JP2021051837A - 非水電解液、半固体電解質、二次電池 - Google Patents

非水電解液、半固体電解質、二次電池 Download PDF

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栄二 關
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Abstract

【課題】高い不揮発性とイオン伝導性とを兼ね備えた非水電解液、これを含む半固体電解質、これを用いた二次電池を提供する。【解決手段】電解質塩と電解質塩を溶解した非水溶媒を含み、電解質塩は、イミド系リチウム塩と、非イミド系リチウム塩と、であり、非水溶媒は、グライムと、炭酸エステルと、を含有し、グライムは、トリグライム、および、テトラグライムのうちの一種以上である非水電解液、これを含む半固体電解質、これを用いた二次電池。【選択図】図1

Description

本発明は、不揮発性が高い非水電解液、これを含む半固体電解質、これを用いた二次電池に関する。
近年、産業分野や民生分野において、地球温暖化の防止のため、二酸化炭素排出量の削減が進められている。代表的な技術としては、電気自動車に代表される原動機の電動化があり、関連した技術開発が盛んに行われている。従来のガソリン車を電気自動車に入れ替えた場合、二酸化炭素の排出が、燃料の使用段階側から生産段階側に移行するため、二酸化炭素排出量の大幅な削減が見込まれている。
現在、電気自動車等の駆動電源としては、エネルギ密度が高いことで知られるリチウム二次電池が最有力となっている。リチウム二次電池は、3V以上の高電圧で動作可能であり、キャリアとして働くリチウムが軽元素であるため、鉛蓄電池、ニッケル・水素電池等と比較して、2倍以上のエネルギ密度が期待されている。その一方で、電解液を用いるのが一般的であるため、電解液の揮発や発火の防止が課題となっている。
従来、このような電解液の課題を解決するために、不揮発性を付与・向上させた電解質の利用が検討されている。代表的な技術としては、酸化物系、硫化物系等の無機固体電解質や、高分子ゲルを用いたポリマ電解質等がある。しかし、固体状ないし結晶質の電解質は、電解質同士の界面や電極との界面で、接合性の低下や抵抗の増大等の別の課題を生じることが懸念されている。
現在、これらの課題への対策として、グライム系溶媒の利用が検討されている。グライムは、複数のエーテル結合を有するグリコールエーテルであり、リチウムイオンに溶媒和して錯体を形成することが知られている。グライム−リチウム塩錯体の溶液は、リチウムイオンの輸送や解離を可能とし、揮発温度が高いイオン液体となるため、不揮発性が高い電解質として有望視されている。
しかし、グライム系溶媒を用いると、グライム自体のイオン伝導性が低いため、電解質のイオン伝導率が低くなることが懸念されている。グライム系溶媒を用いると、一般的な炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等の炭酸エステル系溶媒と比較して、イオン伝導率が低くなり、高レート時の放電容量が小さくなる。
グライム系溶媒を用いた二次電池のイオン伝導率・電池容量を向上させる技術としては、特許文献1や特許文献2がある。これらの文献では、炭酸プロピレン等の低粘度有機溶媒をグライムと共に併用し、電解液の粘度を下げることによって、イオン伝導率を向上させるものとしている(特許文献1の請求項1、段落0030、0031等や、特許文献2の段落0037等参照)。
国際公開第2018/180258号 国際公開第2018/225328号
現在、グライム系溶媒を用いた二次電池について、イオン伝導率・電池容量の更なる向上が求められている。例えば、電気自動車の加速性能を向上させるためには、高レート時の放電容量を従来以上に高めることが必要である。電解質の不揮発性を確保しつつ、電解質のイオン伝導率を向上させる必要があるため、グライム系溶媒を用いた電解質のイオン伝導性について改良が求められている。
特許文献1や特許文献2に記載されているように、低粘度有機溶媒をグライムと併用すると、電解質が流動し易くなるため、電解質のイオン伝導性を、ある程度向上させることが可能である。しかし、低粘度有機溶媒は、分子量が小さく、引火点が低い傾向がある。このような溶媒を多量に用いると、電解質の不揮発性やグライム系溶媒の利点が損なわれることが問題となる。
そこで、本発明は、高い不揮発性とイオン伝導性とを兼ね備えた非水電解液、これを含む半固体電解質、これを用いた二次電池を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、例えば以下の構成を有する。
電解質塩と電解質塩を溶解した非水溶媒を含み、
電解質塩は、イミド系リチウム塩と、非イミド系リチウム塩と、であり、
非水溶媒は、グライムと、炭酸エステルと、を含有し、
グライムは、トリグライム、および、テトラグライムのうちの一種以上である非水電解液、これを含む半固体電解質、これを用いた二次電池。
本発明によれば、高い不揮発性とイオン伝導性とを兼ね備えた非水電解液、これを含む半固体電解質、これを用いた二次電池を提供することができる。前記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態に係る二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。
以下、図面等を用いて、本発明の一実施形態に係る非水電解液、これを含む半固体電解質、これを用いた二次電池について説明する。
以下の説明は、本発明の内容の具体例を示すものである。本発明は、以下の説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。本発明には、実施形態とは異なる様々な変形例が含まれる。実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることが可能である。また、実施形態の構成の一部について他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本明細書に記載される「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値とする意味で使用する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値や下限値は、段階的に記載されている他の上限値や他の下限値に置き換えてもよい。本明細書に記載される数値範囲の上限値や下限値は、実施例中に示されている数値に置き換えてもよい。
本明細書では、二次電池としてリチウムイオン二次電池を例にとって説明を行う。リチウムイオン二次電池とは、リチウムイオンの電極への吸蔵と電極からの放出によって電極間に電位差を生じさせ、それによる電気エネルギを貯蔵または利用可能とする電気化学デバイスを意味する。リチウムイオン二次電池は、リチウムイオン電池、非水電解質二次電池、非水電解液二次電池等の別の名称でも呼ばれており、いずれの名称の電池であっても本発明の対象である。本発明の技術的思想は、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池、亜鉛二次電池、アルミニウムイオン二次電池等に対しても適用できる。
