距離を検出するコンパクトな位置検出装置を提供する。【解決手段】径が均一な出力コイル4と出力コイル4の外周に励磁コイル5とを有する磁気ヘッドと、出力コイル4の内部には、出力コイル4及び励磁コイル5に対して相対的に移動可能に設けられたターゲット1とを備え、出力コイル4及び励磁コイル5の長さは、略同寸法であることを特徴とする。このような構成によれば、測定対象物の移動距離を検出するコンパクトな位置検出装置を提供することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、検出対象物の変位を検出することが可能な位置検出装置に関する。
従来より、位置検出装置として差動変圧器が知られている(例えば特許文献1〜3)。
差動変圧器は、一次側コイル(励磁コイル)に交流電圧を印加し、2つの二次側コイル(検出コイル)に誘起される電圧の差分を検出するものである。差動変圧器においては、コイル内部に直線的に可動な磁性体コア(可動磁心)の位置により一次側コイルと2つの二次側コイルとの間の相互インダクタンス値が変化し、2つの二次側コイルに誘起される電圧差が生じる。そのため、検出対象に磁性体コアを連結し、磁性体コアの位置の変化を、二次側コイルの電圧差として検出することで、検出対象の位置の変化(変位)を検出する。
特開2002−139301号公報 特開2010−276482号公報 特開2019−15657号公報
差動変圧器は、直線上に並んだ2つの二次側コイルの内部で磁性体コアが移動可能に構成される必要がある。そのため、変位の測定領域の両側に2つの二次側コイルが展開しており、一般的には、測定領域の2.5倍〜3倍程度の長さのコイルが必要となる。従って、測定領域に対するデッドスペースが非常に大きくなる。
上記課題を鑑み、本発明は、従来の差動変圧器よりもコンパクトなサイズで構成された位置検出装置を提供することを課題とする。
本発明に係る位置検出装置は、
径が均一な出力コイルと前記出力コイルの外周に励磁コイルとを有する磁気ヘッドと、
前記出力コイルの内部には、前記出力コイル及び前記励磁コイルに対して相対的に移動可能に設けられた計測用ターゲットとを備え、
前記出力コイル及び前記励磁コイルの長さは、略同寸法であることを特徴とする。
このような位置検出装置とすることで、位置検出方向(計測用ターゲット又はコイルの移動方向)に対してデッドスペースが存在しなくなり、従来の差動変圧器と比較してコンパクトでシンプルな位置検出装置を得ることができる。
上記の構成で、前記励磁コイルの延長線上に、さらにリファレンスコイルを設けてもよい。
外乱要因を排除でき、温度特性等が向上する。
上記の構成で、リファレンスコイル及びリファレンス用ターゲットに代えて、励磁コイルの外周または内周に温度センサを装着してもよい。
温度センサの選定については、要求温度等に合わせて、例えば、サーミスタ、サーモカップル、熱電対、測温抵抗体等を用いることができる。
また、上述したリファレンスコイルを励磁コイルの延長線上に設ける実施態様とは別の実施態様として、リファレンスコイルとリファレンス用ターゲットとを別途、前記計測用ターゲットの動作範囲外に設置すると共に、前記励磁コイル及び出力コイルと前記計測用ターゲットとで構成される測定系との間に磁気シールド部材が設けられた構成としてもよい。磁気シールド部材は磁気シールドフィルムや磁気シールド板など既知の部材を用いることができる。この態様は、計測用ターゲットとリファレンス用ターゲットが異なるため、磁気シールド部材を用いて計測系の磁束変化の影響を避ける構成とする必要があるが、リファレンスコイルの出力電圧と計測系の出力コイルの出力電圧の差分を用いることで温度特性が向上する。そして、上記構成によれば、計測用ターゲットにリファレンスコイルを設ける必要がないため、位置検出装置全体をコンパクトに設計することが可能となる。
