JP2021043361A - 光源、検査装置、euv光の生成方法及び検査方法 - Google Patents

光源、検査装置、euv光の生成方法及び検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定してEUV光を生成することができる光源、検査装置、EUV光の生成方法及び検査方法を提供する。【解決手段】本発明に係る光源1は、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生する溶融金属30を保持した容器10と、容器10に対して溶融金属30を流動させる流動手段と、を備え、流動させた溶融金属30に対して、レーザ光L1を照射することにより発生したプラズマからEUV光を生成する。容器10は、中心軸R1を中心として同心円状に配置された円筒状の内壁11及び外壁12を有する円環槽10aを含み、内壁11及び外壁12の間に円環状に溶融金属30を保持する。【選択図】図1

Description

本発明は、光源、検査装置、EUV(Extreme Ultraviolet)光の生成方法及び検査方法に関するものであり、例えば、EUV光を生成するための光源として、スズのドロップレットを利用したレーザ励起光源のLPP(Laser Produced Plasma)光源に替わる方式の光源、検査装置、EUV光の生成方法及び検査方法に関する。
半導体の微細化を担うリソグラフィ技術に関しては、現在、露光波長193nmのArFエキシマレーザを露光光源としたArFリソグラフィが量産適用されている。また、露光装置の対物レンズとウエハとの間を水で満たして、解像度を高める液浸技術(ArF液浸リソグラフィと呼ばれる。)も量産に利用されている。さらに、一層の微細化を実現するために、EUV光を用いたEUVL(EUV Lithography)の実用化に向けて様々な技術開発が行われている。
EUVLに用いられるマスクであるEUVマスクは、積層構造として、低熱膨張性ガラスから成る基板の上に、EUV光を反射させるための多層膜が設けられている。多層膜は、通常、モリブデンとシリコンを交互に数十層積み重ねた構造になっている。これにより、多層膜は、EUV光を垂直で約65%も反射させることができる。多層膜の上には、EUV光を吸収する吸収体が設けられている。吸収体をパターニングすることにより、マスクパターンを形成することができる。実際に露光に使うためには、レジストプロセスにより、吸収体をパターン形成する。このようにして、パターン付きEUVマスクが完成する。
EUVマスクにおける許容できない欠陥の大きさは、従来のArFマスクの場合に比べると大幅に小さくなっており、検出することが困難となっている。そこで、検査用照明光として、露光光と同じ波長の照明光を用いて検査するアクティニック(Actinic)検査は、パターン検査に不可欠となっている。この際の検査用照明光は、例えば、波長13.5nmのEUV光である。
EUVマスクの検査装置の一般的な基本構成としては、光源から取り出されるEUV光を、EUV用の多層膜鏡のみで構成される照明光学系によって、EUVマスクまで導き、EUVマスクのパターン面における微小な検査領域を照明する。この検査領域におけるEUVマスクのパターンが、多層膜鏡のみで構成される拡大光学系によって、CCDカメラやTDI(Time Delay Integration)カメラの2次元イメージセンサーの表面に投影(結像)される。そして、観察されたパターンを解析し、パターンが正しいか否かを判断する。こうして、EUVマスクのパターン検査が行われる。
一般に、EUV光源としては、DPP(Discharge Produced Plasma)光源、LDP光源及びLPP(Laser Produced Plasma)光源が挙げられる。LPP光源は、微小な液滴状に噴出されたスズ(Sn)、または、リチウム(Li)等のドロップに対して、レーザ光を集光することによりプラズマを発生させる方式である。
EUVマスクの検査装置の照明光学系としては、EUVマスクにおける微小な検査領域を明るく照明できるように、光源から発生するEUV光を、検査領域を含む狭い領域に集光するような光学系が必要である。このような光学系の一つとしては、光源の発光部をEUVマスクのパターン面に投影する光学系が望ましい。ただし、光学系にはミラーしか利用できないため、例えば、回転楕円面鏡(以下、単に楕円面鏡と呼ぶ。)を1〜数枚用いる光学系が利用されている。楕円面鏡は、2つの集光点を有しており、1つの集光点から発生する光は、もう一方の集光点に集光する性質を有する。
楕円面鏡の2つの集光点を第1集光点及び第2集光点とする。第1集光点が光源の発光部と合うように、かつ、第2集光点がEUVマスク内の微小な検査領域と合うように、光源、楕円面鏡、及び、EUVマスクを配置する。例えば、光源がLPP光源の場合には、第1集光点がプラズマの輝点と合うようにする。これにより、微小な検査領域までEUV光を導いて照明することができる。
また、楕円面鏡を複数枚用いる場合も原理的には同様である。例えば、第1〜第3楕円面鏡を用いる場合には、第1楕円面鏡の第1集光点を光源の発光部に合わせ、第1楕円面鏡の第2集光点を、第2楕円面鏡の第1集光点に合わせる。第2楕円面鏡の第2集光点を第3楕円面鏡の第1集光点に合わせる。そして、第3楕円面鏡の第2集光点を検査領域に合わせる。これにより、光源の発光部をEUVマスクのパターン面に投影することができる。
米国特許出願公開第2019/0166679号明細書 特開2014−216286号公報 特表2015−505418号公報
溶融したスズ等の溶融金属ターゲットを用いたLPP光源では、レーザ光による溶融スズの局所的な過加熱を避けるために、ターゲット上の照射位置を連続的に移動させることが必要である。
特許文献1には、溶融金属を保持した坩堝を回転させることにより、溶融金属ターゲット上の照射位置を連続的に移動させている。しかしながら、特許文献1のEUV光の生成方法では、坩堝を回転させるための回転機構、溶融金属を形成させるための加熱機構等の多くの機構を必要とする。このような複雑な構成をした特許文献1のEUV光の生成方法には改善の余地がある。
