JP2021058029A - モータ制御装置、モータの制御方法、モータ制御システム、モータシステムおよびモータ - Google Patents

モータ制御装置、モータの制御方法、モータ制御システム、モータシステムおよびモータ Download PDF

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Abstract

【課題】磁石を減磁または着磁する際の電圧を抑える。【解決手段】 モータ制御装置は、モータに含まれるコイルを含む回路に対して、コイルに供給される電流の出力を指令する指令出力部と、係る回路を実質的に共振させる周波数で、モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流を、コイルに供給する指令を出力するよう指令出力部を制御する制御部と、を備える。【選択図】図1A

Description

本開示は、モータを制御するモータ制御装置等に関する。
モータおよびこれを制御するモータ制御装置に関する技術として、モータの磁石を減磁または着磁する技術が提案されている(特許文献1等参照)。例えば、特許文献1には、モータの磁石を減磁または着磁することにより、モータの速度トルク特性を変更することが記載されている。
しかしながら、モータの磁石を減磁または着磁するためには、少なくとも一時的に磁石の周りに強い磁力を発生させることになる。このため、例えば、モータを回転駆動させる際よりも大きな電流が、磁石を減磁または着磁する磁界を発生するコイルに流される。
国際公開第2005−013167号公報
本開示に係る技術は、上記事情を鑑みて開発された技術であり、モータの磁石を減磁または着磁する際の電圧を抑えることができるモータ制御装置等を提供することを目的の一つとする。
上記目的を達成するために、本開示の一実施態様に係るモータ制御装置は、
モータに含まれるコイルを含む回路に対して、上記コイルに供給される電流の出力を指令する指令出力部と、
上記回路を実質的に共振させる周波数で、上記モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流を、上記コイルに供給する指令を出力するよう上記指令出力部を制御する制御部と、を備える。
また、本開示に係る技術の更に他の実施態様に係るモータの制御方法は、モータに含まれるコイルを含む回路に対して、上記回路を実質的に共振させる周波数で、上記モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流を供給する指令を出力する。
また、本開示に係る技術の更に他の実施態様に係るモータ制御システムは、モータに含まれるコイルを含む回路と、
上記回路に対して、上記コイルに供給される電流の出力を指令する指令出力部と、
上記回路を実質的に共振させる周波数で、上記モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流を供給する指令を出力するよう上記指令出力部を制御する制御部と、を備える。
また、本開示に係る技術の更に他の実施態様であるモータシステムは、コイルと磁石とを有するモータと、
上記コイルを含む回路と、
上記回路に対して、上記コイルに供給される電流の出力を指令する指令出力部と、
上記回路を実質的に共振させる周波数で、上記モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流を供給する指令を出力するよう上記指令出力部を制御する制御部と、を有する。
本開示に係る技術の更に他の実施態様であるモータは、
コイルと磁石とを有するモータであって、
上記コイルと、上記コイルに電気的に接続されたキャパシタとを含む回路に対して、上記モータに対して供給される電流を制御可能なモータ制御装置からの指令に応じて、上記回路を実質的に共振させる周波数の電流である第1の電流が上記コイルに供給されることにより、上記磁石が着磁または減磁される。
図1Aは、本開示の第1実施形態に係るモータ制御装置を含むモータシステムの概念図である。 図1Bは、本開示の第2実施形態に係るモータシステムの概念図である。 図1Cは、本開示の第3実施形態に係るモータシステムの概念図である。 図1Dは、本開示の第4実施形態に係るモータシステムの概念図である。 図2Aは、回路に生成される第2の電流の一例を示す概念図である。 図2Bは、回路に生成される第1の電流の一例を示す概念図である。 図2Cは、回路に生成される第1の電流と第2の電流とを比較した概念図である。 図3は、モータシステムに含まれるモータの一例を模式的に示す断面図である。 図4Aは、図3に示すモータの部分拡大図である。 図4Bは、第1変形例に係るモータを示す部分拡大図である。 図4Cは、第2変形例に係るモータを示す部分拡大図である。 図5は、図1Dなどに示す運転制御部で行われる処理の一例を示す概念図である。 図6は、図5に示す運転制御部の処理が、モータの回転数に与える影響をシミュレーションした結果を表すグラフである。 図7は、図1Aに示す運転制御部で行われる処理の他の一例を示す概念図である。
以下、本開示に係る技術を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
なお、本開示に係る技術に関連して、下記のような技術的な背景がある。
例えば、特許文献1に記載されているような構成を採用したモータシステムの場合、モータの磁石を減磁または着磁する際、着磁又は減磁に用いられる磁界を発生するコイルに、モータを回転駆動させる際よりも大きな電流が流されることがある。このため、係る構成のモータシステムは、例えば、減磁または着磁を行わないモータシステムに比べて、より高い電圧を生じさせる(昇圧比が高い)昇圧コンバータなどを必要とすることがある。また、係る構成のモータシステムにおいては、減磁または着磁に用いる回路に含まれる素子についても、減磁または着磁を行わない場合に比べて、高いレベルの耐電圧特性が要求されることがある。
これに対して、以下に例示する各実施形態を用いて説明する本開示に係る技術を採用することで、モータの磁石を減磁または着磁する際の電圧を抑えることができる。以下、各実施形態について詳細に説明する。
第1実施形態
