JP2021043317A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単色モードで画像形成する場合にブレが発生する場合がある。またブレ改善時には寿命が低下することや、生産性が低下することがある。【解決手段】画像形成装置100は、単色モードでの転写材Sに対する画像の形成を、少なくとも該転写材Sに転写するトナー像の一次転写を行う期間の中間転写体8の離接状態を第二の離接状態(K当接状態)とする第一のモード、又は少なくとも上記期間の上記離接状態を第一の離接状態(全当接状態)とする第二のモードのいずれで実行するかを、該転写材Sに形成する画像の画像情報に基づいて切り替える制御を実行可能な制御部50を有する構成とする。【選択図】図7
Description
本発明は、電子写真方式や静電記録方式などを用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式などを用いた画像形成装置として、中間転写方式を採用したタンデム型の画像形成装置がある。この画像形成装置は、複数の像担持体に形成したトナー像を中間転写体に順次重ね合わせるようにして一次転写し、その後このトナー像を中間転写体から記録用紙などの転写材に二次転写してフルカラー画像などを形成することができる。複数の像担持体は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像を形成するために4つ設けられることが多い。また、像担持体としては、回転可能なドラム型の感光ドラムが多く用いられる。また、中間転写体としては、周回移動可能な無端状のベルトで構成された中間転写ベルトが多く用いられる。一般に、一次転写は、各像担持体に対応して中間転写体の内周面側に配置され、像担持体と中間転写体との当接部である一次転写部を形成する一次転写部材に、一次転写電圧が印加されることで行われる。また、一般に、二次転写は、中間転写体の外周面側に配置され、中間転写体と当接して二次転写部を形成する二次転写部材に、二次転写電圧が印加されることで行われる。
上述のような画像形成装置は、全ての像担持体を中間転写体に当接させて画像形成を行う複数色モードと、1つの像担持体のみを中間転写体に当接させて画像形成を行う単色モードと、を切り替えて画像形成を行える構成とされることがある。このような構成によれば、単色画像を単色モードで形成することで、像担持体の表面の摩耗を抑制するなど、単色モードで画像形成に用いられない部材の長寿命化を図ることができる。以下、複数色モードではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像を形成し、単色モードではブラック単色の画像を形成する場合を例として説明する。
単色モードでは、複数色モードと比較して中間転写体に対する拘束力が弱まることによって、画像不良が生じる可能性がある。つまり、複数色モードでは、中間転写体は、複数の像担持体と一次転写部材との間に挟まれて周回移動する。一方、単色モードでは、中間転写体は、ブラック用の像担持体と一次転写部材との間にのみ挟まれて周回移動することとなる。そのため、単色モードでは、複数色モードと比較して中間転写体に対する拘束力が弱まり、例えば転写材として普通紙よりもこしの強い厚紙などを用いる場合の衝撃により中間転写体の速度変動が生じやすくなる。この衝撃は、例えば、転写材が二次転写部に突入する際や二次転写部から抜ける際などに生じやすい。そして、中間転写体の速度変動が生じた際に像担持体から中間転写体へのトナー像の一次転写が行われていると、その部位の画像に乱れが生じる可能性がある。例えば、その部位の画像の伸び縮みが生じ、濃度むらとして顕在化する可能性がある。以下、このようにして発生する画像不良を「ブレ」と呼ぶ。
特許文献1には、厚紙などに単色画像を形成する場合に全ての像担持体を中間転写体に当接させて中間転写体に対する拘束力を大きくする構成が開示されている。
しかしながら、中間転写体の速度変動が生じたタイミングによって、ブレとして視認されるか否かは異なる。例えば、中間転写体の速度変動が生じたタイミングに、像担持体から中間転写体に転写されるトナーが無い場合には、ブレが視認されることはない。
そのため、厚紙などに単色画像を形成する場合には常に全ての像担持体を中間転写体に当接させるような制御では、上述のようにブレが視認されない場合には、画像形成に用いられない部材を不必要に劣化させてしまうおそれがある。また、厚紙などに単色画像を形成する場合には常に転写材の搬送速度を低下させることで、上述のような衝撃を小さくして中間転写体の速度変動を抑制することが考えられる。この場合にも、上述のようにブレが視認されない場合には、生産性(単位時間当たりの印刷枚数)を不必要に低減させてしまうおそれがある。
したがって、本発明の目的は、部材の長寿命化や生産性の向上を図りつつ、単色画像を形成する際のブレの発生を抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明の代表的な構成は、トナー像をそれぞれが担持する第一、第二の像担持体と、画像情報に基づいて、前記第一、第二の像担持体のそれぞれにトナー像を形成する、第一、第二のトナー像形成部と、前記第一、第二の像担持体にそれぞれ当接可能であり、前記第一、第二の像担持体と当接して形成する一次転写部で前記第一、第二の像担持体からそれぞれ一次転写されるトナー像を、二次転写部で転写材に二次転写するために搬送する、周回移動可能な中間転写体と、前記第一、第二の像担持体と前記中間転写体との離接状態を、前記第一、第二の像担持体に前記中間転写体が当接した第一の離接状態と、前記第一、第二の像担持体のうち前記第二の像担持体にのみ前記中間転写体が当接した第二の離接状態と、に変更可能な離接手段と、を有し、前記第一、第二の像担持体にトナー像を形成可能な複数色モードと、前記第一、第二の像担持体のうち前記第二の像担持体にのみトナー像を形成可能な単色モードと、で転写材に画像を形成することが可能な画像形成装置において、前記単色モードでの転写材に対する画像の形成を、少なくとも該転写材に転写するトナー像の前記一次転写を行う期間の前記離接状態を前記第二の離接状態とする第一のモード、又は少なくとも前記期間の前記離接状態を前記第一の離接状態とする第二のモードのいずれで実行するかを、該転写材に形成する画像の前記画像情報に基づいて切り替える制御を実行可能な制御部を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、部材の長寿命化や生産性の向上を図りつつ、単色画像を形成する際のブレの発生を抑制することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像を印刷可能な、中間転写方式を採用したタンデム型のレーザービームプリンタである。本実施例の画像形成装置100は、後述するように複数の画像形成モードで印刷可能であるが、まず「複数色モード」を例として本実施例の画像形成装置100の全体的な構成及び動作について説明する。
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像を印刷可能な、中間転写方式を採用したタンデム型のレーザービームプリンタである。本実施例の画像形成装置100は、後述するように複数の画像形成モードで印刷可能であるが、まず「複数色モード」を例として本実施例の画像形成装置100の全体的な構成及び動作について説明する。
画像形成装置100は、複数の画像形成部としてのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための4つの画像形成部30Y、30M、30C、30Kを有する。各画像形成部30Y、30M、30C、30Kにおける同一又は対応する機能あるは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。また、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の要素を、語頭にY、M、C、Kを付して区別する場合がある。
トナー像を担持する像担持体としての、回転可能な感光体(電子写真感光体)である感光ドラム1は、駆動手段としての駆動モータによって図中矢印R1方向(時計回り方向)に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。本実施例では、K感光ドラム1Kは第一の駆動モータ61(図2)から駆動力が伝達されることによって回転駆動され、YMC感光ドラム1Y、1M、1Cは第二の駆動モータ62(図2)から駆動力が伝達されることで回転駆動される。本実施例では、感光ドラム1は、例えば転写材Sとして普通紙が用いられる場合には、280mm/sの周速度で回転駆動される。回転する感光ドラム1の表面(外周面)は、帯電手段としてのローラ状の帯電部材である帯電ローラ2によって、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に帯電処理される。帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面に当接して配置され、感光ドラム1の回転に伴って従動して回転する。帯電工程時に、帯電ローラ2には、帯電電源E1(図2)から感光ドラム1の帯電極性(本実施例では負極性)の直流電圧である帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光手段としての露光装置3によって画像情報(画像データ、画像信号)に従って走査露光され、感光ドラム1上に静電潜像(静電像)が形成される。本実施例では、露光装置3は、レーザスキャナユニットで構成されている。露光装置3は、画像情報に従って変調されたレーザ光を、感光ドラム1の回転軸線方向と略平行な主走査方向に走査しながら照射することを、感光ドラム1の回転に伴って感光ドラム1の表面の移動方向と略平行な副走査方向に沿って繰り返す。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置4によって現像剤としてのトナーが供給されて現像され、感光ドラム1上にトナー像(トナー画像)が形成される。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部(イメージ部)に、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する(反転現像)。現像装置4は、トナーを収容する現像容器と、現像容器内のトナーを担持して感光ドラム1との対向部(現像部、現像位置)へと搬送する現像剤担持体としての現像ローラ41と、を有する。本実施例では、現像ローラ41は、対応する感光ドラム1と共通の駆動源によって回転駆動される。現像工程時に、現像ローラ41には、現像電源E2(図2)から感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)の直流電圧である現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、現像時のトナーの帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。
