JP2021049545A - レーザ加工機 - Google Patents

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Abstract

【課題】バーニングの程度に応じてバーニングの発生を抑制する対策を適切に施すことができるレーザ加工機を提供する。【解決手段】NC装置50は、組成元素の含有量が異なる複数の板金をレーザ加工ユニット20によって切断したときのバーニングの発生のしやすさの程度に応じて複数の板金を複数の材質種別に分類し、複数の材質種別の材質種別ごとにバーニングの発生を抑制するための対策を対応付けた設定テーブルを記憶している。NC装置50は、レーザ加工ユニット20によって板金Wを切断しようとするとき、切断しようとする板金Wの材質種別に対応して対策を選択し、バーニングの発生を抑制するため選択した対策を施しながら、板金を切断するよう制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ加工機に関する。
レーザ発振器より射出されたレーザビームによって板金を切断して、所定の形状を有する製品を作製するレーザ加工機が普及している。レーザ加工機が軟鋼板の厚板を切断するとき、材料の過度の温度上昇によりバーニングが発生して、切断不良となることがある。特許文献1には、バーニングの発生を抑制するように構成したレーザ加工機が記載されている。
特開2015−91592号公報
板金を切断するときに発生することがあるバーニングの程度は、各種の条件によって異なる。バーニングがわずかにしか発生しない場合に過度にバーニングの発生を抑制する対策を施すことは好ましくない。また、バーニングが多く発生する場合にバーニングの発生を抑制する対策が不十分であることも好ましくない。バーニングの程度に応じてバーニングの発生を抑制する対策を適切に施すことが求められる。
本発明は、バーニングの程度に応じてバーニングの発生を抑制する対策を適切に施すことができるレーザ加工機を提供することを目的とする。
本発明は、レーザビームを射出するレーザ発振器と、前記レーザ発振器が射出したレーザビームを加工対象の板金に照射する加工ヘッド、及び、前記加工ヘッドを前記板金の面に対して相対的に移動させる移動機構を有して、前記板金を切断するレーザ加工ユニットと、組成元素の含有量が異なる複数の板金を前記レーザ加工ユニットによって切断したときのバーニングの発生のしやすさの程度に応じて前記複数の板金を複数の材質種別に分類し、前記複数の材質種別の材質種別ごとにバーニングの発生を抑制するための対策を対応付けた設定テーブルを記憶する記憶部と、前記レーザ加工ユニットによって板金を切断しようとするとき、前記設定テーブルを参照して、切断しようとする板金の材質種別に対応して対策を選択し、バーニングの発生を抑制するため選択した対策を施しながら、前記板金を切断するよう制御する制御装置とを備えるレーザ加工機を提供する。
本発明のレーザ加工機によれば、バーニングの程度に応じてバーニングの発生を抑制する対策を適切に施すことができる。
一実施形態のレーザ加工機の全体的な構成例を示す図である。 バーニングの発生数を検証したときに用いたテスト形状を示す図である。 複数の材料で検証したバーニングの発生数をまとめた表である。 複数の材料の組成元素の含有量を示す表である。 一実施形態のレーザ加工機が用いる、材質種別ごとに設定したバーニングの発生を抑制する対策を示す設定テーブルを示す図である。 板金を切断するときのエッジの角度の例を示す図である。 一実施形態のレーザ加工機が板金を切断するときにバーニングの発生を抑制する対策を選択する処理を示すフローチャートである。
以下、一実施形態のレーザ加工機について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を用いて、一実施形態のレーザ加工機であるレーザ加工機100の全体的な構成及び動作を説明する。
