JP2021059345A - マイクロ波処理用包装体 - Google Patents

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【課題】 流通時にラベルが不用意に剥がれることがなく、また、マイクロ波処理時に容器内の蒸気を逃がすことができるマイクロ波処理用包装体を提供する。【解決手段】 マイクロ波により加熱可能な収容物Bと、前記収容物Bが収納された容器Cであってその一部分に1つ又は複数の蒸気抜き開口1が形成されている容器Cと、を有するマイクロ波処理用包装体Aにおいて、前記容器Cの表面には、少なくとも1つの蒸気抜き開口1の縁部に外方に突出された土手部2が形成されており、貼着剤層4を有する熱収縮性のラベルDが、前記蒸気抜き開口1を塞ぐように、前記土手部2を含んで前記容器Cの表面に貼り付けられている。【選択図】 図3

Description

本発明は、マイクロ波処理時に容器内から生じる蒸気を外部へ良好に逃がすことができるマイクロ波処理用包装体に関する。
従来、電子レンジなどのマイクロ波処理を行うことにより、収容物(食品など)を加熱するマイクロ波処理用包装体が知られている。
例えば、食品などの収容物が入れられた容器本体と、容器本体の開口部を密封状に覆う蓋材と、前記蓋材に設けられ且つマイクロ波処理時に生じる蒸気を外部に逃がすための蒸気抜き開口と、を有するマイクロ波処理用包装体が知られている。
特許文献1には、蒸気排出口が形成された蓋材で封止された容器と、蓋材に粘着剤を介して貼着され且つ蒸気排出口を覆うラベルと、を備え、ラベルには、蒸気排出口に対応する領域からラベル端部にまで、容器に対して非接着又は弱接着とされた接離面部が設けられており、ラベルが、蓋材よりも線膨張係数の大きな基材で構成されている電子レンジ加熱用容器(以下、従来例1という)が開示されている。
また、特許文献1には、蒸気排出口が形成された蓋材で封止された容器と、蓋材に粘着剤を介して貼着され且つ蒸気排出口を覆うラベルと、を備え、ラベルには、蒸気排出口に対応する領域からラベル端部にまで、容器に対して非接着又は弱接着とされた接離面部が設けられ、蒸気排出口が、蓋材に形成された有端非直線状の切込線から構成されており、ラベルの接離面部には、蒸気排出口を囲うように、蓋材に対して離れる方向に凹んだ凹み部が設けられていると共に、少なくとも凹み部の外側に、蓋材方向に突出する突出部が設けられている電子レンジ加熱用容器(以下、従来例2という)も開示されている。
特開2007−126165号公報
しかしながら、従来例1及び従来例2のラベルは、いずれも、蒸気排出口に対応する領域からラベル端部にまで容器に対して非接着又は弱接着とされているので、電子レンジ加熱用容器の流通過程で、ラベル端部が容器から浮き上がった場合の、異物侵入を抑制する点においてさらなる改善の余地がある。
また、従来例2にあっては、ラベルの接着面側に凹み部及び突出部を形成しなければならず、ラベルの構成が複雑となる。
本発明の目的は、流通時にラベルが不用意に剥がれることがなく、また、マイクロ波処理時に容器内の蒸気を逃がすことができるマイクロ波処理用包装体を提供することである。
本発明は、マイクロ波により加熱可能な収容物と、前記収容物が収納された容器であってその一部分に1つ又は複数の蒸気抜き開口が形成されている容器と、を有するマイクロ波処理用包装体において、前記容器の表面には、少なくとも1つの蒸気抜き開口の縁部において外方に突出された土手部が形成されており、貼着剤層を有する熱収縮性のラベルが、前記蒸気抜き開口を塞ぐように、前記土手部を含んで前記容器の表面に貼り付けられている。
本発明の好ましいマイクロ波処理用包装体は、平面視点状の第1蒸気抜き開口と平面視線状の第2蒸気抜き開口とが前記容器の一部分に形成されており、前記土手部が、少なくとも第1蒸気抜き開口の縁部に形成されている。
本発明の好ましいマイクロ波処理用包装体は、前記ラベルの端部領域にて前記第1蒸気抜き開口を塞ぐようにして、前記ラベルが前記容器の表面に貼り付けられている。
本発明の好ましいマイクロ波処理用包装体は、前記土手部が、厚肉状に形成されている。
本発明のマイクロ波処理用包装体は、流通時にラベルが不用意に剥がれることがない。本発明のマイクロ波処理用包装体は、マイクロ波処理時に容器内の蒸気が良好に外部へ排出される。
第1実施形態に係るマイクロ波処理用包装体の平面図。 図1のII−II線で切断した断面図。 図2の一部分をさらに拡大した要部拡大断面図。 第1実施形態の容器の平面図。 図4のA−B部分の拡大平面図。 図5のVI−VI線で切断した断面図。 ラベルの拡大平面図。 図7のVIII−VIII線で切断した拡大断面図。 マイクロ波処理した時のマイクロ波処理用包装体の状態を示す平面図。 図9のX−X線で切断した拡大断面図。 第2実施形態の第1例に係るマイクロ波処理用包装体の断面図。 第2実施形態の第2例に係るマイクロ波処理用包装体の平面図。 図12のXIII−XIII線で切断した断面図。 図12のXIV−XIV線で切断した断面図。 第3実施形態に係るマイクロ波処理用包装体に使用するラベルの拡大断面図。
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。
本明細書において、「第1方向」は、基材の面内における任意の1つの方向であり、「第2方向」は、前記面内において前記第1方向と直交する方向である。「表面」は、各部材又は部分において、収容物とは離れる側となる面を指し、「裏面」は、前記収容物に近づく側となる面を指す。本明細書において、「下限値X〜上限値Y」で表される数値範囲は、下限値X以上上限値Y以下を意味する。前記数値範囲が別個に複数記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「任意の下限値〜任意の上限値」を設定できるものとする。