図1Aは、本開示に係る技術の一実施形態に係るモータ制御装置10を有するモータシステム70を表す概念図である。なお、図1Aは、モータ制御装置10の機能的な構成を示す図面であり、図1Aに示される各構成要素は、ある特定の機能を実現する機能ブロックを表す。これらの構成要素を実現する方法は特に限定されない。例えば、これらの構成要素は、個別のデバイス、あるいは、演算装置により実行されるソフトウェア・プログラム等により実現されてもよく、2以上の構成要素が統合されてもよく、1つの構成要素が更に分割されてもよい。
モータシステム70は、モータ制御装置10と、モータ制御装置10による制御の対象となるモータ30と、モータ30に電流を供給する回路40と、電圧源48などを有する。
本実施形態では、モータ制御装置10が制御するモータ30として、埋込磁石型同期モータ(IPMSM:interior permanent magnet synchronous motor)(図3参照)を例に挙げて説明を行うが、モータ制御装置10が制御するモータ30としては、これのみには限定されない。モータ制御装置10は、たとえば、埋込磁石型同期モータ(IPMSM)以外の他のPM(permanent magnet)モータを制御するものであってもよい。
図1Aに示すように、モータ制御装置10は、インバータ46及び切り替え部44に対して、モータ30を制御するための指令を出力する。一例として、モータ制御装置10は、インバータ46及び切り替え部44に対する制御信号を出力してもよく、モータ30の制御に用いられるデータを含む指令データを出力してもよい。
また、モータ制御装置10は、モータ30の回転数などの情報を取得する。一例として、モータ制御装置10は、レゾルバ又はコンバータ等を介して、モータ30の回転数などを情報を取得してもよい。なお、モータの回転数や、ロータの位置などを取得する方法は特に限定されず、モータの形式、制御方法等に応じて適切な方法が選択されてよい。
図1Aに示すように、モータ制御装置10は、制御部20、指令出力部22、入力部26等を有する。なお、図1Aにおいてモータ制御装置10に含まれる各部分は、モータ30を制御する機能を表すブロックである。係る各部分を実現する構成は特に限定されない。係る各部分は、例えば、独立したデバイスあるいは処理単位として実現されていてもよく、2以上の部分が統合されてもよく、1つの部分が更に分割されてもよい。モータ制御装置10は、たとえばマイクロプロセッサやメモリ等を用いて構成されてもよく、この場合、適切なソフトウェア・プログラムが実行されることにより、モータ制御装置10の機能が実現されてもよい。上記に限定されず、モータ制御装置10は、例えば、1以上の専用のハードウェア装置(集積回路等)を用いて構成されてもよい。
図1Aに示す指令出力部22は、モータ30に含まれるコイル32を含む回路40に対して、コイル32に供給される電流の出力を指令する。たとえば、指令出力部22は、インバータ46や切り替え部44を制御して電流の出力を調整することにより、モータ30の回転子33(図3参照)の回転を制御したり、モータ30が有する磁石34(図3参照)の着磁、磁石34の減磁を制御することができる。
指令出力部22は、運転制御部24、電流・速度調整部25および記憶部27を含む制御部20によって制御される。なお、図1Aにおいては、指令出力部22は、電流の出力を指令する制御部20とは別の部分として示されているが、指令出力部22は、制御部20の一部であってもよい。指令出力部22による電流の出力の指令については、後程詳述する。
制御部20は、回路40の電流値に関する情報、モータ30の回転数の情報、入力部26を介して入力される外部入力情報などに基づき、指令出力部22を制御する。制御部20によって制御された指令出力部22は、インバータ46や切り替え部44に対して、モータ30に供給する電流に関する指令を出力する。たとえば、制御部20は、指令出力部22が、後述する第1の電流52aや第2の電流52b(図2A、図2B参照)をモータ30のコイル32に供給する指令を出力するように、指令出力部22を制御することができる。
制御部20は、例えば、運転制御部24と、電流・速度調整部25と、記憶部27とを有する。電流・速度調整部25は、回路40の電流値に関する情報、モータ30の速度(回転数)の情報、入力部26を介して入力される外部入力情報などに基づき、回路40へ供給する電流の出力の調整値を算出する。電流・速度調整部25は、たとえば、回路40からのUVW三相交流信号と、モータ30の回転数の情報と、外部入力情報とに基づいて、交流信号のdq変換を行ってもよく、d軸およびq軸電流のゲインを算出してもよい。
運転制御部24は、非干渉制御などのモータ30の運転制御を行う。運転制御部24は、たとえば、図5における(c)および(d)に示されるように、d軸電圧に対するq軸電流の影響と、q軸電圧に対するd軸電流および磁束の影響をキャンセルして各軸の電圧が算出されるように、信号処理を行う。このような運転制御部24の非干渉制御により、d軸とq軸の干渉を低減若しくは解消し、モータ制御装置10は、d軸とq軸とを独立に制御することが可能となる。
図1Aに示す記憶部27は、運転制御部24が演算に使用する情報を記憶している。運転制御部24は、必要に応じて記憶部27から情報を読み出し、モータ30の制御に関する演算に用いることができる。
図1Aに示すモータ制御装置10の入力部26には、モータ30に関する速度(回転数)指令や、電流指令のような外部入力情報が入力される。入力部26に入力された外部入力情報は、制御部20に伝えられ、モータ30の制御に用いられる。
図3は、図1Aに示すモータ30の内部構造を模式的に示す断面図である。モータ30は、複数の磁石34を有する回転子33(ロータ)と、複数のコイル32を有する固定子31(ステータ)とを有する。図3に例示する具体例においては、モータ30には、12個のコイル32が含まれ、12個のコイル32が、円周方向に沿って略等間隔で配置されている。回転子33には、4つの磁石34が円周方向に略等間隔で配置されており、回転子33の略中心位置を回転中心として回転可能である。
図3に示すように、コイル32は、磁石34を有する回転子33を取り囲むように配置されている。図4Aは、図3の部分拡大図である。永久磁石である磁石34は、回転子33に埋め込まれている。磁石34の両端にはフラックスバリアが設けられていてもよい。回転子33に埋め込まれている磁石34は、対向するコイル32によって形成される磁場による作用を受ける。