図1において、レーザ加工機100は、レーザビームを生成して射出するレーザ発振器10と、レーザ加工ユニット20と、レーザ発振器10より射出されたレーザビームをレーザ加工ユニット20へと伝送するプロセスファイバ12とを備える。
また、レーザ加工機100は、操作部40と、NC装置50と、加工プログラムデータベース60と、加工条件データベース70と、アシストガス供給装置80と、冷却水噴霧装置90を備える。NC装置50は、レーザ加工機100の各部を制御する制御装置の一例である。
レーザ発振器10としては、レーザダイオードより発せられる励起光を増幅して所定の波長のレーザビームを射出するレーザ発振器、またはレーザダイオードより発せられるレーザビームを直接利用するレーザ発振器が好適である。レーザ発振器10は、例えば、固体レーザ発振器、ファイバレーザ発振器、ディスクレーザ発振器、ダイレクトダイオードレーザ発振器(DDL発振器)、炭酸ガスレーザ発振器である。
レーザ発振器10は、波長900nm〜1100nmの1μm帯のレーザビームを射出する。ファイバレーザ発振器及びDDL発振器を例とすると、ファイバレーザ発振器は、波長1060nm〜1080nmのレーザビームを射出し、DDL発振器は、波長910nm〜950nmのレーザビームを射出する。炭酸ガスレーザ発振器は波長10.6μmのレーザビームを射出する。
レーザ加工ユニット20は、加工対象の板金Wを載せる加工テーブル21と、門型のX軸キャリッジ22と、Y軸キャリッジ23と、Y軸キャリッジ23に固定されたコリメータユニット30と、加工ヘッド35とを有する。X軸キャリッジ22は、加工テーブル21上でX軸方向に移動自在に構成されている。Y軸キャリッジ23は、X軸キャリッジ22上でX軸に垂直なY軸方向に移動自在に構成されている。X軸キャリッジ22及びY軸キャリッジ23は、加工ヘッド35を板金Wの面に沿って、X軸方向、Y軸方向、または、X軸とY軸との任意の合成方向に移動させる移動機構として機能する。
加工ヘッド35を板金Wの面に沿って移動させる代わりに、加工ヘッド35は位置が固定されていて、板金Wが移動するように構成されていてもよい。レーザ加工機100は、板金Wの面に対して加工ヘッド35を相対的に移動させる移動機構を備えていればよい。
コリメータユニット30は、コリメーションレンズ31と、ベンドミラー32と、集束レンズ33とを備える。コリメーションレンズ31は、プロセスファイバ12より射出された発散光のレーザビームを平行光(コリメート光)に変換する。ベンドミラー32は、コリメーションレンズ31によって平行光に変換されたレーザビームをZ軸方向下方に向けて反射させる。集束レンズ33は、ベンドミラー32で反射したレーザビームを集束して、収束光に変換する。
加工ヘッド35には、先端部に円形の開口36aを有し、開口36aよりレーザビームを射出するノズル36が取り付けられている。集束レンズ33によって収束光に変換されたレーザビームは、ノズル36の開口36aより射出されて板金Wに照射される。
アシストガス供給装置80は、アシストガスとして窒素、酸素、窒素と酸素との混合気体、または空気を加工ヘッド35に供給する。板金Wの加工時に、アシストガスは開口36aより板金Wへと吹き付けられる。アシストガスは、板金Wが溶融したカーフ幅内の溶融金属を排出する。冷却水噴霧装置90は、バーニングの発生を抑制するために、板金Wの切断中に加工ヘッド35に冷却水を供給して、開口36aより冷却水を板金Wに噴霧することがある。
本発明者は、第1の検証として、バーニングの発生原因を確認した。板金Wとして板厚25mmの一般構造用圧延鋼材(SS400)を用い、レーザ加工機100によって1枚の板金Wより同一形状の製品を24個連続的に切断した。冷却水を非噴霧とした場合、1個目の製品の切断時にはバーニングは発生しなかったが、最終の24個目の製品の切断時にはバーニングが発生した。冷却水を噴霧しながら製品を24個連続的に切断した場合には、1個目の製品から24個目の製品までバーニングは発生しなかった。
第1の検証により、バーニングの発生原因は、板金Wをレーザビームによって切断するときに発生する熱の蓄積による材料の温度上昇であると考えられる。
