JP2021046496A - 電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物、当該組成物を使用した電気電子部品固定電気電子装置、及び電気電子部品固定体の製造方法 - Google Patents

電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物、当該組成物を使用した電気電子部品固定電気電子装置、及び電気電子部品固定体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、流動性に優れ、取扱い性が良好な結晶性ラジカル重合性組成物を提供することにある。【解決手段】本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、結晶性ラジカル重合性化合物と、無機充填材と、シランカップリング剤と、ラジカル重合開始剤とを少なくとも含むことを特徴とする。また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記結晶性ラジカル重合性化合物は、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ラジカル重合性単量体、ラジカル重合性多量体から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物、前記組成物により固定されている電気電子部品固定電気電子装置、電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなる粒状物、及び電気電子部品固定体の製造方法に関する。
工作機械、作業用ロボット、車両、自動車、電化製品等に使用されている電気電子部品は埃、水分、衝撃等の外的要因から守るために筐体あるいはユニット、モジュール、デバイス等の構成パーツに固定されている。金属による電気電子部品の筐体あるいはユニット、モジュール、デバイス等の構成パーツへの固定は高い信頼性を有するが高価であるため、安価で生産性が良好な樹脂製材料による固定材に置き換わっている。また、金属による電気電子部品の固定を樹脂製固定材にすることにより、電気絶縁性を有することから固定された電気電子部品を小さくすることが可能となり、搭載される工作機械、作業用ロボット、車両、自動車、電化製品等の設計自由度が向上する。また、電気電子部品は高温高湿環境下の過酷な条件で使用されることもあるため、樹脂製材料を使用する場合に、耐熱性に優れた熱硬化性樹脂が多く使用されている。
最近では樹脂製基板や金属と密着性が良好であり、機械強度、流動性に優れる熱硬化性樹脂として液状エポキシ樹脂が使用されている。
また、タブレット状のエポキシモールディングコンパウンド(EMC)は高い生産性を有するトランスファー成形法で使用され、密着性や線膨張率等の物理的特性に優れていることから高い信頼性を確立しているが、冷凍保管、後硬化工程が必要であることから、使用方法の簡素化が求められている。
このようなことから、従来、封止用エポキシ樹脂組成物、電子装置、自動車及び電子装置の製造方法が知られている(例えば特許文献1)。また、電池を複数個積層させ樹脂モールドした電池モジュールの製造方法が知られている(例えば特許文献2)。
特許第6281178号公報 特開2018−56092号公報
上記特許文献1において、封止用エポキシ樹脂組成物はトランスファー成形法で成形されている。トランスファー成形に使用するエポキシ樹脂組成物は冷凍保管した樹脂組成物を常温に戻す必要がある。エポキシ樹脂組成物を常温で保管すると流動性が大きく低下することや、成形時間中に完全硬化しないため、必要な成形品特性を得るために数時間の後硬化を行う等の課題がある。
さらに特許文献1において、熱硬化性樹脂としてラジカル重合性化合物である、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂の記載があるが、これらのラジカル重合性化合物の具体的な使用方法、実施例等の詳細な記述は一切ない。さらに、硬化剤はラジカル重合開始剤の記述がないため、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂を使用してもラジカル重合性化合物を三次元架橋することが出来ない。そのため、特許文献1に記載されている硬化剤はエポキシ樹脂を三次元架橋できるものに限定されている。事実上、特許文献1はエポキシ樹脂組成物の内容である。
上記特許文献2において、複数個の二次電池を積層させ樹脂モールドして電池モジュールを製造する方法が開示されているが、樹脂モールド用の樹脂に関する組成、性状等の具体的な記載はなされていない。
そこで、本発明は、流動性に優れ、取扱い性が良好な結晶性ラジカル重合性組成物を提供することにある。
本発明者は、結晶性ラジカル重合性化合物を少なくとも含む組成物について種々の観点から多角的に検討を重ねた結果、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物を見出すに至った。
すなわち、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、結晶性ラジカル重合性化合物と、無機充填材と、シランカップリング剤と、ラジカル重合開始剤とを少なくとも含むことを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記結晶性ラジカル重合性化合物は、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ラジカル重合性単量体、ラジカル重合性多量体から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、さらに、熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記熱可塑性樹脂は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエンゴム、及びそれらの共重合体から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記熱可塑性樹脂の含有量は、電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物全量に対して0.01〜20重量%であることを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記結晶性ラジカル重合性化合物は、30〜150℃の範囲で融点を示すことを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記結晶性ラジカル重合性組成物は、23℃で固体であることを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記結晶性ラジカル重合性組成物の高化式フローテスタによる溶融粘度は、測定温度90℃、ダイスの直径0.5mmで長さ1.0mm、圧力30kgf/cmにおいて7〜1,000Pa・s、又は、圧力1kgf/cmにおいて1〜7Pa・sであることを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記無機充填材の含有量は、前記結晶性ラジカル重合性組成物全量に対して50〜95重量%であることを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記結晶性ラジカル重合性化合物全量に対する結晶性ラジカル重合性化合物の割合は、30重量部以上であることを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記結晶性ラジカル重合性化合物の重量平均分子量は、100〜100,000であることを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定電気電子装置は、電気電子装置と、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物により前記電気電子装置に固定された電気電子部品と、からなることを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定電気電子装置の好ましい実施態様において、前記電気電子装置は、ユニット、モジュール、デバイス体、又はロータコアであることを特徴とする。
また、本発明の機械は、本発明の電気電子部品固定電気電子装置を有することを特徴とする。
また、本発明の粒状物は、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなることを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定体の製造方法は、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなる前記粒状物を用いて、射出成形法、トランスファー成形法、又は注型法によるインサート成形法により、電気電子部品を電気電子装置に固定する工程を有することを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定体の製造方法の好ましい実施態様において、前記電気電子部品固定体は、電気電子部品固定ユニット、電気電子部品固定モジュール、電気電子部品固定デバイス体、又は電気電子部品固定ロータコアであることを特徴とする。
