JP2021052146A - インダクタ及びインダクタの製造方法 - Google Patents

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渡辺 邦昭
Kuniaki Watanabe
邦昭 渡辺
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Abstract

【課題】磁性粉及び樹脂を含有する磁性部を有し高い透磁率を有するインダクタ及びその製造方法を提供する。【解決手段】インダクタ1において、磁性粉と樹脂とを含有する磁性部内の磁性粉は、平均粒径が25〜80μmの大粒金属磁性粉20と、平均粒径が1〜4μmの小粒金属磁性粉30と、から構成される。大粒金属磁性粉20の平均粒径と小粒金属磁性粉30の平均粒径との比は6.25〜80の範囲にあり、大粒金属磁性粉20と小粒金属磁性粉30との混合比は体積比で90:10〜60:40の範囲にあり、大粒金属磁性粉20の表面に4.8〜80nmの厚みのリン酸ガラス層20aを有し、小粒金属磁性粉30の表面に15nm以下の厚みのリン酸ガラス層30aを有する。大粒金属磁性粉20のリン酸ガラス層20aの厚みと小粒金属磁性粉30のリン酸ガラス層30aの厚みとの比は、0.6〜32の範囲にあり、樹脂の量は2wt%以上3wt%未満である。【選択図】図2

Description

本発明は、磁性粉及び樹脂を含有する磁性部を有するインダクタ、及びそのインダクタの製造方法に関する。
磁性粉及び樹脂を含有する磁性部に内部電極(コイル)を埋設したインダクタが用いられている。このようなインダクタの中には、絶縁層で被覆された大粒金属磁性粉及び小粒金属磁性粉を用いるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のインダクタでは、磁性体の充填率を向上させるため、小粒金属磁性粉の被覆層が大粒金属磁性粉の被覆層より薄くなるように形成されている。
特開2016−162764号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインダクタでは、大粒金属磁性粉の被覆層の厚みが厚く(実施例で100μm以上)、小粒金属磁性粉の粒径が大きい(実施例で18μm)ので、例えば30以上といった高い透磁率を得るだけの充填率を実現するのは困難である。
本発明の1つの態様は、磁性粉及び樹脂を含有する磁性部を有するインダクタであって、高い透磁率を有するインダクタ及びそのインダクタの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の1つの態様に係るインダクタは、
磁性粉と樹脂とを含有する磁性部と、
前記磁性部内に埋設された内部電極を有する素体と、
前記素体の表面に形成され、前記内部電極に接続される外部電極と、
を備え、
前記磁性粉は、平均粒径が25〜80μmの大粒金属磁性粉と、平均粒径が1〜4μmの小粒金属磁性粉とから構成され、
前記大粒金属磁性粉の平均粒径と前記小粒金属磁性粉の平均粒径との比は6.25〜80の範囲にあり、
前記大粒金属磁性粉と前記小粒金属磁性粉との混合比は体積比で90:10〜60:40の範囲にあり、
前記大粒金属磁性粉の表面に4.8〜80nmの厚みのリン酸ガラス層を有し、
前記小粒金属磁性粉の表面に15nm以下の厚みのリン酸ガラス層を有し、
前記大粒金属磁性粉のリン酸ガラス層の厚みと前記小粒金属磁性粉のリン酸ガラス層の厚みとの比は0.6〜32の範囲にあり、
前記樹脂の量は2wt%以上3wt%未満である。
本発明の1つの態様に係るインダクタの製造方法は、
