JP2021050428A - 炭素繊維前駆体繊維束および炭素繊維束の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工程通過性に優れ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が低くても優れたストランド引張強度を発現する炭素繊維束を製造可能とする炭素繊維前駆体繊維束および炭素繊維束の製造方法を提供すること。【解決手段】少なくともノニオン系界面活性剤および25℃における動粘度が3500〜20000mm2/sであるアミノ変性シリコーンを含む油剤が付与されてなる炭素繊維前駆体繊維束であって、油剤中のアミノ変性シリコーンの比率が25〜50質量%である炭素繊維前駆体繊維束である。【選択図】なし

Description

本発明は、工程通過性に優れ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が低くても優れた樹脂含浸ストランド引張強度を発現する炭素繊維束を製造可能とする炭素繊維前駆体繊維束および炭素繊維束の製造方法に関する。
炭素繊維束を用いた複合材料は航空・宇宙用途をはじめとし、自転車やゴルフクラブなどのスポーツ用途などに利用されており、最近では自動車用部材や圧力容器などの産業用途にも展開が進んでいる。産業用途においては、高価な炭素繊維束のコストダウンのために炭素繊維束の生産性を向上することが求められている。炭素繊維束の生産性を向上させるためには、炉の汚染を防ぐことで連続生産性を高めること、毛羽立ちなどの工程トラブル防止を両立させることが必要である。
炭素繊維束の製造方法は、一般に炭素繊維前駆体繊維束を耐炎化炉内において酸化性気体雰囲気下で200〜300℃で加熱して耐炎化繊維束を得て、次いで不活性ガス雰囲気下1200℃以上で加熱して得られる。炭素繊維前駆体繊維束は通常1000〜80000本の単繊維からなるが、耐炎化工程での単繊維同士の融着を防止するため、炭素繊維前駆体繊維束にシリコーンを含有する油剤を付与する方法が広く知られている。
シリコーンを含有する油剤は耐熱性に優れ、単繊維同士の融着の防止に効果を発揮する一方、シリコーンを含有する油剤は加熱により架橋反応が進行して高粘度化し、油剤の組成物が付着した炭素繊維前駆体繊維束の乾燥工程などの後処理工程や、耐炎化工程で使用されるローラーやガイドなどの表面に粘着物が堆積しやすかった。そのため、油剤の組成物が付着した炭素繊維前駆体繊維束や耐炎化繊維束がローラーやガイドに巻き付いたり引っかかったりして毛羽が発生するなど、操業性低下を招くことがあった。
また、炭素繊維前駆体繊維束に付与されたシリコーンを含有する油剤は、炭素繊維前駆体繊維束を熱処理する工程、いわゆる焼成工程(以下、後工程と略すこともある)において酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素などのケイ素化合物を生成しやすかった。ケイ素化合物が生成すると、工業的な生産性や製品の品質の低下につながることが知られている。一方、後工程におけるケイ素化合物を低減させる目的で、油剤中のシリコーン比率を下げることや油剤の付着量を低減させることで炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を低減させると、単繊維間の融着が大きく、樹脂含浸ストランド引張強度(以下、ストランド引張強度と略すこともある)が著しく低下する問題があった。
これらの問題を回避するため、油剤の付着量は変更せずにシリコーンの代替となる有機化合物(非シリコーン系化合物)を用いることでシリコーンの含有量を低減した油剤や、シリコーンを使用しない非シリコーン系化合物の油剤などが提案されている。特許文献1では、ビスフェノール型骨格の両末端にアルキレンオキサイドが付加した化合物およびポリエーテル化合物を含有した油剤により繊維束の集束性および単繊維同士の融着を防止することで安定した操業性が得られることが提案されている。特許文献2では、ビスフェノールA型のアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルである主成分、芳香環1つの芳香族エステルおよびアミノ変性シリコーンを含有した油剤により、操業性低下を抑制しつつ力学特性に優れた炭素繊維束を得ることが提案されている。特許文献3では、シクロヘキサンジメタノールおよびシクロヘキサンジオールを含む油剤が提案されている。
また、シリコーンを含んだ油剤にノニオン系界面活性剤以外の界面活性剤を添加する油剤が報告されている。特許文献4および5では、カチオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤を含有することで制電性および集束性を付与することが提案されている。特許文献6では、アセチレン系界面活性剤およびブレンステッド酸化合物を用いることで保存安定性に優れ、長期保管した炭素繊維前駆体繊維束を用いても操業性低下を抑制しつつ力学特性に優れた炭素繊維束が得られることが提案されている。
国際公開第2016/024451号 国際公開第2012/117514号 特開2012−251269号公報 国際公開2018/100787号 特開2015−052176号公報 国際公開第2018/163739号
しかしながら、背景技術には次のような課題がある。
特許文献1では、油剤の付着量は変更せずに非シリコーン系化合物を用いて炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を低減させていたが、用いたシリコーンの動粘度が低かったため、炭素繊維前駆体繊維束へのケイ素元素の付着率を低減させた際にストランド引張強度が低下するという問題があった。また、シリコーンを用いない場合には単繊維同士の融着が多く発生することで製糸工程において巻き付きが多く発生し、炭素繊維前駆体繊維束を得ることが困難である問題があった。特許文献2では、油剤の付着量は変更せずに非シリコーン系化合物を用いて炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を低減させていたが、用いたシリコーンの動粘度が低いことに加えて、油剤におけるシリコーン比率が低かったことから、製糸工程や後工程において巻き付きが発生する問題があった。特許文献3では、シリコーンを用いていないため単繊維同士の融着が多く発生することで製糸工程において巻き付きが多く発生し、炭素繊維前駆体繊維束を得ることが困難であった。特許文献4〜6では、シリコーンの動粘度は高い例はあったものの、油剤におけるシリコーン比率が高かったために炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を低減させた際にストランド引張強度が低下するという課題が明確になっていなかった。
