JP2021046669A - 掃除口付継手 - Google Patents

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Hiroyuki Koseki
宏幸 小関
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Abstract

【課題】管路内洗浄時において、排水立管または排水横管の掃除口からの汚水漏れを抑制しつつ、掃除口の内壁の磨耗を低減可能な掃除口付継手を提供する。【解決手段】掃除口付継手は、蓋体を取外すことにより、管路内洗浄ノズルや観測器具などの洗浄用機器の挿入が可能な掃除口付継手であって、掃除口部は、蓋体と、中蓋30と、管体と、から形成され、中蓋30は、円環様の外縁部31と、前記外縁部31よりも内側に形成される水受け部32と、前記水受け部32よりも内側に形成され、前記洗浄用機器の挿通が可能な小窓33と、を備えていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、掃除口付継手に関する。
従来、マンションなど多層階建物において、各物件の排水設備から流出された排水は、ヘッダーなどによってフロア毎に集水された後、建物の上下に延設される排水立管において落水された後、排水横管など所定の経路を経て、下水道に排出される。
通常、排水設備を使用していくことに伴い、グリスやスケール等が管内に付着し、それら付着物によって管内は閉塞されていく。管内の閉塞が進行すると排水機能の低下や逆流が発生し、問題となるケースがあった。このような事態を未然に防ぐためには、定期的な管路内洗浄を行う必要があった。
そこで、排水立管や排水横管の一部には、外部から洗浄ノズルや観察器具(光ファイバなど)といった洗浄用機器を挿入可能にするための掃除口が設けられている。管路内洗浄時には、掃除口から蓋体を取外した状態にて、管路内への洗浄ノズルの挿入、所定位置への搬送、洗浄液の噴射、管路内の移動、といった、各種操作が行われる。
ところで、管路内洗浄時に、上層階の排水設備の使用を可能にしておくと、下層階に位置する掃除口からは、当該排水設備からの汚水が漏れ出る恐れがあり、清掃作業員がこの汚水を浴びてしまう。
そこで、特許文献1には、排水立管の管軸に対して、所定方向にオフセットしつつ、管軸方向に平行に延出する略筒状の掃除口を設け、汚水が逆流しない限り、掃除口から汚水が漏れでない構成の排水管継手が開示されている。
また一方で、管路内洗浄時に、洗浄ノズル等の挿脱動作が繰り返し行われることから、例えば自重により垂下する洗浄ノズルと掃除口内壁との接触面には当該動作による摩擦(いわゆる、擦れ)が生じている。すると、経時の使用により当該部分が磨耗し、穴が開いてしまう恐れがあった。
そこで、特許文献2には、蓋体の一部に内外部と連通するガイドを設け、当該ガイドに沿って洗浄ノズルを挿入することにより、洗浄ノズルが自重により垂下した状態であっても、洗浄ノズルと掃除口の内壁との接触を防止する管継手が開示されている。
特開2002−286187号公報 特開2011−074928号公報
しかしながら、掃除口からの汚水の漏れや、掃除口の内壁の磨耗といった問題は、排水立管だけではなく、排水横管においても起こりうる。本発明者らは、排水立管および排水横管のどちらであっても、掃除口からの汚水の漏れや掃除口の内壁の磨耗を低減可能な技術について鋭意検討を行ってきた結果、文献1および文献2の技術のみでは、それらの課題を解決出来ないことを見出し、この度の発明に至った。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、管路内洗浄時において、排水立管または排水横管の掃除口からの汚水漏れを抑制しつつ、掃除口の内壁の磨耗を低減可能な掃除口付継手を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明にかかる掃除口付透明継手は、以下の特徴を有する。