磁性粉を含有する磁性部と、前記磁性部内に埋設された内部電極を有する素体と、前記素体の表面に形成され、前記内部電極に接続される外部電極と、を備えたインダクタの製造方法であって、
平均粒径が25〜80μmの前記大粒金属磁性粉に厚みが4.8〜80nmのリン酸ガラス層を形成してリン酸ガラス層付き大粒金属磁性粉とし、平均粒径が1〜4μmの小粒金属磁性粉に厚みが15nm以下のリン酸ガラス層を形成してリン酸ガラス層付き小粒金属磁性粉とし、前記大粒金属磁性粉の平均粒径と前記小粒金属磁性粉の平均粒径との比が6.25〜80の範囲にあり、前記大粒金属磁性粉と前記小粒金属磁性粉との混合比が体積比で90:10〜60:40の範囲にあり、前記大粒金属磁性粉のリン酸ガラス層の厚みと前記小粒金属磁性粉のリン酸ガラス層の厚みとの比が0.6〜32の範囲にある磁性粉を形成する工程と、
この磁性粉と2wt%以上3wt%未満の樹脂とを用いて素体を形成する工程と、
を含む。
本発明の1つの態様に係るインダクタ及びインダクタの製造方法では、磁性粉及び樹脂を含有する磁性部を有するインダクタであって、高い透磁率を有するインダクタを得ることができる。
本発明の1つの実施形態に係るインダクタを模式的に示す斜視図である。 図1に示すインダクタにおける磁性部の粒子の状態を模式的に示す図である。 従来例であるインダクタにおける磁性部の粒子の状態を模式的に示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための実施形態を説明する。なお、以下に説明するインダクタは、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
(1つの実施形態に係るインダクタ)
図1を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係るインダクタの説明を行う。図1は、本発明の1つの実施形態に係るインダクタを模式的に示す斜視図である。図1では、磁性部の内部に埋設された内部電極を点線で示している。また、互いに直交する3方向を、x軸、y軸及びz軸で示している。下記に示すインダクタは、あくまで一例であり、磁性粉及び樹脂を含有する磁性部を有するものであれば、その他の任意の構造のインダクタを採用することができる。
本実施形態に係るインダクタ1は、外観形状が略直方体形状の素体2、及び素体2の表面上に配置された一対の外部電極4を備える。素体2は、内部電極8及び内部電極8を埋設する磁性部6を備える。
内部電極8を形成する導線は、導体の表面に絶縁性を有する被覆層と、被覆層の表面に融着層を有する導線であって、互いに対向する一対の幅広面を有し、断面が矩形形状の導線(いわゆる、平角線)である。内部電極8は、1本の導線が最内周で繋がった上段12及び下段14に巻回された巻回部10と、巻回部10の最外周から引き出された一対の引き出し部16とを含んでおり、いわゆるα巻き内部電極である。一対の引き出し部16は、先端16aの幅広面が磁性部6から露出しており、それぞれ外部電極4と電気的に接続している。
<素体>
素体2は、内部電極8及び磁性部6により構成される。素体2は、外観形状が略直方体であり、x軸方向が長手方向であり、y軸方向が短手方向である。素体2は、底面2aと、底面2aに対向する上面2bと、短手方向(y軸方向)に延在する側面2c、2eと、長手方向(x軸方向)に延在する側面2d、2fとを有する。素体2の寸法として、長手方向(x軸方向)の長さが2.5mm以上4.0mm以下であり、短手方向(y軸方向)の長さが2.0mm以上4.0mm以下であり、高さ方向(z軸方向)の長さが0.5mm以上2.0mm以下を例示することができるが、これに限られるものではない。
<内部電極>