本発明の目的は、このような問題を解決するためになされたものであり、EUV光を簡単な構成で安定的に生成することができる光源、検査装置、EUV光の生成方法及び検査方法を提供することである。
本発明に係る光源は、レーザ光の照射によりプラズマを発生する溶融金属を保持した容器と、前記容器に対して前記溶融金属を流動させる流動手段と、を備え、流動させた前記溶融金属に対して、前記レーザ光を照射することにより発生した前記プラズマからEUV光を生成する。このような構成とすることにより、EUV光を簡単な構成で安定的に生成することができる。
また、本発明に係る検査装置は、前記光源と、前記EUV光により検査対象を照明する照明光学系と、前記EUV光により照明された前記検査対象からの光を検出して前記検査対象の画像を取得する検出光学系と、を備える。このような構成により、検査対象の検査の信頼性を向上させることができる。
さらに、本発明によるEUV光の生成方法は、レーザ光の照射によりプラズマを発生する溶融金属を容器内に形成するステップと、前記容器に対して前記溶融金属を流動させるステップと、流動させた前記溶融金属に対して、前記レーザ光を照射するステップと、前記レーザ光を照射することにより発生した前記プラズマからEUV光を生成するステップと、を備える。このような構成とすることにより、EUV光を簡単な構成で安定的に生成することができる。
さらに、本発明による検査方法は、前記EUV光の生成方法と、生成された前記EUV光により検査対象を照明するステップと、前記EUV光により照明された前記検査対象からの光を検出して前記検査対象の画像を取得するステップと、を備える。このような構成により、検査対象の検査の信頼性を向上させることができる。
本発明によれば、EUV光を簡単な構成で安定的に生成することができる光源、検査装置、EUV光の生成方法及び検査方法を提供することができる。
実施形態1に係る光源を例示した断面図である。 実施形態1に係る光源の容器及び回転子を例示した斜視図である。 実施形態1に係る光源の容器及び回転子を例示した断面図である。 実施形態1に係る光源の容器及び回転子を分離させた場合を例示した斜視図である。 実施形態1に係るEUV光の生成方法を例示したフローチャート図である。 実施形態2に係る光源を例示した断面図である。 実施形態2に係る光源の容器、磁石及び上側電極を例示した斜視図である。 実施形態2に係る光源の容器、磁石、上側電極及び下側電極を例示した斜視断面図である。 実施形態2に係る光源において、円環槽に形成された磁場を例示した図である。 実施形態3に係る検査装置を例示した構成図である。 実施形態3に係る検査方法を例示したフローチャート図である。 実施形態4に係る光源を例示した断面図である。 実施形態4に係る光源を例示した斜視図である。 実施形態4に係る光源を例示した断面斜視図であり、溶融金属を除去した状態を示す。 実施形態4に係る光源を例示した断面斜視図であり、溶融金属を充填した状態を示す。
以下、本実施形態の具体的構成について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
(実施形態1)
実施形態1に係る光源を説明する。光源は、例えば、検査装置において検査対象を照明する照明光の光源である。光源は、露光装置において露光光の光源に用いられてもよい。本実施形態の光源は、回転子により溶融金属を流動させる回転溶融金属ターゲットを有している。
図1は、実施形態1に係る光源を例示した断面図である。図2は、実施形態1に係る光源の容器及び回転子を例示した斜視図である。図3は、実施形態1に係る光源の容器及び回転子を例示した断面図である。図4は、実施形態1に係る光源の容器及び回転子を分離させた場合を例示した斜視図である。なお、図面が煩雑にならないように、ハッチングを省略している場合がある。
図1〜4に示すように、光源1は、容器10、回転子20を備えている。また、光源1は、ヒータ31、デブリシールド32、平面鏡33、楕円面鏡71を備えてもよい。図中において、いくつかの符号を省略している場合がある。
容器10は、例えば、坩堝であり、内部で、金属を溶融させることができる。容器10は、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生する溶融金属30を保持する。溶融金属30は、例えば、スズ(Sn)、リチウム(Li)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)等が溶融したものである。なお、溶融金属30は、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生するものであれば、スズ、リチウム、ガリウム、インジウム等に限らない。容器10は、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、炭化シリコン(SiC)、グラファイト(C)等のような溶融金属30と反応しにくい材料を含んでいる。
容器10は、円環状の円環槽10aを含んでもよい。円環状の円環槽10aの中心軸をR1とする。中心軸R1は、例えば、鉛直方向に延びている。円環槽10aは、円筒状の内壁11、円筒状の外壁12及び円環状の底壁13を有している。内壁11、外壁12及び底壁13は、中心軸R1を中心として同心円状に配置されている。円環槽10aは、内壁11及び外壁12の間に円環状に溶融金属30を保持している。すなわち、内壁11及び外壁12に挟まれた円環状の空間に溶融金属30が保持されている。
ヒータ31は、底壁13の下方に配置されている。ヒータ31の加熱によって、円環槽10a内に、溶融金属30を形成することができる。円環槽10aの近傍には、図示しない放射温度計が配置されている。放射温度計は、円環槽10aの温度を放射温度計で常時モニターし、温度が一定になるようにヒータ31の加熱を制御する。光源1の動作中は、溶融金属30がレーザ光L1を吸収することによっても加熱される。円環槽10a及び溶融金属30の過加熱を抑制するために、円環槽10a及び回転子20の適当な位置に水冷ジャケット等のヒートシンクを組み込んでもよい。
回転子20は、円板部21、円筒部22及びシャフト23を有している。円板部21は、中心軸R1を中心とした円板状である。円筒部22は、中心軸R1を中心とした円筒状である。円筒部22の一方の端部は、円板部21の周縁に接続している。これにより、円板部21及び円筒部22は、一方の端部が円板部21で閉じられた円筒状である。