本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物によれば、取扱い性に優れた効果を奏する。更に、本発明の電気電子部品固定体の製造方法、例えば、電気電子部品固定ユニット、電気電子部品固定モジュール、電気電子部品固定デバイス体等の製造方法によれば、射出成形、トランスファー成形、注型時の加熱溶融時に極めて粘度が低い結晶性ラジカル重合性組成物となることから電気電子部品固定ユニット、電気電子部品固定モジュール、電気電子部品固定デバイス体の固定に必要な流動性を確保できるという有利な効果を奏する。
また、本発明により電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物により固定されている電気電子部品固定ユニット、電気電子部品固定モジュール、電気電子部品固定デバイス体を提供することができる。
さらに、本発明により電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなる粒状物、粉末、タブレット等を用いて、インサート成形法により、電気電子部品を電気電子装置へ固定する工程を有する電気電子部品固定ユニット、電気電子部品固定モジュール、電気電子部品固定デバイス体の製造方法を提供することができる。
本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、結晶性ラジカル重合性化合物と、無機充填材と、シランカップリング剤と、ラジカル重合開始剤とを少なくとも含むことを特徴とする。これは、結晶性ラジカル重合性組成物の使用により、後述する実施例に示されているように、流動性に優れ、取扱いに優れる重合性組成物を実現可能であるからである。また、結晶性ラジカル重合性組成物は、固定(接着)にも適していることが判明し、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなる接着剤の使用により、後述するように、電気電子部品等を電気電子装置へ固定化することも可能である。なお、本明細書中において電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物を、結晶性ラジカル重合性組成物と称することがある。
なお、固定とは一つの場所から動かないようにすること、また、動かないことである。固定は接着や封止等を含み、固定用途は接着用途や封止用途等を含む。本電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物を使用した固定は固定される装置及び/または部品の一部及び/または全部を固定することができる。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記結晶性ラジカル重合性化合物は、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ラジカル重合性単量体、ラジカル重合性多量体から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする。
結晶性を省略しているが、具体的には、前記結晶性ラジカル重合性化合物が、結晶性不飽和ポリエステル、結晶性エポキシ(メタ)アクリレート、結晶性ウレタン(メタ)アクリレート、結晶性ポリエステル(メタ)アクリレート、結晶性ポリエーテル(メタ)アクリレート、結晶性ラジカル重合性単量体、結晶性ラジカル重合性多量体から選ばれる1種以上を含むことができる。これらの重合性化合物を使用すると機械特性、取扱い性が良好となる(以下でも、結晶性を省略する場合がある。)。
なお、本明細書において、結晶性化合物とはガラス転移点と融点を有する化合物とすることができる。これらの温度はDSC( 示差走査熱量計 )、TGDTA( 示差熱熱重量同時測定装置 )等の熱分析装置により確認できる。本発明における結晶性化合物は熱分析装置により融点が確認できる化合物とすることができる。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、さらに、収縮性という観点から、熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする。本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記熱可塑性樹脂は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエンゴム、及びそれらの共重合体から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする。これらの熱可塑性樹脂を選択することにより、収縮率が小さい電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物にすることが出来るためである。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記熱可塑性樹脂の含有量は、成形性という観点から、結晶性ラジカル重合性組成物全量に対して0.01〜20重量部であり、好ましくは0.05〜15重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%である。上記範囲としたのは、熱可塑性樹脂が上記範囲よりも少ない場合は成形後の低収縮効果が小さくなる虞があるためと、上記範囲よりも多い場合は溶融粘度が高くなり成形性が低下する虞があるためである。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記結晶性ラジカル重合性化合物は、作業性、成形性という観点から、前記結晶性ラジカル重合性化合物の融点が30〜150℃であり、より好ましくは30〜120℃であり、さらに好ましくは30〜100℃の範囲で融点を示すことを特徴とする。融点が30℃未満の結晶性ラジカル重合性化合物、または融点が150℃より高い結晶性ラジカル重合性化合物を使用した場合に比較して、30〜150℃の範囲で融点を示す結晶性ラジカル重合性化合物を使用すると、より良好な取扱い性を実現可能であるためである。結晶性ラジカル重合性化合物の融点が上記範囲よりも低い場合は、常温で液体になりやすいため、結晶性ラジカル重合性組成物が固体を維持しにくくなる虞がある。結晶性ラジカル重合性化合物の融点が上記範囲よりも高い場合は、金型の成形温度と近接するため、流動開始から硬化までの時間が短くなり、成形不良が発生する虞がある。
また、融点が30℃未満の結晶性ラジカル重合性化合物のみを使用した場合は、23℃で固体の結晶性ラジカル重合性組成物になりにくい傾向がある。一方、融点が150℃より高い結晶性ラジカル重合性化合物のみを使用した場合は、射出成形法において、シリンダー内で結晶性ラジカル重合性組成物を可塑化する際に、シリンダー温度と金型の温度が近接しているため、シリンダー内で安定性に乏しい傾向がある。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記結晶性ラジカル重合性組成物は、結晶性ラジカル重合性化合物の取扱い性という観点から、23℃で固体であることを特徴とする。上記範囲としたのは、結晶性ラジカル重合性組成物の製造・成形・輸送環境下において組成物の形状が変化しないため、汎用の製造設備・条件で連続生産が可能となるためである。なお、固体とは外力によって容易に形及び体積が変化しないものとすることができる。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、流動性という観点から、前記結晶性ラジカル重合性組成物の高化式フローテスタによる溶融粘度が測定温度90℃、ダイスの直径0.5mmで長さ1.0mm、圧力30kgf/cmにおいて7〜1,000Pa・s、又は、圧力1kgf/cmにおいて1〜7Pa・sであり、より好ましくは1〜100Pa・sの範囲とすることができる。結晶性ラジカル重合性組成物の溶融粘度が上記範囲よりも低い場合は薄いバリが多く発生してバリが金型からはがれにくくなり、さらに、金型の隙間に組成物が入り込むため連続成形が困難となり、溶融粘度が上記範囲よりも高い場合は成形時に充填性が悪く、製品が得られなくなる虞がある。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、製品品質という観点から、前記無機充填材の含有量が、前記結晶性ラジカル重合性組成物全量に対して50〜95重量%であり、より好ましくは55〜93重量%であり、さらに好ましくは60〜90重量%とすることができる。上記範囲としたのは、無機充填材の量が上記範囲より少ない場合は収縮率が大きく成形品が変形し、前記範囲よりも多い場合は成形時の溶融粘度が高く電気電子部品に負荷がかかり、電気電子部品が損傷する虞があるためである。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、固体を維持する観点から、前記結晶性ラジカル重合性化合物全量に対する結晶性ラジカル重合性化合物の割合が、30重量部以上であり、より好ましくは、40重量部以上、更に好ましくは、50重量部以上とすることができる。上記範囲としたのは、結晶性ラジカル重合性化合物の割合が上記範囲よりも少ない場合は、固体になりにくくなる虞があるためである。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、結晶性ラジカル重合性組成物の品質管理という観点から、前記結晶性ラジカル重合性化合物の重量平均分子量が、100〜100,000であり、より好ましくは100〜50,000であり、さらに好ましくは150〜30,000とすることができる。上記範囲としたのは、結晶性ラジカル重合性化合物の重量平均分子量が前記範囲よりも小さい場合は結晶性ラジカル重合性組成物が固体になりにくく、上記範囲よりも大きい場合は結晶性ラジカル重合性組成物の分子量が高精度に制御できないため、化合物特性、組成物特性が変動する虞があるためである。