この場合、好ましくは急激な外部温度の変化を防ぐと共に、耐振動性を確保するため、ヘッド部保護ケース内のコイル、ボビン、シールド部材の周囲に、断熱材を挿入してもよい。断熱材としてセラミックスファイバー、シリカ、ガラス繊維、フッ素樹脂、酸化マグネシウム、ロックウール等が想定される。なお、断熱材を挿入すると防振効果もあり、出力が安定する。
計測用ターゲットの外径が、ボビン内径と比較して太い場合(例えば内径×0.8以上とした時)液体の流れに抵抗が発生して、液体で使用時に内圧が発生する場合がある。このようなときには、計測用ターゲットの外周の一部を削り取って(例えば1面取りとか2面取りを行って)、液体の流れを阻害しないような構成を採用してもよい。このようにすると、計測用ターゲットとして珪素鋼板の平面材で構成して、圧損を減らすと共に、平面のためエッジ効果が発生して、高出力が得られる利点がある。
外部からの横荷重に柔軟に対応するため、計測用ターゲットをばね鋼で構成する。この材質として透磁率を重視した珪素鋼板・硬鋼線、耐触も重視したSUS材、渦電流損を重視したリン青銅を用いる。
計測用ターゲットの端面は、エッジ効果を下げるため、球面又はテーパ状の構成とする
珪素鋼板とシリンダロッドとの固定方法として、ノッチを儲け、外周部には固定用のハリを設ける。
前記励磁コイルと前記出力コイル間には、絶縁テープを施し、計測用ターゲットの熱影響による外径寸法の熱変形を受けないように構成してもよい。ロッド内にセンサを入れた場合、空中ノイズはロッドでシールドされるので、主なノイズはケーブルから入ると考えられ、差動変圧器のように加算キャンセルされる。
コイルの巻き方は端部のエッジ効果を減らすため、各相で、最小部から徐々にテーパ状に全長が短くなる様に巻いて、コイルの端部に発生する磁力線のエッジ効果を避けることが好ましい。強透磁性体の透磁率差を利用した計測用ターゲットを使う場合と、渦電流損差を利用した計測用ターゲットとでは、位置に対する出力は逆転する。この変化は連続的であり、近似の多項次曲線となる。この曲線を直線的とか、変化率を変えたい場合、逆勾配の漸近線で計測用ターゲットの形状を変えて、これを補正することが出来る。
本発明によれば、コンパクトなサイズで構成された位置検出装置を提供することができる。
実施形態1の位置検出装置の主要断面図。図1(b)、(c)は、図1(a)の拡大図である。 実施形態2の位置検出器の断面図。 実施形態3における位置検出装置のセンサー部の構成を示す断面図。図3(a)は、位置検出装置のセンサー部に温度センサ7が設置されている。図3(b)は、センサー部が断熱材で覆われている。 実施形態3における温度補償を行うための回路ブロックの構成図 実施形態4における位置検出器のセンサー部の主要断面図。 実施形態5における計測用ターゲット1の先端形状を示す断面図。 実施形態6を示し、上記の実施形態において示す位置検出器を、油圧装置に組み込んだ例を示す図。 計測用ターゲット1として鉄を用いた場合の出力コイル4から出力される電圧の計測用ターゲット1の位置(変位)依存性を示すグラフである。 出力コイル4として第1の出力コイル41及び第2の出力コイル42の構成とした場合において、出力電圧と計測用ターゲット1の位置の関係を示すグラフである。 実施形態3において、計測用ターゲット1を特定の位置に固定し、出力コイル4からの出力電圧の温度依存性を測定した結果を示すグラフ。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は、いずれも本発明の要旨の認定において限定的な解釈を与えるものではない。また、同一又は同種の部材については同じ参照符号を付して、説明を省略することがある。
(実施形態1)
図1に実施形態1の位置検出装置の主要断面図を示し、図1(b)、(c)は、図1(a)の拡大図である。
