JP2021058929A - 金属加工品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工程数を増大させることなく、設備の簡素化が可能な金属加工品の製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、第1絞り工程S101と、突出部22が、有底筒状の金属材料9の底面の中央部を押圧し、金属材料9を第2凹部32の形に沿って変形させながら第2凹部32内に押し入れる第2絞り工程S102と、金属材料9の開口端部91と段差形成部23とが係合した状態で、パンチ2がダイ3に向かって移動し、突出部22が第2凹部32内で移動しつつ、本体部21の底面と第1凹部31の底面との間の空間8で金属材料9の肉厚を増大させる増肉工程S103と、開口端部91と段差形成部23とが係合した状態で、突出部22が第2凹部32内で移動しつつ、本体部21が金属材料9の増肉部分を押圧し、増肉部分の一部を第2凹部32内に押し出す押し出し工程と、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、金属加工品の製造方法に関する。
プレス加工機を用いて、カップ状部材の内側にさらにカップ形状が形成されているいわゆるダブルカップと呼ばれる金属加工品が製造されている。このダブルカップの製造は、例えば特開2010−201476号公報に記載されているように、複雑な機構により実行することができる。この製造方法では、3部材別移動可能な、すなわち3軸移動(制御)の装置が用いられている。他の方法としては、例えば、金属材料(被加工材)の破断を抑えながら成形するために、金属材料に対して多段絞り加工、すなわち多数の絞り加工を実行する方法もある。
特開2010−201476号公報
しかしながら、上記方法では、複雑な機構の設備(プレス加工機)を準備する必要があり、設備の大型化とコストの増大が問題となる。また、多段絞り加工を実行する場合、工程が多くなることで、大型の順送プレスが必要となる。つまり、従来の方法では、設備の簡素化および工程数の低減の観点で改善の余地がある。
本発明の目的は、工程数を増大させることなく、設備の簡素化が可能な金属加工品の製造方法を提供することである。
本発明の第1態様に係る金属加工品の製造方法は、本体部、前記本体部の底面の中央部分から突出する突出部、および前記本体部の側面から突出して段差を形成する段差形成部を有するパンチと、前記パンチに対応した第1凹部、および前記第1凹部の底面に形成され前記突出部に対応した第2凹部を有するダイと、を備えたプレス加工機を用いた金属加工品の製造方法であって、前記パンチが、板状の金属材料を、前記第1凹部の形に沿って有底筒状に変形させながら前記第1凹部内に押し入れる第1絞り工程と、前記パンチが、前記金属材料を前記第2凹部の形に沿って変形させながら前記第2凹部内に押し入れる第2絞り工程と、有底筒状の前記金属材料の開口端部と前記段差形成部とが係合した状態で、前記パンチが前記ダイに向かって移動し、前記突出部が前記第2凹部内で移動しつつ、前記本体部の底面と前記第1凹部の底面との間の空間で前記金属材料の肉厚を増大させる増肉工程と、前記増肉工程の後、前記開口端部と前記段差形成部とが係合した状態で、前記突出部が前記第2凹部内で移動しつつ、前記本体部が前記金属材料の増肉部分を押圧し、前記増肉部分の一部を前記第2凹部内に押し出す押し出し工程と、を含む。
本発明の第2態様に係る金属加工品の製造方法は、本体部、前記本体部の底面から軸方向に延びるように前記本体部に設けられた貫通孔、および前記本体部の側面から突出して段差を形成する段差形成部を有するパンチと、前記パンチに対応した第1凹部、および前記貫通孔に進入可能に前記第1凹部の底面の中央部から突出した突出部を有するダイと、を備えるプレス加工機を用いた金属加工品の製造方法であって、前記パンチが、前記突出部に対応する部位に円形状の穴が形成された板状の金属材料を、前記第1凹部の形に沿って有底筒状に変形させながら前記第1凹部内に押し入れる絞り工程と、有底筒状の前記金属材料の開口端部と前記段差形成部とが係合した状態で、前記パンチが前記ダイに向かって移動し、前記突出部が前記貫通孔内で前記パンチに対して相対移動しつつ、前記本体部の底面と前記第1凹部の底面との間の空間で前記金属材料の肉厚を増大させる増肉工程と、前記増肉工程の後、前記開口端部と前記段差形成部とが係合し且つ前記突出部の一部が前記貫通孔に進入した状態で、前記本体部が前記金属材料の増肉部分を押圧し、前記増肉部分の一部を前記貫通孔内に押し出す押し出し工程と、を含む。
