JP2021044237A - 通信ケーブル及びワイヤーハーネス - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性が高く、通信特性に優れた通信ケーブル、及びこれを用いたワイヤーハーネスを提供すること。【解決手段】通信ケーブル100は、導体11と、導体11を被覆し、絶縁体により構成された被覆層12と、を含む絶縁電線10と、絶縁電線10の外周を被覆し、ポリオレフィンと熱可塑性エラストマーとを含有する樹脂組成物を含むシース20とを備える。シース20の引張弾性率は500MPa以下であり、シース20をフタル酸ジイソノニルに100℃で72時間浸漬させた場合における、シース20の質量増加率は50質量%未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、通信ケーブル及びワイヤーハーネスに関する。
近年、車両の電子化が進んでおり、車両に搭載される電線においても、通信速度の高速化の需要が増えてきている。通信媒体としては、絶縁電線をシースで被覆した通信ケーブルが知られており、特許文献1にはポリプロピレン樹脂からなるシースで絶縁電線を被覆した通信ケーブルが開示されている。
特開2017−188431号公報
車両では、絶縁電線及びケーブルなどがテープで束ねられ、ワイヤーハーネスとして用いられる場合がある。絶縁電線が有する絶縁体及びテープの基材には、高難燃性かつ低価格のため、ポリ塩化ビニルが用いられることも少なくない。これらに用いられるポリ塩化ビニルには、柔軟性を付与するために、通常、可塑剤が添加される。しかしながら、可塑剤は、時間の経過により、材料の表面にブリードアウトし、これが通信ケーブルのシースと接することで、可塑剤がシースに移行する。特に、車両のような高温雰囲気下では、可塑剤がブリードアウトし、シースに移行しやすい。そして、この可塑剤によって、シースの誘電特性が低下し、通信ケーブルの通信速度が低下するおそれがある。また、シースに移行した可塑剤が、絶縁電線の絶縁体に移行し、通信ケーブルの通信速度がさらに低下するおそれがある。
一方、シースを構成する樹脂組成物の結晶性を高くすることで、可塑剤の移行を抑制する方法も考えられるが、このような樹脂組成物では、柔軟性が低い傾向にある。車両においては、絶縁電線の束をコンパクトにし、狭い場所に配索するため、高い柔軟性を有し、かつ、通信特性に優れる通信ケーブルが求められている。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、柔軟性が高く、通信特性に優れた通信ケーブル、及びこれを用いたワイヤーハーネスを提供することにある。
本発明の第1の態様に係る通信ケーブルは、導体と、導体を被覆し、絶縁体により構成された被覆層と、を含む絶縁電線と、絶縁電線の外周を被覆し、ポリオレフィンと熱可塑性エラストマーとを含有する樹脂組成物を含むシースと、を備える。シースの引張弾性率は500MPa以下であり、シースをフタル酸ジイソノニルに100℃で72時間浸漬させた場合における、シースの質量増加率は50質量%未満である。
本発明の第2の態様に係る通信ケーブルは、第1の態様の通信ケーブルに関し、熱可塑性エラストマーは熱可塑性ゴム架橋体を含み、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計に対する熱可塑性ゴム架橋体の含有率は熱可塑性ゴム架橋体のショアA硬度が23以上30以下の場合には15質量%以上45質量%未満であり、熱可塑性ゴム架橋体のショアA硬度が31以上42以下の場合には35質量%以上50質量%以下である。
本発明の第3の態様に係る通信ケーブルは、第1又は第2の態様の通信ケーブルに関し、熱可塑性エラストマーのショアA硬度は80以下である。
本発明の第4の態様に係る通信ケーブルは、第1〜第3のいずれかの態様の通信ケーブルに関し、樹脂組成物は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、40質量部〜150質量部の金属水酸化物をさらに含む。
本発明の第5の態様に係る通信ケーブルでは、第1〜第4のいずれかの態様における通信ケーブルに関し、樹脂組成物は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、40質量部〜100質量部の金属水酸化物と、10質量部〜30質量部のハロゲン系難燃剤とをさらに含み、樹脂組成物の比誘電率は6以下であり、樹脂組成物の誘電正接は1×10−2以下である。
本発明の第6の態様に係る通信ケーブルでは、第1〜第5のいずれかの態様における通信ケーブルに関し、樹脂組成物の比誘電率は2.5以上4.0以下であり、樹脂組成物の誘電正接は8.0×10−3以下であり、導体はISO21111−8で規定された0.13sqの導体である。
本発明の第7の態様に係る通信ケーブルでは、第1〜第6のいずれかの態様における通信ケーブルに関し、樹脂組成物の比誘電率は3.0以上3.5以下である。
本発明の第8の態様に係るワイヤーハーネスは、第1〜第7のいずれかの態様における通信ケーブルと、ポリ塩化ビニル電線と、を備え、通信ケーブルとポリ塩化ビニル電線とが束ねられる。
本発明によれば柔軟性が高く、通信特性に優れた通信ケーブル、及びこれを用いたワイヤーハーネスを提供することができる。
本実施形態に係る通信ケーブルの一例を示す模式的な断面図である。 本実施形態に係る通信ケーブルの他の例を示す模式的な断面図である。 本実施形態に係るワイヤーハーネスの一例を示す模式的な斜視図である。 試験サンプルを示す模式的な断面図である。 各加温時間における周波数と挿入損失との関係を示すグラフである。 加温試験前後の被覆層及びシースの比誘電率を比較したグラフである。 加温試験前後の被覆層及びシースの誘電正接を比較したグラフである。 加温時間とシース中の可塑剤の質量増加率との関係を示すグラフである。 加温時間と被覆層中の可塑剤の質量増加率との関係を示すグラフである。 比較例1と実施例1に係る通信ケーブルを500時間加温したときの挿入損失を示すグラフである。 比較例1と実施例1に係る通信ケーブルを2000時間加温したときの挿入損失を示すグラフである。 比較例1及び実施例1に係るシースについて、加温時間と質量増加率との関係を示すグラフである。 参考例1に係る樹脂組成物において、測定温度と比誘電率との関係を示すグラフである。 参考例1に係る樹脂組成物において、測定温度と誘電正接との関係を示すグラフである。 実施例2に係る樹脂組成物において、測定温度、並びに比誘電率及び誘電正接の関係を示すグラフである。 実施例3に係る樹脂組成物において、測定温度、並びに比誘電率及び誘電正接の関係を示すグラフである。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る通信ケーブル及びこれを用いたワイヤーハーネスについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
[通信ケーブル]
