JP2021041337A - アルコール含有フッ素化液体の再生方法、及び該方法を用いる再生システム - Google Patents

アルコール含有フッ素化液体の再生方法、及び該方法を用いる再生システム Download PDF

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Abstract

【課題】水が混ざったアルコール含有フッ素化液体からフッ素化液体を効率的に回収し、水切り剤などとして機能し得るアルコール含有フッ素化液体に再生する方法、及びこの再生方法を用いる再生システムを提供する。【解決手段】本開示の一実施態様のアルコール含有フッ素化液体の再生方法は、汚液タンク又は汚液ラインから、水が混ざったアルコール含有フッ素化液体を含む汚液を第1の混合タンク内に供給し、水と接触させて第1の混合液を調製する工程A、第1の混合液を第1の油水分離装置でろ過し、第1の上層液及び第1の下層液に分離する工程B、第1の上層液を、直接又は第1の混合タンクを介して廃液タンクに供給して静置し、第2の上層液及び第2の下層液に分離する工程C、廃液タンクから第2の下層液を汚液タンク又は汚液ラインに供給する工程D、廃液タンクから第2の上層液を排出する工程E、並びに第1の下層液のフッ素化液体に、アルコールを添加する工程Fを含む。【選択図】図1

Description

本開示は、アルコール含有フッ素化液体の再生方法、及び該方法を用いる再生システムに関する。
例えば、有機ELディスプレイの製造方法は、メタルマスクを介してガラス等の基板上にRGB3色の色素を蒸着させて有機発光層を形成する工程を備えている。メタルマスクは高価な部材であるため、一般に、N−メチル−2−ピロリドンなどの洗浄剤、酸性溶液、アルカリ性溶液などを用いてメタルマスクを洗浄した後、水によるリンス工程、及びアルコールによる水切り工程を経て、メタルマスクを再利用している。
ハイドロクロロフルオロカーボンなどとアルコールを含む組成物は、表面に水が付着した物品の水切り剤として使用されている。
特許文献1(特開2007−188728号公報)には、シリコンで構成される部位を有し、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はランタノイド系金属のフッ化物のうちの少なくとも1種を気相成膜法により成膜するのに使用されるマスクから、使用後に付着したフッ化物を除去してマスクを再生するマスクの再生方法であって、フッ化物を、pH7以下の除去液に接触させることにより除去する第1の工程と、pHが7より大きく、かつ、前記除去液のpHよりも2以上大きい洗浄液を用いてマスクを洗浄する第2の工程と、i−プロパノール等を用いてマスクの乾燥を行う第3の工程を有する、マスクの再生方法が記載されている。
特許文献2(国際公開第2005/079943号)には、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、及びハイドロフルオロエーテル類から選ばれる少なくとも1種と、アルコール類とを必須成分とする溶剤組成物中に、表面に水が付着した物品を浸漬して水切りを行う浸漬工程、物品より離脱した水を含有する溶剤組成物から水を比重分離法により分離する比重分離工程、比重分離工程において水が分離された溶剤組成物をコアレッサ方式のフィルターでろ過し、溶剤組成物中に残存する水をさらに分離するろ過工程を有する、水切り方法が記載されている。
特開2007−188728号公報 国際公開第2005/079943号
例えば、洗浄工程でメタルマスクに付着した水は、メタルマスクが使用されるスパッタ工程において真空度の低下などの悪影響を及ぼす可能性があるため、一般に、水が付着したマスクをイソプロピルアルコール等のアルコール中に浸漬して水切りを実施している。しかしながら、アルコール中に拡散した水分は除去することが困難であるため、水分を多く含み水切りしづらくなったアルコールは交換する必要があった。しかしながら、このような水切りで使用するアルコールは、一般に可燃性であり、アルコールの交換作業において危険を伴うため、取り扱いづらく、また、可燃性アルコールは、国によっては規制対象となっているため使用できない場合があった。
例えば、水切り剤として使用することが可能なアルコール含有フッ素化液体は、一般に不燃性であり、取り扱い性に優れるが、フッ素化液体は、アルコールに比べて高価な溶剤であるため、水分を多く含み水切りしづらくなったアルコール含有フッ素化液体をアルコールと同様に交換した場合、大幅なコストアップを招くおそれがあった。
水が混ざったアルコール含有フッ素化液体からフッ素化液体を分離させる場合、例えば、油水分離フィルターが用いられることがあるが、かかるフィルターは一般に、油相の収率(歩留まり率)を犠牲にして油相の高純度化に焦点が合わされて設計されている。そのため、分離した水相中にもフッ素化液体が一部含まれてしまうため、フッ素化液体を効率的に回収することは困難であった。
本開示は、水が混ざったアルコール含有フッ素化液体からフッ素化液体を効率的に回収し、水切り剤などとして機能し得るアルコール含有フッ素化液体に再生する方法、及びこの再生方法を用いる再生システムを提供する。
本開示の一実施態様によれば、汚液タンク又は汚液ラインから、水が混ざったアルコール含有フッ素化液体を含む汚液を第1の混合タンク内に供給し、水と接触させて第1の混合液を調製する工程A、第1の混合液を第1の油水分離装置でろ過し、第1の上層液及び第1の下層液に分離する工程B、第1の上層液を、直接又は第1の混合タンクを介して廃液タンクに供給して静置し、第2の上層液及び第2の下層液に分離する工程C、廃液タンクから第2の下層液を汚液タンク又は汚液ラインに供給する工程D、廃液タンクから第2の上層液を排出する工程E、並びに第1の下層液から得られるフッ素化液体に、アルコールを添加する工程F、を含む、アルコール含有フッ素化液体の再生方法が提供される。