各図における各構成要素の厚み及び長さ並びにそれら構成要素の相対的な比率などは、実際のものと異なっていることに留意されたい。
本発明のマイクロ波処理用包装体は、マイクロ波により加熱可能な収容物と、前記収容物が収納された容器であってその一部分に1つ又は複数の蒸気抜き開口が形成されている容器と、前記蒸気抜き開口を塞ぐように前記容器の表面に貼り付けられたラベルと、を有する。
前記容器の表面には、少なくとも1つの蒸気抜き開口の縁部において土手部が形成されており、この土手部は、容器の表面において外方に突出されている。
ラベルは、容器に貼り付けるための貼着剤層を有する。また、ラベルは、それ自体熱収縮性を有する。かかるラベルは、熱収縮性フィルムを有する基材と、前記基材の裏面に設けられた貼着剤層と、を有する。
熱収縮性のラベルは、前記蒸気抜き開口を塞ぐように、前記土手部を含んで容器の表面に貼着剤層を介して貼り付けられている。
[第1実施形態]
第1実施形態のマイクロ波処理用包装体は、収容物が収納され且つ開口部を有する容器本体と、前記容器本体の開口部を密封状に覆う蓋材であって柔軟なシート蓋からなる蓋材と、を有する容器に係る。
図1は、第1実施形態のマイクロ波処理用包装体Aの平面図、図2は、その断面図、図3は、ラベルDが貼り付けられている部分の拡大断面図(図2の要部を拡大した拡大断面図)である。
図1乃至図3において、マイクロ波処理用包装体Aは、収容物Bが密封状に収納され且つ部分的に蒸気抜き開口1が形成されている容器Cと、前記蒸気抜き開口1を含む領域に貼り付けられたラベルDと、を有する。
<容器>
図2を参照して、本実施形態の容器Cは、収容物Bが収納され且つ開口部を有する容器本体5と、前記容器本体5の開口部を密封状に覆う蓋材であって柔軟なシート蓋6からなる蓋材と、を有する。
収容物Bは、電子レンジのマイクロ波によって昇温しつつ蒸気を生じるものであれば特に限定されず、代表的には、食品が挙げられるが、非食品であってもよい。
食品としては、特に限定されず、固形状食品、半固形状食品、液状食品などが挙げられる。固形状食品としては、米飯、肉類、パン類、冷凍品などが挙げられ、半固形状食品としては、グラタン、カレーなどが挙げられ、液状食品としては、スープ、お茶などが挙げられる。
容器本体5は、収容物Bを入れる凹部51と、前記凹部51の上端周囲から外方向に突設されたフランジ部52と、を有する。
前記凹部51は、底壁面部と、その底壁面部の周囲から上方に立ち上げられた筒状の側壁面部と、から画成され、凹部51(側壁面部)の上方は、開口部とされている。側壁面部は、直胴状でもよいが、図示例では、上方に向かうに従い内径が大きくなったすり鉢状に形成されている。フランジ部52は、側壁面部の上端から径外方向に延設されている。
容器本体5は、材質の観点では、マイクロ波処理時にスパークを生じず且つ溶融しない耐熱性を有するものから形成されている。容器本体5の材質は、特に限定されず、代表的には、発泡樹脂、非発泡樹脂、ガラス、陶器などが挙げられる。比較的安価であることから、容器本体5は、発泡樹脂、非発泡樹脂、発泡樹脂と非発泡樹脂の複合樹脂などの樹脂製が好ましい。
樹脂製の容器本体5としては、シート成形品、射出成形品、ブロー成形品などが挙げられる。
シート蓋6は、容器本体5の凹部51に収容物Bが入れられた状態で、容器本体5の開口部を密封状に封止している。
シート蓋6(蓋材)は、材質の観点では、マイクロ波処理時にスパークを生じず且つ溶融しないものから形成されている。
シート蓋6と容器本体5の凹部51によって、収容物Bを収納する収容空間が形成されている。
例えば、シート蓋6は、容器本体5のフランジ部52に接着され、好ましくは、人力で剥離可能で且つマイクロ波処理時の蒸気による内圧で剥離しない程度の接着強度で接着されている。シート蓋6の容器本体5に対する接着方法は、特に限定されず、接着剤を用いた接着、熱シールなどが挙げられるが、簡易に接着できることから、熱シールが好ましい。
なお、熱シールによってシート蓋6を容器本体5(フランジ部52)に接着する場合、シート蓋6の接着面と容器本体5の接着面は、互いに熱接着可能な材質から構成される。
シート蓋6は、単一のフィルムから形成されていてもよいが、通常、積層フィルムから構成される。例えば、シート蓋6は、最裏面層としてシーラント層と、最表面層として耐熱層と、を有する積層フィルムからなる。シート蓋6が積層フィルムからなる場合において、各断面図では耐熱層やシーラント層を表さず、積層フィルムを1層で表していることに留意されたい。
シート蓋6には、必要に応じて、デザインなどを表した着色印刷層、オーバーコート層などが設けられていてもよい。なお、シート蓋6は、熱収縮性を有さない。
具体的には、シート蓋6を構成する積層フィルムは、最裏面層を構成するシーラント層と、最表面層を構成する耐熱層と、シーラント層と耐熱層の間に積層された中間層と、を有する。
前記シーラント層は、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。具体的には、例えば、シーラント層は、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂フィルム又はこれらが2層以上の積層された複層フィルム、前記のような樹脂がフィルムに塗工された樹脂コート層などを用いることができ、さらに、熱接着性に特に優れ且つ開封性に優れたイージーピールタイプを用いることもできる。イージーピールタイプとしては、層間剥離タイプ、凝集破壊タイプ、界面剥離タイプなどが挙げられる。