図1に示すように、通信ケーブル100は、絶縁電線10と、絶縁電線10の外周を被覆するシース20と、を備えている。シース20は、円筒状であり、径方向において内部に中空部を有している。中空部には絶縁電線10が配置されており、シース20は絶縁電線10の軸方向に沿って伸長している。シース20の厚さは特に限定されないが、例えば、0.1mm〜1mmであってもよい。
本実施形態では、2本の絶縁電線10がツイストペアを形成しているが、絶縁電線10の数は、少なくとも一本あればよい。また、本実施形態では、図1に示すように、絶縁電線10とシース20との間には空隙30が設けられている。しかしながら、図2に示すように、通信ケーブル100には、空隙30が設けられず、絶縁電線10の外表面がシース20で直接覆われていてもよい。
シース20は、樹脂組成物を含んでいる。ここで、上述の通り、ポリ塩化ビニルに添加されている可塑剤は、長期間使用していると、材料の表面にブリードアウトし、可塑剤がシース20に移行するおそれがある。可塑剤の誘電正接は、一般的に大きく、特に、フタル酸系可塑剤やトリメリット酸系可塑剤の誘電正接は大きい。誘電正接が大きくなると、通信ケーブル100の挿入損失が増加し、通信ケーブル100による高速通信の妨げとなってしまう。そのため、シース20を構成する樹脂組成物に、可塑剤が含まれている場合だけでなく、可塑剤が移行した場合にも、シース20の誘電特性が低下し、高速通信の妨げとなってしまうおそれがある。
そこで、本実施形態に係る通信ケーブル100では、シース20をフタル酸ジイソノニルに100℃で72時間浸漬させた場合における、シース20の質量増加率は50質量%未満である。フタル酸ジイソノニル(DINP)は代表的な可塑剤であり、他のポリ塩化ビニルに用いられる可塑剤も同様の傾向が観察されると考えられる。そして、シース20の質量増加率が50質量%未満であることで、図3に示すように、通信ケーブル100とポリ塩化ビニル電線110とを束ねてワイヤーハーネス200を形成しても、シース20への可塑剤の移行を抑制できる。シース20に移行する可塑剤の量が少ないことから、シース20の誘電正接が小さくなる。
樹脂組成物のような誘電体では、誘電率及び誘電正接の値が大きく、かつ、高周波であるほど、通信ケーブルでの高周波信号の減衰が大きくなる。本実施形態では、シース20の質量増加率を50質量%未満とすることで、誘電正接を小さくして減衰を抑制し、高周波帯での通信を可能にしている。本実施形態の通信ケーブル100において、好ましい伝送速度は1Gbps以下である。また、本実施形態では、シース20の質量増加率が小さいため、車両のような環境で使用された場合であっても、減衰のような通信ケーブル100の通信品質の低下を長期間抑制することができる。また、シース20の質量増加率が小さいため、通信ケーブル100の外部から絶縁電線10に可塑剤が移行するのも抑制することができる。シース20の質量増加率は、40質量%未満であることが好ましく、30質量%未満であることがさらに好ましい。質量増加率の値は小さい程好ましいため、質量増加率の下限は0質量%以上であってもよい。質量増加率は、後述のような樹脂組成物の組成などにより調節することができる。
質量増加率を上記のようにするためには、ホモポリプロピレンなどのように、結晶性が高い材料を樹脂組成物に用いることが有効である。しかしながら、このような樹脂組成物の引張弾性率は高く、通信ケーブル100が折り曲がりにくくなるため、狭小領域での通信ケーブル100の配索が困難になるおそれがある。
したがって、本実施形態では、シース20の引張弾性率は500MPa以下である。シース20の引張弾性率を500MPa以下とすることにより、通信ケーブル100を容易に湾曲させることができることから、狭小領域での通信ケーブル100の配索が容易になる。引張弾性率は、後述のような樹脂組成物の組成などにより調節することができる。
引張弾性率は、JIS K7161−1(プラスチック−引張特性の求め方−第1部:通則)の規定に準じて測定することができる。具体的には、シース20を20℃の室温で50mm/分の引張速度で引っ張り、下記の数式から算出することができる。
=(σ−σ)/(ε−ε
なお、上記数式において、Eは引張弾性率(Pa)、σはひずみε=0.0005における応力(Pa)、σはひずみε=0.0025における応力(Pa)を表す。
樹脂組成物は、ポリオレフィンと熱可塑性エラストマーとを含有している。ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計に対するポリオレフィンの含有率は、55質量%以上85質量%以下であることが好ましい。ポリオレフィンの含有率が55質量%以上であると、樹脂組成物に可塑剤が移行しにくくなるため、シース20の質量増加率を小さくすることができる。ポリオレフィンの含有率が85質量%以下であると、引張弾性率が小さくなり、通信ケーブル100の配索の作業性が向上する。ポリオレフィンの含有率は、65質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計に対する熱可塑性エラストマーの含有率は15質量%以上50質量%以下であることが好ましい。熱可塑性エラストマーは後述する熱可塑性ゴム架橋体を含んでいてもよい。ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計に対する熱可塑性ゴム架橋体の含有率は熱可塑性ゴム架橋体のショアA硬度が23以上30以下の場合には15質量%以上45質量%未満であることが好ましい。また、熱可塑性ゴム架橋体のショアA硬度が31以上42以下の場合には35質量%以上50質量%以下であることが好ましい。ショアA硬度が23以上30以下の場合には熱可塑性ゴム架橋体の含有率が15質量%以上であり、ショアA硬度が31以上42以下の場合には熱可塑性ゴム架橋体の含有率が35質量%以上であると、シース20の引張弾性率がより小さくなる。したがって、通信ケーブル100の配索の作業性が向上する。ショアA硬度が23以上30以下の場合には熱可塑性ゴム架橋体の含有率が45質量%未満であり、ショアA硬度が31以上42以下の場合には熱可塑性ゴム架橋体の含有率が50質量%以下であると、シース20の質量増加率がより低くなる。したがって、長期間において通信ケーブル100の通信信頼性を維持することができる。ショアA硬度が23以上30以下の場合には熱可塑性ゴム架橋体の含有率は20質量%以上35質量%以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性エラストマーのショアA硬度は、80以下であることが好ましい。ショアA硬度を80以下とすることにより、シースの引張弾性率が小さくなり、配索の作業性が向上する。ショアA硬度は、70以下であってもよく、50以下であってもよく、30以下であってもよい。また、ショアA硬度の下限は特に限定されない。ショアA硬度は、20以上であってもよく、30以上であってもよく、40以上であってもよい。
樹脂組成物の比誘電率は6以下であることが好ましい。車両に用いられる通信ケーブルでは、特性インピーダンスが定められている。特性インピーダンスは、樹脂組成物のような誘電体の比誘電率だけでなく、通信ケーブルの構造にも依存している。車両に用いられる通信ケーブルには、軽量化及び小型化が求められているが、比誘電率が大きいと、絶縁電線の仕上がり外径を大きくすることが必要となる。樹脂組成物の比誘電率が6以下であれば、ISO21111−8で規定される0.13sqという最も細径の導体を有する通信ケーブルにも適用することができる。
