JP2021058929A - 金属加工品の製造方法 - Google Patents
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図1に示すように、第1実施形態で用いるプレス加工機1は、パンチ2及びダイ3を備え、パンチ2とダイ3との間に配置された金属材料(金属板)9に対して、パンチ2とダイ3とを接近させてプレス加工を実行する装置である。プレス加工機1により各工程が実行される。
第1実施形態における金属加工品の製造方法は、プレス加工機1を用いた金属加工品の製造方法であって、図2及び図3に示すように、第1絞り工程S101と、第2絞り工程S102と、増肉工程S103と、押し出し工程S104と、を含んでいる。
第1実施形態によれば、段差形成部23が金属材料9を押圧することで金属材料9が増肉され、増肉工程S103中や増肉工程S103後も、段差形成部23の移動とともに突出部22が金属材料9を押圧しつつ第2凹部32内を移動する。これにより、金属材料9が第2凹部32内に入り込む準備がされるため、金属材料9に高い負荷(荷重)を加えることなく、押し出し工程S104にて、小径のカップ形状を形成することができる。つまり、1回のプレス(ワンショット)で、ダブルカップ形状を形成することができる。また、第1実施形態によれば、一体的に移動する(1軸移動の)パンチとダイとを準備するだけで足り、簡素な機構によりダブルカップの金属加工品を製造することができる。このように、第1実施形態によれば、工程数を増大させることなく、設備の簡素化が可能となる。
また、図4に示すように、金属材料9のうち突出部22に対応する部位に円形状の穴9hが設けられてもよい。これにより、第2絞り工程S102において、金属材料9の一部は、第2凹部32内で円筒状に形成される。この方法によれば、押し出し工程S104の後に小径カップの底面をカットすることなく、小径カップの底面が貫通したダブルカップを形成することができる。
第2実施形態で用いるプレス加工機1Aは、図7に示すように、パンチ2A及びダイ3Aを備え、パンチ2Aとダイ3Aとの間に配置された金属材料9に対して、パンチ2Aとダイ3Aとを接近させてプレス加工を実行する装置である。プレス加工機1Aにより各工程が実行される。
(第2実施形態の製造方法)
第2実施形態によれば、段差形成部23が金属材料9を押圧することで金属材料9が増肉され、増肉工程S202中や増肉工程S202後も、段差形成部23の移動とともに突出部33が金属材料9を押圧しつつ貫通孔22A内を相対移動する。これにより、金属材料9が貫通孔22A内に入り込む準備がされる。つまり、第2実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が発揮される。第2実施形態によれば、図8に示すように、小径カップが大径カップに囲まれる形で、ダブルカップ(リバース形状)が形成される。
図7の例でも、増肉工程S202では、パンチ2Aが、第1凹部31の底面に当接している金属材料9の一部を、第1凹部31の底面から離れる方向(上方)に湾曲させる。また、突出部33の側面は、第1凹部31の底面を含む第1仮想平面および本体部21の底面を含む第2仮想平面に対して垂直に延びている。なお、両者は直交しなくてもよい。
第3実施形態で用いるプレス加工機10は、図9に示すように、パンチ4及びダイ5を備え、パンチ4とダイ5との間に配置された金属材料9に対して、パンチ4とダイ5とを接近させてプレス加工を実行する装置である。プレス加工機10により各工程が実行される。
第3実施形態における金属加工品の製造方法は、プレス加工機10を用いた金属加工品の製造方法であって、図10に示すように、絞り工程S301と、増肉工程S302と、押し出し工程S303と、を含んでいる。なお、図10では、クッション部43の表示を省略している。
第3実施形態によれば、第1パンチ部材41が第2パンチ部材42に対して相対移動することで金属材料9が増肉され、第1パンチ部材41と第2パンチ部材42とが一体的に移動することで増肉部分が第2凹部52内に押し出される。増肉工程S302中や増肉工程S302後も、第1パンチ部材41は移動しているため、突出部413が金属材料9を押圧しつつ第2凹部52内を移動する。これにより、第1実施形態同様、金属材料9が第2凹部52内に入り込む準備がされるため、金属材料9に高い負荷を加えることなく、押し出し工程にて、小径のカップ形状を形成することができる。つまり、1回のプレス(ワンショット)で、ダブルカップ形状を形成することができる。また、第3実施形態によれば、2部材構成(2軸移動)のパンチと一部材からなるダイを準備するだけで足り、簡素な機構によりダブルカップの金属加工品を製造することができる。このように、第3実施形態によれば、工程数を増大させることなく、設備の簡素化が可能となる。