計測用ターゲット1(磁気応答体)が、円筒形状のシリンダ2(筐体)内部を直線的に移動可能に設置されている。計測用ターゲット1の図中左端部には、(図示しない)検出対象が連結されており、検出対象物が、図中X方向(左右方向)に移動すると、計測用ターゲット1もX方向に移動する。
筐体2の外部には、ボビン3が設置され、ボビン3の外部には出力コイル4及び励磁コイル5が巻回されている。ボビン3として、例えば耐食性、耐久性に優れたSUS316等を用いることができるが、樹脂を用いてもよい。出力コイル4と励磁コイル5との積層構造が、位置検出装置のセンサー部(磁気ヘッド)を構成する。
図1(b)に示すように、出力コイル4及び励磁コイル5は、同じX方向の長さ(L)を有している。出力コイル4(励磁コイル5)の左端部の位置はX=0であり、右端部の位置はX=Lである。
計測用ターゲット1は、その右端部のX方向の位置がX=0(図1(b))である配置と、その右端部のX方向の位置がX=L(図1(c))である配置との間で移動する場合に、計測用ターゲット1のX方向の位置を検出することが可能となる。図1(b)の配置では、X=0からX=Lまで、計測用ターゲット1が展開されており、従って計測用ターゲット1のX方向の長さはL以上であることが必要である。
なお、計測用ターゲット1の移動範囲は、図1(b)に示される配置と図1(c)に示される配置の範囲内で設定する。
以下、計測用ターゲット1(及び計測用ターゲット1に連結された検出対象)のX方向の位置を検出する原理について説明する。
励磁コイル5に対して、図示しない交流電源から交流電圧を印加すると、励磁コイル5によって、交番磁界が発生する。この結果、シリンダ2内部においても交番磁界が発生する。励磁コイル5による交番磁界によって、出力コイル4に誘導電圧が発生する。励磁コイル5と出力コイル4との相互インダクタンスにより、出力コイル4に誘導される電圧が変化する。
計測用ターゲット1は、印加される磁気に対して応答する特性を有しており、例えば(ケース1)透磁率の高い材料又は(ケース2)非磁性の導電体を使用することができる。
(ケース1)計測用ターゲット1として、透磁率の高い材料(又は強磁性体)を用いた場合、計測用ターゲット1が図1(b)で示す配置から図1(c)で示す配置へと移動するに従い、出力コイル4と励磁コイル5との相互インダクタンスが減少する。その結果、出力コイル4により誘導される電圧減少する。計測用ターゲット1として、例えば、パーマロイ、フェライト、鉄、ニッケル、コバルト、珪素鋼板、硬鋼線材や耐食性を有する(又は耐食処理を施した)強磁性のSUS材を使用できる。
(ケース2)計測用ターゲット1として、非磁性の導電体を用いた場合、計測用ターゲット1において渦電流損失が発生する。計測用ターゲット1が図1(b)で示す配置から図1(c)で示す配置へと移動するに従い、渦電流損失が減少し、出力コイル4と励磁コイル5との相互インダクタンスが増大する。その結果、出力コイル4により誘導される電圧が増大する。
計測用ターゲット1として、例えば、非磁性の高導電性金属( 好適には、抵抗率が1 0 − 7 Ω m 台又はそれ以下の導電体)例えば、銅、アルミニウム、銀、リン青銅等を使用できる。
従って、上記(ケース1)、(ケース2)のいずれの場合においても、出力コイル4から出力される電流を測定することより、計測用ターゲット1の位置を検出することができる。
なお、外部からの横荷重に柔軟に対応するためには、好適には計測用ターゲット1をばね鋼で構成する。この材質として透磁率を重視したケース1の場合、珪素鋼板・硬鋼線、耐食性も重視したSUS材、渦電流損を重視したケース2の場合リン青銅を用いる。
図8は、計測用ターゲット1として鉄を用いた場合の出力コイル4から出力される電圧の計測用ターゲット1の位置(変位)依存性を示すグラフである。
励磁コイル5の線径は0.12[mm]、巻幅は80[mm]、巻数は1000回、抵抗値は17.4[Ω]であり、出力コイル4の線径は0.06[mm]、巻幅は80[mm]、巻数は2000回、抵抗値は122.1[Ω]である。
