JP2021045988A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、駆動輪であるホイールを複数備える移動体であって、当該ホイールに回転力を発生させるモータとインバータとバッテリが内蔵されるホイール内電動装置に関する。
近年、乗用車や物流の移動体等の駆動システムとして、駆動システムの電動化が急速に進展している。電動系の駆動システムは、回転駆動力を発生させるモータ(Motor)と、モータの回転を制御するとともに電力を供給するインバータ(Invertor)と、インバータに電力を供給するバッテリ(Battery)と、により主に構成される。これらモータとインバータとバッテリをホイール内に内蔵したシステムを、MIBパワーホイールと称する。従来より、インホイールモータの冷却に関して検討されてきた。例えば、特許文献1は、インホイールモータにおける冷却構造が開示されている。
ここで、モータとインバータと電池とをホイール内に備えるパワーホイールの場合、モータとインバータと電池とで稼働温度域が異なるため、一番温度条件の厳しい電池の温度が上昇する恐れがある。
ここで、モータとインバータと電池とをホイール内に備えるパワーホイールの場合、モータとインバータと電池とで稼働温度域が異なるため、一番温度条件の厳しい電池の温度が上昇し、劣化が進行してしまう虞がある。
バッテリと、バッテリから供給される直流電力を交流電力に変換するインバータ回路部と、交流電力の供給を受けるモータのステータ部と、ステータ部と空間を介して配置されかつシャフトと接続されるモータのロータ部と、当該ロータ部と接続されかつバッテリとインバータ回路部とステータ部の収納空間を形成するホイール部と、を備え、ホイール部は、当該ホイール内に空気を取り込む流入部と、当該ホイールの前記収納空間側の内壁であって前記流入部からバッテリ、インバータ回路部、ステータ部の順で空気循環を促すフィンと、を有するホイール内電動装置。
本発明により、信頼性の高いホイール内電動装置が提供できる。
[実施例1]
以下、図面等を用いて、本発明の実施例について説明する。以下の説明は、本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において、当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
以下、図面等を用いて、本発明の実施例について説明する。以下の説明は、本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において、当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
図1は、パワーホイールシステムを搭載した電気自動車の構成図である。電気自動車10は、複数のパワーホイール11を備える。パワーホイール11は、モータ12とインバータ13とパワー型電池14とを内蔵している。パワー型電池14は、電力線を介して車体内に搭載されている容量型電池15と並列接続されている。インバータ13、パワー型電池14及び容量型電池15は、ECU16(“ECU”は“Electronic Control Unit”の略)によって制御される。本実施例では、複数のパワーホイールとして4つの車輪全てにパワーホイールを搭載する構成としているが、パワーホイールの数は任意の数でよい。
モータ12は、交流機、例えば、誘導機や同期機である。インバータ13は、パワー型電池14および容量型電池15から供給される直流電力を三相交流電力に変換する。インバータ13が出力する三相交流電力によって、モータ12が電動機として回転駆動される。これにより、電気自動車10が走行する。
ここで、例えば電気自動車10の加速時など、容量型電池15だけではモータ12への供給電力が不足する場合においては、パワー型電池14からもインバータ13を介してモータ12に電力が供給される構成としてもよい。本実施例では、容量型電池15とパワー型電池14とが単純な並列接続の関係になっているが、両者の電流配分制御等が可能になるリレーやDC/DCコンバータ等を配置し、アクセル等と連動して電流分配制御することも可能である(不図示)。これらは要求されるシステム要求によって決定される。
電気自動車10の減速時あるいは制動時などにおいて、すなわちモータ12の回生時において、モータ12によって、交流電力が発電される。交流電力は、インバータ13を整流装置として動作させることにより直流電力に変換され、パワー型電池14及び容量型電池15に蓄電される。
電気自動車10の駐車時には、容量型電池15およびパワー型電池14は、外部の充電装置(不図示)によって充電される。