磁石34は、コイル32によって形成された磁場によって、モータ30の回転子33が回転する。また、コイル32によって、磁石34の周辺に比較的強い磁場が形成されると、磁石34は、形成された磁場によって着磁または減磁される。図1A、図3および図4Aに示すモータ30は、モータ30を回転させるコイル32と、磁石34を着磁または減磁するコイル32とが共通であるが、図1Aに示すモータ制御装置10が制御するモータとしてはこれに限定されない。たとえば、図1Cに示すように、モータ制御装置10が制御するモータは、モータ130を回転させるコイル32とは別のコイル32を用いて磁石34を着磁または減磁するよう構成されてもよく、モータ30を回転させるコイル32の一部を用いて磁石34を着磁または減磁するよう構成されてもよい。
図1Aに示すように、モータシステム70は、モータ30のコイル32を含む回路40を有しており、モータ30のコイル32には、回路40を介して電力が供給される。回路40は、モータ30のコイル32、キャパシタ42、切り替え部44、インバータ46などを有する。
インバータ46は、指令出力部22からの指令に基づき、電圧源48からの直流電圧を用いて、回路40に所定の電流および電圧を発生させる。図1Aに示すモータシステム70では、電圧源48としてバッテリによる直流電圧を用いているが、モータ30を駆動するための電圧源48としてはこれに限定されず、電圧源は交流電圧であってもよい。
図1Aに示す切り替え部44は、指令出力部22からの指令に基づき、コイル32に電気的に接続する回路40の接続を、第1回路40aと、第2回路40bとの間で切り替える。第1回路40aにはキャパシタ42が配置されており、第1回路40aにおいては、コイル32にキャパシタ42を介して第1の電流52a(図2B参照)が供給される。これに対して、第2回路40bにおいては、コイル32に、キャパシタ42を介さずにモータ30の回転を制御する第2の電流52b(図2A参照)が供給される。
図1Aに示すモータシステム70において、コイル32を含む回路40は、モータ30に含まれる磁石の着磁や減磁を行う場合を除いて、第2回路40bを形成するように接続状態が構成される。
たとえば、モータ30を通常運転する場合、モータ制御装置10の制御部20は、モータ30の回転を制御する第2の電流52b(図2A参照)を回路40に発生させる運転指令d2を生成し、指令出力部22を制御する。制御部20から運転指令d2を受けた指令出力部22は、切り替え部44を制御し、回路40の接続を第2回路40bに切り替える。これにより、コイル32を含む回路40は、インバータ46がキャパシタ42を介さずにコイル32に接続する第2回路40bを形成する。
また、指令出力部22が運転指令d2により制御されると、指令出力部22からの指令を受けたインバータ46は、第2の電流52b(図2A参照)を第2回路40bに発生させる。図2Aは、第2の電流52bと、第2の電流52bを形成する相電圧を表す概念図である。図2Aに示すように、第2の電流52bの電流周波数fc2は、インバータスイッチタイミング周波数である電圧周波数fsに対して十分に小さい。第2の電流52bの電流周波数fc2は、特に限定されないが、たとえば電圧周波数fsの1/100〜1/1000程度とすることができる。
これに対して、図1Aに示すモータシステム70においては、モータ30における磁石34の着磁や減磁を行う際、コイル32を含む回路40は、第1回路40aを形成するように接続状態が構成される。
たとえば、モータ30の磁石34を減磁または着磁する際、モータ制御装置10の制御部20は、第1の電流52a(図2B参照)を回路40に発生させる磁化制御指令d1を生成し、指令出力部22を制御する。制御部20から磁化制御指令d1を受けた指令出力部22は、切り替え部44を制御し、回路40の接続を第1回路40aに切り替える。すなわち、指令出力部22は、モータ30の磁石34を減磁または着磁する際、第2回路40bと第1回路40aとの切り替えを指令する指令信号d0を、切り替え部44に出力し、回路40の接続を切り替える。これにより、コイル32を含む回路40は、モータ30のコイル32に対応するインダクタと、モータ30外に配置されコイル32に直列接続されるキャパシタ42とを含む第1回路40aを形成する。
また、指令出力部22が磁化制御指令d1によって制御されると、インバータ46は、第1の電流52a(図2B参照)を第1回路40aに発生させる。図2Bは、第1の電流52aと、第1の電流52aを形成する相電圧を表す概念図である。図2Bに示すように、第1の電流52aの電流周波数fc1は、インバータスイッチタイミング周波数である電圧周波数fsと同じになっており、第2の電流52b(図2A参照)の電流周波数fc2より十分に大きい。ただし、第1の電流52aの電流周波数fc1はこれに限定されず、たとえば電圧周波数fsの−5パーセントから、+5パーセント程度の範囲の周波数としてもよい。
また、指令出力部22が磁化制御指令d1によって制御されると、インバータ46は、第1回路40aを形成する回路40を実質的に共振させる周波数で、第1の電流52aをコイル32に供給する。図2Cは、図2Aに示す第2の電流52bと、図2Bに示す第1の電流52aとを、縦軸(電流値)と横軸(時間)とを揃えて比較したグラフである。図2Cに示すように、第1の電流52aの電流周波数fc1は、モータ30のコイル32に対応するインダクタと、モータ30外に配置されコイル32に電気的に接続されるキャパシタ42とを含む第2回路40bの共振周波数と実質的に等しく、第2の電流52bの電流周波数fc2より十分に大きい。
また、図2Cから理解できるように、第1の電流52aの電流値は、第2の電流52bの電流値より大きいため、第1の電流52aをコイル32に供給することにより、モータ30の磁石34を減磁または着磁することができる。図1Aに示す制御部20は、磁化制御指令d1として、モータ30の磁石34を減磁または着磁するタイミングから所定時間の間、回路40を実質的に共振させる周波数の第1の電流52aを発生させるデータを含む指令を生成する。モータ30の磁石34を減磁または着磁する際、第1回路40aに第1の電流52aを発生する時間は特に限定されないが、たとえば、1[msec]〜1000[msec]程度としてもよい。
