JPH08231991A - 洗浄用組成物、洗浄方法および洗浄液の製造方法 - Google Patents

洗浄用組成物、洗浄方法および洗浄液の製造方法

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JPH08231991A
JPH08231991A JP7310779A JP31077995A JPH08231991A JP H08231991 A JPH08231991 A JP H08231991A JP 7310779 A JP7310779 A JP 7310779A JP 31077995 A JP31077995 A JP 31077995A JP H08231991 A JPH08231991 A JP H08231991A
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cleaning
organic solvent
water
cleaning composition
emulsion
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JP7310779A
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English (en)
Inventor
Yoshihide Yamaguchi
欣秀 山口
Hisashi Sugiyama
寿 杉山
Makio Watabe
真貴雄 渡部
Isamu Tanaka
勇 田中
Yoshiko Iwamoto
由子 岩本
Naoki Nishimura
尚樹 西村
Terutake Kato
輝武 加藤
Keiichi Yamada
圭一 山田
Takuro Kato
琢郎 加藤
Katsushige Tsukada
勝重 塚田
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Hitachi Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低引火性、高洗浄性、低有害性で液管理および
再生が容易。 【解決手段】下記一般式(化1)または(化2)で表さ
れる有機溶剤および水からなる洗浄用組成物。該組成物
をエマルション化する方法。該組成物をエマルション化
して用いる洗浄方法および洗浄装置。該組成物を油水分
離、均一層化、および/または蒸留により再生する方法
および再生装置。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低引火性かつ低毒
性のエマルション系洗浄剤およびそのリサイクル方法
と、洗浄方法および洗浄装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】プリント基板のフラックス洗浄、基板上
に付着した不要のレジスト除去、ビスや金型などの金属
部材または治具の洗浄、印刷用機器またはその部材(例
えばスクリーン印刷に用いるスクリーン版)の洗浄、あ
るいはCD−ROM(CompactDisc - Read Only Memor
y)製造の際に用いるスタンパの洗浄などの洗浄工程で
は、これらの被洗浄物の表面に付着した汚れ(以下、表
面汚染物質と呼ぶ)を溶解除去することが行われる。従
来は、このような洗浄工程ではいわゆるフロンやハロン
などのハロゲン元素を含有するハロゲン系有機溶剤が多
く用いられてきた。
【0003】洗浄工程にハロゲン系有機溶剤が多用され
てきたのは、これらの溶剤は引火性がなく化学的に安定
なため取扱いが容易であり、多種多様の表面汚染物質に
対応できるうえ乾燥性にも優れているなど、洗浄液とし
て理想的な特性を備えていたからである。しかしなが
ら、近年ハロゲン系有機溶剤の環境問題が大きくクロー
ズアップされるようになり、特にフロンやハロンなど特
定のハロゲン系溶剤はそのオゾン層破壊性のために19
95年までに完全撤廃することが義務付けられるように
もなった。こうした流れに沿って代替洗浄剤の探索が各
分野で行なわれ、幾多の代替洗浄剤が開発されて既に一
部実用検討も始まっている。
【0004】これまでに開発された代替洗浄剤を、その
成分、組成から分類すると溶剤系、水系、および前2者
の中間に位置する準水系のいずれかに大別できる。
【0005】溶剤系洗浄剤は、表面汚染物質を溶解しや
すい溶剤に界面活性剤などの添加剤を加えたもので、フ