パワー型電池14は、容量型電池15よりも出力密度に優れるがエネルギー密度及び容量(Ah)は小さい。もしくは、コストに着目すると、「単位エネルギー(kWh)当たりのコスト」は容量型電池15よりも高いものの、「単位出力(kW)当たりのコスト」が容量型電池15よりも低いという特徴を有する。このようなパワー型電池14としては、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などが適用される。
また、パワー型電池14に代えて、これと同様の高出力特性を有するリチウムイオンキャパシタや電気二十層キャパシタなどの蓄電装置(言わば、パワー型蓄電装置)を用いても良い。なお、以下においては、これらの電池およびキャパシタを含めて、「パワー型電池」と総称する。
容量型電池15は、パワー型電池14よりも出力密度は劣るものの、エネルギー密度に優れ容量(Ah)が大きい。もしくは、コストに着目すると、「単位出力(kW)当たりのコスト」はパワー型電池14よりも高いものの、「単位エネルギー(kWh)当たりのコスト」がパワー型電池14よりも低いという特徴を有する。このような容量型電池15としては、リチウムイオン電池、リチウムイオン半固体電池、リチウム固体電池、鉛電池、ニッケル亜鉛電池などが適用される。
容量型電池15は、パワー型電池14よりも出力密度は劣るものの、エネルギー密度に優れ容量(Ah)が大きい。もしくは、コストに着目すると、「単位出力(kW)当たりのコスト」はパワー型電池14よりも高いものの、「単位エネルギー(kWh)当たりのコスト」がパワー型電池14よりも低いという特徴を有する。このような容量型電池15としては、リチウムイオン電池、リチウムイオン半固体電池、リチウム固体電池、鉛電池、ニッケル亜鉛電池などが適用される。
上記のように、本実施例では、パワー型電池14および容量型電池15を併用して、使用する電池全体として、電池容量を確保しながらも電池出力を高めることができる。したがって、出力容量性能の最適化と、コストの最適化が可能となる。
なお、容量型電池15が設けられず、パワー型電池14の電力のみによって車両を駆動するようにしてもよい。
次に、本実施形態に係るパワーホイール11について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、本実施形態に係るパワーホイール11の分解斜視図である。図3は、本実施形態に係るパワーホイール11の全体斜視図である。
モータ100は、ステータ101と、ステータの外周側に配置されるロータ102と、により構成される。ロータ102は、タイヤ103を支持するロータフレーム104を有する。シャフト105は、ロータフレーム104に接続される。車体側ベース106は、車体側でシャフト105に接続される。これにより、パワーホイール11内部への外部からの塵等の内部への侵入を抑制している。
インバータ13は、パワー型電池14から供給される直流電力を交流電力に変換し、この交流電力をステータ101に伝達する。インバータ13は、U相交流電流を出力するU相パワー半導体モジュール110Uと、V相交流電流を出力するV相パワー半導体モジュール110Vと、W相交流電流を出力するW相パワー半導体モジュール110Wと、直流電力を平滑化するコンデンサモジュール111と、コンデンサモジュール111と、3相のパワー半導体モジュールを接続する直流バスバー112と、により構成される。
パワー型電池14は、シャフト105の周りに円形に配置されるパワー型電池モジュール14A~14Fにより構成される。パワー型電池モジュール14A~14Fは、図3で示されるように6モジュール構成でもよいし、電池容量や電池の配置によって任意である。
パワーホイール11内に、パワー型電池14からインバータ13までの電気回路を配置すると、パワー型電池14からモータ12までの配線が近くなり、回生電力が損失が少ない状態で伝達される。一方で、回生電力等によりパワー型電池14の過充電や過電流によりパワー型電池14の過温度に対して十分な対策を講じる必要がある。
図4は、図3の平面Sによる断面を矢印方向から見た断面図である。図4に示されるように、車体側からパワー型電池14、インバータ13の順番で配置され、インバータ13は、モータ12の内周側に配置される。
シャフト105は、ベアリング200により支持されている。ここで、シャフト105は、回転するベアリング200等からの熱が伝達するので高温になる傾向がある。一方、パワー型電池14内のパワー型電池モジュール14A~14Fは他の部品に比較して厳しい耐熱条件となる傾向がある。
