JP2021047214A - 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】光配向法によって液晶配向膜を製造することができ、尚且つ長時間バックライト光を照射し続けても良好な電圧保持率を有する液晶配向膜が得られる液晶配向剤を提供する。【解決手段】テトラカルボン酸二無水物成分と下記式(1)で表されるジアミンを含むジアミン成分とを用いて得られるポリアミック酸ならびにそのイミド化物から選ばれる重合体、及び有機溶媒を含有することを特徴とする液晶配向剤。【化1】R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立にH、CH3またはCF3を表し、但し、R1、R2、R3及びR4の内、必ず一つはCH3またはCF3を表し、W1及びW2はフェニレンを表し、L1及びL2は独立して、−(O)n1−(CH2)m−(O)n2−で表される2価の基であり、n1及びn2は独立して0又は1であり、mは1〜10の整数である。【選択図】なし
Description
本発明は、液晶セルの電圧保持特性に優れた液晶配向膜を与える液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子に関する。
一般的な液晶表示素子は、液晶に電界を与える為の電極を備えた一対の透明な基板の間に、電界に応答して向きを変える液晶を挟持して構成されている。そして、液晶配向膜は液晶表示素子を構成する部材の一つであって、前記一対の基板の液晶と接する面に形成され、液晶配向膜に接している液晶を一定の方向に配向させるという役割を担っている。
液晶配向膜の製造方法としては、基板上に形成された有機膜の表面を、綿、ナイロン、ポリエステル等の繊維が植毛された布で一定方向に擦るラビング法、基板上に形成された有機膜に偏光紫外線を照射して膜構造に異方性を付与する光配向法などが知られている。
上記の光配向法のひとつとして、分解型の光配向法が知られている。例えば、ポリイミド膜に偏光紫外線を照射し、分子構造の紫外線吸収の偏光方向依存性を利用して異方的な分解を生じさせ、分解せずに残されたポリイミドにより液晶を配向させる方法である(例えば、特許文献1を参照)。
液晶配向膜とする為のポリイミド膜を基板上に形成する方法としては、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸を含有する液晶配向剤を基板上に塗布し焼成してポリイミド膜とする方法や、溶媒可溶性ポリイミドを含有する液晶配向剤を基板上に塗布し溶媒を除去してポリイミド膜とする方法以外に、イミド基含有ジアミンを用いたイミド基含有ポリアミック酸を含有する液晶配向剤を基板上に塗布する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
また、上記のようなイミド基含有ポリアミック酸を含有する液晶配向剤を基板上に塗布・乾燥した後、I)光を照射した後焼成するか、あるいは、II)焼成しながら光を照射するか、あるいは、III)焼成した後光を照射する段階を含む光配向膜の製造方法が提案されている(特許文献3を参照)。
近年では、液晶表示素子の利用形態の変化に伴い、長時間の使用に耐えうる液晶表示素子が求められるようになってきた。長時間使用できるためには、バックライトユニットからの光を長時間照射しても、特性が変化しないことが求められる。そのため、バックライト光の照射によって、表示特性が大きく変化しない液晶配向膜が求められるようになってきた。
また、ポリアミック酸を含有する液晶配向剤を基板上に塗布・乾燥した後、偏光紫外線を照射してから焼成する工程によって製造した液晶配向膜は、必ずしも液晶配向の安定性が十分ではなく、特に横電界駆動型の液晶表示素子では液晶分子を面内でスイッチングするため、液晶駆動後の液晶の配向ズレが発生しやすく、この液晶配向ズレに起因して、良好な残像特性が得られないという問題があった。
また、ポリアミック酸を含有する液晶配向剤を基板上に塗布・乾燥した後、偏光紫外線を照射してから焼成する工程によって製造した液晶配向膜は、必ずしも液晶配向の安定性が十分ではなく、特に横電界駆動型の液晶表示素子では液晶分子を面内でスイッチングするため、液晶駆動後の液晶の配向ズレが発生しやすく、この液晶配向ズレに起因して、良好な残像特性が得られないという問題があった。
以上のようなことから、本発明の第1の目的は、光配向法によって液晶配向膜を製造することができ、尚且つ長時間バックライト光を照射し続けても良好な電圧保持率を有する液晶配向膜が得られる液晶配向剤の提供、更には長時間バックライト光を当てても電圧保持率の低下が少ない液晶配向膜が得られる液晶配向剤の提供にある。本発明の第2の目的は、前記第1の目的に加えて、光を照射してから焼成する工程によって製造した液晶配向膜であっても残像特性が良好な液晶配向膜が得られる液晶配向剤の提供にある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定のジアミンを用いることにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
かくして、本発明は、上記の知見に基づくものであり、下記の要旨を有する。
かくして、本発明は、上記の知見に基づくものであり、下記の要旨を有する。
1.テトラカルボン酸二無水物成分と下記式(1)で表されるジアミンを含むジアミン成分とを用いて得られるポリアミック酸ならびにそのイミド化物から選ばれる重合体、及び有機溶媒を含有することを特徴とする液晶配向剤。
R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立にH、CH3またはCF3を表し、但し、R1、R2、R3及びR4の内、必ず一つはCH3またはCF3を表し、
W1及びW2はフェニレンを表し、フェニレンは、ハロゲン基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基(アルキル基は、各々独立に、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である)、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のエステル基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアシル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ニトロ基、Boc保護したアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されてもよく、
L1及びL2は独立して、−(O)n1−(CH2)m−(O)n2−で表される2価の基であり、n1及びn2は独立して0又は1であり、mは1〜10の整数である。
R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立にH、CH3またはCF3を表し、但し、R1、R2、R3及びR4の内、必ず一つはCH3またはCF3を表し、
W1及びW2はフェニレンを表し、フェニレンは、ハロゲン基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基(アルキル基は、各々独立に、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である)、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のエステル基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアシル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ニトロ基、Boc保護したアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されてもよく、
L1及びL2は独立して、−(O)n1−(CH2)m−(O)n2−で表される2価の基であり、n1及びn2は独立して0又は1であり、mは1〜10の整数である。
2.式(1)のL1及びL2のそれぞれにおいて、n1とn2の少なくとも一方が0である上記の液晶配向剤。
3.式(1)のL1及びL2のそれぞれにおいて、n1+n2+mの値が偶数である上記の液晶配向剤。
4.前記ジアミン成分中の10〜100モル%が、式(1)で表されるジアミンであることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤。
5.上記1〜4のいずれかに記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜。
6.上記5に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
本発明の液晶配向剤から光配向法によって得られた液晶配向膜は、長時間バックライト光を照射し続けても良好な電圧保持率を有する液晶表示素子を得ることができる。
本発明の液晶配向剤は、特定ジアミンを含むジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを用いて得られるポリアミック酸ならびにそのイミド化物から選ばれる重合体(以下、特定重合体とも言う)、及び有機溶媒を含有する液晶配向剤である。以下、各条件につき詳述する。