本発明者は、第2の検証として、レーザ加工機100によって板金Wとして軟鋼板の厚板を切断し、冷却水の噴霧流量に応じてバーニングがどのように抑制されるかを検証した。図2に示すように、レーザ加工機100によって板金WにピアスPsを開け、板金Wを切断面1〜4によって略矩形状に切断した。切断面1〜4の長さは50mmである。
板金Wとして、SS400、溶接構造用圧延鋼材(SM490A)、建築構造用圧延鋼材(SN490B)の3種類の材料を切断した。いずれも板厚は28mmである。加工条件を、集束レンズ33の焦点距離190mm、レーザ発振器10のレーザ出力9kW、発振周波数1kHz、デューティ75%、アシストガス圧0.07MPa、ギャップ1.0mmとした。
図3に、SS400、SM490A、SN490Bそれぞれの検証結果を示している。レーザ加工機100によってSS400を切断したとき、冷却水を非噴霧とすると、切断面1〜4でバーニングの発生数はそれぞれ2、0、1、3で合計6であった。冷却水の噴霧流量を標準の20cc/分とすると、切断面1〜4でバーニングの発生数はそれぞれ0、0、0、1で合計1であった。冷却水の噴霧流量を多めの50cc/分とすると、切断面1〜4でバーニングの発生数は全て0で合計0であった。発明者は、目視で各切断面に発生したバーニングの数を確認した。なお、切断面4においてバーニングの発生数が多くなるのは、切断面4に切断時に熱が蓄積しているからである。
レーザ加工機100によってSM490Aを切断したとき、冷却水を非噴霧とすると、切断面1〜4でバーニングの発生数はそれぞれ2、1、0、6で合計9であった。冷却水の噴霧流量を標準の20cc/分とすると、切断面1〜4でバーニングの発生数はそれぞれ0、1、0、6で合計7であった。冷却水の噴霧流量を多めの50cc/分とすると、切断面1〜4でバーニングの発生数はそれぞれ0、0、0、1で合計1であった。
レーザ加工機100によってSN490Bを切断したとき、冷却水を非噴霧とすると、切断面1〜4でバーニングの発生数はそれぞれ1、2、3、3で合計9であった。冷却水の噴霧流量を標準の20cc/分とすると、切断面1〜4でバーニングの発生数はそれぞれ1、0、2、2で合計5であった。冷却水の噴霧流量を多めの50cc/分とすると、切断面1〜4でバーニングの発生数はそれぞれ0、0、0、2で合計2であった。
図3より、冷却水の噴霧流量を多くするほど、バーニングの発生を抑制することができることが分かる。SS400、SM490A、SN490Bの検証結果より、板金Wの材料によってバーニングの発生数が異なることが分かる。SS400においては、冷却水の噴霧流量が20cc/分でバーニングの発生を抑制することができる。しかしながら、SM490A及びSN490Bにおいては、冷却水の噴霧流量は20cc/分では不十分で、50cc/分またはそれ以上とする必要がある。即ち、板金Wの材料によって適切な冷却水の噴霧流量が異なることが分かる。
さらに、本発明者は、第3の検証として、X線分析器を使用して、SS400、SM490A、SN490Bの組成元素を分析して、各元素の含有量とバーニングの発生のしやすさとの関係を検証した。図4に示すように、X線分析器によって検出できた元素のうち、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Mo(モリブデン)を選択して、各元素の含有量を示す。図4には、各元素の熱伝導率を示している。
図4より分かるように、SS400は、熱伝導率が他の元素のそれと比較して格段に高いCuの含有量が多い。SM490A及びSN490Bにおいては、Cuの含有量は0である。SM490A及びSN490Bは、熱伝導率が他の元素のそれと比較して格段に低いMnの含有量が多い。SS400においては、Mnの含有量はSM490A及びSN490Bにおける含有量の1/2未満である。
