JP2021057301A - 複合粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】活物質粒子と導電材とを好適な状態で複合化させる。【解決手段】複合粒子10は、マイナスに帯電する活物質粒子11の表面に、カチオン性有機物とアニオン性導電材とを含む複合体14が形成されたものである。複合粒子10の製造方法は、(a)マイナスに帯電する活物質粒子11の表面にカチオン性有機物を接触させてカチオン性有機物付着粒子13を作製する工程と、(b)カチオン性有機物付着粒子13にアニオン性導電材を接触させて、活物質粒子11の表面にカチオン性有機物とアニオン性導電材とを含む複合体14を付着させる工程と、を含む。【選択図】図1
Description
本明細書では、複合粒子及びその製造方法を開示する。
従来、活物質粒子を導電材で被覆して、電極の導電性を高めることが提案されている。例えば特許文献1では、活物質粒子を導電材であるグラフェンで被覆した複合粒子において、グラフェンを適度に官能基化することが提案されている。特許文献1では、活物質粒子と酸化グラフェンとを公知のミキサーや混練機を用いて粉砕・混合して複合化し、空気中150℃〜250℃での加熱や還元剤の使用によって酸化グラフェンを還元して、複合粒子を製造している。
また、活物質粒子を樹脂などで被覆して、活物質の溶出や電解液の分解などを抑制することが提案されている。例えば特許文献2では、活物質粒子であるリチウム複合酸化物粒子の表面に、カチオン性材料層とアニオン性材料層とを交互に積層している。
また、活物質粒子を被覆する技術ではないが、例えば非特許文献1では、正に帯電した分枝状ポリエチレンイミン(b−PEI)を基板上に形成し、負に帯電した酸化グラフェン(GO)の懸濁液に基板を浸すことで、GOとb−PEIとのポリイオンコンプレックスを生成させることが提案されている。
Jianli Zou, Franklin Kim, Nature Communications NCOMMS6254
しかしながら、特許文献1のように、活物質粒子と導電材とを公知のミキサーや混練機を用いて複合化し、それを用いて電極を形成しても、導電材と複合化されていない活物質粒子があることなどにより、電極の導電性が低いことがあった。また、特許文献2及び非特許文献1では、活物質粒子を導電材と複合化することは検討されていなかった。このため、電極の導電性を高めることが望まれていた。
本開示はこのような課題を解決するためになされたものであり、活物質粒子と導電材とを好適な状態で複合化させ、電極の導電性を高めることを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、鋭意研究を行った。そして、リチウム複合酸化物のようなマイナスに帯電する活物質粒子の表面に、カチオン性有機物とアニオン性導電材とを含む複合体を形成させることに想到した。得られた粒子を熱処理して電極に用いると、電極の導電性が向上することを見いだし、本明細書で開示する発明を完成するに至った。
即ち、本開示の複合粒子は、
マイナスに帯電する活物質粒子の表面に、カチオン性有機物とアニオン性導電材とを含む複合体が形成された、
ものである。
マイナスに帯電する活物質粒子の表面に、カチオン性有機物とアニオン性導電材とを含む複合体が形成された、
ものである。
また、本開示の複合粒子の製造方法は、
(a)マイナスに帯電する活物質粒子の表面にカチオン性有機物を接触させてカチオン性有機物付着粒子を作製する工程と、
(b)前記カチオン性有機物付着粒子にアニオン性導電材を接触させて、前記活物質粒子の表面に前記カチオン性有機物と前記アニオン性導電材とを含む複合体を付着させる工程と、
を含むものである。
(a)マイナスに帯電する活物質粒子の表面にカチオン性有機物を接触させてカチオン性有機物付着粒子を作製する工程と、
(b)前記カチオン性有機物付着粒子にアニオン性導電材を接触させて、前記活物質粒子の表面に前記カチオン性有機物と前記アニオン性導電材とを含む複合体を付着させる工程と、
を含むものである。
本開示の複合粒子及びその製造方法では、電極の導電性を高めることができる。こうした効果が得られる理由は、例えば以下のように推察される。マイナスに帯電した活物質粒子の表面にプラスに帯電したカチオン性有機物を付着させ、その後、マイナスに帯電したアニオン性導電材を接触させることで、静電引力によって活物質粒子の表面にアニオン性導電材が引きつけられる。これにより、活物質粒子と導電材とが好適な状態で複合化し、電極の導電性が向上すると考えられる。
なお、本明細書において「マイナスに帯電」とは、中性条件(pH=7)でのゼータ電位がマイナスであることをいう。また、「プラスに帯電」とは、中性条件でのゼータ電位がプラスであることをいう。
(複合粒子)
本開示の複合粒子は、マイナスに帯電する活物質粒子の表面に、カチオン性有機物とアニオン性導電材とを含む複合体が形成されたものである。複合体は、カチオン性有機物とアニオン性導電材とが静電引力により結合したものであり、イオンコンプレックスとも称される。複合体は、例えば、アニオン性導電材の分散液をカチオン性有機物に接触させることで生成するゲルや、その乾燥物としてもよい。複合体は、例えば、活物質粒子の表面に膜状に形成されている。
本開示の複合粒子は、マイナスに帯電する活物質粒子の表面に、カチオン性有機物とアニオン性導電材とを含む複合体が形成されたものである。複合体は、カチオン性有機物とアニオン性導電材とが静電引力により結合したものであり、イオンコンプレックスとも称される。複合体は、例えば、アニオン性導電材の分散液をカチオン性有機物に接触させることで生成するゲルや、その乾燥物としてもよい。複合体は、例えば、活物質粒子の表面に膜状に形成されている。
複合粒子に含まれる活物質粒子は、マイナスに帯電するものであれば特に限定されず、その材質として、例えばリチウムイオン電池の正極活物質に用いられる酸化物型の活物質等が挙げられる。酸化物型の活物質は、リチウムと1種以上のその他の金属元素を含むリチウム複合酸化物としてもよい。リチウム複合酸化物は、リチウムと遷移金属元素とを含むリチウム遷移金属複合酸化物としてもよく、遷移金属としてニッケル及びコバルトを含むものとしてもよいし、ニッケル及びマンガンを含むものとしてもよいし、コバルト及びマンガンを含むものとしてもよいし、ニッケル、コバルト及びマンガンを含むものとしてもよい。リチウム遷移金属複合酸化物は、具体的には、基本組成式をLi(1-x)MnO2(0≦x<1など、以下同じ)やLi(1-x)Mn2O4などとするリチウムマンガン複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)CoO2などとするリチウムコバルト複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiO2などとするリチウムニッケル複合酸化物、基本組成式をLiV2O3などとするリチウムバナジウム複合酸化物などを用いることができる。