JP4412889B2 - 床または屋根パネル用接着剤、床または屋根パネルの接合構造、およびその接合方法 - Google Patents

床または屋根パネル用接着剤、床または屋根パネルの接合構造、およびその接合方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床または屋根パネル用接着剤、床または屋根パネルの接合構造、およびその接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、床または屋根の施工は、ALC(軽量気泡コンクリート)等により形成された耐火パネルの複数枚をつなぎ合わせることによって行われている。ここで、パネルを接合させる方法としては、接合部(目地部)にモルタルや水ガラス系接着剤を充填する方法、あるいは目地部内に金具を設けてパネルを固定する方法が一般的である。
【0003】
充填材としてモルタルを使用する場合には、例えば特開平10−183839号公報(特許文献1)に開示されているように、隣り合うパネルの接合面にそれぞれ溝部を設けておく。そして、両パネルの接合面を合わせた後、向かい合う2つの溝部によって形成される接合溝の内部に、モルタルを流し込んで固化させる。
【0004】
また、充填材として水ガラス系接着剤を使用する場合には、隣り合うパネルの接合面を実目地構造とし、一方のパネルの接合面に凹条部を、他方のパネルの接合部に凸条部を設け、凹条部の内面に水ガラス系接着剤を塗布した後、ここに凸条部を嵌め合わせて接着させる。
【0005】
また、金具を使用する場合には、例えば特開平5−295827号公報(特許文献2)に開示されているように、金具の下端部を梁に固定し、上端部には固定プレートを取り付けて、固定プレートと梁とで隣り合う2枚のパネルを挟み付けるようにして固定する。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−183839号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平5−295827号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、モルタルにより接合する方法では、パネルを組み立てた後に、その作業現場でモルタルを調合して充填するという工程が余分に必要となる。また、均質な仕上がりとすることが困難であること、狭い接合溝にモルタルを流し込む作業が困難であること、周囲にこぼれ落ちたモルタルを除去する清掃作業に手間がかかること、等の問題がある。このため、施工工程が非常に煩雑となってしまう。
【0009】
一方、水ガラス系接着剤により接着する方法では、次に述べるような問題点がある。
【0010】
第1に、水ガラス系接着剤は、粘度が大きいために施工性に劣るという問題がある。すなわち、接着剤が流動性に欠けるため、パネル同士を突き合わせても凹条部と凸条部との間の隙間で容易には広がらず、相当に大きな力でパネルを寄せなければならない。また、形成される接着剤層の厚さが不均一となったり、目地部に大きな隙間ができてしまうおそれもある。このため、接着剤の塗布厚さや塗布量を厳密に管理しなければならないが、粘度の高い接着剤を薄く均一に塗布することは非常に困難である。
【0011】
この問題を解決するためには、接着剤に水を添加して粘度を下げることも考えられる。しかし、水の添加量が多すぎれば、接着剤の硬化時の収縮が大きくなるため、この収縮応力によってパネルにクラックを生じさせるおそれがある。そして、このようにクラックが存在すれば、火災時にパネルの反りによってパネルがクラック部分から破断しやすくなるため、耐火性が低下してしまう。
【0012】
第2に、火災時に接着剤が収縮して脆くなり、目地部から脱落してしまう場合がある。このような場合には、目地部に隙間ができるため、火炎や熱がこの隙間からパネルの裏面側に伝わり、耐火性を保てなくなってしまう。
【0013】
第3に、水ガラス系接着剤は硬化後の硬さが極めて大きくなるため、パネルに荷重がかかった場合の応力を吸収できない。このため、接着剤層の破断や接着剤層とパネルとの界面での剥離が起こる前に、パネルの表面層が接着剤層に追随して剥がれてしまい、床または屋根全体としての強度や耐火性がかえって低下してしまう場合がある。特に、ALCは破断応力が約0.5N/mmであり、比較的強度の低い材料であるため、この問題が顕著となる。
【0014】
また、金具によりパネルを固定する方法では、例えば複数階層の家屋において、上層階で床に衝撃が生じた場合に、金具を通して下層階へ重量衝撃音が伝達し易いこと、また、火事の際に金具を通して熱がパネルの裏面側に伝達しやすいこと、等の問題がある。
【0015】
これらの問題を解決するために、例えば外装材のシーリングに使用されている耐火性のシリコン系シーリング材を利用することも考えられる。しかし、シリコン系シーリング材は非常に高価であるために、施工コストが大幅に上昇してしまう。
【0016】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価で施工性に優れるとともに、耐火性、耐衝撃性、荷重強度等の優れた性質を付与できる床または屋根パネル用接着剤、床または屋根パネルの接合構造、およびその接合方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、安価で施工性に優れるとともに、優れた性質を付与できる床または屋根パネル用接着剤、床または屋根パネルの接合構造、およびその接合方法を開発すべく鋭意研究してきたところ、アクリル樹脂エマルジョンに炭酸カルシウムを混合するとともに、炭酸カルシウムの比率を硬化後の床または屋根パネル用接着剤の重量に対して50%以上75%以下とすることにより、耐火性を確保でき、かつ安価な床または屋根パネル用接着剤が得られることを見出した。加えて、粘度を30mPa・s以上60mPa・s以下に調整することにより、施工性を向上できること、硬化後の引張強度を0.5N/mm以下とすることで、目地部に応力を吸収させ、パネルの表面層が接着剤層に追随して剥がれてしまうことを防止できることを見出した。さらには、このような床または屋根パネル用接着剤を、パネルの接合面に凹凸を有するいわゆる実目地構造に適用することで、優れた床または屋根パネルの接合構造を安価に提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、かかる新規な知見に基づいてなされたものである。
【0018】