比誘電率は、後述するように、樹脂組成物に含まれる無機フィラーの含有量によって適宜調節することもできる。樹脂組成物の比誘電率は、2.5以上4.0以下であることがより好ましい。比誘電率を2.5以上とすることで、ISO21111−8の規格を満たしつつも、シース20の製造が容易な厚さとすることができることから、通信ケーブル100の生産効率を向上させることができる。また、樹脂組成物の比誘電率を4.0以下とすることにより、シース20を薄くすることができ、通信ケーブル100の外径が大きくなりすぎたり、重量が大きくなりすぎたりするのを抑制することができる。樹脂組成物の比誘電率は、3.0以上3.5以下であることがさらに好ましい。比誘電率は、空洞共振器法によって、30℃雰囲気下において、10GHzの周波数で測定することができる。
樹脂組成物の誘電正接は1×10−2以下であることが好ましい。樹脂組成物の誘電正接が上記の値以下であることにより、通信ケーブル100の挿入損失の増加を抑制することができる。誘電正接は、8.0×10−3未満であることが好ましい。誘電正接の値は小さい程好ましいため、誘電正接の下限は0である。誘電正接は、空洞共振器法によって、30℃雰囲気下において、10GHzの周波数で測定することができる。
樹脂組成物の比誘電率は2.5以上4.0以下であり、樹脂組成物の誘電正接は8.0×10−3以下であり、導体11はISO21111−8で規定された0.13sqの導体であってもよい。上記のような通信ケーブル100は、径が細く、通信特性も良好であるため、高速で通信可能な通信ケーブル100として車両に搭載して好適に用いることができる。
(ポリオレフィン)
ポリオレフィンは、オレフィンを含むモノマーの重合体である。ポリオレフィンは、オレフィン単独の重合体であってもよく、オレフィンとオレフィン以外のモノマーとの共重合体であってもよい。オレフィン単独の重合体は、一種のオレフィンの重合体であってもよく、二種以上のオレフィンの重合体であってもよい。ポリオレフィンは、マレイン酸などで変性されていてもよく、変性されていなくてもよい。
オレフィンは、α−オレフィン、β−オレフィン、及びγ−オレフィンなどを含んでいてもよい。α−オレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン及び1−デセンなどからなる群より選択される少なくとも一つのモノマーを含んでいてもよい。
オレフィン以外のモノマーは、炭素−炭素二重結合を有するモノマーであってもよい。オレフィン以外のモノマーは、スチレン及びアクリレートの少なくともいずれか一方などを含んでいてもよい。
ポリオレフィンは、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ホモポリプロピレン(ホモPP)、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体などからなる群より選択される少なくとも一つであってもよい。
(熱可塑性エラストマー)
熱可塑性エラストマーは、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)からなる群より選択される少なくとも一つのエラストマーを含んでいてもよい。熱可塑性エラストマーは、マレイン酸などで変性されていてもよく、変性されていなくてもよい。
オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、ポリオレフィンとゴムとの混合物であり、かつ、混合されたゴムには架橋点がないか又はほとんどないものである。ポリオレフィンは、上述したものを使用することができる。オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)に用いられるゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを用いることができる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、株式会社プライムポリマーから提供されている「プライムTPO(登録商標)」などが挙げられる。
熱可塑性ゴム架橋体は、ポリオレフィンとゴムとの混合物であり、かつ、混合されたゴムは、動的加硫によって架橋しているものである。ゴムは、上述したオレフィン系熱可塑性エラストマーに用いられるゴムを使用することができる。熱可塑性ゴム架橋体は、エチレン及びホモポリプロピレンのような高結晶性樹脂の可塑剤によって膨張しにくいという特徴と、ゴムのような柔軟性を兼ね備えている。
熱可塑性ゴム架橋体としては、例えば、三菱ケミカル株式会社から提供されている「サーモラン(登録商標)」、三井化学株式会社から提供されている「ミラストマー(登録商標)」、JSR株式会社から提供されている「EXCELINK(登録商標)」、住友化学株式会社から提供されている「エスポレックス(登録商標)TPEシリーズ」、及びエクソンモービル社から提供されている「サントプレーン(登録商標)」などが挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)は、芳香族ビニル系重合体ブロック(ハードセグメント)とジエン系重合体ブロック(ソフトセグメント)を有するブロック共重合体又はランダム共重合体であってもよい。芳香族ビニル系重合体を構成するモノマーは、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα位置換スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、及びp−t−ブチルスチレン等であってもよい。ジエン系重合体ブロックは、ブタジエン及びイソプレンの少なくともいずれか一方の共重合体、並びにこの共重合体の一部を水素化したものであってもよい。
スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)は、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBS)、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン(SIS)、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレン(SIBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−結晶ポリオレフィン(SEBC)、及びポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン(SEPS)からなる群より選択される少なくとも1種のブロック共重合体であってもよい。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、三菱ケミカル株式会社から提供されている「テファブロック(登録商標)」、住友化学株式会社から提供されている「エスポレックス(登録商標)SBシリーズ」、株式会社クラレから提供されている「セプトン(登録商標)」、JSR株式会社から提供されている「ダイナロン(登録商標)」、及び株式会社クラレから提供されている「ハイブラー(登録商標)」などが挙げられる。