パワー型電池14は、空気層を設けるためのバッテリ内周側空間210を介してシャフト105に対して径方向に配置される。バッテリ内周側空間210の空気層によって、シャフト105とパワー型電池14との間は遮熱され、パワー型電池14が熱から守られる。
また、直流バスバー112がバッテリ内周側空間210に配置されることにより、後述する空気の対流によって直流バスバー112の冷却が促進される。
ここでパワー型電池14とインバータ13の配置関係と伝熱との関係について説明する。仮に、パワー型電池14とインバータ13が同一の材料で形成された固定部材に固定されていると、インバータ13の熱が固定部材を介してパワー型電池14に伝達されるため、電池温度が上昇してしまう。
そこで本実施形態では、パワー型電池14は、インバータ13が固定されている面とは別に形成された固定部材201に固定される。そして、パワー型電池14とインバータ13の間に、空気層を設けるためのインバータ側空間202が形成される。
このインバータ側空間202がインバータ13からの熱を遮熱し、パワー型電池14の温度上昇を抑制することができる。
固定部材201は、シャフト105に接続されかつ、熱伝導性がインバータ13の固定部材より低い材料、例えば樹脂材料により構成される。
ここで、パワー型電池14の稼働温度が、耐熱温度以上になる場合、外部から空冷する機構が必要となる。しかし前述の通り、パワーホイール11内に存在するパワー型電池14を含む部品は密閉されている。
そこでパワーホイール11は、車内と空気を循環するための第1経路203A及び第2経路203Bを備える。第1経路203Aと第2経路203Bは、例えばシャフト105に沿う方向に形成された配管である。
本実施形態において、第1経路203Aと第2経路203Bは、一方が車内からパワーホイール11への空気循環を生じさせる配管であり、他方がパワーホイール11から車内への空気循環を生じさせる配管である。なお、この空気循環を生じさせる動力として車体内に配置されたファン等を利用してもよい。
また第1経路203Aと第2経路203Bは、車内と通じることで車内のエアコンシステム(不図示)で冷却された空気を循環させることができる。この場合、車体側の空調システムで冷却された空気をフィルターを介してパワーホイール11内に循環させることにより、塵等の混入を抑制することができる。また、空調システムから分岐させることにより、電装部品を共通化できるため、部品点数の削減、車体の軽量化ができる。
図5は、パワー型電池14と車体側ベース106の間の空間周辺を示すための部分拡大斜視図である。
非回転部301は、ロータ102が回転しても回転はせず、シャフト105に固定される部分である。第1経路203Aと第2経路203Bは、非回転部301に形成される。第1経路203Aは、シャフト105を挟んで第2経路203Bと対向する位置に配置される。これにより、シャフト105が空気循環の抵抗となって、第1経路203Aと第2経路203Bで生じる空気の流入と流出を促進する。
車体側ベース106は、ロータ102の回転とともに回転し、非回転部301とはベアリング200(図4参照)を介して接続される。
フィン300は、車体側ベース106であって、ベアリング200の近傍からシャフト105を中心とした放射状となるように複数形成される。このようにフィン300を形成することで、車体側ベース106の回転によって、フィン300の側面に当たった空気が車体側ベース106の外周方向に向かって流される。よって、シャフト105近辺で空気の流れが留まることなく、周方向にまで拡散することでパワー型電池14及び他の電子部品の冷却が促進される。
そして、このフィン300による空気循環により、第1経路203A又は第2経路203Bから、パワー型電池14、インバータ13、ステータ101の順で空気循環を促すことができる。これにより、耐熱が最も厳しいパワー型電池14を最初に空冷を施し、その他の部品を順次冷却することができる。パワー型電池14よりも後の空冷の順番は、インバータ13とステータ101の耐熱の条件によって決定して、耐熱の厳しい部品を先に冷えるようにするのが望ましい。
[実施例2]
図6は、他の実施形態に係り空気循環を促すための第1遮蔽壁401と第2遮蔽壁402周辺の拡大斜視図である。
図6は、他の実施形態に係り空気循環を促すための第1遮蔽壁401と第2遮蔽壁402周辺の拡大斜視図である。
本実施形態では、第2経路203Bから第1経路203Aへ空気が循環する際に電池の冷却効果を向上させるために、流路を限定する構造を採った例を説明する。
実施例1の構成でもパワー型電池14への空気循環は可能であるが、第1経路203Aと第2経路203Bが近いため、シャフト105の近傍だけで空気循環が起きてしまうおそれがあり、固定部材201近辺を冷却することが困難となる場合もある。
