JP2021054460A - 充填システム - Google Patents
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Abstract
Description
そこで本開示は、軟包装袋に製品液を充填した後に開口を封止する際に、シワが生ずるのを防ぐことができる充填システムを提供することを目的とする。
搬送路は、搬送方向に間隔をあけて設けられ、軟包装袋からなる容器を把持する第1把持具および第2把持具と、第1把持具を支持する第1可動子および第2把持具を支持する第2可動子と、充填部で製品液が充填された容器の開口を熱融着する前に、第1可動子と第2可動子の間隔をそれまでより拡げる張力付与動作をさせる張力付与機構と、を有する。搬送路において、第1可動子および第2可動子は間隔が可変とされる。
本実施形態に係る充填システム1は、図1に示すように、楕円形の周回軌道を有する搬送路10と、搬送路10に沿って移動する複数のグリッパ20と、グリッパ20の走行を制御するコントローラ70と、を備える。充填システム1は、グリッパ20の一対の第1把持具25Aおよび第2把持具25Bで軟包装袋からなる容器80の幅方向の両端を掴みながら搬送路10に沿って搬送するものである。軟包装袋は、ポリエチレンに代表される樹脂製の可撓性のあるバッグである。
充填システム1は、一対の第1把持具25Aおよび第2把持具25Bで容器80を把持したままで、容器80のシワを取り除いたのちに開口87の封止を行うことができる。
以下、充填システム1の構成を説明した後に、充填システム1が奏する効果について説明する。
搬送路10は、図1に示すように、搬送路10の主体をなす互いに平行な往路11および復路13と、往路11と復路13の一方端同士を繋ぐ円弧状の第1反転路15と、往路11と復路13の他方端同士を繋ぐ円弧状の第2反転路17と、を備える。
往路11と復路13は幅方向Tに所定の間隔をあけて対向して配置され、また、第1反転路15と第2反転路17は長手方向Lに所定の間隔をあけて対向して配置されている。搬送路10は、往路11、第1反転路15、復路13および第2反転路17の順に、図1における反時計回りにグリッパ20が走行する。
搬送路10の往路11には、上流側の工程から容器80が運び込まれる搬入部100が設けられている。第2反転路17から往路11に走行してきたグリッパ20は、搬入部100に至ると、上流工程に属する図示を省略するグリッパに把持される容器80を受け取る。容器80の受け取りは、グリッパ20を停止させて行ってもよいし、グリッパ20を走行させたままで行ってもよい。容器80を受け取ったグリッパ20は、下流である第1反転路15、復路13に向けて往路11を走行する。なお、本実施形態において、充填システム1はグリッパ20が搬送路10を循環して走行するので、搬送路10の内部においては上流および下流は相対的な意味を有する。つまり、往路11を基準にすると復路13が下流であり、復路13を基準にすると往路11は下流である。
搬送路10の復路13には、グリッパ20で把持される容器80に製品液を充填する充填部200が設けられている。第1反転路15から復路13に走行してきたグリッパ20は、充填部200に至ると走行を停止する一方、充填部200が備えるいくつかの機器および設備、例えば充填ノズル、製品液を蓄えるタンクを使って容器80に製品液を充填する。充填部200が備える機器については図示が省略されているが、周知慣用の機器を用いることができる。
充填部200において製品液PLを容器80に充填するのに先立って、グリッパ20は充填ノズルを容器80に差し込むための充填間口を形成するために、一対の第1把持具25Aおよび第2把持具25Bを狭動作させる。狭動作とは、第1把持具25Aと第2把持具25Bの間隔をそれまでよりも狭くすることをいう。この充填のための狭動作については後述するが、この狭動作に伴って容器80にシワが生ずることがある。そこで、グリッパ20は、充填部200において、生じたシワを取り除くための動作を、充填のための狭動作に引き続いて行う。このシワを取り除くための動作についても後述する。狭動作とは逆に、第1把持具25Aと第2把持具25Bの間隔をそれまでよりも広くすることを、広動作という。
搬送路10の復路13には、充填部200の下流に隣接して容器80の開口87を封止する封止部300が設けられている。充填部200で製品液PLが充填された容器80を把持するグリッパ20は、充填部200から封止部300まで移動してから停止する。一方、封止部300が備える機器および設備、例えば、加熱媒体、冷却媒体を使って、充填部200において製品液PLが充填された容器80の開口87を、例えば熱融着(ヒートシール)により封止する。封止部300が備える機器については図示が省略されているが、周知慣用の機器を用いることができる。