導線を構成する導体は、例えば銅等で形成される。被覆層は、ポリアミドイミド等の絶縁性樹脂で形成される。融着層は、巻回部10を構成する導線同士を固定できる様に、自己融着成分を含む熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂等で形成さる。
巻回部10は、上記の導線をその幅広面が巻軸A1と略平行になるように巻回して形成されている。巻回部10は、巻軸A1が素体2の底面2aと略直交するように素体2内に配置されている。
引き出し部16の先端16aは、その一方の幅広面が素体2の短手方向の側面2c、2eに露出するように曲げられている。
(磁性部)
磁性部6は、磁性粉及び樹脂を含有する。磁性粉は、平均粒径が25〜80μmの大粒金属磁性粉と、平均粒径が1〜4μmの小粒金属磁性粉とから構成されている。
磁性部6を構成する磁性粉は、材質が例えば、Fe、Fe−Si−Cr、Fe−Ni−Al、Fe−Cr−Al、Fe−Si、Fe−Si−Al、Fe−Ni、Fe−Ni−Mo等の鉄を含む金属磁性体であり、非晶質のFe金属磁性粉を用いることができる。後述するように、大粒金属磁性粉として、非晶質のFe−Si−Cr系金属磁性粉を用いることが好ましく、小粒金属磁性粉として、非晶質の鉄を含有する金属磁性粉を用いることが好ましい。
大粒金属磁性粉及び小粒金属磁性粉は、それぞれ表面がリン酸ガラス層で覆われている。なお。本実施形態に係るインダクタ1の大粒金属磁性粉及び小粒金属磁性粉については、図2及び図3を参照しながら追って詳細に説明する。
<外部電極>
一対の外部電極4は、素体2の表面に形成され、互いに離隔して配置されている。本実施形態では、一方の外部電極4は、素体2の短手方向の側面2cとそれに隣接する4つの面2a、2b、2d、2fの一部とを覆っており、磁性部6から露出した引き出し部16の先端16aの幅広面と電気的に接続されている。また、他方の外部電極4は、素体2の側面2eとそれに隣接する4つの面2a、2b、2d、2fの一部とを覆っており、磁性部6から露出した引き出し部16の先端16aの幅広面と電気的に接続されている。外部電極4は、例えば、金属粒子及び樹脂を含有する導電性樹脂により形成される。金属粒子として、例えば銀が用いられる。樹脂として、例えばエポキシ樹脂が用いられる。また、外部電極4は、金属粒子及び樹脂を含有する導電性樹脂上には、ニッケルから形成される第1層と、第1層上に形成され、スズから形成される第2層とを備えるめっき層が形成されてもよい。
(大粒金属磁性粉及び小粒金属磁性粉の充填状態)
次に、図2及び図3を参照しながら、本実施形態に係る大粒金属磁性粉及び小粒金属磁性粉の説明を従来例と比較しながら行う。
図2は、図1に示すインダクタにおける磁性部の粒子の状態を模式的に示す図である。図3は、従来例であるインダクタにおける磁性部の粒子の状態を模式的に示す図である。図2及び図3ともに、大粒金属磁性粉及び小粒金属磁性粉の間には樹脂が存在する。
<本実施形態に係るインダクタの大粒金属磁性粉及び粒金属磁性粉>
図2に示す本実施形態に係るインダクタ1では、平均粒径が25〜80μmの大粒金属磁性粉20、及び平均粒径が1〜4μmの小粒金属磁性粉30が用いられている。大粒金属磁性粉20及び小粒金属磁性粉30は、ほぼ正規分布の粒度分布を有しており、平均粒径は、磁性粉の累積50%値であるD50とほぼ一致する。
更に、大粒金属磁性粉20の平均粒径と小粒金属磁性粉30の平均粒径との比が、6.25〜80の範囲内にある。また、大粒金属磁性粉20と小粒金属磁性粉30との混合比が、体積比で90:10〜60:40の範囲内にある。これにより、大粒金属磁性粉20及び小粒金属磁性粉30において、バランスの取れた適切な粒径及び混合比を得ることができるので、金属磁性粉の充填率を高めることができる。