シャフト23は、中心軸R1と同軸に延びた棒状である。シャフト23の一端は、円筒部22の内部を通って円板部21に接続されている。シャフト23が中心軸R1を回転軸として回転することにより、回転力が回転子20の円板部21及び円筒部22に伝達する。よって、回転子20は、中心軸R1を回転軸として回転する。
回転子20の円筒部22の他方の端部及びシャフト23を下方に向け、円環槽10aの上方から、円筒部22の他方の端部を溶融金属30の内部に浸す。すなわち、回転子20の一部を溶融金属30に浸漬させる。また、シャフト23を内壁11で囲まれた空洞部分に通す。そして、回転子20を回転させる。そうすると、回転子20の一部は、静止した円環槽10aに対して溶融金属30を回転させる。このように、回転子20は、回転子20の一部を溶融金属30に浸漬させ、中心軸R1を回転軸として一部を回転させることにより、溶融金属30を中心軸R1の周りに回転させて流動させる。よって、回転子20は、円環槽10aに対して溶融金属30を流動させる流動手段として機能する。
なお、容器10を円環槽10aとして説明したが、回転子20によって溶融金属30を流動させることができれば、容器10は、円環槽10aに限らない。その場合には、回転子20のシャフト23をシールして容器10の底を通す、または、シャフト23を上方に取り付ける。
溶融金属30を流動させる際に、容器10は回転せず、回転子20が回転することで溶融金属30を回転させることができる。溶融金属30に浸漬させる回転子20の一部は、円筒状等の中心軸R1を回転軸とした回転体であることが望ましい。このような構成とすることにより、回転子20を回転させた場合に、溶融金属30の液面が波立つことを抑制することができる。よって、レーザ光L1の照射面の形状が変化しないので、安定してEUV光を生成させることができる。回転子20は、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、炭化シリコン(SiC)、グラファイト(C)等の溶融金属30と反応しにくい材料を含んでいる。なお、回転子20の一部の形状は、円筒状に限らず、半球状、円錐状等でもよい。
回転子20の回転数によっては、溶融金属30の液面が傾いてもよい。例えば、溶融金属30の液面は、中心軸R1から遠ざかるほど上方に位置するような傾きを有してもよい。レーザ光L1を液面に対して垂直に入射させる場合、すなわち、液面に対して入射角0[°]で入射させる場合に、EUV光の生成効率が向上することがある。特に、複数のパルスを有するレーザ光L1を、溶融金属30の液面に垂直に入射させると、1番目のパルスにより溶融金属30から発生したプラズマを、2番目のパルスによってさらに照射することができるので、EUV光の生成効率を向上させることができる。
また、レーザ光L1を液面に対して垂直に入射させる場合に、溶融金属30の液面を傾けることにより、水平な液面よりも、液面に対して垂直に入射させるレーザ光L1の方向の自由度を増加させることができる。よって、光学部材の配置のバリエーションを向上させることができる。
平面鏡33は、容器10の上方に配置されている。平面鏡33は、生成されたEUV光E1を反射する。具体的には、平面鏡33には、レーザ光L1の照射により溶融金属30から生成されたEUV光E1が入射する。平面鏡33は、入射したEUV光E1を反射する。平面鏡33で反射したEUV光E1は、光源1の外部に出射される。例えば、EUV光E1は、楕円面鏡71によって反射され、検査装置に入射する。
デブリシールド32は、溶融金属30を覆うように円環槽10aの上方に配置されている。デブリシールド32は、溶融金属30と、平面鏡33及び楕円面鏡71との間に配置されている。これにより、溶融金属30から発生するデブリが平面鏡33及び楕円面鏡71にデポジットされること及び平面鏡33及び楕円面鏡71をスパッタすることを抑制することができる。デブリは、例えば、微粒子、塵、プラズマ、イオン等を含んでもよい。なお、デブリシールド32には、レーザ光L1が溶融金属30を照射するためのレーザ光L1の通路36、及び、生成されたEUV光E1が平面鏡33に到達するためのEUV光E1の通路37が形成されている。
光源1は、レーザ光L1を生成する励起用レーザを備えてもよいし、光源1の外部に設置した励起用レーザからのレーザ光L1を導入して、溶融金属30を照射するようにしてもよい。また、光源1は、集光レンズ35を介してレーザ光L1で溶融金属30を照射してもよい。光源1は、流動させた溶融金属30に対して、レーザ光L1を照射することにより発生したプラズマからEUV光を生成する。
次に、光源1の動作として、EUV光の生成方法を説明する。図5は、実施形態1に係るEUV光の生成方法を例示したフローチャート図である。
図5のステップS11に示すように、まず、容器10内に溶融金属30を形成する。容器10内に溶融金属30を形成する際には、容器10として、中心軸R1を中心として同心円状に配置された円筒状の内壁11及び外壁12を有する円環槽10aを用いてもよい。容器10の内部に、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生するターゲット金属を投入する。ターゲット金属は、例えば、スズ、リチウム、ガリウムおよびインジウム等である。
ヒータ31を作動させて、容器10内に投入されたターゲット金属を真空中で溶融させる。このようにして、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生する溶融金属30を容器10内に形成する。例えば、円環槽10aの内壁11及び外壁12の間に円環状に溶融金属30を保持する。
次に、ステップS12に示すように、容器10に対して溶融金属30を流動させる。具体的には、溶融金属30を流動させる際に、鉛直方向に延びた中心軸R1を有する回転子20を用いるようにする。回転子20は、円板状の円板部21、円筒状の円筒部22及びシャフト23を有している。シャフト23を下方にして円環槽10aの上方から、溶融金属30に、回転子20の一部を浸漬させる。回転子20の一部は、中心軸R1を回転軸とした回転体であることが好ましい。そして、中心軸R1を回転軸として回転子20を回転させる。例えば、シャフト23に接続させた回転モータを作動させて、中心軸R1を中心にした回転をシャフト23に伝達する。こうすることにより、溶融金属30を中心軸R1の周りに回転させて流動させる。
