JP2021045121A - 廃水処理装置、微生物群集、微生物群集の培養方法、及び廃水処理方法 - Google Patents

廃水処理装置、微生物群集、微生物群集の培養方法、及び廃水処理方法 Download PDF

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直幸 宮田
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恵 藤林
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Abstract

【課題】有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しなくても金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理装置を提供する。【解決手段】廃水処理装置1は、廃水処理槽10と、担体11と、微生物群集(スラッジS)とを含む。廃水処理槽10は、二価マンガンを含有する廃水を保持する。担体11は、廃水処理槽10中に保持され、付着した微生物群集を表面で増殖させる。微生物群集は、担体11に保持され、好気条件で無機性炭素を供給して培養され、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しなくても、廃水中の二価マンガンを酸化してマンガン酸化物を生成する。微生物群集は、マンガン酸化細菌、メチル栄養細菌(メチロトローフ)等が生育して保持されている。【選択図】図1

Description

本発明は、特にマンガン等の金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理装置、微生物群集、微生物群集の培養方法、及び廃水処理方法に関する。
マンガン酸化菌は、好気条件で二価マンガンを酸化して不溶性のマンガン酸化物を生成する微生物の総称である。マンガン酸化菌には細菌及び真菌が含まれるが、これらの微生物は従属栄養性であり、生育のために、糖質、有機酸、タンパク質消化物等の有機物(以下、有機性基質と称する)を必要とする。このため、マンガン酸化菌の生育に必要な有機性基質の供給によりコストがかかっていた。
これについて、特許文献1には、有機性基質を直接添加しなくても、メタン又はアンモニウムイオンを供給することにより、微生物の集合である微生物群集内で有機性基質を産生させて、マンガン酸化細菌を生育させる方法が記載されている。
ここで、二価マンガンを含有する廃水中からマンガンを沈積して除去する水処理に、マンガン酸化菌を用いることが考えられる。
特開2012−184470号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、依然として、メタンやアンモニウムイオンを供給する必要があり、廃水の処理には実用的に用いることができなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、上述の問題点を解消し、外部から有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しなくても安定的かつ高効率で廃水を処理することが可能な廃水処理装置を提供することを課題とする。
本発明の廃水処理装置は、金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理装置であって、二価マンガンを含有する廃水を保持する廃水処理槽と、前記廃水処理槽中に保持され、好気条件で無機性炭素を供給して培養され、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しなくても、前記廃水中の二価マンガンを酸化してマンガン酸化物を生成し、マンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌(メチロトローフ)が生育して保持される微生物群集とを含むことを特徴とする。
本発明の廃水処理装置は、前記微生物群集が付着する担体を更に備え、前記担体は、前記廃水処理槽中に保持され、前記微生物群集を担体表面で増殖させることを特徴とする。
本発明の廃水処理装置は、前記微生物群集は、暗所での炭酸固定によって有機物を生成させることを特徴とする。
本発明の廃水処理装置は、前記メチル栄養細菌は、Methylibium属及びMethyloversatilis属のいずれか又は二種以上からなることを特徴とする。
本発明の廃水処理装置は、前記メチル栄養細菌は、Methylibium sp. R1−5株(NITE AP−03266)及びMethyloversatilis sp. R1−7株(NITE AP−03267)のいずれか又は両方であることを特徴とする。
本発明の微生物群集は、金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理用の微生物群集であって、前記廃水は、二価マンガンを含有し、好気条件で無機性炭素を供給して培養され、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しなくても、水中の二価マンガンを酸化してマンガン酸化物を生成し、マンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌(メチロトローフ)が生育して保持されることを特徴とする。
本発明の微生物群集の培養方法は、金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理用の微生物群集であって、前記廃水は、二価マンガンを含有し、好気条件で無機性炭素を供給して培養され、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しなくても、水中の二価マンガンを酸化してマンガン酸化物を生成し、マンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌(メチロトローフ)が生育して保持されることを特徴とする。
本発明の微生物群集の培養方法は、金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理用の微生物群集の培養方法であって、坑道内廃水路に堆積したマンガン酸化物を含有するスラッジを採取し、前記スラッジを植種源として、前記微生物群集を、二価マンガンを含み、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを含まない培地により、暗所又は明所にて、好気条件で無機性炭素を供給して培養し、マンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌(メチロトローフ)が生育して保持させることを特徴とする。
本発明の微生物群集の培養方法は、前記二価マンガンの濃度を70mg/L以下となるように添加して培養することを特徴とする。