すなわち、本発明は、軽量気泡コンクリートにより形成された複数のパネルの目地部を互いに接合させるための床または屋根パネル用接着剤であって、アクリル樹脂エマルジョンと炭酸カルシウムとを含み、かつ、火災時の熱を受けて発泡・膨張して前記目地部の気密性が維持されるように、前記炭酸カルシウムの比率が硬化後の前記床または屋根パネル用接着剤の重量に対して50%以上75%以下とされるとともに、粘度が30mPa・s以上60mPa・s以下であり、かつ、硬化後の引張強度が、前記パネルの破断応力である0.5N/mm以下とされることにより、火災時に火炎や熱が前記目地部を通って前記パネルの裏面側に伝わることを防止するようにされていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の床または屋根パネルの接合構造は、軽量気泡コンクリートにより形成された複数のパネルの目地部を互いに接合させてなる床または屋根パネルの接合構造であって、一のパネルと、他のパネルと、前記一のパネルの端面と前記他のパネルの端面との間に設けられて前記一のパネルと前記他のパネルとを接着する接着剤層とを備えるとともに、 前記接着剤層はアクリル樹脂と炭酸カルシウムとを含み、かつ、火災時の熱を受けて発泡・膨張して前記目地部の気密性が維持されるように、前記炭酸カルシウムの比率が前記接着剤層の重量に対して50%以上75%以下とされるとともに、硬化後の引張強度が、前記パネルの破断応力である0.5N/mm以下とされることにより、火災時に火炎や熱が前記目地部を通って前記パネルの裏面側に伝わることを防止するようにされていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の床または屋根パネルの接合方法は、軽量気泡コンクリートにより形成された一のパネルの端面と他のパネルの端面とを互いに接合させる床または屋根パネルの接合方法であって、前記一のパネルの端面または前記他のパネルの端面のうち一方に接着剤を塗布する塗布工程と、前記一のパネルの端面と前記他のパネルの端面とを接着する接着工程とを含むとともに、前記接着剤は、アクリル樹脂エマルジョンと炭酸カルシウムとを含み、かつ、火災時の熱を受けて発泡・膨張して前記目地部の気密性が維持されるように、前記炭酸カルシウムの比率が硬化後の前記床または屋根パネル用接着剤の重量に対して50%以上75%以下とされるとともに、粘度が30mPa・s以上60mPa・s以下であり、かつ、硬化後の引張強度が、前記パネルの破断応力である0.5N/mm以下とされることにより、火災時に火炎や熱が前記目地部を通って前記パネルの裏面側に伝わることを防止するようにされていることを特徴とする。
【0021】
本発明の床または屋根パネル用接着剤(以下、単に「接着剤」と称することがある)、床または屋根パネルの接合構造、およびその接合方法において、アクリル樹脂としては、接着剤の成分として通常使用されるものであれば特に制限はなく、アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルの重合体、これらの共重合体、またはこれらと他のモノマーとの共重合体を使用することができる。
【0022】
本発明において、炭酸カルシウムは、火災時に熱によって分解してガスを発生し、接着剤層を膨張させる発泡剤としての役割を果たす。また、樹脂分が燃焼して生じた炭化物を炭化層として目地部内に保持する役割も果たす。このような炭酸カルシウムの働きによって、火災時にも目地部の気密性が充分に保持される。この2つの効力を充分に発揮させるために、炭酸カルシウムは硬化後の接着剤の重量、または接着剤層の重量に対して50%以上であることが必要で、60%以上であることが好ましい。しかし、炭酸カルシウムの量が多すぎれば、接着剤層の柔軟性が失われ、パネルにかかる応力を充分に吸収できなくなるため、75%以下であることが必要で、70%以下であることが好ましい。
【0023】
なお、本発明において、「硬化後の接着剤の重量」とは、接着剤が硬化し、アクリル樹脂エマルジョンに含まれていた水がすべて揮散した状態での重量をいう。
【0024】
本発明の床または屋根パネル用接着剤は、粘度が30mPa・s以上60mPa・s以下であることが必要であり、40mPa・s以上60mPa・s以下であることが好ましい。粘度が低すぎれば、塗布する際に接着剤の垂れ落ちが生じるため、好ましくない。また、粘度が高すぎれば、上記した水ガラス系接着剤の場合と同様の問題が生じるため、好ましくない。なお、ここでいう「粘度」とは、回転粘度計を使用し、回転数4rpm、温度20±3℃の条件で測定することにより得られた値をいう。
【0025】
また、本発明においては、硬化後の接着剤、または接着剤層の引張強度がALC製パネルの破断応力以下、すなわち0.5N/mm以下であることが必要である。パネルにかかる応力を目地部で吸収させることによって、パネルの表面層が接着剤層に追随して剥がれてしまい、床または屋根全体としての荷重強度や耐火性が低下してしまうことを防止するためである。なお、ここでいう「引張強度」とは、JIS K 6251(加硫ゴムの引張試験方法)に準じて測定することにより得られた値をいう。
【0026】
本発明の床または屋根パネル用接着剤には、必要に応じて分散剤、凍結防止剤、可塑剤等の添加剤が含まれていてもよい。特に、可塑剤を用いると、原料であるアクリル樹脂エマルジョンの種類や炭酸カルシウムの配合量にかかわらず、引張強度を好ましい範囲に調整することができるため好ましい。具体的には、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、塩素化パラフィン、ポリオキシプロピレン−o−メチルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン−p−メチルフェニルエーテル、ポリブテン等を単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0027】
本発明の床または屋根パネル用接着剤は、実目地構造の目地部に対して好ましく適用することができる。
【0028】
本発明の床または屋根パネルの接合方法においては、凹部側に接着剤を塗布してから凸部を嵌め込んでも良く、凸部側に接着剤を塗布してから凹部を嵌め込んでも良い。特に、床パネルの接合においては、接着剤を、凸部においてパネルが敷設された状態で上側を向く側面に塗布することが、施工性、及び局所的に荷重がかかった場合にその荷重を周囲のパネルに分散させ易いという点から好ましい。
また、このとき、接着剤の塗布量は、6cm/m〜134cm/mであることが好ましい。特に、上記のように接着剤を、凸部においてパネルが敷設された状態で上側を向く側面に塗布する場合には、塗布量は6cm/m〜34cm/mであることが好ましく、13cm/m〜20cm/mであることがより好ましい。一方、接着剤を凸部もしくは凹部の全体に塗布する場合には、塗布量は34cm/m〜134cm/mであることが好ましい。塗布量が少なすぎれば、接着力が充分に得られず、また、多すぎれば、凹部と凸部とを嵌め合わせる際に接着剤が目地部から溢れ出してしまうため、好ましくない。