リチウム複合酸化物は、基本組成式をLi(1-x)NiaCobMcO2(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1、MはMg、Al、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb及びMoのうちの1以上)などとするものとしてもよいし、基本組成式をLi(1-x)CoaNibMncO2(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1)やLi(1-x)CoaNibMncO4(0≦a≦1、0≦b≦1、1≦c≦2、a+b+c=2)などとするものとしてもよい。これらのうち、リチウムコバルトニッケルマンガン複合酸化物、例えば、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2やLiNi0.4Co0.3Mn0.3O2などが好ましい。なお、「基本組成式」とは、他の元素、例えば、Mg、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb及びMoのうちの1以上などを含んでもよい趣旨である。
複合粒子に含まれるカチオン性有機物は、特に限定されないが、窒素含有化合物が好ましく、炭素鎖中に窒素原子を含むものがより好ましい。窒素含有化合物は、2個以上6個以下の窒素原子を含むものが好ましく、4個以上5個以下の窒素原子を含むものがより好ましい。カチオン性有機物は、直鎖状でもよいし、分枝状でもよいし、環状でもよい。カチオン性有機物は、分子量が300未満が好ましく、250以下がより好ましく、200以下がさらに好ましい。また、カチオン性有機物は、分子量が50以上が好ましく、100以上がより好ましく、125以上がさらに好ましい。カチオン性有機物としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジンなどのエチレンアミン類や、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミンなどのアリルアミン類、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどのアルキルアミン類、ヘキサメチレンジアミン、スペルミジン、スペルミン、アマンタジンなどのポリアミン類や、それらの誘導体などが挙げられる。このうち、エチレンアミン類が好ましく、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンがより好ましく、トリエチレンテトラミンやテトラエチレンペンタミンがさらに好ましい。
複合粒子に含まれるアニオン性導電材は、特に限定されないが、水酸基、カルボキシル基及びエポキシ基のうちの1以上を有する炭素材料(酸化炭素材料とも称する)としてもよい。炭素材料は、グラフェンでもよいし、カーボンナノチューブでもよいし、フラーレンでもよいし、カーボンブラックでもよいし、グラファイトでもよい。アニオン性導電材は、酸化グラフェンでもよいし、酸化カーボンナノチューブでもよいし、酸化フラーレンでもよい。酸化グラフェンは、例えば、黒鉛を原料とし、改良ハマーズ法で合成してもよい。
複合粒子は、活物質粒子とカチオン性有機物とアニオン性導電材との合計のうち、10質量%以下の範囲でアニオン性導電材を含むものとしてもよい。つまり、活物質粒子の質量をX(g)、カチオン性有機物の質量をY(g)、アニオン性導電材の質量をZ(g)とすると、Z×100/(X+Y+Z)の値が10以下であるものとしてもよい。本開示の複合粒子では、活物質粒子と導電材とが好適な状態で複合化しているため、導電材が少なくても、電極の導電性を高めることができる。このZ×100/(X+Y+Z)の値は、7以下が好ましく、5以下としてもよい。Z×100/(X+Y+Z)の値は0.1以上としてもよいし、1以上としてもよいし、2以上としてもよい。また、複合粒子において、Y×100/(X+Y+Z)の値は、10以下としてもよいし、7以下としてもよいし、5以下としてもよく、0.1以上としてもよいし、1以上としてもよいし、2以上としてもよい。また、複合粒子において、X×100/(X+Y+Z)の値は、99.8以下としてもよいし、99以下としてもよいし、97以下としてもよいし、95以下としてもよく、80以上としてもよいし、85以上としてもよい。
(複合粒子の製造方法)
次に、複合粒子の製造方法について説明する。この製造方法は、(a)マイナスに帯電する活物質粒子の表面にカチオン性有機物を接触させてカチオン性有機物付着粒子を作製する工程と、(b)作製したカチオン性有機物付着粒子にアニオン性導電材を接触させて、活物質粒子の表面にカチオン性有機物とアニオン性導電材とを含む複合体を付着させる工程と、(c)200℃以上300℃以下の温度で熱処理を行い、複合体に含まれるカチオン性有機物の一部又は全部を熱分解させる工程と、を含む。
次に、複合粒子の製造方法について説明する。この製造方法は、(a)マイナスに帯電する活物質粒子の表面にカチオン性有機物を接触させてカチオン性有機物付着粒子を作製する工程と、(b)作製したカチオン性有機物付着粒子にアニオン性導電材を接触させて、活物質粒子の表面にカチオン性有機物とアニオン性導電材とを含む複合体を付着させる工程と、(c)200℃以上300℃以下の温度で熱処理を行い、複合体に含まれるカチオン性有機物の一部又は全部を熱分解させる工程と、を含む。
工程(a)では、カチオン性有機物付着粒子を作製する。この工程では、例えば以下のように、分散媒や溶媒を用いて活物質粒子とカチオン性有機物とを混合するのが好ましい。分散媒や溶媒としては、水系のものを用いてもよいし、有機系のものを用いてもよいが、水が好ましい。工程(a)では、例えば、上述した活物質粒子を分散媒に分散させて活物質粒子の分散液を作製する。また、上述したカチオン性有機物を溶媒に溶解又は分散媒に分散させてカチオン性有機物の溶液又は分散液を作製する。そして、活物質粒子の分散液にカチオン性有機物の溶液又は分散液を混合して撹拌する。これにより、活物質粒子のマイナス電荷とカチオン性有機物のプラス電荷とが静電引力で引き合い、活物質粒子の表面にカチオン性有機物が付着し、カチオン性有機物付着粒子が得られる。その後、ロータリーエバポレーター等を用いて分散媒や溶媒を蒸発させて除去し、あるいは、フリーズドライ等により分散媒や溶媒を昇華させて除去し、活物質粒子表面にカチオン性有機物が強固に付着したカチオン性有機物付着粒子を得る。工程(a)では、分散媒や溶媒を除去するにあたり、カチオン性有機物が活物質粒子の周囲に留まるようにするため、つまり、カチオン性有機物が分散媒や溶媒とともに除去されないようにするため、分散媒や溶媒を蒸発又は昇華させて除去することが好ましい。工程(a)において、分散媒や溶媒を除去する工程を省略してもカチオン性有機物付着粒子が得られるが、分散媒や溶媒を除去した方が、カチオン性有機物が活物質粒子の周囲により確実に付着するため好ましい。
