JP2021049996A - 樹脂製容器、蓋材付き樹脂製容器、複合容器、蓋材付き複合容器および樹脂製容器の製造方法 - Google Patents

樹脂製容器、蓋材付き樹脂製容器、複合容器、蓋材付き複合容器および樹脂製容器の製造方法 Download PDF

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Hisashi Aizawa
恒 相澤
亀田 克巳
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Abstract

【課題】胴部を薄肉化することにより軽量化を図るとともに、使用する樹脂量を低減することが可能な、樹脂製容器、蓋材付き樹脂製容器、複合容器、蓋材付き複合容器および樹脂製容器の製造方法を提供する。【解決手段】樹脂製容器10は、胴部20と、胴部20の下方に設けられた底部30と、胴部20の上端に設けられたフランジ部40とを備えている。胴部20の厚みT1は、0.1mm以上0.3mm以下である。底部30の厚みT2は、0.3mm以上0.7mm以下である。フランジ部40の厚みT3は、0.5mm以上1.0mm以下である。【選択図】図1A

Description

本開示は、樹脂製容器、蓋材付き樹脂製容器、複合容器、蓋材付き複合容器および樹脂製容器の製造方法に関する。
従来より、食品等の内容物を収容するとともに蓋材によって密閉される容器として、シート成形または射出成形等によって作製された容器が知られている(例えば、特許文献1、2)。特許文献1には、容器の断熱性が高い食品用シート成形容器が開示されている。また、特許文献2には、ポリエステル樹脂より成り、成形性が良好なインジェクション成形品が開示されている。
特開2013−245021号公報 特開2000−141397号公報
一方、樹脂製容器は、全体として軽量化が求められている。また、環境負荷の低減を目的として、樹脂製容器に使用する樹脂量の低減が求められている。しかしながら、シート成形によって作製された容器では、シート成形の特性上胴部を薄肉化することは出来ても、フランジの肉厚を薄くすることは困難である。このため、樹脂製容器の軽量化を図ることが困難であるとともに、使用する樹脂量を低減することは困難である。また飲用時にはフランジに唇を付けて内容物を飲むが、シート成形ではフランジ端面にエッジ(鋭利部)が発生するので、唇の当たり心地が悪くなる可能性がある。
また、射出成形によって作製された容器では、胴部や底部の厚みを薄くした場合、射出成形の特性上、フランジ部の厚みも胴部や底部の厚みに合わせて薄くなる。これにより、蓋材のフランジ部に対するシール性や、蓋材の開封性が低下する可能性があり、容器の薄肉化を図ることが困難である。このため、樹脂製容器の軽量化を図ることが困難であるとともに、使用する樹脂量を低減することは困難である。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、胴部を薄肉化することにより軽量化を図るとともに、使用する樹脂量を低減することが可能な、樹脂製容器、蓋材付き樹脂製容器、複合容器、蓋材付き複合容器および樹脂製容器の製造方法を提供することを目的とする。
一実施の形態による樹脂製容器は、カップ状の樹脂製容器であって、胴部と、前記胴部の下方に設けられた底部と、前記胴部の上端に設けられたフランジ部とを備え、前記胴部の厚みは、0.1mm以上0.3mm以下であり、前記底部の厚みは、0.3mm以上0.7mm以下であり、前記フランジ部の厚みは、0.5mm以上1.0mm以下である、樹脂製容器である。
一実施の形態による樹脂製容器は、カップ状の樹脂製容器であって、胴部と、前記胴部の下方に設けられた底部と、前記胴部の上端に設けられたフランジ部とを備え、前記胴部の厚みは、0.1mm以上0.3mm以下であり、前記底部の厚みは、0.3mm以上0.7mm以下であり、前記フランジ部の厚みは、1.0mm以上2.5mm以下であり、垂直断面において、前記フランジ部の上面と外縁との間の角部および前記フランジ部の下面と前記外縁との間の角部の少なくとも一方が、半径0.3mm以上0.7mm以下の円弧形状である、樹脂製容器である。
一実施の形態による樹脂製容器において、前記樹脂製容器は、コンプレッションブロー成形により作製されていてもよい。
一実施の形態による樹脂製容器において、前記胴部に、前記胴部の変形を抑制する補強部が形成されていてもよい。
一実施の形態による樹脂製容器において、前記胴部に、樹脂製容器同士を重ねた際に、樹脂製容器同士が固着することを規制する規制部が形成されていてもよい。
一実施の形態による樹脂製容器において、前記底部の底面には、ゲート痕が存在しなくてもよい。
一実施の形態による蓋材付き樹脂製容器は、本開示による樹脂製容器と、前記樹脂製容器を密閉する蓋材とを備える、蓋材付き樹脂製容器である。
一実施の形態による複合容器は、本開示による樹脂製容器と、前記樹脂製容器の前記胴部の少なくとも一部を覆うスリーブとを備える、複合容器である。
一実施の形態による複合容器において、前記胴部の外面に、径方向外方に突出するか、あるいは径方向内方に凹む第1係合部が形成され、前記スリーブに、前記第1係合部に係合する第2係合部が形成されていてもよい。
一実施の形態による複合容器において、前記第1係合部は、前記胴部の中央よりも上方に形成された第1上部係合部と、前記胴部の中央よりも下方に形成された第1下部係合部とを含み、前記第2係合部は、前記第1上部係合部に係合する第2上部係合部と、前記第1下部係合部に係合する第2下部係合部とを含んでいてもよい。
一実施の形態による複合容器において、前記胴部の外面に、径方向外方に突出し、前記スリーブを支持する第1係合部が形成されていてもよい。
一実施の形態による複合容器において、前記フランジ部に第3係合部が形成され、前記スリーブに、前記第3係合部に係合する第4係合部が形成されていてもよい。
一実施の形態による複合容器において、前記スリーブは、接着剤により前記胴部に接着されていてもよい。
一実施の形態による蓋材付き複合容器は、本開示による複合容器と、前記複合容器を密閉する蓋材とを備える、蓋材付き複合容器である。
一実施の形態による樹脂製容器の製造方法は、第1キャビティ側金型と、コアとを準備する工程と、前記第1キャビティ側金型内に樹脂材料を供給する工程と、前記樹脂材料が供給された前記第1キャビティ側金型に前記コアを装着するとともに、前記樹脂材料に対してコンプレッション成形を施すことにより、プリフォームを作製する工程と、前記第1キャビティ側金型から前記コアと共に前記プリフォームを取り外す工程と、第2キャビティ側金型を準備する工程と、前記プリフォームと共に前記コアを前記第2キャビティ側金型に装着する工程と、前記プリフォームに対してブロー成形を施すことにより、胴部と、前記胴部の下方に設けられた底部と、前記胴部の上端に設けられたフランジ部とを有する樹脂製容器を作製する工程とを備え、前記胴部の厚みは、0.1mm以上0.3mm以下であり、前記底部の厚みは、0.3mm以上0.7mm以下であり、前記フランジ部の厚みは、0.5mm以上1.0mm以下である、樹脂製容器の製造方法である。
一実施の形態による樹脂製容器の製造方法は、樹脂製容器の製造方法であって、第1キャビティ側金型と、コアとを準備する工程と、前記第1キャビティ側金型内に樹脂材料を供給する工程と、前記樹脂材料が供給された前記第1キャビティ側金型に前記コアを装着するとともに、前記樹脂材料に対してコンプレッション成形を施すことにより、プリフォームを作製する工程と、前記第1キャビティ側金型から前記コアと共に前記プリフォームを取り外す工程と、第2キャビティ側金型を準備する工程と、前記プリフォームと共に前記コアを前記第2キャビティ側金型に装着する工程と、前記プリフォームに対してブロー成形を施すことにより、胴部と、前記胴部の下方に設けられた底部と、前記胴部の上端に設けられたフランジ部とを有する樹脂製容器を作製する工程とを備え、前記胴部の厚みは、0.1mm以上0.3mm以下であり、前記底部の厚みは、0.3mm以上0.7mm以下であり、前記フランジ部の厚みは、1.0mm以上2.5mm以下であり、垂直断面において、前記フランジ部の上面と外縁との間の角部および前記フランジ部の下面と前記外縁との間の角部の少なくとも一方が、半径0.3mm以上0.7mm以下の円弧形状である、樹脂製容器の製造方法である。
本開示によれば、胴部を薄肉化することにより軽量化を図るとともに、使用する樹脂量を低減することができる。
