JP2021046237A - 易開封性包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】非シール部としての掴み部のカールやシワなどの変形に起因した開封性の劣化や、そのカールに引っ掛かってフィルムが破れたりすることによる内容物の汚染の問題がないとともに、開封時の掴み部のグリップ性が向上され、また製造上の手間がかからない易開封性包装袋を提供する。【解決手段】本発明は、矩形状の二枚の合成樹脂シートの内面同士、または矩形状の合成樹脂シートと矩形状の通気性シートの内面同士を対向させて重ね合わせ、上辺に沿った非シール部と、左側辺に沿った左側シール部と、右側辺に沿った右側シール部と、下辺に沿った下シール部と、左側シール部と右側シール部のそれぞれの上辺側の端部で連結し、非シール部に向けて突出する凸状シール部とを有し、凸状シール部、左側シール部、および右側シール部は、互いに剥離可能に接着され、非シール部における合成樹脂シートの内面に、静摩擦係数が0.20以上となる熱処理部を設けている。【選択図】図1

Description

本発明は、重なり合ったフィルムのシール部を手でむいて開封するような形態の易開封性包装袋に関する。
医療用などに用いる内容物を収納する包装袋として、開封時に包装袋の一部を切り取り、内容物を取り出すタイプがある。しかし、この場合、切り取った包装袋の一部の切断小片が異物となり、その切断小片が包装袋外に飛び散り、他の医療器材に付着、混入したりすることで、医療事故を引き起こす要因ともなり得る。そこで、この切断小片が残らず、かつ、手で容易に開封できるイージーピール性をもった包装袋が使用されている。
例えば、特許文献1には、ラミネートフィルムにおける互に異種の樹脂で構成されたシーラント層同士を重ね合わせ、その開封開始部分の、シール部の外側に非シール部としての掴み部分を設けた、簡易開封包装用袋が開示されている。この包装袋により、シールされた両端のフィルムを掴み部より左右に軽く引っ張ることにより、容易に開封できる。
しかし、製袋時に両端のフィルムに生じる応力と歪の差や熱シール温度などにより、非シール部としての掴み部に、カールやシワなどの変形が生じることがある。それにより、掴み部が指で掴みにくくなるために開封しにくいことがあるとともに、製袋時や搬送時にカール部分の引っ掛かりによるフィルムの破れ、ピンホールの発生、あるいは意図しない包装袋の開封が生じることで、内容物が汚染されるおそれもある。
特許文献2には、このフィルムのカールを防止する効果がある包装袋が開示されている。特許文献2には、一方の通気性シートと、他方の合成樹脂シートからなる矩形状の積層シートの一辺に沿って非熱接着部を形成し、他の三辺に略コ字状の周縁熱接着部を形成・連結し、収納部と、非熱接着部に向けて外方に突出する突出熱接着部を形成し、周縁熱接着部および突出熱接着部は剥離可能であり、突出熱接着部を形成した一辺の端縁部に通気性シートと合成樹脂シートの一方を所定寸法だけ外方向に延出した延出部を有する、易開封性減菌用包装袋が開示されている。さらに、突出熱接着部を形成した一辺の端縁部の両隅に、カール防止のための剥離可能なポイントシール部を設けて、通気性シートと合成樹脂シートとを分離可能に熱接着した易開封性滅菌用包装袋も開示されている。
上記包装袋により、通気性シートと合成樹脂シートを摘み、互いに剥離して開封し、容易に内容物を取出すことができるだけでなく、突出熱接着部を形成した一辺の端縁部の両隅のポイントシール部により、非熱接着部のカールが防止される。
しかし、フィルムのカールを防止するためにポイントシール部を設ける必要があるため、別部材の準備を要し、製造工程が多くなり手間である。また、包装袋の開封時に持ち手が滑って掴みづらく、開封しづらい、という問題もある。
実開平1−96845号公報 特開2007−331781号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、非シール部としての掴み部のカールやシワなどの変形に起因した開封性の劣化や、そのカールに引っ掛かってフィルムが破れたりすることによる内容物の汚染の問題がないとともに、開封時の掴み部のグリップ性が向上され、また製造上の手間がかからない易開封性包装袋を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、矩形状の二枚の合成樹脂シートの内面同士、または矩形状の合成樹脂シートと矩形状の通気性シートの内面同士を対向させて重ね合わせてなる易開封性包装袋において、上辺に沿って設けられた非シール部と、左側辺に沿って設けられた左側シール部と、右側辺に沿って設けられた右側シール部と、下辺に沿って設けられた下シール部と、前記左側シール部と前記右側シール部のそれぞれの上辺側の端部で連結し、前記非シール部に向けて突出する凸状シール部と、を有し、前記凸状シール部、前記左側シール部、および前記右側シール部は、互いに剥離可能に接着されており、前記非シール部における前記合成樹脂シートの内面に、静摩擦係数が0.20以上となる熱処理部を設けている、ことを特徴とする易開封性包装袋である。