工程(b)では、複合粒子を作製する。この工程では、例えば以下のように、分散媒や溶媒を用いて複合粒子とアニオン性導電材とを混合するのが好ましい。分散媒や溶媒としては、水系のものを用いてもよいし、有機系のものを用いてもよいが、水が好ましい。工程(b)では、例えば、工程(a)で得られたカチオン性有機物付着粒子を分散媒に分散させたカチオン性有機物付着粒子の分散液を準備する。また、上述したアニオン性導電材を分散媒に分散させたアニオン性導電材の分散液を準備する。そして、カチオン性有機物付着粒子の分散液にアニオン性導電材の分散液を混合して撹拌する。これにより、活物質粒子に付着したカチオン性有機物とアニオン性導電材とが静電引力で引き合い、カチオン性有機物とアニオン性導電材とを含む複合体が生成し、活物質粒子の表面に複合体が付着した複合粒子が得られる。その後、吸引ろ過等によって分散媒や溶媒を除去し、粉末状の複合粒子を得る。なお、工程(b)では、分散媒や溶媒を除去するにあたり、複合体に利用されなかったカチオン性有機物が分散媒や溶媒とともに除去されるようにするため、分散媒や溶媒をろ過法などで除去することが好ましい。工程(b)で生成する複合体は、層状構造等の規則構造を有する場合が多い。こうした規則構造は、工程(c)の熱処理後にも保たれ、正極活物質粒子の周りに適度な空隙を生じさせると考えられる。
工程(c)では、例えば以下のように、工程(b)で得られた複合粒子を熱処理して、熱処理済みの複合粒子を作製する。熱処理は、200℃以上300℃以下の温度で行う。熱処理時の雰囲気は、特に限定されるものではなく、例えば大気雰囲気などでもよいが、還元雰囲気又は不活性雰囲気が好ましい。この熱処理によって、アニオン性導電材に含まれる酸素を含む置換基の一部又は全部が還元されたり、カチオン性有機物の一部又は全部が分解されたりする。これにより、グラフェンの電気伝導率が向上し、活物質粒子と直接接触する導電材が増加するため、複合粒子を電極に用いた際に活物質粒子間の電子移動が容易になり電極の導電率が向上する。また、カチオン性有機物の分解によってアニオン性導電材の間に適度な空隙ができるため、複合粒子を電極に用いた際に活物質粒子の周りにイオン伝導媒体が入り込み易くなり、活物質粒子とイオン伝導媒体との間でのリチウムの授受が容易となる。この工程(c)は、省略してもよいが、工程(c)で得られた熱処理済みの複合粒子を電極に用いた方が、電極の導電性をより高めることができる。工程(b)で得られた複合粒子は、工程(c)に用いる材料として好適である。工程(c)では、活物質粒子の表面に複合体の一部が残る程度に熱処理してもよい。
図1は、複合粒子10の製造方法の一例を示す説明図である。工程(a)では、正極活物質粒子11の水懸濁液に、カチオン性有機物であるテトラエチレンペンタミン(TEPA)の水溶液を混合して撹拌し、必要に応じて水を蒸発又は昇華させる。これにより、正極活物質粒子11の表面にカチオン性有機物12が付着したカチオン性有機物付着粒子13が得られる。正極活物質粒子11の表面はマイナスに帯電しているため、このマイナス電荷と、カチオン性有機物12のプラス電荷とで静電吸着結合して、カチオン性有機物付着粒子13となる。工程(b)では、カチオン性有機物付着粒子13の水懸濁液に、アニオン性導電材である酸化グラフェンの水懸濁液を混合して撹拌し、ろ過等によって水を除去する。これにより、正極活物質粒子11の表面にTEPAと酸化グラフェンとの複合体14が付着して、複合粒子10が得られる。工程(c)では、複合粒子10を、還元雰囲気下200℃以上300℃以下の温度範囲で3時間程度保持して、還元熱処理を行う。この還元熱処理によって、酸化グラフェンに含まれる水酸基やカルボキシル基、エポキシ基などの置換基の一部又は全部が還元されたり、TEPAの一部又は全部が分解されたりして、複合体14の一部又は全部がポーラスなグラフェン膜になった膜状物である、導電膜15になる。こうして、熱処理済みの複合粒子16が得られる。
(電極及びその製造方法)
本開示の電極は、上述した複合粒子を備えている。本開示の電極の製造方法は、(d)上述した複合粒子の製造方法で製造した複合粒子を用いて電極を製造する工程、を含む。複合粒子としては、工程(b)で得られた複合粒子を用いてもよいし、工程(c)で得られた複合粒子を用いてもよい。電極は、例えば、上述した複合粒子と結着材とを混合して電極合材を作製し、集電体の表面に塗布し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。圧縮を行う場合、ホットロールプレスなどにより、加熱しながら圧縮してもよい。ホットロールプレスは、例えば、大気雰囲気下、100℃〜250℃の温度範囲で行うものとしてもよい。結着材は、複合粒子同士を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。電極合材は、水や、水に分散剤、増粘剤、SBRなどのラテックス等を加えたものを用いて、ペースト状やスラリー状にして用いてもよい。電極合材は、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いて、ペースト状やスラリー状にして用いてもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。電極合材の塗布方法としては、例えば、静電スクリーンなどを用いたスクリーンコーティング、アプリケータロールなどのローラコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、銅、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性等向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
本開示の電極は、上述した複合粒子を備えている。本開示の電極の製造方法は、(d)上述した複合粒子の製造方法で製造した複合粒子を用いて電極を製造する工程、を含む。複合粒子としては、工程(b)で得られた複合粒子を用いてもよいし、工程(c)で得られた複合粒子を用いてもよい。電極は、例えば、上述した複合粒子と結着材とを混合して電極合材を作製し、集電体の表面に塗布し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。圧縮を行う場合、ホットロールプレスなどにより、加熱しながら圧縮してもよい。ホットロールプレスは、例えば、大気雰囲気下、100℃〜250℃の温度範囲で行うものとしてもよい。結着材は、複合粒子同士を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。電極合材は、水や、水に分散剤、増粘剤、SBRなどのラテックス等を加えたものを用いて、ペースト状やスラリー状にして用いてもよい。電極合材は、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いて、ペースト状やスラリー状にして用いてもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。電極合材の塗布方法としては、例えば、静電スクリーンなどを用いたスクリーンコーティング、アプリケータロールなどのローラコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、銅、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性等向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
