JP6743408B2 - 熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた成形品 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた成形品 Download PDF

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Description

本発明は、熱伝導性及び絶縁性に優れる熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた成形品に関する。
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂に、低収縮剤、禁止剤、硬化剤、充填材、離型剤、強化材等を加えて、混練機で混練した熱硬化性樹脂組成物は、電気絶縁性、耐熱性、難燃性、高剛性、寸法安定性等の利点があるため、家電、自動車等に関連する電子部品のパッケージ(封止材)に広く応用されている。前記熱硬化性樹脂組成物の中でも、バルク状にしたバルクモールディングコンパウンド(Bulk Molding Compound;以下、「BMC」と略記する。)は、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の成形方法により、成形品にすることができる。
近年、電子部品は、高出力(高密度化)、小型化(軽量化)が進んでおり、電子部品内部により大量の熱が蓄積されやすくなっており、この熱によって電子部品の動作効率を低下する問題が生じている。この問題を解決するために、優れた熱伝導性を有する熱硬化性樹脂組成物(BMC)が求められている。
熱硬化性樹脂組成物に熱伝導性を付与する方法として、熱硬化性樹脂組成物に、熱伝導性が高い窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等の無機フィラーを添加する技術が知られている。これらの無機フィラーの中で、窒化ホウ素は、高い熱伝導性を有するフィラーであるが、コスト面で実用性が低く、また六方晶の薄片状結晶構造であることより、BMC中で窒化ホウ素が配向し、成形品の熱伝導性に異方性が生じてしまう問題があった。また、窒化アルミニウムは、熱伝導性に異方性はないが、窒化ホウ素と同様にコスト面での実用性が低く、さらに容易に加水分解してアンモニアを発生する問題があった。さらに、酸化アルミニウムは、モース硬度が高く、成形工程時に金型を摩耗させる問題があった。
そこで、熱伝導性が比較的高く、異方性も生じず、かつ低コストいう利点もある無機フィラーである酸化マグネシウムを用いた熱硬化性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3を参照。)。
しかしながら、特許文献1〜3に記載の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂に不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂を用いており、これらと酸化マグネシウムとを混合すると、少量の酸化マグネシウムであっても、熱硬化性樹脂組成物の流動性が低下して成形性が低下する問題があり、さらに熱硬化性樹脂組成物の粘度が経時的に上昇し、保存安定性にも問題があった。
そこで、優れた流動性による高い成形性を有し、経時的な粘度の上昇を生じにくい高い保存安定性を有し、さらに成形時に低い収縮率であり、かつ優れた熱伝導性及び絶縁性を有する成形品を得ることのできる熱硬化性樹脂組成物が求められていた。
特開2003−192885号公報 特開2008−150486号公報 特開2009−102586号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた流動性(低粘度)による高い成形性を有し、経時的な粘度の上昇を生じにくい高い保存安定性を有し、さらに成形時に低い収縮率であり、かつ優れた熱伝導性及び絶縁性を有する成形品を得ることのできる熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた成形品を提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するため鋭意研究した結果、特定のポリウレタン及び酸化マグネシウムを含有する熱硬化性樹脂組成物は、優れた流動性による高い成形性を有し、経時的な粘度の上昇を生じにくい高い保存安定性を有し、さらに成形時に低い収縮率であり、かつ優れた熱伝導性及び絶縁性を有する成形品を得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、不飽和重合性基を有するポリウレタン(A)、重合性単量体(B)、酸化マグネシウム(C)及び有機過酸化物(D)を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた成形品を提供するものである。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、優れた流動性を有し、経時的な粘度の上昇を生じにくい高い保存安定性を有しているため、優れた成形性を有し、その優れた成形を長時間にわたって維持することができる。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いた成形品は、優れた熱伝導性及び絶縁性を有するため、家電、自動車等に用いられる電子部品のパッケージ(封止材)などに非常に有用である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、不飽和重合性基を有するポリウレタン(A)、重合性単量体(B)、酸化マグネシウム(C)及び有機過酸化物(D)を含有するものである。
前記ポリウレタン(A)は、不飽和重合性基を有するものであれば、特に限定されるものではない。前記ポリウレタン(A)としては、例えば、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た後、前記イソシアネート基と、水酸基及び不飽和重合性基を有する化合物(a3)の水酸基とを反応させて得られるポリウレタン等が挙げられる。
前記ポリオール(a1)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールAのプロピレンオキシド又はエチレンオキシドの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール等が挙げられる。これらのポリオールは、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ポリイソシアネート(a2)としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチルシクロヘキサン)、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートなどが挙げられる。これらのポリイソシアネートは、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