請求項2に記載の発明は、重ね合わされた前記二枚の合成樹脂シートのいずれか一方のシート、または、重ね合わされた前記合成樹脂シートと前記通気性シートのいずれか一方のシートを外方に延出した延出部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の易開封性包装袋である。
請求項3に記載の発明は、前記凸状シール部の屈曲部から、易開封性包装袋の前記上辺までの仮想垂直線の長さが、5mm以上15mm以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の易開封性包装袋である。
請求項4に記載の発明は、前記合成樹脂シートと前記通気性シートの内面同士を対向させて重ね合わせてなる易開封性包装袋において、前記通気性シートが、減菌紙または不織布からなり、前記合成樹脂シートと接着される面にヒートシール層を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の易開封性包装袋である。
本発明は、非シール部に向けて突出する凸状シール部を有し、その凸状シール部と左右側シール部は、互いに剥離可能に接着され、前記凸状シール部の先の前記非シール部における合成樹脂シートの内面に、静摩擦係数が0.20以上となる熱処理部を設けている。
掴み部としての非シール部における合成樹脂シートの内面の熱処理部により、製袋時に重ね合わされた二枚のシートに生じる応力と歪の差や、熱シール温度、減菌時の熱、または水蒸気の影響による熱収縮の差などから、合成樹脂シートにおける掴み部としての非シール部に、カールやシワなどによる変形が生じることを防止できる。よって、その変形による開封時の掴みづらさがなく、包装袋を開封しやすい。また、製袋時、搬送時、保管時などにカール部分の引っ掛かりによるフィルムの破れやピンホールが発生することで、内容物が汚染されるおそれもない。
さらに、前記合成樹脂シートの内面の熱処理部により、掴み部のグリップ性が向上され、持ち手が滑ることなく、容易にシール部を剥離して包装袋を開封することができる。上記の変形防止やグリップ性のための熱処理部は、二枚のシートの接着のための熱接着と同様に熱処理だけのため製造上手間がかからない。
本発明に係る易開封性包装袋の第一実施形態を示す正面概略図である。 図1のA−A線における断面模式図である。 図2の掴み部を開封している状態を拡大した一例を示す説明図である。 本発明に係る易開封性包装袋の第二実施形態を示す正面概略図である。 従来例に係る易開封性包装袋の第一実施形態を示す正面概略図である。
以下、必要に応じて図面を参照して、本発明に係る易開封性包装袋の例について説明する。
図1は、本発明に係る易開封性包装袋1の第一実施形態を示す正面概略図である。易開封性包装袋1は、縦長長方形の合成樹脂シート2と縦長長方形の通気性シート3の内面同士を対向させて重ね合わせ、上辺4に沿って設けられた非シール部5と、左側辺6に沿って設けられた左側シール部7と、右側辺8に沿って設けられた右側シール部9とが形成されている。前記非シール部5は、開封時にいわゆる掴み部となる部分である。なお、縦長長方形の二枚の合成樹脂シート2同士を重ね合わせて上記の通りシール部を形成しても良い。
また、下辺10に沿って下シール部11が形成されている。この下シール部11は、内容物14を収納後に接着される部分であり、内容物14収納前は、下辺10は、接着されておらず、開口されている。凸状シール部12、左側シール部7、および右側シール部9は、互いに剥離可能に接着されている。凸状シール部12、左側シール部7、右側シール部9および下シール部11が連結されてこれらのシール部に囲まれた部分に収納部13が形成される。
また、左側シール部7と右側シール部9のそれぞれの上辺4側の端部で連結し、非シール部5に向けて突出する凸状シール部12が形成されている。この凸状シール部12は、その先の掴み部の機能を発揮させるため、上辺4に達しておらず、掴める程度の幅を残して形成される。具体的には、凸状シール部12の屈曲部から、易開封性包装袋1の上辺4までの仮想垂直線Bの長さが、5mm以上15mm以下となるように形成することが好ましい。この仮想垂直線Bは、直線状の上辺4に対する垂直線のことである。これより短いと掴みにくく、逆にこれより長いと材料が無駄となるからである。
