JP2021044961A - モータ駆動装置およびその制御方法、光学機器 - Google Patents

モータ駆動装置およびその制御方法、光学機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2021044961A
JP2021044961A JP2019166103A JP2019166103A JP2021044961A JP 2021044961 A JP2021044961 A JP 2021044961A JP 2019166103 A JP2019166103 A JP 2019166103A JP 2019166103 A JP2019166103 A JP 2019166103A JP 2021044961 A JP2021044961 A JP 2021044961A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
motor
rotor
drive
advance angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019166103A
Other languages
English (en)
Inventor
晴滋 山本
Harushige Yamamoto
晴滋 山本
佳弘 水尾
Yoshihiro Mizuo
佳弘 水尾
真衣 中林
Mai NAKABAYASHI
真衣 中林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2019166103A priority Critical patent/JP2021044961A/ja
Publication of JP2021044961A publication Critical patent/JP2021044961A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lens Barrels (AREA)
  • Stopping Of Electric Motors (AREA)
  • Control Of Stepping Motors (AREA)

Abstract

【課題】モータ駆動装置にて減速制御をより短時間で円滑に行って、目標位置において正確にロータを停止させるモータ駆動装置を提供する。【解決手段】モータ駆動装置は、設定された周波数の駆動信号によりモータコイルへの通電を切り替えるオープンループ(OL)駆動と、ロータ磁石の位置を検出するセンサの出力に応じてモータコイルへの通電を切り替えるフィードバック(FB)駆動とが可能である。ロータの減速停止制御ではFB駆動により減速が行われ、その後、目標停止位置より手前の予め決められた位置への到達時点で、OL駆動に切り替える。【選択図】図8

Description

本発明は、モータの減速停止制御において、ロータの回転位相検出信号を用いたフィードバック駆動から、オープンループ駆動に切り替えた後、短時間かつ円滑にロータを目標停止位置で停止させる技術に関する。
モータの駆動制御方法には、起動に際して、決められた駆動周波数による同期運転を行った後、ロータ磁石の回転位相を検出するセンサの検出信号に基づいてフィードバック駆動を行う方法がある。停止の際には、フィードバック(以下、FBとも記す)駆動での減速制御の後に、同期運転モードによるオープンループ(以下、OLとも記す)駆動を行ってから、ロータを目標位置に停止させる制御が行われる。
特許文献1には、FB駆動からOL駆動へ切り替える際に生じる振動を低減するモータ駆動制御が開示されている。第1駆動手段はモータをOL駆動し、第2駆動手段はモータをFB駆動する。制御手段は、FB駆動からOL駆動に切り替える際、演算手段で算出された第2駆動手段による駆動の際の回転周波数および回転角加速度が、第1駆動手段による駆動の際の初期回転周波数および初期回転角加速度に近づくように制御する。
特開2011−97720号公報
特許文献1に開示された従来技術では、OL駆動に移行する前のFB制御において駆動速度が変動した場合、OL駆動へ移行するまでの時間が長くなる。その結果、減速開始時点から停止時点までの時間が長くかかる。また、OL駆動後にロータを停止させる際、ロータに接続された被駆動部材(例えば、レンズホルダ等の移動部材)のバウンドが発生すると、その後の待ち時間が必要となる。よって、次の制御シーケンスに移行するまでの時間がさらに長くなるという問題が発生する。
本発明の目的は、モータ駆動装置にて減速制御をより短時間で円滑に行って、目標位置において正確にロータを停止させることである。