励磁コイル5に印加する交流電圧は周波数10[kHz]、電圧5[V]である。
計測用ターゲット1のストローク(位置の変位)0〜50[mm]に対して、出力コイル4から出力される電圧を測定した。なお、ストロークは、図1に示すXの位置に相当する。
図8に示すように、強磁性体の計測用ターゲット1が移動し、出力コイル4の内側に侵入するに従い、出力電圧が増大し、計測用ターゲット1の位置に従って、出力コイル4の出力電圧が一意に定まることが理解できる。
図8に示すような、計測用ターゲット1の位置と出力コイル4との相関データを予め取得しておくことで、出力コイル4の出力電圧を測定することで、計測用ターゲット1の位置を検出する。
例えば、予め取得したデータから、計測用ターゲット1の位置を出力コイル4の出力電圧の1次関数や2次関数、又はそれ以上の多項式関数等の関係式で表し、記憶装置に記憶しておき、出力電圧から計測用ターゲット1の位置を、記憶した関係式を用いて算出できる。
或いは、計測用ターゲット1の位置と出力コイル4の出力電圧との相関テーブル(表)を、記憶装置に記憶しておき、そのテーブルを参照して、出力電圧から計測用ターゲット1の位置を算出してもよい。いずれも市販されているマイコン等により実現することができる。
なお、ボビン3の外径は、均一であることが好ましい。出力コイル4からの出力電圧のストローク依存性が線形に近くなり(又は、変化がなだらかとなり)、出力電圧から計測用ターゲット1の位置を算出することが容易になる。
ストロークは、計測用ターゲット1の位置検出範囲内である。図1において、ストロークの最大幅はLである。
また、出力コイル4と励磁コイル5の長さは略同一寸法である。図1においては、いずれの長さもLに設定されている。これにより、最大ストローク幅での出力コイル4からの出力電圧の変化が線形に近くなるとともに、不要に出力コイル4と励磁コイル5の占有領域を大きくすることがなく、位置検出装置の小型化に寄与することができる。
なお、略同一とは、出力コイル4と励磁コイル5の製造上の寸法ばらつき(例えば10%)の範囲内で同一であることを意味する。
なお、出力コイル4は、複数備えてもよい。
図1(d)は、出力コイル4として第1の出力コイル41及び第2の出力コイル42を用いた例を示す。第1の出力コイル41の外部に第2の出力コイル42を巻回したものである。この場合においても、励磁コイル5に交流電圧を印加すると、計測用ターゲット1の位置に応じて、第1の出力コイル41及び第2の出力コイル42から誘導電圧が出力される。
第1の出力コイル41及び第2の出力コイル42は、同じ導電線を、同じ回数巻回して作製されている。第1の出力コイル41及び第2の出力コイル42の出力を足し合わせる(又は平均化する)ことにより、ランダムなノイズを相殺することができ、位置検出の精度を向上させることができる。出力コイル4の数は2個に限定するものではなく、それ以上であってもよい。
図9は、出力コイル4として第1の出力コイル41及び第2の出力コイル42の構成とした場合において、出力電圧と計測用ターゲット1の位置の関係を示すグラフである。さらに、図9は、計測用ターゲット1の材料として珪素鋼板材とSUS430を用いた場合を比較して示す。
図9において、計測用ターゲット1の材料として珪素鋼板材を用いた場合の第1の出力コイル41からの出力電圧を◆で示す。また、計測用ターゲット1の材料としてSUS430を用いた場合の第1の出力コイル41からの出力電圧を■で示す。
励磁コイル5、第1の出力コイル41及び第2の出力コイル42は、φ0.08[mm]の電線を巻回して作製した。励磁コイル5、第1の出力コイル41及び第2の出力コイル42の巻数は、それぞれ75、750、750である。
