JP2021046834A - 排気浄化装置の制御装置、及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】SCR触媒中に堆積する析出物の堆積量を推定し、SCR触媒のパージ制御を最適化することが可能な排気浄化装置の制御装置を提供すること。【解決手段】内燃機関10の排気管30内に配設されたSCR触媒42を有する排気浄化装置の制御装置100であって、SCR触媒42の上流側に配設された尿素水噴射手段51から、尿素水を噴射させる噴射制御部101と、内燃機関10の排ガスの温度と尿素水の噴射量とに基づいて、尿素水の分解作用で生成される析出物がSCR触媒42に堆積する単位時間当たりの堆積量を推定し、単位時間当たりの堆積量を積算することにより、SCR触媒42中の析出物の全堆積量を推定する堆積量推定部102と、SCR触媒42中の析出物の全堆積量に基づいて、内燃機関10におけるパージモードの実施時期又は実施時間を調整するパージ制御部103と、を備える。【選択図】図1
Description
本開示は、排気浄化装置の制御装置、及び制御方法に関する。
従来、アンモニア(NH3)を還元剤として、排ガス中のNOxを選択的に還元するNOx選択還元型触媒(Selective Catalytic Reduction:以下、「SCR触媒」と称する)を有する内燃機関の排気浄化装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
ところで、この種の排気浄化装置においては、SCR触媒の上流側で、尿素水を噴射し、排ガス中で当該尿素水を加水分解することによって、アンモニアを生成している。しかしながら、当該尿素水は、排ガス温度が低温時(例えば、150℃以下)に噴射されると、加水分解反応が十分に行われず、SCR触媒に、白色の析出物(例えば、尿素水を原料として生成されるシアヌル酸)(以下、「析出物」と略称する)が堆積することが知られている。
このようなSCR触媒に堆積した析出物は、SCR触媒における脱硝性能の低下を引き起こし、排気管抵抗の増大に伴うエンジン出力の低下を引き起こすおそれがある。
SCR触媒に堆積した析出物は、高温の排ガスに触れると昇華して除去できるため、従来技術においては、定期的に、内燃機関に対して、排ガス温度を上げる動作を実行させ、SCR触媒に堆積した析出物を除去する制御を行っている(以下、「パージ制御」と称する)。
しかしながら、従来技術においては、パージ制御を実行するタイミングや実施時間については、十分に検討がなされておらず、SCR触媒に析出物が残留したり、パージ制御を過剰に長時間実行することによって燃費の悪化を招くおそれがあった。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、SCR触媒中に堆積する析出物の堆積量を推定し、SCR触媒のパージ制御を最適化することが可能な排気浄化装置の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
内燃機関の排気管内に配設されたSCR触媒を有する排気浄化装置の制御装置であって、
前記SCR触媒の上流側に配設された尿素水噴射手段から、尿素水を噴射させる噴射制御部と、
前記内燃機関の排ガスの温度と前記尿素水の噴射量とに基づいて、前記尿素水の分解作用で生成される析出物が前記SCR触媒に堆積する単位時間当たりの堆積量を推定し、前記単位時間当たりの堆積量を積算することにより、前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量を推定する堆積量推定部と、
前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量に基づいて、前記内燃機関におけるパージモードの実施時期又は実施時間を調整するパージ制御部と、
を備える排気浄化装置の制御装置である。
内燃機関の排気管内に配設されたSCR触媒を有する排気浄化装置の制御装置であって、
前記SCR触媒の上流側に配設された尿素水噴射手段から、尿素水を噴射させる噴射制御部と、
前記内燃機関の排ガスの温度と前記尿素水の噴射量とに基づいて、前記尿素水の分解作用で生成される析出物が前記SCR触媒に堆積する単位時間当たりの堆積量を推定し、前記単位時間当たりの堆積量を積算することにより、前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量を推定する堆積量推定部と、
前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量に基づいて、前記内燃機関におけるパージモードの実施時期又は実施時間を調整するパージ制御部と、
を備える排気浄化装置の制御装置である。
又、他の局面では、
内燃機関の排気管内に配設されたSCR触媒を有する排気浄化装置の制御方法であって、
前記SCR触媒の上流側に配設された尿素水噴射手段から、尿素水を噴射させ、
前記内燃機関の排ガスの温度と前記尿素水の噴射量とに基づいて、前記尿素水の分解作用で生成される析出物が前記SCR触媒に堆積する単位時間当たりの堆積量を推定し、前記単位時間当たりの堆積量を積算することにより、前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量を推定し、
