JP2021044891A - 電気機械の積層鉄心、電気機械、電気機械の積層鉄心の製造方法、及び電気機械の製造方法 - Google Patents

電気機械の積層鉄心、電気機械、電気機械の積層鉄心の製造方法、及び電気機械の製造方法 Download PDF

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Takayuki Onihashi
隆之 鬼橋
啓生 大藤
Hiroki Daito
啓生 大藤
興起 仲
Koki Naka
興起 仲
敏彦 水谷
Toshihiko Mizutani
敏彦 水谷
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Abstract

【課題】材料ロスを削減できる電気機械の積層鉄心を提供する。【解決手段】電気機械の積層鉄心は、複数の分割積層鉄心を備え、複数の分割積層鉄心のそれぞれは、積層された複数の鉄心片と、折り曲げ部と、バックヨーク部積層体と、ティース部積層体と、を有しており、バックヨーク部積層体は、並列方向における端部である第1端部と、ティース部積層体とは反対側の端部である第2端部と、を有しており、第1端部は、折り曲げ部が形成されている第1部分と、折り曲げ部が形成されていない第2部分と、を有しており、第1分割積層鉄心の第2部分は、第2分割積層鉄心と接触しており、第1分割積層鉄心の第1端部は、溶接部を介して第2分割積層鉄心と接続されており、溶接部は、第1分割積層鉄心の第2部分の位置よりも第2端部側に配置されている。【選択図】図10

Description

本発明は、複数の鉄心片を積層して形成される電気機械の積層鉄心、電気機械、電気機械の積層鉄心の製造方法、及び電気機械の製造方法に関する。
従来、電動機の固定子鉄心は、外周の一部が連結された複数の円環状の鉄心片を鋼板シートから打ち抜いて、各鉄心片を各連結部で交互に反対方向に折り返して積層することによって形成されている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭62−145450号公報
上記のような従来の固定子鉄心の製造方法では、鋼板シートから複数の円環状の鉄心片が打ち抜かれるため、鋼板シートのうち各鉄心片の中央部分は廃棄される。したがって、固定子鉄心を製造する際の材料ロスが多いという課題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、材料ロスを削減できる電気機械の積層鉄心、電気機械、電気機械の積層鉄心の製造方法、及び電気機械の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電気機械の積層鉄心は、並列して配置された複数の分割積層鉄心を備え、前記複数の分割積層鉄心のそれぞれは、積層された複数の鉄心片と、前記複数の鉄心片のうち積層方向に隣り合う2つの鉄心片同士を連結するとともに折り曲げられた折り曲げ部と、を有しており、前記複数の鉄心片のそれぞれは、バックヨーク部と、前記バックヨーク部から突出したティース部と、を有しており、前記複数の分割積層鉄心のそれぞれは、前記複数の鉄心片のそれぞれの前記バックヨーク部が積層されたバックヨーク部積層体と、前記複数の鉄心片のそれぞれの前記ティース部が積層されたティース部積層体と、を有しており、前記バックヨーク部積層体は、前記複数の分割積層鉄心の並列方向における端部である第1端部と、前記ティース部積層体とは反対側の端部である第2端部と、を有しており、前記折り曲げ部は、前記第1端部に形成されており、前記第1端部は、前記折り曲げ部が形成されている第1部分と、前記折り曲げ部が形成されていない第2部分と、を有しており、前記複数の分割積層鉄心は、第1分割積層鉄心と、前記第1分割積層鉄心と前記並列方向に隣り合う第2分割積層鉄心と、を有しており、前記第1分割積層鉄心の前記第2部分は、前記第2分割積層鉄心と接触しており、前記第1分割積層鉄心の前記第1端部は、溶接部を介して前記第2分割積層鉄心と接続されており、前記溶接部は、前記第1分割積層鉄心の前記第2部分の位置よりも前記第2端部側に配置されている。
本発明に係る電気機械は、本発明に係る電気機械の積層鉄心と、前記積層鉄心の外周側に設けられ、前記積層鉄心が嵌入される円筒状のハウジングと、を備える。
本発明に係る電気機械の積層鉄心の製造方法は、バックヨーク部及び前記バックヨーク部から突出したティース部をそれぞれ有する複数の鉄心片が連結された鉄心片セットを鋼板シートから切り出す切り出し工程と、切り出された前記鉄心片セットを、前記複数の鉄心片のうち互いに隣り合う2つの鉄心片の間に設けられた折り曲げ部において折り曲げる折り工程と、折り曲げられた前記鉄心片セットの前記複数の鉄心片を積層し、複数の分割積層鉄心のそれぞれを形成する積層工程と、前記複数の分割積層鉄心を並列するように配置し、前記複数の分割積層鉄心のうち互いに隣り合う2つの分割積層鉄心を溶接して溶接部を形成する溶接工程と、を備え、前記複数の分割積層鉄心のそれぞれは、前記複数の鉄心片のそれぞれの前記バックヨーク部が積層されたバックヨーク部積層体と、前記複数の鉄心片のそれぞれの前記ティース部が積層されたティース部積層体と、を有しており、前記バックヨーク部積層体は、前記複数の分割積層鉄心の並列方向における端部である第1端部と、前記ティース部積層体とは反対側の端部である第2端部と、を有しており、前記折り曲げ部は、前記第1端部に形成されており、前記第1端部は、前記折り曲げ部が形成されている第1部分と、前記折り曲げ部が形成されていない第2部分と、を有しており、前記溶接部は、当該溶接部が前記第2部分の位置よりも前記第2端部側に配置されるように、前記2つの分割積層鉄心のそれぞれの前記第1端部の間に形成される。
本発明に係る電気機械の製造方法は、本発明に係る電気機械の積層鉄心の製造方法を含む。
本発明によれば、電気機械の積層鉄心を製造する際の材料ロスを削減することができる。
本発明の実施の形態1に係る回転電機の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る回転電機の概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る回転電機の概略の内部構成を示す上面図である。 本発明の実施の形態1に係る分割積層鉄心を構成する鉄心片セットの構成を示す平面図である。 図4のV部を拡大して示す図である。 図4のVI部を拡大して示す図である。 本発明の実施の形態1に係る分割積層鉄心の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る鉄心片セットから分割積層鉄心を形成する過程を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る複数の分割積層鉄心を円環状に並列させた構成を示す平面図である。 図9のX部を拡大して示す図である。 本発明の実施の形態1に係る鉄心片セットが配置された鋼板シートの構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態1の比較例に係る鉄心片が配置された鋼板シートの構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る分割積層鉄心の製造工程の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る固定子鉄心の製造工程の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る分割積層鉄心の製造装置の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る分割積層鉄心の製造装置の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の実施の形態1の変形例に係る分割積層鉄心の製造装置の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の実施の形態1に係る固定子鉄心の製造工程における積層工程を示す概念図である。 本発明の実施の形態1に係るリニアモーターの概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る分割積層鉄心の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る鉄心片セットから分割積層鉄心を形成する過程を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る鉄心片セットが配置された鋼板シートの構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係る鉄心片セットの一部を拡大して示す図である。 本発明の実施の形態2に係る分割積層鉄心の製造装置の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の実施の形態2に係る分割積層鉄心の構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係る複数の分割積層鉄心を円環状に並列させた構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態3に係る分割積層鉄心の構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態3に係る複数の分割積層鉄心を円環状に並列させた構成を示す平面図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る電気機械の積層鉄心、電気機械、電気機械の積層鉄心の製造方法、及び電気機械の製造方法について説明する。まず、本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心及び電気機械について説明する。本実施の形態では、電気機械として、固定子及び回転子を備える回転電機を例示している。この明細書では、固定子の軸方向、固定子の径方向、固定子の周方向、固定子の内周側、固定子の外周側、固定子の内側及び固定子の外側のことを、それぞれ単に「軸方向」、「径方向」、「周方向」、「内周側」、「外周側」、「内側」及び「外側」という場合がある。
図1は、本実施の形態に係る回転電機の概略構成を示す断面図である。図2は、本実施の形態に係る回転電機の概略構成を示す斜視図である。図2では、回転電機の内部構成を示すためにハウジング10の図示を省略している。図3は、本実施の形態に係る回転電機の概略の内部構成を示す上面図である。
図1〜図3に示すように、回転電機は、ハウジング10、固定子20、回転子30及びシャフト40を有している。ハウジング10、固定子20、回転子30及びシャフト40は、外周側から内周側に向かってこの順に配置されている。固定子20の内周面と回転子30の外周面との間には、空隙50が形成されている。
固定子20は、回転磁界を発生させるように構成された回転電機の電機子である。回転子30は、回転電機の界磁である。回転子30は、空隙50を介して固定子20の内周側に回転自在に設けられている。固定子20及び回転子30は、ハウジング10によって保持されている。
固定子20は、磁束を通す固定子鉄心21と、導体を巻き回して形成され、通電により磁界を発生させる固定子巻線22と、を有している。固定子鉄心21と固定子巻線22との間は、不図示の絶縁紙によって絶縁されている。固定子巻線22の巻き方は、分布巻きであってもよいし、集中巻きであってもよい。固定子鉄心21は、全体として円環状の形状を有している。固定子鉄心21は、円環状に並列した複数の分割積層鉄心60が結合されることによって形成されている。本実施の形態の固定子鉄心21は、48個の磁極片を有している。分割積層鉄心60のそれぞれは、固定子鉄心21が有する複数の磁極片のうちの一部の磁極片を構成している。後述するように、分割積層鉄心60のそれぞれは、複数の鉄心片が軸方向に積層された構成を有している。すなわち、固定子鉄心21は、複数の鉄心片が積層された積層鉄心である。
なお、図1〜図3は概略図であるため、図1〜図3に示す構成と、後述する図面に示す構成とは、固定子鉄心21の細部の構成において異なる場合がある。例えば、図1〜図3に示す固定子鉄心21と、後述する図面に示す固定子鉄心21とは、固定子鉄心21を構成する分割積層鉄心60の数、隣接する分割積層鉄心60同士の接触面の形状等において異なる場合がある。
回転子30は、磁束を通す回転子鉄心31と、永久磁石32と、を備えた永久磁石型回転子である。本実施の形態の回転子30は、永久磁石32が回転子鉄心31の内部に埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnet)型回転子である。永久磁石32は、回転子鉄心31を軸方向に貫通した複数の貫通孔のそれぞれに挿入されている。回転子30は、永久磁石32が回転子鉄心31の外周面に配置されたSPM(Surface Permanent Magnet)型回転子であってもよい。
シャフト40は、回転子30の中心軸に沿って回転子鉄心31を貫通しており、焼嵌め又は圧入によって回転子鉄心31に固定されている。シャフト40は、軸受41及び軸受42を介してハウジング10に回転自在に支持されている。回転電機のトルクは、シャフト40を介して外部に伝達される。
ハウジング10は、鉄、アルミニウム等の金属を用いて円筒状に形成されている。複数の分割積層鉄心60は、円環状に並列した状態でハウジング10に嵌入されている。これにより、複数の分割積層鉄心60が結合され、円環状の固定子鉄心21が形成されている。
図4は、本実施の形態に係る分割積層鉄心60を構成する鉄心片セット80の構成を示す平面図である。図4の左右方向は、鉄心片セット80が備える複数の鉄心片70の並列方向を表している。図4に示すように、鉄心片セット80は、一方向に直線状に並列した複数の鉄心片70を有している。図4に示す例では、鉄心片セット80は8つの鉄心片70を有している。鉄心片セット80は、電磁鋼板を用いて平板状に形成されている。鉄心片セット80は、電磁鋼板以外の材料を用いて形成されていてもよい。鉄心片セット80は、鉄心片70毎に交互に折り返されて積層されることにより、分割積層鉄心60を構成する。
鉄心片70のそれぞれは、バックヨーク部71とティース部72とを有している。鉄心片70のそれぞれのバックヨーク部71は、複数の鉄心片70の並列方向と平行な延伸方向に沿って延伸している。すなわち、複数の鉄心片70は、それぞれのバックヨーク部71が直線状に配置されるように並列している。鉄心片70のそれぞれのティース部72は、複数の鉄心片70の並列方向に垂直な方向に沿ってバックヨーク部71から突出している。複数の鉄心片70のティース部72は、バックヨーク部71から同一方向に突出している。図1〜図3に示した回転電機において、鉄心片70のそれぞれのティース部72は、回転子30に向かって突出している。
ここで、ティース部72の突出方向である図4の下方向は、鉄心片セット80を用いて作製された分割積層鉄心60及び固定子鉄心21における径方向内側に相当する。また、図4の上方向は、分割積層鉄心60及び固定子鉄心21における径方向外側に相当する。
互いに隣り合う2つの鉄心片70は、それぞれのバックヨーク部71の端部の間に設けられた第1折り曲げ部81又は第2折り曲げ部82を介して連結されている。第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82は、複数の鉄心片70の並列方向に沿って交互に設けられている。第1折り曲げ部81は、鉄心片70毎に交互に折り返される折り返し部のうち、一端側に位置する折り返し部となる。第2折り曲げ部82は、鉄心片70毎に交互に折り返される折り返し部のうち、他端側に位置する折り返し部となる。第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82のそれぞれは、複数の鉄心片70の並列方向と垂直な方向に延びている。互いに隣り合う第1折り曲げ部81と第2折り曲げ部82との間隔、すなわち鉄心片セット80の折り曲げピッチはP1である。
