JP2024037464A - 通信ケーブル - Google Patents

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Abstract

Figure 2024037464000001
【課題】シースの押出成形時において、絶縁電線の被覆層とシースとの間の融着、及び絶縁電線の被覆層の溶融による変形を防ぎ、通信安定性を確保しつつ、シースの皮むきを容易にする通信ケーブルを提供すること。
【解決手段】通信ケーブル100は、導体12と、導体12を被覆する被覆層14とを有する絶縁電線10を2本撚って得られたツイスト線と、ツイスト線の外周を被覆するシース20と、を備え、被覆層14を構成するベース樹脂の融点が、シース20を構成するベース樹脂の融点より20℃以上高い。
【選択図】図2

Description

本発明は、通信ケーブルに関する。
自動車の自動運転等では高度な電気情報通信が必要である。このため、差動伝送による伝送の高速化を目的として、2本の電線を撚り合わせたツイスト線を含み、シースで被覆した車載用伝送ケーブルを用いることが検討されている。特許文献1には、複数の絶縁電線を含む信号線の外周に、充実構造のシース(ジャケット)を有する通信用電線であって、シースを押出成形する際の圧力の影響で、伝送特性の低下が起こりにくい通信用電線が開示されている。具体的には、押出成形時の樹脂圧力を低下させる方策として、シースの構成材料は、200℃において荷重2.16kgで計測されるメルトフローレートが0.25g/10分以上であることを特徴としている。
特開2021-136105号公報
しかしながら特許文献1では、シースの押出成形時に、シースが絶縁電線の被覆層と融着することによりシースの皮むきが困難になったり、絶縁電線の被覆層が溶融することによって変形し、通信特性が悪化したりすることが懸念される。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、シースの押出成形時において、絶縁電線の被覆層とシースとの間の融着、及び絶縁電線の被覆層の溶融による変形を防ぎ、通信安定性を確保しつつ、シースの皮むきを容易にする通信ケーブルを提供することにある。
本発明の態様に係る通信ケーブルは、導体と、導体を被覆する被覆層とを有する絶縁電線を2本撚って得られたツイスト線と、ツイスト線の外周を被覆するシースと、を備え、被覆層を構成するベース樹脂の融点が、シースを構成するベース樹脂の融点より20℃以上高い。
本発明によれば、シースの押出成形時において、絶縁電線の被覆層とシースとの間の融着、及び絶縁電線の被覆層の溶融による変形を防ぎ、通信安定性を確保しつつ、シースの皮むきを容易にする通信ケーブルを提供することができる。
実施形態に係るツイスト線の断面図である。 実施形態に係る通信ケーブルの断面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る通信ケーブルについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
図1に示すように、絶縁電線10は、導体12と、導体12を被覆する被覆層14とを、有し、2本の絶縁電線10がツイストペアを形成している。そして、図2に示すように、通信ケーブル100は、絶縁電線10を2本撚って得られたツイスト線と、ツイスト線(絶縁電線10)の外周を被覆するシース20と、を備えている。シース20は絶縁電線10の軸方向に沿って伸長している。
図2に示すように、ツイスト線の外周を被覆するシース20は充実構造を有することが好ましい。つまり、絶縁電線10とシース20との間には空隙が設けられず、絶縁電線10の外表面がシース20で直接覆われていることが好ましい。シース20が充実構造を有する場合、絶縁電線10がシース20によって拘束されているため、絶縁電線10における撚りピッチの崩れが起こりにくく、絶縁電線10の構造が変化しにくくなる。そして、車両搭載時に、外装材の取り付けや屈曲などによって通信特性に影響が及ぶのを防ぐことができる。
[絶縁電線]
図1及び図2に示すように、絶縁電線10は、導体12と、導体12を被覆する被覆層14とを有する。導体12は、1本の素線のみで構成されていてもよく、複数本の素線を束ねて構成された集合撚り線であってもよい。また、導体12は、1本の撚り線のみで構成されていてもよく、複数本の集合撚り線を束ねて構成された複合撚り線であってもよい。さらに、導体12は、図1に示すような圧縮導体であってもよく、非圧縮導体であってもよい。導体12を構成する材料は、特に限定されないが、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金などからなる群より選択される少なくとも1つの導電性金属材料であることが好ましい。