次に、ステップS13に示すように、流動させた溶融金属30に対して、レーザ光L1を照射する。具体的には、回転子20によって流動させた溶融金属30に対して、励起用レーザから出力されたレーザ光L1を照射する。レーザ光L1を集光レンズ35等の光学素子で集光させて溶融金属30を照射する。そうすると、レーザ光L1を照射された溶融金属30からプラズマが発生する。
次に、ステップS14に示すように、発生したプラズマからEUV光E1を生成する。具体的には、溶融金属30にレーザ光L1を照射することにより、プラズマが発生する。プラズマ中のイオン及び電子が再結合する際に、EUV光E1が生成される。このようにして、溶融金属30に対して、レーザ光L1を照射することにより発生したプラズマからEUV光E1が生成される。
プラズマから生成されたEUV光E1は、平面鏡33に入射する。平面鏡33に入射し、平面鏡33で反射したEUV光E1は、照明光として光源1の外部に取り出される。例えば、EUV光E1は、照明光学系の楕円面鏡71に入射する。こうして、光源1は、EUV光E1を生成する。
溶融金属30から発生するイオンや中性粒子を減速させるために、アルゴンや窒素等の不活性ガスを容器10内に導入してもよい。これにより、光源1の劣化を抑制することができる。また、レーザ光L1の通路36及びEUV光E1の通路37以外の容器10の上方をデブリシールド32で覆うことにより、デブリが平面鏡33及び楕円面鏡71にデポジットされること及び平面鏡33及び楕円面鏡71をスパッタすることを抑制することができる。
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の光源1は、静止した容器10に保持された溶融金属30を、中心軸R1を中心に回転する回転子20によって流動させる。溶融金属30は、中心軸R1を中心にして回転するように流動する。そして、流動させた溶融金属30に対して、レーザ光L1を照射し、EUV光E1を生成している。よって、ターゲットとなる溶融金属30が流動するので、レーザ光L1が照射される部分は、常に移動する。これにより、ターゲットの一点だけが過熱されることはないので、安定してEUV光E1を生成することができる。例えば、EUVLフォトマスク検査用の光源として必要な性能を備えることができる。
溶融金属30に浸漬させる回転子20の一部を円筒部22としている。円筒部22は、中心軸R1を回転軸とした回転体の形状であるので、回転した場合に、溶融金属30の液面を波立てない。よって、溶融金属30の表面形状が一定の形状に保たれているので、安定してEUV光E1を生成することができる。
また、ターゲットとなる溶融金属30は液体のため、表面張力が働く。よって、レーザ光L1の照射によって溶融金属30が部分的にプラズマ化して、溶融金属30の表面には瞬間的に窪みができるが、短時間のうちに表面形状がなだらかになる。よって、溶融金属30の表面形状が一定の形状に保たれているので、安定してEUV光E1を生成することができる。
一般に、スズ等の溶融金属30は、坩堝等の容器10を劣化させるが、容器10及び回転子20の材料として、窒化アルミニウム、炭化シリコン、グラファイト等を用いることにより、耐食性を向上させることができる。
デブリシールド32により、溶融金属30から飛散するスズ等のデブリが平面鏡33及び楕円面鏡71等の光学部材にデポジットされること及び光学部材をスパッタすることを抑制することができる。
なお、本実施形態の光源1は、溶融金属30に対してレーザ光L1を照射することにより発生したプラズマからEUV光を生成させたが、EUV光に限らず、プラズマから生成される光の波長範囲すべてにおいて適用可能である。すなわち、本実施形態の光源1は、発生されるプラズマ温度にもよるが、EUV光に限らず、赤外光から軟X線までの波長範囲における任意の波長範囲の光を放射する高輝度光源に適用可能である。以下の実施形態2〜4でも同様である。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る光源を説明する。本実施形態の光源は、溶融金属の流動手段として電磁流体力学ポンプ(Magneto−Hydro−Dynamics:MHDポンプ)を用いている。
図6は、実施形態2に係る光源を例示した断面図である。図7は、実施形態2に係る光源の容器、磁石及び上側電極を例示した斜視図である。図8は、実施形態2に係る光源の容器、磁石、上側電極及び下側電極を例示した斜視断面図である。図6〜図8に示すように、光源2は、容器10、磁石40、上側電極50、及び、下側電極60を有している。また、光源2は、デブリシールド32、平面鏡33、楕円面鏡71を備えてもよい。
磁石40は、円環槽10aを下方から覆うように配置されている。具体的には、磁石40は、中心軸R1を有する円環状であり、円筒状の内壁部41、円筒状の外壁部42及び円環状の底壁部43が一体化して構成されている。一体化した磁石40を、中心軸R1を通り、中心軸R1に平行な面で切った断面形状は、U字状である。U字状の形状で、円環槽10aを下方から覆っている。
磁石40の内壁部41は、円環槽10aの内壁11を覆い、磁石40の外壁部42は、円環槽10aの外壁12を覆い、磁石40の底壁部43は、円環槽10aの底壁13を覆っている。磁石40の内壁部41の部分はN極であり、外壁部42の部分はS極である。なお、磁石40の内壁部41の部分はS極であり、外壁部42の部分はN極でもよい。このような構成により、内壁部41と外壁部42との間に磁場が形成されている。よって、磁石40で下方から覆われた円環槽10aの内壁11と外壁12との間には磁場が形成される。
上側電極50は、円環槽10a内における溶融金属30の上側に設けられている。上側電極50は、溶融金属30の上面に接触するように配置されてもよい。上側電極50は、溶融金属30の上面において、レーザ光L1を照射するための開口部55以外の部分を覆っている。よって、上方から見た上側電極50の形状は、C字状である。
