JP2021056135A - 高さ測定機 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、高さ測定機を用いた傾斜面測定は次のように行なわれていた。
まず、図19の上段(A)に例示のように、通常の使用方法で測定対象となる傾斜面の一点の高さを測定する。次に、図19の下段(B)に例示のように、測定対象物Wと高さ測定機10との間に幅が既知のケージブロック20を設置する。
この状態で測定対象となる傾斜面の高さを測定する。つまり、先ほどとは異なる点で傾斜面の高さを測定する。
この二つの測定値の差(高低差)とゲージブロック20の幅とを用いて、測定対象物Wの傾斜面角度が得られる。
図20を参照されたい。
プローブを測定対象物Wの下側の測定開始位置近く(a)に移動させる。
プローブを上昇させて測定対象物Wの下側の測定開始位置(b)に接触させる。
プローブと測定対象物Wとの接触を保ったまま測定対象物Wまたは高さ測定機10を移動させ、測定対象物Wの下側の倣い測定を行う(b→c)。
これにより、測定対象物Wの下側の最小値を得る。
プローブと測定対象物Wとの接触を保ったまま測定対象物Wまたは高さ測定機10を移動させ、測定対象物Wの上側の倣い測定を行う(e→f)。
これにより、測定対象物Wの上側の最大値を得る。
このようにして取得した最小値と最大値との差より円柱状測定対象物Wの直径が得られる。
高さ測定機10の底面にはエアベアリング等が設けられてはいるものの、高さ測定機10のような比較的大きな測定機を微調整しながら移動させるというのはやはり難しかった。また、図21に例示のように、測定対象物Wの形状によっては測定対象物Wと高さ測定機10とを相対移動させるときに、平行移動だけでなく相対回転が加わってしまうこともあり得る。すると、得られた傾斜面角度は正確さに欠くことになり、精度よく傾斜面角度を測定するのは至難の業であった。
また、本発明の第2目的は、高さ測定機を使って簡便かつ高精度に曲率測定ができるようにすることにある。
基台部の上に鉛直に立設されたZコラムと、
前記Zコラムに沿って鉛直方向にスライド移動可能に設けられたZスライダと、
前記Zスライダの高さ方向の変位を検出する変位検出器と、
前記Zスライダに支持され、測定対象物に当接する接触子を有するプローブと、を備え、
前記接触子が前記測定対象物に接触したときの前記Zスライダの高さ位置を検出して前記測定対象物の高さを測定する高さ測定機であって、
前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更する接触子突出量変更手段を備える
ことを特徴とする。
前記Zスライダおよび前記プローブのいずれか一方には、鉛直方向に交差する方向に突設された取付軸が設けられ、
前記Zスライダおよび前記プローブのいずれか他方には、前記取付軸を受け入れて前記取付軸を保持する取付け孔が設けられ、
前記接触子突出量変更手段は、前記Zスライダと前記プローブとの間に着脱可能に介装される水平方向の長さが既知のスペーサである
ことが好ましい。
接触子突出量変更手段として、水平方向の長さの異なる2以上の測定子が設けられ、前記2以上の測定子のそれぞれの先端に前記接触子が設けられ、
水平に平行な回転軸で回転させて前記2以上の測定子の位置を交換することで前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更する
ことが好ましい。
円柱状または球状の測定対象物を前記高さ測定機の測定位置にセットするためのワーク設置治具であって、
前記ワーク設置治具は、
本体プレートと、
二つの基準ロッドと、を有し、
前記二つの基準ロッドは、長さが同じであって、かつ、前記本体プレートの同じ高さ位置に突設されている
ことを特徴とする。
前記本体プレートの背面側には、前記高さ測定機の二つの突当て部にそれぞれ突き当てられる位置決めマークが設けられていて、
前記位置決めマークと前記突当て部とを位置合わせした状態で当該ワーク設置治具をセットしたとき、
前記二つの基準ロッドの先端同士の中点と、前記二つの基準突当て部の中点と、前記接触子と、は同じ平面上にある
ことが好ましい。
前記ワーク設置治具を用いて円柱状測定対象物の曲率を前記高さ測定機で測定する曲率測定方法であって、
円柱状測定対象物の軸が横向きになるように倒し、側面が前記二つの基準ロッドに突き当たるようにして前記測定対象物をセットし、
