JP2021041608A - ガスバリアフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたガスバリア性および光学特性を示すガスバリアフィルムを提供する。【解決手段】基材と、基材上に設けられた第1の無機酸化物層と、第1の無機酸化物層上に設けられた第2の無機酸化物層とを含み、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計は、50nm〜300nmであり、L*a*b*表色系におけるa*が−2.0〜2.0であり、b*が−2.0〜2.0である、ガスバリアフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリアフィルムに関する。より詳細には、本発明は、優れたガスバリア性および光学特性を示すガスバリアフィルムに関する。
従来、食品、医療品などの包装材や、ディスプレイ装置、太陽電池等の電子デバイス部材として、プラスチックフィルム等を基材としたガスバリアフィルムが使用されている。ガスバリアフィルムは、酸素、水蒸気等のガスを遮断するために、金属や金属酸化物からなるガスバリア層が形成されている。特に、電子デバイス部材の用途では、優れた透明性およびガスバリア性が要求される。
そのような透明性とガスバリア性を両立させるためのガスバリアフィルムとして、特許文献1には、所定の膜厚を有する第1の金属酸化膜、第2の金属酸化膜および第3の金属酸化膜を含むガスバリアフィルムが開示されている。
特許第6437080号公報
しかしながら、特許文献1に記載のガスバリアフィルムにおいて、第3の金属酸化膜は、シリコン酸化物からなる。シリコン酸化物膜は、膜厚が大きくなると、膜応力によってクラックを生じる場合がある。そのため、特許文献1に記載のガスバリアフィルムは、膜厚を大きくすることが難しく、得られるガスバリア性には改善の余地があった。また、第1の金属酸化膜および第2の金属酸化膜として使用されている亜鉛系酸化物(ZTO、AZO等)は、膜厚を大きくすると、透明性が低下しやすい。
本発明は、このような従来の発明に鑑みてなされたものであり、優れたガスバリア性および光学特性を示すガスバリアフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、基材上に、所定の屈折率を示す第1の無機酸化物層および第2の無機酸化物層を順に積層し、かつ、第1の無機酸化物層としてシリコン酸化物、アルミニウム酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含み、第2の無機酸化物層としてスズ酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含み、これらの厚みの合計を50nm〜300nmとすることにより、優れたガスバリア性を示し、かつ、厚みを大きくした場合における色目の変化が小さく、光学特性が優れたガスバリアフィルムが得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、上記課題を解決する本発明のガスバリアフィルムには、以下の構成が主に含まれる。
(1)基材と、前記基材上に設けられた第1の無機酸化物層と、前記第1の無機酸化物層上に設けられた第2の無機酸化物層とを含み、前記第1の無機酸化物層と前記第2の無機酸化物層との厚みの合計は、50nm〜300nmあり、L*a*b*表色系におけるa*が−2.0〜2.0であり、b*が−2.0〜2.0である、ガスバリアフィルム。
このような構成によれば、ガスバリアフィルムは、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層とがこの順で設けられている。これら第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層とがこの順で設けられていることにより、これら第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計が50nm〜300nmの範囲では、ガスバリアフィルムは、透明性が低下しにくい。また、このような厚膜のガスバリアフィルムは、優れたガスバリア性を示す。さらに、ガスバリアフィルムは、種々の厚みに加工される場合であっても、それぞれの厚みにおける色目の差が小さい。
(2)前記第1の無機酸化物層は、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含み、屈折率が1.70〜1.83であり、前記第1の無機酸化物層における前記シリコン酸化物の含有量は、16.2〜30.4質量%であり、前記第1の無機酸化物層における前記アルミニウム酸化物の含有量は、1.8〜3.6質量%である、(1)記載のガスバリアフィルム。
