JP2021056306A - 光学フィルム - Google Patents

光学フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2021056306A
JP2021056306A JP2019177234A JP2019177234A JP2021056306A JP 2021056306 A JP2021056306 A JP 2021056306A JP 2019177234 A JP2019177234 A JP 2019177234A JP 2019177234 A JP2019177234 A JP 2019177234A JP 2021056306 A JP2021056306 A JP 2021056306A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
polarizing plate
film
optical film
glass film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019177234A
Other languages
English (en)
Inventor
毅 村重
Takeshi Murashige
毅 村重
俊樹 大峰
Toshiki Omine
俊樹 大峰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2019177234A priority Critical patent/JP2021056306A/ja
Priority to PCT/JP2020/035082 priority patent/WO2021060107A1/ja
Priority to CN202080066844.XA priority patent/CN114514452A/zh
Priority to KR1020227009216A priority patent/KR20220074866A/ko
Priority to TW109132607A priority patent/TW202116556A/zh
Publication of JP2021056306A publication Critical patent/JP2021056306A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3025Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state
    • G02B5/3033Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid
    • G02B5/3041Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid comprising multiple thin layers, e.g. multilayer stacks
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B7/00Layered products characterised by the relation between layers; Layered products characterised by the relative orientation of features between layers, or by the relative values of a measurable parameter between layers, i.e. products comprising layers having different physical, chemical or physicochemical properties; Layered products characterised by the interconnection of layers
    • B32B7/02Physical, chemical or physicochemical properties
    • B32B7/023Optical properties
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B7/00Layered products characterised by the relation between layers; Layered products characterised by the relative orientation of features between layers, or by the relative values of a measurable parameter between layers, i.e. products comprising layers having different physical, chemical or physicochemical properties; Layered products characterised by the interconnection of layers
    • B32B7/04Interconnection of layers
    • B32B7/12Interconnection of layers using interposed adhesives or interposed materials with bonding properties
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3083Birefringent or phase retarding elements

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

【課題】ガラスフィルムの端部に所定サイズのクラックが存在しても、所定の温湿度環境下でのクラックの伸長を抑制可能な光学フィルムを提供する。【解決手段】本光学フィルムは、ガラスフィルムと、偏光板と、を含み、前記ガラスフィルムの厚みは、50μm以上150μm以下であり、前記ガラスフィルムの端部に、長さ20μm以上のクラックを有し、前記偏光板は、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配された保護フィルムと、を有し、前記偏光板は、温度60℃湿度90%の恒温恒湿環境下におけるMD方向のひずみ量とTD方向のひずみ量の差の絶対値が0以上40×10−6以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルムに関する。
近年、液晶表示素子や有機EL(Organic Electro-Luminescence)を用いた表示素子は、収納性、デザイン性の観点から軽量、薄型化が進んでいる。従来、表示素子の最表面としてカバーガラスが用いられており、偏光板を液晶セル等に貼り合わせた後、層間充填剤を介して偏光板上にカバーガラスが設けられている。