そこで、第1遮蔽壁401と第2遮蔽壁402が設けられる。本実施形態では、第1遮蔽壁401と第2遮蔽壁402は、シャフト105と一体に構成されかつシャフト105から突出させる。または第1遮蔽壁401と第2遮蔽壁402は、固定部材201からシャフト105の軸方向に向かって突出させてもよい。第1遮蔽壁401と第2遮蔽壁402は、車体側ベース106と干渉しない高さとなるように形成される。しかし、この車体側ベース106と第1遮蔽壁401又は第2遮蔽壁402との空間が大きすぎると、この空間で空気が流れてしまうため、この空間は車体側ベース106と干渉しない高さの出来るだけ小さい方が望ましい。
第1経路203A及び第2経路203Bのいずれかの経路部と第1遮蔽壁401と第2遮蔽壁402のいずれかの遮蔽部は、シャフト105を中心に周方向に交互に配置される。
これにより、図6の矢印で示した空気の流れを促進させることが可能である。具体的には、パワー型電池14とインバータ13の間であるインバータ側空間202に空気が流れるようになっている。
なお、本実施形態に係るパワーホイール11は、パワー型電池14からインバータ13までの経路の途中にリレー120を設けている。リレー120は、例えば機械式のリレーを用いるのが好ましい。半導体リレーは、幅広面が形成することができ冷却しやすい。しかし、パワーホイール11が長期間駆動しない場合には、半導体リレーを介して漏れ電流が流れてしまい、パワー型電池14の電圧が低下してしまうおそれがある。
そして、前述した空気の流れがリレー120の近傍に流れることにより、リレー120の冷却も促進させることができ、インバータ13からパワー型電池14への煽り熱を抑制することができる。
[実施例3]
図7は、他の実施例に係るパワーホイール11の断面図である。本実施例では、図7に示されるように、シャフト105の両端が車体側ベース106と接続されている。パワーホイール11は、シャフト105方向の一端に冷却用の空気(冷却媒体)をパワーホイール内に流入させるための流入部700を備え、冷却用の空気(冷却媒体)をパワーホイール11外に流入させるための流出部701を備える。流入部700及び流出部701は、車両内の空間に繋がる配管と接続される。流入部700から流入した空気は、パワー型電池14を冷却し、その後、インバータ13及びモータ100を冷却する。
図7は、他の実施例に係るパワーホイール11の断面図である。本実施例では、図7に示されるように、シャフト105の両端が車体側ベース106と接続されている。パワーホイール11は、シャフト105方向の一端に冷却用の空気(冷却媒体)をパワーホイール内に流入させるための流入部700を備え、冷却用の空気(冷却媒体)をパワーホイール11外に流入させるための流出部701を備える。流入部700及び流出部701は、車両内の空間に繋がる配管と接続される。流入部700から流入した空気は、パワー型電池14を冷却し、その後、インバータ13及びモータ100を冷却する。
これにより、パワーホイール11内全体に空気を流すことができるため、パワー型電池14を含めた電子部品全ての冷却が可能である。更にパワー型電池14側に流入部700、モータ100側に流出部701を配置することで、モータ100及びインバータ13からの熱がパワー型電池14に伝わりづらくなる。したがって、パワー型電池14の温度上昇が抑制され、劣化が抑制することができる。
また、流入部700と流出部701とを車両内の空間に繋げることで、パワーホイール11内に塵等が混入するのを抑制することができる。また、車内のエアコンの空気をパワーホイール11内に流入させることができるため、車両システム全体としてみた場合の部品点数を削減することが可能である。
[実施例4]
本発明の実施例4に係るパワーホイールを図8を用いて説明する。図8は、実施例4に係るパワーホイール11の分解斜視図である。本実施形態に係るパワーホイール11は、インバータ13又はステータ101、若しくは双方を冷却する液体冷媒の流路を形成する第1流路形成体501及び第2流路形成体502を備える。これにより、インバータ13やステータ101を液体冷媒により冷却することにより冷却性能が向上するため、パワーホイールの高出力化及び小型化を実現することができる。
本発明の実施例4に係るパワーホイールを図8を用いて説明する。図8は、実施例4に係るパワーホイール11の分解斜視図である。本実施形態に係るパワーホイール11は、インバータ13又はステータ101、若しくは双方を冷却する液体冷媒の流路を形成する第1流路形成体501及び第2流路形成体502を備える。これにより、インバータ13やステータ101を液体冷媒により冷却することにより冷却性能が向上するため、パワーホイールの高出力化及び小型化を実現することができる。