4つの感光ドラム1と対向するように、中間転写ベルトユニット40が配置されている。中間転写ベルトユニット40は、中間転写体としての中間転写ベルト8と、中間転写ベルト8を張架する複数の張架ローラ9、10と、を有する。中間転写ベルト8は、可撓性を有する無端状のベルトで構成されている。中間転写ベルト8は、複数の張架ローラとしての駆動ローラ9と、従動ローラ10と、に掛け渡されて、所定のテンションが付与されて張架されている。中間転写ベルト8は、駆動手段としての駆動モータにより駆動ローラ9が回転駆動されることによって所定の周速度(プロセススピード)で図中矢印R2方向(反時計回り方向)に周回移動(回転)する。本実施例では、中間転写ベルト8は、K感光ドラム1と共通の駆動源である第一の駆動モータ61(図2)から駆動力が伝達されて駆動ローラ9が回転駆動されることにより周回移動する。本実施例では、中間転写ベルト8は、例えば転写材Sとして普通紙が用いられる場合には、感光ドラム1の周速度に対応する280mm/sの周速度で周回移動する。中間転写ベルト8の内周面(裏面)側には、各感光ドラム1に対応して、一次転写手段としてのローラ状の一次転写部材である一次転写ローラ5が配置されている。一次転写ローラ5は、感光ドラム1に向けて押圧され、中間転写ベルト8の外周面(表面)を感光ドラム1の表面に当接させ、感光ドラム1と中間転写ベルト8との当接部である一次転写部(一次転写ニップ、一次転写位置)N1を形成する。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写部N1において、一次転写ローラ5の作用により、周回移動している中間転写ベルト8上に転写(一次転写)される。一次転写工程時に、一次転写ローラ5には、一次転写電源E3(図2)からトナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。複数色モードでのフルカラー画像の印刷時には、YMCK感光ドラム1Y、1M、1C、1K上に形成されたY、M、C、Kの各色のトナー像が各一次転写部N1において順次重ね合わされるようにして中間転写ベルト8上に転写される。
中間転写ベルト8の外周面側において、駆動ローラ9と対向する位置には、二次転写手段としてのローラ状の二次転写部材である二次転写ローラ11が配置されている。二次転写ローラ11は、中間転写ベルト8を介して駆動ローラ9に向けて押圧され、中間転写ベルト8と二次転写ローラ11との当接部である二次転写部(二次転写ニップ、二次転写位置)N2を形成する。中間転写ベルト8上に形成されたトナー像は、二次転写部N2において、二次転写ローラ11の作用により、中間転写ベルト8と二次転写ローラ11とに挟持されて搬送されている記録用紙などのシート状の転写材(記録材)S上に転写(二次転写)される。二次転写工程時に、二次転写ローラ11には、二次転写電源E4(図2)からトナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。転写材Sは、給搬送装置12、レジストローラ対16などによって、中間転写ベルト8上のトナー像とタイミングが合わされて二次転写部N2に供給される。給搬送装置12は、シート状の転写材Sが積載されて収納された転写材カセット13内から転写材Sを給送する給送ローラ14と、給送された転写材Sを搬送する搬送手段としての搬送ローラ対15と、を有している。給搬送装置12によって中間転写ベルト8の周速度に対応する280mm/sの搬送速度で搬送された転写材Sは、搬送手段としてのレジストローラ対16によって所定の制御タイミングにて二次転写部N2に導入される。本実施例では、給送ローラ14、搬送ローラ対15、レジストローラ対16などは、駆動手段としての第三の駆動モータ63(図2)から伝達される駆動力によって回転駆動される。
上述のようにトナー像が転写された転写材Sは、定着手段としての定着装置17に導入される。定着装置17は、熱源を備えた加熱回転体としての定着ローラ17aと、定着ローラ17aに圧接する加圧回転体としての加圧ローラ17bと、を有する。定着装置17は、未定着のトナー像を担持した転写材Sを、定着ローラ17aと加圧ローラ17bとの当接である定着部(定着ニップ、定着位置)N3で加熱及び加圧しながら搬送することで、トナー像を転写材S上に定着(溶融、固着)させる。トナー像が定着された転写材Sは、排出ローラ対18によって、画像形成装置100の装置本体110の外部(機外)に設けられた排出トレイ19上に排出(出力)される。本実施例では、定着ローラ17a又は加圧ローラ17bの少なくとも一方、及び排出ローラ18は、第三の駆動モータ63(図2)から伝達される駆動力によって回転駆動される。
また、一次転写後に感光ドラム1上に残った転写残トナーは、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置6によって感光ドラム1上から除去されて回収される。ドラムクリーニング装置6は、感光ドラム1の表面に当接して配置されたクリーニング部材としてのクリーニングブレードによって、回転する感光ドラム1の表面から転写残トナーを掻き取って、クリーニング容器内に収容する。また、二次転写後に中間転写ベルト8上に残った転写残トナーや、二次転写時に転写材Sから中間転写ベルト8に付着した紙粉は、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置20によって中間転写ベルト8上から除去されて回収される。ベルトクリーニング装置20は、中間転写ベルト8の表面に当接して配置されたクリーニング部材としてのクリーニングブレードによって、周回移動する中間転写ベルト8の表面から転写残トナーを掻き取って、クリーニング容器内に収容する。回収された転写残トナーは、廃トナー回収容器へと送られる。
本実施例では、各画像形成部30において、感光ドラム1と、これに作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びドラムクリーニング装置6とは、一体的にカートリッジ化されてプロセスカートリッジ7を構成している。プロセスカートリッジ7は、装置本体110に対して着脱可能とされている。
2.制御態様
図2は、本実施例の画像形成装置100の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。本実施例の画像形成装置100は、画像形成装置100の動作を統括的に制御する制御部(エンジンコントローラ)50を有する。制御部50は、画像処理部51と、画像形成制御部52と、を有する。画像処理部51、画像形成制御部52は、それぞれ演算制御手段としての演算制御素子、記憶手段としての記憶素子、データの入出力を制御するインターフェイスなどを有して構成されている。
図2は、本実施例の画像形成装置100の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。本実施例の画像形成装置100は、画像形成装置100の動作を統括的に制御する制御部(エンジンコントローラ)50を有する。制御部50は、画像処理部51と、画像形成制御部52と、を有する。画像処理部51、画像形成制御部52は、それぞれ演算制御手段としての演算制御素子、記憶手段としての記憶素子、データの入出力を制御するインターフェイスなどを有して構成されている。
制御部50には、例えば、前述の第一、第二、第三の駆動モータ61、62、63、帯電電源E1、現像電源E2、一次転写電源E3、二次転写電源E4、露光装置3などが接続されている。なお、図示を省略しているが、本実施例では、帯電電源E1、現像電源E2、一次転写電源E3は、それぞれ各画像形成部30に対して独立して設けられている。また、制御部50には、中間転写ベルト8とYMCK感光ドラム1Y、1M、1C、1Kとの離接状態(以下、単に「中間転写ベルト8の離接状態」ともいう。)を切り替える離接手段としての離接機構70が接続されている。中間転写ベルト8の離接状態の切り替えについては後述する。
制御部50は、例えばパーソナルコンピュータなどの外部装置(ホスト機器)200から印刷動作に関する情報を受信する。この情報には、印刷動作の開始指示、印刷動作の設定に関する情報などの指示情報(指示信号)と、画像情報(画像データ、画像信号)と、が含まれる。印刷動作の設定に関する情報は、印刷動作に使用する転写材Sの種類の情報、フルカラーモード、単色モードなどの画像形成モードを指定する情報などを含む。画像処理部51は、外部装置200から入力された画像情報に基づいて、画像形成装置100が形成可能な画像情報を生成して画像形成制御部52に入力する。画像形成制御部52は、外部装置200から入力された指示情報に基づき、画像処理部51から入力された画像情報に従って画像形成装置100の各部を制御して、前述のプロセスで画像形成装置100に画像形成を実行させる。また、本実施例では、制御部50は、画像形成モードを切り替えるモード切替制御を実行する。モード切替制御については後述する。
3.離接状態切替
次に、本実施例の画像形成装置100における中間転写ベルト8とYMCK感光ドラム1Y、1M、1C、1Kとの離接状態の切り替えについて説明する。図3は、本実施例における中間転写ベルト8の離接状態を説明するための中間転写ベルト8の周囲の模式的な断面図である。
次に、本実施例の画像形成装置100における中間転写ベルト8とYMCK感光ドラム1Y、1M、1C、1Kとの離接状態の切り替えについて説明する。図3は、本実施例における中間転写ベルト8の離接状態を説明するための中間転写ベルト8の周囲の模式的な断面図である。
本実施例では、画像形成装置100は、図3(a)に示すように、YMCK感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの全てを中間転写ベルト8に当接させた第一の離接状態(全当接状態)で、中間転写ベルト8を周回移動させることが可能である。フルカラー画像を印刷可能な「複数色モード(フルカラーモード)」は、中間転写ベルト8の離接状態が第一の離接状態とされて実行される。また、後述する「第二の単色モード(ブレ改善第一のモード)」でのブラック単色画像の印刷は、中間転写ベルト8の離接状態が第一の離接状態とされて実行される。
また、画像形成装置100は、図3(b)に示すように、YMCK感光ドラム1Y、1M、1C、1KのうちK感光ドラム1Kのみを中間転写ベルト8に当接させた第二の離接状態(K当接状態)で、中間転写ベルト8を周回移動させることが可能である。後述する「第一の単色モード(通常の単色モード)」、「第三の単色モード(ブレ改善第二のモード)」でのブラック単色画像の印刷は、中間転写ベルト8の離接状態が第二の離接状態とされて実行される。
