JP2021048001A - 絶縁バスバーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特性の良好な絶縁バスバーの製造方法を提供する。【解決手段】(a)導体1の外周に被膜2aを形成する工程であって、(a1)第1温度に予備加熱された導体1を、槽20内で流動する紛体塗料PP中に浸漬し、粉体塗料PPを塗布する工程、および、(a2)槽20内で流動する紛体塗料PP中から引き抜く工程、を少なくとも2サイクル以上行う工程、(b)第2温度で熱処理を施すことにより、被膜2aを硬化させることにより絶縁層2を形成する工程、を有する。そして、(a1)工程における、導体1の浸漬時間は、1秒以下であり、(a)工程における被膜2aは、粉体塗料PPの未硬化物を含む。かかる方法によれば、絶縁層2中のボイドの成長を抑制することができ、比較的サイズの大きいボイド(例えば、直径70μm以上のボイド)の発生を低減することができる。【選択図】図2
Description
本発明は、絶縁バスバーの製造方法に関するものである。
従来、例えばインバーターやコンバーター等の電力変換装置内にて電流を伝送するための配線部材としてバスバーが用いられている。バスバーは、板状の導体に絶縁処理を施して絶縁バスバーとすることが多い。この絶縁処理としては、絶縁テープを巻き付ける方法、熱収縮チューブを被せる方法、樹脂モールドする方法、絶縁紙または樹脂フィルムで覆う方法などがあるが、近年、塗装技術を用いて絶縁層を形成する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、通電装置を構成しているバスバーの表面に、電着塗装によって付着された絶縁性塗料を形成する技術が開示されている。
また、特許文献2には、流動浸漬装置を用いて、バスバー本体に粉体塗料を塗装する技術が開示されている。この装置は、バスバー本体を加圧状態下に、通電加熱して、所定表面温度を有するバスバー本体とする第1の加熱装置と、加熱されたバスバー本体を、粉体塗料の中に浸漬させて、表面に対して、粉体塗料を塗装する流動浸漬装置と、粉体塗料を硬化させる第2の加熱装置と、硬化した粉体塗料からなる塗膜を部分的に除去する機械加工装置と、を有する。
また、特許文献3には、ばね部材を加熱する加熱工程と、ばね部材の表面温度T(℃)がTf−20≦T<Tf+20(Tf:熱硬化性粉体塗料の硬化完了点温度(℃))に達した状態で、熱硬化性粉体塗料をばね部材の表面に付着させる塗装工程と、付着した熱硬化性粉体塗料を硬化させる硬化工程と、を有するばね部材の粉体塗装方法が開示されている。
しかしながら、本発明者らが、粉体塗料を流動浸漬塗装することで、導体の外周に絶縁層(被膜)を形成したところ、絶縁層内に比較的サイズの大きなボイド(例えば、直径70μm以上のボイド)が生じる場合があることが判明した。
そこで、本発明は、導体の外周の絶縁層の内部における比較的サイズの大きなボイドを低減し、絶縁層の絶縁強度を向上させることができる絶縁バスバーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の絶縁バスバーの製造方法は、(a)導体の外周に被膜を形成する工程であって、(a1)第1温度に予備加熱された導体を、槽内で流動する紛体塗料中に浸漬し、前記導体の外周に前記粉体塗料を塗布する工程、および、(a2)前記(a1)工程の後、前記槽内で流動する前記紛体塗料中から引き抜く工程、を少なくとも2サイクル以上行う工程、(b)前記(a)工程の後、第2温度で熱処理を施すことにより、前記被膜を硬化させることにより絶縁層を形成する工程、を有する。そして、前記(a1)工程における、前記導体の前記槽内で流動する前記紛体塗料中への浸漬時間は、1秒以下であり、前記(a)工程における前記被膜は、前記粉体塗料の未硬化物を含む。
前記(a)工程における前記被膜は、前記導体近傍に位置する第1膜と、前記第1膜より外側に形成され当該第1膜よりも前記粉体塗料の硬化度が小さい第2膜とを有する。
前記第1温度および前記第2温度は、前記粉体塗料の熱硬化開始温度以上の温度である。
前記第1温度は、前記第2温度より高い。
前記粉体塗料は、エポキシ樹脂を含有する。
前記絶縁層の絶縁破壊電圧は、6kV以上である。
