JP2021046208A - 車両用シート及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】側面衝突時に乗員頭部を保護することができる車両用シートを得る。【解決手段】シート10は、側面衝突時に乗員Pの頭部Hを保護する車両上下方向上方側のカーテンエアバックを備える車両100に備えられている。シート10は、起立状態から後傾可能に設けられたシートバック14の上部側に、乗員Pの頭部Hを拘束するヘッドレスト16を備え、シートバック14が鉛直方向に対して所定角度を超えて後傾されたときに、ヘッドレスト16の少なくとも車両幅方向外側のサイド部16Bが乗員Pの頭部Hの側方を覆うことで、乗員Pの頭部Hを保護可能に構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用シート及び車両に関する。
下記特許文献1には、手動運転モードにおけるリクライニング角度よりも自動運転モードにおけるリクライニング角度が大きくなるように、リクライニング角度調整部を制御する車両用運転支援装置及び車両用運転支援方法が開示されている。
なお、手動運転状態と自動運転状態とに切替え可能な車両に用いられる車両用シートにおいて、運転者の体格に応じてリラックスポジションの位置姿勢(安楽姿勢)を算出することで、運転者がシート移動量を調整することなく、自動で最適なリラックスポジションを実現する構成として、特許文献2に記載されたものがある。また、手動運転状態と自動運転状態とに切替え可能な車両に用いられる車両用シート制御装置において、手動運転状態から自動運転状態に移行したら、シートバックを倒すと共にシートクッションを傾斜させる構成として、特許文献3に記載されたものがある。また、自動運転状態時におけるシートの各部の相対的な変位量を、手動運転状態時よりも広い範囲まで許容する車両用シートとして、特許文献4に記載されたものがある。また、手動運転から自動運転に切り替える場合に、手動運転中の運転に適した第1位置よりもリラックス姿勢となる第2位置に移動するドライビングポジション制御装置として、特許文献5に記載されたものがある。さらに、側突時にヘッドレストによって乗員頭部を保護する側突用乗員頭部拘束装置として、特許文献6、特許文献7に記載されたものがある。
国際公開第2015/011866号パンフレット 特開2017−132383号公報 特開2017−136898号公報 特開2017−170942号公報 特開2016−168972号公報 特開2010−125942号公報 特開2010−137666号公報
上記特許文献1に記載の構成では、自動運転モードでシートバックを大きく後傾させた安楽姿勢(リラックス姿勢)とすると、乗員頭部がカーテンエアバックの頭部保護エリアから外れる可能性がある。このため、安楽姿勢における側面衝突時に、カーテンエアバックによって乗員の頭部を十分拘束できないことが考えられ、改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、側面衝突時に乗員頭部を保護することができる車両用シート及び車両を得ることが目的である。
請求項1の発明に係る車両用シートは、側面衝突時に乗員頭部を保護する頭部保護エアバックを備えた車両に設けられる車両用シートであって、起立状態から後傾可能に設けられたシートバックの上部側に、乗員頭部を拘束する頭部拘束部を備え、前記シートバックが鉛直方向に対して所定角度を超えて後傾されたときに、前記頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部が乗員頭部の側方を覆うことで乗員頭部を保護可能に構成されている。
請求項1記載の本発明によれば、起立状態から後傾可能(すなわち、リクライニング可能)に設けられたシートバックの上部側には、乗員頭部を拘束する頭部拘束部が設けられている。シートバックが鉛直方向に対して所定角度を超えて後傾されたときに、頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部が乗員頭部の側方を覆う。これにより、シートバックを大きく後傾させた安楽姿勢の場合に、頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部によって、側面衝突から乗員頭部を保護することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記頭部拘束部の車両幅方向外側のサイド部は、硬質パッドを内蔵しており、前記シートバックの後傾時に、前記頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部がシート前方に突出する構成とされている。
請求項2記載の本発明によれば、頭部拘束部の車両幅方向外側のサイド部は、硬質パッドを内蔵しており、シートバックの後傾時に、頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部がシート前方に突出する。これにより、シートバックの後傾時に、頭部拘束部の車両幅方向外側の硬質パッドを内蔵したサイド部によって、乗員頭部の側方が覆われることで、側面衝突から乗員頭部を効果的に保護することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用シートにおいて、前記車両が自動運転モードと手動運転モードとに切替え可能であり、前記自動運転モードでの前記シートバックの後傾時に、前記頭部拘束部のサイド部がシート前方に突出する構成とされている。
請求項3記載の本発明によれば、自動運転モードでシートバックを大きく後傾させた安楽姿勢の場合に、頭部拘束部のサイド部がシート前方に突出することで、頭部拘束部のサイド部によって、乗員頭部の側方が覆われる。このため、側面衝突から乗員頭部を効果的に保護することができる。また、自動運転モードでは、乗員の側方視界が手動運転モードほど重要ではなくなるため、頭部拘束部の突出したサイド部が、乗員の側方視界の妨げとなりにくい。
請求項4の発明は、請求項3に記載の車両用シートにおいて、前記手動運転モードでの前記シートバックの後傾時には、前記頭部拘束部のサイド部がシート前方に突出しない構成とされている。
請求項4記載の本発明によれば、手動運転モードでのシートバックの後傾時に、頭部拘束部のサイド部をシート前方に突出させないので、頭部拘束部のサイド部が運転の支障となることがない。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の車両用シートにおいて、前記手動運転モードでの前記シートバックの後傾時には、運転席では前記頭部拘束部のサイド部をシート前方へ突出させず、助手席では前記頭部拘束部のサイド部をシート前方へ突出させる構成とされている。