前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量に基づいて、前記内燃機関におけるパージモードの実施時期又は実施時間を調整する、
排気浄化装置の制御方法である。
内燃機関の排気管内に配設されたSCR触媒を有する排気浄化装置の制御方法であって、
前記SCR触媒の上流側に配設された尿素水噴射手段から、尿素水を噴射させ、
前記内燃機関の排ガスの温度と前記尿素水の噴射量とに基づいて、前記尿素水の分解作用で生成される析出物が前記SCR触媒に堆積する単位時間当たりの堆積量を推定し、前記単位時間当たりの堆積量を積算することにより、前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量を推定し、
前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量に基づいて、前記内燃機関におけるパージモードの実施時期又は実施時間を調整する、
排気浄化装置の制御方法である。
本開示に係る排気浄化装置の制御装置によれば、SCR触媒中に堆積する析出物の堆積量を推定し、SCR触媒のパージ制御を最適化することが可能である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
[排気浄化装置の構成]
以下、図1を参照して、第1の実施形態に係る排気浄化装置の構成について説明する。
[排気浄化装置の構成]
以下、図1を参照して、第1の実施形態に係る排気浄化装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る排気浄化装置Uの構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る排気浄化装置Uは、例えば、トラック等の車両に搭載されており、エンジン10の排ガス中のNOxを浄化する。
エンジン10は、例えば、燃焼室、燃焼室内で燃料を噴射する燃料噴射装置等(図示せず)を含んで構成される。エンジン10は、燃焼室内で、燃料と空気の混合気を燃焼及び膨張させて、動力を発生する。エンジン10には、燃焼室内に空気を導入する吸気管20と、燃焼室から排出される燃焼後の排ガスを、車両の外部に排出する排気管30と、が接続されている。
尚、本実施形態に係るエンジン10は、4気筒エンジンであり、吸気管20は吸気マニホルドを介して四つの燃焼室に分岐し、排気管30は排気マニホルドを介して四つの燃焼室それぞれに接続された構成となっている。
排気浄化装置Uは、PMフィルタ41、SCR触媒42、尿素水噴射装置50、各種センサ61〜63、及び、ECU(Electronic Control Unit)100を備えている。尚、排気管30内には、上流側から下流側に向かって、PMフィルタ41、尿素水噴射装置50の尿素水添加弁51、及び、SCR触媒42がこの順に配設されている。
PMフィルタ41は、排ガス中に含まれるPM(Particulate Matter)を捕捉する。PMフィルタ41としては、典型的には、コージェライトや炭化ケイ素の多孔質セラミックが素材として用いられる。PMフィルタ41は、例えば、当該多孔質セラミックで形成した捕集壁中を排ガスが通過するように入口と出口を交互に目封じしたハニカム構造を呈している。尚、PMフィルタ41は、例えば、エンジン10側から排出される未燃焼燃料の炭化水素(HC)を酸化して、当該酸化熱により、排ガスを高温化し得るように、酸化触媒を担持している。
SCR触媒42は、尿素水噴射装置50から噴射される尿素水が加水分解して生成されるアンモニアを吸着すると共に、当該吸着したアンモニアによって排ガス中からNOxを選択的に還元浄化する。SCR触媒42としては、公知のSCR触媒を用いることができ、例えば、セラミック製の担持体の表面に、Feゼオライト、Cuゼオライト又はバナジウム等のNOx還元触媒を担持したものを用いることができる。尚、SCR触媒42としては、触媒上で尿素水をアンモニアに変換するタイプのものを用いてもよい。
尿素水噴射装置50は、排気管30内のSCR触媒42の上流側において、尿素水を噴射する。尿素水噴射装置50は、例えば、尿素水添加弁51(本発明の「尿素水噴射手段」に相当)、尿素水タンク52、及び、サプライポンプ53を含んで構成される。
尿素水噴射装置50においては、尿素水タンク52からサプライポンプ53によって圧送された尿素水が、尿素水添加弁51から排気管30中に噴射される。尿素水添加弁51から排気管30中に噴射された尿素水は、排ガスの高温により加水分解され、アンモニアに変換されてSCR触媒42に供給される。そして、当該アンモニアは、SCR触媒42に吸着して、当該SCR触媒42の作用でNOxと反応して、NOxを還元浄化する。
尿素水噴射装置50から排気管30に噴射する尿素水の噴射量は、尿素水添加弁51の開度の調整により行われる。尚、尿素水添加弁51の開度の制御は、ECU100(噴射制御部101)から出力される制御信号によって行われる。
各種センサ61〜63は、排気管30を通流する排ガスの状態、及びSCR触媒42の状態等を検出するために設けられている。具体的には、排気管30には、NOxセンサ61、温度センサ62、及び流量センサ63等が備え付けられている。