本発明の微生物群集の培養方法は、pH6〜8に調整した培地で培養することを特徴とする。
本発明の微生物群集の培養方法は、前記無機性炭素の炭素源として、重炭酸塩、炭酸塩、及び二酸化炭素ガスからなる群のいずれか一つ又は任意の組み合わせを添加することを特徴とする。
本発明の微生物群集の培養方法は、前記重炭酸塩は、重炭酸ナトリウムであることを特徴とする。
本発明の微生物群集の培養方法は、バーネス鉱(δ−MnO2)を添加して培養することを特徴とする。
本発明の廃水処理方法は、金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理方法であって、前記廃水は、溶存マンガンを含有し、前記廃水処理槽中に保持され、好気条件で無機性炭素を供給して培養され、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しなくても、前記廃水中の二価マンガンを酸化してマンガン酸化物を生成し、マンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌(メチロトローフ)が生育して保持される微生物群集を前記廃水と接触させ、不溶性のマンガン酸化物を沈積させることを特徴とする。
本発明の廃水処理方法は、微生物が付着する担体を水処理装置内に充填し、前記微生物群集を担体表面で増殖させることを特徴とする。
本発明の廃水処理方法は、前記金属イオンは、亜鉛、銅、カドミウム、鉛、ニッケル、コバルト、及び砒素のいずれか又は任意の組み合わせを含み、前記微生物群集により生成される前記マンガン酸化物に吸着させることにより前記金属イオンを前記廃水中から除去することを特徴とする。
本発明の廃水処理方法は、金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理方法であって、前記廃水は、溶存マンガンを含有し、前記メチル栄養細菌と前記マンガン酸化細菌とを共培養することを特徴とする。
本発明の廃水処理方法は、前記メチル栄養細菌は、Methylibium属及びMethyloversatilis属のいずれか又は二種以上からなることを特徴とする。
本発明の廃水処理方法は、前記メチル栄養細菌は、Methylibium sp. R1−5株(NITE AP−03266)及びMethyloversatilis sp. R1−7株(NITE AP−03267)のいずれか又は両方であることを特徴とする。
本発明によれば、二価マンガンを含有する廃水を保持する廃水処理槽中に、有機性基質、メタン、アンモニウムイオンを供給しなくても、廃水中の二価マンガンを酸化してマンガン酸化物を生成する微生物群集を好気条件で培養することで、外部から有機性基質を添加しなくても安定的かつ高効率でマンガンを酸化する廃水処理装置を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る廃水処理装置及び担体の概略図及び写真である。 本発明の実施例1に係る二価マンガン濃度の測定のグラフである。 本発明の実施例1に係る重炭酸ナトリウム添加の効果測定のグラフである。 本発明の実施例1に係る微生物によるマンガン酸化作用の測定を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る微生物群集の透過型電子顕微鏡による観察結果を示す写真である。 本発明の実施例1に係る微生物群集による炭酸固定の測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例2に係る微生物群集によるマンガン酸化に及ぼすpHの影響の試験結果を示すグラフである。 本発明の実施例2に係るバーネス鉱の添加効果を示すグラフである。 本発明の実施例3に係る石灰石を担体に使用した廃水処理装置による廃水処理試験結果を示すグラフである。 本発明の実施例3に係る紐状接触材を担体に使用した廃水処理装置による廃水処理試験結果を示すグラフである。 本発明の実施例3に係る坑廃水の処理試験の結果を示すグラフである。 本発明の実施例4に係るメチル栄養細菌R1−5株の16S rRNA遺伝子配列に基づく分子系統分類の系統樹の図である。 本発明の実施例4に係るメチル栄養細菌R1−7株の16S rRNA遺伝子配列基づく分子系統分類の系統樹の図である。 本発明の実施例4に係るメチル栄養細菌とマンガン酸化細菌(アルファ−プロテオバクテリア綱U9−1i株)の共培養によるマンガン酸化物の生成の試験結果を示すグラフである。
<第一実施形態>
(廃水処理装置1の構成)
本発明の発明者は、上述の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを含まない培地で回分培養を繰り返しても、安定してマンガン酸化が進行する微生物群集を取得し、さらにマンガン含有水と接触させることにより、効率よくマンガン除去が行えることを見出し、本発明を完成させた。
図1(a)に、本発明の第一実施形態に係る本発明の廃水処理装置1の概念図、概略断面図、及び正面図の写真の一例を示す。廃水処理装置1は、休廃止鉱山の坑廃水等のマンガン含有の廃水の水処理(廃水処理)を行う装置である。
廃水処理装置1は、金属イオンの含まれる廃水を含む廃水槽2から、ポンプ3を介して廃水処理槽10に廃水が流入される。ここで、本実施形態の金属イオンは、マンガンの他に、亜鉛、銅、カドミウム、鉛、ニッケル、コバルト、砒素等のいずれか又は任意の組み合わせを含む。
廃水処理槽10は、担体11が充填され、空気が供給される好気的条件(以下、「好気条件」という。)で後述する微生物群集が培養されるように構成されている。このため、廃水処理槽10は、エアポンプ等で下部から曝気空気Aで曝気される。
廃水処理槽10で処理された廃水は、排出孔Dから排出され、その後の処理が行われる。
本実施形態においては、廃水処理槽10に、無機性炭素が供給される。この無機性炭素は、例えば、曝気空気Aに含まれる大気中のCO2、重炭酸イオンを含む廃水の流入等により供給される。さらに、廃水処理槽10に投入される担体11に石灰石を使用する場合は、この石灰石の構成成分である炭酸カルシウムCaCO3自体が、無機性炭素として供給される。これに加えて、曝気空気AにCO2を付加して供給してもよい。
図1(a)の例では、石灰石11aを担体として用いている。
担体11は、微生物付着用の担体である。担体11の表面で、微生物群集を生育させることによって、接触酸化処理により、廃水処理を行うことが可能となる。この微生物群集により、二価マンガンが酸化され、マンガン酸化物のスラッジSが沈積する。
図1(b)は、本実施形態の担体11として用いる、石灰石11a、プラスチック製の紐状接触材11bの例を示している。
(微生物群集)
本発明を実施するための微生物群集の形態は、廃水処理槽10中に保持され、好気条件で培養され、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しなくても、廃水中の二価マンガンを酸化してマンガン酸化物を生成する微生物の集合(微生物群集)である。