この電極は、上述した結着材として、結着材粒子を用いることが好ましい。結着材粒子を用いる場合には、結着材を溶解させる有機溶剤が不要である。結着材を溶解させる有機溶剤(例えばN−メチルピロリドン)は揮発性が悪いことが多いが、そうした溶剤が不要なため、電極を作製する際に有機溶剤を揮発させる工程を簡略化できる。結着材粒子の粒子径は、例えば50nm〜300nmとしてもよい。
(蓄電デバイス及びその製造方法)
本開示の蓄電デバイスは、上述した複合粒子を備えた正極と、負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在するイオン伝導媒体と、を備えている。また、本開示の蓄電デバイスの製造方法は、(d)上述した複合粒子の製造方法で製造した複合粒子を用いて正極を製造する工程と、(e)正極と、負極活物質を有する負極と、の間にイオン伝導媒体を介在させて蓄電デバイスを製造する工程、を含む。工程(d)は、上述した電極の製造方法の工程(d)と同じとすることができる。蓄電デバイスは、特に限定されないが、例えば、リチウムを電荷のキャリアとするものとしてもよく、リチウムイオン電池や、リチウム二次電池、リチウムイオンキャパシタとしてもよい。蓄電デバイスの一例について、以下に説明する。
本開示の蓄電デバイスは、上述した複合粒子を備えた正極と、負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在するイオン伝導媒体と、を備えている。また、本開示の蓄電デバイスの製造方法は、(d)上述した複合粒子の製造方法で製造した複合粒子を用いて正極を製造する工程と、(e)正極と、負極活物質を有する負極と、の間にイオン伝導媒体を介在させて蓄電デバイスを製造する工程、を含む。工程(d)は、上述した電極の製造方法の工程(d)と同じとすることができる。蓄電デバイスは、特に限定されないが、例えば、リチウムを電荷のキャリアとするものとしてもよく、リチウムイオン電池や、リチウム二次電池、リチウムイオンキャパシタとしてもよい。蓄電デバイスの一例について、以下に説明する。
本開示の蓄電デバイスにおいて、正極としては、例えば、上述した電極を用いることができる。この正極は、上述した複合粒子を含み、複合粒子は、リチウムを吸蔵放出する活物質粒子を含む。こうした活物質としては、上述したリチウム複合酸化物などが挙げられる。
負極は、リチウムを吸蔵放出する負極活物質を含んでいる。負極活物質は特に限定されないが、リチウム金属、リチウム合金、スズ化合物などの無機化合物、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素質材料、複数の元素を含む複合酸化物、導電性ポリマーなどが挙げられる。炭素質材料は、例えば、コークス類、ガラス状炭素類、グラファイト類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などが挙げられる。このうち、人造黒鉛、天然黒鉛などのグラファイト類が、金属リチウムに近い作動電位を有し、高い作動電圧での充放電が可能であり支持塩としてリチウム塩を使用した場合に自己放電を抑え、且つ充電時における不可逆容量を少なくできるため、好ましい。複合酸化物としては、例えば、リチウムチタン複合酸化物やリチウムバナジウム複合酸化物などが挙げられる。負極活物質としては、このうち、炭素質材料が安全性の面からみて好ましい。この負極は、負極活物質と集電体とを密着させて形成したものとしてもよいし、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。負極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状は正極と同様のものを用いることができる。
イオン伝導媒体は、例えば、支持塩(支持電解質)と有機溶媒とを含む非水電解液としてもよい。支持塩としては、例えば、公知のリチウム塩を含むものとしてもよい。このリチウム塩としては、例えば、LiPF6,LiBF4、LiClO4,LiAsF6,Li(CF3SO2)2N,LiN(C2F5SO2)2などが挙げられ、このうちLiPF6やLiBF4などが好ましい。この支持塩は、非水電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。支持塩を溶解する濃度が0.1mol/L以上では、十分な電流密度を得ることができ、5mol/L以下では、電解液をより安定させることができる。また、この非水電解液には、リン系、ハロゲン系などの難燃剤を添加してもよい。有機溶媒としては、例えば、非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等が挙げられる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等がある。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等がある。環状エステルとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がある。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、非水電解液としては、そのほかにアセトニトリル、プロピルニトリルなどのニトリル系溶媒やイオン液体、ゲル電解質などを用いてもよい。
この蓄電デバイスは、正極と負極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、蓄電デバイスの使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
この蓄電デバイスの形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図2は、蓄電デバイス20の構成の一例を示す模式図であり、コイン型の蓄電デバイス20の構成の概略を表す断面図である。この蓄電デバイス20は、カップ形状のケース21と、正極活物質を有しこのケース21の下部に設けられた正極22と、負極活物質を有し正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、絶縁材により形成されたガスケット25と、ケース21の開口部に配設されガスケット25を介してケース21を密封する封口板26と、を備えている。この蓄電デバイス20は、正極22と負極23との間の空間にイオン伝導媒体27を備えている。この蓄電デバイス20において、正極22は、マイナスに帯電する正極活物質粒子11の表面に、カチオン性有機物とアニオン性導電材とを含む複合体14が形成された複合粒子10、あるいは複合粒子10を熱処理した複合粒子16を備えている。