導体12の外径は、特に限定されないが、0.435mm以上であることが好ましく、0.440mm以上であることがより好ましい。導体12の径を上記のようにすることにより、導体12の抵抗を小さくすることができる。また、導体12の径は、特に限定されないが、0.465mm以下であることが好ましく、0.460mm以下であることがより好ましい。導体12の外径を上記のようにすることにより、狭くかつ短い経路内であっても絶縁電線10の配索を容易にすることができる。
被覆層14の厚さは、特に限定されないが、0.15mm以上であることが好ましく、0.18mm以上であることがより好ましい。被覆層14の厚さを上記のようにすることにより、導体12を効果的に保護することができる。また、被覆層14の厚さは、特に限定されないが、0.32mm以下であることが好ましい。被覆層14の厚さを上記のようにすることにより、狭い経路内であっても絶縁電線10の配索を容易にすることができる。
被覆層14は、導体に対する電気絶縁性を確保することができるならば、材料は特に限定されない。被覆層14を構成するベース樹脂は、架橋ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂などの電気絶縁性樹脂を任意に使用できる。具体的には、被覆層14を構成するベース樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、耐熱ポリ塩化ビニル、架橋ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、発泡ポリエチレン、架橋発泡ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリフッ化ビニリデン、エチレン-四フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、天然ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、シリコーンゴムを用いることができる。これらの材料は一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
被覆層14を構成するベース樹脂は、ポリプロピレン樹脂であることが好ましい。さらに、被覆層14を構成するベース樹脂は、融点が160℃以上のポリプロピレン樹脂であることがより好ましい。被覆層14を構成するベース樹脂がポリプロピレン樹脂であることにより、後述のシース20の押出成形時において、被覆層14とシース20との間の融着、及び被覆層14の溶融による変形を防ぐことができる。なお、融点は示差走査熱量計(DSC)によって測定することができる。
被覆層14を構成するベース樹脂に使用されるポリプロピレン樹脂としては、ホモポリプロピレン(ホモPP)、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、又はプロピレンと共重合可能な他のオレフィン等の成分との共重合体が挙げられる。プロピレンと共重合可能な他のオレフィンとしては、例えばエチレン、1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、3,4-ジメチル-1-ブテン、1-ヘプテン、3-メチル-1-ヘキセンなどのα-オレフィンが例示される。
シース20が充実構造を有する場合、絶縁電線10の誘電率を低く抑える必要があるため、被覆層14を構成するベース樹脂に添加する、ベース樹脂以外の添加剤は極力少なくすることが好ましい。しかしながら、導体12に銅又は銅合金が用いられる場合、被覆層14が導体12と接触することにより、被覆層14の酸化劣化、いわゆる銅害を生じさせることがある。そのため、被覆層14を構成するベース樹脂に、酸化防止剤及び銅害防止剤を通信特性を悪化させない範囲で添加することが好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は、被覆層14の酸化を抑制する。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤などのラジカル連鎖防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤などの過酸化物分解剤、並びに、ヒドラジン系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤などの金属不活性化剤など、熱可塑性樹脂などに用いられる公知の酸化防止剤を使用することができる。酸化防止剤は、単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