NOxセンサ61は、排気管30のSCR触媒42の上流側に配設され、SCR触媒42に流入するNOx量(即ち、NOx濃度)を検出する。温度センサ62は、排気管30のSCR触媒42の上流側に配設され、SCR触媒42に流入する排ガスの温度を検出する。流量センサ63は、エンジン10から排出される排ガスの流量を検出する。そして、これらの各種センサ61〜63は、検出により得られたセンサ情報を、逐次、ECU100に送信する。
ECU100(本発明の「制御装置」に相当)は、排気浄化装置Uの動作を制御する。ECU100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、及び出力ポート等を含んで構成されている。ECU100の後述する各機能は、例えば、CPUがROM、RAM等に記憶された制御プログラムや各種データを参照することによって実現される。但し、当該機能は、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア回路によっても実現できることは勿論である。
尚、ECU100は、エンジン10及び尿素水噴射装置50と通信することで、これらを制御したり、これらの状態情報を取得したりする。又、ECU100は、各種センサ61〜63からセンサ情報を取得して、排気管30を通流する排ガスの状態、及びSCR触媒42の状態等を検出する。
[ECUの構成]
次に、図2、図3A、図3Bを参照して、本実施形態に係るECU100の詳細構成について説明する。
次に、図2、図3A、図3Bを参照して、本実施形態に係るECU100の詳細構成について説明する。
ECU100は、噴射制御部101、堆積量推定部102、及び、パージ制御部103を備えている。
<噴射制御部101について>
噴射制御部101は、尿素水添加弁51に開度指令信号を出力することによって、尿素水噴射装置50からの尿素水噴射を制御する。この際、噴射制御部101は、例えば、SCR触媒42に吸着するアンモニアの量(以下、「アンモニアストレージ量」と称する)が所定量以上となるように、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量を制御する。これによって、SCR触媒42を、NOx浄化率が高い状態で維持する。
噴射制御部101は、尿素水添加弁51に開度指令信号を出力することによって、尿素水噴射装置50からの尿素水噴射を制御する。この際、噴射制御部101は、例えば、SCR触媒42に吸着するアンモニアの量(以下、「アンモニアストレージ量」と称する)が所定量以上となるように、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量を制御する。これによって、SCR触媒42を、NOx浄化率が高い状態で維持する。
図2は、噴射制御部101の構成の一例を示す図である。噴射制御部101は、例えば、目標アンモニアストレージ量設定部101aと、実アンモニアストレージ量演算部101bと、噴射量決定部101cと、を有している。
目標アンモニアストレージ量設定部101aは、SCR触媒42におけるアンモニアストレージ量の目標値を設定する。SCR触媒42におけるアンモニアストレージ量の目標値は、例えば、SCR触媒42におけるストレージ可能量の80%程度に設定される。但し、SCR触媒42のストレージ可能量は、触媒温度に依拠して変化するため、本実施形態に係る目標アンモニアストレージ量設定部101aは、温度センサ62が示す排ガス温度に基づいて、SCR触媒42におけるアンモニアストレージ量の目標値を設定している。
実アンモニアストレージ量演算部101bは、現時点におけるSCR触媒42中のアンモニアストレージ量の実際値を算出する。実アンモニアストレージ量演算部101bは、例えば、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量に基づいて、SCR触媒42に新たに吸着するアンモニアの吸着量を算出する。そして、実アンモニアストレージ量演算部101bは、SCR触媒42に新たに吸着したアンモニアの吸着量から、SCR触媒42中で消費したアンモニアの消費量を減算することによって、現時点におけるSCR触媒42中のアンモニアストレージ量を推定する。つまり、実アンモニアストレージ量演算部101bは、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量の推移とSCR触媒42におけるアンモニア消費量の推移とに基づいて、記憶部(例えば、RAM)に記憶する現時点のアンモニアストレージ量を逐次的に更新していく。
尚、SCR触媒42中のアンモニアの消費量は、例えば、NOxセンサ61のセンサ信号が示すNOx濃度と流量センサ63のセンサ信号が示す排ガス流量とから推定されるSCR触媒42に到来するNOx量に基づいて、算出される。
噴射量決定部101cは、例えば、現時点のSCR触媒42におけるアンモニアストレージ量の実際値と目標値の差分を算出し、当該差分に基づいて、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量を決定する。尚、噴射量決定部101cは、例えば、現時点のSCR触媒42におけるアンモニアストレージ量の実際値と目標値の差分と、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量とを関連付けた制御マップを用いて、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量を決定する。