(1)本発明にかかる掃除口付継手は、蓋体を取外すことにより、管路内洗浄ノズルや観測器具などの洗浄用機器の挿入が可能な掃除口付継手であって、掃除口部は、蓋体と、中蓋と、管体と、から形成され、前記中蓋は、円環様の外縁部と、 前記外縁部よりも内側に形成される水受け部と、前記水受け部よりも内側に形成され、前記洗浄用機器の挿通が可能な小窓と、を備えていることを特徴とする。
(1)の構成によれば、掃除口部には、洗浄用機器を継手本体内に挿入可能な小窓を有する中蓋が設置されている。
この中蓋の小窓によって、管路内への洗浄用機器の挿入が可能になる。また、水受け部によって、上階からの汚水や洗浄液の漏れを抑制できる。加えて、洗浄ノズルの挿脱操作時に、中蓋の小窓に洗浄ノズルが接触するのであって、洗浄ノズルが直接管体に触れるのを防止でき、将来にわたり管体の摩耗を抑制できる。この構成の掃除口部の構造であれば、立管および横管に、中蓋を設置するだけで、それらの機能を発揮させることができ、汎用性が高い。
従って、本発明にかかる掃除口付継手であれば、管路内洗浄時において、排水立管または排水横管の掃除口からの汚水漏れを抑制しつつ、掃除口の内壁の磨耗を低減可能な掃除口付継手を提供できる。
(2)(1)にかかる掃除口付継手において、前記水受け部は、所定方向に傾斜する傾斜部が形成され、前記小窓の一方および/または他方の端部はR形状で形成されている、ことが好ましい。
(2)の構成によれば、洗浄ノズルは、所定角度で傾斜した傾斜部に沿うようにした小窓からのアプローチが可能であり、従来のように、継手内壁を沿うように洗浄ノズルをむりやり押し込んだりして曲げる必要がなくなる。そのため、洗浄ノズルの挿脱や方向転換といった操作が行いやすくなる。
さらに、小窓の端部がR形状となることによって洗浄ノズルと小窓端部との擦れが抑制される。
従って、(2)にかかる掃除口付継手は、(1)の効果をより具体的に奏するとともに、洗浄ノズルの操作性が向上できる。
(3)(1)または(2)にかかる掃除口付継手において、前記中蓋の前記外縁部には、前記外縁部と、前記管体との間を止水する止水部が設けられている、ことが好ましい。
(3)の構成によれば、止水部によって外縁部と、管体との間が止水されるため、第1面側もしくは第2面側のどちらであっても管路内側に向けて配置することができる。
従って、(3)にかかる掃除口付継手は、使用者が使用したい面を管路内側に向けた設置が可能になり、その汎用性を高めることが可能になる。
また、経年使用により一方面が摩耗した場合には、他方面に切り替えることで、中蓋の継続使用が可能となることから、中蓋の寿命を高めるといった効果も奏する。
(4)(1)〜(3)のいずれか一つにかかる掃除口付継手において、少なくとも前記外縁部の端面は、前記蓋体の端面に当接可能に設けられており、前記蓋体を前記管体に嵌合させた際に、前記外縁部を介して前記中蓋の設置姿勢が所定の姿勢に矯正されることが好ましい。
(4)の構成によれば、中蓋が所定の姿勢で設置されていなかったとしても蓋体によってその姿勢を矯正することができる。
例えば、管路内側に対面する面を第1面から第2面に切替え設置した後から、蓋体を管体に嵌合することで、中蓋の姿勢(傾きや位置ズレなど)を所定の姿勢に矯正することができる。これによって、中蓋が所定の姿勢以上の傾きや、ズレをもって設置されていた場合に、その止水性が低下する恐れがあるが、蓋体の嵌合により中蓋の傾きやズレを矯正できるため、その止水性を基準に戻すことができる。
従って、(4)にかかる掃除口付継手は、中蓋の姿勢を矯正することでその止水性を担保できる。
(5)(1)〜(4)にかかる掃除口付継手において、前記小窓の小窓縁部には、導管が設置可能であり、前記洗浄用機器は、前記導管によって管路内にガイドされることが好ましい。
(5)の構成によれば、小窓の小窓縁部には、洗浄用機器のガイドが可能な導管を設置できる。
例えば、高所や狭小空間の掃除口部に対して、予め導管を設置した状態の中蓋をその管体内に設置することで、この導管を洗浄用機器の搬送経路とすることができる。管路内洗浄時には、洗浄用機器をその経路を経由させることにより、中蓋の小窓から管路内にガイドできる。