図9において、計測用ターゲット1の材料として珪素鋼板材を用いた場合とSUS430を用いた場合とを比較すると、珪素鋼板材を用いた場合の方が1.8〜2.0倍高くなることが理解できる。そのため、珪素鋼板材を用いた場合の方が空間分解能が向上する。これは、珪素鋼板材の透磁率が、SUS430の透磁率より高いためである。
計測用ターゲット1の材料として、(ケース1、ケース2に示すように、)磁気に応答する材料を用いることにより、出力コイル4に誘起される電圧が、計測用ターゲット1の位置により変化し、出力コイル4から出力される電圧によって計測用ターゲット1の位置を検知することができる。
なお、計測用ターゲット1の形状は、円柱形状であっても四角柱形状であってもよい。
なお、本実施形態の位置検出装置は、環境温度が管理された例えば半導体工場等において好適に使用可能である。温度の変化が想定される環境での使用に好適な位置検出装置については、以下の実施形態において説明される。
(実施形態2)
出力コイル4からの出力電圧は、温度に依存して変化する。温度変化の影響を低減する(温度補償する)ため、さらにリファレンスコイル6を設けてもよい。
図2は、実施形態2に示すリファレンスコイル6を設けた位置検出器の断面図である。本実施形態では、励磁コイル5の外周にリファレンスコイル6を設けている。リファレンスコイル6は、例えば出力コイル4と同じ構成とする。すなわち、コイルに使用する電線、巻回数、巻幅を同じに設定する。但し、励磁コイル5の外周にリファレンスコイル6を設けると出力電圧の波形にあまり大きな差異がみられなくなるので、他の実施形態で説明するリファレンスコイルを設けた方がより好ましい。本実施形態はあくまでリファレンスコイルを設けてもよい点を示唆するものである。
計測用ターゲット1の位置に依存して、励磁コイル5に印加する交流電圧によりリファレンスコイル6に誘起される電圧が変化する。リファレンスコイル6の出力電圧と出力コイル4の出力電圧とを差動接続することにより、出力コイル4の出力電圧の温度変化を相殺することが可能となる。
リファレンスコイルの出力電圧が基準温度(例えば23℃)の時を1とし、温度変化による出力変化の比率を求め、この比率を出力電圧に乗じて較正する方法を採ってもよい。この較正方法は他の実施形態でもそのまま適用できる。
(実施形態3)
出力コイル4からの出力電圧の温度変化を低減するため、センサー部の温度を測定する温度センサ(温度計)を設け、温度補償することができる。
図3は、実施形態3における位置検出装置のセンサー部の構成を示す断面図である。
図3(a)に示すように、本実施形態においては、位置検出装置のセンサー部に温度センサ7を設置する。例えば、温度センサ7は、励磁コイル5に接して設置するが、これに限定するものではない。温度センサ7の設置位置は励磁コイル5の外周であっても内周であってもよい。
図10は、計測用ターゲット1を特定の位置に固定し、出力コイル4からの出力電圧の温度依存性を測定した結果を示すグラフである。図10(a)の◆及び●は、ケース1の場合の第1の出力コイル41及び第2の出力コイル42の出力電圧を示し、図10(b)の◆及び●は、ケース2の場合の第1の出力コイル41及び第2の出力コイル42の出力電圧を示す。
出力コイル4(第1の出力コイル41及び第2の出力コイル42)の出力電圧が温度に依存して変化する。
ただし、ケース1の場合、温度とともに出力電圧が増大するのに対し、ケース2の場合には、温度とともに出力電圧が減少する傾向を示す。
出力コイル4(第1の出力コイル41及び第2の出力コイル42)の出力電圧の温度依存性を予め測定し、記憶しておくことで、温度補償は可能となる。
図4は、温度補償を行うための回路ブロックの構成図を示す。記憶装置8には、出力コイル4の出力電圧の温度依存性が保存されている。
演算処理装置9(CPU)は、発振器10を制御し、発振器10は励磁コイル5に交流電圧を印加する。出力コイル4からの出力電圧は、演算処理装置9に入力される。