前記非シール部5には、熱処理部15が設けられている。この熱処理部15は、後述の通り、変形防止とグリップ性向上のためのものであるため、図1のとおり、開封開始部となる上辺4でシートの端部に沿って設けることが好ましい。また、熱処理部15を上辺4に沿うだけでなく、非シール部5全体に設けてもよい。
図2は、図1のA−A線における断面模式図である。図3は、図2の掴み部としての非シール部5を剥離して易開封性包装袋1を開封している状態を拡大した一例を示す説明図である。
図2や図3に示す通り、非シール部5上の熱処理部15は、合成樹脂シート2の内面に設けられている。この合成樹脂シート2の内面とは、製袋時に通気性シート3と重ね合わされる面のことである。この内面は、例えば、シーラント層が考えられる。
前記非シール部5における前記合成樹脂シート2の内面に、JISK7125:1999プラスチック‐フィルム及びシート‐摩擦係数試験方法に準じて、静摩擦係数が0.20以上となる熱処理部15を設けている。この熱処理部15は、細かい凹凸形状で設けられており、開封開始時に手で掴む部分である。上記摩擦係数とすることで、製袋時に重ね合わされた二枚のシートに生じる応力と歪の差や、熱シール温度、減菌時の熱、または水蒸気の影響による熱収縮の差などから、合成樹脂シートにおける掴み部としての非シール部に、カールやシワなどによる変形が生じることを防止できる。よって、その変形による開封時の掴みづらさがなく、包装袋を開封しやすい。また、製袋時、搬送時、保管時などにカール部分の引っ掛かりによるフィルムの破れやピンホールが発生することで、内容物が汚染されるおそれもない。
さらに、上記摩擦係数の熱処理部15により、掴み部のグリップ性が向上され、持ち手が滑ることなく、容易にシール部を剥離して包装袋を開封することができる。
この熱処理部15は、合成樹脂シート2の内面に、120℃以上130℃以下の温度の熱を、0.3秒以上0.5秒以下加えることで設けられる。
図4のとおり、前記熱処理部15により、開封時に手で二枚のシートの掴み部を掴んだ時に滑り難くなっていることから、しっかりと掴むことができる。しっかりと掴めるので、より容易に二枚のシートを剥離して開封することが可能となる。
上述の通り、掴み部としての非シール部5をより掴み易くするため、凸状シール部12の屈曲部から、易開封性包装袋1の上辺4までの仮想垂直線Bの長さが、5mm以上15mm以下となるように形成することが好ましい。これより短いと掴みにくく、逆にこれより長いと材料が無駄となるからである。
図4は、本発明に係る易開封性包装袋の第二実施形態を示す正面概略図である。第二実施形態の易開封性包装袋1の第一実施形態との相違点は、図4に示す通り、延出部16を設けている点である。その他は、第一実施形態と同様である。
この延出部16は、合成樹脂シート2と通気性シート3のいずれか一方のシートが外方に延出してなることで設けられる。延出部16により、易開封性包装袋1の開封開始時に、重なった二枚のシートのそれぞれの端を掴み易くなる。この延出部16は、合成樹脂シート2と通気性シート3のいずれにおいても、易開封性包装袋1の上辺4までの仮想垂直線の長さが、5mm以上10mm以下であることが好ましい。これより短いと掴みにくく、逆にこれより長いと材料が無駄となるだけでなく、搬送時や手で持った際に、長く飛び出した端部が引っ掛かり易く、フィルムやシートの破れや包装袋の意図しない開封が生じるからである。
(合成樹脂シートについて)
易開封性包装袋1は、食品、医療用品、医薬品などに用いることができ、特に医療用途で用いる場合は、高温の蒸気、エチレンオキサイドガス(EOG)などのガスにより減菌処理をする。よって、包装袋1を特に医療用途で用いる場合、合成樹脂シート2は、内容物が視認できる透明性、製袋時の熱シール温度や減菌時の熱などに耐えられる耐熱性、および通気性シートと熱接着して適度な接着強度などがあることが必要であり、これらの機能を備えていれば、特に限定されるものではない。また、合成樹脂シート2は、主に基材層とシーラント層を積層して用いられる。合成樹脂シート2の厚さは、10μm以上60μm以下とすることが好ましい。
基材層としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポロプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。