図1Aは、第1の実施の形態による蓋材付き容器を示す部分垂直断面図である。 図1Bは、第1の実施の形態による樹脂製容器を示す部分垂直断面図である。 図2は、第1の実施の形態による樹脂製容器を示す平面図である。 図3は、第1の実施の形態による複合容器のスリーブを示す展開図である。 図4は、第1の実施の形態による蓋材付き容器の蓋材を構成する積層体の一例を示す側断面図である。 図5は、第1の実施の形態による樹脂製容器を作製するためのプリフォームを示す部分垂直断面図である。 図6(a)−(c)は、第1の実施の形態による樹脂製容器の製造方法を示す断面図である。 図7(a)−(b)は、第1の実施の形態による樹脂製容器の製造方法を示す断面図である。 図8(a)−(b)は、第1の実施の形態による樹脂製容器の製造方法を示す断面図である。 図9(a)は、第1の実施の形態による複合容器の製造方法を示す断面図であり、図9(b)は、第1の実施の形態による蓋材付き容器の製造方法を示す断面図である。 図10は、第1の実施の形態による蓋材付き容器の変形例を示す部分垂直断面図である。 図11は、第1の実施の形態による複合容器の第1変形例を示す部分垂直断面図である。 図12は、第1の実施の形態による複合容器の第2変形例を示す部分垂直断面図である。 図13は、第1の実施の形態による複合容器の第3変形例を示す部分垂直断面図である。 図14は、第1の実施の形態による複合容器の第4変形例を示す部分垂直断面図である。 図15は、第1の実施の形態による複合容器の第5変形例を示す部分垂直断面図である。 図16は、第1の実施の形態による複合容器の第6変形例を示す部分垂直断面図である。 図17は、第1の実施の形態による複合容器の第7変形例を示す部分垂直断面図である。 図18は、第1の実施の形態による複合容器の第8変形例を示す部分垂直断面図である。 図19は、第1の実施の形態による複合容器の第9変形例を示す部分垂直断面図である。 図20は、第1の実施の形態による複合容器の第10変形例を示す部分垂直断面図である。 図21は、第1の実施の形態による複合容器の第11変形例を示す部分垂直断面図である。 図22は、第1の実施の形態による複合容器の第12変形例を示す部分垂直断面図である。 図23は、第1の実施の形態による複合容器の第13変形例を示す部分垂直断面図である。 図24は、第1の実施の形態による樹脂製容器の第1変形例を示す正面図である。 図25は、第1の実施の形態による樹脂製容器の第1変形例を示す底面図である。 図26は、第1の実施の形態による樹脂製容器の第1変形例を示す断面図(図25のXXVI-XXVI線断面図)である。 図27は、第1の実施の形態による樹脂製容器の第2変形例を示す平面図である。 図28は、第1の実施の形態による樹脂製容器の第2変形例を示す底面図である。 図29は、第1の実施の形態による樹脂製容器の第2変形例を示す断面図(図28のXXIX-XXIX線断面図)である。 図30は、第1の実施の形態による樹脂製容器の第3変形例を示す部分垂直断面図である。 図31は、第1の実施の形態による樹脂製容器の第4変形例を示す部分垂直断面図である。 図32は、第2の実施の形態による樹脂製容器を示す部分垂直断面図である。
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して第1の実施の形態について説明する。図1A乃至図9は第1の実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ蓋材付き容器1を正立させた状態(図1A)における上方および下方のことをいう。
蓋材付き容器
図1Aに示すように、蓋材付き容器(蓋材付き複合容器)1は、複合容器10Aと、複合容器10Aを密閉する蓋材50とを備えている。ここでは、まず、複合容器10Aについて説明する。
(複合容器)
図1Aに示すように、複合容器10Aは、カップ状の樹脂製容器10と、樹脂製容器10の外側に設けられたスリーブ60と、を備えている。このうち樹脂製容器10は、後述するように、コンプレッションブロー成形により作製されたものである。樹脂製容器10の内部に収容される内容物は特に限定されるものではなく、飲料やデザート等であってもよい。
樹脂製容器10は、胴部20と、胴部20の下方に設けられた底部30と、胴部20の上端に設けられたフランジ部40とを備えている。
胴部20は、上方(フランジ部40側)から下方(底部30側)に向けて徐々に縮径する円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していてもよい。また、胴部20の外面に、径方向外方に突出する第1係合部21が形成されている。第1係合部21は、上述したスリーブ60を支持する役割を果たす。この第1係合部21は、胴部20の中央よりも上方であって、フランジ部40の近傍に形成されている。本実施の形態では、第1係合部21は、フランジ部40から下方に向けて直線状に延びている。さらに、図2に示すように、この第1係合部21は、胴部20の外面の全周にわたって形成されている。なお、図示はしないが、第1係合部21は、周方向に沿って複数設けられていてもよい。この場合、図示はしないが、第1係合部21間に隙間が形成される。そして、当該隙間は、重ねた状態で保管された複数の樹脂製容器10から1個ずつ樹脂製容器10を引き離す際に、空気抜き部としての役割を果たす。このため、重ねた状態で保管された複数の樹脂製容器10から、1個ずつ樹脂製容器10を引き離しやすくすることができる。
また、胴部20に、樹脂製容器10同士を重ねた際に、樹脂製容器10同士が固着することを規制する規制部が形成されている。本実施の形態では、上述した第1係合部21が、規制部としての役割を果たす。すなわち、図1Bに示すように、樹脂製容器10同士を重ねた際、一の樹脂製容器10の第1係合部21が、当該一の樹脂製容器10の下方に位置する他の樹脂製容器10のフランジ部40に当接する。そして、積み重ねられた樹脂製容器10同士が固着することなく、保管される。なお、樹脂製容器10の胴部20に、第1係合部21とは異なる規制部が形成されていてもよい。
この胴部20の厚みT1(図1A参照)は、0.1mm以上0.3mm以下となっている。胴部20の厚みT1が0.1mm以上であることにより、樹脂製容器10の成形性が低下することを抑制することができるとともに、胴部20の剛性が低下することを抑制することができる。また、胴部20の厚みT1が0.3mm以下であることにより、樹脂製容器10の軽量化を図るとともに、使用する樹脂量を低減することができる。なお、本明細書中、胴部20の厚みT1とは、胴部20の中央に位置する点であって、周方向に沿って互いに離間した5つの点においてそれぞれ測定された厚みの平均値をいう。また、胴部20の厚みT1は、マイクロメータ(例えば、ミツトヨ社製、BMD−25MX395−271)を用いて測定することができる。
図2に示すように、底部30は、平面図略円形状を有している。この底部30の直径は、例えば40mm以上70mm以下であってもよい。なお、図示はしないが、底部30には、底部30の変形を抑制する補強リブ等の凹凸が形成されていてもよい。底部30の厚みT2(図1A参照)は、0.3mm以上0.7mm以下となっている。底部30の厚みT2が0.3mm以上であることにより、樹脂製容器10の成形性が低下することを抑制することができるとともに、底部30の剛性が低下することを抑制することができる。また、底部30の厚みT2が0.7mm以下であることにより、樹脂製容器10の軽量化を図るとともに、使用する樹脂量を低減することができる。底部30の厚みT2は、一例として、0.5mmであってもよい。なお、本明細書中、底部30の厚みT2とは、底部30の中央から直径35mm以内の領域において、互いに異なる5つの点においてそれぞれ測定された厚みの平均値をいう。この際、底部30の中央から直径35mm以内の領域に補強リブ等の凹凸が形成されていた場合、測定する各点は、当該凹凸が形成されていない領域に位置する点を選択する。また、底部30の厚みT2は、マイクロメータ(例えば、ミツトヨ社製、BMD−25MX395−271)を用いて測定することができる。
また、底部30の底面31は、凹凸のない平坦面となっている。これにより、複合容器10Aを接地させた際に、複合容器10Aの安定性を向上させることができる。なお、底部30の底面31は、滑らかな曲面となっていてもよい。
また、底部30の底面31には、ゲート痕が存在しない。すなわち、本実施の形態による樹脂製容器10は、上述したようにコンプレッションブロー成形により作製されている。このため、樹脂製容器10の底部30の底面31には、例えば射出成形やインジェクションブロー成形によって作製された容器に形成されるゲート痕が形成されていない。これにより、樹脂製容器10を落下させた際に、ゲート痕に起因して樹脂製容器10の底部30が破損する、いわゆるゲート割れが生じることを回避することができる。このため、樹脂製容器10の底部30における落下強度を向上させることができる。また、底部30の底面31にゲート痕が存在しないことにより、底部30へ文字等を印刷する際の印刷位置に対する制約もない。