ッ素系、炭化水素系、テルペン系、高級アルコール系な
どがある。溶剤系洗浄剤に共通する特徴は、溶解力、乾
燥性が優れていることであるが、引火性が高く悪臭があ
る、あるいは高価であるなど必ずしも実用性が高いとは
言えない。
【0006】一方、水系洗浄剤は界面活性剤と防錆剤等
の水溶液、あるいはここへアルコール等の水溶性溶剤を
添加してなるもので、低引火性かつ低毒性であるうえ、
極性溶剤として水を使うためにイオン性表面汚染物質に
対する洗浄性が極めて高いという特徴がある。しかし逆
に脂溶性の表面汚染物質(切削油等)に対する洗浄力を
長時間維持することは困難で、洗浄工程後に水洗リンス
が必要なため乾燥性が低いこと、金属性部材の洗浄の場
合には錆に対する配慮が必要なことなどの問題もあっ
た。
【0007】また、準水系は水溶性の高いグリコール系
の溶剤などをその主成分とするもので、水系と比べて脂
溶性の表面汚染物質に対する洗浄力が長時間維持できる
反面、リンス廃水の処理にコストがかかる点では溶剤系
よりも劣る。
【0008】上述のごとく、これまでに開発されたフロ
ン代替洗浄剤はそれぞれ一長一短があり、用途や目的に
応じて使い分けられる方向であるが、最近になって溶剤
系洗浄剤と水系洗浄剤の特徴を併せ持つエマルション系
と呼ばれる新しい洗浄系が開発され、代替溶剤の最有力
候補として検討されるに至った。エマルション系洗浄剤
は、洗浄後の乾燥性を損なわない程度の水を、溶剤系洗
浄剤に混合、乳化して、溶剤の持つ危険性(引火性、爆
発性、有害性、有毒性)を低減し、簡便な取扱いができ
るような組成としたものである。
【0009】エマルション系洗浄剤の最大の特徴は、水
系洗浄剤の中に溶剤系洗浄剤の液滴が浮遊(あるいは溶
剤系洗浄剤の中に水系洗浄剤の液滴が浮遊)したような
物理的形態をとっていることであり、その結果としてイ
オン性、脂溶性いずれの表面汚染物質に対してもその溶
解力を長時間保持できるというメリットがある。さら
に、高価で有害な有機溶剤の使用量を低減できるうえ、
水系洗浄剤の長所である取扱簡便性をもあわせ持つとい
うメリットも期待できる。
【0010】このようなエマルション系洗浄液は、溶剤
系洗浄剤と比べて水によって稀釈されているため、溶剤
系洗浄剤固有の課題である引火性、有害性、悪臭が抑え
られ、更にコストも抑えられる。一方、該洗浄液の単位
重量当たりに溶解する脂溶性表面汚染物質の量は溶剤系
の場合より減少するが、水を添加したことによって洗浄
液の誘電率が上昇してイオン性表面汚染物質が溶解しや
すくなり、脂溶性表面汚染物質も洗浄液中にコロイド状
に分散除去できるので、洗浄力という意味では低下しな
い。さらに、洗浄液がエマルションであるので、エマル
ション粒子の界面が被洗浄物質の表面を通過する際に働
く表面張力等による機械的・物理的な作用のため、該洗
浄液の単位重量当たりの洗浄力はむしろ大幅に向上す
る。したがって、洗浄液単位重量当たりの被洗浄物量を
増大させることができ、言い替えれば洗浄廃液の量を低
減できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】エマルション系洗浄剤
に関しては、例えば特開平6−49495号公報におい
て、メチル第3ブチルエーテルの水性エマルションをフ
ロン代替洗浄剤とすることが提案されている。この洗浄
剤は、引火性および毒性が低くかつ単純な組成で効果的
な洗浄を保証する優れたものであるが、その成分である
メチル第3ブチルエーテル自身の揮発性や引火性が高い
ため(沸点=53℃、引火点=マイナス10℃)、取扱
簡便性は実用上必ずしも満足できるものではない。
【0012】また、特開平5−11440号公報や特開
平5−98297号公報には、酪酸ブチルなどの有機酸
のエステル(および炭化水素)を溶剤成分とする水性エ
マルションが洗浄剤として提案されている。これらの洗
浄剤は、経済性および低引火性と高洗浄力とを両立し、
しかも取扱いも簡便である。しかし、有機酸のエステル
は、樹脂やゴムを膨潤させる作用が強いため、これを成
分とする水性エマルションには、目的や用途が限られる
という欠点がある。
【0013】あるいは、特開平6−49497号公報や
特開平6−49498号公報は、ポリプロピレングリコ
ールアルキルエーテル(以下、PPGAと略す)類とポ
リエチレングリコールアルキルエーテル(以下、PEG
Aと略す)類とを特定の比率で含み、さらにアルカノー
ルアミン(以下、AAと略す)を含有する水性エマルシ