【0029】
また、下面側からの風の吹き上げ(吹き上げ荷重)の影響が大きい屋根の場合には、本発明の床または屋根パネルの接合構造と、従来の金具による接合構造を併用することが効果的である。但し、このような構造は、高度の耐火性を要求されない建築物に対して適用することが望ましい。火災時に、熱が金具を介して裏面側に伝達される可能性があるためである。
【0030】
【発明の作用、および発明の効果】
本発明によれば、床または屋根パネル用接着剤は、アクリル樹脂エマルジョンと炭酸カルシウムとが含まれるとともに、炭酸カルシウムの比率は硬化後の床または屋根パネル用接着剤の重量に対して50%以上75%以下とされている。このような構成によれば、火災時の熱を受けて炭酸カルシウムが発泡剤として作用するから、接着剤層が発泡して膨張し、目地部の気密性が高められる。これにより、火炎や熱が目地部を通過してパネルの裏面側に伝わることを防ぐことができる。また、炭酸カルシウムは、接着剤層に含まれる樹脂分が燃焼しても、この燃焼により生じた炭化物を炭化層として目地部内に保持させ、目地部の気密性を維持する。これにより、火炎や熱が目地部を通過してパネルの裏面側に伝わることを防ぐことができる。さらに、アクリル樹脂は、耐火性シーリング材等に広く用いられているシリコン系樹脂等と比較して安価であるため、施工コストを低減することができる。
【0031】
加えて、粘度を30mPa・s以上60mPa・s以下に調整することにより、接着剤に、接合面に塗布する際の垂れ落ちがなく、かつ、パネル同士を突き合わせる際に接合面間で容易に広がる程度の流動性を持たせることができ、施工性を向上できる。また、硬化時の引張強度を0.5N/mm以下とすることで、パネルに反りが生じた場合、あるいは荷重がかかった場合に、応力を目地部に吸収させることができる。これにより、パネルの表面層が接着剤層に追随して剥がれてしまい、床または屋根全体としての荷重強度や耐火性が低下してしまうことを防止できる。
【0032】
さらに、可塑剤を混合することにより、アクリル樹脂エマルジョンの種類や炭酸カルシウムの配合量にかかわらず、引張強度を好ましい範囲に調整することができる。これにより、床または屋根パネル用接着剤の設計の自由度が広がるから、用途に応じた最適な配合の接着剤を提供することができる。
【0033】
また、本発明の床または屋根パネルの接合構造によれば、目地部は、一のパネルの端面に設けられた凹部と、他のパネルの端面に設けられた凸部とを嵌め合わせる実目地構造をなし、この嵌合部分に接着剤層が備えられている。このような構造では、嵌合部分がパネルの端面から内側に位置し、ここに接着剤層が配されることとなるため、目地部内に火炎や熱が進入したとしても、接着剤層にまでは到達しにくい。そして、この実目地構造に、比較的安価で扱い易いアクリル樹脂と炭酸カルシウムとを組み合わせた接着剤層を適用することによって、充分な耐火性を保持しつつ、施工性の向上、および施工コストの低減を図ることができる。
【0034】
また、隣接するパネル同士が接着剤層により一体化されているので、一部のパネルに局所的に荷重がかかった場合や、衝撃が加わった場合に、目地部を通じて隣接するパネルに荷重・衝撃を分散させることができる。さらには、気密性や防音性の向上も期待できる。これにより、荷重強度や耐衝撃性に優れた床または屋根の接合構造を提供することができる。特に、局所的な荷重がかかりやすい床において、本発明の接合構造を好ましく適用することができる。
【0035】
また、本発明の床または屋根パネルの接合方法においては、接着剤を、凸部においてパネルが敷設された状態で上側を向く側面に塗布することが好ましい。ここで、パネルの施工の際には、既に嵌め込まれたパネルの上面に作業員が乗り、接着剤の塗布作業を行うことが通常である。また、床の施工においては、端部のパネル(内壁に接するパネル)の嵌め込みのしやすさへの考慮から、先に嵌め込まれたパネルの凸部側に、次のパネルの凹部を合わせるようにして接合して行く場合が多い。このため、接着剤を、凸部においてパネルが敷設された状態で上側を向く側面に塗布することで、塗布作業や塗布量の管理を容易に行うことができる。
【0036】
また、特に床においては、上方から衝撃が加えられることが殆どであり、下方からということは滅多にない。そこで、凸部においてパネルが敷設された状態で上側を向く側面に接着剤層を形成させておけば、この接着剤層がクッション材としての役割を果たすことにより、重量衝撃音を和らげることができる。この結果、上層階で発生した重量衝撃音が下層階へ伝わりにくい床構造とすることができる。
【0037】
また、接着剤の塗布量を6cm/m〜134cm/mとすることで、充分な接着力を確保しつつ、過剰な接着剤が目地部から溢れ出すことを防止することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図3を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態は、本発明のパネルの接合構造、および接合方法を、木造住宅における床2の施工に適用したものである。
【0039】
図1には、複数枚のパネル1を接合することにより形成された床2を示した。パネル1は、軽量気泡コンクリート(ALC)により長尺の板状に形成されている。このパネル1の長尺側の側端面のうち、一方の側端面3(本発明の端面に該当する)には、長尺方向に延びる溝状の凹条部5(本発明の凹部に該当する)が凹設されている。また、他方の側端面4には、上記の凹条部5に嵌入可能な凸条部6(本発明の凸部に該当する)が長尺方向に延びて突設されている。
【0040】
床2は、長尺の柱状に形成された支持材を用いて所定の工法で配設された梁材10の上に、パネル1を敷設することにより構成されている。パネル1は、短辺側の両端部、および長尺方向の中央位置の3箇所で梁材10に支持されるようにして、3本の梁材10の間に差し渡されている。そして、各パネル1は、それぞれの梁材10に各2本のビス11により固定されている。
【0041】
幅方向に隣接するパネル1は、凹条部5側の側端面3と凸条部6側の側端面4とが互いに対向するように設置されている。そして、その合わせ目(以下、目地部7と称する)は、凹条部5と凸条部6とを嵌め合わせることにより接合されたいわゆる実目地構造となっている。この目地部7には、床または屋根パネル用接着剤8(以下、単に「接着剤8」という)を充填することにより接着剤層9が形成されており、これにより2枚のパネル1が接着されている(図2参照)。この接着剤層9は、アクリル樹脂と炭酸カルシウムとを主成分とし、引張強度が約0.15N/mmとなるように調整されたものである。