また、本発明の電気電子部品固定電気電子装置は、電気電子装置(電気電子部品の構成パーツ等を含む。)と、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物により前記電気電子装置に固定された電気電子部品と、からなることを特徴とする。電気電子装置とは、特に限定されるものではないが、例えば、電気電子部品の構成パーツを意味することができる。例えば、工作機械、作業用ロボット、車両、自動車、電化製品等に使用されている電気電子部品を固定する、筐体、又は構成パーツ、例えば、ユニット、モジュール、デバイス、又はロータコア等の構成パーツを例示することができる。
また、本発明の電気電子部品固定電気電子装置の好ましい実施態様において、 信頼性という観点から、前記電気電子装置は、ユニット、モジュール、デバイス体、又はロータコアであることを特徴とする。
また、本発明の機械は、本発明の電気電子部品固定電気電子装置を有することを特徴とする。機械についても、本発明の電気電子部品固定電気電子装置を有する限りにおいて、特に限定されない。例えば、機械として、一般機械、電気機械、輸送用機械、精密機械等を例示することができ、これらの機械に、本発明の電気電子部品固定電気電子装置を組み込むことが可能である。また、一般機械としては、例えば、農業機械、建設機械、ボイラー・原動機、繊維機械、工作機械、各種産業機械、事務機械、ミシン等を挙げることができ、電気機械としては、発電機、民生用電気機器、通信機械、電子応用装置、電気計測器等を挙げることができ、輸送用機械としては、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等を挙げることができ、精密機械としては、光学器械、時計、精密測定器等を挙げることができる。
また、本発明の粒状物は、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなることを特徴とする。粒状物としているが、本発明は、粒状物のほか、粉末、タブレット等でもよい。すなわち、粒状物以外の場合には、本発明の粉末、タブレット等は、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなることができる。
また、本発明の電気電子部品固定体の製造方法は、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなる前記粒状物を用いて、射出成形法、トランスファー成形法、又は注型法によるインサート成形法により、電気電子部品を電気電子装置に固定する工程を有することを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定体の製造方法の好ましい実施態様において、前記電気電子部品固定体は、電気電子部品固定ユニット、電気電子部品固定モジュール、電気電子部品固定デバイス体、又は電気電子部品固定ロータコアであることを特徴とする。
電気電子部品固定ユニット、モジュール、デバイス体、又はロータコアは、電気電子部品を含んだユニット、モジュール、デバイス体、又はロータコアとすることができる。一般に、電気電子部品は筐体あるいはユニット、モジュール、デバイス等の構成パーツに固定されている。固定された電気電子部品は、高粘度な成形材料を用いた射出成形やトランスファー成形や注型等の流動圧力より電気電子部品の損傷を起こす虞がある。なお、本発明において、電気電子部品には、コンデンサー、集積回路等のいわゆる電気電子部品のほか、センサー、スイッチ、磁性体、一次・二次電池等の広義の電気電子部品を含むことができる。要するに、本発明の組成物は、取り扱い性、流動性等が要求される電気電子部品固定ユニット、モジュール、デバイス、又はロータコア等はもちろん、これ以外の素材に広く適用することができる。
溶融粘度が低く流動性が良好な組成物は常温でも組成物が柔らかいため、取扱い性に不具合が生じる虞がある。また、柔らかい組成物が塊状となり、射出成形法ではホッパー内で組成物の融着が発生、トランスファー成形法では事前に成形したタブレットが融着、さらには形状変化が発生してトランスファー成形機内のタブレット挿入孔に入らなくなる不具合が発生する虞がある。本発明は流動性と取扱い性を両立することで高い生産性を有する優れた効果を奏する。
<不飽和ポリエステルの製造方法>
本発明に使用される不飽和ポリエステルは、一例において、例えば、不飽和多塩基酸、飽和多塩基酸とグリコール類との公知の脱水縮合反応を行うことにより、通常、2〜40mg―KOH/gの酸価を有することができる。不飽和ポリエステルの製造において、不飽和多塩基酸、飽和多塩基酸の酸成分の選択や組合せ、及びグリコール類の選択や組合せ、それらの配合割合等を適宜選択することにより結晶性を有する不飽和ポリエステルとすることができる。
不飽和多塩基酸類は、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、グルタコン酸等を挙げることができる。
飽和多塩基酸類は、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸、テトラブロム無水フタル酸等を挙げることができる。
グリコール類は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピレンオキシド化合物、シクロヘキサンジメタノール、ジブロムネオペンチルグリコール等を挙げることができる。
本発明においては、結晶性不飽和ポリエステルの中でも、不飽和多塩基酸としてフマル酸、飽和多塩基酸としてイソフタル酸やテレフタル酸が使用され、グリコールとして主成分にエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジメタノールを使用した不飽和ポリエステルが好適である。
<エポキシ(メタ)アクリレートの製造方法>
本発明に使用されるエポキシ(メタ)アクリレートは、それ自体公知の方法で製造することが出来る。公知の禁止剤、公知のエステル化触媒の存在下又は非存在下、不活性ガス気流中又は空気雰囲気下にてエポキシ樹脂、及び不飽和一塩基酸を適宜選択することにより結晶性を有するエポキシ(メタ)エポキシアクリレートとすることが出来る。必要に応じて反応系の溶融粘度を下げる目的で他のラジカル重合性単量体や有機溶剤を入れて反応させることが出来る。
本発明におけるエポキシ(メタ)アクリレートは、一例として、例えば、1分子中に2個以上のグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂にアクリル酸またはメタクリル酸を付加反応させて得られる分子末端にアクリレートまたはメタクリレートの二重結合を有するエポキシ(メタ)アクリレートとすることができる。エポキシ(メタ)アクリレートをラジカル重合性単量体及び/またはラジカル重合性多量体に溶解したエポキシ(メタ)アクリレート樹脂でもよい。上記1分子中に2個以上のグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等、あるいはこれらの誘導体からのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノール及びその誘導体からのビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール及びその誘導体からのビフェノール型エポキシ樹脂、あるいはナフレン及びその誘導体からのナフタレン型エポキシ樹脂、さらにはノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。エポキシ樹脂の分子量の目安になるエポキシ当量は174〜2,000eq/gのものが好ましい。
<ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法>
また本発明におけるウレタン(メタ)アクリレートは、一例として、例えば、一分子中に2個以上の水酸基を有するポリアルコール及び/またはポリエステルポリオール及び/またはポリエーテルポリオールとジイソシアネートとを反応させた分子末端のイソシアネート、及び/または 一分子中に1個以上のイソシアネートにアルコール性水酸基と1個以上のアクリレート基またはメタクリレート基を有する化合物を反応させるか、または先ずアルコール性水酸基と1個以上のアクリレート基またはメタクリレート基を有する化合物とジイソシアネートとをイソシアネート基が残るように反応させ、残ったイソシアネート基と一分子中に2個以上の水酸基を有するポリアルコール及び/またはポリエステルポリオール及び/またはポリエーテルポリオールとを反応させて得られる分子末端にアクリレートまたはメタクリレートの二重結合を有するウレタンアクリレートとすることができる。ウレタン(メタ)アクリレートの製造において、イソシアネートと、ポリアルコール及び/またはポリエステルポリオール及び/またはポリエーテルポリオールの組み合わせ、及びアルコール性水酸基と1個以上のアクリレート基またはメタクリレート基を有する化合物を適宜選択する事により結晶性を有するウレタン(メタ)エポキシアクリレートとすることが出来る。ウレタンアクリレート、またはウレタンメタクリレートを、スチレン、ジエチレングリコールジメタクリレートなどのラジカル重合性単量体及び/又はラジカル重合性多量体に溶解したウレタン(メタ)アクリレート樹脂でもよい。これらは単独で、または2種以上の混合物で使用することができる。
上記アルコール性水酸基と1個以上のアクリレート基またはメタクリレート基を有する化合物には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