国際公開第2019/087938号
一方で、極薄のガラス(ガラスフィルム)を偏光板と予め一体化して液晶セル等に貼り合わせることで、カバーガラスと偏光板とを層間充填剤を介して貼り合わせるプロセスを簡素化する取り組みもなされている。
特許文献1には、ペン等の硬度の高い突起物の接触に対して優れた強度及び可撓性を有するガラスフィルム積層体を表示素子や照明素子の最表層に用いることが開示されている。具体的には、表示素子に用いるガラスフィルム積層体として、ガラスフィルム、接着剤層、保護フィルム、偏光子、粘着剤層を、この順に積層した光学フィルムが提案されている。
ここで、本発明者らは、ノートパソコン等の用途に合わせて、ガラスフィルム積層体をレーザや切削等の加工により所定のサイズとし、表示素子に貼り合わせ、加湿環境下等での耐久試験を行った。その結果、所定サイズに加工した際にガラスフィルムの端部にクラックが生じ、このクラックが加湿環境下等で伸長することがわかった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、ガラスフィルムの端部に所定サイズのクラックが存在しても、所定の温湿度環境下でのクラックの伸長を抑制可能な光学フィルムを提供することを目的とする。
本光学フィルムは、ガラスフィルムと、偏光板と、を含み、前記ガラスフィルムの厚みは、50μm以上150μm以下であり、前記ガラスフィルムの端部に、長さ20μm以上のクラックを有し、前記偏光板は、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配された保護フィルムと、を有し、前記偏光板は、温度60℃湿度90%の恒温恒湿環境下におけるMD方向のひずみ量とTD方向のひずみ量の差の絶対値が0以上40×10−6以下である。
開示の技術によれば、ガラスフィルムの端部に所定サイズのクラックが存在しても、所定の温湿度環境下でのクラックの伸長を抑制可能な光学フィルムを提供できる。
第1実施形態に係る光学フィルムを例示する断面図である。 第2実施形態に係る光学フィルムを例示する断面図である。 ひずみゲージの貼り付け位置を示す図である。 実施例及び比較例について説明する図(その1)である。 実施例及び比較例について説明する図(その2)である。 実施例及び比較例について説明する図(その3)である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係る光学フィルムを例示する断面図である。図1を参照すると、光学フィルム10は、ガラスフィルム11と、接着剤層12と、偏光板13と、粘着剤層14とをこの順に備える。
なお、本明細書において、粘着剤層とは、常温で接着性を有し、軽い圧力で被着体に接着する層をいう。従って、粘着剤層に貼着した被着体を剥離した場合にも、粘着剤層は実用的な粘着力を保持する。一方、接着剤層とは、物質の間に介在することによって物質を結合できる層をいう。従って、接着剤層に貼着した被着体を剥離した場合には、接着剤層は実用的な接着力を有さない。
偏光板13は、偏光子131及び保護フィルム132を有する。保護フィルム132は、偏光子131の少なくとも片側(一方の面)に配置される。保護フィルム132は、少なくとも偏光子131の接着剤層12側に配置されることが好ましいが、必要に応じ、偏光子131の両側(一方の面及び他方の面)に配置されてもよい。
なお、必要に応じ、偏光板13の接着剤層12とは反対側に、位相差層を配置してもよい。位相差層は、任意の適切な粘着剤層又は接着剤層を介して、偏光板13に積層できる。又、必要に応じ、粘着剤層14を介して偏光板13とは反対側に、離形フィルムを配置してもよい。
以下、光学フィルム10の各構成要素について、更に詳しく説明する。
[ガラスフィルム]
ガラスフィルム11は、特に限定はなく、目的に応じて適切なものを採用できる。ガラスフィルム11は、組成による分類によれば、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。又、アルカリ成分による分類によれば、無アルカリガラス、低アルカリガラスが挙げられる。上記ガラスのアルカリ金属成分(例えば、NaO、KO、LiO)の含有量は、好ましくは15重量%以下であり、更に好ましくは10重量%以下である。
ガラスフィルム11の厚みは、好ましくは50μm〜150μmであり、より好ましくは60μm〜140μmであり、更に好ましくは70μm〜130μmであり、特に好ましくは80μm〜120μmである。このような範囲であれば、フレキシブル性に優れロールツーロールプロセスでの加工が可能であり、かつ、ガラスフィルムが割れがたく生産性に優れる光学フィルム10が得られる。
ガラスフィルム11の波長550nmにおける光透過率は、好ましくは85%以上である。ガラスフィルム11の波長550nmにおける屈折率は、好ましくは1.4〜1.65である。
ガラスフィルム11の密度は、好ましくは2.3g/cm〜3.0g/cmであり、更に好ましくは2.3g/cm〜2.7g/cmである。上記範囲のガラスフィルムであれば、画像表示装置等の軽量化に寄与し得る光学フィルム10を提供できる。
ガラスフィルム11の成形方法は、特に限定はなく、目的に応じて適切なものを採用できる。代表的には、ガラスフィルム11は、シリカやアルミナ等の主原料と、芒硝や酸化アンチモン等の消泡剤と、カーボン等の還元剤とを含む混合物を、1400℃〜1600℃程度の温度で溶融し、薄板状に成形した後、冷却して作製できる。ガラスフィルム11の成形方法としては、例えば、スロットダウンドロー法、フュージョン法、フロート法等が挙げられる。これらの方法によって板状に成形されたガラスフィルムは、薄板化したり、平滑性を高めたりするために、必要に応じて、フッ酸等の溶剤により化学研磨されてもよい。
[接着剤層]
接着剤層12は、特に限定はなく、目的に応じて適切な接着剤を採用できる。接着剤としては、例えば、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、エポキシ系接着剤が挙げられる。この中でも、特に良好な密着性が得られるエポキシ系接着剤が好ましい。
接着剤層12が熱硬化型接着剤である場合は、加熱して硬化(固化)することにより剥離抵抗力を発揮できる。又、接着剤層12が紫外線硬化型等の光硬化型接着剤である場合は、紫外線等の光を照射して硬化することにより剥離抵抗力を発揮できる。又、接着剤層12が湿気硬化型接着剤である場合は、空気中の水分等と反応して硬化し得るので、放置することによっても硬化して剥離抵抗力を発揮できる。
接着剤層12は、例えば、市販の接着剤を使用してもよく、各種硬化型樹脂を溶媒に溶解又は分散し、接着剤溶液(又は分散液)として調製してもよい。
接着剤層12の厚みは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは0.1μm〜10μmであり、更に好ましくは0.5μm〜8μmであり、特に好ましくは1μm〜6μmである。このような範囲であれば、可撓性に優れ、かつ、耐突刺性に優れる光学フィルム10が得られる。