以上のように、特許文献1〜3のようにシリコーンを用いない、あるいは油剤の付着量は変更せずに非シリコーン系化合物を用いてシリコーンの比率を低減させた油剤が提案されたが、組成が不適切であったため、炭素繊維前駆体繊維束へのケイ素元素の付着率を低減させた場合に、製糸工程や後工程における操業安定性およびストランド引張強度が低下した。また、特許文献4〜6のようにシリコーンの動粘度が高い油剤に関する提案はあったものの、シリコーンの比率を低減させるものではなかったため、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を低減させた場合に製糸工程や後工程における操業安定性およびストランド引張強度が低下した。すなわち、シリコーンの動粘度とシリコーンの比率を適切な範囲に設定することで操業性および力学特性を同時に達成することは容易に着想しえなかった。
本発明では、工程通過性に優れ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が低くても優れたストランド引張強度を発現する炭素繊維束を製造可能な炭素繊維前駆体繊維束および炭素繊維束の製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は次の構成を有する。
すなわち、本発明の炭素繊維前駆体繊維束は、少なくともノニオン系界面活性剤および25℃における動粘度が3500〜20000mm/sであるアミノ変性シリコーンを含む油剤が付与されてなる炭素繊維前駆体繊維束であって、油剤中のアミノ変性シリコーンの比率が25〜50質量%であることを特徴とする。
また、本発明の炭素繊維束の製造方法は、上記の炭素繊維前駆体繊維束を200〜300℃の空気中で耐炎化する耐炎化工程と、該耐炎化工程で得られた耐炎化繊維束を不活性雰囲気下で500〜1200℃で予備炭素化する予備炭化工程と、次いで不活性雰囲気下で1200〜3000℃で炭素化する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の炭素繊維前駆体繊維束用油剤を用いることで、工程通過性に優れ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が低くても優れたストランド引張強度を発現する炭素繊維束を製造することができる。
本発明者らは、工程通過性に優れ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が低くても優れたストランド引張強度を発現する炭素繊維束を製造するための炭素繊維前駆体繊維束に付着させる炭素繊維前駆体繊維束用油剤について、アミノ変性シリコーンとノニオン系界面活性剤とを含有し、アミノ変性シリコーンの動粘度と油剤中のアミノ変性シリコーンの比率との両方をコントロールすることを見出し、本発明に到達した。
まず、本発明の炭素繊維前駆体繊維束に付与される油剤(以下、「炭素繊維前駆体繊維束用油剤」ということもある。)について述べる。
本発明の炭素繊維前駆体繊維束用油剤は、アミノ変性シリコーンを含む。本発明の炭素繊維前駆体繊維束用油剤に用いるアミノ変性シリコーンは、ポリジメチルシロキサンを基本構造とし、側鎖のメチル基の一部がアミノ基で変性されたものである。アミノ基の他にさらに別の変性基が付加されているものも用いることができる。変性基としてのアミノ基はモノアミンタイプでもポリアミンタイプでもよいが、架橋促進の観点からはポリアミンタイプが好ましく、中でもジアミンタイプがさらに好ましく使用される。
アミノ変性シリコーンの25℃における動粘度は、3500〜20000mm/sであり、5000〜19000mm/sが好ましく、7500〜18000mm/sがより好ましく、8000〜18000mm/sがさらに好ましい。25℃における動粘度が3500mm/s以上であれば、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が低い場合においてもストランド引張強度を発現することができ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を最適化することで製糸工程の安定性も十分に高めることができる。25℃における動粘度が20000mm/s以下であれば、付着ムラを抑制できることから工程中の毛羽の発生を抑制することができる。25℃における動粘度は、JIS−Z−8803、あるいはASTM D 445−46Tに準拠して測定することができ、たとえばウッベローデ粘度計を用いて測定できる。
アミノ変性シリコーンにおけるアミノ基(NH)量の指標であるアミノ当量は、1000〜14000g/molが好ましく、1500〜6000g/molがより好ましく、2000〜4000g/molがさらに好ましい。アミノ当量が1000g/mol以上であれば、架橋が進行しすぎることによる付着ムラを抑制できることから工程中の毛羽の発生を抑制することができる。アミノ当量が6000g/mol以下であれば、シリコーンを十分に架橋させることができるため、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が低い場合においてもストランド引張強度を発現することができるため好ましい。アミノ当量の測定方法は、中和滴定など公知の方法により測定できる。アミノ当量は、アミノ変性シリコーンを重合する際のアミンの付加量などによって制御できる。
本発明で使用されるアミノ変性シリコーンは、120℃の空気中で100分熱処理した後の質量をX(mg)、240℃の空気中で100分熱処理した後の質量をY(mg)とした際に、式(1)を満たすことが好ましい。式(1)における右辺は4.8であることがより好ましく、4.5であることがさらに好ましい。
(X−Y)/X×100≦5.0 ・・・(1)。
120℃の空気中で100分熱処理した際の質量は、アミノ変性シリコーン中の高揮発性の成分を除いた質量であるため、式(1)の左辺は、アミノ変性シリコーンの高揮発性の成分を除いた揮発率を意味している。すなわち、アミノ変性シリコーンの耐熱性を意味しており、揮発率が低いほどアミノ変性シリコーンの耐熱性が高いことを意味する。炭素繊維前駆体繊維束に用いられる一般的なアミノ変性シリコーンにおける式(1)の左辺は10前後であるため、一般的なアミノ変性シリコーンは本発明で使用されるアミノ変性シリコーンよりも揮発率が高い。式(1)の右辺が5.0以下であれば、後工程におけるアミノ変性シリコーンの分解が抑制されることから、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が低い場合においても後工程における融着が抑制でき、ストランド引張強度を発現することができるため好ましく、さらに炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を最適化することでき、製糸工程の安定性も十分に高めることができるため好ましい。式(1)右辺の下限に特に制限はなく、5.0以下であれば前記効果を十分に発現できるため好ましい。120℃の空気中で100分熱処理した際の質量X(mg)および240℃の空気中で100分熱処理した際の質量Y(mg)は、熱天秤を含む熱重量分析装置で測定する場合には比表面積が小さく、オイルが揮発しにくくなるため正確に揮発率を測定することができない。そこで、後述のようにアルミ皿のように面積の大きな容器に25mgのアミノ変性シリコーンを比表面積が0.25m/gとなるように塗布した後、120℃の空気中で100分熱処理した際の質量X(mg)および240℃の空気中で100分熱処理した際の質量Y(mg)を測定することが重要である。アミノ変性シリコーンの低揮発性成分を除いた揮発率である式(1)を満たすには、アミノ変性シリコーンの動粘度、アミノ当量、アミノ変性シリコーンの末端官能基や分子量分布を制御することにより達成することができる。