本発明の実施形態のモータ駆動装置は、設定された周波数の駆動信号に同期してモータのオープンループ駆動を行う第1の制御と、前記モータのロータの位置を検出する検出手段から検出信号を取得して、前記モータのステータとロータとの位相関係を表す進角を決定して前記モータのフィードバック駆動を行う第2の制御とを切り替える制御を行う制御手段を有する。前記制御手段は、前記第2の制御にて前記進角を変更して前記ロータを減速させてから前記第1の制御へ切り替え、前記第2の制御による前記ロータの回転速度よりも小さい同期速度でさらに前記ロータを減速させてから停止させる制御を行う。
本発明によれば、モータ駆動装置にて減速制御をより短時間で円滑に行って、目標位置において正確にロータを停止させることができる。
実施形態の駆動装置の概略構成を表す分解斜視図である。 回転角度検出手段とロータ磁石とステータの構成を表す図である。 実施形態に係るシステム構成の概要を示すブロック図である。 ロータ磁石位相と駆動波形位相とが安定停止関係にある状態を表す図である。 ロータ磁石位相と駆動波形位相との関係(正転トルク発生時)を表す図である。 ロータ磁石位相と駆動波形位相との関係(逆転トルク発生時)を表す図である。 トルクと進角との関係を表す図である。 実施形態における減速停止制御を説明する図である。 ステッピングモータのトルク−駆動速度特性を示す図である。 ロータ磁石とステータとの位相関係を説明する概念図である。
本発明の実施形態のモータ駆動装置について説明する。本実施形態では撮像装置や交換レンズ等の光学機器への適用において、被駆動部材である光学部材を駆動する駆動装置の例を示す。
本実施形態の駆動装置100の構成について、図1から図3を参照して説明する。図1は駆動装置100の主要部を示す分解斜視図である。レンズホルダ101はフォーカスレンズ101cを保持する保持部材であり、複数のガイドバー102および103によって光軸方向にて摺動自在に支持されている。図1では、フォーカスレンズ101cの光軸方向をz軸方向と定義し、z軸と、z軸に直交するx軸およびy軸をそれぞれ示す。
対をなすガイドバー102および103は光軸方向に沿って配置されたガイド部材であり、不図示の鏡筒に組み込まれて撮像光学系の一部を構成する。被駆動部材であるレンズホルダ101は、z軸方向の前後の2箇所に嵌合孔部101aが形成されており、嵌合孔部101aにガイドバー102が嵌合される。またレンズホルダ101は切欠き形状のU字状溝部101bを有し、ガイドバー103と係合される。この構成により、レンズホルダ101はガイドバー102および103に案内されて移動可能であり、ガイドバー103により、ガイドバー102を中心としたレンズホルダ101の回転が規制され、安定した光軸方向の移動が可能である。本実施形態では、フォーカスレンズ101cを保持するレンズホルダ101が光軸方向に移動することで、被写体の所望の位置に焦点を合わせる焦点調節動作が行われる。
ステッピングモータユニット104は、ステッピングモータ(以下、単にモータともいう)104aと、外径部にねじが形成された送りねじ104bと、送りねじ104bのねじ先端部104dを支持する支持部が形成されたフランジ部104cを有する。モータ104aの駆動方向は光軸方向と一致する。
ナット105は雌ねじ105aが形成された連結部材であり、雌ねじ105aは送りねじ104bと噛合する。ナット105は、フランジ部104cがモータ104aに取り付けられる際、先に送りねじ104bに噛合された状態にされ、モータユニット104の一部として構成される。
モータユニット104は、送りねじ104bの端部に短い円筒状のENC(エンコード)磁石104eを備える。ENC磁石104eは円周上に発生する磁場として、回転角度に応じて正弦波状の磁場を発生するように着磁されている。モータユニット104にはENC磁石104eの磁場を検出可能な位置にホール素子パッケージ104fが配置されている。本実施形態では、後述するホール素子104faと104fb(図2参照)が使用される。ホール素子104faと104fbはそれぞれに配置された位置で、ENC磁石104eの回転による磁場変化を検出して検出信号を出力する。ENC磁石104eとホール素子パッケージ104fは、送りねじ104bの回転角度検出手段を構成し、回転角度情報を取得することができる。
付勢部材106は、ねじ107により、レンズホルダ101の取り付け部101xに固定される。付勢部材106には、ナット105を光軸方向に付勢する押圧部106aと、ナット105を径方向(y軸に平行な方向)に付勢する、径方向付勢ばね106bが一体で形成されている。レンズホルダ101にはナット105の取り付け部101fが形成されており、押圧部106aによって、レンズホルダ101に対してナット105が付勢される。また送りねじ104bとナット105の雌ねじ105aとの間に生じる嵌合ガタに関しては、径方向付勢ばね106bによってナット105を径方向に付勢することで嵌合ガタを抑制することができる。
