JP2021053132A - 医療器具セット、カバー部材、及び癒合促進デバイス - Google Patents

医療器具セット、カバー部材、及び癒合促進デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】外科手術等の術後における縫合不全のリスクを低減させる。【解決手段】本発明に係る医療器具セット1は、生体組織の癒合を促進する本体部10を備える癒合促進デバイス100と、伸長した伸長状態から収縮した収縮状態となるように付勢され、伸長状態において癒合促進デバイスにおける本体部の少なくとも一面を被覆可能な骨組部材410を備えるカバー部材400と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、医療器具セット、カバー部材、及び癒合促進デバイスに関する。
医療分野において生体器官を外科的手術により接合する手技(例えば消化管の吻合術)が知られている。上記のような手技が行われた場合、生体器官同士が接合された接合部における癒合の遅延が生じないことが術後の予後決定因子として重要であることが知られている。
生体器官を接合する手技では種々の方法や医療器具が用いられるが、例えば生分解性の縫合糸により生体器官を縫合する方法や、ステープラーによる吻合を行う機械式の吻合装置(特許文献1参照)を利用する方法が提案されている。特に、機械式の吻合装置を利用して吻合術を行う場合、縫合糸を用いた方法と比較して接合部における生体器官同士の接合力を高めることができるため、縫合不全のリスクを低減させることが可能になる。
特表2007−505708号公報
しかしながら、接合部における癒合の進行の程度は、患者の接合対象部位(被接合部位)における生体組織の状態等にも依存する。そのため、例えば、特許文献1に記載されているような接合装置を使用した場合においても、患者の生体組織の状態如何によっては、縫合不全のリスクを十分に低減させることができない可能性もある。
そこで本発明は、外科手術等の術後における縫合不全のリスクを低減させることを目的とする。
本発明の一態様は、癒合促進デバイスと、カバー部材と、を有する医療器具セットである。癒合促進デバイスは、生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を備える。カバー部材は、伸長した伸長状態から収縮した収縮状態となるように付勢され、伸長状態において癒合促進デバイスにおける本体部の少なくとも一面を被覆可能な骨組部材を備える。また、本発明の一態様は、上記医療器具セットを構成するカバー部材である。また、本発明の一態様は、生体組織の癒合を促進するシート状の本体部と、伸縮した伸縮状態から収縮した収縮状態に付勢され、伸長状態において本体部の少なくとも一面を被覆可能なカバー部材と、を有し、本体部とカバー部材とが一体に構成された癒合促進デバイスである。
上記医療器具セット、カバー部材、及び癒合促進デバイスによれば、外科手術等の術後における縫合不全のリスクを低減させることができる。
本発明の第1実施形態に係る癒合促進デバイスを含む医療器具セットと医療デバイスを示す概略斜視図である。 図1に係る医療デバイスを構成する第1係合器具の先端と第2係合器具とを示す斜視図である。 医療デバイスを構成する第2係合器具のシャフトに癒合促進デバイスを挿通した状態を示す斜視図である。 図3の側面図である。 図1の癒合促進デバイスにおける貫通孔について示す断面図である。 医療器具セットを構成するカバー部材の骨組部材が伸長状態の際に癒合促進デバイスを包囲した状態を示す斜視図である。 カバー部材を示す底面図である。 図6に対応する図であって、カバー部材を構成する骨組部材が伸長状態から収縮状態となった際を示す斜視図である。 癒合促進デバイスを用いた処置方法の各手順を示すフローチャートである。 処置方法の実施形態(大腸吻合術)の手順を示すフローチャートである。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面斜視図である。 大腸吻合術の際に形成されるポート及び切開部を示す患者の腹部付近(臍のあたり)の図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な側面図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な側面図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面図である。 第1実施形態の変形例に係るカバー部材の変形例であって図7に対応する底面図である。 第2実施形態に係るカバー部材を示す斜視図であって、カバー部材の一部を切り欠いて、その内部構造を示す図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
図1〜図17は本発明の第1実施形態に係る癒合促進デバイス100とカバー部材400の説明に供する図である。図11〜図17は癒合促進デバイス100を用いて大腸を一例として消化管の吻合を行う際を説明する図である。なお、本実施形態において癒合促進デバイス100とカバー部材400とは、合わせて医療器具セット1と呼ぶことができる。
癒合促進デバイス100は、図11〜図17に示すように所定の生体器官同士を接合する手技(例えば、消化管の吻合術)に適用することができる。後述するように、本明細書の説明では癒合促進デバイス100を使用した手技の例として大腸吻合術を説明するが、本発明に係る癒合促進デバイスを使用可能な部位は大腸に限定されない。
医療器具セット1は、医療器具200によって大腸等の第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する際に使用される。医療器具セット1の説明にあたり医療器具200について説明する。