図2に示すように、フランジ部40は、平面視略円環形状を有している。このフランジ部40の幅(径方向距離)は、例えば2mm以上4mm以下であってもよい。図1Aに示すように、このフランジ部40は、胴部20の上端から側方に向けて水平に突出している。フランジ部40の厚みT3は、0.5mm以上1.0mm以下となっている。フランジ部40の厚みT3が0.5mm以上であることにより、樹脂製容器10の成形性が低下することを抑制することができるとともに、フランジ部40の剛性が低下することを抑制することができる。このため、後述するように、フランジ部40に蓋材50をシールする際に、シール不良が発生することを抑制することができる。また、フランジ部40から蓋材50を開封する際に、蓋材50の開封性が低下することを抑制することができる。また、フランジ部40の厚みT3が1.0mm以下であることにより、樹脂製容器10を非常に軽量にすることができる。このため、使用する樹脂量を大幅に低減することができる。なお、本明細書中、フランジ部40の厚みT3とは、フランジ部40の先端部に位置する点であって、周方向に沿って互いに離間した5つの点においてそれぞれ測定された厚みの平均値をいう。ここで、フランジ部40の先端部とは、平面視において、フランジ部40の外縁41から1.5mm以内の領域をいう。また、フランジ部40の厚みT3は、マイクロメータ(例えば、ミツトヨ社製、BMD−25MX395−271)を用いて測定することができる。
樹脂製容器10は、合成樹脂材料をコンプレッション成形して製作したプリフォーム10a(後述)をブロー成形することにより作製することができる。また、樹脂製容器10の材料としては熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)等を使用することができる。なお、リサイクルの観点からは、樹脂製容器10の材料として、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましく、環境負荷を低減することができる植物由来のPETやリサイクルPETを使用する事が出来る。
このような樹脂製容器10は、例えば満注容量が100ml以上500ml以下の容器であってもよい。
次に、スリーブ60について説明する。このスリーブ60は、薄肉化された樹脂製容器10を備える複合容器10Aの剛性を高める役割を果たす。
図1Aに示すように、スリーブ60は、樹脂製容器10の胴部20を覆っている。本実施の形態では、スリーブ60は、胴部20の全域を覆っている。このように、スリーブ60が胴部20の全域を覆っていることにより、複合容器10Aの剛性をより効果的に高めることができる。図3に示すように、スリーブ60は、本体部60aと、糊しろ部60bとを有している。このうち本体部60aは、スリーブ60を展開させた状態において扇形状を有している。図1Aに示すスリーブ60は、展開されたスリーブ60を筒状に丸め、本体部60aと糊しろ部60bとを接着剤等により接合して得られたものである。
また、図1Aに示すように、スリーブ60に、樹脂製容器10の第1係合部21に係合する第2係合部61が形成されている。この第2係合部61は、スリーブ60が筒状に丸められた状態(図1Aに示す状態)において、径方向内方に突出するように巻回されたカール部によって構成されている。このカール部は、例えば、展開されたスリーブ60を筒状に丸め、本体部60aと糊しろ部60bとを接着剤等により接合し、その後、スリーブ60の上端62を下端63に向けて径方向内方にカールさせることにより、形成することができる。なお、図示された例において、スリーブ60の下端63は、上端62に向けてカールされていない。また、図示された例では、スリーブ60の下端63は、樹脂製容器10の底部30の底面31と同一平面上に位置している。これにより、複合容器10Aを接地させた際に、複合容器10Aの安定性を向上させることができる。
このようなスリーブ60は、コートボール、カード紙、アイボリー紙、カップ原紙、ミルクカートン用紙等の板紙や画用紙、ケント紙、段ボール等を含み、いわゆる合成紙や各種プラスチックを積層した積層紙・複合紙でもよく、耐水や耐油等の機能を付与した機能紙でもよい。また石灰石とプラスチックを混ぜたもの等、原材料にパルプ以外を用いた特殊紙でもよい。使用する紙の坪量は適宣設計する事が出来る。例えば、使用する紙は、坪量が100g/m以上600g/m以下のものを用いる事が出来、好ましくは250g/m以上400g/m以下の範囲のものを用いることができる。また、意匠性を高めるために一部に絵柄、文字などの印刷が施されていてもよい。
また、紙から作製されるスリーブ60の脱落防止策として、スリーブ60の裏面もしくは両面に、摩擦係数を高くするためのコーティングを施してもよい。コーティングとしては、ニスを塗工する方法があり、ニスは一般的なオーバープリントニスやクリアコート等の他に、粘着性のあるニス(例えばブリスターパック用のニス)や滑り止めで用いられる発泡ニス等の防滑ニスも適宣選択可能である。塗布する方法としてはオフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷等、各種印刷方法を適宣選択できる。また摩擦係数が高い樹脂やフィルム等、各種プラスチックをラミネート等で積層する方法でもよい。
(蓋材)
次に、蓋材50について説明する。
蓋材50は、樹脂製のフィルムによって構成されている。蓋材50は、平面視略円形状を有しており樹脂製容器10のフランジ部40にシールされている。このような蓋材50は、図4に示すような層構成をもつ積層体51から構成されている。
すなわち、図4に示すように、蓋材50を構成する積層体51は、外側から順次配置された基材層52と、中間層53と、接着層54とを含んでいる。基材層52は、例えば、接着層54を支持するとともに積層体51全体の強度を高めるための層である。中間層53は、例えば、積層体51の厚みを調整するためのものである。接着層54は、蓋材50を樹脂製容器10のフランジ部40に接着させるための層である。
具体的には、蓋材50を構成する積層体51として、例えば以下の層構成の積層体を用いることができ、接着層54の厚みは30μm以上60μm以下の間で適宣設定できる。
(外側)ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)12μm/ナイロンフィルム(Ny)15μm/ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)30μm以上60μm以下(内側)
なお、接着層54の材料としては、いわゆるイージーピール性を発現させることができる樹脂材料を用いることが好ましい。また、上記各層は常法に従い、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法、押出コーティング法その他のコーティング法によって形成される。
(プリフォーム)
次に、上述した樹脂製容器10を作製するためのプリフォーム10aについて説明する。図5に示すように、プリフォーム10aは、胴部20aと、胴部20aの下方に設けられた底部30aと、胴部20aの上端に設けられたフランジ部40aとを備えている。このうち胴部20aは、上述した樹脂製容器10の胴部20に対応するものであり、上方(フランジ部40a側)から下方(底部30a側)に向けて徐々に縮径する円筒形状を有している。なお、胴部20aは、略円筒形状を有していてもよい。
底部30aは、上述した樹脂製容器10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
また、底部30aの底面31aには、ゲート痕が存在しない。すなわち、後述するように、プリフォーム10aは、コンプレッション成形により作製されている。このため、プリフォーム10aの底部30aの底面31aには、例えば射出成形によって作製されたプリフォーム10aに形成されるゲート痕が形成されていない。これにより、プリフォーム10aを落下させた際に、ゲート痕に起因してプリフォーム10aの底部30aが破損する、いわゆるゲート割れが生じることを回避することができる。このため、プリフォーム10aの底部30aにおける落下強度を向上させることができる。また、底部30aの底面31aにゲート痕が存在しないことにより、プリフォーム10a同士が接触した際に、プリフォーム10aに傷が付いてしまうことを抑制することができる。このため、例えばプリフォーム10aを作製する工程と、プリフォーム10aから樹脂製容器10を作製する工程とが別々の場所(工場等)で実施される場合に、複数のプリフォーム10aをまとめて梱包した場合であっても、各プリフォーム10aに傷が付いてしまうことを抑制することができる。
フランジ部40aは、上述した樹脂製容器10のフランジ部40に対応するものであり、平面視略円環形状を有している。また、フランジ部40aは、胴部20aの上端から側方に向けて水平に突出している。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、樹脂製容器10の製造方法、複合容器10Aの製造方法および蓋材付き容器1の製造方法について、図6(a)−(c)、図7(a)−(b)、図8(a)−(b)および図9(a)−(b)を用いて説明する。