図1Aに示す制御部20は、モータ30の磁石34が減磁または着磁された後、モータ30の回転を制御する第2の電流52b(図2A参照)を回路40に発生させる運転指令d2を再度生成し、指令出力部22を制御する。この際、制御部20から運転指令d2を受けた指令出力部22は、切り替え部44を制御し、回路40の接続を、第1回路40aから第2回路40bに切り替える。
図2Aと図2Bの比較から理解できるように、制御部20は、運転指令d2として、回路40を実質的に共振させる周波数とは異なる周波数fc2の第2の電流52bを発生させるデータを含む指令を生成する。なお、モータ30の回転を制御する第2の電流52bは、モータ30の回転数の領域に応じて変化させることができる。例えば、モータ30に含まれる磁石34が着磁または減磁されることにより、モータ30が効率的に回転可能な領域が広がった場合、モータ30の回転を制御する第2の電流52bの周波数fc2も、モータ30の回転数の領域に応じて変化する。一例として、モータ30に含まれる磁石34が減磁されることにより、モータ30が高回転領域で効率的に回転可能となった場合を想定する。この場合、例えば、第2の電流52bの周波数fc2を、モータ30を高回転領域で回転させる周波数に変化させてもよい。
たとえば、制御部20は、モータ30の磁石34を減磁または着磁するタイミングよりも所定時間後の時点において、モータ30の磁石34を減磁または着磁するタイミングよりも前の時点で生成した運転指令d2により発生された第2の電流52bの周波数fc2とは異なる周波数の電流を発生させるデータを含む運転指令d2を生成することができる。
一例として、制御部20は、モータ30の磁石34を減磁したタイミングよりも所定時間後の時点において、モータ30の磁石34を減磁したタイミングよりも前の時点で生成した運転指令d2よりも高い回転数でモータ30を回転可能な周波数の電流を発生させるデータを含む運転指令d2を生成してもよい。
他の一例として、制御部20は、モータ30の磁石34を着磁したタイミングよりも所定時間後の時点において、モータ30の磁石34を着磁したタイミングよりも前の時点で生成した運転指令d2によりも低い回転数でモータ30を回転可能な周波数の電流を発生させるデータを含む運転指令d2を生成してもよい。
図1Aに示すモータ制御装置10は、コイル32に対応するインダクタと、コイル32に接続されるキャパシタを含む共振回路である第1回路40aを実質的に共振させる周波数を有する第1の電流52aを生成し、磁石34を減磁または着磁する。このようなモータ制御装置10は、モータ30の磁石34を減磁または着磁する際の電圧を抑えることができる。その理由の少なくとも1つは、以下のようなものであると考えられる。
すなわち、モータ30を制御する際の電圧は、以下の電圧方程式であらわされる。
Figure 2021058029
数式1において、Vd、Vqは電圧、id、iqは電流、Rは抵抗、Ld、Lqはインダクタンス、ωは角速度、Ψは鎖交磁束である。ここで、第1回路40aを実質的に共振させた場合、電圧方程式の右辺の第2項および第3項であるインダクタンス項が無視できる。したがって、第1回路40aを実質的に共振させることにより、より低い電圧でコイル32に大きな電流を流すことが可能となり、磁石34を減磁または着磁する際の電圧を抑えることができる。
なお、回路40に含まれるキャパシタ42の容量は、モータ30のコイル32に対応するインダクタと共振する容量であれば特に限定されないが、コイル32のインダクタンスが10〜100mH程度である場合、10〜100nFとすることができる。回路40に用いるキャパシタ42として、低用量のものを用いることにより、回路40の小型化に資する。また、図1Aに示す例では、キャパシタ42はモータ30の外に配置されているが、これとは異なり、モータ内に配置されるキャパシタとコイル32とを共振させ、共振回路を形成してもよい。
以上のように、第1実施形態に係るモータ制御装置10およびモータシステム70を用いて本開示に係る技術を説明してきたが、本開示に係る技術は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、他の多くの実施形態および変形例を含むことは言うまでもない。
第2実施形態
図1Bは、本開示に係る技術の第2実施形態に係るモータシステム170を示す概念図である。第2実施形態に係るモータシステム170は、モータ130およびモータ130のコイル32、132に電流を供給する回路140が異なるが、その他の部分は図1Aに示すモータシステム70と同様である。第2実施形態に係るモータシステム170については、第1実施形態に係るモータシステム70との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図1Bに示すモータ130は、モータ130の磁石を減磁したり着磁したりするコイル132を、モータ130を回転させるコイル32とは別に有している。モータ130に電力を供給する回路140は、切り替え部44により、第1の電流52a(図2B参照)をコイル132に供給する第1回路140aと、第2の電流52b(図2A参照)をコイル32に供給する第2回路140bとに、接続を切り替えることができる。第1回路140aにはキャパシタ142が配置されており、モータ130のコイル132とキャパシタ142とを接続する第1回路140aを実質的に共振させる周波数で、モータ130の磁石を減磁または着磁する。
図1Bに示すモータシステム170のように、モータ130の磁石を着減磁するコイル132は、モータ130を回転させるコイル32とは異なるものであってもよい。図1Bに示すモータシステム170は、第1実施形態に係るモータシステム70と同様の効果を奏する。
第3実施形態