第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82はいずれも、バックヨーク部71の端部のうち径方向の一部のみに形成されている。第1折り曲げ部81を挟んで隣り合う2つの鉄心片70は、第1折り曲げ部81に対して線対称となる形状を有している。第2折り曲げ部82を挟んで隣り合う2つの鉄心片70は、第2折り曲げ部82に対して線対称となる形状を有している。
図5は、図4のV部を拡大して示す図である。図5では、第1折り曲げ部81及びその周囲の構成を示している。図5に示すように、互いに隣り合う2つのバックヨーク部71のうち、第1折り曲げ部81を挟んで互いに対向する2つの端部71aのそれぞれには、互いに近づく方向に突出した凸部73が形成されている。凸部73は、台形状の形状を有している。隣り合う2つのバックヨーク部71の凸部73同士は、第1折り曲げ部81を介して連結されている。
また、互いに対向する2つの端部71aのそれぞれには、凸部73の径方向外側に隣接して、互いに離れる方向に凹んだ凹部74が形成されている。さらに、第1折り曲げ部81における折り曲げ位置がより正確に定まるように、V字状の切欠き75が第1折り曲げ部81に沿って形成されている。切欠きは、第1折り曲げ部81の径方向内側及び第1折り曲げ部81の径方向外側の少なくとも一方に形成されている。
図6は、図4のVI部を拡大して示す図である。図6では、第2折り曲げ部82及びその周囲の構成を示している。図6に示すように、互いに隣り合う2つのバックヨーク部71のうち、第2折り曲げ部82を挟んで互いに対向する2つの端部71bのそれぞれには、互いに近づく方向に突出した凸部76が形成されている。凸部76は、台形状の形状を有している。凸部76は、図5に示した凹部74と同一の径方向位置に形成されており、凹部74に対して相補的な形状を有している。隣り合う2つのバックヨーク部71の凸部76同士は、第2折り曲げ部82を介して連結されている。
また、互いに対向する2つの端部71bのそれぞれには、凸部76の径方向内側に隣接して、互いに離れる方向に凹んだ凹部77が形成されている。凹部77は、図5に示した凸部73と同一の径方向位置に形成されており、凸部73に対して相補的な形状を有している。さらに、第2折り曲げ部82において折り曲げ位置がより正確に定まるように、それぞれV字状の切欠き78a及び切欠き78bが第2折り曲げ部82に沿って形成されている。切欠き78a、78bは、第2折り曲げ部82の径方向内側及び第2折り曲げ部82の径方向外側の少なくとも一方に形成されている。
1つの鉄心片70に注目すると、バックヨーク部71の延伸方向における一方の端部71aには、凸部73及び凹部74が形成されている。凸部73及び凹部74は、径方向内側から外側に向かってこの順に配置されている。バックヨーク部71の延伸方向における他方の端部71bには、凹部77及び凸部76が形成されている。凹部77及び凸部76は、径方向内側から外側に向かってこの順に配置されている。すなわち、鉄心片70のそれぞれは、バックヨーク部71の延伸方向において非対称に形成されている。
図7は、本実施の形態に係る分割積層鉄心60の構成を示す斜視図である。図8は、本実施の形態に係る鉄心片セット80から分割積層鉄心60を形成する過程を示す斜視図である。図8では、最上層の鉄心片70以外の複数の鉄心片70が積層されている状態を示している。図7及び図8に示すように、分割積層鉄心60は、鉄心片セット80の複数の鉄心片70が積層された構成を有している。鉄心片セット80は、複数の第1折り曲げ部81のそれぞれにおいて、隣り合う2つの鉄心片70の一方の面同士が対向するように折り曲げられている。また、鉄心片セット80は、複数の第2折り曲げ部82のそれぞれにおいて、隣り合う2つの鉄心片70の他方の面同士が対向するように折り曲げられている。
分割積層鉄心60は、鉄心片70のそれぞれのバックヨーク部71が積層されたバックヨーク部積層体61と、鉄心片70のそれぞれのティース部72が積層されたティース部積層体62と、を有している。バックヨーク部積層体61は、周方向に沿って延伸している。ティース部積層体62は、径方向内側に向かってバックヨーク部積層体61から突出している。
バックヨーク部積層体61は、周方向における端部として、一方の端部61aと他方の端部61bとを有している。端部61aは、鉄心片70のそれぞれの端部71aによって構成されている。端部61bは、鉄心片70のそれぞれの端部71bによって構成されている。端部61a及び端部61bはいずれも、径方向及び軸方向の双方に沿って形成されている。また、バックヨーク部積層体61は、ティース部積層体62とは反対側に位置する径方向外側の端部として、端部61cを有している。ティース部積層体62は、バックヨーク部積層体61とは反対側に位置する径方向内側の端部として、端部62aを有している。
複数の分割積層鉄心60が円環状に結合されると、バックヨーク部積層体61の端部61aは、当該バックヨーク部積層体61と一方向に隣接する別のバックヨーク部積層体61の端部61bと対向する。また、バックヨーク部積層体61の端部61bは、当該バックヨーク部積層体61と上記一方向の逆方向に隣接する別のバックヨーク部積層体61の端部61aと対向する。
バックヨーク部積層体61の端部61aには、隣接するバックヨーク部積層体61と接触する平面状の接触部63が形成されている。端部61aのうち接触部63よりも径方向外側には、周方向に突出した第1凸部64が形成されている。第1凸部64は、鉄心片70のそれぞれの凸部73によって構成されている。第1凸部64は、台形状の断面形状を有している。第1凸部64の先端部には、複数の第1折り曲げ部81が形成されている。複数の第1折り曲げ部81は、鉄心片70の積層方向に沿って配列している。第1折り曲げ部81は、2つの鉄心片70毎に1つ設けられている。
第1凸部64は、第1折り曲げ部81の両側に位置する一対の側面部として、側面部64a、64bを有している。側面部64a及び側面部64bは、いずれも平面状に形成されている。側面部64bは、側面部64aよりも径方向外側、すなわち側面部64aよりも端部61c側に位置している。
端部61aのうち第1凸部64よりもさらに径方向外側には、周方向に凹んだ第1凹部65が形成されている。第1凹部65は、鉄心片70のそれぞれの凹部74によって構成されている。第1凹部65は、後述する第2凸部68に対して概ね相補的な断面形状を有している。
端部61aは、第1折り曲げ部81が形成されている第1部分151と、第1折り曲げ部81が形成されていない第2部分152と、を互いに異なる径方向位置に有している。端部61aにおいて、第1部分151と第2部分152とは互いに隣接している。第1折り曲げ部81は、第1部分151に含まれる。接触部63は、第2部分152に含まれる。
バックヨーク部積層体61の端部61bには、隣接するバックヨーク部積層体61と接触する平面状の接触部66が形成されている。端部61bのうち接触部66よりも径方向外側には、周方向に凹んだ第2凹部67が形成されている。第2凹部67は、鉄心片70のそれぞれの凹部77によって構成されている。第2凹部67は、第1凸部64に対して概ね相補的な断面形状を有している。
第2凹部67は、第1凸部64の側面部64aと対面する側面部67aと、第1凸部64の側面部64bと対面する側面部67bと、第1凸部64の先端部すなわち第1折り曲げ部81と対面する底面部67cと、を有している。側面部67bは、側面部67aよりも径方向外側、すなわち側面部67aよりも端部61c側に位置している。
端部61bのうち第2凹部67よりもさらに径方向外側には、周方向に突出した第2凸部68が形成されている。第2凸部68は、鉄心片70のそれぞれの凸部76によって構成されている。第2凸部68は、台形状の断面形状を有している。第2凸部68の先端部には、複数の第2折り曲げ部82が形成されている。複数の第2折り曲げ部82は、鉄心片70の積層方向に沿って配列している。第2折り曲げ部82は、2つの鉄心片70毎に1つ設けられている。
端部61bは、第2折り曲げ部82が形成されている第1部分153と、第2折り曲げ部82が形成されていない第2部分154と、を互いに異なる径方向位置に有している。端部61bにおいて、第1部分153と第2部分154とは互いに隣接している。第2折り曲げ部82は、第1部分153に含まれる。接触部66は、第2部分154に含まれる。
図9は、本実施の形態に係る複数の分割積層鉄心60を円環状に並列させた構成を示す平面図である。つまり、図9に示す複数の分割積層鉄心60の配置は、固定子鉄心21における複数の分割積層鉄心60の配置と同様である。図9に示すように、複数の分割積層鉄心60は、周方向に並列するように結合されている。複数の分割積層鉄心60のそれぞれは、同一の形状を有している。本実施の形態では、48個の分割積層鉄心60が結合されている。分割積層鉄心60のそれぞれは、固定子鉄心21の1つの磁極片を構成する。
図10は、図9のX部を拡大して示す図である。図10では、周方向に並列する複数の分割積層鉄心60のうち、3つの分割積層鉄心60A、60B、60Cの構成を示している。図10に示すように、分割積層鉄心60A、60B、60Cは、この順に並列している。
分割積層鉄心60Bの端部61aは、分割積層鉄心60Aの端部61bと対向している。分割積層鉄心60Bの第1凸部64は、分割積層鉄心60Aの第2凹部67に嵌め込まれている。第1凸部64の側面部64aは、第2凹部67の側面部67aと接触している。側面部64aと側面部67aとの接触は、例えば面接触である。これにより、分割積層鉄心60A及び分割積層鉄心60Bは、相対的な位置決めがなされている。分割積層鉄心60Bの第1凸部64先端に形成された第1折り曲げ部81は、分割積層鉄心60Aの第2凹部67の底面部67cには接触しておらず、周方向において分割積層鉄心60Aから離れている。第1折り曲げ部81と第2凹部67の底面部67cとの間には、隙間91が形成されている。また、分割積層鉄心60Bの第1凸部64の側面部64bは、分割積層鉄心60Aの第2凹部67の側面部67bとは接触しておらず、分割積層鉄心60Aから離れている。第1凸部64の側面部64bと第2凹部67の側面部67bとの間には、例えば隙間91よりも狭い隙間が形成されている。
第1凸部64の側面部64aと第2凹部67の側面部67aとが接触し、第1凸部64の側面部64bと第2凹部67の側面部67bとが接触しないようにすることによって、寸法誤差が生じても第1凸部64を第2凹部67に嵌め込むことができる。したがって、分割積層鉄心60A及び分割積層鉄心60Bの相対的な位置決めを確実に行うことができる。また、ティース部積層体62に近い側面部64aと側面部67aとが接触しているため、より多くの磁束を通すことができる。
分割積層鉄心60Aの第2凸部68は、分割積層鉄心60Bの第1凹部65に嵌め込まれている。分割積層鉄心60Aの第2凸部68先端に形成された第2折り曲げ部82は、分割積層鉄心60Bには接触しておらず、周方向において分割積層鉄心60Bから離れている。分割積層鉄心60Aの第2折り曲げ部82と分割積層鉄心60Bの第1凹部65との間には、隙間92が形成されている。
隙間92は、円環状に並列した複数の分割積層鉄心60すなわち固定子鉄心21の外周端に位置している。このため、固定子鉄心21の外周面には、径方向内側に凹んだ外周凹部93が形成されている。外周凹部93は、固定子鉄心21の中心軸を中心として固定子鉄心21に外接する円筒面よりも、径方向内側に凹んでいる。外周凹部93は、分割積層鉄心60Aと分割積層鉄心60Bとの境界部に形成されている。外周凹部93は、径方向に沿って延びた切欠き状に形成されている。
分割積層鉄心60Bの接触部63は、分割積層鉄心60Aの接触部66と接触している。接触部63と接触部66との間の接触は、例えば面接触である。
第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82はいずれも、接触部63及び接触部66とは異なる径方向位置に設けられている。つまり、分割積層鉄心60Bの第1折り曲げ部81と、分割積層鉄心60Bと周方向に隣接する分割積層鉄心60Aと、の接触は回避されている。同様に、分割積層鉄心60Aの第2折り曲げ部82と、分割積層鉄心60Aと周方向に隣接する分割積層鉄心60Bと、の接触は回避されている。
分割積層鉄心60Bの端部61bは、分割積層鉄心60Cの端部61aと対向している。分割積層鉄心60Bの端部61bと分割積層鉄心60Cの端部61aとの間の構成は、分割積層鉄心60Aの端部61bと分割積層鉄心60Bの端部61aとの間の構成と同様である。
分割積層鉄心60A、60B、60Cのそれぞれにおいて、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82は、互いに異なる径方向位置に設けられている。すなわち、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82は、周方向における分割積層鉄心60の中心を通る中心線C1に対し、非対称に配置されている。
分割積層鉄心60Aの端部61bと、分割積層鉄心60Bの端部61aとは、溶接部160を介して接続されている。溶接部160は、平面視で点状の形状を有している。例えば、溶接部160は、分割積層鉄心60Aの端部61bのうち最も径方向外側すなわち最も端部61c側に位置する部分と、分割積層鉄心60Bの端部61aのうち最も径方向外側すなわち最も端部61c側に位置する部分と、の間に形成されている。溶接部160は、後述する溶接工程において、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接機を用いたTIG溶接により形成されている。図10中の太矢印は、溶接方向、すなわち溶接の際のエネルギー供給方向を表している。
溶接部160は、第2折り曲げ部82と第1凹部65との間であって径方向内側寄りに形成されている。溶接部160は、隙間92を介して固定子鉄心21の外周側に露出している。見方を変えると、溶接部160は、固定子鉄心21の外周面のうちの外周凹部93内に位置している。溶接部160は、固定子鉄心21の中心軸を中心として固定子鉄心21に外接する円筒面よりも径方向内側に形成されており、当該円筒面よりも径方向外側には突出していない。
同様に、分割積層鉄心60Bの端部61bと、分割積層鉄心60Cの端部61aとは、溶接部160を介して接続されている。分割積層鉄心60Bと分割積層鉄心60Cとの間の溶接部160については、分割積層鉄心60Aと分割積層鉄心60Bとの間の溶接部160と同様であるため、説明を省略する。
以上のように本実施の形態では、分割積層鉄心60を構成する複数の鉄心片70は、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82を介して連結されている。このため、鉄心片セット80を第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82で折り曲げることにより、複数の鉄心片70を積層することができる。したがって、連結されていない複数の鉄心片を積層するのと比較すると、分割積層鉄心60の製造工程を簡略化することができる。
ただし、折り曲げられた第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82には、折り膨らみが生じる。このため、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82が分割積層鉄心60の周方向端部に設けられていると、周方向における分割積層鉄心60の寸法精度が低下してしまう場合がある。
しかしながら、本実施の形態では、互いに隣り合う分割積層鉄心60同士は、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82とは異なる径方向位置に形成された接触部63及び接触部66を介して接触する。分割積層鉄心60に形成された第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82はいずれも、隣り合う分割積層鉄心60とは接触しないようになっている。接触部63及び接触部66のそれぞれには第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82が形成されていないため、接触部63及び接触部66のそれぞれは比較的精度良く形成される。このため、複数の分割積層鉄心60を円環状に結合する場合であっても、固定子鉄心21の形状精度の低下を防ぐことができる。