中間転写ベルト8の離接状態を切り替える離接機構70(図2)は、YMC一次転写ローラ5Y、5M、5Cを対応する感光ドラム1Y、1M、1Cに対して近づく方向及び離れる方向に移動させることが可能とされている。離接機構70によってYMC一次転写ローラ5Y、5M、5Cが対応する感光ドラム1Y、1M、1Cに近づく方向に移動させられることで、図3(a)に示すように中間転写ベルト8がYMC感光ドラム1Y、1M、1Cに当接させられる。これによって、YMC一次転写部N1Y、N1M、N1Cが形成される。一方、離接機構70によってYMC一次転写ローラ5Y、5M、5Cが対応する感光ドラム1Y、1M、1Cから離れる方向に移動させられることで、図3(b)に示すように、中間転写ベルト8がYMC感光ドラム1Y、1M、1Cから離間される。このとき、本実施例では、YMC一次転写ローラ5Y、5M、5Cは、中間転写ベルト8の内周面から離間される。図3(a)、(b)に示すように、本実施例では、K一次転写ローラ5Kは、第一、第二の離接状態のいずれにおいても、中間転写ベルト8をK感光ドラム1Kに当接させてK一次転写部N1Kを形成している。
離接機構70としては、例えば公知の構成を特に制限なく用いることができる。本実施例では、離接機構70は、概略、YMC一次転写ローラ5Y、5M、5Cの軸受部材を移動させる移動部材と、移動部材を移動させる駆動力を発生する駆動源と、駆動源からの駆動力を移動部材に伝達する駆動伝達部材と、を有して構成される。
なお、本実施例では、第二の離接状態で印刷動作が実行される場合、YMC画像形成部30Y、30M、30Cにおいて、感光ドラム1、現像装置4の現像ローラ41などの駆動は停止される。また、第二の離接状態で印刷動作が実行される場合に、YMC画像形成部30Y、30M、30Cにおいて、現像装置4の現像ローラ41が感光ドラム1から離間されるようになっていてもよい。
第二の離接状態で印刷動作を実行することで、画像形成に用いられないYMC画像形成部30Y、30M、30Cにおいて、感光ドラム1、現像装置4の現像ローラ41などの部材、あるいはトナーの劣化を抑制することができる。
4.ブレ発生メカニズム
次に、ブラック単色画像の印刷時のブレの発生メカニズムについて説明する。図4は、ブレの発生メカニズムを説明するためのK一次転写部N1K及び二次転写部N2の近傍の模式的な断面図である。なお、転写材Sや画像に関して、先端、後端とは、明示しない場合も搬送方向に関する先端、後端を言うものである。また、中間転写ベルト8や転写材Sに関する距離は、明示しない場合も中間転写ベルト8や転写材Sの搬送方向に関する距離を言うものである。また、転写材Sや画像に関して、露光装置3の主走査方向(感光ドラム1の回転軸線方向)に対応する方向を主走査方向ともいう。また、転写材Sや画像に関して、露光装置3の副走査方向(感光ドラム1の表面の移動方向)に対応する方向を副走査方向ともいう。
次に、ブラック単色画像の印刷時のブレの発生メカニズムについて説明する。図4は、ブレの発生メカニズムを説明するためのK一次転写部N1K及び二次転写部N2の近傍の模式的な断面図である。なお、転写材Sや画像に関して、先端、後端とは、明示しない場合も搬送方向に関する先端、後端を言うものである。また、中間転写ベルト8や転写材Sに関する距離は、明示しない場合も中間転写ベルト8や転写材Sの搬送方向に関する距離を言うものである。また、転写材Sや画像に関して、露光装置3の主走査方向(感光ドラム1の回転軸線方向)に対応する方向を主走査方向ともいう。また、転写材Sや画像に関して、露光装置3の副走査方向(感光ドラム1の表面の移動方向)に対応する方向を副走査方向ともいう。
転写材Sが何らかの衝撃を受けた際に転写材Sが中間転写ベルト8に接触していることで、中間転写ベルト8の速度変動が生じる場合がある。その結果、K一次転写部N1Kで一次転写されるトナーの位置が本来の位置からずれて、画像の伸び縮みが生じ、濃度むらとして副走査方向に約1〜5mmの長さで顕在化する画像不良である「ブレ」が生じる可能性がある。本実施例の構成では、転写材Sに上記衝撃が発生するタイミングは3種類あり、それぞれに対応するブレが存在する。
1つ目は、図4(a)に示すブレであり、以下、「T2抜け」ブレと呼ぶ。T2抜けブレは、複数枚の連続印刷時の1枚前に印刷された転写材S(先行転写材S1)の後端が二次転写部N2を抜けたタイミングで、先行転写材S1の1枚後に印刷される転写材S(後続転写材S2)に生じるブレである。T2抜けブレの発生位置は、K一次転写部N1Kと二次転写部N2との間の距離(本実施例では68mm)と、連続印刷時の先行転写材S1の後端と後続転写材S2の先端との間の距離(本実施例では10mm)と、で決定される。本実施例では、後続転写材S2の先端から後端側に58mmの位置にブレとして顕在化する。
2つ目は、図4(b)に示すブレであり、以下、「T2突入ブレ」と呼ぶ。T2突入ブレは、転写材Sの先端が二次転写部N2に突入したタイミングで生じるブレである。T2突入ブレの発生位置は、K一次転写部N1Kと二次転写部N2との間の距離(本実施例では68mm)で決定される。本実施例では、転写材Sの先端から後端側に68mmの位置にブレとして顕在化する。
3つ目は、図4(c)に示すブレであり、以下、「定着突入ブレ」と呼ぶ。定着突入ブレは、転写材Sの先端が定着部N3に突入したタイミングで生じるブレである。定着突入ブレの発生位置は、K一次転写部N1Kと定着部N3との間の距離(本実施例では119mm)で決定される。本実施例では、転写材Sの先端から後端側に119mmの位置にブレとして顕在化する。
5.ブレ改善モード
次に、本実施例におけるブラック単色画像の印刷時のブレを抑制するためのブレ改善モードについて説明する。本実施例では、制御部50は、単色モードでの印刷動作を指示された場合に、「通常の単色モード」、「ブレ改善第一のモード」、「ブレ改善第二のモード」のいずれかを選択して、ブラック単色画像の印刷を実行することができる。
次に、本実施例におけるブラック単色画像の印刷時のブレを抑制するためのブレ改善モードについて説明する。本実施例では、制御部50は、単色モードでの印刷動作を指示された場合に、「通常の単色モード」、「ブレ改善第一のモード」、「ブレ改善第二のモード」のいずれかを選択して、ブラック単色画像の印刷を実行することができる。
・通常の単色モード(第一の単色モード):
通常の単色モードは、中間転写ベルト8の離接状態を図3(b)に示す第二の離接状態としてブラック単色画像を印刷するモードである。通常の単色モードでは、YMCK画像形成部30Y、30M、30C、30KのうちK画像形成部30Kにおいてのみ、感光ドラム1の駆動、感光ドラム1の帯電処理、現像装置4の現像ローラ41の駆動、一次転写ローラ5への一次転写電圧の印加が行われる。そして、K画像形成部30Kにおいてのみ前述のプロセスで画像形成が行われて、ブラック単色画像の印刷動作が実行される。通常の単色モードでは、中間転写ベルト8は、YMCK感光ドラム1Y、1M、1C、1KのうちK感光ドラム1Kのみが当接した状態(本実施例ではK感光ドラム1とK一次転写ローラ5Kとによってのみ挟持された状態)で周回移動する。
通常の単色モードは、中間転写ベルト8の離接状態を図3(b)に示す第二の離接状態としてブラック単色画像を印刷するモードである。通常の単色モードでは、YMCK画像形成部30Y、30M、30C、30KのうちK画像形成部30Kにおいてのみ、感光ドラム1の駆動、感光ドラム1の帯電処理、現像装置4の現像ローラ41の駆動、一次転写ローラ5への一次転写電圧の印加が行われる。そして、K画像形成部30Kにおいてのみ前述のプロセスで画像形成が行われて、ブラック単色画像の印刷動作が実行される。通常の単色モードでは、中間転写ベルト8は、YMCK感光ドラム1Y、1M、1C、1KのうちK感光ドラム1Kのみが当接した状態(本実施例ではK感光ドラム1とK一次転写ローラ5Kとによってのみ挟持された状態)で周回移動する。
・ブレ改善第一のモード(第二の単色モード):
ブレ改善第一のモードは、中間転写ベルト8の離接状態を図3(a)に示す第一の離接状態としてブラック単色画像を印刷するモードである。ブレ改善第一のモードでは、YMCK画像形成部30Y、30M、30C、30Kの全てにおいて、感光ドラム1の駆動、感光ドラム1の帯電処理、現像装置4の現像ローラ41の駆動、現像電圧の印加、一次転写電圧の印加が行われる。そして、ブラックの画像情報に応じたブラック画像の形成のみ行われること以外は、前述の複数色モードの場合と同様のプロセスでブラック単色画像の印刷動作が実行される。
ブレ改善第一のモードは、中間転写ベルト8の離接状態を図3(a)に示す第一の離接状態としてブラック単色画像を印刷するモードである。ブレ改善第一のモードでは、YMCK画像形成部30Y、30M、30C、30Kの全てにおいて、感光ドラム1の駆動、感光ドラム1の帯電処理、現像装置4の現像ローラ41の駆動、現像電圧の印加、一次転写電圧の印加が行われる。そして、ブラックの画像情報に応じたブラック画像の形成のみ行われること以外は、前述の複数色モードの場合と同様のプロセスでブラック単色画像の印刷動作が実行される。
ブレ改善第一のモードでは、中間転写ベルト8は、YMCK感光ドラム1Y、1M、1C、1Kが中間転写ベルト8に当接した状態(本実施例ではYMCK感光ドラム1Y、1M、1C、1KとYMCK一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kとによって挟持された状態)で周回移動する。そのため、ブレ改善第一のモードでは、中間転写ベルト8は、通常の単色モードに比べて多くの部位で拘束される。したがって、例えば転写材Sとして普通紙よりもこしの強い厚紙などを用いる場合に前述のブレの発生原因となる衝撃が起きても、中間転写ベルト8の速度変動が起きにくく、画像上にブレが顕在化しない程度まで改善することができる。
なお、前述のように、少なくともYMC画像形成部30Y、30M、30Cにおいて、現像装置4の現像ローラ41が感光ドラム1から離間可能な構成とされていてもよい。このような構成の場合、ブレ改善第一のモードでブラック単色画像を印刷する際に、YMC画像形成部30Y、30M、30Cにおいて、現像ローラ41を感光ドラム1から離間させると共に、感光ドラム1の帯電処理、現像装置4の現像ローラ41の駆動、現像電圧の印加、一次転写電圧の印加は行わないようにしてもよい。
・ブレ改善第二のモード(第三の単色モード):
ブレ改善第二のモードは、中間転写ベルト8の離接状態を図3(b)に示す第二の離接状態とすると共に、通常の単色モードよりも印刷速度(転写材Sの搬送速度)を遅くして単色画像を印刷するモードである。印刷動作が遅くされる場合、感光ドラム1、中間転写ベルト8、現像装置4の現像ローラ41、搬送ローラ対15、レジストローラ対16、定着装置17などの駆動速度(回転速度)が、これらを駆動する駆動モータの回転速度が変更されることで遅くされる。ブレ改善第二のモードでの印刷動作は、印刷速度を遅くすること以外は通常の単色モードでの印刷動作と同様である。本実施例では、第一の駆動モータ61、第三の駆動モータ63などによって、印刷速度の速度設定を変更する速度変更手段が構成される。