第4実施形態で用いるプレス加工機10Aは、図12に示すように、パンチ4A及びダイ5Aを備え、パンチ4Aとダイ5Aとの間に配置された金属材料9に対して、パンチ4Aとダイ5Aとを接近させてプレス加工を実行する装置である。プレス加工機10Aにより各工程が実行される。
第4実施形態における金属加工品の製造方法は、プレス加工機10Aを用いた金属加工品の製造方法であって、絞り工程(図7のS201又は図10のS301参照)と、増肉工程S402と、押し出し工程S403と、を含んでいる。
第4実施形態によれば、第1パンチ部材41Aが第2パンチ部材42に対して相対移動することで金属材料9が増肉され、第1パンチ部材41Aと第2パンチ部材42とが一体的に移動することで増肉部分が貫通孔421内に押し出される。増肉工程S402中や増肉工程S402後も、第1パンチ部材41Aは移動しているため、突出部53が金属材料9を押圧しつつ貫通孔421内を相対移動する。これにより、金属材料9が貫通孔421内に入り込む準備がされる。つまり、第4実施形態によっても、上記第3実施形態と同様の効果が発揮される。第4実施形態によれば、小径カップが大径カップに囲まれる形で、ダブルカップが形成される(図8参照)。また、第3実施形態同様、ピン角の形成が可能である(図11参照)。
各実施形態間では多くの部分が共通し、各実施形態の説明又は図面を互い参照することができる。
また、図13に示すように、第3実施形態における押し出し工程S303では、第2パンチ部材42が、増肉部分の一部を第2凹部52内及び貫通孔421内に押し出してもよい。これは、例えば、突出部413と第2パンチ部材42の内周面との間の隙間を金属進入可能な大きさ(例えば突出部413と第2凹部52との隙間相当)にすることで、実現される。押し出し工程S303において、金属材料9が、突出部413と第2パンチ部材42の内周面との間にも押し出されることで、大径カップの上下両側に小径カップをもつトリプルカップを製造することができる。なお、上側の小径カップの肉厚は、突出部413と第2パンチ部材42の内周面との間に形成される隙間の大きさで調整することができる。同様に、下側の小径カップの肉厚は、突出部413と第2凹部52の内周面との間に形成される隙間の大きさで調整することができる。例えば、貫通孔421の径と第2凹部52の径とを同じにすることで、両小径カップの肉厚を均等に形成することができる。
Claims (10)
- 本体部、前記本体部の底面の中央部分から突出する突出部、および前記本体部の側面から突出して段差を形成する段差形成部を有するパンチと、
前記パンチに対応した第1凹部、および前記第1凹部の底面に形成され前記突出部に対応した第2凹部を有するダイと、
を備えたプレス加工機を用いた金属加工品の製造方法であって、
前記パンチが、板状の金属材料を、前記第1凹部の形に沿って有底筒状に変形させながら前記第1凹部内に押し入れる第1絞り工程と、
前記パンチが、前記金属材料を前記第2凹部の形に沿って変形させながら前記第2凹部内に押し入れる第2絞り工程と、
有底筒状の前記金属材料の開口端部と前記段差形成部とが係合した状態で、前記パンチが前記ダイに向かって移動し、前記突出部が前記第2凹部内で移動しつつ、前記本体部の底面と前記第1凹部の底面との間の空間で前記金属材料の肉厚を増大させる増肉工程と、
前記増肉工程の後、前記開口端部と前記段差形成部とが係合した状態で、前記突出部が前記第2凹部内で移動しつつ、前記本体部が前記金属材料の増肉部分を押圧し、前記増肉部分の一部を前記第2凹部内に押し出す押し出し工程と、
を含む金属加工品の製造方法。 - 前記金属材料のうち前記突出部に対応する部位には、円形状の穴が形成されており、
前記第2絞り工程において、前記金属材料の一部は、前記第2凹部内で円筒状に形成される請求項1に記載の金属加工品の製造方法。 - 前記穴の径は、前記突出部の径より小さく、
前記第2絞り工程では、前記突出部が、前記金属材料の前記穴の周囲の部分を前記第2凹部の形に沿って円筒状に変形させながら前記第2凹部内に押し入れる請求項2に記載の金属加工品の製造方法。 - 本体部、前記本体部の底面から軸方向に延びるように前記本体部に設けられた貫通孔、および前記本体部の側面から突出して段差を形成する段差形成部を有するパンチと、
前記パンチに対応した第1凹部、および前記貫通孔に進入可能に前記第1凹部の底面の中央部から突出した突出部を有するダイと、
を備えるプレス加工機を用いた金属加工品の製造方法であって、
前記パンチが、板状の金属材料を、前記第1凹部の形に沿って有底筒状に変形させながら前記第1凹部内に押し入れる絞り工程と、
有底筒状の前記金属材料の開口端部と前記段差形成部とが係合した状態で、前記パンチが前記ダイに向かって移動し、前記突出部が前記貫通孔内で前記パンチに対して相対移動しつつ、前記本体部の底面と前記第1凹部の底面との間の空間で前記金属材料の肉厚を増大させる増肉工程と、