本発明の第3態様に係る金属加工品の製造方法は、本体部、前記本体部の底面から筒状に突出して側面を形成する側面形成部、および前記側面形成部の内側で前記本体部の底面から前記側面形成部を超えて突出する突出部を有する第1パンチ部材と、前記突出部が配置される貫通孔が形成され、前記第1パンチ部材に対して所定範囲の相対移動可能に、前記側面形成部の内側に配置された筒状の第2パンチ部材と、前記第2パンチ部材に対して前記第1パンチ部材からダイに向けて所定の力を加えるクッション部と、を有するパンチと、前記パンチに対応した第1凹部、および前記第1凹部の底面に形成され前記突出部に対応した第2凹部を有する前記ダイと、を備えるプレス加工機を用いた金属加工品の製造方法であって、前記第1パンチ部材および前記第2パンチ部材が一体的に前記ダイに向けて移動し、前記突出部に対応する部位に円形状の穴が形成された板状の金属材料を、前記第1凹部の形に沿って有底筒状に変形させながら前記第1凹部内に押し入れる絞り工程と、有底筒状の前記金属材料の底面が前記第2パンチ部材と前記第1凹部の底面とに当接した状態で、前記本体部と前記第2パンチ部材との離間距離が小さくなるように前記第1パンチ部材が前記第2パンチ部材に対して相対移動し、前記突出部が前記穴を介して前記第2凹部に進入しつつ前記側面形成部が有底筒状の前記金属材料の開口端部を押圧し、前記第2パンチ部材と前記第1凹部の底面との間の前記金属材料の肉厚を増大させる増肉工程と、前記増肉工程により前記離間距離が前記所定範囲の最小値になった状態で、前記第1パンチ部材および前記第2パンチ部材が一体的に前記ダイに向けて移動し、前記第2パンチ部材が前記金属材料の増肉部分を押圧し、前記増肉部分の一部を前記第2凹部内に押し出す押し出し工程と、を含む。
本発明の第4態様に係る金属加工品の製造方法は、本体部、および前記本体部の底面から筒状に突出して側面を形成する側面形成部を有する第1パンチ部材と、貫通孔が形成され、前記第1パンチ部材に対して所定範囲の相対移動可能に、前記側面形成部の内側に配置された筒状の第2パンチ部材と、前記第2パンチ部材に対して前記第1パンチ部材からダイに向けて所定の力を加えるクッション部と、を有するパンチと、前記パンチに対応した第1凹部、および前記貫通孔に進入可能に前記第1凹部の底面の中央部から突出した突出部を有する前記ダイと、を備えるプレス加工機を用いた金属加工品の製造方法であって、前記パンチが、板状の金属材料を、前記第1凹部の形に沿って有底筒状に変形させながら前記第1凹部内に押し入れる絞り工程と、有底筒状の前記金属材料の底面が前記第2パンチ部材と前記第1凹部の底面とに当接した状態で、前記本体部と前記第2パンチ部材との離間距離が小さくなるように前記第1パンチ部材が前記第2パンチ部材に対して相対移動し、前記突出部が前記貫通孔に進入しつつ前記側面形成部が有底筒状の前記金属材料の開口端部を押圧し、前記第2パンチ部材と前記第1凹部の底面との間の前記金属材料の肉厚を増大させる増肉工程と、前記増肉工程により前記離間距離が前記所定範囲の最小値になった状態で、前記第1パンチ部材および前記第2パンチ部材が一体的に前記ダイに向けて移動し、前記第2パンチ部材が前記金属材料の増肉部分を押圧し、前記増肉部分の一部を前記貫通孔内に押し出す押し出し工程と、を含む。
本発明の第1態様によれば、段差形成部が金属材料を押圧することで金属材料が増肉され、増肉工程中や増肉工程後も、段差形成部の移動とともに突出部が金属材料を押圧しつつ第2凹部内を移動する。これにより、金属材料が第2凹部内に入り込む準備がされるため、金属材料に高い負荷(荷重)を加えることなく、押し出し工程にて、小径のカップ形状を形成することができる。つまり、1回のプレス(ワンショット)で、ダブルカップ形状を形成することができる。また、第1態様によれば、一体的に移動する(1軸移動の)パンチとダイとを準備するだけで足り、簡素な機構によりダブルカップの金属加工品を製造することができる。このように、第1態様によれば、工程数を増大させることなく、設備の簡素化が可能となる。
本発明の第2態様によれば、段差形成部が金属材料を押圧することで金属材料が増肉され、増肉工程中や増肉工程後も、段差形成部の移動とともに突出部が金属材料を押圧しつつ貫通孔内を相対移動する。これにより、金属材料が貫通孔内に入り込む準備がされる。つまり、第2態様によっても、上記第1態様と同様の効果が発揮される。第2態様によれば、小径カップが大径カップに囲まれる形で、ダブルカップが形成される。
本発明の第3態様によれば、第1パンチ部材が第2パンチ部材に対して相対移動することで金属材料が増肉され、第1パンチ部材と第2パンチ部材とが一体的に移動することで増肉部分が第2凹部内に押し出される。増肉工程中や増肉工程後も、第1パンチ部材は移動しているため、突出部が金属材料を押圧しつつ第2凹部内を移動する。これにより、第1態様同様、金属材料が第2凹部内に入り込む準備がされるため、金属材料に高い負荷を加えることなく、押し出し工程にて、小径のカップ形状を形成することができる。つまり、1回のプレス(ワンショット)で、ダブルカップ形状を形成することができる。また、第3態様によれば、2部材構成(2軸移動)のパンチと一部材からなるダイを準備するだけで足り、簡素な機構によりダブルカップの金属加工品を製造することができる。このように、第3態様によれば、工程数を増大させることなく、設備の簡素化が可能となる。
本発明の第4態様によれば、第1パンチ部材が第2パンチ部材に対して相対移動することで金属材料が増肉され、第1パンチ部材と第2パンチ部材とが一体的に移動することで増肉部分が貫通孔内に押し出される。増肉工程中や増肉工程後も、第1パンチ部材は移動しているため、突出部が金属材料を押圧しつつ貫通孔内を相対移動する。これにより、金属材料が貫通孔内に入り込む準備がされる。つまり、第4態様によっても、上記第3態様と同様の効果が発揮される。第4態様によれば、小径カップが大径カップに囲まれる形で、ダブルカップが形成される。