接着剤層12の弾性率は、好ましくは0.5GPa〜15GPaであり、より好ましくは0.8GPa〜10GPaであり、更に好ましくは1GPa〜5GPaである。このような範囲であれば、可撓性に優れ、かつ、耐突刺性に優れる光学フィルム10が得られる。本明細書において、弾性率は、オートグラフを用いて、下記の条件で測定できる。
[弾性率測定方法]
測定温度:25℃
サンプルサイズ:幅2cm、長さ15cm
チャック間距離:10cm
引張速度:10mm/min。
[偏光板]
偏光板13の厚みは、好ましくは5μm〜300μmであり、より好ましくは10μm〜250μmであり、更に好ましくは25μm〜200μmであり、特に好ましくは25μm〜100μmである。
偏光板13の弾性率は、好ましくは1GPa以上であり、より好ましくは1GPa〜10GPaであり、更に好ましくは2GPa〜7GPaであり、特に好ましくは2GPa〜5GPaあるである。このような範囲であれば、耐突刺性に優れる光学フィルム10が得られる。
偏光板13の形状は、特に限定はなく、目的に応じて適切な形状を採用できるが、一例として、長辺と短辺とを有する方形形状が挙げられる。偏光板13が方形形状である場合、偏光板13が有する偏光子131の吸収軸方向と、偏光板13の長辺又は短辺とは、略平行であることが好ましい。なお、本明細書において、「略平行」とは、厳密に平行である場合のみならず、両線のなす角が±10°(好ましくは±5°)である場合も含む概念である。
[偏光子]
偏光子131の厚みは、特に限定はなく、目的に応じて適切な厚みを採用できる。偏光子131の厚みは、代表的には、1μm〜80μm程度である。偏光子131として薄型の偏光子を用いてもよく、この場合、偏光子131の厚みは、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、更に好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは5μm以下である。
偏光子131は、好ましくは、波長380nm〜780nmの何れかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、好ましくは40.0%以上、より好ましくは41.0%以上、更に好ましくは42.0%以上、特に好ましくは43.0%以上である。偏光子131の偏光度は、好ましくは99.8%以上であり、より好ましくは99.9%以上であり、更に好ましくは99.95%以上である。
偏光子131は、好ましくは、ヨウ素系偏光子である。より詳細には、上記偏光子は、ヨウ素を含むポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムから構成できる。
PVA系樹脂フィルムを形成するPVA系樹脂としては、特に限定はなく、目的に応じて適切な樹脂を採用できるが、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。
ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%〜100モル%であり、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%であり、更に好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求められる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子が得られる。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
PVA系樹脂の平均重合度は、特に限定はなく、目的に応じて適切に選択できる。PVA系樹脂の平均重合度は、例えば、1000〜10000であり、好ましくは1200〜5000であり、更に好ましくは1500〜4500である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求められる。
偏光子131の製造方法としては、例えば、PVA系樹脂フィルム単体を延伸、染色する方法(I)、樹脂基材とポリビニルアルコール系樹脂層とを有する積層体(i)を延伸、染色する方法(II)等が挙げられる。方法(I)は、当業界で周知慣用の方法であるため、詳細な説明は省略する。
方法(II)は、好ましくは、樹脂基材と該樹脂基材の片側に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層とを有する積層体(i)を延伸、染色して、該樹脂基材上に偏光子を作製する工程を含む。積層体(i)は、樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂を含む塗布液を塗布・乾燥して形成され得る。又、積層体(i)は、ポリビニルアルコール系樹脂層を樹脂基材上に転写して形成されてもよい。上記製造方法(II)の詳細は、例えば、特開2012−73580号公報に記載されており、この公報は、本明細書に参考として援用できる。
[保護フィルム]
保護フィルム132としては、特に限定はなく、目的に応じて適切な樹脂フィルムを採用できる。保護フィルム132の形成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。なお、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、アクリル系樹脂及び/又はメタクリル系樹脂をいう。
(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、グルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が用いられる。グルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂(以下、グルタルイミド樹脂とも称する)は、例えば、特開2006−309033号公報、特開2006−317560号公報、特開2006−328329号公報、特開2006−328334号公報、特開2006−337491号公報、特開2006−337492号公報、特開2006−337493号公報、特開2006−337569号公報、特開2007−009182号公報、特開2009−161744号公報、特開2010−284840号公報に記載されている。これらの記載は、本明細書に参考として援用できる。
保護フィルム132と偏光子131とは、任意の適切な接着剤層を介して積層できる。偏光子131の作製時に用いた樹脂基材は、保護フィルム132と偏光子131とを積層する前、或いは積層した後に剥離される。
保護フィルム132の厚みは、好ましくは4μm〜250μmであり、より好ましくは5μm〜150μmであり、更に好ましくは10μm〜100μmであり、特に好ましくは10μm〜50μmである。
保護フィルム132の弾性率は、1GPa以上であり、好ましくは1GPa〜10GPaであり、より好ましくは1.8GPa〜7GPaであり、更に好ましくは2GPa〜5GPaである。このような範囲であれば、耐突刺性に優れる光学フィルム10が得られる。
