JP2013191426A - 難燃性耐熱絶縁電線 - Google Patents

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隆弘 福冨
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Abstract

【課題】高い耐熱性と難燃性を有し、かつ電気特性や機械的特性などの電線に本来要求される諸特性にも優れる難燃性耐熱絶縁電線を提供する。
【解決手段】難燃性耐熱絶縁電線は、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、(a)パークロロシクロペンタデカン18.0〜23.0質量部、(b)エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)22.0〜26.0質量部、(c)アンチモン酸化物23.0〜28.0質量部、(d)4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)0.8〜1.2質量部、および(e)エポキシ化合物0.8〜1.3質量部を含有する電気絶縁性組成物の架橋体からなる被覆12を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱性と難燃性を併せ持つ絶縁電線に関する。
近時、給湯器や電気温水器などの機器内配線の用途に、優れた耐熱性と難燃性を併せ持つ絶縁電線のニーズがある。具体的には、125℃で40000時間という耐熱寿命と、米国UL規格の垂直燃焼試験(UL1581 VW−1)に合格する難燃性を有する絶縁電線が要望されている。
この種の絶縁電線としては、例えばエチレン系共重合体に特定の難燃剤を組み合わせて配合した組成物を被覆材料として用いた絶縁電線が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、上記要求を十分に満足するものではなく、特に、耐熱性が不十分であった。
一方、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体に代表されるフッ素ゴムを絶縁材料として用いた電線が知られている。フッ素ゴムは、耐熱性、耐油性、耐薬品性、耐老化性、耐候性などに優れており、これを用いた電線は高い耐熱性を備えている。そこで、このようなフッ素ゴムからなる絶縁材料に種々の難燃剤を配合することによって、優れた難燃性を付与することも検討されている。しかし、電気特性や機械的特性などの電線に本来要求される特性が低下するなど、未だ十分な特性を備えるまでには至っていない。
特開2007−119515号公報
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたもので、高い耐熱性と難燃性を有し、かつ電気特性や機械的特性などの電線に本来要求される諸特性にも優れる絶縁電線を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様である難燃性耐熱絶縁電線は、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、(a)パークロロシクロペンタデカン18.0〜23.0質量部、(b)エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)22.0〜26.0質量部、(c)アンチモン酸化物23.0〜28.0質量部、(d)4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)0.8〜1.2質量部、および(e)エポキシ化合物0.8〜1.3質量部を含有する電気絶縁性組成物の架橋体からなる被覆を備えるものである。
本発明の第2の態様は、第1の態様の難燃性耐熱絶縁電線において、前記電気絶縁性組成物が、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、(a)パークロロシクロペンタデカン19.0〜22.0質量部、(b)エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)23.0〜25.0質量部、(c)アンチモン酸化物24.0〜27.0質量部、(d)4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)0.9〜1.1質量部、および(e)エポキシ化合物0.9〜1.2質量部を含有する組成物であるものである。
本発明の第3の態様は、第1の態様の難燃性耐熱絶縁電線において、前記電気絶縁性組成物が、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、(a)パークロロシクロペンタデカン19.5〜21.0質量部、(b)エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)23.5〜24.5質量部、(c)アンチモン酸化物24.5〜26.0質量部、(d)4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)0.95〜1.05質量部、および(e)エポキシ化合物0.95〜1.05質量部を含有する組成物であるものである。
本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第3の態様のいずれかの態様の難燃性耐熱絶縁電線において、前記電気絶縁性組成物が、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、(f)ポリオレフィンワックス0.5〜4.0質量部をさらに含有するものである。
