JP2021059648A - 樹脂組成物、その製造方法及びそれを用いた多層構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリア性及び高温高湿下での耐湿性に優れるとともに、水蒸気又は熱水で処理した際に溶出物が少ない樹脂組成物を提供する。【解決手段】EVOH(A)、乾燥剤(B)及び熱可塑性樹脂(C)を含む樹脂組成物であって、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)を50質量%以上含有し、EVOH(A)100質量部に対して、乾燥剤(B)を0.1〜30質量部と熱可塑性樹脂(C)を0.2〜30質量部とを含有し、熱可塑性樹脂(C)がカルボキシル基、カルボン酸無水物基又はエポキシ基を含有する、樹脂組成物である。【選択図】図2

Description

本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH」と略記することがある)及び乾燥剤を含む樹脂組成物及びその製造方法に関する。また当該樹脂組成物からなる層を有する多層構造体、特に包装容器に関する。
野菜やシーフード等の食品をレトルト処理するための容器の素材としては、ガラス、金属及び金属箔が、現在でも独占的な地位にある。しかしながら最近では、スープやペットフード等、その他の食品をレトルト処理するための容器として、プラスチック製のリジッドなあるいはセミリジッドな容器が、一般的に使用されるようになってきている。EVOHは、加工性が良好であり、優れたガスバリア性を有することから、そのようなプラスチック製容器のためのバリア性樹脂として採用されている。
EVOHはその化学構造に由来して、相対湿度が85%を超える環境ではそのガスバリア性が低下する傾向にあることが知られている。これは水がEVOHの可塑剤として作用し、EVOHの非晶領域の水素結合を弱めて自由体積を増加させ、結果として高分子マトリックス中のガス拡散を増加させるためと考えられている。そのため、包装体を110〜132℃で15〜80分間処理する典型的なスチームレトルト処理を行った際に、EVOHの酸素透過速度が劇的に増加し、食品が酸化劣化して、風味が低下したり、賞味期限が短くなったりすることがあった。
このようなガスバリア性の低下への対応策として、乾燥剤として水和物を形成可能な無機塩をEVOHに配合する方法が知られている(特許文献1)。このような方法により得られる樹脂組成物をバリア層として用いた容器をレトルト処理した場合、配合した乾燥剤が吸水することにより当該樹脂組成物のガスバリア性の低下が抑制される。
特許文献2には、EVOH、ポリアミド系樹脂及び水和物を形成可能な無機塩を含有する樹脂組成物によれば、水和物を形成可能な無機塩を比較的多量に含有させた場合でも、EVOHの溶出量が増大しないため、熱水処理後のガスバリア性、EVOHの溶出抑制効果の双方を満足させることができると記載されている。
特許文献3には、EVOH、水和物形成性の金属塩、芳香族ポリアミド及び脂肪族ポリアミドを含有する樹脂組成物によれば、熱水処理後のEVOHの溶出量を抑制しつつ、溶融成形時の臭気を抑えることができると記載されている。
特開昭63−113062号公報 特開2009−191255号公報 WO2018/88347
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂組成物では、レトルト処理した場合に樹脂組成物中のEVOHが容器の端部から溶出(ウィーピング)して問題となっていた。また、特許文献2及び特許文献3に記載の樹脂組成物は、溶融成形により樹脂組成物を得る際に色相が悪化する場合があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ガスバリア性及び高温高湿下での耐湿性に優れるとともに、水蒸気又は熱水で処理した際に溶出物が少なく、溶融成形により樹脂組成物を得る際に色相の悪化が抑制される樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題は、EVOH(A)、乾燥剤(B)及び熱可塑性樹脂(C)を含む樹脂組成物であって、EVOH(A)を50質量%以上含有し、EVOH(A)100質量部に対して、乾燥剤(B)を0.1〜30質量部と熱可塑性樹脂(C)を0.2〜30質量部とを含有し、熱可塑性樹脂(C)がカルボキシル基、カルボン酸無水物基又はエポキシ基を含有する、樹脂組成物を提供することによって解決される。このとき、乾燥剤(B)が水和物を形成可能な金属塩であることが好ましく、前記金属塩が、リン酸塩、硫酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、スルホン酸塩、スルフィン酸塩及びカルボン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
前記樹脂組成物において、乾燥剤(B)に対する熱可塑性樹脂(C)の質量比(C/B)が1以上であることも好ましい。前記樹脂組成物が、さらに、ポリアミド(D)を、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)100質量部に対して、0.1〜25質量部含有することも好ましい。前記樹脂組成物の230℃、剪断速度12、24、60、120sec−1における剪断粘度(Pa・s)を剪断速度に対して両対数プロットした点から求められる近似直線の傾きが−0.280以下であることも好ましい。
前記樹脂組成物からなる層を有する多層構造体が本発明の好適な実施態様である。前記多層構造体が、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル及びポリアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有する層を有する多層構造体を溶融混練してなる回収組成物からなる層をさらに有することがより好ましい。
前記多層構造体からなる包装容器が本発明のより好適な実施態様であり、前記包装容器に内容物を充填してなる包装体が前記包装容器の好適な実施態様である。前記包装体を70℃以上140℃以下の水蒸気又は熱水で殺菌処理する方法が前記包装体の好適な実施態様である。
本発明の樹脂組成物は、ガスバリア性及び高温高湿下での耐湿性に優れる。しかも、当該樹脂組成物からなる層を有する多層構造体を水蒸気又は熱水で処理した際に、樹脂組成物からなる層からの溶出物が少ない。
実施例1及び比較例2において、樹脂組成物の剪断粘度を剪断速度に対して両対数プロットしたグラフである。 実施例1及び比較例2において、樹脂組成物の剪断粘度を剪断速度に対して両対数プロットした点から得られた近似曲線を示したグラフである。
本発明の樹脂組成物は、EVOH(A)、乾燥剤(B)及び熱可塑性樹脂(C)を含む樹脂組成物であって、EVOH(A)を50質量%以上含有し、EVOH(A)100質量部に対して、乾燥剤(B)を0.1〜30質量部と熱可塑性樹脂(C)を0.2〜30質量部とを含有し、熱可塑性樹脂(C)がカルボキシル基、カルボン酸無水物基又はエポキシ基を含有する樹脂組成物である。