酸化防止剤は、酸化防止効果と通信特性への影響を考慮して、含有量を調製すればよい。被覆層14を構成するベース樹脂に添加する酸化防止剤の含有量は、ベース樹脂の合計100質量部に対し、0.5質量部~8.0質量部であることが好ましく、1.0質量部~5.0質量部であることがより好ましい。酸化防止剤の含有量を0.5質量部以上とすることにより耐熱性を向上させることができる。また、酸化防止剤の含有量を8.0質量部以下とすることにより、通信特性への影響を抑えることができる。
(銅害防止剤)
銅害防止剤は、被覆層14が導体12(銅又は銅合金)と接触することによる、被覆層14の酸化劣化、いわゆる銅害を抑制する。銅害防止剤としては、例えば、サリチル系銅害防止剤、ヒドラジン系銅害防止剤が用いられる。被覆層14を構成するベース樹脂に添加する銅害防止剤の含有量は、ベース樹脂の合計100質量部に対し、0.5~3.0質量部であることが好ましく、1.0~3.0質量部であることがより好ましい。銅害防止剤の含有量を0.5質量部以上とすることにより効果的に銅害防止効果を付与することができる。また、銅害防止剤の含有量を3.0質量部以下とすることにより、通信特性への影響を抑えることができる。
被覆層14を構成するベース樹脂に添加する、ベース樹脂以外の添加剤としては、上述の酸化防止剤及び銅害防止剤の他、本実施形態の効果を妨げない範囲で種々の添加剤を適量配合することができる。添加剤としては、難燃剤、無機フィラー、難燃助剤、加工助剤、架橋剤、金属不活性化剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、紫外線吸収剤、安定剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤、帯電防止剤、発泡剤等が挙げられる。
被覆層14を構成するベース樹脂に上述の添加剤を配合する方法としては、公知の手段を用いることができる。例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールミル、二軸押出機、単軸押出機等の公知の混練機を用いて混練することにより、樹脂組成物を得ることができる。
絶縁電線10は、公知の方法により形成することができ、例えば一般的な押出成形法により作製することができる。具体的には、一本又は複数本の素線からなる導体12の外表面に被覆層14の材料を押し出して被覆することにより、被覆層14を形成することができる。そして、押出成形法で用いる押出機としては、例えば単軸押出機や二軸押出機を使用し、スクリュー、ブレーカープレート、クロスヘッド、ディストリビューター、ニップル及びダイスを有するものを使用することができる。押出成形をする際には、ベース樹脂が十分に溶融する温度に設定された押出機に、上述の樹脂組成物を投入する。この際、必要に応じて樹脂組成物の他に、種々の添加剤を押出機に投入することができる。
[ツイスト線]
図1に示すように、ツイスト線は、導体12と、導体12の外周を被覆する被覆層14と、を有する絶縁電線10を2本撚って得られる。図1は、ツイスト線の断面図であるため、隣接した2本の絶縁電線10の断面が示されている。なお、図示しないツイスト線の外観は、2本の絶縁電線10が撚り合わされてなる撚線状になっている。
ツイスト線を構成する2本の絶縁電線10は、同様の構成になっている。ツイスト線では、2本の絶縁電線は互いに逆相の電流が流れるようになっている。これにより、ツイスト線では、2本の絶縁電線の間の電位差で信号を伝送することができるようになっている。
[通信ケーブル]
図2に示すような通信ケーブル100は、公知の方法により形成することができ、例えば一般的な押出成形法により作製することができる。具体的には、図1のように絶縁電線10を2本撚ってツイスト線を作製した後、絶縁電線10の外表面にシース20の材料を押し出して被覆することにより、シース20を形成することができる。シース20の厚さは特に限定されないが、例えば、0.1mm~1mmであってもよい。また、シース20に用いられるベース樹脂の種類は、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂や、塩化ビニルなど公知の絶縁樹脂を任意に使用でき、可塑剤を含んでいてもよい。
シース20を構成するベース樹脂は、ポリエチレン樹脂であることが好ましい。さらに、シース20を構成するベース樹脂は、融点が140℃以下のポリエチレン樹脂であることがより好ましい。シース20を構成するベース樹脂がポリエチレン樹脂であることにより、シース20の押出成形時において、被覆層14とシース20との間の融着、及び被覆層14の溶融による変形を防ぐことができる。なお、融点は示差走査熱量計(DSC)によって測定することができる。