樹脂組成物は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの他、本実施形態の効果を妨げない範囲で種々の添加剤を適量配合することができる。添加剤としては、難燃剤、無機フィラー、難燃助剤、酸化防止剤、加工助剤、架橋剤、金属不活性剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、紫外線吸収剤、安定剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤、帯電防止剤、発泡剤等が挙げられる。
(難燃剤)
難燃剤は、シース20の難燃性を向上させる。シース20の難燃性を向上させることにより、車両で火災が発生した場合であっても、シース20で延焼を抑制することができる。そのため、絶縁電線10の被覆層12に難燃性を必ずしも付与する必要はない。ただし、難燃性を向上させる観点からは、被覆層12にも難燃剤を添加することが好ましい。
難燃剤は、例えば、有機系難燃剤及び無機系難燃剤の少なくともいずれか一方であってもよい。有機系難燃剤としては、例えば、臭素系難燃剤及び塩素系難燃剤などのハロゲン系難燃剤、並びに、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、環状リン化合物、及び赤リンなどのリン系難燃剤などを用いることができる。無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属水酸化物などを用いることができる。これらの難燃剤は単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。難燃剤は、例えば、有機系難燃剤と無機系難燃剤とを含んでいてもよい。有機系難燃剤は、ハロゲン系難燃剤を含むことが好ましい。
ハロゲン系難燃剤は、樹脂組成物の燃焼を促進するヒドロキシルラジカルを捕捉し、樹脂組成物の燃焼を抑制することができる。ハロゲン系難燃剤は、例えば、有機化合物に少なくとも1つ以上のハロゲンが置換した化合物であってもよい。ハロゲン系難燃剤としては、例えば、フッ素系難燃剤、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、及びヨウ素系難燃剤が挙げられる。ハロゲン系難燃剤は、臭素系難燃剤であることが好ましい。
臭素系難燃剤には、例えば、1,2−ビス(ブロモフェニル)エタン、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビス−ジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビス−テトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールS、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、オクタブロモフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA(TBA)、TBAエポキシオリゴマー又はポリマー、TBA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、デカブロモジフェニルオキシド、ポリジブロモフェニレンオキシド、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス−ペンタブロモベンゼン、ジブロモエチル−ジブロモシクロヘキサン、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモフェノール、トリブロモフェノールアリルエーテル、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ペンタブロモフェノール、ペンタブロモトルエン、ペンタブロモジフェニルオキシド、ヘキサブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルオキシド、ジブロモネオペンチルグリコールテトラカルボナート、ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N−メチルヘキサブロモフェニルアミン等が含まれる。難燃剤は、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン及びテトラブロモビスフェノールAを含んでいることが好ましい。このような難燃剤は、比誘電率が低いことから、樹脂組成物の粘度及び比誘電率の上昇を抑えながら難燃性を付与することができる。
樹脂組成物に含まれる難燃剤の含有量は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、5質量部〜200質量部であることが好ましく、50質量部〜160質量部であることがより好ましい。難燃剤の含有量を上記のような範囲とすることにより、樹脂組成物の機械的特性を維持しつつ、難燃性を良好に向上させることができる。
樹脂組成物に含まれる有機系難燃剤の含有量は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、5質量部〜40質量部であることが好ましく、10質量部〜30質量部であることがより好ましい。樹脂組成物に含まれる無機系難燃剤の含有量は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、30質量部〜200質量部であることが好ましく、40質量部〜150質量部であることが好ましい。無機系難燃剤の含有量を30質量部以上とすることにより、樹脂組成物の比誘電率が低くなりすぎるのを抑制することができる。無機系難燃剤の含有量を150質量部以下とすることにより、比誘電率が高くなりすぎるのを抑制し、かつ、樹脂組成物の柔軟性の低下を抑制することができる。また、無機系難燃剤の含有量を150質量部以下とすることにより、樹脂組成物の粘度が低下することから樹脂組成物の加工性を向上させることができる。
樹脂組成物は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、40質量部〜150質量部の金属水酸化物をさらに含むことが好ましい。金属水酸化物の含有量を40質量部以上とすることで、樹脂組成物の比誘電率が低くなりすぎるのを抑制することができ、難燃性も向上させることができる。金属水酸化物の含有量を150質量部以下とすることで、比誘電率が高くなりすぎるのを抑制し、かつ、樹脂組成物の柔軟性も向上させることができる。また、金属水酸化物の含有量を150質量部以下とすることにより、樹脂組成物の粘度が低下することから樹脂組成物の加工性を向上させることができる。樹脂組成物は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、80質量部以上の金属水酸化物をさらに含んでいてもよく、100質量部以下の金属水酸化物をさらに含んでいてもよい。