以上説明した複合粒子、正極およびそれらの製造方法では、正極の導電性を高めることができる。こうした効果が得られる理由は、例えば以下のように推察される。マイナスに帯電した正極活物質粒子の表面にプラスに帯電したカチオン性有機物を付着させ、その後、マイナスに帯電したアニオン性導電材を接触させることで、静電引力によって正極活物質粒子の表面にアニオン性導電材が引きつけられる。これにより、正極活物質粒子と導電材とが好適な状態で複合化し、正極の導電性が向上すると考えられる。
また、上述した複合粒子では、複合体が規則構造を有するため、正極活物質粒子の表面に適度な空隙が存在する。こうした空隙にイオン伝導媒体が染み込むことができ、イオン伝導媒体と正極活物質との間のイオン伝導も円滑に行われる。
また、上述した複合粒子では、正極活物質粒子と導電材とが複合化しているため、正極を作製する際に、正極活物質粒子や導電材等を有機溶媒に分散させなくても、正極活物質粒子や導電材の凝集や偏析が生じにくく、両者を均一に混合できる。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。例えば、上述した複合粒子は、リチウムイオン電池やリチウム二次電池以外の蓄電デバイスに用いてもよい。具体的には、リチウムイオンキャパシタ等に用いてもよいし、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属等を電荷のキャリアとする蓄電デバイスに用いてもよい。また、上述した複合粒子は、負極に用いてもよい。
1.試料の作製
[実施例1]
正極活物質粒子として、Li1.14(Ni0.335Co0.335Mn0.33)O2粒子(戸田マテリアル(株)製、NCM−01ST−5P。以降、NCM粒子とも称する。)4.5gを蒸留水20mLに分散させ、エチレンジアミン(東京化成工業製、E0077。以降、エチレンジアミンをEDAとも称する。)を5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、EDA付着粒子を得た。EDA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、酸化グラフェン(アライアンスバイオシステムズ製、HCGO−W−175。以降、酸化グラフェンをGOとも称する。)を1質量%含む水分散液を12.5g(2.6質量%相当)加え、1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の窒素気流下で3時間熱処理し、実施例1とした。
[実施例1]
正極活物質粒子として、Li1.14(Ni0.335Co0.335Mn0.33)O2粒子(戸田マテリアル(株)製、NCM−01ST−5P。以降、NCM粒子とも称する。)4.5gを蒸留水20mLに分散させ、エチレンジアミン(東京化成工業製、E0077。以降、エチレンジアミンをEDAとも称する。)を5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、EDA付着粒子を得た。EDA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、酸化グラフェン(アライアンスバイオシステムズ製、HCGO−W−175。以降、酸化グラフェンをGOとも称する。)を1質量%含む水分散液を12.5g(2.6質量%相当)加え、1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の窒素気流下で3時間熱処理し、実施例1とした。
[実施例2]
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、ジエチレントリアミン(東京化成工業製、D0493。以降、ジエチレントリアミンをDETAとも称する。)を5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、DETA付着粒子を得た。DETA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を12.5g(2.6質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の窒素気流下で3時間熱処理し、実施例2とした。
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、ジエチレントリアミン(東京化成工業製、D0493。以降、ジエチレントリアミンをDETAとも称する。)を5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、DETA付着粒子を得た。DETA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を12.5g(2.6質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の窒素気流下で3時間熱処理し、実施例2とした。
[実施例3]
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、テトラエチレンペンタミン(東京化成工業製、T0098。以降、テトラエチレンペンタミンをTEPAとも称する。)を5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、TEPA付着粒子を得た。TEPA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を25g(5質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の窒素気流下で3時間熱処理し、実施例3とした。
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、テトラエチレンペンタミン(東京化成工業製、T0098。以降、テトラエチレンペンタミンをTEPAとも称する。)を5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、TEPA付着粒子を得た。TEPA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を25g(5質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の窒素気流下で3時間熱処理し、実施例3とした。
