JP2021042828A - スプール弁装置 - Google Patents

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Satoshi Yabushita
聡 藪下
貴志 高井
Takashi Takai
貴志 高井
博英 村上
Hirohide Murakami
博英 村上
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Abstract

【課題】流体の通過が開始する際のスプール弁体の安定した移動が可能となるスプール弁装置を提供すること。【解決手段】スプール弁装置1は、ボディ2と、スプール弁体4と有する。流路3は、プール弁体4が軸O3X方向に沿って移動可能に収納される弁体収納部31と、弁体収納部31の軸O3X方向の途中に設けられたグルーブ32と、グルーブ32を介して弁体収納部31とつながるポート33とを備える。スプール弁体4は、シャフト部41と、シャフト部41の軸O3X方向の途中に設けられたランド部42Bと、ランド部42Bの軸O3X方向一方側の面421に設けられ、傾斜部431を有する環状溝43とを備える。軸O3X方向において、ランド部42Bの面421と、ポート33の点O421、点O331同士の位置が一致した際、傾斜部431の傾斜方向に沿った径方向外側に向かう延長線L431がグルーブ32の内周部321と交差する。【選択図】図3

Description

本発明は、スプール弁装置に関する。
従来から、スプール式の方向切換弁を備える油圧システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の油圧システムは、軸方向に沿って設けられたスプール孔と、スプール孔から外径方向に向かって設けられたアクチュエータ通路とを有する弁本体と、スプール孔内を軸方向に沿って移動可能なスプールとを備える。油圧システムは、スプールの移動により、スプール孔とアクチュエータ通路との間の開状態と閉状態とが切り換わり、よって、作動油の通過と通過停止とを制御することができる。
また、スプール孔は、アクチュエータ通路とつながる部分に、外径が拡径した拡径部を有する。拡径部が設けられることにより、閉状態から開状態となって、作動油がスプール孔からアクチュエータ通路に流れ始める初期段階で、作動油の流量を高めることができる。
特開2017−067282号公報
しかしながら、特許文献1に記載の油圧システムでは、前記のように初期段階での作動油の流量が高められるが、開状態となっているスプールには、閉状態に戻そうとする力が作用して、スプールの動作が安定しないという問題があった。
本発明の目的は、流体の通過が開始する際のスプール弁体の安定した移動が可能となるスプール弁装置を提供することにある。
本発明のスプール弁装置の一つの態様は、流体が通過する流路を有するボディと、前記流路に設けられ、該流路における前記流体の通過と通過停止と切り換えるスプール弁体と有し、前記流路は、軸方向に沿って設けられ、前記スプール弁体が軸方向に沿って移動可能に収納される弁体収納部と、前記弁体収納部の前記軸方向の途中に、前記弁体収納部の内周部全周にわたって凹んで設けられたグルーブと、軸方向と直交する方向に沿って設けられ、前記グルーブを介して前記弁体収納部とつながるポートとを備え、前記スプール弁体は、軸方向と平行に配置された柱状をなすシャフト部と、前記シャフト部の前記軸方向の途中に、前記シャフト部の外周部全周にわたって突出して設けられたランド部と、前記ランド部の軸方向一方側の面に、前記シャフト部の外周部全周に沿って設けられ、軸方向他方側に向かって凹む環状溝であって、軸方向と直交する径方向外側が軸方向に対して傾斜した傾斜部を有する環状溝とを備え、軸方向において、前記ランド部の軸方向一方側の面と、前記ポートの内周部との軸方向で最も一方側の点同士の位置が一致した際、軸方向に沿った断面で、前記傾斜部の傾斜方向に沿った径方向外側に向かう延長線が前記グルーブの内周部と交差することを特徴とする。
本発明のスプール弁装置の一つの態様によれば、流体の通過が開始する際のスプール弁体の安定した移動が可能となる。