<医療デバイス>
医療器具200は、生体組織における第1被接合部位と第1被接合部位に対向する第2被接合部位とを接合する。医療器具200は、第1被接合部位及び第2被接合部位を介して本体部10を挟み込み可能な第1係合器具210と第2係合器具270を備える。第1係合器具210は図13に示すように癒合促進デバイス100の生体組織への吻合時に癒合促進デバイス100の一方の側に配置される。第1係合器具210は、第1被接合部位と当接可能に構成している。第2係合器具270は、吻合時に癒合促進デバイス100に対して第1係合器具210と反対側に配置され、第2被接合部位と当接可能に構成している。第1係合器具210は、第2係合器具270とともに生体組織及び癒合促進デバイス100を挟持する。詳細については後述する。第1係合器具210は、トロッカーと呼ばれる場合があり、第2係合器具270はアンビルと呼ばれる場合がある。
<第1係合器具>
第1係合器具210は、図1、2に示すように長尺部材220と、位置決め部230と、放出部240と、打抜き部250と、操作部260と、を備える。
長尺部材220は、第1係合器具210の本体に相当する。長尺部材220は、図2に示すように長手方向の先端において位置決め部230のシャフトを相対的に進退移動可能な空間Sを備える。なお、本明細書において長尺部材220の先端部における長手方向を方向Xとする。長尺部材220は、方向Xに交差する断面を中空の円形状に構成している。長尺部材220は、本実施形態において長手方向に直線状に延在するとともに屈曲箇所を備えているが、後述する吻合機能と打抜き機能を実現できれば、長尺部材には屈曲箇所を設けなくてもよい。
位置決め部230は、長尺状のシャフトを備える。位置決め部230のシャフトは、図2に示すように長尺部材220の長手方向における先端において空間Sから相対的に進退移動自在に構成している。位置決め部230は本明細書において第1シャフトに相当する。位置決め部230には、第1係合器具210の基端側から不図示の配線を取り付けるように構成している。これにより、位置決め部230にはシャフトの先端に電気を導通できるように構成している。
放出部240は、第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する複数のステープル(吻合部材に相当)を放出可能に構成している。放出部240は長尺部材220の長手方向における先端側において略円板状に形成している。放出部240は、長尺部材220の先端において周方向θに沿ってステープルの放出箇所を複数設けることによって構成している。なお、本明細書において長尺部材220の先端部における長手方向と交差する面方向を方向YZ、放射方向又は径方向を径方向r、周方向又は角度方向を周方向θとする。
打抜き部250は、長尺部材220の先端において放出部240よりも径方向rの内方に配置し、第1被接合部位と第2被接合部位の放射方向内方を打抜くように構成している。打抜き部250は、図2に示すように放出部240よりも径方向rの内方に第1被接合部位と第2被接合部位を打抜く環状のブレードを備えるように構成している。打抜き部250の形状は、長手方向から平面視した際に真円に構成できるが、癒合促進に不要な部位を打抜ければ打抜き部250の形状は上記以外にも楕円等であってもよい。
操作部260は、位置決め部230と放出部240と打抜き部250とを操作できるように構成している。操作部260は、図1に示すように回転部261と、ハンドル262と、を備える。
回転部261は、長尺部材220の長手方向における基端部(基端側)に設けている。回転部261は、長尺部材220の基端側における長手方向を回転軸として長尺部材220に対して回転可能に構成している。回転部261は、第2係合器具270が第1係合器具210と係合した状態において、長尺部材220に対して回転させることによって第1係合器具210と第2係合器具270とを相対的に接近離間できるように構成している。
ハンドル262は、長尺部材220の基端部(基端側)とともに使用者によって把持可能に構成している。ハンドル262は、回転軸263によって長尺部材220と回転可能に接続されている。ハンドル262は、使用者によって握られることによって回転軸263の周りに回転して長尺部材220と相対的に接近する。これにより、放出部240からステープルを放出し、長尺部材220の先端から打抜き部250の環状ブレードを突出できるように構成している。
<第2係合器具>
第2係合器具270は、第1被接合部位と第2被接合部位を介して癒合促進デバイス100の本体部10を挟み込み可能に構成している。第2係合器具270は、図3に示すようにヘッド280と、当接部290と、シャフト310(第2シャフトに相当)と、を備える。
ヘッド280は、第1係合器具210と第2係合器具270とを係合させた際に第1係合器具210の長尺部材220の特に先端側に隣接して配置される。ヘッド280は、本実施形態において図2、3に示すように略円板形状に構成しており、断面形状が長尺部材220の円形状と同一又は類似する形状として構成している。
当接部290は、放出部240から放出される複数のステープルと当接可能に構成している。当接部290は、ヘッド280の軸方向(板厚方向、図3の方向X参照)において第1係合器具210の側に設けている。放出部240から放出されたステープルは当接部290で当接し、変形することによって第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する。