このような構成によれば、ガスバリアフィルムは、所定の屈折率を示し、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含む第1の無機酸化物層で設けられている。これにより、これら第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計が50nm以上の膜厚となるよう設けられる場合であっても、ガスバリアフィルムは、透明性が低下しにくい。また、このような厚膜のガスバリアフィルムは、より優れたガスバリア性を示す。さらに、ガスバリアフィルムは、種々の厚みに加工される場合であっても、それぞれの厚みにおける色目の差が小さい。
(3)前記第2の無機酸化物層は、スズ酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含み、屈折率が1.86〜2.03であり、前記第2の無機酸化物層における前記スズ酸化物の含有量は、13.4〜27.5質量%である、(1)または(2)記載のガスバリアフィルム。
このような構成によれば、ガスバリアフィルムは、所定の屈折率を示し、スズ酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含む第2の無機酸化物層で設けられている。これにより、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計が50nm〜300nmの範囲では、ガスバリアフィルムは、透明性が低下しにくい。また、このような厚膜のガスバリアフィルムは、より優れたガスバリア性を示す。さらに、ガスバリアフィルムは、種々の厚みに加工される場合であっても、それぞれの厚みにおける色目の差が小さい。
(4)水蒸気透過率が、1×10-3(g/m2/日)未満である、(1)〜(3)のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
このような構成によれば、ガスバリアフィルムは、特に水蒸気に対する優れたガスバリア性を発揮し得る。
(5)前記基材と前記第1の無機酸化物層との間に、下地層が設けられている、(1)〜(4)のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
このような構成によれば、基材の表面が平坦化されやすい。第1の無機酸化物層は、下地層によって平坦化された基材上に形成される。その結果、ガスバリアフィルムは、基材層と第1の無機酸化物層との層間密着性が優れる。また、ガスバリアフィルムは、より優れたガスバリア性を示す。
(6)前記下地層は、有機無機複合酸化物を含む、(5)記載のガスバリアフィルム。
このような構成によれば、ガスバリアフィルムは、基材層と第1の無機酸化物層との層間密着性が優れる。また、ガスバリアフィルムは、より優れたガスバリア性を示す。
(7)前記下地層は、前記第1の無機酸化物層と接する側の表面から前記基材側に向けて、X線光電子分光法(XPS)により前記下地層の厚み方向における、前記下地層の無機成分を測定する場合において、前記第1の無機酸化物層と接する側の表面における無機成分の濃度が50質量%以上である、(6)記載のガスバリアフィルム。
このような構成によれば、下地層の表面に多く存在する無機成分によって、下地層の表面は第1の無機酸化物層を積層する時のプラズマ環境に優れた耐性を持ち、その上に形成される第1の無機酸化物層との密着性にも優れる。その結果、ガスバリアフィルムは、基材層と第1の無機酸化物層との層間密着性がより優れる。また、ガスバリアフィルムは、さらに優れたガスバリア性を示す。
本発明によれば、優れたガスバリア性および光学特性を示すガスバリアフィルムを提供することができる。
<ガスバリアフィルム>
本発明の一実施形態のガスバリアフィルムは、基材と、基材上に設けられた第1の無機酸化物層と、第1の無機酸化物層上に設けられた第2の無機酸化物層とを含む。第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計は、50nm〜300nmの範囲である。ガスバリアフィルムは、L*a*b*表色系におけるa*が−2.0〜2.0であり、b*が−2.0〜2.0である。本実施形態のガスバリアフィルムによれば、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層とがこの順で設けられている。これら第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層とがこの順で設けられていることにより、これら第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計が50nm以上の膜厚となるよう設けられる場合であっても、ガスバリアフィルムは、透明性が低下しにくい。また、このような厚膜のガスバリアフィルムは、優れたガスバリア性を示す。さらに、ガスバリアフィルムは、種々の厚みに加工される場合であっても、それぞれの厚みにおける色目の差が小さい。以下、それぞれの構成について説明する。
(基材)