シース20を構成するベース樹脂に使用されるポリエチレン樹脂としては、例えば、エチレン成分単位が50mol%以上の樹脂が挙げられる。具体的には、ポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン-1共重合体、エチレン-ブテン-1共重合体、エチレン-ヘキセン-1共重合体、エチレン-4-メチルペンテン-1共重合体、エチレン-オクテン-1共重合体、さらにそれらの混合物等が挙げられる。
被覆層14を構成するベース樹脂の融点は、シース20を構成するベース樹脂の融点よりも20℃以上高い。そして、被覆層14を構成するベース樹脂はポリプロピレン樹脂であり、かつ、シース20を構成するベース樹脂はポリエチレン樹脂であることが好ましい。さらに、被覆層14を構成するベース樹脂は融点が160℃以上であるポリプロピレン樹脂であり、かつ、シース20を構成するベース樹脂は融点が140℃以下のポリエチレン樹脂であることがより好ましい。被覆層14を構成するベース樹脂の融点が、シース20を構成するベース樹脂の融点より20℃以上高いことにより、シース20の押出成形の温度条件では被覆層14の溶融が起こりにくくなる。そのため、シース20の押出成形時において、被覆層14とシース20との間の融着、及び被覆層14の溶融による変形を防ぐことができる。そして、被覆層14にポリプロピレン樹脂、シース20にポリエチレン樹脂と、それぞれのベース樹脂が異なるようにすることで、被覆層14とシース20との間の密着性を抑えることができるため、シース20の皮むきをさらに容易にすることができる。
シース20を構成するベース樹脂には、電線特性として求められる難燃性を担保するために、金属水酸化物やハロゲン系難燃剤等の難燃剤を添加することが好ましい。その他、被覆層14と同様に酸化防止剤等を通信特性を妨げない範囲で添加することが好ましい。
(難燃剤)
難燃剤は、シース20の難燃性を向上させる。シース20の難燃性を向上させることにより、車両で火災が発生した場合であっても、シース20で延焼を抑制することができる。
難燃剤は、例えば、有機系難燃剤及び無機系難燃剤の少なくともいずれか一方であってもよい。有機系難燃剤としては、例えば、臭素系難燃剤及び塩素系難燃剤などのハロゲン系難燃剤、並びに、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、環状リン化合物、及び赤リンなどのリン系難燃剤などを用いることができる。無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属水酸化物などを用いることができる。これらの難燃剤は単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。難燃剤は、例えば、有機系難燃剤と無機系難燃剤とを含んでいてもよい。
有機系難燃剤としては、少なくともハロゲン系難燃剤を含むことが好ましい。ハロゲン系難燃剤は、シース20を構成するベース樹脂の燃焼を促進するヒドロキシルラジカルを捕捉し、ベース樹脂の燃焼を抑制することができる。ハロゲン系難燃剤は、例えば、有機化合物に少なくとも1つ以上のハロゲンが置換した化合物であってもよい。ハロゲン系難燃剤としては、例えば、フッ素系難燃剤、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、及びヨウ素系難燃剤が挙げられる。ハロゲン系難燃剤は、臭素系難燃剤であることが好ましい。
臭素系難燃剤には、例えば、1,2-ビス(ブロモフェニル)エタン、1,2-ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビス-ジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビス-テトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールS、トリス(2,3-ジブロモプロピル-1)イソシアヌレート、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、オクタブロモフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA(TBA)、TBAエポキシオリゴマー又はポリマー、TBA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、デカブロモジフェニルオキシド、ポリジブロモフェニレンオキシド、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス-ペンタブロモベンゼン、ジブロモエチル-ジブロモシクロヘキサン、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモフェノール、トリブロモフェノールアリルエーテル、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、ペンタブロモフェノール、ペンタブロモトルエン、ペンタブロモジフェニルオキシド、ヘキサブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルオキシド、ジブロモネオペンチルグリコールテトラカルボナート、ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N-メチルヘキサブロモフェニルアミン等が含まれる。