JP2021055880A - 高温酸素発生装置及び高温酸素発生方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、加熱効率をより向上させるために、例えば、予熱した酸化剤を用いて高い燃焼温度を得る技術も採用されている。
即ち、請求項1に係る発明は、高温ガスと被加熱用酸素ガスとを混合し、高温酸素ガスを生成する高温酸素発生装置であって、前記高温ガスを発生させるバーナと、該バーナの下流側に設けられ、前記高温ガスと前記被加熱用酸素ガスとを混合する予熱室とを備え、前記バーナは、燃料ガスと燃焼用酸素ガスとで火炎を形成する燃焼室と、該燃焼室に前記燃料ガスを供給する燃料流路と、前記燃焼室に前記燃焼用酸素ガスを供給する燃焼用酸素流路と、前記予熱室に連通し、前記予熱室に向けて被加熱用酸素ガスを供給する被加熱用酸素流路と、を有する高温酸素発生装置である。
10(m/s)≦U1≦60(m/s) ・・・・・(1)
20(m/s)≦U2≦120(m/s) ・・・・・(2)
20(m/s)≦U3≦120(m/s) ・・・・・(3)
U4≦60(m/s) ・・・・・(4)
従って、高圧の供給圧力で用いる仕様でありながら、大気圧条件での使用も可能であり、常圧から高圧までの圧力条件に依らず、且つ、設備の大型化や増設を招くことなく、予熱した高温の酸素ガスの供給が可能になる。
従って、常圧から高圧までの圧力条件に依らず、且つ、設備の大型化や増設を招くことなく、予熱した高温の酸素ガスの供給が可能になる。
以下に、本実施形態の高温酸素発生装置10の構成について詳細に説明する。
図1は、本実施形態の高温酸素発生装置10を、バーナ1の中心軸Jに沿った断面で示す図である。図2は、図1中に示したバーナ1とは異なるバーナ1Aを備えるとともに、さらに点火用バーナ9を設けた例の高温酸素発生装置10Aを示す断面図である。図3は、図2に示す高温酸素発生装置10Aに対して、さらに酸素ランス8を取り付けた例の高温酸素発生装置10Bを示す断面図である。また、図4は、高温酸素発生装置に備えられるバーナの他の例を示す断面図である。
そして、高温酸素発生装置10は、バーナ1が、燃料ガスG1と燃焼用酸素ガスG2とで火炎を形成する燃焼室5と、この燃焼室5に燃料ガスG1を供給する燃料流路2と、燃焼室5に燃焼用酸素ガスG2を供給する燃焼用酸素流路(図1中の符号3,4を参照)と、予熱室7に連通し、この予熱室7に向けて被加熱用酸素ガスG3を供給する被加熱用酸素流路6とを備え、概略構成される。
また、被加熱用酸素流路6は、予熱室7に連通するとともに、第二酸素流路4の周囲に配置され、図示例においては、予熱室7の内部に開口しており、火炎の周囲から被加熱用酸素ガスG3を噴出することで、予熱室7に向けて被加熱用酸素ガスG3を供給する。
また、本実施形態で説明する燃焼用酸素ガスG2及び被加熱用酸素ガスG3としては、例えば、酸素富化空気、又は、酸素が挙げられる。
燃料流路2の開口部は、燃焼室5の底部51に開口するように配置され、燃料流路2から供給される燃料ガスG1を燃焼室5内に向けて噴出するように設けられる。
燃料流路2は、詳細な図示は省略するが、例えば、中心軸Jを中心とした円周上において、中心軸J上に設けられた第一酸素流路3を取り囲むように、複数で平行且つ均等間隔で配置される。
なお、複数の燃料流路2の開口部は、燃焼室5内に開口していれば、その配置間隔や孔数、形状等は特に限定されず、任意に設定可能である。
第一酸素流路3の開口部も、燃料流路2と同様、燃焼室5の底部51に開口するように配置され、第一酸素流路3から供給される燃焼用酸素ガスG2を燃焼室5内に向けて噴出するように設けられる。
なお、第一酸素流路3の開口部は、燃焼室5内に開口していれば、その形状等は特に限定されず、任意に設定可能である。
被加熱用酸素流路6は、詳細な図示は省略するが、例えば、中心軸Jを中心とした円周上において、第二酸素流路4を取り囲むように、複数で平行且つ均等間隔で配置される。