本発明で使用されるアミノ変性シリコーンは、分子量2000g/mol以下の質量分率が4〜10%であることが好ましく、5〜9%であることがより好ましく、6〜8%であることがさらに好ましい。アミノ変性シリコーンは一般的に原料由来のシロキサンが残存していたり、重合が進行しにくかったシリコーンが存在していたりして、低分子量成分の割合が多い。分子量2000g/mol以下の質量分率が4%以上であれば、低分子量成分が潤滑成分として働くことによりシリコーンの付着が均一になりやすく、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が低い場合においてもストランド引張強度を発現することができるため好ましく、さらに炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を最適化することで製糸工程の安定性も十分に高めることができるため好ましい。分子量2000g/mol以下の質量分率が10%以下であれば、アミノ変性シリコーンの揮発分を十分に抑制することができ、工程中の毛羽を抑制することができるため好ましい。アミノ変性シリコーンの分子量2000g/mol以下の質量分率は、ゲル浸透クロマトグラフィーから得られるピーク面積と分子の質量から算出できる。かかる質量分率は、アミノ変性シリコーンの分子量分布シャープ化など特殊な制御を行わないことで達成できる。
本発明の炭素繊維前駆体繊維束用油剤は、ノニオン系界面活性剤を含む。ノニオン系界面活性剤は、乳化剤、制電剤などとして使用される。ノニオン系界面活性剤は、ヒドロキシル基、エーテル結合、酸アミド、エステルなど水に溶解してもイオンを生じない親水基を分子内にもつ界面活性剤を指す。ノニオン系界面活性剤としては、特に限定されず、公知のものを適宜選択して使用することができる。ノニオン系界面活性剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシアルキレン直鎖アルキルエーテル;ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテルなどのポリオキシアルキレン分岐第一級アルキルエーテル;ポリオキシエチレン1−ヘキシルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン1−オクチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン1−ヘキシルオクチルエーテル、ポリオキシエチレン1−ペンチルへプチルエーテル、ポリオキシエチレン1−へプチルペンチルエーテルなどのポリオキシアルキレン分岐第二級アルキルエーテル;ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルケニルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンベンジルフェニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルアリールフェニルエーテル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノミリスチレート、ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジオレート、ポリオキシエチレンジミリスチレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレートなどのソルビタンエステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートなどのポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテートなどのグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンひまし油エーテルなどのポリオキシアルキレンひまし油エーテル;ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテルなどのポリオキシアルキレン硬化ひまし油エーテル;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体の末端アルキルエーテル化物;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体の末端ショ糖エーテル化物;ポリオキシエチレンラウリルアミド、ポリオキシエチレンステアリルアミドなどのポリオキシアルキレンアルキルアミド;2,2−ビス(4−ポリオキシエチレン−オキシフェニル)プロパンなどのポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル;ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステルやトリメリット酸トリイソデシルなどの芳香族エステル;ポリエチレングリコールジアクリレートやペンタエリスリトールテトラステアレートなどの脂肪族エステル;エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、ブチレンオキサイド(BO)などのアルキレンオキサイド(AO)を付加重合させたポリアルキレングリコール;などをあげることができる。
本発明の炭素繊維前駆体繊維束用油剤に含まれるノニオン系界面活性剤は、1種以上がビスフェノール型構造を含むことが好ましく、ビスフェノール型構造を有するノニオン系界面活性剤は、エーテル型であることがより好ましい。ビスフェノール型構造を有するノニオン系界面活性剤のAOのモル数は特に制限はないが、左右のAOのモル数が2〜20が好ましく、4〜15がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。左右のAOのモル数が2以上の場合、アミノ変性シリコーンを乳化させる効果が高くなるためアミノ変性シリコーンが均一付着しやすく、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が低い場合においても後工程における融着が抑制でき、ストランド引張強度を発現することができるため好ましい。左右のAOのモル数が20以下の場合、AOの分解によるラジカル発生が促進されすぎないためアミノ変性シリコーンの架橋が促進されすぎず、架橋が進行しすぎることによる付着ムラを抑制できることから工程中の毛羽の発生を抑制することができるため好ましい。AOは、炭素数2〜4であることが好ましく、炭素数2〜3(オキシエチレン基、オキシプロピレン基)が好ましく、炭素数2のオキシエチレン基がより好ましい。ビスフェノール型構造を有するノニオン系界面活性剤のAOの付加量は、中心部の左、右で一致している必要はないが、一般的にビスフェノール化合物にAOを付加して得られるものであるために、ビスフェノール型骨格からなる中心部の両端に付加しているAOの付加量は、中心部の左、右での付加量があまり相違するものではなくなることが多い。