基材は、ガスバリアフィルムにおいて汎用されている樹脂フィルムが使用され得る。一例を挙げると、基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)等のプラスチックフィルムやプラスチックシートである。これらの中でも、基材は、プラスチックフィルムのようなフレキシブル性(柔軟性)を有する材料からなることが好ましい。これにより、ガスバリアフィルムは、たとえばディスプレイ等の電子デバイス部品や太陽電池パネル等の幅広い用途において好適に使用され得る。
基材の厚みは特に限定されない。一例を挙げると、基材の厚みは、12μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。また、基材の厚みは、200μm以下であることが好ましく、125μm以下であることがより好ましい。基材の厚みが上記範囲内であることにより、得られるガスバリアフィルムは、適度な剛性や強度を示し得る。
(下地層)
下地層は、基材と、後述する第1の無機酸化物層との間に好適に設けられる層である。下地層は、基材表面を平坦化することにより、無機酸化物層に生じるピンホールなどの欠陥の生成を防ぎ、かつ、基材と第1の無機酸化物層との層間密着性を向上させるために設けられる。すなわち、たとえば、基材上に微細な付着物や突起が存在する場合等には、基材上に第1の無機酸化物層を形成すると、そのような付着物等が起点となって、ピンホールを生じる虞がある。そのため、本実施形態のガスバリアフィルムは、下地層が形成されることにより、もし仮に基材上に微細な付着物や突起が存在する場合であっても、そのような付着物や表面の粗れの影響で欠陥が生じることが防がれやすい。その結果、得られるガスバリアフィルムは、より優れたガスバリア性を示す。
下地層の構成は特に限定されない。一例を挙げると、下地層は、第1の無機酸化物層との界面に無機成分が多く(たとえば50質量%以上)存在する層であることが好ましい。このような下地層は、たとえば、下地層全体における無機成分の含有量が50質量%以上であるものや、第1の無機酸化物層と接する界面において無機成分の濃度が厚み方向に偏在したもの(下地層の表面近傍に無機成分が多く偏在するもの。傾斜膜)や、有機膜と無機成分とが積層された複層のもの等である。下地層が、第1の無機酸化物層との界面に無機成分が多く(たとえば50質量%以上)存在する層であることにより、下地層が有機成分のみである場合や、無機成分が少ない場合と比較して、無機酸化物層を形成時のプラズマ環境によって表面が粗れることが防がれやすい。その結果、ガスバリアフィルムは、無機酸化物層に欠陥が生じにくく、優れたガスバリア性を示しやすい。
これらの中でも、下地層は、有機無機複合酸化物からなる層であることが好ましく、第1の無機酸化物層と接する界面において無機成分が偏在した層であることがより好ましい。その結果、下地層は、優れたプラズマ耐性と第1の無機酸化物層との密着性を示す。これにより、ガスバリアフィルムは、無機酸化物層に生じる欠陥を抑制し、基材層と第1の無機酸化物層との層間密着性が優れる。また、ガスバリアフィルムは、より優れたガスバリア性を示す。
また、下地層は、無機成分として、ポリシラザン、シリコンアルコキシド等をからなるシリコン酸化物であることが好ましい。無機成分としてシリコン酸化物を含む場合、下地層の形成された基材の表面は、平坦かつ優れたプラズマ耐性を示し、かつ、第1の無機酸化物層との密着性が優れる。その結果、ガスバリアフィルムは、無機酸化物層に生じる欠陥を抑制し、基材層と第1の無機酸化物層との層間密着性がより優れる。また、ガスバリアフィルムは、さらに優れたガスバリア性を示す。
下地層を形成する方法は特に限定されない。一例を挙げると、有機無機複合酸化物を含む下地層は、たとえば、任意の溶剤に有機無機酸化物を溶解した溶液を調製し、基材上に塗布(たとえばスプレー塗布)し、硬化または乾燥させることにより形成し得る。この時、塗布した溶液の表面は表面張力により平坦化されるので、得られる下地層の表面も平坦となる。より具体的には、シリコン酸化物を含む下地層を形成する場合、パーヒドロポリシラザン(PHPS)溶液を基材上に塗布(たとえばスプレー塗布)し、加熱硬化させることにより、下地層を形成することができる。パーヒドロポリシラザンからなる下地層は、Si−H、Si−N、Si−O結合を有している。このような下地層は、酸化性雰囲気で硬化させることにより、さらに酸化が進んだ層となり、下地層と第1の無機酸化物層との層間密着性をより向上させることができる。また、このようにして形成されたポリシラザンを含む下地層は、優れた平坦性とプラズマ耐性を示す。これにより、下地層の形成された基材に第1の無機酸化物層が形成される際に、第1の無機酸化物層は、ピンホール等の欠陥をより生じにくい。さらに、形成された第1の無機酸化物層の表面も平滑性が優れる。その結果、第1の無機酸化物層上に第2の無機酸化物層が形成される場合においても、ピンホール等の欠陥が生じにくい。