第1実施形態のプレス加工機の構成図である。 第1実施形態の製造方法の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態の製造方法を説明するための概念図である。 第1実施形態の製造方法の変形態様を説明するための概念図である。 第1実施形態の湾曲状態を説明するための概念図である。 第1実施形態の製造方法で製造された金属加工品を示す概念図(斜視断面図)である。 第2実施形態の製造方法を説明するための概念図である。 第2実施形態の製造方法で製造された金属加工品を示す概念図(斜視断面図)である。 第3実施形態のプレス加工機の構成図である。 第3実施形態の製造方法を説明するための概念図である。 第3実施形態の製造方法で製造された金属加工品を示す概念図(斜視断面図)である。 第4実施形態の製造方法を説明するための概念図である。 第3実施形態の製造方法の変形態様を説明するための概念図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。また、説明に用いる各図は概念図である。また、図6、8、11は、説明のため、中心軸を含む平面で金属加工品を切断した状態を示す。また、図4の9h以外の符号は、図3と同様であるため省略する。また、製造方法を説明するための各概念図では、適宜符号を省略している。
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態で用いるプレス加工機1は、パンチ2及びダイ3を備え、パンチ2とダイ3との間に配置された金属材料(金属板)9に対して、パンチ2とダイ3とを接近させてプレス加工を実行する装置である。プレス加工機1により各工程が実行される。
パンチ2は、本体部21と、本体部21の底面の中央部分から突出する突出部22と、本体部21の側面から突出して段差を形成する段差形成部23と、を備えている。本体部21は、円柱状に形成されている。突出部22は、円柱状の部位であって、本体部21の軸方向に延びている。段差形成部23は、円筒状の部位であって、本体部21を囲むように(全周にわたって)配置されている。
ダイ3は、パンチ2に対応した第1凹部31、および第1凹部31の底面に形成され突出部22に対応した第2凹部32を備えている。第1凹部31の底面は円形状であり、その中央部に第2凹部32が形成されている。第2凹部32の径は、第1凹部31の径よりも小さい。第1凹部31の径は、段差形成部23の径よりも大きい。第2凹部32の径は、突出部22の径よりも大きい。第1実施形態の突出部22の側面は、第1凹部31の底面を含む第1仮想平面および本体部21の底面を含む第2仮想平面に対して垂直に延びている。
(第1実施形態の製造方法)
第1実施形態における金属加工品の製造方法は、プレス加工機1を用いた金属加工品の製造方法であって、図2及び図3に示すように、第1絞り工程S101と、第2絞り工程S102と、増肉工程S103と、押し出し工程S104と、を含んでいる。
第1絞り工程S101は、パンチ2が、板状の金属材料9を、第1凹部31の形に沿って有底筒状に変形させながら第1凹部31内に押し入れる工程である。第2絞り工程S102は、パンチ2が、金属材料9を第2凹部32の形に沿って変形させながら第2凹部32内に押し入れる工程である。より詳細に、第2絞り工程S102は、突出部22が、有底筒状の金属材料9の底面の中央部を押圧し、当該中央部を第2凹部32の形に沿って変形させながら第2凹部32内に押し入れる工程である。
増肉工程S103は、有底筒状の金属材料9の開口端部91と段差形成部23とが係合した状態で、パンチ2がダイ3に向かって移動し、突出部22が第2凹部32内で移動しつつ、本体部21の底面と第1凹部31の底面との間の空間8で金属材料9の肉厚を増大させる工程である。ここで、増肉工程S103では、パンチ2が、第1凹部31の底面に当接している金属材料9の一部を、第1凹部31の底面から離れる方向(上方)に湾曲させる(図5参照)。そして、金属材料9は、段差形成部23による押圧を受け、突出部22と当接することで、空間8にて湾曲し、突出部22側が盛り上がる。金属材料9は、径方向に押圧されて、軸方向に拡大し、増肉される。
押し出し工程S104は、増肉工程S103の後、開口端部91と段差形成部23とが係合した状態で、突出部22が第2凹部32内で移動しつつ、本体部21が金属材料の増肉部分を押圧し、当該増肉部分の一部を第2凹部32内に押し出す工程である。押し出し工程S104では、増肉部分が本体部21と第1凹部31の底面との間で軸方向に押圧される。この際、突出部22の第2凹部32内の移動により、金属材料9はすでに第2凹部32に入り込めるように湾曲している。つまり、金属材料9は、第2凹部32に進入する準備ができており、増肉部分が本体部21に押圧されることで、第2凹部32内で有底円筒状(金属材料9に所定の穴がある場合、円筒状)に延びていく。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態によれば、段差形成部23が金属材料9を押圧することで金属材料9が増肉され、増肉工程S103中や増肉工程S103後も、段差形成部23の移動とともに突出部22が金属材料9を押圧しつつ第2凹部32内を移動する。これにより、金属材料9が第2凹部32内に入り込む準備がされるため、金属材料9に高い負荷(荷重)を加えることなく、押し出し工程S104にて、小径のカップ形状を形成することができる。つまり、1回のプレス(ワンショット)で、ダブルカップ形状を形成することができる。また、第1実施形態によれば、一体的に移動する(1軸移動の)パンチとダイとを準備するだけで足り、簡素な機構によりダブルカップの金属加工品を製造することができる。このように、第1実施形態によれば、工程数を増大させることなく、設備の簡素化が可能となる。