被加熱用酸素流路6は、バーナ1の先端1aの端面に開口することで、火炎の周囲から被加熱用酸素ガスG3を噴出し、予熱室7に向けて被加熱用酸素ガスG3を供給する。即ち、被加熱用酸素流路6は、第一酸素流路3や第二酸素流路4とは異なり、燃焼に供される燃料ガスG1が流通する流路ではなく、被加熱用酸素ガスG3が流通する流路なので、燃焼室5に開口することなく、予熱室7に開口している。
なお、複数の第二酸素流路4の開口部も、上記のように、燃焼室5の側壁52に開口していれば、その配置間隔や孔数、形状等は特に限定されず、任意に設定可能である。
なお、図1に示す例の高温酸素発生装置10においては、予熱室7の下流側は大気に開放された状態であり、バーナ1に備えられる各流路出口は大気圧の条件となる。
冷却ジャケット11は、火炎による高温雰囲気や輻射熱からバーナ1の各構成部品を保護するとともに、燃焼室5内における過渡な加熱を抑制する。
一般的に、バーナから噴出する各ガスの噴出速度が遅い場合、逆火が発生するか、あるいは、噴流が弱いために外部からの擾乱の影響を受けて失火しやすい状態となる。一方、各ガスの噴出速度が速すぎると火炎が浮き上がり、この場合も失火しやすい状態となる。また、酸素ガスを用いるバーナにおいては、火炎温度が2000℃を超える高温となることから、ノズルが溶損することのないよう、適切な保護を施す必要がある。
これにより、高温酸素発生装置10によれば、被加熱用酸素流路6からの被加熱用酸素ガスG3の流れの影響によって、燃料ガスG1と燃焼用酸素ガスG2とから形成される火炎が失火するのを防止することが可能になる。さらに、燃焼に供されない被加熱用酸素ガスG3が流通する被加熱用酸素流路6がバーナ1の中心軸Jに沿って設けられることで、バーナ1全体に対する冷却効果が得られるとともに、円筒管70の内壁を冷却する効果も得られる。
このように、燃料ガスG1を、第一酸素流路3及び第二酸素流路4から噴出される燃焼用酸素ガスG2で挟み込むことで、燃焼状態が維持されるとともに、燃焼室5における側壁52や底部51の温度が上昇し過ぎないよう、第二酸素流路4から噴出される燃焼用酸素ガスG2による酸素流で保護できる。
一方、例えば、上記の特許文献2に記載されたような従来の技術では、バーナの中央に燃料流路が配置され、その周囲に酸素流路が配置された構成とされているが、このような構成だと、各ガスの噴出速度が大きい場合に火炎を保持することが著しく困難となる。
本実施形態の高温酸素発生装置10によれば、図1中に示すように、燃料流路2が、第一酸素流路3と第二酸素流路4との間に挟まれるように配置された構成なので、各ガスの噴出速度が大きい場合でも、安定して火炎を保持できる。
即ち、冷却ジャケット11を備えることにより、例えば、バーナ1と冷却水Wとが直に接触するか、あるいは、バーナ1と冷却水Wとが、他の構造物(図示例では円筒管70)を介して接することで、バーナ1を十分に冷却でき、溶損するのを防止できる。また、熱応力によってバーナ1あるいは高温酸素発生装置10全体の変形や破損が生じるのを防止できるとともに、熱応力が繰り返し印加されることによって疲労破壊が生じるのを最小限に抑制でき、高寿命化を図ることが可能になる。
例えば、図2に示す高温酸素発生装置10Aのように、被加熱用酸素流路6を、内周側と外周側の2列で配置し、且つ、燃焼室5の側壁52における先端1a側の一部が円筒形状とされたバーナ1Aを備えた構成を採用してもよい。さらに、図2に示す高温酸素発生装置10Aは、冷却ジャケット11及び円筒管70側に配置され、予熱室7におけるバーナ1A寄りの位置に点火用バーナ9が設けられている。一般に、高温酸素発生装置に備えられる高温ガス発生用のバーナには着火源が必要となることから、図2に示す例の高温酸素発生装置10Aには、上記の点火用バーナ9が設けられている。なお、図2に示す例の高温酸素発生装置10Aにおいても、予熱室7の下流側は大気に開放された状態であり、バーナ1Aに備えられる各流路出口は大気圧の条件となる。
本実施形態の高温酸素発生方法は、上記構成とされた本実施形態の高温酸素発生装置10を用いて高温酸素ガスG5を発生させる方法である。