シャフト310は位置決め部230のシャフトと係合可能に構成しており、これにより第1係合器具210と第2係合器具270とを係合させるために設けられる。シャフト310は、ヘッド280の軸方向(方向X)において第1係合器具210の側から軸方向に長尺状に延在するように構成している。シャフト310は、本実施形態において長手方向に直行する断面を円状に形成している。シャフト310には第1係合器具210の位置決め部230のシャフトを収容する空間を設けている。シャフト310は、位置決め部230のシャフトと嵌合するように構成しており、これにより第1係合器具210と第2係合器具270との位置合わせが可能になる。また、位置決め部230には上述のように電気を導通可能にしており、シャフト310は位置決め部230と係合した際に位置決め部230からの電気を導通可能に構成している。
<癒合促進デバイス>
癒合促進デバイス100は、図3に示すように本体部10と、補強部20と、孔部30と、を備える。
<本体部>
本体部10はシート状に構成し、生体組織における第1被接合部位と第1被接合部位に対向する第2接合部位とを接合する際に生体組織の癒合を促進する。
本体部10は、図3、図5に示すように一例として円形状に形成しており、当該円形状の厚さ方向(方向X)に挿通するように形成された貫通孔11を複数備える。本体部10の貫通孔11の大きさについて例示すれば、好ましくは0.1〜6mm、より好ましくは0.3〜4mm、さらに好ましくは0.6〜1.5mmである。本体部10は、貫通孔11の寸法DとピッチPとの比が0.25以上40未満となるように構成できる。
本体部10は、生分解性の材料で構成することができる。本体部10の構成材料について特に制限はなく、例えば、生分解性樹脂が挙げられる。
具体的には、(1)脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体;(2)上記(1)を構成する一以上の単量体から構成される共重合体などが挙げられる。
すなわち、生分解性シートは、脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体、ならびに前記重合体を構成する一以上の単量体から構成される共重合体からなる群より選択される少なくとも一種の生分解性樹脂を含むことが好ましい。
補強部20は、医療器具200によって癒合促進デバイス100を第1被接合部位と第2被接合部位との間に留置する際等に癒合促進デバイス100のヨレ、ずれ、破損等を抑制するために設けられる。補強部20は、図3に示すように内側補強部21と、外側補強部22と、を備える。内側補強部21は、本体部10の中空の円形状において内周縁に沿って形成し、外側補強部22は、本体部10の中空の円形状において外周縁に沿って形成している。内側補強部21及び外側補強部22は、本実施形態において本体部10において貫通孔11を設けない形状として構成している。ただし、癒合促進デバイス100のヨレやずれを防止又は抑制し、強度を向上できれば、補強部20の具体的な形状は上記に限定されず、位置も内周縁や外周縁でなくてもよい。
孔部30は、医療器具200のシャフト310に挿通可能に構成している。孔部30は、本実施形態において軸方向から見た際に略円形状に構成している。
本体部10の製造方法について例示すれば、本体部10の貫通孔11の部分について上述した生分解性材料を含む繊維を円周状に配置し、同様の繊維を放射方向に配置して円周状の繊維と放射方向の繊維とを編み込むように一体にする方法が考えられる。生分解性樹脂からなる繊維を作製する方法としてはエレクトロスピニング法(電界紡糸法・静電紡糸法)やメルトブロー法等が挙げられる。本体部10は、上記方法のうち1種のみを選択してもよいし、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
本体部10は、本体部10を構成する生分解性樹脂等の構成材料によって生体反応を惹起させる。本体部10は、この作用により、フィブリン等の生体成分の発現を誘導する。このようにして誘導された生体成分は、本体部10の貫通孔11を貫通するようにして集積することで、癒合を促進することができる。したがって、接合対象となる生体器官同士の間に、癒合促進デバイス100の本体部10を配置することにより、上記のメカニズムによる癒合の促進が生じる。
<カバー部材>
図6〜図8はカバー部材400について示す斜視図である。カバー部材400は、伸長した伸長状態(図6参照)から収縮した収縮状態(図8参照)に自発的に付勢するように構成している。カバー部材400は、癒合促進デバイス100を第1被接合部位と第2被接合部位のいずれかに配置する際に一時的に癒合促進デバイス100を包囲するように構成している。カバー部材400は、図6等に示すように骨組部材410と、包囲部材420と、保持部材430と、導電部440と、を備える。
骨組部材410は、伸長した伸長状態から収縮した収縮状態に自発的に付勢するように構成している。骨組部材410は、本実施形態において第1係合器具210の位置決め部230のシャフトと第2係合器具270のシャフト310とを係合させることによって後述する保持部材430による保持力を解消させて伸長状態から収縮状態に移行するように構成している。骨組部材410は、図6に示す伸長状態において癒合促進デバイス100における本体部10の少なくとも一面を被覆可能に構成している。骨組部材410は、癒合促進デバイス100の本体部10を被覆した状態で平面視した際に本体部10の円形状の略中央から円形状の周方向θに沿って複数設けるように構成している。また、骨組部材410は、癒合促進デバイス100を包囲し、本体部10を被覆した状態で図6に示すように側面視した際に渦巻状に形成するように構成している。ただし、骨組部材は伸長状態から収縮状態に自発的に付勢すれば、側面視した際の形状は渦巻状に限定されず、上記以外にも例えば釣り針のように先端が径方向外方に向いているような形状であってもよい。