尚、噴射制御部101にて、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量を制御する構成は、上記構成に限らない。噴射制御部101は、エンジン10からSCR触媒42に到来するNOx量に対応するように、尿素水噴射量を制御するものであればよい。
<堆積量推定部102について>
堆積量推定部102は、エンジン10の排ガスの温度と、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量とに基づいて、尿素水の分解作用で生成される析出物がSCR触媒42に堆積する単位時間当たりの堆積量を推定し、単位時間当たりの堆積量を積算することにより、SCR触媒42中の析出物の全堆積量を推定する。
堆積量推定部102は、エンジン10の排ガスの温度と、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量とに基づいて、尿素水の分解作用で生成される析出物がSCR触媒42に堆積する単位時間当たりの堆積量を推定し、単位時間当たりの堆積量を積算することにより、SCR触媒42中の析出物の全堆積量を推定する。
具体的には、堆積量推定部102は、図3A及び図3Bの演算マップを用いて、SCR触媒42中の析出物の全堆積量を推定する。
図3A、図3Bは、堆積量推定部102が参照する演算マップの一例を示す図である。尚、図3A、図3Bの演算マップは、予め実験やシミュレーションによって求められ、ECU100の記憶部(例えば、ROM)に記憶されている。
図3Aは、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の析出量を算出するための演算マップを示す図である。図3Aの横軸は排ガス温度を表し、縦軸は尿素水噴射装置50の尿素水噴射量を表している。図3Aでは、L1線、L2線、L3線の順に、析出物の析出量が多くなることを示している。
図3Aに示すように、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の析出量は、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量が増加するにつれて増加する。又、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の析出量は、排ガス温度が低下するにつれて増加する。尚、ここで、排ガス温度が低下するにつれて、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の析出量が増加するのは、排ガス温度が低下するにつれて、尿素水の加水分解反応が十分に行われなくなるためである。
図3Bは、SCR触媒42から消失する単位時間当たりの析出物の消失量を算出するための演算マップを示す図である。図3Bの横軸は排ガス温度を表し、縦軸は排ガス流量を表している。図3Bでは、L11線、L12線、L13線、L14線の順に、析出物の消失量が多くなることを示している。
図3Bに示すように、SCR触媒42から消失(即ち、除去される)する単位時間当たりの析出物の消失量は、排ガス流量が増加するにつれて、増加する。又、SCR触媒42から消失する単位時間当たりの析出物の消失量は、排ガス温度が上昇するにつれて、増加する。即ち、SCR触媒42に到来する排ガスの熱エネルギーが増加するにつれて、SCR触媒42から消失する単位時間当たりの析出物の消失量は多くなる。
堆積量推定部102は、例えば、噴射制御部101が決定した尿素水噴射量を取得すると共に、温度センサ62のセンサ信号(即ち、排ガス温度)を取得し、図3Aに示した演算マップを参照して、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の析出量を算出する。
次に、堆積量推定部102は、例えば、温度センサ62のセンサ信号(即ち、排ガス温度)を取得すると共に、流量センサ63のセンサ信号(即ち、排ガス流量)を取得し、図3Bに示した演算マップを参照して、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の消失量を算出する。
次に、堆積量推定部102は、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の析出量から、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の消失量を差し引いて、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の堆積量を推定する。
次に、堆積量推定部102は、推定されたSCR触媒42における単位時間当たりの析出物の堆積量を、記憶部(例えば、RAM)に記憶された一時刻前のSCR触媒42中の析出物の全堆積量に加算することによって、現時点のSCR触媒42中の析出物の全堆積量を推定する。