図1Cは、開示に係る技術の第3実施形態に係るモータシステム270を示す概念図である。第2実施形態に係るモータシステム270は、モータ30のコイル32に電流を供給する回路240が昇圧コンバータ249を含み、図1Aに示す切り替え部44を含まない点で異なるが、その他の部分は図1Aに示すモータシステム70と同様としてよい。第3実施形態に係るモータシステム270については、第1実施形態に係るモータシステム70との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図1Cに示す昇圧コンバータ249は、モータ30に供給される電流の電圧を昇圧する。すなわち、昇圧コンバータ249は、電圧源48の電圧を昇圧し、インバータ46に供給する。回路240では、モータの磁石を減磁または着磁する際においてモータ30のコイル32とともに共振回路に含まれるキャパシタとして、昇圧コンバータのキャパシタが用いられる。すなわち、図1Cに示すモータシステム270においては、モータ30のコイル32と、昇圧コンバータのキャパシタとを接続する回路を実質的に共振させる周波数で、モータ30の磁石を減磁または着磁する第1の電流が、コイル32に供給される。
図1Cに示すモータシステム270では、図1Aに示すような切り替え部44を有していなくても、コイル32に供給する電流の周波数を変化させることにより、モータ30の回転制御と、モータ30の磁石を減磁または着磁する制御とを、切り替えることができる。そのほか、図1Cに示すモータシステム270は、第1実施形態に係るモータシステム70と同様の効果を奏する。
なお、磁石を着磁または減磁する際には、例えば、昇圧コンバータ249の出力電圧を制御することにより、回路240に供給する電流を制御してもよい。
なお、上記説明したように、本実施形態におけるモータシステム270は、磁石を着磁または減磁する際に要する電圧を低減可能である。これにより、本開示に係る技術を採用しないモータシステムにおける昇圧コンバータに比して、本実施形態における昇圧コンバータ249の昇圧比が低減されえる。例えば、本実施形態における昇圧コンバータ249は、本開示に係る技術を採用しないモータシステムにおける昇圧コンバータよりも、小型(あるいは小容量の)昇圧コンバータであってもよい。
第4実施形態
図1Dは、本開示に係る技術の第4実施形態に係るモータシステム570を示す概念図である。第4実施形態に係るモータシステム570は、制御部520における運転制御部524などが、非干渉制御のようなモータ30の制御に用いるインダクタンスのパラメータを補正する補正手段として機能する点で図1Aに示す運転制御部24とは異なるが、その他の部分は図1Aに示すモータシステム70と同様である。第4実施形態に係るモータシステム570については、第1実施形態に係るモータシステム70との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図1Dに示す運転制御部524は、非干渉制御のようなモータ30の制御に用いるインダクタンスのパラメータを補正する補正手段として機能する。たとえば、運転制御部524は、モータ30の磁石34を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流52a(図2B)を回路40に発生させる際、記憶部527に記憶された情報を読み出し、非干渉制御の干渉項におけるインダクタンスのパラメータを補正することができる。
記憶部527は、モータ30のコイル32に供給される電流値と、コイル32のインダクタンスとの関係を示すモデルに関する情報を記憶する。記憶部527が記憶するモデルに関する情報は、図5(a)に示されるような、モータ30のコイル32に供給される電流値idと、コイル32のインダクタンスLd、Lqとの関係を表すテーブルであってもよい。また、記憶部527が記憶するモデルに関する情報は、図5(b)に示されるような、モータ30のコイル32に供給される電流値Idと、コイル32のインダクタンスLd、Lqとの関係を表す関数であってもよい。
図1Dに示す制御部520における運転制御部524は、図1Aに示す運転制御部24と同様に、モータ30の磁石34を減磁または着磁することができる。
また、運転制御部524は、指令出力部22に対して磁化生成指令を生成する際に、モータ30の非干渉制御に用いるインダクタンスのパラメータを補正することができる。たとえば、運転制御部524は、図5における(c)および(d)に示されるような非干渉制御を行う場合において、磁石の着磁または減磁を行う際などを除き、モータ30の非干渉制御に用いるインダクタンスのパラメータを一定とすることができる。
数式2は、数式1に示す電圧方程式を、d軸電流idとq軸電流iqについて解いたものである。
Figure 2021058029
ここで、数式2から、d軸電流idとq軸電流iqに含まれる干渉項は、インダクタンスLd、Lqの影響を受けることが理解できる。上述したように、運転制御部524による非干渉制御においては、インダクタンスのパラメータを一定と考えてよい場合が多いが、磁化生成指令を生成して磁石34の着磁や減磁を行う場合は、磁気飽和が生じることなどに起因して、インダクタンスが電流値に応じて変化し得る。
実際の回路40におけるインダクタンスが変化すると、インダクタンスのパラメータを一定と想定している典型的な非干渉制御の場合、制御が乱れることで瞬時大トルク(いわゆるトルクショック)が発生するおそれがある。
数式3は、PMモータのトルクTeを表す式である。
Figure 2021058029
そこで、図1Dに示す運転制御部524は、磁石34の減磁または着磁を行う際、図5(a)または図5(b)に示されるように、モータ30のコイル32に供給される電流値と、コイル32のインダクタンスとの関係を示すモデルに基づき、モータ30の制御に用いるインダクタンスのパラメータを補正することができる。パラメータの補正に用いるモデルとしては、モータ30のコイル32に供給される電流値idと、コイル32のインダクタンスLd、Lqとの関係を表すテーブル(図5(a))が用いられてもよい。また、係るモデルとしては、モータ30のコイル32に供給される電流値Idと、コイル32のインダクタンスLd、Lqとの関係を表す関数(図5(b))が用いられてもよい。上記に限定されず、係るモデルは、例えば、予め収集された実験データ等を用いて学習された、適切な機械学習のモデルが採用されてもよい。
このように、図1Dに示すモータ制御装置510は、モータ30の非干渉制御に用いるインダクタンスのパラメータを、電流値に応じて補正することにより、モータ30の駆動中に磁石34の着減磁を行う場合に発生するおそれのあるトルクショックを、効果的に低減あるいは防止できる。