前記水酸基及び不飽和重合性基を有する化合物(a3)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等のアリルエーテル基を有するヒドロキシ化合物などが挙げられる。これらの化合物は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ポリウレタン(A)の製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)とを反応する際に、前記ポリオール(A)が有する水酸基に対して、前記ポリイソシアネート(a2)が有するイソシアネート基が、当量比で過剰となる条件で反応することによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造する。なお、この反応の際の前記ポリイソシアネート(a2)が有するイソシアネート基と、前記ポリオール(a1)が有する水酸基との当量比([イソシアネート基/水酸基])としては、1.1〜5の範囲が好ましく、1.5〜3の範囲がより好ましい。
前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)とのウレタン化反応の際には、ウレタン化触媒を用いてもよい。前記ウレタン化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の含窒素化合物;酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫等の金属塩;ジブチル錫ジラウレート等の有機金属化合物などが挙げられる。
次いで、上記で得られたウレタンプレポリマーが末端に有するイソシアネート基と、前記化合物(a3)が有する水酸基とを反応させて、前記化合物(a3)が有する不飽和重合性基をポリウレタンに導入することにより、本発明で用いる前記ポリウレタン(A)が得られる。
前記重合性単量体(B)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ジビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ジアリールフタレ−ト、トリアリールシアヌレ−ト、(メタ)アクリロイル基を有する単量体等が挙げられる。これらの重合性単量体は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
前記(メタ)アクリロイル基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ−ト、ポリテトラメチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−2−プロパノール、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシ・ポリエトキシフェニル〕プロパン、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等が挙げられる。
また、硬化物表面の耐摩耗性、耐擦傷性、耐煽動性、耐薬品性等の性能をさらに向上する必要がある場合には、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体を前記単量体(B)として用いることが好ましく、3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体を前記単量体(B)として用いることがより好ましい。3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド・ε−カプロラクトン変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の両方又は一方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの両方又は一方をいい、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及びメタクリロイルの両方又は一方をいう。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、前記ポリウレタン(A)と前記重合性単量体(B)との質量比[(A)/(B)]が、90/10〜30/70の範囲が好ましく、80/20〜40/60の範囲がより好ましい、70/30〜50/50の範囲がさらに好ましい。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物において、本発明の効果を損なわない範囲で、前記ポリウレタン(A)及び前記重合性単量体(B)以外の他の樹脂成分を配合してもよい。このような他の樹脂成分としては、例えば、エポキシアクリレート、不飽和ポリエステル等の樹脂が挙げられる。なお、本発明における樹脂成分には、前記重合性単量体(B)を含む。
本発明の熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分の酸価は、3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1以下がさらに好ましい。
前記酸化マグネシウム(C)としては、本発明の熱硬化性樹脂組成物における分散性の観点から、粒子状のものが好ましい。高熱伝導率充填材が粒子状の場合、その平均粒径は、0.5〜30μmの範囲が好ましく、1〜15μmの範囲がより好ましい。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化マグネシウム以外の窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、炭酸マグネシウム等の他の無機フィラーを配合しても構わない。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物において、前記酸化マグネシウム(C)の配合量としては、前記ポリウレタン(A)及び前記重合性単量体(B)の合計100質量部に対して、200〜800質量部の範囲が好ましく、250〜700質量部の範囲がより好ましく、300〜600質量部の範囲がさらに好ましい。
前記有機過酸化物(D)は、本発明の熱硬化性樹脂組成物において、硬化剤となるものである。前記有機過酸化物(D)としては、例えば、ジアシルパーオキサイド系有機過酸化物、パーオキシエステル系有機過酸化物、ハイドロパーオキサイド系有機過酸化物、ジアルキルパーオキサイド系有機過酸化物、ケトンパーオキサイド系有機過酸化物、パーオキシケタール系有機過酸化物、アルキルパーエステル系有機過酸化物、パーカーボネート系有機過酸化物等が挙げられる。