即ち、本実施形態の高温酸素発生方法は、バーナ1の燃料流路2における燃料ガスG1の平均速度U1、第一酸素流路3における燃焼用酸素ガスG2の平均速度U2、及び、第二酸素流路4における燃焼用酸素ガスG2の平均速度U3での最大圧力下において、平均速度U1,U2,U3が下記(1)〜(3)式を満たし、且つ、燃焼室5の出口側における燃料ガスG1及び燃焼用酸素ガスG2の混合ガスの平均速度U4が、大気圧条件下で定格流量であるときに下記(4)式を満たす高温酸素発生方法である。
10(m/s)≦U1≦60(m/s) ・・・・・(1)
20(m/s)≦U2≦120(m/s) ・・・・・(2)
20(m/s)≦U3≦120(m/s) ・・・・・(3)
U4≦60(m/s) ・・・・・(4)
以上説明したように、本実施形態の高温酸素発生装置10によれば、バーナ1が、燃料ガスG1と燃焼用酸素ガスG2とで火炎を形成する燃焼室5と、燃焼室5に燃料ガスG1を供給する燃料流路2と、燃焼室5に燃焼用酸素ガスG2を供給する第一酸素流路3及び第二酸素流路4と、予熱室7に向けて被加熱用酸素ガスG3を供給する被加熱用酸素流路6とを有した構成を採用している。このように、酸素ガスの供給流路を、燃料ガスG1との燃焼に用いる燃焼用酸素ガスG2の流路と、燃焼後の高温ガスG4との混合に用いる被加熱用酸素ガスG3の流路とに分離したうえで、予熱室7と独立して配置される燃焼室5を設けることにより、被加熱用酸素流路6からの被加熱用酸素ガスG3の流れの影響によって火炎が失火するのを防止できる。また、燃焼に供されない被加熱用酸素ガスG3が流通する被加熱用酸素流路6により、バーナ1並びに円筒管70に対する冷却効果も得られる。
従って、高圧の供給圧力で用いる仕様でありながら、大気圧条件での使用も可能であり、常圧から高圧までの圧力条件に依らず、且つ、設備の大型化や増設を招くことなく、予熱した高温酸素ガスG5の供給が可能になる。
従って、常圧から高圧までの圧力条件に依らず、且つ、設備の大型化や増設を招くことなく、予熱した高温酸素ガスG5の供給が可能になる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は上記のような特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
実施例1においては、図2に示すような、高温ガスG4を発生させるバーナ1Aと、バーナ1Aの下流側に設けられ、高温ガスG4と被加熱用酸素ガスG3とを混合する予熱室7とを備えた高温酸素発生装置10Aを用いて試験を行った。具体的には、本実施例では、バーナ1Aが、燃料ガスG1と燃焼用酸素ガスG2とで火炎を形成する燃焼室5と、燃焼室5に燃料ガスG1を供給する燃料流路2と、燃焼室5に燃焼用酸素ガスG2を供給する第一酸素流路3及び第二酸素流路4と、内周側と外周側の2列で配置された、予熱室7に向けて被加熱用酸素ガスG3を供給する被加熱用酸素流路6と、バーナ1の着火源である点火用バーナ9とを備えた高温酸素発生装置10Aを準備した。なお、第二酸素流路4の中心軸Jに対する角度は20°とした。
実施例2においては、図3に示すような、実施例1で用いて高温酸素発生装置10Aにおける予熱室7の下流側に、さらに酸素ランス8を取り付けた構成の高温酸素発生装置10Bを用いて試験を行った。具体的には、本実施例では、内部の流路8bが、吐出口8a側に向かうに従って流路面積が狭くなり、吐出口8a近傍においてのみ、流路面積が若干広がるように構成された酸素ランス8を、予熱室7の下流側に取り付けた高温酸素発生装置10Bを用いた。
比較例1においては、図5に示すような、中心軸J上に燃焼室105に連通する燃料流路102を有し、その周囲に、図1及び図2中に示した第二酸素流路4に対応する燃焼酸素流路104を有している一方、図1及び図2中の第一酸素流路3に対応する酸素流路を有していない従来の構成のバーナ101を備えた、大気圧条件の仕様とされた高温酸素発生装置を用い、設定した各予熱温度での予熱可否を調べた。
なお、図5に示す比較例のバーナ101は、燃焼酸素流路104の周囲に配置され、内周側と外周側の2列で設けられた被加熱用酸素流路106を備えている。
また、比較例1では、バーナ101として、大気圧条件下において、燃料流路102からの噴出速度が17.5m/s、燃焼酸素流路104からの噴出速度が65m/sになるように設計したものを用いた。