駆動装置100において、付勢部材106を用いて、ナット105とレンズホルダ101とを連結しつつ、送りねじ104bとナット105との嵌合ガタを抑えている。この構成によりレンズホルダ101を光軸に沿って移動させて正確な位置決めを行うことができる。
図2を参照してモータ104aの構成を説明する。図2(A)はENC磁石104eとホール素子104faと104fbとの位置関係を示す模式図である。ENC磁石104eは10極の磁石である。N極とS極の領域がそれぞれ5極であり、36度の領域にそれぞれ着磁されている。ホール素子104fa,104fbはENC磁石104eの中心位置から見た場合、中心位置から等距離に配置されている。ホール素子104fa,104fbがENC磁石104eの中心に対してなす物理的な角度は18度である。ホール素子パッケージ104fにより検出される信号位相としては、90度の位相差となる。なお、ロータとステータとの位置関係については、図2(B)を用いて後述する。
図3は駆動装置100の電気回路を含めたシステム構成を示す図である。アンプ108はホール素子パッケージ104f(104fa,104fb)からの微弱な信号を取得して増幅し、AD変換回路109へ信号を伝送する。AD変換回路109は入力された電圧信号のAD変換を行って、変換結果であるデジタル数値信号を位置ENC回路110へ出力する。位置ENC回路110は入力された2つの信号のオフセット、ゲインの調整を行う。位置ENC回路110は調整後に2つの信号からTAN(正接)値を生成した後で逆TAN演算を行い、積分することで回転角度情報を生成する。生成された回転角度情報は駆動波形生成回路111に送られる。駆動波形生成回路111はモータ104aのA相用コイル119とB相用コイル120に印加する駆動波形を決定する。駆動波形生成回路111はCPU(中央演算処理装置)112の指令にしたがって予め設定された周波数で駆動用の位相の異なる正弦波信号を出力するOL駆動と、位置ENC回路110と連動させた駆動波形を出力するFB駆動とを切り替える。駆動の切り替えはCPU112の指令により行われる。
本実施形態では、駆動波形生成回路111とモータドライバ113が、オープンループ駆動を行う第1の駆動手段に相当する。また、アンプ108、AD変換回路109、位置ENC回路110、駆動波形生成回路111、モータドライバ113は、フィードバック駆動を行う第2の駆動手段に相当する。第1および第2の駆動手段はCPU112によって制御される。
駆動波形生成回路111により生成された駆動波形信号は、モータドライバ113に送られる。モータドライバ113は駆動波形信号からA相用コイル119とB相用コイル120に印加する正弦波形状の電圧を生成してモータ104aへ出力する。モータ104aのステータA+114、ステータA−115はそれぞれA相用コイルの両端の発生する磁場を集中して放出する働きをする。ステータB+116、ステータB−117はそれぞれB相用コイルの両端の発生する磁場を集中して放出する働きをする。図2(B)を参照して、具体例を説明する。
図2(B)は、ステータA+114、ステータA−115、ステータB+116、ステータB−117、ロータ磁石118の配置を示す。例えばCW方向をモータ104aの正転方向とする。ステータA+114、ステータA−115、ステータB+116、ステータB−117は互いの物理角が18度の位置関係にあり、合計5組配置されている。ロータ磁石118はステータ群の中央に位置し、N極とS極とがそれぞれ5極であって、合計10極の磁極を持つ。駆動波形の正弦波が1波出力されるごとに、ロータは物理角で72度分回転する。
CPU112によってFB駆動に切り替えられた場合、駆動波形生成回路111は、位置ENC回路110から得られるロータ磁石118の回転角度情報に対して任意の位相差を与えたモータ104aの駆動波形を生成する。任意の位相差については駆動条件に応じて予め設定され、CPU112は駆動条件と照らし合わせて位相差を決定する。
次に図4から図6を参照して、駆動装置100の動作について説明する。図4(A)は、図2(B)に示されるステータ群を展開して横方向に並べて示す模式図である。図4(B)は、ステータ群のコイルに対して周方向にどのような電圧印加が行われているかを模式的に示す図である。図4(C)は、図4(B)の電圧印加によってステータ群が発生させている周方向位置に対応した磁場の強さを示す図である。図4(D)は、図2(B)に示されるロータ磁石118の着磁位相を示す図である。図4(B)から(D)の横軸はいずれもロータの回転位置を表す。図4に示す状態にて、ステータ群が発生させている磁場のNS磁極位相と、ロータ磁石118のNS磁極位相とは、ロータ磁石118が安定に停止する関係にある。
これに対し、図5はロータ磁石118に正転トルクが発生した状態を示す。図5(A)から(D)は、図4(A)から(D)にそれぞれ対応しており、図5(C)に示すように、ロータ磁石118の着磁位相に対して、図4(C)と比べて90度位相が進んだ磁場が発生している。これによって、図5(D)に示されるロータ磁石118には右側に引っ張られる引力、つまり正転方向の回転トルクが発生する。