一方、長さ方向に隣接するパネル1の接合部は、突き付けとされて合わせ目に隙間のない構造となっている。
【0042】
床2を組み立てる際には、まず、第1のパネル1A(本発明の一のパネルに該当する)を、両端部および中央位置がそれぞれ梁材10に支持されるようにして敷設する。
【0043】
次に、この第1のパネル1Aにおける凸条部6に、接着剤8を塗布する(図1、図2参照)。接着剤8としては、例えば樹脂分60%のアクリル樹脂エマルジョン100重量部と、分散剤としてのポリメタクリル酸ナトリウムの40%水溶液1重量部と、凍結防止剤としてのエチレングリコール3重量部と、可塑剤としてのジー2−エチルヘキシルフタレート35重量部と、炭酸カルシウム200重量部とを混合したものを使用できる。このとき、接着剤8の粘度は、約50mPa・sに調製されており、塗布される際に垂れ落ちが生じることがなく、かつ、2枚のパネル1A、1Bを突き合わせる際に容易に押し広げられる程度の適度な流動性を有するようになっている。
【0044】
このとき、作業員は、既に嵌め込まれた第1のパネル1Aの上面に乗った状態で接着剤8の塗布作業を行うので、接着剤8を、凸条部6において上側を向く側面6Aに塗布するようにすることで、作業を容易に行うことができる。また、接着剤8の塗布量を6cm/m〜34cm/mとなるように調整する。
【0045】
次いで、第1のパネル1Aに隣接する第2のパネル1B(本発明の他のパネルに該当する)を敷設する。このとき、第1のパネル1Aにおける凸条部6側の側端面3と、第2のパネル1Bにおける凹条部5側の側端面4とが対向するように、第2のパネル1Bを配する。そして、パネル1Aにパネル1Bを突き合わせて凹条部5を凸条部6に嵌め合わせ、所定時間放置して接着剤層9を硬化させる。このようにして、2枚のパネル1A、1Bが接合される。
この後、同様にして所定枚数のパネル1を順次接合させる。最後に、各パネル1を、それぞれの梁材10に各2本のビス11により固定する(図3参照)。
【0046】
このとき、接着剤8は適度な流動性を有するように粘度が調製されているので、2枚のパネル1A、1Bを突き合わせた際に、凸条部6と凹条部5との間で容易に広がり、均一な薄い接着剤層9が形成される。このため、施工を容易に行うことができる。また、接着剤8の塗布量が6cm/m〜34cm/mに調整されているため、過剰な接着剤8が目地部7から溢れ出して周囲を汚すことを防止できる一方、充分な接着力を確保することができる。
【0047】
また、接着剤層9は、凸条部6においてパネルが敷設された状態で上側を向く側面に形成される。このような構造によれば、床2の上面に重いものが落下した場合等に、この接着剤層9がクッション材としての役割を果たすことにより、衝撃を和らげることができる。この結果、上層階で発生した重量衝撃音が下層階へ伝わりにくい床構造とすることができる。
【0048】
さらに、隣接するパネル1同士が接着剤層9により一体化されているので、一部のパネル1に局所的に荷重がかかった場合に、目地部7を通じて隣接するパネル1に荷重を分散させることができる。
【0049】
さて、火災が生じ、床2の表面が熱せられた場合には、炭酸カルシウムが発泡剤として作用するため、接着剤層9が発泡し、膨張する。これにより、目地部7の気密性が高まるから、火炎や熱が目地部7を通って床2の裏面側へ抜けることが防止される。さらに、接着剤層9は基本的には可燃性のアクリル樹脂を含むものであるから、最終的に燃焼してしまう場合もある。しかし、接着剤層9に含まれる炭酸カルシウムが、樹脂の燃焼により生じた炭化物を炭化層として目地部7内に保持させ、目地部7の気密性を維持する役割を果たす。そして、この炭化層により、火炎や熱が目地部7を通って床2の裏面側へ抜けることが防止される。
【0050】
また、火災時の熱を受けてパネル1に反りを生じる場合がある。しかし、目地部7に形成された接着剤層9は、引張強度がALCの破断応力である0.5N/mmよりも小さくされている。このため、パネルが大きく反った場合でも、接着剤層9の破断、あるいは接着剤層9とパネル1との界面での剥離が起こるのみであって、パネル1の表面層が接着剤層9に追随して剥がれてしまうということがない。また、接着剤層9の破断、あるいは接着剤層9とパネル1との界面での剥離が起こった場合でも、上述のように炭酸カルシウムの働きにより接着剤層9が膨張し、目地部の気密性が保たれるため、火炎や熱が目地部7を通って床2の裏面側へ抜けることがない。このように、床2全体としての強度や耐火性が低下してしまうことを回避できる。
【0051】
さらに、目地部7は凸条部6と凹条部5とが嵌め合わされた、いわゆる実目地構造となっており、ここに接着剤層9が形成されている。このような構造では、嵌合部分がパネル1の側端面3、4から内側に位置し、ここに接着剤層9が配されることとなるため、目地部7内に火炎や熱が進入しても、この嵌合部分の接着剤層9にまでは到達しにくい。したがって、高価なシリコン樹脂等を使用しなくとも、充分な耐火性を得ることができ、施工コストの低減を図ることができる。
【0052】
<第2実施形態>
以下、本発明を具体化した第2実施形態について、図4〜図8を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態は、本発明のパネルの接合構造、および接合方法を、屋根の施工に適用したものである。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
図4には、複数枚のパネル1を接合することにより形成された屋根15を示した。パネル1は、第1実施形態と同様にALCにより形成されており、側端面3、4に凹条部5、凸条部6が備えられている。
【0054】
屋根15は、H型鋼を用いて所定の工法で配設された梁材12の上に、パネル1を敷設することにより構成されている。パネル1は、短辺側の両端部がそれぞれ梁材12に支持されるようにして、隣り合う2本の梁材12の間に差し渡されている。
【0055】
幅方向に隣接するパネル1は、第1実施形態と同様に、その合わせ目(以下、長辺側目地部7Aと称する)が実目地構造となっており、この長辺側目地部7Aには、接着剤8を充填することにより接着剤層9が形成されている。
【0056】
また、長さ方向に隣接するパネル1は、僅かな隙間を空けて設置されており、その合わせ目(以下、短辺側目地部7Bと称する)には、フックボルト13が設けられている。フックボルト13はL字型に形成されており、L字の下辺部分はフック部13Aとされ、溶接により梁材12の上面に固着されている。また、L字の側辺部分は上方へ向かって立ち上げられており、その先端側は、後述するプレート14をねじ付け可能なボルト部13Bとされている。