樹脂製容器の製造方法
まず、樹脂製容器10の製造方法について、図6(a)−(c)、図7(a)−(b)および図8(a)−(b)を用いて説明する。
まず、第1キャビティ側金型71と、コア72とを準備する。このうちコア72は、コア本体72aと、コア本体72a内に挿入されたストレッチロッド72bとからなる(後述する図6(b)参照)。
次に、図6(a)に示すように、第1キャビティ側金型71内に樹脂材料Rを供給する。樹脂材料Rは、プリフォーム10aの材料となる樹脂である。この樹脂材料Rは、溶融された状態で、第1キャビティ側金型71内に供給される。
次いで、図6(b)に示すように、樹脂材料Rが供給された第1キャビティ側金型71にコア72を装着するとともに、樹脂材料Rに対してコンプレッション成形を施すことにより、プリフォーム10aを作製する。この際、樹脂材料Rが冷却固化する前に、この樹脂材料Rを第1キャビティ側金型71とコア72とによって加圧する。これにより、図6(c)に示すように、樹脂材料Rが、第1キャビティ側金型71とコア72との間で引き延ばされる。その後、第1キャビティ側金型71およびコア72が冷却されることにより、プリフォーム10aが作製される。
次に、図7(a)に示すように、第1キャビティ側金型71からコア72と共にプリフォーム10aを取り外す。
次いで、第2キャビティ側金型73を準備する。この第2キャビティ側金型73は、互いに分割された一対の金型部材73a、73bとからなる(図7(b)参照)。第2キャビティ側金型73の内面は、樹脂製容器10の胴部20、底部30およびフランジ部40に対応する形状を有している。
次に、図7(b)に示すように、プリフォーム10aと共にコア72を第2キャビティ側金型73に装着する。図7(b)において、一対の金型部材73a、73b間は互いに開いている。この状態で第2キャビティ側金型73の一対の金型部材73a、73b間に、コア72と共にプリフォーム10aが挿入される。
次いで、図8(a)に示すように、一対の金型部材73a、73bが閉鎖される。なお、プリフォーム10aは、第2キャビティ側金型73に装着される前に、図示しない加熱装置によって加熱されてもよい。
次に、プリフォーム10aに対してブロー成形を施すことにより、胴部20と、胴部20の下方に設けられた底部30と、胴部20の上端に設けられたフランジ部40とを有する樹脂製容器10を作製する。この際、図8(b)に示すように、コア72のコア本体72aと、ストレッチロッド72bとの間から、プリフォーム10a内に空気が圧入され、プリフォーム10aに対してブロー成形が施される。なお、作製する樹脂製容器10の形状によっては、ストレッチロッド72bをコア本体72aに対して下方(図8(b)に示す下側)に移動させてもよい。ストレッチロッド72bをコア本体72aに対して下方に移動させることにより、高さの高い樹脂製容器10を容易に作成することができる。
このようにして、プリフォーム10aは、第2キャビティ側金型73の内面に対応する形状に賦形され、プリフォーム10aから樹脂製容器10が得られる。この際、プリフォーム10aの胴部20aが延伸して、樹脂製容器10の胴部20が形成される。この場合、胴部20の厚みT1は、0.1mm以上0.3mm以下となる。また、プリフォーム10aの底部30aが延伸して、樹脂製容器10の底部30が形成される。この場合、底部30の厚みT2は、0.3mm以上0.7mm以下となる。一方、樹脂製容器10のフランジ部40は、プリフォーム10aのフランジ部40aによって形成される。このため、胴部20の厚みT1を薄くした場合であっても、フランジ部40の厚みT3を厚くすることができる。このため、後述する様に、フランジ部40に蓋材50をシールする際に、シール不良が発生することを抑制することができる。また、フランジ部40から蓋材50を開封する際に、蓋材50の開封性が低下することを抑制することができる。この場合、フランジ部40の厚みT3は、0.5mm以上1.0mm以下となる。
このようにして、胴部20と、胴部20の下方に設けられた底部30と、胴部20の上端に設けられたフランジ部40とを有する樹脂製容器10が得られる。
複合容器の製造方法および蓋材付き容器の製造方法
次に、複合容器10Aの製造方法および蓋材付き容器1の製造方法について、図9(a)−(b)を用いて説明する。
まず、例えば、図6(a)−(c)、図7(a)−(b)および図8(a)−(b)に示す方法により、樹脂製容器10を作製する。
また、樹脂製容器10を作製することと並行して、スリーブ60を作製する。この際、まず、例えば、コートボール、カード紙やアイボリー紙等を所定の形状に打ち抜く。これにより、展開された状態のスリーブ60が作製される(図3参照)。次に、展開された状態のスリーブ60を筒状に丸め、本体部60aと糊しろ部60bとを接着剤等により接合することにより、筒状に丸められた状態のスリーブ60を形成する。そのスリーブ60の上端62を下端63に向けて径方向内方にカールさせることにより、第2係合部61を構成するカール部を形成するスリーブ60(図1A参照)を作製する。
次に、図9(a)に示すように、樹脂製容器10をスリーブ60の上方からスリーブ60内に挿入し、スリーブ60の第2係合部61を樹脂製容器10の第1係合部21に係合させる。これにより、スリーブ60が樹脂製容器10に取り付けられ、樹脂製容器10と、スリーブ60とを備える複合容器10Aが得られる。
また、複合容器10Aを作製することと並行して、蓋材50を作製する。この際、例えば、基材層52と、中間層53と、接着層54とが順に積層された積層体51をドライラミネート法等によって作製する。その後、当該積層体51を刃物等により所定の形状に打ち抜くことにより、蓋材50を作製する。
次に、複合容器10Aに内容物を充填し、蓋材50によって複合容器10Aを密閉する。この際、まず、複合容器10Aに内容物(図示せず)を充填する。次に、蓋材50をフランジ部40上に載置する。なお、図示はしないが、蓋材50は、蓋材50を構成する積層体51の接着層54(図4参照)が複合容器10A側を向くように、フランジ部40上に載置される。
次いで、図示しないシール熱板等によって、蓋材50をフランジ部40にシールする。この際、上述したように、フランジ部40の厚みT3は、0.5mm以上1.0mm以下となっている。このため、フランジ部40に蓋材50をシールする際に、シール不良が発生することを抑制することができる。
このようにして、図9(b)に示すように、複合容器10Aと、複合容器10Aを密閉する蓋材50とを備える、蓋材付き容器1が得られる。
以上のように本実施の形態によれば、樹脂製容器10において、胴部20の厚みT1が、0.1mm以上0.3mm以下であり、底部30の厚みT2が、0.3mm以上0.7mm以下であり、フランジ部40の厚みT3が、0.5mm以上1.0mm以下となっている。これにより、樹脂製容器10の軽量化を図るとともに、使用する樹脂量を低減することができる。また、胴部20の厚みT1が0.3mm以下となるように胴部20を薄肉化した場合であっても、フランジ部40の厚みT3は、0.5mm以上となっている。このため、フランジ部40に蓋材50をシールする際に、シール不良が発生することを抑制することができる。また、フランジ部40から蓋材50を開封する際に、蓋材50の開封性が低下することを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、樹脂製容器10は、コンプレッションブロー成形により作製されている。このように、樹脂製容器10をコンプレッションブロー成形により作製することにより、樹脂製容器10において、胴部20の厚みT1、底部30の厚みT2およびフランジ部40の厚みT3を、それぞれ所望の厚みに成形することができる。すなわち、胴部20の厚みT1を薄くした場合であっても、フランジ部40の厚みT3を厚くすることができる。このため、フランジ部40に蓋材50をシールする際に、シール不良が発生することを抑制することができ、かつ、蓋材50の開封性が低下することを抑制することができる。
一方、比較例として、射出成形により作製した樹脂製の容器では、胴部や底部の厚みを薄くした場合、フランジ部の厚みも胴部や底部の厚みに合わせて薄くなる。これにより、蓋材のフランジ部に対するシール性や、蓋材の開封性が低下する可能性があり、容器の薄肉化を図ることが困難である。また、射出成形により樹脂製の容器を作製した場合、容器の胴部の厚みを0.3mm以下まで薄くすることは困難である。また、シート成形により樹脂製の容器を作製した場合、胴部の厚みを0.3mm以下まで薄くすることができても、フランジ部の厚みを1.0mm以下にすることは困難である。さらに、インジェクションブロー成形により樹脂製の容器を作製した場合、容器の製造コストが高くなってしまう。また、インジェクションブロー成形により樹脂製の容器を作製する場合、コンプレッションブロー成形により樹脂製容器10を作製する場合と比較して、製造時間が長くなってしまう。これに対して、本実施の形態によれば、樹脂製容器10がコンプレッションブロー成形により作製されていることにより、上述したように、樹脂製容器10の軽量化を図るとともに、使用する樹脂量を低減することができる。また、フランジ部40に蓋材50をシールする際に、シール不良が発生することを抑制することができ、かつ、蓋材50の開封性が低下することを抑制することができる。そして、低コストかつ短時間で樹脂製容器10を作製することができる。