[EVOH(A)]
本発明の樹脂組成物に含有されるEVOH(A)のエチレン含有量は15〜65モル%が好ましい。エチレン含有量が15モル%未満であると、耐湿性が不十分となり、特にレトルト処理等の高温高湿の条件下での使用に適さない場合がある。エチレン含有量は20モル%以上がより好ましく、25モル%以上がさらに好ましい。一方、エチレン含有量が65モル%を超えると、ガスバリア性が不十分となる場合がある。エチレン含有量は50モル%以下がより好ましく、40モル%以下がさらに好ましい。EVOH(A)のエチレン含有量及びケン化度は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることができる。
EVOH(A)のケン化度(すなわち、EVOH(A)中のビニルアルコール単位及びビニルエステル単位の総モル数に対するビニルアルコール単位のモル数の割合)は95モル%以上が好ましい。ケン化度が95モル%未満であると、EVOHの結晶化度が低くなり、ガスバリア性が低下するとともに、溶融成形時の熱安定性が低下するおそれがある。ケン化度は98モル%以上がより好ましく、99モル%以上がさらに好ましい。
EVOH(A)のメルトフローレート(210℃、2160g荷重下)は、0.1〜50g/10分が好ましい。前記メルトフローレートが0.1g/10分未満であると、溶融成形が困難になるおそれがある。前記メルトフローレートは、0.5g/10分以上がより好ましく、1g/10分以上がさらに好ましい。一方、前記メルトフローレートが50g/10分を超えると、樹脂組成物の押出成形が困難になり、得られる樹脂組成物からなる層の強度が低下するおそれがある。前記メルトフローレートは、20g/10分以下がより好ましく、10g/10分以下がさらに好ましい。
EVOH(A)は、本発明の効果が阻害されない範囲で、エチレン単量体単位、ビニルエステル単量体単位及びビニルアルコール単量体単位以外の他の単量体単位を含有していてもよい。EVOH(A)が他の単量体単位を含有する場合、その含有量は0.05モル%以上が好ましく、0.1モル%以上がより好ましく、0.5モル%以上がさらに好ましく、1モル%以上が特に好ましい。一方、他の単量体単位の含有量は、30モル%以下が好ましく、15モル%以下がより好ましく、10モル%以下がさらに好ましく、5モル%以下が特に好ましく、3モル%以下が最も好ましい。他の単量体単位としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等のビニルシラン化合物等に由来する単位が挙げられる。
EVOH(A)は、本発明の効果が阻害されない範囲で、前記他の単量体単位として、下記式(I)、(II)又は(III)で表される構造単位から選択される少なくとも一種を含有していてもよい。EVOH(A)がこのような構造単位を有することで、樹脂組成物の柔軟性及び加工特性が向上するため、得られる多層構造体の熱成形性を高めることができる。
Figure 2021059648
式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は水酸基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜10の非環式脂肪族炭化水素基であってもよいし、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基であってもよい。R〜Rのうちの一対が結合して環を形成していてもよい。また、前記脂肪族炭化水素基又は前記芳香族炭化水素基中の水素原子の一部又は全部が、水酸基、カルボキシル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
式(II)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は水酸基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜10の非環式脂肪族炭化水素基であってもよいし、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基であってもよい。RとR、又はRとRは、それぞれ結合して環を形成していてもよい。また、前記脂肪族炭化水素基又は前記芳香族炭化水素基中の水素原子の一部又は全部が、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
式(III)中、R〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は水酸基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜10の非環式脂肪族炭化水素基であってもよいし、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基であってもよい。前記脂肪族炭化水素基及び前記芳香族炭化水素基中の水素原子の一部又は全部が、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、ホルミル基又は炭素数2〜10のアルカノイル基を表す。
式(I)〜(III)中、R〜R11として用いられる、前記非環式脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、前記脂環式炭化水素基としては、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、前記芳香族炭化水素基としては、フェニル基等が挙げられる。
式(I)中、R〜Rが、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、水酸基、ヒドロキシメチル基又はヒドロキシエチル基であることが好ましく、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、水酸基又はヒドロキシメチル基であることがより好ましい。
式(II)中、R及びRが水素原子であることが好ましい。R及びRのうちの一方が前記脂肪族炭化水素基であり、他方が水素原子であることも好ましい。このとき、前記脂肪族炭化水素基として、アルキル基及びアルケニル基が好ましい。得られる多層構造体のガスバリア性を重視する場合、R及びRとして用いられる前記脂肪族炭化水素基がメチル基又はエチル基であることがより好ましく、(CHOHで表される置換基(但し、hは1〜8の整数)であることもより好ましい。hは、1〜4の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、1が特に好ましい。