また、骨組部材410は、本実施形態において図7に示すように本体部10の周方向において等間隔に4つ配置するように構成している。ただし、生体器官に癒合促進デバイス100を配置して吻合する際に癒合促進デバイス100のヨレやずれを防止又は抑制できれば、骨組部材410の個数や間隔は上記に限定されない。なお、本明細書において骨組部材410が伸長状態において収縮状態よりも外形の位置が外方に位置する部位(図6のカバー部材400における下部)を先端部とする。伸長状態と収縮状態において位置が変わらない又はほとんど変わらない部位(図6のカバー部材400における上部)を基端部とする。
包囲部材420は、骨組部材410と一体に構成され、骨組部材410の伸長状態において癒合促進デバイス100を包囲可能な半閉空間S1を備えるように構成している。包囲部材420は、骨組部材410の伸長状態において略ドーム状又は中空の半球状に形成するように構成している。包囲部材420には、半閉空間S1へ癒合促進デバイス100及び生体組織の出し入れが可能な開口部421を設けている。包囲部材420は、一例にすぎないが透明なビニール等の部材によって構成できる。骨組部材410だけでも癒合促進デバイス100に異物が付着することを抑制できるが、カバー部材400が包囲部材420を備えることによって癒合促進デバイス100に異物が付着することをより効果的に防止又は抑制できる。なお、包囲部材420は、骨組部材410とともに伸長状態から収縮状態に変形できれば、骨組部材410と一体ではなく別体に構成してもよい。
保持部材430は、骨組部材410が伸長状態となった際の先端側に設けられ、骨組部材410を伸長状態に保持する。保持部材430は、骨組部材410の外方から弾性によって骨組部材410を伸長状態に保持する。保持部材430は、本実施形態において長尺かつ無端状で、ゴム等の弾性部材を含むように構成している。また、保持部材430は、ゴム等の弾性部材よりも径方向の内方にフィラメント等のような骨組部材410と導通可能な部材を含む。これにより、後述する導電部440に電気が流れ、骨組部材410を通じ、フィラメント等に熱エネルギーを生じさせ、当該熱エネルギーにより保持部材430を切断するように構成している。
導電部440は、相対的に接近離間可能であって、図6に示すように導電性の当接部材441、442を含むように構成している。保持部材430は、当接部材441、442が接触し、骨組部材410を通じて当接部材441、442からの電気が導通した際に切断可能に構成している。当接部材441、442は、銅やアルミ等の導電性材料を含み、医療器具200の第2係合器具270のシャフト310を挿通できるように中空の円柱形状に形成している。ただし、シャフト310を挿通できれば、具体的な形状は中空の円柱に限定されない。当接部材441、442は、円柱等の柱体の高さ方向において接続部材443によって接続されている。接続部材443は、つるまきばね等の柱体の高さ方向に伸縮可能な伸縮部材を含むように構成している。これにより、当接部材441、442は当接するか、離間した状態となる。接続部材443は、セラミック等の絶縁材を含み、当接部材441、442が離間している状態では当接部材441、442に電気を導通させないように構成している。
骨組部材410及び包囲部材420を含むカバー部材400は、伸長状態において癒合促進デバイス100を収容可能な半閉空間S1を形成する。一方、カバー部材400は、収縮状態において癒合促進デバイス100と位置合わせし、医療器具200において打抜く際の外径が打抜き部250の打抜き径より小さく構成している。
<処置方法>
次に癒合促進デバイス100を用いた処置方法を説明する。図9、図10は癒合促進デバイス100を用いた処置方法の各手順を示すフローチャートである。図11〜図17は大腸吻合術を説明するための模式的な図である。
処置方法は、生体器官の接合対象となる一方の第1被接合部位と他方の第2被接合部位との間に生体組織の癒合を促進するシート状の本体部10を備える癒合促進デバイス100を配置すること(S11)を含む。処置方法は、一方の第1被接合部位と他方の第2被接合部位との間に癒合促進デバイス100の本体部10の少なくとも一部を配置した状態で一方の第1被接合部位と他方の第2被接合部位とを接合すること(S12)を含む。
処置方法により接合される生体器官及び生体器官における被接合部位は特に限定されず、任意に選択することができる。ただし、以下の説明では、大腸吻合術を例に挙げて説明する。
また、以下に説明する各手技において、公知の手技手順や公知の接合装置については詳細な説明を適宜省略する。
以下、本明細書の説明において「生体器官の間に癒合促進デバイスを配置する(以下、上記記載と言う)」とは、生体器官に癒合促進デバイスが直接的に又は間接的に接触した状態で配置されることを意味し得る。
また、上記記載は生体器官との間に空間的な隙間が形成された状態で癒合促進デバイスが配置されることを意味し得る。また、上記記載はその両方の状態で癒合促進デバイスが配置されること(例えば、一方の生体器官に癒合促進デバイスが接触し、他方の生体器官には癒合促進デバイスが接触していない状態で配置されること)を意味し得る。
また、本明細書の説明において「周辺」とは、厳密な範囲(領域)を規定するものではなく、処置の目的(生体器官同士の接合)を達成し得る限りにおいて、所定の範囲(領域)を意味する。
また、各処置方法において説明する手技手順は、処置の目的を達成し得る限りにおいて、順番を適宜入れ替えることが可能である。また、本明細書の説明において「相対的に接近させる」とは、接近させる対象となる2つ以上のものを、互いに接近させること、一方のみを他方のみに接近させることの両方を意味する。
本実施形態に係る処置方法において、接合対象となる生体器官は、癌腫瘍の切除に伴い切断された大腸である。具体的には、接合対象となる生体器官は、切断した大腸の口側A2と、切断した大腸の肛門側A1である。以下の説明では、切断した大腸の口側A2の口部周辺(第2被接合部位)と、切断した大腸の肛門側A1の腸壁の一部(第1被接合部位)を接合する手順を説明する。