請求項5記載の本発明によれば、手動運転モードでのシートバックの後傾時に、助手席では頭部拘束部のサイド部をシート前方へ突出させるので、側面衝突から助手席に着座した乗員の頭部を効果的に保護することができる。また、運転に関与しない助手席に着座した乗員は、シートバックを後傾させることで、リラックスポジションをとることができる。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車両用シートにおいて、前記頭部拘束部の車両幅方向外側のサイド部のシート前方への突出量が、前記頭部拘束部の車両幅方向内側のサイド部のシート前方への突出量より大きい。
請求項6記載の本発明によれば、頭部拘束部の車両幅方向外側のサイド部の突出量を頭部拘束部の車両幅方向内側のサイド部の突出量より大きくすることで、側面衝突から乗員頭部を効果的に保護することができる。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の車両用シートにおいて、前記頭部拘束部は、前記シートバックとは別体で設けられたヘッドレストである。
請求項7記載の本発明によれば、頭部拘束部は、シートバックとは別体で設けられたヘッドレストであるため、簡単な構成により、シートバックの後傾時にヘッドレストのサイド部を移動させることができる。
請求項8の発明に係る車両は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の車両用シートと、ルーフヘッドライニングの車両幅方向外側の端部の裏面側に設けられ、側面衝突時に車両上下方向下方側へ向けて膨張展開し、乗員頭部を保護する頭部保護エアバックと、を備え、自動運転モードと手動運転モードとに切替え可能とされている。
請求項8記載の本発明によれば、シートバックが鉛直方向に対して所定角度を超えて後傾されたときに、頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部が乗員頭部の側方を覆うため、側面衝突時に乗員頭部を保護することができる。
本発明の車両用シート及び車両によれば、側面衝突時に乗員頭部を保護することができる。
第1実施形態に係る車両用シートを示す側面図である。 第1実施形態に係る車両用シートに用いられるヘッドレストを示す、車両幅方向に沿った平断面図である。 第1実施形態に係る車両用シートの制御装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る車両用シートにおいて、手動運転モードと自動運転モードでのシートバック角度に対するヘッドレストのサイド部の位置を比較した図である。 第1実施形態に係る車両用シートにおける運転席シートの制御装置の制御の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る車両用シートを備えた車両において、シートバックを鉛直方向に対して所定角度を超えて後傾させた状態を示す概略側面図である。 第2実施形態に係る車両用シートに用いられるヘッドレストを示す、図2に対応する平断面図である。 第3実施形態に係る車両用シートの制御装置の構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る車両用シートにおいて、手動運転モードと自動運転モードでの運転席シートと助手席シートのシートバック角度に対するヘッドレストのサイド部の位置を比較した図である。 第3実施形態に係る車両用シートにおける助手席シートの制御装置の制御の流れの一例を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る車両用シートに用いられるヘッドレストを示す、図2に対応する平断面図である。 第5実施形態に係る車両用シートに用いられるヘッドレストを示す、図2に対応する平断面図である。 比較例に係る車両用シートを備えた車両において、シートバックを鉛直方向に対して所定角度を超えて後傾させた状態を示す概略側面図である。
本発明の実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側(RH)を示している。また、本発明の実施の形態では、シート前方、シート幅方向、シート上方は、それぞれ車両前方、車両幅方向、車両上方と略一致しているため、車両前方、車両幅方向、車両上方に統一して記載する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係る車両用シートについて、図1〜図6を参照して説明する。また、各図は模式的なものであり、本発明と関連性の低いものは図示を省略している。
(車両用シートの構成)
図1に示すように、本実施形態に係る車両用シート(以下、単に「シート」という)10は、乗員Pが着座するシートクッション12と、シートクッション12の後端部で乗員Pの背部を支持するシートバック14と、を備えている。シートバック14の上端部には、乗員の頭部を拘束する頭部拘束部としてのヘッドレスト16が取り付けられている。ヘッドレスト16は、シートバック14の上部側に、シートバック14とは別体で設けられている。本実施形態では、ヘッドレスト16は、シートバック14に対して軸方向に移動可能なヘッドレストステー15を介してシートバック14に取り付けられている。
シート10は、例えば、車両100の車室102内における車両前席右側の運転手席側に設けられた運転席シートとされている。なお、シート10に着座した乗員Pは、ダミーで示されている。
シート10は、シートバック14を起立状態から後傾(車両後方側に傾倒)させるリクライニング機能を備えている。より具体的には、シート10は、シートバック14の鉛直方向に対する角度αを変更するシートバック角度変更部(リクライニング機構)20を備えている。シートバック角度変更部20は、一例として、シートバック14の下端部に車両幅方向に配置されたロッド(図示省略)に連結される回転軸(リクライニングロッド)20Aと、回転軸20Aを回転可能に支持するガイド部20Bと、回転軸20Aを回転させる駆動部(図示省略)と、を備えている。ガイド部20Bは、シートクッション12の側部に設けられている。回転軸20Aを回転させる駆動部は、例えば、モータなどで構成されている。
シート10は、シートバック14の鉛直方向に対する角度αを検出するシートバック角度検出部22(図3参照)を備えている。図示を省略するが、シートバック角度検出部22は、例えば、ガイド部20Bにおける回転軸20Aと対向する位置に設けられている。
なお、シート10には、乗員Pを拘束するショルダベルト24Aを備えたシートベルト装置24が設けられている。また、シートクッション12は、車両100の床部104に固定されたレール26に沿って車両前後方向にスライド可能に設けられている。