式(1)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立にH、CH3またはCF3を表し、但し、R1、R2、R3及びR4の内、必ず一つはCH3またはCF3を表す。好ましくは、R1、R2、R3及びR4の内、2つがCH3であり、残りがHである。より好ましくは、R1とR3又はR2とR4がCH3であり、残りがHである。これらは、得られる重合体の溶解性が高いという点から好ましい。
式(1)中、W1及びW2はフェニレンを表し、好ましくは1,4−フェニレンである。このフェニレンは、ハロゲン基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基(アルキル基は、各々独立に、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である)、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のエステル基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアシル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ニトロ基、Boc保護したアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されてもよい。
式(1)中、L1及びL2は独立して、−(O)n1−(CH2)m−(O)n2−で表される2価の基であり、n1及びn2は独立して0又は1であり、mは1〜10の整数である。
ここで、バックライトを長時間照射したときの電圧保持率の低下がより少なくなるという観点では、式(1)のL1及びL2のそれぞれにおいてn1とn2の少なくとも一方が0であることが好ましい、即ち、L1及びL2のそれぞれにおいてn1+n2が0又は1であることが好ましい。前記の構造を例にとると式(1−1)、(1−2)又は(1−4)で表される構造が好ましい。
また、本発明の液晶配向剤を基板上に塗布した後、偏光紫外線を照射してから焼成する工程によって液晶配向膜を製造した場合であっても良好な残像特性を得るという観点では、式(1)のL1及びL2のそれぞれにおいてn1+n2+mの値が偶数であることが好ましい。前記の構造を例にとると式(1−1)と(1−2)においてはmが奇数であることが好ましく、式(1−3)と(1−4)においてはmが偶数であることが好ましい。
<ジアミン成分>
特定重合体を得る為のジアミン成分は、上記式(1)で表されるジアミンの少なくとも1種を含む物であり、1種類のジアミンからなる物であってもよく、2種類以上のジアミンからなる物であってもよい。ジアミン成分が2種類以上のジアミンからなる場合には、式(1)で表されるジアミンと共にその他のジアミンを含んでいてもよい。特定重合体を得る為のジアミン成分における式(1)で表されるジアミンの割合は、10〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは30〜100モル%、さらに好ましくは50〜100モル%である。
特定重合体を得る為のジアミン成分は、上記式(1)で表されるジアミンの少なくとも1種を含む物であり、1種類のジアミンからなる物であってもよく、2種類以上のジアミンからなる物であってもよい。ジアミン成分が2種類以上のジアミンからなる場合には、式(1)で表されるジアミンと共にその他のジアミンを含んでいてもよい。特定重合体を得る為のジアミン成分における式(1)で表されるジアミンの割合は、10〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは30〜100モル%、さらに好ましくは50〜100モル%である。
特定重合体を得る為のジアミン成分として、式(1)で表されるジアミンと共に用いるジアミンは特に限定されないが、例えば下記式(2)で表され、且つ前記式(1)で表されるジアミンを除いた化合物を挙げることができる。
式(2)において、Yは2価の有機基であり、炭素数6〜50の2価の有機基であるとより好ましい。また、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基であり、水素原子、又はメチル基がより好ましい。
<テトラカルボン酸二無水物成分>
特定重合体を得る為のテトラカルボン酸二無水物成分としては、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。特定重合体を得る為のテトラカルボン酸二無水物成分は、1種類の化合物からなる物であってもよく、2種類以上の化合物からなる物であってもよい。
式(3)中、Aは4価の有機基であり、好ましくは炭素数4〜30の4価の有機基である。
特定重合体を得る為のテトラカルボン酸二無水物成分としては、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。特定重合体を得る為のテトラカルボン酸二無水物成分は、1種類の化合物からなる物であってもよく、2種類以上の化合物からなる物であってもよい。
式(3)中、Aは4価の有機基であり、好ましくは炭素数4〜30の4価の有機基である。
上記の構造のうち、(A−1)、(A−2)は光配向性の更なる向上という観点から好ましく、(A−4)は蓄積電荷の緩和速度の更なる向上という観点から好ましく、(A−15)〜(A−17)などは、液晶配向性と蓄積電荷の緩和速度の更なる向上という観点から好ましい。
<特定重合体>
本発明の液晶配向剤に含有される特定重合体は、前記式(1)で表されるジアミンを含むジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを用いて得られるポリアミック酸ならびにそのイミド化物から選ばれる重合体である。
本発明の液晶配向剤に含有される特定重合体は、前記式(1)で表されるジアミンを含むジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを用いて得られるポリアミック酸ならびにそのイミド化物から選ばれる重合体である。
本発明において、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とからポリアミック酸を得る方法に特に制限は無いが、一例を挙げるなら以下の通りである。
ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを有機溶媒の存在下で混合し、−20〜150℃、好ましくは0〜70℃において、30分〜24時間、好ましくは1〜12時間撹拌して反応させる。このとき、重合体の分子量調節等の目的でモノアミンやジカルボン酸無水物などの末端封止剤を添加してもよい。
上記の反応に用いる有機溶媒は、モノマーおよび重合体の溶解性からN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
反応液の濃度は、重合体の析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという観点から、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを有機溶媒の存在下で混合し、−20〜150℃、好ましくは0〜70℃において、30分〜24時間、好ましくは1〜12時間撹拌して反応させる。このとき、重合体の分子量調節等の目的でモノアミンやジカルボン酸無水物などの末端封止剤を添加してもよい。
上記の反応に用いる有機溶媒は、モノマーおよび重合体の溶解性からN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
反応液の濃度は、重合体の析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという観点から、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
本発明におけるポリアミック酸のイミド化物は、上記のようにして得られたポリアミック酸をイミド化することで得られる重合体である。
ポリアミック酸のイミド化は、ポリアミック酸の溶液に触媒を添加する化学的イミド化が簡便である。化学的イミド化は、比較的低温でイミド化反応が進行し、イミド化の課程で重合体の分子量低下が起こりにくいので好ましい。化学的イミド化の一例を挙げるなら以下の通りである。
イミド化させたいポリアミック酸と塩基性触媒とを、酸無水物及び有機溶媒の存在下で混合し、−20〜140℃、好ましくは0〜100℃において、1〜100時間撹拌する。
ポリアミック酸のイミド化は、ポリアミック酸の溶液に触媒を添加する化学的イミド化が簡便である。化学的イミド化は、比較的低温でイミド化反応が進行し、イミド化の課程で重合体の分子量低下が起こりにくいので好ましい。化学的イミド化の一例を挙げるなら以下の通りである。
イミド化させたいポリアミック酸と塩基性触媒とを、酸無水物及び有機溶媒の存在下で混合し、−20〜140℃、好ましくは0〜100℃において、1〜100時間撹拌する。
有機溶媒としては前述したポリアミック酸の重合反応に用いた溶媒を使用することができる。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等を挙げることができる。中でもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。酸無水物としては無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。
塩基性触媒の量はポリアミック酸が有するアミド酸構造の0.5〜30倍モル、好ましくは2〜20倍モルであり、酸無水物の量はアミド酸構造の1〜50倍モル、好ましくは3〜30倍モルである。得られる重合体のイミド化率は、触媒量、温度、反応時間を調節することで制御することができる。