[位相差層]
前述のように、位相差層は、必須の構成ではなく、必要に応じて設けられる。位相差層を設ける場合、位相差層は、特に限定はなく、目的に応じて任意の適切な光学的特性及び/又は機械的特性を有してよい。位相差層は、代表的には遅相軸を有する。位相差層の光学的特性及び/又は機械的特性は、液晶セルの配向モードにより適宜選択できる。
位相差層は、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長に応じて小さくなる正の波長分散特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長によってもほとんど変化しないフラットな波長分散特性を示してもよい。
位相差層の厚みは、好ましくは60μm以下であり、より好ましくは30μm〜55μmであり、更に好ましくは30μm以下である。
位相差層は、上記の特性を満足し得る任意の適切な樹脂フィルムで構成できる。そのような樹脂の代表例としては、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、高分子液晶樹脂が挙げられる。
[粘着剤層]
粘着剤層14は、任意の適切な粘着剤から形成できる。粘着剤としては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系等のポリマーをベースポリマーとする粘着剤が用いられる。好ましくは、アクリル系粘着剤が用いられる。アクリル系粘着剤は、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れ得るからである。特に、炭素数が4〜12のアクリル系ポリマーよりなるアクリル系粘着剤が好ましい。
粘着剤層14の厚みは、特に制限されず、例えば、1〜400μm程度である。また、粘着剤層14の厚みは、粘着剤に用いる(メタ)アクリル系ポリマーの製造方法によって、適宜に好ましい範囲を設定できる。例えば、溶液重合等により(メタ)アクリル系ポリマーを製造する場合には、粘着剤層14の厚みは、1〜100μmが好ましく、2〜50μmがより好ましく、2〜40μmが更に好ましく、5〜35μmが特に好ましい。また、放射線重合等により、(メタ)アクリル系ポリマーを製造する場合には、粘着剤層14の厚みは、50〜400μmが好ましく、75〜300μmがより好ましく、100〜200μmが更に好ましい。このような厚みのアクリル系ポリマーを製造する際には溶液重合が好適である。
粘着剤層14の23℃における弾性率は、好ましくは0.00001GPa〜10GP
aであり、より好ましくは0.001GPa〜8GPaであり、更に好ましくは0.0
01GPa〜5GPaである。このような範囲であれば、可撓性に優れ、かつ、耐突刺性
に優れる光学フィルム10を得ることができる。
[離形フィルム]
前述のように、離形フィルムは、必須の構成ではなく、必要に応じて設けられる。離形フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)の樹脂により形成できる。離形フィルムの厚みは、好ましくは5μm〜200μmであり、より好ましくは10μm〜100μmであり、更に好ましくは30μm〜50μmである。離形フィルムは、光学フィルム10が液晶セル等の光学素子に貼り付けられる前に、粘着剤層14との界面で剥離される。
光学フィルム10は、例えば、液晶パネルを構成する際に、視認側偏光板として用いることができる。この際、光学フィルム10は、例えば、液晶セルの視認側に粘着剤層を介して設けられ、液晶パネルの前面板として機能する。なお、視認側とは、所定の部材を画像表示装置に適用した際に視認される方に向いた側を意味する。光学フィルム10は、例えば、インセルタイプの液晶素子に好ましく用いられる。インセルタイプの液晶素子は、タッチセンサが組み込まれた基板を備える液晶セルを含む液晶素子である。
[ガラスフィルムのクラックの伸長]
ガラスフィルム11の端部に所定サイズのクラックが存在すると、所定の温湿度環境下で偏光板13の膨張等によりクラックが伸長する場合があるが、これを抑制することが好ましい。
発明者らの検討によれば、光学フィルム10の製品化に当たり、少なくとも温度60℃湿度90%の恒温恒湿環境下におけるガラスフィルム11の端部のクラックの伸長を抑制する必要があり、温度80℃の恒温恒湿環境下におけるガラスフィルム11の端部のクラックの伸長を抑制できれば更に好ましいことがわかった。
発明者らは、光学フィルム10において、所定の温湿度環境下における偏光板13のMD方向のひずみ量とTD方向のひずみ量の差の絶対値:|MD−TD|の値を所定範囲内に抑えることで、ガラスフィルム11の端部に所定サイズのクラックが存在しても、所定の温湿度環境下でのクラックの伸長を抑制できることを見出した。
具体的には、温度60℃湿度90%の恒温恒湿環境下における偏光板13の|MD−TD|が0以上40×10−6以下であることが好ましい。これに加え、温度80℃の加熱環境試験下における偏光板13の|MD−TD|が0以上250×10−6以下であれば、より好ましい。
これらの要件を満たすことで、偏光板13のひずみ量の絶対値が小さくなるため、偏光板13のひずみ量のガラスフィルム11への影響が低減され、ガラスフィルム11の端部に長さ20μm以上のクラックが存在しても、クラックの伸長を抑制できる。特に、偏光板13とガラスフィルム11が接着剤層12のような弾性率の高い層を介して貼り合わせられ一体化されている場合に、クラックの伸長に関し顕著な効果を発揮する。
なお、MD方向とは、樹脂を溶融させて型で成形する際に、型の内部で溶融樹脂が流れる方向である。TD方向は、MD方向と直交する方向である。
温度60℃湿度90%の恒温恒湿環境や温度80℃の加熱環境試験下における偏光板13の|MD−TD|の値を小さくするには、偏光子131の厚みを薄くすればよい。偏光子131の厚みを薄くするほど、偏光板13の|MD−TD|の値を小さくできる。ガラスフィルムのクラックの伸長の抑制の詳細については、実施例において後述する。
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、第1実施形態とは層構造の異なる光学フィルムの例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図2は、第2実施形態に係る光学フィルムを例示する断面図である。図2を参照すると、光学フィルム10Aは、接着剤層12が粘着剤層15に置換された点が、光学フィルム10(図1参照)と相違する。
粘着剤層15の材料は、例えば、粘着剤層14の材料として例示した中から適宜選択できる。粘着剤層15の厚みは、20μm以上500μm以下であることが好ましい。粘着剤層15の厚みを20μm以上とすることで、偏光板13のひずみのガラスフィルム11への伝達が緩和される。これにより、ガラスフィルム11の端部に長さ20μm以上のクラックが存在しても、クラックの伸長を抑制できる。又、粘着剤層15の厚みを500μm以下とすることで、光学フィルム10をロールツーロールプロセスで製造する際の取り扱い性が向上する。