以下では、ステータ群の発生する磁場とロータ磁石118の磁場との位相関係を示す位相差を進角で表現する。図4に示す安定停止状態での位相関係のときの進角値を0度とし、図5に示す位相関係のときの進角値を+90度とする。図6は、ロータ磁石118に逆転トルク、つまり正転方向とは逆方向のトルクが発生した状態を示しており、この位相関係での進角値を−90度とする。図6(A)から(D)は、図4(A)から(D)にそれぞれ対応しており、図6(D)に示されるロータ磁石118には左側への力が発生する。
CPU112の指令によりFB駆動に切り替えられた場合、CPU112から任意の進角を設定することで回転トルクを発生させてステッピングモータ104aを駆動することができる。後述するように正回転中に位相を0度、または、負値の進角に設定することで、より急激な減速力を発生させて短時間に減速を行うことができる。
図7は、進角と回転トルクとの関係を表したグラフである。横軸は進角(αと記す)を表し、縦軸は回転トルク(Tと記す)を表す。安定停止状態での位相関係を表す進角値である0度から、90度に向かって回転トルクTが正方向に増加し、ステータ群とロータ磁石118とが反発しあって停止する進角値である180度に向かって回転トルクTが減少する。また進角値が180度を超えると、反転方向の回転トルク(負値のトルク)が発生する。
次に図8を参照して、ステッピングモータ104aの駆動制御によるレンズホルダ101の減速停止方法について説明する。図8は横軸にレンズホルダ101の位置をとり、縦軸にステッピングモータ104aの回転速度および進角等をとって、それらの時間変化を示すグラフである。
ステッピングモータ104aは定常速度V1から減速して、目標停止位置TPで停止に至る。横軸にて0からN3までの範囲は、第2の駆動手段によりフィードバック駆動が実行されるFB駆動範囲である。またN3からTPまでの範囲は第1の駆動手段によりオープンループ駆動が実行されるOL駆動範囲である。ステッピングモータ104aのステータ群114,115,116,117とロータ磁石118の磁場との位相差である進角のプロファイルにて、FB駆動範囲での進角は適宜に変更される。図8の例では、θ1からθ2、さらにθ3に変化する。θ1>θ3>θ2の関係である。この例ではθ2=0とするが、θ2<0でもよい。
減速停止制御では、先ず、モータ104aが定常速度V1で回転する。予め決められた第1の位置N1までの間、進角は正回転トルクを発生させるためのθ1である。つまり、進角θ1にしたがってステータ群のコイルに対する電圧印加が行われる。
レンズホルダ101が第1の位置N1に到達すると、進角がθ1からθ2に急激に変化し、モータ104aは減速を開始する。θ2の値はゼロであり、ステータ群とロータ磁石118の磁場の位相関係は図4で示した状態となる。ロータ磁石118は回転トルクが発生しない状態が保たれた状態であり、モータ104aによりレンズホルダ101は減速を続ける。このときのレンズホルダ101に対する減速力に関して、レンズホルダ101とガイドバー102との間の摺動負荷や、ナット105と送りねじ104bとの回転摺動負荷をはじめとする様々な負荷により制動力が発生し、速度が徐々に遅くなる。この状態が続くと、様々な負荷によりレンズホルダ101は自然に停止してしまうが、その位置はその時々の負荷条件(環境温度、湿度、姿勢等)により、さまざまな位置となる。つまり停止位置のばらつきが発生するため、レンズホルダ101を正確な位置にバウンドなく停止させることは難しい。例えばレンズホルダ101は通常の動作ではガタ寄せ力により片寄せされた状態を保つ。しかし、FB駆動から加速度がゼロとなるOL駆動に移行すると、急激にレンズホルダ101はガタ寄せ力に抗して浮き上がった状態と次にガタ寄せ力により再び片寄せされた状態に戻る動きが高速で繰り返され、光軸方向のバウンドが発生する可能性がある。
そこで本実施形態では、減速を続けるレンズホルダ101が予め決められた第2の位置N2に到達すると、進角をθ2からθ3へ変更する制御が行われる。進角θ3は、レンズホルダ101が停止せずに低速で駆動される値に設定されている。よって、レンズホルダ101は目標停止位置TPの手前で停止することなく、θ3に対応する定常速度へ収束するように、目標停止位置TPに向けて減速駆動が継続される。
その後、レンズホルダ101が予め決められた第3の位置N3に到達すると、OL駆動へと移行し、所定の駆動速度(VOPと記す)に同期する駆動信号が発生される。第3の位置N3に対応する、モータ104aの回転速度を図8中にVmgと表記する。Vmgは同期速度VOPよりも大きい値となっており、自起動領域外、所謂プルアウト領域の速度である。