ブレ改善第二のモードは、中間転写ベルト8の離接状態を図3(b)に示す第二の離接状態とすると共に、通常の単色モードよりも印刷速度(転写材Sの搬送速度)を遅くして単色画像を印刷するモードである。印刷動作が遅くされる場合、感光ドラム1、中間転写ベルト8、現像装置4の現像ローラ41、搬送ローラ対15、レジストローラ対16、定着装置17などの駆動速度(回転速度)が、これらを駆動する駆動モータの回転速度が変更されることで遅くされる。ブレ改善第二のモードでの印刷動作は、印刷速度を遅くすること以外は通常の単色モードでの印刷動作と同様である。本実施例では、第一の駆動モータ61、第三の駆動モータ63などによって、印刷速度の速度設定を変更する速度変更手段が構成される。
ブレ改善第二のモードでは、印刷速度(転写材Sの搬送速度)を遅くすることで、ブレの発生原因となる衝撃を和らげることができる。例えば、本実施例では、複数色モードにおいても、転写材Sとして熱容量大きい厚紙を用いる場合は、トナーを良好に定着させるために、転写材Sの搬送速度を140mm/sに低下させる。これに対し、ブレ改善第二のモードでは、ブレの発生を抑制するために転写材Sの搬送速度を90mm/sまで遅くする。これにより、例えば転写材Sとして普通紙よりもこしの強い厚紙などを用いる場合でも、前述のブレの発生原因となる衝撃を小さくして、画像上にブレが顕在化しない程度まで改善することができる。なお、ブレ改善第二のモードにおける印刷速度は、本実施例のものに限定されず、十分にブレの抑制効果が得られる範囲で変更可能である。
6.ブレ発生可能性判断及びモード切替制御
次に、本実施例におけるブラック単色画像の印刷時のブレ発生可能性の判断及びモード切替制御について説明する。
次に、本実施例におけるブラック単色画像の印刷時のブレ発生可能性の判断及びモード切替制御について説明する。
図5(a)、(b)は、それぞれブレ発生可能性の判断の概念を説明するためのK一次転写部N1K及び二次転写部N2の近傍の模式的な断面図である。ブレが発生するのは、衝撃が発生した際にK感光ドラム1Kから中間転写ベルト8へのトナーの一次転写を行っている場合である。図5(a)は、転写材Sが二次転写部N2に突入し、衝撃が発生した際に、K一次転写部N1Kにトナーが無い場合を示している。この場合は、K一次転写部N1Kにトナーが無いので、衝撃が発生してもブレとして顕在化することはない。一方、図5(b)は、転写材Sが二次転写部N2に突入し、衝撃が発生した際に、K一次転写部N1Kにトナーがある場合を示している。この場合は、K一次転写部N1Kにトナーがあるので、衝撃が発生するとブレとして顕在化する可能性がある。
図6(a)、(b)は、それぞれレターサイズ(主走査方向215.9mm、副走査方向279.4mm)のブラック単色画像の画像データの具体例を示す模式図である。ここでは、画像データは、副走査方向にy1からy9まで31mm幅のブロックに9分割されている。この場合、本実施例では、T2抜けブレはブロックy2に、T2突入ブレはブロックy3に、定着突入ブレはブロックy4に現れる可能性がある。図6(a)の画像データの場合は、ブロックy3に画像領域があるため、ブレが発生する可能性のある画像(以下、「ブレ発生可能性あり画像B」という。)であると判断することができる。この場合、ブレ改善モードで印刷する。ブレ改善モードは、前述のブレ改善第一のモード又はブレ改善第二のモードのいずれでもよい。一方、図6(b)の画像データの場合は、ブロックy2、y3、y4のいずれにも画像領域がないため、ブレが発生する可能性のない画像(以下、「ブレ発生可能性なし画像N」という。)であると判断することができる。この場合、通常の単色モードで印刷する。表1は、図6(a)、(b)の画像データに関して、上記の判断結果と、選択する単色モードと、をまとめたものである。
本実施例では、制御部50は、画像処理部51において、外部装置200から取得した画像データを画像形成装置100が形成可能な画像データに変換する画像処理を行う。制御部50は、例えばこれと並行して、画像解析手段として機能する画像処理部51において、上述のように画像データを副走査方向に複数のブロックに分割した場合に、画像領域が存在するブロックを判定する処理を行う。また、制御部50は、画像処理部51から画像形成制御部52に、処理後の画像データを入力すると共に、上記の判定結果を入力する。制御部50は、モード切替手段として画像形成制御部52において、上記の判定結果に応じて、ブレが発生する可能性があるか否かを判断し、ブラック単色画像を通常の単色モードで印刷するか又はブレ改善モードで印刷するかを選択する。そして、制御部50は、画像形成制御部52において、上記選択の結果に応じたモードに切り替えて、ブラック単色画像の印刷動作を画像形成装置100に実行させる。
なお、本実施例では、例えばレターサイズの画像データの場合、画像データを副走査方向に9分割したブロックを用いてブレ発生可能性を判断するが、本発明はこれに限定されるものではない。より多くのブロックに分割してもよいし、より少ないブロックに分割してもよい。また、各ブロックの副走査方向の幅は同じであっても異なっていてもよい。また、画像(転写材S)のサイズに応じて分割数が異なっていてもよい。また、本実施例では、ブレが発生する可能性がある位置に画像領域があるか無いかによって、ブレの発生の可能性を判断したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ブレが発生する可能性がある位置に、ブレが視認されやすい所定の画像があるか無いかによって、ブレの発生の可能性を判断してもよい。例えば、ハーフトーン画像はブレが視認されやすいため、ブレが発生する可能性がある位置にハーフトーン画像がある場合に、ブレが発生する可能性があると判断してもよい。また、画像領域が所定の面積以上の場合にブレが視認されやすいため、ブレが発生する可能性がある位置に所定の面積以上の画像領域(更にはハーフトーン画像)がある場合に、ブレが発生する可能性があると判断してもよい。ここで、ハーフトーン画像とは、例えば、1pixelの最大濃度(100%濃度)で埋め尽くされた領域の印字率(画像比率)を100%とした場合において、特に印字率が5%以上80%以下の画像である。
図7は、本実施例におけるブラック単色画像の印刷時のモード切替制御の手順の概略を示すフローチャート図である。ここでは、外部装置200から画像形成装置100の制御部50に単色モードでの印刷動作が指示された場合を例として説明する。なお、制御部50は、前述の指示情報に含まれる画像形成モードを指定する情報に基づいて、単色モードでの印刷動作が指示されていることを認識することができる。ここで、画像形成モードを指定する情報は、典型的には、例えば外部装置200にインストールされたプリンタドライバなどを介したユーザなどの操作者による操作に基づいて、画像形成装置100の制御部50に入力される。ただし、該プリンタドライバなどにおいて画像形成モードが自動選択される場合において、その自動選択の結果単色モードが選択された場合も、画像形成装置100に単色モードでの印刷動作が指定されたことに含まれる。
まず、制御部50は、外部装置200から画像データを取得する(S101)。制御部50は、取得した画像データに基づいて、前述の手順でブレ発生可能性あり画像Bであるか否かを判断する(S102)。制御部50は、S102においてブレ発生可能性あり画像Bではないと判断した場合は、通常の単色モードで印刷する(S103)。一方、制御部50は、S102においてブレ発生可能性あり画像Bであると判断した場合は、ブレ改善モードで印刷する(S104)。次に、制御部50は、最後に印刷した画像データがジョブの最後の画像データであるか否かを判断し(S105)、最後の画像データではないと判断した場合はS101の処理に戻り、最後の画像データであると判断した場合はジョブを終了する。
なお、ここでは、ブレ改善モードは、前述のブレ改善第一のモード又はブレ改善第二のモードのいずれでもよいものとする。画像データに基づいてブレ改善第一のモード又はブレ改善第二のモードを選択する方法については後述する。
また、ジョブ(印刷動作)とは、1つの開始指示により実行される、単一又は複数の転写材Sに画像を形成して出力する一連の動作のことを言う。また、単色モード(通常の単色モード、ブレ改善モード)の切り替え(中間転写ベルト8の離接状態の切り替え、印刷速度の切り替え)は、少なくとも当該画像の一次転写工程が開始される前に行われる。つまり、少なくとも当該画像の一次転写を行う期間に、当該画像に対応する切り替え後の単色モード(通常の単色モード、ブレ改善モード)となっていればよい。典型的には、当該画像の露光装置3による露光工程(静電潜像の形成)が開始される前から一次転写工程が終了した後までは、当該画像に対応する切り替え後の単色モード(通常の単色モード、ブレ改善モード)が維持される。
7.ブレ改善モードの制御
具体例を用いて説明する。表2は、10枚のブラック単色画像を印刷するジョブで4〜7枚目の画像がブレ発生可能性あり画像Bであると判断された場合の、比較例に対する本実施例の効果をまとめたものである。ブレ改善欄における「○」はブレが改善されていること、「×」はブレが改善されていないことを示す。また、寿命欄における「○」は寿命が延びていること、「×」は寿命が延びていないことを示す。
具体例を用いて説明する。表2は、10枚のブラック単色画像を印刷するジョブで4〜7枚目の画像がブレ発生可能性あり画像Bであると判断された場合の、比較例に対する本実施例の効果をまとめたものである。ブレ改善欄における「○」はブレが改善されていること、「×」はブレが改善されていないことを示す。また、寿命欄における「○」は寿命が延びていること、「×」は寿命が延びていないことを示す。
本実施例(実施例1−1、実施例1−2)では、1〜3枚目及び8〜10枚目は通常の単色モードで印刷し、4〜7枚目はブレ改善モードで印刷する。実施例1−1では、ブレ改善モードとしてブレ改善第一のモード用い、実施例1−2では、ブレ改善モードとしてブレ改善第二のモードを用いる。本実施例では、通常の単色モードで印刷する場合の1枚当たりの印刷時間は2秒、ブレ改善第一のモードで印刷する場合の1枚当たりの印刷時間は2秒、ブレ改善第二のモードで印刷する場合の1枚当たり印刷時間は3秒である。また、本実施例では、通常の単色モードからブレ改善第一のモードに切り替える時間は6秒、通常の単色モードからブレ改善第二のモードに切り替える時間は4秒である。比較例(比較例1、比較例2)では、1〜10枚目の全てをブレ改善モードで印刷する。比較例1では、ブレ改善モードとしてブレ改善第一のモードを用い、比較例2では、ブレ改善モードとしてブレ改善第二のモードを用いる。
まず、実施例1−1と比較例1とを比較すると、実施例1−1では比較例1よりもYMC感光ドラム1Y、1M、1Cの表面の摩耗を抑制してこれらの長寿命化を図ることができる。次に、実施例1−2と比較例2とを比較すると、比較例2では印刷に要する時間(所要時間)が34秒であるのに対し、実施例1−2ではその時間を32秒と短縮して生産性の向上を図ることができる。