また、上記一分子中に2個以上の水酸基を有するポリアルコールには、例えば、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、 1,5−ペンタンジオール、 1,6−ヘキサンジオール、 1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物等を、上記一分子中に2個以上の水酸基を有するポリエステルポリオールには、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物等のポリアルコールと、アジピン酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多塩基酸との脱水縮合反応から得られる分子量1,000〜2,000の飽和ポリエステルポリオールを、上記一分子中に2個以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールには、エチレンオキシド或いはプロピレンオキシドの開環反応により得られる分子量300〜2,000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール類又は、カプロラクトンの開環反応で得られるポリカプロラクトン等を、単独或いは2種類以上を併用して使用することができる。
上記一分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物としては、芳香族及び/又は脂肪族ポリイソシアネート化合物が用いられ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、2官能イソシアネート化合物が3量化されたイソシアヌレート環を有する3官能イソシアネート、市販されているポリオールで変性されたイソシアネートプレポリマー等を挙げることができる。これらを単独或いは2種類以上を混合して用いることができる。
<ポリエステル(メタ)アクリレートの製造方法>
また本発明におけるポリエステル(メタ)アクリレートは、一例として、例えば、ポリエステルポリオールとアクリル酸あるいはメタクリル酸とのエステル化、あるいは酸末端ポリエステルとグリシジル基を有するアクリレートまたはメタクリレートとの反応により得られる分子末端にアクリレートまたはメタクリレートの二重結合を有するポリエステルアクリレート、またはポリエステルメタクリレートとすることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート の製造において、ポリエステルポリオールと アクリル酸あるいはメタクリル酸、あるいは 酸末端ポリエステルとグリシジル基を有するアクリレートまたはメタクリレートを適宜選択する事により結晶性を有するポリエステル(メタ)アクリレート とすることが出来る。ポリエステルアクリレート、またはポリエステルメタクリレートを例えばスチレン、ジエチレングリコールジメタクリレートなどのラジカル重合性単量体及び/又はラジカル重合性多量体に溶解したポリエステルアクリレート樹脂、またはポリエステルメタクリレート樹脂でもよい。これらは単独で、または2種以上の混合物で使用することができる。
<ポリエーテル(メタ)アクリレートの製造方法>
また、本発明におけるポリエーテル(メタ)アクリレートは、一例として、例えば、ポリエーテルポリオールとアクリル酸あるいはメタクリル酸とのエステル化、あるいは酸末端ポリエーテルとグリシジル基を有するアクリレートまたはメタクリレートとの反応により得られる分子末端にアクリレートまたはメタクリレートの二重結合を有するポリエーテルアクリレート、またはポリエーテルメタクリレートとすることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレートの製造において、ポリエーテルポリオールとアクリル酸あるいはメタクリル酸、あるいは酸末端ポリエステルとグリシジル基を有するアクリレートまたはメタクリレートを適宜選択する事により結晶性を有するポリエステル(メタ)アクリレートとすることが出来る。ポリエーテルアクリレート、またはポリエーテルメタクリレートを例えばスチレン、ジエチレングリコールジメタクリレートなどのラジカル重合性単量体及び/又はラジカル重合性多量体に溶解したポリエーテルアクリレート樹脂、またはポリエーテルメタクリレート樹脂でもよい。これらは単独で、または2種以上の混合物で使用することができる。
また、好ましい態様において、本発明における30〜150℃で固体の結晶性ラジカル重合性単量体は、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(融点約50℃)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(融点35〜53℃)、メトキシポリエチレングリコー(メタ)アクリレート(融点33〜40℃)、ベヘニルアクリレート(融点46℃)、テトラメチルピペリニジルメタクリレート(融点56〜60℃)、トリメタリルイソシアヌレート(融点83〜87℃)、ダイアセトンアクリルアミド(融点約56℃)、イタコン酸ジメチルエステル(融点36℃)、ステアリン酸ビニル(融点36℃)、N−ビニルカルバゾール(融点67℃)、N−メチロールアクリルアミド(融点71〜75℃)、アクリルアミド(融点84℃)、トリレンジアリルカルバメート(融点85〜110℃)、マレイミド(融点93℃)、アセナフチレン(融点95℃)等から選ばれる1種以上を含むことができる。これらの結晶性ラジカル重合性化合物を使用すると取扱い性が良好となる。
本発明におけるラジカル重合性単量体は本目的を損なわない範囲において常温にて液体のラジカル重合性単量体を使用することが出来る。例えば、ビニル基を有するスチレンモノマー、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレンなどのビニル芳香族化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、ベオバモノマー(シェル化学社製)などのビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
また、トリアリルシアヌレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルテトラブロムフタレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、アリル基を有するジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどの2官能以上のラジカル重合性単量体を用いることができる。これらのラジカル重合性単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明におけるラジカル重合性多量体は、ジアリルフタレートプレポリマー、タイクプレポリマー、エポキシプレポリマー、ウレタンプレポリマー、アクリレートプレポリマーを用いることが出来る。これらのラジカル重合性多量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明における熱可塑性樹脂は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエンゴム、及びそれらの共重合体からなる群から選択される1種類以上を用いることが出来る。これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物において、無機充填材を配合することができる。該無機充填材は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、マイカ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素が挙げられるが、これらのうち、流動性の観点からシリカが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
前記無機充填材としては、平均粒子径が100μm以下、好ましくは0.01〜50μmのものを使用することができる。上記平均粒子径を有する無機充填材を使用することにより、成形時の流動性、強度に優れた電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物とすることができる。
本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物において、無機充填材、強化材と密着する各種添加剤、例えば、極性基を有する(メタ)アクリレート化合物やカップリング剤を配合することが出来る。
極性基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、特に限定されないが、例えば、炭素、水素以外の原子を含む置換基がエステル結合する(メタ)アクリレート化合物が挙げられ、置換基としては、水酸基、エポキシ基、グリシジルエーテル基、テトラヒドロフルフリル基、イソシアネート基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、リン酸エステル基、ラクトン基、オキセタン基、テトラヒドロピラニル基、アミノ基等を挙げることができる。カップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤等を用いることができ、シランカップリング剤としては、例えば、エポキシシラン系、アミノシラン系、カチオニックシラン系、ビニルシラン系、アクリルシラン系、メルカプトシラン系、及びこれらの複合系等を用いることができる。
これらのうち、強度向上の観点からアクリルシラン系カップリング剤が好ましい。その他、本発明の目的を損なわない限り、いかなる添加剤も使用できる。
本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物において、樹脂製基板や金属との密着性を向上させる各種密着付与剤を配合することが出来る。