塩基性触媒の量はポリアミック酸が有するアミド酸構造の0.5〜30倍モル、好ましくは2〜20倍モルであり、酸無水物の量はアミド酸構造の1〜50倍モル、好ましくは3〜30倍モルである。得られる重合体のイミド化率は、触媒量、温度、反応時間を調節することで制御することができる。
以上のようにして得られた、ポリアミック酸ならびにそのイミド化物は、反応溶液をよく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、重合体を析出させて回収することができる。特に、ポリアミック酸を化学イミド化した場合には、反応液中に触媒等が残存しているので、重合体を回収および精製してから本発明の液晶配向剤に使用することが好ましい。
重合体の精製は、上記で析出した重合体を貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥することで行うことができる。重合体の析出及び洗浄に用いる貧溶媒は特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられ、水、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどが好ましい。
重合体の精製は、上記で析出した重合体を貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥することで行うことができる。重合体の析出及び洗浄に用いる貧溶媒は特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられ、水、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどが好ましい。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、上記の特定重合体と有機溶媒とを含有する組成物であり、異なる構造の特定重合体を2種以上含有していてもよい。また、本発明の液晶配向剤は、本発明に記載の効果を奏する限度において、特定重合体以外の重合体(以下、第2の重合体とも言う)や各種の添加剤を含有していてもよい。
本発明の液晶配向剤は、上記の特定重合体と有機溶媒とを含有する組成物であり、異なる構造の特定重合体を2種以上含有していてもよい。また、本発明の液晶配向剤は、本発明に記載の効果を奏する限度において、特定重合体以外の重合体(以下、第2の重合体とも言う)や各種の添加剤を含有していてもよい。
本発明の液晶配向剤が第2の重合体を含有する場合、全重合体成分に対する特定重合体の割合は5質量%以上であることが好ましく、その一例として5〜95質量%が挙げられる。
第2の重合体としては、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリオルガノシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレンまたはその誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
第2の重合体としては、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリオルガノシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレンまたはその誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
特に、テトラカルボン酸二無水物成分と前記式(1)で表されるジアミンを含まないジアミン成分とから得られるポリアミック酸(以下、第2のポリアミック酸とも言う)は第2の重合体として好ましい。
第2のポリアミック酸を得るためのテトラカルボン酸二無水物成分としては、前記式(3)で表される化合物を挙げることができ、式(3)のAとして好ましい構造及びその理由も前記特定重合体で述べたのと同じである。第2のポリアミック酸を得るためのテトラカルボン酸二無水物成分は、一種類のテトラカルボン酸二無水物であってもよく、2種類以上のテトラカルボン酸二無水物が併用されていてもよい。
第2のポリアミック酸を得るためのジアミン成分としては、前記式(2)で表され、且つ前記式(1)で表されるジアミンを除いた化合物を挙げることができる。第2のポリアミック酸を得るためのジアミン成分は、一種類のジアミンであってもよく、2種類以上のジアミンが併用されていてもよい。
以下に、第2のポリアミック酸を得るためのジアミン成分として用いると好ましい、式(2)のYの構造を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、第2のポリアミック酸を得るためのジアミン成分として用いると好ましい、式(2)のYの構造を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の液晶配向剤に含有される重合体の分子量は、基板上に均一で欠陥のない塗膜が形成できる限りにおいて特に限定されない。あえて例を挙げるとするなら、重量平均分子量で2,000〜500,000、好ましくは5,000〜300,000、より好ましくは、10,000〜100,000である。また、数平均分子量では、1,000〜250,000、好ましくは、2,500〜150,000、より好ましくは、5,000〜50,000である。
本発明の液晶配向剤における重合体の濃度は、形成させようとする塗膜の厚みの設定によって適宜変更することができるが、均一で欠陥のない塗膜を形成させるという点から1質量%以上であることが好ましく、溶液の保存安定性の点からは10質量%以下とすることが好ましい。特に好ましい重合体の濃度は、2〜8質量%である。
本発明の液晶配向剤における重合体の濃度は、形成させようとする塗膜の厚みの設定によって適宜変更することができるが、均一で欠陥のない塗膜を形成させるという点から1質量%以上であることが好ましく、溶液の保存安定性の点からは10質量%以下とすることが好ましい。特に好ましい重合体の濃度は、2〜8質量%である。
本発明の液晶配向剤に含有される有機溶媒は、重合体成分が均一に溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を挙げるならば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。また、単独では重合体成分を均一に溶解できない溶媒であっても、重合体が析出しない範囲であれば、上記の有機溶媒に混合してもよい。
また、液晶配向剤に含有される有機溶媒は、上記のような溶媒に加えて液晶配向剤を塗布する際の塗布性や塗膜の表面平滑性を向上させる溶媒を併用した混合溶媒を使用することが一般的であり、本発明の液晶配向剤においてもこのような混合溶媒は好適に用いられる。併用する有機溶媒の具体例を下記に挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、4,6−ジメチル−2−ヘプタノン、3−エトキシブチルアセタート、1−メチルペンチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2−(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル、下記式[D−1]〜[D−3]で表される溶媒などを挙げることができる。
式[D−1]中、D1は炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−2]中、D2は炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−3]中、D3は炭素数1〜4のアルキル基を示す。
例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、4,6−ジメチル−2−ヘプタノン、3−エトキシブチルアセタート、1−メチルペンチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2−(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル、下記式[D−1]〜[D−3]で表される溶媒などを挙げることができる。
式[D−1]中、D1は炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−2]中、D2は炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−3]中、D3は炭素数1〜4のアルキル基を示す。
なかでも好ましい溶媒の組み合わせとしては、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンとエチレングリコールモノブチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテル、N−エチル−2−ピロリドンとプロピレングリコールモノブチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンと4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンとジエチレングリコールジエチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルと2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルとジイソプロピルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルと2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンとジプロピレングリコールジメチルエーテル、などを挙げることができる。このような溶媒の種類及び含有量は、液晶配向剤の塗布装置、塗布条件、塗布環境などに応じて適宜選択される。