図10に示すように、本実施形態に係る処置方法は、大腸の口部周辺と大腸の腸壁の間に癒合促進デバイス100を配置すること(S101)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁を相対的に接近させること(S102)を含む。処置方法は、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間で癒合促進デバイス100の本体部10を挟み込むこと(S103)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間に癒合促進デバイス100に本体部10を挟み込んだ状態で接合すること(S104)を含む。以下、詳述する。
まず、術者は、図12において臍のあたり(図12の〇で示す部分)の周囲にポートという穴のような部位を形成し、患者のお腹を膨らませる。図12では臍を挟んで左右に2か所ずつ〇で示すポートを形成しているが、あくまで例示であってポートの位置や個数は図12に限定されない。次に、術者は、図12の×で示す臍のあたりに切開部を形成し、そこから口側A2の患部を体外に取り出す。そして、術者は、切開部を介して手術を施す患部を切り取る。次に、術者は、大腸の口側A2に、医療器具200の第2係合器具270を配置する。
次に、術者は、第2係合器具270のシャフト310を大腸の口側A2に挿入し、シャフト310を突出した状態で巾着縫合し、縫合部A21を形成する。縫合部A21の外表面は、縫合に伴い凸側に部分的に突出した形状となる。
次に、術者は、図8に示すように、大腸の口側A2に癒合促進デバイス100を配置する(S101)。術者は、癒合促進デバイス100を配置する際に図3に示すように第2係合器具270が備えるシャフト310を本体部10に形成された孔部30に通す。この時点で本体部10は、生体において隆起するように形成された縫合部A21の形状に合わせて本体部10の径方向rの内方が図13に示すように隆起するように変形する。
次に、術者は、図14に示すようにカバー部材400によって大腸の口側A2に配置した癒合促進デバイス100を包囲する。術者は、カバー部材400の骨組部材410が収縮した状態から保持部材430を径方向外方に拡張させ、骨組部材410とともに包囲部材420の開口部421を広げ、半閉空間S1に大腸の口側A2と癒合促進デバイス100を挿入する。これにより、図14に示すように癒合促進デバイス100が口側A2の生体組織の一部とともにカバー部材400によって包囲される。
次に、術者は、図12の×で示す切開部から癒合促進デバイス100及びカバー部材400を含む口側A2の生体組織を体内に収容する。次に、術者は、大腸の肛門側A1に医療器具200の第1係合器具210を配置する。第1係合器具210を大腸の肛門側A1に配置することによって、大腸の肛門側A1に貫通孔A11が形成される。そして、大腸の口側A2に対して本体部10を保持した状態を維持しつつ、位置決め部230のシャフトと第2係合器具270のシャフト310とを離間した位置で係合させる。
次に、術者は、回転部261を回転させて、図16に示すように第1係合器具210と第2係合器具270を相対的に接近させる。これにより、大腸の口部周辺と大腸の腸壁とが相対的に接近する(S102)。
位置決め部230のシャフトとシャフト310とが係合させることにより、第1係合器具210の側には電気が流れ、位置決め部230のシャフト、シャフト310を通じ、導電部440に流れる。導電部440に流れた電気は当接部材441、442が当接することで骨組部材410に流れ、保持部材430のフィラメントに達すると熱エネルギーが生成され、図15に示すように保持部材430を切断する。これにより、骨組部材410を伸長状態に保持する力が解消され、骨組部材410は伸長状態から収縮状態に移行する。その結果、カバー部材400による癒合促進デバイス100の包囲が解除される。
次に、術者は、第1係合器具210と第2係合器具270との間で、大腸の口側A2の口部周辺、癒合促進デバイス100の本体部10、大腸の肛門側A1の腸壁に形成した貫通孔A11周辺を挟み込む(S103)。
次に、術者は医療器具200の操作部260のハンドル262を回転軸263の回りに回転させて回転軸261に近づけ、打抜き部250の環状ブレードを突出させる。そして、第1係合器具210と第2係合器具270との間に挟まれた大腸の口側A2の一部、本体部10、及び大腸の肛門側A1の一部を切除し、切除した部位の周囲をステープル(図示省略)により接合する(S104)。
次に、術者は、図11に示すように医療器具200を、例えば、大腸の肛門側A1から肛門を介して生体外へ取り出す。このとき、第1係合器具210の打抜き部250の外径d(図17参照)より内方側に構成された領域を医療器具200とともに生体外へ取り出す。カバー部材400は、収縮状態において打抜き部250の外径dより内方に位置するように変形する。そのため、癒合促進デバイス100において打抜き部250よりも径方向rの内方に位置する部位は、カバー部材400を含め、体内に残らず、除去される。
癒合促進デバイス100の本体部10が接合対象となる生体器官の間に挟み込まれて留置されることによって、本体部10の貫通孔11を通じて接合対象となる生体器官の癒合を促進させることができる。
このような処置方法によれば、シート状の本体部10を第1被接合部位と第2被接合部位との間に挟み込ませるという簡便な方法により、接合手技(例えば、消化管の吻合術)後の縫合不全等のリスクを低減させることができる。
以上説明したように本実施形態に係る医療器具セットは、癒合促進デバイス100と、カバー部材400と、を備える。癒合促進デバイス100は、生体組織の癒合を促進するシート状の本体部10を備える。カバー部材400は、伸長した伸長状態から収縮した収縮状態となるように付勢され、伸長状態において癒合促進デバイス100における本体部10の少なくとも一面を被覆可能な骨組部材410を備える。