図1は、本発明のスプール弁装置の実施形態を示す縦断面図である。 図2は、図1に示すスプール弁装置が有するスプール弁体の移動過程を順に示す縦断面図(図1中の二点鎖線で囲まれた領域[A]の拡大図)である。 図3は、図1に示すスプール弁装置が有するスプール弁体の移動過程を順に示す縦断面図(図1中の二点鎖線で囲まれた領域[A]の拡大図)である。 図4は、図1に示すスプール弁装置が有するスプール弁体の移動過程を順に示す縦断面図(図1中の二点鎖線で囲まれた領域[A]の拡大図)である。 図5は、図1に示すスプール弁装置における電流値と圧力値との関係を示すグラフである。 図6は、従来のスプール弁装置の実施形態を示す縦断面図である。 図7は、図6に示すスプール弁装置における電流値と圧力値との関係を示すグラフである。
以下、本発明のスプール弁装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図7を参照して本発明の切換弁の実施形態について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する2軸をX軸およびY軸を設定する。X軸と平行な方向を「軸方向(軸O3X方向)」と言い、この軸を中心とする径方向を単に「径方向」と言い、前記軸を中心とする周方向を単に「周方向」と言うことがある。また、X軸方向正側を「軸方向一方側」または単に「一方側」と言い、X軸方向負側を「軸方向他方側」または単に「他方側」と言うことがある。本明細書中において、上下方向、水平方向、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
図1に示すように、スプール弁装置1は、ソレノイド装置9に連結して用いられる。そして、スプール弁装置1とソレノイド装置9とが連結されて、切換装置10を構成する。切換装置10は、例えば自動車に搭載され、流体Qの通過と遮断とを切り換える切換装置として用いられる。
まず、ソレノイド装置9について説明する。ソレノイド装置9は、ボビン91と、プランジャ92と、コイル93と、ケース94と、コア95と、ヨーク96とを有する。
ボビン91は、貫通孔911を有する筒状の部材である。貫通孔911は、X軸方向と平行な軸O3X方向に沿って貫通する。また、貫通孔911の内径は、軸O3X方向に沿って一定である。ボビン91は、一方側で、径方向に突出したフランジ912と、他方側で、径方向に突出したフランジ913とを有する。ボビン91は、例えば、ポリエステル樹脂やポリイミド樹脂等の各種熱硬化性樹脂で構成される。
ボビン91の外周部914には、導電性を有するコイル93が巻回される。そして、コイル93を通電状態とすることにより、コア95とヨーク96とで磁気回路90が構成されて、磁力を生じさせることができる。これにより、プランジャ92を、後述するスプール弁装置1のスプール弁体4ごと、軸O3X方向に沿って移動させることができる。なお、磁気回路90の磁力によるプランジャ92の移動方向は、本実施形態では、X軸方向負側である。この場合、プランジャ92のX軸方向正側へ移動は、スプール弁装置1のバネ5の付勢力が担う。
ボビン91の貫通孔911には、コア95とヨーク96とが挿入され、さらに内側にプランジャ92が挿入される。
コア95は、X軸方向負側(軸O3X方向他方側)に配置され、ヨーク96は、X軸方向正側(軸O3X方向一方側)に配置される。
コア95は、全体として円筒状であり、X軸方向と平行に配置される。また、ヨーク96も、全体として円筒状であり、X軸方向と平行に配置される。コア95およびヨーク96は、鉄等のような磁性材からなる、すなわち、磁性を有する金属材料で構成される。これにより、プランジャ92を十分に移動させることができる程度の磁気回路90を生じさせることができる。
また、ソレノイド装置9は、貫通孔911内で、コア95とヨーク96とを離間させた状態で連結する連結部材97を備える。連結部材97は、円筒状であり、内側にコア95の一端部とヨーク96の他端部とが嵌め込まれる。
プランジャ92は、コア95とヨーク96とにまたがって配置され、軸O3X方向に沿って一方側と他方側とに交互に移動可能、すなわち、往復動可能に支持される。
プランジャ92は、円筒状のプランジャ本体921と、プランジャ本体921の他方側に固定されたプランジャピン922を有する。また、プランジャ92は、コア95内では、プランジャピン922が2つのブッシュ98によって支持され、ヨーク96内では、プランジャ本体921がヨーク96によって支持される。これにより、プランジャ92は、円滑に往復動することができる。