熱伝導率が高いCuを多く含むと、板金Wを切断しているときの熱は周辺に伝導しやすいため、バーニングは発生しにくくなる。熱伝導率が低いMnを多く含むと、板金Wを切断しているときの熱は周辺に伝導しにくいため、バーニングが発生しやすくなる。図3に示すように、SS400よりもSM490A及びSN490Bの方が多くのバーニングが発生しているのは、CuとMnの含有量の差に起因していると理解できる。板金Wの材料に含まれるCuとMnの含有量はバーニングが発生しやすいか否かの指標となる。
以上のように、第1〜第3の検証によって次のことが判明した。第1の検証により、熱の蓄積による材料の過度の温度上昇がバーニングの発生原因である。第2の検証により、冷却水の噴霧流量の増加はバーニング発生の抑制に効果的であり、材料によって適切な冷却水の噴霧流量が異なる。第3の検証により、材料に含まれる元素(特にCu及びMn)の含有量が、バーニングが発生しやすいか否かの指標となる。
図5に示すように、本実施形態においては、組成元素の含有量が異なる複数の板金が材質A〜Lの材質種別に分類されている。材質A〜Lは、各板金をレーザ加工ユニット20によって切断したときのバーニングの発生のしやすさの程度が異なる。
材質Aは、Cuの含有量が0.20%を超えてバーニングが発生しにくい材質である。材質Bは、Cuの含有量が0.20%以下(かつ0.10%を超える)で材質Aよりもバーニングが発生しやすい材質である。材質Cは、Cuの含有量が0.10%以下で材質Bよりもバーニングが発生しやすい材質である。材質Dは、Cuの含有量が0.10%以下かつMnの含有量が0.10%以上で、材質Cよりもバーニングが発生しやすい材質である。
材質Eは、Cuの含有量が0.05%以下かつMnの含有量が0.10%以上で、材質Dよりもバーニングが発生しやすい材質である。材質Fは、Cuの含有量が0.05%以下かつMnの含有量が0.50%以上で、材質Eよりもバーニングが発生しやすい材質である。材質Gは、Cuの含有量が0.05%以下かつMnの含有量が0.75%以上で、材質Fよりもバーニングが発生しやすい材質である。材質Hは、Cuの含有量が0.05%以下かつMnの含有量が1.00%以上で、材質Gよりもバーニングが発生しやすい材質である。
材質Iは、Cuの含有量が0.0%かつMnの含有量が1.00%以上で、材質Hよりもバーニングが発生しやすい材質である。材質Jは、Cuの含有量が0.0%かつMnの含有量が1.00%以上で、さらにFe(鉄)以外の元素の含有量が1.0%以上で、材質Iよりもバーニングが発生しやすい材質である。材質Kは、Cuの含有量が0.0%かつMnの含有量が1.00%以上で、さらにFe以外の元素の含有量が2.0%以上で、材質Jよりもバーニングが発生しやすい材質である。材質Lは、Cuの含有量が0.0%かつMnの含有量が1.00%以上で、さらにFe以外の元素の含有量が3.0%以上で、材質Kよりもバーニングが発生しやすい材質である。
図5に示すように、材質A〜Lに対応して、バーニングの発生を抑制する対策を施すか否かが設定され、対策を施す場合には、バーニングの発生を抑制する具体的な対策が設定されている。バーニングの発生を抑制する第1の対策は、冷却水の噴霧である。第2の対策は、製品のエッジにおいて板金Wの切断を一時停止した上での冷却水の噴霧である。第3の対策は、加工条件パラメータの調整である。図5において、ハイフンが記載されている欄は、対策を施さないことを意味する。
第1の対策として、材質Bにおいては冷却水の噴霧流量が20cc/分と設定され、材質Cにおいては冷却水の噴霧流量が40cc/分と設定されている。材質D〜Lにおいては冷却水の噴霧流量が60cc/分と設定されている。
第2の対策において、製品のエッジを切断する際に加工ヘッド35の相対的な移動を一時的に停止させた状態におけるエッジの角度に対応して、冷却水の噴霧流量と噴霧時間とが設定されている。第2の対策は、複数の材質種別A〜Lのうちの一部の材質種別である材質種別E〜Lに設定されている。
図6は、製品のエッジの角度の例を示している。製品が六角形であるとき、1つの内角は120度である。製品が四角形であるとき、1つの内角は90度である。製品が直角三角形であるとき、1つの内角は60度である。