グリッパ20は、充填部200におけるシワ除去動作を継続したままで封止部300に移動する。シワ除去動作は、開口87の封止が完了するまで継続される。封止が完了するとは、一度は溶融した容器80の樹脂が冷却により元の状態に硬化することをいう。グリッパ20は、封止部300に移動してからシワ除去動作を行うこともできる。
搬送路10の復路13には、封止部300の下流であって第2反転路17の手前に搬出部400が設けられている。搬出部400において、製品液PLが充填されかつ開口87が封止された容器80が下流に向けて受け渡される。封止部300から復路13を走行してきたグリッパ20は、搬出部400に至ると、下流工程に属するグリッパに容器80を受け渡す。容器80の受け渡しは、グリッパ20を停止させて行ってもよいし、グリッパ20を走行させたままで行ってもよい。
搬送路10は、往路11、復路13、第1反転路15、第2反転路17からなる周回軌道上に、リニアモータの一方の要素である電磁コイルが設けられている。リニアモータの他方の要素である永久磁石は、それぞれのグリッパ20の第1可動子21Aおよび第2可動子21Bに設けられている。電磁コイルは固定子を構成し、永久磁石は可動子を構成しており、搬送路10とグリッパ20によりリニアモータが構成される。第1可動子21Aおよび第2可動子21Bを動作させるには、第1可動子21Aおよび第2可動子21Bに対して電流が供給される必要がある。
グリッパ20は、容器80を把持しながら搬送路10を移動して、容器80を搬送する。
図1に示すように、充填システム1は搬送路10に沿って複数のグリッパ20が設けられており、それぞれのグリッパ20が搬送路10とともにリニアモータを構成しているので、それぞれのグリッパ20は、搬送路10を独立して移動が制御される。
第1把持具25Aおよび第2把持具25Bは、図示を省略する駆動源によりそれぞれの開閉が制御され、閉じたときに容器80を把持し、開くと把持を解いて例えば他の搬送装置に容器80を受け渡す。
製品液が充填される前の容器80の一例を、図2を参照して説明する。ここで説明する容器80は、製品液が充填される前の状態を示している。
容器80は、製品液を収容する袋81と、袋81の軸線方向Cの一方端に設けられる口栓83と、袋81の軸線方向Cの他方端に設けられる末端部85と、末端部85に設けられる開口87と、を備える。容器80は、例えば2枚の樹脂フィルムを重ねて作製されており、口栓83が設けられる一方端、開口87を除く末端部85およびその他の周縁部は、すでに融着がなされている。つまり、この時点において、容器80は開口87を除いて周縁が融着により封止されている。
次に、図4を参照して、グリッパ20によりシワ82を取り除く動作を説明する。
製品液PLの充填の際に容器80を把持するグリッパ20は、図4に示すように動作する。この動作は、コントローラ70の指示に基づいている。なお、図4は上から下に向けて時系列をなしており、また、理解を容易にするために、容器80は袋81の部分だけを示している。つまり、コントローラ70は、充填部200で製品液が充填された容器80の開口87を熱融着する前に、第1可動子21Aと第2可動子21Bの間隔をそれまでより拡げる張力付与動作をさせる張力付与機構を構成する。
グリッパ20の第1把持具25Aおよび第2把持具25Bは、充填部200に至った時点では、容器80の袋81は幅方向Wに微小な張力が生じる程度の間隔で袋81を把持する。この時点の第1可動子21Aと第2可動子21Bの間隔をW11とする。グリッパ20の第1可動子21Aと第2可動子21Bはこの時点で搬送路10における移動動作を停止している。
製品液PLの所定量の充填を終えて第1可動子21Aと第2可動子21Bの間隔が戻ると、閉じた開口87にシワが生ずることがある。本実施形態に係るグリッパ20はこのシワを除く動作を行い、この動作を終えた後に、開口87を熱融着により封止する。以下、シワ除去時のグリッパ20の動作およびシワを取り除くことができる作用を、図5を参照して説明する。なお、図5においても上から下に向けて時系列をなしており、また、理解を容易にするために、グリッパ20は第1把持具25Aおよび第2把持具25B、容器80は袋81の部分だけを簡略化して示している。