更に、粘着剤層15の25℃における弾性率が1.0×10Pa以上5.5×10Pa以下であることが好ましく、1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であることがより好ましい。これらの要件を満たすことで、偏光板13のひずみのガラスフィルム11への伝達が一層緩和される。これにより、ガラスフィルム11の端部に長さ20μm以上のクラックが存在しても、クラックの伸長を一層抑制できる。
なお、第1実施形態に係る光学フィルム10のように、ガラスフィルム11と偏光板13との貼り合わせに厚み数μm程度の接着剤層12を用いる場合であっても、接着剤層12の25℃における弾性率が1.0×10Pa以上5.5×10Pa以下であれば、クラックの伸長を抑制できる。又、接着剤層12の25℃における弾性率が1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であれば、クラックの伸長を一層抑制できる。ガラスフィルムのクラックの伸長の抑制の詳細については、実施例において後述する。
[実施例]
以下、実施例及び比較例を挙げて光学フィルムについて更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。又、実施例において、特に明記しない限り、「部」及び「%」は重量基準である。
[製造例1]偏光板Aの準備
厚み100μmのポリビニルアルコールフィルム(PVA)を、速度比の異なるロール間において、30℃、0.3%濃度のヨウ素溶液中で1分間染色しながら、3倍まで延伸した。その後、60℃、4%濃度のホウ酸、10%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に0.5分間浸漬しながら総合延伸倍率が6倍まで延伸した。次いで、30℃、1.5%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に10秒間浸漬することで洗浄した後、50℃で4分間乾燥を行い、厚み5μmの偏光子を得た。この偏光子の片面に厚み20μm、弾性率2.5GPaのアクリル系樹脂フィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤により貼り合せて偏光板A(厚み:25μm)を得た。
[製造例2]偏光板Bの準備
厚み40μm、弾性率2.6GPaのアクリル系樹脂フィルムを用いたこと以外は、製造例1と同様にして、偏光板B(厚み:45μm)を得た。
[製造例3]偏光板Cの準備
偏光子の厚みを28μmとしたこと、偏光子の片面に、けん化処理した厚み40μm、弾性率3.6GPaのトリアセチルセルロースフィルム(TAC)を、他の片面に厚み30μm、弾性率2.6GPaのアクリル系樹脂フィルムを、それぞれ、ポリビニルアルコール系接着剤により貼り合せたこと以外は、製造例1と同様にして、偏光板C(厚み:98μm)を得た。
[製造例4]偏光板Dの準備
偏光子の厚みを18μmとしたこと、偏光子の片面に、けん化処理した厚み40μm、弾性率3.6GPaのトリアセチルセルロースフィルム(TAC)を、他の片面に厚み30μm、弾性率2.6GPaのアクリル系樹脂フィルムを、それぞれ、ポリビニルアルコール系接着剤により貼り合せたこと以外は、製造例1と同様にして、偏光板D(厚み:88μm)を得た。
[製造例5]粘着剤の準備
(アクリル系ポリマーの調製)
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、ブチルアクリレート100重量部、アクリル酸5重量部及び2−ヒドロキシエチルアクリレート0.075重量部、重合開始剤として2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒として酢酸エチル200重量部を仕込み、十分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながらフラスコ内の液温を55℃付近に保って10時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液を調製した。上記アクリル系ポリマーの重量平均分子量は220万であった。
(粘着剤組成物の調製)
上記アクリル系ポリマー溶液の固形分100重量部に、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(ナイパーBMT、日本油脂社製)0.2重量部、エポキシ系架橋剤としてジグリシジルアミノメチルシクロへキサン(三菱瓦斯化学社製、テトラッドC)0.05重量部、イソシアネート系架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネートのアダクト体(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)0.1重量部と、シランカップリング剤(信越化学工業社製、KBM403)0.075重量部を、均一に混合撹拌して、アクリル系粘着剤(固形分10.9重量%)を調製した。
[製造例6]接着剤の準備
(エポキシ系接着剤の準備)
セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製)70重量部、EHPE3150を5重量部、アロンオキセタンOXT−221(東亜合成社製)19重量部、KBM−403(信越化学工業社製)を4重量部、CPI101A(サンアフロ社製)を2重量部配合しエポキシ系接着剤を準備した。
〈実施例1、2、比較例1、2〉
[実施例1]
(光学フィルムAの作製)
297mm×210mmのガラスフィルム(日本電気硝子社製、商品名「OA−10G」、厚み:100μm)と、製造例1で作製した287mm×200mmの偏光板Aとを、製造例6で調製した接着剤から構成される接着剤層を介して、貼り合わせた。このとき、偏光板Aは、アクリル系フィルムがガラスフィルム側になるようにして配置した。次に、高圧水銀ランプにより接着剤層に紫外線を照射(500mJ/cm)して接着剤層を硬化させた。接着剤層は厚み2μm、弾性率は、1.8GPaとした。
次に、光学フィルムAの偏光板Aに対してガラスフィルムとは反対側の面に、製造例5で調製した粘着剤から構成される粘着剤層(厚み:30μm)を形成し、光学フィルムAを得た。なお、この粘着剤層は、以下のようにして形成した。(i)シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、厚み:38μm)上に塗布し、155℃で1分間加熱して、乾燥後の厚みが30μmの粘着剤層を形成し、(ii)当該粘着剤層を、ポリエチレンテレフタレートフィルムから、偏光板Aに転写して、粘着剤層を形成した。
[実施例2]
製造例1で作製した偏光板Aに代えて製造例2で作製した偏光板Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムBを作製した。
[比較例1]