また、金属材料9に加える負荷を低減できることから、上記構成により、小径カップ(内側のカップ)の側面を、大径カップの底面に垂直に立てることが容易となる。なお、両者の角度は直角でなくてもよい。また、小径カップの底面が不要の場合、押し出し工程S104後に、小径カップの底面部分をカットすればよい。
(その他)
また、図4に示すように、金属材料9のうち突出部22に対応する部位に円形状の穴9hが設けられてもよい。これにより、第2絞り工程S102において、金属材料9の一部は、第2凹部32内で円筒状に形成される。この方法によれば、押し出し工程S104の後に小径カップの底面をカットすることなく、小径カップの底面が貫通したダブルカップを形成することができる。
また、図4の例では、穴9hの径は、突出部22の径より小さい。したがって、第2絞り工程S102では、突出部22が、金属材料9の穴9hの周囲の部分を第2凹部32の形に沿って円筒状に変形させながら第2凹部32内に押し入れる。これにより、金属材料9が第2凹部32内に進入する準備が容易に実行される。また、成形品質の観点において、穴9hの径は、突出部22の径より小さいことが好ましい。なお、穴9hの径が突出部22の径以上であってもよい。例えば穴9hの径が突出部22の径より大きい場合、段差形成部23が金属材料9を突出部22の側面に向けて押圧し、金属材料9の穴9hが移動している突出部22の側面に当接し、金属材料9が増肉されるとともに第2凹部32に向けて湾曲される。第2絞り工程S102と増肉工程S103とが同時進行するともいえる。これによっても、小径カップの底面をカットすることなく、小径カップの底面が貫通したダブルカップを形成することができる。
また、模式図である図5に示すように、増肉工程S103では、パンチ2が、第1凹部31の底面に当接している金属材料9の一部を、第1凹部31の底面から離れる方向に湾曲させる。詳細に、増肉工程S103において、有底筒状の金属材料9の底面の中央部分が、上方に湾曲する(盛り上がる)。第1実施形態の増肉工程S103では、有底筒状の金属材料9の側面の下端から金属材料9の底面の中央部(盛り上がりの頂点)に向けて延びる仮想平面Sと、有底筒状の金属材料9の側面との為す角度が鋭角となるタイミングがある。
このように、増肉工程S103において、プレスのマイナス方向(上方)に金属材料9が湾曲するように段差形成部23の位置を設定することで、より確実に金属材料9が増肉される。以下の実施形態でも共通の事項であるが、増肉量や小径カップの軸長等は、第1凹部31に対する段差形成部23の位置によって調整できる。
なお、例えば第1凹部31の底面が第2凹部32に向かって下方に傾斜している場合など、増肉工程S103において金属材料9の一部が上方(鋭角)に湾曲しない場合も生じ得る。この場合でも、金属材料9は、径方向に押圧されることで軸方向に拡大し、増肉されればよい。
また、以下の実施形態でも共通の事項であるが、段差形成部23と開口端部91との係合状態は、増肉工程より前から形成されてもよい。第1実施形態によれば、図6に示すように、底面有りのダブルカップ又は底面なしのダブルカップを製造することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態で用いるプレス加工機1Aは、図7に示すように、パンチ2A及びダイ3Aを備え、パンチ2Aとダイ3Aとの間に配置された金属材料9に対して、パンチ2Aとダイ3Aとを接近させてプレス加工を実行する装置である。プレス加工機1Aにより各工程が実行される。
パンチ2Aは、本体部21A、本体部21Aの底面から軸方向に延びるように本体部21Aに設けられた貫通孔22A、および本体部21Aの側面から突出して段差を形成する段差形成部23を備えている。パンチ2Aは、中央に貫通孔22Aをもつ円筒状の部材であって、パンチ2Aの外周面には第1実施形態と同様の段差形成部23が形成されている。
ダイ3Aは、パンチ2Aに対応した第1凹部31、および貫通孔22Aに進入可能に第1凹部31の底面の中央部から突出した突出部33を備えている。突出部33は、円柱状であって、ボス部ともいえる。
(第2実施形態の製造方法)
第2実施形態における金属加工品の製造方法は、プレス加工機1Aを用いた金属加工品の製造方法であって、絞り工程S201と、増肉工程S202と、押し出し工程S203と、を含んでいる。
絞り工程S201は、パンチ2Aが、突出部33に対応する位置に穴9hが形成された板状の金属材料9を、第1凹部31の形に沿って有底筒状に変形させながら第1凹部31内に押し入れる工程である。穴9hの径は、突出部33(下端部を除く)の径より大きい。なお、穴9hの径は、突出部33の径以下であってもよい。また、穴9hはなくても成形可能である。
