JP2021001924A - 光源、検査装置、euv光の生成方法及び検査方法 - Google Patents

光源、検査装置、euv光の生成方法及び検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定してEUV光を生成することができる光源、検査装置、EUV光の生成方法及び検査方法を提供する。【解決手段】本発明に係る光源10は、回転軸R1を囲む内周面14aを有する容器11であって、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生する溶融金属12を保持した容器11を備え、回転軸R1を中心に容器11を回転させ、遠心力によって内周面14aに拡がった溶融金属12に対して、レーザ光L1を照射することにより発生したプラズマからEUV光E1を生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、光源、検査装置、EUV(Extreme Ultraviolet)光の生成方法及び検査方法に関するものであり、例えば、EUV光を生成するための光源として、スズのドロップレットを利用したレーザ励起光源のLPP(Laser Produced Plasma)光源に替わる方式の光源、検査装置、EUV光の生成方法及び検査方法に関する。
半導体の微細化を担うリソグラフィ技術に関しては、現在、露光波長193nmのArFエキシマレーザを露光光源としたArFリソグラフィが量産適用されている。また、露光装置の対物レンズとウエハとの間を水で満たして、解像度を高める液浸技術(ArF液浸リソグラフィと呼ばれる。)も量産に利用されている。さらに、一層の微細化を実現するために、EUV光を用いたEUVL(EUV Lithography)の実用化に向けて様々な技術開発が行われている。
EUVLに用いられるマスクであるEUVマスクは、積層構造として、低熱膨張性ガラスから成る基板の上に、EUV光を反射させるための多層膜が設けられている。多層膜は、通常、モリブデンとシリコンを交互に数十層積み重ねた構造になっている。これにより、多層膜は、EUV光を垂直で約65%も反射させることができる。多層膜の上には、EUV光を吸収する吸収体が設けられている。吸収体をパターニングすることにより、ブランクスを形成することができる。実際に露光に使うためには、レジストプロセスにより、吸収体をパターン形成する。このようにして、パターン付きEUVマスクが完成する。
EUVマスクにおける許容できない欠陥の大きさは、従来のArFマスクの場合に比べると大幅に小さくなっており、検出することが困難となっている。そこで、検査用照明光として、露光光と同じ波長の照明光を用いて検査するアクティニック(Actinic)検査は、パターン検査に不可欠となっている。この際の検査用照明光は、例えば、波長13.5nmのEUV光である。
EUVマスクの検査装置の一般的な基本構成としては、光源から取り出されるEUV光を、EUV用の多層膜鏡のみで構成される照明光学系によって、EUVマスクまで導き、EUVマスクのパターン面における微小な検査領域を照明する。この検査領域におけるEUVマスクのパターンが、多層膜鏡のみで構成される拡大光学系によって、CCDカメラやTDI(Time Delay Integration)カメラの2次元イメージセンサーの表面に投影(結像)される。そして、観察されたパターンを解析し、パターンが正しいか否かを判断する。こうして、EUVマスクのパターン検査が行われる。
一般に、EUV光源としては、DPP(Discharge Produced Plasma)光源、LDP光源及びLPP(Laser Produced Plasma)光源が挙げられる。LPP光源は、微小な液滴状に噴出されたスズ(Sn)、または、リチウム(Li)等のドロップに対して、レーザ光を集光することによりプラズマを発生させる方式である。
EUVマスクの検査装置の照明光学系としては、EUVマスクにおける微小な検査領域を明るく照明できるように、光源から発生するEUV光を、検査領域を含む狭い領域に集光するような光学系が必要である。このような光学系の一つとしては、光源の発光部をEUVマスクのパターン面に投影する光学系が望ましい。ただし、光学系にはミラーしか利用できないため、例えば、回転楕円面鏡(以下、単に楕円面鏡と呼ぶ。)を1〜数枚用いる光学系が利用されている。楕円面鏡は、2つの集光点を有しており、1つの集光点から発生する光は、もう一方の集光点に集光する性質を有する。
楕円面鏡の2つの集光点を第1集光点及び第2集光点とする。第1集光点が光源の発光部と合うように、かつ、第2集光点がEUVマスク内の微小な検査領域と合うように、光源、楕円面鏡、及び、EUVマスクを配置する。例えば、光源がLPP光源の場合には、第1集光点がプラズマの輝点と合うようにする。これにより、微小な検査領域までEUV光を導いて照明することができる。
また、楕円面鏡を複数枚用いる場合も原理的には同様である。例えば、第1〜第3楕円面鏡を用いる場合には、第1楕円面鏡の第1集光点を光源の発光部に合わせ、第1楕円面鏡の第2集光点を、第2楕円面鏡の第1集光点に合わせる。第2楕円面鏡の第2集光点を第3楕円面鏡の第1集光点に合わせる。そして、第3楕円面鏡の第2集光点を検査領域に合わせる。これにより、光源の発光部をEUVマスクのパターン面に投影することができる。
米国特許第9476841号明細書
図8に示すように、従来のLPP光源は、微細なスズの球(ドロップ112)に対して、励起用レーザ光L101を集光させて、球面状のスズプラズマを発生させる。発生させたスズプラズマからEUV光E101をコレクターミラー119で取り出している。このようなLPP光源の課題としては、ターゲットとなる微細なスズのドロップ112に対して、励起用レーザ光L101を集光させるため、光源の構造が複雑となることである。また、スズのドロップ112を安定して落下・供給することができず、EUV光を安定して生成することが困難なことである。
本発明の目的は、このような問題を解決するためになされたものであり、EUV光を簡単な構成で安定的に生成することができる光源、検査装置、EUV光の生成方法及び検査方法を提供することである。
本発明に係る光源は、回転軸を囲む内周面を有する容器であって、レーザ光の照射によりプラズマを発生する溶融金属を保持した前記容器を備え、前記回転軸を中心に前記容器を回転させ、遠心力によって前記内周面に拡がった前記溶融金属に対して、前記レーザ光を照射することにより発生した前記プラズマからEUV光を生成する。このような構成とすることにより、EUV光を簡単な構成で安定的に生成することができる。