図6は、図1Dに示すモータ制御装置510において、非干渉制御におけるインダクタンスのパラメータ補正を行うことによる効果を検証したシミュレーション結果を表すものである。図6(a)は、非干渉制御におけるインダクタンスのパラメータ補正を行った場合におけるモータ30の速度の時間変化を表しており、図6(b)は、非干渉制御におけるインダクタンスのパラメータを一定とした場合におけるモータ30の速度の時間変化を表している。
図6(b)から理解できるように、非干渉制御におけるインダクタンスのパラメータを一定とした場合、制御部520が磁化生成指令を生成して磁石34の着減磁を行ったタイミングで、回転が一時停止するほどの大きな速度の落ち込みが生じており(23sec付近)、大きなトルクショックが生じたことが理解できる。これに対して、非干渉制御におけるインダクタンスのパラメータ補正を行った図6(a)では、磁石34の着減磁を行ったタイミングで若干回転数が低下しているものの(13sec付近)、その落ち込みは図6(b)に比べて大幅に小さい。図6(a)と図6(b)の比較から、モータ30の非干渉制御に用いるインダクタンスのパラメータを、電流値に応じて補正することにより、磁石34の着減磁の際のトルクショックを防止できることが理解される。
なお、モータ制御装置510の制御部520は、磁石34の着減磁の際のトルクショックを防止するために、図7に示すような外乱オブザーバーを用いてもよい。外乱オブザーバを用いて、予測されるトルクショックを打ち消すことにより、図6(b)に示すような微小なトルクショックについても、低減することが可能である。そのほか、図1Dに示すモータシステム570は、第1実施形態に係るモータシステム70と同様の効果を奏する。
第1変形例
図4Bは、本開示に係る技術の第1変形例に係るモータ330の磁石334を示す拡大断面図である。モータ330は、磁石334が互いに保磁力の異なる第1磁石334aと第2磁石334bを有している点を除き、図4Aに示すモータ30と同様である。第1変形例に係るモータ330については、図4Aに示すモータ30との相違点のみ説明し、モータ30との共通点については説明を省略する。
磁石334は、2つの第2磁石334bと、2つの第2磁石334bの間に挟まれる1つの第1磁石334aを有しており、第1磁石334aの保磁力が、第2磁石334bより弱い。第1磁石334aと第2磁石334bとは、回転子333の半径方向に沿って配列されている。
磁石334は、図1Aに示すモータ制御装置10および回路40を用いた着減磁において、第1磁石334aのみが着減磁され、第2磁石334bの磁力は変化しない。モータ330のように、一部の磁石である第1磁石334aのみを着磁または減磁可能なものについても、図4Aに示すモータ30と同様に、モータ制御装置10によって制御することができる。また、モータ30の代わりに、モータ330を用いたモータシステムも、図1Aに示すモータシステム70と同様の効果を奏する。
第2変形例
図4Cは、本開示に係る技術の第2変形例に係るモータ430の磁石434を示す拡大断面図である。モータ430は、磁石434が互いに保磁力の異なる第1磁石434aと第2磁石434bを有している点を除き、図4Aに示すモータ30と同様である。第2変形例に係るモータ430については、図4Aに示すモータ30との相違点のみ説明し、モータ30との共通点については説明を省略する。
磁石434は、2つの第2磁石434bと、2つの第2磁石434bの間に挟まれる1つの第1磁石434aを有しており、第1磁石434aの保磁力が、第2磁石434bより弱い。第1磁石434aと第2磁石434bとは、回転子433の周方向または磁石434の両端のフラッスクバリアを接続する方向に沿って配列されている。
磁石434は、図1Aに示すモータ制御装置10および回路40を用いた着減磁において、第1磁石434aのみが着減磁され、第2磁石434bの磁力は変化しない。モータ430のように、一部の磁石である第1磁石434aのみ着磁または減磁可能なものについても、図4Aに示すモータ30と同様に、モータ制御装置10によって制御することができる。また、モータ30の代わりに、モータ430を用いたモータシステムも、図1Aに示すモータシステム70と同様の効果を奏する。
なお、他の変形例として、図1Cに示すモータシステム270の回路240では、モータ30の磁石を減磁または着磁する際においてモータ30のコイル32とともに共振回路に含まれるキャパシタとして、コイル32の寄生容量を用いることも考えられる。すなわち、図1Cに示すモータシステム270では、モータ30のコイル32とコイル32の寄生容量を含む回路を実質的に共振させる周波数で、モータ30の磁石を減磁または着磁可能な磁界を発生させる第1の電流を、コイル32に供給することも考えられる。
また、他の変形例として、図1Aに示す運転制御部24は、非干渉制御におけるインダクタンスのパラメータの補正を、電流値の変化に代えて、または電流値の変化に加えて、モータ30の温度に応じて行ってもよい。
以上、本開示に係る技術について、上記例示した実施形態及び変形例を用いて説明した。本開示に係る技術は上述した実施形態及び変形例に限定されず、その技術思想の範囲における他の改良技術、バリエーションも含まれる。本開示に係る技術には、例えば、各実施形態の及び変形例の組み合わせが含まれてよい。
本開示に係る技術には、以下の実施態様の構成が含まれるが、これに限定されるものではない。
本開示の一実施態様に係るモータ制御装置は、
モータに含まれるコイルを含む回路に対して、上記コイルに供給される電流の出力を指令する指令出力部と、
上記回路を実質的に共振させる周波数で、上記モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流を、上記コイルに供給する指令を出力するよう上記指令出力部を制御する制御部と、を備える。
係るモータ制御装置においては、指令出力部が、回路を実質的に共振させる周波数で、モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する第1の電流を、コイルを含む回路に出力する。モータに含まれるコイルを含む回路を共振させることにより、電圧が低くてもコイルに大電流を流すことが可能であるため、このようなモータ制御装置は、モータの磁石を減磁または着磁する際の電圧を抑えることができる。