また、本実施の形態の分割積層鉄心60では、バックヨーク部積層体61の径方向外側に位置する端部61c、及びティース部積層体62の径方向内側に位置する端部62aには、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82が形成されていない。このため、分割積層鉄心60の端部61c及び端部62aにおける面精度の低下を防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、第1凸部64及び第2凸部68がいずれも台形状の断面形状を有しているが、第1凸部64及び第2凸部68のそれぞれの断面形状は、半円状、長方形状等の他の形状であってもよい。
図11は、本実施の形態に係る鉄心片セット80A、80Bが配置された鋼板シート100の構成を示す平面図である。図11に示すように、鋼板シート100は、帯状の形状を有している。鋼板シート100は、長手方向に沿って延びた一対の縁部101a、101bを有している。鋼板シート100は、例えば、無方向性電磁鋼板を用いて形成されている。
鋼板シート100には、2つの鉄心片セット80A、80Bが配置されている。鉄心片セット80A及び鉄心片セット80Bのそれぞれは、図4に示した鉄心片セット80と同様の形状を有している。鉄心片セット80A及び鉄心片セット80Bのそれぞれにおいて、複数の鉄心片70は、鋼板シート100の長手方向に沿って並列している。
鉄心片セット80Aは、バックヨーク部71のそれぞれにおけるティース部72とは反対側の端部71cが鋼板シート100の一方の縁部101aに沿って直線状に並ぶように配置されている。鉄心片セット80Aのティース部72のそれぞれは、バックヨーク部71から他方の縁部101bに向かって突出している。
鉄心片セット80Bは、バックヨーク部71のそれぞれにおける端部71cが鋼板シート100の他方の縁部101bに沿って直線状に並ぶように配置されている。鉄心片セット80Bのティース部72のそれぞれは、鉄心片セット80Aのティース部72とは逆に、バックヨーク部71から一方の縁部101aに向かって突出している。
鉄心片セット80Aと鉄心片セット80Bとは、鋼板シート100の長手方向において、折り曲げピッチP1の半分、すなわち半ピッチ分だけ互いにずれるように配置されている。鉄心片セット80A及び鉄心片セット80Bの一方のティース部72は、鉄心片セット80A及び鉄心片セット80Bの他方の互いに隣り合う2つのティース部72の間に挿入されている。このため、鋼板シート100の長手方向と垂直な方向の幅寸法は、鉄心片セット80Aの径方向の長さ寸法と鉄心片セット80Bの径方向の長さ寸法との和よりも小さくなる。
鉄心片セット80A及び鉄心片セット80Bは、例えば、プレス装置を用いた打ち抜き加工によって、鋼板シート100から切り出される。鋼板シート100は、鉄心片セット80A及び鉄心片セット80Bとして切り出される部分と、それ以外の不要部分と、に分けられる。不要部分は、鉄心片セット80A及び鉄心片セット80Bが鋼板シート100から切り出された後に廃棄される部分であり、材料ロスとなる部分である。図11に示す鋼板シート100には、主な不要部分として、不要部分102a、102b、102cがある。不要部分102aは、鉄心片セット80Aの2つのバックヨーク部71の間の部分である。不要部分102bは、鉄心片セット80Bの2つのバックヨーク部71の間の部分である。不要部分102cは、鉄心片セット80Aのティース部72と鉄心片セット80Bのティース部72との間の部分である。
なお、鉄心片70同士の連結部分すなわち第1折り曲げ部81又は第2折り曲げ部82の周囲に発生する微小な不要部分、及び、バックヨーク部71の端部71cに形成された凹凸によって発生する微小な不要部分については、不要部分としての説明を省略する。
このように、本実施の形態では、複数の分割積層鉄心60を円環状に結合することによって固定子鉄心21が形成される。複数の分割積層鉄心60のそれぞれを構成する鉄心片セット80A、80Bは、鋼板シート100の長手方向に沿って直線状に配置される。このため、本実施の形態では、鋼板シートから複数の円環状の鉄心片が打ち抜かれる場合と比較して、鋼板シート100の不要部分を削減することができる。したがって、本実施の形態によれば、固定子鉄心21を製造する際の材料ロスを削減することができる。
図12は、本実施の形態の比較例に係る鉄心片501が配置された鋼板シート500の構成を示す平面図である。図12に示すように、本比較例の鋼板シート500には、連結されていない複数の鉄心片501が配置されている。複数の鉄心片501は、バックヨーク部71とティース部72とが鋼板シート500の長手方向に沿って交互に並列するように、互い違いに配置されている。隣り合う鉄心片501の間には、距離A1の切り出し幅が確保されている。
例えば、鉄心片501aが既に切り出された鋼板シート500から鉄心片501bを切り出すときには、鋼板シート500のうち鉄心片501aと鉄心片501bとの間の部分の剛性が低くなるため、鋼板シート500にたわみ変形が生じる場合がある。鋼板シート500にたわみ変形が生じると、分割積層鉄心として必要な形状を有する複数の鉄心片を得ることができない。このため、本比較例のように、連結されていない複数の鉄心片501が鋼板シート500に配置されている場合、互いに隣り合う鉄心片501の間には、距離A1の比較的広い切り出し幅が確保される必要がある。しかしながら、切り出し幅が広くなると、その分だけ鋼板シート500の不要部分502が増加してしまう。したがって、本比較例では、鋼板シートから複数の円環状の鉄心片が打ち抜かれる場合よりも材料ロスを削減できるものの、不要部分502をさらに削減するのは困難である。
これに対し、本実施の形態では、隣り合う鉄心片70同士は、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82を介して連結された鉄心片セットとして、互いに切り離されずに一体に切り出される。これにより、互いに隣り合う鉄心片70の間の切り出し幅を距離A1よりも狭くすることができるため、鋼板シート100の不要部分をさらに削減することができる。したがって、本実施の形態では、上記比較例よりも材料使用量を減らすことができる。例えば、鉄心片501が図12のように配置された上記比較例の材料歩留まりが40%であるのに対し、鉄心片セット80A及び鉄心片セット80Bが図11のように配置された本実施の形態の材料歩留まりは65%である。このように、本実施の形態では、材料歩留まりが比較例の1.6倍に向上するため、同一構成の分割積層鉄心を製造するために必要な鋼板シートの使用量が上記比較例の1/1.6倍にまで減少する。したがって、本実施の形態によれば、より安価な固定子鉄心21を得ることができる。
次に、本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心の製造工程の流れについて説明する。図13は、本実施の形態に係る分割積層鉄心60の製造工程の流れを示すフローチャートである。図13に示すように、分割積層鉄心60の製造工程のステップS1では、鋼板シート100から鉄心片セット80を切り出す切り出し工程が行われる。ステップS2では、ステップS1で切り出された鉄心片セット80を第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82において折り曲げる折り工程が行われる。ステップS3では、ステップS2で折り曲げられた鉄心片セット80の複数の鉄心片70を積層する積層工程が行われる。ステップS1〜ステップS3の各工程を経て、分割積層鉄心60が作製される。
図14は、本実施の形態に係る固定子鉄心21の製造工程の流れを示すフローチャートである。固定子鉄心21は、ステップS1〜ステップS3の各工程を経て形成された複数の分割積層鉄心60を用いて作製される。
図14に示すように、固定子鉄心21の製造工程のステップS11では、複数の分割積層鉄心60が周方向に並列するように複数の分割積層鉄心60を円環状に配置する並列配置工程が行われる。次に、ステップS12では、複数の分割積層鉄心60のうち互いに隣り合う2つの分割積層鉄心60を溶接して溶接部160を形成する溶接工程が行われる。並列配置工程及び溶接工程により、複数の分割積層鉄心60が円環状に固定され、固定子鉄心21の組立体が形成される。これにより、固定子鉄心21の組立体がハウジング10によって強固に固定されるまでの間において、固定子鉄心21の組立体の形状が円環状に維持される。以下、並列配置工程と溶接工程とを併せて、単に溶接工程という場合がある。
次に、ステップS13では、固定子鉄心21の組立体をハウジング10に嵌入し、固定子鉄心21とハウジング10とを固定するハウジング固定工程が行われる。固定子鉄心21の組立体をハウジング10に嵌入する際には、例えば焼嵌め法が用いられる。ステップS11〜ステップS13の各工程を経て、電気機械の積層鉄心である固定子鉄心21が作製される。
図15は、本実施の形態に係る分割積層鉄心60の製造装置200の構成を示す斜視図である。図16は、本実施の形態に係る分割積層鉄心60の製造装置200の構成を模式的に示す側面図である。図16では、鋼板シート100の送り方向に沿ってX軸をとり、後工程側を+X方向としている。また、鉛直上下方向に沿ってY軸をとり、上方を+Y方向としている。
図15及び図16に示すように、製造装置200は、切り出し機220、回転折り曲げ機230及び加圧折り曲げ機250を有している。切り出し機220は、鋼板シート100から鉄心片セット80を切り出すように構成されている。回転折り曲げ機230及び加圧折り曲げ機250は、切り出し機220で切り出された鉄心片セット80を第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82において折り曲げるように構成されている。切り出し機220、回転折り曲げ機230及び加圧折り曲げ機250は、この順に連続した一連の製造ラインを構成しており、製造装置200として一体化されている。鋼板シート100の送り方向において、回転折り曲げ機230は切り出し機220の直後に配置されており、加圧折り曲げ機250は回転折り曲げ機230の直後に配置されている。
製造装置200の詳細について、製造工程の流れと共に説明する。切り出し機220の上流側には、切り出し機220に鋼板シート100を供給する供給装置210が設けられている。供給装置210は、フープ状に巻かれた鋼板シート100を保持し、帯状の鋼板シート100を切り出し機220に送るように構成されている。
切り出し工程では、切り出し機220を用いて、鋼板シート100から鉄心片セット80が切り出される。切り出し機220としては、例えば、直動機構を有するプレス機が用いられる。プレス機が用いられた切り出し機220は、固定された下テーブル221と、下テーブル221に対して上下方向すなわち鋼板シート100の板厚方向に動作する上テーブル222と、を有している。下テーブル221の上面には、鋼板シート100の下面に接触するツール223が設けられている。上テーブル222の下面には、鋼板シート100の上面に接触するツール224が設けられている。上テーブル222を下テーブル221に対して動作させることにより、鋼板シート100の不要部分がツール223及びツール224によって打ち抜かれる。これにより、鋼板シート100から鉄心片セット80が切り出されるとともに、鋼板シート100の不要部分が切り出し機220の下方に廃材として排出される。切り出された鉄心片セット80は、切り出し工程の次工程である折り工程に送られる。
折り工程では、回転折り曲げ機230及び加圧折り曲げ機250を用いて、鉄心片セット80が複数の鉄心片70毎に折り曲げられる。折り工程は、回転折り曲げ機230を用いる第1折り工程と、加圧折り曲げ機250を用いる第2折り工程と、を有する。
回転折り曲げ機230は、第1ローラー231及び第2ローラー232を有している。第1ローラー231は、切り出し機220から供給される鉄心片セット80の上方に配置されており、鉄心片セット80の上面に接触する。第2ローラー232は、鉄心片セット80の下方に配置されており、鉄心片セット80の下面に接触する。第1ローラー231及び第2ローラー232は、鉄心片セット80を挟んで互いに噛み合うように構成されている。少なくとも第1ローラー231は、モーターからの駆動力が伝達されるように構成されている。
第1ローラー231は、回転軸O1を中心として、図16中の反時計回り方向に回転する。Y軸方向における回転軸O1の位置はY1であり、X軸方向における回転軸O1の位置はX1である。第2ローラー232は、回転軸O1と平行な回転軸O2を中心として、図16中の時計回り方向に回転する。Y軸方向における回転軸O2の位置はY2であり、X軸方向における回転軸O2の位置はX2である。Y1及びY2は、Y1>Y2の関係を満たしている。X1及びX2は、X1<X2の関係を満たしている。
第1ローラー231は、当該第1ローラー231の周方向外側に放射状に突出した複数の第1歯233を有している。第1歯233のそれぞれは、鉄心片セット80の上面と接触する平面状の一対の第1当たり面234a、234bを有している。第1当たり面234aは、第1ローラー231の回転方向前方を向いた当たり面であり、第1当たり面234bは、第1ローラー231の回転方向後方を向いた当たり面である。第1当たり面234aと第1当たり面234bとは、第1歯233の歯先を挟んで隣接している。図16に示す第1ローラー231には、6個の第1歯233と、計12個の第1当たり面234a、234bとが形成されている。
第1歯233のそれぞれにおいて第1当たり面234aと第1当たり面234bとがなす角度、すなわち第1歯233の頂角はθGである。第1当たり面234a及び第1当たり面234bのそれぞれの長さP2は、図4に示した鉄心片セット80の折り曲げピッチP1と対応した寸法であり、例えば折り曲げピッチP1と同一である。ここで、第1当たり面234a及び第1当たり面234bのそれぞれの長さP2は、第1歯233の根元から歯先までの寸法に相当する。
第2ローラー232は、第1ローラー231と同形状である。第2ローラー232は、当該第2ローラー232の周方向外側に放射状に突出した複数の第2歯235を有している。第2歯235のそれぞれは、鉄心片セット80の下面と接触する平面状の一対の第2当たり面236a、236bを有している。第2当たり面236aは、第2ローラー232の回転方向前方を向いた当たり面であり、第2当たり面236bは、第2ローラー232の回転方向後方を向いた当たり面である。第2当たり面236aと第2当たり面236bとは、第2歯235の歯先を挟んで隣接している。図16に示す第2ローラー232には、6個の第2歯235と、計12個の第2当たり面236a、236bとが形成されている。
第2歯235のそれぞれにおいて第2当たり面236aと第2当たり面236bとがなす角度、すなわち第2歯235の頂角は、第1歯233の頂角θGと同一である。第2当たり面236a及び第2当たり面236bのそれぞれの長さは、第1当たり面234a及び第1当たり面234bのそれぞれの長さP2と同一である。ここで、第2当たり面236a及び第2当たり面236bのそれぞれの長さは、第2歯235の根元から歯先までの寸法に相当する。
第2ローラー232は、切り出し機220から送られてくる鉄心片セット80の下面が、鉄心片セット80との接触位置にある第2当たり面236aと平行に接触するように配置されている。これにより、切り出し機220から第2ローラー232まで鉄心片セット80が直線状に送られるため、切り出し機220と回転折り曲げ機230との間で鉄心片セット80が折れ曲がってしまうのを防ぐことができる。