構造単位(III)において、R〜R11が、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。前記脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基及びn−ペンチル基が好ましい。
EVOH(A)は、1種単独で用いることもできるし、2種以上を併用してもよい。
[乾燥剤(B)]
乾燥剤(B)は水分を吸収するものであれば特に限定されないが、水和物を形成可能な金属塩であることが好ましい。EVOH(A)に乾燥剤(B)を添加することで、水蒸気又は熱水で処理する際に、樹脂組成物中に浸入する水分を乾燥剤(B)が取り込み、レトルト処理後も高いガスバリア性が維持される。
前記金属塩が、リン酸塩、硫酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、スルホン酸塩、スルフィン酸塩及びカルボン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、リン酸塩、硫酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸及びカルボン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、リン酸塩、硫酸塩、及びカルボン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがさらに好ましく、中でも、リン酸塩であることが特に好ましい。前記リン酸塩は、複数の水分子を結晶水として含む水和物を形成するため、単位質量当たりに吸収できる水の質量が多い。また、湿度の上昇に伴って結晶水として取り込むことができる水の分子数が段階的に増加するため、リン酸塩は湿度の上昇に伴って、徐々に水分を吸収することができる。前記金属塩は、水和物、無水物及びそれらの混合物のいずれであってもよいが、無水物、又は水和物と無水物の混合物であることが好ましく、無水物であることがより好ましい。
前記リン酸塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、リン酸リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸二水素リチウム、ポリリン酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、ポリリン酸カリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、ポリリン酸カルシウム、リン酸フェニル二ナトリウム、4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム、リン酸エチル二ナトリウム、1−ナフチルリン酸一ナトリウム、1−ナフチルリン酸二ナトリウム、α−グリセロリン酸二ナトリウム、β−グリセロリン酸二ナトリウム、リン酸フェニルカルシウム、リン酸フェニルマグネシウム等が挙げられる。また、ポリリン酸塩は、二リン酸塩(ピロリン酸塩)、三リン酸塩(トリポリリン酸塩)等を含むものである。前記リン酸塩として、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウムが好ましく、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムがより好ましい。
前記硫酸塩としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、中でも硫酸マグネシウムが好ましい。
前記ホスホン酸塩としては、ホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸二ナトリウム等が挙げられる。
前記ホスフィン酸塩としては、ホスフィン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記スルホン酸塩としては、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、ビス(2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸)カルシウム等が挙げられる。
前記スルフィン酸塩としては、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記カルボン酸塩としては、コハク酸二ナトリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム等が挙げられる。
[熱可塑性樹脂(C)]
熱可塑性樹脂(C)は、カルボキシル基、カルボン酸無水物基又はエポキシ基を含有する熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂(C)中のカルボキシル基、カルボン酸無水物基又はエポキシ基が、EVOH(A)の水酸基と相互作用して架橋構造が形成される。これにより、得られる多層構造体を水蒸気又は熱水で処理した後における、前記多層構造体の樹脂組成物からなる層の端部からの溶出物の発生が抑制される。熱可塑性樹脂(C)として、具体的には、ポリエチレン(低圧、中圧、高圧)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ボリブテン、オレフィンと該オレフィンと共重合し得るコモノマー(ビニルエステル、不飽和カルボン酸エステル等)との共重合体(例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチルエステル共重合体)等のポリオレフィン等の熱可塑性樹脂であって、カルボキシル基、カルボン酸無水物基又はエポキシ基を含有するものが挙げられる。前記熱可塑性樹脂として、ポリオレフィンがより好ましく、ポリエチレン及びポリプロピレンがさらに好ましい。EVOH(A)の水酸基と相互作用しやすい点から、熱可塑性樹脂(C)はカルボン酸無水物基を含有することが好ましい。
熱可塑性樹脂(C)を用いることにより、得られる多層構造体の前記樹脂組成物からなる層の端部からの溶出物の発生(ウィーピング)が抑制されるメカニズムは不明であるが、以下のようなことが考えられる。通常、デシカントを含有するEVOHをガスバリア層として含有する多層構造体を水蒸気又は熱水で処理した場合、EVOH中のデシカントが吸水して膨張すると同時に、EVOHも融解するか、又はその粘度が低下する。このとき、デシカントが膨張することによって、EVOHが押し出されてウィーピングが発生するものと考えられる。一方、EVOH(A)に対して、デシカントとともに、熱可塑性樹脂(C)を添加した場合、熱可塑性樹脂(C)中のカルボキシル基、カルボン酸無水物基又はエポキシ基が、EVOH(A)の水酸基と相互作用して架橋構造が形成される。これにより、EVOH(A)が増粘して押し出されにくくなり、ウィーピングが抑制されるものと考えられる。