また、たとえば、上記回路は、少なくとも上記モータの上記コイルに対応するインダクタと、上記モータ内に含まれるキャパシタとを含んでもよい。
モータのコイルに対応するインダクタとモータ内に含まれるキャパシタとを含む回路を共振させることにより、コイルに大電流を流すことが可能であり、モータの磁石を減磁または着磁する際の電圧を抑えることができる。また、モータ内のキャパシタを用いることにより、回路を小型化することができる。
また、たとえば、上記回路は、少なくとも上記モータの上記コイルに対応するインダクタと、上記モータ外に配置され、上記コイルに電気的に接続されるキャパシタとを有していてもよい。
モータのコイルに対応するインダクタとモータ外に含まれるキャパシタとを含む回路を共振させることにより、コイルに大電流を流すことが可能であり、モータの磁石を減磁または着磁する際の電圧を抑えることができる。また、モータ外のキャパシタを用いることは、モータ自体の小型化にとって有利である。
また、たとえば、上記キャパシタが、上記モータに供給される電流の電圧を昇圧する昇圧コンバータのキャパシタであってもよい。
昇圧コンバータのキャパシタを、共振回路のキャパシタとして用いることにより、このようなモータ制御装置は、モータの磁石を減磁または着磁するためのキャパシタを別途備える必要がない。
また、たとえば、上記回路は、上記コイルに上記キャパシタを介して上記第1の電流を供給する第1回路と、上記コイルに上記キャパシタを介さずに上記モータの回転を制御する第2の電流を供給する第2回路とに、接続を切り替える切り替え部を含んでもよく、
上記指令出力部は、少なくとも上記モータの上記磁石を減磁または着磁する際、上記第2回路と、上記第1回路との切り替えを指令する指令信号を、上記切り替え部に出力してもよい。
磁石を着磁または減磁をするときにはキャパシタを介する第1回路を用い、磁石を着磁または減磁をしないときにはキャパシタを介しない第2回路を用いることにより、磁石を着磁または減磁のために最適化したキャパシタを採用できる。
また、たとえば、上記制御部は、上記第1の電流を上記回路に発生させる指令である磁化制御指令と、上記モータの回転を制御する上記第2の電流を上記回路に発生させる指令である運転指令と、を少なくとも生成し、上記指令出力部を制御してもよい。
このような制御部は、磁化制御指令と運転指令とを生成することにより、任意のタイミングで回路に流す電流を切り替えることができる。
また、たとえば、上記制御部は、
上記磁化制御指令として、上記モータの磁石を減磁または着磁するタイミングから所定時間の間、上記回路を実質的に共振させる周波数の上記第1の電流を発生させるデータを含む指令を生成してもよく、
上記運転指令として、上記回路を実質的に共振させる周波数とは異なる周波数の電流を発生させるデータを含む指令を生成してもよい。
このような制御部は、運転指令における周波数を、磁化制御指令における周波数と異ならせることにより、共振しない周波数でモータを駆動することができる。
また、たとえば、上記制御部は、
上記モータの磁石を減磁または着磁するタイミングよりも所定時間後の時点において、上記モータの磁石を減磁または着磁するタイミングよりも前の時点で生成した上記運転指令により発生された電流の周波数とは異なる周波数の電流を発生させるデータを含む上記運転指令を生成してもよい。
このような制御部は、減磁または着磁により変化した磁石の磁力を用いて、広い範囲の回転数において、効率良くモータを駆動できる。
また、上記制御部は、上記磁化制御指令を生成する際に、上記モータの制御に用いるインダクタンスのパラメータを補正する補正手段を有してもよい。
このような制御部は、モータの回転中に磁化制御指令を生成して回路に第1の電流を発生させる場合に生じるおそれのあるトルクショックを防止できる。
また、たとえば、上記補正手段は、上記モータのコイルに供給される電流値と、上記コイルのインダクタンスとの関係を示すモデルに基づき、上記モータの制御に用いるインダクタンスのパラメータを補正してもよい。
このような補正手段は、電流値の変化に伴うインダクタンスの変化を適切に補正して、トルクショックを防止することが可能である。
また、たとえば、上記モデルは、上記モータの上記コイルに供給される電流値と、上記コイルのインダクタンスとの関係を表すテーブルと、上記モータの上記コイルに供給される電流値と、上記コイルのインダクタンスとの関係を表す関数と、の少なくとも一方を含んでいてもよい。
補正手段による補正の方法は特に限定されないが、たとえば、電流値とインダクタンスとの関係を表すテーブルや関数を含むモデルを用いることにより、補正手段は、電流値の変化に伴うインダクタンスの変化を適切に補正できる。
本開示に係るモータの制御方法は、モータに含まれるコイルを含む回路に対して、上記回路を実質的に共振させる周波数で、上記モータの磁石を減磁または着磁可能な電流である第1の電流を供給する指令を出力する。
このようなモータの制御方法によれば、モータの磁石を減磁または着磁する際の電圧を抑えることができる。
本開示に係るモータ制御システムは、モータに含まれるコイルを含む回路と、
上記回路に対して、上記コイルに供給される電流の出力を指令する指令出力部と、
上記回路を実質的に共振させる周波数で、上記モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流を供給する指令を出力するよう上記指令出力部を制御する制御部と、を備える。
このようなモータ制御システムによれば、モータの磁石を減磁または着磁する際の電圧を抑えることができる。
本開示に係るモータシステムは、コイルと磁石とを有するモータと、
上記コイルを含む回路と、
上記回路に対して、上記コイルに供給される電流の出力を指令する指令出力部と、
上記回路を実質的に共振させる周波数で、上記モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流を供給する指令を出力するよう上記指令出力部を制御する制御部と、を有する。
このようなモータシステムは、磁石を減磁または着磁する際の電圧を抑えることができる。
本開示に係るモータは、
コイルと磁石とを有するモータであって、