前記有機過酸化物(D)の配合量は、前記ポリウレタン(A)と前記重合性単量体(B)との合計100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲が好ましく、0.5〜3質量部の範囲がより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記の成分(A)〜(D)以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、重合禁止剤、硬化促進剤、低収縮化剤、離型剤、補強材、顔料、難燃剤、着色剤、消泡剤等を配合してもよい。
前記重合禁止剤としては、例えば、トルハイドロキノン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1,4−ナフトキノン、パラベンゾキノン、トルハイドロノン、p−t−ブチルカテコール、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。本発明の熱硬化性樹脂組成物に重合禁止剤を配合する際の配合量は、本発明の熱硬化性樹脂組成物中10〜1500ppmの範囲が好ましい。
前記低収縮化剤は、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化後の収縮を抑制するために配合するものである。前記低収縮化剤としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン等の樹脂粒子が挙げられる。また、この低収縮化剤の酸価は、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。
前記離型剤は、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、金型を用いて成形した後、金型から得られた成形品の取り出しを容易にするためのものである。前記離型剤としては、例えば、不飽和脂肪酸アミド系離型剤、ポリエチレンワックス系離型剤、金属石鹸系離型剤、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤等が挙げられる。また、前記金属石鹸系離型剤としては、例えば、ラウリル酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、モンタン酸カルシウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸アルミニウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸亜鉛等が挙げられる。
前記補強材としては、例えば、ガラス繊維、ビニロン繊維、フェノール繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維等の繊維状の材料が挙げられる。これらの中でも、入手容易性の観点からガラス繊維が好ましい。このガラス繊維は、ガラスチョップ、ミルドガラス、ロービングガラス等のいずれのものも用いることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記の各成分をニーダー等の混練機を用いて混錬することにより製造することができる。また、得られる樹脂組成物がバルク状になるように、配合組成を調整することで、バルクモールディングコンパウンド(BMC)とすることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物をBMCとすることで、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の成形方法により、容易に成形品にすることができる。
以下に実施例により本発明をより具体的に説明する。なお、NCO%(イソシアネート基含有率)は、JIS K1603−1:2007のA法に基づいて測定したものである。また、酸価は、JIS K5601−2−1:1999に基づいて測定したものである。
(製造例1:ポリウレタン(A−1)の製造)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた反応容器に、ポリプロピレングリコール(数平均分子量700)701質量部を仕込み、そこへトリレンジイソシアネート296質量部及びイソホロンジイソシアネート67質量部を仕込んだ後、80℃で5時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(イソシアネート当量532)を得た。次いで、2−ヒドロキシエチルメタクリレート273質量部を仕込み、錫系触媒(日東化成株式会社製「ネオスタン U−100」)0.07質量部及びトルハイドロキノン0.25質量部を添加して80℃で4時間反応し、末端にメタクリロイル基を有するポリウレタン(A−1)を得た(NCO%:0.3%以下)。得られたポリウレタン(A−1)の酸価は0であった。
(製造例2:ポリウレタン(A−2)の製造)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた反応容器に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(付加モル数:8)624質量部を仕込み、そこへ4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物(質量比1:1)450質量部を仕込んだ後、80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(イソシアネート当量597)を得た。次いで、2−ヒドロキシエチルメタクリレート246質量部、錫系触媒(日東化成株式会社製「ネオスタン U−100」)0.07質量部及びトルハイドロキノン0.25質量部を添加し90℃で約3時間反応し、末端にメタクリロイル基を有するポリウレタン(A−2)を得た(NCO%:0.3%以下)。得られたポリウレタン(A−2)の酸価は0であった。
(製造例3:エポキシメタクリレート(1)の製造)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた反応容器に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂(エポキシ当量187)830質量部、メタクリル酸365質量部、ジブチルヒドロキシトルエン0.4質量部、及び2−メチルイミダゾール1.2質量部を仕込み、110℃で反応させ、酸価が6に達したところで反応を終了し、エポキシメタクリレート(1)を得た。
(製造例4:エポキシメタクリレート(2)の製造)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた反応容器に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂(エポキシ当量187)830質量部、メタクリル酸365質量部、ジブチルヒドロキシトルエン0.4質量部、及び2−メチルイミダゾール1.2質量部を仕込み、110℃で反応させ、酸価が10に達したところで反応を終了し、エポキシメタクリレート(2)を得た。