製造例1で作製した偏光板Aに代えて製造例3で作製した偏光板Cを用いた以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムCを作製した。なお、偏光板Dは、トリアセチルセルロースフィルムがガラスフィルム側になるようにして配置した。
[比較例2]
製造例1で作製した偏光板Aに代えて製造例4で作製した偏光板Dを用いた以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムCを作製した。なお、偏光板Dは、トリアセチルセルロースフィルムがガラスフィルム側になるようにして配置した。
(評価1)
実施例1で得られた光学フィルムAについて、ひずみ量の測定等を実施した。以下、具体的に示す。
光学フィルムAのガラスフィルムの端部にダイヤモンドカッターを用いてガラスクラックを入れた。そして、350×250mm×1.0mm厚の無アルカリガラス(コーニング社製、商品名「EG−XG」)を準備し、100mm角に加工した光学フィルムAを、粘着剤層を無アルカリガラス側に向けて、無アルカリガラスに貼合した。そして、ガラスクラックを光学フィルムAの偏光板の端部より内側まで伸長させ、クラックの長さが20μm以上となるようにした。
次に、50℃、0.5MPaで15分間オートクレーブ処理して、光学フィルムAの粘着剤層を無アルカリガラスに密着させた。そして、恒温恒湿試験に投入する前に、目視確認でクラック端のマーキングを実施し、評価用サンプルAを得た。
次に、図3に示すように、無アルカリガラス100に貼合した評価用サンプルAにひずみゲージ120(FLA−3−11−3LJCT、東京測器研究所社製)を、シアノアクリレート系接着剤(アロンアルファ、東亜合成社製)で貼り付けた。なお、ひずみゲージ120は、評価用サンプルAの1つのコーナーからX方向に15mm、Y方向に15mm内側の位置に、ひずみゲージ120の中心が来るように貼り付けた。この際、ひずみゲージ120の測定軸(ゲージの長辺方向)が、評価用サンプルAの吸収軸方向と平行になるようにして、偏光板吸収軸方向と直交する方向のひずみ量も計測できるようにした。
ひずみゲージ120のリード線をデータロガー(TDS−530、東京測器研究所社製)に接続し、室温(23℃)下でのひずみ量を0μεに調整した後、ひずみゲージ120を貼り付けた評価用サンプルAを恒温恒湿試験(温度60℃湿度90%)に15分間投入した。そして、その間のひずみ量を15sec毎に計測し、200sec時点(中間点)のひずみ量を読み取って、評価用サンプルAのひずみ量とした。又、ひずみ量の差を、(MD方向のひずみ量 ― TD方向のひずみ量)の絶対値により算出した。又、拡大鏡を用いて目視でクラック伸長の判定を行った。
判定基準は、◎:マーキングを実施したクラック端が伸長していない(合格)、〇:マーキングを実施したクラック端の伸長が0mmより大きく10mm以下でマーキングしたクラックの内伸長したものが50%以下(合格)、△:マーキングを実施したクラック端の伸長が0mmより大きく10mm以下でマーキングしたクラックの内伸長したものが50〜75%(合格)、×:マーキングを実施したクラック端の伸長が10mmより大きい(不合格)、である。
実施例2で得られた光学フィルムB、比較例1で得られた光学フィルムC、及び比較例2で得られた光学フィルムDについて、光学フィルムAと同様にして評価用サンプルB〜Dを作製し、評価用サンプルAと同様にして、ひずみ量の計測、ひずみ量の差の算出、目視でクラック伸長の判定を行った。各評価用サンプルの構成と共に、評価結果を図4に示す。
図4より、偏光子の厚みを薄くすることで、温度60℃湿度90%の恒温恒湿環境下における偏光板のMD方向のひずみ量とTD方向のひずみ量の差の絶対値:|MD−TD|の値を小さくできることがわかる。そして、偏光板は、温度60℃湿度90%の恒温恒湿環境下における|MD−TD|の値が0以上40×10−6以下であることが好ましく、この範囲であれば、ガラスフィルムのクラックの伸長が抑制できるといえる。又、実施例2の結果より、偏光板は、温度60℃湿度90%の恒温恒湿環境下における|MD−TD|の値が0以上10×10−6以下であることがより好ましく、この範囲であれば、ガラスフィルムのクラックの伸長が更に抑制できるといえる。
〈実施例3〜5、比較例3〉
[実施例3]
実施例1と同様にして、光学フィルムEを得た。
[実施例4]
実施例2と同様にして、光学フィルムFを得た。
[実施例5]
製造例1で作製した偏光板Aに代えて製造例4で作製した偏光板Dを用いた以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムGを作製した。なお、偏光板Dは、トリアセチルセルロースフィルムがガラスフィルム側になるようにして配置した。
[比較例3]
比較例2と同様にして、光学フィルムHを得た。
(評価2)
実施例3で得られた光学フィルムE、実施例4で得られた光学フィルムF、実施例5で得られた光学フィルムG、及び比較例3で得られた光学フィルムHについて、ひずみ量の測定等を実施した。以下、具体的に示す。
評価用サンプルAと同様にして、長さが20μm以上のクラックを有する評価用サンプルE(実施例3)、評価用サンプルF(実施例4)、評価用サンプルG(実施例5)、及び評価用サンプルH(比較例3)を作製した。そして、試験条件を恒温恒湿試験(温度60℃湿度90%)から加熱環境試験(温度80℃)に変更した以外は、評価1と同様にして、評価用サンプルE〜Hについて、ひずみ量の計測、ひずみ量の差の算出、目視でクラック伸長の判定を行った。各評価用サンプルの構成と共に、評価結果を図5に示す。
図5より、偏光子の厚みを薄くすることで、温度80℃の加熱環境下における偏光板のMD方向のひずみ量とTD方向のひずみ量の差の絶対値:|MD−TD|の値を小さくできることがわかる。そして、偏光板は、温度80℃の加熱環境下における|MD−TD|の値が0以上250×10−6以下であることが好ましく、この範囲であれば、ガラスフィルムのクラックの伸長が抑制できるといえる。
〈実施例6〜8、比較例4、5〉
[実施例6]
製造例1で作製した偏光板Aに代えて製造例3で作製した偏光板Cを用い、偏光板Cのトリアセチルセルロースフィルム側を製造例6で調製した接着剤から構成される接着剤層(厚み:2μm、弾性率:5.27GPa)を介してガラスフィルムと貼り合わせた以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムIを作製した。
[実施例7]
製造例1で作製した偏光板Aに代えて製造例3で作製した偏光板Cを用い、偏光板Cのトリアセチルセルロースフィルム側を製造例5で調製した粘着剤から構成される粘着剤層(厚み:20μm、弾性率:0.12GPa)を介してガラスフィルムと貼り合わせた以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムJを作製した。
[実施例8]