従って、(5)にかかる掃除口付継手は、高所や狭小空間といった様々な位置の掃除口部に、洗浄用機器を確実に搬送することができる。
(6)(1)〜(5)にかかる掃除口付継手において、前記掃除口部は、二以上の流入口を備える継手の合流部に設けられる、ことが好ましい。
(6)の構成によれば、掃除口部が合流部に位置することにより、当該位置での洗浄用機器の方向転換が行いやすく、各流入口に向けて誘導させやすい。
例えば、2つの流入口が30°、45°、75°のように分岐した合流継手において、一方の管路方向の掃除を行った後に、洗浄ノズルを合流部にて方向転換させた後、他方の管路の掃除を行うが、この時、上述の掃除口部を備える継手であれば、方向転換が行いやすく、また洗浄ノズル全体を管路から引き出す必要がない。
従って、(6)にかかる掃除口付継手は、掃除対象の管路の切替えおよび各管路内の掃除を容易にできる。
以上、説明したように本発明にかかる掃除口付継手によれば、管路内洗浄時において、排水立管または排水横管の掃除口からの汚水漏れを抑制しつつ、掃除口の内壁の磨耗を低減可能な掃除口付継手を提供できる。
本発明にかかる掃除口付継手1を示す図面であり、(A)は正面図であり、(B)は上面図であり、(C)は右側面図であり、(D)は同図(A)のA−A線断面であり、(E)は、同図(D)の分解図を示す図面である。 第1実施形態にかかる中蓋30を拡大して示す図面であり、(A)斜視図であり、(B)は側面図であり、(C)は(B)のB−B線断面図である。 第1実施形態にかかる中蓋30の使用例1を説明するための図面であり、(A)〜(D)により洗浄ノズルNの操作性について説明するものである。 第1実施形態にかかる中蓋30の使用例2を説明するための図面であり、(A)〜(E)は、導管50を用いた洗浄ノズルNの搬送について説明するものであり、(F)は導管50の変形例を示す図面である。 第2実施形態にかかる中蓋130を拡大して示す図面であり、(A)斜視図であり、(B)は側面図であり、(C)はC−C線断面図である。 第2実施形態にかかる中蓋130の使用例を説明するための図面である。 第3実施形態にかかる中蓋230を拡大して示す図面であり、(A)斜視図であり、(B)は側面図であり、(C)はD−D線断面図である。 第3実施形態にかかる中蓋230の使用例を説明するための図面であり、(A)は中蓋230の取付け状態を示す断面図であり、(B)および(C)は洗浄ノズルNの操作性について説明するものである。 第3実施形態にかかる中蓋230の変形例を説明するための断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるためのものであり、特段指定のない限りは、本発明を限定するものではない。また、各図面は本発明の特徴を分かりやすくするために示すものであり、各構成要素の寸法比率などが、実際のものと同一であるとは限らない。
<第1実施形態>
第1実施形態にかかる中蓋30およびそれを備える掃除口付継手1について、図1および図2を用いて説明する。
図1は、本発明にかかる掃除口付継手1を示す図面であり、(A)は正面図であり、(B)は上面図であり、(C)は右側面図であり、(D)は同図(A)のA−A線断面であり、(E)は、同図(D)の分解図を示す図面である。図2は、第1実施形態にかかる中蓋30を拡大して示す図面であり、(A)斜視図であり、(B)は側面図であり、(C)はB−B線断面図である。
(掃除口付継手1の構成)
掃除口付継手1は、ビルやマンションといった建物において、排水設備からの排水を下水道管に流す排水管路の一部に適用される。掃除口付継手1は、排水立管の一部や排水横管の一部に適用される。
本実施形態における掃除口付継手1は、継手本体2と、第1流入口3と、第2流入口4と、合流部5と、流出口6と、掃除口部10と、から構成される。
掃除口付継手1は、2つの流入口が所定の角度で合流する、いわゆるY字型の継手であり、本実施形態では、合流部5において、第1流入口3の中心軸と、第2流入口4の中心軸とが45°の角度で交わる。