また、本実施の形態によれば、胴部20に、樹脂製容器10同士を重ねた際に、樹脂製容器10同士が固着することを規制する規制部(第1係合部21)が形成されている。この場合、樹脂製容器10同士を重ねた際、一の樹脂製容器10の第1係合部21が、当該一の樹脂製容器10の下方に位置する他の樹脂製容器10のフランジ部40に当接する(図1B参照)。これにより、積み重ねられた樹脂製容器10同士を固着させることなく、複数の樹脂製容器10を保管することができる。また、重ねた状態で保管された複数の樹脂製容器10から、1個ずつ樹脂製容器10を引き離しやすくすることができる。
また、本実施の形態によれば、底部30の底面31には、ゲート痕が存在しない。これにより、樹脂製容器10を落下させた際に、ゲート痕に起因して樹脂製容器10の底部30が破損する、いわゆるゲート割れが生じることを回避することができる。このため、樹脂製容器10の底部30における落下強度を向上させることができる。また、底部30の底面31にゲート痕が存在しないことにより、底部30へ文字等を印刷する際の印刷位置に対する制約もない。
また、本実施の形態によれば、複合容器10Aが、樹脂製容器10と、樹脂製容器10の胴部20を覆うスリーブ60とを備えている。これにより、樹脂製容器10を薄肉化した場合であっても、薄肉化された樹脂製容器10を備える複合容器10Aの剛性を高めることができる。
さらに、本実施の形態によれば、胴部20の外面に、径方向外方に突出する第1係合部21が形成され、スリーブ60に、第1係合部21に係合する第2係合部61が形成されている。これにより、スリーブ60を樹脂製容器10に容易に取り付けることができる。また、接着剤を使用することなく、スリーブ60を樹脂製容器10に取り付けることができるため、使用済みの樹脂製容器10をリサイクルする際に、使用済みの樹脂製容器10から異物を除去する除去工程を容易にすることができる。
蓋材付き容器の変形例
なお、上述した実施の形態において、蓋材付き容器1が、複合容器10Aと、複合容器10Aを密閉する蓋材50とを備えている例について説明したが、これに限られない。例えば、図10に示すように、蓋材付き容器(蓋材付き樹脂製容器)1aが、樹脂製容器10と、蓋材50とを備えていてもよい。すなわち、樹脂製容器10が、スリーブ60によって覆われていなくてもよい。
複合容器の変形例
次に、図11乃至図23により、本実施の形態による複合容器10Aの変形例について説明する。図11乃至図23に示す変形例は、主としてスリーブ60の構成が異なるものである。図11乃至図23において、図1A乃至図9に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
(第1変形例)
上述した実施の形態において、スリーブ60の下端63が、上端62に向けてカールされていない例について説明したが、これに限られない。例えば、図11に示すように、スリーブ60の下端63が、上端62に向けてカールされ、カール部64が形成されていてもよい。本変形例においては、カール部64は、スリーブ60が筒状に丸められた状態(図11に示す状態)において、径方向外方に突出するように巻回されている。また、カール部64の下端の上下方向位置は、樹脂製容器10の底部30の底面31の上下方向位置と同一となっている。これにより、複合容器10Aを接地させた際に、複合容器10Aの安定性を更に向上させることができる。
(第2変形例)
また、上述した第1変形例において、カール部64が径方向外方に突出するように巻回されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図12に示すように、カール部64が、スリーブ60が筒状に丸められた状態(図12に示す状態)において、径方向内方に突出するように巻回されていてもよい。この場合においても、複合容器10Aを接地させた際に、複合容器10Aの安定性を更に向上させることができる。
(第3変形例)
上述した実施の形態において、第1係合部21が、フランジ部40から下方に向けて直線状に延びている例について説明したが、これに限られない。例えば、図13に示すように、第1係合部21が、スリーブ60の第2係合部61を支持する支持部21aと、支持部21aの下方に設けられたストレート部21bとを含んでいてもよい。このうち、支持部21aは、下方に向かうにつれて径方向外方に傾斜している。この際、第1係合部21は、フランジ部40から離間していてもよい。これにより、支持部21aとフランジ部40との間に、スリーブ60の第2係合部61が嵌め込まれる隙間を形成することができる。また、支持部21aの外面の水平面に対する傾斜角度α1は、0°以上45°以下であることが好ましく、2°以上30°以下であることがより好ましい。一例として、傾斜角度α1は、30°であってもよい。傾斜角度α1が0°以上であることにより、第1係合部21の成形性を向上させることができる。また、傾斜角度α1が45°以下であることにより、支持部21aが、スリーブ60の第2係合部61をしっかりと支持することができる。本変形例においても、スリーブ60を樹脂製容器10に容易に取り付けることができる。
(第4変形例)
上述した実施の形態において、第1係合部21が、胴部20の中央よりも上方であって、フランジ部40の近傍に形成されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図14に示すように、樹脂製容器10の第1係合部21が、胴部20の中央よりも上方に形成された第1上部係合部22と、胴部20の中央よりも下方に形成された第1下部係合部23とを含んでいてもよい。このうち第1上部係合部22は、フランジ部40の近傍に形成され、径方向外方に突出している。一方、第1下部係合部23は、底部30の近傍に形成され、径方向内方に窪んでいる。本変形例では、第1下部係合部23は、垂直断面において、円弧形状を有する。これらの第1上部係合部22および第1下部係合部23は、それぞれ胴部20の外面の全周にわたって形成されている。
また、スリーブ60の第2係合部61が、第1上部係合部22に係合する第2上部係合部65と、第1下部係合部23に係合する第2下部係合部66とを含んでいてもよい。第2上部係合部65および第2下部係合部66は、スリーブ60が筒状に丸められた状態(図13に示す状態)において、それぞれ径方向内方に突出するように巻回されたカール部によって構成されている。なお、この場合、スリーブ60から樹脂製容器10の胴部20の一部が外方に露出していてもよい。
本変形例によれば、第1係合部21が、胴部20の中央よりも上方に形成された第1上部係合部22と、胴部20の中央よりも下方に形成された第1下部係合部23とを含み、第2係合部61が、第1上部係合部22に係合する第2上部係合部65と、第1下部係合部23に係合する第2下部係合部66とを含んでいる。これにより、スリーブ60を樹脂製容器10に対して、しっかりと取り付けることができる。このため、使用者が内容物を喫食中に、スリーブ60が樹脂製容器10から取り外されてしまうことを抑制することができる。
(第5変形例)
また、上述した第4変形例において、第2上部係合部65を構成するカール部が径方向内方に突出するように巻回されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図15に示すように、スリーブ60の上端62を下端63に向けてカールさせることにより形成されたカール部67が、スリーブ60が筒状に丸められた状態(図15に示す状態)において、径方向外方に突出するように巻回されていてもよい。この場合、カール部67は、第1係合部21の第1上部係合部22に係合していなくてもよい。本変形例によれば、複合容器10Aが、使用者の手から滑り落ちそうになった際に、使用者の手が、径方向外方に突出したカール部67に当接する。このため、使用者の手から複合容器10Aが滑り落ちてしまうことを抑制することができる。
(第6変形例)