ここで、本実施形態において添加しない有機性基質は、グルコース、有機酸、タンパク質消化物、メタノール等、微生物の培養時に一般的に添加する各種の化合物を含む。
さらに、本実施形態においては、微生物群集内で有機性基質を産生させ得る、独立栄養生物の基質となるメタン、アンモニウムイオン、亜硝酸イオン、第一鉄イオン、硫黄並びに還元型硫黄化合物、及び水素ガス等を含む各種の化合物も添加しなくてもよい。
本実施形態の微生物群集は、微生物の植種源として、例えば、実施例にあるように国内の休止鉱山の坑道内廃水路に堆積したマンガン含有の坑内スラッジを使用し、これを後述する条件で、有機性基質を添加しないで培養することで作製することが可能である。または、この植種源は、坑内スラッジ以外の水や土壌等環境試料等でもよく、特定の植種源に限定されない。
本実施形態の微生物群集では、上記の有機性基質を添加せずに、微生物群集内でマンガン酸化細菌及び/又はメチル栄養細菌が生育して安定に保持することができる。
自然環境中に生息するマンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌は多様であるため、水や土壌等環境試料を植種源とする場合、特定の種類のマンガン酸化細菌及び/又はメチル栄養細菌を選択的に生育させることは一般的に困難である。
したがって、本実施形態の微生物群集として保持されるマンガン酸化細菌及び/又はメチル栄養細菌は特定の種類に限定されるものではない。さらに、単一種であっても、二種以上が混在したものであってもよい。
具体的には、本実施形態のマンガン酸化細菌は、一例として、アルファ−プロテオバクテリア綱に属するU9−1i近縁種及びPedomicrobium australicum等を含んでいてもよい。
本実施形態のメチル栄養細菌は、Hyphomicrobium属、Methyloversatilis属、Methylibium属、Methylophilaceae科、Methylotenera属、Methylobacter属等を含んでいてもよい。
さらに、本実施形態の微生物群集は、暗所で炭酸固定により有機物を一次生産することを特徴とする。このように、本実施形態の微生物群集は、光照射を必要としないこと、及びアンモニウムイオン、亜硝酸イオン、第一鉄イオン、還元型硫黄化合物、水素ガスといった特定の基質を添加しないことから、従来の光合成生物、又は硝化細菌、鉄酸化細菌、硫黄酸化細菌、水素酸化細菌等の独立栄養生物とは明確に異なる機能をもつため、当業者に区別可能である。
より具体的には、本実施形態の微生物群集内では、メチル栄養細菌が優占していてもよい。これにより、有機性基質を付加しなくても、廃水等に含まれる無機性炭素を基に、メチル栄養細菌が栄養源となり、マンガン酸化細菌を生育させることが可能となる。この微生物群集の各微生物の割合等は、取得された植種源に含まれる微生物の初期の割合、及び、培養時並び廃水処理時に、処理する廃水のpH、温度、含まれる成分等の状態により最適化され得る。
(微生物群集の培養方法)
二価マンガンを添加した培地に上述の植種源を懸濁させ、室温付近で穏やかに振とう培養することにより、微生物群集を作製する。このとき、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンといった特定の基質を添加しなくてもよいものの、上述の無機性炭素を供給する。さらに、下記で説明するように、pH緩衝剤を培養液に加えてもよい。培養液上清中の二価マンガン濃度が減少したら、静置してマンガン酸化物を含む培養物を沈降させ、デカンテーションにより上清を除去した後に、二価マンガンを含む新鮮な培地に再懸濁して回分培養を繰り返すことによって、微生物群集を安定に継代維持することができる。これにより、微生物群集を製造することが可能となる。
本実施形態のpH緩衝剤として、例えば、後述の実施例示すように、使用する培地にHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)又はPIPES(ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸))を40mM程度の濃度になるように添加してもよい。HEPES及びPIPESは、マンガン酸化細菌の基質にはならず、マンガン酸化細菌の培養で汎用されているため好適である。
なお、培養液のpHを適切に保つことができれば、pH緩衝剤の添加をしなくてもよい。さらに、HEPES及びPIPES以外のpH緩衝剤を用いることも可能である。
培養方法における二価マンガンの供給方法としては、硫酸マンガン、塩化マンガン等の二価マンガン塩として添加し、溶存マンガンイオンの形態で供給することが可能である。二価マンガンの添加濃度は、培養開始初期は10〜20mg/L程度とし、微生物群集の集積が進むにつれて徐々に添加濃度を増加させると好適である。しかし、50mg/Lを超えるとマンガン酸化能力が頭打ち、もしくは低下するため、50mg/Lを超えないことが望ましい。
培養液のpHが6ではマンガン酸化が進行するがpH6を下回るとマンガン酸化能力が見られなくなること、及びpHが8を超えると一般的に非生物的なマンガン酸化反応が進行しやすくなることから、微生物群集を効果的に培養するためには、pHを6から8の範囲で保つことが好適である。
本実施形態の微生物群集は、無機性炭素を炭素源(無機性炭素源)として有機物を生産する。このため、培養時に重炭酸ナトリウム(NaHCO3)を200mg/L程度添加すると効果的である。無機性炭素源となり得る他の重炭酸塩、炭酸塩も同様の効果が得られる。加えて、無機性炭素源として、曝気空気中に二酸化炭素ガス(CO2)を添加することも可能である。これらの添加により、無機性炭素の少なくとも一部が供給されてもよい。
なお、大気からの二酸化炭素の溶け込み及び微生物群集内の有機物分解によっても二酸化炭素が供給されるため、本実施形態の微生物群集の培養において、重炭酸イオンの添加は、必ずしも必須ではない。
本実施形態の微生物群集の培養液に、マンガン酸化物鉱物であるバーネス鉱(δ−MnO2)を添加してもよい。このようにバーネス鉱を添加しても、マンガン酸化細菌による二価マンガンの酸化は継続的に進行する。加えて、バーネス鉱には二価マンガンの吸着作用も見込めるため、バーネス鉱を添加して培養することで、より効率的に二価マンガンを除去することができる。
添加するバーネス鉱は、同様の層状構造をもつのであれば、天然物、化学合成品、微生物の培養で生成したもの、のいずれでもよい。
(廃水処理方法)
上述の廃水処理装置1により、微生物群集にマンガン含有水を接触させることによって、有機性基質やアンモニウムイオンを添加せずにマンガンを酸化物として不溶化し除去する。
廃水処理槽10に導入する微生物群集は、上記培養方法によって別の場所で培養したものを用いることが可能である。または、上述の植種源を直接、廃水処理槽10に入れ、処理槽内で培養してもよい。さらには、微生物が含まれる廃水の場合は、廃水が植種となり得るため、処理槽に通水しながら培養することで、微生物群集を直接作製することも可能である。
