JP2021050118A - 耐火材、容器入り耐火材、及び、耐火材の施工方法 - Google Patents
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そして、特許文献1には、前記第1液と前記第2液とを混合して前記難燃性ウレタン樹脂とした後に、該難燃性ウレタン樹脂がすぐに発泡し、時間の経過とともに発泡した状態で硬化することが記載されている。
しかしながら、前記難燃性ウレタン樹脂は、一般に展延性に優れるものではないため、上記のような接合部分に施す耐火処理に用いるのに適したものではない。
しかしながら、ペーストタイプの耐火材に配合する水の量を多くすると、施工後の乾燥中において乾燥収縮の程度が大きくなり、乾燥後の耐火材において、乾燥収縮が原因となるひび割れが生じることが懸念される。
そのため、ペーストタイプの耐火材として、展延性に優れることに加えて、乾燥後にひび割れが生じ難いものが望まれている。
水と、
無機充填剤と、
増粘剤と、
粘結剤と、を含み、
0〜40℃のいずれかの温度においてペネトロ値が40以上80以下である。
また、施工後の乾燥中において乾燥収縮の程度を比較的小さくすることができる。その結果、乾燥後にひび割れが生じ難いものとすることができる。
減水剤をさらに含むことが好ましい。
また、乾燥後にひび割れが生じ難いものとすることができる。
容器に収容された容器入り耐火材であって、
前記容器は、
前記耐火材を収容する筒状の容器本体と、
前記耐火材が吐出される吐出部とを備え、
前記容器本体の一端側に前記吐出部が設けられ、前記容器本体に収容された前記耐火材に前記容器本体の他端側から圧力が加えられて該耐火材が前記吐出部から吐出されるように構成されており、
前記耐火材が上記のいずれかの耐火材である。
上記容器を用いて、前記容器本体内に充填された耐火材を施工箇所に供給し、前記施工箇所において前記耐火材を乾燥固化させる。
このような無機充填剤としては、金属水酸化物、軽量骨材等を用いることができる。金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。軽量骨材としては、フライアッシュ、ガラスバルーン、セラミックバルーン等が挙げられる。また、無機充填剤として、炭酸カルシウムを用いることもできる。
本実施形態に係る耐火材において、前記無機充填剤は、85.0質量%以上99.8質量%以下配合されていることが好ましく、89.0質量%以上99.6質量%以下配合されていることがより好ましい。上記の無機充填剤の配合割合は、配合時の質量割合を意味する。
本実施形態に係る耐火材において、前記増粘剤は、前記無機充填剤の100質量部に対して、0.2質量部以上5質量部以下配合されていることが好ましく、0.5質量部以上2質量部以下配合されていることがより好ましい。上記の増粘剤の配合割合は、配合時の質量割合を意味する。
なお、このような粘着剤は、それ自体が水保持性を有することにより、または、複数集合したときに形成される隙間に水を保持することにより、水保持性を有している。
本実施形態に係る耐火材において、前記粘結剤は、前記無機充填剤の100質量部に対して、0.2質量部以上7質量部以下配合されていることが好ましく、0.5質量部以上3質量部以下配合されていることがより好ましい。上記の粘結剤の配合割合は、配合時の質量割合を意味する。
本実施形態に係る耐火材が前記減水剤を含んでいる場合、その配合割合は、前記無機充填剤の100質量部に対して、0.1質量部以上2質量部以下配合されていることが好ましく、0.2質量部以上1質量部以下配合されていることがより好ましい。上記の減水剤の配合割合は、配合時の質量割合を意味する。
多価アルコール系化合物としては、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
本実施形態に係る耐火材が多価アルコール系化合物を含んでいる場合、その配合割合は、0.01質量%〜25質量%であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。上記の多価アルコールの配合割合は、配合時の質量割合を意味する。
本実施形態に係る耐火材が着色剤を含んでいる場合、その配合割合は、0.01質量%〜0.3質量%であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る耐火材が防腐剤を含んでいる場合、その配合割合は、0.01質量%〜0.5質量%であることが好ましく、0.3質量%以下であることがより好ましい。
上記の耐火材における着色剤及び防腐剤の配合割合は、配合時の質量割合を意味する。