図8に示されるように、パワー型電池モジュール14A~14Fは、シャフト105を中心に周方向に沿って扇形状となるように配置される。第1流路形成体501は、車体側からインバータ13又はステータ101へ向かって液体冷媒が流れるように形成され、パワー型電池14とシャフト105との間に配置される。これにより、インバータ13及びステータ101を優先的に冷却することができる。
第2流路形成体502は、インバータ13又はステータ101から車体に向かって流出される液体冷媒が流れるための流路を形成する。第2流路形成体502は、パワー型電池14が配置された周方向であってパワー型電池14が配置されていない空間とシャフト105との間に配置される。
これにより、第2流路形成体502に流れる液体冷媒の熱が、パワー型電池14に伝わることを抑制することができる。したがって、パワー型電池14の温度上昇による劣化を抑制することができる。
図8に示されるように、第2流路形成体502は、リレー120の車体側を通過し、シャフト105に近づくように形成されている。これにより、シャフト105の中心に第1流路形成体501及び第2流路形成体502を集中することができるため、車体への取り付けが容易となる。また、第2流路形成体502は直線状に形成される構成としてもよい。これにより、液体冷媒の圧損を低減できる。
本実施例では、第1流路形成体501と第2流路形成体502とが径方向に離れて配置される。例えば、第1流路形成体501と第2流路形成体502との間にリレー120が配置される。これにより、第2流路形成体502に流れる液体冷媒の熱が、第1流路形成体501を流れる液体冷媒に伝わることを抑制することができる。したがって、インバータ13及びステータ101の冷却性能をさらに向上させることができる。
[実施例5]
図9は、他の実施形態に係るフィン形状を示す断面図である。図10は、他の実施形態に係るフィン形状を示す周辺拡大斜視図である。
図9は、他の実施形態に係るフィン形状を示す断面図である。図10は、他の実施形態に係るフィン形状を示す周辺拡大斜視図である。
パワー型電池14やこれに接続される部材は、放熱すべき優先順位が異なる場合がある。例えば本実施形態において、パワー型電池14と接続される直流バスバー112は、パワー半導体モジュールからの熱を受けたり、自らの抵抗により発熱したりして、高温になる虞がある。そこで、第1経路203A又は第2経路203Bから流入した空気の流れのうち上流側で直流バスバー112に促す。
本実施形態では、第1延在フィン303Aと第2延在フィン303Bが設けられる。第1延在フィン303Aは、車体側ベース106から第1経路203Aと対向する位置まで延在する。同様に、第2延在フィン303Bは、車体側ベース106から第2経路203Bと対向する位置まで延在する。
第1経路203A及び第2経路203Bは、シャフト105の軸方向から見た場合に、バッテリ内周側空間210と重なる位置に設けられる。
よって、車体側ベース106が回転すると、第1延在フィン303A又は第2延在フィン303Bが第1経路203A又は第2経路203Bからバッテリ内周側空間210へ空気循環が促される。このバッテリ内周側空間210には、直流バスバー112が設けられるので、直流バスバー112の冷却性が向上する。なお図10に示されるように、第1延在フィン303Aや第2延在フィン303Bは、3つ以上の複数設けてもよい。
なお、第1延在フィン303Aと第2延在フィン303Bは、車両が前進する際の回転方向でバッテリ内周側空間210への空気循環がなされるような凹凸構造となっている。これにより、ほとんどの走行状態が前進である車両に対して効率的に冷却することができ
る。
る。
[実施例6]
図11は、他の実施形態に係るパワーホイール11の断面図である。本実施形態では、パワー型電池14をより効果的に冷却するための導風部600を備える。
図11は、他の実施形態に係るパワーホイール11の断面図である。本実施形態では、パワー型電池14をより効果的に冷却するための導風部600を備える。
本実施例に係るパワーホイール11は、インバータ13とパワー型電池14との間にインバータ側空間202が設けられている。
導風部600は、シャフト105の周囲に配置されており、車体側からインバータ13側に向かうにつれて、径方向の大きさが大きくなるようにテーパ状に形成されている。導風部600は、第1経路203A及び第2経路203Bから流入しバッテリ内周側空間210を軸方向に流れる空気がインバータ側空間202に流れるのを促進する。