熱可塑性樹脂(C)は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物又はエポキシ基を有する不飽和単量体を他の単量体と共重合させる方法、熱可塑性樹脂(C)として用いられる熱可塑性樹脂として上述した重合体に対して、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物又はエポキシ基を有する不飽和単量体を付加反応又はグラフト反応させる方法等により製造することができる。
前記不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が好ましい。前記不飽和カルボン酸無水物としては無水イタコン酸、無水マレイン酸等が挙げられ、無水マレイン酸が好ましい。エポキシ基を有する不飽和単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を含有する熱可塑性樹脂(C)として具体的には、オレフィン(エチレン、プロピレン、ブテン等)、前記不飽和カルボン酸、及び必要に応じてこれらと共重合可能なコモノマーを共重合することにより得られる、カルボキシル基を含有するポリオレフィンが挙げられる。カルボン酸無水物基を含有する熱可塑性樹脂(C)として具体的には、熱可塑性樹脂(C)として用いられる熱可塑性樹脂として上述したポリオレフィンに、前記不飽和カルボン酸無水物をグラフト変性して得られる、無水カルボン酸グラフト変性ポリオレフィンが挙げられる。エポキシ基を含有する熱可塑性樹脂(C)として具体的には、オレフィン(エチレン、プロピレン、ブテン等)、前記エポキシ基を有する不飽和単量体、及び必要に応じてこれらと共重合可能なコモノマーを共重合することにより得られる、エポキシ基を含有するポリオレフィンが挙げられる。
熱可塑性樹脂(C)中のカルボキシル基、カルボン酸無水物基及びエポキシ基の合計含有量は、全単量体単位に対して、0.1〜10モル%が好ましい。前記含有量が0.1モル%未満の場合、得られる多層構造体を水蒸気又は熱水で処理した後における、前記多層構造体の樹脂組成物からなる層の端部からの溶出物の発生の抑制効果が得られなくなるおそれがある。一方、前記含有量が10モル%を超える場合、溶融成形性が悪化するおそれがある。
熱可塑性樹脂(C)のメルトフローレート(190℃、2160g荷重下)は、0.1〜50g/10分が好ましい。前記メルトフローレートが0.1g/10分未満であると、溶融成形が困難になるおそれがある。前記メルトフローレートは、0.5g/10分以上がより好ましく、1g/10分以上がさらに好ましい。一方、前記メルトフローレートが50g/10分を超えると、樹脂組成物の押出成形が困難になり、得られる樹脂組成物からなる層の強度が低下するおそれがある。
溶出物の発生がさらに抑制される観点から、熱可塑性樹脂(C)の融点は80〜200℃が好ましい。当該融点は90℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましく、120℃以上が特に好ましい。
[ポリアミド(D)]
本発明の樹脂組成物はさらにポリアミド(D)を含有することが好ましい。ポリアミド(D)の具体例としては、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン26)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン86)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン6/66)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン12/66)、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン26/66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン6/66/610)、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン26/66/610)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド共重合体(ナイロン6I/6T)、11−アミノウンデカンアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド共重合体、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリヘキサメチレンシクロヘキシルアミド、ポリノナメチレンシクロヘキシルアミドあるいはこれらのポリアミドをメチレンベンジルアミン、メタキシレンジアミン等の芳香族アミンで変性したものが挙げられる。また、メタキシリレンジアンモニウムアジペート等も挙げられる。中でも、EVOHとの相溶性の観点から、ポリアミド(D)として、ポリカプラミド(ナイロン6)が好ましい。
ポリアミド(D)のJIS K6810に準じて測定される相対粘度は1.7〜5.0が好ましく、2.0〜5.0がより好ましい。当該相対粘度は、ポリアミド(D)の重合度の指標となる。
ポリアミド(D)の重合方法としては、溶融重合、界面重合、溶液重合、塊状重合、固相重合、又はこれらを組み合わせた方法を採用することができる。耐湿性がさらに向上する観点から、ポリアミドの原料としてε−カプロラクタムを用いることが好ましい。
ポリアミド(D)の含有量は、EVOH(A)100質量部に対して、0.1〜25質量部が好ましい。ポリアミド(D)の含有量が上記範囲であると前記樹脂組成物からなる多層構造体を水蒸気又は熱水で処理した際の樹脂組成物層の溶出がさらに抑制される。ポリアミド(D)の含有量は1.0質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましい。一方、ポリアミド(D)の含有量は15.0質量部以下がより好ましく、12.0質量部以下がさらに好ましい。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物における、EVOH(A)の含有量は50質量%以上であり、EVOH(A)、乾燥剤(B)及び熱可塑性樹脂(C)の質量比は、(A)100質量部に対して、(B)が0.1〜30質量部、(C)が0.2〜30質量部である。
本発明の樹脂組成物中のEVOH(A)の含有量が50質量%以上であることで、主成分であるEVOH(A)がマトリックスを形成し、高いガスバリア性が維持される。前記含有量が50質量%未満の場合、ガスバリア性が不十分になるおそれがある。前記含有量は60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