【0057】
さらに、パネル1の上面部には、隣り合う2枚のパネル1に渡って、フックボルト13のボルト部13Bを中心にした円形状に座掘り加工が施されており、ここにプレート14が嵌め込まれている(図8参照)。プレート14は、円盤状に形成されて、その中心位置にはねじ孔14Aが設けられており、このねじ孔14Aをフックボルト13のボルト部13Bにねじ付けることにより、フックボルト13に固定されている。このようにして、パネル1の短辺部が、梁材12とプレート14との間で押さえ込み固定されることにより、屋根15が下面側からの風の吹き上げ(吹き上げ荷重)に耐える構造となっている。
【0058】
屋根15を組み立てる際には、まず、梁材12の上面においてパネル1の短辺側目地部7Bと整合する位置、すなわち幅方向中央位置に、フックボルト13を溶接により固定する(図4参照)。このとき、フックボルト13は、フック部13Aの長さ方向がパネル1の短辺側の側面(短辺小口面)に沿うようにする。そして、第1のパネル1Aを、短辺側の両端部がそれぞれ隣り合う2本の梁材12に支持されるようにして敷設する。
【0059】
次に、この第1のパネル1Aにおける凹条部5に、接着剤8を塗布する(図4、図5参照)。このとき、接着剤8の塗布量を34cm/m〜134cm/mとなるように調整する。接着剤8は、第1実施形態と同様の組成を有しており、塗布される際に垂れ落ちが生じることがなく、かつ、2枚のパネル1A、1Bを突き合わせる際に容易に押し広げられる程度の適度な流動性を有するようになっている。
【0060】
次いで、第1のパネル1Aに隣接する第2のパネル1Bを敷設する。このとき、第1のパネル1Aにおける凹条部5側の側端面3と第2のパネル1Bにおける凸条部6側の側端面4とが対向するように、第2のパネル1Bを配する。そして、パネル1Aにパネル1Bを突き合わせて凸条部6を凹条部5に嵌め合わせ、所定時間放置して接着剤層9を硬化させる。このようにして2枚のパネル1A、1Bが接合される。この後、同様にして所定枚数のパネル1を順次接合させる。
【0061】
この後、パネル1の上面部に、工具16を用いて、フックボルト13のボルト部13Bを中心にして円形状に座掘り加工を施す(図6参照)。座掘り加工は、プレート14の厚みである6mmの深さまで行う。そして、この座掘り部分にプレート14を嵌め込み、ねじ孔14Aをフックボルト13のボルト部13Bにねじ付ける(図7、図8参照)。さらに、プレート14のねじ孔14Aとフックボルト13のボルト部13Bとを溶接することにより緩み止めを行い、パネル1をしっかりと固定する。このようにして、パネル1の短辺部が、梁材12とプレート14との間で押さえ込み固定されることにより、屋根15が下面側からの風の吹き上げ(吹き上げ荷重)に耐える構造とされる。
【0062】
また、詳細に図示はしないが、屋根15へのパネル1の敷設施工において、短辺側目地部7Bにロックウールやセラミックファイバー等の耐火充填材を充填するとともに、表面側を接着剤でシーリングすると、耐火性がさらに向上するため好ましい。
【0063】
このように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の組成を有する接着剤8を、第1実施形態と同様の実目地構造に適用することにより、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。同時に、このような接合構造を、フックボルト13やプレート14等の金具を用いた接合構造と併用することで、屋根15を吹き上げ荷重に耐える構造とすることができる。
【0064】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
[接着剤の性能についての実施例群]
<実施例1>
1.接着剤の調製
以下に示すモノマー組成のものを公知の条件で乳化重合させ、樹脂分60重量%のアクリル酸アルキルエステル共重合体エマルジョンを調製した。
2−エチルヘキシルアクリレート 60重量%
n−ブチルアクリレート 33重量%
アクリロニトリル 5重量%
アクリル酸 2重量%
【0065】
このアクリル樹脂エマルジョン100重量部に、分散剤としてポリメタクリル酸ナトリウムの40%水溶液を1重量部加えて、混合機で均一になるまで撹拌した。次いで、この混合物に3重量部のエチレングリコール(凍結防止剤)と、35重量部のジ−2−エチルヘキシルフタレート(可塑剤)と、100重量部の炭酸カルシウムとをこの順序で加え、均一になるまで撹拌した。なお、撹拌は混合物の温度を25±5℃に保持しながら、50分間行った。また、撹拌中に真空ポンプで混合機内を減圧し、5分間脱泡を行った。
【0066】
2.試験方法
1)粘度
上記1で調製した接着剤をガラス瓶に入れ、23±3℃の恒温槽中で、東京計器(株)製BH型粘度計(ローターNo.7、4rpm)を用いて測定した。
【0067】
2)流動性試験
流動性試験の手順を図9に示す。
上記1で調製した接着剤20を、φ5mmのノズルを用いてフレキシブル板21上に所定量押し出した。次いで、高さ2mmのスペーサ22を、この接着剤20の両側に設置した。次に、この接着剤20上に、50mm×50mmに切断したALC板23を載置し、このALC板23上に重り(図示せず)を載せた。このとき、ALC板23と重りとの重量の和が150gとなるようにした。この状態で24時間放置した後、フレキシブル板21の板面とALC板23の板面との距離Lを測定し、流動性の指標とした。
【0068】
3)スランプ試験
JIS A1439(建築用シーリング材の試験方法)に準じて測定した。
内寸5mm×10mm、長さ100mmのアルミニウム製の溝型容器に、上記1で調製した接着剤を充填した。直ちに、この溝型容器を垂直に懸垂して一時間静置した。溝型容器の下端からの接着剤が垂れ落ちを目視により観察した。
【0069】
4)接着試験
JIS A 5548に準じて測定した。
70mm×70mmのALC板の板面に、上記1で調製した接着剤を厚さ2mmとなるように塗布した。この板面上に、40mm×40mmのALC板を載置し、その上に500gの重りを載せて30秒間静置した。重りを除去し、20±3℃で7日間養生した後、50±3℃でさらに7日間養生して硬化させた。
この試験体について、引張試験機(東洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−5T)を用いて、引張速度3mm/minで測定を行い、接着強さを求めた。
【0070】
5)引張試験