8.ブレ改善モードを選択する制御
次に、画像データに基づいてより適切なブレ改善モードを選択する方法について説明する。
次に、画像データに基づいてより適切なブレ改善モードを選択する方法について説明する。
例えば、生産性の観点でみると、通常の単色モードからブレ改善第一のモードへの切り替えでは、通常の単色モードからブレ改善第二のモードへの切り替えよりも長い切り替え時間が必要であり、生産性が低下する場合がある。そのため、ジョブの画像データの並び順に応じてより適切なブレ改善モードを選択する制御を行うことで、生産性の向上を図ることができる。
具体例を用いて説明する。表3−1、表3−2は、それぞれ次のジョブ1、ジョブ2を実行した場合の、比較例に対する本実施例の効果をまとめたものである。ブレ改善欄における「○」はブレが改善されていること、「×」はブレが改善されていないことを示す。また、寿命欄における「◎」はより寿命が延びていること、「○」は寿命が延びていること、「×」は寿命が延びていないことを示す。ジョブ1は、10枚のブラック単色画像を印刷するジョブであって、10枚目の画像がブレ発生可能性あり画像Bであると判断されたジョブである。また、ジョブ2は、10枚のブラック単色画像を印刷するジョブであって、2〜10枚目の画像がブレ発生可能性あり画像Bであると判断されたジョブである。
ジョブ1を実行する場合、本実施例(実施例1−3、実施例1−4)では、1〜9枚目は通常の単色モードで印刷し、10枚目はブレ改善モードで印刷する。実施例1−3では、ブレ改善モードとしてブレ改善第一のモード用い、実施例1−4では、ブレ改善モードとしてブレ改善第二のモードを用いる。ジョブ2を実行する場合、本実施例(実施例1−5、実施例1−6)では、1枚目は通常の単色モードで印刷し、2〜10枚目はブレ改善モードで印刷する。実施例1−5では、ブレ改善モードとしてブレ改善第一のモード用い、実施例1−6では、ブレ改善モードとしてブレ改善第二のモードを用いる。比較例(比較例1、比較例2)では、1〜10枚目の全てをブレ改善モードで印刷する。比較例1では、ブレ改善モードとしてブレ改善第一のモードを用い、比較例2では、ブレ改善モードとしてブレ改善第二のモードを用いる。
まず、ジョブ1に関しては、実施例1−3では、印刷に要する時間は26秒である。これに対し、実施例1−4では、印刷に要する時間は25秒である。したがって、ジョブ1は、実施例1−4のようにブレ改善第二のモードで印刷した方が、実施例1−3のようにブレ改善第一のモードで印刷するよりも生産性の向上を図ることができる。
一方、ジョブ2に関しては、実施例1−5では、印刷に要する時間は26秒である。これに対して、実施例1−6では、印刷に要する時間は33秒である。したがって、ジョブ2は、実施例1−5のようにブレ改善第一のモードで印刷した方が、実施例1−6のようにブレ改善第二のモードで印刷するよりも生産性の向上を図ることができる。
このように、ジョブ1ではブレ改善第二のモードを選択し、ジョブ2ではブレ改善第一のモードを選択することが好ましい。
図8は、生産性の観点からより適切なブレ改善モードを選択する制御の手順の概略を示すフローチャート図である。ここでは、外部装置200から画像形成装置100の制御部50に単色モードでの印刷動作が指示された場合を例として説明する。
まず、制御部50は、外部装置200からジョブの全ての画像データを取得し(S201)、各画像のブレ発生可能性の判断を行う(S202)。次に、制御部50は、ジョブにブレ発生可能性あり画像Bがあるか否かを判断する(S203)。制御部50は、S203においてブレ発生可能性あり画像Bがないと判断した場合は、ジョブの全ての画像を通常の単色モードで印刷する(S204)。一方、制御部50は、S203においてブレ発生可能性あり画像Bがあると判断した場合は、そのブレ発生可能性あり画像Bをブレ改善第一のモードとブレ改善第二のモードとのいずれで印刷した方がジョブの印刷に要する時間が短いかを判断する(S205)。このとき、制御部50は、制御部50の記憶素子などの記憶手段に予め記憶されている通常の単色モードで印刷する場合の1枚当たりの印刷時間、ブレ改善第一のモードで印刷する場合の1枚当たりの印刷時間、ブレ改善第二のモードで印刷する場合の1枚当たり印刷時間、通常の単色モードからブレ改善第一のモードに切り替える時間、通常の単色モードからブレ改善第二のモードに切り替える時間などを用いて、上記ジョブの印刷に要する時間を求めて上記判断を行う。そして、制御部50は、S205においてブレ改善第一のモードで印刷した方が短いと判断した場合は、ブレ発生可能性あり画像Bをブレ改善第一のモード(ブレ発生可能性なし画像Nは通常の単色モード)で印刷する(S206)。また、制御部50は、S205においてブレ改善第二のモードで印刷した方が短いと判断した場合は、ブレ発生可能性あり画像Bをブレ改善第二のモード(ブレ発生可能性なし画像Nは通常の単色モード)で印刷する(S207)。
次に、寿命の観点からブレ改善モードの選択する方法について説明する。上述の表3−1から、ジョブ1に関しては、実施例1−3よりも実施例1−4の方がYMC感光ドラム1Y、1M、1Cの表面の摩耗を抑制することができるので、ブレ改善第二のモードを選択することが好ましい。また、上述の表3−2から、ジョブ2に関しても、実施例1−5よりも実施例1−6の方がYMC感光ドラム1Y、1M、1Cの表面の摩耗を抑制することができるので、ブレ改善第二のモードを選択することが好ましい。
図9は、寿命の観点からより適切なブレ改善モードを選択する制御の手順の概略を示すフローチャート図である。ここでは、外部装置200から画像形成装置100の制御部50に単色モードでの印刷動作が指示された場合を例として説明する。
まず、制御部50は、外部装置200からジョブの全ての画像データを取得し(S301)、各画像のブレ発生可能性の判断を行う(S302)。次に、制御部50は、ジョブにブレ発生可能性あり画像Bがあるか否かを判断する(S303)。制御部50は、S303においてブレ発生可能性あり画像Bがないと判断した場合は、ジョブの全ての画像を通常の単色モードで印刷する(S304)。一方、制御部50は、S303においてブレ発生可能性あり画像Bがあると判断した場合は、そのブレ発生可能性あり画像Bをブレ改善第一のモードとブレ改善第二のモードとのいずれで印刷した方がYMC感光ドラム1Y、1M、1Cなどの部材の寿命が向上するかを判断する(S305)。そして、制御部50は、S305においてブレ改善第一のモードで印刷した方が寿命が向上すると判断した場合は、ブレ発生可能性あり画像Bをブレ改善第一のモード(ブレ発生可能性なし画像Nは通常の単色モード)で印刷する(S306)。また、制御部50は、S305においてブレ改善第二のモードで印刷した方が寿命が向上すると判断した場合は、ブレ発生可能性あり画像Bをブレ改善第二のモード(ブレ発生可能性なし画像Nは通常の単色モード)で印刷する(S307)。
なお、寿命の観点からは、YMC画像形成部30Y、30M、30Cにおいて感光ドラム1から中間転写ベルト8が離間され、感光ドラム1、現像装置4の現像ローラ41などの駆動が停止されるブレ改善第二のモードの方がブレ改善第一のモードよりも有利である。したがって、寿命の観点からは、ジョブにブレ発生可能性あり画像Bがある場合には、常に、ブレ改善モードとしてブレ改善第二のモードを用いるようにしてもよい。
また、操作者が、画像形成装置100に設けられた操作部(図示せず)や外部装置200から、ブレ改善モードとしてブレ改善第一のモード又はブレ改善第二のモードのいずれを用いるかを、例えば予め設定できるようにしてもよい。また、例えばジョブの印刷に要する時間をより短縮するなどのために、1つのジョブの中でブレ改善第一のモードとブレ改善第二のモードとを切り替えて実行してもよい。また、中間転写ベルト8の離接状態を第一の離接状態とすると共に、印刷速度を通常の単色モードの印刷速度よりも遅くするブレ改善モードを設けてもよい。
以上説明したように、本実施例では、画像形成装置100は、トナー像をそれぞれが担持する第一の像担持体(YMC感光ドラム1Y、1M、1C)、第二の像担持体(K感光ドラム1K)を有する。また、画像形成装置100は、画像情報に基づいて、第一、第二の像担持体のそれぞれにトナー像を形成する、第一、第二のトナー像形成部を有する。本実施例では、第一、第二のトナー像形成部は、それぞれ帯電ローラ2、露光装置3、現像装置4などで構成される。また、画像形成装置100は、周回移動可能な中間転写体8を有する。中間転写体は、第一、第二の像担持体にそれぞれ当接可能であり、第一、第二の像担持体と当接して形成する一次転写部N1で第一、第二の像担持体からそれぞれ一次転写されるトナー像を、二次転写部N2で転写材Sに二次転写するために搬送する。また、画像形成装置100は、第一、第二の像担持体と中間転写体との離接状態を、第一、第二の像担持体に中間転写体が当接した第一の離接状態と、第一、第二の像担持体のうち第二の像担持体にのみ中間転写体が当接した第二の離接状態と、に変更可能な離接手段70を有する。また、画像形成装置100は、第一、第二の像担持体にトナー像を形成可能な複数色モードと、第一、第二の像担持体のうち第二の像担持体にのみトナー像を形成可能な単色モードと、で転写材Sに画像を形成することが可能である。そして、この画像形成装置100は、単色モードでの転写材Sに対する画像の形成を、少なくとも該転写材Sに転写するトナー像の一次転写を行う期間の上記離接状態を第二の離接状態とする第一のモード(通常の単色モード)、又は少なくとも上記期間の上記離接状態を第一の離接状態とする第二のモード(ブレ改善第一のモード)のいずれで実行するかを、該転写材Sに形成する画像の画像情報に基づいて切り替える制御を実行可能な制御部50を有する。この場合、制御部50は、単色モードでの転写材Sに対する画像の形成を、該転写材Sの搬送方向に関する所定の位置にトナー像が転写される場合に第二のモードで実行し、上記所定の位置にトナー像が転写されない場合に第一のモードで実行するように、上記制御を行うことができる。
また、画像形成装置100は、第二の像担持体1Kの表面の移動速度、中間転写体8の表面の移動速度、及び転写材Sの搬送速度の設定を、第一の速度設定と、第一の速度設定よりも上記各速度がそれぞれ小さい第二の速度設定と、に変更可能な速度変更手段61、63とを有していてよい。そして、制御部50は、単色モードでの転写材Sに対する画像の形成を、少なくとも該転写材Sに転写するトナー像の一次転写を行う期間の上記速度設定を第一の速度設定とする第一のモード(通常の単色モード)、又は少なくとも上記期間の上記速度設定を第二の速度設定とする第二のモード(ブレ改善第二のモード)のいずれで実行するかを、該転写材Sに形成する画像の画像情報に基づいて切り替える制御を実行可能であってよい。この場合も、制御部50は、単色モードでの転写材Sに対する画像の形成を、該転写材Sの搬送方向に関する所定の位置にトナー像が転写される場合に第二のモードで実行し、上記所定の位置にトナー像が転写されない場合に第一のモードで実行するように、上記制御を行うことができる。