本開示の別の実施態様によれば、上記再生方法を用いて再生したアルコール含有フッ素化液体を、有機ELディスプレイ製造装置で使用される部材用の水切り剤として使用する方法が提供される。
本開示のさらに別の実施態様によれば、汚液タンク又は汚液ラインから、水が混ざったアルコール含有フッ素化液体を含む汚液を第1の混合タンク内に供給し、水と接触させて第1の混合液を調製する手段A、第1の混合液を第1の油水分離装置でろ過し、第1の上層液及び第1の下層液に分離する手段B、第1の上層液を、直接又は第1の混合タンクを介して廃液タンクに供給して静置し、第2の上層液及び第2の下層液に分離する手段C、廃液タンクから第2の下層液を汚液タンク又は汚液ラインに供給する手段D、廃液タンクから第2の上層液を排出する手段E、並びに第1の下層液から得られるフッ素化液体に、アルコールを添加する手段F、を備える、アルコール含有フッ素化液体の再生システムが提供される。
本開示によれば、水が混ざったアルコール含有フッ素化液体からフッ素化液体を効率的に回収し、水切り剤などとして機能し得るアルコール含有フッ素化液体に再生する方法、及びこの再生方法を用いる再生システムを提供することができる。
上述の記載は、本開示の全ての実施態様及び本開示に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
本開示の一実施態様によるアルコール含有フッ素化液体の再生方法に関するフロー図である。 本開示の別の実施態様によるアルコール含有フッ素化液体の再生方法に関するフロー図である。
以下、本開示の代表的な実施態様を例示する目的で、図面を参照しながらより詳細に説明するが、本開示はこれらの実施態様に限定されない。
本開示において「汚液」とは、アルコール含有フッ素化液体が本来有していた性能、例えば、水切り性能が低下した又は有さなくなった、水が混ざった状態のアルコール含有フッ素化液体を意味する。
本開示のアルコール含有フッ素化液体の再生方法は、汚液タンク又は汚液ラインから、水が混ざったアルコール含有フッ素化液体を含む汚液を第1の混合タンク内に供給し、水と接触させて第1の混合液を調製する工程Aを備えている。アルコールはフッ素化液体よりも水に混ざりやすいため、汚液を水と接触させると、汚液中のアルコール成分は、接触させた水の方へ移行しやすくなる。すなわち、工程Aは、フッ素化液体中のアルコール成分を減少させる効果を呈する。よって、水が混ざったアルコール含有フッ素化液体は、水とアルコールを主体とした成分と、水とアルコールをほとんど含まない、実質フッ素化液体のみからなる成分に分離され得る。
混合タンク内に供給する水としては特に制限はなく、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水、超純水などを使用することができる。
工程Aよりも上流側の工程、例えば、メタルマスクの水切り工程で発生した汚液は、第1の混合タンク内に供給される前に、汚液タンクに集められてもよく、或いは、汚液ラインを通じて、第1の混合タンク内に直接供給されてもよい。
第1の混合タンク内への水の供給方法としては特に制限はない。例えば、第1の混合タンクに水を直接供給してもよく、或いは、水が供給されている別の混合タンクが存在する場合には、その混合タンクから第1の混合タンクに水を供給してもよい。
いくつかの実施態様では、油水分離装置によるろ過工程で発生した水を含む上層液は、混合タンク内に使用される水として再利用することができるため、工程bとして後述するように、かかる上層液を、第1の混合タンクへ直接又は存在する場合には別の混合タンクを介して供給してもよい。水の供給量が不足している場合には、第1の混合タンク内に、例えば、水を新たに直接供給してもよく、或いは、存在する場合には別の混合タンクを介して水を新たに供給してもよい。
第1の混合タンク内へ供給される汚液と、第1の混合タンク内の水の割合としては特に制限はなく、使用する第1の混合タンクの大きさなどに応じて適宜調整することができる。例えば、第1の混合タンク内へ供給される汚液と、第1の混合タンク内の水の割合としては、1:5〜5:1の範囲にすることができ、フッ素化液体の精製効率等の観点から、1:3〜3:1の範囲が好ましく、1:2〜2:1の範囲がより好ましく、1:1が特に好ましい。
汚液の水との接触方法としては特に制限はなく、例えば、以下の(1)〜(6)の方法を、単独で又は二つ以上組み合わせて採用することができ、(1)〜(6)の方法における一部を適宜組み合わせて実施することもできる。例えば、(1)又は(2)の方法に対し、(3)、(5)又は(6)に記載される、振動、撹拌羽根等を用いる物理的撹拌方法、空気を用いる撹拌方法、超音波を用いる撹拌方法などを適用してもよい。
(1)水を投入した第1の混合タンクの上方から、汚液を滴下又は散布する方法。
(2)汚液を投入した第1の混合タンクの下方から、水を投入する方法。
(3)汚液及び水を投入した第1の混合タンクを、振動、又は撹拌子若しくは撹拌羽根などを用いて物理的に撹拌する方法。
(4)汚液及び水を投入した第1の混合タンクにおいて、第1の混合タンクの下方部及び上方部を管等でつなぎ、第1の混合タンク内の汚液及び水から構成される混合液を、下方部から上方部又は上方部から下方部へポンプ等で移動させる方法。