癒合促進デバイスの本体部は、通常柔らかく、ヨレやズレが発生しやすい。これについて、骨組部材410を備えたカバー部材400を用いることによって、癒合促進デバイス100が外部から外力を受けることを防止又は抑制し、これにより癒合促進デバイス100にヨレやずれが生じることを防止又は抑制できる。そのため、本実施形態に係る医療器具セットがカバー部材400を備えることによって外科手術等の術後における縫合不全のリスクを低減させることができる。
また、癒合促進デバイス100は、医療器具200によって生体組織に吻合される。医療器具200は、第1係合器具210と、第2係合器具270と、を備える。第1係合器具210は、癒合促進デバイス100の生体組織への吻合時に本体部10の一方の側に配置される。第1係合器具210は癒合促進デバイス100を生体組織に吻合可能なステープルを放出する放出部240を備える。第2係合器具270は、吻合時に癒合促進デバイス100に対して第1係合器具210と反対側に配置される。第2係合器具270は、吻合時に第1係合器具210とともに生体組織及び癒合促進デバイス100を挟持する。第1係合器具210は、長尺状のシャフトを備えた位置決め部230を備え、第2係合器具270は位置決め部230のシャフトと係合可能なシャフト310を備える。骨組部材410は位置決め部230のシャフトとシャフト310とを係合させることによって伸長状態から収縮状態となるように構成している。これにより、カバー部材400を伸長状態から収縮状態にするためだけに必要な操作を不要にでき、癒合促進デバイス100を生体組織に吻合する手技を円滑に行うことができる。
また、骨組部材410は、本体部10を被覆した状態で側面視した際に渦巻状に形成するように構成している。これにより、本体部10を被覆した伸長状態から渦巻形状を付勢力により自発的に巻き上げて本体部10を被覆していない収縮状態とし、第1被接合部位と第2被接合部位との接合を行うことができる。
また、本体部10は、円形状に形成している。骨組部材410は、本体部10を被覆した状態で平面視した際に円形状の中央から周方向θに沿って複数設けるように構成している。これにより、本体部10のより多くの部位を被覆でき、癒合促進デバイス100のヨレやずれを防止又は抑制しやすくできる。
また、カバー部材400は、骨組部材410を伸長状態に保持する保持部材430を備える。これにより、術者の意図する時期まで骨組部材410が癒合促進デバイス100を被覆した状態を保持でき、癒合促進デバイス100にヨレやずれが生じることをさらに防止又は抑制しやすくできる。
また、保持部材430は、骨組部材410が伸長状態となった際の先端側に設けられる。保持部材430は、骨組部材410の外方から弾性によって骨組部材410を伸長状態に保持することによって癒合促進デバイス100にヨレやずれが生じることを防止又は抑制できる。
また、カバー部材400は相対的に接近離間可能な導電性の当接部材441、442を含む導電部440を備える。保持部材430は、当接部材441、442が接触し、電気が導通した際に切断可能に構成される。これにより、当接部材441、442が接触するまでカバー部材400による包囲を意図的に継続でき、癒合促進デバイス100に対するヨレやずれの防止又は抑制効果を維持できる。
また、カバー部材400は、骨組部材410と一体に構成され、骨組部材410の伸長状態において癒合促進デバイス100を包囲可能な包囲部材420を備える。これにより、癒合促進デバイス100のヨレやずれの防止又は抑制だけでなく、癒合促進デバイス100を第1被接合部位及び第2被接合部位に接合するまでの間に癒合促進デバイス100に異物が付着することを防止又は抑制できる。なお、包囲部材420は、骨組部材410とともに伸長状態から収縮状態に変形できれば、骨組部材410と一体ではなく別体に構成してもよい。
<第1実施形態の変形例>
図18は、第1実施形態の変形例に係るカバー部材を示す底面図である。第1実施形態ではカバー部材400を構成する骨組部材410が側面視した際に渦巻状に形成されていると説明した。しかし、先端側から基端側に向かって付勢されていれば、以下のように構成することもできる。なお、本変形例において癒合促進デバイス100及び医療器具200は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
カバー部材400aは、本実施形態において図18に示すように骨組部材410aと、包囲部材420と、保持部材430と、導電部440と、を備える。なお、本変形例において包囲部材420、保持部材430、及び導電部440は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
骨組部材410aは、本変形例において図18に示すように2以上の曲がり箇所を備えたばね形状を備えるように構成している。これにより、保持部材430による保持力が発揮されていない状態では先端側から基端側に向かって接近するように付勢力が働き、カバー部材400aを伸長状態から収縮状態にできる。なお、骨組部材410は、本変形例において図18に示すように周方向に4つ等間隔に配置しているが、伸長状態から収縮状態に自発的に付勢できれば、本数も4本に限定されず、間隔も等間隔でなくてもよい。
なお、本変形例に係るカバー部材400aと、癒合促進デバイス100を用いた使用例は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように本変形例ではカバー部材400aの骨組部材410aが2以上の曲がり箇所を備えたばね形状を備えるように構成している。このため、骨組部材410と同様に伸長状態では癒合促進デバイス100を包囲して癒合促進デバイス100のヨレやずれを防止又は抑制できる。