シーラント層の厚みは、例えば、20μm〜120μmであり、好ましくは30μm〜100μmである。
前記中間層は、主としてシート蓋6の強度を維持する目的及び/又はガス若しくは光線バリア性を付与する目的で設けられる。中間層は、強度及び/又はバリア性を有する1層構造でもよく、或いは、2層以上の多層構造でもよい。好ましくは、中間層は、強度目的の第1層と、バリア性目的の第2層と、を有する。
強度目的の第1層は、特に限定されず、ナイロンなどのポリアミド系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンやプロピレン−エチレン共重合体などのポリプロピレン系などの熱可塑性樹脂;熱可塑性発泡樹脂;紙;合成紙;不織布;これらの2種以上の積層体などが挙げられる。バリア性目的の第2層は、特に限定されず、シリカなどの無機蒸着層、ポリ塩化ビニリデンやエチレン−ビニルアルコール共重合体などのガスバリア性を有する熱可塑性樹脂などが挙げられる。
中間層の厚みは、例えば、10μm〜70μmである。
前記耐熱層は、前記シーラント層のシール温度(例えば、80℃〜110℃)で溶融又は変形しないものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの積層体などが挙げられる。
耐熱層の厚みは、例えば、10μm〜70μmである。
なお、前記シート蓋6には、通常、商品名や模様などのデザインを表示するために、及び/又は、無模様一色の色彩などを表示するために、着色印刷層(図示せず)が設けられている。着色印刷層は、1種のカラーインキ又は2種以上のカラーインキを印刷することによって設けられる。着色印刷層は、その色彩が表面側から視認できるように設けられていればよい。例えば、不透明な中間層が用いられる場合には、耐熱層に着色印刷層が設けられる。この場合、着色印刷層は耐熱層の表面又は裏面の何れに設けてもよいが、着色印刷層の傷付き防止のため、着色印刷層は、透明な耐熱層の裏面に設けられていることが好ましい。積層フィルムの中間層が透明である場合には、中間層の表面及び/又は裏面に着色印刷層を設けてもよい。
<蒸気抜き開口>
図4は、本実施形態の容器Cの平面図であり、図5は、蒸気抜き開口1及びそれが形成された領域の拡大平面図であり、図6は、その領域の拡大断面図である。
図1乃至図6を参照して、前記シート蓋6(容器C。シート蓋6は、上述のように概念的に容器Cに含まれる)の面内には、蒸気抜き開口1が設けられている。
蒸気抜き開口1は、シート蓋6(容器C)の厚み方向に貫通した貫通部である。
シート蓋6には、少なくとも1つ(1つ又は複数)の蒸気抜き開口1が形成されており、好ましくは、2つ以上(複数)の蒸気抜き開口1が形成されている。
蒸気抜き開口1の平面視形状は、特に限定されず、代表的には平面視点状、平面視線状が挙げられる。前記平面視点状は、例えば、平面視で略円形状、略楕円形状、略長方形状、略正方形状、略三角形状、略六角形状などの略多角形状、及び、これらを組み合わせた形状などが挙げられる。前記平面視線状は、例えば、平面視で略直線状、略波線状、略屈曲線状、略X字状、略Y字状、略U字状、略V字状、略C字状、これらを組み合わせた形状などが挙げられる。本発明において、「略」は、本発明の属する技術分野において許容される範囲を含むという意味である。
2以上の蒸気抜き開口1が形成される場合、それらは、平面視で同じ形状であってもよく、或いは、少なくとも1つの蒸気抜き開口1と少なくとも1つの蒸気抜き開口1の平明視形状が互いに異なっていてもよい。
図示例では、平面視形状の異なる2種類の蒸気抜き開口1が形成されている場合を例示している。なお、平面視形状の異なる3種類以上の蒸気抜き開口が形成されていてもよい(図示せず)。
以下、1種の平面視形状の蒸気抜き開口1を「第1蒸気抜き開口11」と記し、もう1種の平面視形状の蒸気抜き開口1を「第2蒸気抜き開口12」と記す。なお、単に「蒸気抜き開口1」と記した場合には、前記第1及び第2蒸気抜き開口11,12を含む蒸気抜き開口の総称を意味する。
第1蒸気抜き開口11及び第2蒸気抜き開口12の平面視形状は、それぞれ独立して、特に限定されず、上述のように、様々な形状に形成できる。
例えば、第1蒸気抜き開口11が、平面視点状に形成され、第2蒸気抜き開口12が、平面視線状に形成されている。図示例では、点状の第1蒸気抜き開口11は、平面視略円形状に形成され、線状の第2蒸気抜き開口12は、平面視略X字状に形成されている。
第1蒸気抜き開口11及び第2蒸気抜き開口12は、それぞれ独立して、1つ又は複数形成されるが、点状の第1蒸気抜き開口11は、複数形成されていることが好ましい。
図示例では、複数(9個)の第1蒸気抜き開口11及び1つの第2蒸気抜き開口12が、シート蓋6に形成されている。
点状の第1蒸気抜き開口11の大きさは、特に限定されないが、余りに小さいと蒸気が抜け難くなり、余りに大きいとシート蓋6の強度が低下するおそれがある。かかる観点から、点状の第1蒸気抜き開口11の大きさは、直径0.03mm〜1mmであり、好ましくは、直径0.05mm〜0.6mmである。ただし、平面視略円形状でない場合の第1蒸気抜き開口11の大きさは、円相当径とする。
線状の第2蒸気抜き開口12の大きさも特に限定されないが、第1蒸気抜き開口11と同様の理由から、例えば、最大長さで3mm〜20mmであり、好ましくは、5mm〜15mmである。前記最大長さは、線状の第2蒸気抜き開口12において、その線の中で最も長いものを指す。なお、線状の第2蒸気抜き開口12の幅(この幅は、第2蒸気抜き開口12の長手方向と直交する方向の幅をいう)は、例えば、15μm〜50μmである。