ケース94は、ボビン91、プランジャ92、コイル93、コア95およびヨーク96を収納する。ケース94は、ケース本体941と、リング部材942とを有する。
ケース本体241は、有底筒状である。すなわち、ケース本体241は、X軸方向負側が開口する開口部943と、X軸方向正側を閉塞させる壁部944とを有する筒状の部材である。開口部943側には、リング部材942が配置される。リング部材942には、コア95が嵌め込まれて、位置決めされる。また、壁部944には、ヨーク96が接して、位置決めされる。
次に、スプール弁装置1について説明する。図1に示すように、スプール弁装置1は、ボディ2と、スプール弁体4と、バネ5と、バネ座部材6とを有する。
ボディ2は、流体Qが通過する流路3を有する、柱状をなす中空の部材で構成される。ボディ2は、一方側がケース本体941の開口部943に挿入される。そして、ケース本体941でのカシメにより、ボディ2を固定することができる。これにより、スプール弁装置1とソレノイド装置9とが連結される。
流路3には、スプール弁体4が設けられる。スプール弁体4は、軸O3X方向に沿って移動して、流路3における流体Qの通過と通過停止と切り換えることができる。これにより、流体Qの圧力が調整される。
スプール弁体4の他方側には、バネ5が配置される。バネ5は、スプール弁体4をX軸方向正側に向かって付勢するコイルバネである。
バネ座部材6は、ボディ2の他方側に固定される。バネ座部材6は、有底筒状をなし、外周部に雄ネジ61が設けられる。また、ボディ2には、雄ネジ61がねじ込まれる雌ネジ29が設けられる。そして、雄ネジ61と雌ネジ29とが噛み合うことにより、バネ座部材6がボディ2に固定される。また、バネ座部材6の底部62には、バネ5の他端部52が接する。一方、バネ5の一端部51は、スプール弁体4に接する。これにより、バネ5は、バネ座部材6とスプール弁体4との間で圧縮状態となり、スプール弁体4をX軸方向正側に向かって付勢することができる。これにより、スプール弁体4がX軸方向正側に向かって移動することができる。なお、スプール弁体4をX軸方向負側に向かって移動させるには、バネ5の付勢力に抗して、前述した磁気回路90による磁力でプランジャ92をX軸方向負側に向かって移動させればよい。
また、バネ5の内側には、スプール弁体4を案内する円柱状をなすガイド部8が配置される。ガイド部8は、一方側がスプール弁体4に摺動可能に挿入されており、他方側がバネ座部材6に支持、固定される。これにより、スプール弁体4が軸O3X方向に沿って安定して移動することができる。
図1に示すように、流路3は、弁体収納部31と、複数のグルーブ32と、複数のポート33とを備える。
弁体収納部31は、ボディ2を軸O3X方向(X軸方向)に沿って貫通して設けられる。弁体収納部31の内径は、軸O3X方向に沿って一定である。そして、弁体収納部31には、スプール弁体4が軸O3X方向に沿って移動可能に収納される。なお、弁体収納部31での流体Qの流れ方向は、一例としてX軸方向正側から負側に向かっているが、これに限定されない。
弁体収納部31の軸O3X方向の途中には、複数のグルーブ32が軸O3X方向に間隔を置いて設けられる。本実施形態では、グルーブ32は、3つ設けられており、X軸方向正側から順に、「グルーブ32A」、「グルーブ32B」、「グルーブ32C」という。なお、グルーブ32の配置数は、3つに限定されず、例えば、1つ、2つまたは4つ以上であってもよい。
各グルーブ32は、弁体収納部31の内周部311全周にわたって凹んだ凹部である。すなわち、各グルーブ32は、弁体収納部31の内周部311から内径が拡径して設けられた拡径部である。
また、各グルーブ32には、複数のポート33が軸O3X回りに間隔を置いて設けられる。本実施形態では、ポート33が各グルーブ32に2つずつ設けられる。グルーブ32Aに設けられたポート33を「ポート33A1」、「ポート33A2」という。グルーブ32Bに設けられたポート33を「ポート33B1」、「ポート33B2」という。グルーブ32Cに設けられたポート33を「ポート33C1」、「ポート33C2」という。なお、各グルーブ32に設けられるポート33の配置数は、2つに限定されず、例えば、1つまたは3以上であってもよい。