培養された微生物群集は、マンガン酸化物を含み沈降性に優れた粒子態として存在するため、担体11を使用しなければ、曝気撹拌を伴う浮遊生物処理法となる。
微生物群集によるマンガン酸化反応は好気条件で起こるため、廃水中の溶存酸素が不足する場合は溶存酸素を付加することで効果的にマンガンを除去回収することが可能である。溶存酸素の付加方法としては、廃水処理槽10の下部からの曝気を行うことが可能である。または、溶存酸素を十分量確保できるのであれば、流入水を爆気しても同様の効果が得られる。
廃水処理装置内のpHは中性であることが好適であり、pH6から8の範囲を超える場合にはアルカリ又は酸によりpH調整を行うことが望ましい。
廃水を上記条件下で廃水処理槽に連続式で通水、もしくは回分式で通水することにより、溶存マンガンを不溶性酸化物として析出させ、水中のマンガン濃度を低減することが可能となる。
マンガン酸化細菌が作るマンガン酸化物はバーネス鉱に類似した結晶構造をもち、各種の金属イオンを吸着する。この金属イオンは、上述のように、亜鉛、銅、カドミウム、鉛、ニッケル、コバルト、及び砒素のいずれか又は任意の組み合わせを含む。このため、マンガン酸化物に吸着するこれらの金属イオンが混在する廃水では、マンガン酸化物を形成させて二価マンガンを除去しながら、これらの金属イオンも除去することも可能となる。
なお、重金属を含むこの他の金属イオンも、本実施形態のマンガン酸化物により除去可能である。
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
従来、特許文献1に記載されたように、マンガン酸化菌が作り出すマンガン酸化物は、金属イオンの吸着能力が高いため、マンガン酸化菌を利用した有害金属やニッケル、コバルト等有用金属の回収方法も提案されている。
しかしながら、従来のマンガン酸化菌の培養方法やマンガン酸化菌を利用した廃水処理では、マンガン酸化菌を産業利用する場合、糖質、有機酸、タンパク質消化物等の有機性基質の供給が大きな課題であった。これは、鉱山等の廃水処理では、有機性基質の添加そのものにコストがかかり、更に、添加した有機性基質が余剰に残存しないように、添加量を精密に制御することも必要になるため、維持管理コストの増大を招くためである。コスト及びマンガン除去効率の面で満足できる技術は確立されていなかった。
このため、外部から有機性基質を添加しなくても安定的かつ高効率でマンガンを酸化する微生物を取得し、これを利用して水処理技術を開発することが望まれていた。
これに対して、本発明の第一実施形態に係る廃水処理装置1では、グルコース、有機酸、タンパク質消化物、メタノール等の有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを外部から添加することなく、マンガンを酸化してマンガン酸化物を生成する微生物群集が取得できる。この微生物群集を使用することにより、マンガン含有水からマンガン、亜鉛、銅、カドミウム、鉛、ニッケル、コバルト、砒素等の金属イオンを効率よく除去できるようになる。基質を添加しないため水処理の維持管理コストを大幅に削減できる。さらには、基質の供給装置の設置を必要とせず、基質供給の制御も不要となるため、簡易な工程で処理が行えるようになる。
なお、上述の第一実施形態では、廃水槽2から直接、廃水処理装置1へ廃水を送るように記載した。
しかしながら、廃水処理槽10の前段に人工湿地や木材チップ充填槽等を設置して、二価マンガンを処理しやすくしてもよい。
上述の第一実施形態では、担体11として、石灰石11a又は紐状接触材11bを用いる例について記載した。しかしながら、担体11は、微生物が表面で付着して増殖できればよく、特定の形状、材質の担体に限定されない。
さらに、廃水処理装置1の各構成要素は、廃水の処理の規模、廃水中の各金属イオンやその他の物質の含有量等に応じて適切な規模、流量等に設定可能である。また、廃水は、連続式で通水、又は回分式で通水するように構成することが可能である。
上述の第一実施形態においては、植種源として、坑内スラッジを使用した例について記載した。
ここで、本発明者らの予備試験によると、坑内スラッジとして、国内の異なる二箇所の休止銅鉱山の複数のスラッジを用いたところ、結果として、マンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌を含み、メチル栄養細菌が優占となる点では同様の、当業者に再現可能な微生物群集を作製可能であった。このため、例えば、鉱山やマンガンを多く含む土壌、河川、湖沼等、マンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌を含む植種源であれば、いずれも使用可能である。
<第二実施形態>
上述の第一実施形態においては、メチル栄養細菌とマンガン酸化細菌を含有する微生物群集を取得し、廃水処理に使用した。
ここで、本発明者らの試験によると、後述する実施例4に示すように、微生物群集から単離したメチル栄養細菌とマンガン酸化細菌を共培養することによって、有機性基質やアンモニウムイオンを添加せずにマンガンを酸化物として不溶化することが可能であった。すなわち、本実施形態においては、微生物群集そのものを取得、培養するのではなく、メチル栄養細菌とマンガン酸化細菌とを共培養することで、溶存マンガンを含有する廃水を処理する廃水処理方法に用いることが可能である。または、上述の第一実施形態の微生物群集に、本実施形態のメチル栄養細菌とマンガン酸化細菌とを共培養したものを加えることにより、マンガンを酸化物として不溶化し、マンガン含有水を処理する廃水処理方法に用いることが可能である。
ここで、本実施形態においては、メチル栄養細菌がMethylibium属、Methyloversatilis属のいずれかの1種又は2種以上からなることを特徴とする。このうち、メチル栄養細菌Methylibium sp. R1−5株及びMethyloversatilis sp. R1−7株のいずれか1種を用いることが可能である。これらは、本実施形態において、単離された細菌である。メチル栄養細菌Methylibium R1−5株は、2020年 8月21日に独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)に寄託されており、その受領番号はNITE AP−03266である。また、Methyloversatilis sp. R1−7株も、2020年 8月21日に独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)に寄託されており、その受領番号はNITE AP−03267である。
また、マンガン酸化細菌としては、下記の実施例4で示すようなアルファ−プロテオバクテリア綱U9−1i株を用いることが可能である。