樹脂組成物の粘度が高い場合には、無機系難燃剤の含有量を減らし、有機系難燃剤の含有量を増やすことで、樹脂組成物の押出加工性を向上させることもできる。難燃剤が有機系難燃剤と無機系難燃剤とを含む場合、例えば、有機系難燃剤に対する無機系難燃剤の比は、0.75〜40であってもよく、1〜10であってもよい。
(無機フィラー)
樹脂組成物の誘電率を調節するため、樹脂組成物は無機フィラーを含んでいてもよい。無機フィラーは、上述した無機系難燃剤を含んでいてもよい。無機フィラーは、例えば、上述した金属水酸化物、酸化アルミニウム、及び酸化チタンなどの金属酸化物、並びに、チタン酸バリウム、及びチタン酸ストロンチウムなどのチタン酸化合物などであってもよい。
樹脂組成物に含まれる無機フィラーの含有量は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、30質量部〜200質量部であることが好ましく、40質量部〜150質量部であることが好ましい。無機フィラーの含有量を30質量部以上とすることにより、樹脂組成物の比誘電率が低くなりすぎるのを抑制することができる。無機フィラーの含有量を150質量部以下とすることにより、比誘電率が高くなりすぎるのを抑制し、かつ、樹脂組成物の柔軟性の低下を抑制することができる。
(難燃助剤)
難燃助剤は、難燃剤とともに樹脂組成物の難燃性を向上させる。難燃助剤は、例えば、三酸化アンチモンであってもよい。三酸化アンチモンは、ハロゲン系難燃剤と併用することで樹脂組成物の難燃性を向上させることができる。樹脂組成物に含まれる難燃助剤の含有量は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜15質量部であることがより好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は、例えば、樹脂組成物の酸化などを抑制する。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤などのラジカル連鎖防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤などの過酸化物分解剤、並びに、ヒドラジン系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤などの金属不活性剤など、熱可塑性樹脂などに用いられる公知の酸化防止剤を使用することができる。酸化防止剤は、単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
酸化防止剤は、酸化防止効果とブリードアウトによる不具合を考慮して、添加量を調製すればよい。樹脂組成物に含まれる酸化防止剤の含有量は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、0.5質量部〜10質量部であることが好ましい。酸化防止剤の含有量を0.5質量部以上とすることにより耐熱性を向上させることができる。また、酸化防止剤の含有量を10質量部以下とすることによりブリードアウトを低減させることができる。
(加工助剤)
加工助剤は、押出成形の際に発生するメヤニや、押出成形物の形状を保持するために添加される。加工助剤は、金属石鹸及び高分子滑剤の少なくとも一方を含んでいてもよい。樹脂組成物に含まれる加工助剤の含有量は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、0.01質量部〜10質量部であることが好ましく、0.1質量部〜5質量部であることがより好ましい。
樹脂組成物は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、40質量部〜100質量部の金属水酸化物と、10質量部〜30質量部のハロゲン系難燃剤とをさらに含んでいてもよい。樹脂組成物の比誘電率は6以下であり、樹脂組成物の誘電正接は1×10−2以下であってもよい。このような樹脂組成物でシース20を形成すると、柔軟性がより高く、通信特性により優れた通信ケーブル100を提供することができる。
(絶縁電線)
絶縁電線10は、導体11と、導体11を被覆し、絶縁体により構成された被覆層12とを含んでいる。導体11は、1本の素線のみで構成されていてもよく、複数本の素線を束ねて構成された集合撚り線であってもよい。また、導体11は、1本の撚り線のみで構成されていてもよく、複数本の集合撚り線を束ねて構成された複合撚り線であってもよい。導体11を構成する材料は、特に限定されないが、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金などからなる群より選択される少なくとも1つの導電性金属材料であることが好ましい。
導体11の径は、特に限定されないが、0.435mm以上であることが好ましく、0.440mm以上であることがより好ましい。導体11の径を上記のようにすることにより、導体11の抵抗を小さくすることができる。また、導体11の径は、特に限定されないが、0.465mm以下であることが好ましく、0.460mm以下であることがより好ましい。導体11の径を上記のようにすることにより、狭くかつ短い経路内であっても絶縁電線10の配索を容易にすることができる。導体11はISO21111−8で規定された0.13sqの導体であることが好ましい。
被覆層12の厚さは、特に限定されないが、0.15mm以上であることが好ましく、0.18mm以上であることがより好ましい。被覆層12の厚さを上記のようにすることにより、導体11を効果的に保護することができる。また、被覆層12の厚さは、特に限定されないが、0.20mm以下であることが好ましい。被覆層12の厚さを上記のようにすることにより、狭い経路内であっても絶縁電線10の配索を容易にすることができる。
被覆層12を構成する絶縁体は、導体11に対して電気絶縁性を有していれば特に限定されず、例えば、ポリオレフィンを含んでいてもよく、シース20に用いられた樹脂組成物であってもよい。被覆層12を構成する絶縁体は、通信特性の観点から、可塑剤を含んでいないことが好ましい。
通信ケーブル100は、公知の方法により形成することができる。通信ケーブル100は、例えば、上記樹脂組成物を押出成形によって押し出し、少なくとも一本以上の絶縁電線10の外表面をシース20で被覆することによって形成することができる。
以上のように、通信ケーブル100は、導体11と、導体11を被覆し、絶縁体により構成された被覆層12とを含む絶縁電線10と、絶縁電線10の外周を被覆し、ポリオレフィンと熱可塑性エラストマーとを含有する樹脂組成物を含むシース20とを備える。シース20の引張弾性率は500MPa以下であり、シース20をフタル酸ジイソノニルに100℃で72時間浸漬させた場合における、シース20の質量増加率は50質量%未満である。したがって、柔軟性がより高く、通信特性により優れた通信ケーブル100を提供することができる
[ワイヤーハーネス]