本発明の絶縁バスバーの製造方法によれば、絶縁層内の比較的サイズの大きなボイドの生成を抑制し、絶縁層の絶縁強度を向上させた絶縁バスバーを得ることができる。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。また、以下の説明においてA〜Bは、原則としてA以上B以下を示すものとする。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
(絶縁バスバーの構成)
図1は、本実施の形態の絶縁バスバーの構成を示す図である。図1(a)は、本実施の形態の絶縁バスバーの構成を示す上面図であり、図1(b)および図1(c)は、本実施の形態の絶縁バスバーの構成を示す断面図である。例えば、図1(b)および図1(c)は、それぞれ、図1(a)のA−A断面部、B−B断面部と対応する。
図1は、本実施の形態の絶縁バスバーの構成を示す図である。図1(a)は、本実施の形態の絶縁バスバーの構成を示す上面図であり、図1(b)および図1(c)は、本実施の形態の絶縁バスバーの構成を示す断面図である。例えば、図1(b)および図1(c)は、それぞれ、図1(a)のA−A断面部、B−B断面部と対応する。
図1(a)〜図1(c)に示すように、絶縁バスバー10は、板状の導体(バスバー本体)1と、導体1上に設けられた絶縁層2と、を有する。また、絶縁バスバー10は、板状の導体(バスバー本体)1が露出した接続部1aを有する。この接続部1aには、例えば、螺子穴1bが設けられている。この接続部1a(螺子穴1b)において、被接続体の端子と接続され、被接続体と絶縁バスバー10が電気的に接続される。
なお、図1に示す絶縁バスバー10は、略コの字(角を有するU字状)であるが、絶縁バスバー10の形状は、種々の変形が可能である。例えば、複数の接続部1aを設けてもよく、また、被接続体の形状に合わせた屈曲部を有していても良い。絶縁バスバー10は、例えばインバーターやコンバーター等の電力変換装置内にて、各部位(被接続体)に連結され、電流を伝送する配線部材(絶縁被覆導体)として用いられる。
導体1は、金属などの導電性材料よりなる。導体としては、アルミニウム、銅や、これらの合金などを用いることができる。特に、銅(Cu)を含有する金属導体(例えば、銅自体、銅とアルミニウムのクラッド材など)を用いることで、低抵抗で、電気伝導性が良好な絶縁バスバーとすることができる。
絶縁層2は、樹脂(塗料)よりなる。例えば、エポキシ、エポキシポリエステル、ポリエステルなどの熱硬化性樹脂よりなる。後述するように、この絶縁層2は、後述する流動浸漬塗装(流動浸漬紛体塗装)により導体1の表面(外周)に形成される。流動浸漬塗装とは、紛体塗料を入れた槽の下部の多孔質隔壁から空気や不活性ガスなどを圧入することで紛体を浮かせた流動層を設け、この流動層に被処理体(ここでは、導体)を浸漬することで塗装を行う方法である。例えば、上記熱硬化性樹脂材を細かく砕いた粉体塗料を流動させた流動層に、導体を浸漬することで、絶縁層2を形成することができる。詳細は後述する(図2参照)。
(絶縁バスバーの製造方法)
以下に、絶縁バスバーの製造方法を図面に基づいて説明する。
以下に、絶縁バスバーの製造方法を図面に基づいて説明する。
図2は、本実施の形態の絶縁バスバーの製造工程を示す図である。まず、図2(a)に示す板状の導体1を準備する。この導体1は、銅製であり、コの字状に加工されている。また、導体1の端部には、螺子穴1bを有する接続部(1a)が設けられている。そして、この導体1は、エッジ部をラウンド加工及び面取り加工したものである(図1(c)参照)。このような加工により、エッジ部への電界集中を低減することができる。また、後述する流動浸漬塗装において、粉体塗料の付き回りを向上させることができる。なお、銅の表面の酸化を防止するため、銅以外の金属によりその表面をメッキした導体を用いてもよい。メッキ材料としては、Sn、Niなどが挙げられる。
次いで、図2(b)に示すように、導体1の端部にマスキング処理を施す。即ち、導体1の螺子穴1bの近傍(接続部(1a))をマスキング材料3で覆う。マスキング材料3としては、ポリイミド、シリコーン、綿布、ポリエステル等のテープ材を用いることができる。マスキング材料3としては、後述する予備加熱や、熱硬化時の熱負荷に耐え得るものを選択する。例えば、マスキング材料3の耐熱温度としては、260℃以上のものを用いることが好ましい。