<第2実施形態>
図19は第2実施形態に係るカバー部材400bを示す斜視図である。カバー部材を構成する骨組部材は第1実施形態とその変形例において保持部材430による保持が解除されることによって伸長状態から収縮状態に移行すると説明したが、以下のように構成することもできる。なお、本実施形態において癒合促進デバイス100及び医療器具200は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
カバー部材400bは、図19に示すように骨組部材410と、包囲部材420bと、解除部440bと、を備える。骨組部材410は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、本実施形態において骨組部材は第1実施形態の骨組部材だけでなく上述した変形例における骨組部材410aを用いることもできる。
包囲部材420bは、本実施形態において骨組部材410と一体に構成され、伸長状態における癒合促進デバイス100を包囲可能な半閉空間S1を備えるように構成している。包囲部材420bは、半閉空間S1へ癒合促進デバイス100及び生体組織の出し入れが可能な開口部421を設けている。また、包囲部材420bは、骨組部材410の伸長状態において骨組部材410を収容する膨張収縮可能な内部空間422を備える。内部空間422には窒素等の流体が充填されており、包囲部材420bは、内部空間422を形成している間は骨組部材410を伸長状態に維持するように構成している。
解除部440bは、切断部材441bと、弾性部材442bと、を備える。切断部材441bは、外力が付与されない状態では包囲部材420bと離間するように構成している。切断部材441bは、弾性部材442bによる弾性力に抗して外力が付与された際には包囲部材420bと接して包囲部材420bを破裂させる等して包囲部材420bの内部空間422を外部と連通するように構成している。これにより、骨組部材410は、伸長状態から収縮状態に移行する。切断部材441bは、本実施形態において少なくとも外周縁の一部が鋭利に形成されたナイフ等によって構成できる。
弾性部材442bは、包囲部材420bと、切断部材441bとを外力が付与されていない状態において離間した位置にて接続する。弾性部材442bは、外力が付与されることによって包囲部材420bと切断部材441bとが接近する程度に変形可能な部材によって構成できる。
(使用例)
次に本実施形態に係るカバー部材400bと癒合促進デバイス100の使用例について説明する。ポートの形成から、患部の切り取り、第1係合器具210及び第2係合器具270の配置、巾着縫合、及び癒合促進デバイス100の配置は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
術者は、次にカバー部材400bによって体外に取り出した大腸の口側A2に配置した癒合促進デバイス100を包囲する。カバー部材400bは、術者の手指等によって包囲部材420bの開口部421を径方向外方に一度広げたうえで癒合促進デバイス100及び生体組織を開口部421に挿通させ、カバー部材400b及び生体組織の一部を半閉空間S1の中に収容する。
次に術者は、第1実施形態と同様に体外に取り出した大腸の口側A2を癒合促進デバイス100及びカバー部材400bとともに切開部から体内に配置する。そして、本体部10を保持した状態を維持しつつ、位置決め部230のシャフトと第2係合器具270のシャフト310とを離間した位置で係合させる。そして、回転部261を回転させて、図10に示すように第1係合器具210と第2係合器具270を相対的に接近させる。
これにより、大腸の口部周辺と大腸の腸壁とが相対的に接近し(S102)、解除部440bの切断部材441bが包囲部材420bに接近する。切断部材441bの鋭利な部位が包囲部材420bに接触することによって包囲部材420bが破裂して内部空間422が外部と連通し、内部の気圧が下がる。そして、骨組部材410の付勢力により骨組部材410が基端側に向かって収縮し、包囲部材420bが骨組部材410の収縮に付随して小さくなる。これにより、カバー部材400bによる癒合促進デバイス100の包囲が解消する。
次に、術者は、第1係合器具210と第2係合器具270との間で、大腸の口側A2の口部周辺、癒合促進デバイス100の本体部10、大腸の肛門側A1の腸壁に形成した貫通孔A11周辺を挟み込む(S103)。
次に術者は、医療器具200の操作部260のハンドル262を回転軸263の回りに回転させて回転軸261に近づけて、打抜き部250の環状ブレードを突出させる。そして、第1係合器具210と第2係合器具270との間に挟まれた大腸の口側A2の一部、本体部10、及び大腸の肛門側A1の一部を切除し、切除した部位の周囲をステープル(図示省略)により接合する(S104)。
次に、術者は、図11に示すように、医療器具200を、例えば、大腸の肛門側A1から肛門を介して生体外へ取り出す。このとき、第1係合器具210の打抜き部250の外径より内方側に構成された領域を医療器具200とともに生体外へ取り出す。これにより、癒合促進デバイス100において打抜き部250よりも径方向rの内方に位置する部位は、カバー部材400bを含め、体内に残らず、除去される。
以上、説明したように本実施形態ではカバー部材400bが骨組部材410と一体に構成され、骨組部材410の伸長状態において癒合促進デバイス100を包囲可能な包囲部材420bを備えるように構成している。包囲部材420bは、膨張収縮可能な内部空間422を備える。骨組部材410は、包囲部材420bにおける内部空間422が外部と連通した際に伸長状態から収縮状態に移行するように構成している。このように構成することによっても癒合促進デバイス100を一時的に包囲して、癒合促進デバイス100にヨレやずれが生じることを防止又は抑制することができる。