なお、掃除口付継手1の形状は種々の形状に変更でき、例えば、複数の流入口を有する継手、複数の流出口を備える継手や流出口同士(あるいは流入口同士が)の合流角度が30°、45°、75°、90°といった角度で構成される各種継手であってもよい。
継手本体2に対して、第1流入口3、第2流入口4、合流部5、および流出口6がそれぞれ一体に設けられていることが好ましい。
本実施形態において、継手本体2は樹脂材料から形成されており、具体的には硬質ポリ塩化ビニルを用いている。
継手本体2のそれ以外の樹脂材料としては、軟質ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなど、各種樹脂を含むものが使用できる。
なお、継手本体2は、透明、半透明および不透明、もしくは各種色味がついていても良い。
第1流入口3および第2流入口4には、それぞれ、上流側の排水管が接続される。
具体的には、第1流入口3および第2流入口4には、それぞれ、上流側の排水管が内側に挿入可能な受口で成形されている。また、各排水管をこれら受口に差し込んだ際に、第1流入口3の内径と、排水管の内径とが面一になることが好ましい。
流出口6には、下流側の排水管が接続される。
具体的には、流出口6は、下流側の排水管が内側に挿入可能な受口で成形されている。また、排水管をこの受口に差し込んだ際に、流出口6の内径と、排水管の内径とが面一になることが好ましい。
各流入口/流出口と、それぞれ排水管との接続は、ゴム輪接続、ねじ接続、バヨネット接続、超音波溶着、レーザ溶着、溶剤接着といった、各種の接続方法により接続できる。
(掃除口部10の構成)
図1(D)および(E)に示したように、掃除口部10においては、継手本体2の内側から外側に連通する開口、およびこの開口を閉口する各種部材により形成されている。
本実施形態において、掃除口部10は、蓋体20と、中蓋30と、管体40と、から構成されている。
掃除口部10は、洗浄ノズルNの挿入や管路内点検の際に開口する部位である。掃除口部10を開口した際に、排水/汚水が漏れ出てしまうことがある。そこで、本実施形態では、掃除口部10の形成角度を、図1(E)に示したように、蓋体20の取付軸方向を紙面水平よりも上方に設置している。より具体的には、重力方向に対し時計回りに135°で設定している。
管路内の水位が半分程度であったとしても、開口により汚水が漏れ出ることがない。
なお、この角度は適宜変更してもよく、開口時に継手本体2内部を流れる排水が漏れ難い範囲であることが好ましい。
掃除口部10は、合流部5よりも下流側にあることで、洗浄ノズルNは掃除口部10から2つの流入口へのアプローチが行いやすい。そのため、洗浄区間の変更に合わせ、洗浄ノズルNの挿入方向の切替えが容易にできるよう、掃除口部10の設置個所は、合流部5よりも下流側に設定している。
なお、掃除口部10の設置位置はこれに限られず、適宜変更してもよい。
管体40は、継手本体2の外側面の一部から立ち上がるようにして、継手本体2に一体に設けられている。
管体40は、その全体が略筒状の形状を有するとともに、継手本体2の内側において開口する第1開口部41と、継手本体2を外部に連通させるための第2開口部42と、を備えている。
第1開口部41には、中蓋30が取付けられる。
第1開口部41には、中蓋30の取付け時に、中蓋30の底面が管路内に向けて突出しないよう、中蓋30の底面に当接する不図示のストッパーが設けられていることが好ましく、特に、その位置は、第1開口部41の端部であることが好ましい。
第2開口部42には、蓋体20が取り付けられるものであり、蓋体20の取付方法に応じて、その内壁構造が適宜調整される。
本実施形態において、第2開口部42の内側には、ねじ溝(雌ねじ)が設けられている。
蓋体20は、取付軸方向に沿って、管体40に取り付けられる。
蓋体20を取付けたことによって、継手本体2内は、外界から遮断される。これにより、通常使用時に、継手本体2内を流れる排水が外に漏れ出ることがない。
蓋体20の一方の面21には蓋体20の把持および回動操作が可能なように把手23が設けられている。
また、蓋体20の他方の面22は後述する中蓋30の外縁部31に接するものである。