難燃剤は、1,2-ビス(ペンタブロモフェニル)エタン及びテトラブロモビスフェノールAを含んでいることが好ましい。このような難燃剤は、比誘電率が低いことから、シース20の粘度及び比誘電率の上昇を抑えながら難燃性を付与することができる。
シース20に含まれるハロゲン系難燃剤の含有量は、ベース樹脂の合計100質量部に対し、5質量部~40質量部であることが好ましく、10質量部~30質量部であることがより好ましい。ハロゲン系難燃剤の含有量を10質量部以上とすることにより、シース20の難燃性を向上させることができる。また、ハロゲン系難燃剤の含有量を30質量部以下とすることにより、シース20の機械的特性を維持しつつ、必要以上の難燃剤を用いずに済むことから、シース20の製造コストを低減させることができる。
シース20に含まれる無機系難燃剤の含有量は、ベース樹脂の合計100質量部に対し、30質量部~200質量部であることが好ましく、40質量部~150質量部であることが好ましい。無機系難燃剤の含有量を40質量部以上とすることにより、シース20の難燃性を向上させることができる。また、無機系難燃剤の含有量を150質量部以下とすることにより、シース20の加工性を向上させることができる。
無機系難燃剤としては、少なくとも金属水酸化物を含むことが好ましい。金属水酸化物は難燃剤として汎用的であり、臭素系難燃剤よりも比較的コストが安い。また、金属水酸化物は、誘電率が一般的なポリオレフィン系樹脂に対して高いため、誘電率調整剤として作用する。そのため、本実施形態のシース20は、金属水酸化物を含むことが好ましい。金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化カルシウム(Ca(OH))、塩基性炭酸マグネシウム(mMgCO・Mg(OH)・nHO)、水和珪酸アルミニウム(ケイ酸アルミニウム水和物,Al・3SiO・nHO)、水和珪酸マグネシウム(ケイ酸マグネシウム五水和物,MgSi・5HO)等の水酸基又は結晶水を有する金属化合物の一種又は複数を用いることができる。この中でも金属水酸化物としては、水酸化マグネシウムが特に好ましい。
シース20は、ベース樹脂の合計100質量部に対して、40質量部~150質量部の金属水酸化物をさらに含むことが好ましく、100質量部~150質量部の金属水酸化物をさらに含むことがより好ましい。金属水酸化物の含有量を40質量部以上とすることにより、シース20の難燃性を向上させることができる。金属水酸化物の含有量を150質量部以下とすることにより、シース20の柔軟性を向上させることができる。また、金属水酸化物の含有量を150質量部以下とすることにより、シース20の加工性を向上させることができる。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は、シース20の酸化を抑制する。酸化防止剤としては、例えば、被覆層14に使用される酸化防止剤を使用することができる。
酸化防止剤は、酸化防止効果と通信特性への影響を考慮して、添加量を調製すればよい。シース20を構成するベース樹脂に添加する酸化防止剤の含有量は、ベース樹脂の合計100質量部に対し、0.5質量部~8.0質量部であることが好ましく、1.0質量部~8.0質量部であることがより好ましい。酸化防止剤の含有量を0.5質量部以上とすることにより耐熱性を向上させることができる。また、酸化防止剤の含有量を8.0質量部以下とすることにより、通信特性への影響を抑えることができる。
シース20を構成するベース樹脂に添加する、ベース樹脂以外の添加剤としては、上述の難燃剤及び酸化防止剤の他、本実施形態の効果を妨げない範囲で種々の添加剤を適量配合することができる。添加剤としては、無機フィラー、難燃助剤、加工助剤、架橋剤、金属不活性化剤(銅害防止剤)、老化防止剤、充填剤、補強剤、紫外線吸収剤、安定剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤、帯電防止剤、発泡剤等が挙げられる。
(無機フィラー)