本発明の第5の態様は、第1の態様乃至第4の態様のいずれかの態様の難燃性耐熱絶縁電線において、前記オレフィン系ポリマーが低密度ポリエチレンを含むものである。
本発明によれば高い耐熱性と難燃性を有し、かつ電気特性や機械的特性などの電線に本来要求される諸特性にも優れる絶縁電線が得られる。
本発明の難燃性耐熱絶縁電線の一実施形態を示す横断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、本発明の難燃性耐熱絶縁電線に使用される電気絶縁性組成物について説明する。
本発明において使用される電気絶縁性組成物は、ポリオレフィンをベースポリマーとし、難燃剤、難燃助剤、老化防止剤、および熱安定剤を含有するものである。
本発明で使用される電気絶縁性組成物のベースポリマーを構成するオレフィン系ポリマーとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン;ポリプロピレン(PP);ポリイソブチレン;エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンの2種以上を共重合させたα−オレフィン共重合体;エチレンに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、パーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなどのビニルエステルを共重合させたエチレン・ビニルエステル共重合体;エチレンに、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸‐2‐エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステルを共重合させたエチレン・アクリル酸エステル共重合体;イソブチレン・イソプレン共重合体などが挙げられる。なお、α−オレフィン共重合体には、非共役ポリエンがさらに共重合されていてもよい。非共役ポリエンとしては、例えばジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
オレフィン系ポリマーとしては、耐熱性と難燃性を向上させるためには、なかでもポリエチレンが好ましく、低密度ポリエチレンが特に好ましい。その他のオレフィン系ポリマーは、ポリエチレンの併用成分として使用することが好ましい。オレフィン系ポリマーとして好適な低密度ポリエチレンの市販品を具体的に例示すると、例えば、宇部丸善ポリエチレン(株)製のUBEC130(商品名;密度(JIS K7112)920kg/m,MFR(JIS K7210)0.28g/10min)などが挙げられる。
本発明で使用される電気絶縁性組成物には、難燃剤として、パークロロシクロペンタデカン、およびエチレンビス(ペンタブロモベンゼン)が併用される。また、難燃助剤として、アンチモン酸化物が使用され、老化防止剤として、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)が使用され、さらに熱安定剤として、エポキシ化合物が使用される。
難燃剤として使用される2種のうち、一方のパークロロシクロペンタデカンは、塩素系難燃剤として知られる下記式で示される化合物であり、市販品としては、例えば、Occidental Chemical Corp.製のDechlorane Plus 25(商品名;塩素含有量65.1%)などが挙げられる。
Figure 2013191426
このパークロロシクロペンタデカンは、ベースポリマーのオレフィン系ポリマー100質量部に対し、18.0〜23.0質量部配合される。配合量が18.0質量部未満では、添加による効果が小さく、難燃性を向上させることができない。また、配合量が23.0質量部を超えると、効果はさほど変わらず、導体外周に被覆した際に表面にブルームしてくるおそれがある。本成分は、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、19.0〜22.0質量部配合することが好ましく、19.5〜21.0質量部配合することがより好ましい。
難燃剤として使用される他方のエチレンビス(ペンタブロモベンゼン)は、臭素系難燃剤として知られる下記式で示される化合物である。市販品としては、例えば、アルベマール浅野(株)製のSAYTEX 8010(商品名)などが挙げられる。
Figure 2013191426
このエチレンビス(ペンタブロモベンゼン)は、ベースポリマーのオレフィン系ポリマー100質量部に対し、22.0〜26.0質量部配合される。配合量が22.0質量部未満では、添加による効果が小さく、難燃性を向上させることができない。また、配合量が26.0質量部を超えると、効果はさほど変わらず、導体外周に被覆した際に表面にブルームしてくるおそれがある。この化合物は、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、23.0〜25.0質量部配合することが好ましく、23.5〜24.5質量部配合することがより好ましい。