蓋体20の管体40への取付けには、上記ねじ接続の他、バヨネット接続、ゴム輪接続、など各種の着脱可能な接続手段を用いることができる。
本実施形態の蓋体20では、蓋体20の側部に管体40の内側に取付け可能なねじ溝(雄ねじ)を設けており、管体40内に設けたねじ溝に取付けられる。
中蓋30は、管体40の第1開口部41に設置されることにより、第1開口部41の一部を塞ぐとともに、洗浄用機器が挿入可能な開口を形成する。
中蓋30は、円環様の外縁部31と、外縁部31よりも内側に形成される水受け部32と、水受け部32よりも内側に形成され、洗浄用機器の挿通が可能な小窓33と、中蓋30と管体40との間を止水可能な外周部34と、から構成される。
ここで、本発明において使用する「洗浄用機器」とは、洗浄ノズル、観察用器具(ミラー、カメラ)、試験器具など、管路内清掃を行うにあたり必要な機器全般を含むものである。
本実施形態において、中蓋30は、第1面S1と、第2面S2と、では形状が異なるものであり、具体的には、水受け部32の構造的な部分に起因して、その形状が相違している。一方で、その使用形態に応じて、第1面S1と、第2面S2と、が同様な形状となるように成形してもよい。
中蓋30の取付軸方向の厚みL2と、蓋体20の取付軸方向の厚みL1と、を合わせた長さは、管体40内の取付軸方向の長さL3程度であることが好ましい。
中蓋30の厚みL2が小さい場合には、蓋体20の下方部の厚みL1を伸ばすように成形し、蓋体20により押し込みが可能となるように調整できる。このように調整することにより、中蓋30の姿勢は蓋体20によって矯正される。
中蓋30の外縁部31は、中蓋30の縁に当たる個所であって、第1面S1および第2面S2のそれぞれに形成されている。
外縁部31は、蓋体20の他方の面22の下部に当接するように形成される。
外縁部31によって、蓋体20の取付け時に管体40に配される中蓋30は、他方の面22の下部から押し込み力を受ける。これにより、中蓋30が管体40内において位置や姿勢が甘く設置されたとしても、中蓋30の位置および姿勢が矯正され、その止水性の向上を図ることができる。
中蓋30の水受け部32は、洗浄ノズルNからの洗浄液や、上層階から滴り落ちる汚水などが外部に漏れ出るのを抑制する。
本実施形態において、水受け部32は、第1面S1が開口しつつ、第2面S2側が平坦な、断面視略コの字状である。
中蓋30の小窓33は、筒状の小窓筒状部33bにおける第1面S1側の端部(第1端部)33aと、第2面S2側の端部(第2端部)33cと、小窓縁部33dと、から構成される。
小窓33の端部33a、33cは、それぞれ、洗浄ノズルNのホースHと接触する部位であり、R形状であることが好ましい。
小窓33の小窓縁部33dは、小窓筒状部33bの外側であって、後述する導管50が接続可能である。
中蓋30の外周部34には、中蓋30と、管体40との間で止水性を担保する不図示の止水部材の取付け用の凹部34aが形成される。
凹部34aに取付けられる止水部材は、例えばパッキン、O−リング、エアボールなどが好ましい。
本実施形態において、蓋体20および中蓋30は樹脂材料から形成されており、具体的には硬質ポリ塩化ビニルを用いている。
蓋体20および中蓋30のそれ以外の樹脂材料としては、軟質ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなど、各種樹脂を含むものが使用できる。
なお、継手本体2は、透明、半透明および不透明、もしくは各種色味がついていても良い。
導管50は、この導管50に中蓋30を取付けた状態で、中蓋30を管体40に取付けることにより、手元から継手本体2に至る、搬送経路NLを形成するものである。
導管50は、中蓋30の小窓縁部33dに取り付け可能な受口51と、この受口51から所定角度α方向に折れ曲がる曲部52と、この曲部52から所定方向に延びる伸長部53と、を備える(図4参照)。
導管50の受口51、曲部52、および伸長部53は、一体的に形成してもよく、また、曲部52の角度や伸長部53の長さを可変にできるよう、それぞれを別体としてもよい。