<二次電池>
図1は、本発明の実施形態に係る二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。図1に示すように、二次電池101は、電池容器102と、電池蓋103と、正極外部端子104と、負極外部端子105と、注液栓106と、正極107と、負極108と、電解質層109と、正極リード110と、負極リード111と、シール部材112と、絶縁シート113と、を備えている。
リチウム二次電池101は、正極107、負極108および電解質層109からなる電極群を、電池容器102に密閉状態で収納している。電池容器102の材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等のように、非水電解液に対して耐食性を示す材料が用いられる。電極群は、短冊状の電極を積層した構造、帯状の電極を円筒状や偏平状に捲回した構造等の種々の構造に設けることができる。
電池容器102は、電極群の形状に応じて、円筒型、偏平長円形状、角型等の任意の形状に設けることができる。電池容器102は、上部の開口から電極群等を入れた後、電池蓋103によって密閉される。電池蓋103の外縁は、全周にわたって電池容器102の開口と接合される。接合法としては、溶接、かしめ、接着等が用いられる。
電池蓋103は、電池容器102に電解液を注入するための注液口を有している。注液口は、注液栓106によって密閉されている。注液栓106には、電池容器102の内圧を解放するための安全弁を設けることもできる。但し、非水電解液を電解質層109に予め保持させる場合は、このような注液口を設けなくてもよい。
電池蓋103には、正極外部端子104および負極外部端子105が、絶縁性のシール部材112を介して取り付けられている。シール部材112によると、外部端子同士や外部端子と電池蓋103との間が電気的に絶縁される。シール部材112の好ましい材料は、絶縁性を有し、非水電解液と反応せず、気密性に優れる材料である。このような材料の具体例としては、フッ素樹脂、熱硬化性樹脂、ガラスハーメチックシールが挙げられる。
正極外部端子104には、正極リード110を介して、正極107が電気的に接続されている。負極外部端子105には、負極リード111を介して、負極108が電気的に接続されている。電池容器102と電極群との間には、絶縁シート113が配置されている。絶縁シート113によると、正極107や負極108と電池容器102との間が電気的に絶縁される。
なお、リチウム二次電池101は、金属製の電池容器102に代えて、袋状のラミネート容器を用いて、ラミネート型電池として設けることもできる。ラミネート容器は、多層フィルムをヒートシール、接着剤等で貼合して形成することができる。多層フィルムは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、アルミニウム箔等の各種のフィルムを積層して形成することができる。
<正極>
正極107は、正極合剤層と、正極集電体と、を備えている。正極合剤層は、シート状、板状等に設けられた正極集電体の片面または両面に形成される。正極合剤層は、負極108よりも貴な電位でリチウムイオンを吸蔵および放出する正極活物質と、正極合剤層の導電性を向上させるための導電剤と、正極活物質、正極集電体等を結着させるためのバインダと、を含有する。
正極活物質は、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、LiMn、LiMnO、LiMn12、LiFeO、Fe(SO、Fe(MoO、FeF、LiFePO、LiMnPO等の材料群から選択される。正極活物質としては、これらの遷移金属を異種元素で置換した酸化物や、化学両論比とは異なる酸化物を用いることもできる。
正極活物質の具体例としては、LiMn2−x(但し、Mは、Co、Ni、Fe、Cr、Zn、Taから選択される一種以上の元素であり、0.01≦x≦0.2)、LiMnMO(但し、Mは、Fe、Co、Ni、Cu、Znから選択される一種以上の元素)、LiNi1−x(但し、Mは、Mn、Fe、Co、Al、Ga、Ca、Mgから選択される一種以上の元素であり、0.01≦x≦0.2)、LiCo1−x(但し、Mは、Ni、Fe、Mnから選択される一種以上の元素であり、0.01≦x≦0.2)等が挙げられる。
また、正極活物質の具体例としては、LiNi1/3Mn1/3Co1/3に代表されるLiNiMnCo(但し、Mは、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Cu、Zn、Al、Ga、Ge、Sn、Bi、Mg、Ca、Ba、Sc、Yから選択される一種以上の元素であり、0<a≦0.6、0<b≦0.4、0<c≦0.4、0≦d≦0.1、a+b+c+d=1)で表される三元系正極活物質が挙げられる。
また、正極活物質の具体例としては、LiMnOとLiMnOからなる固溶体正極活物質や、LiNi0.5Mn1.5に代表されるLiNiMn2−x−y(但し、Mは、Co、Fe、Al、Ti、Zr、Mg、B、Cr、Zn、Caから選択される一種以上の元素であり、0≦x<2、0≦y≦0.2)で表されるスピネル型正極活物質が挙げられる。
正極活物質として、三元系正極活物質を用いると、3.7V前後の電極電位が得られる。固溶体正極活物質を用いると、三元系正極活物質よりも高容量が得られる場合がある。スピネル型正極活物質を用いると、三元系正極活物質よりも高電位が得られる場合がある。このような高容量や高電位の正極活物質を用いると、正極合剤層を薄く設けることが可能になる。そのため、二次電池中における正極の積層数を増加させて、電池当たりの電極面積を大きくすることが可能であり、内部抵抗の低減による高出力化や積層数の増加による高容量化を図ることができる。
正極活物質は、一次粒子同士が凝集した二次粒子に造粒されてもよいし、造粒されなくてもよい。正極活物質の造粒は、転動型造粒装置、噴霧乾燥機等の流動層型造粒装置、ヘンシェルミキサ等の攪拌型造粒装置等の各種の造粒装置で行うことができる。正極活物質の粒子を造粒すると、正極活物質の粒子間の電子伝導性、正極活物質の粉末の取り扱い性、正極合剤層の充填性等が向上する場合がある、しかし、リン酸鉄リチウムのように、造粒されていない正極活物質を正極の作製に用いてもよい。
正極活物質の粒子径は、正極合剤層の設計厚さ以下に制限することが好ましい。電極の作製に用いる正極活物質の粉末が粗粒を含む場合は、ふるい分級、風流分級等によって粗粒を除去し、正極合剤層の設計厚さ以下の粒子を用いることが好ましい。
正極活物質の平均粒子径は、好ましくは2〜20μm、より好ましくは2〜8μmである。正極活物質の平均粒子径が2μm以上であると、正極活物質の合成や粉体としての取り扱いが容易である。また、20μm以下で小さいほど、正極合剤層中の正極活物質の充填密度を高くすることができる。平均粒子径が20μm以下であると、正極合剤層の厚さを20μm以上にした場合に、正極合剤層の均一性を高くしつつ、電池容量も確保することができる。また、正極合剤層中の平均細孔径が0.1〜5μmとなり、正極活物質の粒子間に十分量の半固体電解質を保持させることが可能になるため、充填密度と電解質の保持能力とのバランスに優れた正極活物質が得られる。