シース20の誘電率を調節するため、シース20を構成するベース樹脂に無機フィラーを添加してもよい。無機フィラーは、例えば、上述した金属水酸化物、酸化アルミニウム、及び酸化チタンなどの金属酸化物、並びに、チタン酸バリウム、及びチタン酸ストロンチウムなどのチタン酸化合物などであってもよい。
シース20に含まれる無機フィラーの含有量は、ベース樹脂の合計100質量部に対し、30質量部~200質量部であることが好ましく、40質量部~150質量部であることが好ましい。無機フィラーの含有量を30質量部以上とすることにより、シース20の比誘電率が低くなりすぎるのを抑制することができる。無機フィラーの含有量を200質量部以下とすることにより、比誘電率が高くなりすぎるのを抑制し、かつ、シース20の柔軟性の低下を抑制することができる。
(難燃助剤)
難燃助剤は、難燃剤と同様にシース20の難燃性を向上させる。難燃助剤は、例えば、三酸化アンチモンであってもよい。三酸化アンチモンは、ハロゲン系難燃剤と併用することでシース20の難燃性を向上させることができる。シース20に含まれる難燃助剤の含有量は、ベース樹脂の合計100質量部に対し、0.1質量部~30質量部であることが好ましく、1質量部~15質量部であることがより好ましい。
(加工助剤)
加工助剤は、押出成形の際に発生するメヤニや、押出成形物の形状を保持するために添加される。加工助剤は、金属石鹸及び高分子滑剤の少なくとも一方を含んでいてもよい。シース20に含まれる加工助剤の含有量は、ベース樹脂の合計100質量部に対し、0.01質量部~10質量部であることが好ましく、0.1質量部~5質量部であることがより好ましい。
(可塑剤)
シース20の柔軟性を高めるため、シース20を構成するベース樹脂に可塑剤を添加してもよい。可塑剤は公知の可塑剤を使用することができる。可塑剤は、トリメリット酸系可塑剤、脂肪族二塩基酸系可塑剤、エポキシ系可塑剤、フタル酸系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤及びエーテルエステル系可塑剤からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
フタル酸系可塑剤は、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)、フタル酸ジ-n-オクチル(DNOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジノニル(DNP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、及びフタル酸ジトリデシルからなる群より選択される少なくとも一種のフタル酸エステルであってもよい。
トリメリット酸系可塑剤は、例えば、トリメリット酸トリオクチル(TOTM)、及びトリメリット酸トリイソデシルからなる群より選択される少なくとも一種のトリメリット酸エステルであってもよい。
以上のように、通信ケーブル100は、導体12と、導体12を被覆する被覆層14とを有する絶縁電線10を2本撚って得られたツイスト線と、ツイスト線の外周を被覆するシース20と、を備える。そして、被覆層14を構成するベース樹脂の融点が、シース20を構成するベース樹脂の融点より20℃以上高い。したがって、シース20の押出成形時において、被覆層14とシース20との間の融着、及び被覆層14の溶融による変形を防ぎ、通信安定性を確保しつつ、シース20の皮むきを容易にする通信ケーブル100を提供することができる。このように、通信ケーブル100は充実構造のシースを有し、絶縁電線10の構造を変形させることなく、シースの皮むきが容易であることから、例えば車両に搭載する高速通信ケーブルとして好ましく用いることができる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
[ベース樹脂]
・ブロックポリプロピレン(ブロックPP):(株)プライムポリマー製 商品名:プライムポリプロ(登録商標)E150GK:融点162℃
・高密度ポリエチレン(HDPE):日本ポリエチレン(株)製 商品名:ノバテック(登録商標)HE122R:融点128℃
[酸化防止剤]
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤:(株)ADEKA製 商品名:アデカスタブ(登録商標)AO-60
[銅害防止剤]
・サリチル酸系アミド化合物:(株)ADEKA製 商品名:アデカスタブ(登録商標)CDA-10
[難燃剤]
・水酸化マグネシウム(Mg(OH)):神島化学工業(株)製
実施例1~2及び比較例1~2の被覆層を構成する樹脂組成物について、表1に示す樹脂組成の配合割合(質量部)にしたがって、上述の調製用原料を混合し、バッチ式、連続式混練機で混練することで樹脂ペレットを作製した。その後、撚線外径0.45mmの導体(銅合金線)をセットした押出機に樹脂ペレットを投入して、押出成形により0.2mmの厚さの被覆層で被覆し、絶縁電線を2本作製した。