また、本発明に係る検査装置は、前記光源と、前記EUV光により検査対象を照明する照明光学系と、前記EUV光により照明された前記検査対象からの光を検出して前記検査対象の画像を取得する検出光学系と、を備える。このような構成により、検査対象の検査の信頼性を向上させることができる。
さらに、本発明によるEUV光の生成方法は、回転軸を囲む内周面を有する容器において、レーザ光の照射によりプラズマを発生する溶融金属を形成するステップと、前記回転軸を中心に前記容器を回転させ、遠心力によって前記内周面に前記溶融金属を拡げるステップと、拡がった前記溶融金属に対して、前記レーザ光を照射するステップと、前記レーザ光を照射することにより前記溶融金属から発生した前記プラズマからEUV光を生成するステップと、を備える。このような構成とすることにより、EUV光を簡単な構成で安定的に生成することができる。
さらに、本発明による検査方法は、前記EUV光の生成方法と、生成された前記EUV光により検査対象を照明するステップと、前記EUV光により照明された前記検査対象からの光を検出して前記検査対象の画像を取得するステップと、を備える。このような構成により、検査対象の検査の信頼性を向上させることができる。
本発明によれば、EUV光を簡単な構成で安定的に生成することができる光源、検査装置、EUV光の生成方法及び検査方法を提供することができる。
実施形態1に係る光源を例示した構成図である。 実施形態1に係る光源の容器を例示した斜視図である。 実施形態1に係る光源の容器の駆動機構を例示した構成図である。 実施形態1に係るEUV光の生成方法を例示したフローチャート図である。 (a)及び(b)は、実施形態1に係る光源の動作を例示した模式図である。 実施形態2に係る検査装置を例示した構成図である。 実施形態2に係る検査方法を例示したフローチャート図である。 LPP光源を例示した図である。 実施形態3に係る光源の主要部を例示した図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、断面図である。 実施形態3に係る光源の主要部における別の例を例示した図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、断面図である。 実施形態4に係る光源において、デブリシールドを例示した図であり、(a)は、上面図を示し、(b)は、光源におけるデブリシールドの断面図を示す。 (a)は、実施形態5に係る光源の主要部を例示した斜視図であり、(b)は、(a)に示す光源の主要部の分解斜視図である。 実施形態5に係る光源の主要部を例示した断面図である。 実施形態6に係る光源の主要部を例示した断面図である。
以下、本実施形態の具体的構成について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
(実施形態1)
実施形態1に係る光源を説明する。光源は、例えば、検査装置において検査対象を照明する照明光の光源である。光源は、露光装置において露光光の光源に用いられてもよい。図1は、実施形態1に係る光源を例示した構成図である。図2は、実施形態1に係る光源の容器を例示した斜視図である。図3は、実施形態1に係る光源の容器の駆動機構を例示した構成図である。
図1〜3に示すように、光源10は、容器11を備えている。容器11は、例えば、坩堝であり、内部で、金属を溶融させることができる。容器11は、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生する溶融金属12を保持する。溶融金属12は、例えば、スズ(Sn)、または、リチウム(Li)等が溶融したものである。なお、溶融金属12は、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生するものであれば、スズ、リチウムに限らない。
容器11は、回転軸R1を有し、回転軸R1を中心にして回転する。例えば、容器11には、回転軸R1と同軸に延びた棒状のシャフト21が接続されている。シャフト21が回転軸R1を中心にして回転することにより、回転力が容器11に伝達する。よって、容器11は、回転軸R1を中心にして回転する。
容器11は、例えば、一方の開口部が閉じた円筒形状である。容器11の閉じた部分を底部13という。容器11の円筒状の部分を円筒部14という。容器11の回転軸R1は、例えば、鉛直方向に延びている。底部13が下方に位置し、開いた開口部15が上方に位置している。底部13の内側の面を底面13aという。底部13の外側の面を下面13bという。下面13bは、底面13aの反対側の面である。回転軸R1が鉛直方向に延び、開口部15が上方に位置している場合には、底面13aは上方を向き、下面13bは下方を向いている。
円筒部14の内側の面を内周面14aという。円筒部14の外側の面を外周面14bという。外周面14bは、内周面14aの反対側の面である。内周面14aは、回転軸R1を囲んでいる。よって、容器11は、回転軸R1を囲む内周面14aを有している。
底部13と円筒部14との接合部分には溝16が形成されている。回転軸R1が鉛直方向の場合には、溝16は、下方に深くなっている。溝16の底は、底面13aよりも下方に位置している。溝16は、上方から見て、底面13aの周縁に沿って円形に形成されている。溝16は、溶融金属12がスズの場合には、スズ溜まりという。
回転軸R1を囲むように形成された内周面14aは、回転軸R1との距離が一定の円筒状の部分を含んでもよいし、上方ほど外側に拡がったすり鉢状の部分を含んでもよい。例えば、内周面14aのすり鉢状の部分は溝16に接続されている。内周面14aの円筒状の部分は、すり鉢状の部分の上方に位置している。
光源10は、容器11の他、ヒータ17、平面鏡18、デブリシールド19を備えている。ヒータ17は、容器11の近傍に設けられている。ヒータ17の加熱によって、容器11内に、溶融金属12を形成することができる。ヒータ17は、例えば、容器11の底部13の下方に配置されている。溝16が形成されている場合には、ヒータ17は、溝16の直下に配置されている。これにより、溝16に保持された溶融金属12を集中して加熱でき、ヒータ17が消費するエネルギーを低減することができる。
平面鏡18は、生成されたEUV光E1を反射する。すなわち、平面鏡18は、レーザ光L1が溶融金属12に照射されることにより発生したプラズマから生成されたEUV光E1を反射する。
平面鏡18は、開口部15の近傍において、内周面14aにおけるレーザ光L1が照射される照射スポットに対向するように配置されている。平面鏡18には、生成されたEUV光E1が入射する。平面鏡18は、入射したEUV光E1を反射させる。平面鏡18は、平面鏡18におけるEUV光E1の入射角及び反射角を維持したまま、スライド移動可能である。具体的には、平面鏡18は、図1における紙面に直交する方向、すなわち、入射するEUV光E1及び反射するEUV光E1を含む面に直交する方向に移動可能である。平面鏡18で反射したEUV光E1は、光源10の外部に出射し、例えば、検査装置における照明光学系の楕円面鏡31に入射する。