第1当たり面234a、234b及び第2当たり面236a、236bのそれぞれの長さP2は、鉄心片セット80の折り曲げピッチP1と同一である。このため、第1ローラー231及び第2ローラー232がそれぞれ回転するのに伴い、第1歯233の歯先及び第2歯235の歯先は、鉄心片セット80の第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82に順次突き当てられる。これにより、鉄心片セット80は、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82で折り曲げられる。鉄心片セット80のうち、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82以外の部分は、第1当たり面234aと第2当たり面236bとの間、又は第1当たり面234bと第2当たり面236aとの間に挟まれる。このため、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82以外の部分で鉄心片セット80が折り曲げられるのを防ぐことができる。第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82のそれぞれにおける鉄心片セット80の折り曲げ角度θ1は、第1歯233及び第2歯235のそれぞれの頂角θGとほぼ等しくなる。折り曲げ角度は、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82のそれぞれを挟んで隣り合う2つの鉄心片70がなす角度である。
第2ローラー232は、X軸方向において、第1ローラー231よりも後工程側にずれて配置されている。また、第2ローラー232は、鉄心片セット80を挟んで第1ローラー231よりも下方に配置されている。つまり、第1ローラー231及び第2ローラー232は、第1ローラー231が回転することによって第2ローラー232が回転するように配置されている。この場合、第1ローラー231を駆動することにより鉄心片セット80を折り曲げることができるため、第2ローラー232を回転させるためのモーター、エアーアクチュエーター等の駆動源が不要となる。したがって、分割積層鉄心60の製造に必要な設備投資を抑制することができる。また、第2ローラー232は第1ローラー231との噛み合いにより回転するため、特別な装置を用いずに、第1ローラー231と第2ローラー232とを互いに同期して動作させることができる。第1ローラー231の回転速度は、不図示の制御装置によって制御される。
ただし、第1ローラー231及び第2ローラー232のそれぞれが別々の駆動源により回転するようにしてもよい。この場合、第1ローラー231及び第2ローラー232は、同一の回転速度で同期して回転するように制御される。また、第1ローラー231及び第2ローラー232の一方に設けられた駆動源の駆動力が、ベルト等を介して第1ローラー231及び第2ローラー232の他方に伝達されるようにしてもよい。
第2ローラー232が回転することにより、第2ローラー232の第2当たり面236a及び第2当たり面236bを鉄心片セット80の下面に接触させることができる。このため、鉄心片セット80の折り曲げ角度θ1を第1歯233及び第2歯235のそれぞれの頂角θGに精度良く近づけることができる。
図17は、本実施の形態の変形例に係る分割積層鉄心の製造装置の構成を模式的に示す側面図である。図17に示すように、本変形例の回転折り曲げ機230は、第1ローラー231及び第2ローラー232に加えて、支持ローラー237を有している。支持ローラー237は、第1ローラー231及び第2ローラー232よりも切り出し機220側に設けられている。支持ローラー237は、鉄心片セット80の下方に配置されており、鉄心片セット80の下面に接触する。支持ローラー237は、円筒状の形状を有している。
支持ローラー237が設けられることにより、鉄心片セット80は、第1ローラー231及び第2ローラー232よりも切り出し機220側において下方から支持される。このため、第1ローラー231の第1歯233の歯先が鉄心片セット80の上面に接触して鉄心片セット80が折り曲げられる際、鉄心片セット80が安定して支持される。したがって、鉄心片セット80が傾いて折り曲げられてしまうのを防ぐことができる。
支持ローラー237は、第1ローラー231及び第2ローラー232よりも切り出し機220側において、鉄心片セット80の上方に配置されていてもよい。
また、図16に示した回転折り曲げ機230は、鉄心片セット80の下面が第2ローラー232の第2当たり面236aと平行に接触するように配置されている。しかしながら、回転折り曲げ機230は、鉄心片セット80の上面が第1ローラー231の第1当たり面234aと平行に接触するように配置されていてもよい。
回転折り曲げ機230によって折り曲げられた鉄心片セット80は、加圧折り曲げ機250に送られる。加圧折り曲げ機250では、回転折り曲げ機230によって折り曲げられた鉄心片セット80がさらに小さい折り曲げ角度に折り曲げられる。加圧折り曲げ機250は、円筒折り曲げ機260及びストッカー270を有している。
円筒折り曲げ機260は、折り曲げられた鉄心片セット80を上下から加圧し、摩擦によって鉄心片セット80の折り曲げ角度をさらに小さくする機能を有している。円筒折り曲げ機260は、2組の回転ローラーを有している。各組の回転ローラーは、鉄心片セット80を挟んで上下に配置された2つの円筒状の回転ローラーを有している。円筒折り曲げ機260における回転ローラーの組数は、1組又は3組以上であってもよい。
円筒折り曲げ機260は、1組目の回転ローラーとして、鉄心片セット80の上方に配置された第1回転ローラー261と、鉄心片セット80の下方に配置された第2回転ローラー262と、を有している。第1回転ローラー261は、回転軸Or1を中心として、図16中の反時計回り方向に回転する。第1回転ローラー261は、鉄心片セット80のうち第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82の一方に接触する。第2回転ローラー262は、回転軸Or2を中心として、図16中の時計回り方向に回転する。第2回転ローラー262は、鉄心片セット80のうち第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82の他方に接触する。第1回転ローラー261及び第2回転ローラー262による鉄心片セット80の送り速度は、回転折り曲げ機230の第1ローラー231及び第2ローラー232による鉄心片セット80の送り速度よりも遅くなっている。
また、円筒折り曲げ機260は、2組目の回転ローラーとして、鉄心片セット80の上方に配置された第3回転ローラー263と、鉄心片セット80の下方に配置された第4回転ローラー264と、を有している。第3回転ローラー263は、回転軸Or3を中心として回転する。第3回転ローラー263の回転方向は、第1回転ローラー261の回転方向と同方向である。第3回転ローラー263は、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82の上記一方に接触する。第4回転ローラー264は、回転軸Or4を中心として回転する。第4回転ローラー264の回転方向は、第2回転ローラー262の回転方向と同方向である。第4回転ローラー264は、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82の上記他方に接触する。第3回転ローラー263及び第4回転ローラー264による鉄心片セット80の送り速度は、第1回転ローラー261及び第2回転ローラー262による鉄心片セット80の送り速度よりも遅くなっている。
第1回転ローラー261及び第2回転ローラー262は、鉄心片セット80を上下から挟み込んで鉄心片セット80に摩擦をかけ、鉄心片セット80の送り速度を低下させる。これにより、鉄心片セット80の折り曲げが深くなり、鉄心片セット80の折り曲げ角度が小さくなる。同様に、第3回転ローラー263及び第4回転ローラー264は、鉄心片セット80を上下から挟み込んで鉄心片セット80に摩擦をかけ、鉄心片セット80の送り速度をさらに低下させる。これにより、鉄心片セット80の折り曲げがさらに深くなり、鉄心片セット80の折り曲げ角度がさらに小さくなる。円筒折り曲げ機260を通過した鉄心片セット80の折り曲げ角度θ2は、回転折り曲げ機230によって折り曲げられた鉄心片セット80の折り曲げ角度θ1よりも小さくなる(θ2<θ1)。
本実施の形態では、鉄心片セット80は、折り曲げ角度θ1に一旦折り曲げられ、その後、折り曲げ角度θ2までさらに折り曲げられている。これにより、一度に折り曲げ角度θ2に折り曲げられるのと比較して、鉄心片セット80の折り曲げ位置の精度を高めることができる。結果として、分割積層鉄心60の積層ずれを抑制することができるため、固定子鉄心21の内周側及び外周側のそれぞれにおける真円度を高めることができる。
また、本実施の形態では円筒折り曲げ機260が用いられるため、鉄心片セット80のたわみを円筒折り曲げ機260によって吸収することができる。
円筒折り曲げ機260によって折り曲げられた鉄心片セット80は、ストッカー270に収納される。ストッカー270は、鉄心片セット80のうち第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82の一方を案内するガイド271と、鉄心片セット80のうち第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82の他方を案内するガイド272と、を有している。ストッカー270は、ガイド271及びガイド272に沿って鉄心片セット80を収納することにより、分割積層鉄心60の積層ずれを抑制するように構成されている。最終的に得られる分割積層鉄心60の積層方向の長さをL2とすると、ガイド271及びガイド272のそれぞれのX方向の長さL1は、例えば、長さL2よりも長くなっている(L1>L2)。
ストッカー270に収納された鉄心片セット80は、ストッカー270と共に、折り工程の次工程である積層工程に搬送される。
図18は、本実施の形態に係る固定子鉄心21の製造工程における積層工程を示す概念図である。図18に示すように、積層工程では、積層装置280を用いて鉄心片セット80の複数の鉄心片70が積層される。積層装置280は、下板281及び上板282を有している。ストッカー270に収納された鉄心片セット80は、複数の鉄心片70の積層方向が上下方向となるように下板281上に設置される。鉄心片セット80は、下板281と上板282とによって、折り曲げ角度が0°に近づくように上下から加圧される。これにより、複数の鉄心片70が積層固定され、分割積層鉄心60が形成される。分割積層鉄心60は、積層工程の次工程である並列配置工程に搬送される。
なお、ガイド271及びガイド272の長さL1がL1>L2の関係を満たす場合、上板282とガイド271及びガイド272との干渉を避けるため、ガイド271とガイド272との間隔よりも狭い幅を有する上板282が用いられてもよい。
また、積層工程では、複数の鉄心片70が接着剤を用いて積層固定されるようにしてもよいし、複数の鉄心片70が溶接、かしめ等によって積層固定されるようにしてもよい。ただし、本実施の形態では、分割積層鉄心60における複数の鉄心片70が折り曲げ部を介して連結されているため、積層工程では、接着、溶接、かしめ等によって複数の鉄心片70を固定する工程を省略することが可能である。
並列配置工程では、図9及び図10に示したように複数の分割積層鉄心60を円環状に並列させる。溶接工程では、互いに隣り合う2つの分割積層鉄心60を溶接して溶接部160を形成する。溶接工程では、TIG溶接機を用いて、図10に太矢印で示した溶接方向に沿って外周側から熱エネルギーが加えられる。これにより、溶接部160が外周凹部93に形成される。並列配置工程及び溶接工程は、並行して実行されるようにしてもよい。並列配置工程及び溶接工程により、複数の分割積層鉄心60が円環状に固定され、固定子鉄心21の組立体が作製される。
ハウジング固定工程では、固定子鉄心21の組立体をハウジング10に嵌入する。これにより、固定子鉄心21の組立体がハウジング10によって強固に固定され、固定子鉄心21が作製される。固定子鉄心21の組立体をハウジング10に嵌入する際には、例えば焼嵌め法が用いられる。この場合、固定子鉄心21の組立体は、ハウジング10が加熱された後にハウジング10内に嵌入される。
既に述べたように、互いに隣り合う2つの分割積層鉄心60同士は、第1折り曲げ部81及び第2折り曲げ部82とは異なる径方向位置に形成された接触部63及び接触部66を介して接触する。このため、複数の分割積層鉄心60が円環状に結合される場合であっても、固定子鉄心21の形状精度の低下を防ぐことができる。
以上の工程を経て作製された固定子鉄心21には、固定子巻線22が装着される。これにより、固定子20が作製される。なお、固定子鉄心21の組立体を作製する前に分割積層鉄心60のそれぞれに固定子巻線22を装着するようにしてもよい。この場合、上記のハウジング固定工程が終了すると、固定子鉄心21及び固定子巻線22を有する固定子20が作製される。その後、ハウジング10に回転子30が取り付けられ、回転電機が作製される。
本実施の形態では、互いに隣り合う2つの分割積層鉄心60の間の溶接部160は、固定子鉄心21の外周面において径方向内側に凹んだ外周凹部93に形成されている。このため、円環状に並列した複数の分割積層鉄心60が円筒状のハウジング10に嵌入される際に、溶接部160とハウジング10とが干渉するのを防ぐことができる。したがって、複数の分割積層鉄心60とハウジング10との間において、狙いの締め代を安定して確保することができる。
また、溶接部160は、分割積層鉄心60Aの折り曲げ部と、分割積層鉄心60Bの折り曲げ部以外の部分と、の間に形成されている。折り曲げ部には寸法ばらつきが生じやすいため、折り曲げ部同士の間に溶接部160が形成される場合、溶接位置のずれが生じやすく、溶接品質が不安定になりやすい。これに対し、本実施の形態では、折り曲げ部と折り曲げ部以外の部分との間に溶接部160が形成されるため、溶接位置を正確に決めやすくなり、溶接品質を安定させることができる。
後述する図27に示す構成と比較すると、本実施の形態では、図10に示すように、平面視において第1凸部64の側面部64bを外周側に直線状に延長した延長線E1上にも、鉄心部分が存在する。これにより、複数の分割積層鉄心60とハウジング10との接触面積が増加するため、複数の分割積層鉄心60とハウジング10とをより強固に固定できるとともに、回転電機に生じる振動及び音を抑制できる。また、磁路を構成する鉄心部分が増大するため、磁気損失の増加を抑えることができる。
また、本実施の形態では、隣接するバックヨーク部積層体61同士が接触する接触部63及び接触部66よりも径方向外側に溶接部160が形成されている。接触部63及び接触部66に溶接部160が形成されると、渦電流が発生しやすくなるため、鉄損の増加により回転電機の効率が低下してしまう場合がある。これに対し、本実施の形態では、バックヨーク部積層体61のうち磁束量の少ない径方向外側部分に溶接部160が形成されるため、渦電流の発生を抑制できる。
一方、溶接部160よりも径方向内側に接触部63及び接触部66が設けられているため、接触部63及び接触部66を介して、図10中の破線両矢印で示すような磁束をより多く通すことができる。したがって、回転電機の効率を向上させることができる。
また、本実施の形態では、TIG溶接機を用いて溶接部160が形成されている。TIG溶接機はレーザー溶接機と比較して一般的に安価であるため、本実施の形態によれば設備投資を抑制することができる。
また、本実施の形態では、複数の分割積層鉄心60の外周面に形成された外周凹部93の表面に溶接部160が形成されている。TIG溶接が用いられる場合、複数の分割積層鉄心60の外周面から近い位置において広い面積の溶接が可能であるため、強固な固定力が得られる。
TIG溶接のエネルギー密度はレーザー溶接と比べると低いため、TIG溶接が用いられる場合、母材である鉄心を瞬間的に溶融させることができない。このため、母材の溶け込みは、縦方向ではなく横方向に広がりやすい。ここで、縦方向とは、エネルギー供給方向に沿った方向のことであり、例えば母材の深さ方向のことである。横方向とは、エネルギー供給方向と交差する方向のことであり、例えば母材の面内方向のことである。母材の溶け込みを縦方向に深くするためには、母材に熱を長時間加える必要がある。この場合、必要以上の熱が横方向に伝わるため、熱影響による母材の歪み及び硬度変化が大きくなりやすい。しかしながら、本実施の形態では、複数の分割積層鉄心60の外周面に形成された外周凹部93の表面に溶接部160が形成されるため、母材の溶け込みを縦方向に深くする必要がない。これにより、固定子鉄心21に歪みが生じるのを防ぐことができる。