前記樹脂組成物中の乾燥剤(B)の含有量は、EVOH(A)100質量部に対して、0.1〜30質量部である。当該含有量が0.1質量部未満であると、前記樹脂組成物の耐湿性、特に高温高湿下での耐湿性が低下する。乾燥剤(B)の含有量は1.0質量部以上が好ましく、3.0質量部以上がより好ましく、4.0質量部以上がさらに好ましい。一方、乾燥剤(B)の含有量が30質量部を超えると、得られる多層構造体を水蒸気又は熱水で処理した後に、当該多層構造体の樹脂組成物からなる層の端部から溶出物が顕著に発生する。乾燥剤(B)の含有量は20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、12質量部以下がさらに好ましく、8.0質量部以下が特に好ましい。
前記樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(C)の含有量は、EVOH(A)100質量部に対して、0.2〜30質量部である。熱可塑性樹脂(C)の含有量が0.2質量部未満であると、得られる多層構造体を水蒸気又は熱水で処理した後における、前記多層構造体の樹脂組成物からなる層の端部からの溶出物の発生の抑制効果が得られなくなる。熱可塑性樹脂(C)の含有量は2.0質量部以上が好ましく、3.0質量部以上がより好ましく、5.0質量部以上がさらに好ましい。一方、熱可塑性樹脂(C)の含有量が30質量部を超えると、樹脂組成物のガスバリア性が低下するおそれがある。熱可塑性樹脂(C)の含有量は20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物における、乾燥剤(B)に対する熱可塑性樹脂(C)の質量比(C/B)は1以上が好ましい。質量比(C/B)が1以上であると、乾燥剤(B)の少なくとも一部が熱可塑性樹脂(C)によって囲まれるため、水蒸気又は熱水で処理した際に、乾燥剤(B)の溶解に起因するEVOH(A)の溶出がさらに抑制される。これにより、得られる多層構造体を水蒸気又は熱水で処理した後における、前記多層構造体の樹脂組成物からなる層の端部からの溶出物の発生がさらに抑制される。質量比(C/B)は1.2以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましい。
本発明の前記樹脂組成物の230℃、剪断速度12、24、60、120sec−1における剪断粘度(Pa・s)を剪断速度に対して両対数プロットした点から求められる近似直線の傾きは−0.280以下が好ましい。この条件を満たす樹脂組成物は、溶融成形時に増粘しやすいため、得られる多層構造体を水蒸気又は熱水で処理した後に、当該多層構造体の樹脂組成物からなる層の端部からの溶出の発生がさらに抑制される。前記傾きは−0.300以下がより好ましく、−0.320以下がさらに好ましい。前記近似曲線の傾きは実施例に記載された方法により求められる。
前記樹脂組成物のイエローインデックス(YI)は50以下が好ましく、40以下がより好ましい。前記樹脂組成物のYIは実施例に記載された方法により測定される。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲でEVOH(A)、乾燥剤(B)、熱可塑性樹脂(C)及びポリアミド(D)以外の他の添加剤を含有してもよい。他の添加剤としては、EVOH(A)、熱可塑性樹脂(C)及びポリアミド(D)以外の他の樹脂、分散剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤、色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、架橋剤、金属塩、充填剤、各種繊維等の補強剤等が挙げられる。本発明の樹脂組成物中の他の添加剤の含有量は20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
前記他の樹脂として、ポリエチレン(超低密度、低密度、中密度、高密度)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、アイオノマー等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の半芳香族ポリエステル;ポリバレロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル;ポリエチレングリコール、ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル等であって、カルボキシル基、カルボン酸無水物基及びエポキシ基を含有しないものが挙げられる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、(1)EVOH(A)、乾燥剤(B)及び熱可塑性樹脂(C)を押出機内で溶融混練する方法、(2)EVOH(A)及び乾燥剤(B)を混合した後、得られた混合物と熱可塑性樹脂(C)とを溶融混練する方法等が挙げられる。中でも(1)が好ましく、以下当該方法について具体的に説明する。
上記(1)の方法において、乾燥剤(B)として、前記金属塩の粉末を用いることが好ましい。当該金属塩の粉末は粗大粒子を含まない方がよい。このような前記金属塩の粉末を製造する方法は特に限定されないが、溶融混練する前に、前記金属塩を粉砕することにより粉末を得る方法が好ましい。粉砕装置としては、例えばジェットミル、ボールミル、カッティングミル、衝撃粉砕機等が挙げられる。中でも、ジェットミル、特に流動層式ジェットミルが好適に使用される。流動層式ジェットミルを用いた場合、対向ジェットエアーの衝突によって粒子同士を衝突させることにより、金属による汚染を防ぎながら粒子を粉砕することができる。また、粉砕装置は分級機を内蔵していてもよい。当該分級機としては、マルチホイール分級機が好ましく、これによって、シャープな粒度分布の粉末を効率よく得ることができる。
溶融混練する前に、前記金属塩を乾燥させることも好ましい。前記金属塩の乾燥のみを行ってもよいし、前記金属塩の粉砕と乾燥とを同時に行ってもよい。乾燥温度は、通常、60〜130℃である。粉砕と乾燥を同時に行う方法としては、例えば粉砕機の中に乾燥ガスを導入しながら粉砕する方法が挙げられる。ジェットミルを用いる場合は、加熱した圧縮ガスを用いて前記金属塩を粉砕することで、粉砕と乾燥を同時に行うことができる。
押出機内で溶融混練する場合は、樹脂の溶融混練に用いられる一般的な装置を採用することができ、一軸押出機、二軸押出機等の連続混練装置を用いてもよく、バンバリーミキサー等のバッチ式混練装置を用いてもよい。また、混練装置に投入する前に、ヘンシェルミキサーやタンブラーを用いて、EVOH(A)のペレットや熱可塑性樹脂(C)のペレットに対して前記金属塩を予め混合してもよい。
押出機内で溶融混練する際の温度は、EVOH(A)及び熱可塑性樹脂(C)が溶融可能な温度であれば特に限定されないが、190〜260℃が好ましい。溶融混練する際の温度が190℃未満であると、EVOH(A)の溶融が不十分になるおそれがある。溶融混練する際の温度は210℃以上がより好ましい。溶融混練する際の温度が260℃を超えると、EVOH(A)、分散剤(B)又は熱可塑性樹脂(C)が分解するおそれがある。溶融混練する際の温度は245℃以下がより好ましい。