デブリシールド19は、例えば、シート状である。デブリシールド19は、溶融金属12を覆うように開口部15に配置されている。デブリシールド19は、溶融金属12と楕円面鏡31との間に配置されている。これにより、溶融金属12から発生するデブリが楕円面鏡31に付着することを抑制することができる。なお、デブリシールド19は、レーザ光L1が溶融金属12を照射するためのレーザ光L1の通路、及び、生成されたEUV光E1が平面鏡18に到達するためのEUV光E1の通路を確保するように、開口部15の一部を空けている。
光源10は、レーザ光L1を生成する励起用レーザを備えてもよいし、光源10の外部に設置した励起用レーザからのレーザ光L1を導入して、溶融金属12を照射するようにしてもよい。
図3に示すように、光源10は、容器11の駆動機構として、軸受け22、冷却機構23、金属ベローズ24、回転モータ25、スライド機構26を備えている。容器11、シャフト21、軸受け22、冷却機構23は、チャンバ27の内部に配置されている。チャンバ27の内部は、減圧され、真空状態とされている。
軸受け22は、シャフト21を回転可能に固定する。シャフト21の一端は容器11の底部13に接続され、他端は軸受け22に接続されている。冷却機構23は、シャフト21を介して容器11を冷却する。例えば、冷却機構23は、冷却水等の冷媒を循環させる機構を有している。そして、シャフト21に設けられた冷媒の循環路を介して、容器11を冷却する。
回転モータ25は、シャフト21に対して回転軸R1を中心にして回転する動力を伝達する。これにより、回転モータ25は、シャフト21を介して回転軸R1を中心にして容器11を回転させる。
スライド機構26は、シャフト21を介して容器11を回転軸R1が延びる方向にスライド移動させる。これにより、容器11は、回転軸R1が延びる方向に移動可能である。例えば、容器11は、上下方向に移動可能である。よって、容器11内の溶融金属12が消費された場合に、容器11は回転軸R1に沿って上方に移動可能である。溶融金属12が消費されると、内周面14aにおける溶融金属12の表面の位置が後退する。そうすると、レーザ光L1の照射スポット位置が後退することによって発光点が移動することになる。そこで、容器11を上方に移動させる。これにより、レーザ光L1の照射スポット位置における溶融金属12の表面位置が保たれ、常に溶融金属12上の同じ位置にレーザ光L1を照射することができる。よって、発光点の位置が変動しないようにすることができる。
なお、溶融金属12の表面の形状が上方ほど外側に拡がったすり鉢状の部分を含む場合には、スライド機構は、上方だけでなく、回転軸R1に直交する水平方向にスライド移動してもよい。これにより、レーザ光L1の焦点は、内周面14aに拡がった溶融金属12の表面位置を維持することができる。溶融金属12の表面の形状が上方ほど外側に拡がったすり鉢状の部分とは、具体的には、溶融金属12に働く遠心力と重力との比で決定された傾斜角度(tanθ)が付いた表面の部分をいう。
次に、光源10の動作として、EUV光の生成方法を説明する。図4は、実施形態1に係るEUV光の生成方法を例示したフローチャート図である。図5(a)及び(b)は、実施形態1に係る光源の動作を例示した断面図である。
図4のステップS11及び図5(a)に示すように、まず、容器11内に溶融金属12を形成する。容器11内に溶融金属12を形成する際には、容器11の内部に、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生するターゲット金属を投入する。ターゲット金属は、例えば、スズまたはリチウムである。容器11の底部13に溝16が形成されている場合には、溝16にターゲット金属を投入する。
溝16の底は、ヒータ17に近いので、省エネルギーでターゲット金属を溶融することができる。また、溝16があることにより、ヒータ17の個数を少なくし、集中的に加熱することができる。さらに、溶融金属12は、溝16に留まり、容器11の底面13a全体に拡がらないので、用いるターゲット金属量を少なくすることができる。ヒータ17を作動させて、容器11内に投入されたターゲット金属を真空中で溶融させる。このようにして、回転軸R1を囲む内周面14aを有する容器11において、レーザ光L1の照射によりプラズマを発生する溶融金属12を形成する。
次に、図4のステップS12及び図5(b)に示すように、容器11の内周面14aに溶融金属12を拡げる。具体的には、回転軸R1を中心に容器11を回転させる。回転モータ25を作動させて、回転軸R1を中心にした回転をシャフト21に伝達する。これにより、回転モータ25は、シャフト21を介して容器11を回転させる。所定の回転数まで、ゆっくり回転数を上げる。このようにすることにより、遠心力によって内周面14aに溶融金属12を拡げることができる。溶融金属12に働く遠心力と重力との比により、溶融金属12の表面に傾斜角度(tanθ)が付く場合には、溶融金属12の表面の形状は、上方ほど外側に拡がったすり鉢状の部分を含むようになる。また、容器11の内周面14aが、上方ほど外側に拡がったすり鉢状の部分を含む場合にも、溶融金属12は内周面14aを登り、すり鉢状に拡がる。
次に、ステップS13に示すように、溶融金属12に対して、レーザ光L1を照射する。具体的には、遠心力によって内周面14aに拡がった溶融金属12に対して、励起用レーザから出力されたレーザ光L1を照射する。レーザ光L1をレンズ等の光学素子で集光させて溶融金属12を照射する。そうすると、レーザ光L1を照射された溶融金属12からプラズマが発生する。
次に、ステップS14に示すように、発生したプラズマからEUV光E1を生成する。溶融金属12にレーザ光を照射することによりプラズマが発生する。プラズマ中のイオン及び電子が再結合する際に、EUV光E1が生成される。このようにして、溶融金属12に対して、レーザ光L1を照射することにより発生したプラズマからEUV光E1が生成される。
プラズマから生成されたEUV光E1は、平面鏡18に入射する。平面鏡18に入射し、平面鏡18で反射したEUV光E1は、照明光として光源10の外部に取り出される。例えば、照明光学系の楕円面鏡31に入射する。こうして、光源10は、EUV光E1を生成する。