図2に示されるように、ヘッドレスト16は、シートバック14の上側に車両幅方向に沿って配置されており、車両前後方向の長さに比べて車両幅方向の長さが長い横長の形状とされている。ヘッドレスト16は、車両幅方向(シート幅方向)の中間部でシート10に着座した乗員Pの頭部(乗員頭部)Hと対向する本体部16Aと、本体部16Aの車両幅方向両側に配置されたサイド部16B、16Cと、を備えている。車両背面視にて(車両後方側から見て)、サイド部16Bは、車両幅方向右側(本実施形態では車両幅方向外側)に配置されており、サイド部16Cは、車両幅方向左側(本実施形態では車両幅方向内側)に配置されている。
シート10は、ヘッドレスト16の本体部16Aに対してサイド部16B、16Cを車両前方(シート前方)に突出させるサイド部移動装置30を備えている。サイド部移動装置30は、サイド部16Bを移動させる第1移動部30Aと、サイド部16Cを移動させる第2移動部30Bと、を備えている。シート10では、例えば、シートバック14を後傾(リクライニング)させない起立状態では、サイド部16B、16Cは、本体部16Aの長手方向の延長線上の通常位置D1に配置されている。第1移動部30Aは、後述する所定の条件で、サイド部16Bを通常位置D1から車両前方に突出する突出位置D2に移動させる。また、第2移動部30Bは、後述する所定の条件で、サイド部16Cを通常位置D1から車両前方に突出する突出位置D2に移動させる。
本体部16Aの内部には、車両幅方向に沿って配置されるフレーム32が設けられている。サイド部16Bの内部には、車両幅方向に沿って配置されるフレーム34が設けられており、サイド部16Cの内部には、車両幅方向に沿って配置されるフレーム36が設けられている。また、ヘッドレスト16の内部には、フレーム32、34、36の周りを囲むようにパッド38が設けられており、パッド38の表面には表皮40が設けられている。パッド38は、例えば、ウレタンフォームなどの発泡樹脂で形成されている。
第1移動部30Aは、フレーム32の車両幅方向外側の端部とサイド部16B内のフレーム34の車両幅方向内側の端部とが重ね合わされた部分に挿通された回転軸42を備えている。回転軸42は、ヘッドレスト16の略車両上下方向に沿って配置されている。回転軸42は、フレーム34に接合(固定)されており、フレーム34と一体で回転する。さらに、第1移動部30Aは、回転軸42の軸方向の端部に接続された駆動部44を備えている。駆動部44は、例えば、回転軸42を回転させるモータとされている。
第1移動部30Aでは、駆動部44が回転軸42を順方向(例えば、図2中の反時計回り)に回転させることで、フレーム34を備えたサイド部16Bを通常位置D1から車両前方に突出する突出位置D2に移動させるようになっている。また、第1移動部30Aでは、駆動部44が回転軸42を逆方向(例えば、図2中の時計回り)に回転させることで、サイド部16Bを通常位置D1に戻すようになっている。サイド部16Bが突出位置D2に移動した状態では、乗員Pの頭部Hの側方をサイド部16Bで覆い、側面衝突時に乗員Pの頭部Hを保護する構成とされている。
同様に、第2移動部30Bは、フレーム32の車両幅方向内側の端部とサイド部16C内のフレーム36の車両幅方向外側の端部とが重ね合わされた部分に挿通された回転軸48を備えている。回転軸48は、ヘッドレスト16の略車両上下方向に沿って配置されている。回転軸48は、フレーム36に接合(固定)されており、フレーム36と一体で回転する。さらに、第2移動部30Bは、回転軸48の軸方向の端部に接続された駆動部50を備えている。駆動部50は、例えば、回転軸48を回転させるモータとされている。
第2移動部30Bでは、駆動部50が回転軸48を順方向(例えば、図2中の時計回り)に回転させることで、フレーム36を備えたサイド部16Cを通常位置D1から車両前方に突出する突出位置D2に回転させるようになっている。また、第2移動部30Bでは、駆動部50が回転軸48を逆方向(例えば、図2中の反時計回り)に回転させることで、サイド部16Cを通常位置D1に戻すようになっている。サイド部16Cが突出位置D2に移動した状態では、乗員Pの頭部Hの側方をサイド部16Cで覆い、側面衝突時に乗員Pの頭部Hを保護する構成とされている。
(シート制御装置の構成)
図3は、シート10のポジションを制御するシート制御装置60の構成を示すブロック図である。図示を省略するが、シート制御装置60は、例えば、車両100の車室102内の車両前後方向の前側に配置されたインストルメントパネル106(図6参照)の内部に設けられている。図3に示されるように、シート制御装置60は、シート10と、シート10のポジションを制御する制御部62と、を備えている。
制御部62は、CPU62A、ROM62B、RAM62C及びI/O(入出力インターフェース)62Dがバス62Eで接続されたコンピュータで構成されている。
ROM62Bには、シート10のシートバック14及びヘッドレスト16の位置を制御するためのプログラムが記憶されており、ROM62Bに記憶されたプログラムをRAM62Cに展開してCPU62Aが実行することにより、シートバック14及びヘッドレスト16の位置の制御を行う。
I/O62Dには、制御対象のシート10が接続されていると共に、運転モード切替部64と、自動運転制御部66が接続されている。
シート10は、シートバック角度変更部20を備えており、制御部62によってシートバック角度変更部20の動作が制御される。より具体的には、制御部62によってシートバック角度変更部20の駆動部(図示省略)を作動させることで、回転軸20A(図1参照)を回転させる。これにより、シートバック14を後傾(車両後方側に傾倒)させ、又はシートバック14を起立状態に戻す。
シート10は、シートバック角度検出部22を備えており、シートバック角度検出部22によって、鉛直方向に対するシートバック14の角度α(図1参照)が検出される。シートバック角度検出部22で検出されたシートバック14の角度αは、制御部62に入力される。
シート10は、ヘッドレスト16のサイド部移動装置30を備えており、制御部62によってサイド部移動装置30の動作が制御される。より具体的には、制御部62によってサイド部移動装置30の駆動部44、50(図2参照)を作動させる。これにより、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを車両前方の突出位置D2に移動させ、又はサイド部16B、16Cを通常位置D1に戻す(図2参照)。制御部62は、シートバック角度検出部22で検出されたシートバック14の角度αに基づいて、サイド部移動装置30の動作を制御する。