これらの菌を共培養し、上述の第一実施形態の廃水処理槽に投入することにより、無機性炭素源を用いて効率的にマンガン酸化を行わせることが可能である。さらに、第一実施形態の微生物群集に、これらの菌を加えて、マンガン含有水の処理効率を高めることも可能である。
なお、本実施形態のメチル栄養細菌及びマンガン酸化細菌は、R1−5株、R1−7株、U9−1i株でなくても同様の効果が得られればよく、これらの3種の菌株に限定されるものではない。
次に、以下において、本発明を具体的に実施例として説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(微生物群集の取得及び培養)
国内の休止鉱山の坑道内廃水路に堆積したマンガン含有の坑内スラッジを採取し、微生物の植種源とした。
滅菌した培養液200mLを三角フラスコにとり、植種源を懸濁物濃度が1.7g/Lとなるように懸濁させた。
下記の表1に、この培養液(培地)の組成を示す。
Figure 2021045121
この培養液に、フィルター滅菌した重炭酸ナトリウム溶液及び硫酸マンガン溶液(Mn2+)を所定の濃度で添加し、17〜19℃で穏やかに振とう培養を行った。pHは7.5に設定した。なお、全ての培養試験は、光合成の影響を排除するために、暗所で行った。
培養液上清の溶存二価マンガンの減少が確認された後、培養液を静置してマンガン酸化物を含む培養物を自然沈降させた。デカンテーションにより上清を除去した後、培養物を再度新鮮な培地に懸濁し、回分培養を繰り返した。
(二価マンガン濃度の測定)
培養液上清の溶存二価マンガンの残存量は、ホルムアルドキシム試薬を用いた比色法(日本分析化学会北海道支部編、水の分析 第5版、p220−222、化学同人)、又は誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法で定量した。マンガン以外の溶存金属イオンはICP発光分析法で定量した。
図2は、上述の休止鉱山の坑内スラッジを植種した回分培養における二価マンガンイオン濃度の経時変化を測定した結果を示す。横軸は培養時間(日)、縦軸は二価マンガン(Mn2+)の濃度(mg/L)を示す。黒丸は重炭酸ナトリウム(NaHCO3)を添加したものの結果を、白丸は無添加のものの結果を示す。
二価マンガンの添加濃度を20mg/Lに設定して回分培養を開始した結果、培養液上清の二価マンガンは時間経過とともに減少した。
二価マンガンの添加濃度を上昇させながら培養を繰り返し、二価マンガンの減少が継続して起こることを確認した。培養液中に黒色懸濁物が蓄積すること、マンガン酸化物と反応して青色を呈するロイコベルベリンブルー試薬との反応が陽性であったことから、マンガン酸化によって二価マンガンが減少したと判断された。
さらに、200mg/Lの重炭酸ナトリウムを添加した培地で上記回分培養試験を行った結果、同様にマンガン酸化の進行が認められた。
(重炭酸ナトリウム添加の効果)
図2の結果を基に、二価マンガン添加濃度がマンガン酸化に及ぼす影響を調べた。図3にその結果を示す。
図3は、微生物群集によるマンガン酸化に及ぼす二価マンガンと重炭酸ナトリウムの影響を示すグラフである。図3の横軸は硫酸マンガン溶液(Mn2+)の添加濃度(mg/L)、縦軸は二価マンガンの酸化速度(mg/L/時)を示す。黒丸は重炭酸ナトリウム(NaHCO3)を添加したものの結果を、白丸は無添加のものの結果を示す。
結果として、重炭酸ナトリウム添加の有無にかかわらず、二価マンガンが20〜40mg/Lの範囲では添加濃度の増加とともに酸化速度は増加していたが、50mg/Lを超えると頭打ち、もしくは低下していた。重炭酸ナトリウムの有無で比較すると、特に二価マンガン添加濃度が20〜40mg/Lの範囲では、重炭酸ナトリウムを添加した方がマンガン酸化速度は速く、重炭酸ナトリウムの添加効果が確かめられた。
(微生物によるマンガン酸化作用)
次に、マンガン酸化は微生物作用以外でも生じることがあるため、上記培養液を失活させてマンガン酸化の試験を行い、確かに微生物作用によることを確認した。
図4は、微生物群集によるマンガン酸化に及ぼす熱処理とアジ化ナトリウムの影響を示すグラフである。図4の横軸は、培養時間(時)、縦軸は二価マンガン(Mn2+)の濃度(mg/L)を示す。黒丸はコントロール(無処理)、白丸は得られた培養物を70℃で10分間加熱して失活させたもの、×印は毒物であるアジ化ナトリウム(NaN3)を50mMとなるように添加したものである。それぞれについて、2連で回分培養試験を行った。
両系列において、回分培養1回目は少量の二価マンガンの減少がみられたが、培養2回目及び3回目では、ほとんど減少しなかった。これらの結果から、回分培養で繰り返し見られるマンガン酸化反応は、微生物作用によることが確かめられた。
上記の回分培養で得られた培養物(微生物群集)について、2%グルタールアルデヒド/0.1Mリン酸緩衝液と2%四酸化オスミウムで固定した後、エタノールによる脱水、エポキシ樹脂による包埋を行い、ウルトラミクロトームで80〜90nmの超薄切試料を作製して透過型電子顕微鏡観察を行った。
図5に、この結果を示す。フィラメント状又はシート状のマンガン酸化物構造体とともに複数の微生物細胞が観察され、微生物が生育していることが確かめられた。
(微生物群集の細菌叢解析)
次に、回分培養で得られた培養物(微生物群集)が、どのような菌からなるのかを確認するため、次世代シーケンサーで細菌叢解析を行った。
具体的には、回分培養で得られた培養物に、100mMアスコルビン酸溶液を1mL添加し、ボルテックスで5分間撹拌してMn酸化物を溶解した。Mn酸化物溶解後の試料全量を土壌DNA抽出キット(株式会社ニッポン・ジーン、商品名:ISOIL for Beads Beating)を用いてDNAを抽出した。なお、DNA抽出は付属のマニュアルに従った。次世代シーケンサーMiSeq(Illumina社)用のアダプター配列を連結した真正細菌に特異的なプライマーセット(http://www.earthmicrobiome.org)(515F:5’−GTGCCAGCMGCCGCGGTAA−3’、806R:5’−GGACTACHVGGGTWTCTAAT−3’)によりPCR増幅を行った。PCRは、DNAポリメラーゼ(タカラバイオ株式会社製、商品名:Ex Taq)を用いてサーマルサイクラー(ThermoFisher Scientific社製、装置名:SimpliAmp Thermal Cycler)により行った。反応液の総量は40μLとし、組成はEx Taq付属のマニュアルに従った。PCR産物をDNA精製試薬(Beckman Coulter社製、商品名:AMpure XP)で精製後、フルオロメーター(ThermoFisher Scientific社製、装置名:Qubit)で定量後に各サンプルを同濃度で混合した。混合したPCR産物は、自動DNA断片ゲル抽出装置(Sage Science社製、装置名:BluePppin)で再度精製してアンプリコン解析用のライブラリーとした。調製したライブラリーはシーケンサー(Illumina社製、装置名:MiSeq)により配列を決定した。得られた配列は、Claident v0.2(https://www.claident.org)を用いて分子系統学的に分類した。