なお、正極活物質の平均粒子径は、体積基準の累積粒子径分布の50%粒子径(メジアン径:D50)として定義される。正極活物質の粒子径は、正極活物質の粉末を水に懸濁して測定試料とし、レーザ回折・散乱型粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。測定装置としては、マイクロトラックMT3000II(マイクロトラック・ベル社製)等を用いることができる。
正極合剤層の厚さは、好ましくは20〜80μmである。正極合剤層の厚さが20μm以上であると、要求される電池容量が得られ易くなる。また、正極合剤層の厚さが80μm以下であると、厚さが均一になり易く、充放電時の厚さ変化や電気化学的反応の均一性も高くなる。導電剤を多量に配合しなくとも、正極活物質の接触状態や酸化還元状態がバラツキ難くなるため、充放電の偏りを防止して高い実効容量を得ることができる。
正極合剤層の平均細孔径は、好ましくは0.1nm〜10μm、より好ましくは0.1〜5μm、更に好ましくは0.5〜5μmである。正極合剤層の平均細孔径が0.1nm以上であると、適切な充放電が可能である。正極合剤層の平均細孔径が0.1nm以上で大きいほど、細孔中のリチウムイオンが拡散移動し易くなり、二次電池の内部抵抗が小さくなる。また、正極合剤層の平均細孔径が10μm以下で小さいほど、正極活物質の充填密度が高くなるため、二次電池が高エネルギ密度になる。
なお、正極合剤層の平均細孔径は、正極活物質、導電剤およびバインダが存在しない正極合剤層中の空間を円柱状の細孔と見做したときの細孔の平均直径として定義される。正極合剤層の平均細孔径は、水銀圧入法による細孔分布・細孔容積と比表面積の測定に基づいて、メジアン径(D50)として求めることができる。
具体的には、正極合剤層中の非水電解液ないし半固体電解質を、低粘度の有機溶媒や水で溶出させて測定することができる。正極上に形成された正極合剤層を、エタノール等のアルコール、ジメチルエーテル、アセトン、ジメトキシエーテル等の有機溶媒や水に浸漬させると溶媒成分が溶解するため、浸漬を繰り返して半固体電解質や非水電解液を溶出させることができる。その後、正極合剤層を真空乾燥等で乾燥させると、溶出用溶媒が除去されて固形分のみの正極合剤層が得られる。この正極合剤層について、水銀ポロシメータで細孔分布・細孔容積や比表面積を測定すると、平均細孔径が求められる。
正極合剤層の充填密度は、好ましくは2.0〜3.5g/cmである。正極合剤層の充填密度がこのような範囲であると、正極活物質同士や正極活物質と導電剤とを密着させて、正極合剤層内の電子伝導性を高くすることができる。なお、正極合剤層の充填密度は、正極合剤層の見かけ体積当たりの正極活物質、導電剤およびバインダの合計重量として定義される。
正極集電体としては、金属箔、穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等の各種の材料を用いることができる。正極集電体は、アルミニウム、アルミニウム合金等の材料群から選択される。また、正極の酸化還元電位等に応じて、ステンレス鋼、チタン等を用いることもできる。正極集電体の厚さは、機械的強度とエネルギ密度とを両立する観点等からは、10〜100μmが好ましい。穿孔箔の孔径は、0.1〜10mmが好ましい。
<負極>
負極108は、負極合剤層と、負極集電体と、を備えている。負極合剤層は、シート状、板状等に設けられた負極集電体の片面または両面に形成される。負極合剤層は、正極107よりも卑な電位でリチウムイオンを吸蔵および放出する負極活物質を含有する。負極合剤層は、負極合剤層の導電性を向上させるための導電剤や、負極活物質、負極集電体等を結着させるためのバインダを含有してもよい。
負極活物質は、例えば、炭素系材料、酸化物系材料、金属系材料等の材料群から選択される。炭素系材料の具体例としては、天然黒鉛、人造黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、非晶質系炭素、有機結晶系炭素等が挙げられる。酸化物系材料の具体例としては、LiTi12等のチタン酸リチウムや、リチウムとスズ、ケイ素、鉄、ゲルマニウム等とを含む酸化物等が挙げられる。金属系材料の具体例としては、金属リチウムや、リチウムとスズ、ケイ素、アルミニウム等との合金等が挙げられる。
負極活物質としては、シリコンと、非晶質炭素で表面を被覆した天然黒鉛との混合物を好ましく用いることができる。シリコンは、黒鉛よりも理論容量が高いが、充放電時の体積変化が大きい特徴がある。黒鉛の理論容量は、372Ah/kgであるのに対し、シリコンによると、500〜1500Ah/kgの容量を得ることができる。また、非晶質炭素は、黒鉛よりも理論容量が高く、比表面積が小さいため、電解液の分解を抑制する傾向がある。
そのため、このような混合物を負極活物質とすると、理論容量が高いシリコンと、電解液の還元分解を抑制する非晶質炭素とによって、高容量でサイクル特性が良好な負極活物質を得ることができる。負極合剤層を薄く設けることが可能になるため、二次電池中における負極の積層数を増加させて、電池当たりの電極面積を大きくすることが可能であり、内部抵抗の低減による高出力化や積層数の増加による高容量化を図ることができる。
シリコンは、負極活物質の混合物当たり、10〜70質量%であることが好ましい。シリコンが10質量%以上であると、理論容量が高いシリコンの割合が多いため、一般的な黒鉛負極と比較して、高い充放電容量が得られ易くなる。また、シリコンが70質量%以下であると、電気抵抗が高いシリコンの割合が少ないため、負極の抵抗が抑制される。そのため、二次電池の電池容量と電子伝導性とを良好に両立させることができる。
天然黒鉛を被覆する非晶質炭素は、天然黒鉛に対して、1〜30質量%であることが好ましい。非晶質炭素が1質量%以上であると、負極活物質の理論容量が高くなるため、1サイクル目の初期放電容量を向上させることができる。また、天然黒鉛の比表面積が小さくなり、電解液の分解や分解による表面の高抵抗化が抑制されるため、サイクル特性やレート特性を向上させることができる。また、非晶質炭素が30質量%以下であると、負極活物質の充填密度や接合性が損なわれ難くなる。
天然黒鉛を非晶質炭素で被覆する方法としては、例えば、天然黒鉛の表面に熱分解炭素を析出させる方法を用いることができる。エタン、プロパン、ブタン等の低分子の炭化水素を、アルゴンガス等の不活性ガスで希釈し、天然黒鉛の存在下、800〜1200℃で熱処理すると、炭化水素から水素が脱離するため、非晶質炭素を析出させることができる。或いは、ポリビニルアルコール、ショ糖等の有機物を天然黒鉛に添加し、不活性ガス雰囲気下、300〜1000℃で熱処理すると、有機物中の水素や酸素が酸化・脱離するため、非晶質炭素を析出させることができる。
負極活物質の粒子径は、負極合剤層の設計厚さ以下に制限することが好ましい。電極の作製に用いる負極活物質の粉末が粗粒を含む場合は、ふるい分級、風流分級等によって粗粒を除去し、負極合剤層の設計厚さ以下の粒子を用いることが好ましい。
負極活物質の平均粒子径は、好ましくは2〜20μmである。負極活物質の平均粒子径が2μm以上であると、負極活物質の合成や粉体としての取り扱いが容易である。また、20μm以下で小さいほど、負極合剤層中の負極活物質の充填密度を高くすることができる。平均粒子径が20μm以下であると、負極合剤層の厚さを20μm以上にした場合に、負極合剤層の均一性を高くしつつ、電池容量も確保することができる。また、負極合剤層中の平均細孔径が0.1〜5μmとなり、負極活物質の粒子間に十分量の半固体電解質を保持させることが可能になるため、充填密度と電解質の保持能力とのバランスに優れた負極活物質が得られる。