製造例1で作製した偏光板Aに代えて製造例3で作製した偏光板Cを用い、偏光板Cのトリアセチルセルロースフィルム側を製造例5で調製した粘着剤から構成される粘着剤層(厚み:250μm、弾性率:0.14GPa)を介してガラスフィルムと貼り合わせた以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムKを作製した。
[比較例4]
製造例1で作製した偏光板Aに代えて製造例3で作製した偏光板Cを用い、偏光板Cのトリアセチルセルロースフィルム側を製造例6で調製した接着剤から構成される接着剤層(厚み:2μm、弾性率:5.78GPa)を介してガラスフィルムと貼り合わせた以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムLを作製した。
[比較例5]
製造例1で作製した偏光板Aに代えて製造例3で作製した偏光板Cを用い、偏光板Cのトリアセチルセルロースフィルム側を製造例6で調製した接着剤から構成される接着剤層(厚み:2μm、弾性率:6.58GPa)を介してガラスフィルムと貼り合わせた以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムMを作製した。
(評価3)
実施例6で得られた光学フィルムI、実施例7で得られた光学フィルムJ、実施例8で得られた光学フィルムK、比較例4で得られた光学フィルムL、及び比較例5で得られた光学フィルムMについて、評価1と同様にして、目視でクラック伸長の判定を行った。以下、具体的に示す。
評価用サンプルAと同様にして、長さが20μm以上のクラックを有する評価用サンプルI(実施例6)、評価用サンプルJ(実施例7)、評価用サンプルK(実施例8)、評価用サンプルL(比較例4)、及び評価用サンプルM(比較例5)を作製した。
次に、評価用サンプルIを恒温恒湿試験(温度60℃湿度90%)に15分間投入した後、取り出し直後に目視でクラック伸長の判定を行った。各評価用サンプルの構成と共に、評価結果を図6に示す。なお、図6に示す弾性率は、25℃における弾性率である。
図6において、偏光子の厚みは何れも28μmである。従って、図4及び図5の結果を参照すると、|MD−TD|は、温度60℃湿度90%の恒温恒湿環境下や温度80℃の加熱環境下においてガラスフィルムのクラックが伸長する値になっていると思われる。
しかしながら、図6の結果から、このような場合でも、ガラスフィルムと偏光板とを貼り合わせる粘着剤層又は接着剤層の25℃における弾性率が1.0×10Pa以上5.5×10Pa以下であれば、ガラスフィルムのクラックの伸長が抑制できるといえる。又、ガラスフィルムと偏光板とを貼り合わせる粘着剤層又は接着剤層の25℃における弾性率が1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であれば、ガラスフィルムのクラックの伸長が一層抑制できるといえる。
特に、ガラスフィルムと偏光板との貼り合わせに厚み20μm以上の粘着剤層を用いると、25℃における弾性率を1.0×10Paに近い値とすることができ、ガラスフィルムのクラックの伸長が一層抑制できる。なお、光学フィルム10をロールツーロールプロセスで製造する際の取り扱い性の観点から、粘着剤層の厚みは500μm以下であることが好ましい。
以上の実施例及び比較例の結果をまとめると、ガラスフィルムのクラックの伸長を抑制するには、以下の要件を満たすことが好ましいといえる。
すなわち、偏光子の厚みを薄くし、温度60℃湿度90%の恒温恒湿環境下における|MD−TD|を0以上40×10−6以下とすることが好ましく、温度80℃の加熱環境試験下における|MD−TD|を0以上250×10−6以下とすることが好ましい。
又、ガラスフィルムのクラックの伸長を抑制するために、偏光子の厚みを薄くして|MD−TD|を所定範囲とする対策に代えて、粘着剤層又は接着剤層の特性を選択することにより対策することも可能である。具体的には、ガラスフィルムと偏光子とを貼り合わせる粘着剤層又は接着剤層の25℃における弾性率を、1.0×10Pa以上5.5×10Pa以下とすることが好ましく、1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下とすることがより好ましい。特に、ガラスフィルムと偏光板との貼り合わせに厚み20μm以上の粘着剤層を用いると、25℃における弾性率を極めて低い値にできる点で好適である。
又、ガラスフィルムのクラックの伸長を抑制するために、偏光子の厚みを薄くして|MD−TD|を所定範囲とする対策と、粘着剤層又は接着剤層の特性を選択して25℃における弾性率を所定範囲とする対策とを併用することも可能である。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
10、10A 光学フィルム
11 ガラスフィルム
12 接着剤層
13 偏光板
14、15 粘着剤層
131 偏光子
132 保護フィルム

Claims (9)

  1. ガラスフィルムと、偏光板と、を含み、
    前記ガラスフィルムの厚みは、50μm以上150μm以下であり、
    前記ガラスフィルムの端部に、長さ20μm以上のクラックを有し、
    前記偏光板は、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された保護フィルムと、を有し、
    前記偏光板は、温度60℃湿度90%の恒温恒湿環境下におけるMD方向のひずみ量とTD方向のひずみ量の差の絶対値が0以上40×10−6以下であることを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記偏光板は、温度80℃の加熱環境試験下におけるMD方向のひずみ量とTD方向のひずみ量の差の絶対値が0以上250×10−6以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記ガラスフィルム、前記保護フィルム、前記偏光子が、この順に積層され、
    前記ガラスフィルムと前記保護フィルムは、接着剤層又は粘着剤層を介して積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 前記接着剤層及び前記粘着剤層の25℃における弾性率は、1.0×10Pa以上5.5×10Pa以下であること特徴とする請求項3に記載の光学フィルム。
  5. 前記接着剤層及び前記粘着剤層の25℃における弾性率は、1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であること特徴とする請求項4に記載の光学フィルム。
  6. 前記接着剤層及び前記粘着剤層の厚みが500μm以下であることを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の光学フィルム。
  7. ガラスフィルムと、偏光板と、を含み、
    前記ガラスフィルムと偏光板とは、粘着剤層を介して積層されており、
    前記ガラスフィルムの厚みは、50μm以上150μm以下であり、
    前記ガラスフィルムの端部に、長さ20μm以上のクラックを有し、
    前記粘着剤層の厚みは、20μm以上500μm以下であることを特徴とする光学フィルム。