下記の表2は、回分培養で得られた3つの培養物(A〜C)について、次世代シーケンサーによる細菌叢解析を行った結果を示す。
Figure 2021045121
結果として、マンガン酸化細菌として、アルファ−プロテオバクテリア綱に属するU9−1i近縁種及びPedomicrobium australicumが検出された。また、微生物群集内でメチル栄養細菌が優占しており、Hyphomicrobium属、Methyloversatilis属、Methylibium属、Methylophilaceae科、Methylotenera属、Methylobacter属の細菌が検出された。
(微生物群集による炭酸固定)
次に、微生物群集が、無機性炭素を炭素源として有機物を生産することを、炭酸固定の有無により確認した。
表1の培地に、55mg/Lの二価マンガン及び炭素安定同位体(13C)で標識した13C標識重炭酸ナトリウム(13C−NaHCO3)200mg/Lを添加し、暗所で培養試験を行った。なお培養器には、大気からの二酸化炭素の混入を避けるためにブチルゴム栓で密閉したガラスバイアル瓶を用いた。所定時間培養後に、培養物をデカンテーションにより回収し、その後十分に水洗してから希塩酸(1N)に一晩浸漬した。その後、精製水で十分に洗浄し、残存する重炭酸塩等無機性炭素を除去してから凍結乾燥した。この試料に含まれる炭素は有機性炭素とみなすことができるため、取り込まれた13Cを安定同位体質量分析計で定量することにより、微生物群集による炭酸固定量を評価した。
図6は、上述の培養試験の結果を示すグラフである。横軸は、培養時間(日)、縦軸は炭酸固定量(13C/12C値)を示す。黒丸は微生物群集に重炭酸ナトリウム(13C−NaHCO3)を加えたもの、白丸はコントロールとして毒物であるアジ化ナトリウム(NaN3)を加えたもの、×印はコントロールとして13C標識重炭酸ナトリウムを加えなかったものについての結果を示す。
日数の経過とともに微生物群集の13C/12C値が直線的に増加し、微生物群集によって重炭酸イオンが取り込まれ、暗所で微生物群集による炭酸固定が起こることが分かった。一方、毒物であるアジ化ナトリウムを添加した培養液及び13C標識重炭酸を添加しなかった培養液では、13Cの増加は全く認められず、13C/12C値は天然存在比(0.0108)と一致したままであった。これらの結果から、微生物群集が暗所で炭酸固定を行うことが確かめられた。
(微生物群集によるマンガン酸化に及ぼすpHの影響)
表1の培地のHEPES緩衝液のpHを7.2〜7.8の範囲で変えた培地を作製し、培養液による二価マンガンイオンの酸化に及ぼすpHの影響を調べた(2連)。この培養試験では、重炭酸ナトリウムを添加せずに行った。
また、表1の培地のHEPES緩衝液をPIPES緩衝液(濃度40mM)に変え、pHを5.5〜7.0に調整した培地を作製し、低pH条件の影響を調べた(1連)。
図7(a)は、pH7.2〜7.8の培地で試験した試験の結果を示すグラフである。横軸は培養時間(時)、縦軸は二価マンガン(Mn2+)の濃度(mg/L)を示す。
結果として、pH7.2では二価マンガンイオンの減少速度が大きく低下するものの、pH7.2〜7.8の範囲ではマンガン酸化が進行することが分かった。
図7(b)は、pH5.5〜7.0の培地で試験した結果を示すグラフである。グラフの時間、スケール等は、図7(a)と同様である。
結果として、pH5.5では二価マンガンの酸化が観察されなかったが、pH6以上では二価マンガンの酸化が観察された。特に、pH6.5以上では、酸化が速やかに進行していた。
図7(a)並びに図7(b)の結果より、pH6〜8、より好ましくはpH6.5〜8の条件において、本実施例の微生物群集を効果的に培養できることが確かめられた。
(バーネス鉱の添加効果)
次に、マンガン酸化物鉱物であるバーネス鉱(δ−MnO2)の添加とマンガン酸化に及ぼす影響について試験した。
低結晶性のバーネス鉱(acid birnessite)を既報に従って化学合成した(M.Villalobos et al.,Geochim.Cosmochim.Acta,67, 2649−2662(2003))。この合成バーネス鉱(マンガン酸化物)を250mg/Lとなるように培地に添加し、回分培養を行った。
図8は、この試験の結果を示すグラフである。横軸は培養時間(時)、縦軸は二価マンガン(Mn2+)の濃度(mg/L)を示す。黒丸は微生物群集を加熱処理をせず(無処理)に合成バーネス鉱を添加したもの、白丸はコントロールであり、微生物群集を加熱処理(70℃、10分間)して失活させてから合成バーネス鉱を添加したものの結果を示す。
バーネス鉱を添加し、加熱処理せずに回分培養を繰り返した場合、二価マンガンの減少が見られ、マンガン酸化は進行することが示された。つまり、加熱処理していない培養液では、二価マンガンの減少が継続していたことから、バーネス鉱存在下、微生物群集による生物的なマンガン酸化作用が進行することが確かめられた。
一方、加熱処理した培養液にバーネス鉱を添加した場合は、培養1回目では二価マンガンイオン濃度は大きく減少したが、培養2回目以降は減少量が急激に低下した。この現象について、バーネス鉱は二価マンガンの吸着能力が大きいことから培養1回目では吸着作用により二価マンガンが減少したが、このときマンガン酸化物の吸着容量に達したため、培養2回目以降は二価マンガンイオン濃度の減少がみられなくなったと解釈できる。
(廃水処理装置1による廃水処理試験)
本発明の廃水処理方法に関して、図1に示す廃水処理装置1の一例として、縦19cm、横33cm、高さ12cmの直方体プラスチック製コンテナを廃水処理槽10として使用してベンチスケールの廃水処理装置1を作製して効果を検証した。この中に、エアポンプで曝気するために散気球を2ヶ所設置した。
その後、図1(b)と同様の直径20〜30mm程度の石灰石11aを、微生物を付着させる担体11として9kg充填した(有効容積3L)。
また、図1(b)と同様の市販のポリ塩化ビニリデン製の紐状接触材11b(TBR株式会社製、PV−45)100gを、微生物を付着させる担体11として充填した廃水処理装置1も作製した。
これらにおいて、廃水は本装置の前方から流入させ、後方から越流により流出する構造とした。
本試験では、下記の表3に示す組成の模擬廃水、及び国内の休止鉱山で発生した実際の鉱山坑廃水を使用した。
Figure 2021045121
模擬廃水のpHは無調整で、常時、pH7.0以上8.0未満の範囲内にあった。
坑廃水の水質は、pH6.8、電気伝導度106mS/m、有機性炭素1mg/L、アンモニウム性窒素0.1mg/L以下、溶存マンガン18mg/L、溶存亜鉛6.1mg/L、溶存鉄0.2mg/Lであった。
(模擬廃水の処理試験)