大粒金属磁性粉20の表面に、4.8〜80nmの範囲の厚みのリン酸ガラス層20aを有することが好ましく、4.8〜64nmの範囲の厚みのリン酸ガラス層20aを有することがより好ましい。小粒金属磁性粉30の表面に、15nm以下の厚みのリン酸ガラス層30aを有することが好ましく、2〜8nmの範囲の厚みのリン酸ガラス層30aを有することがより好ましい。
このような大粒金属磁性粉20及び小粒金属磁性粉30の表面に設けられたリン酸ガラス層20a、30aの厚みを考慮すると、大粒金属磁性粉20のリン酸ガラス層20aの厚みと小粒金属磁性粉30のリン酸ガラス層30aの厚みとの比が、0.6(4.8nm/8nm)〜32(64nm/2nm)の範囲にあることが好ましいと言える。
<従来のインダクタの大粒金属磁性粉及び粒金属磁性粉>
図3に示す従来例であるインダクタ101の大粒金属磁性粉120及び小粒金属磁性粉130として、下記を例示することができる。
大粒金属磁性粉120の平均粒径は25〜80μmであって、本実施形態に係る大粒金属磁性粉20と同様である。一方、小粒金属磁性粉130の平均粒径は4〜7μmであって、本実施形態に係る小粒金属磁性粉30の平均粒径より大きな粒径を有する。
大粒金属磁性粉120の表面に、10〜120nmの範囲の厚みのリン酸ガラス層120aを有し、本実施形態に係る大粒金属磁性粉20のリン酸ガラス層の厚みに比べて厚くなっている。本実施形態に係るインダクタ1及び従来例のインダクタ101を比べると、大粒金属磁性粉20、120のリン酸ガラス層20a、120aの厚みについて、両者が重なり合う範囲(10〜80nm)があるが、略中央値をピークとする正規分布を考慮すれば、本実施形態に係るインダクタ1では、大粒金属磁性粉20の厚みが42.4nmを中心とした分布を示し、従来例のインダクタ101では、大粒金属磁性粉120の厚みが65nmを中心とした分布を示す。よって、体勢を占める大粒金属磁性粉20のリン酸ガラス層30aは、体勢を占める大粒金属磁性粉120のリン酸ガラス層130aよりかなり薄く形成されている。
小粒金属磁性粉130の表面に、15nm以下の厚みのリン酸ガラス層130aを有しており、本実施形態に係る小粒金属磁性粉30と同様である。
本実施形態に係る大粒金属磁性粉20のリン酸ガラス層20aの厚みと小粒金属磁性粉30のリン酸ガラス層30aの厚みとの比は、0.6〜32の範囲にある。一方、従来例の大粒金属磁性粉120のリン酸ガラス層120aは厚いので、従来例における大粒金属磁性粉120のリン酸ガラス層120aの厚みと小粒金属磁性粉130のリン酸ガラス層130aの厚みとの比は、本実施形態に比べて大きな値を示す。
<充填度の比較>
図2及び図3の比較から明らかなように、従来例のインダクタ101では、大粒金属磁性粉120の表面に被覆されたリン酸ガラス層120aが厚いため、一定の空間内に充填できる大粒金属磁性粉120の数が低下する。更に、小粒金属磁性粉130の平均粒径が大きいため、隣接する大粒金属磁性粉120の間に充填できる小粒金属磁性粉130の数が低下する。よって、従来例のインダクタ101では、大粒金属磁性粉120及び小粒金属磁性粉130の充填率を高めることが困難である。
一方、本実施形態に係るインダクタ1では、大粒金属磁性粉20の表面に被覆されたリン酸ガラス層20aが薄いので、一定の空間内に十分な数の大粒金属磁性粉20を充填することができる。更に、小粒金属磁性粉30の平均粒径が小さいので、隣接する大粒金属磁性粉20の間に十分な数の小粒金属磁性粉30を充填できる。よって、本実施形態に係るインダクタ1では、大粒金属磁性粉20及び小粒金属磁性粉30の充填率を高めることができる。