(5)汚液及び水を投入した第1の混合タンク中に空気等の気体を吹き込みバブリングして、混合液を混ぜる方法。
(6)汚液及び水を投入した第1の混合タンク中に超音波を適用して混合液を混ぜる方法。
本開示の再生方法は、第1の混合液を第1の油水分離装置でろ過し、第1の上層液(「第1廃液」と称する場合がある。)及び第1の下層液(「浄化液」と称する場合がある。)に分離する工程Bを備えている。工程Aを経て得られた混合液は、フッ素化液体(油相)中に水滴(水相)が分散したような白濁した油中水型エマルジョンのような形態を呈している。このような状態の第1の混合液を第1の油水分離装置でろ過することによって、水相となる第1の上層液(第1廃液)及び油相となる第1の下層液(浄化液)に分離することができる。ここで、油水分離装置による水相及び油相の分離速度は、静置による分離操作に比べて早いが、油水分離装置は、例えば、油相の収率を犠牲にして油相の高純度化に焦点が合わされて設計されていたり、或いは、遠心分離等の分離操作が不十分な場合などがあるため、第1の上層液(第1廃液)には、フッ素化液体が水中に乳化したような状態でわずかに含まれている。
油水分離装置としては、フッ素化液体と水を分離し得る装置であれば特に制限はなく、例えば、コアレッサ式のフィルター、遠心分離式の油水分離機を採用することができる。中でも、生産性等の観点から、コアレッサ式のフィルターが有利である。ここで、コアレッサ式のフィルターとは、極細繊維フィルターによって捕捉した水滴を、凝集及び粗大化させて油分と水分に分離するフィルターである。
いくつかの実施態様では、本開示の再生方法は、工程Bに続いて、第1の上層液を第1の混合タンク内に戻す工程bをさらに備えてもよい。工程Bを経て得られる第1の上層液には、水以外に、アルコール成分及びフッ素化液体成分も含まれているが、これらの成分比率、特に、アルコール成分の比率が低い場合には、第1の上層液中の水は、汚液からアルコール成分を移行させる性能を発揮できる。したがって、このような第1の上層液は、廃液タンクに供給せずに第1の混合タンク内に戻して、汚液からアルコール成分を移行させるための水として再利用することができる。第1の上層液の再利用の回数については特に制限はなく、汚液からアルコール成分を移行させる性能などを考慮して適宜設定することができる。
本開示の再生方法は、第1の上層液(第1廃液)を、直接又は第1の混合タンクを介して廃液タンクに供給して静置し、第2の上層液(「最終廃液」と称する場合がある。)及び第2の下層液(「第1廃液からの回収液」と称する場合がある。)に分離する工程Cを備えている。工程Bを経て得られた第1の上層液(第1廃液)は、廃液タンクに直接供給してもよいが、上述したように、第1の混合タンク内で、汚液からアルコール成分を移行させるための水として再利用され得るため、再利用にふさわしくないと判断された第1の上層液(第1廃液)は、第1の混合タンクを介して廃液タンクに供給することができる。
上述したように、工程Bのろ過工程を経て得られた第1の上層液(第1廃液)には、フッ素化液体がわずかに含まれている。このような第1の上層液(第1廃液)を廃液タンク内に蓄えて静置させることによって、第2の上層液(最終廃液)及び第2の下層液(第1廃液からの回収液)に分離させることができる。静置による分離は、上述した油水分離装置に比べ、分離速度は遅いが、水相と油相との分離性能には優れている。この静置操作の実施は、高価なフッ素化液体の廃棄割合の低減又は抑制に貢献することができる。
静置時間としては、例えば、1時間以上、6時間以上、12時間以上、又は1日以上とすることができる。静置時間の上限値としては特に制限はなく、例えば、1週間以下、5日以下、又は3日以下とすることができる。
静置操作は、典型的には、常温下で実施することができるが、分離を促進するために0〜15℃程度に冷却しながら実施してもよい。
本開示の再生方法は、廃液タンクから第2の下層液(第1廃液からの回収液)を汚液タンク又は汚液ラインに供給する工程Dを備えている。工程Cの静置操作を経て得られた第2の下層液(第1廃液からの回収液)には、フッ素化液体が高度に含まれている。この第2の下層液(第1廃液からの回収液)を、例えば、廃液タンクの底部から、重力又はポンプなどを用いて汚液タンク又は汚液ラインに供給し、或いは、廃液タンクの上方から廃液タンク底部付近まで管等を伸ばして吸引して汚液タンク又は汚液ラインに供給し、再度、フッ素化液体の精製ラインに供することができるため、高価なフッ素化液体の廃棄割合を低減又は抑制することができる。言い換えると、高価なフッ素化液体の収率を向上させることができる。
廃液タンクに供給される廃液は、これまで全て廃棄されていたが、本開示の再生方法によれば、廃液中に含まれる高価なフッ素化液体を高度に回収できるため、フッ素化液体を使用して製造される物品、例えば、有機ELディスプレイなどの製造コストの削減、環境汚染の低減などに貢献することができる。
いくつかの実施態様では、廃液タンクは、第2の上層液(最終廃液)に相当する水及びアルコールを含む水相並びに第2の下層液(第1廃液からの回収液)に相当するフッ素化液体を含む油相の界面を検知するセンサーを備えることができる。センサーとしては特に制限はなく、例えば、フロート式液面レベルセンサー又は誘電式レベルセンサーを採用することができる。