なお、負極活物質の平均粒子径は、体積基準の累積粒子径分布の50%粒子径(メジアン径:D50)として定義される。負極活物質の粒子径は、負極活物質の粉末を水に懸濁して測定試料とし、レーザ回折・散乱型粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。測定装置としては、マイクロトラックMT3000II(マイクロトラック・ベル社製)等を用いることができる。
負極合剤層の厚さは、好ましくは10〜50μm、より好ましくは15〜50μmである。負極合剤層の厚さが10μm以上であると、要求される電池容量が得られ易くなる。また、負極合剤層の厚さが50μm以下であると、厚さが均一になり易く、充放電時の厚さ変化や電気化学的反応の均一性も高くなる。負極活物質の接触状態や酸化還元状態がバラツキ難くなるため、充放電の偏りを防止して高い実効容量を得ることができる。
負極合剤層の平均細孔径は、好ましくは0.1nm〜10μm、より好ましくは0.1〜5μm、更に好ましくは0.5〜5μmである。負極合剤層の平均細孔径が0.1nm以上であると、適切な充放電が可能である。負極合剤層の平均細孔径が0.1nm以上で大きいほど、細孔中のリチウムイオンが拡散移動し易くなり、二次電池の内部抵抗が小さくなる。また、負極合剤層の平均細孔径が10μm以下で小さいほど、負極活物質の充填密度が高くなるため、二次電池が高エネルギ密度になる。
なお、負極合剤層の平均細孔径は、負極活物質、導電剤およびバインダが存在しない負極合剤層中の空間を円柱状の細孔と見做したときの細孔の平均直径として定義される。負極合剤層の平均細孔径は、水銀圧入法による細孔分布・細孔容積と比表面積の測定に基づいて、メジアン径(D50)として求めることができる。負極合剤層の平均細孔径は、正極合剤層の平均細孔径と同様に、負極合剤層中の非水電解液ないし半固体電解質を、低粘度の有機溶媒や水で溶出させて測定することができる。
負極集電体としては、金属箔、穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等の各種の材料を用いることができる。負極集電体は、銅、銅合金等の材料群から選択される。また、負極の酸化還元電位等に応じて、ステンレス鋼、チタン、ニッケル等を用いることもできる。負極集電体の厚さは、機械的強度とエネルギ密度とを両立する観点等からは、10〜100μmが好ましい。穿孔箔の孔径は、0.1〜10mmが好ましい。
<電極合剤層形成法>
正極合剤層や負極合剤層は、活物質と導電剤やバインダを溶媒中で混練して電極合剤を調製し、調製した電極合剤を集電体に塗工し、集電体に塗工した電極合剤を乾燥させることによって形成することができる。集電体上に形成した電極合剤層は、活物質が所定の密度となるように、ロールプレス等で加圧成形する。電極合剤層は、塗工から乾燥までの工程を繰り返して、集電体上に積層することもできる。電極合剤層を形成した電極には、打ち抜き加工、切断加工等を施すことができる。
導電剤は、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックや、黒鉛や、炭素繊維等の材料群から選択される。導電剤は、正極合剤層と負極合剤層の両方で用いてもよいし、正極合剤層のみで用いてもよい。導電剤の量は、電極合剤の重量当たり、好ましくは0〜10質量%以下である。
電極用バインダとしては、電極上で酸化還元分解せず、電解液に溶解しない限り、各種のバインダを用いることができる。バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリアクリル酸、ポリイミド、ポリアミド等の材料群から選択される。負極合剤層のバインダとしては、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース等の水系バインダを用いることもできる。
活物質等を分散させる溶媒としては、バインダを溶解する限り、各種の溶媒を用いることができる。溶媒としては、例えば、有機系バインダに対して、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶媒、水系バインダに対して、水等を用いることができる。電極合剤の混練は、プラネタリーミキサ、ディスパーミキサ、バタフライミキサ、二軸混練機、ボールミル、ビーズミル等の各種の混錬機・分散機で行うことができる。電極合剤を塗工する方法としては、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法等の各種の方法を用いることができる。
<電解質層>
電解質層109は、正極107と負極108との間に介在している。電解質層109は、正極107と負極108との間を電気的に絶縁すると共に、リチウムイオンを電極間で移動させるイオン伝導の媒体として機能する。電解質層109は、後記する半固体電解質によって形成される。
電解質層109は、電極と一体的に設けることもできるし、電極から独立した別体として設けることもできる。電解質層109を電極と一体的に設ける場合、電解質層109は、正極107の片面、正極107の両面、負極108の片面、負極108の両面のうち、いずれの面に設けることもできる。電解質層109を別体として設ける場合、半固体電解質のシートを作製して電極間に配置することができる。
<半固体電解質>
半固体電解質は、非水電解液と、非水電解液を担持する担持粒子と、を含む。半固体電解質では、担持粒子の粒子間の細孔中に保持される非水電解液がイオン伝導を媒介する。担持粒子に保持される非水電解液は、揮発や流動が抑制されるため、電解液の液漏れや組成変化を生じ難く揮発温度が高い不揮発性の電解質が得られる。
担持粒子としては、電子伝導性が低く、非水電解液に不溶である限り、金属酸化物、無機固体電解質等の各種の粒子を用いることができる。金属酸化物としては、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、セリア(CeO)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)等が挙げられる。無機固体電解質としては、LiLaZr12等が挙げられる。担持粒子としては、十分な絶縁性が確保される点、電気化学的安定性等の観点から、シリカ、アルミナ、セリアおよびジルコニアのうちの一種以上であることが好ましい。
担持粒子の平均粒子径は、好ましくは1nm〜10μm、より好ましくは1〜50nm、更に好ましくは1〜10nmである。担持粒子の平均粒子径が1nm以上であると、担持粒子同士が凝集し難いため、電解質層の形成が容易になる。また、担持粒子の平均粒子径が10μm以下であると、担持粒子の比表面積が大きくなるため、担持粒子の粒子間に多量の電解液を保持させることができる。担持粒子の粒子径は、例えば、電子顕微鏡を用いた観察により直接測定することができる。