第3の位置N3からOL駆動に切り替わってからも減速駆動は継続し、OL駆動範囲に対応するN3からTPまでの途中で、同期速度VOPから次の同期速度(VOP2と記す)への切り替えが適宜に行われる。VOP2については「VOP>VOP2」の関係であり、所謂プルイン領域の速度である。
同期速度VOP2への切り替え後にレンズホルダ101は、目標停止位置TPで停止する。つまりレンズホルダ101の位置が目標停止位置TPへ到達すると、OL駆動を中止して、保持通電または通電停止等の制御が行われる。
以上のように、ステッピングモータ104aの駆動によるレンズホルダ101の減速停止制御が行われることにより、短時間にバウンドなくレンズホルダ101を目標停止位置TPで停止させることが可能となる。なお、図8ではOL駆動範囲にて同期速度を2段階で制御する例、つまりVOPからVOP2へ切り替える例を説明したが、3段階以上の段階的な同期速度の切り替えが可能である。あるいは同期速度を連続的に制御し、漸減的に下げる制御を行ってもよい。
本実施形態では、減速停止制御においてレンズホルダ101が第3の位置N3に到達した場合、OL駆動に移行し、VOPに同期する駆動信号が発生される際、以下の条件を満たすVOPが設定される。つまり、前記の制御を無条件に行った場合、ステッピングモータの脱調を起こす可能性がある。よって、所定の条件を課すことで、脱調のない安定した制御を実現できる。図9を参照し、FB駆動からOL駆動への移行において、VOPに同期する駆動信号が発生される時にモータが脱調を起こさないための条件について説明する。
図9は、ステッピングモータの特性を示すグラフであり、横軸は駆動速度を表し、縦軸はトルクを表す。図9に太線で示すグラフ線Goは、プルアウト領域でのトルクと駆動速度との関係を表している。プルアウト領域での速度からいきなりモータを停止させたり、または当該速度にモータをいきなり駆動させたりすると、モータの脱調が発生する。これに対して図9に破線で示すグラフ線Giは、プルイン領域でのトルクと駆動速度との関係を表している。つまり、プルイン領域での速度からいきなりモータを停止させたり、または当該速度にモータをいきなり駆動させたりしても、モータの脱調を起こすことはない。
図9に示すT1は、レンズホルダ101が第3の位置N3に到達したときの、モータの回転速度Vmgにおける負荷トルクを表す。この状態から、いきなりモータを停止させると脱調を起こす事は上述の通りである。図9において負荷トルクT1に対応するプルイン速度(自起動回転速度)はVT1である。また負荷トルクT1に対応するプルアウト速度はVmgである。プルイン速度VT1からいきなりモータの駆動を停止してもモータは脱調しない。つまり速度差VT1の範囲内で駆動速度を変化させてもモータの脱調は起こらないことが分かる。
前述の減速停止制御にて、レンズホルダ101の位置が第3の位置N3に到達し、OL駆動へ移行する時には、同期速度VOPに対応する駆動信号が発生される際、VOPが下記条件式を満たすように設定される。
mg−VOP≦VT1
この条件式を満たすようにVOPを設定することによって、モータの脱調を起こすことなく減速を続けることが可能となる。
次に図10を参照して、速度差Vmg−VOPをもってFB駆動からOL駆動に移行した際のブレーキ作用について説明する。図10は、停止制御におけるロータ磁石118とステータA(114,115)またはステータB(116,117)との位相関係を説明するための概念図である。図中、白抜きの円形記号1001は、ロータ磁石(118)の1つの磁極を模式的に表し、また黒塗りの円形記号1002は、ステータA(114,115)またはステータB(116,117)の対応する1つの極歯を模式的に表している。横軸にはレンズホルダ101の位置N3からN10と、目標停止位置TPを示す。(1)、(2)、(3)、(4)、(5)は、FB駆動からOL駆動への移行時点を起点とする0、2、4、6,8ステップにそれぞれ対応するロータおよびステータの状態を示している。
ロータ磁石118の磁極が第3の位置N3に対応する角度に到達したときに(1)に示す状態となり、第1の駆動手段により、速度VOPに同期した駆動信号が発生する。(2)から(5)に示すように速度VOPを保ってロータ磁石118の磁極(1001参照)を決められた位置に駆動させるように、すなわち同期するように駆動信号が発生する。
(1)の状態では、第1の駆動手段により駆動信号が発生し、同期速度VOPでのOL駆動が開始される。この時のロータ磁石118の速度はVmgである。(2)の状態に示すように、次の駆動信号によって、位置N5へロータ磁石118を移動させる駆動信号が出された時には、ロータ磁石の磁極(1001参照)は位置N8まで先行した状態となる。このような状態になると、極歯(1002参照)の駆動位置であるN5と、ロータ磁石118の磁極(1001参照)の位置N8との位置ずれにより、磁気吸引力が発生する。図10には、磁気吸引力を点線の矢印で模式的に示しており、ロータ磁石118の磁極にはその回転速度を下げるブレーキ作用が働く。