ョンを洗浄剤とすることを提案している。この技術で
は、PPGA類とPEGA類との混合割合の調節によっ
て樹脂やゴムの膨潤防止と脂溶性表面汚染物質に対する
洗浄性とを両立させているが、PPGA類とPEGA類
だけからなる混合物の水性エマルションでは洗浄力が不
十分なため、この系に更にAAを添加して洗浄力を確保
している。ところが、PPGA類およびPEGA類は、
いずれも繰返し単位としてアルキレンオキシ基(−CH
2CH2O−または−CH2CH(CH3)O−)あるいは
その類似構造を分子内に複数個有しており、物性が非常
に似ているため、これらの成分、特にPPGAとPEG
Aとを分離して分析し、それぞれの濃度を求めることは
困難である。膨潤防止と洗浄性との両立を保持するため
には、洗浄液成分の経時的な濃度変化の追跡や管理が不
可欠であるが、これらの成分の分離分析が困難であるた
め、この洗浄液では、精密な濃度管理を行なうことがで
きない。したがって、この洗浄液の使用には、実用上の
困難が伴う。また、各成分の濃度比を適切に管理するこ
とが必要な洗浄液の再生処理においても、この分離分析
の困難さは問題となる。
【0014】そこで、本発明は、上記のような問題点を
解決し、低引火性と高洗浄力とを両立し、しかも低有害
性で取扱簡便にして、液管理も比較的容易な洗浄用組成
物および洗浄方法を提供することを第1の目的とする。
【0015】また、本発明は、使用済み洗浄剤を再生処
理することによりエマルション系洗浄剤を製造する方法
を提供することを第2の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明では、下記一般式(化1)または(化
3)で表される化合物の少なくとも一つである有機溶剤
と、水とからなる洗浄用組成物が提供される。
【0017】
【化1】
【0018】
【化3】
【0019】ここで、R1およびR4はメチル基またはエ
チル基であり、R2およびR5は炭素数2以上9以下の2
価の有機基であり、R3およびR6は炭素数1以上4以下
の脂肪族アルキル基である。
【0020】なお、R2およびR5は炭素数2以上9以下
のアルキレン基であることが望ましい。この場合の(化
1)で表される有機溶剤としては、例えば、下記構造式
群(化2)から選ばれる少なくとも1種が望ましい。
【0021】
【化2】
【0022】また、R5が炭素数2以上9以下のアルキ
レン基である、(化3)で表される有機溶剤としては、
例えば、下記構造式群(化4)から選ばれる少なくとも
1種が望ましい。
【0023】
【化4】
【0024】本発明の洗浄用組成物における有機溶剤の
重量は、洗浄用組成物の全量を100部とするとき、1
5〜85重量部であることが望ましい。また、有機溶剤
として、水と共沸する物質を用いることが望ましく、水
と共沸する有機溶剤を用いる場合、有機溶剤と水との重
量比は、その共沸混合比を1:xとするとき、0.8:
x〜1.2:xであることが望ましい。
【0025】さらに本発明では、上述した有機溶剤と水
とからなる洗浄用組成物をエマルション化するなどして
得られる、有機溶剤と水とを含むエマルション洗浄液に
より、被洗浄物の表面に付着した汚染物質を除去する洗
浄方法が提供される。本発明の洗浄方法では、有機溶剤
として、該有機溶剤の溶解度パラメ−タ(SP(Solubi
lity Parameter)値)と、汚染物質の主成分のSP値と
の差が、絶対値で4.5以下であるものを用いることが
望ましい。
【0026】なお、本発明の洗浄方法として、例えば、
被洗浄物を、エマルション洗浄液に浸漬しながら揺動す
る工程を含む洗浄方法が挙げられる。この揺動は、音波
あるいは超音波の照射によって行なってもよい。また、
本発明の洗浄方法の他の例としては、被洗浄物表面に付
着した汚染物質に、エマルション洗浄液を噴射する工程
を含む洗浄方法がある。
【0027】また、有機溶剤として、水と混合した場
合、第1の温度では2層に油水分離するかあるいはエマ
ルションになり、第2の温度では均一層になるものを用
い、第1の温度において汚染物質の除去を行うようにし
てもよい。この場合、洗浄に使用された洗浄用組成物
を、第2の温度にして均一層とした状態で汚染物質を分
離、除去すれば、洗浄用組成物を再生することができる
ので好ましい。
【0028】さらに本発明では、上記第2の目的を達成
するために、使用済みの洗浄用組成物(水と有機溶剤と
を含む)を油水分離し、水層および有機溶剤層の各層の