本発明の液晶配向剤には、上記の他、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体若しくは導電物質、液晶配向膜と基板との密着性を向上させる目的のシランカップリング剤、液晶配向膜にした際の膜の硬度や緻密度を高める目的の架橋性化合物、さらには塗膜を焼成する際にポリアミック酸のイミド化を効率よく進行させる目的のイミド化促進剤等を添加しても良い。
これらの架橋性化合物は、液晶配向剤に含有される重合体成分の100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましい。0.1質量部未満であると効果が期待できず、30質量部を超えると液晶の配向性を低下させるため、より好ましくは0.5〜20質量部である。
<液晶配向膜>
本発明の液晶配向膜は上記の液晶配向剤から得られるものであり、液晶配向膜を作製する方法は既存の方法を用いることができる。一般的な例を挙げると、塗布工程、乾燥工程、焼成工程、配向処理工程が含まれる。ここで、配向処理工程は、焼成工程の前であったり、焼成工程と同時であったり、焼成工程の後であったりしてもよい。
本発明の液晶配向膜は上記の液晶配向剤から得られるものであり、液晶配向膜を作製する方法は既存の方法を用いることができる。一般的な例を挙げると、塗布工程、乾燥工程、焼成工程、配向処理工程が含まれる。ここで、配向処理工程は、焼成工程の前であったり、焼成工程と同時であったり、焼成工程の後であったりしてもよい。
液晶配向剤の塗布方法としては、スピンコート法、印刷法、インクジェット法などが挙げられる。液晶配向剤を塗布する基板としては、ガラス基板、窒化珪素基板、アクリル基板、ポリカーボネート基板等のプラスチック基板等を挙げることができる。液晶表示素子などに用いる場合は、液晶駆動のためのITO電極等が形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の点から好ましい。
液晶配向剤を塗布した後の乾燥工程は、任意の温度と時間を選択することができる。通常は、含有される有機溶媒を十分に除去するために50℃〜120℃で1分〜10分間行われる。
液晶配向剤の焼成工程は、例えば150℃〜300℃で5分〜120分間行われる。液晶配向剤に含有される重合体中にアミック酸構造を有する場合は、この焼成工程により熱イミド化が起こり、ポリアミック酸はポリイミドに変化する。焼成後の塗膜の厚みは特に限定されないが、例えば5〜300nm、好ましくは10〜200nm、より好ましくは50nm〜150nmである。
液晶配向剤の焼成工程は、例えば150℃〜300℃で5分〜120分間行われる。液晶配向剤に含有される重合体中にアミック酸構造を有する場合は、この焼成工程により熱イミド化が起こり、ポリアミック酸はポリイミドに変化する。焼成後の塗膜の厚みは特に限定されないが、例えば5〜300nm、好ましくは10〜200nm、より好ましくは50nm〜150nmである。
配向処理工程としては、ラビング法、光配向法などが挙げられる。
ラビング法は既存のラビング装置を利用して行うことができる。この際のラビング布の材質としては、コットン、ナイロン、レーヨンなどが挙げられる。ラビング処理の条件としては一般に、回転速度300〜2000rpm、送り速度5〜100mm/s、押し込み量0.1〜1.0mmという条件が用いられる。その後、純水やアルコールなどを用いて超音波洗浄することによりラビングにより生じた残渣が除去される。
ラビング法は既存のラビング装置を利用して行うことができる。この際のラビング布の材質としては、コットン、ナイロン、レーヨンなどが挙げられる。ラビング処理の条件としては一般に、回転速度300〜2000rpm、送り速度5〜100mm/s、押し込み量0.1〜1.0mmという条件が用いられる。その後、純水やアルコールなどを用いて超音波洗浄することによりラビングにより生じた残渣が除去される。
光配向法の具体例としては、前記塗膜表面に偏光された放射線を照射する方法が挙げられる。放射線としては、100nm〜800nmの波長を有する紫外線および可視光線を用いることができる。このうち、100nm〜400nmの波長を有する紫外線が好ましく、200nm〜400nmの波長を有するものが特に好ましい。放射線の照射量は、1〜10,000mJ/cm2が好ましく、100〜5,000mJ/cm2が特に好ましい。偏光された紫外線の消光比が高いほど、より高い異方性が付与できるため、好ましい。具体的には、直線に偏光された紫外線の消光比は、10:1以上が好ましく、20:1以上がより好ましい。
光配向処理した膜は、水及び有機溶媒から選ばれる少なくとも1種を含む溶媒で洗浄処理してもよい。洗浄処理に使用する溶媒としては、光照射によって生成した分解物等を溶解する溶媒であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸メチル、ジアセトンアルコール、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、及び酢酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらの溶媒は2種以上を併用してもよい。汎用性や安全性の点からは、水、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール及び乳酸エチルからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。水、2−プロパンール、及び水と2−プロパノールの混合溶媒が特に好ましい。洗浄処理の後は、使用した溶液中の有機溶媒を除去する目的で、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトンなどの低沸点溶媒によるすすぎ(リンス)や乾燥のいずれか、又は両方を行ってもよい。
以上のように配向処理をした膜は、膜の異方性の増加を目的に150℃以上で加熱処理してもよい。膜の異方性の増加は、熱による分子鎖の再配向によって行われる。加熱の温度としては、150〜300℃が好ましい。温度が高いほど分子鎖の再配向が促進されるが、分子鎖が分解しない温度に留めることが好ましく、例えば180〜250℃がより好ましく、200〜230℃が特に好ましい。加熱時間は、例えば5分〜120分間である。
液晶配向膜を作製する方法において、配向処理工程が焼成工程の前に実施される場合、前記の焼成工程は、上記の膜の異方性の増加を目的とした加熱工程を兼ねることができる。
液晶配向膜を作製する方法において、配向処理工程が焼成工程の前に実施される場合、前記の焼成工程は、上記の膜の異方性の増加を目的とした加熱工程を兼ねることができる。
本発明の液晶配向膜は、IPS方式やFFS方式などの横電界方式の液晶表示素子の液晶配向膜として好適であり、特に、FFS方式の液晶表示素子の液晶配向膜として有用である。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、本発明の液晶配向剤から得られた液晶配向膜を有するものであり、その形態及び製造法は特に限定されない。例えば、前記液晶配向膜の作製方法によって液晶配向膜付きの基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製し、それを使用して液晶表示素子としたものである。
本発明の液晶表示素子は、本発明の液晶配向剤から得られた液晶配向膜を有するものであり、その形態及び製造法は特に限定されない。例えば、前記液晶配向膜の作製方法によって液晶配向膜付きの基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製し、それを使用して液晶表示素子としたものである。
以下に液晶セルの作製方法の一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、液晶駆動用の電極が形成された一組のガラス基板を準備し、この基板上に本発明の液晶配向膜を前記の方法で形成する。
次に、一方の基板の配向膜面上にビーズスペーサーを散布し、シール材を印刷する。このとき、ビーズスペーサーはシール材中に混ぜ込んでもよく、またビーズスペーサーを用いる代わりにあらかじめ柱状スペーサーが形成されている基板を用いてもよい。
最後に、上記の基板ともう一方の基板とを、液晶配向膜面が向き合うようにし、2枚の基板とシール材で包囲された空間内に液晶組成物を封入することで液晶セルとする。液晶組成物の封入方法は、真空注入法であっても液晶滴下法(ODF)であってもよい。
以上のような工程で作製された液晶セルを使用することで、本発明の液晶表示素子を得ることができる。
まず、液晶駆動用の電極が形成された一組のガラス基板を準備し、この基板上に本発明の液晶配向膜を前記の方法で形成する。
次に、一方の基板の配向膜面上にビーズスペーサーを散布し、シール材を印刷する。このとき、ビーズスペーサーはシール材中に混ぜ込んでもよく、またビーズスペーサーを用いる代わりにあらかじめ柱状スペーサーが形成されている基板を用いてもよい。
最後に、上記の基板ともう一方の基板とを、液晶配向膜面が向き合うようにし、2枚の基板とシール材で包囲された空間内に液晶組成物を封入することで液晶セルとする。液晶組成物の封入方法は、真空注入法であっても液晶滴下法(ODF)であってもよい。