担持粒子の電解質層当たりの体積分率は、好ましくは33〜90%である。担持粒子の体積分率が33%以上であると、より多量の電解液を担持粒子の粒子間に保持させることができるため、半固体電解質の不揮発性をより高くすることができる。また、担持粒子の体積分率が90%以下であると、電解質層内でリチウムイオンが拡散移動し易いため、二次電池の内部抵抗が低減される。
なお、担持粒子の電解質層当たりの体積分率は、電解質層の見かけ体積に対する担持粒子の総体積の割合として定義される。担持粒子の電解質層当たりの体積分率は、担持粒子の配合量によって調整することができる。
半固体電解質は、担持粒子同士を結着させてシート化して電解質層109の作製に用いることができる。半固体電解質のシートは、非水電解液と、担持粒子に加え、担持粒子同士を結着させるバインダを含むことができる。このようなバインダを用いると、機械的強度が向上する効果が得られる。
半固体電解質のシートは、担持粒子とバインダで形成してもよいし、担持粒子やバインダと、セパレータとして機能する微多孔膜とを組み合わせて形成してもよい。このような半固体電解質のシートを電極間に配置すると、半固体電解質層が電極に隣接した電極群を形成することができる。また、半固体電解質のシートは、ロールプレス等を使用して圧縮成形してもよい。
半固体電解質層の厚さは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜25μmである。電解質層109の厚さが1μm以上であると、半固体電解質層を貫通するピンホールが生じ難くなるため、電極間の短絡を防止することができる。また、半固体電解質層の厚さが100μm以下であると、電極間の距離が短くなるため、リチウムイオンの拡散移動抵抗が小さくなり、二次電池の内部抵抗が低減される。
半固体電解質層の平均細孔径は、好ましくは0.01〜0.5μmである。半固体電解質層の平均細孔径が0.01μm以上であると、細孔中のリチウムイオンが拡散移動し易くなり、半固体電解質層が低抵抗になる。また、半固体電解質層の平均細孔径が0.5μm以下で小さいほど、担持粒子の充填密度が高くなるため、非水電解液の不揮発性を向上させることができる。半固体電解質層の平均細孔径は、担持粒子の粒子径や配合量によって調整することができる。
なお、半固体電解質層の平均細孔径は、担持粒子が存在しない半固体電解質中の空間を円柱状の細孔と見做したときの細孔の平均直径として定義される。半固体電解質層の平均細孔径は、水銀圧入法による細孔分布・細孔容積と比表面積の測定に基づいて、メジアン径(D50)として求めることができる。半固体電解質層の平均細孔径は、正極合剤層の平均細孔径と同様に、半固体電解質層中の非水電解液を、低粘度の有機溶媒や水で溶出させて測定することができる。
なお、半固体電解質層が有機溶媒や水によって分解される場合、半固体電解質層の表面または断面を走査型電子顕微鏡で撮影し、電子顕微鏡像上で細孔径を計測するものとする。電子顕微鏡像上では、細孔を円柱状と仮定して、細孔の断面の円相当径を画像処理によって求める。半固体電解質層の平均細孔径は、電子顕微鏡像上で観察される任意の数十〜数百個程度の細孔の平均値として求めることができる。
半固体電解質は、正極合剤層や負極合剤層の細孔に充填することもできる。半固体電解質は、正極合剤層や負極合剤層の表面に半固体電解質を塗布する方法、正極合剤層や負極合剤層に半固体電解質を含浸させる方法等によって、毛細管現象で細孔内に吸収させることができる。或いは、活物質、導電剤、バインダ等を混合した電極合剤に、半固体電解質を加え、その電極合剤を集電体上に塗工して、半固体電解質が予め混合された電極合剤層を形成してもよい。
<半固体電解質層形成法>
半固体電解質層は、担持粒子とバインダを用いる場合、担持粒子をペレット状、シート状等に圧縮成形する方法や、担持粒子にバインダの粉末を混合して柔軟性の高いシート状等に成形する方法や、担持粒子とバインダとを溶媒中で混練してスラリーとし、スラリーをシート状等に成形し、成形物を乾燥させて溶媒を除去する方法等で形成することができる。半固体電解質層は、担持粒子とバインダとを溶媒中で混練し、正極合剤層の表面や負極合剤層の表面に塗工し、乾燥させて溶媒を除去する方法で電極と一体的に形成することもできる。
また、半固体電解質層は、担持粒子やバインダと、セパレータとして機能する微多孔膜との組み合わせを用いる場合、担持粒子とバインダとを溶媒中で混練し、得られた混合物を微多孔膜に塗工し、乾燥させて溶媒を除去する方法で形成することができる。或いは、電極と一体的に形成した半固体電解質層で微多孔膜を挟んで電極群を形成することもできる。
微多孔膜は、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系樹脂や、ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂や、アラミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ガラス等の材料群から選択される。微多孔膜としては、樹脂等を成膜して得られる多孔質膜の他、多孔質シート、不織布等を用いることもできる。
半固体電解質層用バインダは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(P(VdF−HFP))、スチレン−ブタジエンゴム、ポリアルギン酸、ポリアクリル酸等の材料群から選択される。
非水電解液は、層形成後に担持粒子の粒子間に充填してもよいし、層形成前に担持粒子と混合しておいてもよい。例えば、担持粒子と非水電解液とを、メタノール等の有機溶媒を添加して混合し、得られたスラリーをシャーレ等に広げて有機溶媒を留去すると、非水電解液が混合された粉末状の半固体電解質が得られる。
また、非水電解液は、半固体電解質層だけでなく、正極合剤層や負極合剤層の細孔に保持させることもできる。活物質や導電剤の粒子間に非水電解液を保持させると、電極中におけるイオン伝導率が高くなる。電極合剤層に非水電解液を保持させる方法としては、電池容器102に非水電解液を注入する方法や、非水電解液を電極合剤に混合しておいて電極を作製する方法等を用いることができる。
<非水電解液>
非水電解液は、電解質塩と、電解質塩を溶解する非水溶媒と、を含む。電解質塩としては、イミド系リチウム塩と、非イミド系リチウム塩と、が用いられる。非水溶媒としては、グライムと、炭酸エステルと、を含有する混合溶媒が用いられる。非水電解液は、二次電池のレート特性、サイクル特性、電池寿命等を向上させる添加剤が添加されてもよい。
グライムは、複数のエーテル結合を有するグリコールエーテル系の有機溶媒である。グライムは、次の一般式(1)で表される。
CHO−(CHCHO)−CH ・・・(1)
[但し、式(1)中、nは、1以上の整数である。]
一般式(1)において、nが1の化合物は、モノグライム(エチレングリコールジメチルエーテル:G1)、nが2の化合物は、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル:G2)、nが3の化合物は、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル:G3)、nが4の化合物は、テトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル:G4)、nが5の化合物は、ペンタグライム(ペンタエチレングリコールジメチルエーテル:G5)、nが6の化合物は、ヘキサグライム(ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル:G6)である。