曲部52は、伸長部53をまっすぐ進んできた洗浄ノズルNを開口部に導くために利用するものである。
曲部52の角度αは、適宜調整可能であって、必要に応じて、0°〜90°の範囲でその設定を変更することができる。例えば、曲部52の角度αを45°以上とすることにより、小窓33を経由した開口部への洗浄ノズルNのアプローチを楽にすることができる(図4(F)参照)。一方で、角度αを90°に近づけていくことにより、壁面に沿った洗浄ノズルNの搬送が可能になるため、狭小スペース内での洗浄ノズルNの搬送を優位にできる。
本実施形態においては、角度を90°に調整した曲部52を使用している(図4(A)参照)。
なお、曲部52は可撓性を有していてもよい。例えば、曲部52にフレキシブル管を用いることにより、0°〜90°の範囲の任意の角度で柔軟に対応させることができる。
伸長部53は、使用者の持ち手および搬送経路NLとして利用するものであり、伸長部53の一部に伸縮/伸長の可変部を設けることにより、適宜必要な長さに調整できる。
伸長部53の長さは、適宜調整可能であり、例えば、2階・3階などの高所や、地下ピット内の狭所空間に位置する掃除口部10に対してアプローチしやすい長さであることが好ましい。
(掃除口付継手1の使用例1)
本実施形態の掃除口付継手1の使用例1を、図3を用いて説明する。
図3は、第1実施形態にかかる中蓋30の使用例1を説明するための図面であり、(A)〜(D)により洗浄ノズルNの操作性について説明するものである。
ステップ1.搬送〜洗浄
使用者はホースHを利用して、洗浄ノズルNを所定位置に搬送する。その後、洗浄ノズルNから洗浄液WLを噴射し、洗浄ノズルNを前後方向に動かしながら、管内の洗浄を行う。この時、中蓋30の水受け部32が洗浄液WLの外部への噴出を防止する(図3(A)参照)。
洗浄ノズルNを前後方向に移動させる(摺動操作や挿脱操作)に際し、ホースHは第1端部33aや第2端部33cに触れながら移動する。この時、第1端部33aおよび第2端部33cはそれぞれR形状となっている。そのため、挿脱操作においてホースHが中蓋30から受ける抵抗は少なく、前後左右といった方向への操作性がよい。また、摩擦を受けづらくできる。
ステップ2.方向転換
所定区間の洗浄が完了した後は、別区間の洗浄を行うために、洗浄ノズルNの方向転換が必要となる。
使用者はホースHを所定量長さ引抜いた後(図3(B)参照)、ホースHを略180度方向回転させる(図3(C)参照)。この時、ホースHの一部が、第1端部33aや第2端部33cに接触することもあるが、その抵抗は少なく、操作性を損なうことなく、回転操作を行うことができる。
ステップ3.別区間の洗浄
回転操作を行った後は、ホースHを押し込むことで、洗浄ノズルNを所定位置に搬送する。その後、洗浄ノズルNから洗浄液WLを噴射し、ステップ1.と同様に管内の洗浄を行う(図3(D)参照)。
ステップ4.閉口作業
掃除口を利用する洗浄作業が終了した後は、紙面上方から蓋体20を管体40に取付けることで、管体40を閉口する。この時、中蓋30は、蓋体20の取付けにより、その姿勢が矯正される。矯正された中蓋30であれば、次回、使用時に中蓋30の調整が必要なく、そのまま洗浄作業に移ることができる。
以上、説明したように、本実施形態の掃除口付継手1であれば、中蓋30を設置することにより、洗浄作業時の洗浄液の漏れを防止できるとともに、上階から滴り落ちるような汚水の漏れも抑制できる。
加えて、中蓋30がホースHに接触する構成であるため、各種操作時において管体40が傷つくことを防止できる。
さらには、中蓋30の第1端部33aおよび第2端部33cがR形状であることから、各種操作時において、ホースHが受ける抵抗は少ない。そのため、各種操作が容易になる。
(掃除口付継手1の使用例2)
本実施形態の掃除口付継手1の使用例2を、図4を用いて説明する。
図4は、第1実施形態にかかる中蓋30の使用例2を説明するための図面であり、(A)から(E)は、導管50を用いた洗浄ノズルNの搬送について説明するものであり、(F)は導管50の変形例を示す図面である。