本実施の形態の切り出し工程では、打ち抜き加工によって鉄心片セット80が鋼板シート100から切り出されている。しかしながら、鋼板シート100から鉄心片セット80を切り出す方法は、打ち抜き加工には限られない。例えば、鉄心片セット80は、ワイヤーカット放電加工、レーザー加工、ウォータージェット加工などによって鋼板シート100から切り出されるようにしてもよい。
また、本実施の形態の鉄心片セット80は、8枚の鉄心片70を有している。しかしながら、鉄心片セット80は、2枚以上7枚以下又は9枚以上の鉄心片70を有していてもよい。
また、本実施の形態の鋼板シート100は、無方向性電磁鋼板を用いて形成されている。しかしながら、鋼板シート100は、方向性電磁鋼板、SPCC、SS400等の鉄系の磁性材料を用いて形成されていてもよい。
また、本実施の形態の第1当たり面234a、第1当たり面234b、第2当たり面236a及び第2当たり面236bのそれぞれは、平面状に形成されている。これにより、複数の鉄心片70のそれぞれをより確実に平面状に形成することができる。
しかしながら、第1当たり面234a、第1当たり面234b、第2当たり面236a及び第2当たり面236bのそれぞれは、曲面状に形成されていてもよい。例えば、第1当たり面234a及び第1当たり面234bを含む第1歯233と、第2当たり面236a及び第2当たり面236bを含む第2歯235と、のそれぞれは、歯車の歯と同形状に形成されていてもよい。すなわち、第1ローラー231及び第2ローラー232のそれぞれは、歯車状の形状を有していてもよい。これにより、第1ローラー231と第2ローラー232との間で動力を効率良く伝達させることができる。
第1当たり面234a、第1当たり面234b、第2当たり面236a及び第2当たり面236bのそれぞれは、インボリュート曲線状の断面を有していてもよい。これにより、第1歯233及び第2歯235の強度を高めることができる。また、回転軸O1と回転軸O2との間の軸間距離が長くなったとしても、第1ローラー231及び第2ローラー232の正常な噛み合いを得ることができる。
第1当たり面234a、第1当たり面234b、第2当たり面236a及び第2当たり面236bのそれぞれは、サイクロイド曲線状の断面を有していてもよい。これにより、第1ローラー231及び第2ローラー232の噛み合いを滑らかにすることができる。また、第1当たり面234a、第1当たり面234b、第2当たり面236a及び第2当たり面236bのそれぞれの摩耗を面内で一様に進行させることができる。このため、第1ローラー231及び第2ローラー232のそれぞれが局部的に破損してしまうのを防ぐことができる。
本実施の形態では、図15及び図16に示したような回転折り曲げ機230を用いて分割積層鉄心60が形成されているが、これに限られない。例えば、図4に示した鉄心片セット80において長手方向の一端に位置する1つの鉄心片70を固定し、当該鉄心片70に隣接する鉄心片70を折り曲げ部において上記1つの鉄心片70に対して折り曲げる。次に、上記1つの鉄心片70の固定を解除し、折り曲げられた2つの鉄心片70を互いに重ねられた状態で加圧する。このとき、折り曲げ部が膨らまずに折り曲がるように2つの鉄心片70を加圧する。これにより、2つの鉄心片70が折り畳まれる。次に、折り畳まれた2つの鉄心片70を固定し、上記2つの鉄心片70に隣接する鉄心片70を折り曲げ部において上記2つの鉄心片70に対して折り曲げる。これを複数回繰り返し、複数の鉄心片70を積層する。このような手順によって分割積層鉄心60が形成されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では電気機械として回転電機を例に挙げたが、本実施の形態の電気機械には、リニアモーター、変圧器などの他の電気機械も含まれる。
図19は、本実施の形態に係るリニアモーター600の概略構成を示す斜視図である。図19に示すように、リニアモーター600は、固定子610と、固定子610を挟んで配置された一対の可動子620と、を有している。固定子610は、磁性体611と永久磁石612とが交互に並んだ構成を有している。一対の可動子620は、固定子610に対して進行方向Aに沿って相対的に移動可能となっている。固定子610はリニアモーター600の界磁を構成し、一対の可動子620はリニアモーター600の電機子を構成する。
可動子620のそれぞれは、空隙を介して固定子610と対向して配置されている。可動子620のそれぞれは、直線状に並列した複数の分割積層鉄心621を有している。分割積層鉄心621のそれぞれは、電磁鋼板等を用いて形成された複数の鉄心片が積層方向Bに積層された構成を有している。また、分割積層鉄心621のそれぞれは、鉄心片のバックヨーク部が積層されたバックヨーク部積層体622と、鉄心片のティース部が積層されたティース部積層体623と、を有している。ティース部積層体623は、進行方向A及び鉄心片の積層方向Bの双方と直交する方向に沿って、バックヨーク部積層体622から突出している。ティース部積層体623には、絶縁部材を介して巻線624が巻かれている。
一方の可動子620と他方の可動子620とは、固定子610を挟んで面対称となるように配置されている。すなわち、一方の可動子620と他方の可動子620とは、固定子610を対称面として互いに鏡像となる位置に配置されている。一対の可動子620において、固定子610を挟んで対称となる位置のティース部積層体623には、同相の巻線624が巻かれている。
リニアモーター600の可動子620は、複数の分割積層鉄心621を有している。複数の分割積層鉄心621のそれぞれは、図7に示した分割積層鉄心60と同様の構成を有している。ただし、複数の分割積層鉄心621は、図9に示したように円環状に結合されるのではなく、直線状に並列して結合されている。このようなリニアモーター600であっても、既に説明した回転電機と同様の効果が得られる。
以上説明したように、本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心は、並列して配置された複数の分割積層鉄心60を備える。複数の分割積層鉄心60のそれぞれは、積層された複数の鉄心片70と、複数の鉄心片70のうち積層方向に隣り合う2つの鉄心片70同士を連結するとともに折り曲げられた第1折り曲げ部81と、を有している。複数の鉄心片70のそれぞれは、バックヨーク部71と、バックヨーク部71から突出したティース部72と、を有している。複数の分割積層鉄心60のそれぞれは、複数の鉄心片70のそれぞれのバックヨーク部71が積層されたバックヨーク部積層体61と、複数の鉄心片70のそれぞれのティース部72が積層されたティース部積層体62と、を有している。バックヨーク部積層体61は、複数の分割積層鉄心60の並列方向における端部である第1端部61aと、ティース部積層体62とは反対側の端部である第2端部61cと、を有している。第1折り曲げ部81は、第1端部61aに形成されている。第1端部61aは、第1折り曲げ部81が形成されている第1部分151と、第1折り曲げ部81が形成されていない第2部分152と、を有している。複数の分割積層鉄心60は、第1分割積層鉄心60Bと、第1分割積層鉄心60Bと上記並列方向に隣り合う第2分割積層鉄心60Aと、を有している。第1分割積層鉄心60Bの第2部分152は、第2分割積層鉄心60Aと接触している。第1分割積層鉄心60Bの第1端部61aは、溶接部160を介して第2分割積層鉄心60Aと接続されている。溶接部160は、第1分割積層鉄心60Bの第2部分152の位置よりも第2端部61c側に配置されている。ここで、第1折り曲げ部81は、折り曲げ部の一例である。上記電気機械が回転電機である場合、複数の分割積層鉄心60の並列方向は周方向である。上記電気機械がリニアモーターである場合、複数の分割積層鉄心60の並列方向は直線方向である。
この構成によれば、複数の鉄心片70が直線状に連結された鉄心片セット80を用いて複数の分割積層鉄心60のそれぞれを形成することができるため、鋼板シート100の不要部分を削減することができる。したがって、電気機械の積層鉄心を製造する際の材料ロスを削減することができる。
また、この構成によれば、相対的に磁束量の少ない部分に溶接部160が配置され、相対的に磁束量の多い部分に第2部分152が配置されるため、鉄損の増加を抑制でき、回転電機の効率を向上させることができる。
本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心において、第1部分151は、第2部分152の位置よりも第2端部61c側に配置されている。
本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心において、第1分割積層鉄心60Bの第1部分151は、第2分割積層鉄心60Aから離れている。この構成によれば、寸法精度の低い第1折り曲げ部81を第2分割積層鉄心60Aから離すことができるため、積層鉄心の寸法精度を高めることができる。
本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心において、第1分割積層鉄心60Bの第1端部61aには、上記並列方向に沿って突出した第1凸部64が形成されている。第1凸部64は、第1部分151である先端部と、先端部の両側に位置する第1側面部64a及び第2側面部64bと、を有している。第2側面部64bは、第1側面部64aの位置よりも第2端部61c側に配置されている。第2分割積層鉄心60Aには、第1凸部64が嵌め込まれる第2凹部67が形成されている。
本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心において、第1側面部64aは、第2凹部67と接触しており、第2側面部64bは、第2凹部67と接触していない。この構成によれば、第1分割積層鉄心60Bと第2分割積層鉄心60Aとの相対的な位置決めを確実に行うことができるとともに、より多くの磁束を通すことができる。
本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心において、上記並列方向は周方向である。複数の分割積層鉄心60の外周面には、径方向内側に凹んだ外周凹部93が形成されている。溶接部160は、外周凹部93に形成されている。この構成によれば、複数の分割積層鉄心60がハウジング10に嵌入される際、溶接部160とハウジング10とが干渉するのを防ぐことができる。したがって、複数の分割積層鉄心60とハウジング10との間において、狙いの締め代を安定して確保することができる。
本実施の形態に係る電気機械は、本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心と、積層鉄心の外周側に設けられ、積層鉄心が嵌入される円筒状のハウジング10と、をさらに有している。この構成によれば、溶接部160とハウジング10とが干渉するのを防ぐことができるため、狙いの締め代を安定して確保することができる。
本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心の製造方法は、バックヨーク部71及びバックヨーク部71から突出したティース部72をそれぞれ有する複数の鉄心片70が連結された鉄心片セット80を鋼板シート100から切り出す切り出し工程と、切り出された鉄心片セット80を、複数の鉄心片70のうち互いに隣り合う2つの鉄心片70の間に設けられた第1折り曲げ部81において折り曲げる折り工程と、折り曲げられた鉄心片セット80の複数の鉄心片70を積層し、複数の分割積層鉄心60のそれぞれを形成する積層工程と、複数の分割積層鉄心60を並列するように配置し、複数の分割積層鉄心60のうち互いに隣り合う2つの分割積層鉄心60を溶接して溶接部160を形成する溶接工程と、を備える。複数の分割積層鉄心60のそれぞれは、複数の鉄心片70のそれぞれのバックヨーク部71が積層されたバックヨーク部積層体61と、複数の鉄心片70のそれぞれのティース部72が積層されたティース部積層体62と、を有している。バックヨーク部積層体61は、複数の分割積層鉄心60の並列方向における端部である第1端部61aと、ティース部積層体62とは反対側の端部である第2端部61cと、を有している。第1折り曲げ部81は、第1端部61aに形成されている。第1端部61aは、第1折り曲げ部81が形成されている第1部分151と、第1折り曲げ部81が形成されていない第2部分152と、を有している。溶接部160は、当該溶接部160が第2部分152の位置よりも第2端部61c側に配置されるように、2つの分割積層鉄心60の第1端部61aの間に形成される。ここで、第1折り曲げ部81は、折り曲げ部の一例である。
この構成によれば、複数の鉄心片70が直線状に連結された鉄心片セット80を用いて複数の分割積層鉄心60のそれぞれを形成することができるため、鋼板シート100の不要部分を削減することができる。したがって、電気機械の積層鉄心を製造する際の材料ロスを削減することができる。
また、この構成によれば、磁束量の少ない部分に溶接部160が配置され、磁束量の多い部分に第2部分152が配置されるため、鉄損の増加を抑制でき、回転電機の効率を向上させることができる。
本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心の製造方法において、溶接部160は、レーザー溶接により形成される。この構成によれば、固定子鉄心21に熱歪みが生じるのを防ぐことができる。
本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心の製造方法において、溶接部160は、TIG溶接により形成される。TIG溶接機はレーザー溶接機と比較して一般的に安価であるため、設備投資を抑制することができる。
本実施の形態に係る電気機械の製造方法は、本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心の製造方法を含む。この構成によれば、上記と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る電気機械の積層鉄心及び電気機械の積層鉄心の製造方法について説明する。なお、実施の形態1と同様の構成については説明を省略する。
図20は、本実施の形態に係る分割積層鉄心60の構成を示す斜視図である。図21は、本実施の形態に係る鉄心片セット80から分割積層鉄心60を形成する過程を示す斜視図である。図21では、最上層の鉄心片70以外の複数の鉄心片70が積層されている状態を示している。図20及び図21に示すように、本実施の形態に係る分割積層鉄心60は、少なくとも、折り曲げ部が設けられている位置において、実施の形態1の分割積層鉄心60と異なっている。
ティース部積層体62においてバックヨーク部積層体61とは反対側に位置する端部62aには、複数の第1折り曲げ部81a及び複数の第1折り曲げ部81bが形成されている。第1折り曲げ部81aは、端部62aのうちの周方向一端部に形成されている。第1折り曲げ部81aは、鉄心片70の積層方向に沿って配列している。第1折り曲げ部81bは、端部62aのうちの周方向他端部に形成されている。第1折り曲げ部81bは、鉄心片70の積層方向に沿って配列している。第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bは、2つの鉄心片70毎にそれぞれ1つずつ設けられている。鉄心片セット80は、1組の第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bにおいて、隣り合う2つの鉄心片70の一方の面同士が対向するように折り曲げられている。
ティース部積層体62の端部62aのうち、第1折り曲げ部81aと第1折り曲げ部81bとの間には、平坦部110が形成されている。平坦部110は、第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bに対して凹状に形成されており、鉄心片70の積層方向に沿って溝状に延伸している。端部62aにおける周方向中心部は、平坦部110に含まれている。