[実施例4]
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、TEPAを5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、TEPA付着粒子を得た。TEPA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を12.5g(2.6質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の窒素気流下で3時間熱処理し、実施例4とした。
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、TEPAを5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、TEPA付着粒子を得た。TEPA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を12.5g(2.6質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の窒素気流下で3時間熱処理し、実施例4とした。
[実施例5]
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、TEPAを5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、TEPA付着粒子を得た。TEPA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を25g(5質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の大気中で3時間熱処理し、実施例5とした。
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、TEPAを5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、TEPA付着粒子を得た。TEPA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を25g(5質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の大気中で3時間熱処理し、実施例5とした。
[実施例6]
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、TEPAを5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、TEPA付着粒子を得た。TEPA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を12.5g(2.6質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の大気中で3時間熱処理し、実施例6とした。
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、TEPAを5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、TEPA付着粒子を得た。TEPA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を12.5g(2.6質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の大気中で3時間熱処理し、実施例6とした。
[実施例7]
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、ペンタエチレンヘキサミン(富士フイルム和光純薬製、164−12022。以降、ペンタエチレンヘキサミンをPEHAとも称する。)を5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、PEHA付着粒子を得た。PEHA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を25g(5質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の窒素気流下で3時間熱処理し、実施例7とした。
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、ペンタエチレンヘキサミン(富士フイルム和光純薬製、164−12022。以降、ペンタエチレンヘキサミンをPEHAとも称する。)を5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、PEHA付着粒子を得た。PEHA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を25g(5質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の窒素気流下で3時間熱処理し、実施例7とした。
[実施例8]
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、PEHAを5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、PEHA付着粒子を得た。PEHA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を12.5g(2.6質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の窒素気流下で3時間熱処理し、実施例8とした。
NCM粒子4.5gを蒸留水20mLに分散させ、PEHAを5質量%含む水溶液を5g加えて1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、PEHA付着粒子を得た。PEHA付着粒子を蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を12.5g(2.6質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、吸引ろ過を行い、残った粒子を80℃で一昼夜乾燥させた。得られた複合粒子を250℃の窒素気流下で3時間熱処理し、実施例8とした。
[比較例1]
比較例1では、カチオン性有機物を用いず、湿式でNCM粒子とGOとを混合して、GO2.5質量%の複合粒子を得た。具体的には、NCM粒子4.87gを蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を12.5g(2.5質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、80℃の乾燥機で一昼夜粒子を乾燥させ、得られた複合粒子を比較例1とした。