次いで、導体1を予備加熱装置100の内部に搬入し、常温(25℃)から第1温度まで昇温する。第1温度は、粉体塗料の熱硬化開始温度以上の温度である。例えば、後述する実施例のように粉体塗料としてエポキシ系粉体を用いた場合においては、240℃である。第1温度としては、140℃〜260℃の範囲が好ましい。第1温度が140℃未満となると、熱硬化が不十分となり、空気の巻き込みが大きくなる。また、280℃を超えると、粉体塗料が直ちに硬化し、その表面が粉体の表面形状を反映し凹凸が大きくなり、さらに、その凹凸状に粉体が積層され、さらにその表面の凹凸が大きくなる。
次いで、予備加熱装置100から導体1を取り出し、図2(c)に示すように、流動浸漬塗装を行う。図2(c)に示す粉体流動槽(単に、槽とも言う。)20内においては、熱硬化性樹脂材を細かく砕いた粉体塗料(単に、紛体とも言う。)PPが高密度で流動状態となっている。即ち、粉体流動槽20においては、下部の気体流路21から多孔質板23を介して圧力をかけた空気(air)が注入されており、その圧力で粉体流動槽20内の粉体塗料(PP)が流動した状態となり、流動層25となる。この流動層25には、予備加熱された導体(被塗装体、被処理物)1を抵抗なく浸漬することができ、予備加熱の熱で付着した紛体(紛体塗料)PPを溶着させることにより塗装膜(被膜、完全硬化前の絶縁層2)を形成することができる。このような流動浸漬塗装によれば、導体1に直接粉体PPを付着させることができ、例えば、溶媒に溶かした塗料を吹き付ける方法より、厚い膜を形成することができ、また、膜の特性を向上させることができる。
粉体PPとしては、エポキシ、エポキシポリエステル、ポリエステルなどの熱硬化性樹脂を微細化したものを用いることができる。特に、絶縁層に耐熱性が要求される場合はエポキシ系粉体を用いることが望ましい。エポキシ系粉体の熱硬化開始温度は、100℃〜130℃程度である。また、流動層の紛体塗料のかさ密度は、0.3g/cm3〜0.7g/cm3程度である。かさ密度は、例えば、流動槽の底面積×紛体塗料の深さと、流動層中に添加した紛体塗料の重量から求めることができる。なお、流動槽中の紛体塗料の上面は、液面のように目視にて確認することができる(例えば、後述の図4(a)参照)。
ここで、本実施の形態においては、短時間の浸漬工程と、浸漬休止工程とを繰り返し、導体1の外周に被膜を形成する。即ち、第1温度に予備加熱された導体1を固定治具5で挟み、粉体流動槽20内で流動する粉体塗料(PP)中(流動層25中)に浸漬し、導体1の外周に粉体塗料(PP)を塗布する浸漬工程、および、この工程の後、粉体流動槽20内で流動する粉体塗料中から導体1を引き抜き、流動層25から引き抜いた状態を維持する浸漬休止工程、を繰り返す(複数回行う、少なくとも2回以上行う、少なくとも2サイクル以上行う)。そして、浸漬時間は、0.1秒以上1秒以下とすることが好ましく、0.2秒以上0.5秒以下とすることがより好ましい。この浸漬時間は、流動層の紛体塗料中に導体の被処理領域の全体が埋まっている時間を言う。また、浸漬休止期間は、前の浸漬時間の終わりから次の浸漬時間の始まりまでを言う。このような、浸漬工程と浸漬休止工程とを被膜の膜厚が所定の膜厚となるまで行う。なお、所定の膜厚とは、被膜を構成する樹脂(未硬化の樹脂成分を含む)を熱硬化させることにより絶縁層2とした場合の必要とされる絶縁層2の膜厚に対応する膜厚である。
このように、本実施の形態によれば、導体1を予備加熱した状態で、上記浸漬工程および浸漬休止工程を繰り返し、かつ、浸漬期間を1秒以下とすることで、絶縁層中のボイドの成長を抑制することができ、比較的サイズの大きいボイド(例えば、直径70μm以上のボイド)の発生を低減することができる。その結果、絶縁層の耐電圧を向上させるなど、絶縁膜の特性を向上させることができる。
予備加熱装置100から取り出された導体1の温度は、時間の経過と共に下がる。また、導体1に付着する粉体が厚くなるにしたがって、導体1からの熱の影響が小さくなる。そのため、導体1には、例えば、導体1の近傍に位置する粉体PPの熱硬化物よりなる第1膜2a1と、第1膜2a1より外側に形成され、第1膜2a1より粉体PPの硬化度が小さい第2膜2a2と、を有する被膜2aが形成される(図2(d))。硬化度が小さい第2膜2a2は、粉体PPの積層物や粉体PPの溶融物よりなる。このような被膜2aを半硬化状態の被膜とも言う。この被膜2aの硬化度は10%以上とすることが好ましい。なお、被膜2aの第1膜2a1、第2膜2a2は、1回目の浸漬、2回目の浸漬で形成されたものである必要はない。被膜2aの形成後(第2加熱前)において、導体1の近傍には粉体PPの熱硬化物よりなる第1膜2a1が存在し、この膜の外周には粉体PPの硬化度が小さい第2膜2a2が存在し、被膜2aとしての硬化度が100%に満たない状態であればよい。