材質Eにおいては、製品のエッジの角度が120度以下であれば、冷却水の噴霧流量60cc/分、噴霧時間0.1秒と設定されている。材質Fにおいては、製品のエッジの角度が90度以下であれば、冷却水の噴霧流量60cc/分、噴霧時間0.2秒と設定されている。材質Gにおいては、製品のエッジの角度が60度以下であれば、冷却水の噴霧流量60cc/分、噴霧時間0.5秒と設定されている。材質H〜Lにおいては、製品のエッジの角度が45度以下であれば、冷却水の噴霧流量60cc/分、噴霧時間1.0秒と設定されている。
第3の対策である加工条件パラメータの調整は、レーザ発振器10が射出するレーザビームのレーザ出力の低減、板金Wを切断するときの切断速度の増加、アシストガス供給装置80が供給するアシストガスのガス圧の低減を含む。第3の対策は、複数の材質種別A〜Lのうちの一部の材質種別である材質種別I〜Lに設定されている。詳細には、レーザ出力の低減が材質種別I〜Lに設定され、切断速度の増加が材質種別K及びLに設定され、アシストガスのガス圧の低減が材質種別Lに設定されている。
加工条件パラメータの調整は、レーザ加工に通常用いられ、加工条件データベース70に記憶されている材質種別または板厚ごとに予め設定されている加工条件のうちのレーザ出力の低減、切断速度の増加、アシストガスのガス圧の低減のうちの少なくとも1つであってもよい。加工条件パラメータの調整は、レーザ出力の低減、切断速度の増加、アシストガスのガス圧の低減のうちの任意の2つの組み合わせであってもよい。1つのみとする場合には、レーザ出力の低減とするのがよい。2つとする場合には、レーザ出力の低減及び切断速度の増加とするのがよい。
材質Iにおいては、レーザ出力を1.0%だけ低減させるように設定されている。材質Jにおいては、レーザ出力を3.0%だけ低減させるように設定されている。レーザ出力を低減させれば板金Wの温度上昇が抑えられるので、バーニングの発生が抑制される。
材質Kにおいては、レーザ出力を3.0%だけ低減させ、かつ板金Wの切断速度を1.0%だけ増加させるように設定されている。板金Wの切断速度を増加させれば板金Wの温度上昇が抑えられるので、バーニングの発生が抑制される。材質Lにおいては、レーザ出力を3.0%だけ低減させ、かつ板金Wの切断速度を1.0%だけ増加させ、さらにアシストガスのガス圧を1.0%だけ低減させるように設定されている。アシストガス(酸素)のガス圧を上げると溶融金属部分へのガス供給量が増え、酸化反応が促進されることによりバーニングが発生しやすくなる。逆に、アシストガスのガス圧を下げると、酸化による反応熱を少なくすることができるので、バーニングの発生が抑制される。
NC装置50には、以上説明した図5に示す材質種別ごとに対応付けられたバーニングの発生を抑制する対策を示す設定テーブルが記憶されている。NC装置50は設定テーブルを記憶する記憶部である。設定テーブルがNC装置50以外の記憶部に記憶されていて、NC装置50が記憶部に記憶されている設定テーブルを参照してもよい。
図7に示すフローチャートを用いて、レーザ加工機100が、バーニングの発生を抑制する対策を施しながら板金Wを切断する処理を説明する。図7において、オペレータは、処理を開始すると、ステップS1にて、NC装置50に加工対象の板金W(軟鋼板)の成分量を入力する。NC装置50に入力する成分量は、Cr、Mn、Ni、Cu、Moだけでもよい。なお、オペレータは、板金の成分量をミルシートで確認することができる。ここではオペレータによる手動入力としているが、X線分析器が板金Wの各元素の成分量を自動的に分析してNC装置50に供給されるように構成されていてもよい。また、加工プログラムデータベース60に記憶されている、板金Wを切断するため用いられる加工プログラムに予め成分量を記載しておき、NC装置50がその成分量を参照してもよい。