上述した(2)の製造方法において、EVOH(A)と乾燥剤(B)とを混合する方法としては、EVOH(A)及び乾燥剤(B)を溶媒中で混合して混合ペーストを調製し、ストランド析出した後、ペレタイズして乾燥させる方法;含水EVOH(A)ペレットを金属塩(B)を含有する溶液に浸漬させた後乾燥させる方法;EVOH(A)及び水を含む溶融物に、金属塩(B)を押出機内で添加して溶融混練する方法等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物がさらにポリアミド(D)を含有する場合、ポリアミド(D)を混合する方法としては、EVOH(A)及び熱可塑性樹脂(C)とともに、ポリアミド(D)も溶融混練する方法等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、レトルト処理のような高温高湿条件での処理を経た後であっても、ガスバリア性の低下が少ない。また、オートクレーブ中で100℃以上に加熱して加圧する通常のレトルト処理以外にも、スチームレトルト処理、ウォーターカスケードレトルト処理、マイクロウェーブレトルト処理、ホット充填、殺菌処理、ボイリング処理等においても同様の効果が得られると期待される。
本発明の樹脂組成物は、溶融成形によりフィルム、シート、容器、パイプ、繊維等、各種の成形物に成形される。溶融成形法としては押出成形、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、射出成形等が可能である。溶融成形温度はEVOH(A)及び熱可塑性樹脂(C)の融点等により異なるが、150〜270℃程度が好ましい。
[多層構造体]
本発明の樹脂組成物からなる層を有する多層構造体が本発明の好適な実施態様である。
本発明の多層構造体が、前記樹脂組成物からなる層及び熱可塑性樹脂を含有する層を有することが好ましい。前記熱可塑性樹脂を含有する層は、EVOH(A)以外の他の熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。具体的には、前記熱可塑性樹脂を含有する層がポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル及びポリアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、ポリオレフィン、ポリスチレン及びポリエステルからなる群から選択される少なくとも一種を含有することがより好ましく、ポリオレフィンがさらに好ましい。前記熱可塑性樹脂を含有する層における、EVOH(A)以外の他の熱可塑性樹脂の合計含有量は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
前記熱可塑性樹脂を含有する層に含有されるポリオレフィンとしては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、アイオノマー等が挙げられる。
本発明の多層構造体において、本発明の樹脂組成物からなる層の両側に、前記熱可塑性樹脂を含有する層を有することが好ましい。このような構成とすることで、本発明の多層構造体の耐湿性がさらに向上する。本発明の多層構造体は、前記樹脂組成物からなる層の少なくとも片側に接着性樹脂を含有する層を介して前記熱可塑性樹脂を含有する層を有することも好ましい。
前記接着性樹脂は、本発明の樹脂組成物からなる層と前記熱可塑性樹脂を含有する層とを接着できるものであれば特に限定されないが、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を含有するポリオレフィンが好ましい。カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を含有するポリオレフィンとして、熱可塑性樹脂(C)として用いられるものとして上述したものが挙げられる。
本発明の多層構造体の各層には各種の添加剤を配合することもできる。このような添加剤としては、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー等が挙げられ、具体的には、本発明の樹脂組成物に添加することができるものとして上述したものが挙げられる。
当該多層構造体の層構成としては、前記熱可塑性樹脂を含有する層をX、本発明の樹脂組成物からなる層をY、前記接着性樹脂を含有する層をZで表わすと、X/Y、X/Y/X、X/Z/Y、X/Z/Y/Z/X、X/Y/X/Y/X、X/Z/Y/Z/X/Z/Y/Z/X等が挙げられる。
経済的な観点から、多層構造体を成形する際に発生するトリム等のスクラップや成形不良品等を回収して再利用することも本発明の好適な実施態様である。したがって、前記多層構造体が、このような多層構造体の回収物を溶融混練してなる回収組成物からなる層をさらに有することが好ましい。この場合の層構成としては、前述の多層構造体の層構成の例において、熱可塑性樹脂を含有する層Xを回収組成物層に置き換えた構成か、回収組成物層を熱可塑性樹脂を含有する層Xと隣接する位置に追加した構成が挙げられる。回収される多層構造体としては、前記熱可塑性樹脂を含有する層を含有するものが好ましく、上述した本発明の多層構造体であってもよい。
前記回収組成物は、多層構造体の回収物と未使用の樹脂とを溶融混練して得られたものであってもよい。未使用の樹脂としては本発明の多層構造体中の前記熱可塑性樹脂を含有する層に用いられる熱可塑性樹脂が挙げられる。前記回収組成物中のEVOH(A)の含有量は、通常20質量%以下である。
本発明の多層構造体における各層の厚みは特に限定されないが、成形性及びコスト等の観点から、前記多層構造体の厚みに対する本発明の樹脂組成物からなる層Yの合計厚みの割合が2〜20%が好ましい。
前記多層構造体の製造方法は、特に限定されないが、例えば一般のポリオレフィンの分野において実施されている成形方法、例えば押出成形、ブロー成形、射出成形、熱成形等が挙げられる。中でも、共押出成形及び共射出成形が好ましく、共押出成形がより好ましい。
本発明の樹脂組成物から得られる共押出多層構造体又は共射出多層構造体を二次加工することで、各種成形品(フィルム、シート、チューブ、ボトル等)を得ることができる。例えば以下が挙げられる。
(1)多層構造体(シート又はフィルム等)を一軸又は二軸方向に延伸し、必要に応じて熱処理することにより得られる多層共延伸シート又はフィルム
(2)多層構造体(シート又はフィルム等)を圧延することにより得られる多層圧延シート又はフィルム
(3)多層構造体(シート又はフィルム等)を真空成形、圧空成形、真空圧空成形等、熱成形加工することにより得られる多層トレーカップ状容器
(4)多層構造体(パイプ等)からのストレッチブロー成形等により得られるボトル、カップ状容器
(5)多層構造体(パリソン等)からの二軸延伸ブロー成形等により得られるボトル状容器