センサーは、廃液タンク内の水相及び油相の界面レベルを把握できるような位置に配置することができる。センサーは、例えば、油相の界面が所定のレベルまで上昇したときに、センサーからの信号によって、廃液タンクの底部から伸びる配管に取り付けられているバルブを開状態にし、ポンプを作動させて油相を汚液タンク又は汚液ラインに供給し、油相の界面が所定レベルまで下降したときに、センサーからの信号によって、ポンプを停止させ、バルブを閉状態にし得るように設定することができる。油相界面の所定の上昇レベルとしては、例えば、廃液タンクの下方側面に第2の上層液(最終廃液)を排出するための排出口が設けられている場合には、その排出口の下方近傍を、油相界面の所定の上昇レベルと設定することができる。油相界面の所定の下降レベルとしては、例えば、廃液タンク内の水相及び油相の界面レベルの検出限界を、油相界面の所定の下降レベルと設定することができる。
本開示の再生方法は、廃液タンクから第2の上層液(最終廃液)を排出する工程Eを備えている。廃液タンクからの第2の上層液(最終廃液)の排出は、廃液タンクからポンプ等を用いて第2の上層液(最終廃液)を吸引して排出してもよいが、効率性の観点から、廃液タンクの下方側面に水相を排出するための排出口を設け、その排出口を通じて、第2の上層液(最終廃液)を重力又はポンプ等を使用して排出することが有利である。
本開示の再生方法は、第1の下層液(浄化液)から得られるフッ素化液体に、アルコールを添加する工程Fを備えている。ここで、「第1の下層液(浄化液)から得られるフッ素化液体」とは、第1の下層液(浄化液)のフッ素化液体そのものであってもよく、或いは、第1の下層液(浄化液)を、例えば、ろ過工程Bの下流側に配置された追加の油水分離装置でさらにろ過して生じた下層液のフッ素化液体を意図する。いずれの場合も、ドライな状態のフッ素化液体を意図するが、水分及びアルコール成分をわずかに含有することは許容される。このようなフッ素化液体は、例えば、カールフィッシャー水分計を用いて測定した水分量、及びガスクロマトフィー法による純度によって規定することができる。
得られたフッ素化液体の水分量としては、例えば、200ppm以下、150ppm以下、100ppm以下、又は80ppm以下とすることができる。水分量の下限値については特に制限はないが、例えば、0ppm以上、5ppm以上、又は10ppm以上とすることができる。
得られたフッ素化液体の純度としては、95%以上、97%以上、又は98%以上とすることができ、100%以下又は100%未満とすることができる。
この他、第1の下層液(浄化液)から得られるフッ素化液体は、同重量の超純水に混合し、フッ素化液体内の不純物を超純水に抽出し、その抽出液に対するpH及びフッ素イオン濃度によって規定することもできる。pHとしては、4.5以上、4.7以上、又は5.0以上とすることができ、6.0以下、5.8以下、又は5.6以下とすることができる。フッ素イオン濃度としては、1.0ppm以下、0.5ppm以下、0.3ppm以下、又は0.1ppm以下とすることができ、0ppm以上又は0ppm超とすることができる。
第1の下層液(浄化液)から得られるフッ素化液体中の水分量は、汚液中の水分量よりも大幅に低減されドライな状態になっているため、かかるフッ素化液体に対してアルコールを添加することよって、水切り剤などとして機能し得るドライなアルコール含有フッ素化液体を再生することができる。再生したアルコール含有フッ素化液体の水分量もカールフィッシャー水分計を用いて測定することができる。かかる水分量としては、例えば、500ppm以下、300ppm以下、200ppm以下、又は150ppm以下とすることができる。水分量の下限値については特に制限はないが、例えば、10ppm以上、30ppm以上、又は50ppm以上とすることができる。
いくつかの実施態様では、工程Fは、第1の下層液を、第2の混合タンク内に供給して水と接触させて第2の混合液を調製し、この第2の混合液を第2の油水分離装置でろ過し、第3の上層液及び第3の下層液に分離し、この第3の下層液から得られるフッ素化液体に、アルコールを添加することによって実施することができる。第3の下層液のフッ素化液体の水分量及び純度が、上述した範囲に入らない場合には、混合タンクによる混合操作、続く油水分離装置によるろ過操作を、さらに1回以上追加することができる。ここで、混合タンクによる混合操作、及び油水分離装置によるろ過操作は、上述した、工程A及び工程Bと同様にして実施することができる。
第1の油水分離装置でろ過して得られる第1の下層液(浄化液)のフッ素化液体は、透明な液体であるため、大きな水滴は含まれていない。しかしながら、透明なフッ素化液体中には、水分子が溶存していることがあり、この場合、ドライなアルコールを添加しても、そのアルコール分子は、溶存している水分子と会合してしまい、水切り剤等の機能を良好に発揮できない場合がある。このような場合には、混合操作及びろ過操作を2回以上実施することによって、フッ素化液体中の溶存水分及びアルコール成分をさらに低減又は除去することができるため有利である。
混合操作及びろ過操作を1回で済ませようとした場合、第1の混合タンク内に投入する水の量を比較的多くする必要があるため、混合タンクも大型化する必要が生じる。一方、混合操作及びろ過操作を2回以上実施する場合には、混合タンク内に使用する水の総量は、混合操作及びろ過操作を1回で済ませる場合よりも低量にすることができ、混合タンクも小型化することができるため、環境的及び設備設計的に有利である。
2回目以降のろ過操作で生じた上層液(水相)は、かかるろ過工程よりも上流側に位置する混合タンクに供給してフッ素化液体からアルコール成分を移行させるための水として再利用することができる。例えば、第2の油水分離装置から生じた第3の上層液は、第2の混合タンクに供給して再利用されてもよく、或いは、直接又は第2の混合タンクを介して第1の混合タンクに供給して再利用されてもよい。再利用するとき、混合タンク中の水の供給量が不足している場合には、混合タンク内に新たに水を別途供給してもよい。再利用にふさわしくないと判断された上層液は、廃液タンクに直接又は第1の混合タンクを介して供給してもよい。