樹脂製基板や金属との密着性を向上させる密着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、ベンゾトリアゾール系樹脂、トリアジン系樹脂、リン酸エステル系化合物、アルコール系化合物、カップリング剤が挙げられる。
本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物においては、ラジカル重合開始剤として、通常不飽和ポリエステル樹脂組成物、ラジカル重合性組成物に用いられる加熱分解型の有機過酸化物や重合禁止剤を用いることができる。
有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
これらの中でも、成形条件、貯蔵安定性という観点から、10時間半減期温度が100℃以上の有機過酸化物を用いることが好ましく、具体的にはジクミルパーオキサイドを好適に用いることができる。
重合禁止剤としてはハイドロキノン、モノメチルエーテルハイドロキノン、トルハイドロキノン、ジ−t−4−メチルフェノール、モノメチルエーテルハイドロキノン、フェノチアジン、t−ブチルカテコール、パラベンゾキノン、ピロガロール等のキノン類、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレンービスー(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリスー(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等のフェノール系化合物、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−カルボキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のピペリジン−1−オキシル類を挙げることができる。これらを使用することにより成形時の充填途中における増粘を抑制し、低溶融粘度なラジカル重合性組成物にすることが出来る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物においては、強化材を配合することができる。強化材を用いることにより、優れた強度特性、寸法安定性を有する電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物とすることができる。
本発明に用いられる強化材としては通常、BMC(バルク・モールディング・コンパウンド)、SMC(シート・モールディング・コンパウンド)等の繊維強化プラスチックスに使用されているガラス繊維が用いられるが、ガラス繊維に限定されずそれ以外のものも用いることができる。
ガラス繊維としては、珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラスを原料とするEガラス(電気用無アルカリガラス)、Cガラス(化学用含アルカリガラス)、Aガラス(耐酸用ガラス)、Sガラス(高強度ガラス)等のガラス繊維を挙げることができ、これらを長繊維(ロービング)、短繊維(チョップドストランド)、ミルドファイバーとしたものを用いることができる。さらに、これらのガラス繊維は表面処理を施したものを用いることもできる。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物においては、組成物の流動性や、固定材としたときの特性を阻害しない範囲において、他の無機充填材を適宜配合することができる。
これらのものとしては、酸化物及びその水和物、無機発泡粒子、シリカバルーン等の中空粒子等を挙げることができる。
本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物においては、離型剤を用いることができる。離型剤としては、一般に熱硬化性樹脂に用いられる脂肪酸系、脂肪酸金属塩系、鉱物系等のワックス類を用いることができ、特に、耐熱変色性に優れた脂肪酸系、脂肪酸金属塩系、及びワックス類を好適に用いることができる。
これらの離型剤としては、具体的にはステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス等を挙げることができる。これらの離型剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
離型剤は、必要に応じて金型に噴霧あるいは、塗布するタイプの離型剤、離型剤を配合した成形材料等の外部離型剤を使用することもできる。
本発明においては、これらの配合成分以外に、結晶性ラジカル重合性組成物の硬化条件を調整するための硬化触媒、重合禁止剤、着色剤、増粘剤、湿潤分散剤、表面調整剤、減粘剤、流動改質剤、その他有機系添加剤、無機系添加剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
<結晶性ラジカル重合性組成物の製造方法>
本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、各成分を配合して、ミキサー、ブレンダー等を用いて十分均一に混合した後、加熱加圧可能な混練機、押し出し機等にて調製し、造粒して製造することができる。
また、本発明の粒状物、粉末、タブレットは、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなることを特徴とする。本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物よりなる粒状物は、ペレット状であっても良い。
また、本発明の電気電子部品固定体は、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物よりなる粒状物、粉末、タブレットを成形して固定することを特徴とする。電気電子部品固定ユニット、モジュール、デバイス体、又はロータコア等は、常法により、種々の熱硬化性組成物の成形方法により成形することができる。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、乾式で、かつ溶融時の熱安定性が良好なため、成形方法として、射出成形法、射出圧縮成形法、トランスファー成形法、圧縮成形法等の溶融加熱成形法を好適に用いることができる。
これらの中でも射出成形機を用いた射出成形法、トランスファー成形機を用いたトランスファー成形法、ディスペンサーを用いた注型法が特に好適であり、射出成形法により成形時間をより短く、トランスファー成形法により一度に多くの成形体を成形可能となり、注型法により簡便な設備で充填できることから、複雑な形状の電気電子部品固定ユニット、モジュール、デバイス体、又はロータコア等を製造することができる。
<電気電子部品固定ユニット、モジュール、デバイス体、ロータコア等、及び電気電子部品固定ユニット、モジュール、デバイス体、ロータコア等の製造方法>
本発明の電気電子部品固定ユニット、モジュール、デバイス体、又はロータコア等は、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物を用いてインサート成形法により電気電子部品を固定することにより製造することができる。ここで、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、結晶性ラジカル重合性組成物を構成する全成分が別途あらかじめ加熱混練されたものであっても、構成成分の一部または全部が金型注入直前に混合され加熱混練されたものであってもよい。
金型注入の際の結晶性ラジカル重合性組成物温度及び圧力は特に限定されないが、射出成形機を用いた場合は、結晶性ラジカル重合性組成物温度60〜130℃、金型温度130〜190℃、かつ結晶性ラジカル重合性組成物圧力0.1〜10MPa、トランスファー成形機では金型温度130〜190℃、かつ結晶性ラジカル重合性組成物圧力0.1〜10MPa、ディスペンサーによる注型は、ディスペンサー温度を70〜120℃とし、かつ結晶性ラジカル重合性組成物圧力0.01〜3MPaとすると電気電子部品へのダメージが少なくなり好ましい。
以下、実施例により本発明の一実施態様についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<電気電子部品固定用ラジカル重合性組成物の製造例>
実施例1〜11、参照例1、及び比較例1〜2
表2に示す実施例1〜11、参照例1、及び表3に示す比較例1〜2の結晶性又は非晶性ラジカル重合性組成物は、下記表2、及び3に記載の配合量にて配合し、加圧加熱・冷却可能な混練機を用いて均一に調製した後、調製物を押し出し機に投入してホットカットして粒状物とした。一部の粒状物、塊状のラジカル重合性組成物は粉砕機を用いて粉末とした。
得られたラジカル重合性組成物等は油圧成形機((株)東邦プレス製作所製)により、金型温度165℃、硬化時間180秒または試験片が取得できる時間まで行い、試験片を作製した。成形した試験片について下記記載の方法により物性評価を行い、それぞれ表2、及び表3に示した。
配合成分としては以下のものを用いた。
(1)重合性化合物
1.結晶性ラジカル重合性化合物1:フタル酸系不飽和ポリエステル(テレフタル酸とフマル酸と1,6−ヘキサンジオールの縮合物)
2.結晶性ラジカル重合性化合物2:ウレタンメタクリレート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの2−ヒドロキシエチルメタクリレート付加物)
3.結晶性ラジカル重合性化合物3:ウレタンアクリレート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの2−ヒドロキシエチルアクリレート付加物)