ビスフェノール型構造を有するノニオン系界面活性剤の末端はアルキル基または水素が好ましく、アルキル基の場合は炭素数7〜21の炭化水素基であることが好ましく、9〜15であることがより好ましい。炭化水素基の炭素数が7以上であれば、耐熱性を良好に維持できるので、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が少ない場合においても後工程において融着を十分に抑制できることから、ストランド引張強度を発現することができるため好ましい。炭化水素基の炭素数が21以下であれば、油剤の組成物のエマルションを容易に調製でき、油剤の組成物が前駆体繊維束に均一に付着することから工程中の毛羽の発生を抑制することができるため好ましい。末端が水素の場合は、水との親和性が向上することから油剤中との相溶性が向上し、油剤の組成物が前駆体繊維束に均一に付着することから工程中の毛羽の発生を抑制することができるため好ましい。ビスフェノール型構造を有するノニオン系界面活性剤のうち、エステル型としては、ポリオキシエチレンビスフェノールAジラウレート、ポリオキシエチレンビスフェノールAジステアレート、ポリオキシエチレンビスフェノールAジオレート、トリイソデシルトリメリテートやペンタエリスリトールテトラステアレートなどをあげることができ、エーテル型としては2,2−ビス(4−ポリオキシプロピレンステアリルエーテル−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ポリオキシプロピレンラウリルエーテル−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ポリオキシプロピレンオレイルエーテル−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ポリオキシプロピレン−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ポリオキシエチレンステアリルエーテル−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ポリオキシエチレンラウリルエーテル−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ポリオキシエチレンオレイルエーテル−オキシフェニル)プロパンや2,2−ビス(4−ポリオキシエチレン−オキシフェニル)プロパンなどをあげることができる。
本発明の炭素繊維前駆体繊維束用油剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、アニオン性界面活性剤、カチオン系界面活性剤やアセチレン系界面活性剤などのノニオン系界面活性剤以外の界面活性剤を含有してもよい。
さらに本発明の炭素繊維前駆体繊維束用油剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記した成分以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、酸性リン酸エステル、フェノール系、アミン系、硫黄系、リン系、キノン系などの酸化防止剤;酢酸、安息香酸、アルギニンやリン酸などのブレンステッド酸化合物;高級アルコール・高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、スルホン酸塩、高級アルコール・高級アルコールエーテルのリン酸エステル塩、第4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤、アミン塩型カチオン系界面活性剤などの制電剤、高級アルコールのアルキルエステル、高級アルコールエーテル、ワックス類などの平滑剤、抗菌剤、防腐剤、防錆剤および吸湿剤等があげられる。
本発明の炭素繊維前駆体繊維束に付与される油剤について、油剤中のアミノ変性シリコーンの比率が25〜50質量%であり、27〜45質量%が好ましく、30〜40質量%がより好ましい。ここで、油剤を溶剤などの揮発成分中に乳化・分散させて繊維束に付与し、その後に揮発成分を揮発させて炭素繊維前駆体繊維束を得る場合、炭素繊維前駆体繊維束における油剤とは、揮発成分を除いた不揮発成分のみのことを指す。また、油剤中のアミノ変性シリコーンの比率は、ノニオン系界面活性剤およびその他アミノ変性シリコーン以外の成分を含むすべての成分に対するアミノ変性シリコーンの比率である。油剤中のアミノ変性シリコーンの比率が25質量%以上であれば、アミノ変性シリコーンを炭素繊維前駆体繊維束に十分に付着させることができるため、工程中の毛羽の発生を抑制することができる。油剤中のアミノ変性シリコーンの比率が50%以下であれば、高動粘度のアミノ変性シリコーンとノニオン系界面活性剤の相乗効果を十分に得ることができることから、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が低い場合においても後工程における融着が抑制でき、ストランド引張強度を発現することができる。アミノ変性シリコーンの比率は、油剤の調製時の質量比率を変えることで容易に達成できる。
本発明における炭素繊維前駆体繊維束用油剤は、不揮発成分のみのことを指すが、それ以外に水やアルコールなどの揮発成分を含んでも良い。揮発成分としては前駆体繊維束への油剤の均一付着という観点で水が好ましい。
本発明の炭素繊維前駆体繊維束用油剤は、上記で説明した成分を混合することによって製造することができる。上記で説明した成分を乳化・分散させる方法については特に限定されず、公知の手法が採用できる。このような方法としては、たとえば、炭素繊維前駆体繊維束用油剤を構成する各成分をかく拌下の温水中に投入して乳化分散する方法や、炭素繊維前駆体繊維束用油剤を構成する各成分を混合し、ホモジナイザー、ホモミキサー、ボールミル等を用いて機械せん断力を加えつつ、水を徐々に投入して転相乳化する方法などがあげられる。自己乳化性のあるノニオン系界面活性剤を用いる場合は、水に溶解させて他の成分と混合することもできるし、アミノ変性シリコーンなどの他の成分と同時に乳化する方法を採用することもできる。乳化しにくいエステル系化合物を用いる場合は、エステル系化合物のみを乳化して他の乳化物と混合することもできるし、アミノ変性シリコーンなどの他の成分と同時に乳化する方法を採用することもできる。
次に、本発明の炭素繊維前駆体繊維束を製造する方法について述べる。
本発明において原料として用いられる炭素繊維前駆体繊維束は、ポリアクリロニトリル系重合体を用いることが好ましい。なお、本発明においてポリアクリロニトリル系重合体とは、少なくともアクリロニトリルが重合体骨格の主構成成分となっているものをいい、主構成成分とは、通常、重合体骨格の90〜100質量%を占める構成成分のことをいう。炭素繊維前駆体繊維束の製造において、ポリアクリロニトリル系重合体の製造方法としては、公知の重合方法の中から選択することができる。