シワ82を取り除くための第1把持具25Aおよび第2把持具25Bの図5に示される動作は図1に示される充填部200においてなされ、シワ82が取り除かれたままでグリッパ20を封止部300に移動してから開口87の熱融着を行うことができる。この場合、充填部200においては、熱融着により開口87を仮融着した後に封止部300に移動し、封止部300において熱融着により開口87を本融着してもよい。さらに本開示はこれに限らず、シワ82を取り除くための第1把持具25Aおよび第2把持具25Bの図5に示される動作を図1に示される封止部300に移動してから行い、その場、つまり封止部300にいたままで開口87の熱融着を行うこともできる。
熱融着が完了すると、第1把持具25Aと第2把持具25Bの間隔は元に復帰し、次工程に向けて搬送される(図8 S111)。
以上説明した例においては、シワ82の除去動作の樹脂フィルム81Aおよび樹脂フィルム81Bと第1把持具25Aおよび第2把持具25Bとの間には滑りが生じないものとした。しかし、本実施形態においては、第1把持具25Aおよび第2把持具25Bの一方と樹脂フィルム81A,81Bの間に滑りが生じることを推奨する。以下、移動する側の第2把持具25Bと樹脂フィルム81A,81Bとの間に滑りを生じさせる例について図6を参照して説明する。
一つ目の手段は、図7の上段に示すように、第1把持具25Aで樹脂フィルム81A,81Bを把持する力をF1とし、第2把持具25Bで樹脂フィルム81A,81Bを把持する力をF2とすると、F1をF2よりも大きくするというものである。一つ目の手段は、第1把持具25Aと樹脂フィルム81A,81Bの間の摩擦係数と第2把持具25Bと樹脂フィルム81A,81Bの間の摩擦係数とが一致することを前提とする。
次に、充填システム1が奏する効果について説明する。
充填システム1は、シワ82が発生したとしても、シワ82を取り除くためのグリッパ20の動作を行ってから熱融着を行うので、熱融着がなされた容器80にシワ82が残るおそれは小さい。
したがって、他に格別な要素を備えることなく、シワを取り除くための張力付与動作を行うことができる。
また、例えば、機械的な要素であるカム、レバーなどを用いて一対のアームの広狭動作をすることもできる。この機械的な要素は相当数の機械的な衝突部分および摺動部分を含んでおり、これら要素の摩耗は不可避である。摩耗による動作不良を回避するために、カム、レバーなどの要素の交換を定期的に行う必要がある。しかも、本開示が対象とする搬送装置は、多数のグリッパを備えるので定期的な交換作業の負担は極めて大きい。
これに対して、本実施形態に係るグリッパ20は、リニアモータの要素である第1可動子21Aおよび第2可動子21Bを用いて第1把持具25Aおよび第2把持具25Bの広狭動作を行う。固定子として機能する搬送路10から第1把持具25Aおよび第2把持具25Bに至る経路に機械的な衝突部分および摺動部分が含まれていない。したがって、充填システム1によれば、第1把持具25Aおよび第2把持具25Bの広狭動作にともなう部品の交換作業の負担は小さい。
したがって、充填システム1によれば、第1可動子21Aおよび第2可動子21Bのそれぞれが、シワ82を効果的に取り除くために好ましい動作をすることができる。この好ましい動作の一例が、第1可動子21Aを固定する一方、第2可動子21Bを移動させるというものである。
また、第1可動子21Aと第2可動子21Bの間隔を調整するだけで、寸法、特に幅の異なる容器80を処理することができるので、幅の異なる容器80に対応するグリッパを用意する必要がない。
本実施形態における充填システム1は、以下のように把握される。
充填システム1は、搬送方向に間隔をあけて設けられ、軟包装袋からなる容器80を把持する第1把持具25Aおよび第2把持具25Bと、第1把持具25Aを支持する第1可動子21Aおよび第2把持具25Bを支持する第2可動子21Bと、第1可動子21Aおよび第2可動子21Bの間隔が可変とされる搬送路10と、を備える。また、充填システム1は、搬送路10上に設けられ、容器80に設けられた開口87を介して容器80に製品液を充填する充填部200と、充填部200で製品液が充填された容器80の開口87を熱融着する封止部300と、を備える。
充填システム1は、充填部200で製品液が充填された容器80の開口87を熱融着する前に、第1可動子21Aと第2可動子21Bの間隔をそれまでより広げる張力付与動作をさせる張力付与機構を備える。
シワが取り除かれた状態で熱融着が完了すれば、その後にシワが元に戻るおそれは極めて小さい。
当該容器80に対する基準移動量Msをあらかじめ実験的に求めておけば、迅速および確実に張力付与動作を実行できる。