4.結晶性ラジカル重合性単量体1:エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(新中村化学(株)製 A−9300)
5.非晶性ラジカル重合性化合物1:フタル酸系不飽和ポリエステル(日本ユピカ(株)製 ユピカ8552H)
6.非晶性ラジカル重合性化合物2:ビスフェノールA型エポキシメタクリレート(ビスフェノールA型エポキシ樹脂のメタクリル酸付加物)
7.ラジカル重合性単量体1:ジアリルフタレートモノマー(大阪ソーダ(株)製 ダイソーダップモノマー)
8.ラジカル重合性単量体2:ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学(株)製 2G)
(2)無機充填材
1.無機充填材1:溶融シリカ(デンカ(株)製 平均粒子径24μm)
2.無機充填材2:炭酸カルシウム(日東粉化(株)製 平均粒子径2μm)
(3)添加剤
1.シランカップリング剤:メタクリル系シラン(信越化学工業(株)製 KBM−503)
2.ラジカル重合開始剤:ジクミルパーオキサイド(日油(株)製 パークミルD)
3.離型剤:ステアリン酸亜鉛(日油(株)製 GF−200)
4.重合禁止剤:ペラベンゾキノン(精工化学(株)製 PBQ)
5.着色剤:カーボンブラック(三菱化学(株)製 CB40)
<重合性化合物特性>
結晶性又は非晶性ラジカル重合性化合物、及びラジカル重合性単量体の融点、及び重量平均分子量を測定して表1に示した。
Figure 2021046496
Figure 2021046496
Figure 2021046496
<化合物特性、組成物特性、物性評価方法>
(1)融点
表1に示すラジカル重合性化合物を示差走査熱量分析計「DSC6220」(セイコーインスツル(株)製)にて、測定試料10mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封し、−60℃から200℃まで、10℃/minの昇温速度で測定した。得られた曲線の吸熱ピークを融点とした。その結果を表1に示す。23℃で液体の化合物は測定を中止した。
(2)重量平均分子量
表1に示すラジカル重合性化合物の重量平均分子量は重合性化合物をテトラヒドロフラン(THF)に1.0重量%にて溶解させ、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算により測定した。測定条件を下記に示す。その結果を表1に示す。但し、前記厳格な基準をクリアせずとも、所望の用途、要求される品質等によっては、重量平均分子量が100未満、または100,000より大きくても適合する場合もあるので、一つの目安として検討すればよいものである。
機器装置:昭和電工
(株)製 Shodex GPC−101
カラム:昭和電工(株)製 KF−802、803、804、805
溶媒、キャリア液:THF
流量:1.0ml/分
サンプル濃度:1.0%
温度:40℃
サンプル注入量:200μl
検出器:示差屈折率検出器
(3)硬さ
測定方法はJIS K 7215を参考とした。表2に示す実施例1〜11、参照例1、及び表3に示す比較例1〜2の結晶性又は非晶性ラジカル重合性組成物の硬さをデュロメーター(西東京精密(株) WR-105D)にて測定した。90℃に温調したラジカル重合性組成物を約100mm×100mm×10mmの平板状にして23℃の恒温室で冷却固化した。23℃に温調した硬化前のラジカル重合性組成物を水平な硬い台の上に設置した。デュロメーターの加圧基準面を、ラジカル重合性組成物表面に平行を保ちながら、衝撃を伴うことなく、できるだけ速やかにラジカル重合性組成物表面に押し付け、加圧基準面とラジカル重合性組成物とをよく密着させた。1秒以内に速やかに指示装置の指針の最大指示値を読み取った。その結果を表2、及び3に示す。目標とする硬さは10とし、20以上を優、10以上を良、10未満を可とした。
(4)溶融粘度
表2に示す実施例1〜11、参照例1、及び表3に示す比較例1〜2の結晶性又は非晶性ラジカル重合性組成物を高化式フローテスタ((株)島津製作所製 CFT−100EX)にて溶融粘度を測定した。直径0.5mmで長さ1mmダイスを備え、90℃に加熱したシリンダー試料挿入孔にラジカル重合性組成物を入れ、240秒の予備加熱後に30kgf/cm又は、1kgf/cmの圧力でピストンを加圧し、ラジカル重合性組成物をダイのノズルから流出させ、直線性が良好な箇所から溶融粘度を求めた。その結果を表2、及び3に示す。目標とする溶融粘度は1〜1,000Pa・sとし、1〜100Pa・sであった組成物を優、100〜1,000Pa・sを良とした。
(5)流動長
測定方法はEIMS T−901を参考とした。表2に示す実施例1〜11、参照例1、及び表3に示す比較例1〜2の結晶性又は非晶性ラジカル重合性組成物を用いて、スパイラルフロー金型を備えた補助ラム式トランスファー成形機にて流動長を測定した。スパイラルフロー金型は165℃に加熱した。スパイラルフローの金型は、中心部が材料の注入口部になっており、注入口部を起点として半径1.6mmの半円状の渦巻き曲線状に溝が設けられているものを用いた。カルの厚さが1〜10mmの範囲になるようにあらかじめ決めた量のラジカル重合性組成物を量り取った。プランジャーを上げ、ラジカル重合性組成物をポットに投入し、直ぐに3.2MPaの圧力を加えてトランスファー成形を開始した。プランジャーの動きが停止し、測定開始から180秒後に金型を開き成形物を取り出した。成形物先端の光沢のある部分までの長さ、または光沢のある部分の長さに、その先の密度の低い部分の長さの1/2を加えた数字を読み取った。その結果を表2、及び3に示す。目標とする流動長は50cmとし、100cm以上を優、50cm以上を良、50cm未満を可とした。但し、前記厳格な基準をクリアせずとも、所望の用途、要求される品質等によっては、50cm未満でも条件が適合する場合もあるので、一つの目安として検討すればよいものである。
(6)成形収縮率
測定方法はJIS K 6911に準拠した。表2に示す実施例1〜11、参照例1、及び表3に示す比較例1〜2の結晶性又は非晶性ラジカル重合性組成物を用いて、収縮率測定用金型を用いて圧縮成形で試験片を作製した。165℃に温調した金型内にラジカル重合性組成物を置き、3分間加圧加熱した。試験片は直ちに金型から取り出し、23℃、湿度55%RHの恒温恒湿下で24時間保管した。試験片の表裏に突起した環状帯の外形をお互いに直行する測定線に沿って、表面2ヶ所、裏面2ヶ所、計4箇所の寸法を測定した。試験片に対応する金型の溝の外形を同一条件で0.01mmまで測定して成形収縮率を算出した。その結果を表2、及び表3に示す。目標とする成形収縮率は0.5%とし、0.2%以下を優、0.2〜0.5%以下を良、0.5%を超える場合を可とした。但し、前記厳格な基準をクリアせずとも、所望の用途、要求される品質等によっては、0.5%を超える場合でも条件が適合する場合もあるので、一つの目安として検討すればよいものである。
(7)ガラス転移点
測定はJIS K 7224-4に準拠した。表2に示す実施例1〜11、参照例1、及び表3に示す比較例1〜2の結晶性又は非晶性ラジカル重合性組成物を165℃に温調した平板用金型内に置いた。速やかに金型を閉じ加圧加熱成形した。硬化後に金型を開けて平板状の成形片を得た。平板状の成形片から短冊状に切削加工を行いガラス転移点測定用試験片を得た。動的粘弾性(TAインスツルメント社(株)製RSA-G2)は2℃/分の昇温速度で、30〜250℃の範囲、周波数10Hzで測定した。Tanδピーク温度をガラス転移点とした。その結果を表2、及び3に示す。目標とするガラス転移点は125℃とし、125℃以上を良、125℃未満を可とした。但し、前記厳格な基準をクリアせずとも、所望の用途、要求される品質等によっては、125℃未満でも条件が適合する場合もあるので、一つの目安として検討すればよいものである。
<評価結果>
表2及び表3に示すように、本発明における電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、取扱性に優れることが判明した。また、特に、本発明における電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の実施例1〜8、11は、23℃で固体であるため取扱い性に優れ、溶融粘度が低く良好であった。本発明における電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、全体的に優れた結果を示すことが判明した。
実施例9は実施例1の無機充填材配合量が異なる結晶性ラジカル重合性組成物である。組成物の硬さは3であり柔らかかった。さらに溶融粘度は0.5Pa・sであり粘度が低い組成物であり、成形収縮率は大きいが、その他の特性は良好であった。
実施例10は実施例5の結晶性ラジカル重合性化合物から常温液体のラジカル重合性化合物に変更して、ラジカル重合性化合物の配合割合を変えた結晶性ラジカル重合性組成物である。結晶性ラジカル重合性化合物が少ないため、組成物の硬さは0であり柔らかく、また、ガラス転移点が低い結果であったが、その他の特性は良好であった。
参照例1は実施例8の無機充填材の配合量を変えた結晶性ラジカル重合性組成物である。溶融開始温度は測定中に流動が停止したため、観測されなかった。また、溶融粘度が高く、流動長も短かったが、その他の特性は良好であった。
したがって、実施例9及び10、参照例1であっても、所望の用途、要求される品質等によっては、条件が適合する場合もあるので、一つの目安として検討すればよく、良好な特性が要求される用途に適用可能であることが判明した。
また、比較例1及び2ともに、結晶性に比較して、溶融粘度が高く(比較例1は、実施例4と対比可能)、取扱性等に劣る結果となった。