JIS K 6251に準じて測定した。
平滑な板の上に離型紙を置き、その上に2mmのスペーサを載置した。この離型紙上に、上記1で調製した接着剤を厚さ2mmとなるように塗布し、表面を平滑に仕上げた。そして、20±3℃で7日間養生した後、50±3℃でさらに7日間養生して硬化させた。得られたシート状の接着剤をダンベル状3号形に切り出し、試験片とした。
この試験片について、引張試験機(同上)を用いて、引張速度200mm/minで測定を行い、引張強度、および破断時の伸びを求めた。
【0071】
6)燃焼試験
燃焼試験の手順を図10に示す。
12mm×25mm×75mmのALC板30の板面上に、側端から5mm離して、先端をφ3mmに切断したカートリッジのノズルを用いて、上記1で調製した接着剤32を線状に塗布した。この板面の四隅に、厚さ2mmのスペーサ31を配し、このスペーサ31を挟んでもう1枚のALC板33を重ねた。この状態で、室温で7日間養生して接着剤32を硬化させ、試験体とした。
この試験体の側面から、炎の長さを40mmに調整したガスバーナー34で試験体を加熱した。接着剤32が完全に燃焼したら加熱を停止し、接着剤層32の状態を目視観察した。
【0072】
<実施例2>
炭酸カルシウムを150重量部とした他は、実施例1と同様にして接着剤を調製し、試験を行った。
【0073】
<実施例3>
炭酸カルシウムを200重量部とした他は、実施例1と同様にして接着剤を調製し、試験を行った。
【0074】
<実施例4>
炭酸カルシウムを250重量部とした他は、実施例1と同様にして接着剤を調製し、試験を行った。
【0075】
<比較例1>
炭酸カルシウムを35重量部とした他は、実施例1と同様にして接着剤を調製し、試験を行った。
【0076】
<比較例2>
炭酸カルシウムを50重量部とした他は、実施例1と同様にして接着剤を調製し、試験を行った。
【0077】
<比較例3>
炭酸カルシウムを75重量部とした他は、実施例1と同様にして接着剤を調製し、試験を行った。
【0078】
<比較例4>
炭酸カルシウムを300重量部とした他は、実施例1と同様にして接着剤を調製し、試験を行った。
【0079】
<比較例5>
炭酸カルシウムを350重量部とした他は、実施例1と同様にして接着剤を調製し、試験を行った。
【0080】
3.結果と考察
硬化後の接着剤の重量に対する炭酸カルシウムの比率を表1に示した。
【0081】
【表1】
Figure 0004412889
【0082】
1)粘度
各実施例および比較例について、粘度、流動性試験およびスランプ試験の結果を表2に示した。なお、スランプ試験において、接着剤が全く垂れ落ちない場合を○、僅かに垂れ落ちた場合を△、大きく垂れ落ちた場合を×とした。
【0083】
【表2】
Figure 0004412889
【0084】
表2より、流動性試験において、接着剤の粘度が59.0mPa・s以下(実施例1〜4、比較例1〜3)の場合には、フレキシブル板の板面とALC板の板面との距離Lが2mmとなっていた。すなわち、接着剤はALC板と重りによってスペーサと同じ高さになるまで押し潰されていた。このように接着剤が流動性を有する状態であれば、2枚のパネルを突き合わせる際に接着剤が凸条部と凹条部との間で容易に広がり、施工性に優れるものと考えられる。しかし、接着剤の粘度が60mPa・s(比較例4、5)を超えた場合では、距離Lは2.5mm、3.7mmであり、接着剤はALC板と重りによって押し潰されていなかった。このように接着剤が流動性に欠ける状態では、2枚のパネルを突き合わせる際に接着剤が凸条部と凹条部との間で容易に広がらず、施工性に劣るものと考えられる。
【0085】
また、スランプ試験において、接着剤の粘度が36.5mPa・s以上(実施例1〜4、比較例4、5)では、接着剤の垂れ落ちは観察されなかった。また、接着剤の粘度が30.0mPa・s(比較例3)では、接着剤は僅かに垂れ落ちたのみであった。一方、接着剤の粘度が30mPa・s未満(比較例1、2)では、接着剤の垂れ落ちが大きかった。
【0086】
以上より、接着剤の粘度を30mPa・s以上60mPa・s以下とすることにより、施工性が良好となることがわかった。
【0087】
2)引張強度
各実施例および比較例について、接着試験、引張試験の結果を表3に示した。また、炭酸カルシウムの比率と接着強さとの関係を示すグラフを図15に、炭酸カルシウムの比率と引張強度、および破断時の伸びとの関係を示すグラフを図16に、それぞれ示した。
【0088】
【表3】
Figure 0004412889
【0089】
表1、表3および図15より、炭酸カルシウムの比率が50.3%以下(比較例1〜3、実施例1)では、接着強さは約0.110N/mm〜0.146N/mmであり、低い値で推移した。炭酸カルシウムが60.2%以上(実施例2〜4)になると、接着強さは急激に増大し、71.6%(実施例4)の場合に約0.28N/mmに達した。これは、炭酸カルシウムの比率が増大することにより、接着剤層の硬度が大きくなったことによるものと考えられる。
【0090】
しかし、炭酸カルシウムの比率をさらに増大させる(比較例4、5)と、接着強さは急激に低下した。これは、接着剤層における樹脂分の比率が相対的に低下し、接着剤層とALC板との界面での接着性が低下したことが影響しているものと考えられる。
【0091】
表1、表3および図16より、炭酸カルシウムの比率が増大するにつれて引張強度は緩やかに増大し、71.6%(実施例4)の場合に約0.19N/mmに達した。そして、さらに炭酸カルシウムの比率をさらに増大させると、引張強度は急激に増大し、75.2%(比較例4)の場合に約0.35N/mmであった。また、炭酸カルシウムの比率が78.0%(比較例5)の場合には、引張強度はALCの破断応力を超え、約0.66N/mmに達した。
また、破断時の伸びは炭酸カルシウムの比率の増大に比例して低下し、接着剤層の柔軟性が低下していることが分かった。
【0092】
このように、炭酸カルシウムの比率が大きくなれば、接着剤層の硬度が大きくなり、接着強さおよび引張強度が増大する一方で、柔軟性が失われ、パネルの反り応力を吸収しにくくなってしまう。そして、炭酸カルシウムの比率が大きくなりすぎれば、樹脂分の比率が相対的に低下するために接着強さも低下してしまう。 これらより、炭酸カルシウムの比率を75%以下とすることが必要で、70%以下とすることがより好ましいことがわかった。
【0093】
3)燃焼試験
各実施例および比較例について、燃焼試験の結果を表4に示した。なお、表4において、接着剤が炭化層となってALC板の間に残留している場合を○、炭化層は形成されていないが、燃えかすがALC板の間に残留している場合を△、接着剤が完全に脱落している場合を×とした。