以上のような工程で作製された液晶セルを使用することで、本発明の液晶表示素子を得ることができる。
以下に、本発明について実施例等を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、化合物、溶媒の略号は、以下のとおりである。
DA−1:下記構造式(DA−1)で表される化合物
DA−2:下記構造式(DA−2)で表される化合物
DA−3:下記構造式(DA−3)で表される化合物
DA−4:下記構造式(DA−4)で表される化合物
DA−5:下記構造式(DA−5)で表される化合物
DA−6:下記構造式(DA−6)で表される化合物
DA−7:下記構造式(DA−7)で表される化合物
DA−8:下記構造式(DA−8)で表される化合物
DA−9:下記構造式(DA−9)で表される化合物
DA−10:下記構造式(DA−10)で表される化合物
DA−11:下記構造式(DA−11)で表される化合物
CA−1:下記構造式(CA−1)で表される化合物
CA−2:下記構造式(CA−2)で表される化合物
CA−3:下記構造式(CA−3)で表される化合物
DA−1:下記構造式(DA−1)で表される化合物
DA−2:下記構造式(DA−2)で表される化合物
DA−3:下記構造式(DA−3)で表される化合物
DA−4:下記構造式(DA−4)で表される化合物
DA−5:下記構造式(DA−5)で表される化合物
DA−6:下記構造式(DA−6)で表される化合物
DA−7:下記構造式(DA−7)で表される化合物
DA−8:下記構造式(DA−8)で表される化合物
DA−9:下記構造式(DA−9)で表される化合物
DA−10:下記構造式(DA−10)で表される化合物
DA−11:下記構造式(DA−11)で表される化合物
CA−1:下記構造式(CA−1)で表される化合物
CA−2:下記構造式(CA−2)で表される化合物
CA−3:下記構造式(CA−3)で表される化合物
DA−1〜DA−5は、文献等未公開の新規化合物であり、以下の合成例1〜9でその合成法を詳述する。
実施例等で使用した有機溶媒の略号は以下の通りである。
NMP: N−メチル−2−ピロリドン。
GBL: γ−ブチロラクトン
BCS: ブチルセロソルブ。
THF: テトラヒドロフラン。
DMF: N,N−ジメチルホルムアミド。
CH2Cl2: ジクロロメタン。
MeOH: メタノール。
EtOH: エタノール。
IPA: イソプロピルアルコール。
NMP: N−メチル−2−ピロリドン。
GBL: γ−ブチロラクトン
BCS: ブチルセロソルブ。
THF: テトラヒドロフラン。
DMF: N,N−ジメチルホルムアミド。
CH2Cl2: ジクロロメタン。
MeOH: メタノール。
EtOH: エタノール。
IPA: イソプロピルアルコール。
<1HNMRの測定>
装置:フーリエ変換型超伝導核磁気共鳴装置(FT−NMR)「INOVA−400」(Varian製)400MHz。
溶媒:重水素化クロロホルム(CDCl3)又は重水素化N,N−ジメチルスルホキシド([D6]−DMSO)。
標準物質:テトラメチルシラン(TMS)。
装置:フーリエ変換型超伝導核磁気共鳴装置(FT−NMR)「INOVA−400」(Varian製)400MHz。
溶媒:重水素化クロロホルム(CDCl3)又は重水素化N,N−ジメチルスルホキシド([D6]−DMSO)。
標準物質:テトラメチルシラン(TMS)。
<粘度の測定>
合成例において、重合体溶液の粘度は、E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
合成例において、重合体溶液の粘度は、E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
2L四つ口フラスコに3−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル)プロパノール(306.9g、944mmol)、トリエチルアミン(190.0g、1888mmol)、THF(1000g)を仕込み、水浴中で、エタンスルホニルクロリド(182.0g、1416mmol)を滴下後、室温で撹拌した。反応終了後、反応系を酢酸エチル(2L)に注ぎ、純水(1L)を用いて抽出を行った。抽出した有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターにて溶媒留去することで、[DA−1−1]を336.7g得た。
3L四つ口フラスコに[DA−1−1](336.7g、980mmol)、4−ニトロフェノール(150.0g、1078mmol)、炭酸カリウム(203.0g、1470mmol)、NMP(1700g)を仕込み、80℃で撹拌した。反応終了後、反応系を酢酸エチル(4L)に注ぎ、1N−塩酸水溶液で中和した。水層を除去し、有機層を純水(2L)で洗浄した。洗浄した有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターにて溶媒留去し、IPA(2000g)加え、室温でリパルプ洗浄することで、[DA−1−2]を173.4g得た。
2L四つ口フラスコに[DA−1−2](86.7g、232mmol)、6N−塩酸水溶液(180g)、酢酸エチル(700g)を仕込み、60℃で撹拌した。反応終了後、反応系を純水(1L)に注ぎ、1N−水酸化ナトリウム水溶液で中和した。水層を除去し、有機層を純水(2L)で洗浄した。洗浄した有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターにて溶媒留去することで、[DA−1−3]を62.6g得た。
2L四つ口フラスコに[DA−1−3](62.6g、230mmol)、NMP(900g)を仕込み、水浴中で、1,3−DMCBDA(25.5g、114mmol)を添加後、室温で6h撹拌した。続いて、反応液にピリジン(54.5g、690mmol)、無水酢酸(35.2g、345mmol)を仕込み、60℃で撹拌した。反応終了後、反応系を純水(4L)に注ぎ、析出物を濾別した。得られた粗物にMeOH(500g)を加え、室温でリパルプ洗浄することで、[DA−1−4]を82.0g得た。
5L四つ口フラスコに[DA−1−4](80.0g、109mmol)、DMF(3200g)を仕込み、窒素置換後、5wt% Pd/C(8.0g)を加え、水素置換して60℃で撹拌した。反応終了後、反応液を0.45μmメンブレンフィルターで濾過することで、Pd/Cを除去した。得られた濾液をロータリーエバポレーターにて溶媒留去し、酢酸エチル(1000g)を加え、室温でリパルプ洗浄することで、[DA−1](赤紫色固体)を59.1g得た。目的物の1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、得られた固体が、目的の[DA−1]であることを確認した。
1H NMR (400 MHz, [D6]-DMSO):δ7.38-7.40 (d,4H), 7.31-7.33 (d,4H), 6.65-6.67 (d,4H), 6.49-6.51 (d,4H), 4.60 (d,4H), 3.83-3.86 (t,4H), 3.54 (s,2H), 2.73-2.80 (t,4H), 1.97-2.01 (t,4H), 1.39 (s,6H)
1H NMR (400 MHz, [D6]-DMSO):δ7.38-7.40 (d,4H), 7.31-7.33 (d,4H), 6.65-6.67 (d,4H), 6.49-6.51 (d,4H), 4.60 (d,4H), 3.83-3.86 (t,4H), 3.54 (s,2H), 2.73-2.80 (t,4H), 1.97-2.01 (t,4H), 1.39 (s,6H)
1L四つ口フラスコに[DA−1−2](86.7g、233mmol)、THF(350g)、EtOH(90g)を仕込み、窒素置換後、5wt% Pd/C(8.7g)を加え、水素置換して室温で撹拌した。反応終了後、反応液を0.45μmメンブレンフィルターで濾過することで、Pd/Cを除去した。得られた濾液をロータリーエバポレーターにて溶媒留去することで、[DA−2−1]を65.8g得た。
2L四つ口フラスコに[DA−2−1](65.8g、192mmol)、NMP(700g)を仕込み、水浴中で、1,3−DMCBDA(21.4g、96mmol)を添加後、室温で6h撹拌した。続いて、反応液にピリジン(45.6g、576mmol)、無水酢酸(29.8g、292mol)を仕込み、60℃で撹拌した。反応終了後、反応系を純水(3L)に注ぎ、析出物を濾別した。得られた粗物にMeOH(1000g)を加え、室温でリパルプ洗浄することで、[DA−2−2]を83.0g得た。
2L四つ口フラスコに[DA−2−2](83.0g、96mmol)、6N−塩酸水溶液(170g)、酢酸エチル(700g)を仕込み、60℃で撹拌した。反応終了後、反応系を純水(1L)に注ぎ、トリエチルアミンで中和した。析出物を濾別し、酢酸エチル(500g)を加え、室温でリパルプ洗浄することで、[DA−2]を25.2g得た。目的物の1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、得られた固体が、目的の[DA−2]であることを確認した。
1H NMR (400 MHz, [D6]-DMSO):δ7.29-7.32 (d,4H), 7.05-7.07 (d,4H), 6.87-6.89 (d,4H), 6.49-6.51 (d,4H), 4.86 (d,4H), 3.97-4.00 (t,4H), 3.52 (s,2H), 2.56-2.60 (t,4H), 1.93-1.97 (t,4H), 1.38 (s,6H)