本発明で使用される炭素繊維前駆体繊維束は、湿式紡糸または乾湿式紡糸した後、水洗して得られる水膨潤状態の糸条に上述の油剤を付与した後、熱処理することで乾燥することが好ましい。付与方法としては、糸条内部まで均一に付与できることを勘案し、適宜選択して使用すればよいが、具体的には、油剤を適正な乳化剤を使用して水分散液にして調製し、その水分散液を浸漬法、噴霧法、タッチロール法、あるいはガイド給油法などで水膨潤繊維に付与する手段が採用される。
かかる油剤の付着量は、乾燥した本発明の炭素繊維前駆体繊維束に対する油剤の割合が、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.2〜2質量%がさらに好ましい。0.05質量%を下回ると、単繊維同士の融着が生じ、得られる炭素繊維束のストランド引張強度が低下することがある。また、5質量%を超えると、本発明の効果が得にくくなることがある。
乾燥された糸条は、さらに加圧スチーム中または乾熱下で後延伸されるのが、得られる炭素繊維前駆体繊維束の緻密性や生産性の観点から好ましい。後延伸時のスチーム圧力または温度や後延伸倍率は、糸切れ、毛羽発生のない範囲で適宜選択して使用するのがよい。
次に、本発明に用いられる炭素繊維束の製造方法について説明する。
前記した炭素繊維前駆体繊維束を耐炎化処理した後、予備炭素化処理、炭素化処理を順に行うことにより得ることができる。
炭素繊維前駆体繊維束の耐炎化処理は、空気雰囲気中において、200〜300℃の温度範囲で行うことが好ましい。
前記した耐炎化繊維束の製造方法により製造された耐炎化繊維束は、予備炭素化を行うことが好ましい。予備炭素化工程においては、得られた耐炎化繊維束を、不活性雰囲気中、最高温度500〜1200℃において、密度が1.5〜1.8g/cmになるまで熱処理することが好ましい。
前記予備炭素化に引き続いて、炭素化を行う。本発明では、炭素化工程において、得られた予備炭化繊維束を不活性雰囲気中、最高温度1200〜3000℃、好ましくは1200〜1800℃、より好ましくは1200〜1600℃において熱処理する。かかる最高温度は、1200℃以上であれば、炭素繊維束中の窒素含有量が減少し、毛羽立ちなどが少なく工程通過性が良く品位が良い炭素繊維束が製造できる。かかる最高温度が3000℃以下であれば、擦過が少なくなるため毛羽が少なく、品位が良い炭素繊維束が得られる。不活性雰囲気に用いられるガスとしては、窒素、アルゴンおよびキセノンなどを例示することができ、経済的な観点からは窒素が好ましく用いられる。
以上のようにして得られた炭素繊維束は、好ましくは酸化処理が施され、酸素含有官能基が導入される。本発明の電解表面処理については、気相酸化、液相酸化および液相電解酸化が用いられるが、品位が良く、均一処理ができるという観点から、液相電解酸化が好ましく用いられる。本発明において、液相電解酸化の方法については特に制約はなく、公知の方法で行えばよい。
かかる電解処理の後、得られた炭素繊維束に集束性を付与するため、サイジング処理をすることもできる。サイジング剤には、複合材料に使用されるマトリックス樹脂の種類に応じて、マトリックス樹脂との相溶性の良いサイジング剤を適宜選択することができる。
本明細書に記載の各種物性値の測定方法は以下の通りである。
<アミノ変性シリコーンの揮発率測定>
直径60cmのアルミ皿を120℃の空気下で2時間熱処理して離型剤を除去した後、処理した空のアルミ皿を電子天秤に設置し、ゼロ点補正を行う。その後、25mgのアミノ変性シリコーンを比表面積が0.25m/gとなるように塗布した後、120℃の空気中で100分熱処理したアルミ皿を上記天秤に設置し、質量をX(mg)とする。その後、さらも240℃の空気中で100分熱処理したアルミ皿の質量を測定し、質量をY(mg)とする。(X−Y)/X×100によりアミノ変性シリコーンの揮発率を求める。
<アミノ変性シリコーンの分子量2000g/mol以下の質量分率>
アミノ変性シリコーンを、エタノールアミンを添加したテトラヒドロフランを加えて室温で撹拌した後、フィルターを用いてろ過を行い、ろ液をゲル浸透クロマトグラフィーにより測定する。カラムはTSKgel GMHHR−N(φ7.8mm×30cm、東ソー製)を用いる。単分散ポリスチレンにより検量線を作成して、ポリスチレン換算の分子量分布を得る。分子量2000g/mol以下のピーク面積およびすべての分子量範囲のピーク面積の比から質量分率を算出する。
<炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率>
炭素繊維前駆体繊維束0.5〜0.7gを厚み2cmの“テフロン(登録商標)”プレートに巻き、蛍光X線により、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素含有量(質量%)を炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率とする。なお、蛍光X線の測定値をそのまま用いるのではなく、Si量既知の標準物質から検量線を作成し、蛍光X線の測定値をケイ素含有量に換算して前記式で算出する。
<製糸工程の操業性>
炭素繊維前駆体繊維束用油剤が付着した炭素繊維前駆体繊維束を24時間連続して製造した時に、ローラーへ単繊維が巻き付き、除去した頻度により、操業性の評価を行う。評価基準は次の通りとする。
○:除去回数(回/24時間)≦1
△:除去回数(回/24時間)2〜5
×:除去回数(回/24時間)>5。
<炭素繊維束のストランド引張強度>
炭素繊維束のストランド引張強度は、JIS R7608(2004年)の樹脂含浸ストランド試験法に準拠し、次の手順に従い求める。樹脂処方としては、“セロキサイド(登録商標)”2021P(ダイセル化学工業社製)/3フッ化ホウ素モノエチルアミン(東京化成工業(株)製)/アセトン=100/3/4(質量部)を用い、硬化条件としては、常圧、温度125℃、時間30分を用いる。炭素繊維束のストランド10本を測定し、その平均値をストランド引張強度とする。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例における各測定方法は上述の通りである。
<炭素繊維前駆体繊維束用油剤の成分>
(アミノ変性シリコーン(A))
A−1:アミノ変性シリコーン(25℃粘度:18000mm/s、アミノ当量:2000g/mol、変性タイプ:ジアミン、末端:メチル基)
A−2:アミノ変性シリコーン(25℃粘度:10000mm/s、アミノ当量:2000g/mol、変性タイプ:ジアミン、末端:メチル基)
A−3:アミノ変性シリコーン(25℃粘度:10000mm/s、アミノ当量:4000g/mol、変性タイプ:ジアミン、末端:メチル基)
A−4:アミノ変性シリコーン(25℃粘度:3500mm/s、アミノ当量:2000g/mol、変性タイプ:ジアミン、末端:メチル基)
A−5:アミノ変性シリコーン(25℃粘度:2000mm/s、アミノ当量:2000g/mol、変性タイプ:ジアミン、末端:メチル基)
A−6:アミノ変性シリコーン(25℃粘度:1100mm/s、アミノ当量:1700g/mol、変性タイプ:ジアミン、末端:メチル基)
A−7:アミノ変性シリコーン(25℃粘度:1100mm/s、アミノ当量:2000g/mol、変性タイプ:ジアミン、末端:水酸基)