運転モード切替部64は、手動運転(通常運転)モードと自動運転モードのどちらかに切替え可能とされている。乗員Pは、運転モード切替部64で、自動運転モードと手動運転モードのどちらかを選択することで、自動運転モードと手動運転モードとに切替えることができる。運転モード切替部64は、例えば、車両100の車室102内に配置されたインストルメントパネル106(図6参照)に設けられている。乗員Pが自動運転モードを選択した場合には、自動運転制御部66によって車両100の走行が制御される。
制御部62は、手動運転モードが選択されたときと、自動運転モードが選択されたときとで、後述するようにサイド部移動装置30の動作の制御を変更する。
(シート制御装置の制御)
図4には、手動運転モードと自動運転モードでの鉛直方向に対するシートバック14の角度αと、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cの位置との関係が示されている。図4に示されるように、手動運転モードでは、鉛直方向に対するシートバック14の角度αに拘わらず、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cは、通常位置D1(図2参照)に配置される。
また、自動運転モードでは、鉛直方向に対するシートバック14の角度αが、所定角度(例えば、45°)以下であるときは通常状態とされ、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cは、通常位置D1に配置される。また、自動運転モードでは、鉛直方向に対するシートバック14の角度αが、所定角度(例えば、45°)より大きいときは安楽状態とされ、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cは、突出位置D2(図2参照)に配置される。
図6に示されるように、車両100には、車両上部に略車両前後方向に沿ってルーフサイドレール101が設けられている。ルーフサイドレール101の車両幅方向内側であってルーフヘッドライニング(図示省略)の車両幅方向外側の端部の裏面側には、側面衝突時に乗員Pの頭部Hを保護する頭部保護エアバックとしてのカーテンエアバック110が設けられている。また、車両100には、車両前後方向の前側のステアリングハンドル108に、前面衝突時に乗員Pを保護するフロントエアバック112が設けられている。図6では、構成を分かりやすくするため、カーテンエアバック110及びフロントエアバック112が展開された状態が示されている。カーテンエアバック110は、側面衝突時に車両上下方向下方側へ向けてカーテン状に膨張展開し、カーテンエアバック110と重なるエリア(保護エリア)で乗員Pの頭部Hを保護するようになっている。
シート10では、シートバック14を大きく後傾させると、シート10に着座した乗員Pの頭部Hがカーテンエアバック110の保護エリアから外れる可能性がある。本実施形態では、鉛直方向に対するシートバック14の角度α(図1参照)が、所定角度(例えば、45°)より大きいときに、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを突出位置D2に移動させる。これにより、乗員Pの頭部Hの側方をサイド部16B、16C(特に車両幅方向外側のサイド部16B)で覆い、側面衝突時に乗員Pの頭部Hを保護するようになっている。ここで、鉛直方向に対するシートバック14の所定角度は、側面衝突時に乗員Pの頭部Hがカーテンエアバック110で拘束できない角度とされており、本実施形態では、一例として、45°とされている。
(シート制御装置の制御の流れの一例)
次に、シート制御装置60による制御部62で行われる具体的な処理の流れの一例について説明する。図5は、シート制御装置60による制御部62で行われるヘッドレスト16のサイド部16B、16Cの位置を変更する制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図5に示されるように、ステップS80では、制御部62が、手動運転モードであるか否かを判定する。該判定が肯定されたときは、ステップS82に移行する。
ステップS82では、制御部62が、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを通常位置D1に配置する。例えば、制御部62は、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが、元々通常位置D1にあるときは、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cをそのまま通常位置D1に待機させる。また、制御部62は、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが突出位置D2にあるときは、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを通常位置D1に移動させる。
ステップS80で、上記判定が否定されたときは、ステップS84に移行する。また、ステップS82が実行されたときは、ステップS84に移行する。
ステップS84では、制御部62が自動運転モードであるか否かを判定する。該判定が肯定されたときは、ステップS86に移行する。該判定が否定されたときは、ステップS80に戻る。
ステップS86では、制御部62がシートバック14の鉛直方向に対する角度αが閾値より大きいか否かを判定する。本実施形態では、閾値は45°とされている。該判定が肯定されたときは、ステップS88に移行する。
ステップS88では、制御部62がヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを車両前方の突出位置D2に配置する。例えば、制御部62は、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが通常位置D1にあるときは、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを車両前方の突出位置D2に移動させる。
ステップS86で、上記判定が否定されたときは、ステップS90に移行する。ステップS90では、制御部62がヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを通常位置D1に配置する。例えば、制御部62は、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが、元々通常位置D1にあるときは、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cをそのまま通常位置D1に待機させる。ステップS90が実行されたときは、ステップS86に戻る。