このような被膜2aであれば、この後、硬化度が小さい第2膜2a2の部分を第2加熱により熱硬化(完全硬化)させても、内部においてボイドの成長が抑制され、比較的サイズの大きいボイド(例えば、直径70μm以上のボイド)の発生を低減することができる。このように、良好な絶縁層2を形成することができる。また、絶縁破壊電圧の大きい良好な絶縁層2を形成することができる。
また、導体1の温度は、流動浸漬塗装の間、粉体塗料の熱硬化開始温度以上に維持される必要がある。このため、予備加熱温度は、後述する第2温度より大きいことが好ましい。また、浸漬休止期間を0.1秒以上1秒以下、より好ましくは0.2秒以上0.5秒以下とすることで、導体1の温度の降下を抑制し、予備加熱温度をある程度維持することができる。また、導体1の温度の降下を抑制するため、浸漬休止期間の度に導体1を加熱(再加熱)してもよい。
次いで、図2(e)に示すように、導体1を加熱装置200の内部に搬入し、導体1を第2温度まで加熱し、一定時間保持する(第2加熱)。第2温度は、粉体塗料の熱硬化開始温度以上の温度である。この加熱により、硬化度が小さい第2膜2a2の部分が熱硬化し、絶縁層2が形成される(図2(f)参照)。第2温度は、例えば、後述する実施例のように粉体塗料としてエポキシ系粉体を用いた場合においては、180℃である。
この後、導体1への加熱を停止して温度を徐々に下げ、絶縁層2を冷却する。次いで、螺子穴1bの近傍(接続部(1a))を保護していたマスキング材料3を除去する。これにより、導体1を絶縁層2で覆った絶縁バスバーを形成することができる(図2(f))。絶縁層2の膜厚は、例えば、100μm〜500μm程度である。浸漬回数は、2回〜15回程度である。
このように、本実施の形態によれば、導体1を予め予備加熱し、1回あたりの浸漬時間が1秒以下の流動浸漬を複数回行うことにより、導体1の近傍に位置する粉体の熱硬化物よりなる第1膜2a1と、第1膜2a1より外側に形成され、第1膜2a1よりも硬化度が小さい未硬化の部分を有する第2膜2a2と、からなる被膜2aを形成した後、第2膜2a2を熱硬化させることにより、比較的サイズの大きなボイド(例えば、直径70μm以上のボイド)が少ない良好な絶縁層2を形成することができる。また、絶縁破壊電圧の大きい良好な絶縁層2を形成することができる。
これに対し、浸漬休止期間を設けず、連続して数秒間浸漬した場合には、絶縁層2中に比較的サイズの大きなボイド(例えば、直径70μm以上のボイド)が生じ、絶縁破壊電圧が低下してしまう。図3は、浸漬回数が1回の場合の絶縁バスバーの絶縁層の形成状態を模式的に示す図である。図4は、浸漬回数が2回以上の場合の絶縁バスバーの絶縁層の形成状態を模式的に示す図である。
例えば、導体1を予め予備加熱し、2秒以上の流動浸漬を1回行い、浸漬休止期間を設けない場合について説明する。この場合、まず、粉体PPの積層物が導体1の外周に融着し(図3(a))、導体1の近傍に位置する粉体が熱硬化し第1膜2a1が形成される(図3(b))。ここで、粉体PPの積層物に取り込まれていた空気(air)は、加熱により粉体PPの積層物の表面側から放出されるものの、粉体PPの積層物が厚い状態で熱硬化が進むと、空気の放出量が少なくなり、空気が積層物中に取り込まれてしまう。そして、空気が取り込まれた状態で第2加熱を行うと、被膜の表面側から熱が加わるため、内部に空気が閉じ込められ、ボイドBが成長し、絶縁層2中に比較的サイズの大きなボイド(例えば、直径70μm以上のボイド)が形成されてしまう(図3(c))。
これに対し、浸漬回数を2回以上とした場合、即ち、浸漬期間を1秒以下とし、浸漬休止期間を設けた場合、図4(a)に示す1回目の浸漬で導体1の表面に付着した流動層25の粉体は、空気を逃しつつ(図4(b))、溶融、熱硬化する(図4(c))。この熱硬化膜をHL1で示す(図4(c))。そして、図4(d)に示す2回目の浸漬で熱硬化膜HL1の表面に付着した粉体は、空気を逃しつつ(図4(e))、部分的に溶融する(図4(f))。この溶融膜をML2で示す。この場合、この後に第2加熱を行っても、溶融膜ML2中に取り込まれている空気の量が少なく、ボイドが成長し難い為、絶縁層HL中に比較的サイズの大きなボイド(例えば、直径70μm以上のボイド)は生じない。また、ボイドが形成されたとしても、絶縁耐圧に影響を及ぼさない微小ボイド(例えば、直径40μm以下のボイド)に留まる。このように、特性の良好な絶縁層(HL)を形成することができる(図4(g))。