上述した各工程は、例えば、配管などを介して適宜連結することができ、各配管には、例えば、手動若しくは自動で作動する弁及びポンプなどを適宜設置することができる。
本開示の再生方法で再生可能な汚液は、水が混ざったアルコール含有フッ素化液体である。使用可能なフッ素化液体としては、例えば、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロオレフィン、又はこれらの混合物を挙げることができる。フッ素化液体は、上記のフッ素化液体以外に、他のフッ素化液体(例えば、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン等)が含まれていてもよいが、精製効率等の観点から、他のフッ素化液体は含まれないことが好ましい。
上記のフッ素化液体の中でも、水相とフッ素化液体を含む相との分離性能、精製効率等の観点から、ハイドロフルオロエーテルの使用が好ましい。ハイドロフルオロエーテルは、ハイドロフルオロカーボンの炭素原子間にエーテル結合性の酸素原子を含む化合物である。ハイドロフルオロエーテル1分子中に含まれるエーテル結合性酸素原子の数は、1個であってもよく、2個以上であってもよいが、例えば、水切り剤としての使いやすさ、安定性の観点から、1個又は2個が好ましく、1個がより好ましい。ハイドロフルオロエーテルの分子構造は鎖状であればよく、直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、精製効率等の観点から、直鎖状が好ましい。
ハイドロフルオロエーテルとしては、例えば、COCH、COCHCH、C11OCH、C11OCHCH、C13OCH、C13OCHCH、C15OCH、C15OCHCH、C17OCH、C17OCHCH、C19OCH、C19OCHCH、C1021OCH、C1021OCHCHなどのセグリゲート型ハイドロフルオロエーテル;CFCHOCFCFH、CFCHFOCHCF、CFCHOCFCFHCF、CHFCFCHOCFCFH、COCOCFHCF、CFCF(CF)CF(OCH)CFCF、CFCF(CF)CF(OC)CFCF、CF(OCHCF)CFH、CF(OCHCF)CFHCF、CF(OCHCFCFH)CFH、CF(OCHCFCFH)CFHCFなどのハイドロフルオロエーテルを挙げることができる。このようなハイドロフルオロエーテルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
中でも、セグリゲート型ハイドロフルオロエーテルは、水に対する溶解度が低く、水と接触させた場合に、水相中に溶け込む割合を他のハイドロフルオロエーテル又はハイドロフルオロオレフィンに比べて低減できるため、水相と、フッ素化液体を含む相とを分離させやすい。セグリゲート型ハイドロフルオロエーテルの中でも、COCH又はCOCHCHがより好ましい。ここで、「セグリゲート型」とは、エーテル結合を挟んで、一方が完全にフッ素化されており、他方が炭素及び水素で構成されている構造を意味する。
ハイドロフルオロオレフィンは、オレフィンが有する1個又は2個以上の水素原子がフッ素原子で置換された化合物を意図する。ハイドロフルオロオレフィンが有するフッ素原子の個数は特に限定されるものではないが、1個以上又は2個以上、10個以下又は6個以下とすることができる。ハイドロフルオロオレフィンは、E型(トランス型)及びZ型(シス型)のいずれであってもよい。ハイドロフルオロオレフィンは、ハイドロクロロフルオロオレフィンであってもよい。ハイドロクロロフルオロオレフィンは、オレフィンが有する1個又は2個以上の水素原子がフッ素原子で置換されるとともに、該オレフィンが有する1個又は2個以上のその他の水素原子が塩素原子で置換された化合物を意図する。ハイドロクロロフルオロオレフィンが有する塩素原子の個数は特に限定されるものではないが、1個以上、5個以下又は3個以下とすることができる。
塩素原子を有しないハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、CF−CH=CH、CF−CF=CH、CHF−CH=CHF、CHF−CF=CH、CHF−CH=CF、CHF−CF=CHF、CH−CF=CF、CF−CH=CH−CF、CF−CH=CF−CH、CF−CF=CH−CH、CF−CH=CH−CHF、CHF−CF=CF−CH、CHF−CF=CH−CHF、CHF−CH=CF−CHF、CHF−CH=CH−CHF、CHF−CF=CF−CHF、CHF−CH=CH−CF、CHF−CF=CH−CHF、CF−CH−CF=CH、CF−CHF−CH=CH、CF−CH−CH=CHF、CHF−CF−CH=CH、CHF−CHF−CF=CH、CHF−CHF−CH=CHF、CHF−CF−CF=CH、CHF−CF−CH=CHF、CHF−CHF−CF=CHF、CHF−CHF−CF=CF、CHF−CH−CF=CF、CH−CF−CF=CHF、CH−CF−CH=CFが挙げられる。塩素原子を有するハイドロフルオロオレフィン(すなわちハイドロクロロフルオロオレフィン)としては、例えば、CF−CH=CHCl、CHF−CF=CHCl、CHF−CH=CFCl、CHF−CCl=CHF、CHF−CCl=CF、CHFCl−CF=CHF、CHCl−CF=CF、CF−CCl=CHが挙げられる。特に好ましい塩素原子を有するハイドロフルオロオレフィンは、CF−CH=CHClである。ハイドロフルオロオレフィン(ここには、ハイドロクロロフルオロオレフィンも含まれる。)は、これらのものを単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