上側電極50の所定の箇所には、上側端子51が取り付けられている。例えば、上側端子51は、中心軸R1に対して開口部55と反対側の位置に取り付けられている。上側端子51は、上側電極50の上面から上方に突出するように取り付けられている。
下側電極60は、円環槽10a内の溶融金属30の下側に設けられている。下側電極60は、底壁13と溶融金属30との間で溶融金属30の下面に接触するように配置されてもよい。下側電極60は、例えば、上側電極50と同じ形状であり、上側電極50の開口部55に対応する部分が欠けたC字状である。下側電極60は、円環槽10a内の溶融金属30の下面において、溶融金属30を挟んで上側電極50と対向している。
下側電極60の所定の箇所には、下側端子61が取り付けられている。下側端子61は、例えば、上側端子51の近傍の位置に取り付けられている。下側端子61は、下側電極60の上面から上方に突出している。下側端子61は、上側電極50よりも上方に突出するように取り付けられている。下側端子61と、溶融金属30及び上側電極50との間には下側端子絶縁ガイシ62が配置されている。下側端子絶縁ガイシ62は、円筒状である。下側端子61は、円筒状の下側端子絶縁ガイシ62の中を通って上側電極50上に突出している。これにより、溶融金属30及び上側電極50と、下側端子61とは絶縁されている。
上側端子51と下側端子61との間に電圧を印可することにより、上側電極50と下側電極60との間に電場が形成される。形成された電場により、上側電極50と下側電極60との間の溶融金属30に電流が流れる。
本実施形態の流動手段は、電磁流体力学ポンプを含んでいる。電磁流体ポンプは、円環槽10aの内壁11と外壁12との間に形成された磁場、及び、溶融金属30の上側に設けられた上側電極50と溶融金属30の下側に設けられた下側電極60との間に形成された電場により溶融金属30に作用する。具体的には、当該磁場及び電場により、溶融金属30に対して、磁場の方向及び電場の方向に直交する方向に力が作用する。これにより、溶融金属30に対して、中心軸R1を中心にして回転する方向の力を与える。よって、電磁流体力学ポンプは、溶融金属30を中心軸R1の周りに回転させて流動させる。
また、上側電極50と下側電極60との間の溶融金属30に電流を流すことによって、ジュール熱が発生する。発生したジュール熱により、溶融金属30となる金属、例えば、スズ等を溶融させることができる。これにより、ヒータ31を省くことができる。なお、加熱時のみ上側電極50を溶融金属30の液面から離せば、誘導加熱も可能であり、この場合もヒータ31を省くことができる。
図9は、実施形態2に係る光源において、円環槽に形成された磁場を例示した図である。図9に示すように、内壁11と外壁12との間には、内壁11から外壁12に向かう磁場Bが形成されている。これにより、上側電極50と下側電極60との間に電流が流れる溶融金属30には、中心軸R1を中心にして回転する力が発生する。
また、円環槽10aの上方には、磁石40の漏洩磁場B1が形成されている。漏洩磁場B1は、磁石40の内壁部41から溶融金属30の上方を回って外壁部42へ向かう湾曲した形状となっている。一方、平面鏡33等の光学部材は、溶融金属30の上方に配置されている。また、デブリは、イオン化したものも含む。したがって、レーザ光L1が照射された溶融金属30から飛び出すデブリのうち、平面鏡33等の光学部材へ向かうデブリは、漏洩磁場B1の方向と交差する運動量成分を有している。よって、イオン化したデブリの進行方向を、平面鏡33等の光学部材が配置された通路37の方向から反らすことができる。これにより、磁気を用いたデブリミティゲーションシステムを新たに配置することが不必要となり、光源2を単純な構造とすることができる。
本実施形態の光源2を用いたEUV光の生成方法は、図5のステップS12における溶融金属30を流動させる方法が異なる。本実施形態では、回転子20の代わりに電磁流体力学ポンプを用いて、溶融金属30を流動させる。これ以外のEUV光の生成方法は、実施形態1と同様である。
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の光源2は、実施形態1と同様に、溶融金属30を流動させるので、レーザ光L1が照射される部分を常に移動させることができる。よって、レーザ光L1による過加熱を抑制し、安定してEUV光を生成することができる。
また、本実施形態では、電磁流体力学ポンプを用いて溶融金属30を流動させており、機械的に動く部品で溶融金属30を流動させていない。よって、信頼性が高く、長期間安定して溶融金属30を流動させることができる。
溶融金属30に流れる電流によって発生するジュール熱、または、上側電極50及び下側電極60を用いて誘導加熱することにより、溶融金属30となるスズ等の金属を溶融させることができる。これによりヒータ31を省くことができる。
磁石40が形成した磁場の漏洩磁場B1は、デブリミティゲーション効果を生じさせるため、平面鏡33及び楕円面鏡71等の光学部材の汚染を低減させることができる。実施形態2の光源2における上記以外の構成及び効果は、実施形態1の記載に含まれている。
なお、本実施形態では、流動手段は、磁場及び電場により作用する電磁流体力学ポンプを含む。溶融金属30を、中心軸R1の周りに回転させて流動させる電磁流体力学ポンプの例として、内壁11と外壁12との間に形成された磁場、及び、溶融金属30の上側に設けられた上側電極50と溶融金属30の下側に設けられた下側電極60との間に形成された電場により作用する電磁流体力学ポンプを示したが、これに限らない。例えば、磁場と電場の配置が逆、すなわち、内壁11と外壁12の間に電場があり、溶融金属30の上側と下側の間に磁場が形成された電磁流体力学ポンプでも同じ効果を得ることができる。具体的には、流動手段は、内壁11と外壁12との間に形成された電場、及び、溶融金属30の上側に設けられた上側磁石と溶融金属30の下側に設けられた下側磁石との間に形成された磁場により作用する電磁流体力学ポンプを含んでもよい。