次に、容器11及び溶融金属12の温度制御方法を説明する。容器11の近傍には、放射温度計が配置されている。放射温度計は、坩堝等の容器11の温度を放射温度計で常時モニターし、温度が一定になるようにヒータ17の加熱を制御する。光源10の動作中は、溶融金属12がレーザ光L1を吸収することによっても加熱される。容器11及び溶融金属12の過熱を抑制するために、軸受け22の機構に水冷ジャケットを組み込んでもよい。これにより、シャフト21を介して容器11及び溶融金属12を冷却することができる。
溶融金属12から発生するイオンや中性粒子を減速させるために、アルゴンや窒素等の不活性ガスを容器11内に導入してもよい。これにより、光源10の劣化を抑制することができる。
次に、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態の光源10は、溶融金属12が保持された容器11を、回転軸R1を中心に回転させる。そして、容器11の内周面14aに拡がった溶融金属12に対して、レーザ光L1を照射し、EUV光E1を生成している。よって、ターゲットとなる溶融金属12が回転するので、溶融金属12におけるレーザ光L1が照射される部分は常に円周方向に移動する。これにより、ターゲットの一点だけが過熱されることはないので、安定してEUV光E1を生成することができる。例えば、EUVLフォトマスク検査用の光源として必要な性能を備えることができる。
また、ターゲットとなる溶融金属12は液体のため、表面張力が働く。よって、よって、レーザ光L1の照射によって液体金属が部分的にプラズマ化して、溶融金属12の表面には瞬間的に窪みができるが、短時間のうちに表面形状がなだらかになる。よって、容器11が1回転して次に同じ場所にレーザ光L1が照射される際には、溶融金属12の表面形状が所定の形状に保たれているので、安定してEUV光E1を生成することができる。
スズ等の溶融金属12の消費に応じて、容器11を回転軸R1に沿って上方に移動することができる。よって、溶融金属12が消費されても、EUV光E1の生成箇所の位置を一定に保つことができ、安定したEUV光E1を生成することができる。また、ロードロック機構により、真空状態を維持しながら、断続的に溶融金属12の基となるターゲット金属のペレットを供給することができる。よって、安定して断続的にEUV光E1を生成することができる。
一般に、スズ等の溶融金属12は、坩堝等の容器11を劣化させるが、溶融金属12が容器11に接触する内周面14aは、例えば、窒化チタン(TiN)等の被膜で容易に覆うことができる。よって、容器11の内周面14aをコーティングすることにより、容易に耐食性を付与することができる。
デブリシールド19により、溶融金属12から飛散するスズ等のデブリやイオン、中性子等が楕円面鏡31に付着することを抑制することができる。平面鏡18は、EUV光E1の入射角及び反射角を維持したまま、スライド移動可能であるので、未使用の部分を利用することができ、長寿命化させることができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る検査装置を説明する。図6は、実施形態2に係る検査装置を例示した構成図である。図6に示すように、検査装置1は、光源10、照明光学系30、検出光学系40を備えている。検査装置1は、検査対象50を検査する。検査対象50は、例えば、EUVマスクである。なお、検査対象50は、EUVマスクに限らない。
照明光学系30は、EUV光E1により検査対象50を照明する。照明光学系30は、楕円面鏡31〜33、落とし込み鏡34を含んでいる。検出光学系40は、EUV光E1により照明された検査対象50からの光E2を検出して検査対象50の画像を取得する。検出光学系40は、シュバルツシルト光学系41、平面鏡42、凹面鏡43、検出器44を備えている。シュバルツシルト光学系41は、凹面鏡41a及び凸面鏡41bを含む拡大光学系である。ステージ51上に検査対象50として、例えば、EUVマスクが載置されている。
光源10から取り出されたEUV光E1は、楕円面鏡31に入射する。楕円面鏡31は、石英を含む基板と、基板の主面にコーティングされた金属膜とを含んでいる。金属膜は、例えば、ルテニウム膜である。ルテニウム膜がコーティングされた面が反射面である。楕円面鏡32及び楕円面鏡33の構造も、楕円面鏡31と同様である。
楕円面鏡31で反射したEUV光E1は、絞られながら進み、集光点IF1において集光する。集光点IF1で集光したEUV光E1は、集光点IF1の後で拡がる。その後、EUV光E1は、楕円面鏡32で反射し、絞られながら進み、集光点IF2において集光する。その後、集光点IF2の後で拡がったEUV光E1は、楕円面鏡33で反射される。楕円面鏡33で反射したEUV光E1は、絞られながら進み、落とし込み鏡34に入射する。落とし込み鏡34に入射したEUV光E1は、落とし込み鏡34によって反射し、検査対象50の検査領域を照明する。なお、照明光学系30は、楕円面鏡31〜33及び落とし込み鏡34以外の光学素子を付加してもよいし、楕円面鏡31〜33のいくつかを省いてもよい。
楕円面鏡31の2つの集光点のうち、第1集光点は、平面鏡18を介して、プラズマの輝点に位置するように配置されている。楕円面鏡31の第2集光点は、楕円面鏡32の第1集光点(集光点IF1)に位置している。楕円面鏡32の第2集光点は、楕円面鏡33の第1集光点(集光点IF2)に位置している。楕円面鏡33の第2集光点は、落とし込み鏡34を介して、検査対象50の検査領域に位置している。
EUV光E1により照明された検査対象50からの光E2は、EUV光E1の反射光及び回折光を含んでおり、検査領域内のパターン情報を含んでいる。検査対象50からの光E2は、凹面鏡41a及び凸面鏡41bとで構成されたシュバルツシルト光学系41によって拡大される。拡大された光E2は、平面鏡42で折り返された後に、凹面鏡43でさらに拡大され、検出器44に入射する。
検出器44は、例えば、TDIカメラである。検出器44の下側に配置されたセンサー面に検査領域からの光E2が投影される。これにより、検出器44は、検査領域のパターンを光学像として入力し、検査領域の画像を取得する。そして、パターンが解析され、欠陥が検出される。
次に、検査装置1を用いた検査方法を説明する。図7は、実施形態2に係る検査方法を例示したフローチャート図である。
図7のステップS21に示すように、まず、照明光として、EUV光E1を生成する。EUV光E1の生成方法は、実施形態1に記載された方法を用いる。
次に、ステップS22に示すように、生成されたEUV光E1により検査対象50を照明する。具体的には、楕円面鏡31〜33及び落とし込み鏡34を含む照明光学系30を用いて、光源10で生成されたEUV光E1を検査対象50まで導く。