なお、電子機器の使用時において、絶縁バスバーのボイドの部分では、樹脂などの有機物で満たされた部分の電界より高くなり、かつボイドの部分の絶縁破壊電圧は有機物の絶縁破壊電圧の1/10以下となる。特に、ボイドのサイズが大きく、例えば、直径70μm以上のボイドが生じる場合には、絶縁破壊電圧に大きく影響し、絶縁層の特性が著しく低下してしまう。しかしながら、本実施の形態によれば、ボイドが生じたとしても、絶縁耐圧に影響を及ぼさない微小ボイドに留めることができ、絶縁破壊電圧を向上させることができる。
以下に、本実施の形態の実施例を説明する。以下の実施例は一例であって、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例)
コの字状の導体を準備し、以下のようにして導体の外周に絶縁層を形成した(図2参照)。
コの字状の導体を準備し、以下のようにして導体の外周に絶縁層を形成した(図2参照)。
導体材料としては、銅(タフピッチ銅)製のもので、幅14mm、厚さ1.5mm、エッジ部がR0.4mmにラウンド加工されたものを用いた。このような平角導体を、450mmの長さとなるように切断し、一辺が150mmになるようにコの字の形状に曲げた。導体の両端に位置する接続部にマスキング処理を施した。マスキング材としては耐熱温度260℃以上のものを用いた。
次いで、導体を240℃の熱風槽に入れ、予備加熱を行った。
予備加熱(第1加熱)を行った後、流動浸漬塗装を行った。予備加熱された導体を熱風槽から取り出し、固定治具で挟み、流動浸漬の準備を行った。粉体塗装材料としては、熱硬化性のエポキシ系粉体を用いた。このエポキシ系粉体の熱硬化開始温度は、80℃程度である。
固定治具で挟んだ導体を流動浸漬槽に浸漬し、導体に被膜を形成し(導体をエポキシ系粉体でコートし)、評価サンプルS2〜S3を得た。導体へのエポキシ系粉体のコート量は、後述する熱硬化後の膜厚が、200μm〜450μm程度となる量であった。浸漬回数は、3回〜10回とし、1回の浸漬工程において、浸漬時間は0.5秒とし、浸漬休止時間は、0.5秒とした。全ての浸漬工程終了時の導体の温度は、予備加熱温度から40℃〜50℃程度の低下に留まった。また、浸漬回数を1回とし(浸漬休止時間を設けず)、浸漬時間を2秒とした評価サンプルS1についても検討した。
このようにして、評価サンプルS1〜S4を得た。このような評価サンプルS1〜S4を複数部形成し、その一部については、後述する試験1を行った。また、残りの評価サンプルS1〜S4については、以下の処理を行った後、試験2〜4を行った。
次いで、被膜が形成された導体(評価サンプルS1〜S4)に熱処理(第2加熱)を施し、被膜中のエポキシ系粉体を熱硬化させた。ここでは、180℃、15分の熱処理を施し、導体の周囲に絶縁層を形成した。この熱処理温度(180℃)は、予備加熱温度(240℃)より低い。このようにして、絶縁バスバー(第2加熱後の評価サンプルS1〜S4)を形成した。
(試験)
(試験1;流動浸漬塗装後、第2加熱前)
上記流動浸漬塗装後、第2加熱前の評価サンプルS1〜S4を、それぞれ3サンプル準備し、導体上の被膜(図2(d)の2a)の一部を剥ぎ取った。これら被膜の状態を数値化するために、導体から剥ぎ取った被膜に対し、DSCにより発熱量を求め下記数式により硬化度(複合膜の硬化度=第1膜と低硬度の第2膜の平均値)を求めた。
(試験1;流動浸漬塗装後、第2加熱前)
上記流動浸漬塗装後、第2加熱前の評価サンプルS1〜S4を、それぞれ3サンプル準備し、導体上の被膜(図2(d)の2a)の一部を剥ぎ取った。これら被膜の状態を数値化するために、導体から剥ぎ取った被膜に対し、DSCにより発熱量を求め下記数式により硬化度(複合膜の硬化度=第1膜と低硬度の第2膜の平均値)を求めた。
示差走査熱量測定(Differential scanning calorimetry:DSC)は、一定の熱を与えながら、基準物質と評価サンプル(ここでは、被膜)の温度を測定して、評価サンプル(ここでは、被膜)の熱物性を温度差(発熱量差)等として測定するものである。
ここでは、基準物質として、原料としたエポキシ系粉体を用いることで、評価サンプル(ここでは、被膜)との発熱量の割合から熱硬化反応の程度、即ち、熱硬化度(単に、硬化度(硬化率)ともいう)を求めた。
熱硬化度の算出式を以下に示す。
(試験2;第2加熱後)