本実施形態に係るワイヤーハーネス200は、通信ケーブル100と、ポリ塩化ビニル電線110と、を備え、通信ケーブル100とポリ塩化ビニル電線110とが束ねられている。通信ケーブル100とポリ塩化ビニル電線110は、コネクタ120と電気的に接続されている。上述したシース20には、可塑剤が移行しにくいため、ポリ塩化ビニル電線110の絶縁体に可塑剤が含まれていても、シース20及び絶縁電線10の被覆層12に可塑剤が移行するのを抑制することができる。したがって、ワイヤーハーネス200に、通信ケーブル100と、安価で柔軟性が高いポリ塩化ビニル電線110とを束ねることができる。
ポリ塩化ビニル電線110は、導体と、被覆層を有していてもよい。ポリ塩化ビニル電線110の導体は、上述した絶縁電線10の導体11と同様の形状及び材料を適用することができる。ポリ塩化ビニル電線110の被覆層は、上述した絶縁電線10の被覆層12と同様の形状を適用することができる。ポリ塩化ビニル電線110の被覆層は、ポリ塩化ビニルに加え、可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤は、ポリ塩化ビニルに添加される公知の可塑剤を使用することができる。可塑剤は、トリメリット酸系可塑剤、脂肪族二塩基酸系可塑剤、エポキシ系可塑剤、フタル酸系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤及びエーテルエステル系可塑剤からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
フタル酸系可塑剤は、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DEHP)、フタル酸ジ−n−オクチル(DNOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジノニル(DNP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、及びフタル酸ジトリデシルからなる群より選択される少なくとも一種のフタル酸エステルであってもよい。
トリメリット酸系可塑剤は、例えば、トリメリット酸トリオクチル(TOTM)、及びトリメリット酸トリイソデシルからなる群より選択される少なくとも一種のトリメリット酸エステルであってもよい。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、比較例1として、図4に示すような通信ケーブル300を準備した。そして、比較例1に係る通信ケーブル300と、ポリ塩化ビニル電線310とを束ねた場合における、通信ケーブル300の挿入損失への影響を調査した。
まず、図4に示すように、比較例1に係る通信ケーブル300を中心として、通信ケーブル300の周囲を囲うように6本のポリ塩化ビニル電線310を配置した。次に、ポリ塩化ビニル電線310の周囲に、ポリ塩化ビニルテープ320を巻き付けて試験サンプル400を作製した。
通信ケーブル300では、2本の絶縁電線210の外表面が、隙間を有しないように、シース220で被覆されている。シース220は、ポリプロピレンとエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の混合物により構成されている。絶縁電線210では、複数の0.13sqの導体201が、被覆層202で被覆されている。被覆層202は、架橋ポリエチレンにより構成されている。ポリ塩化ビニル電線310は、複数の導体301と、導体301の周囲を被覆する被覆層302とを含んでいる。被覆層302は、ポリ塩化ビニルと可塑剤とを含んでいる。
次に、上記のようにして作製した試験サンプルを、それぞれ、0時間、1000時間、及び3000時間オーブン内で100℃に加温した後、オーブンから取り出し、室温でしばらく放置した。そして、これらの試験サンプルの挿入損失をそれぞれ測定した。これらの結果を図5に示す。
図5は、各加温時間における周波数と挿入損失との関係を示すグラフである。図5に示すように、挿入損失は、周波数が高くなるのに伴い、挿入損失が低下している。また、通信ケーブル300とポリ塩化ビニル電線310とを束ね、高温環境下で長時間加温すると、加温時間の経過に伴い、挿入損失が低下している。比較例1に係る通信ケーブルは、車両のような高温下で長時間使用された場合、高周波領域における通信特性が低下し、要望する挿入損失が十分に満たされないおそれがある。
ここで、挿入損失は、周波数だけでなく、比誘電率、及び誘電正接にも依存する。したがって、比較例1に係る通信ケーブルと、ポリ塩化ビニル電線とを束ねた場合に、被覆層の比誘電率及び誘電正接、及びシースの比誘電率及び誘電正接をそれぞれ測定した。具体的には、上記と同様に、比較例1に係る通信ケーブルと、ポリ塩化ビニル電線とを束ね、オーブンで1000時間加温した。そして、通信ケーブルのシースと被覆層を剥ぎ取り、長さ80mm×幅3mm×厚さ0.5mmのシートに加工した。そして、シートの比誘電率及び誘電正接を、株式会社エーイーティーにより提供されている比誘電率測定装置を用い、空洞共振器法によって測定した。比誘電率及び誘電正接は、30℃雰囲気下において、10GHzの周波数で測定した。
図6は、加温試験前後の被覆層及びシースの比誘電率を比較したグラフである。図7は、加温試験前後の被覆層及びシースの誘電正接を比較したグラフである。図6に示すように、被覆層及びシースの比誘電率は加温試験前後でほとんど変化が見られなかった。一方、図7に示すように、加温試験後の被覆層及びシースの誘電正接は、加温試験前よりも、約2倍も大きくなっていた。
次に、比較例1に係る通信ケーブルと、ポリ塩化ビニル電線とを束ねた場合において、可塑剤が被覆層及びシースへ移行する様子を確認した。具体的には、上記と同様に、比較例1に係る通信ケーブルと、ポリ塩化ビニル電線とを束ね、オーブンで1000時間及び3000時間加温した。次に、通信ケーブルからシースと被覆層を剥ぎ取り、シースと被覆層中の可塑剤の質量増加率をそれぞれ測定した。可塑剤の質量増加率は、フタル酸ジイソノニル(DINP)とトリメリット酸トリオクチル(TOTM)の質量増加率をそれぞれ測定した。結果を図8及び図9に示す。
図8は、加温時間とシース中の可塑剤の質量増加率との関係を示すグラフである。図9は、加温時間と被覆層中の可塑剤の質量増加率との関係を示すグラフである。図8及び図9に示すように、シース及び被覆層では、加温時間の経過に伴い、可塑剤の質量増加率が高くなっていることが分かる。また、可塑剤の質量増加率は、被覆層よりもシースにおいて、初期の段階で増加する傾向にあることが分かる。
被覆層、シース、並びに、DINP及びTOTMの可塑剤について、比誘電率と誘電正接を表1にまとめた。可塑剤の比誘電率は、加温試験前の被覆層及びシースの比誘電率と大きな差は見られない。しかしながら、可塑剤の誘電正接は、加温試験前の被覆層及びシースの誘電正接よりも大きい。
Figure 2021044237
これらの結果から、挿入損失の低下は、ポリ塩化ビニル電線の被覆層に含まれる可塑剤に起因すると考えられる。そのため、可塑剤が移行しにくいシースの開発を進めたところ、実施例1に係る通信ケーブルでは、可塑剤が移行しにくく、挿入損失の低下も抑制することができた。実施例1に係る通信ケーブルは、以下のようにして作製した。