これに加え、大粒金属磁性粉20の平均粒径と小粒金属磁性粉30の平均粒径との比が、6.25〜80の範囲内にあり、大粒金属磁性粉20と小粒金属磁性粉30との混合比が、体積比で90:10〜60:40の範囲内にあるので、バランスの取れた適切な粒径及び混合比により、大粒金属磁性粉20及び小粒金属磁性粉30の充填率を高めることができる。
磁性部6を構成する樹脂の量について考察すると、樹脂の量が2wt%未満であると、透磁率が低くなる。一方、樹脂の量が3wt%以上となると、成型時に成型金型の間に樹脂が入り込んで工程不良やバリが発生し、素体2の表面に樹脂がしみだして外観不良を起こす可能性がある。
よって、本実施形態では、樹脂の量が2wt%以上3wt%未満とすることにより、十分な透磁率及び優れた外観を有するインダクタ1を実現できる。
(実施例)
上記のような、本実施形態に係るインダクタ1(実施例)及び従来例のインダクタ101(比較例)を製造して、実際に試験を行った。その結果を下表に示す。
Figure 2021052146

*透磁率、コアロスは、300kHz、40mTの磁束発生時の値
実施例では、透磁率が34.0となり、30以上の高い透磁率が得られることが実証された。一方、比較例では、透磁率が26.5となり、30未満の透磁率しか得られなかった。
以上のように、本実施形態に係るインダクタは、磁性粉と樹脂とを含有する磁性部6と、磁性部6内に埋設された内部電極8を有する素体2と、素体2の表面に形成され、内部電極8に接続される外部電極4と、を備え、磁性粉は、平均粒径が25〜80μmの大粒金属磁性粉20と、平均粒径が1〜4μmの小粒金属磁性粉30とから構成され、大粒金属磁性粉20の平均粒径と小粒金属磁性粉30の平均粒径との比は6.25〜80の範囲にあり、大粒金属磁性粉20と小粒金属磁性粉30との混合比は体積比で90:10〜60:40の範囲にあり、大粒金属磁性粉20の表面に4.8〜80nmの厚みのリン酸ガラス層20aを有し、小粒金属磁性粉30の表面に15nm以下の厚みのリン酸ガラス層30aを有し、大粒金属磁性粉20のリン酸ガラス層20aの厚みと小粒金属磁性粉30のリン酸ガラス層30aの厚みとの比は0.6〜32の範囲にあり、樹脂の量は2wt%以上3wt%未満である。
このようなインダクタ1では、高い絶縁性を確保しつつ、30以上といった高い透磁率を有することができる。
特に、大粒金属磁性粉20が非晶質のFe−Si−Cr系金属磁性粉であり、小粒金属磁性粉30が非晶質の鉄を含有する金属磁性粉である場合には、大粒金属磁性粉20と小粒金属磁性粉30の配合比率を調整することで、高い透磁率を有することができる。
(製造方法)
次に、上記の実施形態に係るインダクタ1の製造方法を説明する。
本実施形態に係るインダクタ1の製造方法は、
(1)内部電極8を形成する工程と、
(2)磁性粉20、30を形成する工程と、
(3)素体2を形成する工程と、
(4)外部電極4を形成する工程と、を含む。
以下、各工程の詳細を説明する。
(1)内部電極8を形成する工程
本工程では、導線と、導線の表面に形成された絶縁性を有する被覆層と、被覆層の表面に形成された融着層を有し、互いに対向する幅広面を有する導線(いわゆる、平角線)を用いて内部電極8を形成する。
巻回部10は、導線の幅広面を巻軸A1に略平行にさせた状態で形成される。巻回部10は、導線の両端が最外周に位置し、最内周で互いに繋がった状態で上下2段(いわゆるα巻き)に巻回して形成される。
次に、巻回部10の最外周から引き出し部16を引き出す。引き出し部16、特に引き出し部16の先端16aは、その幅広面が完成したインダクタの短手方向(y軸方向)に延在するように曲げられる。
(2)磁性粉20、30を形成する工程