次に、ステップS23に示すように、EUV光E1により照明された検査対象50からの光E2を検出して検査対象50の画像を取得する。具体的には、シュバルツシルト光学系41、平面鏡42、凹面鏡43、検出器44を含んだ検出光学系を用いて、検査対象50の画像を取得する。
次に、ステップS24に示すように、取得した画像を用いて検査対象50を検査する。このようにして、検査装置1は検査対象50を検査することができる。
本実施形態の検査装置1によれば、安定して生成されたEUV光E1を用いて検査対象50を検査することができるので、信頼性が高い検査を行うことができる。よって、EUVLフォトマスク検査装置として必要な性能を備えることができる。また、シンプルな構造で検査を行うことができるので、検査コストを低減することができる。これ以外の構成及び効果は実施形態1の記載に含まれている。
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る光源を説明する。本実施形態は、一定期間毎に溶融金属12の供給が必要であること、及び、溶融金属12から発生したイオンが平面鏡18やレンズ等の光学部品に衝突してダメージを与えることを課題としたものである。光学部品に対するダメージとしては、高速のイオンの衝突により光学部品がスパッタエッチングされること、及び、低速のイオンの衝突により光学部品がデポジションされることが挙げられる。本実施形態の光源は、これらの課題を解決するために、坩堝等の容器11の近傍に溶融金属12から発生したイオンの軌道を変化させる磁場を形成する。そして、イオンに対する磁場によって発生したローレンツ力により、イオンの軌道を変更させ、光学部品への衝突を回避させる。また、イオンとして飛び出した溶融金属12を回収する。
図9は、実施形態3に係る光源の主要部を例示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は、断面図である。図9に示すように、本実施形態の光源10aは、磁石60を備えている。磁石60は、例えば、永久磁石でもよいし、直流電流を流した電磁石でもよい。磁石60は、容器11の外側に配置されている。例えば、磁石60は、容器11の円筒部14における外周面14bに接近させて配置されている。また、磁石60は、レーザ光L1が照射される照射スポットの近傍に配置されている。例えば、磁石60は、レーザ光L1の光軸の延長線上に配置されている。
磁石60は、磁場Bを形成する。磁場Bの方向は、レーザ光L1が溶融金属12を照射する照射スポットの近傍において、レーザ光L1の光軸及び回転軸R1に直交する方向が望ましい。すなわち、照射スポット近傍の磁場Bの方向は、図9(b)における紙面に直交する方向が望ましい。このようにすることで、磁石60によって形成された磁場Bは、溶融金属12から発生したイオンの軌道を変化させる。
図9(b)に示すように、磁場Bの向きは、例えば、イオンが下方に曲がる向きである。よって、磁石60は、イオンが容器11の内部に到達するような軌道に変化させる磁場を形成する。具体的には、イオンは、溶融金属12より飛び出し、レーザ光L1のレンズ62及び平面鏡18に向かう方向から、容器11の底部13の方へ曲げられる。このように、イオンに対するローレンツ力により、イオンの軌道を変更させる。よって、レンズ62及び平面鏡18等の光学部品を保護することができる。イオンは、例えば、溶融金属12がスズの場合には、スズイオンである。
磁石60には、例えば、水冷パイプ等の温度を調節する温度調整部61が設けられている。温度調整部61により、磁石60は、キュリー温度よりも低い温度に保たれている。容器11は、セラミックス、例えば、非磁性体のセラミックス等を含むことが好ましい。
一般に、レンズ62及び平面鏡18等の光学部品に高速のイオンが衝突すると、イオンは、光学部品をスパッタエッチングする。また、レンズ62及び平面鏡18等の光学部品に低速のイオンが衝突すると、イオンは、光学部品にデポジションされる。よって、高速でも低速でもイオンは光学部品にダメージを与える。これに対して、本実施形態では、イオンは、光学部品に向かう方向から容器11の底部13の方へ曲げられる。これにより、イオンによるスパッタエッチング及びデポジションを低減することができ、光学部品の寿命を向上させることができる。
また、イオンは容器11の内部に戻るので、イオンを溶融金属12の原料として回収することができる。よって、原料の供給サイクルを延ばすことができる。本実施形態では、光学部品の寿命の向上及び原料の供給サイクルの延長により、光源10aを、長期的に安定して動作させることができる。
図10は、実施形態3に係る光源の主要部における別の例を例示した図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、断面図である。図10(a)及び(b)に示すように、別の例の光源10bでは、磁石60が形成する磁場Bの方向は同じであるが、磁場Bの向きが逆になっている。光源10bの磁場Bの向きは、イオンが上方に曲がる向きである。よって、磁石60は、イオンが容器11の上方に配置されたデブリシールド19に到達するような軌道に変化させる磁場を形成する。具体的には、イオンは、溶融金属12より飛び出し、レーザ光L1のレンズ62及び平面鏡18に向かう方向から、デブリシールド19の方へ曲げられる。このように、光源10bにおいても、イオンに対するローレンツ力により、イオンの軌道を変更させ、レンズ62及び平面鏡18等の光学部品を保護することができる。これ以外の構成及び効果は、実施形態1〜2の記載に含まれている。
(実施形態4)
次に、実施形態4に係る光源を説明する。本実施形態の光源において、デブリシールド19は、温度調整機構を備えている。これにより、デポジションされたイオンを適切なタイミングで回収する。
図11は、実施形態4に係る光源において、デブリシールドを例示した図であり、(a)は、上面図を示し、(b)は、光源におけるデブリシールドの断面図を示す。図11(a)及び(b)に示すように、本実施形態の光源10cにおいて、デブリシールド19aは、シート状であり、例えば、上方から見て円形状である。デブリシールド19aは、容器11の開口部15を覆い、さらに、外側まで拡がっている。デブリシールド19aの中央部は、容器11の内部に凹んでいる。よって、デブリシールド19aは、内周面14aに囲まれた領域に位置する部分を有している。
デブリシールド19aは、レーザ光L1が溶融金属12を照射するためのレーザ光L1の通路、及び、生成されたEUV光E1が平面鏡18に到達するためのEUV光E1の通路となる小さな穴20が形成されている。穴20は、照射スポットに対向している。