尚、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の消失量の方が、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の析出量よりも多い場合には、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の堆積量は、マイナスの値となり、現時点のSCR触媒42中の析出物の全堆積量は、一時刻前のSCR触媒42中の析出物の全堆積量から、単位時間当たりの析出物の堆積量を減算した値として算出される。
このように、堆積量推定部102は、SCR触媒42中の析出物の全堆積量を逐次的に更新する。
尚、堆積量推定部102がSCR触媒42から消失する単位時間当たりの析出物の消失量を算出する際、排ガス流量は、流量センサ63によって直接的に検出されてもよいし、エンジン10の回転数から間接的に検出されてもよい。
<パージ制御部103について>
パージ制御部103は、SCR触媒42に堆積する析出物を除去するべく、SCR触媒42中の析出物の全堆積量に基づいて、エンジン10におけるパージモードの実施時期又は実施時間を調整する。尚、パージモードの実施時間を補正する態様については、第2の実施形態にて後述する。
パージ制御部103は、SCR触媒42に堆積する析出物を除去するべく、SCR触媒42中の析出物の全堆積量に基づいて、エンジン10におけるパージモードの実施時期又は実施時間を調整する。尚、パージモードの実施時間を補正する態様については、第2の実施形態にて後述する。
パージ制御部103は、例えば、堆積量推定部102に推定されるSCR触媒42中の析出物の全堆積量が閾値以上になった場合、エンジン10をパージモードにて運転させる。パージ制御部103は、典型的には、SCR触媒42中の析出物の全堆積量が閾値以上になった場合、自動的に、エンジン10に対してパージモードを開始させる。
又、パージ制御部103は、図4に示すような制御マップを用いて、エンジン10におけるパージモードの実施時期を調整してもよい。図4は、パージ制御部103が参照する制御マップの一例を示す図である。図4の横軸は、所定タイミング(例えば、エンジン10の運転時間を基準としたタイミング)におけるSCR触媒42中の析出物の全堆積量を表し、縦軸は、パージ実施時期の補正量を表す。かかる態様においては、パージ制御部103は、所定タイミングにおけるSCR触媒42中の析出物の全堆積量が基準値よりも多い場合には、エンジン10をパージモードにて運転させる実施時期を早め、所定タイミングにおけるSCR触媒42中の析出物の全堆積量が基準値よりも少ない場合には、エンジン10をパージモードにて運転させる実施時期を遅くするように調整してもよい。
エンジン10におけるパージモードは、典型的には、圧縮上死点直前に行うメイン噴射に加えてポスト噴射又はアフター噴射を実行し、排ガス温度を高温化させるものであり、換言すると、排ガス昇温制御である。又、その他、パージモードは、エンジン10のEGR量を増大させることによって、排ガス温度を高温化するものであってもよい。
パージモードの実施時間(以下、「パージ実施時間」と略称する)は、例えば、エンジン10に対してパージモードを開始させる際の基準となるSCR触媒42中の析出物の全堆積量の閾値に基づいて予め設定された所定時間としてもよい。但し、より確実にSCR触媒42中の析出物を除去する観点から、パージモード実施時間は、エンジン10に対してパージモードを開始させてから、堆積量推定部102によって推定されるSCR触媒42中の析出物の全堆積量がゼロ付近となるまでとするのが望ましい。
[ECUの動作フロー]
図5は、ECU100の動作の一例を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、例えば、ECU100がコンピュータプログラムに従って、所定間隔(例えば、100msec間隔)で実行する処理である。
図5は、ECU100の動作の一例を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、例えば、ECU100がコンピュータプログラムに従って、所定間隔(例えば、100msec間隔)で実行する処理である。
ステップS1において、ECU100は、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の堆積量を算出する。このステップS1において、ECU100は、上記したように、尿素水噴射装置50の尿素水噴射量及び排ガスの温度に基づいて推定されるSCR触媒42における単位時間当たりの析出物の析出量から、排ガスの温度及び流量に基づいて推定されるSCR触媒42から消失する単位時間当たりの析出物の消失量を差し引くようにして、SCR触媒42における単位時間当たりの析出物の堆積量を推定する(図3A、図3Bを参照)。
ステップS2において、ECU100は、ステップS1で算出されたSCR触媒42における単位時間当たりの析出物の堆積量を、一時刻前に算出されたSCR触媒42中の析出物の全堆積量に加算して、現時点におけるSCR触媒42中の析出物の全堆積量を算出する。
ステップS3において、ECU100は、SCR触媒42中の析出物の全堆積量が閾値以上か否かを判定する。ここで、SCR触媒42中の析出物の全堆積量が閾値以上の場合(S3:YES)、ステップS4に処理を進める。一方、SCR触媒42中の析出物の全堆積量が閾値未満の場合(S3:NO)、特に処理を実行することなく、図5のフローチャートを終了する。