本工程では、大粒金属磁性粉及び小粒金属磁性粉について、それぞれ個別に、磁性粉の外表面にリン酸ガラス層を形成し、その後、リン酸ガラス層が付いた大粒金属磁性粉20及び小粒金属磁性粉30を混合する。
はじめに、平均粒径が25〜80μmの大粒金属磁性粉に、厚みが4.8〜80nmのリン酸ガラス層を形成して、リン酸ガラス層が付いた大粒金属磁性粉20とする。また、平均粒径が1〜4μmの小粒金属磁性粉に、厚みが15nm以下のリン酸ガラス層を形成して、リン酸ガラス層が付いた小粒金属磁性粉30とする。
更に詳細に述べれば、金属磁性粉にリン酸ガラス材を加え、金属磁性粉の外表面にリン酸ガラス材を機械的にすり込んでコーティングする。このとき、金属磁性粉に加えるリン酸ガラス材の量を調整することにより、リン酸ガラス層の厚みを調整できる。例えば、大粒金属磁性粉にリン酸ガラス層を形成する場合、上記の実施例では、比較例に比べて、半分程度の量のリン酸ガラス材を加えてコーティングを行うことにより、比較例に比べて薄いリン酸ガラス層を形成することができる。
そして、リン酸ガラス層を形成して大粒金属磁性粉20及び小粒金属磁性粉30を個別に製造した後、大粒金属磁性粉20及び小粒金属磁性粉30を混合して、大粒金属磁性粉20及び小粒金属磁性粉30を含む磁性粉を製造する。
(2)素体2を形成する工程
本工程では、大粒金属磁性粉20及び小粒金属磁性粉30を含む磁性粉と、2wt%以上3wt%未満の樹脂との混合物を用いる。この混合物を成型金型内に配置し、その後、内部電極8を配置する。更に、内部電極8の上から混合物を配置し、圧縮金型で加熱・圧縮して素体2を形成する。このときの圧力は、例えば、1ton/cmに設定する。
成型金型の幅は、曲げられた引き出し部16の先端16aの幅広面間の長さと同一、またはその長さよりもやや広いことが望ましい。
(3)外部電極を形成する工程
本工程では、素体2の表面に外部電極4を形成する。
まず、上記の工程で形成された素体2の表面に、引き出し部16の先端16aの幅広面が露出していることを確認する。幅広面が露出していない場合、または露出領域が十分広くないときは、素体2の表面を削り、幅広面を十分に露出させる。
次に、露出した幅広面の融着層などを剥離し樹脂銀ペースト等を塗布する。その後、当該部を含む素体2の側面2cと、それに隣接する4つの面2a、2b、2d、2fの一部、及び、素体2の側面2eと、それに隣接する4つの面2a、2b、2d、2fの一部を覆って外部電極4を形成する。更に、必要に応じて、メッキを施す。
以上のように、本実施形態に係るインダクタ1の製造方法は、磁性粉を含有する磁性部6と、磁性部6内に埋設された内部電極8を有する素体2と、素体2の表面に形成され、内部電極8に接続される外部電極4と、を備えたインダクタ1の製造方法であって、平均粒径が25〜80μmの大粒金属磁性粉に厚みが4.8〜80nmのリン酸ガラス層を形成してリン酸ガラス層が付いた大粒金属磁性粉20とし、平均粒径が1〜4μmの小粒金属磁性粉に厚みが15nm以下のリン酸ガラス層を形成してリン酸ガラス層が付いた小粒金属磁性粉30とし、大粒金属磁性粉20の平均粒径と小粒金属磁性粉30の平均粒径との比が6.25〜80の範囲にあり、大粒金属磁性粉20と小粒金属磁性粉30との混合比が体積比で90:10〜60:40の範囲にあり、大粒金属磁性粉20のリン酸ガラス層20aの厚みと小粒金属磁性粉30のリン酸ガラス層30aの厚みとの比が0.6〜32の範囲にある磁性粉を形成する工程と、この磁性粉と2wt%以上3wt%未満の樹脂とを用いて素体を形成する工程と、を含む。