光源10cは、前述の磁石60を備えていてもよい。デブリシールド19aは、穴20以外の容器11の開口部15を覆っているので、磁場Bによって軌道を変えられたイオンのほとんどをデブリシールド19aに到達させることができる。また、磁場Bで軌道を変えられない中性のスズ等も穴20以外の部分に到達させることができる。よって、光学部品へのダメージを低減させるとともに、溶融金属12から飛び出たイオンのほとんどを回収することができる。
光源10cは、デブリシールド19aを冷却及び加熱する温度調整部63を備えている。温度調整部63は、例えば、冷却流体パイプ63a及びヒータ63bである。冷却流体パイプ63aは、デブリシールド19aの上面側の端部に配置され、ヒータ63bは、デブリシールド19aの下面側の端部に配置されている。温度調整部63は、デブリシールド19aの温度を、溶融金属12の凝固点以下に調整することができるとともに、溶融金属12の融点以上に調整することができる。例えば、温度調整部63は、デブリシールド19aの温度を、スズの凝固点以下に調整することができるとともに、スズの融点以上に調整することができる。
なお、温度調整部63は、デブリシールド19aを冷却のみ行ってもよいし、加熱のみ行ってもよい。デブリシールド19aを冷却することにより、容器11からの輻射熱が光学部品に到達することを抑制することができる。
レーザ照射により、高温になった金属は、溶融金属12から離脱する。例えば、溶融金属12をスズとして説明する。高温になり、溶融金属12から離脱したスズは、デブリシールド19aでトラップされる。スズが液体状態でデブリシールド19aにトラップされた場合には、容器11の内部に落下するタイミングを制御することが困難である。したがって、光源10cを動作中に、トラップされたスズが容器11の内部に落下し、溶融金属12の液面を乱すことにより、EUV光E1の発光を不安定にする場合がある。
そこで、本実施形態では、温度調整部63により、デブリシールド19aをスズの凝固点以下に調整する。これにより、デブリシールド19aにトラップされたスズは、固体状態でデブリシールド19aに堆積する。よって、溶融金属12の液面を乱すことにより、EUV光E1の発光を不安定にすることを抑制することができる。
デブリシールド19aにトラップされたスズを回収する場合には、光源10cがアイドリング時に、デブリシールド19aをスズの融点以上に調整する。これにより、デブリシールド19aにトラップされたスズは、液化する。そして、液化したスズは、デブリシールド19aの凹んだ中央部、すなわち、内周面14aに囲まれた領域に位置する部分から容器11内に落下する。このようして、溶融金属12となるスズを回収することができる。なお、溶融金属12として、スズの場合を説明したが、スズ以外の溶融金属12の場合も同様である。
本実施形態の光源10cによれば、光源10cのアイドリング時に溶融金属12を回収することができるので、光源10cの安定性を向上させるとともに、原料の供給サイクルを延ばすことができる。
デブリシールド19aは、穴20以外の容器11の開口部15を覆っているので、光学部品への衝突をさらに低減させることができる。また、冷却したデブリシールド19aは、高温の容器11から発生する赤外線等の輻射熱を遮断する。よって、平面鏡18、レンズ62及び楕円面鏡31等に輻射熱が到達することを抑制するので、光学部品の寿命を向上させることができる。これ以外の構成及び効果は、実施形態1〜3の記載に含まれている。
(実施形態5)
次に、実施形態5に係る光源を説明する。本実施形態の光源は、坩堝等の容器11を効果的に冷却すること、及び、容器11の回転の摺動抵抗を低減することを課題としたものである。回転する容器11に保持された溶融金属12をレーザ光L1で照射する際に、レーザ照射による溶融金属12の過加熱を抑制するため、容器11の熱をヒートシンクに逃すことが必要となる。例えば、真空中に配置された容器11の場合には熱の放散が少ないので特にヒートシンクが必要である。また、ターゲットとなる溶融金属12の照射位置を安定させるため、容器11を安定させて回転させる必要がある。したがって、容器11の回転を支持する軸受には、高い熱伝導性及び低い摺動抵抗が要求される。本実施形態の光源は、容器11のヒートシンクとなるとともに軸受けとなる円環槽を備えている。
図12(a)は、実施形態5に係る光源の主要部を例示した斜視図であり、(b)は、(a)に示す光源の主要部の分解斜視図である。図13は、実施形態5に係る光源の主要部を例示した断面図である。
図12(a)、(b)及び図13に示すように、本実施形態の光源10dは、円環槽64及び容器11aを備えている。円環槽64は、回転軸R1を中心軸とした円環状である。円環槽64は、円筒状の内壁65、円筒状の外壁66及び円環状の底壁67を有している。内壁65及び外壁66は、同心円状に配置されている。内壁65及び外壁66の間で、内壁65及び外壁66に挟まれた円環状の空間に液体68が充填されている。すなわち、内壁65の外部であって、外壁66の内部に円環状に液体68が充填されている。
内壁65の内部には、シャフト21が通っている。シャフト21は容器11aに回転動力を伝達する。シャフト21の外周にはベアリング69が設けられている。シャフト21は、ベアリング69により支持されている。ベアリング69は、容器11aの回転の回転軸受けの機能を有する。
円環槽64に充填された液体68は、必ずしも室温で液体である必要はなく、室温から坩堝等の容器11aの動作温度までの温度範囲で溶融し、容器11aの動作温度において液体状態であれば良い。
液体68は、例えば、液体金属である。液体金属は、例えば、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)等を含んでいる。また、液体金属は、ガリンスタン(Galinstan、Ga68.5−In21.5−Sn10)でもよい。ガリウム(Ga)、インジウム(In)、スズ(Sn)等の低融点金属は、300[℃]を超える温度においても低い蒸気圧を保つとともに、化学的に安定である。
液体68は、イオン液体でもよい。イオン液体は、イオン性液体ともいい、液体で存在する塩(えん)をいう。例えば、塩化ナトリウムは、高温では、溶融して液体になる。このように、イオン液体は、分子として存在するのではなく、イオンとして、存在する液体のことをいう。有機物を含むイオン液体もある。イオン液体の特徴としては、蒸気圧が低いこと、300[℃]以上の高温でも安定なことが挙げられる。
本実施形態の容器11aは、下面13bから下方に突出した円筒状の円筒突起71を有している。円筒突起71は、回転軸R1を中心軸として配置されている。円筒突起71を含む容器11aは、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、グラファイト(C)等の液体金属に浸食されない材質を含むもの、または、表面がこれらの材質でコーティングされることが好ましい。円筒突起71は、液体68中において回転軸R1を中心に回転する。