導管50の受口51に、中蓋30の小窓縁部33dを取り付ける(図4(A)参照)。この状態の導管50の伸長部53を持ち手にして、外周部34を管体40の内側にはめ込む(図4(B)参照)。これにより、導管50を経由した継手本体2内への搬送可能な洗浄ノズルNの搬送経路NLが形成される(図4(C)参照)。その後、図4(D)および(E)に示すように、洗浄ノズルNを搬送させることにより、伸長部53を進んだ洗浄ノズルNは、曲部52によって90°方向曲げられた後、小窓33から継手本体2内へと至る。
従って、中蓋30を使用することによって、導管50を用いた遠隔からの搬送経路NLを形成することができる。これにより、高所や狭小空間など、使用者が到達し難い場所へ洗浄ノズルNを搬送できるようになる。
<第2実施形態>
本実施形態にかかる中蓋130の特徴を図5を用いて説明する。
図5は、第2実施形態にかかる中蓋130を拡大して示す図面であり、(A)斜視図であり、(B)は側面図であり、(C)はC−C線断面図である。
本実施形態にかかる中蓋130は、図5(C)に示すように、水受け部132および小窓の小窓筒状部133bの構造が第1実施形態と相違するものであり、それ以外の点で共通する。
水受け部132は、取付軸方向において所定方向に傾斜するようにして設けられる。より具体的には、水受け部132は、中蓋130の外周側から小窓筒状部133bに向けて中蓋130の第2面S2から第1面S1方向へ傾斜する。これを受け、小窓筒状部133bの長さは、第1実施形態の小窓筒状部33bに比して短く形成される。
(第2実施形態の使用例)
本実施形態にかかる中蓋130の使用例を図6を用いて説明する。図6は、第2実施形態にかかる中蓋130の使用例を説明するための図面である。
中蓋130は、第2面S2を下方に向けた状態で、管体40に取付けられる。この状態の中蓋130を使用して、洗浄操作を行った場合に、洗浄ノズルNのホースHは、水受け部132の傾斜面に沿うようにして、管路内に出入りする。
第1実施形態の水受け部32に比して本実施形態の水受け部132は、その面が傾斜しているため、ホースHの挿脱操作を妨げづらい。そのため、各種操作時において、ホースHが受ける抵抗は少ない。これにより、各種操作が容易になる。
一方で、水受け部132と管体40との間は、所定距離離れていることから、ホースHが管体40に接触することを防ぐことができる。
<第3実施形態>
本実施形態にかかる中蓋230の特徴を図7を用いて説明する。図7は、第3実施形態にかかる中蓋230を拡大して示す図面であり、(A)斜視図であり、(B)は側面図であり、(C)はD−D線断面図である。
本実施形態にかかる中蓋230は、図7(C)に示すように、小窓33の小窓筒状部233bの構造が第2実施形態と相違するものであり、それ以外の点で共通する。
中蓋230は、水受け部232の端部である、小窓筒状部233bから第1端部233aにかけて、その形状は、小窓233の内側に向けて凸となるアーチ状に形成されている。
(第3実施形態の使用例)
本実施形態にかかる中蓋230の使用例を図8を用いて説明する。図8は、第3実施形態にかかる中蓋230の使用例を説明するための図面であり、(A)は中蓋230の取付け状態を示す断面図であり、(B)および(C)は洗浄ノズルNの操作性について説明するものである。
中蓋230の第1面S1が継手本体2内側に向くようにして、管体40に取付ける(図8(A)参照)。これにより、第2開口42側に水受け部232の傾斜面が配置される。
その後、図8(B)および(C)に示すように第1実施形態と同様に管路内洗浄を行うとともに、管路内での回転操作を行う(同図中、管体40は省略)。
引抜操作においては、ホースHが水受け部232、第2端部233cに沿うようにして移動するため、操作時の障害が少ない。また、回転操作時においても、ホースHは水受け部232、小窓筒状部233bおよび、第2端部233cに沿うようにして移動するため、操作時の障害が少ない。
そのため、中蓋230を使用することにより、洗浄ノズルNの操作性を向上できる。
(第3実施形態の変形例)