また、上述した第4変形例において、第2上部係合部65を構成するカール部が径方向内方に突出するように巻回されている例について説明し、上述した第5変形例において、カール部67が径方向外方に突出するように巻回されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図16に示すように、スリーブ60に第2上部係合部65やカール部67が形成されていなくてもよい。この場合においても、スリーブ60の第2下部係合部66が、樹脂製容器10の第1下部係合部23に係合することができるため、スリーブ60を樹脂製容器10に容易に取り付けることができる。
(第7変形例)
また、上述した第4変形例において、第1下部係合部23が、垂直断面において、円弧形状を有する例について説明したが、これに限られない。例えば、図17に示すように、第1下部係合部23が、下方に向かうにつれて径方向内方に傾斜する傾斜部23aと、傾斜部23aの下方に設けられ、スリーブ60の第2下部係合部66を支持する支持部23bとを含んでいてもよい。このうち、支持部23bは、下方に向かうにつれて径方向外方に傾斜している。支持部23bの外面の水平面に対する傾斜角度α2は、0°以上45°以下であることが好ましく、2°以上30°以下であることがより好ましい。一例として、傾斜角度α2は、30°であってもよい。傾斜角度α2が0°以上であることにより、第1下部係合部23の成形性を向上させることができる。また、傾斜角度α2が45°以下であることにより、支持部23bが、スリーブ60の第2下部係合部66をしっかりと支持することができる。本変形例においても、スリーブ60を樹脂製容器10に容易に取り付けることができる。
(第8変形例)
また、上述した第4変形例において、第1下部係合部23が、径方向内方に窪んでいる例について説明したが、これに限られない。例えば、図18に示すように、第1下部係合部23が、径方向外方に突出していてもよい。本変形例による第1下部係合部23は、スリーブ60の第2下部係合部66を支持する支持部23cと、支持部23cの下方に設けられ、下方に向かうにつれて径方向内方に傾斜する第1傾斜部23dおよび第2傾斜部23eとを含んでいる。このうち、支持部23cは、下方に向かうにつれて径方向外方に傾斜している。支持部23cの水平面に対する傾斜角度α3は、0°以上45°以下であることが好ましく、2°以上30°以下であることがより好ましい。一例として、傾斜角度α3は、30°であってもよい。傾斜角度α3が0°以上であることにより、第1下部係合部23の成形性を向上させることができる。また、傾斜角度α3が45°以下であることにより、支持部23cが、スリーブ60の第2下部係合部66をしっかりと支持することができる。本変形例においても、スリーブ60を樹脂製容器10に容易に取り付けることができる。
(第9変形例)
また、上述した第8変形例において、スリーブ60に第2上部係合部65が形成されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図19に示すように、スリーブ60に第2上部係合部65が形成されていなくてもよい。この場合においても、スリーブ60の第2下部係合部66が、樹脂製容器10の第1下部係合部23に係合することができるため、スリーブ60を樹脂製容器10に容易に取り付けることができる。
(第10変形例)
また、上述した第4変形例において、第1係合部21の第1下部係合部23が、胴部20の外面の全周にわたって形成されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図20に示すように、第1下部係合部23が、周方向に沿って複数設けられていてもよい。本変形例による第1下部係合部23は、径方向外方に突出している。また、本変形例においては、4つの第1下部係合部23が形成されている(図20では3つのみ図示)。これらの4つの第1下部係合部23は、同形状でかつ周方向に沿って等間隔に配置されていることが好ましい。これにより、第1下部係合部23と、後述するように各々の第1下部係合部23にそれぞれ対応するように形成された、スリーブ60の第2下部係合部66との、周方向における位置決めを容易に行うことができる。
また、第1下部係合部23に係合する、スリーブ60の第2下部係合部66は、スリーブ60に形成された開口によって構成されている。また、本変形例においては、4つの第2下部係合部66が形成されている(図20では3つのみ図示)。これらの4つの第2下部係合部66は、それぞれ上述した4つの第1下部係合部23に対応するように形成されている。そして、第2下部係合部66を構成する開口に第1下部係合部23が収容されることにより、スリーブ60が樹脂製容器10に取り付けられるようになっている。
なお、上述した第4変形例において、第2上部係合部65を構成するカール部が径方向内方に突出するように巻回されている例について説明し、上述した第5変形例において、カール部67が径方向外方に突出するように巻回されている例について説明したが、スリーブ60に、第2上部係合部65やカール部67が形成されていなくてもよい。本変形例では、スリーブ60の上端62が、樹脂製容器10のフランジ部40に対して下方から当接するようになっている。このように、スリーブ60の上端62が、樹脂製容器10のフランジ部40に対して下方から当接することにより、樹脂製容器10の第1下部係合部23と、スリーブ60の第2下部係合部66との上下方向における位置決めを容易に行うことができる。さらに、本変形例においては、スリーブ60の下端63を上端62に向けてカールさせることにより、カール部64が形成されている。このカール部64は、スリーブ60が筒状に丸められた状態(図20に示す状態)において、径方向内方に突出するように巻回されている。本変形例では、カール部64は、少なくとも一部が樹脂製容器10の底部30の底面31よりも下方に位置するとともに、底部30に対して下方から当接するように構成されている。このように、カール部64が、底部30に対して下方から当接した場合においても、樹脂製容器10の第1下部係合部23と、スリーブ60の第2下部係合部66との上下方向における位置決めを容易に行うことができる。
(第11変形例)
また、上述した第10変形例において、スリーブ60の第2下部係合部66が、スリーブ60に形成された開口によって構成されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図21に示すように、スリーブ60に第2下部係合部66が形成されることなく、スリーブ60の下端63が、第1係合部21の第1下部係合部23に上方から当接することにより、スリーブ60が樹脂製容器10に支持されるようになっていてもよい。言い換えれば、径方向外方に突出する第1下部係合部23が、スリーブ60を下方から支持するように構成されていてもよい。この場合においても、スリーブ60を樹脂製容器10に容易に取り付けることができる。また、この場合、スリーブ60の高さを低くすることができるため、スリーブ60の材料費を低減することができる。
(第12変形例)
また、上述した第10変形例において、スリーブ60の上端62が、樹脂製容器10のフランジ部40に対して下方から当接するようになっている例について説明したが、これに限られない。例えば、図22に示すように、スリーブ60の上端62が、第1係合部21の第1上部係合部22に下方から当接するようになっていてもよい。この場合においても、スリーブ60を樹脂製容器10に容易に取り付けることができる。また、この場合、スリーブ60の高さをより低くすることができるため、スリーブ60の材料費をより低減することができる。
(第13変形例)
上述した実施の形態において、胴部20の外面に、径方向外方に突出する第1係合部21が形成され、スリーブ60に、第1係合部21に係合する第2係合部61が形成されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図23に示すように、フランジ部40に第3係合部42が形成され、スリーブ60に、第3係合部42に係合する第4係合部68が形成されていてもよい。
本変形例では、フランジ部40は、外縁41から下方に垂下する垂下部43を含んでいる。フランジ部40の第3係合部42は、この垂下部43の一部を径方向内方に折り畳むことにより形成されている(図23の矢印参照)。
また、スリーブ60の第4係合部68は、スリーブ60の上端62を下端63に向けて折り畳むとともに、折り畳まれた部分を径方向内方へ折り曲げることにより形成されている。この第4係合部68が、折り畳まれた垂下部43によって下方から支持されることにより、スリーブ60が樹脂製容器10に取り付けられるようになっている。
また、本変形例では、底部30は、中央に位置する凹部32と、凹部32周囲に設けられた接地部33とを有している。また、本変形例による底部30の底面31は、垂直断面において、曲線形状を有する。なお、底部30は、凹部32と接地部33とを有することなく、底部30の底面31が平坦面となっていてもよい。
(第14変形例)