A−8:アミノ変性シリコーン(25℃粘度:ガムのため測定不可(200000mm/s以上)、150℃粘度:2000mm/s、ダウ・東レ(株)製DOWSIL SM8904 COSMETIC EMULSION)。
(ノニオン系界面活性剤(B))
B−1:2,2−ビス(4−ポリオキシエチレン−オキシフェニル)プロパンのうち、エチレンオキサイド12mol(片側に8molずつ)の化合物
B−2:2,2−ビス(4−ポリオキシエチレン−オキシフェニル)プロパンのうち、エチレンオキサイド16mol(片側に6molずつ)の化合物
B−3:2,2−ビス(4−ポリオキシエチレン−オキシフェニル)プロパンのうち、エチレンオキサイド16mol(片側に4molずつ)の化合物
B−4:ポリオキシエチレンビスフェノールAジラウレート
B−5:トリイソデシルトリメリテート
B−6:ポリオキシエチレン7mol付加アルキルエーテル(アルキル基の炭素数は12〜14)、ポリオキシエチレン12mol付加トリスチレン化フェニルエーテルおよびエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(50/50)ブロック共重合体)
B−7:ポリオキシエチレン7mol付加アルキルエーテル(アルキル基の炭素数は12〜14)、ポリオキシエチレン12mol付加トリスチレン化フェニルエーテルおよびエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(50/50)ブロック共重合体)。
(アミノ変性シリコーン(A)乳化物の調製)
上記アミノ変性シリコーンA−1〜A−8をそれぞれB−6により水系乳化して、不揮発分組成として、上記アミノ変性シリコーン/前記ノニオン系界面活性剤(B−6)=80/20の質量比率よりなる、不揮発分20質量%のアミノ変性シリコーンの乳化物を得た。
(ノニオン系界面活性剤(B)の乳化物の調製)
上記ノニオン系界面活性剤B−4、B−5をそれぞれB−6により水系乳化して、不揮発分組成として、ノニオン系界面活性剤(B−4〜B−6)/ノニオン系界面活性剤(B−7)=70/30の質量比率よりなる不揮発分20質量%のノニオン系界面活性剤の乳化物を得た。
(実施例1)
アクリロニトリルとイタコン酸からなる共重合体を、ジメチルスルホキシドを溶媒として溶液重合法により重合させ、ポリアクリロニトリル系共重合体を製造して製糸溶液を得た。得られた製糸溶液を、製糸口金から一旦空気中に吐出し、3℃に制御した35%ジメチルスルホキシドの水溶液からなる凝固浴に導入する乾湿式製糸法により凝固した繊維束とした。この繊維束を、常法により30〜98℃で水洗し、その際の延伸を行った。続いて、この水浴延伸後の繊維束に対して、A−1が組成全体の25質量%の乳化物(B−6を5質量%含む)および65質量%のB−1を混合させた表1の組成の炭素繊維前駆体繊維束用油剤を付与し、160℃の加熱ローラーを用いて、乾燥緻密化処理を行い、単繊維本数12000本としてから、加圧スチーム下、加圧スチーム中で3.7倍延伸することにより、製糸全延伸倍率を13倍として単繊維本数12000本の炭素繊維前駆体繊維束を得た。このとき、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が0.2質量%となるように油剤の濃度を調整して付与した。また、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が0.1質量%となるように油剤の濃度を調整して別途炭素繊維前駆体繊維束を得た。
得られた炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が異なる2種の炭素繊維前駆体繊維束をそれぞれ空気雰囲気230〜280℃のオーブン中で延伸比を1として熱処理し、耐炎化繊維束に転換した。得られた耐炎化繊維束を、最高温度800℃の窒素雰囲気中において予備炭素化処理を行い、予備炭素化繊維束を得た。得られた予備炭素化繊維束を、窒素雰囲気中において最高温度1500℃で炭素化処理を行った。得られた炭素繊維束に表面処理およびサイジング剤塗布処理を行った。炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させてもストランド引張強度が0.1GPaしか低下しない炭素繊維束が得られた。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(実施例2)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤の組成を、A−1が組成全体の30質量%の乳化物(B−6を8質量%)、B−1を62質量%にした以外は実施例1と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.2質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きは見られず、製糸工程の操業性は良好であった。さらに、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させてもストランド引張強度が0.1GPaしか低下しない炭素繊維束が得られた。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(実施例3)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のB−1をB−2にした以外は実施例2と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.2質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きは見られず、製糸工程の操業性は良好であった。さらに、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させてもストランド引張強度が低下しない炭素繊維束が得られた。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(実施例4)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のA−1が組成全体の50質量%の乳化物(B−6を13質量%)、B−1を37質量%にした以外は実施例1と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.2質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きは見られず、製糸工程の操業性は良好であった。さらに、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させてもストランド引張強度が0.2GPaしか低下しない炭素繊維束が得られた。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(実施例5)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤の組成を、B−1の代わりにB−4が組成全体の43質量%の乳化物(B−7を19質量%)にした以外は実施例2と同様にしたところ、ケイ素元素の付着率0.2質量%、0.15質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きは見られず、製糸工程の操業性は良好であった。