液体を別々に回収する油水分離工程と、油水分離工程に
より得られた有機溶剤層を精製して、有機溶剤を得る精
製工程と、精製工程により得られた有機溶剤と、水と
を、あらかじめ定められた重量比となるように混合して
洗浄用組成物を得る工程とを備える洗浄用組成物の製造
方法(再生方法)が提供される。なお、本明細書では、
使用済み洗浄用組成物には、エマルション状態の使用済
み洗浄液も含むものとする。
【0029】上述の精製工程は、油水分離工程により得
られた有機溶剤層の濾過および/または蒸留を行う工程
を備えることが望ましい。また、この製造方法におい
て、油水分離は、使用済み洗浄用組成物を加熱または冷
却するか、または、使用済み洗浄用組成物に凝結剤を添
加することにより行なうことが望ましい。なお、凝結剤
は、該凝結剤の水への溶解度が5wt%以上である温度
の使用済み洗浄用組成物に添加することが望ましい。
【0030】凝結剤としては、有機酸およびその塩類
と、無機酸およびその塩類と、高分子コロイドと、界面
活性剤とのうちから選ばれる少なくとも1種を含むこと
が望ましい。具体的には、有機酸系凝結剤として、クエ
ン酸、酢酸、および酒石酸が挙げられ、無機酸系凝結剤
として、硫酸、硝酸、塩酸、臭酸、およびリン酸が挙げ
られる。また、塩類としては、これらの酸のアルカリ金
属塩またはアルカリ土類金属塩が挙げられる。
【0031】さらに、本発明では、有機溶剤と水とを含
む混合物(例えば、使用済み洗浄組成物)を蒸留し、発
生蒸気を凝縮して、有機溶剤と水とからなる洗浄用組成
物を得る洗浄用組成物の製造方法(再生方法)が提供さ
れる。この製造方法は、有機溶剤として水と共沸する物
質を用い、洗浄用組成物(使用済みおよび再生済み)中
での有機溶剤と水との重量比が、その共沸混合比を1:
xとするとき、0.8:x〜1.2:xである洗浄用組
成物の再生方法として適している。なお、この方法にお
ける蒸留には、共沸蒸留または水蒸気蒸留が適してい
る。
【0032】また、本発明では、エマルション洗浄液の
製造方法として、有機溶剤と水とを含む洗浄用組成物の
温度を調整(加熱または冷却)することにより、該洗浄
用組成物をエマルション化させる方法と、有機溶剤の蒸
気と水蒸気とを混合させながら凝結させることによりエ
マルション洗浄液を得る方法と、有機溶剤の蒸気/水の
蒸気を水/有機溶剤の中へ吹き込むことによりエマルシ
ョン洗浄液を得る方法と、有機溶剤/水を水/有機溶剤
の蒸気中へ噴霧することによりエマルション洗浄液を得
る方法と、有機溶剤と水との混合物をノズルから噴出す
ることによりエマルション洗浄液を得る方法と、有機溶
剤と水との混合物をフィルタに通すことによりエマルシ
ョン洗浄液を得る方法とが提供される。
【0033】さらに、本発明では、上述の方法によりエ
マルション洗浄液を製造する装置として、つぎの(1)
〜(5)が提供される。なお、液体の供給機構として
は、例えば、液溜りからポンプを用いて所定の速度で汲
み出す機構などが挙げられ、混合槽またはパイプ内の混
合液を、所定の混合比にできるものが望ましい。
【0034】(1)温度調整機構(加熱機構および/ま
たは冷却機構)を備える混合槽と、混合槽へ有機溶剤を
供給する機構と、混合槽へ水を供給する機構とを備える
製造装置。この製造装置は、有機溶剤として、水と混合
した場合、第1の温度では2層に油水分離するかあるい
はエマルションになり、第2の温度では均一層になるも
のを用いる場合に適している。混合槽へ、有機溶剤供給
機構および水供給機構を用いて所定の量の有機溶剤と水
とを入れ、第1の温度にすることにより、エマルション
洗浄液が得られる。なお、この装置は使用済み洗浄用組
成物の再生にも用いることができる。すなわち、使用済
み洗浄用組成物を混合槽に入れ、第2の温度にして均一
層とした状態で汚染物質を例えば沈殿させるなどして除
去すれば、洗浄用組成物を再生することができる。
【0035】(2)混合槽中で、水/有機溶剤の液体
と、有機溶剤/水の蒸気とを混合する機構を備える製造
装置。この装置は、混合槽中で、液体(水/有機溶剤)
に蒸気(有機溶剤/水)を混合することにより、あるい
は、蒸気(水/有機溶剤)に霧状の液体(有機溶剤/
水)を混合することにより、エマルション洗浄液を得る
ものである。この製造装置は、混合槽と、混合槽へ液体
(水/有機溶剤)を供給する機構と、混合槽中の液体へ
蒸気(有機溶剤/水の蒸気)を吹き込む機構とを備える