他方の通気性シートと接着するシーラント層としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アイオノマー、ポリプロピレン、エチレン―プロピレン共重合体、エチレン―酢酸ビニル共重合体、エチレン―アクリル酸共重合体、エチレン―アクリル酸エステル共重合体などがある。このシーラント層は、イージーピール性を有し、開封される力により安定してシールを剥離することができることが好ましい。
なお、上記基材層とシーラント層の間には、中間層を積層してもよい。中間層としては、例えば、酸素や水蒸気などをバリアするガスバリア性、遮光性、突き刺し性などの諸物性を向上させる必要がある場合に設けることができる。
上記基材層、中間層、およびシーラント層とは、公知のラミネート法である、例えば、Tダイ法、インフレーション法等により積層する。
(通気性シートについて)
一方、通気性シート3については、特に医療用途の場合、使用前に殺菌処理や減菌処理を行う。通気性シート3は、特に医療用途の場合、細菌類の非透過性、減菌時の熱などに耐えられる耐熱性、蒸気に耐える耐湿性、および、前記合成樹脂シート2と熱接着可能な通気性を有する基材であればよい。また、合成樹脂シート2との接着性の保持に不具合(接着の弱化や剥離など)を生じない限り、合成樹脂シート2と接着される面にヒートシール層を有することが好ましい。このヒートシール層としては、例えば、ヒートシールラッカー、ルーダーによる押出法による低密度ポリエチレン(LDPE)があるが、特に限定しない。
通気性シート3としては、例えば、減菌紙、不織布などが使用でき、これらの基材に上記ヒートシール層や親水性あるいは撥水性などの機能を有する材料を全面または部分的にコーティングした機能層を積層することができる。
通気性シート3として使用する前記減菌紙は、優れた遮菌性、防菌性や通気性を持つと共に、製袋性、印刷適性など、紙特有の特徴も有する点で好ましい。また、減菌紙は、破袋強度にも優れるため、内容物の品質保持や良好な衛生面を保持することが可能となる。減菌紙の材料としては、例えば、デュポン社製のタイベック(登録商標)などがある。減菌紙の厚さは100μm以上200μm以下であることが好ましい。
通気性シート3として使用する前記不織布は、多孔性構造となっている。このため通気性、吸水性に富み、保湿性も高いなどの特徴も有する点で好ましい。また、不織布は、生産性が極めて高く、易開封性包装袋1の大量生産に適する。さらに、不織布は、緻密なものから嵩高なものまで、密度をコントロールでき、その厚さを自由に変えることができるため、内容物の種類に応じた易開封性包装袋1の製造にも適する。
不織布の材料としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン、ナイロン、生分解性繊維、パルプ、コットンなどがある。特に、ポリプロピレンを好適に用いることができる。このポリプロピレンを用いることで、より通気性、防水性、防菌性、破袋強度の優れた不織布となる。ポリオレフィン系不織布としてはスパンボンド不織布、メルトブロー法による不織布、フラッシュ紡糸法によるフィブリル化した3次元網状繊維からなる不織布等が知られている。フラッシュ紡糸法による不織布は構成する繊維が極めて微細かつ複雑な断面形状を持ち、白色度、不透明性、軽量性などの特徴を利用して様々な用途に用いることもできる。不織布の厚さは100μm以上200μm以下であることが好ましい。
上記の合成樹脂シート2と通気性シート3を重ね合わせた場合の積層構成としては、例えば、不織布//ポリエチレン(PE)/ポリエチレンテレフタレート(PET)、あるいは、不織布/アンダーコート/ヒートシールラッカー//ポリエチレン(PE)/ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。(//は、合成樹脂シート2と通気性シート3の間の剥離面を示す。)なお、これらに限定されることなく、剥離可能な層構成を有するシートの組み合わせであれば、用いることができる。後者は、前者の通気性シート3の構成にアクリル樹脂等を主成分とするアンダーコート(アンカーコート層)を介してエチレン酢酸ビニル系樹脂を主成分とするヒートシールラッカー(ヒートシール層)を加えたもので、合成樹脂シート2との剥離性が向上する。
(易開封性包装袋の製造方法)
まず、合成樹脂シート2の一方の面に、JISK7125:1999プラスチック‐フィルム及びシート‐摩擦係数試験方法に準じて、静摩擦係数が0.20以上となる熱処理部15を設ける。この熱処理部15は、合成樹脂シート2の一方の面に、120℃以上130℃以下の温度の熱を、0.3秒以上0.5秒以下加えることで設けられる。合成樹脂シート2の内面における熱処理部15が設けられた部分は、通気性シート3と重ね合わせて接着された時に、非シール部5となるようにする。上記熱処理部15は、合成樹脂シート2の内面の全面に設けても良いが、合成樹脂シート2の透過性に、曇り性が上昇するなどの悪影響が生じるおそれがあるので好ましくない。上記の変形防止やグリップ性向上のための熱処理部15は、後述の二枚のシートの接着のための熱接着と同様に熱処理だけのため製造上手間がかからない。