難燃助剤として使用されるアンチモン酸化物としては、三酸化アンチモン(Sb)などが挙げられる。アンチモン酸化物は、ベースポリマーのオレフィン系ポリマー100質量部に対し、23.0〜28.0質量部配合される。配合量が23.0質量部未満では、添加による効果が小さく、難燃性を向上させることができない。また、配合量が28.0質量部を超えると、効果はさほど変わらず、機械的特性が低下するなどの問題が生ずるおそれがある。このアンチモン酸化物は、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、24.0〜27.0質量部配合することが好ましく、24.5〜26.0質量部配合することがより好ましい。
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記化合物以外の難燃剤および難燃助剤を配合してもよい。併用可能な難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水和物、グアニジン系、メラミン系などの窒素系難燃剤、リン酸アンモニウム、赤燐などのリン系難燃剤、リン−窒素系難燃剤、ホウ酸亜鉛などのホウ酸化合物などが挙げられる。また、例えば、エチレンビステトラブロモフタルイミド、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラデカブロモジフェノキシベンゼンなどの臭素系難燃剤も、本発明の効果を阻害しない範囲で配合してもよい。
老化防止剤として使用される4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)は、フェノール系老化防止剤として知られるもので、市販品としては、例えば、川口化学工業(株)製のアンテージクリスタル(商品名)などが挙げられる。この4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)は、ベースポリマーのオレフィン系ポリマー100質量部に対し、0.8〜1.2質量部配合される。配合量が0.8質量部未満では、添加による効果が小さく、難燃性を向上させることができないうえ、耐熱性も不十分となる。また、配合量が1.2質量部を超えると、効果はさほど変わらず、導体外周に被覆した際に表面にブルームしてくるおそれがある。本成分は、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、0.9〜1.1質量部配合することが好ましく、0.95〜1.05質量部配合することがより好ましい。
熱安定剤として使用されるエポキシ化合物としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテルなどが挙げられる。本発明の目的のためには、なかでもビスフェノールAジグリシジルエーテルが好ましい。ビスフェノールAジグリシジルエーテルの市販品を例示すると、例えば、ADEKA(株)製のアデカサイザーEP−13(商品名)などが挙げられる。このエポキシ化合物は、ベースポリマーのオレフィン系ポリマー100質量部に対し、0.8〜1.3質量部配合される。配合量が0.8質量部未満では、添加による効果が小さく、所期の難燃性および耐熱性を得ることができない。また、配合量が1.3質量部を超えても、効果はさほど変わらず非経済的である。このエポキシ化合物は、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、0.9〜1.2質量部配合することが好ましく、0.95〜1.05質量部配合することがより好ましい。
本発明で使用される電気絶縁性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の樹脂組成物に一般に配合されている酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、加工助剤、滑剤、着色剤などの添加剤を必要に応じて配合することができる。また、上述した4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)以外の老化防止剤、さらに、上述したエポキシ化合物以外の熱安定剤も、本発明の効果を阻害しない範囲であれば配合してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]メタンなどのチオエーテル系;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのヒンダードフェノール系などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコニア、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化珪素、窒化アルミなどが例示される。
加工助剤としては、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸や、これらの塩またはエステル類などが挙げられる。
滑剤としては、例えば、ポリオレフィンワックスなどの炭化水素系、シリコーン系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系などが挙げられる。これらのなかでも、耐熱性と難燃性を向上させるためにはポリオレフィンワックス、すなわち、分子量が5000以下の低分子量ポリオレフィン、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量エチレン・プロピレン共重合体などが好ましい。ポリオレフィンワックスの市販品を例示すると、例えば、三井化学(株)製のハイワックス110P、ハイワックス200P、ハイワックス400P(以上、商品名)などが挙げられる。ポリオレフィンワックスを配合する場合、その配合量は、ベースポリマーのオレフィン系ポリマー100質量部に対し、0.5〜4.0質量部の範囲が好ましい。配合量が0.5質量部未満では、添加による効果が小さく、また、配合量が4.0質量部を超えると、難燃性、耐熱性、機械的特性などが低下するおそれがある。このポリオレフィンワックスは、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、1.0〜3.0質量部配合することがより好ましい。