各ポート33は、軸O3X方向と直交する方向(Y軸方向)に沿って設けられる。また、各ポート33は、当該ポート33が設けられたグルーブ32を介して弁体収納部31とつながる。これにより、流体Qは、弁体収納部31、グルーブ32、ポート33を順に通過することができる(図4参照)。
また、ボディ2の外周部には、複数のシール部材7が軸O3X方向に間隔を置いて配置される。本実施形態では、シール部材7は、4つ設けられており、X軸方向正側から順に、「シール部材7A」、「シール部材7B」、「シール部材7C」、「シール部材7D」という。
シール部材7Aとシール部材7Bとの間には、ポート33A1およびポート33A2が配置される。シール部材7Bとシール部材7Cとの間には、ポート33B1およびポート33B2が配置される。シール部材7Cとシール部材7Dとの間には、ポート33C1およびポート33C2が配置される。そして、各シール部材7は、弾性を有するリング状の部材であり、流体Qの漏れを防止することができる。
なお、シール部材7の配置数は、4つに限定されず、グルーブ32の配置数に応じて適宜変更される。
図1に示すように、スプール弁体4は、シャフト部41と、複数のランド部42とを備える。
シャフト部41は、軸O3X方向と平行に配置された柱状をなす。また、シャフト部41の外径は、軸O3X方向に沿って一定である。
シャフト部41の外周部411には、複数のランド部42が軸O3X方向に間隔を置いて配置される。各ランド部42は、シャフト部41の外周部411全周にわたって径方向に突出して設けられた突出部である。すなわち、各ランド部42は、シャフト部41の外周部411から外径が拡径して設けられた拡径部である。本実施形態では、ランド部42は、3つ設けられており、X軸方向正側から順に、「ランド部42A」、「ランド部42B」、「ランド部42C」という。
ランド部42Aは、シャフト部41の最も一方側に位置する。ランド部42Aは、スプール弁体4が軸O3X方向に沿って移動した際、グルーブ32Aを開閉することができる。これにより、弁体収納部31と、ポート33A1およびポート33A2との間での流体Qの行き来(通過および通過停止)が制御される。
ランド部42Bは、シャフト部41の軸O3X方向の途中に位置する。ランド部42Bは、スプール弁体4が軸O3X方向に沿って移動した際、グルーブ32Bを開閉することができる。これにより、弁体収納部31と、ポート33B1およびポート33B2との間での流体Qの行き来が制御される。
ランド部42Cは、シャフト部41の最も他方側に位置する。ランド部42Cは、スプール弁体4が軸O3X方向に沿って移動した際、グルーブ32Cを開閉することができる。これにより、弁体収納部31と、ポート33C1およびポート33C2との間での流体Qの行き来が制御される。また、ランド部42Cは、バネ5の一端部51が接してバネ座としても機能する。
また、図2に示すように、ランド部42の径方向に沿った突出量P42は、グルーブ32の径方向に沿った深さD32よりも大きい。これにより、例えば、グルーブ32が過剰に深くなるのを防止することができ、よって、スプール弁装置1の小型化に寄与する。
なお、ランド部42の配置数は、3つに限定されず、グルーブ32の配置数に応じて適宜変更される。
スプール弁装置1では、ランド部42が設けられることにより、スプール弁体4が閉状態から開状態となって、流体Qが弁体収納部31から各ポート33に流れ始める初期段階で、流体Qの流量を高めることができる。
しかしながら、初期段階での流体Qの流量が高められるが、開状態となっているスプール弁体4には、当該スプール弁体4を閉状態に戻そうとするX軸方向正側への力F1が作用して、スプール弁体4の動作が不安定となる不具合が生じるおそれがあった。
そこで、スプール弁装置1では、前記不具合を解消するよう構成される。以下、前記不具合を解消する構成および作用について説明する。
図2〜図4に示すように、ランド部42Bには、環状溝43が設けられる。環状溝43は、本実施形態ではランド部42Bに設けられているが、例えば、ランド部42Aおよびランド部42Cにも設けられていてもよい。なお、図2に示す状態は、スプール弁体4の全閉状態を示し、図3に示す状態は、スプール弁体4の半開状態を示し、図4に示す状態は、スプール弁体4の全開状態を示す。