端部62aは、第1折り曲げ部81a又は第1折り曲げ部81bが形成されている第1部分155と、第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bが形成されていない第2部分156と、を互いに異なる周方向位置に有している。第2部分156は、端部62aの周方向中心部に設けられている。第1部分155は、端部62aの周方向中心部からずれた位置に設けられている。第1部分155と第2部分156とは互いに隣接している。第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bは、第1部分155に含まれる。平坦部110は、第2部分156に含まれる。
一般に、ティース部積層体62の端部62aと回転子30との距離は、端部62aの周方向中心部において最も短くなる。本実施の形態では、第2部分156が端部62aの周方向中心部に設けられ、第1部分155が端部62aの周方向中心部からずれた位置に設けられているため、端部62aの周方向中心部と回転子30との距離がさらに短くなってしまうのを防ぐことができる。したがって、ティース部積層体62と回転子30との干渉を避けることができる。
バックヨーク部積層体61においてティース部積層体62とは反対側に位置する端部61cには、複数の第2折り曲げ部82a及び複数の第2折り曲げ部82bが形成されている。第2折り曲げ部82aは、端部61cのうち周方向中心部よりも周方向一端部寄りに形成されている。第2折り曲げ部82aは、鉄心片70の積層方向に沿って配列している。第2折り曲げ部82bは、端部61cのうち周方向中心部よりも周方向他端部寄りに形成されている。第2折り曲げ部82bは、鉄心片70の積層方向に沿って配列している。第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bは、2つの鉄心片70毎にそれぞれ1つずつ設けられている。鉄心片セット80は、1組の第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bにおいて、隣り合う2つの鉄心片70の他方の面同士が対向するように折り曲げられている。
バックヨーク部積層体61の端部61cのうち、第2折り曲げ部82aと第2折り曲げ部82bとの間には、凹部111が形成されている。凹部111は、鉄心片70の積層方向に沿って溝状に延伸している。端部61cにおける周方向中心部は、凹部111に含まれている。
端部61cは、第2折り曲げ部82a又は第2折り曲げ部82bが形成されている第3部分157と、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bが形成されていない第4部分158と、を互いに異なる周方向位置に有している。第4部分158は、端部61cの周方向中心部に設けられている。第3部分157は、端部61cの周方向中心部からずれた位置に設けられている。第3部分157と第4部分158とは互いに隣接している。第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bは、第3部分157に含まれる。凹部111は、第4部分158に含まれる。
本実施の形態では、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bが形成されていない第4部分158が端部61cの一部に設けられているため、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bのそれぞれの周方向における幅を狭くすることができる。これにより、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bにおける鉄心片セット80の曲げ強度が局所的に低くなるため、鉄心片セット80を正確に折り曲げることができる。
バックヨーク部積層体61の周方向両端部である端部61a及び端部61bには、折り曲げ部が設けられていない。端部61aのほぼ全体には、隣接するバックヨーク部積層体61と接触する平面状の接触部63が形成されている。端部61bのほぼ全体には、隣接するバックヨーク部積層体61と接触する平面状の接触部66が形成されている。
図22は、本実施の形態に係る鉄心片セット80が配置された鋼板シート100の構成を示す平面図である。図22に示すように、鋼板シート100には、例えば4つの鉄心片70を有する鉄心片セット80が配置されている。なお、鉄心片セット80が有する鉄心片70の数は4つに限られず、2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。
鉄心片セット80の鉄心片70は、それぞれのティース部72が鋼板シート100の長手方向に沿った一直線上に配置されるように、直線状に配置されている。互いに隣り合う2つの鉄心片70は、それぞれのティース部72の間に設けられた1組の第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81b、又は、それぞれのバックヨーク部71の間に設けられた1組の第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bを介して連結されている。第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bを挟んで隣り合う2つの鉄心片70は、第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bに対して互いに線対称となる形状を有している。第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bを挟んで隣り合う2つの鉄心片70は、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bに対して互いに線対称となる形状を有している。
鉄心片セット80の長手方向両端に位置する鉄心片70は、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bを介して、隣り合う他の鉄心片70と連結されている。ただし、図21に示したように、鉄心片セット80の長手方向両端に位置する鉄心片70は、第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bを介して、隣り合う他の鉄心片70と連結されていてもよい。
図22に示す鋼板シート100には、主な不要部分として、縁部101aと各ティース部72との間の不要部分102dと、縁部101bと各ティース部72との間の不要部分102eと、がある。これらの不要部分102d、102eは、鋼板シート100の縁部101a及び縁部101bのそれぞれに沿った部分のみに形成される。したがって、本実施の形態においても、鋼板シート100の不要部分を削減することができるため、固定子鉄心21を製造する際の材料ロスを削減することができる。
図23は、本実施の形態に係る鉄心片セット80の一部を拡大して示す図である。図23に示すように、ティース部72同士を連結する第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bは、鉄心片70の中心線120に対して互いに対称となる位置に形成されている。第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bのそれぞれは、隣り合う2つの鉄心片70の中心に設けられている。
第1折り曲げ部81aと第1折り曲げ部81bとの間には、鉄心片セット80がスリット状に開口された抜き部121が形成されている。抜き部121は、中心線120と垂直な方向に沿って、第1折り曲げ部81aから第1折り曲げ部81bまで延びている。鉄心片セット80が第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bにおいて折り曲げられると、抜き部121の開口端により、図20及び図21に示した平坦部110が形成される。
第1折り曲げ部81aの外側には、V字状の切欠き122aが第1折り曲げ部81aに向かって形成されている。第1折り曲げ部81aは、切欠き122aと抜き部121の一端との間に位置している。第1折り曲げ部81bの外側には、V字状の切欠き122bが第1折り曲げ部81bに向かって形成されている。第1折り曲げ部81bは、切欠き122bと抜き部121の他端との間に位置している。本実施の形態では、切欠き122a及び切欠き122bが二等辺三角形状の形状を有しているが、切欠き122a及び切欠き122bは二等辺三角形状以外の形状を有していてもよい。切欠き122a及び切欠き122bの先端は、鋭く尖っていてもよいし、円弧状に丸められていてもよい。
このように、ティース部72同士の間には、第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bに隣接して、抜き部121、切欠き122a及び切欠き122bが形成されている。これにより、第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bにおける鉄心片セット80の曲げ強度を局所的に低くすることができる。このため、第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bにおいて鉄心片セット80を正確に折り曲げることができる。また、第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bにおいて鉄心片セット80を折り曲げるのに要する力を小さくすることができる。
バックヨーク部71同士を連結する第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bは、鉄心片70の中心線120に対して互いに対称となる位置に形成されている。第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bのそれぞれは、隣り合う2つの鉄心片70の中心に設けられている。
第2折り曲げ部82aと第2折り曲げ部82bとの間には、鉄心片セット80が正方形状に開口された抜き部123が形成されている。抜き部123の形状は、長方形状又はスリット状であってもよい。鉄心片セット80が第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bにおいて折り曲げられると、抜き部123の開口端により、図20及び図21に示した凹部111が形成される。
第2折り曲げ部82aの外側には、V字状の切欠き124aが第2折り曲げ部82aに向かって形成されている。第2折り曲げ部82aは、切欠き124aと抜き部123との間に位置している。第2折り曲げ部82bの外側には、V字状の切欠き124bが第2折り曲げ部82bに向かって形成されている。第2折り曲げ部82bは、切欠き124bと抜き部123との間に位置している。本実施の形態では、切欠き124a及び切欠き124bが二等辺三角形状の形状を有しているが、切欠き124a及び切欠き124bは二等辺三角形状以外の形状を有していてもよい。切欠き124a及び切欠き124bの先端は、鋭く尖っていてもよいし、円弧状に丸められていてもよい。
このように、バックヨーク部71同士の間には、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bに隣接して、抜き部123、切欠き124a及び切欠き124bが形成されている。これにより、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bにおける鉄心片セット80の曲げ強度を局所的に低くすることができる。このため、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bにおいて鉄心片セット80を正確に折り曲げることができる。また、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bにおいて鉄心片セット80を折り曲げるのに要する力を小さくすることができる。
図24は、本実施の形態に係る分割積層鉄心60の製造装置200の構成を模式的に示す側面図である。図24では、鋼板シート100から鉄心片セット80を切り出す切り出し工程以前の工程の図示を省略している。本実施の形態に係る製造装置200は、少なくとも、回転折り曲げ機230に加えて別の回転折り曲げ機240を備えている点、及びストッカー270に可動壁273が設けられている点において、実施の形態1の製造装置200と異なっている。
本実施の形態の折り工程は、回転折り曲げ機230を用いる第1折り工程と、回転折り曲げ機240を用いる第2折り工程と、加圧折り曲げ機250を用いる第3折り工程と、を有している。回転折り曲げ機230の構成は、実施の形態1と同様である。
回転折り曲げ機240は、回転折り曲げ機230よりも後工程側であって加圧折り曲げ機250よりも前工程側に配置されている。回転折り曲げ機240は、回転折り曲げ機230と同期して動作する。回転折り曲げ機240は、第3ローラー241及び第4ローラー242を有している。第3ローラー241は、鉄心片セット80の上方に配置されており、鉄心片セット80の上面に接触する。第4ローラー242は、鉄心片セット80の下方に配置されており、鉄心片セット80の下面に接触する。少なくとも第3ローラー241は、モーターからの駆動力が伝達されるように構成されている。
第3ローラー241は、回転軸O3を中心として、図24中の反時計回り方向に回転する。Y軸方向における回転軸O3の位置はY3であり、X軸方向における回転軸O3の位置はX3である。第4ローラー242は、回転軸O3と平行な回転軸O4を中心として、図24中の時計回り方向に回転する。Y軸方向における回転軸O4の位置はY4であり、X軸方向における回転軸O4の位置はX4である。Y3及びY4は、Y3>Y4の関係を満たしている。X3及びX4は、X3<X4の関係を満たしている。
第3ローラー241は、当該第3ローラー241の周方向外側に放射状に突出した複数の第3歯243を有している。第3ローラー241の歯数は、第1ローラー231及び第2ローラー232のそれぞれの歯数とは異なっていてもよい。第3歯243のそれぞれは、一対の面244a、244bを有している。面244aは、第3ローラー241の回転方向前方を向いた面であり、面244bは、第3ローラー241の回転方向後方を向いた面である。
第4ローラー242は、第3ローラー241と同形状である。第4ローラー242は、当該第4ローラー242の周方向外側に放射状に突出した複数の第4歯245を有している。第4ローラー242の歯数は、第1ローラー231及び第2ローラー232のそれぞれの歯数とは異なっていてもよい。第4歯245のそれぞれは、一対の面246a、246bを有している。面246aは、第4ローラー242の回転方向前方を向いた面であり、面246bは、第4ローラー242の回転方向後方を向いた面である。
ここで、回転折り曲げ機240には、回転折り曲げ機230で折り曲げられたことにより折り曲げ位置が既に定まった鉄心片セット80が供給される。このため、第3歯243及び第4歯245のそれぞれの歯先は、必ずしも鉄心片セット80の折り曲げ位置に突き当てられる必要がない。また、第3歯243の一対の面244a、244b及び第4歯245の一対の面246a、246bは、必ずしも鉄心片セット80に面接触する必要がない。
第1歯233の第1当たり面234a及び第1当たり面234bのそれぞれの長さP2は、例えば、鉄心片セット80の折り曲げピッチP1と同一である(P2=P1)。これに対し、第3歯243の面244a及び面244bのそれぞれの長さP3は、鉄心片セット80の折り曲げピッチP1よりも短くなっている(P3<P1)。同様に、第4歯245の面246a及び面246bのそれぞれの長さは、鉄心片セット80の折り曲げピッチP1よりも短くなっている。これにより、第3ローラー241及び第4ローラー242を小型化できる。
ただし、第3歯243の面244a及び面244bのそれぞれの長さP3は、鉄心片セット80の折り曲げピッチP1と同一であってもよい。同様に、第4歯245の面246a及び面246bのそれぞれの長さは、鉄心片セット80の折り曲げピッチP1と同一であってもよい。
回転折り曲げ機230の第1ローラー231を駆動するモーターと、回転折り曲げ機240の第3ローラー241を駆動するモーターとは、互いにタイミングを合わせて制御される。これにより、回転折り曲げ機230及び回転折り曲げ機240のそれぞれは、鉄心片セット80を任意の折り曲げ角度に折り曲げることができるとともに、任意の速度で鉄心片セット80を送り出すことができる。