前記増肉工程の後、前記開口端部と前記段差形成部とが係合し且つ前記突出部の一部が前記貫通孔に進入した状態で、前記本体部が前記金属材料の増肉部分を押圧し、前記増肉部分の一部を前記貫通孔内に押し出す押し出し工程と、
を含む金属加工品の製造方法。 - 本体部、前記本体部の底面から筒状に突出して側面を形成する側面形成部、および前記側面形成部の内側で前記本体部の底面から前記側面形成部を超えて突出する突出部を有する第1パンチ部材と、
前記突出部が配置される貫通孔が形成され、前記第1パンチ部材に対して所定範囲の相対移動可能に、前記側面形成部の内側に配置された筒状の第2パンチ部材と、
前記第2パンチ部材に対して前記第1パンチ部材からダイに向けて所定の力を加えるクッション部と、
を有するパンチと、
前記パンチに対応した第1凹部、および前記第1凹部の底面に形成され前記突出部に対応した第2凹部を有する前記ダイと、
を備えるプレス加工機を用いた金属加工品の製造方法であって、
前記第1パンチ部材および前記第2パンチ部材が一体的に前記ダイに向けて移動し、前記突出部に対応する部位に円形状の穴が形成された板状の金属材料を、前記第1凹部の形に沿って有底筒状に変形させながら前記第1凹部内に押し入れる絞り工程と、
有底筒状の前記金属材料の底面が前記第2パンチ部材と前記第1凹部の底面とに当接した状態で、前記本体部と前記第2パンチ部材との離間距離が小さくなるように前記第1パンチ部材が前記第2パンチ部材に対して相対移動し、前記突出部が前記穴を介して前記第2凹部に進入しつつ前記側面形成部が有底筒状の前記金属材料の開口端部を押圧し、前記第2パンチ部材と前記第1凹部の底面との間の前記金属材料の肉厚を増大させる増肉工程と、
前記増肉工程により前記離間距離が前記所定範囲の最小値になった状態で、前記第1パンチ部材および前記第2パンチ部材が一体的に前記ダイに向けて移動し、前記第2パンチ部材が前記金属材料の増肉部分を押圧し、前記増肉部分の一部を前記第2凹部内に押し出す押し出し工程と、
を含む金属加工品の製造方法。 - 本体部、および前記本体部の底面から筒状に突出して側面を形成する側面形成部を有する第1パンチ部材と、
貫通孔が形成され、前記第1パンチ部材に対して所定範囲の相対移動可能に、前記側面形成部の内側に配置された筒状の第2パンチ部材と、
前記第2パンチ部材に対して前記第1パンチ部材からダイに向けて所定の力を加えるクッション部と、
を有するパンチと、
前記パンチに対応した第1凹部、および前記貫通孔に進入可能に前記第1凹部の底面の中央部から突出した突出部を有する前記ダイと、
を備えるプレス加工機を用いた金属加工品の製造方法であって、
前記第1パンチ部材および前記第2パンチ部材が一体的に前記ダイに向けて移動し、板状の金属材料を、前記第1凹部の形に沿って有底筒状に変形させながら前記第1凹部内に押し入れる絞り工程と、
有底筒状の前記金属材料の底面が前記第2パンチ部材と前記第1凹部の底面とに当接した状態で、前記本体部と前記第2パンチ部材との離間距離が小さくなるように前記第1パンチ部材が前記第2パンチ部材に対して相対移動し、前記突出部が前記貫通孔に進入しつつ前記側面形成部が有底筒状の前記金属材料の開口端部を押圧し、前記第2パンチ部材と前記第1凹部の底面との間の前記金属材料の肉厚を増大させる増肉工程と、
前記増肉工程により前記離間距離が前記所定範囲の最小値になった状態で、前記第1パンチ部材および前記第2パンチ部材が一体的に前記ダイに向けて移動し、前記第2パンチ部材が前記金属材料の増肉部分を押圧し、前記増肉部分の一部を前記貫通孔内に押し出す押し出し工程と、
を含む金属加工品の製造方法。 - 前記増肉工程では、前記パンチが、前記第1凹部の底面に当接している前記金属材料の一部を、前記第1凹部の底面から離れる方向に湾曲させる請求項1〜6の何れか一項に記載の金属加工品の製造方法。
- 前記突出部の側面は、前記第1凹部の底面を含む第1仮想平面および前記本体部の底面を含む第2仮想平面に対して垂直に延びている請求項1〜7の何れか一項に記載の金属加工品の製造方法。
- 前記金属加工品は、有底円筒状の第1カップ部と、前記第1カップ部の底面に形成された円筒状の第2カップ部と、を備え、
前記第1カップ部の底面と前記第2カップ部の側面は直交する請求項8に記載の金属加工品の製造方法。 - 前記押し出し工程では、前記第2パンチ部材が、前記増肉部分の一部を前記第2凹部内及び前記貫通孔内に押し出す請求項5に記載の金属加工品の製造方法。
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WO2014181751A1 (ja) * | 2013-05-08 | 2014-11-13 | 新日鐵住金株式会社 | ボス付き円筒容器の成形方法 |
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