使用可能なアルコールとしては、例えば、炭素原子数が1〜4のアルコール、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールを挙げることができる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
精製効率、水切り性等の観点から、フッ素化液体としては、ハイドロフルオロエーテル、アルコールとしては、イソプロピルアルコールの組み合わせが好ましい。
本開示の再生方法の過程で精製されたフッ素化液体に添加するアルコールの添加量としては特に制限はなく、アルコール含有フッ素化液体の使用用途等に応じて適宜調整することができる。例えば、不燃性及び水切り性を有するアルコール含有フッ素化液体を調製する場合には、アルコールの添加量としては、アルコール含有フッ素化液体の全量に対し、10質量%以下、7質量%以下、又は5質量%以下とすることができ、1質量%以上、2質量%以上、又は3質量%以上とすることができる。
本開示の一実施態様のアルコール含有フッ素化液体の再生システムは、汚液タンク又は汚液ラインから、水が混ざったアルコール含有フッ素化液体を含む汚液を第1の混合タンク内に供給し、水と接触させて第1の混合液を調製する手段A、第1の混合液を第1の油水分離装置でろ過し、第1の上層液(第1廃液)及び第1の下層液(浄化液)に分離する手段B、第1の上層液(第1廃液)を、直接又は第1の混合タンクを介して廃液タンクに供給して静置し、第2の上層液(最終廃液)及び第2の下層液(第1廃液からの回収液)に分離する手段C、廃液タンクから第2の下層液(第1廃液からの回収液)を汚液タンク又は汚液ラインに供給する手段D、廃液タンクから第2の上層液(最終廃液)を排出する手段E、並びに第1の下層液(浄化液)から得られるフッ素化液体に、アルコールを添加する手段Fを備える。かかる再生システムにおいて使用可能なフッ素化液体、アルコール及び水については、上述した再生方法におけるものと同様のものを挙げることができる。本開示の再生システムは、上述した再生方法において記載した効果などを同様に発揮することができる。
本開示の再生システムにおける手段A〜手段Fは、再生方法における工程A〜工程Fと対応し、また、後述する任意の手段、例えば手段bなども再生方法における任意の工程(例えば工程b)と対応しているため、上述した再生方法における各工程に関する事項は、再生システムにおける各手段に対して同様に適用することができる。本開示の再生システムにおける各手段は、これらの各工程を実施し得る手段である限り特に制限はない。
いくつかの実施態様では、本開示の再生システムは、手段Bに続いて、第1の上層液を第1の混合タンク内に戻す手段bをさらに備えることができる。
いくつかの実施態様では、本開示の再生システムにおける手段Fは、第1の下層液(浄化液)を、第2の混合タンク内に供給して水と接触させて第2の混合液を調製し、当該第2の混合液を第2の油水分離装置でろ過し、第3の上層液及び第3の下層液に分離し、当該第3の下層液から得られるフッ素化液体に、アルコールを添加することによって実施することができる。
いくつかの実施態様では、第3の上層液は、第2の混合タンクに供給することができ、或いは、直接又は第2の混合タンクを介して第1の混合タンクに供給することができる。
いくつかの実施態様では、本開示の再生システムにおける廃液タンクは、第2の上層液(最終廃液)に相当する水及びアルコールを含む水相並びに第2の下層液(第1廃液からの回収液)に相当するフッ素化液体を含む油相の界面を検知するセンサーを備えることができる。
本開示の再生システムの各手段において使用する、例えば、汚液タンク、混合タンク、廃液タンク、油水分離装置を収容する容器の材質、容量、形状、数量、配置箇所などについては、再生システムの使用用途、使用環境などに応じて適宜選択することができる。
本開示のアルコール含有フッ素化液体の再生方法及び再生システムは、例えば、各種の製造ラインにおいて、オンライン又オフラインで適宜使用することができる。
オンラインにおいて、本開示の再生方法及び再生システムを使用する場合には、これらは、再生したアルコール含有フッ素化液体を、例えば、水切り工程などに再度投入し得るように適宜構成されていればよい。
オフラインにおいて、本開示の再生方法及び再生システムを使用する場合には、例えば、有機ELディスプレイの水切り工程などの製造ラインで発生した、水が混ざったアルコール含有フッ素化液体の汚液を、別のラインでドライな状態のアルコール含有フッ素化液体に再生し、それを再度、有機ELディスプレイの製造ラインの水切り工程で使用することができる。その一方で、再生したアルコール含有フッ素化液体を、有機ELディスプレイとは別の用途における洗浄剤、リンス液、水切り剤などとして使用することもできる。あるいは、本開示の再生方法及び再生システムで精製した、アルコール添加前のフッ素化液体を、各種用途における洗浄剤、リンス液などとして使用することもできる。
本開示の再生方法又は再生システムを用いて再生したアルコール含有フッ素化液体は、次のものに限定されないが、例えば、有機ELディスプレイ、電子部品、精密部品、金属部品、プリント配線基板などの各種用途で用いられる、洗浄剤、リンス液、水切り剤として使用することができる。