また、画像形成装置100は、上記離接手段70と、上記速度変更手段61、63と、を有していてもよい。そして、制御部50は、単色モードでの転写材Sに対する画像の形成を、少なくとも該転写材Sに転写するトナー像の一次転写を行う期間の上記離接状態を第二の離接状態、上記速度設定を第一の速度設定とする第一のモード(通常の単色モード)、少なくとも上記期間の上記離接状態を第一の離接状態、上記速度設定を第一の速度設定とする第二のモード(ブレ改善第一のモード)、又は少なくとも上記期間の上記離接状態を第二の状態、上記速度設定を第二の速度設定とする第三のモード(ブレ改善第二のモード)のいずれで実行するかを、該転写材Sに形成する画像の画像情報に基づいて切り替える制御を実行可能である。この場合、制御部50は、単色モードでの転写材Sに対する画像の形成を、該転写材Sの搬送方向に関する所定の位置にトナー像が転写される場合に第二のモード又は第三のモードで実行し、上記所定の位置にトナー像が転写されない場合に第一のモードで実行するように、上記制御を行うことができる。また、制御部50は、複数の転写材Sに単色モードで画像を形成する場合に、該複数の転写材Sのうち搬送方向に関する上記所定の位置にトナー像が転写される転写材Sに対する画像の形成を、第二のモード及び第三のモードのうち、該複数の転写材に画像を形成するのに要する時間が短くなる方で実行することができる。
このように、本実施例では、単色モードで画像形成する場合に、画像データに基づいてブレの発生の可能性を判断し、そのブレ発生可能性の判断結果に応じてブレ改善モードで画像形成を行う。したがって、本実施例によれば、部材の長寿命化や生産性の向上を図りつつ、単色画像を形成する際のブレの発生を抑制することができる。また、画像データに基づいてより適切なブレ改善モードを選択する制御を行うことで、より一層の部材の寿命の向上、生産性の向上を図りながら、ブレの発生を抑制することができる。
なお、制御部50の記憶素子などの記憶手段に、ブレが発生しやすい転写材Sの情報を格納しておき、ブレが発生しやすい転写材Sと、ブレが発生しにくい転写材Sとで、制御を変えることができる。転写材Sの情報(転写材Sの種類の情報)は、普通紙、厚紙、薄紙、光沢紙、コート紙などの一般的特徴に基づく属性、メーカー、銘柄、品番、坪量、厚さなど、転写材Sを区別可能な任意の情報を包含するものである。制御部50は、転写材Sの情報を、例えば、転写材Sの厚さと相関する指標(厚さ自体や坪量など)を検知する検知手段(公知のメディアセンサなど)から取得することができる。あるいは、制御部50は、転写材Sの情報を、画像形成装置100に設けられた操作部(図示せず)や外部装置200からの操作者による入力によって取得することができる。ここで、操作者による入力は、転写材Sの情報の直接的な入力であってもよいし、例えば予め転写材Sの情報が設定されている転写材カセットを選択する入力であってもよい。そして、例えば、ブレが発生しやすい転写材S(例えば、普通紙よりもこしの強い厚紙)にブラック単色画像を印刷する場合に、本実施例と同様にしてブレ改善モードで印刷を実行可能とすることができる。一方、例えば、ブレが発生しにくい転写材S(例えば、普通紙や、普通紙よりもこしの弱い薄紙)にブラック単色画像を印刷する場合には、画像データによらず通常の単色モードで印刷することができる。また、転写材Sの種類に応じて、ブレ改善モードとしてブレ改善第一のモード又はブレ改善第二のモードのいずれを用いるかを切り替えるようにしてもよい。このような制御を行うことで、より一層の部材の寿命の向上、生産性の向上を図りながら、ブレの発生を抑制することができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
本実施例では、単色モードで画像形成する場合に、画像データに基づくブレ発生可能性の判断結果と、先行転写材S1の有無と、に応じて、ブレ改善モードで画像形成を行う。
図10は、T2突入ブレ及び定着突入ブレは発生しないが、T2抜けブレは発生するブラック単色画像の画像データの具体例を示す模式図である。表4は、この画像を5枚印刷した際の、比較例に対する本実施例の効果をまとめたものである。表中の「○」、「×」は、前述の各表と同じ意味である。
本実施例(実施例2−1、実施例2−2)では、1枚目はT2抜けブレ発生可能性あり画像Bであっても先行転写材S1が無いため、通常の単色モードで印刷する。そして、2枚目以降は、先行転写材S1があるためブレ改善モードで印刷する。実施例2−1では、ブレ改善モードとしてブレ改善第一のモード用い、実施例2−2では、ブレ改善モードとしてブレ改善第二のモードを用いる。比較例(比較例1、比較例2)では、1〜5枚目の全てをブレ改善モードで印刷する。比較例1では、ブレ改善モードとしてブレ改善第一のモードを用い、比較例2では、ブレ改善モードとしてブレ改善第二のモードを用いる。
まず、実施例2−1と比較例1とを比較すると、実施例2−1では比較例1よりも1枚目の分だけYMC感光ドラム1Y、1M、1Cの表面の摩耗を抑制してこれらの長寿命化を図ることができる。次に、実施例2−1と比較例2とを比較すると、比較例2では印刷に要する時間が19秒であるのに対し、実施例2−2ではその時間を18秒と短縮して生産性の向上を図ることができる。
図11は、本実施例におけるブラック単色画像の印刷時のモード切替制御の手順の概略を示すフローチャート図である。ここでは、外部装置200から画像形成装置100の制御部50に単色モードでの印刷動作が指示された場合を例として説明する。
まず、制御部50は、外部装置200から画像データを取得する(S401)。制御部50は、取得した画像データに基づいて、実施例1で説明したのと同様の手順でブレ発生可能性あり画像Bであるか否かを判断する(S402)。制御部50は、S402においてブレ発生可能性あり画像Bではないと判断した場合は、通常の単色モードで印刷する(S403)。一方、制御部50は、S402においてブレ発生可能性あり画像Bであると判断した場合は、そのブレ発生可能性あり画像BはT2抜けブレ、T2突入ブレ、定着突入ブレのうちT2抜けブレのみが発生する可能性のある画像であるか否かを判断する(S404)。制御部50は、S404においてT2抜けブレのみ発生する可能性のある画像ではない(T2突入ブレ又は定着突入ブレのいずれか一方も発生する可能性のある画像である)と判断した場合は、ブレ改善モードで印刷する(S405)。一方、制御部50は、S404においてT2抜けブレのみ発生する可能性のある画像であると判断した場合は、先行転写材S1の有無を判断する(S406)。そして、制御部50は、S406において先行転写材S1がないと判断した場合は、通常の単色モードで印刷する(S403)。一方、制御部50は、S406において先行転写材S1があると判断した場合は、ブレ改善モードで印刷する(S405)。次に、制御部50は、最後に印刷した画像データがジョブの最後の画像データであるか否かを判断し(S407)、最後の画像データではないと判断した場合はS401の処理に戻り、最後の画像データであると判断した場合はジョブを終了する。
なお、ここでは、ブレ改善モードは、前述のブレ改善第一のモード又はブレ改善第二のモードのいずれでもよいものとする。ただし、実施例1で説明したのと同様、画像データに基づいてブレ改善第一のモード又はブレ改善第二のモードを選択する制御を行ってもよい。
以上説明したように、本実施例では、制御部50は、複数の転写材Sに単色モードで画像を形成する場合に、先行して画像が形成される先行の転写材Sがある場合に、該先行の転写材Sよりも後に画像が形成される後続の転写材に関して単色モードを切り替える制御を行い、上記先行の転写材Sに対する画像の形成は第一のモード(通常の単色モード)で実行することができる。
このように、本実施例では、単色モードで画像形成する場合に、画像データに基づくブレ発生可能性の判断結果と、先行転写材S1の有無と、に応じて、ブレ改善モードで画像形成を行う。したがって、本実施例によれば、先行転写材S1の有無に応じて、より適切にブレ改善モードでの印刷を行うことができ、より一層の部材の寿命の向上、生産性の向上を図りながら、ブレの発生を抑制することができる。
[実施例3]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
1.本実施例の概要
本実施例では、単色モードで画像形成する場合に、画像データに基づいてブレの発生の可能性を判断し、ブレ発生可能性あり画像Bであると判断した場合は、転写材S上の画像を読み込み、ブレの検知を行う。そして、後続の画像データのブレ発生可能性の判断結果と、上記ブレの検知結果と、に応じて、ブレ改善モードで後続の画像形成を行う。
本実施例では、単色モードで画像形成する場合に、画像データに基づいてブレの発生の可能性を判断し、ブレ発生可能性あり画像Bであると判断した場合は、転写材S上の画像を読み込み、ブレの検知を行う。そして、後続の画像データのブレ発生可能性の判断結果と、上記ブレの検知結果と、に応じて、ブレ改善モードで後続の画像形成を行う。
2.画像読み取り装置
図12は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、主に、次の点が実施例1の画像形成装置100と異なる。1つは、転写材Sの両面に自動的に画像を形成する両面印刷(自動両面印刷)を行うことが可能である点である。他の1つは、両面印刷用の搬送路に画像読み取り手段としての画像読み取り装置25が設けられており、画像読み取り装置25で転写材Sのスキャン画像を取得するスキャン機能を有する点である。
図12は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、主に、次の点が実施例1の画像形成装置100と異なる。1つは、転写材Sの両面に自動的に画像を形成する両面印刷(自動両面印刷)を行うことが可能である点である。他の1つは、両面印刷用の搬送路に画像読み取り手段としての画像読み取り装置25が設けられており、画像読み取り装置25で転写材Sのスキャン画像を取得するスキャン機能を有する点である。
本実施例では、画像形成装置100は、両面印刷を可能とする両面印刷手段としての両面印刷機構23を有する。両面印刷機構23は、搬送方向切替手段としての両面付ラッパ28、反転クラッチ(図示せず)、両面搬送路24、搬送手段としての両面搬送ローラ対26及び本体合流ローラ対27などを有している。画像形成装置100は、両面印刷を行う場合、定着装置17を通過した1面目に画像が形成された転写材Sの後端が両面フラッパ28の位置を通過した後に、両面フラッパ28のポジションを、両面搬送路24へと転写材Sを向かわせる側に切り替える。次に、画像形成装置100は、排出ローラ対20の回転方向を決定する反転クラッチ(図示せず)により、排出ローラ対20の回転方向を、両面搬送路24へと転写材Sを搬送する方向に切り替える。これにより、転写材Sの搬送方向が反転し、両面搬送路24へと転写材Sが搬送される。両面搬送路24では、転写材Sは両面搬送ローラ対26及び本体合流ローラ対27により搬送され、レジストローラ対16まで搬送される。その後、転写材Sは、1面目と同様にして2面目に画像が形成され、定着装置17を通過した後に排出ローラ対18によって機外の排出トレイ19上に排出(出力)される。