本発明の樹脂組成物及び多層構造体の用途は特に限定されず、例えば包装容器、包装用フィルム、深絞り容器、カップ状容器、ボトル等の材料として好適に用いられる。中でも、酸素劣化が嫌われる内容物、特に食品を包装する容器として好適である。本発明の多層構造体は、高温高湿条件下でも優れたガスバリア性を有することから、レトルト処理用の包装容器として特に好適である。レトルト処理としては、100℃以上に加熱して加圧する通常のレトルト処理以外にも、スチームレトルト処理、ウォーターカスケードレトルト処理、マイクロウェーブレトルト処理等も採用される。また、レトルト処理に限られず、ホット充填、殺菌処理、ボイリング処理を行う容器としても好適である。
本発明の包装容器に内容物を充填してなる包装体が前記包装容器の好適な実施態様である。前記容器に充填される内容物は特に限定されないが、食品、飲料、医薬品等が挙げられる。
前記包装体を70℃以上140℃以下の水蒸気又は熱水で殺菌処理する方法が前記包装体の好適な実施態様である。前記殺菌処理として、具体的には、レトルト処理及びボイル処理等が挙げられる。レトルト処理する際の温度は105℃以上140℃以下が好ましく、処理時間は5〜120分が好ましい。また、前記レトルト処理を0.15〜0.3MPaの加圧下で行ってもよい。レトルト処理装置には、加熱蒸気を利用する蒸気式や加圧過熱水を利用する熱水浸漬式等があり、食品等の内容物の殺菌条件に応じて適宜使い分ける。ボイル処理とは、食品等の内容物を保存するため熱水で殺菌する方法であり、内容物にもよるが、通常は、前記包装容器に内容物が充填された包装体を大気圧下、70〜100℃にて10〜120分間殺菌処理を行う。ボイル処理は、通常、熱水槽を用いて行い、一定温度の熱水槽の中に浸漬した後、一定時間後に取り出すバッチ式と、熱水槽の中をトンネル式に通して殺菌する連続式がある。
このような殺菌処理を行った後でも、前記包装容器は優れたガスバリア性を有するため、食品、医薬品等の内容物の品質の低下が長期間抑制される。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)樹脂組成物の剪断粘度
東洋精機製作所製「キャピログラフ1D型」を用い、測定温度230℃、剪断速度γ(ガンマ‐ドット、γのうえのドットは省略)が12〜6080(sec−1)における各樹脂組成物の剪断粘度(Pa・s)を測定した。例として、実施例1及び比較例2の樹脂組成物の剪断粘度η[Pa・s]を剪断速度γ[sec−1]に対して両対数プロットしたグラフを図1に示す。得られた結果の中から、剪断速度が12、24、60、120sec−1における剪断粘度の値を両対数グラフ(常用対数グラフ)にプロットした。プロットされた4点を最小二乗法を用いて直線近似し、近似直線の傾きを求めた。なお、決定係数(R値)が0.95以上の近似直線から傾きを求めた。直線近似及び決定係数の算出はExcel(Microsoft製)を用いて行った。例として、実施例1及び比較例2において、剪断速度γが12、24、60、120sec−1における剪断粘度η[Pa・s]を両対数プロットした4点から得られた近似曲線を示した両対数グラフを図2に示す。
(2)レトルト処理後の酸素透過速度(OTR)
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物ペレットを用いて、以下のとおり多層シートを作製した。3種5層共押出機を用いて、ポリプロピレン(PP)層(210μm)/接着樹脂層(20μm)/樹脂組成物層(40μm)/接着樹脂層(20μm)/PP層(210μm)の5層構成の多層シートを作製した。PPとしては日本ポリプロ株式会社製「ノバテック EG7FTB」を用い、接着樹脂としては三井化学株式会社製「アドマー QF500」を用いた。なお、共押出の条件は、PPの溶融温度230℃、接着樹脂の溶融温度220℃、樹脂組成物ペレットの溶融温度220℃、ダイ温度230℃とした。本試験に用いた押出機及びTダイは以下の通りである。
接着樹脂層及び樹脂組成物層用:20φ押出機ラボ機ME型CO−EXT(東洋精機製)
PP層用:32φ押出機GF−32−A(プラスチック工学研究所製)
Tダイ:300mm幅コートハンガーダイ(プラスチック工学研究所製)
得られた多層シートについて、株式会社日阪製作所製レトルト処理装置「RCS−60」を用いて、120℃にて30分間熱水に浸漬することでレトルト処理を行い、当該装置から取り出した直後の多層シートを20℃、65%RH(外)/100%RH(内)の条件で24時間調湿した後、同条件下でMocon社製酸素透過率測定装置「OX−TORANMODEL2/21」を用いて酸素透過速度を測定した。結果を表1に示す。
(3)レトルト処理後のウィーピング
(2)で得られた多層シートを、10cm四方に10枚切り出した。10枚の多層シートを株式会社日阪製作所製レトルト処理装置「RCS−60」を用いて、120℃にて30分間熱水に浸漬することでレトルト処理を行い、当該装置から取り出した直後の多層シートの端部からの溶出物を回収した。10枚のシートから回収した溶出物を80℃真空下で一晩乾燥させてからその質量を測定し、得られた値をレトルト処理後のウィーピング量とした。結果を表1に示す。
(4)樹脂組成物のイエローインデックス(YI)
ガラスセルに各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物ペレットを充填し、該ガラスセルを分光測色計(LabScan XE、HunterLab社製)に設置した。遮光カバーを被せ、黄色度の測定を行った。測定は2回行い、その平均値を樹脂組成物のYI値とした。
実施例1
リン酸水素二ナトリウム(日本化学工業株式会社製「食添用第二リン酸ソーダ」)を、流動層式ジェットミル(Alpine and Hosokawa Micron Powder Systems製「Hosokawa AFG−400」)を用いて、120℃の対流オーブン内で12時間乾燥しながら粉砕することで無水リン酸水素二ナトリウム粉末を得た。得られた無水リン酸水素二ナトリウム粉末とEVOH(株式会社クラレ製「エバールL171」、エチレン含有量27モル%、ケン化度99.8モル%以上、メルトフローレート(210℃、2160g荷重下)4.0g/10分)、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン(ビックケミー・ジャパン株式会社製「SCONA TPPP2112GA」メルトフローレート(190℃、2160g荷重下)4.6g/10分、融点160℃、無水マレイン酸基含有量1.2モル%)、及び分散剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製「Disperplast1018」)を溶融混練して樹脂組成物ペレットを得た。このとき、得られる樹脂組成物中に、EVOHが100質量部、リン酸水素二ナトリウムが5質量部、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが10質量部、分散剤が0.01質量部含まれるように各成分の添加量を調整した。溶融混練は、株式会社東洋精機製作所製25mm押出機「D2020」(D(mm)=25、L/D=25、圧縮比=2.0、スクリュー:同方向完全噛合型)を使用し、以下の条件で行った。