(製造例5:エポキシメタクリレート(3)の製造)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた反応容器に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂(エポキシ当量187)830質量部、メタクリル酸365質量部、ジブチルヒドロキシトルエン0.4質量部、及び2−メチルイミダゾール1.2質量部を仕込み、110℃で反応させ、酸価が17に達したところで反応を終了し、エポキシメタクリレート(3)を得た。
(製造例6:不飽和ポリエステルの製造)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた反応容器に、プロピレングリコール263質量部、エチレングリコール190質量部、無水フタル酸533質量部、及び無水マレイン酸235質量部を仕込み、窒素雰囲気中で、220℃で反応させ、固形分酸価が28になったところで、170℃まで冷却した後、不飽和ポリエステルを得た。
(実施例1)
製造例1で得られたポリウレタン(1)60質量部、スチレン40質量部、酸化マグネシウム(宇部マテリアル株式会社製「RF−10C−SC」;平均粒径10μm)315質量部、離型剤(ステアリン酸亜鉛;堺化学工業株式会社製「SZ−2000」)6質量部、及び硬化剤(有機過酸化物;日油株式会社製「パーブチルZ」)を、ニーダーを用いて6分間混錬した後、補強材(ガラス繊維/チョップドストランド;日東紡績株式会社製「CS 3E−227」;繊維長3mm)47質量部を加えて、さらに6分間混錬することで、熱硬化性樹脂組成物(1)を得た。
(実施例2〜4)
表1に示した配合組成に変更した以外は実施例1と同様に行い、熱硬化性樹脂組成物(2)〜(4)を得た。
(比較例1〜4)
表1に示した配合組成に変更した以外は実施例1と同様に行い、熱硬化性樹脂組成物(R1)〜(R4)を得た。
上記の実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた熱硬化性樹脂組成物(1)〜(4)及び(R1)〜(R4)を用いて、それぞれ下記の評価を行った。なお、比較例2〜4で作製した熱硬化性樹脂組成物(R2)〜(R4)については、混錬性が不良であったため、それ以降の評価は行わなかった。
[混錬性の評価]
得られた熱硬化性樹脂組成物の外観を目視で観察し、下記の基準にしたがって混錬性を評価した。
◎:バルク状になり、補強材の分散状態が優れているもの。
○:バルク状になり、補強材の分散状態が良好なもの。
×:バルク状にならず、補強材の分散状態が不良なもの。
[保存安定性の評価]
得られた熱硬化性樹脂組成物を25℃の温度条件下に保管し、1日毎に熱硬化性樹脂組成物の粘度を測定した。なお、粘度測定は、キャピラリー粘度計(細管型レオメータ)を用いて下記の測定条件により行った。また、保存安定性の評価は、初期粘度から粘度増加が15%未満である期間(日)で判断し、この期間が長いほど、保存安定性に優れるものと判断した。
・サンプル量:90g
・測定温度条件:50℃
・押出速度:50mm/分
・ノズル径:6mm
・ノズル長さ:10mm
[成形収縮率の測定]
成形温度140℃、成形圧力15MPa、成形保圧時間300秒の条件で圧縮成形して、測定用試験片である収縮円盤を作製し、JIS K6911−1995に基づいて成形収縮率を算出した。
[熱伝導率の測定]
成形温度140℃、成形圧力15MPa、成形保圧時間300秒の条件で圧縮成形して、300mm×300mm×厚さ10mmの平板を作製し、QTM法により熱伝導率を測定した。
[抵抗率の測定]
成形温度140℃、成形圧力15MPa、成形保圧時間300秒の条件下で圧縮成形を行い、300mm×300mm×厚さ2mmの平板である測定用試験片を作製し、JIS K6911−1995に基づいて抵抗率を測定した。
上記で調製した熱硬化性樹脂組成物の組成及び評価結果を表1に示す。
Figure 0006743408
表1に示した評価結果から、本発明の熱硬化性樹脂組成物である実施例1〜4のものは、混錬性に優れ、バルク状のものが得られ、BMCとして用いることができることが確認できた。また、経時的な粘度変化が小さく保存安定性に優れ、初期粘度も低いため、長期間にわたって優れた成形性を有することも確認できた。さらに、実施例1〜4の熱硬化性樹脂組成物を用いて得られた成形品は、硬化後の収縮が小さく、熱伝導率が高く、抵抗率も高いことから絶縁性にも優れることが確認できた。
一方、比較例1は、不飽和重合性基を有するポリウレタンに代えて、エポキシアクリレートを用いた例であるが、初期粘度が高く、短期間で増粘することから、成形性に劣ることが確認できた。
一方、比較例2〜3は、不飽和重合性基を有するポリウレタンに代えて、エポキシアクリレートを用いた例であるが、混錬性が不良でBMCとして用いることができないことが確認できた。
また、比較例4は、不飽和重合性基を有するポリウレタンに代えて、不飽和ポリエステルを用いた例であるが、比較例2〜3と同様に混錬性が不良でBMCとして用いることができないことが確認できた。

Claims (5)

  1. 不飽和重合性基を有するポリウレタン(A)、重合性単量体(B)、酸化マグネシウム
    (C)及び有機過酸化物(D)を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、前記ポリウレタン(A)と前記重合性単量体(B)との質量比[(A)/(B)]が、90/10〜30/70であり、前記酸化マグネシウム(C)の配合量が、前記ポリウレタン(A)及び前記重合性単量体(B)の合計100質量部に対して、200〜800質量部であり、前記有機過酸化物(D)の配合量が、前記ポリウレタン(A)と前記重合性単量体(B)との合計100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、前記重合性単量体(B)がスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ジビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、及びビニルトルエンからなる群より選ばれる1以上の単量体であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分の酸価が3以下である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化したことを特徴とする硬化物。
  4. 請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成物からなることを特徴とするバルクモールディングコンパウンド。
  5. 請求項記載のバルクモールディングコンパウンドを成形したことを特徴とする成形品。
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