  8. 前記粘着剤層の25℃における弾性率は、1.0×10Pa以上5.5×10Pa以下であること特徴とする請求項7に記載の光学フィルム。
  9. 前記粘着剤層の25℃における弾性率は、1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であること特徴とする請求項8に記載の光学フィルム。
JP2019177234A 2019-09-27 2019-09-27 光学フィルム Pending JP2021056306A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019177234A JP2021056306A (ja) 2019-09-27 2019-09-27 光学フィルム
PCT/JP2020/035082 WO2021060107A1 (ja) 2019-09-27 2020-09-16 光学フィルム
CN202080066844.XA CN114514452A (zh) 2019-09-27 2020-09-16 光学薄膜
KR1020227009216A KR20220074866A (ko) 2019-09-27 2020-09-16 광학 필름
TW109132607A TW202116556A (zh) 2019-09-27 2020-09-21 光學薄膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019177234A JP2021056306A (ja) 2019-09-27 2019-09-27 光学フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021056306A true JP2021056306A (ja) 2021-04-08

Family

ID=75166979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019177234A Pending JP2021056306A (ja) 2019-09-27 2019-09-27 光学フィルム

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP2021056306A (ja)
KR (1) KR20220074866A (ja)
CN (1) CN114514452A (ja)
TW (1) TW202116556A (ja)
WO (1) WO2021060107A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2020179376A1 (ja) * 2019-03-06 2020-09-10

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7208206B2 (en) * 2003-03-10 2007-04-24 Nitto Denko Corporation Glass crack prevention laminate and liquid crystal display device
JP4646294B2 (ja) * 2005-01-12 2011-03-09 日東電工株式会社 ガラス板割れ防止フィルム、光学フィルムおよびディスプレイ
WO2009072357A1 (ja) * 2007-12-05 2009-06-11 Nitto Denko Corporation 偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置
JP2009110026A (ja) * 2009-02-12 2009-05-21 Nitto Denko Corp 液晶パネルのガラス割れ防止粘着剤層
US9315412B2 (en) * 2011-07-07 2016-04-19 Corning Incorporated Surface flaw modification for strengthening of glass articles
JP2015106045A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 株式会社ジャパンディスプレイ 平面表示装置及びその製造方法
WO2015186685A1 (ja) * 2014-06-05 2015-12-10 Dic株式会社 保護粘着フィルム、画像表示装置及び携帯電子端末
JP6463167B2 (ja) * 2015-02-26 2019-01-30 綜研化学株式会社 光学部材用粘着剤および光学積層体
US11148398B2 (en) * 2017-09-15 2021-10-19 Apple Inc. Multilayer composite including metallic glass and polymer with reduced fatigue
KR102530127B1 (ko) * 2017-10-30 2023-05-08 닛토덴코 가부시키가이샤 화상 표시 장치용 적층체
KR102039824B1 (ko) 2018-01-17 2019-11-01 부경대학교 산학협력단 해양 미세조류를 이용한 고농도 불포화 지방산 오일의 제조방법
KR20200111184A (ko) * 2018-01-31 2020-09-28 닛토덴코 가부시키가이샤 광학 적층체 롤

Also Published As

Publication number Publication date
TW202116556A (zh) 2021-05-01
CN114514452A (zh) 2022-05-17
WO2021060107A1 (ja) 2021-04-01
KR20220074866A (ko) 2022-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11760077B2 (en) Laminate for image display devices
WO2020203647A1 (ja) 光学フィルム
WO2021060107A1 (ja) 光学フィルム
WO2021095516A1 (ja) 光学フィルムセット、液晶パネル
WO2020203128A1 (ja) 光学フィルムセット、光学積層体
JP7304342B2 (ja) ガラスフィルム-樹脂複合体
WO2020179376A1 (ja) センサー装置
TWI736968B (zh) 光學薄膜組及光學積層體
WO2020203124A1 (ja) ガラス樹脂積層体の製造方法
WO2023032783A1 (ja) 複層構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230530

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240109

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240409