非水溶媒として用いるグライムは、トリグライム(G3)およびテトラグライム(G4)のうちの一種以上であることが好ましい。このようなグライムを用いると、グライムがリチウムイオンに等モル比で溶媒和して、安定なグライム−リチウム塩錯体を形成する。グライム−リチウム塩錯体の溶液は、適切なアニオンの存在下、揮発温度が高いイオン液体となる。
そのため、非水溶媒としてグライムを用いると、リチウムイオンの輸送性・解離性を確保しつつ、非水電解液自体の不揮発性を向上させることができる。なお、イオン液体は、常温でカチオンとアニオンに解離して液体の状態を保持する物質である。非水電解液の蒸気圧は、室温において、150Pa以下であることが好ましい。
非水溶媒として用いる炭酸エステルとしては、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルメチル(EMC)等が挙げられる。炭酸エステルとしては、一種を用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
非水溶媒として用いる炭酸エステルは、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンのうちの一種以上であることが好ましい。これらの炭酸エステルは、グライムよりもドナー数が小さく、25℃における粘度が140Pa・s以下である。このような炭酸エステルをグライムと併用すると、グライム−リチウム塩錯体を形成しつつ、非水電解液の粘度を下げることができる。
そのため、非水溶媒として炭酸エステルをグライムと併用すると、グライム−リチウム塩錯体等が流動し易くなり、グライムのみを用いる場合と比較して、高いイオン伝導率を得ることができる。なお、黒鉛負極を用いる場合、PCが黒鉛の層間に共挿入して還元分解されるため、PCではなくECを用いることが好ましい。
電解質塩として用いるイミド系リチウム塩としては、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF:LiTFSI)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiN(FSO:LiFSI)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(SOCFCF:LiBETI)等が挙げられる。イミド系リチウム塩としては、一種を用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
電解質塩として用いるイミド系リチウム塩は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドおよびリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのうちの一種以上であることが好ましい。このようなイミド系リチウム塩を用いると、グライム−リチウム塩錯体とイミドアニオンで構成されるイオン液体が得られるため、非水電解液自体の揮発温度が高くなると共に、化学的安定性や熱的安定性が高いイミドによって難燃性が得られる。
電解質塩として用いる非イミド系リチウム塩としては、モル質量が180程度以下の低分子であるリチウム塩、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、トリフルオロ酢酸リチウム(LiCFCO)等が挙げられる。非イミド系リチウム塩としては、一種を用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
電解質塩として用いる非イミド系リチウム塩は、ヘキサフルオロリン酸リチウムおよびテトラフルオロホウ酸リチウムのうちの一種以上であることが好ましく、ヘキサフルオロリン酸リチウムであることが特に好ましい。このような非イミド系リチウム塩を用いると、リチウムイオンの解離度が高いため、グライムと併用している炭酸エステルにも、高濃度のリチウムイオンが溶解することになり、より高いイオン伝導率を得ることができる。
非水電解液は、グライムのモル数(n)とイミド系リチウム塩のモル数(n)との比(n/n)が、好ましくは0.9〜1.1、より好ましくは0.95〜1.05である。このようなモル比であると、リチウムイオンに対して等モル比に近いグライムが溶媒和するため、安定なグライム−リチウム塩錯体の溶液を得ることができる。
非水電解液は、炭酸エステルのモル数(n)と非イミド系リチウム塩のモル数(n)との比(n/n)が、好ましくは2.0〜23.0、より好ましくは6.0〜16.0、更に好ましくは9.0〜12.0である。このようなモル比であると、グライムと併用している炭酸エステルに、適切な濃度のリチウムイオンが溶解することになるため、より高いイオン伝導率を得ることができる。
非水電解液は、グライムのモル数(n)と炭酸エステルのモル数(n)の合計に対する炭酸エステルのモル数の割合(n/(n+n))が0.85〜0.95であることが好ましい。このような範囲であると、非水電解液自体の高い不揮発性と、グライムを単独で用いた電解液よりも高いイオン伝導率と、を両立させることができる。具体的には、非水電解液を保持させた半固体電解質について、熱重量測定における2%重量減少温度を100℃以上にすることができる。
非水電解液に添加する添加剤としては、炭酸ビニレン(VC)、炭酸フルオロエチレン(FEC)、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiDFOB)等が挙げられる。このような添加剤を用いると、二次電池の充電によって、負極の表面に低抵抗な被膜(Solid Electrolyte Interphase:SEI膜)を形成することができる。被膜によって非水溶媒の還元分解が抑制されるため、二次電池の高抵抗化や不可逆容量の増大を抑制することができる。
特に、黒鉛負極を用いる場合、黒鉛の層間にリチウムイオンが挿入したときに、非水溶媒が負極上で還元分解され易くなることが知られている。非水溶媒が還元分解すると、負極上に高抵抗な被膜が形成されるため、充放電が阻害されることになり、高抵抗化や不可逆容量の増大が進む。そのため、黒鉛負極を用いる場合、このような添加剤を用いることが特に好ましい。
また、非水溶媒として炭酸プロピレンを用いる場合、リチウムイオンに溶媒和した炭酸プロピレンが黒鉛の層間に共挿入し、還元分解されて黒鉛層を剥離させることが知られている。負極内の黒鉛層が剥離すると、充放電自体が不能になる。そのため、非水溶媒として多量の炭酸プロピレンを用いる場合、VCではなくLiBOB等を添加することがより好ましい。
非水電解液に添加する添加剤の量は、非水電解液の全体の重量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。添加剤の量がこのような範囲であると、必要最小限の薄い被膜を負極の表面に形成することができる。そのため、負極の表面の高抵抗化を避けつつ、非水溶媒の還元分解を抑制して、二次電池の高抵抗化やサイクル特性の悪化を防止することができる。