また、無機成分の濃度が厚み方向に偏在した傾斜膜である下地層を形成する場合、たとえば、界面活性剤の成分を含むシリコンアルコキシドを含む有機無機ハイブリッド樹脂を任意の溶剤に溶解させた溶液を調製し、基材上に塗布し、乾燥、硬化させることにより、シリコンアルコキシドを下地層表面に偏在させた傾斜膜を形成することができる。このような傾斜膜は、第1の無機酸化物層と接触する界面の近傍において、無機成分が多く存在する。一方、基材と接触する界面の近傍は、有機成分が多く存在する。無機成分が多く存在する側の表面は、平坦な表面を形成することにより、第1の無機酸化物層との層間密着性を向上させ得る。一方、有機成分が多く存在する側の表面は、同じく有機成分からなる基材との層間密着性が優れる。
また、有機膜と無機成分とが積層された複層の下地層は、たとえば、基材と接触する側の下地層として、有機成分からなる下地層を設け、一方の第1の無機酸化物層と接触する側の下地層として、パーヒドロポリシラザン等の無機成分からなる下地層を設けることにより形成することができる。
下地層は、第1の無機酸化物層と接する側の表面から基材側に向けて、X線光電子分光法(XPS)により下地層の厚み方向における、下地層の無機成分を測定する場合において、第1の無機酸化物層と接する側の表面における無機成分の濃度が50質量%以上であることが好ましい。無機成分の濃度が上記範囲内であることにより、ガスバリアフィルムは、下地層の表面に多く存在する無機成分によって、優れたプラズマ耐性と第1の無機酸化物層との密着性が優れる。その結果、ガスバリアフィルムは、無機酸化物層に生じる欠陥を抑制し、基材層と第1の無機酸化物層との層間密着性がより優れる。また、ガスバリアフィルムは、さらに優れたガスバリア性を示す。なお、本実施形態において、下地層を構成する無機成分の濃度は、第1の無機酸化物層と接する側の表面における濃度が50質量%以上であることが好適であり、表面以外の部位(たとえば内部)における無機成分の濃度が特に限定されない。下地層の内部における無機成分の濃度は、50質量%以上であってもよく、50質量%未満であってもよい。なお、本実施形態におけるXPSの測定は、X線光電子分光分析装置(PHI5000 VersaProbe2、アルバック・ファイ社製)を用いて測定することができる。
下地層が設けられた基材は、表面(下地層のうち、第1の無機酸化物層と接する側の表面)の表面粗度Rpが、5.0未満であることが好ましい。表面粗度Rpが上記範囲内であることにより、第1の無機酸化物層は、平坦な下地層の形成された基材上に形成される。その結果、ガスバリアフィルムは、基材層と第1の無機酸化物層との層間密着性が優れる。また、ガスバリアフィルムは、より優れたガスバリア性を示す。なお、本実施形態において、表面粗度Rpを測定する方法は特に限定されない。一例を挙げると、表面粗度Rpは、AFM(SPM−9700、(株)島津製作所製)、プローブ(NCHR−20、NanoWorld社製)を用いて、ダイナミックモードで、下地層表面の10μm×10μmの範囲について測定し、最大山高さ(Rp)を算出することにより測定し得る。
下地層の厚みは特に限定されない。一例を挙げると、下地層の厚みは、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましい。また、下地層の厚みは、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。下地層の厚みが上記範囲内であることにより、得られるガスバリアフィルムは、基材の表面が平坦化されやすく、第1の無機酸化物層との層間密着性を向上させやすい。
(第1の無機酸化物層)
第1の無機酸化物層は、基材上に設けられる層である。第1の無機酸化物層は特に限定されない。一例を挙げると、第1の無機酸化物層は、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含む酸化膜(以下、AZO酸化膜ともいう)であることが好ましい。第1の無機酸化物層は、屈折率は特に限定されない。一例を挙げると、第1の無機酸化物層の屈折率は、1.59〜1.80であることが好ましく、1.70〜1.83であることがより好ましい。
第1の無機酸化物層にシリコン酸化物が含まれる場合、シリコン酸化物の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、シリコン酸化物の含有量は、16.2質量%以上であることが好ましい。また、第1の無機酸化物層におけるシリコン酸化物の含有量は、30.4質量%以下であることが好ましい。また、第1の無機酸化物層にアルミニウム酸化物が含まれる場合、アルミニウム酸化物の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、アルミニウム酸化物の含有量は、1.8質量%以上であることが好ましい。また、第1の無機酸化物層におけるアルミニウム酸化物の含有量は、3.6質量%以下であることが好ましい。第1の無機酸化物層におけるシリコン酸化物およびアルミニウム酸化物の含有量が上記範囲内であることにより、ガスバリアフィルムは、より優れたガスバリア性を示す。なお、第1の無機酸化物層における亜鉛酸化物の含有量は、上記したシリコン酸化物およびアルミニウム酸化物の含有量に基づいて算出し得る。
