JP2021041608A - ガスバリアフィルム - Google Patents
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本発明の一実施形態のガスバリアフィルムは、基材と、基材上に設けられた第1の無機酸化物層と、第1の無機酸化物層上に設けられた第2の無機酸化物層とを含む。第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計は、50nm〜300nmの範囲である。ガスバリアフィルムは、L*a*b*表色系におけるa*が−2.0〜2.0であり、b*が−2.0〜2.0である。本実施形態のガスバリアフィルムによれば、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層とがこの順で設けられている。これら第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層とがこの順で設けられていることにより、これら第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計が50nm以上の膜厚となるよう設けられる場合であっても、ガスバリアフィルムは、透明性が低下しにくい。また、このような厚膜のガスバリアフィルムは、優れたガスバリア性を示す。さらに、ガスバリアフィルムは、種々の厚みに加工される場合であっても、それぞれの厚みにおける色目の差が小さい。以下、それぞれの構成について説明する。
基材は、ガスバリアフィルムにおいて汎用されている樹脂フィルムが使用され得る。一例を挙げると、基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)等のプラスチックフィルムやプラスチックシートである。これらの中でも、基材は、プラスチックフィルムのようなフレキシブル性(柔軟性)を有する材料からなることが好ましい。これにより、ガスバリアフィルムは、たとえばディスプレイ等の電子デバイス部品や太陽電池パネル等の幅広い用途において好適に使用され得る。
下地層は、基材と、後述する第1の無機酸化物層との間に好適に設けられる層である。下地層は、基材表面を平坦化することにより、無機酸化物層に生じるピンホールなどの欠陥の生成を防ぎ、かつ、基材と第1の無機酸化物層との層間密着性を向上させるために設けられる。すなわち、たとえば、基材上に微細な付着物や突起が存在する場合等には、基材上に第1の無機酸化物層を形成すると、そのような付着物等が起点となって、ピンホールを生じる虞がある。そのため、本実施形態のガスバリアフィルムは、下地層が形成されることにより、もし仮に基材上に微細な付着物や突起が存在する場合であっても、そのような付着物や表面の粗れの影響で欠陥が生じることが防がれやすい。その結果、得られるガスバリアフィルムは、より優れたガスバリア性を示す。
第1の無機酸化物層は、基材上に設けられる層である。第1の無機酸化物層は特に限定されない。一例を挙げると、第1の無機酸化物層は、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含む酸化膜(以下、AZO酸化膜ともいう)であることが好ましい。第1の無機酸化物層は、屈折率は特に限定されない。一例を挙げると、第1の無機酸化物層の屈折率は、1.59〜1.80であることが好ましく、1.70〜1.83であることがより好ましい。
第2の無機酸化物層は、第1の無機酸化物層上に設けられる層である。第2の無機酸化物層は、特に限定されない。一例を挙げると、第2の無機酸化物層は、スズ酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含む酸化膜(以下、ZTO酸化膜ともいう)であることが好ましい。第2の無機酸化物層は、特に限定されない。一例を挙げると、屈折率は、1.8〜2.1であることが好ましい。
PETフィルム(厚み:125μm)を基材とし、基材上に、下地層として有機無機複合層(NH−1000G:日本曹達(株)製)を、ウェットコーティング法で塗工した。以下に示される測定方法により下地層の表面粗度(Rp)、無機成分の量を測定した。次いで、下地層を設けた基材に、ArガスとO2ガスの導入量比率が9.0:1.0であり、成膜圧力が0.14Paであり、投入電力密度が3.3W/cm2となる条件で反応性スパッタリングを行い、第1の無機酸化物層として、厚み45nmとなるようAZO膜(屈折率:1.75)を形成した。AZO膜におけるシリコン酸化物の含有量は18.7質量%であり、アルミニウム酸化物の含有量は1.8質量%であり、残部は亜鉛酸化物であった。次いで、第1の無機酸化物層に、ArガスとO2ガスの導入量比率が19.0:1.0であり、成膜圧力が0.12Paであり、投入電力密度が3.3W/cm2となる条件で反応性スパッタリングを行い、第2の無機酸化物層として、厚み9nmとなるようZTO膜(屈折率:2.01)を形成し、ガスバリアフィルムを作製した。ZTO膜におけるスズ酸化物の含有量は21.1質量%であり、残部は亜鉛酸化物であった。
表面粗度Rpは、AFM(SPM−9700、(株)島津製作所製)、プローブ(NCHR−20、NanoWorld社製)を用いて、ダイナミックモードで、下地層表面の10μm×10μmの範囲について測定し、最大山高さ(Rp)を算出することにより測定した。
下地層のうち、第1の無機酸化物層が形成される面における無機成分の量を測定した。
具体的には、第1の無機酸化物層と接する側の表面から基材側に向けて、X線光電子分光法(XPS)により下地層の厚み方向における、下地層の無機成分の量を測定した。XPSの測定は、X線光電子分光分析装置(PHI5000 VersaProbe2、アルバック・ファイ社製)を用いて測定した。
表1に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、ガスバリアフィルムを作製した。なお、表1中、無機層は、パーヒドロポリシラザンやシランカップリング剤などから形成されるSiOx層を示す。また、比較例7〜8のガスバリアフィルムは、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との積層順序を逆にしたもの(すなわち、下地層を形成した基材、第2の無機酸化物層、第1の無機酸化物層の順で積層したもの)である。
水蒸気透過率(%)は、「差圧法(ISO 15106−5)」により測定した。
JIS Z 8729に準拠し、分光光度計(SolidSpec−3700、(株)島津製作所製)を用いてL*a*b*表色系におけるa*およびb*を測定した。
Claims (7)
- 基材と、前記基材上に設けられた第1の無機酸化物層と、前記第1の無機酸化物層上に設けられた第2の無機酸化物層とを含み、
前記第1の無機酸化物層と前記第2の無機酸化物層との厚みの合計は、50nm以上であり、
L*a*b*表色系におけるa*が−2.0〜2.0であり、b*が−2.0〜2.0である、ガスバリアフィルム。 - 前記第1の無機酸化物層は、
シリコン酸化物、アルミニウム酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含み、
屈折率が1.59〜1.90であり、
前記第1の無機酸化物層における前記シリコン酸化物の含有量は、5.0〜35.0質量%であり、
前記第1の無機酸化物層における前記アルミニウム酸化物の含有量は、0.5〜5.0質量%である、請求項1記載のガスバリアフィルム。 - 前記第2の無機酸化物層は、
スズ酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含み、
屈折率が1.80〜2.10であり、
前記第2の無機酸化物層における前記スズ酸化物の含有量は、10.0〜40.0質量%である、請求項1または2記載のガスバリアフィルム。 - 水蒸気透過率が、1×10-3(g/m2/日)未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記基材と前記第1の無機酸化物層との間に、下地層が設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記下地層は、有機無機複合酸化物を含む、請求項5記載のガスバリアフィルム。
- 前記下地層は、前記第1の無機酸化物層と接する側の表面から前記基材側に向けて、X線光電子分光法(XPS)により前記下地層の厚み方向における、前記下地層の無機成分を測定する場合において、前記第1の無機酸化物層と接する側の表面における無機成分の濃度が50質量%以上である、請求項6記載のガスバリアフィルム。
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JP2013226829A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-11-07 | Mitsubishi Plastics Inc | ガスバリア性フィルム及びその製造方法、並びにガスバリア性積層体 |
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JP2019089269A (ja) * | 2017-11-15 | 2019-06-13 | 尾池工業株式会社 | ガスバリアフィルム |
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