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る検査装置を説明する。図10は、実施形態3に係る検査装置を例示した構成図である。図10に示すように、検査装置100は、光源1または光源2、照明光学系70、検出光学系80を備えている。検査装置100は、検査対象90を検査する。検査対象90は、例えば、EUVマスクである。なお、検査対象90は、EUVマスクに限らない。
照明光学系70は、EUV光E1により検査対象90を照明する。照明光学系70は、楕円面鏡71〜73、落とし込み鏡74を含んでいる。検出光学系80は、EUV光E1により照明された検査対象90からの光E2を検出して検査対象90の画像を取得する。検出光学系80は、シュバルツシルト光学系81、平面鏡82、凹面鏡83、検出器84を備えている。シュバルツシルト光学系81は、凹面鏡81a及び凸面鏡81bを含む拡大光学系である。ステージ91上に検査対象90として、例えば、EUVマスクが載置されている。
光源1または光源2から取り出されたEUV光E1は、楕円面鏡71に入射する。楕円面鏡71は、石英を含む基板と、基板の主面にコーティングされた金属膜とを含んでいる。金属膜は、例えば、ルテニウム膜である。ルテニウム膜がコーティングされた面が反射面である。楕円面鏡72及び楕円面鏡73の構造も、楕円面鏡71と同様である。
楕円面鏡71で反射したEUV光E1は、絞られながら進み、集光点IF1において集光する。集光点IF1で集光したEUV光E1は、集光点IF1の後で拡がる。その後、EUV光E1は、楕円面鏡72で反射し、絞られながら進み、集光点IF2において集光する。その後、集光点IF2の後で拡がったEUV光E1は、楕円面鏡73で反射される。楕円面鏡73で反射したEUV光E1は、絞られながら進み、落とし込み鏡74に入射する。
落とし込み鏡74に入射したEUV光E1は、落とし込み鏡74によって反射し、検査対象90の検査領域を照明する。なお、照明光学系70は、楕円面鏡71〜73及び落とし込み鏡74以外の光学素子を付加してもよいし、楕円面鏡71〜73のいくつかを省いてもよい。
楕円面鏡71の2つの集光点のうち、第1集光点は、平面鏡33を介して、プラズマの輝点に位置するように配置されている。楕円面鏡71の第2集光点は、楕円面鏡72の第1集光点(集光点IF1)に位置している。楕円面鏡72の第2集光点は、楕円面鏡73の第1集光点(集光点IF2)に位置している。楕円面鏡73の第2集光点は、落とし込み鏡74を介して、検査対象90の検査領域に位置している。
EUV光E1により照明された検査対象90からの光E2は、EUV光E1の反射光及び回折光を含んでおり、検査領域内のパターン情報を含んでいる。検査対象90からの光E2は、凹面鏡81a及び凸面鏡81bとで構成されたシュバルツシルト光学系81によって拡大される。拡大された光E2は、平面鏡82で折り返された後に、凹面鏡83でさらに拡大され、検出器84に入射する。
検出器84は、例えば、TDIカメラである。検出器84の下側に配置されたセンサー面に検査領域からの光E2が投影される。これにより、検出器84は、検査領域のパターンを光学像として入力し、検査領域の画像を取得する。そして、パターンが解析され、欠陥が検出される。
次に、検査装置100を用いた検査方法を説明する。図11は、実施形態3に係る検査方法を例示したフローチャート図である。
図11のステップS21に示すように、まず、照明光として、EUV光E1を生成する。EUV光E1の生成方法は、実施形態1及び2に記載された方法を用いる。
次に、ステップS22に示すように、生成されたEUV光E1により検査対象90を照明する。具体的には、楕円面鏡71〜73及び落とし込み鏡74を含む照明光学系70を用いて、光源1または光源2で生成されたEUV光E1を検査対象90まで導く。
次に、ステップS23に示すように、EUV光E1により照明された検査対象90からの光E2を検出して検査対象90の画像を取得する。具体的には、シュバルツシルト光学系81、平面鏡82、凹面鏡83、検出器84を含んだ検出光学系を用いて、検査対象90の画像を取得する。
次に、ステップS24に示すように、取得した画像を用いて検査対象90を検査する。このようにして、検査装置100は検査対象90を検査することができる。
本実施形態の検査装置100によれば、安定して生成されたEUV光E1を用いて検査対象90を検査することができるので、信頼性が高い検査を行うことができる。よって、EUVLフォトマスク検査装置として必要な性能を備えることができる。また、シンプルな構造で検査を行うことができるので、検査コストを低減することができる。これ以外の構成及び効果は実施形態1及び2の記載に含まれている。
(実施形態4)
次に、実施形態4に係る光源を説明する。検査装置における照明光学系の配置により、光源からEUV光を取り出す際には、取り出したEUV光の方向ベクトルに、鉛直方向下側の成分を含むようにすることが望ましい場合がある。実施形態1及び実施形態2の光源の配置では、鉛直方向下側の成分を含む方向に直接EUV光を取り出すことが困難である。本実施形態では、このような鉛直方向下側の成分を含む方向に、EUV光を取り出すことが可能な光源の例を説明する。
図12は、実施形態4に係る光源を例示した断面図である。図13は、実施形態4に係る光源を例示した斜視図である。図14は、実施形態4に係る光源を例示した断面斜視図であり、溶融金属を除去した状態を示す。図15は、実施形態4に係る光源を例示した断面斜視図であり、溶融金属を充填した状態を示す。
図12〜図15に示すように、本実施形態の光源3は、容器10、前側電極56、後側電極57、左側磁石44、右側磁石45、熱交換器38、デブリシールド32a、楕円面鏡71を備えている。容器10は、ルツボ10b、上昇管14を有している。
ルツボ10bの下方には熱交換器38が配置されている。熱交換器38はルツボ10b内の溶融金属30を所定の温度に保持する。
上昇管14は、上方に延びた管状である。上昇管14の一端は、溶融金属30に浸漬している。上昇管14の他端は、上方を向いている。上昇管14は、前壁15、後壁16、左壁17、右壁18を有している。これらの壁で囲まれた上昇管14の内部を溶融金属30が流動する。上方を向いた上昇管14の他端において、前壁15は、他の壁よりも低くなっている。