蒸気抜き開口1は、シート蓋6のうち収容空間に対応する領域に形成されている。本実施形態のシート蓋6において、収容空間に対応する領域は、容器本体5のフランジ部52に対応する領域を除いた領域である。
蒸気抜き開口1が複数形成されている場合、各蒸気抜き開口1の配置は、前記収容空間に対応する領域内において適宜設定できるが、比較的小面積の1枚のラベルDによって全ての蒸気抜き開口1を塞ぐことができるように、複数の蒸気抜き開口1は、交差しない状態である程度の範囲内に密集していることが好ましい。
例えば、第1蒸気抜き開口11と第2蒸気抜き開口12を有する場合、図示例では、複数の第1蒸気抜き開口11が、直線上に互いに並んで配置され、その複数の第1蒸気抜き開口11の集合の近傍に、第2蒸気抜き開口12が配置されている。
蒸気抜き開口1の形成方法は、例えば、シート蓋6の表面側又は裏面側から刃を押し当て且つその刃をシート蓋6に貫通させる、シート蓋6の表面側又は裏面側からレーザービームを照射してシート蓋6に貫通部分を生じさせるなどの方法が挙げられる。
<土手部>
土手部2は、シート蓋6(容器C)の表面から外方に突出された部分である。前記外方は、収容空間を基準として、収容空間から離れる方向をいう。また、土手部2がシート蓋6の表面(容器Cの表面)から突出されているとは、基準面6aよりも外方に出張っていることをいう。前記基準面6aは、シート蓋6の表面(容器Cの表面)のうち土手部2の近傍の表面を指す。
前記土手部2は、蒸気抜き開口1の縁部に形成されている。土手部2は、蒸気抜き開口1の縁部の一部分に形成されていてもよく、或いは、蒸気抜き開口1の縁部全体に亘って形成されていてもよい。マイクロ波処理時にラベルDが容器Cの表面から剥がれ易くなることから、土手部2は、蒸気抜き開口1の縁部全体に亘って形成されていることが好ましい。蒸気抜き開口1の縁部全体に亘って土手部2が形成されている場合、蒸気抜き開口1は、その土手部2で囲われた貫通口とも言える。
蒸気抜き開口1が複数形成されている場合、そのうちの少なくとも1つの蒸気抜き開口1の縁部の一部分又は全体に、前記土手部2が形成されていればよい。
少なくとも1つの蒸気抜き開口1の縁部の一部分又は全体に土手部2が形成されている場合としては、例えば、第1蒸気抜き開口11の縁部及び第2蒸気抜き開口12の縁部に、いずれも土手部2が形成されている場合、第1蒸気抜き開口11の縁部に土手部2が形成され且つ第2蒸気抜き開口12の縁部に土手部2が形成されていない場合、第1蒸気抜き開口11の縁部に土手部2が形成されておらず且つ第2蒸気抜き開口12の縁部に土手部2が形成されている場合、などが挙げられる。
土手部2は、ラベルDの端部領域にて塞がれる蒸気抜き開口1に少なくとも形成されていることが好ましい。後述するように、本実施形態においては、第1蒸気抜き開口11がラベルDの端部領域によって塞がれているので、少なくとも第1蒸気抜き開口11の縁部に土手部2が形成されていることが好ましい。
図示例では、第1蒸気抜き開口11の縁部に土手部2が形成されており、第2蒸気抜き開口12の縁部に土手部が形成されていない場合を表している。この場合、全ての第1蒸気抜き開口11の縁部にそれぞれ土手部2が形成されていることが好ましく、さらに、その縁部全体に亘って土手部2が形成されていることがより好ましい。
土手部2は、断面視において、その表形状(表面側の形状)と裏形状(裏面側の形状)とで画成される。
図6の断面視において、土手部2を画成する表形状は、シート蓋6の表面(上述の基準面6a)から蒸気抜き開口1(第1蒸気抜き開口11)に向かって外向き傾斜状を成して外頂部21rまで盛り上がる表外向き傾斜部21qと、その外頂部21rから蒸気抜き開口1に向かって内向き傾斜状を成して下がる表内向き傾斜部21sと、からなる。
図6の断面視において、土手部2を画成する裏形状は、シート蓋6の裏面(基準面6aとは反対側の裏面)から蒸気抜き開口1に向かって内向き傾斜状を成して内頂部22rまで下がる裏内向き傾斜部22qと、その内頂部22rから蒸気抜き開口1に向かって外向き傾斜状を成して上がる裏外向き傾斜部22sと、からなる。
表内向き傾斜部21sと裏外向き傾斜部22sが、略直線状に繋がり、その繋がり部分によって蒸気抜き開口1が画成されている。
前記各傾斜部21q,21s,22q,22sは、それぞれ独立して、断面視で、直線状、弧状、階段状又はこれらの形状が組み合わされた形状である。
前記表外向き傾斜部21q、外頂部21r及び表内向き傾斜部21sからなる表形状と、裏内向き傾斜部22q、内頂部22r及び裏外向き傾斜部22sからなる裏形状と、から画成される土手部2は、厚肉状に形成されている。かかる土手部2の厚み2Tは、シート蓋6(容器C)の基準厚み6Tよりも大きい。
前記土手部2の厚み2Tは、外頂部21rと内頂部22r間の直線長さ(外頂部21rと内頂部22rを結ぶ仮想の直線の長さ)をいう。前記シート蓋6(容器C)の基準厚み6Tは、基準面6aにおけるシート蓋6(容器C)の厚みをいう。
厚肉状の土手部2の厚みは、例えば、シート蓋6(容器C)の基準厚みの1.1倍〜5倍であり、好ましくは、1.5倍〜3倍である。
土手部2の突出高さ2Hは、特に限定されないが、余りに小さいと土手部2を設けた意義を十分に奏さないおそれがあることから、例えば、15μm以上であり、好ましくは、25μm以上である。土手部2の突出高さ2Hは大きいほど好ましいが、余りに高い土手部2を形成することは困難であるため、例えば、土手部2の突出高さ2Hは、100μm以下である。ただし、土手部2の突出高さ2Hは、外頂部21rからシート蓋6の裏面(基準面6a)までの長さをいう。