か、あるいは、混合槽と、混合槽へ蒸気(水/有機溶
剤)を供給する機構と、混合槽中に有機溶剤/水を霧状
にしてスプレーする機構とを備える。
【0036】(3)冷却機構を備える混合槽と、少なく
とも2つの、混合槽へ有機溶剤または水の蒸気を供給す
る機構とを備える製造装置。この装置は、混合槽中で、
水蒸気と有機溶剤の蒸気とを混合することにより、エマ
ルション洗浄液を得るものである。
【0037】(4)有機溶剤の供給機構と、水の供給機
構と、有機溶剤の供給機構および水の供給機構に連通し
たパイプと、該パイプ内の液体を噴出するためのノズル
とを備える製造装置。この装置は、有機溶剤と水とをパ
イプ内で混合し、その混合物をノズルから噴射すること
により、エマルション化させるものである。
【0038】(5)混合槽と、混合槽へ有機溶剤を供給
する有機溶剤供給機構と、混合槽へ水を供給する水供給
機構と、少なくとも一端が混合槽に連通した、内部にフ
ィルタを有するパイプとを備える製造装置。この装置
は、有機溶剤と水とを混合槽および/またはパイプ内で
混合し、その混合物をフィルタに通すことにより、エマ
ルション化させるものである。なお、フィルタとして
は、網目状構造物、多孔質体、および、細孔を有する散
気管などを用いることができる。このフィルタの孔径
は、1μm以上1mm以下が望ましい。
【0039】この装置は、パイプ内の液体を流動させる
ためのポンプをさらに備え、パイプの両端が混合槽に連
通されていることが望ましい。このように、混合液がパ
イプ内のフィルタを通って循環するようにすれば、混合
槽に常時エマルション洗浄液が貯溜されるので望まし
い。このようにする場合、混合槽からエマルション洗浄
液を汲みだす機構(例えば洗浄槽と連通させるための流
路など)を備えることが好ましい。
【0040】さらに、本発明では、上述のようなエマル
ション化のための機構を備える洗浄装置が提供される。
例えば、本発明では、洗浄槽と、洗浄槽へ有機溶剤を供
給する有機溶剤供給機構と、洗浄槽へ水を供給する水供
給機構と、両端が洗浄槽に連通したパイプと、パイプ内
の液体を流動させるためのポンプと、洗浄槽内へ被洗浄
物を配置するための被洗浄物保持機構とを備え、パイプ
の内部にフィルタが備えられている洗浄装置が提供され
る。なお、この洗浄装置は、洗浄槽が、洗浄液を揺動す
る機構をさらに備えるか、または、被洗浄物保持機構機
構が、被洗浄物を揺動させる機構をさらに備えることが
望ましい。また、洗浄槽は、音波または超音波を発生さ
せる機構をさらに備えることが望ましい。
【0041】なお、本明細書では、エマルションという
用語を広義の意味で用い、液/液分散系であれば、どの
ような状態でもエマルションという用語の中に含むもの
とする。したがって、ある液体が他の液体の中に粒状に
散在する状態であれば、散在する粒子のサイズや形状、
その系の安定性にかかわらず、すべてエマルションとい
う用語で表現する。そのため、有機層と水層とが単に機
械的に分散している状態も当然エマルションに含まれ、
エマルションの状態が安定に維持されていなくてもかま
わない。また、こうした状態にすることを「エマルショ
ン化する」という用語で表現する。なお、エマルション
の形態には一般にW/O型とO/W型があるが、本発明
の目的は、これらのどちらであっても、あるいはO/W
/O型やW/O/W型などのような特殊な形態であって
も、達成することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】上述した従来技術の状況を鑑み、
本発明者らは鋭意研究した結果、下記一般式(化1)ま
たは(化3)で表される有機溶剤を含む水性エマルショ
ンを洗浄液として用いれば、低引火性と高洗浄力とを両
立し、低有害性で取扱簡便にして液管理も比較的容易で
あるばかりでなく、被洗浄物に対するダメージも抑制で
きることを見出し、本発明に至った。
【0043】
【化1】
【0044】
【化3】
【0045】なお、ここで、R1およびR4はメチル基ま
たはエチル基であり、R2およびR5は炭素数2以上9以
下の2価の有機基であり、R3およびR6は炭素数1以上
4以下の脂肪族アルキル基である。また、R1〜R6は、
いずれもハロゲン原子を含まないことが望ましい。ハロ
ゲン原子を含む有機溶剤は、前述のように環境に対する
影響が懸念されるからである。ただし、洗浄効果のみを
考えれば、ハロゲン原子を含む溶剤であっても、本発明
の有機溶剤として用いることができる。ハロゲン原子を