上述の廃水処理槽を模擬廃水で満たしてから、微生物の植種源として、坑道内廃水路に堆積したマンガン含有の坑内スラッジを、乾重で20g相当量を投入し、送液ポンプで流入を開始した。光合成の寄与を排除するため、全ての処理試験は暗所で行った。処理槽内の水温は17〜18℃、pHは7.0〜8.0の範囲内で推移していた。流入水及び処理水の溶存マンガン濃度はホルムアルドキシム試薬を用いた比色法かICP発光分析法で、溶存亜鉛濃度はICP発光分析法で定量した。
図9は、石灰石11aを微生物付着用の担体11として使用した廃水処理装置1における、模擬廃水からのマンガン及び亜鉛の除去を示すグラフである。上のグラフは二価マンガン(Mn2+)の結果、下のグラフは二価亜鉛(Zn2+)の結果である。横軸は運転時間(日)、縦軸はMn2+又はZn2+の濃度(mg/L)を示す。黒丸は廃水処理槽10へ流入時の濃度、白丸は流出時の濃度を示す。
石灰石11aを投入した廃水処理槽10において、硝酸ナトリウムを含む模擬廃水を水理学的滞留時間(HRT)3日で通水した結果、処理水の溶存マンガン及び溶存亜鉛はそれぞれ排水基準10mg/L、2mg/L以下まで除去された。
その後、HRTを2日に短縮し、さらに硝酸ナトリウムを含まない廃水に変更したが、水質の低下は見られず、さらにHRT1日での処理も可能であることが示された。この処理試験の過程で、処理槽内の石灰石表面に黒色のマンガン酸化物のスラッジSが沈積した。
図10は、紐状接触材11bを微生物付着用の担体11として使用した廃水処理装置1における、模擬廃水からのマンガン及び亜鉛除去を示す図である。グラフの種類、時間、スケール等は、図9と同様である。
紐状接触材11bを投入した処理槽において、硝酸ナトリウムを含む模擬廃水をHRT3日で通水した結果、処理水の溶存マンガン及び溶存亜鉛は徐々に低下し、それぞれ廃水基準値以下まで除去された。
その後、HRTを2日に短縮し、さらに硝酸ナトリウムを含まない廃水に変更したが、水質の大きな低下は見られず、さらにHRT1日での処理も可能であることが示された。この処理試験の過程で、紐状接触材11bにマンガン酸化物のスラッジSが沈積した。
これらの試験結果から、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しない条件において、微生物群集を用いてマンガン及びマンガンと混在する亜鉛を水中から効率よく除去できることが確かめられた。
(微生物群集の細菌叢解析)
石灰石11a又は紐状接触材11bを微生物付着用の担体11とした上記廃水処理で生成したマンガン酸化物のスラッジSについて、次世代シーケンサーによる細菌叢解析を行った。この結果を、下記の表4に示す。
Figure 2021045121
回分培養で得られた微生物群集と同様に、マンガン酸化細菌として、アルファ−プロテオバクテリア綱に属するU9−1i近縁種及びPedomicrobium australicumが検出された。さらに、メチル栄養細菌が優占しており、Hyphomicrobium属、Methyloversatilis属、Methylibium属、Methylophilaceae科の細菌が検出された。
この結果から、マンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌を含む微生物群集が、それぞれ、担体11の表面で生育して保持されていたことが示された。
(坑廃水の処理試験)
図11は、石灰石11aを微生物付着用の担体11として使用した処理槽における、坑廃水からのマンガン及び亜鉛の除去を示すグラフである。グラフの種類、時間、スケール等は、図9及び図10と同様である。なお、運転時間については、図11では「運転日数(日)」と記載している。
この試験では、模擬廃水を使用した場合と同様に廃水処理装置1を使用して、10日間の試験とした。
石灰石11aを担体として投入した処理槽において、坑廃水をHRT1日で通水した結果、処理水の溶存マンガン及び溶存亜鉛はそれぞれ高い効率で除去されていた。
このことから、有機性炭素及び窒素成分をほとんど含まない実際の坑廃水でも、本実施例の微生物群集により高効率で処理できることが示された。
(微生物の単離)
実施例3に示した、模擬廃水(表3)を連続通水した石灰石処理槽から、石灰石上に付着したスラッジを回収した。これをオートクレーブ滅菌した無機塩培地(表1)で適宜希釈した後、同培地に二価マンガン5mg/Lと0.3%寒天又はゲランガムを添加した平板培地に塗抹した。そして、温度25℃、CO2濃度2%に設定したCO2インキュベーター内で静置培養し、平板培地上に出現した細菌のコロニーを収集した。
こうして2つの細菌株、R1−5株及びR1−7株を単離した。
添付する配列表の配列1として、R1−5株の16SrRNA遺伝子配列を示す。
図12に、この配列に基づく分子系統分類の結果を示す。R1−5株の配列は、既知のメチル栄養細菌Methylibium petroleiphilumの菌株と99.8%以上の相同性を有していたため、Methylibium属に帰属することができた。本菌株は、Methylibium sp. R1−5株と同定した。
添付する配列表の配列2として、R1−7株の16S rRNA遺伝子配列を示す。
図13に、この配列に基づく分子系統分類の結果を示す。R1−7株の配列は、既知のメチル栄養細菌Methyloversatilis discipulorumの菌株と99.5%以上の相同性を有し、他のMethyloversatilis属の菌株とも99.0以上の相同性を有していた。このため、本菌株はMethyloversatilis属に帰属され、Methyloversatilis sp. R1−7株と同定した。
両菌株とも、上記の平板培地上で単独で培養すると、マンガン酸化物を生成しなかった。
(マンガン酸化試験)
単離したメチル栄養細菌とマンガン酸化細菌の共培養において、マンガン酸化が見られるか試験した。オートクレーブ滅菌した無機塩培地(表1)にフィルター滅菌した二価マンガン5mg/Lと重炭酸ナトリウム200mg/Lを添加した後、R1−5株又はR1−7株とマンガン酸化細菌アルファ−プロテオバクテリア綱U9−1i株とを各2連で植種した。比較のため、各菌株を単独で植種した系列も作製した(2連)。25℃で14日間振とう培養し、得られた培養液を遠心分離(14,000pm、15分)してマンガン酸化物を含む懸濁物を回収した。回収した懸濁物に10 mMヒドロキシルアミン溶液を添加してマンガン酸化物を溶解し、酸化されたマンガン量をICP発光分光分析法によって定量した。
図14に、この試験結果を示す。各菌株を単独で培養したときにも少量のマンガン酸化が見られたものの、R1−5株又はR1−7株とU9−1i株を共培養したときにマンガン酸化量は明らかに増加し、特にR1−7株とU9−1i株の共培養では顕著であった。この試験結果から、無機塩培地でのマンガン酸化において、メチル栄養細菌とマンガン酸化細菌の共培養が効果的であることが明らかであった。