演算処理装置9は、温度センサ7の温度の出力値を取得する。読み取った温度と記憶装置8の温度特性から、出力コイル4からの出力電圧を基準温度(例えば20℃)の電圧に補正する。
記憶装置8には、予め測定した基準温度での出力コイル4の出力電圧の計測用ターゲット1の位置依存性が保存されている。
演算処理装置9は、温度補正された出力コイル4の出力電圧と、基準温度での出力コイル4の出力電圧の計測用ターゲット1の位置依存性から、計測用ターゲット1の位置を算出する。
その後、算出された計測用ターゲット1の位置を出力信号として出力する。
以上より、温度の変化を低減した計測用ターゲット1の位置の出力が可能となる。
なお、図3(b)に示すように、センサー部を断熱材8によって覆ってもよい。それにより、温度変化が緩和されるとともに、温度センサ7による温度測定の精度、安定性が向上し、より温度の影響を受けにくい計測用ターゲット1の位置を検知することができる。
(実施形態4)
図5は、実施形態4における位置検出器のセンサー部の主要断面図を示す。図5に示すように、計測用ターゲット1の移動範囲外にリファレンス計測用ターゲット11とリファレンスコイル6を設ける。
計測用ターゲット1は、検出対象とともに移動するが、リファレンス計測用ターゲット11がその位置が固定されており、リファレンスコイル6に対向している。
計測用ターゲット1の材料とリファレンス計測用ターゲット11の材料と形状は同じである。共に円注形状である。
(実施形態5)
図6は、実施形態5における計測用ターゲット1の先端形状を示す断面図である。
図6に示すように、計測用ターゲット1の先端領域(図中A)において、テーパーを設けてもよい。
油圧駆動装置のピストンの位置を検出する場合、ピストンに計測用ターゲット1を連結し、オイルで満たされたシリンダ2内を計測用ターゲット1が移動するように構成することができる。この場合、先端部をテーバー形状とすることにより、オイルの抵抗を低減し、位置検出器の計測用ターゲット1が移動し易くすることができる。
また、計測用ターゲット1の先端形状をテーパー形状又は球形状に面取りすることで、生成された磁界のエッジ効果を低減することができる。
(実施形態6)
図7は、上記の実施形態において示す位置検出器を、油圧装置に組み込んだ例を示す図である。
図7(a)に示すように、ピストン12を支持するピストンロッド13は、その内部の一部が空洞であり、円筒形状部(図中B)と円柱形状部(図中C)から構成されている。
円筒形状部は、シリンダ14内に配置されている。
円筒形状部の内部には、計測用ターゲット1が設置されている。
計測用ターゲット1の一端部は、テーパー形状をなし、励磁コイル5及び出力コイル4から構成されているコイル部15側に配置されている。計測用ターゲット1の他端部は、固定部16が設けられている。
コイル部15及び計測用ターゲット1はシリンダ14内に配置されている。コイル部15はシリンダ14に固定されている。計測用ターゲット1は、コイル部15に相対的に図中左右方向に移動可能である。シリンダ14内はオイルで満たされている。
計測用ターゲット1の一端部のテーパー形状により、計測用ターゲット1はシリンダ14内で滑らかに移動が可能である。
図7(b)は、固定部16近傍の拡大図である。計測用ターゲット1の先端部には、ハリ部17が設けられている。ハリ部17は、先端がテーパー形状の係合部18を備えている。
係合部18の断面は矢印状であり、ピストンロッド13に設けられた段差部19(ノッチ部)と嵌合する。
計測用ターゲット1は、図中左から右方向にピストンロッド13に押し込むことで、係合部18と段差部19とが嵌合することにより、ピストンロッド13に固定される。
ピストンロッド13及び計測用ターゲット1は、シリンダ14(及びコイル部15)に対して相対的に移動する。