上記コイルと、上記コイルに電気的に接続されたキャパシタとを含む回路に対して、上記モータに対して供給される電流を制御可能なモータ制御装置からの指令に応じて、上記回路を実質的に共振させる周波数の電流である第1の電流が上記コイルに供給されることにより、上記磁石が着磁または減磁される。
このようなモータは、磁石を減磁または着磁する際の電圧を抑えることができる。
10、510…モータ制御装置
20、520…制御部
22…指令出力部
d0…指令信号
d1…磁化制御指令
d2…運転指令
24、524…運転制御部
25…電流・速度調整部
26…入力部
27、527…記憶部
30、130、330、430…モータ
31…固定子(ステータ)
32、132…コイル
33、333、433…回転子(ロータ)
34、334、434…磁石
334a、434a…第1磁石
334b、434b…第2磁石
40、140、240…回路
40a、140a…第1回路
40b、140b…第2回路
42、142…キャパシタ
44…切り替え部
46…インバータ
48…電圧源
52a…第1の電流
52b…第2の電流
70、170、270、570…モータシステム
249…昇圧コンバータ

Claims (15)

  1. モータに含まれるコイルを含む回路に対して、前記コイルに供給される電流の出力を指令する指令出力部と、
    前記回路を実質的に共振させる周波数で、前記モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流を、前記コイルに供給する指令を出力するよう前記指令出力部を制御する制御部と、を備えるモータ制御装置。
  2. 前記回路は、少なくとも前記モータの前記コイルに対応するインダクタと、前記モータ内に含まれるキャパシタとを含む請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記回路は、少なくとも前記モータの前記コイルに対応するインダクタと、前記モータ外に配置され、前記コイルに電気的に接続されるキャパシタとを含む請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記キャパシタが、前記モータに供給される電流の電圧を昇圧する昇圧コンバータのキャパシタである請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記回路は、前記コイルに前記キャパシタを介して前記第1の電流を供給する第1回路と、前記コイルに前記キャパシタを介さずに前記モータの回転を制御する第2の電流を供給する第2回路とに、接続を切り替える切り替え部を含み、
    前記指令出力部は、少なくとも前記モータの前記磁石を減磁または着磁する際、前記第2回路と、前記第1回路との切り替えを指令する指令信号を、前記切り替え部に出力する請求項2または請求項3に記載のモータ制御装置。
  6. 前記制御部は、前記第1の電流を前記回路に発生させる指令である磁化制御指令と、前記モータの回転を制御する前記第2の電流を前記回路に発生させる指令である運転指令と、を少なくとも生成し、前記指令出力部を制御する請求項5に記載のモータ制御装置。
  7. 前記制御部は、
    前記磁化制御指令として、前記モータの磁石を減磁または着磁する際、所定時間の間、前記回路を実質的に共振させる周波数の前記第1の電流を発生させるデータを含む指令を生成し、
    前記運転指令として、前記回路を実質的に共振させる周波数とは異なる周波数の電流を発生させるデータを含む指令を生成する、請求項6に記載のモータ制御装置。
  8. 前記制御部は、
    前記モータの磁石を減磁または着磁するタイミングよりも所定時間後の時点において、前記モータの磁石を減磁または着磁するタイミングよりも前の時点で生成した前記運転指令により発生された電流の周波数とは異なる周波数の電流を発生させるデータを含む前記運転指令を生成する、請求項7に記載のモータ制御装置。
  9. 前記制御部は、前記磁化制御指令を生成する際に、前記モータの制御に用いるインダクタンスのパラメータを補正する補正手段を有する請求項6〜8のいずれかに記載のモータ制御装置。
  10. 前記補正手段は、前記モータのコイルに供給される電流値と、前記コイルのインダクタンスとの関係を示すモデルに基づき、前記モータの制御に用いるインダクタンスのパラメータを補正する請求項9に記載のモータ制御装置。
  11. 前記モデルは、前記モータの前記コイルに供給される電流値と、前記コイルのインダクタンスとの関係を表すテーブルと、前記モータの前記コイルに供給される電流値と、前記コイルのインダクタンスとの関係を表す関数と、の少なくとも一方を含む、請求項10に記載のモータ制御装置。
  12. モータに含まれるコイルを含む回路に対して、前記回路を実質的に共振させる周波数で、前記モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流を供給する指令を出力するモータの制御方法。
  13. モータに含まれるコイルを含む回路と、
    前記回路に対して、前記コイルに供給される電流の出力を指令する指令出力部と、
    前記回路を実質的に共振させる周波数で、前記モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流を供給する指令を出力するよう前記指令出力部を制御する制御部と、を備えるモータ制御システム。
  14. コイルと磁石とを有するモータと、
    前記コイルを含む回路と、
    前記回路に対して、前記コイルに供給される電流の出力を指令する指令出力部と、
    前記回路を実質的に共振させる周波数で、前記モータの磁石を減磁または着磁可能な磁界を生成する電流である第1の電流を供給する指令を出力するよう前記指令出力部を制御する制御部と、を備えるモータシステム。
  15. コイルと磁石とを有するモータであって、
    前記コイルと、前記コイルに電気的に接続されたキャパシタとを含む回路に対して、前記モータに対して供給される電流を制御可能なモータ制御装置からの指令に応じて、前記回路を実質的に共振させる周波数の電流である第1の電流が前記コイルに供給されることにより、前記磁石が着磁または減磁される、モータ。
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