【0094】
【表4】
Figure 0004412889
【0095】
表4より、炭酸カルシウムの比率が60.2%以上(実施例2〜4、比較例4〜5)では、接着剤層が炭化層となってALC板の間に残留していた。また、炭酸カルシウムの比率が50.3%(実施例1)の場合では、接着剤層は炭化層を形成していなかったが、燃えかすがALC板の間に残留していた。しかし、炭酸カルシウムの比率が43.1%以下(比較例1〜3)では、接着剤層が灰となって完全に脱落していた。
【0096】
以上より、火災時に目地部の気密性を保持させるためには、炭酸カルシウムの比率を50%以上とすることが有効であり、60%以上とすることがより好ましいことが分かった。
【0097】
[床パネルの荷重伝達効果についての実施例群]
<実施例5>
1.試験体の作成
パネルとしては、ALC製の床パネル(80×600×1820mm)で、目地部に実目地構造を有するものを使用した。なお、このパネルは、縦鉄筋(直径5mm、長さ1790mm)と横鉄筋(直径5mm、長さ500mm)とからなる格子状補強鉄筋2枚を上下に連結させたカゴ状補強鉄筋が埋設されたものである。
梁材としては、105mm角で、長さ910mmの木下地を使用した。また、接着剤としては、上記実施例1と同様に調整されたものを用いた。
このパネル及び梁材を使用して、試験体を作成した(図11、図12参照)。
3本の梁材40を等間隔で並列させて設置した。パネル41を、短辺側の両端部がそれぞれ両端の梁材40に支持され、長尺方向の中央位置が真中の梁材40に支持されるようにして、3本の梁材40の間に差し渡した。隣り合うパネル41は、一方のパネル41の凹条部と、他方のパネル41の凸条部とを嵌め合わせることにより接合し、目地部42には接着剤を充填した。このようにして、幅方向に3枚のパネル41が並列された試験体を作成した。なお、各パネル41は、それぞれの梁材40に各2本のビス43により固定した。
【0098】
2.荷重試験
並列された3枚のパネル41のうち中央のパネル41Bにおいて、隣接する2本の梁材40の中間位置(図11中、DG−3〜DG−4間、およびDG−9〜DG−10間)に、加圧板44を、パネル41Bの幅方向に平行となる向きで載置した。この加圧板44に、上方から油圧ジャッキ45により荷重を加え、曲げひび割れ荷重、および最大荷重(破壊荷重)を測定した。また、このパネル41B、および外側のパネル41A、41Cについて、それぞれ隣接する2本の梁材40の中間位置であって、かつ幅方向両端から僅かに内寄りの位置を測定点(図11中、DG−1〜DG−12で示す)とし、たわみ量を測定した。
【0099】
<比較例6>
目地部に接着剤を使用しなかった他は、上記実施例5と同様にして試験体を作成し、試験を行った。
【0100】
3.結果と考察
実施例5、および比較例6において、荷重を加えたパネルの曲げひび割れ荷重、および最大荷重を表5に示した。
また、油圧ジャッキによる荷重を250kgf、500kgf、1000kgfとした場合の、実施例5における各測定点でのたわみ量を示すグラフを図17に、比較例6における各測定点でのたわみ量を示すグラフを図18に、それぞれ示した。なお、グラフ中「測定位置」は、外側のパネルのうち一方のパネル41Aの端縁を0とし、この端縁から各測定点までの距離で表した。
【0101】
【表5】
Figure 0004412889
【0102】
表5より、目地部に接着剤を使用しなかった比較例6においては、曲げひび割れ荷重は1317kgf、最大荷重は3507kgfであった。一方、目地部に接着剤を充填した実施例5においては、曲げひび割れ荷重が1697kgf、最大荷重が4380kgfと大きくなっており、より大きな荷重に耐えられるようになっていた。
【0103】
また、図17、および図18より、比較例6においては、測定距離600mm〜1200mmの測定点におけるたわみ量が大きく、測定距離0mm〜600mm、および1200mm〜1800mmの測定点ではほとんどたわみが観察されなかった。一方、実施例5においては、測定距離600mm〜1200mmの測定点におけるたわみ量が比較例6よりも小さくなっており、測定距離0mm〜600mm、および1200mm〜1800mmの測定点でのたわみが僅かに増大していた。このように、目地部に接着剤を用いた場合には、荷重がかけられている中央のパネルのたわみ量が小さくなる一方、外側のパネルのたわみ量が大きくなることがわかった。
【0104】
このことから、一部のパネルに局所的に大きな荷重がかかっても、目地部に形成された接着剤層を通して隣接するパネルに負荷が分散されることにより、全体としてより大きな荷重に耐えられるようにすることができることがわかった。
[床パネルの衝撃緩和効果についての実施例群]
【0105】
<実施例6>
1.試験体の作成
実施例5と同様にして、試験体を作成した。
【0106】
2.衝撃試験
並列された3枚のパネル41のうち中央のパネル41において、一方の端部側の梁材40Aと真中の梁材40Bとの中間位置であって、かつ幅方向の中央位置(図中、DG−22)に、10kgのナス型重り46を60cmの高さから落下させた(図12、13参照)。このパネル41B、および外側のパネル41A、41Cについて、それぞれ隣接する2本の梁材40のの中間位置であって、かつ幅方向の中央位置を測定点(図13中、DG−21〜DG−26で示す)とし、変位量を測定した。
【0107】
<比較例7>
目地部に接着剤を使用しなかった他は、上記実施例5と同様にして試験体を作成し、試験を行った。
【0108】
3.結果と考察
実施例6、および比較例7において、各測定点における変位量を表6に示した。また、各測定点における変位量の経時変化を示すチャートを図19に示した。
【0109】
【表6】
Figure 0004412889
【0110】
表6および図19より、目地部に接着剤を充填した実施例6においては、接着剤を使用しなかった比較例6と比較して、重りの落下点(DG−22)での変位量が少なくなっている一方で、他の測定点での変位量が増大していた。
このことから、重りの落下点の受ける衝撃が目地部に形成された接着剤層を通してパネル全体に分散されることにより、落下点での衝撃が緩和されることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における床の施工の様子を示す斜視図
【図2】第1実施形態におけるパネルの接合工程を示す断面図
【図3】第1実施形態における床の斜視図
【図4】第2実施形態における屋根の施工の様子を示す斜視図
【図5】第2実施形態におけるパネルの接合工程を示す断面図
【図6】第2実施形態におけるパネルに座掘り加工を施す様子を示す斜視図