土手部2の外頂部21rは、断面視で尖っていてもよいが、断面視で湾曲状とされている。土手部2の内頂部22rは、断面視で尖っていてもよいが、断面視で湾曲状とされている。
土手部2の形成方法は、特に限定されず、例えば、(a)レーザービームを用いて蒸気抜き開口1を形成すると同時に土手部2を形成する、(b)シート蓋6(容器C)に樹脂材料を付着させて樹脂付着部を形成した後、その樹脂付着部を含むシート蓋6(容器C)に蒸気抜き開口1を形成する、などの方法が挙げられる。(a)の方法によれば、土手部2と蒸気抜き開口1を容易に形成できるので好ましい。なお、(b)の方法の場合には、樹脂付着部を形成した後の工程は、上記蒸気抜き開口1の形成方法に準じて蒸気抜き開口1を形成すればよい。
前記(a)の方法は、レーザービームをシート蓋6(容器C)に照射し、レーザーをシート蓋6(容器C)に貫通させる。レーザービームが貫通した部分に蒸気抜き開口1が形成され、レーザービームによって溶融した材料が再固化することによって、蒸気抜き開口1の周囲に土手部2が形成される。
レーザービームの種類としては、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、アルゴンレーザー、半導体レーザーなどを用いることができる。レーザービームの照射条件は、適宜設定される。例えば、炭酸ガスレーザー(波長10.6μm)を用いる場合、レーザー照射強度としては、100W〜500Wであり、周波数としては、0.2〜50kHzである。
<ラベル>
図7は、ラベルDの拡大平面図、図8は、その断面図である。
図1乃至図3並びに図7及び図8を参照して、ラベルDは、熱収縮性フィルムを有する基材3と、前記基材3の裏面に設けられた貼着剤層4と、を有する。前記基材3には、必要に応じて、着色印刷層31、印字層32などが設けられていてもよい。
基材3の平面視形状(基材3の平面視形状は、ラベルDの平面視形状に等しい)は、特に限定されず、例えば、略長方形状、略正方形状、略円形状、略楕円形状、略三角形状、略六角形状などの略多角形状、略星形状、略瓢箪形状、その他任意の形状などが挙げられる。図示例では、基材3は、平面視略長方形状に形成されている。
前記基材3は、熱収縮性フィルムを有する柔軟なフィルムが用いられる。
本明細書において、熱収縮性は、熱収縮温度(例えば、80℃)に加熱されると、面方向に収縮する性質を言う。「柔軟」は、人力で容易に湾曲又は折り曲げることができる程度に軟らかいことを言う。
前記熱収縮性フィルムは、例えば、合成樹脂フィルムを用いることができる。前記合成樹脂シートの材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系;ポリプロピレンなどのオレフィン系;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系;環状オレフィン系;塩化ビニル系などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。熱収縮性フィルムは、1層の熱収縮性の樹脂層からなるものでもよく、或いは、熱収縮性の樹脂層を2層以上積層した積層フィルムであってもよい。なお、前記熱収縮性フィルムは、熱により発色する機能を有するものであってもよい。
前記基材3は、前記熱収縮性フィルム単独で構成されていてもよく、或いは、全体として熱収縮性を有することを条件として、熱収縮性フィルムと熱収縮性を有さないフィルム(非熱収縮性フィルム)との積層フィルムで構成されていてもよい。簡易な構造であることから、基材3は、熱収縮性フィルムのみで構成されていることが好ましい。
前記熱収縮性を有する基材3は、少なくとも第1方向に大きく熱収縮する。前記基材3は、第1方向のみに大きく熱収縮するものでもよく(第1方向が主たる熱収縮方向である基材3)、或いは、第1方向及び第2方向に大きく熱収縮するものでもよい(第1方向及び第2方向のいずれもが主たる熱収縮方向である基材3)。好ましくは、第1方向及び第2方向に大きく熱収縮する基材3が用いられる。
前記基材3の第1方向における熱収縮率は、特に限定されないが、好ましくは20%以上であり、より好ましくは、30%以上である。このような熱収縮率の基材3を用いることにより、マイクロ波処理時にラベルDが容器Cから剥がれ易くなる。なお、前記第1方向における熱収縮率は、大きいほど好ましいが、それにも自ずと限界があるため、前記第1方向における熱収縮率は、通常、100%以下である。前記基材3が第2方向にも大きく熱収縮する場合、第2方向の熱収縮率は、特に限定されないが、好ましくは20%以上であり、より好ましくは、30%以上である。なお、前記第2方向における熱収縮率は、大きいほど好ましいが、それにも自ずと限界があるため、前記第2方向における熱収縮率は、通常、100%以下である。
ただし、本明細書において、熱収縮率は、加熱前(標準状態下で24時間保存)の基材3の長さ(元の長さ)と、80℃温水中に10秒間浸漬して取り出した後の基材3の長さ(浸漬後の長さ)と、をそれぞれ標準状態下で計測し、下記式に代入して求められる。なお、各基材3の長さは、標準状態下で計測する。標準状態は、23℃、1気圧、50%RHをいう。
熱収縮率(%)=[{(第1方向(又は第2方向)の元の長さ)−(第1方向(又は第2方向)の浸漬後の長さ)}/(第1方向(又は第2方向)の元の長さ)]×100。
また、前記熱収縮性を有する基材3は、第1方向(及び/又は第2方向)における収縮応力が3MPa以上であることが好ましく、さらに、同収縮応力が4MPa以上であることがより好ましい。このような収縮応力の基材3を用いることにより、マイクロ波処理時にラベルDが容器Cから剥がれ易くなる。なお、基材3の収縮応力は、大きいほど好ましいが、通常、その上限は、20MPaである。