次に(3)の状態では、ロータ磁石118の磁極(1001参照)は位置N9まで進むが、磁気吸引力によって、ロータ磁石118の磁極とステータの極歯(1002参照)との相対距離が短くなる。つまり徐々にロータ磁石118の磁極が、ステータの極歯の位置へと相対的に引き戻される状態となる。さらに(4)の状態では、ロータ磁石118の磁極は位置N10まで進み、ロータ磁石118の磁極とステータの極歯との相対距離はさらに短くなる。最終的に(5)の状態、すなわち目標停止位置TPに到達した状態では、ロータ磁石118の磁極とステータの極歯との相対位置の差はゼロとなって、モータの駆動が終了してロータが停止する。
本実施形態のモータ駆動装置は、減速停止に際してFB駆動からOL駆動に切り替える時に、敢えて切り替え時のロータ磁石の回転速度と、OL駆動による同期速度とが異なるように制御する。FB駆動とOL駆動との速度差による位相ずれを磁気吸引力によるブレーキ力として作用させ、さらにそのブレーキ力を適宜に調整することができる。本実施形態の減速停止制御によれば、第1の駆動手段によるOL駆動への移行前に、第2の駆動手段により速度や位置を合わせるための予備駆動を行う必要がなくなる。短時間で、かつバウンドもなく正確にレンズホルダ101を目標停止位置TPで停止させることができる。さらに、OL駆動に移行する際のロータ磁石118の速度Vmgがプルアウト領域の速度であっても、所定条件(Vmg−VOP≦VT1)を満たすVOPの設定により、モータの脱調を防止しつつ、より短時間で減速停止が可能となる。
100 駆動装置
101 レンズホルダ
104a モータ
104e ENC磁石
104f HALL素子パッケージ
110 位置ENC回路
111 駆動波形生成回路
112 CPU
114〜117 ステータ
118 ロータ磁石

Claims (9)

  1. 設定された周波数の駆動信号に同期してモータのオープンループ駆動を行う第1の制御と、前記モータのロータの位置を検出する検出手段から検出信号を取得して、前記モータのステータとロータとの位相関係を表す進角を決定して前記モータのフィードバック駆動を行う第2の制御とを切り替える制御を行う制御手段を有し、
    前記制御手段は、前記第2の制御にて前記進角を変更して前記ロータを減速させてから前記第1の制御へ切り替え、前記第2の制御による前記ロータの回転速度よりも小さい同期速度でさらに前記ロータを減速させてから停止させる制御を行う
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記制御手段は前記ロータが予め決められた位置に到達したときに前記第2の制御から前記第1の制御に切り替え、前記位置での前記ロータの回転速度よりも小さい前記同期速度で駆動制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記第2の制御による前記ロータの回転速度をVmgと表記し、前記第1の制御による同期速度をVOPと表記し、Vmgにて前記モータが受ける負荷トルクをT1と表記し、T1における自起動回転速度をVT1と表記するとき、前記制御手段は、
    mg−VOP≦VT1
    の関係を満たすVOPを決定する
    ことを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記Vmgは自起動領域外の回転速度である
    ことを特徴とする請求項3に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記制御手段は前記第1の制御へ切り替えた後、前記ロータが目標停止位置にて停止する前に、前記同期速度を段階的に小さくし、または漸減的に変化させて駆動制御を行う
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記制御手段は前記第2の制御にて、前記ロータが第1の位置に到達したときに第1の進角から第2の進角に変更し、さらに前記ロータが第2の位置に到達したときに第3の進角に変更して駆動制御を行い、
    前記第2の進角は前記第1の進角よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記第3の進角は前記第1の進角よりも小さく、前記第2の進角は前記第3の進角よりも小さい
    ことを特徴とする請求項6に記載のモータ駆動装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のモータ駆動装置を備え、
    前記モータによって光学部材を移動させる
    ことを特徴とする光学機器。
  9. モータ駆動装置にて実行される制御方法であって、