また、第2加熱後の評価サンプル(絶縁バスバー)S1〜S4を、それぞれ3サンプル準備し、水中破壊試験を行った。図5は、水中破壊試験の様子を示す図である。室温下で、図5に示すように、絶縁バスバー10を水(水道水)Wの中に浸漬し、水Wと絶縁バスバー10の接続部1a(導体1)との間に交流高電圧(V)を印加し、絶縁破壊電圧を測定した。具体的には、印加電圧を所定の期間ごとに初期電圧から100Vずつ上げていき、絶縁破壊した時点の前の期間の印加電圧(絶縁破壊電圧)を測定した。例えば、100Vで2秒、200Vで2秒、300Vで2秒、400Vで2秒として、順次印加電圧を上げていった場合において、7秒後に絶縁破壊が生じた場合は、絶縁破壊電圧は300Vとなる。なお、評価サンプルS1〜S4の各3サンプルについて膜厚を測定した。
また、第2加熱後の評価サンプル(絶縁バスバー)S1〜S4を、それぞれ3サンプル準備し、水中破壊試験を行った。図5は、水中破壊試験の様子を示す図である。室温下で、図5に示すように、絶縁バスバー10を水(水道水)Wの中に浸漬し、水Wと絶縁バスバー10の接続部1a(導体1)との間に交流高電圧(V)を印加し、絶縁破壊電圧を測定した。具体的には、印加電圧を所定の期間ごとに初期電圧から100Vずつ上げていき、絶縁破壊した時点の前の期間の印加電圧(絶縁破壊電圧)を測定した。例えば、100Vで2秒、200Vで2秒、300Vで2秒、400Vで2秒として、順次印加電圧を上げていった場合において、7秒後に絶縁破壊が生じた場合は、絶縁破壊電圧は300Vとなる。なお、評価サンプルS1〜S4の各3サンプルについて膜厚を測定した。
(試験3;第2加熱後)
第2加熱後の評価サンプル(絶縁バスバー)S1〜S4の膨れ(外観異常)の有無について目視で確認した。
第2加熱後の評価サンプル(絶縁バスバー)S1〜S4の膨れ(外観異常)の有無について目視で確認した。
(試験4;第2加熱後)
第2加熱後の評価サンプル(絶縁バスバー)S1〜S4の絶縁層(図2(f)の2)の断面を顕微鏡により観察し、被膜内の状態を評価した。
第2加熱後の評価サンプル(絶縁バスバー)S1〜S4の絶縁層(図2(f)の2)の断面を顕微鏡により観察し、被膜内の状態を評価した。
(結果)
(結果1;試験1(流動浸漬塗装後、第2加熱前))
流動浸漬塗装後、第2加熱前の評価サンプルS1〜S4の被膜について硬化度(%)を測定したところ、表1に示すとおりであった。
(結果1;試験1(流動浸漬塗装後、第2加熱前))
流動浸漬塗装後、第2加熱前の評価サンプルS1〜S4の被膜について硬化度(%)を測定したところ、表1に示すとおりであった。
(結果2;試験2(第2加熱後))
第2加熱後の評価サンプルS1〜S4の被膜について絶縁破壊電圧(kV)を測定したところ、表1に示すとおりであった。
第2加熱後の評価サンプルS1〜S4の被膜について絶縁破壊電圧(kV)を測定したところ、表1に示すとおりであった。
(結果3;試験3(第2加熱後))
第2加熱後の評価サンプルS1〜S4の膨れ(外観異常)の有無について目視で確認したところ、表1に示すとおりであった。
第2加熱後の評価サンプルS1〜S4の膨れ(外観異常)の有無について目視で確認したところ、表1に示すとおりであった。
(結果4;試験4(第2加熱後))
第2加熱後の評価サンプルS1〜S4の絶縁層の断面を顕微鏡により観察したところ、表1に示すボイドが観察された。以下に図6〜図9を参照しながら詳細に説明する。
第2加熱後の評価サンプルS1〜S4の絶縁層の断面を顕微鏡により観察したところ、表1に示すボイドが観察された。以下に図6〜図9を参照しながら詳細に説明する。
試験4について、第2加熱後の評価サンプルS1〜S4のうち、絶縁破壊電圧が最も低いものの絶縁層の断面を顕微鏡により観察したところ、図6〜図9に示すとおりであった。なお、図中(A)は顕微鏡写真であり、(B)は(A)の写真を模写した図である。
図6は、評価サンプルS1(絶縁破壊電圧5.0kV,膜厚358μm)の断面である。評価サンプルS1では、直径74μmのボイドを含んでいた。直径70μm以上のボイドを“中ボイド”と示す。
図7は、評価サンプルS2(絶縁破壊電圧6.8kV,膜厚265μm)の断面である。評価サンプルS2では、ボイドは確認されるものの、微小ボイド(直径40μm以下のボイド)であり、比較的サイズの大きなボイド(例えば、直径70μm以上のボイド)は確認されなかった。
図8は、評価サンプルS3(絶縁破壊電圧7.2kV,膜厚303μm)の断面である。評価サンプルS3では、ボイドは確認されるものの、微小ボイド(直径40μm以下のボイド)であり、比較的サイズの大きなボイド(例えば、直径70μm以上のボイド)は確認されなかった。