比較例1では、カチオン性有機物を用いず、湿式でNCM粒子とGOとを混合して、GO2.5質量%の複合粒子を得た。具体的には、NCM粒子4.87gを蒸留水20mLに分散させ、1質量%GO水分散液を12.5g(2.5質量%相当)加え1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ、80℃の乾燥機で一昼夜粒子を乾燥させ、得られた複合粒子を比較例1とした。
[比較例2]
比較例2では、カチオン性有機物を用いず、乾式でNCM粒子とGOとを混合して、GO2.5質量%の複合粒子を得た。具体的には、NCM粒子4.87gとGO粒子0.125g(2.5質量%相当)を乾式(フードプロセッサ)で撹拌・複合化し、得られた複合粒子を比較例2とした。
比較例2では、カチオン性有機物を用いず、乾式でNCM粒子とGOとを混合して、GO2.5質量%の複合粒子を得た。具体的には、NCM粒子4.87gとGO粒子0.125g(2.5質量%相当)を乾式(フードプロセッサ)で撹拌・複合化し、得られた複合粒子を比較例2とした。
[比較例3]
比較例2の複合粒子を、250℃窒素気流下で3時間熱処理し、比較例3とした。
比較例2の複合粒子を、250℃窒素気流下で3時間熱処理し、比較例3とした。
[参考例1]
熱処理温度を250℃から350℃に変更した以外は、実施例3と同様にしたものを参考例1とした。
熱処理温度を250℃から350℃に変更した以外は、実施例3と同様にしたものを参考例1とした。
[成膜方法及び試料作製方法]
上述のようにして得られた各複合粒子0.49gと、バインダーとしてのPVdF(アルケマ製HSV900。粒子径約200nm)0.01g(2質量%相当)と、を乾式(フードプロセッサ)で混合し、電極合材を作製した。得られた電極合材を静電スクリーンを用いてアルミ集電箔上に塗布し、それをホットロールプレスを用いて成膜した。条件はプレス温210℃、プレス速度1m/min、線圧62.5kg/cmとした。その後、膜を円形の2cm2のパンチで打ち抜き、試料を作製した。
上述のようにして得られた各複合粒子0.49gと、バインダーとしてのPVdF(アルケマ製HSV900。粒子径約200nm)0.01g(2質量%相当)と、を乾式(フードプロセッサ)で混合し、電極合材を作製した。得られた電極合材を静電スクリーンを用いてアルミ集電箔上に塗布し、それをホットロールプレスを用いて成膜した。条件はプレス温210℃、プレス速度1m/min、線圧62.5kg/cmとした。その後、膜を円形の2cm2のパンチで打ち抜き、試料を作製した。
2.SEM観察
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、実施例3及び熱処理雰囲気や熱処理温度を変えた複合粒子のSEM観察を行った。図3は実施例3(250℃窒素気流下で熱処理)の複合粒子のSEM観察画像であり、図4は実施例5(250℃大気中で熱処理)の複合粒子のSEM観察画像であり、図5は参考例1(350℃窒素気流下で熱処理)のSEM観察画像である。なお、カチオン性有機物の種類が違っても、SEM観察画像に大きな違いは見られなかった。例えば、実施例7のSEM観察画像は、実施例3のSEM観察画像である図3と同様であった。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、実施例3及び熱処理雰囲気や熱処理温度を変えた複合粒子のSEM観察を行った。図3は実施例3(250℃窒素気流下で熱処理)の複合粒子のSEM観察画像であり、図4は実施例5(250℃大気中で熱処理)の複合粒子のSEM観察画像であり、図5は参考例1(350℃窒素気流下で熱処理)のSEM観察画像である。なお、カチオン性有機物の種類が違っても、SEM観察画像に大きな違いは見られなかった。例えば、実施例7のSEM観察画像は、実施例3のSEM観察画像である図3と同様であった。
3.導電性の評価
導電性の評価は、以下のように行った。上述した試料(アルミ集電箔を含む)を、それよりも直径の大きな測定電極で厚さ方向に挟み、テスターを用いて抵抗値Rを測定した。また、アルミ集電箔も含む試料の厚さLをマイクロメーターで測定した。試料の面積Aは2cm2とした。そして、R=ρ×L/Aの式から抵抗率ρを求め、さらに導電率1/ρを求めた。
導電性の評価は、以下のように行った。上述した試料(アルミ集電箔を含む)を、それよりも直径の大きな測定電極で厚さ方向に挟み、テスターを用いて抵抗値Rを測定した。また、アルミ集電箔も含む試料の厚さLをマイクロメーターで測定した。試料の面積Aは2cm2とした。そして、R=ρ×L/Aの式から抵抗率ρを求め、さらに導電率1/ρを求めた。
4.結果と考察
表1に複合粒子の合成方法をまとめ、表2に試料の作製方法及び導電性の評価結果をまとめた。比較例1,2は、湿式、乾式で酸化グラフェンを混合しただけの複合粒子を用いた試料であるが、基準活物質のみの電極に対して導電性がほとんど向上しなかった。比較例2の複合粒子を250℃で還元熱処理をした比較例3も、導電性はあまり向上しなかった。これに対して、本開示の手法で複合化し、還元熱処理を施した実施例1〜8では、比較例1〜3よりも導電性が向上していることがわかった。特に、実施例3では、導電材を複合化しない基準活物質のみの電極と比較すると導電率が約24倍となり、導電性が大きく向上した。また、実施例1〜8では、メッシュを通して、静電スクリーン印刷法で成膜をしても、グラフェンが剥離せず活物質に結合していた。以上より、比較例1〜3のように、正極活物質とグラフェンを単純混合しただけでは、グラフェンが正極活物質から剥離しやすく、グラフェンだけが凝集するなどしてグラフェンの分散性が低くなり、導電性が低くなると推察された。これに対して、実施例1〜8のように、本開示の手法で複合化した複合粒子を用いた試料では、グラフェンと正極活物質とが強固に結合していることにより、導電材であるグラフェンが正極活物質とともに分散するため、グラフェンの分散性が高くなり、導電性が高まると推察された。また、本開示の手法で複合化した複合粒子では、正極活物質とグラフェンとが強固に結合しているため、正極活物質とグラフェンとの間の電子の移動も円滑になり、そうした点でも電極の導電性が向上すると推察される。なお、参考例1は、350℃という比較的高温で還元熱処理をしたものであり、熱処理温度以外は同じ実施例3よりも導電性が低かった。図5に示すように、参考例1では、実施例3,5(図3,4)に見られるような複合体が観察されなかった。これは、複合体が熱分解などによって劣化したためと推察され、これにより、導電性が低くなったものと推察された。