【図7】第2実施形態におけるパネルを金具で固定する様子を示す斜視図
【図8】第2実施形態における屋根の斜視図
【図9】流動性試験の手順を示す図
【図10】燃焼試験の手順を示す図
【図11】荷重試験の手順を示す上面図
【図12】荷重試験の手順を示す側面図
【図13】衝撃試験の手順を示す上面図
【図14】衝撃試験の手順を示す側面図
【図15】炭酸カルシウムの比率と接着強さとの関係を示すグラフ
【図16】炭酸カルシウムの比率と引張強度、および破断時の伸びとの関係を示すグラフ
【図17】荷重試験における目地部に接着剤を使用した場合のパネルのたわみ量を示すグラフ
【図18】荷重試験における目地部に接着剤を使用しなかった場合のパネルのたわみ量を示すグラフ
【図19】衝撃試験におけるパネルの変位量の経時変化を示すチャート
【符号の説明】
1…パネル
1A…第1のパネル(一のパネル)
1B…第2のパネル(他のパネル)
3、4…側端面(端面)
5…凹条部(凹部)
6…凸条部(凸部)
6A…側面
8…床または屋根パネル用接着剤
9…接着剤層

Claims (13)

  1. 軽量気泡コンクリートにより形成された複数のパネルの目地部を互いに接合させるための床または屋根パネル用接着剤であって、
    アクリル樹脂エマルジョンと炭酸カルシウムとを含み、かつ、火災時の熱を受けて発泡・膨張して前記目地部の気密性が維持されるように、前記炭酸カルシウムの比率が硬化後の前記床または屋根パネル用接着剤の重量に対して50%以上75%以下とされるとともに、
    粘度が30mPa・s以上60mPa・s以下であり、かつ、
    硬化後の引張強度が、前記パネルの破断応力である0.5N/mm以下とされることにより、火災時に火炎や熱が前記目地部を通って前記パネルの裏面側に伝わることを防止するようにされていることを特徴とする床または屋根パネル用接着剤。
  2. 前記炭酸カルシウムの比率が硬化後の前記床または屋根パネル用接着剤の重量に対して60%以上75%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の床または屋根パネル用接着剤。
  3. 前記目地部が、一のパネルの端面に設けられた凹部に他のパネルの端面に設けられた凸部を嵌入させて接合する実目地構造であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の床または屋根パネル用接着剤。
  4. 軽量気泡コンクリートにより形成された複数のパネルの目地部を互いに接合させてなる床または屋根パネルの接合構造であって、
    一のパネルと、他のパネルと、前記一のパネルの端面と前記他のパネルの端面との間に設けられて前記一のパネルと前記他のパネルとを接着する接着剤層とを備えるとともに、
    前記接着剤層はアクリル樹脂と炭酸カルシウムとを含み、かつ、火災時の熱を受けて発泡・膨張して前記目地部の気密性が維持されるように、前記炭酸カルシウムの比率が前記接着剤層の重量に対して50%以上75%以下とされるとともに、
    前記接着剤層の引張強度が、前記パネルの破断応力である0.5N/mm 以下とされることにより、火災時に火炎や熱が前記目地部を通って前記パネルの裏面側に伝わることを防止するようにされていることを特徴とする床または屋根パネルの接合構造
  5. 前記目地部が、前記一のパネルの端面に設けられた凹部と、前記他のパネルの端面に設けられて前記凹部に嵌入可能な凸部と、前記凹部と前記凸部との間に設けられて前記一のパネルと前記他のパネルとを接着する前記接着剤層とを備える実目地構造であることを特徴とする、請求項4に記載の床または屋根パネルの接合構造
  6. 前記炭酸カルシウムの比率が前記床または屋根パネル用接着剤層の重量に対して60%以上75%以下であることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の床または屋根パネルの接合構造
  7. 前記接着剤層が、前記凸部において、前記パネルが敷設された状態で上側を向く側面に形成されていることを特徴とする、請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の床または屋根パネルの接合構造
  8. 軽量気泡コンクリートにより形成された一のパネルの端面と他のパネルの端面とを互いに接合させる床または屋根パネルの接合方法であって、
    前記一のパネルの端面または前記他のパネルの端面のうち一方に接着剤を塗布する塗布工程と、
    前記一のパネルの端面と前記他のパネルの端面とを接着する接着工程とを含むとともに、
    前記接着剤は、アクリル樹脂エマルジョンと炭酸カルシウムとを含み、かつ、火災時の熱を受けて発泡・膨張して前記目地部の気密性が維持されるように、前記炭酸カルシウムの比率が硬化後の前記床または屋根パネル用接着剤の重量に対して50%以上75%以下とされるとともに、粘度が30mPa・s以上60mPa・s以下であり、かつ、硬化後の引張強度が、前記パネルの破断応力である0.5N/mm 以下とされることにより、火災時に火炎や熱が前記目地部を通って前記パネルの裏面側に伝わることを防止するようにされていることを特徴とする床または屋根パネルの接合方法
  9. 前記一のパネルの端面には凹部が設けられ、前記他のパネルにおいて前記一のパネルの前記端面と対向する端面には前記凹部に嵌入可能な凸部が設けられ、
    前記塗布工程においては前記凹部または前記凸部のうち一方に接着剤を塗布し、
    前記接着工程においては前記凹部と前記凸部とを嵌め合わせて前記一のパネルと前記他のパネルとを接着することを特徴とする、請求項8に記載の床または屋根パネルの接合方法
  10. 前記炭酸カルシウムの比率が硬化後の前記床または屋根パネル用接着剤の重量に対して60%以上75%以下であることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の床または屋根パネルの接合構造。
  11. 前記接着剤の塗布量が6cm /m〜134cm /mであり、塗布幅が0.3cm〜6.7cmであることを特徴とする、請求項8〜請求項10のいずれか一項に記載の床または屋根パネルの接合方法。
  12. 前記接着剤が、前記凸部において前記パネルが敷設された状態で上側を向く側面に塗布されることを特徴とする、請求項8〜請求項10のいずれか一項に記載の床または屋根パネルの接合方法。
  13. 前記接着剤の塗布量が6cm /m〜34cm /mであり、塗布幅が0.3cm〜1.7cmであることを特徴とする、請求項12に記載の床または屋根パネルの接合方法。
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