第1の無機酸化物層の屈折率は特に限定されない。一例を挙げると、屈折率は、1.70以上であることが好ましい。また、第1の無機酸化物の屈折率は、1.83以下であることが好ましい。第1の無機酸化物層の屈折率が上記範囲内であることにより、得られるガスバリアフィルムは、所定の厚みとなるように後述する第2の無機酸化物層が積層された状態であっても、透明性がより低下しにくく、かつ、色目の差がより小さい。なお、第1の無機酸化物層の屈折率は、たとえば、分光光度計(SolidSpec−3700、(株)島津製作所製)を使用し、300nm〜800nmの透過、反射の分光スペクトル解析を行うことにより測定し得る。
第1の無機酸化物層の屈折率を上記範囲内に調整する方法は特に限定されない。一例を挙げると、第1の無機酸化物層の屈折率は、反応性スパッタリング時の成膜圧力や酸素分圧を変えることで調整し得る。
第1の無機酸化物層は、上記した3種の金属酸化物から構成されていることが好ましい。この場合、それぞれの金属酸化物は、異なる屈折率を示す。そのため、第1の無機酸化物層は、それぞれの金属酸化物の組成を調整することにより、屈折率を調整し得る。具体的には、亜鉛酸化物と比較して、アルミニウム酸化物の屈折率は低く、シリコン酸化物の屈折率はさらに低い。そのため、シリコン酸化物の組成比率を上げることにより、第1の無機酸化物層は、屈折率を低下させ得る。
また、Al−Sn酸化膜は、結晶質であり、結晶粒の間を水蒸気が透過し得る。しかしながら、第1の無機酸化物層は、Siを含んでいることにより、非晶質となり、優れたガスバリア性を示す。
このように、第1の無機酸化物層は、好適には3種の金属酸化物を配合していることにより、屈折率および非晶質性を両立させ得る。
第1の無機酸化物層の厚みは特に限定されない。本実施形態のガスバリアフィルムは、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計が50nm以上であることを特徴とする。この限りにおいて、第1の無機酸化物層の厚みは、一例を挙げると、40nm以上であることが好ましい。また、第1の無機酸化物層の厚みは、200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましい。第1の無機酸化物層の厚みが上記範囲内であることにより、得られるガスバリアフィルムは、優れたガスバリア性を示す。さらに、ガスバリアフィルムは、種々の厚みに加工される場合であっても、それぞれの厚みにおける色目の差が小さい。なお、第1の無機酸化物層の厚みは、たとえば、電子顕微鏡により測定し得る。
第1の無機酸化物層を形成する方法は特に限定されない。一例を挙げると、第1の無機酸化物層は、スパッタリング法により形成され得る。具体的には、第1の無機酸化物層は、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物および亜鉛酸化物からなる混合ターゲットを用い、アルゴンと酸素の混合ガス雰囲気中で反応性スパッタ法により、AZO酸化膜を基材上(好適には、基材に形成された下地層上)に形成する。
(第2の無機酸化物層)
第2の無機酸化物層は、第1の無機酸化物層上に設けられる層である。第2の無機酸化物層は、特に限定されない。一例を挙げると、第2の無機酸化物層は、スズ酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含む酸化膜(以下、ZTO酸化膜ともいう)であることが好ましい。第2の無機酸化物層は、特に限定されない。一例を挙げると、屈折率は、1.8〜2.1であることが好ましい。
第2の無機酸化物層にスズ酸化物が含まれる場合、スズ酸化物の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、スズ酸化物の含有量は10.0質量%以上であることが好ましく、13.4質量%以上であることがより好ましい。また、第2の無機酸化物層におけるスズ酸化物の含有量は、27.5質量%以下であることが好ましい。第2の無機酸化物層におけるスズ酸化物の含有量が上記範囲内であることにより、ガスバリアフィルムは、より優れたガスバリア性を示す。なお、第2の無機酸化物層における亜鉛酸化物の含有量は、上記したスズ酸化物の含有量に基づいて算出し得る。
第2の無機酸化物層の屈折率は、特に限定されない。一例を挙げると、屈折率は、1.80以上であることが好ましく、1.86以上であることがより好ましい。また、第2の無機酸化物の屈折率は、2.10以下であることが好ましく、2.03以下であることがより好ましい。第2の無機酸化物層の屈折率が上記範囲内であることにより、得られるガスバリアフィルムは、所定の厚みとなるように上記した第1の無機酸化物層が積層された状態であっても、透明性がより低下しにくく、かつ、色目の差がより小さい。なお、第2の無機酸化物層の屈折率は、たとえば、分光光度計(SolidSpec−3700、(株)島津製作所製)を使用し、300nm〜800nmの透過、反射の分光スペクトル解析を行うことにより測定し得る。