本明細書において、不燃材とは、コーンカロリーメータを用いて、ISO5660に準拠して発熱性試験を行ったときに、(1)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること、(2)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと、及び、(3)加熱開始後20分間、発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えないこと、の3要件を充足する材を意味する。
なお、上記発熱性試験の試験片としては、平面寸法100mm×100mm、厚さ50mm以内の板状部材を用いることができる。
ペネトロ値が40以上80以下の値を示す温度範囲は、0〜40℃の間で、10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。また、ペネトロ値が40以上80以下の値を示す温度範囲は、0〜40℃の間で、30℃以下であることが好ましい。
ペネトロ値とは、所定の条件下で特定の円錐型コーンを所定形状に成形されたペースト組成物に落下、貫入させたときの円錐型コーンの貫入距離(mm)の値(無次元)である。ペネトロ値は、ペースト組成物の硬さの指標となる値であり、この値が大きいほど、ペースト組成物が軟らかいことを意味する。
(1)作業台にビニールシートを載置し、該ビニールシート上に内径106mm、高さ75mmの中空円筒状の型枠を載置した後、該型枠の中空部に、空隙が生じないように測定試料(ペースト組成物)を充填する。なお、測定試料の充填は、ビニールシートごと前記型枠を持ち上げて、前記型枠を前記作業台に打ちつけながら行う。
(2)コテを用いて、前記型枠に充填された測定試料の上面(前記作業台と接していない面)を平滑に仕上げる。
(3)ペネトロメータに、底面直径41±1.0mm、高さ92±2.0mm、先端角24±1.0°、質量400±2gの円錐型のステンレス貫入コーンを、コーン先端部が鉛直下方を向くようにセットする。
(4)ステンレス貫入コーンのコーン先端部を測定試料の上面に当接させ、そのときのゲージの指示値(指示値1)を読み取る。
(5)コーン先端部と測定試料の上面との距離が65±3mmとなるように、ステンレス貫入コーンを鉛直上方に持ち上げた後、自然落下させてコーン先端部を上面側から測定試料に進入させ、ゲージの指示値が一定値となったときの値(指示値2)を読み取る。
(6)コーン先端部が進入する位置を変えた2箇所について、上記(5)を行って、2箇所についての指示値2を読み取る。
(7)(5)及び(6)において、異なる3箇所について読み取った指示値2の値を算術平均し、算術平均した値から指示値1を減じた値を算出し、この算出した値をペネトロ値とする。
なお、上記(1)〜(6)は、0〜40℃のいずれかの温度の環境で行う。
前記容器は、前記容器本体の一端側に設けられた前記吐出口から前記耐火材を吐出させるために前記容器本体の他端側が押し潰されるチューブタイプのものであってもよいし、前記容器本体がシリンダとなって、該容器本体に他端側からピストン状の部材が押し込まれることで前記吐出部から前記耐火材が吐出されるカートリッジタイプのものであってもよい。
本実施形態に係るカートリッジ1は、筒状のカートリッジ容器10の一端面の中央部分に、該筒体の一端面を基端として、前記筒体の延在方向に先細となるように円錐状に延びる吐出部20を備えている。本実施形態に係るカートリッジ1では、吐出部20は、軸中心がカートリッジ容器10の軸中心と一致するように備えられている。
カートリッジ容器10に充填された耐火材は、吐出部20を通って外部に吐出される。
したがって、施工箇所に供給するために、前記耐火材をカートリッジ1の吐出部20から吐出させているときに、途切れることなく連続的に前記耐火材を前記施工箇所に供給することができる。
前記欠損箇所が施工箇所となる例としては、図5(a)、(b)に示すような、不燃化粧パネル80の欠損部分S4等が挙げられる。
また、図3(b)に示すように、貫通空隙S2への耐火材の供給は、貫通空隙S2の一方面側の全域を覆うように行われる。
さらに、図4(b)に示すように、壁70は、床板60の設置面に対して上下方向及び左右方向に延びるように構成されているので、床板60と壁70との接合部分S3は、床板60の設置面に対して左右方向に延びるように形成される。
また、図5(b)に示すように、不燃化粧パネル80の欠損部分S4は、不燃化粧パネル80の設置面に対して左右方向に延びるように形成されている。
また、施工箇所において乾燥固化させた後に、ひび割れが生じ難い耐火材を用いて施工を行う必要がある。
上記したように、本実施形態に係る耐火材の施工方法では、0〜40℃のいずれかの温度において、ペネトロ値が40以上80以下となる耐火材を用いるので、図2〜5に示したような各施工箇所に供給しているときに、途切れることなく連続するように供給することができる。また、施工箇所において乾燥固化させた後に、ひび割れが生じ難くなる。
以下の表1に示す配合で、実施例1〜10及び比較例1〜6に係る耐火材を調製した。耐火材の調製は、水(分散媒)以外の各成分を水に添加した後、万能ミキサを用いて水以外の各成分を添加した水を混練することにより行った。