前記収縮応力は、基材3を80℃温水中に10秒間浸漬した際の第1方向(又は第2方向)に於ける最大収縮応力をいう。収縮応力の測定は、試験片(基材3)の第1方向長さ(又は第2方向長さ)を200mm、前記第1方向と直交する第2方向長さ(又は第1方向長さ)を15mmとし、この試験片の第1方向(又は第2方向)の両端部を応力測定器((株)島津製作所製、製品名:オートグラフ)のチャックに保持し(チャック間距離100mm)、80℃の温水中に10秒間浸漬した間に生じる収縮応力の最大値によって求められる。
なお、通常、第1方向(及び第2方向)における熱収縮率が80℃で20%以上の基材3を用いれば良いが、必要に応じて、高温収縮性の基材3(フィルム)を用いてもよい。高温収縮性の基材3(フィルム)は、第1方向(及び第2方向)における熱収縮率が120℃で例えば20%以上のものであり、この高温収縮性の基材3(フィルム)の熱収縮率の測定は、前記「80℃温水」を「120℃グリセリン浴」に代えること以外は前記熱収縮率の測定法と同様である。
基材3の厚みは、特に限定されず、例えば、20μm〜120μmであり、好ましくは20μm〜100μmであり、より好ましくは30μm〜60μmである。
基材3は、透明又は非透明の何れでもよいが、通常、透明な基材3が用いられる。
前記基材3の裏面には、貼着剤層4が設けられている。貼着剤層4は、基材3の裏面にベタ状に設けられている。なお、ベタ状に設けられるとは、隙間無く連続した1つの層状を成して設けられていることをいう。
貼着剤層4は、基材3の裏面に貼着剤を塗工することによって形成できる。
貼着剤としては、容器Cに接着可能な粘着剤又は接着剤が用いられる。
粘着剤は、室温(23℃)で流動性及び接着性を有し且つそれが長期間持続するものをいい、接着剤は、室温(23℃)で流動性を有し、乾燥又は電子線照射などによって硬化して流動性を消失しつつ接着力を維持するものをいう。
粘着剤としては、感圧型粘着剤、加熱することによって粘着性を発揮する感熱性粘着剤などを用いることができる。接着剤としては、例えば、加熱することによって接着性を発揮する感熱性接着剤、紫外線又は電子線などの光線を照射することで接着性を発揮する紫外線硬化型接着剤などの電子線硬化型接着剤、溶剤型接着剤、水系接着剤などを用いることができる。
ラベルDを容易に容器Cに貼り付けることができることから、貼着剤として、粘着剤を用いることが好ましく、さらに、感圧型粘着剤を用いることがより好ましい。
貼着剤層4の厚みは、特に限定されず、例えば、10μm〜30μmである。
前記貼着剤層4の裏面を容器C(本実施形態ではシート蓋6)の表面に接着させることにより、ラベルDが容器C(シート蓋6)の表面に貼り付けられる。
貼着剤層4の裏面の、容器Cの表面に対する接着強度は、ラベルDが容器Cから不用意に剥がれず且つマイクロ波処理時に基材3の熱収縮を許容する程度であればよい。貼着剤層4の裏面の、容器Cの表面に対する接着強度は、例えば、1N/25mm〜10N/25mmであり、好ましくは1.5N/25mm〜6N/25mmであり、より好ましくは2N/25mm〜4N/25mmである。
ただし、前記接着強度は、JIS Z 0237に準じ、第1方向長さが25mm、第2方向長さが80mmの基材3の裏面全体に貼着剤層4をベタ状に設けたものを試験片とし、この試験片の貼着剤層4の裏面を容器Cの表面に貼り付け、この試験片を剥離角度180度、剥離速さ300mm/分、温度を23℃とした条件下の剥離試験において測定される。
前記接着強度の貼着剤層4は、容器Cの表面の材質などを考慮して、貼着剤の種類を選定することによって得られる。
なお、貼着剤層4の表面は、基材3の裏面に剥離不能又は剥離困難に接着されており、貼着剤層4と基材3の層間で剥離することはない。
基材3には、必要に応じて、着色印刷層31及び印字層32が設けられている。
着色印刷層31は、基材3の裏面側又は/及び表面側に設けられ、印字層32は、基材3の表面側に設けられる。
図示例では、基材3の表面側に、着色印刷層31及び印字層32が設けられている。
例えば、着色印刷層31は、基材3の全体に設けられていてもよく、基材3の一部の領域に設けられていてもよい。ラベルDの着色印刷層31によって蒸気抜き開口1を外部から見え難くできることから、着色印刷層31は、基材3の全体に設けられていることが好ましい。なお、印字層32が設けられている場合、着色印刷層31と印字層32が並んで基材3の全体に設けられていてもよく、或いは、着色印刷層31が基材3の全体に設けられ且つその着色印刷層31に重ねて印字層32が設けられていてもよい。
着色印刷層31は、上述のようにデザイン及び/又は無模様一色の色彩を表示するための印刷層である。例えば、着色印刷層31は、無模様白色の印刷層(いわゆる白色ベタ印刷層)を有し、さらに、この印刷層の表面にデザインを表す印刷層を有していてもよい。このような無模様一色の着色印刷層31が基材3の全体に設けられたラベルD又は無模様一色の着色印刷層31と印字層32が並んで基材3の全体に設けられたラベルDは、蒸気抜き開口1を見え難くするという隠蔽効果に優れている。
印字層32は、レーザプリンターやインクジェットプリンターなどを用いて文字や記号などを印字できる層である。ラベルDの製造時には、印字層32に印字されておらず、ラベルDを容器Cに貼り付ける前又は後に、印字層32に印字される。
印字層32としては、レーザー光照射によって発色するレーザー発色層、サーマル発色層、インクジェットプリンタインキ受容層などが挙げられる。
印字層32は、着色印刷層31の表面に重ねて設けられていてもよく、図示例のように、着色印刷層31を有さない領域に着色印刷層31に並んで設けられていてもよい。