前記接触子突出量変更手段で前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更しつつ、異なる3点で前記測定対象物の側面の高さを測定する
ことを特徴とする。
前記ワーク設置治具を用いて球状測定対象物の曲面の曲率を前記高さ測定機で測定する曲率測定方法であって、
球状測定対象物の表面が前記二つの基準ロッドに突き当たるようにして前記測定対象物をセットし、
前記接触子突出量変更手段で前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更しつつ、異なる3点で前記測定対象物の表面の高さを測定する
ことを特徴とする。
(第1実施形態)
高さ測定機(ハイトゲージ)自体の構成は既知であるが、図1−図3を参照して基本的な構成を概略説明しておく。
図1は、高さ測定機(ハイトゲージ)100の全体斜視図である。
なお、測定子210が設けられている側を高さ測定機100の前側とする。
突当て部112は、測定対象物(ワーク)Wを測定位置にセットするときの位置決め基準となる。例えば、測定対象物Wの一側面を二つの突当て部112に突き当てることで高さ測定機100と測定対象物Wとを平行にセットすることができる。
また、ベース110の底面にはエアベアリング115が配設されている(例えば図3参照)。エアベアリング115は、例えば高さ測定機100を移動させたい場合など、必要に応じて高さ測定機100を浮上させるか、あるいは、床との摩擦を少し低減(半浮上)させるのに用いられる。
図2、図3を参照しながら、高さ測定機100の内部構造を説明する。
2つのプーリ181A、181Bは、支柱120の上下端に回転可能に設けられている。ベルト182は、これらプーリ181A、181Bの回転方向に沿って掛け回されている。ここでは、支柱120が高さ方向に孔を有しており、ベルト182は、支柱120の前面側と支柱120の孔内部とを通って架け渡されている。ベルト182の一端はキャリッジ130の上端に接続され、ベルト182の他端はキャリッジ130の下端に接続されている。モータ183は、オペレータの指示に応じて、プーリ181Bを回転駆動させる。
スケール191は、支柱120に沿って設けられている。検出ヘッド192は、スケール191に対向した状態でキャリッジ130に配設されている。検出ヘッド192は、プローブ200(接触子212)が測定対象物(ワーク)に接触したことをトリガーとして、スケール191に対する相対位置を検出して出力する。すなわち、キャリッジ130の高さ位置が出力される。
第1実施形態において、接触子突出量変更手段は、キャリッジ130のプローブホルダ135とプローブ200の測定子支持体220との間に介装されるスペーサ310である。
スペーサ310は、円筒を半割りにしたようなアーチ型であって、軸線方向の長さLs1が既知の長さである。スペーサ310のアーチの内径は、プローブ取付軸230の外径にほぼ一致しており、プローブ取付軸230に跨がるようにしてスペーサ310はプローブ取付軸230に取り付け可能となっている。
スペーサ310の両端面には回り止めとなるノッチ311とボス312とがそれぞれ設けられている。
また、プローブホルダ135の端面、および、測定子支持体220の端面には、スペーサ310の回り止め(ノッチ311とボス312)と対になる回り止め(ノッチとボス)が設けられている。
ここでは、測定子支持体220の端面に、スペーサ310のノッチ311に嵌まるボス321が設けられ、また、プローブホルダ135の端面に、スペーサ310のボス312を受け入れるノッチ322が設けられている(図5中の中段(B)参照)。
図5上段(A)ではプローブホルダ135にプローブ200が取り付けられている。
この状態から図5中段(B)に例示のように、プローブ200をプローブホルダ135から少し引き出す。このとき、プローブ200を交換するわけではないので、プローブ取付軸230を抜ききってしまう必要はなく、スペーサ310が入る程度の長さ分だけプローブ取付軸230を引き出せばよい。
測定子支持体220、スペーサ310およびプローブホルダ135の間に隙間がないように測定子支持体220とプローブホルダ135との間にスペーサ310を挟み込んだ状態でコレットチャック136を締める。すると、スペーサ310の長さLs1の分だけ測定子210の接触子212が水平方向に余計に突き出すようになる。これにより、スペーサ310が無いときとスペーサ310が有るときとで、接触子212の水平方向の位置が既知の長さLs1だけ異なるという二つの状態を得ることができる。