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されず、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。上記ではカバー部材が癒合促進デバイスと別体である実施形態について説明した。ただし、癒合促進デバイス100を生体に留置するまでに癒合促進デバイス100を包囲できれば、図8等に示す癒合促進デバイス100の本体部がカバー部材400を接合等によって一体に構成されてもよい。この場合、癒合促進デバイスは、本体部と、カバー部材と、を備える。本体部は、生体組織の癒合を促進する。カバー部材は、伸長した伸長状態から収縮した収縮状態となるように付勢され、伸長状態において本体部の少なくとも一面を被覆可能に構成している。
このように構成した場合、カバー部材は、本体部の径方向の内方において医療器具200の打抜き部250の打抜き径以下の形状に収縮した状態において本体部と接合等によって一体化する構成とできる。このように構成することによっても、癒合促進デバイスの本体部におけるヨレやずれを防止又は抑制できる。
また、上記においてカバー部材は包囲部材や保持部材を備えると説明したが、これに限定されない。すなわち、本明細書において「被覆」とは癒合促進デバイス100におけるヨレやずれを防止又は抑制するために癒合促進デバイスの外方に骨組部材を配置していればよく、包囲部材420や保持部材430を備えない場合も本発明の一実施形態に含まれる。
1 医療器具セット、
100 癒合促進デバイス、
10 本体部、
30 孔部、
200 医療器具、
210 第1係合器具、
230 位置決め部(第1シャフト)、
240 放出部、
270 第2係合器具、
310 シャフト(第2シャフト)、
400、400a、400b カバー部材、
410、410a 骨組部材、
420、420b 包囲部材、
422 内部空間、
430 保持部材、
440 導電部、
441、442 当接部材、
θ 周方向。

Claims (12)

  1. 生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を備える癒合促進デバイスと、
    伸長した伸長状態から収縮した収縮状態となるように付勢され、前記伸長状態において前記癒合促進デバイスにおける前記本体部の少なくとも一面を被覆可能な骨組部材を備えるカバー部材と、を有する医療器具セット。
  2. 前記癒合促進デバイスは、前記癒合促進デバイスの生体組織への吻合時においてシート状の前記本体部の一方の側に配置され、前記癒合促進デバイスを生体組織と吻合可能な吻合部材を放出する放出部を備えた第1係合器具と、前記吻合時において前記癒合促進デバイスに対して前記第1係合器具と反対側に配置され、前記吻合時に前記第1係合器具とともに生体組織及び前記癒合促進デバイスを挟持する第2係合器具と、を備えた医療器具によって生体組織に吻合され、
    前記第1係合器具は長尺状の第1シャフトを備え、前記第2係合器具は、前記第1シャフトと係合可能な第2シャフトを備え、
    前記骨組部材は、前記第1シャフトと前記第2シャフトとを係合させることによって前記伸長状態から前記収縮状態に移行する請求項1に記載の医療器具セット。
  3. 前記骨組部材は、前記本体部を被覆した状態で側面視した際に渦巻状に形成される請求項1又は2に記載の医療器具セット。
  4. 前記本体部は、円形状に形成され、
    前記骨組部材は、前記本体部を被覆した状態で平面視した際に前記円形状の中央から前記円形状の周方向に沿って複数設けられる請求項1に記載の医療器具セット。
  5. 前記骨組部材は、2以上の曲がり箇所を備えたばね形状を備える請求項1又は2に記載の医療器具セット。
  6. 前記カバー部材は、前記骨組部材と一体に構成され、前記骨組部材の前記伸長状態において前記癒合促進デバイスを包囲可能な包囲部材をさらに備え、
    前記包囲部材は、膨張収縮可能な内部空間を備え、
    前記骨組部材は、前記包囲部材における前記内部空間が外部と連通した際に前記伸長状態から前記収縮状態に移行する請求項1又は2に記載の医療器具セット。
  7. 前記カバー部材は、前記骨組部材を前記伸長状態に保持する保持部材をさらに備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療器具セット。
  8. 前記保持部材は、前記骨組部材が前記伸長状態となった際の先端側に設けられ、前記骨組部材の外方から弾性によって前記骨組部材を前記伸長状態に保持する請求項7に記載の医療器具セット。
  9. 前記カバー部材は、相対的に接近離間可能な導電性の複数の当接部材を含む導電部をさらに備え、
    前記保持部材は、前記当接部材が互いに接触し、前記当接部材から電気が導通した際に切断可能に構成される請求項8に記載の医療器具セット。
  10. 前記カバー部材は、前記骨組部材と一体に構成され、前記骨組部材の前記伸長状態において前記癒合促進デバイスを包囲可能な包囲部材をさらに備える請求項1〜4、7〜9のいずれか1項に記載の医療器具セット。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の医療器具セットを構成するカバー部材。
  12. 生体組織の癒合を促進するシート状の本体部と、
    伸長した伸長状態から収縮した収縮状態に付勢され、前記伸長状態において前記本体部の少なくとも一面を被覆可能なカバー部材と、を有し、
    前記本体部と前記カバー部材とが一体に構成された癒合促進デバイス。
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