ステップS92では、制御部62がシートバック14の鉛直方向に対する角度αが閾値以下であるか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップS94に移行する。
ステップS94では、制御部62がヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを通常位置D1に配置する。制御部62は、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを突出位置D2から通常位置D1に移動させる。
ステップS96では、制御部62が運転停止か否かを判定する。該判定が肯定されたときは、シート制御装置60の一連の処理を停止する。また、該判定が否定されたときは、ステップS80に戻る。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
シート10では、シートバック14が鉛直方向に対して所定角度(例えば、45°)を超えて後傾されたときに、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが乗員Pの頭部Hの側方を覆う。本実施形態では、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが通常位置D1から車両前方への突出位置D2に移動することで、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが乗員Pの頭部Hの側方を覆う。これにより、シートバック14を大きく後傾させた安楽姿勢の場合に、ヘッドレスト16のサイド部16B、16C(特に車両幅方向外側のサイド部16B)によって、側面衝突から乗員Pの頭部Hを保護することができる。
また、シート10を備えた車両100では、自動運転モードと手動運転モードとに切替え可能とされている。本実施形態では、自動運転モードでシートバック14を大きく後傾させた安楽姿勢の場合(シートバック14が鉛直方向に対して所定角度を超えて後傾された場合)に、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが車両前方に突出する。これにより、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cによって、乗員Pの頭部Hの側方が覆われるため、側面衝突から乗員Pの頭部Hを効果的に保護することができる。また、自動運転モードでは、乗員Pの側方視界が手動運転モードほど重要ではなくなるため、ヘッドレスト16の突出したサイド部16B、16Cが、乗員Pの側方視界の妨げとなりにくい。
また、シート10では、手動運転モードでのシートバック14の後傾時には、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが車両前方に突出しない構成とされている。このため、手動運転モードでは、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが乗員Pの運転の支障となることがない。
また、シート10では、シートバック14とは別体でヘッドレスト16が設けられており、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを車両前後方向に移動させる。このため、簡単な構成により、シートバック14の後傾時にヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを移動させることができる。
図13には、比較例のシート(車両用シート)210を備えた車両200が示されている。図13に示されるように、シート210では、シートバック14の上端部にヘッドレスト212が取り付けられている。ヘッドレスト212には、シートバック14を後傾させても、移動する部分は設けられていない。また、車両200には、ルーフサイドレール101の車両幅方向内側であってルーフヘッドライニング(図示省略)の車両幅方向外側の端部の裏面側に、カーテンエアバック110が設けられている。
シート210では、シートバック14を大きく後傾させたときに、シート210に着座した乗員Pの頭部Hが、カーテンエアバック110の保護エリアから外れる可能性がある。
これに対し、本実施形態のシート10では、自動運転モードでシートバック14が鉛直方向に対して所定角度(例えば、45°)を超えて後傾されたときに、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが車両前方に突出し、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cによって、シート10に着座した乗員Pの頭部Hの側方が覆われる。このため、図6に示されるように、シートバック14を大きく後傾させたときに、乗員Pの頭部Hがカーテンエアバック110の保護エリアから外れる場合でも、サイド部16B、16Cによって側面衝突から乗員Pの頭部Hを保護することができる。
〔第2実施形態〕
次に、図7を用いて、第2実施形態の車両用シートについて説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図7に示されるように、車両用シート(以下、「シート」という。)120には、シートバック14の上端部に、頭部拘束部としてのヘッドレスト122が取り付けられている。ヘッドレスト122は、車両幅方向の中間部に配置された本体部16Aと、本体部16Aの車両幅方向外側(車両背面視にて車両幅方向右側)に配置されたサイド部122Bと、本体部16Aの車両幅方向内側(車両背面視にて車両幅方向左側)に配置されたサイド部16Cと、を備えている。
車両幅方向外側のサイド部122Bの内部には、乗員Pの頭部Hの側に硬質パッド124が配置されている。硬質パッド124は、ヘッドレスト122の他の部分に配置されたパッド38よりも硬度の高い樹脂(発泡樹脂など)で形成されている。サイド部122Bの内部で、硬質パッド124は、フレーム34よりも乗員Pの頭部Hの側、すなわちサイド部122Bが通常位置D1にある状態でフレーム34よりも車両前後方向の前側に配置されている。
上記のシート120では、シートバック14が鉛直方向に対して所定角度(例えば、45°)を超えて後傾されたときに、ヘッドレスト122の車両幅方向両側のサイド部122B、16Cが車両前方の突出位置D2に移動する。このため、シートバック14の後傾時に、ヘッドレスト122の車両幅方向外側の硬質パッド124を内蔵したサイド部122Bによって、乗員Pの頭部Hの側方が覆われることで、側面衝突から乗員Pの頭部Hを効果的に保護することができる。
〔第3実施形態〕