いくつかの実施態様では、本開示の再生方法又は再生システムを用いて再生したアルコール含有フッ素化液体は、有機ELディスプレイの製造装置で使用され、洗浄作業、リンス作業、水切り作業等に晒されるメタルマスク、防着板などの各種部材用の水切り剤として使用することができる。ここで、「防着板」とは、例えば、有機ELディスプレイの製造時に使用される真空蒸着装置の真空チャンバーの内側に配置される部材であって、蒸発源である赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色素から真空チャンバーの汚染を防止するための、取り外して洗浄することが可能な部材である。
以下の実施例において、本発明の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施例で使用した商品などを以下の表1に示す。
〈物性評価試験〉
各種液体の物性を、以下の方法を用いて評価した。
(pH試験)
評価サンプルを清浄なプラスチックビンに入れた後、同重量の超純水をさらに添加し、振とう機を用いて2時間振とうする。その後、水相(上層)のpHを測定した。ここで、pHの測定には、リサーチ社製のオリオン920A型pHメーターを用いた。超純水としては、超純水製造機(ELIX ESSENTIAL 10、メルク株式会社ライフサイエンス製)による超純水を使用した。
(フッ素イオン濃度試験)
評価サンプルを清浄なプラスチックビンに入れた後、同重量の超純水をさらに添加し、振とう機を用いて2時間振とうする。その後、水相(上層)のフッ素イオン濃度を測定した。ここで、フッ素イオン濃度の測定には、リサーチ社製のオリオン920A型pHメーターを用いた。超純水としては、超純水製造機(ELIX ESSENTIAL 10、メルク株式会社ライフサイエンス製)による超純水を使用した。
(水分量試験)
三菱化学社製のカールフィッシャー型水分測定装置CA−21を用いて、サンプル中の水分量を測定した。
(外観評価試験)
評価サンプルの外観を目視で観察した。
(成分割合評価試験)
評価サンプルの各成分の含有割合(IPA成分、フッ素化液体成分、高沸点溶剤成分)について、Agilent Technologies社製の7890Aを用い、ガスクロマトグラフィー法により評価した。ガスクロマトグラフィー法の測定条件は以下のとおりである。ここで、高沸点溶剤成分とは、例えば、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、デカンなどの沸点が150℃以上の高沸点成分を意図する:
カラムの種類:HP−1301
カラムの長さ:60m
カラムの温度:260℃
キャリアガスの種類:ヘリウムガス
キャリアガスの流量:205mL/分
サンプル注入量:1μL
〈例1〉
図2に示すフロー図にしたがって再生システムを構築した。ここで、汚液タンク2に投入する汚液1として、蒸留水を添加して擬似汚染させたNOVEC(商標)71IPAを使用し、第1の油水分離装置4及び第2の油水分離装置7として、コアレッサ式フィルターである旭化成株式会社製のユーテック(商標)FSを使用し、廃液タンク8内に設置した検出センサー11として、フロート式液面レベルセンサーであるワッティー株式会社製のフロートスイッチ HL−MRを使用した。
汚液タンク2に、90リットルの汚液1を投入した。第2の混合タンク6に蒸留水5を10リットル投入し、この10リットルの蒸留水を第2の混合タンク6を通じて第1の混合タンク3へ投入した後、第2の混合タンク6に蒸留水をさらに10リットル投入した。
汚液タンク2から10リットルの汚液を、散布ノズルで第1の混合タンク3に散布して汚液と蒸留水を混合し、第1の混合液を調製した。得られた第1の混合液を、第1の油水分離装置4でろ過し、水及びIPAを含む水相と、少量のIPAを含むフッ素化液体を含む油相に分離させた。
続いて、分離した水相は、第1の混合タンク3へ戻して再利用し、油相は、散布ノズルで第2の混合タンク6に散布して油相と蒸留水を混合し、第2の混合液を調製した。得られた第2の混合液を、第2の油水分離装置7でろ過し、水及び少量のIPAを含む水相と、フッ素化液体を含む油相に分離させて精製したフッ素化液体を採取した。分離した水相は、第2の混合タンク6へ戻して再利用した。
この状態から、さらに、10リットルの汚液を汚液タンク2から第1の混合タンク3へ投入し、上記と同様にして、精製したフッ素化液体を採取した。この一連の操作を、最大で3回実施し、3回分の精製したフッ素化液体を採取したところで、第1の混合タンク3内に戻した白濁状態の水相を、廃液タンク8へ排出した。続いて、第2の混合タンク6内に戻した水相を第1の混合タンク3へ投入し、第2の混合タンクには蒸留水5を10リットル新たに投入した。ここまでの一連の操作を、汚液タンク2内の汚液がなくなるまで繰り返した。
廃液タンク8内に排出した水相を1日静置し、水及びIPAを含む水相とフッ素化液体を含む油相が分離していることが、検出センサー11により確認されたときに、バルブ9を自動的に開状態にしてポンプ10を自動的に作動させ、フッ素化液体を含む油相を汚液タンク2へ戻し、検出センサー11で油相が確認できなくなったときに、ポンプ10を自動的に停止してバルブ9を自動的に閉状態にした。次いで、廃液タンク8の排出口から水及びIPAを含む水相を排出した。