しかしながら、ケイ素元素の付着率を半減させるとストランド引張強度が0.4GPaとやや低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(実施例6)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のB−4をB−5にした以外は実施例6と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.2質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きは見られず、製糸工程の操業性は良好であった。しかしながら、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させるとストランド引張強度が0.4GPaとやや低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(実施例7)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のA−1をA−2にした以外は実施例2と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.2質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きは見られず、製糸工程の操業性は良好であった。さらに、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させてもストランド引張強度が0.1GPaしか低下しない炭素繊維束が得られた。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(実施例8)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のA−1をA−3にした以外は実施例2と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.2質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きは見られず、製糸工程の操業性は良好であった。さらに、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させてもストランド引張強度が0.1GPaしか低下しない低下しない炭素繊維束が得られた。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(実施例9)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のA−1をA−4にした以外は実施例2と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.2質量%、0.15質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きは見られず、製糸工程の操業性は良好であった。しかしながら、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させるとストランド引張強度が0.3GPaとやや低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例1)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のA−1をA−5にした以外は実施例2と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が0.1質量%のときにややローラーへの単繊維巻き付きが見られた。さらに、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させた場合にストランド引張強度が0.8GPaと低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例2)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のA−1をA−6にした以外は実施例2と同様にしたところ、ケイ素元素の付着率が0.1質量%のときにややローラーへの単繊維巻き付きが見られた。さらに、ケイ素元素の付着率を半減させた場合にストランド引張強度が0.7GPaと低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例3)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のA−1をA−7にした以外は実施例2と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.2質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きは見られず、製糸工程の操業性は良好であった。しかしながら、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させた場合にストランド引張強度が0.6GPaと低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例4)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のA−1をA−7にした以外は実施例2と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.2質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きが見られ、製糸工程の操業性が悪化した。さらに、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させた場合に0.5GPaとストランド引張強度が低下したことに加えて、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.2質量%のストランド引張強度自体も4.0GPaと低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例5)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤の組成を、A−1が組成全体の55質量%の乳化物(B−6を14質量%)、B−1を31質量%にした以外は実施例1と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.2質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きは見られず、製糸工程の操業性は良好であったが、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させた場合に0.6GPaとストランド引張強度が低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例6)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のA−1が組成全体の70質量%の乳化物(B−6を18質量%)、B−3を12質量%にした以外は実施例1と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率が0.1質量%のときにややローラーへの単繊維巻き付きが見られた。