また、本実施例では、画像形成装置100は、画像読み取り装置25により転写材Sの表面をスキャンする場合に、上記両面印刷を行う場合と同様に、両面搬送路へ転写材Sを搬送し、画像読み取り装置25によって転写材Sの表面をスキャンする。本実施例では、画像読み取り装置25は、両面搬送路24における転写材Sの搬送方向に関して、本体合流ローラ対27よりも上流側、かつ、両面搬送ローラ対26よりも下流側において転写材Sの表面をスキャンできるように配置されている。また、本実施例では、画像読み取り装置25は、直前に二次転写部N2で中間転写ベルト8と接触した側の面をスキャンできるように配置されている。そして、本実施例では、画像読み取り装置25は、両面搬送路24における転写材Sの搬送方向の先端が両面搬送ローラ対26を通過したタイミングで転写材Sの表面の読み取りを開始する。本実施例では、画像読み取り装置25は、発光素子とCISセンサ(Contact Image Sensor)とを有している。画像読み取り装置25は、両面搬送路24において搬送されて移動する転写材Sの画像を時系列のデジタル画素信号として読み取り(光電変換し)、画像読み取り装置25内の記憶手段としてのメモリにスキャンデータとして蓄積する。画像の読み取りが終了した転写材Sは、機外に排出される。このとき、本実施例では、画像の読み取りが終了した転写材Sは、その搬送方向が再度反転されて両面搬送路24から直接機外に排出されるが、二次転写部N2を経由して機外に排出されるようになっていてもよい。
なお、本実施例では、画像読み取り装置25を両面搬送路24に設けたが、画像が形成された転写材Sをスキャンすることできればよく、例えば定着装置17と排出ローラ対18との間に設けてもよい。
図13は、本実施例の画像形成装置100の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。本実施例の画像形成装置100の制御態様は、図2に示す実施例1の画像形成装置100のものと同様であるが、制御部50には更に、両面印刷機構23の各部、画像読み取り装置25などが接続されている。画像読み取り装置25は、上述のようにして取得したスキャンデータ(スキャン画像データ、スキャン画像信号)を制御部50に入力する。
3.ブレ改善モードの制御
図14は、画像読み取り装置25でスキャンされた画像に基づいてブレを検知する方法の概念を示す模式図である。制御部50は、外部装置200から送られてきた画像データ(図14(a))と、画像読み取り装置25から送られてきたスキャンデータ(図14(b)、図14(d))と、を取得する。そして、制御部50は、この画像データとスキャンデータとに基づいて、これらの差分の画像データ(図14(c)、図14(e))を算出する。つまり、ブレが生じている場合、画像データとスキャンデータとの間の濃度差や、画像データとスキャンデータとの間のトナー像の位置のずれなどにより、上記差分の画像データが生じる。なお、この差分の画像データを生成する画像処理の方法自体は、例えば公知の方法を特に制限なく用いることができる。ブレが発生しなかった場合は、ブレが発生する可能性のある副走査方向の位置に差分の画像データは無い(図14(c))。この場合、制御部50は、ブレが発生しなかったことを検知することができる。一方、ブレが発生した場合は、ブレが発生する可能性のある副走査方向の位置に差分の画像データが存在する(図14(e))。この場合、制御部50は、ブレが発生したことを検知することができる。なお、ここでは差分の画像データの有無によりブレの発生の有無を判断するものとするが、上記濃度差や位置のずれを示す指標値が所定の閾値を超えた場合にブレが発生したものと判断するようにしてもよい。
図14は、画像読み取り装置25でスキャンされた画像に基づいてブレを検知する方法の概念を示す模式図である。制御部50は、外部装置200から送られてきた画像データ(図14(a))と、画像読み取り装置25から送られてきたスキャンデータ(図14(b)、図14(d))と、を取得する。そして、制御部50は、この画像データとスキャンデータとに基づいて、これらの差分の画像データ(図14(c)、図14(e))を算出する。つまり、ブレが生じている場合、画像データとスキャンデータとの間の濃度差や、画像データとスキャンデータとの間のトナー像の位置のずれなどにより、上記差分の画像データが生じる。なお、この差分の画像データを生成する画像処理の方法自体は、例えば公知の方法を特に制限なく用いることができる。ブレが発生しなかった場合は、ブレが発生する可能性のある副走査方向の位置に差分の画像データは無い(図14(c))。この場合、制御部50は、ブレが発生しなかったことを検知することができる。一方、ブレが発生した場合は、ブレが発生する可能性のある副走査方向の位置に差分の画像データが存在する(図14(e))。この場合、制御部50は、ブレが発生したことを検知することができる。なお、ここでは差分の画像データの有無によりブレの発生の有無を判断するものとするが、上記濃度差や位置のずれを示す指標値が所定の閾値を超えた場合にブレが発生したものと判断するようにしてもよい。
転写材Sは種類によってこしが異なり、同じ画像であってもブレが発生する場合としない場合とがある。具体例を用いて説明する。表5は、ブレが発生する可能性がある画像(図14(a))を5枚印刷する場合の、比較例に対する本実施例の効果をまとめたものである。表中の「○」、「×」は、前述の各表と同じ意味である。
本実施例(実施例3−1、実施例3−2)では、1枚目はブレの発生を検知するために通常の単色モードで印刷する。その印刷された画像を画像読み取り装置25でスキャンし、ブレの検知を行う。実施例3−1は、1枚目でブレが検知された場合には後続の印刷をブレ改善第一のモードで行うことを想定したものであり、実施例3−2は、1枚目でブレが検知された場合には後続の印刷をブレ改善第二のモードで行うことを想定したものである。この具体例では、1枚目にブレが検知されなかったので、2枚目以降はブレ発生可能性あり画像Bであっても、通常の単色モードで印刷する。本実施例では、転写材S上の画像を読み込むために転写材Sを両面搬送路24に1回通す時間は5秒である。比較例1では、1枚目の画像のスキャンを行わずに全ての画像をブレ改善第一のモードで印刷し、比較例2では、1枚目の画像のスキャンを行わずに全ての画像をブレ改善第二のモードで印刷する。
まず、実施例3−1と比較例1とを比較すると、実施例3−1では比較例1よりもYMC感光ドラム1Y、1M、1Cの表面の摩耗を抑制してこれらの長寿命化を図ることができる。次に、実施例3−2と比較例2とを比較すると、比較例2では印刷に要する時間が19秒であるのに対し、実施例3−2ではその時間を15秒と短縮して生産性の向上を図ることができる。
図15(a)、(b)は、本実施例におけるブラック単色画像の印刷時のモード切替制御の手順の概略を示すフローチャート図である。ここでは、外部装置200から画像形成装置100の制御部50に単色モードでの印刷動作が指示された場合を例として説明する。
図15(a)のフローチャートを参照して、まず、制御部50は、外部装置200から1枚目の画像データを取得する(S501)。制御部50は、取得した1枚目の画像データに基づいて、実施例1で説明したのと同様の手順でブレ発生可能性あり画像Bであるか否かを判断する(S502)。制御部50は、S502においてブレ発生可能性あり画像Bではないと判断した場合は、通常の単色モードで印刷する(S503)。次に、制御部50は、印刷した画像データがジョブの最後の画像データであるか否かを判断し(S507)、最後の画像データではないと判断した場合はS501の処理に戻り、最後の画像データであると判断した場合はジョブを終了する。また、制御部50は、S502においてブレ発生可能性あり画像Bであると判断した場合は、通常の単色モードで印刷した後(S504)、転写材S上の画像を画像読み取り装置25でスキャンする(S505)。そして、制御部50は、上述の手順で、1枚目の画像データとスキャンデータとに基づいてブレが発生したか否かを判断する(S506)。
制御部50は、S506においてブレが発生していないと判断した場合は、図15(b)のフローチャートの処理を開始する。図15(b)のフローチャートを参照して、まず、制御部50は、S501と同様に画像データを取得し(S508)、通常の単色モードで印刷する(S509)。次に、制御部50は、印刷した画像データがジョブの最後の画像データであるか否かを判断し(S510)、最後の画像データではないと判断した場合はS508の処理に戻り、最後の画像データであると判断した場合はジョブを終了する。一方、制御部50は、S506においてブレが発生したと判断した場合は、実施例1で説明した図7のフローチャートのS101〜S105と同様の処理を行う。なお、実施例1と同様、ブレ改善モードはブレ改善第一のモード又はブレ改善第二のモードのいずれであってもよいし、画像データに基づいてブレ改善第一のモード又はブレ改善第二のモードを選択する制御を行ってもよい。
なお、本実施例では、ジョブの1枚目の転写材Sをスキャンする場合について説明したが、ジョブの1枚目の転写材Sに加えて又は代えて、ジョブの1枚目より後の転写材Sをスキャンしてその後本実施例と同様のモード切替制御を行ってもよい。例えば、所定の枚数ごとに転写材Sをスキャンして、次に転写材Sをスキャンするまでのモード切替制御を本実施例と同様の制御とすることができる。
以上説明したように、本実施例では、画像形成装置100は、転写材Sに形成された画像を読み取る画像読み取り手段25を有する。そして、本実施例では、制御部50は、複数の転写材Sに単色モードで画像を形成する場合に、該複数の転写材Sのうち少なくとも1つの先行の転写材Sに形成された画像の画像読み取り手段25による読み取り結果と、該複数の転写材Sのうち上記先行の転写材Sよりも後に画像が形成される後続の転写材Sに形成する画像の画像情報と、に基づいて、該後続の転写材Sに関して単色モードを切り替える制御を行う。本実施例では、制御部50は、第一のモードで画像が形成された上記先行の転写材Sに関する上記読み取り結果が示す画像と、該先行の転写材Sに形成する画像の画像情報と、に所定の差分がある場合に、上記後続の転写材Sに関して上記制御を行い、該所定の差分がない場合には上記後続の転写材Sに対する画像の形成を第一のモード(通常の単色モード)で実行する。