<マイクロ波処理用包装体>
図7及び図8に示すラベルDの印字層32に、賞味期限や製造年月日などを印字し、このラベルDを図4に示す容器Cの表面のうち蒸気抜き開口1を含む領域に貼り付けることにより、図1乃至図3に示すようなマイクロ波処理用包装体Aが得られる。
なお、印字層32への印字は、ラベルDを容器Cに貼り付けた後に行ってもよい。
ラベルDは貼着剤層4を介してシート蓋6(容器C)の表面に貼り付けられている。
具体的には、ラベルDによって全ての蒸気抜き開口1を塞ぐように、ラベルDが貼着剤層4を介してシート蓋6の表面に貼り付けられている。好ましくは、ラベルDの端部領域にて第1蒸気抜き開口11を塞ぐようにして、ラベルDが貼着剤層4を介してシート蓋6の表面に貼り付けられている。また、ラベルDは、土手部2及び蒸気抜き開口1を含む蒸気抜き開口1の周辺領域に貼り付けられている。
ラベルDの貼着剤層4の裏面は、シート蓋6の表面に所定の接着強度(上述のように、例えば、1N/25mm〜10N/25mmの接着強度)で貼り付いているが、外方に突出した土手部2に対応する貼着剤層4の裏面は、土手部2の表外向き傾斜部21qに前記接着強度よりも弱く接着している(又は微視的に若干離れた状態で土手部2に接着している)。詳しくは、貼着剤層4の裏面は、図3に示すように、シート蓋6の表面及び土手部2の外頂部21rに所定の接着強度で接着するが、表外向き傾斜部21qには弱く接着している(又は微視的に若干離れた状態で接着している)。なお、図3では、判り易くするために、貼着剤層4の裏面と表外向き傾斜部21qの間に、空隙を表している。
本発明のマイクロ波処理用包装体Aは、容器C(シート蓋6)の一部分に蒸気抜き開口1が形成されているが、土手部2及び蒸気抜き開口1を含む蒸気抜き開口1の周辺領域にラベルDが貼り付けられている。このため、蒸気抜き開口1及びその周辺領域がラベルDによって補強され、包装体Aの流通過程で蒸気抜き開口1が拡がる(開口から破断する)ことがない。
さらに、貼着剤層4が基材3の裏面にベタ状に設けられているので、包装体Aの流通過程で、ラベルD端部が蒸気抜き開口1まで浮き上がることもなく、浮き上がった部分から蒸気抜き開口1を通じて収納空間に異物が侵入することもない。
本発明のマイクロ波処理用包装体Aは、マイクロ波処理に供される。
マイクロ波を照射することによって、収容物Bが昇温し且つ蒸気が生じて内圧が上昇し始める。収容物Bの昇温及び蒸気によってラベルDが加熱され、熱収縮性のラベルDが収縮し始めると同時にラベルDがシート蓋6(容器C)の表面から剥がれる。図9及び図10は、ラベルDが収縮し始めた初期状態を表している。
ラベルDが収縮してシート蓋6(容器C)から剥がれることによって、ラベルDの貼着剤層4の裏面とシート蓋6(容器C)の表面の間に隙間Xが生じるようになる(図10参照)。容器C内の蒸気は、蒸気抜き開口1(第1蒸気抜き開口11)から前記隙間Xを通じて外部に排出される。このため、マイクロ波処理時に、内圧が非常に高くなる前に、容器C内から生じる蒸気を外部へ逃がすことができる。
なお、ラベルDの基材3として高温収縮性の基材を使用した場合には、ラベルDが蒸気によって加熱されて収縮する一方、比較的熱の影響を受けにくいその他の部分(基材のうち、蒸気抜き開口に対応しない部分)は熱収縮の度合いが低いため、シート蓋6に貼り付いたまま残り、容器からシート蓋6を剥離する際にシート蓋6とともにラベルDを除去することも可能となる。
上述のように、土手部2に対応する貼着剤層4の裏面は土手部2に弱く接着している。このため、マイクロ波処理時に生じた蒸気が、内圧上昇に従い蒸気抜き開口1を通じてラベルDの裏面を押し上げると、土手部2の表外向き傾斜部21qと貼着剤層4の裏面の間に速やかに蒸気が侵入するようになる。貼着剤層4の裏面に蒸気が侵入することにより、シート蓋6(容器C)に対する貼着剤層4の接着面積が小さくなること及びラベルDの収縮力が相乗して、ラベルDの一部分がシート蓋6(容器C)から剥がれるようになる。
特に、ラベルDの端部領域にて土手部2を有する第1蒸気抜き開口11を塞いでいるので、その端部領域が収縮し且つシート蓋6(容器C)から剥がれ易くなる。
本発明は、上記第1実施形態に限られず、様々に変更することができる。
以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記第1実施形態と同様の構成及び効果は、(その説明をしたものとして)説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する。
[第2実施形態]
第1実施形態の容器Cは、容器本体5と柔軟なシート蓋6からなる蓋材とを有するが、本発明のマイクロ波処理用包装体Aに使用する容器Cは、これに限られず、適宜変更できる。
例えば、図11に示すように、樹脂成形製の嵌合蓋7からなる蓋材であってもよい。
かかる嵌合蓋7(蓋材)は、例えば、容器本体5のフランジ部52に嵌合によって着脱可能に取り付けられている。嵌合蓋7は、容器本体5のフランジ部52などに面接触して容器本体5の開口部を密封状に覆っている。
このような嵌合蓋7には、蒸気抜き開口1が設けられており、その嵌合蓋7の表面に、蒸気抜き開口1を覆うようにラベルDが貼り付けられている。なお、蒸気抜き開口1及びラベルDについては、上記第1実施形態で説明したものを適宜用いることができる。
上記第1実施形態の容器Cは、容器本体5が比較的硬質であるが、容器Cの全体が軟包材から形成されていてもよい。