円筒突起71を含む容器11aの材質として、窒化アルミニウム(密度3.28g/cm)、炭化ケイ素(密度3.22g/cm)、もしくはグラファイト(密度2.26g/cm)等を使用し、液体金属として、ガリウム(密度6.09g/cm)、インジウム(密度7.02g/cm)、アンチモン(密度6.99g/cm)、スズ(密度6.99g/cm)等を使用した場合には、液体金属の密度は比較的大きいため、容器11aに発生する浮力により、円筒突起71と円環槽64との間の静摩擦係数を低減することができる。
円環槽64の底壁67には、流体パイプ70が設けられている。流体パイプ70には、液体68を所定の温度に調節するための媒体が循環し、液冷している。これにより、円環槽64は、円筒突起71を介して、容器11aのヒートシンクの機能を有する。よって、シャフト21を冷却し、ベアリング69の寿命を向上させることができる。なお、流体パイプ70にオイル等を流すことにより、円環槽64に、ヒートシンクとしての機能の他に、容器11aを加熱するヒータの機能を有するようにしてもよい。この場合には、容器11aの底部13の下方に配置されたヒータ17を省いてもよい。ヒータ17は、回転する容器11aに接触させず、容器11aを熱輻射で加熱することが好ましい。一方、流体パイプ70は円環槽64に接触させ、熱伝導で加熱している。よって、効果的に加熱することができる。
本実施形態の光源10dによれば、円環槽64は、容器11aのヒートシンクの機能を有するので、容器11aを効果的に冷却することができる。よって、レーザ照射による過加熱を抑制することができる。容器11aの本体と、円筒突起71とを一体化して形成すれば、容器11とヒートシンクとの間の熱抵抗を小さくすることができるので、効果的に容器11aを冷却することができる。例えば、容器11が真空中で使用される場合には、熱の放散が少ないため、より効果的である。
また、円環槽64中の円筒突起71に生じる浮力により、円筒突起71と円環槽64との間の静摩擦係数を低減することができる。よって、容器11aを回転させるスタートの時点の抵抗を低減させることができる。また、容器11の回転時の摺動抵抗を低減することができる。このように、容器11aの回転に介して抵抗を低減できるので、安定して容器11aを回転させることができる。
液体として、液体金属及びイオン液体を用いた場合には、蒸気圧が低いため、坩堝等の容器11aの周りにおける真空度の低下を抑制することができる。また、液体金属及びイオン液体はともに使用温度範囲で化学的に安定であり、長期的に熱媒体及び潤滑剤としての性質を保つことができる。これ以外の構成及び効果は、実施形態1〜4の記載に含まれている。
(実施形態6)
次に、実施形態6に係る光源を説明する。本実施形態の光源は、実施形態5の容器11aのシャフト21が十分冷却されない場合に、ベアリング69が加熱され、ベアリング69の寿命が短くなることを課題としたものである。そこで、本実施形態では、シャフト21のベアリング69を省き、円筒突起71の内面が円環槽64の内壁65に沿って摺動する回転軸受けの機能を有するようにしている。図14は、実施形態6に係る光源の主要部を例示した断面図である。
図14に示すように、本実施形態の光源10eは、前述の実施形態の光源10dと比べて、ベアリング69が設けられていない。光源10eにおいて、円筒突起71は、円環槽64の内壁65に沿って摺動する。例えば、円筒突起71と内壁65との間の間隙を小さくすることにより、Hydrodynamic bearing効果を発生させ、低い摺動抵抗で回転軸位置を固定させている。よって、円筒突起71は、容器11の回転の回転軸受けの機能を有する。これにより、シャフト21を支持するベアリング69を省くことができる。これ以外の構成及び効果は、実施形態1〜5の記載に含まれている。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態よる限定は受けない。また、実施形態1及び2における構成は、適宜、組み合わせてもよい。
1 検査装置
10、10a、10b、10c、10d、10e 光源
11、11a 容器
12 溶融金属
13 底部
13a 底面
13b 下面
14 円筒部
14a 内周面
14b 外周面
15 開口部
16 溝
17 ヒータ
18 平面鏡
19、19a デブリシールド
20 穴
21 シャフト
22 軸受け
23 冷却機構
24 金属ベローズ
25 回転モータ
26スライド機構
27 チャンバ
30 照明光学系
31、32、33 楕円面鏡
34 落とし込み鏡
40 検出光学系
41 シュバルツシルト光学系
41a 凹面鏡
41b 凸面鏡
42 平面鏡
43 凹面鏡
44 検出器
50 検査対象
51 ステージ
60 磁石
61 温度調整部
62 レンズ
63 温度調整部
63a 冷却流体パイプ
63b ヒータ
64 円環槽
65 内壁
66 外壁
67 底壁
68 液体
69 ベアリング
70 流体パイプ
71 円筒突起
E1 EUV光
E2 光
L1 レーザ光
R1 回転軸

Claims (32)

  1. 回転軸を囲む内周面を有する容器であって、レーザ光の照射によりプラズマを発生する溶融金属を保持した前記容器を備え、
    前記回転軸を中心に前記容器を回転させ、遠心力によって前記内周面に拡がった前記溶融金属に対して、前記レーザ光を照射することにより発生した前記プラズマからEUV光を生成する光源。
  2. 前記回転軸は鉛直方向に延び、
    前記内周面は、上方ほど外側に拡がったすり鉢状の部分を含む、
    請求項1に記載の光源。
  3. 前記容器は、前記回転軸が延びる方向に移動可能である、
    請求項1または2に記載の光源。
  4. 前記溶融金属を覆うように配置されたデブリシールドをさらに備えた、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の光源。
  5. 生成された前記EUV光が入射するとともに、入射した前記EUV光を反射させる平面鏡をさらに備え、
    前記平面鏡は、前記平面鏡における前記EUV光の入射角及び反射角を維持したまま、スライド移動可能である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の光源。
  6. 前記容器の近傍に配置された磁石をさらに備え、
    前記磁石は、前記溶融金属から発生したイオンの軌道を変化させる磁場を形成する、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の光源。