実施例1~2及び比較例1~2のシースを構成する樹脂組成物については、表1に示す樹脂組成の配合割合(質量部)にしたがって、上述の調製用原料を混合し、バッチ式、連続式混練機で混練することで樹脂ペレットを作製した。上述の通り得られた絶縁電線を2本撚って得られたツイスト線をセットした押出機に樹脂ペレットを投入して、押出成形により0.4mmの厚さのシースで被覆することで、通信ケーブルの試験サンプルを作製した。ツイスト線をシースで被覆するときは、シースと絶縁電線(ツイスト線)との間には空隙が設けられないようにし、シースは充実構造を有するようにした。以上の方法により、通信ケーブルの試験サンプルを作製した。
[評価]
(密着試験)
通信ケーブルの試験サンプルを長さ75mmに切断し、そのうち長さ25mm分のシースを剥ぎ取った。そして、2芯のツイスト線がちょうど入る穴にツイスト線を入れて、2本の絶縁電線を固定したうえでシースを引っ張ることにより、長さ50mm分のシースの皮むきに必要な荷重を測定する密着試験を実施した。その結果、荷重50N未満であったものを合格(○)とし、50N以上であったものを不合格(×)とした。評価結果を表1に示す。
(被覆層の確認試験)
通信ケーブルの試験サンプルの断面において、被覆層の厚さを1本につき4カ所、2本で合計8カ所測定した。その結果、全ての箇所で被覆層の厚さが0.16mm以上を確保できているものを合格(○)とし、少なくとも1カ所で、被覆層の厚さが0.16mm未満になっているものを不合格(×)とした。評価結果を表1に示す。
Figure 2024037464000002
表1に示すように、実施例1~2は、被覆層を構成するベース樹脂は融点が162℃のポリプロピレン樹脂であり、かつ、シースを構成するベース樹脂は融点が128℃のポリエチレン樹脂である。そして、被覆層を構成するベース樹脂の融点が、シースを構成するベース樹脂の融点より20℃以上高い。そのため、実施例1~2については密着試験及び被覆層の確認試験はともに良好であった。したがって、実施例1~2の通信ケーブルは、シースの押出成形時において、被覆層とシースとの間の融着、及び被覆層の溶融による変形を防ぎ、通信安定性を確保しつつ、シース20の皮むきを容易にすることが分かる。
一方、比較例1は、被覆層を構成するベース樹脂及びシースを構成するベース樹脂がともに融点が162℃のポリプロピレン樹脂であり、ベース樹脂の融点の差がない。また、比較例2は、被覆層を構成するベース樹脂及びシースを構成するベース樹脂がともに融点が128℃のポリエチレン樹脂をベースにしたものであり、ベース樹脂の融点の差がない。そのため、比較例1~2は、シースの押出成形時において、被覆層とシースとの間の融着、及び被覆層の溶融による変形が発生し、表1に示すように、密着試験及び被覆層の確認試験はともに不合格であった。したがって、比較例1~2の通信ケーブルは、通信安定性の低下がみられたり、シースの皮むきが困難であったりすることが予想される。
以上、本実施形態を実施例によって説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
10 絶縁電線
12 導体
14 被覆層
20 シース
100 通信ケーブル

Claims (6)

  1. 導体と、前記導体を被覆する被覆層とを有する絶縁電線を2本撚って得られたツイスト線と、
    前記ツイスト線の外周を被覆するシースと、
    を備え、
    前記被覆層を構成するベース樹脂の融点が、前記シースを構成するベース樹脂の融点より20℃以上高い、通信ケーブル。
  2. 前記被覆層を構成するベース樹脂はポリプロピレン樹脂であり、かつ、前記シースを構成するベース樹脂はポリエチレン樹脂である、請求項1に記載の通信ケーブル。
  3. 前記被覆層を構成するベース樹脂は融点が160℃以上のポリプロピレン樹脂であり、かつ、前記シースを構成するベース樹脂は融点が140℃以下のポリエチレン樹脂である、請求項1又は2に記載の通信ケーブル。
  4. 前記ツイスト線の外周を被覆する前記シースは充実構造を有する、請求項1又は2に記載の通信ケーブル。
  5. 前記被覆層は、ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、酸化防止剤1.0~5.0質量部及び銅害防止剤1.0~3.0質量部をさらに含有する、請求項2に記載の通信ケーブル。
  6. 前記シースは、ポリエチレン樹脂100質量部に対して、酸化防止剤1.0~8.0質量部及び水酸化マグネシウム100~150質量部をさらに含有する、請求項2に記載の通信ケーブル。
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