含まない有機溶剤を用いれば、溶剤の加水分解によって
腐食性の酸を発生することが無く、金属部品の腐食を回
避することができる。
【0046】上述のように、R1およびR4はメチル基ま
たはエチル基が望ましい。これは、メトキシル基または
エトキシル基の形成が容易であり、かつ、これらの基を
有する化合物の入手が容易なためである。
【0047】また、R2およびR5は、被洗浄物の特性に
応じて炭素数やその骨格を変更することが望ましく、炭
素数2以上9以下の有機基(特に好ましくはアルキレン
基)とすることが望ましい。
【0048】R3およびR6は、形成が容易でかつ入手容
易な、炭素数4以下の脂肪族アルキル基の中から選ぶこ
とが望ましい。R1〜R6の選択は、被洗浄物の特性を考
慮し、コストも鑑みながら上述の範囲で行なうことが望
ましいが、他用途物質の転用や共用などにより低コスト
化が達成できる場合にはこれらの範囲を若干はずれても
かまわない。
【0049】有機溶剤の重量は、洗浄用組成物の全量を
100重量部とするとき、概ね15〜85重量部である
ことが望ましい。これは、15%以上であれば十分な洗
浄力を得ることができ、85%以下であれば引火性や有
害性の低減という目的を十分に達成できるからである。
【0050】本発明の洗浄方法では、水と有機溶剤とを
含むエマルション洗浄剤を用いて表面汚染物質を除去す
る。したがって、取り扱い至便にして安全性(低引火
性、低爆発性、低揮発性、低害毒性)も高く、イオン
性、脂溶性いずれの表面汚染物質に対してもその溶解力
を長時間保持できるというエマルション洗浄剤固有の特
徴を当然有している。さらに、エマルション洗浄剤であ
ることによって、高価な有機溶剤の使用量を低減してコ
ストも抑えられるうえ、有機溶剤による悪臭も抑えられ
るというメリットも期待できる。また、エマルション粒
子の界面が被洗浄物の表面を通過する際に働く表面張力
等による機械的・物理的な作用によって発生する不均一
溶剤特有の溶解現象がその洗浄力の一部を担っているた
め、エマルションの調製条件や調製工程によるエマルシ
ョンの型や粒径分布などの最適化、あるいは洗浄液の流
速やその分布などの洗浄条件の最適化によって洗浄力を
増大させることも容易である。したがって、洗浄液単位
重量当たりの被洗浄物の量を増大させるために洗浄液の
成分や組成を変える必要がなく、洗浄廃液の量を低減で
きる。
【0051】本発明で洗浄液の成分として用いる有機溶
剤は、エーテル官能基とエステル官能基とを併せ持つ分
子構造となっている。本発明の洗浄液は、このような分
子構造の溶剤をエマルション化して用いるため、エーテ
ル基しか持たない溶剤をエマルション化して用いた場合
と比べて高い洗浄力を有している。このため、本発明の
洗浄用組成物には、洗浄力を向上させるための添加剤を
含有させる必要はない。
【0052】また、本発明の目的を達成するためには、
洗浄する間だけエマルションの状態を保持しているだけ
で良いので、エマルション状態を安定化させるための添
加剤(界面活性剤など)も、必ずしも必要ではない。す
なわち、本発明の洗浄用組成物は、上記溶剤のほかに公
知慣例の洗浄成分を含んでもよいが、振動や撹拌などに
より洗浄中のエマルション状態を維持できるのであれ
ば、界面活性剤(乳化剤)などを含まなくてもかまわな
い。むしろ、界面活性剤を含まないことによって、洗浄
用組成物の発泡性を低減できるので界面活性剤などを含
まない方がかえって好ましい場合もある。
【0053】これらの添加剤が不要となったことによ
り、洗浄液の濃度管理が容易になるばかりでなく、使用
済み洗浄液のリサイクルにかかる手間やコストを激減で
きる。
【0054】また、本発明の洗浄用組成物に用いられる
有機溶剤は、樹脂やゴムに対する親和性が相対的に低い
ので、エステル官能基しか持たない有機溶剤をエマルシ
ョン化して用いた場合に比べて、樹脂やゴムなどの被洗
浄物を膨潤するなどのダメージが少ない。
【0055】なお、本発明では、被洗浄物に対するダメ
ージを抑制した上で、脂溶性の表面汚染物質を十分に溶
解除去するために、使用する有機溶剤の溶解度パラメー
タ(SP値)を調節することが望ましい。すなわち、本
発明には、溶解除去する表面汚染物質の主成分のSP値
と差が絶対値で4.5以下の範囲である有機溶剤を用い
ることが望ましい。特に、SP値の差の絶対値が0.1
〜4.0の範囲にあるのものを用いることが望ましく、
最も好ましいのは、SP値の差の絶対値が0.3〜3.