次に、前記熱処理部15を設けた合成樹脂シート2と通気性シート3とを重ね合わせ、凸状シール部12、左側シール部7、右側シール部9にて、剥離可能に熱接着され、下シール部11は、未接着で開口された状態である。その開口口に内容物14を収納し、未接着の下シール部11を熱接着して密封する。上記各シール部を形成する方法として熱シール、熱ラミネート、またはドライラミネートなどがある。
医療物品や医療薬品などを収納する場合は、前記内容物14をあらかじめ減菌し、その内容物14密封後に、高温の蒸気、オートクレーブ減菌やエチレンオキサイドガス(EOG)減菌などの減菌を行う。この減菌方法は、放射線を照射する方法、オートクレーブを使用する方法、プラズマ減菌などを使用する方法を採用することができる。
(易開封性包装袋の使用方法)
合成樹脂シート2の内面の、開封開始部となる上辺4の非シール部でシートの端部に設けられた熱処理部15と、通気性シート3の、開封開始部となる上辺4の非シール部でシートの端部を手で掴んで、合成樹脂シート2と通気性シート3を互いに相反する方向に引っ張る。前記二枚のシートを互いに相反する方向に引っ張ることで、剥離可能に接着された、凸状シール部12、並びに左右側シール部4と右側シール部9を順次剥離することができる。上記各シール部は剥離可能に接着されているため、前記二枚のシートを相反する方向に軽く引っ張ることにより、容易に剥離し、開封できる。そして容易に内容物14を取り出すことが可能となる。
なお、下部シール部7をあえて剥離可能とせずに接着した場合、前記二枚のシートを上記の通り凸状シール部12から順次剥離していき、下シール部11に差し掛かった時に剥離しにくくなる。そうすることで、前記二枚のシートは下部シール部7でつながった状態となり、開封後の破棄すべき袋が分断されないため、破棄しやすく、一方のシートの破棄し忘れによる異物混入による医療事故なども防止できる。
(実施例)
次に、本実施形態に係る易開封性包装袋について、実施例および比較例を用いてさらに説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例1として、図1に示された包装袋1を用いた。一方、比較例1として、図5に示された包装袋20を用いた。図5は、従来例に係る易開封性包装袋の第一実施形態を示す正面概略図である。実施例1の包装袋1には、熱処理部15が設けられているが、比較例1の包装袋20には、熱処理部15が設けられていない。
実施例1の包装袋1と比較例1の包装袋20をそれぞれ構成する合成樹脂シート2と通気性シート3の積層構成は、両者とも、不織布(デュポン社製のタイベック(登録商標))//ポリエチレン(PE)(50μm)/ポリエチレンテレフタレート(PET)(12μm)である。また、実施例1の包装袋1と比較例1の包装袋20は、全体の縦横の寸法や左右側シール部7、9、下シール部11、および凸状シール部12の形状や寸法はすべて同じである。さらに、包装袋1と包装袋20のどちらも、収納された内容物は、筆記用具である。
実施例1の包装袋1の熱処理部15を設ける際の熱処理温度は、120℃以上130℃以下で、その熱処理後に設けられた熱処理部15の静摩擦係数は、0.22以上0.24以下である。
上記実施例1の包装袋1と比較例1の包装袋20のそれぞれにおける、掴み部としての非シール部5のグリップ性および開封性を比較した。評価結果を表1に示す。
Figure 2021046237
実施例1は、熱処理部15により、摘み部としての非シール部5で上辺4の端部にカールなどの変形が生じていないため、摘み部としての非シール部5より合成樹脂シート2と通気性シート3のそれぞれの非シール部5で上辺4端部をとらえやすく、また滑らずに掴み易く、前記二枚のシートを相反する方向に引っ張って剥離しやすく、容易に開封して内容物を取り出すことができた。
一方、比較例1は、熱処理部15が設けられていないため、摘み部としての非シール部5で上辺4の端部がカールしており、掴み部としての非シール部5より合成樹脂シート2と通気性シート3のそれぞれの非シール部5で上辺4端部をとらえにくく、また滑って掴みにくいため、前記二枚のシートを相反する方向に引っ張って剥離しにくく、開封して内容物14を取り出すことが容易ではなかった。