前壁15には前側電極56が設けられている。例えば、前側電極56は、前壁15の内面に沿って上方に延びている。後壁16には後側電極57が設けられている。例えば、後側電極57は、後壁16の内面に沿って上方に延びている。前側電極56と後側電極57との間に電圧を印可することにより、前側電極56と後側電極57との間に電場が形成される。形成された電場により、前側電極56と後側電極57との間の溶融金属30に電流が流れる。
左壁17には左側磁石44が設けられている。例えば、左側磁石44は、左壁17の外面側に配置されている。右壁18には右側磁石45が設けられている。例えば、右側磁石45は、右壁18の外面側に配置されている。左壁17と右壁18との間には磁場が形成されている。
本実施形態の流動手段は、電磁流体力学ポンプを含んでいる。電磁流体ポンプは、左壁17と右壁18との間に形成された磁場、及び、前壁15に設けられた前側電極56と後壁16に設けられた後側電極57との間に形成された電場により溶融金属30に作用する。具体的には、当該磁場及び電場により、溶融金属30に対して、磁場の方向及び電場の方向に直交する方向に力が作用する。これにより、電磁流体力学ポンプは、上昇管14の一端から他端まで溶融金属30を上昇させる。
上昇管14の他端において、前壁15は、他の壁よりも低くなっている。また、前側電極56は、前壁15の上端よりも上の部分において、二股に分かれている。そして、二股に分かれた前側電極56の間は空いている。よって、電磁流体力学ポンプにより上昇管14内を上昇した溶融金属30は、上昇管14の他端において、前側電極56の間を通って、前壁15より溢れ、前壁15の外面を伝ってルツボ10b内に戻る。
レーザ光L1は、例えば、前壁15の外面を伝って流れ落ちる溶融金属30を照射する。前壁15の外面を伝って流れ落ちる溶融金属30の表面は、水平方向に面している。よって、レーザ光L1は、水平方向から溶融金属30を照射することができる。レーザ光L1により照射された溶融金属30からは、EUV光E1が生成される。これにより、光源3は、鉛直方向下側の成分を含むEUV光を取り出すことができる。
本実施形態の光源3も、電磁流体力学ポンプを用いて溶融金属30を流動させることができる。光源3の容器10は、上昇管14を有しており、電磁流体力学ポンプの作用により、溶融金属30を、上昇管14の一端から他端まで上昇させ、上昇管14の他端から溢れさせて流動させる。そして、上昇管14から溢れ、前壁15の外面を流動する溶融金属30に対して、レーザ光L1を照射させている。よって、レーザ光L1を、水平方向から照射することができるので、鉛直方向下側の成分を含むEUV光E1を取り出すことができる。
また、光源3は、EUV光E1を鉛直方向下側の成分を含むように取り出すことができるので、照明光学系において、多様な光学配置を可能とすることができる。これ以外の構成及び効果は、実施形態1〜3の記載に含まれている。
なお、本実施形態では、流動手段は、磁場及び電場により作用する電磁流体力学ポンプを含む。上昇管14内を上昇させた溶融金属30を、上昇管14の他端から溢れさせて流動させる電磁流体力学ポンプの例として、左壁17と右壁18との間に形成された磁場、及び、前壁15に設けられた前側電極56と後壁16に設けられた後側電極57との間に形成された電場により作用する電磁流体力学ポンプを示したが、これに限らない。例えば、磁場と電場の配置が逆、すなわち、左壁17と右壁18との間に電場があり、前壁15と後壁16との間に磁場が形成された電磁流体力学ポンプでも同じ効果を得ることができる。具体的には、流動手段は、左壁17と右壁18との間に形成された電場、及び、前壁15に設けられた前側磁石と後壁16に設けられた後側磁石との間に形成された磁場により作用する電磁流体力学ポンプを含んでもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態よる限定は受けない。また、実施形態1〜4における構成は、適宜、組み合わせてもよい。
1、2、3 光源
10 容器
10a 円環槽
10b ルツボ
11 内壁
12 外壁
13 底壁
14 上昇管
15 前壁
16 後壁
17左壁
18 右壁
20 回転子
21 円板部
22 円筒部
23 シャフト
30 溶融金属
31 ヒータ
32 デブリシールド
33 平面鏡
35 集光レンズ
36、37 通路
38 熱交換器
40 磁石
41 内壁部
42 外壁部
43 底壁部
44 左側磁石
45 右側磁石
50 上側電極
51 上側端子
55 開口部
56 前側電極
57 後側電極
60 下側電極
61 下側端子
62 下側端子絶縁ガイシ
70 照明光学系
71、72、73 楕円面鏡
74 落とし込み鏡
80 検出光学系
81 シュバルツシルト光学系
81a 凹面鏡
81b 凸面鏡
82 平面鏡
83 凹面鏡
84 検出器
90 検査対象
91 ステージ
100 検査装置
E1 EUV光
E2 光
L1 レーザ光
R1 中心軸

Claims (22)

  1. レーザ光の照射によりプラズマを発生する溶融金属を保持した容器と、
    前記容器に対して前記溶融金属を流動させる流動手段と、
    を備え、
    流動させた前記溶融金属に対して、前記レーザ光を照射することにより発生した前記プラズマからEUV光を生成する光源。
  2. 前記容器は、中心軸を中心として同心円状に配置された円筒状の内壁及び外壁を有する円環槽を含み、
    前記内壁及び前記外壁の間に円環状に前記溶融金属を保持した、
    請求項1に記載の光源。
  3. 前記流動手段は、鉛直方向に延びた中心軸を回転軸とする回転子を含み、
    前記回転子は、前記回転子の一部を前記溶融金属に浸漬させ、前記中心軸を前記回転軸として前記一部を回転させることにより、前記溶融金属を前記中心軸の周りに回転させて流動させる、
    請求項1または2に記載の光源。
  4. 前記回転子の一部は、前記中心軸を回転軸とした回転体である、
    請求項3に記載の光源。
  5. 前記流動手段は、磁場及び電場により作用する電磁流体力学ポンプを含み、前記電磁流体力学ポンプは、前記溶融金属を、前記中心軸の周りに回転させて流動させる、
    請求項2に記載の光源。