表1に複合粒子の合成方法をまとめ、表2に試料の作製方法及び導電性の評価結果をまとめた。比較例1,2は、湿式、乾式で酸化グラフェンを混合しただけの複合粒子を用いた試料であるが、基準活物質のみの電極に対して導電性がほとんど向上しなかった。比較例2の複合粒子を250℃で還元熱処理をした比較例3も、導電性はあまり向上しなかった。これに対して、本開示の手法で複合化し、還元熱処理を施した実施例1〜8では、比較例1〜3よりも導電性が向上していることがわかった。特に、実施例3では、導電材を複合化しない基準活物質のみの電極と比較すると導電率が約24倍となり、導電性が大きく向上した。また、実施例1〜8では、メッシュを通して、静電スクリーン印刷法で成膜をしても、グラフェンが剥離せず活物質に結合していた。以上より、比較例1〜3のように、正極活物質とグラフェンを単純混合しただけでは、グラフェンが正極活物質から剥離しやすく、グラフェンだけが凝集するなどしてグラフェンの分散性が低くなり、導電性が低くなると推察された。これに対して、実施例1〜8のように、本開示の手法で複合化した複合粒子を用いた試料では、グラフェンと正極活物質とが強固に結合していることにより、導電材であるグラフェンが正極活物質とともに分散するため、グラフェンの分散性が高くなり、導電性が高まると推察された。また、本開示の手法で複合化した複合粒子では、正極活物質とグラフェンとが強固に結合しているため、正極活物質とグラフェンとの間の電子の移動も円滑になり、そうした点でも電極の導電性が向上すると推察される。なお、参考例1は、350℃という比較的高温で還元熱処理をしたものであり、熱処理温度以外は同じ実施例3よりも導電性が低かった。図5に示すように、参考例1では、実施例3,5(図3,4)に見られるような複合体が観察されなかった。これは、複合体が熱分解などによって劣化したためと推察され、これにより、導電性が低くなったものと推察された。
実施例1〜8のうち、分子量の低いEDAやDETAを用いた複合粒子(実施例1,2)は、正極活物質粒子と複合化させた際、80℃で乾燥させても完全に乾ききらず、アミン臭がしていた。これは、EDAやDETAは正極活物質粒子との吸着が弱く正極活物質粒子から外れやすいことを示していると推察された。そして、EDA付着粒子やDETA付着粒子を水に分散させて酸化グラフェンと反応させた際には、EDAやDETAが正極活物質粒子から外れて遊離した複合体を生成してしまい、TEPAを用いた実施例4ほどは導電性が向上しなかったと推察された。このことから、カチオン性有機物(エチレンジアミンの誘導体)は、活物質からの外れにくさや操作性の面から、N原子の数が4以上であるか、分子量が125以上であるか、の少なくとも一方を満たすものが好ましいと推察された。
窒素気流下で熱処理を行った実施例3,4と、大気中で熱処理を行った実施例5,6とを比較すると、実施例3,4のほうが導電性が大きく向上した。これは、還元雰囲気で熱処理すると、酸化グラフェンに含まれる含酸素置換基を効率的に減少させられるためと推察された。以上より、熱処理時の雰囲気は、酸化雰囲気よりも還元雰囲気や不活性雰囲気が好ましいと推察された。
なお、本開示は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本開示は、電池産業の分野等に利用可能である。
10 複合粒子、11 正極活物質粒子、12 カチオン性有機物、13 カチオン性有機物付着粒子、14 複合体、15 導電膜、16 複合粒子、20 蓄電デバイス、21 ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板、27 イオン伝導媒体。
Claims (15)
- マイナスに帯電する活物質粒子の表面に、カチオン性有機物とアニオン性導電材とを含む複合体が形成された、複合粒子。
- 前記アニオン性導電材は、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基のうちの1以上を有する、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、カーボンブラック、グラファイトのうちの1以上である、請求項1に記載の複合粒子。
- 前記アニオン性導電材は、酸化グラフェンである、請求項1又は2に記載の複合粒子。
- 前記カチオン性有機物は、分子量が300未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合粒子。
- 前記カチオン性有機物は、2個以上6個以下の窒素原子を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合粒子。
- 前記カチオン性有機物は、エチレンアミン類である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合粒子。
- 前記活物質粒子は、リチウム複合酸化物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合粒子。
- 前記リチウム複合酸化物は、ニッケル、コバルト及びマンガンのうちの2以上を含む、請求項7に記載の複合粒子。
- 前記活物質粒子と前記カチオン性有機物と前記アニオン性導電材との合計のうち、7質量%以下の範囲で前記アニオン性導電材を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合粒子。
- 前記活物質粒子と前記カチオン性有機物と前記アニオン性導電材との合計のうち、7質量%以下の範囲で前記カチオン性有機物を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合粒子。
- 前記複合体の膜状物が前記活物質粒子の表面に付着している、請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合粒子。
- (a)マイナスに帯電する活物質粒子の表面にカチオン性有機物を接触させてカチオン性有機物付着粒子を作製する工程と、
(b)前記カチオン性有機物付着粒子にアニオン性導電材を接触させて、前記活物質粒子の表面に前記カチオン性有機物と前記アニオン性導電材とを含む複合体を付着させる工程と、
を含む、複合粒子の製造方法。 - 請求項12に記載の複合粒子の製造方法であって、
(c)200℃以上300℃以下の温度で熱処理を行い、前記複合体に含まれる前記カチオン性有機物の一部又は全部を熱分解させる工程、
を含む、複合粒子の製造方法。 - 前記工程(c)では、還元雰囲気又は不活性雰囲気下で前記熱処理を行う、請求項13に記載の複合粒子の製造方法。
- 前記工程(a)において、水中で前記活物質粒子と前記カチオン性有機物を混合し、その後、水を除去して、前記カチオン性有機物付着粒子を作製するか、
前記工程(b)において、水中で前記カチオン性有機物付着粒子と前記アニオン性導電材を混合し、その後、水を除去するか、
の少なくとも一方を満たす、請求項12〜14のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。
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