結果として、好気条件で培養され、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しなくても、二価マンガンを酸化して不溶性のマンガン酸化物を生成し、水中の溶解性マンガンの除去が可能となった。
上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
1 廃水処理装置
2 廃水槽
3 ポンプ
10 廃水処理槽
11 担体
11a 石灰石
11b 紐状接触材
A 曝気空気
D 排出孔
S スラッジ

Claims (18)

  1. 金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理装置であって、
    二価マンガンを含有する廃水を保持する廃水処理槽と、
    前記廃水処理槽中に保持され、好気条件で無機性炭素を供給して培養され、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しなくても、前記廃水中の二価マンガンを酸化してマンガン酸化物を生成し、マンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌(メチロトローフ)が生育して保持される微生物群集とを含む
    ことを特徴とする廃水処理装置。
  2. 前記微生物群集が付着する担体を更に備え、
    前記担体は、前記廃水処理槽中に保持され、前記微生物群集を担体表面で増殖させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の廃水処理装置。
  3. 前記微生物群集は、
    暗所での炭酸固定によって有機物を生成させる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の廃水処理装置。
  4. 前記メチル栄養細菌は、Methylibium属及びMethyloversatilis属のいずれか又は二種以上からなる
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の廃水処理装置。
  5. 前記メチル栄養細菌は、Methylibium sp. R1−5株(NITE AP−03266)及びMethyloversatilis sp. R1−7株(NITE AP−03267)のいずれか又は両方である
    ことを特徴とする請求項4に記載の廃水処理装置。
  6. 金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理用の微生物群集であって、
    前記廃水は、二価マンガンを含有し、
    好気条件で無機性炭素を供給して培養され、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しなくても、水中の二価マンガンを酸化してマンガン酸化物を生成し、マンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌(メチロトローフ)が生育して保持される
    ことを特徴とする微生物群集。
  7. 金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理用の微生物群集の培養方法であって、
    坑道内廃水路に堆積したマンガン酸化物を含有するスラッジを採取し、
    前記スラッジを植種源として、前記微生物群集を、二価マンガンを含み、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを含まない培地により、暗所又は明所にて、好気条件で無機性炭素を供給して培養し、
    マンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌(メチロトローフ)が生育して保持させる
    ことを特徴とする微生物群集の培養方法。
  8. 前記二価マンガンの濃度を70mg/L以下となるように添加して培養する
    ことを特徴とする請求項7に記載の微生物群集の培養方法。
  9. pH6〜8に調整した培地で培養する
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の微生物群集の培養方法。
  10. 前記無機性炭素の炭素源として、重炭酸塩、炭酸塩、及び二酸化炭素ガスからなる群のいずれか一つ又は任意の組み合わせを添加する
    ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の微生物群集の培養方法。
  11. 前記重炭酸塩は、重炭酸ナトリウムである
    ことを特徴とする請求項10に記載の微生物群集の培養方法。
  12. バーネス鉱(δ−MnO2)を添加して培養する
    ことを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載の微生物群集の培養方法。
  13. 金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理方法であって、
    前記廃水は、溶存マンガンを含有し、
    前記廃水処理槽中に保持され、好気条件で無機性炭素を供給して培養され、有機性基質、メタン、及びアンモニウムイオンを添加しなくても、前記廃水中の二価マンガンを酸化してマンガン酸化物を生成し、マンガン酸化細菌及びメチル栄養細菌(メチロトローフ)が生育して保持される微生物群集を前記廃水と接触させ、
    不溶性のマンガン酸化物を沈積させる
    ことを特徴とする廃水処理方法。
  14. 微生物が付着する担体を水処理装置内に充填し、前記微生物群集を担体表面で増殖させる
    ことを特徴とする請求項13に記載の廃水処理方法。
  15. 前記金属イオンは、亜鉛、銅、カドミウム、鉛、ニッケル、コバルト、及び砒素のいずれか又は任意の組み合わせを含み、
    前記微生物群集により生成される前記マンガン酸化物に吸着させることにより前記金属イオンを前記廃水中から除去する
    ことを特徴とする請求項13又は14に記載の廃水処理方法。
  16. 金属イオンの含まれる廃水を処理する廃水処理方法であって、
    前記廃水は、溶存マンガンを含有し、
    メチル栄養細菌とマンガン酸化細菌とを共培養する
    ことを特徴とする廃水処理方法。
  17. 前記メチル栄養細菌は、Methylibium属及びMethyloversatilis属のいずれか又は二種以上からなる
    ことを特徴とする請求項13又は16に記載の廃水処理方法。
  18. 前記メチル栄養細菌は、Methylibium sp. R1−5株(NITE AP−03266)及びMethyloversatilis sp. R1−7株(NITE AP−03267)のいずれか又は両方である
    ことを特徴とする請求項17に記載の廃水処理方法。
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