いま、スペーサ310が無いときとスペーサ310が有るときとで、接触子212の水平方向の位置の差をΔXで表わすとする。(ΔXはLs1に等しい。)なお、スペーサ310を介装しただけであるから、測定子210の高さ方向の位置はスペーサ310の取り付けの前後で変化はない。
図6中の上段(A)を参照されたい。
まず、通常の高さ測定と同じように、測定対象物をベース110の突当て部112に突き当てて、測定対象物Wの位置を高さ測定機100に対して正しく(平行あるいは垂直など)セットする。そして、徐々にZスライダ(キャリッジ)130を下ろしていって、接触子212が測定対象物Wの斜面に当てる。第1測定値として、接触子212が測定対象物Wの斜面に当たったところで測定値をサンプリングする。
なお、測定対象物Wも高さ測定機100も動かす必要はなく、ただ、測定子支持体220とプローブホルダ135との間にスペーサ310を介装すればよい。これにより、接触子212の水平方向の位置が既知の長さLS1だけ変化したことになる。そして、図6下段(B)に例示のように、徐々にZスライダ(キャリッジ)130を下ろしていって、接触子212を測定対象物の斜面に接触させる。このとき、接触子212と測定対象物Wとが接触する位置は、第1測定値と比べると、水平方向で既知の量だけ違うのはもちろんである。第2測定値として、接触子212が測定対象物の斜面に当たったところで測定値をサンプリングする。
tanθ=ΔH/ΔX
本発明の第2実施形態を図7を参照して説明する。
第2実施形態において、接触子突出量変更手段は、長さの異なる2つの測定子210である。
図7において、取付軸230は、測定子支持体220の長さ方向のほぼ中心に位置している。
tanθ=ΔH/ΔX
tanθ=(ΔH−Δh)/ΔX
本発明の第3実施形態を図10を参照して説明する。
第3実施形態においては、測定子支持体220に対して測定子210が進退できるようにしておく。例えば、測定子支持体220がコレットチャックになっていて、コレットを開閉して測定子210の進退量を調整できるようにしておく。測定子210には軸方向に目盛213を刻んでおいて、測定子210の進退量を目盛213で読み取れるようにしておく。なお、測定子210を動かす前と後とで測定子210が軸回りに回転すると、測定値の誤差に繋がる恐れがある。そこで、測定子支持体220の方に基線221を設けておき、測定子210の目盛213を基線221上で読むようにする。第3実施形態によれば、接触子212を既知の量だけ水平方向に変位させることができ、これにより高さ測定機100で測定対象物Wの傾斜測定ができる。
本発明の第4実施形態を図11から図15を参照して説明する。
第4実施形態では、高さ測定機100で円柱状や球状の測定対象物の曲率を簡便かつ高精度に測定する。円柱状あるいは球状の測定対象物Wの曲率を測定するにあたり、本実施形態で特徴とするのは、ワーク設置治具400と、このワーク設置治具400を用いたワークの曲率または径の測定方法である。
ワーク設置治具400は、本体プレート410と、本体プレート410に突設された基準ロッド421,422と、を有する。
本体プレート410は、細幅で長尺のプレートである。
ワーク設置治具400を床(設置面)に載置したときに、ワーク設置治具400が短手方向の端面を下にして自立するように本体プレート410の側端面に脚部411が設けられている。
図16では、プローブホルダ135が120度間隔で3本のアームを有しており、それぞれのアームの端部でプローブ200を保持している。プローブホルダ135は、キャリッジ本体に対して回転できるようになっている。3つのプローブ200には長さが異なる測定子210L、210M、210Sが取り付けられている。3つの測定子210としては、ロング測定子210L、ミディアム測定子210M、ショート測定子210Sを用意し、図17に例示のように、プローブホルダ135を120度ずつ回転させることで3つの測定子210の位置を交換すればよい。
上記実施形態では、測定対象物の測定対象面が接触子212よりも下にあって、接触子212が測定対象面の上から接触する例を示した。
もちろん、測定対象物の測定対象面が接触子212よりも上にあって、接触子212が測定対象面の下から接触して、測定対象物の下側面の傾斜角や曲率を測定してもよい。
20…ケージブロック、
100…高さ測定機、