  7. 前記磁石は、前記イオンが前記容器の内部に到達するような前記軌道に変化させる前記磁場を形成する、
    請求項6に記載の光源。
  8. 前記溶融金属を覆うように配置されたデブリシールドをさらに備え、
    前記磁石は、前記イオンが前記デブリシールドに到達するような前記軌道に変化させる前記磁場を形成する、
    請求項6に記載の光源。
  9. 前記容器は、非磁性体のセラミックスを含み、
    前記磁石は、前記容器の外側に配置され、キュリー温度よりも低い温度に保たれた、
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の光源。
  10. 前記デブリシールドを冷却する温度調整部をさらに備えた、
    請求項4に記載の光源。
  11. 前記デブリシールドを冷却及び加熱する温度調整部をさらに備え、
    前記デブリシールドは、前記溶融金属を回収するように前記内周面に囲まれた領域に位置する部分を有する、
    請求項4に記載の光源。
  12. 同心円状に配置された円筒状の内壁及び外壁を有し、前記内壁及び前記外壁の間に円環状に液体が充填された円環槽をさらに備え、
    前記容器は、下面から下方に突出した円筒状の円筒突起であって、前記回転軸を中心軸とした前記円筒突起を有し、
    前記円筒突起は、前記液体中を回転する、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の光源。
  13. 前記液体は、液体金属またはイオン液体である、
    請求項12に記載の光源。
  14. 前記容器に回転動力を伝達するシャフトを備え、
    前記シャフトは、ベアリングにより支持され、
    前記ベアリングは、前記容器の回転の回転軸受けの機能を有する、
    請求項12または13に記載の光源。
  15. 前記円筒突起は、前記円環槽の内壁に沿って摺動し、前記容器の回転の回転軸受けの機能を有する、
    請求項12または13に記載の光源。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の光源と、
    前記EUV光により検査対象を照明する照明光学系と、
    前記EUV光により照明された前記検査対象からの光を検出して前記検査対象の画像を取得する検出光学系と、
    を備えた検査装置。
  17. 回転軸を囲む内周面を有する容器において、レーザ光の照射によりプラズマを発生する溶融金属を形成するステップと、
    前記回転軸を中心に前記容器を回転させ、遠心力によって前記内周面に前記溶融金属を拡げるステップと、
    拡がった前記溶融金属に対して、前記レーザ光を照射するステップと、
    前記レーザ光を照射することにより前記溶融金属から発生した前記プラズマからEUV光を生成するステップと、
    を備えたEUV光の生成方法。
  18. 前記回転軸は鉛直方向に延び、
    前記内周面は、上方ほど外側に拡がったすり鉢状の部分を含む、
    請求項17に記載のEUV光の生成方法。
  19. 前記容器は、前記回転軸が延びる方向に移動可能である、
    請求項17または18に記載のEUV光の生成方法。
  20. 前記溶融金属を覆うように配置されたデブリシールドをさらに備えた、
    請求項17〜19のいずれか一項に記載のEUV光の生成方法。
  21. 生成された前記EUV光が入射するとともに、入射した前記EUV光を反射させる平面鏡をさらに備え、
    前記平面鏡は、前記平面鏡における前記EUV光の入射角及び反射角を維持したまま、スライド移動可能である、
    請求項17〜20のいずれか一項に記載のEUV光の生成方法。
  22. 前記溶融金属から発生したイオンの軌道を変化させる磁場を形成するステップをさらに備えた、
    請求項17〜21のいずれか1項に記載のEUV光の生成方法。
  23. 前記磁場を形成するステップにおいて、前記イオンが前記容器の内部に到達するような前記軌道に変化させる前記磁場を形成する、
    請求項22に記載のEUV光の生成方法。
  24. 前記溶融金属を覆うように配置されたデブリシールドを備えるようにし、
    前記イオンが前記デブリシールドに到達するような前記軌道に変化させる前記磁場を形成する、
    請求項22に記載のEUV光の生成方法。
  25. 前記容器は、非磁性体のセラミックスを含み、
    前記磁場を形成するステップにおいて、磁石により前記磁場を形成し、前記磁石を前記容器の外側に配置し、キュリー温度よりも低い温度に保つ、
    請求項22〜24のいずれか1項に記載のEUV光の生成方法。
  26. 前記デブリシールドを冷却する温度調整部をさらに備えた、
    請求項20に記載のEUV光の生成方法。
  27. 前記デブリシールドを冷却及び加熱する温度調整部をさらに備え、
    前記デブリシールドは、前記溶融金属を回収するように前記内周面に囲まれた領域に位置する部分を有する、
    請求項20に記載のEUV光の生成方法。
  28. 同心円状に配置された円筒状の内壁及び外壁を有し、前記内壁及び前記外壁の間に円環状に液体が充填された円環槽をさらに備え、
    前記容器は、下面から下方に突出した円筒状の円筒突起であって、前記回転軸を中心軸とした前記円筒突起を有し、
    前記円筒突起は、前記液体中を回転する、
    請求項17に記載のEUV光の生成方法。
  29. 前記液体は、液体金属またはイオン液体である、
    請求項28に記載のEUV光の生成方法。
  30. 前記容器に回転動力を伝達するシャフトを備え、
    前記シャフトは、ベアリングにより支持され、
    前記ベアリングは、前記容器の回転の回転軸受けの機能を有する、
    請求項28または29に記載のEUV光の生成方法。
  31. 前記円筒突起は、前記円環槽の内壁に沿って摺動し、前記容器の回転の回転軸受けの機能を有する、
    請求項28または29に記載のEUV光の生成方法。
  32. 請求項17〜31のいずれか一項に記載のEUV光の生成方法と、
    生成された前記EUV光により検査対象を照明するステップと、
    前記EUV光により照明された前記検査対象からの光を検出して前記検査対象の画像を取得するステップと、
    を備えた検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022530497A (ja) * 2019-04-26 2022-06-29 アイエスティーイーキュー ビー.ヴィー. 高輝度レーザ生成プラズマ光源

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