環状溝43は、ランド部42Bの一方側(X軸方向正側)の仮想の基準面である面421に設けられる。環状溝43は、他方側(X軸方向負側)に向かって凹む。また、環状溝43は、シャフト部41の外周部411全周に沿って設けられる。環状溝43は、シャフト部41側周縁が断面円弧状に傾斜し、環状溝43の最深部432から径方向外側が軸O3X方向他方側に向かって傾斜している。これにより、ランド部42Bよりも一方側で流体Qがランド部42Bに向かって流れてきた際、図3に示すように、流体Qは、環状溝43に衝突して、グルーブ32Bの内周部321側に向かって方向転換する。従って、環状溝43は、流体Qを方向転換させる方向転換部として機能する。
環状溝43は、軸O3X方向と直交する径方向外側が軸O3X方向に対して傾斜した傾斜部431を有する。また、スプール弁体4が図2に示す状態から図4に示す状態に移動する過程で、図3に示す状態となるタイミングがある。図3に示す状態では、軸O3X方向において、ランド部42の面421上にある点O421と、ポート33B1の最小内径となる内周部331上にある点O331との位置が一致する。点O421は、面421の軸O3X方向で最も一方側の点である。点O331は、内周部331の軸O3X方向で最も一方側の点である。
そして、点O421と点O331との位置が一致した際、軸O3X方向に沿った断面で、傾斜部431の傾斜方向に沿った径方向外側に向かう延長線L431がグルーブ32の内周部321と交差する。これにより、環状溝43で方向転換させた流体Qは、グルーブ32の内周部321にX軸方向負側から衝突して、内周部321から反力を受ける。流体Qが受けた反力のうちの、X軸方向負側に向かう成分は、スプール弁体4を開状態としようとする力F2となる。力F2は、力F1を打ち消す力となる、すなわち、力F2と力F1とが相殺し合う。これにより、力F1が原因でスプール弁体4の動作が不安定となるのを防止することができ、よって、スプール弁体4の安定した動作が可能となる。
傾斜部431を有する環状溝43がランド部42Bに設けられて、スプール弁体4が安定して動作する場合の、コイル93を流れる電流の大きさと、ポート33B1を通過する流体Qの圧力の大きさとの関係を図5のグラフに示す。図5のグラフからもわかるように、電流の増加に伴って、圧力も比例的に(リニアに)上昇する。
一方、ランド部42Bから、傾斜部431を有する環状溝43が省略された場合の(図6参照)、コイル93を流れる電流の大きさと、ポート33B1を通過する流体Qの圧力の大きさとの関係を図7のグラフに示す。図7のグラフからもわかるように、電流の増加に伴って、圧力も上昇するが、電流の大きさによっては、圧力が急峻に上昇する現象(図6中の一点鎖線の円で囲んだ部分)が生じる。例えば自動車の油圧回路の一部にスプール弁装置1が用いられている場合、圧力が急峻に上昇する現象は、自動車の油圧回路にとっては、好ましくはない。
以上のように、弁体収納部31からポート33B1への流体Qの通過が開始する際、すなわち、前記初期段階で、グルーブ32によって流体Qの流量を高めつつ、傾斜部431を有する環状溝43によってスプール弁体4の安定した移動が可能となる。これにより、自動車の油圧回路での流体Qに対する流量制御精度が向上する。
また、傾斜部431は、軸O3X方向に沿った断面で直線状をなす。これにより、流体Qが環状溝43により方向転換された際、流体Qは、グルーブ32Bの内周部321に迅速に衝突して、内周部321から反力である力F2を迅速に生じさせることができる。傾斜部431は、軸O3X方向に沿った断面で直線状をなすのに限定されず、例えば、円弧状に湾曲していてもよい。そして、延長線L431は、傾斜部431が直線状をなす場合には、当該直線と同様に、傾斜部431の径方向外側からそのまま伸びた直線状となるが、傾斜部431が円弧状をなす場合には、当該円弧と同様に、傾斜部431の径方向外側からそのまま伸びた円弧状となる。
図2に示すように、環状溝43の最も深い最深部(部分)432は、環状溝43の幅(Y軸方向に沿った長さ)の中央よりもシャフト部41の中心軸O41側に位置する。すなわち、最深部432からシャフト部41の外周部411までの距離L411は、最深部432からランド部42Bの外周部422までの距離L422よりも短い。また、最深部432の深さD43は、環状溝43の幅W43よりも小さい。このような大小関係により、環状溝43による流体Qの方向転換が迅速かつ過不足なく行われる。