増肉工程S202は、有底筒状の金属材料9の開口端部91と段差形成部23とが係合した状態で、パンチ2Aがダイ3Aに向かって移動し、突出部33が貫通孔22A内でパンチ2に対して相対移動しつつ、本体部21Aの底面と第1凹部31の底面との間の空間8で金属材料9の肉厚を増大させる工程である。本例の増肉工程S202は、金属材料9のうち穴9hの周囲の部分と突出部33とが当接した状態で実行される。
押し出し工程S203は、増肉工程S202の後、開口端部91と段差形成部23とが係合し且つ突出部33の一部が貫通孔22Aに進入した状態で、本体部21Aが金属材料9の増肉部分を押圧し、増肉部分の一部を貫通孔22A内に押し出す工程である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態によれば、段差形成部23が金属材料9を押圧することで金属材料9が増肉され、増肉工程S202中や増肉工程S202後も、段差形成部23の移動とともに突出部33が金属材料9を押圧しつつ貫通孔22A内を相対移動する。これにより、金属材料9が貫通孔22A内に入り込む準備がされる。つまり、第2実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が発揮される。第2実施形態によれば、図8に示すように、小径カップが大径カップに囲まれる形で、ダブルカップ(リバース形状)が形成される。
(その他)
図7の例でも、増肉工程S202では、パンチ2Aが、第1凹部31の底面に当接している金属材料9の一部を、第1凹部31の底面から離れる方向(上方)に湾曲させる。また、突出部33の側面は、第1凹部31の底面を含む第1仮想平面および本体部21の底面を含む第2仮想平面に対して垂直に延びている。なお、両者は直交しなくてもよい。
<第3実施形態>
第3実施形態で用いるプレス加工機10は、図9に示すように、パンチ4及びダイ5を備え、パンチ4とダイ5との間に配置された金属材料9に対して、パンチ4とダイ5とを接近させてプレス加工を実行する装置である。プレス加工機10により各工程が実行される。
パンチ4は、第1パンチ部材41と、第2パンチ部材42と、クッション部43と、を備えている。第1パンチ部材41は、本体部411、本体部411の底面から筒状に突出して側面を形成する側面形成部412、および側面形成部412の内側で本体部411の底面から側面形成部412を超えて突出する突出部413を備えている。突出部413は、マンドレルとも呼ばれる。
第2パンチ部材42は、突出部413が配置される貫通孔421が形成され、第1パンチ部材41に対して所定範囲の相対移動可能に、側面形成部412の内側に配置された筒状の部材である。
クッション部43は、第2パンチ部材42に対して第1パンチ部材41からダイ5に向けて所定の力を加える装置である。クッション部43は、クッションピン431を備え、クッションピン431を介して第2パンチ部材42に一定の圧力(液圧)を加える。クッション部43は、常圧クッション装置又は油圧クッション装置とも呼ばれる。クッション部43は、公知の装置を利用できるため詳細な説明は省略する。
ダイ5は、パンチ4に対応した第1凹部51、および第1凹部51の底面に形成され突出部413に対応した第2凹部52を備えている。第1パンチ部材41および第2パンチ部材42は、外力が加わらない限り、一体的に移動する。例えば第2パンチ部材42のみが下方に移動できない状況において、パンチ4が移動しようとする際に第2パンチ部材42に加わる押圧力がクッション部43の所定の力を超えると、第2パンチ部材42が停止したまま第1パンチ部材41が下方に移動する。つまり、第2パンチ部材42はクッション部43による所定の力を下方に加え、第1パンチ部材41は第2パンチ部材42に対して相対移動する。
(第3実施形態の製造方法)
第3実施形態における金属加工品の製造方法は、プレス加工機10を用いた金属加工品の製造方法であって、図10に示すように、絞り工程S301と、増肉工程S302と、押し出し工程S303と、を含んでいる。なお、図10では、クッション部43の表示を省略している。
絞り工程S301は、第1パンチ部材41および第2パンチ部材42が一体的にダイ5に向けて移動し、突出部413に対応する部位に円形状の穴9hが形成された板状の金属材料9を、第1凹部51の形に沿って有底筒状に変形させながら第1凹部51内に押し入れる工程である。
増肉工程S302は、有底筒状の金属材料9の底面が第2パンチ部材42と第1凹部51の底面とに当接した状態で、本体部411と第2パンチ部材42との離間距離Dが小さくなるように第1パンチ部材41が第2パンチ部材42に対して相対移動し、突出部413が穴9hを介して第2凹部52に進入しつつ側面形成部412が有底筒状の金属材料9の開口端部91を押圧し、第2パンチ部材42と第1凹部51の底面との間の金属材料9の肉厚を増大させる工程である。
増肉工程S302では、第2パンチ部材42が金属材料9により下方に進めない状態で、第1パンチ部材41が下方に進むことで、側面形成部412に押圧された金属材料9が第2パンチ部材42の下方に押し込まれる。金属材料9が第2パンチ部材42の下方に押し込まれることで、金属材料9は第2パンチ部材42を上方に押し上げつつ軸方向に拡大する。その間、突出部413は、第2凹部52内を下方に進む。このように、金属材料9は増肉される。例えば、増肉工程S302の際に、第1凹部51の底面に当接している金属材料9の一部が、第1凹部51の底面から離れる方向(上方)に湾曲しつつ増肉される。湾曲の度合い(湾曲しないのを含む)は、例えばクッション部43の力(液圧)を調整できる。