    設定された周波数の駆動信号に同期してモータのオープンループ駆動を行う第1の制御工程と、
    前記モータのロータの位置を検出する検出手段から検出信号を取得して、前記モータのステータとロータとの位相関係を表す進角を決定して前記モータのフィードバック駆動を行う第2の制御工程と、を有し、
    前記ロータを減速させて停止させる場合、前記第2の制御工程で前記進角を変更して前記ロータを減速させる制御が行われ、その後に前記第1の制御工程に切り替わり、前記第2の制御工程による前記ロータの回転速度よりも小さい同期速度でさらに前記ロータを減速させてから停止させる制御が行われる
    ことを特徴とするモータ駆動装置の制御方法。


JP2019166103A 2019-09-12 2019-09-12 モータ駆動装置およびその制御方法、光学機器 Pending JP2021044961A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019166103A JP2021044961A (ja) 2019-09-12 2019-09-12 モータ駆動装置およびその制御方法、光学機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019166103A JP2021044961A (ja) 2019-09-12 2019-09-12 モータ駆動装置およびその制御方法、光学機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021044961A true JP2021044961A (ja) 2021-03-18

Family

ID=74862673

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019166103A Pending JP2021044961A (ja) 2019-09-12 2019-09-12 モータ駆動装置およびその制御方法、光学機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021044961A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5100412B2 (ja) 焦点調節装置及びそれを用いた光学機器
US8035327B2 (en) Motor drive unit and optical apparatus
JP5656354B2 (ja) 駆動装置
US8278851B2 (en) Drive apparatus having a stepping motor
US10461675B2 (en) Control device, optical apparatus, control method, and storage medium
JP2015023703A (ja) ステッピングモータの制御装置、光学機器、ステッピングモータの制御方法、及びプログラム
US9154066B2 (en) Drive control apparatus and drive control method
JP4165915B2 (ja) ステッピングモータ制御装置
JPH11215894A (ja) ステッピングモータの制御装置
JP2015023674A (ja) モータ制御装置、モータ被駆動装置、モータ制御方法およびモータ制御プログラム
JP2018191461A (ja) 制御装置、光学機器、制御方法、および、プログラム
US9110227B2 (en) Motor drive apparatus and optical apparatus
JP2021044961A (ja) モータ駆動装置およびその制御方法、光学機器
JP2019071028A (ja) モータ制御装置、モータ制御方法、及び撮像装置
JP7005275B2 (ja) モータ駆動装置、該モータ駆動装置を備えるモータシステム、及び撮像装置、モータ駆動方法
JP2009072033A (ja) 位置検出器の初期位置調整方法及びこの方法を用いた電動機駆動装置
JP2020089094A (ja) モータ駆動装置およびその制御方法、撮像装置
JP5464987B2 (ja) モータ駆動装置
JP2021083154A (ja) モータ駆動装置およびその制御方法、光学機器
JP6287950B2 (ja) ステッピングモーター制御装置
JP5283987B2 (ja) 振動型モータ制御装置及びそれを用いた光学機器
JP2015023700A (ja) アクチュエータの制御装置および制御方法
JP7467036B2 (ja) モータ駆動装置およびその制御方法
JP2014230320A (ja) 駆動制御装置、撮像装置、駆動制御方法、プログラム、および、記憶媒体
JP5489738B2 (ja) モータ制御装置および光学機器