これにより、高い絶縁性を確保しつつ、30以上といった高い透磁率を有するインダクタ1を製造することができる。特に、大粒金属磁性粉と小粒金属磁性粉とにリン酸ガラス層を形成した後に混合することにより、大粒金属磁性粉及び小粒金属磁性粉のそれぞれに、所望の範囲の厚みを有するリン酸ガラス層を形成することができるので、高い絶縁性を確保しつつ、高い透磁率を有するインダクタ1を確実に製造することができる。
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施形態及び実施例における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
1 インダクタ
2 素体
2a 底面
2b 上面
2c、2d、2e、2f 側面
4 外部電極
6 磁性部
8 内部電極
10 巻回部
12 上段
14 下段
16 引き出し部
16a 先端
20 大粒金属磁性粉
20a リン酸ガラス層
30 小粒金属磁性粉
30a リン酸ガラス層
101 インダクタ
120 大粒金属磁性粉
120a リン酸ガラス層
130 小粒金属磁性粉
130a リン酸ガラス層

Claims (4)

  1. 磁性粉と樹脂とを含有する磁性部と、
    前記磁性部内に埋設された内部電極を有する素体と、
    前記素体の表面に形成され、前記内部電極に接続される外部電極と、
    を備え、
    前記磁性粉は、平均粒径が25〜80μmの大粒金属磁性粉と、平均粒径が1〜4μmの小粒金属磁性粉とから構成され、
    前記大粒金属磁性粉の平均粒径と前記小粒金属磁性粉の平均粒径との比は6.25〜80の範囲にあり、
    前記大粒金属磁性粉と前記小粒金属磁性粉との混合比は体積比で90:10〜60:40の範囲にあり、
    前記大粒金属磁性粉の表面に4.8〜80nmの厚みのリン酸ガラス層を有し、
    前記小粒金属磁性粉の表面に15nm以下の厚みのリン酸ガラス層を有し、
    前記大粒金属磁性粉のリン酸ガラス層の厚みと前記小粒金属磁性粉のリン酸ガラス層の厚みとの比は0.6〜32の範囲にあり、
    前記樹脂の量は2wt%以上3wt%未満であることを特徴とするインダクタ。
  2. 前記大粒金属磁性粉が非晶質のFe−Si−Cr系金属磁性粉であり、前記小粒金属磁性粉が非晶質の鉄を含有する金属磁性粉であることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
  3. 磁性粉を含有する磁性部と、前記磁性部内に埋設された内部電極を有する素体と、前記素体の表面に形成され、前記内部電極に接続される外部電極と、を備えたインダクタの製造方法であって、
    平均粒径が25〜80μmの前記大粒金属磁性粉に厚みが4.8〜80nmのリン酸ガラス層を形成してリン酸ガラス層付き大粒金属磁性粉とし、平均粒径が1〜4μmの小粒金属磁性粉に厚みが15nm以下のリン酸ガラス層を形成してリン酸ガラス層付き小粒金属磁性粉とし、前記大粒金属磁性粉の平均粒径と前記小粒金属磁性粉の平均粒径との比が6.25〜80の範囲にあり、前記大粒金属磁性粉と前記小粒金属磁性粉との混合比が体積比で90:10〜60:40の範囲にあり、前記大粒金属磁性粉のリン酸ガラス層の厚みと前記小粒金属磁性粉のリン酸ガラス層の厚みとの比が0.6〜32の範囲にある磁性粉を形成する工程と、
    この磁性粉と2wt%以上3wt%未満の樹脂とを用いて素体を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするインダクタの製造方法。
  4. 前記磁性粉を形成する工程において、前記大粒金属磁性粉と前記小粒金属磁性粉とにリン酸ガラス層を形成した後に混合することを特徴とする請求項3に記載のインダクタの製造方法。
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