  6. 前記流動手段は、前記内壁と前記外壁との間に形成された磁場、及び、前記溶融金属の上側に設けられた上側電極と前記溶融金属の下側に設けられた下側電極との間に形成された電場により作用する電磁流体力学ポンプを含む、
    請求項5に記載の光源。
  7. 前記流動手段は、前記内壁と前記外壁との間に形成された電場、及び、前記溶融金属の上側に設けられた上側磁石と前記溶融金属の下側に設けられた下側磁石との間に形成された磁場により作用する電磁流体力学ポンプを含む、
    請求項5に記載の光源。
  8. 前記容器は、前壁、後壁、左壁及び右壁を有する上方に延びた上昇管を含み、
    前記上昇管の一端は、前記溶融金属に浸漬し、
    前記流動手段は、磁場及び電場により作用する電磁流体力学ポンプを含み、
    前記電磁流体力学ポンプは、前記上昇管内を上昇させた前記溶融金属を、前記上昇管の他端から溢れさせて流動させる、
    請求項1に記載の光源。
  9. 前記流動手段は、前記左壁と前記右壁との間に形成された磁場、及び、前記前壁に設けられた前側電極と前記後壁に設けられた後側電極との間に形成された電場により作用する電磁流体力学ポンプを含む、
    請求項8に記載の光源。
  10. 前記流動手段は、前記左壁と前記右壁との間に形成された電場、及び、前記前壁に設けられた前側磁石と前記後壁に設けられた後側磁石との間に形成された磁場により作用する電磁流体力学ポンプを含む、
    請求項8に記載の光源。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の光源と、
    前記EUV光により検査対象を照明する照明光学系と、
    前記EUV光により照明された前記検査対象からの光を検出して前記検査対象の画像を取得する検出光学系と、
    を備えた検査装置。
  12. レーザ光の照射によりプラズマを発生する溶融金属を容器内に形成するステップと、
    前記容器に対して前記溶融金属を流動させるステップと、
    流動させた前記溶融金属に対して、前記レーザ光を照射するステップと、
    前記レーザ光を照射することにより発生した前記プラズマからEUV光を生成するステップと、
    を備えたEUV光の生成方法。
  13. 前記溶融金属を容器内に形成するステップにおいて、
    前記容器として、中心軸を中心として同心円状に配置された円筒状の内壁及び外壁を有する円環槽を用いるようにし、
    前記内壁及び前記外壁の間に円環状に前記溶融金属を保持する、
    請求項12に記載のEUV光の生成方法。
  14. 前記溶融金属を流動させるステップにおいて、
    鉛直方向に延びた中心軸を回転軸とする回転子の一部を前記溶融金属に浸漬させ、前記中心軸を前記回転軸として前記一部を回転させることにより、前記溶融金属を前記中心軸の周りに回転させて流動させる、
    請求項12または13に記載のEUV光の生成方法。
  15. 前記回転子の一部を、前記中心軸を回転軸とした回転体とする、
    請求項14に記載のEUV光の生成方法。
  16. 前記溶融金属を流動させるステップにおいて、
    磁場及び電場により作用する電磁流体力学ポンプによって、前記溶融金属を前記中心軸の周りに回転させて流動させる、
    請求項13に記載のEUV光の生成方法。
  17. 前記溶融金属を流動させるステップにおいて、
    前記内壁と前記外壁との間に形成された磁場、及び、前記溶融金属の上側に設けられた上側電極と前記溶融金属の下側に設けられた下側電極との間に形成された電場により作用する電磁流体力学ポンプによって、前記溶融金属を前記中心軸の周りに回転させて流動させる、
    請求項16に記載のEUV光の生成方法。
  18. 前記溶融金属を流動させるステップにおいて、
    前記内壁と前記外壁との間に形成された電場、及び、前記溶融金属の上側に設けられた上側磁石と前記溶融金属の下側に設けられた下側磁石との間に形成された磁場により作用する電磁流体力学ポンプによって、前記溶融金属を前記中心軸の周りに回転させて流動させる、
    請求項16に記載のEUV光の生成方法。
  19. 前記溶融金属を容器内に形成するステップにおいて、
    前記容器として、前壁、後壁、左壁及び右壁を有する上方に延びた上昇管を含むようにし、
    前記上昇管の一端を、前記溶融金属に浸漬させ、
    前記溶融金属を流動させるステップにおいて、
    磁場及び電場により作用する電磁流体力学ポンプによって、前記上昇管内を上昇させた前記溶融金属を、前記上昇管の他端から溢れさせて流動させる、
    請求項12に記載のEUV光の生成方法。
  20. 前記溶融金属を流動させるステップにおいて、
    前記左壁と前記右壁との間に形成された磁場、及び、前記前壁に設けられた前側電極と前記後壁に設けられた後側電極との間に形成された電場により作用する電磁流体力学ポンプによって、前記上昇管内を上昇させた前記溶融金属を、前記上昇管の他端から溢れさせて流動させる、
    請求項19に記載のEUV光の生成方法。
  21. 前記溶融金属を流動させるステップにおいて、
    前記左壁と前記右壁との間に形成された電場、及び、前記前壁に設けられた前側磁石と前記後壁に設けられた後側磁石との間に形成された磁場により作用する電磁流体力学ポンプによって、前記上昇管内を上昇させた前記溶融金属を、前記上昇管の他端から溢れさせて流動させる、
    請求項19に記載のEUV光の生成方法。
  22. 請求項12〜21のいずれか一項に記載のEUV光の生成方法と、
    生成された前記EUV光により検査対象を照明するステップと、
    前記EUV光により照明された前記検査対象からの光を検出して前記検査対象の画像を取得するステップと、
    を備えた検査方法。
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WO2023188630A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 ウシオ電機株式会社 光源装置

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