非水電解液を保持させた半固体電解質は、熱重量測定における2%重量減少温度が、好ましくは100℃以上、より好ましくは105℃以上、更に好ましくは110℃以上である。一般的な鉛蓄電池は、電解液の2%重量減少温度が100℃程度である。半固体電解質の2%重量減少温度が100℃以上であると、十分に高い不揮発性が備わっているといえる。このような半固体電解質を用いると、耐熱性に優れた二次電池が得られる。
なお、2%重量減少温度は、初期温度:30℃の液体試料を昇温速度:10℃/分で昇温させたとき、初期重量に対して2%の重量減少を生じる温度として定義される。熱重量測定は、電解質塩と非水溶媒とを混合した非水電解液を保持させた半固体電解質を試料とし、天秤型、水平型、垂直型等の熱重量測定装置や、示差熱−熱重量同時測定装置等を使用して測定することができる。
以上の非水電解液、これを含む半固体電解質、これを用いた二次電池によると、非水電解液が、グライムと、イミド系リチウム塩と、を含むため、イオン液体状のグライム−リチウム塩錯体が形成されて、非水電解液自体の揮発温度が向上する効果が得られる。また、非水電解液が、炭酸エステルと、非イミド系リチウム塩と、を含むため、炭酸エステルが非水電解液の粘度を下げて、キャリアの流動性を向上させると共に、非イミド系リチウム塩が炭酸エステル中のリチウムイオン濃度を高くする。そのため、イオン液体による高い不揮発性と、グライム系溶媒を単独で用いる場合よりも高いイオン伝導性とを兼ね備えた非水電解液、これを含む半固体電解質、これを用いた二次電池を得ることができる。非水電解液を担持粒子の粒子間に含む半固体電解質は、熱重量測定における2%重量減少温度が100℃以上になるため、耐熱性に優れた二次電池が得られる。半固体電解質を用いた二次電池は、高い不揮発性を備えつつ、イオン伝導率が高くなるため、高レート時の放電容量が向上し、大電流の放電が可能な電池となる。
以下、実施例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<半固体電解質の作製>
表1に示すように、電解質塩が、イミド系リチウム塩と、非イミド系リチウム塩とであり、非水溶媒が、グライムと、炭酸エステルと、を含有する半固体電解質を作製した。はじめに、イミド系リチウム塩[A]と、グライム[C]とを、所定のモル比となるように混合して、グライム錯体の溶液を調製した。また、非イミド系リチウム塩[B]と、炭酸エステル[D]とを、所定のモル比となるように混合して、低粘度の溶媒溶液を調製した。そして、調製した低粘度の溶媒溶液をグライム錯体の溶液に加えて非水電解液を得た。
イミド系リチウム塩としては、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、または、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を用いた。また、非イミド系リチウム塩としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を用いた。
グライムとしては、テトラグライム(G4)、または、トリグライム(G3)を用いた。炭酸エステルとしては、炭酸エチレン(EC)、または、炭酸プロピレン(PC)を用いた。この非水電解液には、非水電解液の全体の重量に対して1wt%または3wt%の添加剤を添加した。添加剤としては、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)、または、炭酸ビニレン(VC)を用いた。
<正極の作製>
正極活物質と、導電剤と、バインダとを、重量比が88:5:7となるように秤量し、正極活物質と、導電剤と、バインダを溶解させた溶媒とを混錬機で混合して、スラリー状の正極合剤を調製した。正極活物質としては、LiNi1/3Mn1/3Co1/3を用いた。導電剤としては、カーボンブラックを用いた。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデンを用いた。溶媒としては、1−メチル−2−ピロリドンを用いた。
続いて、スラリー状の正極合剤を正極集電体の表面に塗布した。正極集電体としては、アルミニウム箔を用いた。正極合剤を塗布した正極集電体を、乾燥炉に入れて溶媒を乾燥させた後に、所定径に打ち抜き、加圧成形して正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質と、バインダとを、重量比が96:4となるように秤量し、負極活物質と、バインダを溶解させた溶媒とを混錬機で混合して、スラリー状の負極合剤を調製した。負極活物質としては、シリコンと、非晶質炭素で表面を被覆した天然黒鉛との混合物を用いた。シリコンとしては、平均粒子径が10nmであるシリコンナノパウダ(シグマアルドリッチ社製)を用いた。天然黒鉛の表面には、プロパンとアルゴンを体積比が1:99となるように混合した混合ガスを1000℃で接触させて、2質量%の非晶質炭素を析出させた。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデンを用いた。溶媒としては、1−メチル−2−ピロリドンを用いた。
続いて、スラリー状の負極合剤を負極集電体の表面にドクターブレード法で塗布した。負極集電体としては、厚さ10μmの圧延銅箔を用いた。負極合剤を塗布した負極集電体を、乾燥炉に入れて溶媒を乾燥させた後に、所定径に打ち抜き、加圧成形して負極を得た。
<電解質層の作製>
表1に示す電解質塩、非水溶媒および添加剤と、電解質層用の担持粒子とを、塗布用の溶媒に混合して、半固体電解質のスラリーを調製した。担持粒子としては、シリカ粒子を用いた。塗布用の溶媒としては、1−メチル−2−ピロリドンを用いた。
続いて、半固体電解質のスラリーを、作製した正極の正極合剤層の表面と、負極の負極合剤層の表面に塗布した。半固体電解質のスラリーを塗布した正極と負極を、乾燥炉に入れて塗布用の溶媒を乾燥させて、半固体電解質層が表面に形成された正極と負極を得た。
<揮発温度の測定>
半固体電解質の揮発温度として、2%重量減少温度を熱重量測定によって測定した。半固体電解質の試料を熱重量測定装置の試料室に設置し、窒素ガス雰囲気で加熱して、試料の重量変化を計測した。試料温度は、初期温度:30℃から昇温速度:10℃/分で昇温させた。初期温度における重量に対して2%の重量減少を生じた温度を、半固体電解質の揮発温度として求めた。その結果を表1に示す。
<導電率の測定>
半固体電解質の導電率として、リチウムイオンのイオン伝導率をインピーダンス法によって測定した。ステンレス板を電極とするセルを作製し、所定の電圧振幅および周波数の範囲で交流を印加し、インピーダンスプロットの高周波側を電解質抵抗として、イオン伝導率を求めた。その結果を表1に示す。
<二次電池の作製>
作製した正極と負極を、半固体電解質層が電極間に挟まれるように積層し、得られた電極群をセルケースに封入して、コインセル型の二次電池を得た。二次電池の設計容量は、3mAhである。
<放電容量の測定>
作製した二次電池を、25℃において、0.3mAで4.2Vまで定電流充電した後、4.2Vで5時間にわたり定電圧充電した。その後、0.3mAで定電流放電させて、2.0Vに達したとき、放電を終了させた。この間の放電容量を0.1C放電容量として求めた。続いて、2サイクル目の充電を同様にして行った後、1.5mAで定電流放電させて、2.0Vに達したとき、放電を終了させた。この間の放電容量を0.5C放電容量として求めた。