まず、0.13sqの導体を、架橋ポリエチレンで被覆し、ISO21111−8で規定された絶縁電線を2本作製した。これらの絶縁電線をツイストペアとし、表2に示す配合量(質量部)のシースで被覆し、通信ケーブルを作製した。図2に示すように、シースと絶縁電線との間には、空隙が生じないように通信ケーブルを形成した。通信ケーブルの外径は2.5mm±0.3mmであり、シースの薄い部分の膜厚は0.4±0.1mmであった。
[ポリオレフィン]
(1)プライムポリプロ(登録商標)E150GK(株式会社プライムポリマー製)
ブロックポリプロピレン(ブロックPP)
(2)ミラソン(登録商標)3530(三井・ダウポリケミカル株式会社製)
低密度ポリエチレン(LDPE)
[熱可塑性エラストマー]
(1)タフテック(登録商標)H1221(旭化成株式会社製)
ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(SEBS)
ショアA硬度42
(2)タフテック(登録商標)M1943(旭化成株式会社製)
無水マレイン酸変性ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(変性SEBS)
ショアA硬度67
[難燃剤]
(金属水酸化物)
(1)水酸化マグネシウム(Mg(OH)) YG−O(神島化学工業株式会社製)
(ハロゲン系難燃剤)
(2)SAYTEX(登録商標)8010(Albemarle Corporation製)
1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン
[難燃助剤]
(1)三酸化アンチモン(Sb) PATOX(登録商標)M(日本精鉱株式会社製)
[酸化防止剤]
(1)アデカスタブ(登録商標)AO−20(株式会社ADEKA製) フェノール系酸化防止剤
[加工助剤]
(1)EMS−6P(勝田化工株式会社) 金属石鹸
Figure 2021044237
次に、通信ケーブルの挿入損失への影響について、比較例1と実施例1に係る通信ケーブルとを比較した。具体的には、上記と同様に、図4に示すような試験サンプルを作製し、試験サンプルを100℃で500時間と2000時間加温している。図10は、比較例1と実施例1に係る通信ケーブルを500時間加温したときの挿入損失を示すグラフである。図11は、比較例1と実施例1に係る通信ケーブルを2000時間加温したときの挿入損失を示すグラフである。
図10に示すように、試験サンプルを500時間加温した場合には、比較例1と実施例1に係る通信ケーブルでは挿入損失の低下について大きな違いは見られなかった。一方、図11に示すように、試験サンプルを2000時間加温した場合には、比較例1に係る通信ケーブルと比較し、実施例1に係る通信ケーブルは、挿入損失の低下が抑制されており、十分な通信特性を有していると考えられる。なお、加温試験前の実施例1に係るシースにおいて、測定温度30℃及び測定周波数10GHzにおける、比誘電率は3.02であり、誘電正接は1.2×10−3であった。
次に、比較例1と実施例1に係る通信ケーブルについて、質量増加率を測定した。質量増加率は、上記のようにして作製した通信ケーブルから、シースを剥ぎ取り、DINPを満たした容器に浸漬させた。オーブンでシースを100℃で24時間、72時間、及び115時間、それぞれ浸漬させた後、シースを容器から取り出し、シースの表面に付着したDINPをふき取った。DINP浸漬前後のシースの質量を測定し、以下のようにして質量増加率を算出した。DINPは、株式会社ジェイ・プラス製のDINPを使用した。
質量増加率=((浸漬後の質量)/(浸漬前の質量)−1)×100
図12は、比較例1及び実施例1に係るシースについて、加温時間と質量増加率との関係を示すグラフである。図12に示すように、DINPへシースを浸漬させると、比較例1及び実施例1に係るいずれのシースの質量も増加している。しかしながら、比較例1のシースよりも、実施例1のシースの方が、測定したいずれの時間においても質量増加率が低かった。
上記の結果から、ポリ塩化ビニル電線に含まれる可塑剤がシースに移行し、挿入損失の低下を引き起こしていると予想される。そして、質量増加率を50質量%未満とすることによって、通信ケーブルが十分な通信特性を有するか否かを判定することができると考えられる。
次に、表3〜表9に示すように、シースの組成が異なる実施例及び比較例を作製した。具体的には、まず、0.13sqの導体を、架橋ポリエチレンで被覆し、ISO21111−8で規定された絶縁電線を2本作製した。これらの絶縁電線をツイストペアとし、表3〜表9に示す配合量(質量部)のシースで被覆し、通信ケーブルを作製した。図1に示すように、シースと絶縁電線との間には、空隙が生じるように通信ケーブルを形成した。通信ケーブルの外径は2.5mm±0.3mmであり、シースの膜厚は0.4±0.1mmであった。
[ポリオレフィン]
(1)プライムポリプロ(登録商標)E100GV(株式会社プライムポリマー製)
ホモポリプロピレン(ホモPP)
ショアD硬度69(ショアA硬度80超)
(2)プライムポリプロ(登録商標)E150GK(株式会社プライムポリマー製)
ブロックポリプロピレン(ブロックPP)
ショアD硬度64(ショアA硬度80超)
(3)POLYBOND(登録商標)3200(addivant社製)
マレイン酸変性ホモポリプロピレン(変性ホモPP)
ショアD硬度67(ショアA硬度80超)
(4)ミラソン(登録商標)3530(三井・ダウポリケミカル株式会社製)
低密度ポリエチレン(LDPE)
ショアD硬度51(ショアA硬度80超)
[熱可塑性エラストマー]
(1)プライムTPO(登録商標)R110E(株式会社プライムポリマー製)
リアクター型オレフィン系熱可塑性エラストマー(R−TPO)
ショアA硬度78
(2)EXCELINK(登録商標)1200B(JSR株式会社製)
熱可塑性ゴム架橋体(TPV)
ショアA硬度24
(3)ミラストマー(登録商標)4010NS(三井化学株式会社製)
熱可塑性ゴム架橋体(TPV)
ショアA硬度40
(4)タフテック(登録商標)H1221(旭化成株式会社製)
ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(SEBS)
ショアA硬度32
(5)タフテック(登録商標)M1943(旭化成株式会社製)
無水マレイン酸変性ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(変性SEBS)
ショアA硬度58
[難燃剤]
(金属水酸化物)
(1)水酸化マグネシウム(Mg(OH)) YG−O(神島化学工業株式会社製)
(ハロゲン系難燃剤)
(2)SAYTEX(登録商標)8010(Albemarle Corporation製)
1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン
(3)SAYTEX(登録商標)CP−2000(Albemarle Corporation製)
テトラブロモビスフェノールA
[難燃助剤]
(1)三酸化アンチモン(Sb) PATOX(登録商標)M(日本精鉱株式会社製)
[酸化防止剤]
(1)アデカスタブ(登録商標)AO−20(株式会社ADEKA製) フェノール系酸化防止剤