図9は、評価サンプルS4(絶縁破壊電圧8.2kV,膜厚383μm)の断面である。評価サンプルS4では、ボイドは確認されるものの、微小ボイド(直径40μm以下のボイド)であり、比較的サイズの大きなボイド(例えば、直径70μm以上のボイド)は確認されなかった。
(結果のまとめ)
予備加熱温度が240℃で、浸漬回数1回の評価サンプルS1は、硬化度も十分で、膨れ(外観異常)も発生していない。しかし、断面に中サイズのボイドが含まれていることが確認でき、絶縁破壊電圧の最低値も5.0kVで、安定していない。そのため、総合評価は、使用可能(△)とした(表1参照)。
予備加熱温度が240℃で、浸漬回数1回の評価サンプルS1は、硬化度も十分で、膨れ(外観異常)も発生していない。しかし、断面に中サイズのボイドが含まれていることが確認でき、絶縁破壊電圧の最低値も5.0kVで、安定していない。そのため、総合評価は、使用可能(△)とした(表1参照)。
予備加熱温度が240℃で、浸漬回数が複数回(それぞれ3回、5回、10回)の評価サンプルS2〜S4は、硬化度も十分で、膨れ(外観異常)も発生していない。さらに、絶縁破壊電圧も6.0kV以上で、安定している。また、断面に直径40μmを超えるボイドは確認できなかった。そのため、総合評価は、合格(○)とした(表1参照)。
(他の実施例)
評価サンプルS2〜S4においては、浸漬時間を0.5秒としたが、浸漬時間を1秒とした評価サンプルについても同様に試験したところ、硬化度も十分で、膨れ(外観異常)も発生せず、絶縁破壊電圧も6.0kV以上であり、断面に直径40μmを超えるボイドは確認できず、総合評価は、合格(○)であった。
評価サンプルS2〜S4においては、浸漬時間を0.5秒としたが、浸漬時間を1秒とした評価サンプルについても同様に試験したところ、硬化度も十分で、膨れ(外観異常)も発生せず、絶縁破壊電圧も6.0kV以上であり、断面に直径40μmを超えるボイドは確認できず、総合評価は、合格(○)であった。
(応用例)
上記実施の形態および実施例においては、紛体塗料として熱硬化性樹脂を用いたが、導体(バスバー本体)1の温度により、導体側から付着した紛体が順次硬化または固化し、図4に示す絶縁層の形成モデルに合う樹脂であれば他の樹脂を用いてもよい。
上記実施の形態および実施例においては、紛体塗料として熱硬化性樹脂を用いたが、導体(バスバー本体)1の温度により、導体側から付着した紛体が順次硬化または固化し、図4に示す絶縁層の形成モデルに合う樹脂であれば他の樹脂を用いてもよい。
図2の導体1上に、第1膜2a1と、第1膜2a1よりも硬化度が小さい第2膜2a2とからなる被膜2aが形成されたものを複数個用意し、これらを積層して加圧した状態で、熱硬化(第2加熱温度での加熱処理)し、一体化したものを、積層絶縁バスバーとして用いてもよい。
図2(c)においては、粉体流動槽20へ導体1を、導体1の板厚方向と垂直に浸漬したが、図10に示すように、導体1の板厚方向(図2(c)のZ方向)と平行に浸漬してもよい。図10は、応用例の絶縁バスバーの製造工程を示す図である。このように、導体1の板厚方向と平行に浸漬することで、導体1の各部位における紛体(紛体塗料)の接触時間の差を緩和することができ、導体1に紛体(紛体塗料)をより均一に付着させることができる。
また、図11に示すように、複数回の浸漬において、浸漬回数毎に導体1の浸漬方向を変えてもよい。図11は、他の応用例の絶縁バスバーの製造工程を示す図である。例えば、第1回目の浸漬においては、第1方向(例えば、第1端側)から流動層25に浸漬し(図11(a))、第2回目の浸漬においては、第2方向(例えば、前記第1端とは逆側である第2端側)から流動層25)に浸漬してもよい(図11(b))。さらに、第3回目は第1方向から、第4回目は第2方向からと、交互に浸漬方向を変えてもよい。このように、導体1の浸漬方向を変えることで、導体1に紛体(紛体塗料)をより均一に付着させることができる。例えば、第1回目の浸漬において、導体1の浸漬方向の先端部において逆側の後端部より紛体の付着量が多くなった場合においても、第2回目の浸漬において、導体1の後端部において先端部より紛体の付着量が多くなるため、導体1の各部位の紛体(紛体塗料)の付着量をより均一化することができる。