シリンダー温度:供給部180℃、圧縮部230℃、計量部230℃
ダイ温度:230℃
フィーダー回転数:60rpm
スクリュー回転数:100rpm
吐出量:4.4kg/時間
得られた樹脂組成物ペレットの評価を上述のとおり行った。結果を表1に示す。
実施例2〜7、比較例1
乾燥剤(B)の種類及び含有量、並びに熱可塑性樹脂(C)の種類及び含有量を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
実施例8
ポリアミド(D)として、ポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製ナイロン6「宇部ナイロンSF1018A」、JIS K6810に準じて測定された相対粘度3.0)3質量部をさらに添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
無水マレイン酸変性ポリプロピレンを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
比較例3
無水マレイン酸変性ポリプロピレンを添加せず、ポリアミド(D)として、ポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製ナイロン6「宇部ナイロンSF1018A」、JIS K6810に準じて測定された相対粘度3.0)3質量部をさらに添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2021059648
実施例9
(熱成形カップの作製)
上記「(2)レトルト処理後の酸素透過速度(OTR)」に記載された方法により、ポリプロピレン(PP)層(210μm)/接着樹脂層(20μm)/樹脂組成物層(40μm)/接着樹脂層(20μm)/PP層(210μm)の5層構成の多層シートを作製した。このとき、樹脂組成物ペレットとして実施例1で得られたものを用いた。
得られた多層シートを真空圧空成型機(株式会社浅野研究所製)を用いて、シート表面温度180℃、圧力0.3MPaの条件で絞り比0.5にて成形することにより多層熱成形カップを作製した。
(蓋材の作製)
レトルト用ガスバリアフィルム(株式会社クラレ製「クラリスタ(商標)C」)の片面に二液系接着剤(「タケラック(商標)A−520」/「タケネートA−50」)を固形分2.5g/mの目付で塗布後、延伸ナイロンフィルム「エンブレム(商標)ONBC−15」(ONY)を積層した。次に、該ONYのレトルト用ガスバリアフィルムが積層されていない面に前記二液系接着剤を固形分2.5g/mの目付で塗布後、無延伸ポリプロピレンフィルム「RXC−22」(CPP)をドライラミネート法により積層し、レトルト用ガスバリアフィルム/ONY/CPPの層構成を有する蓋材(厚み77μm)を作製した。
(包装体の作製)
得られた多層熱成形カップに内容物として水を充填した。その後、蓋材のCPP層側が前記カップと接するように前記カップに前記蓋材をヒートシールし、内容物が密封された包装体を得た。
(包装体のレトルト処理後のウィーピング)
10個の前記包装体を株式会社日阪製作所製レトルト処理装置「RCS−60」を用い、120℃にて30分間熱水に浸漬することでレトルト処理を行い、当該装置から取り出した直後の多層の熱成形カップの端部からの溶出物を回収した。10個の包装体から回収した溶出物を80℃真空下で一晩乾燥させてからその質量を測定し、得られた値を熱成形カップのレトルト処理後のウィーピング量としたところ、その合計量は4.5mgであった。
比較例4
比較例1に記載の樹脂組成物ペレットを使用した以外は、実施例9と同様にして熱成形カップを作製し、レトルト処理後のウィーピング量を測定したところ、その合計量は5.5mgであった。

Claims (11)

  1. エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、乾燥剤(B)及び熱可塑性樹脂(C)を含む樹脂組成物であって、
    エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)を50質量%以上含有し、
    エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)100質量部に対して、乾燥剤(B)を0.1〜30質量部と熱可塑性樹脂(C)を0.2〜30質量部とを含有し、
    熱可塑性樹脂(C)がカルボキシル基、カルボン酸無水物基又はエポキシ基を含有する、樹脂組成物。
  2. 乾燥剤(B)が水和物を形成可能な金属塩である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記金属塩が、リン酸塩、硫酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、スルホン酸塩、スルフィン酸塩及びカルボン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 乾燥剤(B)に対する熱可塑性樹脂(C)の質量比(C/B)が1以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. さらに、ポリアミド(D)を、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)100質量部に対して、0.1〜25質量部含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 前記樹脂組成物の230℃、剪断速度12、24、60、120sec−1における剪断粘度(Pa・s)を剪断速度に対して両対数プロットした点から求められる近似直線の傾きが−0.280以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物からなる層を有する多層構造体。
  8. ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル及びポリアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有する層を有する多層構造体を溶融混練してなる回収組成物からなる層をさらに有する、請求項7に記載の多層構造体。
  9. 請求項7又は8のいずれかに記載の多層構造体からなる包装容器。
  10. 請求項9に記載の包装容器に内容物を充填してなる包装体。
  11. 請求項10に記載の包装体を70℃以上140℃以下の水蒸気又は熱水で殺菌処理する方法。
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