押し出し工程S303は、増肉工程S302により離間距離Dが所定範囲の最小値になった状態で、第1パンチ部材41および第2パンチ部材42が一体的にダイに向けて移動し、第2パンチ部材42が金属材料9の増肉部分を押圧し、増肉部分の一部を第2凹部52内に押し出す工程である。
押し出し工程S303では、離間距離Dが最小値(本例では0)になった際、第1パンチ部材41と第2パンチ部材42とが軸方向に係合する。これにより、第1パンチ部材41の下方への移動に応じて第2パンチ部材42も下方に移動する。パンチ4が一体的に移動することで、金属材料9を押圧し、第2凹部52に押し入れる。これにより、金属材料9には、小径の円筒状部位が形成される。このように、絞り工程S301および押し出し工程S303では、第1パンチ部材41と第2パンチ部材42とが同期して移動する。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態によれば、第1パンチ部材41が第2パンチ部材42に対して相対移動することで金属材料9が増肉され、第1パンチ部材41と第2パンチ部材42とが一体的に移動することで増肉部分が第2凹部52内に押し出される。増肉工程S302中や増肉工程S302後も、第1パンチ部材41は移動しているため、突出部413が金属材料9を押圧しつつ第2凹部52内を移動する。これにより、第1実施形態同様、金属材料9が第2凹部52内に入り込む準備がされるため、金属材料9に高い負荷を加えることなく、押し出し工程にて、小径のカップ形状を形成することができる。つまり、1回のプレス(ワンショット)で、ダブルカップ形状を形成することができる。また、第3実施形態によれば、2部材構成(2軸移動)のパンチと一部材からなるダイを準備するだけで足り、簡素な機構によりダブルカップの金属加工品を製造することができる。このように、第3実施形態によれば、工程数を増大させることなく、設備の簡素化が可能となる。
また、上記のようにプレスの負荷(荷重)を低減させることができるため、図11に示すように、ダブルカップ7において、小径カップ72の側面と大径カップ71の底面71aとを直交させること(いわゆるピン角の形成)も可能である。これは、第1、2実施形態でも可能であるが、2軸をもつ第3実施形態のほうが容易に実現することができる。
このように、金属加工品7は、有底円筒状の第1カップ部71と、第1カップ部71の底面71aに形成された円筒状の第2カップ部72と、を備えている。そして、第1カップ部71の底面71aと第2カップ部72の側面は、直交する。なお、金属材料9の穴9hの径は、突出部413の径以上でも未満でも成形可能である。
<第4実施形態>
第4実施形態で用いるプレス加工機10Aは、図12に示すように、パンチ4A及びダイ5Aを備え、パンチ4Aとダイ5Aとの間に配置された金属材料9に対して、パンチ4Aとダイ5Aとを接近させてプレス加工を実行する装置である。プレス加工機10Aにより各工程が実行される。
パンチ4Aは、第1パンチ部材41Aと、第2パンチ部材42と、クッション部43と、を備えている。第1パンチ部材41Aは、本体部411、および本体部411の底面から筒状に突出して側面を形成する側面形成部412を備えている。第2パンチ部材42は、貫通孔421が形成され、第1パンチ部材41に対して所定範囲の相対移動可能に、側面形成部412の内側に配置された筒状の部材である。クッション部43は、第3実施形態と同じである。
ダイ5Aは、パンチ4Aに対応した第1凹部51、および貫通孔421に進入可能に第1凹部51の底面の中央部から突出した突出部53を備えている。突出部53は、ボス部とも呼ばれる。パンチ4Aは、第3実施形態同様、特定の状況(増肉工程)を除いて第1パンチ部材41Aと第2パンチ部材42とが一体的に移動するように構成されている。
(第4実施形態の製造方法)
第4実施形態における金属加工品の製造方法は、プレス加工機10Aを用いた金属加工品の製造方法であって、絞り工程(図7のS201又は図10のS301参照)と、増肉工程S402と、押し出し工程S403と、を含んでいる。
絞り工程は、第1パンチ部材41および第2パンチ部材42が一体的にダイ5に向けて移動し、突出部53に対応する部位に円形状の穴9hが形成された板状の金属材料9を、第1凹部51の形に沿って有底筒状に変形させながら第1凹部51内に押し入れる工程である。なお、穴9hの径は、突出部53の径以上でも未満でもよい。また、穴9hがなくても成形可能である。
増肉工程S402は、有底筒状の金属材料9の底面が第2パンチ部材42と第1凹部51の底面とに当接した状態で、本体部411と第2パンチ部材42との離間距離Dが小さくなるように第1パンチ部材41Aが第2パンチ部材42に対して相対移動し、突出部53が貫通孔421に進入しつつ側面形成部412が有底筒状の金属材料9の開口端部91を押圧し、第2パンチ部材42と第1凹部51の底面との間の金属材料9の肉厚を増大させる工程である。
第3実施形態同様、増肉工程S402では、第2パンチ部材42が金属材料9により下方に進めない状態で、第1パンチ部材41Aが下方に進むことで、側面形成部412に押圧された金属材料9が第2パンチ部材42の下方に押し込まれる。金属材料9が第2パンチ部材42の下方に押し込まれることで、金属材料9は第2パンチ部材42を上方に押し上げつつ軸方向に拡大する。その間、突出部53は、貫通孔421内を上方に相対移動する。このように、金属材料9は増肉される。