なお、以下の表1においては、増粘剤、粘結剤、減水剤、及び、分散媒の配合割合は、無機充填剤の100質量部に対する値を記載している。
ペネトロ値の測定は、ペネトロメータにセットした貫入コーンを用いて、以下のようにして測定した。
(1)作業台にビニールシートを載置し、該ビニールシート上に内径106mm、高さ75mmの中空円筒状の型枠を載置した後、該型枠の中空部に、空隙が生じないように測定試料(ペースト組成物)を充填した。なお、測定試料の充填は、ビニールシートごと前記型枠を持ち上げて、前記型枠を前記作業台に打ちつけながら行った。
(2)コテを用いて、前記型枠に充填された測定試料の上面(前記作業台と接していない面)を平滑に仕上げた。
(3)ペネトロメータに、底面直径41±1.0mm、高さ92±2.0mm、先端角24±1.0°、質量400±2gの円錐型のステンレス貫入コーンを、コーン先端部が鉛直下方を向くようにセットした。
(4)ステンレス貫入コーンのコーン先端部を測定試料の上面に当接させ、そのときのゲージの指示値(指示値1)を読み取った。
(5)コーン先端部と測定試料の上面との距離が65±3mmとなるように、ステンレス貫入コーンを鉛直上方に持ち上げた後、自然落下させてコーン先端部を上面側から測定試料に進入させ、ゲージの指示値が一定値となったときの値(指示値2)を読み取った。
(6)コーン先端部が進入する位置を変えた2箇所について、上記(5)を行って、2箇所についての指示値2を読み取った。
(7)(5)及び(6)において、異なる3箇所について読み取った指示値2の値を算術平均し、算術平均した値から指示値1を減じた値を算出し、この算出した値をペネトロ値とした。
各例に係る耐火材について、カートリッジへの充填適性、展延性、及び、乾燥後のひび割れについて評価した結果を以下の表2に示した。
上記評価項目のうち、カートリッジへの充填適性は、各例に係る耐火材に触れたときの触感により評価した。カートリッジへの充填適性が極めて高いものを◎と評価し、カートリッジへの充填適性が高いものを〇と評価し、カートリッジへの充填適性が低いものを×と評価した。
また、展延性については、各例に係る耐火材を充填したカートリッジをコーキングガンに装着し、カートリッジの吐出部の先端側を切断し(切断後の口径は約10mm)、カートリッジの吐出部から250mmの長さまで耐火材を吐出させたときに、耐火材が途切れずに連続して吐出されているか否かを目視にて評価した。途切れずに連続して吐出されているものを◎と評価し、途切れながら吐出されているものを×を評価した。
さらに、乾燥後のひび割れは、施工箇所に供給して乾燥させた耐火材を目視にて観察することにより行った。ひび割れが極めて少ないものを◎と評価し、ひび割れが少ないものを〇と評価し、ひび割れがやや多いものの実用上問題のないものを△と評価し、ひび割れが極めて多く実用上問題があるものを×と評価した。
実施例4、5、及び7に係る耐火材は、充填適性については高いという結果が得られ、展延性及びひび割れについては極めて優れるという結果が得られた。
実施例6に係る耐火材は、ひび割れが少ないという結果が得られ、充填適性及び展延性については極めて優れるという結果が得られた。
実施例10に係る耐火材は、ひび割れがやや多いものの実用上問題のないという結果が得られ、充填適性及び展延性については極めて優れるという結果が得られた。
これに対し、比較例1〜6に係る耐火材は、少なくとも展延性がいずれも不良であるという結果が得られた。
この結果から、ペネトロ値を40以上80以下とすることにより、展延性に優れ、かつ、乾燥後にひび割れが生じ難い耐火材とすることが可能となることが分かった。
Claims (4)
- 水と、
無機充填剤と、
増粘剤と、
粘結剤と、を含み、
0〜40℃のいずれかの温度において、ペネトロ値が40以上80以下である
耐火材。 - 減水剤をさらに含む、
請求項1に記載の耐火材。 - 容器に収容された容器入り耐火材であって、
前記容器は、
前記耐火材を収容する筒状の容器本体と、
前記耐火材が吐出される吐出部とを備え、
前記容器本体の一端側に前記吐出部が設けられ、前記容器本体に収容された前記耐火材に前記容器本体の他端側から圧力が加えられて該耐火材が前記吐出部から吐出されるように構成されており、
前記耐火材が請求項1または2に記載の耐火材である
容器入り耐火材。 - 請求項3に記載の容器を用いて、前記容器本体内に充填された耐火材を施工箇所に供給し、前記施工箇所において前記耐火材を乾燥固化させる
耐火材の施工方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH05156255A (ja) * | 1990-12-05 | 1993-06-22 | Nitto Boseki Co Ltd | 防耐火性パテ |
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