なお、シリンダ14は、封止部20によって液密に封止されており、封止部20は、シリンダ14内のオイル漏れを防止する。
油圧装置のピストンロッド13を収容するシリンダ14の本位置検出装置を組み込むことができ、油圧により駆動されるピストンロッド13の動きを、定量的に検出することができる。
なお、シリンダ14及びピストンロッド13内にセンサを入れた場合、空中ノイズが遮蔽されるという利点がある。この場合、主なノイズは出力コイル4に接続された電線ケーブルから入ると考えられるが、ノイズは加算キャンセルされる。なお、電線ケーブルにツイストペアを使用してもよい。
本発明によれば、デッドスペースの小さい位置検出器が得られ、産業上の利用可能性は大きい。
1 計測用ターゲット
2 シリンダ
3 ボビン
4 出力コイル
41 第1の出力コイル
42 第2の出力コイル
5 励磁コイル
6 リファレンスコイル
7 温度センサ
8 記憶装置
9 演算処理装置
10 発振器
11 リファレンス用ターゲット
12 ピストン
13 ピストンロッド
14 シリンダ
15 コイル部
16 固定部
17 ハリ部
18 係合部
19 段差部
20 封止部

Claims (15)

  1. 径が均一な出力コイルと前記出力コイルの外周に励磁コイルとを有する磁気ヘッドと、
    前記出力コイルの内部には、前記出力コイル及び前記励磁コイルに対して相対的に移動可能に設けられた計測用ターゲットとを備え、
    前記出力コイル及び前記励磁コイルの長さは、略同寸法であることを特徴とする位置検出装置。
  2. 前記励磁コイルの延長線上に、さらにリファレンスコイルが設けられた請求項1記載の位置検出装置。
  3. 前記励磁コイルの外周または内周に温度センサが設けられた請求項1記載の位置検出装置。
  4. 前記磁気ヘッドと前記計測用ターゲットとで構成される測定系と
    リファレンスコイルとリファレンス用ターゲットからなるリファレンス測定系とが
    磁気シールド部材で隔てられ、前記リファレンスコイル及び前記リファレンス用ターゲットがいずれも前記計測用ターゲットのストローク領域外に設置されている請求項1記載の位置検出装置。
  5. 前記磁気ヘッドが断熱材で覆われた請求項1乃至4のいずれか1項記載の位置検出装置。
  6. 前記ターゲットは、略円柱形状であってかつその一部が、面取りされている請求項1乃至5のいずれか1項記載の位置検出装置。
  7. 前記ターゲットは、略四角柱形状である請求項1乃至5のいずれか1項記載の位置検出装置。
  8. 前記ターゲットは、高透磁率金属により構成された請求項1乃至7のいずれか1項記載の位置検出装置。
  9. 前記計測用ターゲットは、高導電性金属により構成された請求項1乃至7のいずれか1項記載の位置検出装置。
  10. 前記計測用ターゲットは、珪素鋼板、硬鋼線、耐食処理を施したSUS材のいずれかで構成された請求項8記載の位置検出装置。
  11. 前記計測用ターゲットは、リン青銅で構成された請求項8記載の位置検出装置。
  12. 前記ターゲットの端面は、球面又はテーパー処理された請求項1乃至11のいずれか1項記載の位置検出装置。
  13. 前記ターゲットは、内部にノッチ部が設けられたシリンダロッド内に取り付け可能であると共に、前記ターゲットの先端部に前記ノッチ部と嵌合するハリ部が設けられた請求項1乃至12のいずれか1項記載の位置検出装置。
  14. 前記励磁コイルと前記リファレンスコイルとがテープ状の磁気シールド部材で隔てられた請求項2記載の位置検出装置。
  15. 請求項8記載の位置検出器により得られた出力電圧と請求項9記載の位置検出器により得られた出力電圧とを多項次曲線で近似するとともに、
    前記他項次曲線が直線近似されようにターゲットの形状を変形させた位置検出器。
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