また、上述した実施の形態および第13変形例において、スリーブ60に第2係合部61または第4係合部68が形成されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図示はしないが、スリーブ60は、接着剤により胴部20に接着されていてもよい。また、スリーブ60は、摩擦力によって樹脂製容器10に保持されるようになっていてもよい。この場合、紙から作製されるスリーブ60の摩擦係数を高くするために、スリーブ60の裏面もしくは両面にコーティングを施してもよい。コーティングを施す場合、一般的なオーバープリントニスやクリアコート等の他に、粘着性のあるニス(例えばブリスターパック用のニス)や滑り止めで用いられる発泡ニス等の防滑ニスを塗工してもよい。
樹脂製容器の変形例
次に、図24乃至図31により、本実施の形態による樹脂製容器10の変形例について説明する。図24乃至図31に示す変形例は、主として胴部20に、胴部20の変形を抑制する補強部24が形成されている点が異なるものである。図24乃至図31において、図1A乃至図9に示す第1の実施の形態または図10乃至図23に示す各変形例と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
(第1変形例)
図24および図25に示すように、樹脂製容器10の胴部20に、胴部20の変形を抑制する補強部24が形成されている。本変形例では、補強部24は、上下方向に沿って互いに離間して配置された複数の段差部25によって構成されている。図示された例においては、9つの段差部25が形成されている。また、各々の段差部25は、それぞれ胴部20の全周にわたって形成されている。なお、胴部20に形成される段差部25の個数は任意であり、8つ以下であってもよく、10個以上であってもよい。
また、本変形例による第1係合部21の下面には、上方に窪む複数の凹部26が形成されている。複数の凹部26は、周方向に沿って互いに離間して配置されている。図示された例においては、8つの凹部26が形成されている。このような凹部26は、重ねた状態で保管された複数の樹脂製容器10から1個ずつ樹脂製容器10を引き離す際に、空気抜き部としての役割を果たす。このため、第1係合部21の下面に複数の凹部26を形成することにより、重ねた状態で保管された複数の樹脂製容器10から、1個ずつ樹脂製容器10を引き離しやすくすることができる。
また、図26に示すように、底部30は、凹部32と、接地部33とを有している。また、本変形例による底部30の底面31は、垂直断面において、互いに滑らかに接続された直線および曲線の組み合わせからなる形状を有する。なお、底部30は、凹部32と接地部33とを有することなく、底部30の底面31が平坦面となっていてもよい。
本変形例によれば、胴部20に、胴部20の変形を抑制する補強部24が形成されている。これにより、胴部20を薄肉化した場合であっても、胴部20の剛性が低下することを抑制することができる。
(第2変形例)
図27および図28に示すように、本変形例では、補強部24は、上下方向に延びるパネル27によって構成されている。図示された例においては、8つのパネル27が形成されている。各々のパネル27は、径方向内方に窪んでおり、周方向に沿って互いに等間隔に配置されている。なお、胴部20に形成されるパネル27の個数は任意であり、7つ以下であってもよく、9つ以上であってもよい。
また、図28および図29に示すように、底部30には、接地部33から凹部32に至るように延びる補強リブ34が形成されている。本変形例においては、8つの補強リブ34が形成されており、各々の補強リブ34は、それぞれパネル27に対応する位置に形成されている。また、各々の補強リブ34は、それぞれ接地部33からパネル27に至るように延びている。なお、底部30は、凹部32と接地部33とを有することなく、底部30の底面31が平坦面となっていてもよい。この場合、各々の補強リブ34は、平坦面に形成されていてもよい。
本変形例においても、胴部20に、胴部20の変形を抑制する補強部24が形成されていることにより、胴部20を薄肉化した場合であっても、胴部20の剛性が低下することを抑制することができる。
(第3変形例)
図30に示すように、本変形例では、補強部24は、上下方向に沿って互いに離間して配置された複数の凹部28によって構成されている。図示された例においては、5つの凹部28が形成されている。また、各々の凹部28は、それぞれ胴部20の全周にわたって形成されている。なお、胴部20に形成される凹部28の個数は任意であり、4つ以下であってもよく、6つ以上であってもよい。
本変形例においても、胴部20に、胴部20の変形を抑制する補強部24が形成されていることにより、胴部20を薄肉化した場合であっても、胴部20の剛性が低下することを抑制することができる。
(第4変形例)
図31に示すように、本変形例では、補強部24は、上下方向に沿って互いに離間して配置された複数の凸部29によって構成されている。図示された例においては、5つの凸部29が形成されている。また、各々の凸部29は、それぞれ胴部20の全周にわたって形成されている。なお、胴部20に形成される凸部29の個数は任意であり、4つ以下であってもよく、6つ以上であってもよい。
本変形例においても、胴部20に、胴部20の変形を抑制する補強部24が形成されていることにより、胴部20を薄肉化した場合であっても、胴部20の剛性が低下することを抑制することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図32により、第2の実施の形態について説明する。図32に示す第2の実施の形態は、主としてフランジ部40の厚みT3が、1.0mm以上2.5mm以下である点が異なるものである。図32において、図1A乃至図9に示す第1の実施の形態または図10乃至図31に示す各変形例と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態による、樹脂製容器10のフランジ部40の厚みT3は、1.0mm以上2.5mm以下となっている。フランジ部40の厚みT3が1.0mm以上であることにより、フランジ部40の剛性が低下することを更に抑制することができる。このため、フランジ部40に蓋材50をシールする際に、シール不良が発生することをより効果的に抑制することができ、かつ、フランジ部40から蓋材50を開封する際に、蓋材50の開封性が低下することをより効果的に抑制することができる。また、フランジ部40の厚みT3が2.5mm以下であることにより、樹脂製容器10の軽量化を図るとともに、使用する樹脂量を低減することができる。なお、上述したように、樹脂製容器10をコンプレッションブロー成形により作製する場合、樹脂製容器10のフランジ部40は、プリフォーム10aのフランジ部40aによって形成される。このため、コンプレッション成形によりプリフォーム10aを作製する際に(図6(b)参照)、プリフォーム10aのフランジ部40aの厚みを1.0mm以上2.5mm以下とすることにより、フランジ部40の厚みT3を1.0mm以上2.5mm以下とすることができる。
また、図32に示すように、垂直断面において、フランジ部40の上面44と外縁41との間の角部45は、円弧形状をもっている。この場合、角部45の半径R1は、0.3mm以上0.7mm以下であり、一例として0.5mmであってもよい。角部45の半径R1が0.3mm以上であることにより、フランジ部40の口当たり性を良好にすることができる。また、角部45の半径R1が0.7mm以下であることにより、フランジ部40の成形性が向上し、樹脂製容器10の製品品質を向上させることができる。
また、フランジ部40の下面46と外縁41との間の角部47は、円弧形状をもっている。この場合、角部47の半径R2は、0.3mm以上0.7mm以下であり、一例として0.5mmであってもよい。角部47の半径R2が0.3mm以上であることにより、フランジ部40の口当たり性を良好にすることができる。また、角部47の半径R2が0.7mm以下であることにより、フランジ部40の成形性が向上し、樹脂製容器10の製品品質を向上させることができる。
以上のように本実施の形態によれば、樹脂製容器10において、胴部20の厚みT1が、0.1mm以上0.3mm以下であり、底部30の厚みT2が、0.3mm以上0.7mm以下であり、フランジ部40の厚みT3が、1.0mm以上2.5mm以下となっている。これにより、樹脂製容器10の軽量化を図るとともに、使用する樹脂量を低減することができる。また、胴部20の厚みT1が0.3mm以下となるように胴部20を薄肉化した場合であっても、フランジ部40の厚みT3は、1.0mm以上となっている。このため、フランジ部40に蓋材50をシールする際に、シール不良が発生することをより効果的に抑制することができる。また、フランジ部40から蓋材50を開封する際に、蓋材50の開封性が低下することをより効果的に抑制することができる。