第2の無機酸化物層の屈折率を上記範囲内に調整する方法は特に限定されない。一例を挙げると、第2の無機酸化物層の屈折率は、反応性スパッタリング時の成膜圧力や酸素分圧を変えることで調整し得る。
第2の無機酸化物層は、たとえば、亜鉛酸化物のみからなる場合と比較して、非晶質である。そのため、第2の無機酸化物層は、ガスバリア性が優れ、水蒸気や酸素等を透過させにくい。
第2の無機酸化物層の厚みは特に限定されない。本実施形態のガスバリアフィルムは、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計が50nm以上であることを特徴とする。この限りにおいて、第2の無機酸化物層の厚みは、一例を挙げると、5nm以上であることが好ましい。また、第2の無機酸化物層の厚みは、200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましい。第2の無機酸化物層の厚みが上記範囲内であることにより、得られるガスバリアフィルムは、優れたガスバリア性を示す。さらに、ガスバリアフィルムは、種々の厚みに加工される場合であっても、それぞれの厚みにおける色目の差が小さい。なお、第2の無機酸化物層の厚みは、たとえば、電子顕微鏡により測定し得る。
第2の無機酸化物層を形成する方法は特に限定されない。一例を挙げると、第2の無機酸化物層は、スパッタリング法により形成され得る。具体的には、第2の無機酸化物層は、スズ酸化物および亜鉛酸化物からなる混合ターゲットを用い、アルゴンと酸素の混合ガス雰囲気中で反応性スパッタ法により、ZTO酸化膜を第1の無機酸化物層上に形成する。
ガスバリアフィルム全体の説明に戻り、本実施形態のガスバリアフィルムは、異なる2種の無機酸化物層(第1の無機酸化物層および第2の無機酸化物層)が形成されている。そのため、たとえば、いずれか一方の無機酸化物層を形成する際にピンホール等の欠陥が生じる場合であっても、そのような欠陥を、互いに補完しあうことができる。その結果、ガスバリアフィルムは、優れたガスバリア性を発揮し得る。
また、本実施形態のガスバリアフィルムは、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計が、50nm〜300nmである。すなわち、ガスバリアフィルムは、基材(好適には下地層の形成された基材)に対して、第1の無機酸化物層および第2の無機酸化物層が、この順で形成されている。これにより、ガスバリアフィルムは、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計が50nm以上の厚膜であっても、透明性が低下しにくい。また、このような厚膜のガスバリアフィルムは、優れたガスバリア性を示す。また、厚みが300nm以下であることにより、ガスバリアフィルムは優れたフレキシブル性を維持することができ、かつ、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との膜厚が変動した場合における、色目の変化が小さく、優れた透明性を維持することができる。
さらに、本実施形態のガスバリアフィルムは、L*a*b*表色系におけるa*が−2.0〜2.0であり、b*が−2.0〜2.0である。a*は、−2.0〜2.0であればよい。また、b*は、−2.0〜2.0であればよい。ガスバリアフィルムは、基材(好適には下地層の形成された基材)に対して、第1の無機酸化物層および第2の無機酸化物層が、この順で形成されている。これにより、ガスバリアフィルムは、種々の厚みに加工される場合であっても、それぞれの厚みにおける色目の差が小さい。なお、ガスバリアフィルムのL*a*b*表色系におけるa*およびb*は、たとえば、分光光度計(SolidSpec−3700、(株)島津製作所製)の透過スペクトルから算出することができる(CIE 1976)。
加えて、本実施形態のガスバリアフィルムは、水蒸気透過率(WVTR)が1×10-3(g/m2/日)未満であることが好ましく、5×10-4(g/m2/日)未満であることがより好ましい。本実施形態のガスバリアフィルムは、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層とが積層されており、かつ、これらの無機酸化物層の厚みの合計が50nm以上である。そのため、ガスバリアフィルムは、特に水蒸気に対しても優れたガスバリア性を発揮し得る。なお、本実施形態において、水蒸気透過率は、「差圧法(ISO−15106−5)」により測定し得る。