押し出し工程S403は、増肉工程S402により離間距離Dが所定範囲の最小値になった状態で、第1パンチ部材41Aおよび第2パンチ部材42が一体的にダイ5Aに向けて移動し、第2パンチ部材42が金属材料9の増肉部分を押圧し、増肉部分の一部を貫通孔421内に押し出す工程である。
第3実施形態同様、押し出し工程S403では、離間距離Dが最小値(本例では0)になった際、第1パンチ部材41Aと第2パンチ部材42とが軸方向に係合する。これにより、第1パンチ部材41Aの下方への移動に応じて第2パンチ部材42も下方に移動する。パンチ4が一体的に移動することで、金属材料9を押圧し、貫通孔421に押し入れる。これにより、金属材料9には、小径の円筒状部位が形成される。このように、絞り工程および押し出し工程S403では、第1パンチ部材41Aと第2パンチ部材42とが同期して移動する。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態によれば、第1パンチ部材41Aが第2パンチ部材42に対して相対移動することで金属材料9が増肉され、第1パンチ部材41Aと第2パンチ部材42とが一体的に移動することで増肉部分が貫通孔421内に押し出される。増肉工程S402中や増肉工程S402後も、第1パンチ部材41Aは移動しているため、突出部53が金属材料9を押圧しつつ貫通孔421内を相対移動する。これにより、金属材料9が貫通孔421内に入り込む準備がされる。つまり、第4実施形態によっても、上記第3実施形態と同様の効果が発揮される。第4実施形態によれば、小径カップが大径カップに囲まれる形で、ダブルカップが形成される(図8参照)。また、第3実施形態同様、ピン角の形成が可能である(図11参照)。
(その他)
各実施形態間では多くの部分が共通し、各実施形態の説明又は図面を互い参照することができる。
また、図13に示すように、第3実施形態における押し出し工程S303では、第2パンチ部材42が、増肉部分の一部を第2凹部52内及び貫通孔421内に押し出してもよい。これは、例えば、突出部413と第2パンチ部材42の内周面との間の隙間を金属進入可能な大きさ(例えば突出部413と第2凹部52との隙間相当)にすることで、実現される。押し出し工程S303において、金属材料9が、突出部413と第2パンチ部材42の内周面との間にも押し出されることで、大径カップの上下両側に小径カップをもつトリプルカップを製造することができる。なお、上側の小径カップの肉厚は、突出部413と第2パンチ部材42の内周面との間に形成される隙間の大きさで調整することができる。同様に、下側の小径カップの肉厚は、突出部413と第2凹部52の内周面との間に形成される隙間の大きさで調整することができる。例えば、貫通孔421の径と第2凹部52の径とを同じにすることで、両小径カップの肉厚を均等に形成することができる。
1、1A、10、10A…プレス加工機、2、2A、4、4A…パンチ、3、3A、5、5A…ダイ、9…金属材料、9h…穴。

Claims (10)

  1. 本体部、前記本体部の底面の中央部分から突出する突出部、および前記本体部の側面から突出して段差を形成する段差形成部を有するパンチと、
    前記パンチに対応した第1凹部、および前記第1凹部の底面に形成され前記突出部に対応した第2凹部を有するダイと、
    を備えたプレス加工機を用いた金属加工品の製造方法であって、
    前記パンチが、板状の金属材料を、前記第1凹部の形に沿って有底筒状に変形させながら前記第1凹部内に押し入れる第1絞り工程と、
    前記パンチが、前記金属材料を前記第2凹部の形に沿って変形させながら前記第2凹部内に押し入れる第2絞り工程と、
    有底筒状の前記金属材料の開口端部と前記段差形成部とが係合した状態で、前記パンチが前記ダイに向かって移動し、前記突出部が前記第2凹部内で移動しつつ、前記本体部の底面と前記第1凹部の底面との間の空間で前記金属材料の肉厚を増大させる増肉工程と、
    前記増肉工程の後、前記開口端部と前記段差形成部とが係合した状態で、前記突出部が前記第2凹部内で移動しつつ、前記本体部が前記金属材料の増肉部分を押圧し、前記増肉部分の一部を前記第2凹部内に押し出す押し出し工程と、
    を含む金属加工品の製造方法。
  2. 前記金属材料のうち前記突出部に対応する部位には、円形状の穴が形成されており、
    前記第2絞り工程において、前記金属材料の一部は、前記第2凹部内で円筒状に形成される請求項1に記載の金属加工品の製造方法。
  3. 前記穴の径は、前記突出部の径より小さく、
    前記第2絞り工程では、前記突出部が、前記金属材料の前記穴の周囲の部分を前記第2凹部の形に沿って円筒状に変形させながら前記第2凹部内に押し入れる請求項2に記載の金属加工品の製造方法。
  4. 本体部、前記本体部の底面から軸方向に延びるように前記本体部に設けられた貫通孔、および前記本体部の側面から突出して段差を形成する段差形成部を有するパンチと、
    前記パンチに対応した第1凹部、および前記貫通孔に進入可能に前記第1凹部の底面の中央部から突出した突出部を有するダイと、