4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)以外の老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾールなどのベンズイミダゾール系老化防止剤などが挙げられる。
エチレン化合物以外の熱安定剤としては、例えば、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどのホスファイト系熱安定剤などが挙げられる。
上記各添加剤は、いずれも1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明で使用される電気絶縁性組成物は、上記したようなオレフィン系ポリマー、難燃剤、難燃助剤、老化防止剤、熱安定剤、および必要に応じて配合される上述した各種成分を、バンバリーミキサ、タンブラー、加圧ニーダ、混練押出機、ミキシングローラなどの通常の混練機を用いて均一に混合することにより容易に調製することができる。
本発明の難燃性耐熱絶縁電線は、上記電気絶縁性組成物を、導体上に直接もしくは他の被覆を介して押出被覆し、架橋することにより製造される。架橋工程は押出被覆工程と別工程で行ってもよく、単一工程で連続して行ってもよい。導体の材質や外径、撚り合せの有無等は特に限定されるものではなく、用途などによって適宜選択される。また、電気絶縁性組成物を架橋させる方法は、特に限定されるものではなく、電子線などの放射線による架橋、架橋剤を用いる化学架橋など、任意の方法を用いることができるが、生産効率の面で電子線などの放射線による架橋がなかでも好ましい。化学架橋を行う場合、架橋剤としては、有機過酸化物が好ましく、例えば、ジクミルペルオキシド、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが使用される。
図1は、本発明の難燃性耐熱絶縁電線の一実施形態を示す横断面図である。
図1において、符号11は、1本乃至複数本のすずめっき軟銅線などからなる導体を示し、この導体11上には、前述した電気絶縁性組成物を押出被覆し、架橋することによって絶縁体12が形成されている。
本実施形態の難燃性耐熱絶縁電線は、以下の要件を満足するように構成されていることが好ましい。
(1)絶縁体12の引張強さおよび伸び(JIS C 3005に準拠して測定)が、それぞれ10MPa以上および200%以上である。
(2)絶縁体12の熱老化(180℃、336時間)後の引張強さが7MPa以上で、伸びが130%以上である。これらの引張強さおよび伸びは、JIS C 3005に準拠して測定される値である。
(3)電線全体として、VW−1垂直燃焼試験(UL 1581)に合格する難燃性を有する。
本実施形態の難燃性耐熱絶縁電線は、125℃で40000時間という耐熱寿命特性と、米国UL規格の垂直燃焼試験(UL1581 VW−1)に合格する難燃性を有するとともに、電気特性や機械的特性などの絶縁電線に本来要求される諸特性にも優れている。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例および比較例で用いた成分は以下の通りである。
LDPE:
宇部丸善ポリエチレン(株)製 商品名 UBEC130
塩素系難燃剤:パークロロシクロペンタデカン
Occidental Chemical Corp.製
商品名 Dechlorane Plus 25
臭素系難燃剤:エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)
アルベマール浅野(株)製 商品名 SAYTEX 8010
アンチモン酸化物:三酸化アンチモン
老化防止剤:4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)
川口化学工業(株)製 商品名 アンテージクリスタル
エポキシ化合物:ビスフェノールAジグリシジルエーテル
(株)ADEKA製 商品名 アデカサイザーEP−13
滑剤(1):ポリオレフィンワックス
三井化学(株)製 商品名 ハイワックス110P
滑剤(2):シリコーン系マスターバッチ
東レ・ダウコーニング(株)製 商品名 BY27−202H
実施例1
LDPE100.0質量部、パークロロシクロペンタデカン18.5質量部、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)22.5質量部、三酸化アンチモン23.5質量部、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)0.9質量部、ビスフェノールAジグリシジルエーテル0.9質量部、ポリオレフィンワックス2.0質量部、およびシリコーン系マスターバッチ0.8質量部をオープンロールを用いて十分に混練して電気絶縁性組成物を調製した。
次いで、直径約0.96mmの銅導体上に上記電気絶縁性組成物を約0.6mm厚に押出被覆し、加速電圧800kVの電子線照射装置で100kGyの電子線を照射して絶縁体を形成し、外径2.10mmの難燃性耐熱絶縁電線を製造した。