ステップS4において、ECU100は、エンジン10に対してパージモードの実行を開始させる。
ステップS5において、ECU100は、SCR触媒42中の析出物のパージが完了することを待ち受ける(S5:NO)。ECU100は、例えば、パージモード実施時間を予め定めた所定時間に設定し、当該所定時間が経過することを待ち受ける。そして、ECU100は、SCR触媒42中の析出物のパージが完了した場合(S5:YES)、ステップS6に処理を進める。
ステップS6において、ECU100は、エンジン10に対してパージモードの実行を終了させる。
以上のようにして、ECU100は、定期的に、SCR触媒42中の析出物のパージを行う。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る排気浄化装置Uによれば、SCR触媒42中の析出物の全堆積量を正確に推定し、SCR触媒42中の析出物のパージを実行するタイミングや、その実施時間を調整する。これによって、SCR触媒42中の析出物を確実に除去することができる。又、これによって、パージの実行頻度と実行時間を必要最低限に抑えられるため、エンジン10を排ガス昇温モードで運転させる(例えば、ポスト噴射)ことに伴う燃費の悪化を抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係る排気浄化装置Uによれば、SCR触媒42中の析出物の全堆積量を正確に推定し、SCR触媒42中の析出物のパージを実行するタイミングや、その実施時間を調整する。これによって、SCR触媒42中の析出物を確実に除去することができる。又、これによって、パージの実行頻度と実行時間を必要最低限に抑えられるため、エンジン10を排ガス昇温モードで運転させる(例えば、ポスト噴射)ことに伴う燃費の悪化を抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、図6を参照して、第2の実施形態に係る排気浄化装置Uの構成について説明する。本実施形態に係る排気浄化装置Uは、ECU100のパージ制御部103の構成の点で、第1の実施形態と相違する。尚、第1の実施形態と共通する構成については、説明を省略する。
次に、図6を参照して、第2の実施形態に係る排気浄化装置Uの構成について説明する。本実施形態に係る排気浄化装置Uは、ECU100のパージ制御部103の構成の点で、第1の実施形態と相違する。尚、第1の実施形態と共通する構成については、説明を省略する。
上記実施形態では、パージ制御部103が、SCR触媒42中の析出物の全堆積量が閾値以上になった場合、自動的に、エンジン10に対してパージモードを開始させる態様を示した。かかる態様は、自動的に、SCR触媒42中の析出物のパージが行われるため、SCR触媒42中の析出物の全堆積量が過剰に堆積する事態を抑制できる点で、有用である。
但し、SCR触媒42中の析出物のパージを行う場合、エンジン10から外部環境に排出される排ガス温度が高温化するため、外部環境の環境温度を上昇させることになる。そのため、パージが実行されるタイミングによっては、外部環境に存在する物体に対して悪影響を及ぼすおそれがある。
本実施形態に係るパージ制御部103は、かかる観点から、エンジン10に対してパージモードを開始させるタイミングについては、ユーザが、排気浄化装置Uに設けられた操作スイッチ等にて、パージ実行開始指令を行ったタイミングとする。そして、パージ制御部103は、パージ実行開始指令が行われたタイミングにおけるSCR触媒42中の析出物の全堆積量に基づいて、パージ実施時間を設定する。
図6は、本実施形態に係るパージ制御部103が参照する制御マップの一例を示す図である。図6の横軸は、パージ実行開始指令が行われたタイミングにおけるSCR触媒42中の析出物の全堆積量を表し、縦軸は、パージ実施時間の補正量を表す。
図6では、パージ実行開始指令が行われたタイミングにおけるSCR触媒42中の析出物の全堆積量が基準値に対して多いほど、パージ実施時間を基準時間から長くなるように補正し、パージ実行開始指令が行われたタイミングにおけるSCR触媒42中の析出物の全堆積量が基準値に対して少ないほど、パージ実施時間を基準時間から短くなるように補正することを表す。
尚、パージ実施時間の補正量は、予め実験やシミュレーションによって求められた、SCR触媒42中の析出物の全堆積量と、SCR触媒42中の析出物が全て除去されるまでのパージ実施時間との関係に基づいて設定される。
以上のように、本実施形態に係る排気浄化装置Uにおいては、エンジン10をパージモードで運転させる際の実施時間を適切に設定することができるため、SCR触媒42中の析出物を確実に除去することができ、加えて、エンジン10をパージモードで運転させることに伴う燃費の悪化も抑制することが可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
上記実施形態では、一例として、排気浄化装置Uをディーゼルエンジンに適用した態様ついて説明する。但し、本実施形態に係る排気浄化装置Uは、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンンジンにも適用し得る。