これにより、インバータ側空間202の空気循環が促進され、インバータ側空間202の温度上昇が抑制される。さらに空気循環により、パワー型電池14の放熱性能も向上するため、パワー型電池14の温度上昇が抑制され、劣化が抑制することができる。また、たとえ空気循環のための風圧が低い場合でも空気循環が促されるため、車体側のファン等、空気循環を生じさせる動力の消費電力を抑えることができ、システム全体の電費が向上する。
図11では、導風部600は、テーパ状に形成されている例が示されているが、導風部600の形状はこれに限定されず、バッテリ内周側空間210を軸方向に流れる空気がインバータ側空間202に流れるように導く導風機構であればよい。
10…電気自動車、11…パワーホイール、12…モータ、13…インバータ、14…パワー型電池、14A~14F…パワー型電池モジュール、15…容量型電池、16…ECU、100…モータ、101…ステータ、102…ロータ、103…タイヤ、104…ロータフレーム、105…シャフト、106…車体側ベース、110U…U相パワー半導体モジュール、110V…V相パワー半導体モジュール、110W…W相パワー半導体モジュール、112…直流バスバー、200…ベアリング、201…固定部材、202…インバータ側空間、203A…第1経路、203B…第2経路、210…バッテリ内周側空間、300…フィン、301…非回転部、303A…第1延在フィン、303B…第2延在フィン、401…第1遮蔽壁、402…第2遮蔽壁、501…第1流路形成体、502…第2流路形成体、600…導風部、700…流入部、701…流出部
Claims (8)
- バッテリと、
前記バッテリから供給される直流電力を交流電力に変換するインバータ回路部と、
前記交流電力の供給を受けるモータのステータ部と、
前記ステータ部と空間を介して配置されかつシャフトと接続されるモータのロータ部と、
前記ロータ部と接続されかつ前記バッテリと前記インバータ回路部と前記ステータ部の収納空間を形成するホイール部と、を備え、
前記ホイール部は、
当該ホイール部内に空気を取り込む流入部と、
当該ホイール部の前記収納空間側の内壁であって前記流入部から
前記バッテリ、前記インバータ回路部、前記ステータ部の順で空気循環を促すフィンと、を有するホイール内電動装置。 - 請求項1に記載のホイール内電動装置であって、
前記流入部は、車両内の空間に繋がる配管と接続されるホイール内電動装置。 - 請求項1又は2に記載のホイール内電動装置であって、
前記空気を流出するための流出部を備え、
前記流出部は、車両内の空間に繋がる配管と接続されるホイール内電動装置。 - 請求項1又は2に記載のホイール内電動装置であって、
前記インバータ回路部又は前記ステータ部、若しくは双方を冷却する液体冷媒を流す流路形成体を備え、
前記バッテリは、シャフトを中心に周方向に沿って扇形状となるように配置され、
前記流路形成体は、
前記インバータ回路部又は前記ステータ部へ向かって前記液体冷媒を流しかつ前記バッテリと前記シャフトとの間に配置される第1流路形成体と、
前記インバータ回路部又は前記ステータ部から流出される前記液体冷媒を流しかつ前記バッテリが配置された周方向であって前記バッテリがない空間と前記シャフトとの間に配置される第2流路形成体と、により構成されるホイール内電動装置。 - 請求項1又は2に記載のホイール内電動装置であって、
前記インバータ回路部又は前記ステータ部、若しくは双方を冷却する液体冷媒を流す流路形成体を備え、
前記バッテリは、前記シャフトを中心に周方向に沿って配置され、
前記流路形成体は、前記シャフトに、または当該シャフトと前記バッテリの間の空間に設けられ、
前記バッテリは、前記流路形成体との間にバッテリ内周側空間を設けるように構成され、
前記フィンは、前記バッテリ内周側空間に空気循環を促すように形成されるホイール内電動装置。 - 請求項5に記載のホイール内電動装置であって、
前記流入部は、前記シャフトの軸方向から見た場合、前記バッテリ内周側空間と重なる位置に配置され、
前記フィンは、前記流入部と前記バッテリ内周側空間との間に配置される延在部を有するホイール内電動装置。 - 請求項5または6に記載のホイール内電動装置であって、
前記インバータ回路部は、前記バッテリとの間にインバータ回路側空間を設けるように形成され、
前記バッテリ内周側空間から前記インバータ回路側空間へ導くための導風部を有するホイール内電動装置。 - 請求項1乃至7のいずれかひとつに記載のホイール内電動装置と、
前記流入部とフィルターを介して接続される空調システムと、を備える車両。
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