1H NMR (400 MHz, [D6]-DMSO):δ7.29-7.32 (d,4H), 7.05-7.07 (d,4H), 6.87-6.89 (d,4H), 6.49-6.51 (d,4H), 4.86 (d,4H), 3.97-4.00 (t,4H), 3.52 (s,2H), 2.56-2.60 (t,4H), 1.93-1.97 (t,4H), 1.38 (s,6H)
2L四つ口フラスコにN−Boc−2−(4−アミノフェニル)エタノール(158.7g、669mmol)、トリエチルアミン(135.4g、1338mmol)、THF(1100g)を仕込み、水浴中で、エタンスルホニルクロリド(128.9g、1003mmol)を滴下後、室温で撹拌した。反応終了後、反応系を酢酸エチル(3L)に注ぎ、純水(1L)を用いて抽出を行った。抽出した有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターにて溶媒留去することで、[DA−3−1]を224.2g得た。
3L四つ口フラスコに[DA−3−1](217.3g、660mmol)、4−ニトロフェノール(101.0g、726mmol)、炭酸カリウム(136.8g、990mmol)、NMP(1200g)を仕込み、80℃で撹拌した。反応終了後、反応系を酢酸エチル(2L)に注ぎ、1N−塩酸水溶液で中和した。水層を除去し、有機層を純水(2L)で洗浄した。洗浄した有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターにて溶媒留去し、IPA(400g)加え、室温でリパルプ洗浄することで、[DA−3−2]を164.8g得た。
2L四つ口フラスコに[DA−3−2](84.3g、226mmol)、6N−塩酸水溶液(200g)、酢酸エチル(600g)を仕込み、60℃で撹拌した。反応終了後、反応系を純水(1.2L)に注ぎ、1N−水酸化ナトリウム水溶液で中和した。水層を除去し、有機層を純水(2L)で洗浄した。洗浄した有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾過した。得られた濾液をロータリーエバポレーターにて溶媒留去することで、[DA−3−3]を60.8g得た。
2L四つ口フラスコに[DA−3−3](60.8g、235mmol)、NMP(600g)を仕込み、水浴中で、1,3−DMCBDA(24.8g、111mmol)を添加後、室温で6h撹拌した。続いて、反応液にピリジン(55.8g、705mmol)、無水酢酸(35.9g、352mmol)を仕込み、60℃で撹拌した。反応終了後、反応系を純水(3L)に注ぎ、析出物を濾別した。得られた粗物にEtOH(1000g)を加え、室温でリパルプ洗浄することで、[DA−3−4]を79.1g得た。
3L四つ口フラスコに[DA−3−4](79.0g、112mmol)、DMF(800g)を仕込み、窒素置換後、5wt% Pd/C(7.9g)を加え、水素置換して室温で撹拌した。反応終了後、反応液を0.45μmメンブレンフィルターで濾過することで、Pd/Cを除去した。得られた濾液をロータリーエバポレーターにて溶媒留去し、酢酸エチル(1500g)を加え、室温でリパルプ洗浄することで、[DA−3](白色固体)を69.9g得た。目的物の1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、得られた固体が、目的の[DA−3]であることを確認した。
1H NMR (400 MHz, [D6]-DMSO):δ7.46-7.48 (d,4H), 7.33-7.35 (d,4H), 6.65-6.68(d,4H), 6.49-6.51 (d,4H), 4.61 (s,4H), 4.07-4.10 (t,4H), 3.54 (s,2H), 3.02-3.05 (t,4H), 1.39 (s,6H)
1H NMR (400 MHz, [D6]-DMSO):δ7.46-7.48 (d,4H), 7.33-7.35 (d,4H), 6.65-6.68(d,4H), 6.49-6.51 (d,4H), 4.61 (s,4H), 4.07-4.10 (t,4H), 3.54 (s,2H), 3.02-3.05 (t,4H), 1.39 (s,6H)
1L四つ口フラスコに[DA−3−2](80.6g、216mmol)、THF(300g)、EtOH(100g)を仕込み、窒素置換後、5wt% Pd/C(8.0g)を加え、水素置換して室温で撹拌した。反応終了後、反応液を0.45μmメンブレンフィルターで濾過することで、Pd/Cを除去した。得られた濾液をロータリーエバポレーターにて溶媒留去することで、[DA−4−1]を73.9g得た。
2L四つ口フラスコに[DA−4−1](73.9g、225mmol)、NMP(700g)を仕込み、水浴中で、1,3−DMCBDA(23.7g、106mmol)を添加後、室温で6h撹拌した。続いて、反応液にピリジン(53.4g、675mmol)、無水酢酸(34.5g、338mol)を仕込み、60℃で撹拌した。反応終了後、反応系を純水(3L)に注ぎ、析出物を濾別した。得られた粗物にEtOH(1000g)を加え、室温でリパルプ洗浄することで、[DA−4−2]を85.4g得た。
2L四つ口フラスコに[DA−4−2](85.4g、101mmol)、6N−塩酸水溶液(200g)、酢酸エチル(800g)を仕込み、50℃で撹拌した。反応終了後、反応系を純水(1.2L)に注ぎ、トリエチルアミンで中和した。析出物を濾別し、酢酸エチル(1500g)を加え、室温でリパルプ洗浄することで、[DA−4]を61.1g得た。目的物の1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、得られた固体が、目的の[DA−4]であることを確認した。
1H NMR (400 MHz, [D6]-DMSO):δ7.29-7.31 (d,4H), 7.05-7.08 (d,4H), 6.97-6.99 (d,4H), 6.51-6.53 (d,4H), 4.90 (s,4H), 4.11-4.14 (t,4H), 3.51 (s,2H), 2.86-2.89 (t,4H), 1.37 (s,6H)
1H NMR (400 MHz, [D6]-DMSO):δ7.29-7.31 (d,4H), 7.05-7.08 (d,4H), 6.97-6.99 (d,4H), 6.51-6.53 (d,4H), 4.90 (s,4H), 4.11-4.14 (t,4H), 3.51 (s,2H), 2.86-2.89 (t,4H), 1.37 (s,6H)
3L四つ口フラスコに4−[6−(4−アミノフェノキシ)ヘキシルオキシ]アニリン(90.0g、300mmol)、THF(600g)を仕込み、水浴中で、二炭酸ジ−tert−ブチル(65.4g、300mmol)を滴下後、室温で撹拌した。反応終了後、反応液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1体積比)にて単離することで、[DA−5−1]を48.0g得た。
3L四つ口フラスコに[DA−5−1](48.0g、120mmol)、NMP(480g)を仕込み、水浴中で、1,3−DMCBDA(13.4g、60mmol)を添加後、室温で6h撹拌した。続いて、反応液にピリジン(28.4g、360mmol)、無水酢酸(18.4g、180mmol)を仕込み、60℃で撹拌した。反応終了後、反応系を純水(3L)に注ぎ、析出物を濾別した。得られた粗物にMeOH(400ml)を加え、室温でリパルプ洗浄することで、[DA−5−2]を42.5g得た。
3L四つ口フラスコに[DA−5−2](42.5g、43mmol)、CH2Cl2(640g)を仕込み、水浴中で、トリフルオロ酢酸(43.9g、430mmol)を滴下後、室温で撹拌した。反応終了後、反応液を濃縮し、得られた粗物に純水(2L)を加え、トリエチルアミンで中和した。沈殿物を濾過し、得られた粗物にMeOH(100g)を加えて、室温でリパルプ洗浄することで、[DA−5](紫色固体)を26.3g得た。目的物の1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、得られた固体が、目的の[DA−3]であることを確認した。
1H NMR (400 MHz, [D6]-DMSO):δ7.29-7.31 (d,4H), 7.06-7.08 (d,4H), 6.63-6.65 (d,4H), 6.48-6.50 (d,4H), 4.59 (s,4H), 4.01-4.04 (t,4H), 3.80-3.84 (t,4H), 3.52 (s,2H), 1.74-1.76 (t,4H), 1.66-1.70 (t,4H), 1.46-1.48 (m,8H), 1.38 (s,6H)
1H NMR (400 MHz, [D6]-DMSO):δ7.29-7.31 (d,4H), 7.06-7.08 (d,4H), 6.63-6.65 (d,4H), 6.48-6.50 (d,4H), 4.59 (s,4H), 4.01-4.04 (t,4H), 3.80-3.84 (t,4H), 3.52 (s,2H), 1.74-1.76 (t,4H), 1.66-1.70 (t,4H), 1.46-1.48 (m,8H), 1.38 (s,6H)
<合成例7>
撹拌装置及び窒素導入管付きの50mLの四つ口フラスコに、DA−1を2.83g(4.20mmol)、DA−7を0.763g(2.80mmol)量り取り、NMPを25.0g加え、窒素を送りながら撹拌して分散させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA−1を1.28g(6.51mmol)添加し、さらにNMPを10.7g加え、窒素雰囲気下23℃で8時間撹拌してイミド基を含有するポリアミック酸(a-1)の溶液を得た。この溶液の温度25℃における粘度は945mPa・sであった。