又、上記実施形態では、排気浄化装置Uの適用対象の一例として、車両を示したが、排気浄化装置Uの適用対象は、これに限定されない。例えば、排気浄化装置Uは、発電機、建設機械、船舶等に適用されてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係る排気浄化装置の制御装置によれば、SCR触媒中に堆積する析出物の堆積量を推定し、SCR触媒のパージ制御を最適化することが可能である。
U 排気浄化装置
10 エンジン
20 吸気通路
30 排気通路
41 PMフィルタ
42 SCR触媒
50 尿素水噴射装置
51 尿素水添加弁(尿素水噴射手段)
52 尿素水タンク
53 サプライポンプ
61 NOxセンサ
62 温度センサ
63 流量センサ
100 ECU(制御装置)
101 噴射制御部
102 堆積量推定部
103 パージ制御部
10 エンジン
20 吸気通路
30 排気通路
41 PMフィルタ
42 SCR触媒
50 尿素水噴射装置
51 尿素水添加弁(尿素水噴射手段)
52 尿素水タンク
53 サプライポンプ
61 NOxセンサ
62 温度センサ
63 流量センサ
100 ECU(制御装置)
101 噴射制御部
102 堆積量推定部
103 パージ制御部
Claims (5)
- 内燃機関の排気管内に配設されたSCR触媒を有する排気浄化装置の制御装置であって、
前記SCR触媒の上流側に配設された尿素水噴射手段から、尿素水を噴射させる噴射制御部と、
前記内燃機関の排ガスの温度と前記尿素水の噴射量とに基づいて、前記尿素水の分解作用で生成される析出物が前記SCR触媒に堆積する単位時間当たりの堆積量を推定し、前記単位時間当たりの堆積量を積算することにより、前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量を推定する堆積量推定部と、
前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量に基づいて、前記内燃機関におけるパージモードの実施時期又は実施時間を調整するパージ制御部と、
を備える排気浄化装置の制御装置。 - 前記堆積量推定部は、
前記尿素水の噴射量及び前記排ガスの温度に基づいて、前記SCR触媒における前記析出物の単位時間当たりの析出量を推定し、
前記排ガスの温度及び前記排ガスの流量に基づいて、前記SCR触媒における前記析出物の単位時間当たりの消失量を推定し、
前記単位時間当たりの析出量から前記単位時間当たりの消失量を差し引くようにして、前記単位時間当たりの堆積量を推定する、
請求項1に記載の排気浄化装置の制御装置。 - 前記パージ制御部は、前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量が閾値以上となった場合、前記内燃機関を、前記パージモードにて運転させる、
請求項1又は2に記載の排気浄化装置の制御装置。 - 前記パージ制御部は、前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量に基づいて、前記パージモードの実施時間を制御する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の排気浄化装置の制御装置。 - 内燃機関の排気管内に配設されたSCR触媒を有する排気浄化装置の制御方法であって、
前記SCR触媒の上流側に配設された尿素水噴射手段から、尿素水を噴射させ、
前記内燃機関の排ガスの温度と前記尿素水の噴射量とに基づいて、前記尿素水の分解作用で生成される析出物が前記SCR触媒に堆積する単位時間当たりの堆積量を推定し、前記単位時間当たりの堆積量を積算することにより、前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量を推定し、
前記SCR触媒中の前記析出物の全堆積量に基づいて、前記内燃機関におけるパージモードの実施時期又は実施時間を調整する、
排気浄化装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019170252A JP2021046834A (ja) | 2019-09-19 | 2019-09-19 | 排気浄化装置の制御装置、及び制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021046834A true JP2021046834A (ja) | 2021-03-25 |
Family
ID=74878077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019170252A Pending JP2021046834A (ja) | 2019-09-19 | 2019-09-19 | 排気浄化装置の制御装置、及び制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021046834A (ja) |
-
2019
- 2019-09-19 JP JP2019170252A patent/JP2021046834A/ja active Pending
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