第1折り工程では、鉄心片セット80が回転折り曲げ機230によって折り曲げ角度θ3に折り曲げられる。第2折り工程では、回転折り曲げ機230で折り曲げられた鉄心片セット80が、回転折り曲げ機240によって、折り曲げ角度θ3よりも小さい折り曲げ角度θ4に折り曲げられる。
第3折り工程では、回転折り曲げ機240で折り曲げられた鉄心片セット80が、実施の形態1と同様の円筒折り曲げ機260によって、折り曲げ角度θ4よりもさらに小さい折り曲げ角度θ5に折り曲げられる(θ3>θ4>θ5)。このように、本実施の形態では、鉄心片セット80の折り曲げ角度がθ3、θ4及びθ5の順に段階的に小さくなる。これにより、鉄心片セット80の折り曲げ位置の精度を高めることができる。
円筒折り曲げ機260によって折り曲げられた鉄心片セット80は、ストッカー270に送られる。ストッカー270は、可動壁273を有している。可動壁273は、ストッカー270の本体に対し、鉄心片セット80の送り方向に沿って移動できるように構成されている。可動壁273は、ストッカー270に送られた鉄心片セット80の底面、すなわち、送り方向における鉄心片セット80の前端部と接触する。ストッカー270は、鉄心片セット80の送り方向とは逆方向に可動壁273を移動させることにより、鉄心片セット80を鉄心片70の積層方向に加圧できるように構成されている。ストッカー270は、積層工程を実行する積層装置を兼ねている。
ストッカー270に送られた鉄心片セット80は、鉄心片70同士の隙間が減少するように加圧される。これにより、鉄心片セット80の折り曲げ角度は、折り曲げ角度θ5よりもさらに小さくなる。このようにして鉄心片セット80の複数の鉄心片70が積層され、分割積層鉄心60が作製される。
本実施の形態では、切り出し工程及び折り工程に加えて、積層工程も一連の製造ラインによって実行される。これにより、折り工程から積層工程への鉄心片セット80の搬送が不要となる。また、ストッカー270が積層装置を兼ねているため、図18に示したような積層装置280が不要になる。
図25は、本実施の形態に係る分割積層鉄心60の構成を示す平面図である。図26は、本実施の形態に係る複数の分割積層鉄心60を円環状に並列させた構成を示す平面図である。図26では、周方向に並列する3つの分割積層鉄心60A、60B、60Cの構成を示している。図26に示す複数の分割積層鉄心60の配置は、固定子鉄心21における複数の分割積層鉄心60の配置と同様である。また、図26では、溶接方向すなわち溶接の際のエネルギー供給方向を太矢印で示している。
図25及び図26に示すように、分割積層鉄心60Aの端部61bと、分割積層鉄心60Bの端部61aとは、溶接部160を介して接続されている。溶接部160は、平面視で点状の形状を有している。例えば、溶接部160は、分割積層鉄心60Aの端部61bのうち最も径方向外側すなわち端部61c側に位置する部分と、分割積層鉄心60Bの端部61aのうち最も径方向外側すなわち端部61c側に位置する部分と、の間に形成されている。溶接部160は、TIG溶接機を用いたTIG溶接により、溶接方向に沿って外周側から熱エネルギーが加えられることによって形成されている。
溶接部160は、固定子鉄心21の外周面のうち、径方向内側に凹んだ外周凹部94に形成されている。溶接部160は、固定子鉄心21の外周側に露出している。溶接部160は、固定子鉄心21の中心軸を中心として固定子鉄心21に外接する円筒面よりも径方向内側に形成されており、当該円筒面よりも径方向外側には突出していない。
同様に、分割積層鉄心60Bの端部61bと、分割積層鉄心60Cの端部61aとは、溶接部160を介して接続されている。分割積層鉄心60Bと分割積層鉄心60Cとの間の溶接部160については、分割積層鉄心60Aと分割積層鉄心60Bとの間の溶接部160と同様であるため、説明を省略する。
本実施の形態では、実施の形態1と同様に、円環状に並列した複数の分割積層鉄心60が円筒状のハウジング10に嵌入される際、溶接部160とハウジング10とが干渉するのを防ぐことができる。したがって、複数の分割積層鉄心60とハウジング10との間において、狙いの締め代を安定して確保することができる。
また、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、隣接するバックヨーク部積層体61同士が接触する接触部63及び接触部66よりも径方向外側に溶接部160が形成されている。接触部63及び接触部66に溶接部160が形成されると、渦電流が発生しやすくなるため、鉄損の増加により回転電機の効率が低下してしまう場合がある。これに対し、本実施の形態では、バックヨーク部積層体61のうち磁束量の少ない径方向外側部分に溶接部160が形成されるため、渦電流の発生を抑制できる。
一方、溶接部160よりも径方向内側に接触部63及び接触部66が設けられているため、接触部63及び接触部66を介して、図26中の破線両矢印で示すような磁束をより多く通すことができる。したがって、回転電機の効率を向上させることができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心は、並列して配置された複数の分割積層鉄心60を備える。複数の分割積層鉄心60のそれぞれは、積層された複数の鉄心片70と、複数の鉄心片70のうち積層方向に隣り合う2つの鉄心片70同士を連結するとともに折り曲げられた第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bと、を有している。複数の鉄心片70のそれぞれは、バックヨーク部71と、バックヨーク部71から突出したティース部72と、を有している。複数の分割積層鉄心60のそれぞれは、複数の鉄心片70のそれぞれのバックヨーク部71が積層されたバックヨーク部積層体61と、複数の鉄心片70のそれぞれのティース部72が積層されたティース部積層体62と、を有している。バックヨーク部積層体61は、複数の分割積層鉄心60の並列方向における端部である第1端部61aと、ティース部積層体62とは反対側の端部である第2端部61cと、を有している。ティース部積層体62は、バックヨーク部積層体61とは反対側の端部である第3端部62aを有している。第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bは、第3端部62aに形成されている。複数の分割積層鉄心60は、第1分割積層鉄心60Bと、第1分割積層鉄心60Bと上記並列方向に隣り合う第2分割積層鉄心60Aと、を有している。第1分割積層鉄心60Bの第1端部61aは、溶接部160を介して第2分割積層鉄心60Aと接続されている。第1分割積層鉄心60Bの第1端部61aは、第2分割積層鉄心60Aと接触する接触部63を有している。溶接部160は、接触部63の位置よりも第2端部61c側に配置されている。ここで、第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bのそれぞれは、折り曲げ部の一例である。上記電気機械が回転電機である場合、複数の分割積層鉄心60の並列方向は周方向である。上記電気機械がリニアモーターである場合、複数の分割積層鉄心60の並列方向は直線方向である。
この構成によれば、複数の鉄心片70が直線状に連結された鉄心片セット80を用いて複数の分割積層鉄心60のそれぞれを形成することができるため、鋼板シート100の不要部分を削減することができる。したがって、電気機械の積層鉄心を製造する際の材料ロスを削減することができる。
また、この構成によれば、相対的に磁束量の少ない部分に溶接部160が配置され、相対的に磁束量の多い部分に接触部63が配置されるため、鉄損の増加を抑制でき、回転電機の効率を向上させることができる。
本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心において、第3端部62aは、第1折り曲げ部81a又は第1折り曲げ部81bが形成されている第1部分155と、第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bが形成されていない第2部分156と、を有している。第2部分156は、上記並列方向における第3端部62aの中心部に配置されている。第1部分155は、上記並列方向において第3端部62aの中心部からずれた位置に配置されている。この構成によれば、ティース部積層体62と回転子30との距離が短くなってしまうのを防ぐことができる。
本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心において、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bは、さらに第2端部61cに形成されている。第2端部61cは、第2折り曲げ部82a又は第2折り曲げ部82bが形成されている第3部分157と、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bが形成されていない第4部分158と、を有している。上記並列方向における第2端部61cの中心部には凹部111が形成されている。第4部分158は、凹部111に配置されている。第3部分157は、上記並列方向において凹部111からずれた位置に配置されている。ここで、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bのそれぞれは、折り曲げ部の一例である。
この構成によれば、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bが第2端部61cの一部に形成されるため、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bにおける鉄心片セット80の曲げ強度を局所的に低くすることができる。したがって、第2折り曲げ部82a及び第2折り曲げ部82bにおいて鉄心片セット80を正確に折り曲げることができる。
本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心の製造方法は、バックヨーク部71及びバックヨーク部71から突出したティース部72をそれぞれ有する複数の鉄心片70が連結された鉄心片セット80を鋼板シート100から切り出す切り出し工程と、切り出された鉄心片セット80を、複数の鉄心片70のうち互いに隣り合う2つの鉄心片70の間に設けられた第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bにおいて折り曲げる折り工程と、折り曲げられた鉄心片セット80の複数の鉄心片70を積層し、複数の分割積層鉄心60のそれぞれを形成する積層工程と、複数の分割積層鉄心60を並列するように配置し、複数の分割積層鉄心60のうち互いに隣り合う2つの分割積層鉄心60を溶接して溶接部160を形成する溶接工程と、を備える。複数の分割積層鉄心60のそれぞれは、複数の鉄心片70のそれぞれのバックヨーク部71が積層されたバックヨーク部積層体61と、複数の鉄心片70のそれぞれのティース部72が積層されたティース部積層体62と、を有している。バックヨーク部積層体61は、複数の分割積層鉄心60の並列方向における端部である第1端部61aと、ティース部積層体62とは反対側の端部である第2端部61cと、を有している。ティース部積層体62は、バックヨーク部積層体61とは反対側の端部である第3端部62aを有している。第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bは、第3端部62aに形成されている。第1端部61aは、隣り合う分割積層鉄心60と接触する接触部63を有している。溶接部160は、当該溶接部160が接触部63の位置よりも第2端部61c側に配置されるように、2つの分割積層鉄心60のそれぞれの第1端部61aの間に形成される。ここで、第1折り曲げ部81a及び第1折り曲げ部81bのそれぞれは、折り曲げ部の一例である。
この構成によれば、複数の鉄心片70が直線状に連結された鉄心片セット80を用いて複数の分割積層鉄心60のそれぞれを形成することができるため、鋼板シート100の不要部分を削減することができる。したがって、電気機械の積層鉄心を製造する際の材料ロスを削減することができる。
また、この構成によれば、相対的に磁束量の少ない部分に溶接部160が配置され、相対的に磁束量の多い部分に接触部63が配置されるため、鉄損の増加を抑制でき、回転電機の効率を向上させることができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る電気機械の積層鉄心及び電気機械の積層鉄心の製造方法について説明する。なお、実施の形態1又は2と同様の構成については説明を省略する。
図27は、本実施の形態に係る分割積層鉄心60の構成を示す平面図である。図28は、本実施の形態に係る複数の分割積層鉄心60を円環状に並列させた構成を示す平面図である。図28では、周方向に並列する3つの分割積層鉄心60A、60B、60Cの構成を示している。図28に示す複数の分割積層鉄心60の配置は、固定子鉄心21における複数の分割積層鉄心60の配置と同様である。また、図28では、溶接方向すなわち溶接の際のエネルギー供給方向を太矢印で示している。本実施の形態は、少なくとも、溶接部160近傍における分割積層鉄心60の形状、及び溶接方法において実施の形態1と異なっている。
図27及び図28に示すように、本実施の形態に係る分割積層鉄心60は、図10に示した構成と異なり、第1凸部64の側面部64bを当該側面部64bに沿って外周側に延長した延長線E1上に、鉄心部分が存在しないように構成されている。
分割積層鉄心60Aと分割積層鉄心60Bとの間の溶接部160は、平面視で直線状に形成されている。溶接部160は、分割積層鉄心60Bの第1凸部64の側面部64bと、分割積層鉄心60Aの第2凹部67の側面部67bと、に沿って延びている。溶接の際には、YAGレーザー溶接機、ファイバーレーザー溶接機などのレーザー溶接機が用いられる。レーザー光のエネルギーは、外周側から延長線E1に沿って供給される。溶接部160のうち、少なくとも径方向で最も外側に位置する部分は、固定子鉄心21の外周面に形成された外周凹部95の表面に位置している。溶接部160は、固定子鉄心21の中心軸を中心として固定子鉄心21に外接する円筒面よりも径方向内側に形成されており、当該円筒面よりも径方向外側には突出していない。
溶接部160は、接触部63及び接触部66よりも径方向外側に形成されている。これにより、バックヨーク部積層体61のうち磁束量の少ない径方向外側部分に溶接部160が形成されるため、渦電流の発生を抑制できる。
一方、溶接部160よりも径方向内側に接触部63及び接触部66が設けられているため、接触部63及び接触部66を介して、図28中の破線両矢印で示すような磁束をより多く通すことができる。
実施の形態1と同様に、溶接部160が形成される前の状態では、分割積層鉄心60Bの第1凸部64の側面部64bと、分割積層鉄心60Aの第2凹部67の側面部67bとは、互いに接触していない。例えばファイバーレーザー溶接機を用いたファイバーレーザー溶接を行う場合には、ファイバーレーザー溶接機のファイバー径は、側面部64bと側面部67bとの間の間隔よりも大きく設定されるのが望ましい。これにより、分割積層鉄心60Aと分割積層鉄心60Bとを確実に溶接することができる。
本実施の形態では、直進性に優れるレーザー光を用いて溶接を行うため、固定子鉄心21の外周面から径方向内側に入り込んだ位置まで溶接部160を形成することができる。これにより、実施の形態1と比較すると、溶接部160の体積を大きくすることができる。したがって、本実施の形態では、分割積層鉄心60Aと分割積層鉄心60Bとの溶接強度をより高くすることができる。
また、レーザー光は直進性に優れるため、延長線E1に沿ってレーザー光のエネルギーが供給される場合、延長線E1上には、溶接部160以外の鉄心部分が存在しないことが望ましい。本実施の形態では、延長線E1上に分割積層鉄心60の鉄心部分及び他の部品が存在しないため、溶接工程が容易になり、溶接部160を狙いの位置に形成することができる。