NC装置50は、ステップS2にて、各成分量が登録済みの材質種別A〜Lのいずれかに該当するか否かを判定する。各成分量が登録済みの材質種別A〜Lのいずれかに該当すれば(YES)、NC装置50は、ステップS3にて、該当する材質種別の設定条件を読み込む。設定条件とは、バーニングの発生を抑制する対策の設定条件である。NC装置50は、ステップS4にて、加工プログラムデータベース60に記憶された加工プログラムを用いて加工対象の板金Wを切断するようレーザ加工機100を制御する。その際、NC装置50は、加工条件データベース70を参照して所定の材質種別と板厚とに対応する加工条件を選択し、加工条件と設定条件との双方を適用して板金Wを切断するようレーザ加工機100を制御する。
オペレータは、ステップS5にて、バーニングが発生したか否かを確認する。オペレータが目視でバーニング発生の有無を確認する代わりに、板金Wの断面をカメラで撮影してバーニングが発生したか否かを自動的に判定してもよい。ステップS5にてバーニングが発生していなければ(NO)、板金Wを切断する処理を終了する。
ステップS2にて各成分量が登録済みの材質種別A〜Lのいずれにも該当しなければ(NO)、オペレータは、ステップS6にて、設定テーブルに新しい材質種別と、その新しい材質種別に対応させた設定条件とを登録する。NC装置50またはオペレータは、ステップS3〜S5の処理を実行する。なお、ステップS6にて材質種別及び設定条件が新規に登録された場合には、ステップS3にて、新規に登録された材質種別の設定条件が読み込まれる。
ステップS5にてバーニングが発生していれば(YES)、オペレータは加工を停止させるか、NC装置50が自動的に加工を停止させる。カメラまたはセンサによってバーニングが発生したか否かを自動的に判定する場合、バーニングが発生したと判定されたときにNC装置50がその判定に応答して加工を停止させてもよい。
オペレータは、ステップS7にて、現在選択している材質種別に対応して設定テーブルに記憶されている対策をよりバーニグの発生を抑制する設定条件へと変更し、NC装置50はオペレータによる更新の操作に応答して設定テーブルを更新する。NC装置50またはオペレータは、バーニングが発生した板金Wを続けて切断するか、加工対象の板金Wを変更して変更した板金Wを切断するよう、ステップS3〜S5の処理を実行する。なお、ステップS7にて設定テーブルが更新された場合には、ステップS3にて、変更された設定条件が読み込まれる。
オペレータが設定テーブルの設定条件を変更してNC装置50が設定テーブルを更新する代わりに、NC装置50は次のように設定テーブルを自動的に変更してもよい。材質種別Eを例にすると、材質種別Eの板金Wを設定テーブルの設定条件でバーニングの発生を抑制して切断したときに、バーニングが発生したとする。このとき、NC装置50は、より強くバーニングの発生を抑制する次の材質種別Fにおける複数の対策のうちのいずれか1つを材質種別Eに設定する。また、NC装置50は、材質種別Fにおける複数の対策の全てを材質種別Eに設定してもよい。即ち、NC装置50は、バーニングが発生したら、バーニングの発生を抑制する対策を自動的に強化してもよい。
図7に示す処理によって、レーザ加工機100は、バーニングの程度に応じてバーニングの発生を抑制する対策を適切に施すことにより、バーニングの発生を抑制して板金Wを切断することができる。図5の例では、上述した第1の対策を施すことにより、材質種別B〜Lの板金Wを切断する際のバーニングの発生が抑制される。上述した第2の対策を施すことにより、材質種別E〜Lの板金Wを切断して製品のエッジを切断する際のバーニングの発生が抑制される。上述した第3の対策を施すことにより、材質種別I〜Lの板金Wを切断する際のバーニングの発生がさらに効果的に抑制される。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。板金Wの材料はSS400のようなSS材、SM490AのようなSM材、SN490BのようなSN材に限定されない。板金Wはステンレス鋼であってもよく、アシストガスとして窒素を用いてステンレス鋼を切断するときにバーニングが発生する場合も同様にバーニングの発生を抑制する対策を施すことができる。