例えば、図12乃至図14に示すように、容器Cが、包装シート8を袋状に形成した柔軟な袋体から構成されていてもよい。かかる包装シート8からなる容器Cは、蓋材を有さない容器Cでもある。この容器Cは、包装シート8にて収容物Bを包み込むようにして筒状に丸め、その包装シート8の両側端部の内面同士を重ね合わせて長手方向に熱シールして熱シール部8aを形成すると共に、筒状に形成した包装シート8の前後端部を短手方向に熱シールして熱シート部8b,8bを形成することによって得られる。かかる包装形態は、いわゆるピロー包装と呼ばれるものである。なお、包装シート8を袋状に形成した柔軟な袋体の形態は、図示のようなピロー包装に限られず、三方シール袋、四方シール袋、サイドガセット袋、スタンディングタイプの袋、パウチ袋などであってもよい(いずれも図示せず)。
このような包装シート8としては、上述のシート蓋6で例示したような、最裏面層としてシーラント層と、最表面層として耐熱層と、を有する積層フィルム(必要に応じて中間層をさらに有する積層フィルム)を用いることができる。
このような包装シート8には、蒸気抜き開口1が設けられており、その包装シート8の表面に、蒸気抜き開口1を覆うようにラベルDが貼り付けられている。
[第3実施形態]
上記各実施形態のマイクロ波処理用包装体Aにおいて、容器Cに貼り付けるラベルDが、マイクロ波により発熱する発熱層を有していてもよい。
図15は、発熱層33を有するラベルDの拡大断面図である。
発熱層33は、基材3の裏面側又は/及び表面側に設けられる。図示例では、発熱層33は、基材3の表面に設けられ、その発熱層33の表面側に着色印刷層31などが設けられている。
発熱層33は、基材3の全体に設けられていてもよく、基材3の一部の領域に設けられていてもよい。好ましくは、発熱層33は、基材3の全体にベタ状に設けられる。
発熱層33は、マイクロ波が照射されると発熱するものであれば特に限定されず、例えば、導電性物質を含む層から構成される。
導電性物質としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛などの無機材料、アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄などの金属、合金又は金属酸化物などが挙げられる。
発熱層33は、実質的に導電性物質のみからなる層でもよく、或いは、導電性物質を含む樹脂層であってもよい。
実質的に導電性物質のみからなる発熱層33は、例えば、アルミニウムなどの金属蒸着層又は金属箔から構成される。前記金属蒸着層又は金属箔の厚みは、特に限定されず、例えば、0.01μm〜0.1μm、好ましくは0.03μm〜0.08μmである。
導電性物質を含む樹脂層からなる発熱層33は、適切なバインダー樹脂と導電性物質を含む形成材料を基材3に塗工し、その形成材料を固化させた層からなる。前記形成材料の塗工方法は、特に限定されず、有版印刷法、インクジェット印刷などの無版印刷法、コーターを用いた塗工法などが挙げられる。
導電性物質を含む樹脂層の厚みは、特に限定されず、例えば、0.5μm〜20μmであり、好ましくは、1μm〜10μmである。
本実施形態のように発熱層33が設けられているラベルDを用いたマイクロ波処理用包装体Aをマイクロ波処理すると、発熱層33が発熱する。かかる発熱層33の発熱と収容物Bの昇温及び蒸気とがラベルDに加わるので、ラベルDが速やかに加熱され、熱収縮性のラベルDが良好に収縮し且つ容器Cから剥がれ易くなる。
[第4実施形態]
上記各実施形態において、必要に応じて、シート蓋6又は容器Cに、単なる貫通孔、切込み(スリット)、又は/及び、ハーフカット線をさらに設けてもよい(図示せず)。なお、このような貫通孔や切込みは、シート蓋6又は容器Cの厚み方向に貫通するので、それらを形成した場合には、蒸気抜き開口1だけでなく、貫通孔や切込みも塞ぐようにして熱収縮性のラベルDが貼り付けられる。
かかる貫通孔などをさらに形成したマイクロ波処理用包装体Aをマイクロ波処理すると、処理の当初に、蒸気圧によって、ラベルDが弱く接着している土手部2においてラベルDがシート蓋6(容器C)の表面から剥がれ、その剥離部分を起点として蒸気がラベルDに比較的大面積で接触するようになり、ラベルDが収縮し始める、或いは、前記剥離が拡がっていくようになる。さらに、マイクロ波処理時間が経過すると、単なる貫通孔や切込みにまでラベルDの収縮及び/又は剥離が進行し、蒸気が良好に排出されるようになる。
A マイクロ波処理用包装体
B 収容物
C 容器
D ラベル
1,11,12 蒸気抜き開口
2 土手部
3 基材
4 貼着剤層

Claims (4)

  1. マイクロ波により加熱可能な収容物と、前記収容物が収納された容器であってその一部分に1つ又は複数の蒸気抜き開口が形成されている容器と、を有するマイクロ波処理用包装体において、
    前記容器の表面には、少なくとも1つの蒸気抜き開口の縁部において外方に突出された土手部が形成されており、
    貼着剤層を有する熱収縮性のラベルが、前記蒸気抜き開口を塞ぐように、前記土手部を含んで前記容器の表面に貼り付けられている、マイクロ波処理用包装体。
  2. 平面視点状の第1蒸気抜き開口と平面視線状の第2蒸気抜き開口とが前記容器の一部分に形成されており、
    前記土手部が、少なくとも第1蒸気抜き開口の縁部に形成されている、請求項1に記載のマイクロ波処理用包装体。
  3. 前記ラベルの端部領域にて前記第1蒸気抜き開口を塞ぐようにして、前記ラベルが前記容器の表面に貼り付けられている、請求項2に記載のマイクロ波処理用包装体。
  4. 前記土手部が、厚肉状に形成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロ波処理用包装体。
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