さらに、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させた場合に0.7GPaとストランド引張強度が低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例7)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤の組成を、A−1が組成全体の80質量%の乳化物(B−6を20質量%)にした以外は実施例1と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.2質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きは見られず、製糸工程の操業性は良好であったが、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させた場合に0.9GPaとストランド引張強度が低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例8)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のA−1をA−6にした以外は比較例4と同様にしたところ、ケイ素元素の付着率0.2質量%、0.1質量%いずれにおいてもローラーへの単繊維巻き付きは見られず、製糸工程の操業性は良好であったが、ケイ素元素の付着率を半減させた場合に1.1GPaとストランド引張強度が低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例9)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤の組成を、A−1が組成全体の20質量%の乳化物(B−6を5質量%)、B−1を75質量%にした以外は実施例1と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.1質量%の際にローラーへの単繊維巻き付きが見られ、製糸工程の操業性が悪化した。さらに、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させた場合に0.5GPaとストランド引張強度が低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例10)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤の組成を、A−1が組成全体の20質量%の乳化物(B−6を5質量%)、B−4が組成全体の30質量%およびB−5が組成全体の22質量%の乳化物(B−7を23質量%)にした以外は実施例1と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.1質量%の際にローラーへの単繊維巻き付きが見られ、製糸工程の操業性が悪化した。さらに、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させた場合に0.6GPaとストランド引張強度が低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例11)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤のA−1をA−6にした以外は比較例9と同様にしたところ、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率0.1質量%の際にローラーへの単繊維巻き付きが見られ、製糸工程の操業性が悪化した。さらに、炭素繊維前駆体繊維束のケイ素元素の付着率を半減させた場合に0.6GPaとストランド引張強度が低下した。得られた評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例12)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤の組成を、B−1を100質量%にした以外は実施例1と同様にしたところ、ローラーへの単繊維巻き付きが見られ、製糸工程の操業性が著しく悪化したため、後工程のための炭素繊維前駆体繊維を得ることができなかった。評価結果を表1および表2に記載する。
(比較例13)
炭素繊維前駆体繊維束用油剤の組成を、B−4が組成全体の45質量%およびB−5が組成全体の25質量%の乳化物(B−7を30質量%)にした以外は実施例1と同様にしたところ、ローラーへの単繊維巻き付きが見られ、製糸工程の操業性が著しく悪化したため、後工程のための炭素繊維前駆体繊維を得ることができなかった。評価結果を表1および表2に記載する。
Figure 2021050428
Figure 2021050428

Claims (6)

  1. 少なくともノニオン系界面活性剤および25℃における動粘度が3500〜20000mm/sであるアミノ変性シリコーンを含む油剤が付与されてなる炭素繊維前駆体繊維束であって、油剤中のアミノ変性シリコーンの比率が25〜50質量%である炭素繊維前駆体繊維束。
  2. 前記アミノ変性シリコーンが、120℃の空気中で100分熱処理した後の質量をX(mg)、240℃の空気中で100分熱処理した後の質量をY(mg)としたとき、式(1)を満たす請求項1に記載の炭素繊維前駆体繊維束。
    (X−Y)/X×100≦5.0 ・・・(1)
  3. 前記アミノ変性シリコーンの分子量2000g/mol以下の質量分率が4〜10%である請求項1または2に記載の炭素繊維前駆体繊維束。
  4. ビスフェノール型構造を有するノニオン系界面活性剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維束。
  5. 前記ビスフェノール型構造を有するノニオン系界面活性剤がエーテル型である請求項4に記載の炭素繊維前駆体繊維束。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維束を200〜300℃の空気中で耐炎化する耐炎化工程と、該耐炎化工程で得られた耐炎化繊維束を不活性雰囲気下で500〜1200℃で予備炭素化する予備炭化工程と、次いで不活性雰囲気下で1200〜3000℃で炭素化する工程とを備える炭素繊維束の製造方法。
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