なお、下記表3においては、実施例1(大気圧)及び実施例2(高圧:0.7MPaG)で用いた各装置並びに条件で同様の試験を行った結果、並びに、下記比較例2で同様の試験を行った結果も示している。
また、下記表3においては、予熱可能であることが確認できた条件の欄に「○」を記している。
比較例2においては、図5に示した従来の構成のバーナ101を備え、高圧条件の仕様とされた高温酸素発生装置を用い、設定した各予熱温度での予熱可否を調べた。
また、比較例2では、バーナ101として、周囲の圧力が0.7MPaGの高圧のときに、燃料流路102からの噴出速度が17.5m/s、燃焼酸素流路104からの噴出速度が65m/sになるように設計したものを用いた。
上述した本実施例の結果より、本発明に係る高温酸素発生装置が、従来の構成である直接燃焼式の高温酸素発生装置を用いた場合には非常に困難であった、常圧から高圧までの広い圧力条件に対応した酸素の予熱が可能であることが明らかとなった。
1,1A,1B…バーナ
1a…先端
2…燃料流路
3…第一酸素流路
4…第二酸素流路
5…燃焼室
6…被加熱用酸素流路
7…予熱室
70a…先端
8…酸素ランス
8a…吐出口
8b…流路8b
81…フランジ
9…点火用バーナ
11…冷却ジャケット
11a…冷却水流路
11b…入口管
11c…出口管
J…中心軸
W…冷却水
G1…燃料ガス
G2…燃焼用酸素ガス
G3…被加熱用酸素ガス
G4…高温ガス
G5…高温酸素ガス
Claims (4)
- 高温ガスと被加熱用酸素ガスとを混合し、高温酸素ガスを生成する高温酸素発生装置であって、
前記高温ガスを発生させるバーナと、該バーナの下流側に設けられ、前記高温ガスと前記被加熱用酸素ガスとを混合する予熱室とを備え、
前記バーナは、
燃料ガスと燃焼用酸素ガスとで火炎を形成する燃焼室と、
該燃焼室に前記燃料ガスを供給する燃料流路と、
前記燃焼室に前記燃焼用酸素ガスを供給する燃焼用酸素流路と、
前記予熱室に連通し、該予熱室に向けて被加熱用酸素ガスを供給する被加熱用酸素流路と、
を有する高温酸素発生装置。 - 前記バーナは、
前記燃焼用酸素流路として、前記バーナの中心軸上に配置され、前記バーナの軸方向で前記燃焼用酸素ガスを噴出する第一酸素流路を有し、
前記燃料流路は、前記第一酸素流路の周囲に配置され、前記バーナの軸方向で前記燃料ガスを噴出し、
さらに、前記燃焼用酸素流路として、前記燃料流路の周囲に配置され、且つ、前記バーナの中心軸に対して傾斜しながら該中心軸側に向かうように前記燃焼用酸素ガスを噴出する第二酸素流路を有し、
前記燃焼室は、前記燃料流路から噴出する燃料ガスと、前記第一酸素流路及び前記第二酸素流路から噴出する燃焼用酸素ガスとで火炎が形成され、
前記被加熱用酸素流路は、前記予熱室に連通するとともに、前記第二酸素流路の周囲に配置され、前記火炎の周囲から前記被加熱用酸素ガスを噴出して前記予熱室に向けて被加熱用酸素ガスを供給する、
請求項1に記載の高温酸素発生装置。 - さらに、前記バーナ、あるいは、前記バーナ及び前記予熱室の両方を冷却する冷却ジャケットを備える請求項1又は請求項2に記載の高温酸素発生装置。
- 請求項2に記載の高温酸素発生装置を用いた高温酸素発生方法であって、
前記バーナの前記燃料流路における前記燃料ガスの平均速度U1、前記第一酸素流路における前記燃焼用酸素ガスの平均速度U2、及び、前記第二酸素流路における前記燃焼用酸素ガスの平均速度U3での最大圧力下において、前記平均速度U1,U2,U3が下記(1)〜(3)式を満たし、且つ、前記燃焼室の出口側における前記燃料ガス及び前記燃焼用酸素ガスの混合ガスの平均速度U4が、大気圧条件下で定格流量であるときに下記(4)式を満たす高温酸素発生方法。
10(m/s)≦U1≦60(m/s) ・・・・・(1)
20(m/s)≦U2≦120(m/s) ・・・・・(2)
20(m/s)≦U3≦120(m/s) ・・・・・(3)
U4≦60(m/s) ・・・・・(4)
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