撹拌装置及び窒素導入管付きの50mLの四つ口フラスコに、DA−1を2.83g(4.20mmol)、DA−7を0.763g(2.80mmol)量り取り、NMPを25.0g加え、窒素を送りながら撹拌して分散させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA−1を1.28g(6.51mmol)添加し、さらにNMPを10.7g加え、窒素雰囲気下23℃で8時間撹拌してイミド基を含有するポリアミック酸(a-1)の溶液を得た。この溶液の温度25℃における粘度は945mPa・sであった。
<合成例8〜15>
下記表に示す、テトラカルボン酸成分、ジアミン成分、及びNMPを使用し、それぞれ合成例7と同様に実施することにより、ポリアミック酸(a-2)〜(a-5)、(c-1)及び(b-1)〜(b-3)の溶液を得た。
下記表に示す、テトラカルボン酸成分、ジアミン成分、及びNMPを使用し、それぞれ合成例7と同様に実施することにより、ポリアミック酸(a-2)〜(a-5)、(c-1)及び(b-1)〜(b-3)の溶液を得た。
<実施例1>
合成例7で得られたポリアミック酸(a-1)の溶液6.25gを100ml三角フラスコに取り、NMPを0.50g、GBLを4.50g、BCSを3.75g添加し、室温で3時間撹拌し、液晶配向剤(1)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例7で得られたポリアミック酸(a-1)の溶液6.25gを100ml三角フラスコに取り、NMPを0.50g、GBLを4.50g、BCSを3.75g添加し、室温で3時間撹拌し、液晶配向剤(1)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例2〜5、比較例1>
ポリアミック酸(a-1)の溶液の代わりに、合成例8〜12で得られたポリアミック酸の溶液を用いた以外は、実施例1と同様に実施することで、下記表に示す液晶配向剤(2)〜(5)、(9)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
ポリアミック酸(a-1)の溶液の代わりに、合成例8〜12で得られたポリアミック酸の溶液を用いた以外は、実施例1と同様に実施することで、下記表に示す液晶配向剤(2)〜(5)、(9)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例6>
合成例8で得られたポリアミック酸(a-2)の溶液2.50gと、合成例13で得られたポリアミック酸(b-1)の溶液3.00gを100ml三角フラスコに取り、NMPを1.25g、GBLを4.50g、BCSを3.75g添加し、室温で3時間撹拌し、液晶配向剤(6)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例8で得られたポリアミック酸(a-2)の溶液2.50gと、合成例13で得られたポリアミック酸(b-1)の溶液3.00gを100ml三角フラスコに取り、NMPを1.25g、GBLを4.50g、BCSを3.75g添加し、室温で3時間撹拌し、液晶配向剤(6)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例7〜8>
ポリアミック酸(b-1)の溶液の代わりに、合成例14〜15で得られたポリアミック酸の溶液を用いた以外は、実施例6と同様に実施することで、下記表に示す液晶配向剤(7)〜(8)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
ポリアミック酸(b-1)の溶液の代わりに、合成例14〜15で得られたポリアミック酸の溶液を用いた以外は、実施例6と同様に実施することで、下記表に示す液晶配向剤(7)〜(8)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例9〜16、比較例2>
前記で得られた液晶配向剤を用いて以下に示す手順で液晶セルを作製し、電圧保持率を測定した。
前記で得られた液晶配向剤を用いて以下に示す手順で液晶セルを作製し、電圧保持率を測定した。
[電圧保持率評価用液晶セルの作製]
液晶配向剤を1.0μmのフィルターで濾過した後、ITO電極付きガラス基板上にスピンコート塗布し、80℃のホットプレート上で2分間乾燥させた。次いで、塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を所定量照射し、230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、液晶配向膜付き基板を得た。このようにして得られた液晶配向膜付き基板2枚を一組とし、一方の基板の配向膜面上に直径4μmのビーズスペーサーを散布し、シール材を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い且つ液晶の配向方向が一致するようにして張り合わせた後、シール材を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−3019(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、液晶セルを得た。その後、得られた液晶セルを110℃で1時間加熱し、一晩放置してから電圧保持率の測定に使用した。
なお、上記液晶セル作製工程における偏光紫外線の照射量は、用いた液晶配向剤ごとにあらかじめ0.1〜1.0J/cm2の範囲で照射を行って液晶セルを作製し、液晶の配向性が最も良好であった照射量を採用した。
この液晶セルは液晶の配向に欠陥がなく、液晶配向状態は良好であった。
液晶配向剤を1.0μmのフィルターで濾過した後、ITO電極付きガラス基板上にスピンコート塗布し、80℃のホットプレート上で2分間乾燥させた。次いで、塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を所定量照射し、230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、液晶配向膜付き基板を得た。このようにして得られた液晶配向膜付き基板2枚を一組とし、一方の基板の配向膜面上に直径4μmのビーズスペーサーを散布し、シール材を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い且つ液晶の配向方向が一致するようにして張り合わせた後、シール材を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−3019(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、液晶セルを得た。その後、得られた液晶セルを110℃で1時間加熱し、一晩放置してから電圧保持率の測定に使用した。
なお、上記液晶セル作製工程における偏光紫外線の照射量は、用いた液晶配向剤ごとにあらかじめ0.1〜1.0J/cm2の範囲で照射を行って液晶セルを作製し、液晶の配向性が最も良好であった照射量を採用した。
この液晶セルは液晶の配向に欠陥がなく、液晶配向状態は良好であった。
[電圧保持率の測定]
上記の液晶セルに、60℃の温度下で1Vの交流電圧を60μ秒間印加し、500m秒後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率(VHRともいう)として計算した。なお、測定は、電圧保持率測定装置(VHR−1、東陽テクニカ社製)を使用し、Voltage:±1V、Pulse Width:60μs、Flame Period:500msの設定で、電圧保持率の測定を行った。その後、その液晶セルを、23℃の温度下において点灯させておいたLEDバックライトパネルの上に120時間放置し、その後、上記と同じ設定で再び電圧保持率の測定を行った。
上記の液晶セルに、60℃の温度下で1Vの交流電圧を60μ秒間印加し、500m秒後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率(VHRともいう)として計算した。なお、測定は、電圧保持率測定装置(VHR−1、東陽テクニカ社製)を使用し、Voltage:±1V、Pulse Width:60μs、Flame Period:500msの設定で、電圧保持率の測定を行った。その後、その液晶セルを、23℃の温度下において点灯させておいたLEDバックライトパネルの上に120時間放置し、その後、上記と同じ設定で再び電圧保持率の測定を行った。
上記の結果から、本発明の液晶配向剤を用いた液晶セルは、初期値及びバックライト放置後の両方の電圧保持率が、比較例の液晶配向剤を用いた液晶セルよりも良好であることが確認された。
また、式(1)で表されるジアミンにおいて、L1及びL2のそれぞれにおけるn1とn2の少なくとも一方が0であるジアミンを用いた重合体を含有する液晶配向剤(1)〜(4)、(6)〜(8)は、L1及びL2のそれぞれにおけるn1とn2が共に1であるジアミンを用いた重合体を含有する液晶配向剤(5)と比較して、バックライト放置による電圧保持率の低下が少ないことが確認された。
また、式(1)で表されるジアミンにおいて、L1及びL2のそれぞれにおけるn1とn2の少なくとも一方が0であるジアミンを用いた重合体を含有する液晶配向剤(1)〜(4)、(6)〜(8)は、L1及びL2のそれぞれにおけるn1とn2が共に1であるジアミンを用いた重合体を含有する液晶配向剤(5)と比較して、バックライト放置による電圧保持率の低下が少ないことが確認された。