このように、本実施例では、単色モードで画像形成する場合に、画像データに基づくブレ発生可能性の判断結果と、転写材Sに形成された画像におけるブレの検知結果と、に応じて、ブレ改善モードで画像形成を行う。したがって、本実施例によれば、転写材Sの種類などによるブレの発生しやすさに即して、より適切にブレ改善モードでの印刷を行うことができ、より一層の部材の寿命の向上、生産性の向上を図りながら、ブレの発生を抑制することができる。
なお、制御部50は、転写材Sの情報と、ブレの検知結果と、をひも付けして、制御部50の記憶素子などの記憶手段に格納し、ブレが発生しやすい転写材Sと、ブレが発生しにくい転写材Sとで、制御を変えることができる。制御部50は、転写材Sの情報を、実施例1で説明したのと同様にして取得することができる。そして、例えば、ブレが発生しやすい転写材Sとして記憶されたものと同種の転写材Sにブラック単色画像を印刷する場合には、ブレの検知を省略して、実施例1、2と同様にして画像データに応じてブレ改善モードで印刷することができる。一方、例えば、ブレが発生しにくい転写材Sとして記憶されたものと同種の転写材Sにブラック単色画像を印刷する場合には、画像データによらず通常の単色モードで印刷したり、本実施例のようにブレの検知結果を用いた制御を行ったりすることができる。このような制御を行うことで、より一層の部材の寿命の向上、生産性の向上を図りながら、ブレの発生を抑制することができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、画像形成装置には画像形成部が4つ設けられていたが、画像形成部の数はこれに限定されるものではなく、より多くてもよいし(例えば6つ)、より少なくともよい(例えば3つ)。
また、上述の実施例では、ブレ改善第一のモードでは、画像形成装置が備える全ての像担持体が中間転写体に当接したが、これに限定されるものではない。通常の単色モードよりも中間転写体に当接する像担持体の数を多くして、通常の単色モードよりも中間転写体に対する拘束力を十分に大きくしてブレを抑制できればよい。したがって、ブレ改善第一のモードで中間転写体に当接する像担持体は、単色画像の形成時に画像形成に用いられない像担持体の全てであってもよいし、一部であってもよい。
また、上述の実施例では、単色モードではブラック単色画像を形成するものとして説明したが、単色モードで形成する画像はブラック画像以外の色の画像であってもよい。その場合も、ブレ改善第一のモードでは、その単色モードで画像形成に用いられない像担持体を中間転写体に当接させるようにすればよい。
1 感光ドラム
5 一次転写ローラ
8 中間転写ベルト
11 二次転写ローラ
17 定着装置
50 制御部
100 画像形成装置
5 一次転写ローラ
8 中間転写ベルト
11 二次転写ローラ
17 定着装置
50 制御部
100 画像形成装置
Claims (11)
- トナー像をそれぞれが担持する第一、第二の像担持体と、
画像情報に基づいて、前記第一、第二の像担持体のそれぞれにトナー像を形成する、第一、第二のトナー像形成部と、
前記第一、第二の像担持体にそれぞれ当接可能であり、前記第一、第二の像担持体と当接して形成する一次転写部で前記第一、第二の像担持体からそれぞれ一次転写されるトナー像を、二次転写部で転写材に二次転写するために搬送する、周回移動可能な中間転写体と、
前記第一、第二の像担持体と前記中間転写体との離接状態を、前記第一、第二の像担持体に前記中間転写体が当接した第一の離接状態と、前記第一、第二の像担持体のうち前記第二の像担持体にのみ前記中間転写体が当接した第二の離接状態と、に変更可能な離接手段と、
を有し、
前記第一、第二の像担持体にトナー像を形成可能な複数色モードと、前記第一、第二の像担持体のうち前記第二の像担持体にのみトナー像を形成可能な単色モードと、で転写材に画像を形成することが可能な画像形成装置において、
前記単色モードでの転写材に対する画像の形成を、少なくとも該転写材に転写するトナー像の前記一次転写を行う期間の前記離接状態を前記第二の離接状態とする第一のモード、又は少なくとも前記期間の前記離接状態を前記第一の離接状態とする第二のモードのいずれで実行するかを、該転写材に形成する画像の前記画像情報に基づいて切り替える制御を実行可能な制御部を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記単色モードでの転写材に対する画像の形成を、該転写材の搬送方向に関する所定の位置にトナー像が転写される場合に前記第二のモードで実行し、前記所定の位置にトナー像が転写されない場合に前記第一のモードで実行するように、前記制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- トナー像をそれぞれが担持する第一、第二の像担持体と、
画像情報に基づいて、前記第一、第二の像担持体のそれぞれにトナー像を形成する、第一、第二のトナー像形成部と、
前記第一、第二の像担持体にそれぞれ当接可能であり、前記第一、第二の像担持体と当接して形成する一次転写部で前記第一、第二の像担持体からそれぞれ一次転写されるトナー像を、二次転写部で転写材に二次転写するために搬送する、周回移動可能な中間転写体と、
前記第二の像担持体の表面の移動速度、前記中間転写体の表面の移動速度、及び転写材の搬送速度の設定を、第一の速度設定と、前記第一の速度設定よりも前記第二の像担持体の表面の移動速度、前記中間転写体の表面の移動速度、及び転写材の搬送速度がそれぞれ小さい第二の速度設定と、に変更可能な速度変更手段と、
を有し、
前記第一、第二の像担持体にトナー像を形成可能な複数色モードと、前記第一、第二の像担持体のうち前記第二の像担持体にのみトナー像を形成可能な単色モードと、で転写材に画像を形成することが可能な画像形成装置において、
前記単色モードでの転写材に対する画像の形成を、少なくとも該転写材に転写するトナー像の前記一次転写を行う期間の前記速度設定を前記第一の速度設定とする第一のモード、又は少なくとも前記期間の前記速度設定を前記第二の速度設定とする第二のモードのいずれで実行するかを、該転写材に形成する画像の前記画像情報に基づいて切り替える制御を実行可能な制御部を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記単色モードでの転写材に対する画像の形成を、該転写材の搬送方向に関する所定の位置にトナー像が転写される場合に前記第二のモードで実行し、前記所定の位置にトナー像が転写されない場合に前記第一のモードで実行するように、前記制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- トナー像をそれぞれが担持する第一、第二の像担持体と、
画像情報に基づいて、前記第一、第二の像担持体のそれぞれにトナー像を形成する、第一、第二のトナー像形成部と、
前記第一、第二の像担持体にそれぞれ当接可能であり、前記第一、第二の像担持体と当接して形成する一次転写部で前記第一、第二の像担持体からそれぞれ一次転写されるトナー像を、二次転写部で転写材に二次転写するために搬送する、周回移動可能な中間転写体と、
前記第一、第二の像担持体と前記中間転写体との離接状態を、前記第一、第二の像担持体に前記中間転写体が当接した第一の離接状態と、前記第一、第二の像担持体のうち前記第二の像担持体にのみ前記中間転写体が当接した第二の離接状態と、に変更可能な離接手段と、
前記第二の像担持体の表面の移動速度、前記中間転写体の表面の移動速度、及び転写材の搬送速度の設定を、第一の速度設定と、前記第一の速度設定よりも前記第二の像担持体の表面の移動速度、前記中間転写体の表面の移動速度、及び転写材の搬送速度がそれぞれ小さい第二の速度設定と、に変更可能な速度変更手段と、
を有し、
前記第一、第二の像担持体にトナー像を形成可能な複数色モードと、前記第一、第二の像担持体のうち前記第二の像担持体にのみトナー像を形成可能な単色モードと、で転写材に画像を形成することが可能な画像形成装置において、
前記単色モードでの転写材に対する画像の形成を、少なくとも該転写材に転写するトナー像の前記一次転写を行う期間の前記離接状態を前記第二の離接状態、前記速度設定を前記第一の速度設定とする第一のモード、少なくとも前記期間の前記離接状態を前記第一の離接状態、前記速度設定を前記第一の速度設定とする第二のモード、又は少なくとも前記期間の前記離接状態を前記第二の状態、前記速度設定を前記第二の速度設定とする第三のモードのいずれで実行するかを、該転写材に形成する画像の前記画像情報に基づいて切り替える制御を実行可能な制御部を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記単色モードでの転写材に対する画像の形成を、該転写材の搬送方向に関する所定の位置にトナー像が転写される場合に前記第二のモード又は前記第三のモードで実行し、前記所定の位置にトナー像が転写されない場合に前記第一のモードで実行するように、前記制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、複数の転写材に前記単色モードで画像を形成する場合に、該複数の転写材のうち搬送方向に関する前記所定の位置にトナー像が転写される転写材に対する画像の形成を、前記第二のモード及び前記第三のモードのうち、該複数の転写材に画像を形成するのに要する時間が短くなる方で実行することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、複数の転写材に前記単色モードで画像を形成する場合に、先行して画像が形成される先行の転写材がある場合に、該先行の転写材よりも後に画像が形成される後続の転写材に関して前記制御を行い、前記先行の転写材に対する画像の形成は前記第一のモードで実行することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 転写材に形成された画像を読み取る画像読み取り手段を有し、
前記制御部は、複数の転写材に前記単色モードで画像を形成する場合に、該複数の転写材のうち少なくとも1つの先行の転写材に形成された画像の前記画像読み取り手段による読み取り結果と、該複数の転写材のうち前記先行の転写材よりも後に画像が形成される後続の転写材に形成する画像の前記画像情報と、に基づいて、該後続の転写材に関して前記制御を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記第一のモードで画像が形成された前記先行の転写材に関する前記読み取り結果が示す画像と、該先行の転写材に形成する画像の前記画像情報と、に所定の差分がある場合に、前記後続の転写材に関して前記制御を行い、該所定の差分がない場合には前記後続の転写材に対する画像の形成を前記第一のモードで実行することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記第一の像担持体は複数であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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