表1に、作製した半固体電解質の組成、半固体電解質の特性(揮発温度、導電率)、半固体電解質を用いた二次電池の性能(0.1C放電容量、0.5C放電容量)の結果を示す。
Figure 2021051837
実施例1〜3は、電解質塩としてLiTFSiとLiPF、非水溶媒としてテトラグライムと炭酸エステルである炭酸プロピレンを用いたものであり、グライムのモル数(C)とイミド系リチウム塩のモル数(A)との比(C/A)を1、炭酸エステルのモル数(D)と非イミド系リチウム塩のモル数(B)との比(D/B)を9.8、グライムのモル数(C)と炭酸エステルのモル数(D)の合計に対する炭酸エステルのモル数の割合(D/(C+D))を0.85〜0.95の範囲で変えたものである。この割合の範囲では、揮発温度が100℃を上回る結果が得られた。特に、割合が0.85である場合に、最高の揮発温度が得られた。0.1C放電容量は、設計容量のとおり、3.0mAhとなった。0.5C放電容量は、2.7mAhと比較的高くなった。
実施例4は、実施例2の電解質塩をLiFSiに変えたものである。実施例2と比較して、揮発温度が1℃低下したものの、同等の電池性能が得られた。
実施例5は、実施例2の炭酸エステルを炭酸エチレンに変えたものである。実施例2と比較して、揮発温度が2℃低下したものの、同等の電池性能が得られた。
実施例6は、実施例2の比(D/B)を2に小さくしたものである。LiPFの量を増やし、炭酸プロピレンの量を減らしているため、負極の層間への共挿入の可能性が低くなり、炭酸ビニレンの使用が可能になっている。実施例2と比較して、揮発温度が高く、同等の電池性能が得られた。
実施例7は、実施例2のグライムをトリグライムに変えたものである。実施例2と比較して、揮発温度は、やや低下したが、略同等の電池性能が得られた。
実施例8は、実施例2のグライムをトリグライムに変えて、比(D/B)を2に小さくしたものである。実施例7と比較して、揮発温度は、やや低下したが、実施例2や実施例7と比較して、略同等の電池性能が得られた。
実施例9は、実施例2の比(D/B)を5.9に小さくしたものである。実施例2と比較して、揮発温度がやや高くなったが、電池性能が低下した。半固体電解質の導電率が低くなり、0.1C放電容量が低下すると共に、0.5C放電容量が低下した。
実施例10は、実施例2の比(D/B)を7.8に小さくしたものである。実施例2と比較して、同等の0.1C放電容量であったが、半固体電解質の導電率が高くなり、やや高い0.5C放電容量が得られた。
実施例11は、実施例2の比(D/B)を11.7に大きくしたものである。実施例2と比較して、同等の0.1C放電容量であったが、半固体電解質の導電率が低くなり、やや低い0.5C放電容量となった。
実施例12は、実施例2の比(D/B)を23.5に大きくしたものである。実施例2と比較して、揮発温度が低くなり、電池性能も低下した。半固体電解質の導電率が低くなり、0.1C放電容量が低下すると共に、0.5C放電容量が低下した。
比較例1は、電解質塩としてLiPFのみ、非水溶媒として炭酸プロピレンのみを用いたものであり、炭酸エステルのモル数(D)と非イミド系リチウム塩のモル数(B)との比(D/B)を9.8としたものである。添加剤としては炭酸ビニレンを用いている。実施例2と比較して、揮発温度が低くなった。また、負極上で非水溶媒が還元分解されたため、電池性能が著しく低下した。
比較例2は、電解質塩としてLiTFSiのみ、非水溶媒としてテトラグライムのみを用いたものであり、グライムのモル数(C)とイミド系リチウム塩のモル数(A)との比(C/A)を1としたものである。添加剤としては炭酸ビニレンを用いている。実施例2と比較して、揮発温度が著しく高くなったが、電池性能が低下した。電解質の導電率が著しく低くなり、0.1C放電容量が低下すると共に、0.5C放電容量が大幅に低下した。
101 二次電池
102 電池容器
103 電池蓋
104 正極外部端子
105 負極外部端子
106 注液栓
107 正極
108 負極
109 電解質層
110 正極リード
111 負極リード
112 シール部材
113 絶縁シート

Claims (9)

  1. リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極と、
    リチウムイオンを吸蔵および放出可能な負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在する電解質層と、を備え、
    前記電解質層は、電解質塩と前記電解質塩を溶解した非水溶媒を含む非水電解液と、前記非水電解液を担持する担持粒子と、を含み、
    前記電解質塩は、イミド系リチウム塩と、非イミド系リチウム塩と、であり、
    前記非水溶媒は、グライムと、炭酸エステルと、を含有し、
    前記グライムは、トリグライムおよびテトラグライムのうちの一種以上である二次電池。
  2. 請求項1に記載の二次電池であって、
    前記イミド系リチウム塩は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドおよびリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのうちの一種以上である二次電池。
  3. 請求項1に記載の二次電池であって、
    前記非イミド系リチウム塩は、ヘキサフルオロリン酸リチウムおよびテトラフルオロホウ酸リチウムのうちの一種以上である二次電池。
  4. 請求項1に記載の二次電池であって、
    前記炭酸エステルは、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンのうちの一種以上である二次電池。
  5. 請求項1に記載の二次電池であって、
    前記担持粒子は、シリカ、アルミナ、セリアおよびジルコニアのうちの一種以上である二次電池。
  6. 請求項1に記載の二次電池であって、
    前記非水電解液は、前記グライムのモル数と前記炭酸エステルのモル数の合計に対する前記炭酸エステルのモル数の割合が0.85〜0.95である二次電池。
  7. 請求項1に記載の二次電池であって、
    前記電解質層は、熱重量測定における2%重量減少温度が100℃以上である二次電池。
  8. 電解質塩と前記電解質塩を溶解した非水溶媒を含み、
    前記電解質塩は、イミド系リチウム塩と、非イミド系リチウム塩と、であり、
    前記非水溶媒は、グライムと、炭酸エステルと、を含有し、
    前記グライムは、トリグライム、および、テトラグライムのうちの一種以上である非水電解液。
  9. 電解質塩と前記電解質塩を溶解した非水溶媒を含む非水電解液と、前記非水電解液を担持する担持粒子と、を含み、
    前記電解質塩は、イミド系リチウム塩と、非イミド系リチウム塩と、であり、
    前記非水溶媒は、グライムと、炭酸エステルと、を含有し、
    前記グライムは、トリグライム、および、テトラグライムのうちの一種以上である半固体電解質。
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