表2には、このシステムに投入した汚液、精製されたフッ素化液体、排出した廃液(水及びIPA)、及び汚液タンクに戻されたフッ素化液体の各量をまとめる。表3には、汚液、精製されたフッ素化液体、及び精製されたフッ素化液体にIPA(トクソーIPA(商標)、株式会社トクヤマ製)を5質量%添加して再生したIPA含有フッ素化液体の物性評価結果と、参考例として、擬似汚染させていない市販のNOVEC(商標)71IPA、及びNOVEC(商標)71IPAを構成するIPAを含まない市販のNOVEC(商標)7100の物性評価結果をまとめる。ここで、表3では、精製されたフッ素化液体を「精製フッ素化液体」、精製されたフッ素化液体にIPAを5質量%添加して再生したIPA含有フッ素化液体を「再生IPA含有フッ素化液体」と表記する。
本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施態様及び実施例が様々に変更可能であることは当業者に明らかである。また、本発明の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることは当業者には明らかである。
1 汚液
2 汚液タンク
3 第1の混合タンク
4 第1の油水分離装置
5 蒸留水
6 第2の混合タンク
7 第2の油水分離装置
8 廃液タンク
9 バルブ
10 ポンプ
11 検出センサー

Claims (14)

  1. 汚液タンク又は汚液ラインから、水が混ざったアルコール含有フッ素化液体を含む汚液を第1の混合タンク内に供給し、水と接触させて第1の混合液を調製する工程A、
    前記第1の混合液を第1の油水分離装置でろ過し、第1の上層液及び第1の下層液に分離する工程B、
    前記第1の上層液を、直接又は前記第1の混合タンクを介して廃液タンクに供給して静置し、第2の上層液及び第2の下層液に分離する工程C、
    前記廃液タンクから前記第2の下層液を前記汚液タンク又は汚液ラインに供給する工程D、
    前記廃液タンクから前記第2の上層液を排出する工程E、並びに
    前記第1の下層液から得られるフッ素化液体に、アルコールを添加する工程F、を含む、
    アルコール含有フッ素化液体の再生方法。
  2. 前記工程Bに続いて、前記第1の上層液を前記第1の混合タンク内に戻す工程bをさらに備える、請求項1に記載の再生方法。
  3. 前記工程Fが、前記第1の下層液を、第2の混合タンク内に供給して水と接触させて第2の混合液を調製し、当該第2の混合液を第2の油水分離装置でろ過し、第3の上層液及び第3の下層液に分離し、当該第3の下層液から得られるフッ素化液体に、アルコールを添加することによって実施される、請求項1又は2に記載の再生方法。
  4. 前記第3の上層液が、前記第2の混合タンクに供給される、或いは、直接又は前記第2の混合タンクを介して前記第1の混合タンクに供給される、請求項3に記載の再生方法。
  5. 前記廃液タンクが、前記第2の上層液及び前記第2の下層液の界面を検知するセンサーを備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の再生方法。
  6. 前記油水分離装置が、コアレッサ式フィルターである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の再生方法。
  7. 前記フッ素化液体が、ハイドロフルオロエーテルであり、前記アルコールが、イソプロピルアルコールである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の再生方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の再生方法を用いて再生したアルコール含有フッ素化液体を、有機ELディスプレイ製造装置で使用される部材用の水切り剤として使用する方法。
  9. 前記部材が、メタルマスク又は防着板である、請求項8に記載の方法。
  10. 汚液タンク又は汚液ラインから、水が混ざったアルコール含有フッ素化液体を含む汚液を第1の混合タンク内に供給し、水と接触させて第1の混合液を調製する手段A、
    前記第1の混合液を第1の油水分離装置でろ過し、第1の上層液及び第1の下層液に分離する手段B、
    前記第1の上層液を、直接又は前記第1の混合タンクを介して廃液タンクに供給して静置し、第2の上層液及び第2の下層液に分離する手段C、
    前記廃液タンクから前記第2の下層液を前記汚液タンク又は汚液ラインに供給する手段D、
    前記廃液タンクから前記第2の上層液を排出する手段E、並びに
    前記第1の下層液から得られるフッ素化液体に、アルコールを添加する手段F、を備える、
    アルコール含有フッ素化液体の再生システム。
  11. 前記手段Bに続いて、前記第1の上層液を前記第1の混合タンク内に戻す手段bをさらに備える、請求項10に記載の再生システム。
  12. 前記手段Fが、前記第1の下層液を、第2の混合タンク内に供給して水と接触させて第2の混合液を調製し、当該第2の混合液を第2の油水分離装置でろ過し、第3の上層液及び第3の下層液に分離し、当該第3の下層液から得られるフッ素化液体に、アルコールを添加することによって実施される、請求項10又は11に記載の再生システム。
  13. 前記第3の上層液が、前記第2の混合タンクに供給される、或いは、直接又は前記第2の混合タンクを介して前記第1の混合タンクに供給される、請求項12に記載の再生システム。
  14. 前記廃液タンクが、前記第2の上層液及び前記第2の下層液の界面を検知するセンサーを備える、請求項10〜13のいずれか一項に記載の再生システム。
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