バーニングの発生を抑制するために、第1の対策のみを施してもよいし、第2の対策のみを施してもよいし、第3の対策のみを施してもよい。第1〜第3の対策のうちの任意の2つの対策を組み合わせてもよい。
10 レーザ発振器
12 プロセスファイバ
20 レーザ加工ユニット
21 加工テーブル
22 X軸キャリッジ(移動機構)
23 Y軸キャリッジ(移動機構)
30 コリメータユニット
31 コリメーションレンズ
32 ベンドミラー
33 集束レンズ
35 加工ヘッド
36 ノズル
36a 開口
40 操作部
50 NC装置(記憶部,制御装置)
60 加工プログラムデータベース
70 加工条件データベース
80 アシストガス供給装置
90 冷却水噴霧装置
100 レーザ加工機
W 板金

Claims (4)

  1. レーザビームを射出するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器が射出したレーザビームを加工対象の板金に照射する加工ヘッド、及び、前記加工ヘッドを前記板金の面に対して相対的に移動させる移動機構を有して、前記板金を切断するレーザ加工ユニットと、
    組成元素の含有量が異なる複数の板金を前記レーザ加工ユニットによって切断したときのバーニングの発生のしやすさの程度に応じて前記複数の板金を複数の材質種別に分類し、前記複数の材質種別の材質種別ごとにバーニングの発生を抑制するための対策を対応付けた設定テーブルを記憶する記憶部と、
    前記レーザ加工ユニットによって板金を切断しようとするとき、前記設定テーブルを参照して、切断しようとする板金の材質種別に対応して対策を選択し、バーニングの発生を抑制するため選択した対策を施しながら、前記板金を切断するよう制御する制御装置と、
    を備えるレーザ加工機。
  2. 前記板金を切断中に前記板金に冷却水を噴霧する冷却水噴霧装置をさらに備え、
    前記設定テーブルには、前記冷却水噴霧装置による冷却水の噴霧をバーニングの発生を抑制するための対策として、前記複数の材質種別の材質種別ごとに冷却水の噴霧流量が対応付けられており、
    前記制御装置は、切断しようとする板金の材質種別に対応して冷却水の噴霧流量を選択して、選択された噴霧流量で冷却水を噴霧するよう前記冷却水噴霧装置を制御する
    請求項1に記載のレーザ加工機。
  3. 前記板金を切断中に前記板金に冷却水を噴霧する冷却水噴霧装置をさらに備え、
    前記設定テーブルには、製品のエッジを切断する際に前記加工ヘッドの相対的な移動を一時的に停止させた状態における前記冷却水噴霧装置による冷却水の噴霧をバーニングの発生を抑制するための対策として、前記複数の材質種別ごとに、エッジの角度、冷却水の噴霧流量、及び噴霧時間が対応付けられており、
    前記制御装置は、製品のエッジを切断しようとするとき、切断しようとするエッジの角度に対応する冷却水の噴霧流量及び噴霧時間を選択して、選択された噴霧流量及び噴霧時間で冷却水を噴霧するよう前記冷却水噴霧装置を制御する
    請求項1に記載のレーザ加工機。
  4. 前記板金を切断中に前記板金に吹き付けるためのアシストガスを前記加工ヘッドに供給するアシストガス供給装置をさらに備え、
    前記設定テーブルには、前記レーザ発振器が射出するレーザビームのレーザ出力の低減と、前記板金を切断するときの切断速度の増加と、前記アシストガス供給装置が供給するアシストガスのガス圧の低減とのうちの少なくとも1つを含む加工条件パラメータの調整をバーニングの発生を抑制するための対策として、前記複数の材質種別ごとに、加工条件パラメータの調整が対応付けられており、
    前記制御装置は、切断しようとする板金の材質種別に対応して加工条件パラメータの調整に対応して、前記レーザ発振器、前記移動機構、またはアシストガス供給装置を制御する
    請求項1に記載のレーザ加工機。
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