また、本実施形態のガスバリアフィルムは、全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。本実施形態のガスバリアフィルムは、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層とが積層されており、かつ、これらの無機酸化物層の厚みの合計が50nm以上である。しかしながら、ガスバリアフィルムは、優れた全光線透過率を示し、透明性が優れる。なお、本実施形態において、全光線透過率は、ヘイズメーター(NDH4000、日本電色工業(株)製)を用いて、JIS K 7361−1:1997(ISO13468−1:1996に対応)に規定する方法により測定し得る。
なお、本実施形態のガスバリアフィルムは、第1の無機酸化物層や第2の無機酸化物層金属酸化膜を保護するため、樹脂層が設けられてもよい。樹脂層は、活性線硬化樹脂系塗料、熱硬化性樹脂系塗料等によって作製し得る。樹脂層は、ガスバリアフィルムの透明性が損なわれにくいように、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などを塗工により積層し得る。樹脂層の膜厚は、ガスバリアフィルムがカール等を生じないように、5μm以下であることが好ましい。
また、第2の無機酸化物層上には、保護フィルム(たとえば数十μm)が設けられてもよい。保護フィルムは特に限定されない。一例を挙げると、保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系の樹脂フィルムに粘着層を設けたフィルムや、PET等の樹脂フィルムにアクリル樹脂やウレタン樹脂などの粘着層を塗工したフィルム等である。保護フィルムは、一時的にガスバリアフィルムの表面を保護するためのものであり、剥離することが前提であるため、透明性を要しない。また、剥離時のガスバリアフィルムへの損傷を防止するため、保護フィルムの粘着力は、0.5N/25mm以下であることが好ましい。柔軟性のある保護用樹脂層または保護フィルムが設けられることにより、第2の無機酸化物層は、機械的に傷等が発生することが防がれ、ガスバリア性が劣化しにくい。
本実施形態のガスバリアフィルムは、第2の無機酸化物層上に、公知の粘着層または接着層を介して、透明導電性層等の機能層を付与した樹脂フィルムが積層され得る。これにより、ガスバリアフィルムは、たとえば、電子ペーパー等のタッチパネル、太陽電池、有機ELディスプレイ等の用途に好適に使用され得る。
以上、本実施形態のガスバリアフィルムは、所定の屈折率を示し、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含む第1の無機酸化物層と、所定の屈折率を示し、スズ酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含む第2の無機酸化物層とがこの順で設けられている。これら第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層とがこの順で設けられていることにより、これら第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との厚みの合計が50nm以上の膜厚となるよう設けられる場合であっても、ガスバリアフィルムは、透明性が低下しにくい。また、このような厚膜のガスバリアフィルムは、優れたガスバリア性を示す。さらに、ガスバリアフィルムは、種々の厚みに加工される場合であっても、それぞれの厚みにおける色目の差が小さい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味する。
(実施例1)
PETフィルム(厚み:125μm)を基材とし、基材上に、下地層として有機無機複合層(NH−1000G:日本曹達(株)製)を、ウェットコーティング法で塗工した。以下に示される測定方法により下地層の表面粗度(Rp)、無機成分の量を測定した。次いで、下地層を設けた基材に、ArガスとO2ガスの導入量比率が9.0:1.0であり、成膜圧力が0.14Paであり、投入電力密度が3.3W/cm2となる条件で反応性スパッタリングを行い、第1の無機酸化物層として、厚み45nmとなるようAZO膜(屈折率:1.75)を形成した。AZO膜におけるシリコン酸化物の含有量は18.7質量%であり、アルミニウム酸化物の含有量は1.8質量%であり、残部は亜鉛酸化物であった。次いで、第1の無機酸化物層に、ArガスとO2ガスの導入量比率が19.0:1.0であり、成膜圧力が0.12Paであり、投入電力密度が3.3W/cm2となる条件で反応性スパッタリングを行い、第2の無機酸化物層として、厚み9nmとなるようZTO膜(屈折率:2.01)を形成し、ガスバリアフィルムを作製した。ZTO膜におけるスズ酸化物の含有量は21.1質量%であり、残部は亜鉛酸化物であった。
<表面粗度Rp>
表面粗度Rpは、AFM(SPM−9700、(株)島津製作所製)、プローブ(NCHR−20、NanoWorld社製)を用いて、ダイナミックモードで、下地層表面の10μm×10μmの範囲について測定し、最大山高さ(Rp)を算出することにより測定した。