また、垂直断面において、フランジ部40の上面44と外縁41との間の角部45が、円弧形状をもち、角部45の半径R1が、0.3mm以上0.7mm以下である。また、フランジ部40の下面46と外縁41との間の角部47は、円弧形状をもち、角部47の半径R2が、0.3mm以上0.7mm以下である。これにより、フランジ部40の口当たり性を良好にすることができるとともに、フランジ部40の成形性が向上し、樹脂製容器10の製品品質を向上させることができる。
一方、比較例として、シート成形により樹脂製の容器を作製した場合、フランジ部の上面および下面と、フランジ部の外縁との間には、鋭利な形状の角部が形成される。このため、シート成形により樹脂製の容器を作製した場合、当該角部が垂直断面において円弧形状をもつように樹脂製の容器を作製することは困難である。このため、シート成形により作製された樹脂製の容器では、フランジ部の口当たり性が悪化してしまう可能性がある。
これに対して、本実施の形態によれば、樹脂製容器10がコンプレッションブロー成形により作製されていることにより、上述したように、樹脂製容器10の軽量化を図るとともに、使用する樹脂量を低減することができる。また、フランジ部40に蓋材50をシールする際に、シール不良が発生することをより効果的に抑制することができ、かつ、蓋材50の開封性が低下することをより効果的に抑制することができる。そして、フランジ部40の口当たり性を良好にすることができるとともに、フランジ部40の成形性が向上し、樹脂製容器10の製品品質を向上させることができる。
なお、上述した第2の実施の形態において、垂直断面において、角部45および角部47が、それぞれ円弧形状をもっており、角部45の半径R1が、0.3mm以上0.7mm以下であり、角部47の半径R2が、0.3mm以上0.7mm以下である例について説明したが、これに限られない。例えば、角部45および角部47の一方が、垂直断面において、円弧形状をもっており、角部45および角部47のうちの円弧形状をもつ角部の半径が、0.3mm以上0.7mm以下であってもよい。
本開示は上記各実施の形態および各変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施の形態および各変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。各実施の形態および各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
1 蓋材付き容器
1a 蓋材付き容器
10 樹脂製容器
10a プリフォーム
10A 複合容器
20 胴部
21 第1係合部
22 第1上部係合部
23 第1下部係合部
24 補強部
30 底部
31 底面
40 フランジ部
41 外縁
42 第3係合部
44 上面
45 角部
46 下面
47 角部
60 スリーブ
61 第2係合部
65 第2上部係合部
66 第2下部係合部
68 第4係合部
71 第1キャビティ側金型
72 コア
73 第2キャビティ側金型
R 樹脂材料

Claims (16)

  1. カップ状の樹脂製容器であって、
    胴部と、
    前記胴部の下方に設けられた底部と、
    前記胴部の上端に設けられたフランジ部とを備え、
    前記胴部の厚みは、0.1mm以上0.3mm以下であり、
    前記底部の厚みは、0.3mm以上0.7mm以下であり、
    前記フランジ部の厚みは、0.5mm以上1.0mm以下である、樹脂製容器。
  2. カップ状の樹脂製容器であって、
    胴部と、
    前記胴部の下方に設けられた底部と、
    前記胴部の上端に設けられたフランジ部とを備え、
    前記胴部の厚みは、0.1mm以上0.3mm以下であり、
    前記底部の厚みは、0.3mm以上0.7mm以下であり、
    前記フランジ部の厚みは、1.0mm以上2.5mm以下であり、
    垂直断面において、前記フランジ部の上面と外縁との間の角部および前記フランジ部の下面と前記外縁との間の角部の少なくとも一方が、半径0.3mm以上0.7mm以下の円弧形状である、樹脂製容器。
  3. コンプレッションブロー成形により作製された、請求項1または2に記載の樹脂製容器。
  4. 前記胴部に、前記胴部の変形を抑制する補強部が形成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂製容器。
  5. 前記胴部に、樹脂製容器同士を重ねた際に、樹脂製容器同士が固着することを規制する規制部が形成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂製容器。
  6. 前記底部の底面には、ゲート痕が存在しない、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂製容器。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の樹脂製容器と、
    前記樹脂製容器を密閉する蓋材とを備える、蓋材付き樹脂製容器。
  8. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂製容器と、
    前記樹脂製容器の前記胴部の少なくとも一部を覆うスリーブとを備える、複合容器。
  9. 前記胴部の外面に、径方向外方に突出するか、あるいは径方向内方に凹む第1係合部が形成され、
    前記スリーブに、前記第1係合部に係合する第2係合部が形成されている、請求項8に記載の複合容器。
  10. 前記第1係合部は、前記胴部の中央よりも上方に形成された第1上部係合部と、前記胴部の中央よりも下方に形成された第1下部係合部とを含み、
    前記第2係合部は、前記第1上部係合部に係合する第2上部係合部と、前記第1下部係合部に係合する第2下部係合部とを含む、請求項9に記載の複合容器。
  11. 前記胴部の外面に、径方向外方に突出し、前記スリーブを支持する第1係合部が形成されている、請求項8に記載の複合容器。
  12. 前記フランジ部に第3係合部が形成され、
    前記スリーブに、前記第3係合部に係合する第4係合部が形成されている、請求項8に記載の複合容器。
  13. 前記スリーブは、接着剤により前記胴部に接着されている、請求項8に記載の複合容器。
  14. 請求項8乃至13のいずれか一項に記載の複合容器と、
    前記複合容器を密閉する蓋材とを備える、蓋材付き複合容器。
  15. 樹脂製容器の製造方法であって、
    第1キャビティ側金型と、コアとを準備する工程と、
    前記第1キャビティ側金型内に樹脂材料を供給する工程と、
    前記樹脂材料が供給された前記第1キャビティ側金型に前記コアを装着するとともに、前記樹脂材料に対してコンプレッション成形を施すことにより、プリフォームを作製する工程と、
    前記第1キャビティ側金型から前記コアと共に前記プリフォームを取り外す工程と、
    第2キャビティ側金型を準備する工程と、
    前記プリフォームと共に前記コアを前記第2キャビティ側金型に装着する工程と、
    前記プリフォームに対してブロー成形を施すことにより、胴部と、前記胴部の下方に設けられた底部と、前記胴部の上端に設けられたフランジ部とを有する樹脂製容器を作製する工程とを備え、
    前記胴部の厚みは、0.1mm以上0.3mm以下であり、
    前記底部の厚みは、0.3mm以上0.7mm以下であり、
    前記フランジ部の厚みは、0.5mm以上1.0mm以下である、樹脂製容器の製造方法。
  16. 樹脂製容器の製造方法であって、
    第1キャビティ側金型と、コアとを準備する工程と、
    前記第1キャビティ側金型内に樹脂材料を供給する工程と、
    前記樹脂材料が供給された前記第1キャビティ側金型に前記コアを装着するとともに、前記樹脂材料に対してコンプレッション成形を施すことにより、プリフォームを作製する工程と、
    前記第1キャビティ側金型から前記コアと共に前記プリフォームを取り外す工程と、
    第2キャビティ側金型を準備する工程と、
    前記プリフォームと共に前記コアを前記第2キャビティ側金型に装着する工程と、
    前記プリフォームに対してブロー成形を施すことにより、胴部と、前記胴部の下方に設けられた底部と、前記胴部の上端に設けられたフランジ部とを有する樹脂製容器を作製する工程とを備え、
    前記胴部の厚みは、0.1mm以上0.3mm以下であり、
    前記底部の厚みは、0.3mm以上0.7mm以下であり、
    前記フランジ部の厚みは、1.0mm以上2.5mm以下であり、
    垂直断面において、前記フランジ部の上面と外縁との間の角部および前記フランジ部の下面と前記外縁との間の角部の少なくとも一方が、半径0.3mm以上0.7mm以下の円弧形状である、樹脂製容器の製造方法。
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