<実施例17〜24>
前記で得られた液晶配向剤を用いて以下に示す手順でFFS駆動液晶セルを作製し、残像特性を確認した。
前記で得られた液晶配向剤を用いて以下に示す手順でFFS駆動液晶セルを作製し、残像特性を確認した。
[FFS駆動液晶セルの構成]
フリンジフィールドスィッチング(Fringe Field Switching:FFS)モード用の液晶セルは、面形状の共通電極−絶縁層−櫛歯形状の画素電極からなるFOP(Finger on Plate)電極層が表面に形成されている第1のガラス基板と、表面に高さ4μmの柱状スペーサーを有し裏面に帯電防止の為のITO膜が形成されている第2のガラス基板とを、一組とした。上記の画素電極は、中央部分が内角160°で屈曲した幅3μmの電極要素が6μmの間隔を開けて平行になるように複数配列された櫛歯形状を有しており、1つの画素は、複数の電極要素の屈曲部を結ぶ線を境に第1領域と第2領域を有している。
なお、第1のガラス基板に形成する液晶配向膜は、液晶の配向方向が屈曲画素の内角を等分する方向と直交するように配向処理し、第2のガラス基板に形成する液晶配向膜は、液晶セルを作製した時に第1の基板上の液晶の配向方向と第2の基板上の液晶の配向方向とが一致するように配向処理する。
フリンジフィールドスィッチング(Fringe Field Switching:FFS)モード用の液晶セルは、面形状の共通電極−絶縁層−櫛歯形状の画素電極からなるFOP(Finger on Plate)電極層が表面に形成されている第1のガラス基板と、表面に高さ4μmの柱状スペーサーを有し裏面に帯電防止の為のITO膜が形成されている第2のガラス基板とを、一組とした。上記の画素電極は、中央部分が内角160°で屈曲した幅3μmの電極要素が6μmの間隔を開けて平行になるように複数配列された櫛歯形状を有しており、1つの画素は、複数の電極要素の屈曲部を結ぶ線を境に第1領域と第2領域を有している。
なお、第1のガラス基板に形成する液晶配向膜は、液晶の配向方向が屈曲画素の内角を等分する方向と直交するように配向処理し、第2のガラス基板に形成する液晶配向膜は、液晶セルを作製した時に第1の基板上の液晶の配向方向と第2の基板上の液晶の配向方向とが一致するように配向処理する。
[液晶セルの作製]
上記一組のガラス基板それぞれの表面に、1.0μmのフィルターで濾過した液晶配向剤をスピンコート塗布にて塗布し80℃のホットプレート上で2分間乾燥させた。その後、塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を所定量照射し、次いで230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜付き基板を得た。
次に、上記一組の液晶配向膜付きガラス基板の一方にシール材を印刷し、もう一方の基板を液晶配向膜面が向き合うように貼り合わせ、シール材を硬化させて空セルを作製した。
この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−3019(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。その後、得られた液晶セルを110℃で1時間加熱し、一晩放置してから残像特性の評価を実施した。
この液晶セルは液晶の配向に欠陥がなく、液晶配向状態は良好であった。
上記一組のガラス基板それぞれの表面に、1.0μmのフィルターで濾過した液晶配向剤をスピンコート塗布にて塗布し80℃のホットプレート上で2分間乾燥させた。その後、塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を所定量照射し、次いで230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜付き基板を得た。
次に、上記一組の液晶配向膜付きガラス基板の一方にシール材を印刷し、もう一方の基板を液晶配向膜面が向き合うように貼り合わせ、シール材を硬化させて空セルを作製した。
この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−3019(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。その後、得られた液晶セルを110℃で1時間加熱し、一晩放置してから残像特性の評価を実施した。
この液晶セルは液晶の配向に欠陥がなく、液晶配向状態は良好であった。
[長期交流駆動による残像特性評価]
上記で作成したFFS駆動液晶セルに対し、60℃の恒温環境下、周波数60Hzで±5Vの交流電圧を120時間印加した。その後、液晶セルの画素電極と対向電極との間をショートさせた状態にし、そのまま室温に一日放置した。
上記の処理を行った液晶セルに関して、電圧無印加状態における画素の第1領域の液晶の配向方向と第2領域の液晶の配向方向との差を角度として算出した。
具体的には、偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に液晶セルを設置し、バックライトを点灯させ、画素の第1領域の透過光強度が最も小さくなるように液晶セルの配置角度を調整する。次に画素の第2領域の透過光強度が最も小さくなるように液晶セルを回転させたときに要する回転角度を求める。
長期交流駆動による残像特性は、この回転角度の値が小さいほど良好であると言える。
上記で作成したFFS駆動液晶セルに対し、60℃の恒温環境下、周波数60Hzで±5Vの交流電圧を120時間印加した。その後、液晶セルの画素電極と対向電極との間をショートさせた状態にし、そのまま室温に一日放置した。
上記の処理を行った液晶セルに関して、電圧無印加状態における画素の第1領域の液晶の配向方向と第2領域の液晶の配向方向との差を角度として算出した。
具体的には、偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に液晶セルを設置し、バックライトを点灯させ、画素の第1領域の透過光強度が最も小さくなるように液晶セルの配置角度を調整する。次に画素の第2領域の透過光強度が最も小さくなるように液晶セルを回転させたときに要する回転角度を求める。
長期交流駆動による残像特性は、この回転角度の値が小さいほど良好であると言える。
上記の結果から、式(1)で表されるジアミンにおいて、L1及びL2のそれぞれにおけるn1+n2+mの値が偶数であるジアミンを用いた重合体を含有する液晶配向剤(1)(2)(5)〜(8)は、液晶セルの電圧保持率が良好なことに加えて、光を照射してから焼成する工程によって製造した液晶配向膜であっても残像特性が良好であることが確認された。
本発明の液晶配向剤は、光配向法によって液晶配向膜を製造することが可能である。本発明の液晶配向剤を用いて製造された液晶表示素子は、生産性や信頼性に優れ、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。また、本発明の液晶配向膜は、信頼性に優れたものとなり、液晶を用いた可変位相器にも利用することができ、この可変位相器は、例えば共振周波数を可変できるアンテナなどに好適に利用できる。
Claims (6)
- テトラカルボン酸二無水物成分と下記式(1)で表されるジアミンを含むジアミン成分とを用いて得られるポリアミック酸ならびにそのイミド化物から選ばれる重合体、及び有機溶媒を含有することを特徴とする液晶配向剤。
R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立にH、CH3またはCF3を表し、但し、R1、R2、R3及びR4の内、必ず一つはCH3またはCF3を表し、
W1及びW2はフェニレンを表し、フェニレンは、ハロゲン基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基(アルキル基は、各々独立に、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である)、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のエステル基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアシル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ニトロ基、Boc保護したアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されてもよく、
L1及びL2は独立して、−(O)n1−(CH2)m−(O)n2−で表される2価の基であり、n1及びn2は独立して0又は1であり、mは1〜10の整数である。 - 式(1)のL1及びL2のそれぞれにおいて、n1とn2の少なくとも一方が0である、請求項1に記載の液晶配向剤。
- 式(1)のL1及びL2のそれぞれにおいて、n1+n2+mの値が偶数である、請求項1に記載の液晶配向剤。
- 前記ジアミン成分中の10〜100モル%が、式(1)で表されるジアミンであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 上記請求項1〜4のいずれかに記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜。
- 請求項5に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
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