実施例2〜6、比較例1〜5
組成を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にして電気絶縁性組成物を調製し、さらに、これらの組成物を用いて実施例1と同様にして絶縁電線を製造した。
上記各実施例および各比較例で得られた絶縁電線について、初期の機械的特性(引張強さ、引張伸び)、耐熱性および難燃性を測定評価した。測定評価方法は以下に示すとおりである。
[初期引張強さおよび初期伸び]
JIS C 3005に準拠して、標線20mm、引張速度200mm/分の条件で測定した
[耐熱性]
180℃で336時間熱老化させた後、JIS C 3005に準拠して、標線20mm、引張速度200mm/分の条件で、引張強さおよび伸びを測定し、上記で得られた初期引張強さ、および初期伸びからの残率を算出した。
[難燃性]
UL1581に規定する垂直燃焼試験(VW−1)を行い、評価した。
これらの結果を表1に併せ示す。
Figure 2013191426
表1から明らかなように、実施例1〜6はいずれも、初期引張強さ、初期引張伸び、耐熱性、垂直燃焼試験において良好な結果が得られた。
また、LDPE100.0質量部に対する配合量を、パークロロシクロペンタデカン19.0〜22.0質量部、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)23.0〜25.0質量部、アンチモン酸化物24.0〜27.0質量部、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)0.9〜1.1質量部、エポキシ化合物0.9〜1.2質量部とすることにより、初期引張強さにおいてより良好な結果が得られた(実施例2〜4)。
さらに、LDPE100.0質量部に対する配合量を、パークロロシクロペンタデカン19.5〜21.0質量部、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)23.5〜24.5質量部、アンチモン酸化物24.5〜26.0質量部、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)0.95〜1.05質量部、エポキシ化合物0.95〜1.05質量部とすることにより、耐熱性(180℃、336hr後の引張強さ残率)においてより良好な結果が得られた(実施例3)。
11…導体、12…絶縁体。

Claims (5)

  1. オレフィン系ポリマー100質量部に対し、(a)パークロロシクロペンタデカン18.0〜23.0質量部、(b)エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)22.0〜26.0質量部、(c)アンチモン酸化物23.0〜28.0質量部、(d)4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)0.8〜1.2質量部、および(e)エポキシ化合物0.8〜1.3質量部を含有する電気絶縁性組成物の架橋体からなる被覆を備えることを特徴とする難燃性耐熱絶縁電線。
  2. 前記電気絶縁性組成物が、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、(a)パークロロシクロペンタデカン19.0〜22.0質量部、(b)エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)23.0〜25.0質量部、(c)アンチモン酸化物24.0〜27.0質量部、(d)4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)0.9〜1.1質量部、および(e)エポキシ化合物0.9〜1.2質量部を含有する組成物であることを特徴とする請求項1記載の難燃性耐熱絶縁電線。
  3. 前記電気絶縁性組成物が、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、(a)パークロロシクロペンタデカン19.5〜21.0質量部、(b)エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)23.5〜24.5質量部、(c)アンチモン酸化物24.5〜26.0質量部、(d)4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)0.95〜1.05質量部、および(e)エポキシ化合物0.95〜1.05質量部を含有する組成物であることを特徴とする請求項1記載の難燃性耐熱絶縁電線。
  4. 前記電気絶縁性組成物が、オレフィン系ポリマー100質量部に対し、(f)ポリオレフィンワックス0.5〜4.0質量部をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の難燃性耐熱絶縁電線。
  5. 前記オレフィン系ポリマーが、低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の難燃性耐熱絶縁電線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105206338A (zh) * 2014-06-25 2015-12-30 江苏海达电缆有限公司 智能化小区用多功能电缆

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