以上に述べたように、結晶性ラジカル重合性化合物を少なくとも含む電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、取扱い性に優れ、流動性も良好であることが判明した。
次に、上述した本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなる粒状物等を用いて、電気電子部品を例に固定を試みた。すなわち、電気電子部品と、電気電子装置との間のギャップに対して、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物を充填し、硬化させることにより、電気電子部品を電気電子装置へ固定することを試みた。
これらの結果、いずれの本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物においても、良好な固定効果を示すことが判明した。また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物を充填し、硬化させることにより、電気電子部品を電気電子装置へ固定した電気電子部品固定電気電子装置を機械へ搭載した結果、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物ガラス転移点が高く耐熱性に優れるので、電気電子部品固定電気電子装置を搭載した工作機械、作業用ロボット、車両、自動車、電化製品等の耐久性を向上させることが可能であることが判明した。
<熱可塑性樹脂を含む電気電子部品固定用ラジカル重合性組成物の製造例>
実施例12〜19、及び実施例20〜21
表5に示す実施例12〜19、及び表6に示す実施例20〜21の結晶性ラジカル重合性組成物は、下記表5、及び6に記載の配合量にて配合し、加圧加熱・冷却可能な混練機を用いて均一に調製した後、調製物を押し出し機に投入してホットカットして粒状物とした。一部の粒状物、塊状のラジカル重合性組成物は粉砕機を用いて粉末とした。
得られたラジカル重合性組成物等は油圧成形機((株)東邦プレス製作所製)により、金型温度165℃、硬化時間180秒または試験片が取得できる時間まで行い、試験片を作製した。成形した試験片について下記記載の方法により物性評価を行い、それぞれ表5、及び表6に示した。
配合成分としては以下のものを用いた。
(1)重合性化合物
1.結晶性ラジカル重合性化合物1:ウレタンメタクリレート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの2−ヒドロキシエチルメタクリレート付加物)
2.結晶性ラジカル重合性単量体1:エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(新中村化学(株)製 A−9300)
(2)熱可塑組成樹脂
1.熱可塑性樹脂1:飽和ポリエステル(日本ユピカ(株)製 GV−150)
2.熱可塑性樹脂2:ポリエチレン(住友精化(株)製 フローセンUF80)
3.熱可塑性樹脂3:ポリメチルメタクリレート(藤倉化成(株)製 MH−101−5)
(3)無機充填材
1.無機充填材1:溶融シリカ(デンカ(株)製 平均粒子径24μm)
2.無機充填材2:炭酸カルシウム(日東粉化(株)製 平均粒子径2μm)
3.無機充填材2:酸化アルミニウム(デンカ(株)製 平均粒子径45μm)
4.無機充填材2:酸化マグネシウム(宇部マテリアル(株)製 平均粒子径70μm)
(4)添加剤
1.シランカップリング剤:メタクリル系シラン(信越化学工業(株)製 KBM−503)
2.ラジカル重合開始剤:ジクミルパーオキサイド(日油(株)製 パークミルD)
3.離型剤:ステアリン酸亜鉛(日油(株)製 GF−200)
4.重合禁止剤:ペラベンゾキノン(精工化学(株)製 PBQ)
5.着色剤:カーボンブラック(三菱化学(株)製 CB40)
<重合性化合物特性>
結晶性ラジカル重合性化合物、及び結晶性ラジカル重合性単量体の融点、及び重量平均分子量を測定して表4に示した。
Figure 2021046496
Figure 2021046496
Figure 2021046496
<化合物特性、組成物特性、物性評価方法>
(1)融点
表4に示す結晶性ラジカル重合性化合物及び結晶性ラジカル重合性単量体を示差走査熱量分析計「DSC6220」(セイコーインスツル(株)製)にて、測定試料10mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封し、−60℃から200℃まで、10℃/minの昇温速度で測定した。得られた曲線の吸熱ピークを融点とした。その結果を表4に示す。
(2)重量平均分子量
表4に示す結晶性ラジカル重合性化合物及び結晶性ラジカル重合性単量体の重量平均分子量は重合性化合物をテトラヒドロフラン(THF)に1.0重量%にて溶解させ、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算により測定した。測定条件を下記に示す。その結果を表4に示す。
機器装置:昭和電工(株)製 Shodex GPC−101
カラム:昭和電工(株)製 KF−802、803、804、805
溶媒、キャリア液:THF
流量:1.0ml/分
サンプル濃度:1.0%
温度:40℃
サンプル注入量:200μl
検出器:示差屈折率検出器
(3)曲げ強さ、曲げ弾性率
測定方法はJIS K 6911に準拠した。表5に示す実施例12〜19、及び表6に示す実施例20〜21の結晶性ラジカル重合性組成物を用いて、金型を用いて、成形温度165℃、成形圧力3.2N/mm2、成形時間180秒の条件で成形して試験片を得た。試験片を23℃、湿度55%RHの恒温恒湿下にて、曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定した。その結果を表5、及び表6に示す。
(4)成形収縮率
測定方法はJIS K 6911に準拠した。表5に示す実施例12〜19、及び表6に示す実施例20〜21の結晶性ラジカル重合性組成物を用いて、収縮率測定用金型を用いて圧縮成形で試験片を作製した。165℃に温調した金型内にラジカル重合性組成物を置き、3分間加圧加熱した。試験片は直ちに金型から取り出し、23℃、湿度55%RHの恒温恒湿下で24時間保管した。試験片の表裏に突起した環状帯の外形をお互いに直行する測定線に沿って、表面2ヶ所、裏面2ヶ所、計4箇所の寸法を測定した。試験片に対応する金型の溝の外形を同一条件で0.01mmまで測定して成形収縮率を算出した。その結果を表5、及び表6に示す。
(5)硬さ
測定方法はJIS K 7215を参考とした。表5に示す実施例12〜19、及び表6に示す実施例20〜21の結晶性ラジカル重合性組成物の硬さをデュロメーター(西東京精密(株) WR−105D)にて測定した。90℃に温調したラジカル重合性組成物を約100mm×100mm×10mmの平板状にして23℃の恒温室で冷却固化した。23℃に温調した硬化前のラジカル重合性組成物を水平な硬い台の上に設置した。デュロメーターの加圧基準面を、ラジカル重合性組成物表面に平行を保ちながら、衝撃を伴うことなく、できるだけ速やかにラジカル重合性組成物表面に押し付け、加圧基準面とラジカル重合性組成物とをよく密着させた。1秒以内に速やかに指示装置の指針の最大指示値を読み取った。その結果を表5、及び6に示す。
(6)溶融粘度
表5に示す実施例12〜19、及び表6に示す実施例20〜21の結晶性ラジカル重合性組成物を高化式フローテスタ((株)島津製作所製 CFT−100EX)にて溶融粘度を測定した。直径0.5mmで長さ1mmダイスを備え、90℃に加熱したシリンダー試料挿入孔にラジカル重合性組成物を入れ、240秒の予備加熱後に30kgf/cm又は、1kgf/cmの圧力でピストンを加圧し、ラジカル重合性組成物をダイのノズルから流出させ、直線性が良好な箇所から溶融粘度を求めた。その結果を表5、及び6に示す。
(7)流動長
測定方法はEIMS T−901を参考とした。表5に示す実施例12〜19、及び表6に示す実施例20〜21の結晶性ラジカル重合性組成物を用いて、スパイラルフロー金型を備えた補助ラム式トランスファー成形機にて流動長を測定した。スパイラルフロー金型は165℃に加熱した。スパイラルフローの金型は、中心部が材料の注入口部になっており、注入口部を起点として半径1.6mmの半円状の渦巻き曲線状に溝が設けられているものを用いた。カルの厚さが1〜10mmの範囲になるようにあらかじめ決めた量のラジカル重合性組成物を量り取った。プランジャーを上げ、ラジカル重合性組成物をポットに投入し、直ぐに3.2MPaの圧力を加えてトランスファー成形を開始した。プランジャーの動きが停止し、測定開始から180秒後に金型を開き成形物を取り出した。成形物先端の光沢のある部分までの長さ、または光沢のある部分の長さに、その先の密度の低い部分の長さの1/2を加えた数字を読み取った。その結果を表5、及び6に示す。
(8)ガラス転移点
測定はJIS K 7224-4に準拠した。表5に示す実施例12〜19、及び表6に示す実施例20〜21の結晶性ラジカル重合性組成物を165℃に温調した平板用金型内に置いた。速やかに金型を閉じ加圧加熱成形した。硬化後に金型を開けて平板状の成形片を得た。平板状の成形片から短冊状に切削加工を行いガラス転移点測定用試験片を得た。動的粘弾性(TAインスツルメント社(株)製RSA-G2)は2℃/分の昇温速度で、30〜250℃の範囲、周波数10Hzで測定した。Tanδピーク温度をガラス転移点とした。その結果を表5、及び6に示す。
<評価結果>
表5及び表6に示すように、本発明における電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、低収縮性に優れることが判明した。また、特に、本発明における電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の実施例12〜21は、23℃で固体であるため取扱い性に優れ、溶融粘度が低く良好であった。本発明における電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、全体的に優れた結果を示すことが判明した。