次に、図8〜図10を用いて、第3実施形態の車両用シートについて説明する。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図8に示されるように、第3実施形態では、車両前席右側(運転席側)に設けられた運転席シート130と、車両前席左側(助手席側)に設けられた助手席シート132と、を備えている。シート制御装置134は、制御部62によって、運転席シート130と助手席シート132とをそれぞれ制御する。運転席シート130と助手席シート132の各部材の構成は、第1実施形態のシート10(図2参照)と同じである。
図9には、運転席シート130と助手席シート132において、手動運転モードと自動運転モードでの鉛直方向に対するシートバック14の角度αと、ヘッドレスト16のサイド部16B、16C(図2参照)の位置との関係が示されている。図9に示されるように、運転席シート130では、手動運転モードと自動運転モードでの鉛直方向に対するシートバック14の角度(α)に対するヘッドレスト16のサイド部16B、16Cの位置は、第1実施形態のシート10(図4参照)の場合と同じである。
助手席シート132では、運転席シート130の制御とは異なり、手動運転モードと自動運転モードでの制御は同じである。助手席シート132では、鉛直方向に対するシートバック14の角度αが、所定角度(例えば、45°)以下であるときは通常状態とされ、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cは、通常位置D1(図2参照)に配置される。また、自動運転モードでは、鉛直方向に対するシートバック14の角度αが、所定角度(例えば、45°)より大きいときは安楽状態とされ、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cは、突出位置D2(図2参照)に配置される。
図10は、シート制御装置134による制御部62で行われる助手席シート132のヘッドレスト16のサイド部16B、16C(図2参照)の位置を変更する制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図10に示されるように、ステップS140では、制御部62がシートバック14の鉛直方向に対する角度αが閾値より大きいか否かを判定する。本実施形態では、閾値は45°とされている。該判定が肯定されたときは、ステップS142に移行する。
ステップS142では、制御部62が助手席シート132のヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを車両前方の突出位置D2に配置する。例えば、制御部62は、助手席シート132のヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが通常位置D1にあるときは、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを車両前方の突出位置D2に移動させる。
ステップS140で、上記判定が否定されたときは、ステップS144に移行する。ステップS144では、制御部62が助手席シート132のヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを通常位置D1に配置する。例えば、制御部62は、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cが元々通常位置D1にあるときは、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cをそのまま通常位置D1に待機させる。ステップS144が実行されたときは、ステップS140に戻る。
ステップS146では、制御部62が助手席シート132のシートバック14の鉛直方向に対する角度αが閾値以下であるか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップS148に移行する。
ステップS148では、制御部62が助手席シート132のヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを通常位置D1に配置する。制御部62は、ヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを突出位置D2から通常位置D1に移動させる。
ステップS150では、制御部62が運転停止か否かを判定する。該判定が肯定されたときは、シート制御装置134による助手席シート132の制御の一連の処理を停止する。また、該判定が否定されたときは、ステップS140に戻る。
上記の運転席シート130及び助手席シート132では、第1実施形態に記載の効果に加えて、以下の効果がある。
本実施形態では、手動運転モードでのシートバック14の後傾時には、運転席シート130ではヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを車両前方へ突出させず、助手席シート132ではヘッドレスト16のサイド部16B、16Cを車両前方へ突出させる。すなわち、手動運転モードでのシートバック14の後傾時に、助手席シート132ではサイド部16B、16Cを車両前方へ突出させるので、側面衝突から助手席シート132に着座した乗員Pの頭部Hを効果的に保護することができる。また、運転に関与しない助手席シート132に着座した乗員Pは、シートバック14を後傾させることで、リラックスポジションをとることができる。
〔第4実施形態〕
次に、図11を用いて、第4実施形態の車両用シートについて説明する。なお、前述した第1〜第3実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図11に示されるように、車両用シート(以下、「シート」という。)160には、シートバック14の上端部に、頭部拘束部としてのヘッドレスト162が取り付けられている。ヘッドレスト162は、車両幅方向の中間部に配置された本体部16Aと、本体部16Aの車両幅方向外側(車両背面視にて車両幅方向右側)に配置されたサイド部162Bと、を備えている。サイド部162Bは、通常位置D1から車両前側の突出位置D2に移動可能とされている。なお、本実施形態では、ヘッドレスト162の本体部16Aの車両幅方向内側(車両背面視にて車両幅方向左側)には、車両前側に突出可能なサイド部は設けられていない。また、本実施形態では、通常位置D1でのヘッドレスト162の車両幅方向の長さは、第1実施形態の通常位置D1でのヘッドレスト16(図2参照)の車両幅方向の長さより短い。
シート160では、シートバック14が鉛直方向に対して所定角度(例えば、45°)を超えて後傾されたときに、ヘッドレスト162の車両幅方向外側のサイド部162Bが車両前側に突出し、乗員Pの頭部Hの側方を覆う。これにより、シートバック14を大きく後傾させた場合に、ヘッドレスト162の車両幅方向外側のサイド部162Bによって、側面衝突から乗員Pの頭部Hを保護することができる。