上記実施例の評価サンプルS2〜S3において、浸漬時間を0.5秒で統一したが、n回の浸漬を行う場合に、2回目以降の浸漬時間を1回目の浸漬時間よりも短くしてもよい。また、m回目以降の浸漬時間を(m−1)回目の浸漬時間よりも短くしてもよい。mはnより小さい自然数である。浸漬回数が進むにつれて導体1の温度が下がっているため、m回目以降の浸漬時間を短くし、紛体の融着量を少なくすることで、被膜中への空気(気泡)の取り込みを低減することができる。
導体1を加熱する方法としては、加熱装置での加熱に限らず、導体1に大電流を通電しジュール熱で加熱する方法や、高周波電源とコイルにより誘導電流により加熱する方法、遠赤外線等により加熱する方法などを用いてもよい。
本発明は上記実施の形態または実施例に限定されるものでなく、その趣旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
1 導体
1a 接続部
1b 螺子穴
2 絶縁層
2a 被膜
2a1 第1膜
2a2 第2膜
3 マスキング材料
5 固定治具
10 絶縁バスバー
20 粉体流動槽(槽)
21 気体流路
23 多孔質板
25 流動層
100 予備加熱装置
200 加熱装置
air 空気
B ボイド
HL 絶縁層
HL1 熱硬化膜
ML2 溶融膜
PP 粉体塗料(粉体)
V 交流高電圧
W 水
1a 接続部
1b 螺子穴
2 絶縁層
2a 被膜
2a1 第1膜
2a2 第2膜
3 マスキング材料
5 固定治具
10 絶縁バスバー
20 粉体流動槽(槽)
21 気体流路
23 多孔質板
25 流動層
100 予備加熱装置
200 加熱装置
air 空気
B ボイド
HL 絶縁層
HL1 熱硬化膜
ML2 溶融膜
PP 粉体塗料(粉体)
V 交流高電圧
W 水
Claims (6)
- (a)導体の外周に被膜を形成する工程であって、
(a1)第1温度に予備加熱された導体を、槽内で流動する紛体塗料中に浸漬し、前記導体の外周に前記粉体塗料を塗布する工程、および、
(a2)前記(a1)工程の後、前記槽内で流動する前記紛体塗料中から引き抜く工程、
を少なくとも2サイクル以上行う工程、
(b)前記(a)工程の後、第2温度で熱処理を施すことにより、前記被膜を硬化させることにより絶縁層を形成する工程、
を有し、
前記(a1)工程における、前記導体の前記槽内で流動する前記紛体塗料中への浸漬時間は、1秒以下であり、
前記(a)工程における前記被膜は、前記粉体塗料の未硬化物を含む、絶縁バスバーの製造方法。 - 請求項1記載の絶縁バスバーの製造方法において、
前記(a)工程における前記被膜は、前記導体近傍に位置する第1膜と、前記第1膜より外側に形成され当該第1膜よりも前記粉体塗料の硬化度が小さい第2膜と、を有する、絶縁バスバーの製造方法。 - 請求項1記載の絶縁バスバーの製造方法において、
前記第1温度および前記第2温度は、前記粉体塗料の熱硬化開始温度以上の温度である、絶縁バスバーの製造方法。 - 請求項3記載の絶縁バスバーの製造方法において、
前記第1温度は、前記第2温度より高い、絶縁バスバーの製造方法。 - 請求項4記載の絶縁バスバーの製造方法において、
前記粉体塗料は、エポキシ樹脂を含有する、絶縁バスバーの製造方法。 - 請求項5記載の絶縁バスバーの製造方法において、
前記絶縁層の絶縁破壊電圧は、6kV以上である、絶縁バスバーの製造方法。
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JP2019168205A JP2021048001A (ja) | 2019-09-17 | 2019-09-17 | 絶縁バスバーの製造方法 |
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KR20220139496A (ko) * | 2021-04-07 | 2022-10-17 | 안희익 | 전기에너지 통전용 부스 바의 제작방법 |
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2019
- 2019-09-17 JP JP2019168205A patent/JP2021048001A/ja active Pending
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KR102538543B1 (ko) | 2021-04-07 | 2023-06-05 | 안희익 | 전기에너지 통전용 부스 바의 제작방법 |
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