    を備えるプレス加工機を用いた金属加工品の製造方法であって、
    前記パンチが、板状の金属材料を、前記第1凹部の形に沿って有底筒状に変形させながら前記第1凹部内に押し入れる絞り工程と、
    有底筒状の前記金属材料の開口端部と前記段差形成部とが係合した状態で、前記パンチが前記ダイに向かって移動し、前記突出部が前記貫通孔内で前記パンチに対して相対移動しつつ、前記本体部の底面と前記第1凹部の底面との間の空間で前記金属材料の肉厚を増大させる増肉工程と、
    前記増肉工程の後、前記開口端部と前記段差形成部とが係合し且つ前記突出部の一部が前記貫通孔に進入した状態で、前記本体部が前記金属材料の増肉部分を押圧し、前記増肉部分の一部を前記貫通孔内に押し出す押し出し工程と、
    を含む金属加工品の製造方法。
  5. 本体部、前記本体部の底面から筒状に突出して側面を形成する側面形成部、および前記側面形成部の内側で前記本体部の底面から前記側面形成部を超えて突出する突出部を有する第1パンチ部材と、
    前記突出部が配置される貫通孔が形成され、前記第1パンチ部材に対して所定範囲の相対移動可能に、前記側面形成部の内側に配置された筒状の第2パンチ部材と、
    前記第2パンチ部材に対して前記第1パンチ部材からダイに向けて所定の力を加えるクッション部と、
    を有するパンチと、
    前記パンチに対応した第1凹部、および前記第1凹部の底面に形成され前記突出部に対応した第2凹部を有する前記ダイと、
    を備えるプレス加工機を用いた金属加工品の製造方法であって、
    前記第1パンチ部材および前記第2パンチ部材が一体的に前記ダイに向けて移動し、前記突出部に対応する部位に円形状の穴が形成された板状の金属材料を、前記第1凹部の形に沿って有底筒状に変形させながら前記第1凹部内に押し入れる絞り工程と、
    有底筒状の前記金属材料の底面が前記第2パンチ部材と前記第1凹部の底面とに当接した状態で、前記本体部と前記第2パンチ部材との離間距離が小さくなるように前記第1パンチ部材が前記第2パンチ部材に対して相対移動し、前記突出部が前記穴を介して前記第2凹部に進入しつつ前記側面形成部が有底筒状の前記金属材料の開口端部を押圧し、前記第2パンチ部材と前記第1凹部の底面との間の前記金属材料の肉厚を増大させる増肉工程と、
    前記増肉工程により前記離間距離が前記所定範囲の最小値になった状態で、前記第1パンチ部材および前記第2パンチ部材が一体的に前記ダイに向けて移動し、前記第2パンチ部材が前記金属材料の増肉部分を押圧し、前記増肉部分の一部を前記第2凹部内に押し出す押し出し工程と、
    を含む金属加工品の製造方法。
  6. 本体部、および前記本体部の底面から筒状に突出して側面を形成する側面形成部を有する第1パンチ部材と、
    貫通孔が形成され、前記第1パンチ部材に対して所定範囲の相対移動可能に、前記側面形成部の内側に配置された筒状の第2パンチ部材と、
    前記第2パンチ部材に対して前記第1パンチ部材からダイに向けて所定の力を加えるクッション部と、
    を有するパンチと、
    前記パンチに対応した第1凹部、および前記貫通孔に進入可能に前記第1凹部の底面の中央部から突出した突出部を有する前記ダイと、
    を備えるプレス加工機を用いた金属加工品の製造方法であって、
    前記第1パンチ部材および前記第2パンチ部材が一体的に前記ダイに向けて移動し、板状の金属材料を、前記第1凹部の形に沿って有底筒状に変形させながら前記第1凹部内に押し入れる絞り工程と、
    有底筒状の前記金属材料の底面が前記第2パンチ部材と前記第1凹部の底面とに当接した状態で、前記本体部と前記第2パンチ部材との離間距離が小さくなるように前記第1パンチ部材が前記第2パンチ部材に対して相対移動し、前記突出部が前記貫通孔に進入しつつ前記側面形成部が有底筒状の前記金属材料の開口端部を押圧し、前記第2パンチ部材と前記第1凹部の底面との間の前記金属材料の肉厚を増大させる増肉工程と、
    前記増肉工程により前記離間距離が前記所定範囲の最小値になった状態で、前記第1パンチ部材および前記第2パンチ部材が一体的に前記ダイに向けて移動し、前記第2パンチ部材が前記金属材料の増肉部分を押圧し、前記増肉部分の一部を前記貫通孔内に押し出す押し出し工程と、
    を含む金属加工品の製造方法。
  7. 前記増肉工程では、前記パンチが、前記第1凹部の底面に当接している前記金属材料の一部を、前記第1凹部の底面から離れる方向に湾曲させる請求項1〜6の何れか一項に記載の金属加工品の製造方法。
  8. 前記突出部の側面は、前記第1凹部の底面を含む第1仮想平面および前記本体部の底面を含む第2仮想平面に対して垂直に延びている請求項1〜7の何れか一項に記載の金属加工品の製造方法。
  9. 前記金属加工品は、有底円筒状の第1カップ部と、前記第1カップ部の底面に形成された円筒状の第2カップ部と、を備え、
    前記第1カップ部の底面と前記第2カップ部の側面は直交する請求項8に記載の金属加工品の製造方法。
  10. 前記押し出し工程では、前記第2パンチ部材が、前記増肉部分の一部を前記第2凹部内及び前記貫通孔内に押し出す請求項5に記載の金属加工品の製造方法。
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