なお、本実施形態では、上記構成に代えて、通常位置D1でのヘッドレスト162の車両幅方向の長さは、本体部16Aを車両幅方向内側(車両背面視にて車両幅方向左側)に延在させることで、長くしてもよい。
〔第5実施形態〕
次に、図12を用いて、第5実施形態の車両用シートについて説明する。なお、前述した第1〜第4実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図12に示されるように、車両用シート(以下、「シート」という。)170には、シートバック14の上端部に、頭部拘束部としてのヘッドレスト172が取り付けられている。ヘッドレスト172は、車両幅方向の中間部に配置された本体部16Aと、本体部16Aの車両幅方向外側(車両背面視にて車両幅方向右側)に配置されたサイド部172Bと、本体部16Aの車両幅方向内側(車両背面視にて車両幅方向左側)に配置されたサイド部172Cと、を備えている。サイド部172Bの車両幅方向の長さは、サイド部172Cの車両幅方向の長さより長い。サイド部172Cの内部には、フレーム34の長手方向の長さよりも長手方向の長さが短いフレーム176が設けられている。
シート170では、シートバック14が鉛直方向に対して所定角度(例えば、45°)を超えて後傾されたときに、ヘッドレスト172の車両幅方向両側のサイド部172B、172Cが通常位置D1から車両前側の突出位置D2に移動し、乗員Pの頭部Hの側方を覆う。このとき、ヘッドレスト172の車両幅方向外側のサイド部172Bの車両前方への突出量が、ヘッドレスト172の車両幅方向内側のサイド部172Cの車両前方への突出量より大きい。これにより、シート170では、ヘッドレスト172の車両幅方向外側のサイド部172Bによって、側面衝突から乗員Pの頭部Hを効果的に保護することができる。
〔補足説明〕
なお、第1〜第5実施形態において、ヘッドレスト16、122、162、172のサイド部を車両前側に突出させるサイド部移動装置30の構成は、変更が可能である。また、第1〜第5実施形態では、ヘッドレスト16、122、162、172のサイド部が車両前側に回転する構成であるが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、例えば、ヘッドレストのサイド部を車両前後方向に沿って車両前側にスライドさせることで、車両前方に突出させる構成でもよい。例えば、サイド部移動装置は、ヘッドレストのサイド部をアクチュエータ、油圧シリンダなどの駆動部、リンク機構などによって車両前方に突出させる方向に回転させる構成でもよい。また、例えば、サイド部移動装置は、ヘッドレストのサイド部をアクチュエータ、油圧シリンダなどの駆動部、リンク機構、ラック&ピニオンなどによって車両前側に突出させる方向にスライドさせる構成でもよい。また、手動運転モードと自動運転モードとで動作を変えない助手席シートでは、ヘッドレストのサイド部とシートクッションとを繋ぐプッシュプルワイヤを用い、シートバックの後傾に伴ってプッシュプルワイヤでサイド部を引っ張ることで、サイド部を車両前側に突出するようにしてもよい。
また、第1〜第5実施形態では、頭部保護エアバックとして、例えば、サイドドア内に設けられ、車両上方側へ膨張展開するサイドエアバックでもよい。
また、第1〜第5実施形態では、手動運転モードと自動運転モードとに切替え可能であったが、本発明は、この構成に限定するものではない。例えば、手動運転モードと自動運転モードとに切り替えることができず、手動運転(通常走行)のみを行う車両に用いられる車両用シートにも、本発明を適用することができる。
また、第1〜第5実施形態では、シートバック14とは別体でヘッドレスト16、122、162、172が設けられていたが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、シートバックと乗員頭部を拘束する頭部拘束部(ヘッドレスト部)とが一体的に設けられた車両用シートにおいて、頭部拘束部のサイド部を車両前方に突出する方向に移動させる構成でもよい。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
10 シート(車両用シート)
14 シートバック
16 ヘッドレスト(頭部拘束部)
16B サイド部
16C サイド部
30 サイド部移動装置(サイド部を突出する構成)
64 運転モード切替部(手動運転モードと自動運転モードとの切替え)
100 車両
110 カーテンエアバック(頭部保護エアバック)
120 シート(車両用シート)
122 ヘッドレスト(頭部拘束部)
122B サイド部
124 硬質パッド
130 運転席シート(車両用シート)
132 助手席シート(車両用シート)
160 シート(車両用シート)
162 ヘッドレスト(頭部拘束部)
162B サイド部
170 シート(車両用シート)
172 ヘッドレスト(頭部拘束部)
172B サイド部
172C サイド部
α 角度(鉛直方向に対する角度)
P 乗員
H 頭部
第1態様に記載の車両用シートは、側面衝突時に乗員頭部を保護する頭部保護エアバックを備えた車両に設けられる車両用シートであって、起立状態から後傾可能に設けられたシートバックの上部側に、乗員頭部を拘束する頭部拘束部を備え、前記シートバックが鉛直方向に対して所定角度を超えて後傾されたときに、前記頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部が乗員頭部の側方を覆うことで乗員頭部を保護可能に構成されている。
第1態様に記載の車両用シートによれば、起立状態から後傾可能(すなわち、リクライニング可能)に設けられたシートバックの上部側には、乗員頭部を拘束する頭部拘束部が設けられている。シートバックが鉛直方向に対して所定角度を超えて後傾されたときに、頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部が乗員頭部の側方を覆う。これにより、シートバックを大きく後傾させた安楽姿勢の場合に、頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部によって、側面衝突から乗員頭部を保護することができる。
第2態様に記載の車両用シートは、第1態様に記載の車両用シートにおいて、前記頭部拘束部の車両幅方向外側のサイド部は、硬質パッドを内蔵しており、前記シートバックの後傾時に、前記頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部がシート前方に突出する構成とされている。