101…外カバー、110…ベース、112…突当て部、115…エアベアリング、
120…支柱、121…Zコラム、130…キャリッジ、132…ローラ、
135…プローブホルダ、136…コレットチャック、
180…駆動機構、181A…プーリ、181B…プーリ、182…ベルト、190…変位検出手段、191…スケール、192…検出ヘッド、
200…プローブ、210…測定子、210L…ロング測定子、210M…ミディアム測定子、210S…ショート測定子、211…スタイラス、212…接触子、213…目盛、220…測定子支持体、221…基線、230…取付軸、250…マイクロメータヘッド、
310…スペーサ、311…ノッチ、312…ボス、
400…ワーク設置治具、
410…本体プレート、411…脚部、421,422…基準ロッド、431,432…位置決めマーク。
Claims (7)
- 基台部の上に鉛直に立設されたZコラムと、
前記Zコラムに沿って鉛直方向にスライド移動可能に設けられたZスライダと、
前記Zスライダの高さ方向の変位を検出する変位検出器と、
前記Zスライダに支持され、測定対象物に当接する接触子を有するプローブと、を備え、
前記接触子が前記測定対象物に接触したときの前記Zスライダの高さ位置を検出して前記測定対象物の高さを測定する高さ測定機であって、
前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更する接触子突出量変更手段を備える
ことを特徴とする高さ測定機。 - 請求項1に記載の高さ測定機において、
前記Zスライダおよび前記プローブのいずれか一方には、鉛直方向に交差する方向に突設された取付軸が設けられ、
前記Zスライダおよび前記プローブのいずれか他方には、前記取付軸を受け入れて前記取付軸を保持する取付け孔が設けられ、
前記接触子突出量変更手段は、前記Zスライダと前記プローブとの間に着脱可能に介装される水平方向の長さが既知のスペーサである
ことを特徴とする高さ測定機。 - 請求項1に記載の高さ測定機において、
接触子突出量変更手段として、水平方向の長さの異なる2以上の測定子が設けられ、前記2以上の測定子のそれぞれの先端に前記接触子が設けられ、
水平に平行な回転軸で回転させて前記2以上の測定子の位置を交換することで前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更する
ことを特徴とする高さ測定機。 - 円柱状または球状の測定対象物を請求項1から請求項3のいずれかに記載の高さ測定機の測定位置にセットするためのワーク設置治具であって、
前記ワーク設置治具は、
本体プレートと、
二つの基準ロッドと、を有し、
前記二つの基準ロッドは、長さが同じであって、かつ、前記本体プレートの同じ高さ位置に突設されている
ことを特徴とするワーク設置治具。 - 請求項4に記載のワーク設置治具において、
前記本体プレートの背面側には、前記高さ測定機の二つの突当て部にそれぞれ突き当てられる位置決めマークが設けられていて、
前記位置決めマークと前記突当て部とを位置合わせした状態で当該ワーク設置治具をセットしたとき、
前記二つの基準ロッドの先端同士の中点と、前記二つの基準突当て部の中点と、前記接触子と、は同じ平面上にある
ことを特徴とするワーク設置治具。 - 請求項4または請求項5に記載のワーク設置治具を用いて円柱状測定対象物の曲率を請求項1から請求項3のいずれかに記載の高さ測定機で測定する曲率測定方法であって、
円柱状測定対象物の軸が横向きになるように倒し、側面が前記二つの基準ロッドに突き当たるようにして前記測定対象物をセットし、
前記接触子突出量変更手段で前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更しつつ、異なる3点で前記測定対象物の側面の高さを測定する
ことを特徴とする曲率測定方法。 - 請求項4または請求項5に記載のワーク設置治具を用いて球状測定対象物の曲面の曲率を請求項1から請求項3のいずれかに記載の高さ測定機で測定する曲率測定方法であって、
球状測定対象物の表面が前記二つの基準ロッドに突き当たるようにして前記測定対象物をセットし、
前記接触子突出量変更手段で前記接触子の水平方向の突出し量を既知の量だけ変更しつつ、異なる3点で前記測定対象物の表面の高さを測定する
ことを特徴とする曲率測定方法。
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