軸O3X方向に沿った断面で、環状溝43の径方向内側に位置する内側部(部分)433は、円弧状に丸みを帯び、シャフト部41側が軸O3X方向に沿った接線L433が接する。そして、接線L433は、シャフト部41の外周部411と重なる。これにより、環状溝43による流体Qの方向転換がより迅速に行われる。
以上、本発明のスプール弁装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、スプール弁装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
10…切換装置、1…スプール弁装置、2…ボディ、29…雌ネジ、3…流路、31…弁体収納部、311…内周部、32…グルーブ、32A…グルーブ、32B…グルーブ、32C…グルーブ、321…内周部、33…ポート、33A1…ポート、33A2…ポート、33B1…ポート、33B2…ポート、33C1…ポート、33C2…ポート、331…内周部、4…スプール弁体、41…シャフト部、411…外周部、42…ランド部、42A…ランド部、42B…ランド部、42C…ランド部、421…面、422…外周部、43…環状溝、431…傾斜部、432…最深部(部分)、433…内側部(部分)、5…バネ、51…一端部、52…他端部、6…バネ座部材、7…シール部材、8…ガイド部、9…ソレノイド装置、90…磁気回路、91…ボビン、911…貫通孔、912…フランジ、913…フランジ、914…外周部、92…プランジャ、921…プランジャ本体、922…プランジャピン、93…コイル、94…ケース、941…ケース本体、942…リング部材、943…開口部、944…壁部、95…コア、96…ヨーク、97…連結部材、98…ブッシュ、F1…力、D32…深さ、D43…深さ、L431…延長線、L433…接線、O3X…軸、O331…点、O41…中心軸、O421…点、P42…突出量、Q…流体、W43…幅

Claims (7)

  1. 流体が通過する流路を有するボディと、
    前記流路に設けられ、該流路における前記流体の通過と通過停止と切り換えるスプール弁体と有し、
    前記流路は、
    軸方向に沿って設けられ、前記スプール弁体が軸方向に沿って移動可能に収納される弁体収納部と、
    前記弁体収納部の前記軸方向の途中に、前記弁体収納部の内周部全周にわたって凹んで設けられたグルーブと、
    軸方向と直交する方向に沿って設けられ、前記グルーブを介して前記弁体収納部とつながるポートとを備え、
    前記スプール弁体は、
    軸方向と平行に配置された柱状をなすシャフト部と、
    前記シャフト部の前記軸方向の途中に、前記シャフト部の外周部全周にわたって突出して設けられたランド部と、
    前記ランド部の軸方向一方側の面に、前記シャフト部の外周部全周に沿って設けられ、軸方向他方側に向かって凹む環状溝であって、軸方向と直交する径方向外側が軸方向に対して傾斜した傾斜部を有する環状溝とを備え、
    軸方向において、前記ランド部の軸方向一方側の面と、前記ポートの内周部との軸方向で最も一方側の点同士の位置が一致した際、軸方向に沿った断面で、前記傾斜部の傾斜方向に沿った径方向外側に向かう延長線が前記グルーブの内周部と交差することを特徴とするスプール弁装置。
  2. 軸方向に沿った断面で、前記傾斜部は、直線状をなす請求項1に記載のスプール弁装置。
  3. 前記環状溝の最も深い部分は、前記環状溝の幅の中央よりも前記シャフト部の中心軸側に位置する請求項1または2に記載のスプール弁装置。
  4. 前記環状溝の最も深い部分の深さは、前記環状溝の幅よりも小さい請求項1〜3のいずれか1項に記載のスプール弁装置。
  5. 軸方向に沿った断面で、前記環状溝の径方向内側の部分は、丸みを帯びる請求項1〜4のいずれか1項に記載のスプール弁装置。
  6. 軸方向に沿った断面で、前記環状溝の径方向内側の部分は、円弧状をなし、該円弧と接し、軸方向に沿った接線と、前記シャフト部の外周部とが重なる請求項5に記載のスプール弁装置。
  7. 前記ランド部の径方向に沿った突出量は、前記グルーブの径方向に沿った深さよりも大きい請求項1〜6のいずれか1項に記載のスプール弁装置。

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