なお、上記の積層構造の包装袋1において、熱処理温度を110℃とし、その熱処理後に設けられた熱処理部15の静摩擦係数を0.16以上0.17以下とする場合は、熱処理部15を設けない場合と同様の結果となった。つまり、掴み部としての非シール部5より合成樹脂シート2と通気性シート3のそれぞれの非シール部5で上辺4端部をとらえにくく、また滑って掴みにくいため、前記二枚のシートを相反する方向に引っ張って剥離しにくく、開封して内容物14を取り出すことが容易ではなかった。
さらに、上記の積層構造の包装袋1において、熱処理温度を140℃以上にして熱処理部15を設けると、熱処理に用いる熱板への直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)の貼りつきが大きくなるため好ましくない。この場合、製袋時に、シールバーにポリエチレン(PE)が蓄積し、剥がれた時に異物混入となったり、フィルム(シート)搬送の妨げとなり、ピッチ不良(ずれ)を起こしたりする可能性がある。また、凸状シール部12の屈曲部から上辺4までの仮想垂直線の長さが5mm以上15mm以下の三方シール袋にて、
グリップ性および開封性ともにより良い効果が得られた。
上記の通り、本発明により、非シール部としての掴み部のカールなどの変形を防止し、そのカールに引っ掛かってフィルムが破れたりすることによる内容物の汚染の問題がないとともに、開封時の掴み部のグリップ性が向上され、また製造上の手間がかからない易開封性包装袋を提供することができる。本発明に係る易開封性包装袋は、主に医療器具や医薬品などが減菌状態で収納された包装袋を想定しており、衛生面の問題も考慮して、医療関係者などが医療の現場でより素早くより容易に包装袋を開封できるようにする必要がある。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
例えば、易開封性包装袋を構成する各シートの形状は、矩形状であれば、縦長長方形でなくとも、例えば横長長方形や正方形などでもよい。また、凸状シール部12の形状は、図1のように屈曲部が角張っておらず、丸みを帯びた形状としても良い。
また、本発明は、二枚のシートを熱接着することで形成された四方シール袋を示しているが、合成樹脂シート同士を折り重ねた三方シール袋として応用して用いることも可能である。また、側辺や底辺にガゼットを設けたガゼット袋などとしてもよい。
1・・・易開封性包装袋
2・・・合成樹脂シート
3・・・通気性シート
4・・・上辺
5・・・非シール部
6・・・左側辺
7・・・左側シール部
8・・・右側辺
9・・・右側シール部
10・・・下辺
11・・・下シール部
12・・・凸状シール部
13・・・収納部
14・・・内容物
15・・・熱処理部
16・・・延出部
20・・・易開封性包装袋(従来例)

Claims (4)

  1. 矩形状の二枚の合成樹脂シートの内面同士、または矩形状の合成樹脂シートと矩形状の通気性シートの内面同士を対向させて重ね合わせてなる易開封性包装袋において、
    上辺に沿って設けられた非シール部と、左側辺に沿って設けられた左側シール部と、右側辺に沿って設けられた右側シール部と、下辺に沿って設けられた下シール部と、
    前記左側シール部と前記右側シール部のそれぞれの上辺側の端部で連結し、前記非シール部に向けて突出する凸状シール部と、
    を有し、
    前記凸状シール部、前記左側シール部、および前記右側シール部は、互いに剥離可能に接着されており、
    前記非シール部における前記合成樹脂シートの内面に、静摩擦係数が0.20以上となる熱処理部を設けている、
    ことを特徴とする易開封性包装袋。
  2. 前記重ね合わされた二枚の合成樹脂シートのいずれか一方のシート、または、重ね合わされた前記合成樹脂シートと前記通気性シートのいずれか一方のシートを外方に延出した延出部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の易開封性包装袋。
  3. 前記凸状シール部の屈曲部から、易開封性包装袋の前記上辺までの仮想垂直線の長さが、5mm以上15mm以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の易開封性包装袋。
  4. 前記合成樹脂シートと前記通気性シートの内面同士を対向させて重ね合わせてなる易開封性包装袋において、前記通気性シートが、減菌紙または不織布からなり、前記合成樹脂シートと接着される面にヒートシール層を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の易開封性包装袋。
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