(2)アデカスタブ(登録商標)AO−60(株式会社ADEKA製) フェノール系酸化防止剤
[加工助剤]
(1)EMS−6P(勝田化工株式会社) 金属石鹸
(2)メタブレン(登録商標)L−1000(三菱ケミカル株式会社製) アクリル系高分子滑剤
Figure 2021044237
Figure 2021044237
Figure 2021044237
Figure 2021044237
Figure 2021044237
Figure 2021044237
Figure 2021044237
以下の方法により、シースの物性を評価した。これらの結果を表3〜表9に示す。
[評価]
(引張弾性率)
上記のようにして作製した通信ケーブルから、シースを剥ぎ取った。剥ぎ取ったシースを、JIS K7161−1の規定に準じ、20℃の室温で50mm/minの引張速度で引っ張った。そして、シースが0.00005における応力と0.0025における応力から引張弾性率を算出した。
(質量増加率)
上記のようにして作製した通信ケーブルから、シースを剥ぎ取り、DINPを満たした容器に浸漬させた。オーブンでシースを100℃で72時間浸漬させた後、シースを容器から取り出し、シースの表面に付着したDINPをふき取った。DINP浸漬前後のシースの質量を測定し、以下のようにして質量増加率を算出及び判定した。DINPは、株式会社ジェイ・プラス製のDINPを使用した。
質量増加率=((浸漬後の質量)/(浸漬前の質量)−1)×100
(難燃性)
ISO21111−8の規定に準じて難燃性を評価し、規格に準拠するものを「良」、規格に準拠しないものを「否」として判定した。
(誘電特性)
株式会社エーイーティーにより提供されている誘電率測定装置を用い、空洞共振器法によって、比誘電率及び誘電正接を測定した。具体的には、表3〜表9に示された樹脂組成物を長さ80mm×幅3mm×厚さ0.5mmのシートに加工し、30℃雰囲気下において、10GHzの周波数で比誘電率及び誘電正接を測定した。
実施例1〜実施例23に係る通信ケーブルでは、シースの引張弾性率及び質量増加率が所定の値以下であり、柔軟性が高く、通信特性に優れていると考えられる。一方、比較例2〜比較例7に係る通信ケーブルは、シースの引張弾性率又は質量増加率が所定の値以下ではなく、柔軟性又は通信特性が十分ではないと考えられる。
次に、参考例1として、一般的なポリ塩化ビニル電線の被覆層に使用されているポリ塩化ビニル樹脂組成物を作製した。参考例1に係る樹脂組成物の配合比率(質量部)は、表10の通りである。
Figure 2021044237
ポリ塩化ビニル 大洋塩ビ株式会社 TH−1300
可塑剤 株式会社ジェイ・プラス DINP、株式会社ジェイ・プラス製DIDP
Ca/Zn系安定剤 株式会社ADEKA RUP−110
充填剤 炭酸カルシウム 白石カルシウム株式会社 Vigot10
次に、参考例1、実施例2及び実施例3を構成する樹脂組成物の比誘電率と誘電正接を測定した。これらの樹脂組成物は、上記のような加温試験を実施していない。これらの測定結果を図13〜図16に示す。図13は、参考例1に係る樹脂組成物において、測定温度と比誘電率との関係を示すグラフである。図14は、参考例1に係る樹脂組成物において、測定温度と誘電正接との関係を示すグラフである。図15は、実施例2に係る樹脂組成物において、測定温度、並びに比誘電率及び誘電正接の関係を示すグラフである。図16は、実施例3に係る樹脂組成物において、測定温度、並びに比誘電率及び誘電正接の関係を示すグラフである。
図13〜図16に示すように、参考例1に係る樹脂組成物の比誘電率は、実施例2及び実施例3を構成する樹脂組成物と比較して大きな差は見られない。一方、参考例1に係る樹脂組成物の誘電正接は、実施例2及び実施例3を構成する樹脂組成物と比較して、10倍程大きかった。これらの結果からも、実施例に係る通信ケーブルの通信特性が優れていることが推認される。
以上、本実施形態を実施例によって説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
10 絶縁電線
11 導体
12 被覆層
20 シース
100 通信ケーブル
110 ポリ塩化ビニル電線
200 ワイヤーハーネス

Claims (8)

  1. 導体と、前記導体を被覆し、絶縁体により構成された被覆層とを含む絶縁電線と、
    前記絶縁電線の外周を被覆し、ポリオレフィンと熱可塑性エラストマーとを含有する樹脂組成物を含むシースと、
    を備え、
    前記シースの引張弾性率は500MPa以下であり、
    前記シースをフタル酸ジイソノニルに100℃で72時間浸漬させた場合における、前記シースの質量増加率は50質量%未満である、通信ケーブル。
  2. 前記熱可塑性エラストマーは熱可塑性ゴム架橋体を含み、
    前記ポリオレフィン及び前記熱可塑性エラストマーの合計に対する前記熱可塑性ゴム架橋体の含有率は前記熱可塑性ゴム架橋体のショアA硬度が23以上30以下の場合には15質量%以上45質量%未満であり、前記熱可塑性ゴム架橋体のショアA硬度が31以上42以下の場合には35質量%以上50質量%以下である、請求項1に記載の通信ケーブル。
  3. 前記熱可塑性エラストマーのショアA硬度は80以下である、請求項1又は2に記載の通信ケーブル。
  4. 前記樹脂組成物は、前記ポリオレフィン及び前記熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、40質量部〜150質量部の金属水酸化物をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信ケーブル。
  5. 前記樹脂組成物は、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、40質量部〜100質量部の金属水酸化物と、10質量部〜30質量部のハロゲン系難燃剤とをさらに含み、
    前記樹脂組成物の比誘電率は6以下であり、
    前記樹脂組成物の誘電正接は1×10−2以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の通信ケーブル。
  6. 前記樹脂組成物の比誘電率は2.5以上4.0以下であり、
    前記樹脂組成物の誘電正接は8.0×10−3以下であり、
    前記導体はISO21111−8で規定された0.13sqの導体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の通信ケーブル。
  7. 前記樹脂組成物の比誘電率は3.0以上3.5以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の通信ケーブル。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の通信ケーブルと、
    ポリ塩化ビニル電線と、
    を備え、
    前記通信ケーブルと前記ポリ塩化ビニル電線とが束ねられた、ワイヤーハーネス。
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