本実施形態の中蓋230の変形例230′を、図9を用いて説明する。図9は、第3実施形態にかかる中蓋230の変形例を説明するための断面図である。
本変形例では、図9に示すように外周部234′において、止水部材の取付け用の凹部234a〜234cを3つ設けている。
この設計変形により、使用者は、凹部234a〜234cの中から必要に応じて、パッキンの取付位置を変更したり、その数を増やしたりすることが可能になり、その止水性を所望の能力に調整することができる。
1・・・掃除口付継手、2・・・継手本体、3・・・第1流入口、4・・・第2流入口、5・・・合流部、6・・・流出口、10・・・掃除口部、20・・・蓋体、21・・・一方の面、22・・・他方の面、23・・・把手、30/130/230・・・中蓋、31・・・外縁部、32/132/232・・・水受け部、
33・・・小窓、33a/233a・・・第1端部、33b/133b/233b・・・小窓筒状部、33c/233c・・・第2端部、33d・・・小窓縁部
34/234・・・外周部、34a/234a〜234c・・・凹部、40・・・管体、41・・・第1開口部、42・・・第2開口部、50・・・導管、51・・・受口、52・・・曲部、53・・・伸長部211・・・管体、212・・・蓋体、213・・・開口、214・・・中蓋、小窓・・・215、S1・・・第1面、S2・・・第2面、L1・・・蓋体20の下方部の厚み、L2・・・中蓋30の取付軸方向の厚み、L3・・・管体40内の取付軸方向の長さ、N・・・洗浄ノズル、H・・・ホース、WL・・・洗浄液、NL・・・搬送経路

Claims (6)

  1. 蓋体を取外すことにより、管路内洗浄ノズルや観測器具などの洗浄用機器の挿入が可能な掃除口付継手であって、
    掃除口部は、蓋体と、中蓋と、管体と、から形成され、
    前記中蓋は、
    円環様の外縁部と、
    前記外縁部よりも内側に形成される水受け部と、
    前記水受け部よりも内側に形成され、前記洗浄用機器の挿通が可能な小窓と、
    を備えていることを特徴とする掃除口付継手。
  2. 前記水受け部は、所定方向に傾斜する傾斜部が形成され、
    前記小窓の一方および/または他方の端部はR形状で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の掃除口付継手。
  3. 前記中蓋の前記外縁部には、
    前記外縁部と、前記管体との間を止水する止水部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の掃除口付継手。
  4. 少なくとも前記外縁部の端面は、前記蓋体の端面に当接可能に設けられており、
    前記蓋体を前記管体に嵌合させた際に、前記外縁部を介して前記中蓋の設置姿勢が所定の姿勢に矯正される、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の掃除口付継手。
  5. 前記小窓の小窓縁部には、導管が設置可能であり、
    前記洗浄用機器は、前記導管によって管路内にガイドされる、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の掃除口付継手。
  6. 前記掃除口部は、二以上の流入口を備える継手の合流部に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の掃除口付継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114812463A (zh) * 2022-06-27 2022-07-29 山西嘉世达机器人技术有限公司 检测清洁机到达边缘的方法、检测装置、清洁机和介质
WO2022196528A1 (ja) 2021-03-19 2022-09-22 日本曹達株式会社 7-オキサ-3,4-ジアザビシクロ[4.1.0]ヘプタ-4-エン-2-オン化合物および除草剤

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