何らかの要因により容器80に生ずる張力がシワを取り除くのに足りないということが起きたとしても、シワを漏れなく取り除くことができる。
そうすれば、容器80に生ずる張力を検知するための格別の手段を設ける必要がない。
そうすれば、
滑りが生じることにより、容器80に残留する応力を低く抑えることができる。
第1手段:第1把持具25Aと容器80の間の摩擦係数をμ1とし、第2把持具25Bと容器80の間の摩擦係数をμ2とすると、μ1がμ2よりも大きい。
第2手段:第1把持具25Aが容器80を把持する力をF1とし、第2把持具25Bが容器80を把持する力をF2とすると、F1がF2よりも大きい。
例えば、本開示において、容器の形態は任意であり、開口があり、広狭動作に伴って開口にシワが生じ得る容器に広く適用される。
また、本実施形態において、リニアモータを構成する可動子に追従して移動するとともに、容器を把持することができる限り、グリッパの形態も任意である。
10 搬送路
11 往路
13 復路
15 第1反転路
17 第2反転路
20 グリッパ
21A 第1可動子
21B 第2可動子
23A 第1アーム
23B 第2アーム
25A 第1把持具
25B 第2把持具
70 コントローラ
80 容器
81 袋
81A 樹脂フィルム
81B 樹脂フィルム
82 シワ
83 口栓
85 末端部
87 開口
100 搬入部
200 充填部
300 封止部
400 搬出部
PL 製品液
C 軸線方向
T 張力
V 鉛直方向
W 幅方向
H 水平方向
L 長手方向
Claims (9)
- 搬送路と、
前記搬送路上に設けられ、軟包装袋からなる容器に設けられた開口を介して製品液を前記容器に充填する充填部と、
前記充填部で前記製品液が充填された前記容器の前記開口を熱融着する封止部と、を備え、
前記搬送路は、
搬送方向に間隔をあけて設けられ、前記容器を把持する第1把持具および第2把持具と、
前記第1把持具を支持する第1可動子および前記第2把持具を支持する第2可動子と、
前記充填部で前記製品液が充填された前記容器の前記開口を熱融着する前に、前記第1可動子と前記第2可動子の間隔をそれまでより拡げる張力付与動作をさせる張力付与機構と、を有し、
前記第1可動子および前記第2可動子は間隔が可変とされる、
充填システム。
- 前記封止部は、
前記第1可動子と前記第2可動子の間隔を広げる前記張力付与動作が維持されたままで、前記開口の熱融着を行い、
前記張力付与機構は、
前記熱融着が完了した後に、前記張力付与動作を解除する、
請求項1に記載の充填システム。
- 前記張力付与機構は、
予め定められた基準移動量だけ、前記第1可動子および前記第2可動子の一方または双方を移動させる、
請求項1または請求項2に記載の充填システム。
- 前記張力付与機構は、
前記容器に生じる検知張力が予め定められた基準張力に達していなければ、
前記検知張力が前記基準張力に達するまで、前記第1可動子および前記第2可動子の一方または双方を移動させる、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の充填システム。
- 前記張力付与機構は、
前記第1可動子および前記第2可動子の動作のために供給される電流から、前記検知張力を特定する、
請求項4に記載の充填システム。
- 前記張力付与機構は、
前記第1可動子と前記第2可動子が停止した状態から前記張力付与動作を行わせる、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の充填システム。
- 前記張力付与機構は、
前記第1可動子と前記第2可動子の一方が停止したままで、前記第1可動子と前記第2可動子の他方が移動することにより、前記張力付与動作を行わせる、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の充填システム。
- 前記第1把持具による前記容器と前記第2把持具による前記容器との間の把持能力に差異がある、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の充填システム。
- 前記第1把持具と前記容器の間の摩擦係数をμ1とし、
前記第2把持具と前記容器の間の摩擦係数をμ2とすると、
前記μ1が前記μ2よりも大きいか、または、
前記第1把持具が前記容器を把持する力をF1とし、
前記第2把持具が前記容器を把持する力をF2とすると、
前記F1が前記F2よりも大きい、
請求項8に記載の充填システム。
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