レーザー溶接のエネルギー密度は、TIG溶接と比べると高いため、レーザー溶接が用いられる場合、母材である鉄心を瞬間的に溶融させることができる。これにより、母材の横方向への熱の拡散を抑えることができるため、母材の溶け込みを縦方向に深くすることができる。その結果、熱影響による母材の歪みを小さくしつつ、強固な溶接が可能となる。
本実施の形態では、平面視において、溶接部160の延伸方向が接触部63及び接触部66の延伸方向に対して傾いている。例えば、平面視において、接触部63及び接触部66はいずれも径方向と平行であるのに対し、溶接部160の延伸方向は径方向から傾いている。本実施の形態は、少なくともこの点において実施の形態2と異なっている。これにより、直進性の高いレーザー光を利用したレーザー溶接が行われる場合であっても、接触部63及び接触部66にまで溶接部160が形成されてしまうのを防ぐことができる。より多くの磁束が通る接触部63及び接触部66に溶接部160が形成されると、鉄損が大きくなり、回転電機の効率が低下してしまう場合がある。しかしながら、本実施の形態では、接触部63及び接触部66に溶接部160が形成されてしまうのを防止できるため、鉄損の増加及び回転電機の効率低下を抑制することができる。
また、本実施の形態では、固定子鉄心21の組立体における外周面に近い部分に溶接部160が形成されるため、ハウジング固定工程において各分割積層鉄心60に位置ずれが生じるのを抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心では、複数の鉄心片70のそれぞれに沿った平面において、第2側面部64bを第2端部61c側に延長した延長線E1上には、鉄心部分が存在していない。溶接部160は、第2側面部64bの少なくとも一部と第2凹部67との間に形成されている。この構成によれば、溶接工程が容易になり、溶接部160を狙いの位置に形成することができる。
本実施の形態に係る電気機械の積層鉄心では、複数の鉄心片70のそれぞれに沿った平面において、第1分割積層鉄心60Bの第1端部61aは、接触部63に対して傾斜した側面部64bを有している。溶接部160は、側面部64bと第2分割積層鉄心60Aとの間に形成されている。接触部63は、第2部分の一例である。側面部64bは、傾斜面の一例である。この構成によれば、接触部63に溶接部160が形成されてしまうのを防止できるため、鉄損の増加及び回転電機の効率低下を抑制することができる。
この構成は、実施の形態2にも適用できる。すなわち、ティース部積層体62の端部62a及びバックヨーク部積層体61の端部61cに折り曲げ部が形成された分割積層鉄心60において、端部61aは、接触部63の位置よりも端部61c側に、接触部63に対して傾斜した傾斜面を有していてもよい。溶接部160は、当該傾斜面と、隣接する分割積層鉄心60と、の間に形成される。この構成によっても、接触部63に溶接部160が形成されてしまうのを防止できるため、鉄損の増加及び回転電機の効率低下を抑制することができる。
上記の各実施の形態及び変形例は、互いに組み合わせて実施することが可能である。例えば、上記実施の形態1又は3に係る分割積層鉄心60は、上記実施の形態2に係る積層鉄心の製造方法及び製造装置を用いて製造することが可能である。また、上記実施の形態2又は3に係る分割積層鉄心60は、上記実施の形態1に係る積層鉄心の製造方法及び製造装置を用いて製造することが可能である。また、上記実施の形態2又は3に係る分割積層鉄心60をリニアモーターに適用することも可能である。また、上記実施の形態1の回転折り曲げ機230に代えて、上記実施の形態2の回転折り曲げ機230及び回転折り曲げ機240を用いることも可能である。また、上記実施の形態1のストッカー270に代えて、上記実施の形態2のストッカー270を用いることも可能である。
10 ハウジング、20 固定子、21 固定子鉄心、22 固定子巻線、30 回転子、31 回転子鉄心、32 永久磁石、40 シャフト、41、42 軸受、50 空隙、60、60A、60B、60C 分割積層鉄心、61 バックヨーク部積層体、61a、61b、61c 端部、62 ティース部積層体、62a 端部、63 接触部、64 第1凸部、64a、64b 側面部、65 第1凹部、66 接触部、67 第2凹部、67a、67b 側面部、67c 底面部、68 第2凸部、70 鉄心片、71 バックヨーク部、71a、71b、71c 端部、72 ティース部、73 凸部、74 凹部、75 切欠き、76 凸部、77 凹部、78a、78b 切欠き、80、80A、80B 鉄心片セット、81、81a、81b 第1折り曲げ部、82、82a、82b 第2折り曲げ部、91、92 隙間、93、94、95 外周凹部、100 鋼板シート、101a、101b 縁部、102a、102b、102c、102d、102e 不要部分、110 平坦部、111 凹部、120 中心線、121 抜き部、122a、122b 切欠き、123 抜き部、124a、124b 切欠き、151、153、155 第1部分、152、154、156 第2部分、157 第3部分、158 第4部分、160 溶接部、200 製造装置、210 供給装置、220 切り出し機、221 下テーブル、222 上テーブル、223、224 ツール、230 回転折り曲げ機、231 第1ローラー、232 第2ローラー、233 第1歯、234a、234b 第1当たり面、235 第2歯、236a、236b 第2当たり面、237 支持ローラー、240 回転折り曲げ機、241 第3ローラー、242 第4ローラー、243 第3歯、244a、244b 面、245 第4歯、246a、246b 面、250 加圧折り曲げ機、260 円筒折り曲げ機、261 第1回転ローラー、262 第2回転ローラー、263 第3回転ローラー、264 第4回転ローラー、270 ストッカー、271、272 ガイド、273 可動壁、280 積層装置、281 下板、282 上板、500 鋼板シート、501、501a、501b 鉄心片、502 不要部分、600 リニアモーター、610 固定子、611 磁性体、612 永久磁石、620 可動子、621 分割積層鉄心、622 バックヨーク部積層体、623 ティース部積層体、624 巻線。

Claims (18)

  1. 並列して配置された複数の分割積層鉄心を備え、
    前記複数の分割積層鉄心のそれぞれは、積層された複数の鉄心片と、前記複数の鉄心片のうち積層方向に隣り合う2つの鉄心片同士を連結するとともに折り曲げられた折り曲げ部と、を有しており、
    前記複数の鉄心片のそれぞれは、バックヨーク部と、前記バックヨーク部から突出したティース部と、を有しており、
    前記複数の分割積層鉄心のそれぞれは、前記複数の鉄心片のそれぞれの前記バックヨーク部が積層されたバックヨーク部積層体と、前記複数の鉄心片のそれぞれの前記ティース部が積層されたティース部積層体と、を有しており、
    前記バックヨーク部積層体は、前記複数の分割積層鉄心の並列方向における端部である第1端部と、前記ティース部積層体とは反対側の端部である第2端部と、を有しており、
    前記折り曲げ部は、前記第1端部に形成されており、
    前記第1端部は、前記折り曲げ部が形成されている第1部分と、前記折り曲げ部が形成されていない第2部分と、を有しており、
    前記複数の分割積層鉄心は、第1分割積層鉄心と、前記第1分割積層鉄心と前記並列方向に隣り合う第2分割積層鉄心と、を有しており、
    前記第1分割積層鉄心の前記第2部分は、前記第2分割積層鉄心と接触しており、
    前記第1分割積層鉄心の前記第1端部は、溶接部を介して前記第2分割積層鉄心と接続されており、
    前記溶接部は、前記第1分割積層鉄心の前記第2部分の位置よりも前記第2端部側に配置されている電気機械の積層鉄心。
  2. 前記第1部分は、前記第2部分の位置よりも前記第2端部側に配置されている請求項1に記載の電気機械の積層鉄心。
  3. 前記第1分割積層鉄心の前記第1部分は、前記第2分割積層鉄心から離れている請求項1又は請求項2に記載の電気機械の積層鉄心。
  4. 前記第1分割積層鉄心の前記第1端部には、前記並列方向に沿って突出した凸部が形成されており、
    前記凸部は、前記第1部分である先端部と、前記先端部の両側に位置する第1側面部及び第2側面部と、を有しており、
    前記第2側面部は、前記第1側面部の位置よりも前記第2端部側に配置されており、
    前記第2分割積層鉄心には、前記凸部が嵌め込まれる凹部が形成されている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電気機械の積層鉄心。
  5. 前記第1側面部は、前記凹部と接触しており、
    前記第2側面部は、前記凹部と接触していない請求項4に記載の電気機械の積層鉄心。
  6. 前記複数の鉄心片のそれぞれに沿った平面において、前記第2側面部を前記第2端部側に延長した延長線上には、鉄心部分が存在しておらず、
    前記溶接部は、前記第2側面部の少なくとも一部と前記凹部との間に形成されている請求項4又は請求項5に記載の電気機械の積層鉄心。
  7. 前記複数の鉄心片のそれぞれに沿った平面において、前記第1分割積層鉄心の前記第1端部は、前記第2部分に対して傾斜した傾斜面を有しており、
    前記溶接部は、前記傾斜面と前記第2分割積層鉄心との間に形成されている請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電気機械の積層鉄心。
  8. 並列して配置された複数の分割積層鉄心を備え、
    前記複数の分割積層鉄心のそれぞれは、積層された複数の鉄心片と、前記複数の鉄心片のうち積層方向に隣り合う2つの鉄心片同士を連結するとともに折り曲げられた折り曲げ部と、を有しており、
    前記複数の鉄心片のそれぞれは、バックヨーク部と、前記バックヨーク部から突出したティース部と、を有しており、
    前記複数の分割積層鉄心のそれぞれは、前記複数の鉄心片のそれぞれの前記バックヨーク部が積層されたバックヨーク部積層体と、前記複数の鉄心片のそれぞれの前記ティース部が積層されたティース部積層体と、を有しており、
    前記バックヨーク部積層体は、前記複数の分割積層鉄心の並列方向における端部である第1端部と、前記ティース部積層体とは反対側の端部である第2端部と、を有しており、
    前記ティース部積層体は、前記バックヨーク部積層体とは反対側の端部である第3端部を有しており、
    前記折り曲げ部は、前記第3端部に形成されており、
    前記複数の分割積層鉄心は、第1分割積層鉄心と、前記第1分割積層鉄心と前記並列方向に隣り合う第2分割積層鉄心と、を有しており、
    前記第1分割積層鉄心の前記第1端部は、溶接部を介して前記第2分割積層鉄心と接続されており、
    前記第1分割積層鉄心の前記第1端部は、前記第2分割積層鉄心と接触する接触部を有しており、
    前記溶接部は、前記接触部の位置よりも前記第2端部側に配置されている電気機械の積層鉄心。
  9. 前記第3端部は、前記折り曲げ部が形成されている第1部分と、前記折り曲げ部が形成されていない第2部分と、を有しており、
    前記第2部分は、前記並列方向における前記第3端部の中心部に配置されており、
    前記第1部分は、前記並列方向において前記中心部からずれた位置に配置されている請求項8に記載の電気機械の積層鉄心。
  10. 前記折り曲げ部は、さらに前記第2端部に形成されており、
    前記第2端部は、前記折り曲げ部が形成されている第3部分と、前記折り曲げ部が形成されていない第4部分と、を有しており、
    前記並列方向における前記第2端部の中心部には凹部が形成されており、
    前記第4部分は、前記凹部に配置されており、
    前記第3部分は、前記並列方向において前記凹部からずれた位置に配置されている請求項8又は請求項9に記載の電気機械の積層鉄心。
  11. 前記第1分割積層鉄心の前記第1端部は、前記複数の鉄心片のそれぞれに沿った平面において前記接触部に対して傾斜した傾斜面を有しており、
    前記溶接部は、前記傾斜面と前記第2分割積層鉄心との間に形成されている請求項8〜請求項10のいずれか一項に記載の電気機械の積層鉄心。
  12. 前記並列方向は周方向であり、
    前記複数の分割積層鉄心の外周面には、径方向内側に凹んだ外周凹部が形成されており、
    前記溶接部は、前記外周凹部に形成されている請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の電気機械の積層鉄心。
  13. 請求項12に記載の電気機械の積層鉄心と、
    前記積層鉄心の外周側に設けられ、前記積層鉄心が嵌入される円筒状のハウジングと、
    を備える電気機械。
  14. バックヨーク部及び前記バックヨーク部から突出したティース部をそれぞれ有する複数の鉄心片が連結された鉄心片セットを鋼板シートから切り出す切り出し工程と、
    切り出された前記鉄心片セットを、前記複数の鉄心片のうち互いに隣り合う2つの鉄心片の間に設けられた折り曲げ部において折り曲げる折り工程と、
    折り曲げられた前記鉄心片セットの前記複数の鉄心片を積層し、複数の分割積層鉄心のそれぞれを形成する積層工程と、
    前記複数の分割積層鉄心を並列するように配置し、前記複数の分割積層鉄心のうち互いに隣り合う2つの分割積層鉄心を溶接して溶接部を形成する溶接工程と、
    を備え、
    前記複数の分割積層鉄心のそれぞれは、前記複数の鉄心片のそれぞれの前記バックヨーク部が積層されたバックヨーク部積層体と、前記複数の鉄心片のそれぞれの前記ティース部が積層されたティース部積層体と、を有しており、
    前記バックヨーク部積層体は、前記複数の分割積層鉄心の並列方向における端部である第1端部と、前記ティース部積層体とは反対側の端部である第2端部と、を有しており、
    前記折り曲げ部は、前記第1端部に形成されており、
    前記第1端部は、前記折り曲げ部が形成されている第1部分と、前記折り曲げ部が形成されていない第2部分と、を有しており、
    前記溶接部は、当該溶接部が前記第2部分の位置よりも前記第2端部側に配置されるように、前記2つの分割積層鉄心のそれぞれの前記第1端部の間に形成される電気機械の積層鉄心の製造方法。
  15. バックヨーク部及び前記バックヨーク部から突出したティース部をそれぞれ有する複数の鉄心片が連結された鉄心片セットを鋼板シートから切り出す切り出し工程と、
    切り出された前記鉄心片セットを、前記複数の鉄心片のうち互いに隣り合う2つの鉄心片の間に設けられた折り曲げ部において折り曲げる折り工程と、
    折り曲げられた前記鉄心片セットの前記複数の鉄心片を積層し、複数の分割積層鉄心のそれぞれを形成する積層工程と、
    前記複数の分割積層鉄心を並列するように配置し、前記複数の分割積層鉄心のうち互いに隣り合う2つの分割積層鉄心を溶接して溶接部を形成する溶接工程と、
    を備え、
    前記複数の分割積層鉄心のそれぞれは、前記複数の鉄心片のそれぞれの前記バックヨーク部が積層されたバックヨーク部積層体と、前記複数の鉄心片のそれぞれの前記ティース部が積層されたティース部積層体と、を有しており、
    前記バックヨーク部積層体は、前記複数の分割積層鉄心の並列方向における端部である第1端部と、前記ティース部積層体とは反対側の端部である第2端部と、を有しており、
    前記ティース部積層体は、前記バックヨーク部積層体とは反対側の端部である第3端部を有しており、
    前記折り曲げ部は、前記第3端部に形成されており、
    前記第1端部は、隣り合う分割積層鉄心と接触する接触部を有しており、
    前記溶接部は、当該溶接部が前記接触部の位置よりも前記第2端部側に配置されるように、前記2つの分割積層鉄心のそれぞれの前記第1端部の間に形成される電気機械の積層鉄心の製造方法。
  16. 前記溶接部は、レーザー溶接により形成される請求項14又は請求項15に記載の電気機械の積層鉄心の製造方法。
  17. 前記溶接部は、TIG溶接により形成される請求項14又は請求項15に記載の電気機械の積層鉄心の製造方法。
  18. 請求項14〜請求項17のいずれか一項に記載の電気機械の積層鉄心の製造方法を含む電気機械の製造方法。
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