第2態様に記載の車両用シートによれば、頭部拘束部の車両幅方向外側のサイド部は、硬質パッドを内蔵しており、シートバックの後傾時に、頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部がシート前方に突出する。これにより、シートバックの後傾時に、頭部拘束部の車両幅方向外側の硬質パッドを内蔵したサイド部によって、乗員頭部の側方が覆われることで、側面衝突から乗員頭部を効果的に保護することができる。
第3態様に記載の車両用シートは、第1態様又は第2態様に記載の車両用シートにおいて、前記車両が自動運転モードと手動運転モードとに切替え可能であり、前記自動運転モードでの前記シートバックの後傾時に、前記頭部拘束部のサイド部がシート前方に突出する構成とされている。
第3態様に記載の車両用シートによれば、自動運転モードでシートバックを大きく後傾させた安楽姿勢の場合に、頭部拘束部のサイド部がシート前方に突出することで、頭部拘束部のサイド部によって、乗員頭部の側方が覆われる。このため、側面衝突から乗員頭部を効果的に保護することができる。また、自動運転モードでは、乗員の側方視界が手動運転モードほど重要ではなくなるため、頭部拘束部の突出したサイド部が、乗員の側方視界の妨げとなりにくい。
第4態様に記載の車両用シートは、第3態様に記載の車両用シートにおいて、前記手動運転モードでの前記シートバックの後傾時には、前記頭部拘束部のサイド部がシート前方に突出しない構成とされている。
第4態様に記載の車両用シートによれば、手動運転モードでのシートバックの後傾時に、頭部拘束部のサイド部をシート前方に突出させないので、頭部拘束部のサイド部が運転の支障となることがない。
第5態様に記載の車両用シートは、第3態様又は第4態様に記載の車両用シートにおいて、前記手動運転モードでの前記シートバックの後傾時には、運転席では前記頭部拘束部のサイド部をシート前方へ突出させず、助手席では前記頭部拘束部のサイド部をシート前方へ突出させる構成とされている。
第5態様に記載の車両用シートによれば、手動運転モードでのシートバックの後傾時に、助手席では頭部拘束部のサイド部をシート前方へ突出させるので、側面衝突から助手席に着座した乗員の頭部を効果的に保護することができる。また、運転に関与しない助手席に着座した乗員は、シートバックを後傾させることで、リラックスポジションをとることができる。
第6態様に記載の車両用シートは、第1態様から第5態様までのいずれか1つの態様に記載の車両用シートにおいて、前記頭部拘束部の車両幅方向外側のサイド部のシート前方への突出量が、前記頭部拘束部の車両幅方向内側のサイド部のシート前方への突出量より大きい。
第6態様に記載の車両用シートによれば、頭部拘束部の車両幅方向外側のサイド部の突出量を頭部拘束部の車両幅方向内側のサイド部の突出量より大きくすることで、側面衝突から乗員頭部を効果的に保護することができる。
第7態様に記載の車両用シートは、第1態様から第6態様までのいずれか1つの態様に記載の車両用シートにおいて、前記頭部拘束部は、前記シートバックとは別体で設けられたヘッドレストである。
第7態様に記載の車両用シートによれば、頭部拘束部は、シートバックとは別体で設けられたヘッドレストであるため、簡単な構成により、シートバックの後傾時にヘッドレストのサイド部を移動させることができる。
第8態様に記載の車両は、第1態様から第7態様までのいずれか1つの態様に記載の車両用シートと、ルーフヘッドライニングの車両幅方向外側の端部の裏面側に設けられ、側面衝突時に車両上下方向下方側へ向けて膨張展開し、乗員頭部を保護する頭部保護エアバックと、を備え、自動運転モードと手動運転モードとに切替え可能とされている。
第8態様に記載の車両によれば、シートバックが鉛直方向に対して所定角度を超えて後傾されたときに、頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部が乗員頭部の側方を覆うため、側面衝突時に乗員頭部を保護することができる。

Claims (8)

  1. 側面衝突時に乗員頭部を保護する頭部保護エアバックを備えた車両に設けられる車両用シートであって、
    起立状態から後傾可能に設けられたシートバックの上部側に、乗員頭部を拘束する頭部拘束部を備え、
    前記シートバックが鉛直方向に対して所定角度を超えて後傾されたときに、前記頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部が乗員頭部の側方を覆うことで乗員頭部を保護可能に構成されている車両用シート。
  2. 前記頭部拘束部の車両幅方向外側のサイド部は、硬質パッドを内蔵しており、
    前記シートバックの後傾時に、前記頭部拘束部の少なくとも車両幅方向外側のサイド部がシート前方に突出する構成とされている請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記車両が自動運転モードと手動運転モードとに切替え可能であり、
    前記自動運転モードでの前記シートバックの後傾時に、前記頭部拘束部のサイド部がシート前方に突出する構成とされている請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
  4. 前記手動運転モードでの前記シートバックの後傾時には、前記頭部拘束部のサイド部がシート前方に突出しない構成とされている請求項3に記載の車両用シート。
  5. 前記手動運転モードでの前記シートバックの後傾時には、運転席では前記頭部拘束部のサイド部をシート前方へ突出させず、助手席では前記頭部拘束部のサイド部をシート前方へ突出させる構成とされている請求項3又は請求項4に記載の車両用シート。
  6. 前記頭部拘束部の車両幅方向外側のサイド部のシート前方への突出量が、前記頭部拘束部の車両幅方向内側のサイド部のシート前方への突出量より大きい請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車両用シート。
  7. 前記頭部拘束部は、前記シートバックとは別体で設けられたヘッドレストである請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の車両用シート。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の車両用シートと、
    ルーフヘッドライニングの車両幅方向外側の端部の裏面側に設けられ、側面衝突時に車両上下方向下方側へ向けて膨張展開し、乗員頭部を保護する頭部保護エアバックと、を備え、
    自動運転モードと手動運転モードとに切替え可能とされている車両。
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