<無機成分の量>
下地層のうち、第1の無機酸化物層が形成される面における無機成分の量を測定した。
具体的には、第1の無機酸化物層と接する側の表面から基材側に向けて、X線光電子分光法(XPS)により下地層の厚み方向における、下地層の無機成分の量を測定した。XPSの測定は、X線光電子分光分析装置(PHI5000 VersaProbe2、アルバック・ファイ社製)を用いて測定した。
(実施例2〜10、比較例1〜8)
表1に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、ガスバリアフィルムを作製した。なお、表1中、無機層は、パーヒドロポリシラザンやシランカップリング剤などから形成されるSiOx層を示す。また、比較例7〜8のガスバリアフィルムは、第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との積層順序を逆にしたもの(すなわち、下地層を形成した基材、第2の無機酸化物層、第1の無機酸化物層の順で積層したもの)である。
Figure 2021041608
得られたガスバリアフィルムに関して、以下の評価方法により、水蒸気透過率(WVTR)、a*、b*を測定した。結果を表1に示す。
<水蒸気透過率(WVTR)>
水蒸気透過率(%)は、「差圧法(ISO 15106−5)」により測定した。
<a*およびb*>
JIS Z 8729に準拠し、分光光度計(SolidSpec−3700、(株)島津製作所製)を用いてL*a*b*表色系におけるa*およびb*を測定した。
表1に示されるように、本発明の実施例1〜10のガスバリアフィルムは、a*およびb*の値が−2.0〜2.0であり、いずれも無機酸化物層の膜厚の合計が50nm以上であり厚膜であるにもかかわらず、目立った着色がなく。透明性が高かった。また、これらのガスバリアフィルムは、厚膜であり、水蒸気透過率が低く、優れたガスバリア性を示した。
一方、比較例1、7のガスバリアフィルムは、a*およびb*の値が−2.0〜2.0の範囲外であり、色目が劣った。比較例2、3のガスバリアフィルムは、b*の値が−2.0〜2.0の範囲外であり、色目が劣った。比較例8のガスバリアフィルムは、a*の値が−2.0〜2.0の範囲外であり、色目が劣った。比較例6のガスバリアフィルムは、膜厚が小さく、ガスバリア性が充分でなかった。また、この比較例3のガスバリアフィルムは、b*の値が−2.0〜2.0の範囲外であり、色目が劣った。第2の無機酸化物層を設けなかった比較例4〜6のガスバリアフィルムは、いずれもガスバリア性が劣った。第1の無機酸化物層と第2の無機酸化物層との積層順序を逆にした比較例7〜8のガスバリアフィルムは、色目が劣った。

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材上に設けられた第1の無機酸化物層と、前記第1の無機酸化物層上に設けられた第2の無機酸化物層とを含み、
    前記第1の無機酸化物層と前記第2の無機酸化物層との厚みの合計は、50nm以上であり、
    L*a*b*表色系におけるa*が−2.0〜2.0であり、b*が−2.0〜2.0である、ガスバリアフィルム。
  2. 前記第1の無機酸化物層は、
    シリコン酸化物、アルミニウム酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含み、
    屈折率が1.59〜1.90であり、
    前記第1の無機酸化物層における前記シリコン酸化物の含有量は、5.0〜35.0質量%であり、
    前記第1の無機酸化物層における前記アルミニウム酸化物の含有量は、0.5〜5.0質量%である、請求項1記載のガスバリアフィルム。
  3. 前記第2の無機酸化物層は、
    スズ酸化物および亜鉛酸化物の混合物を含み、
    屈折率が1.80〜2.10であり、
    前記第2の無機酸化物層における前記スズ酸化物の含有量は、10.0〜40.0質量%である、請求項1または2記載のガスバリアフィルム。
  4. 水蒸気透過率が、1×10-3(g/m2/日)未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  5. 前記基材と前記第1の無機酸化物層との間に、下地層が設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  6. 前記下地層は、有機無機複合酸化物を含む、請求項5記載のガスバリアフィルム。
  7. 前記下地層は、前記第1の無機酸化物層と接する側の表面から前記基材側に向けて、X線光電子分光法(XPS)により前記下地層の厚み方向における、前記下地層の無機成分を測定する場合において、前記第1の無機酸化物層と接する側の表面における無機成分の濃度が50質量%以上である、請求項6記載のガスバリアフィルム。
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