実施例20は実施例12に熱可塑性樹脂を加えた結晶性ラジカル重合性組成物である。実施例20は実施例12よりも収縮率が大きく、他の物性は同等であった。
実施例21は実施例14に熱可塑性樹脂を加えた結晶性ラジカル重合性組成物である。実施例21は実施例14よりも収縮率が大きく、他の物性は同等であった。
以上に述べたように、熱可塑性樹脂を加えた電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、収縮率、取扱い性に優れることが判明した。
次に、上述した熱可塑性樹脂を含む本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなる粒状物等を用いて、電気電子部品を例に固定を試みた。すなわち、電気電子部品と、電気電子装置との間のギャップに対して、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物を充填し、硬化させることにより、電気電子部品を電気電子装置へ固定することを試みた。
これらの結果、いずれの本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物においても、良好な固定効果を示すことができた。このように本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物及びこれを用いてなる電気電子部品固定ユニット、モジュール、デバイス体等は、ガラス転移点が高く耐熱性に優れるので、搭載される工作機械、作業用ロボット、車両、自動車、電化製品等の耐久性を向上させることが可能であることが判明した。
本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物及びこれを用いてなる電気電子部品固定ユニット、モジュール、デバイス体等は、ガラス転移点が高く耐熱性に優れるので、搭載される工作機械、作業用ロボット、車両、自動車、電化製品等の耐久性を向上させることが可能であり、広く適用することが可能である。
すなわち、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、結晶性ラジカル重合性化合物と、無機充填材と、シランカップリング剤と、ラジカル重合開始剤とを少なくとも含むことを特徴とする電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物であって、前記結晶性ラジカル重合性組成物は、23℃で固体であり、かつ、前記電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物全量に対して0.01〜20重量%の熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、前記結晶性ラジカル重合性化合物は、結晶性不飽和ポリエステル、結晶性エポキシ(メタ)アクリレート、結晶性ウレタン(メタ)アクリレート、結晶性ポリエステル(メタ)アクリレート、結晶性ポリエーテル(メタ)アクリレート、結晶性ラジカル重合性単量体、結晶性ラジカル重合性多量体から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、ラジカル重合性化合物全量に対する結晶性ラジカル重合性化合物の割合は、30重量部以上であることを特徴とする。
また、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物の好ましい実施態様において、固体を維持する観点から、ラジカル重合性化合物全量に対する結晶性ラジカル重合性化合物の割合が、30重量部以上であり、より好ましくは、40重量部以上、更に好ましくは、50重量部以上とすることができる。上記範囲としたのは、結晶性ラジカル重合性化合物の割合が上記範囲よりも少ない場合は、固体になりにくくなる虞があるためである。

すなわち、本発明の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、結晶性ラジカル重合性化合物と、無機充填材と、シランカップリング剤と、ラジカル重合開始剤とを少なくとも含むことを特徴とする電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物であって、前記結晶性ラジカル重合性組成物は、23℃で固体であり、かつ、前記電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物は、電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物全量に対して0.01〜20重量%の熱可塑性樹脂を含み、かつ、前記熱可塑性樹脂は、飽和ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、及びそれらの共重合体から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする。

Claims (17)

  1. 結晶性ラジカル重合性化合物と、無機充填材と、シランカップリング剤と、ラジカル重合開始剤とを少なくとも含むことを特徴とする電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物。
  2. 前記結晶性ラジカル重合性化合物は、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ラジカル重合性単量体、ラジカル重合性多量体から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物。
  3. さらに、熱可塑性樹脂を含む請求項1又は2に記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物。
  4. 前記熱可塑性樹脂は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエンゴム、及びそれらの共重合体から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項3記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物。
  5. 前記熱可塑性樹脂の含有量は、電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物全量に対して0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項3又は4に記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物。
  6. 前記結晶性ラジカル重合性化合物は、30〜150℃の範囲で融点を示すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物。
  7. 前記結晶性ラジカル重合性組成物は、23℃で固体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物。
  8. 前記結晶性ラジカル重合性組成物の高化式フローテスタによる溶融粘度は、測定温度90℃、ダイスの直径0.5mmで長さ1.0mm、圧力30kgf/cmにおいて7〜1,000Pa・s、又は、圧力1kgf/cmにおいて1〜7Pa・sであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物。
  9. 前記無機充填材の含有量は、前記結晶性ラジカル重合性組成物全量に対して50〜95重量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物。
  10. 前記結晶性ラジカル重合性化合物全量に対する結晶性ラジカル重合性化合物の割合は、30重量部以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物。
  11. 前記結晶性ラジカル重合性化合物の重量平均分子量は、100〜100,000であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物。
  12. 電気電子装置と、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物により前記電気電子装置に固定された電気電子部品と、からなる電気電子部品固定電気電子装置。
  13. 前記電気電子装置は、ユニット、モジュール、デバイス体、又はロータコアである請求項12記載の電気電子部品固定電気電子装置。
  14. 請求項12又は13記載の電気電子部品固定電気電子装置を有することを特徴とする機械。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなる粒状物。
  16. 請求項15記載の電気電子部品固定用結晶性ラジカル重合性組成物からなる前記粒状物を用いて、射出成形法、トランスファー成形法、又は注型法によるインサート成形法により、電気電子部品を電気電子装置に固定する工程を有する電気電子部品固定体の製造方法。
  17. 前記電気電子部品固定体は、電気電子部品固定ユニット、電気電子部品固定モジュール、電気電子部品固定デバイス体、又は電気電子部品固定ロータコアである請求項16記載の方法。
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