0の範囲にある有機溶剤である。SP値の差が絶対値で
4.5を越えれば、溶剤の溶解力が弱過ぎて洗浄に時間
がかかるか、あるいは洗浄残りが発生することがある。
また、被洗浄物が有機性の物体である場合、SP値の差
が小さいほど被洗浄物に対する影響が大きくなり、絶対
値で0.1未満の場合、被洗浄物の膨潤や変形が起こり
やすくなる傾向が現われることがある。
【0056】本発明で使用される上記一般式(化1)あ
るいは(化3)で示される化合物は、脂溶性分子構造と
親水性分子構造とをその分子内に併せ持っており、こう
した特定の構造を有していることによって、油溶性、イ
オン性いずれの表面汚染物質に対しても、その洗浄力が
発揮される。
【0057】このような分子構造を有する溶剤を更に具
体的に例示すると、例えば、エチレングリコールメチル
エーテル アセテート、エチレングリコールエチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル
アセテート、プロピレングリコールエチルエーテル
アセテート、メチル ジメトキシアセテート、メチル
メトキシアセテート、エチル メトキシアセテート、メ
チル 4−メトキシアセトアセテート、エチル 4−メ
トキシアセトアセテート、メチル 4−エトキシアセト
アセテート、メチル 3−メトキシプロピオネート、エ
チル 3−メトキシプロピオネート、メチル 2−メト
キシプロピオネート、エチル 2−メトキシプロピオネ
ート、メチル 3−メトキシブチレート、エチル 3−
メトキシブチレート、メチル 2−メトキシブチレー
ト、エチル 2−メトキシブチレート、メチル 3−メ
トキシイソブチレート、エチル 3−メトキシイソブチ
レート、メチル 3−エトキシイソブチレート、メチル
2−メトキシイソブチレート、エチル 2−メトキシ
イソブチレート、3−メトキシブチル アセテート、3
−エトキシブチル アセテート、3−エトキシ−3−メ
チルブチル アセテート、3−メトキシ−3−メチルブ
チル アセテート、2−メトキシ−3−ブチル アセテ
ート、3−メトキシプロピル アセテート、3−エトキ
シプロピルアセテート、4−メトキシブチル アセテー
ト、4−エトキシブチル アセテート、4−メトキシペ
ンチル アセテート等が挙げられるが、本発明はここに
例示したものに限定されるわけではない。
【0058】本発明では、被洗浄物表面にエマルション
洗浄液を接触させることにより洗浄を行なうが、被洗浄
物がエマルション洗浄液に浸漬された状態で、被洗浄物
および/またはエマルション洗浄液を揺動するか、ある
いは、被洗浄物に対してエマルション洗浄液を噴射する
等の方法によって、洗浄効率を上げることができる。そ
の際、音波または超音波などを照射することによって、
さらに効果的な洗浄を行なうことができる。
【0059】本発明の洗浄用組成物は、洗浄に使用した
後の廃液(使用済み洗浄用組成物)を油水分離、分液し
て各層(少なくとも有機溶剤層)を回収、精製し、該各
層を再び所定の濃度となるように混ぜ合わせることによ
り効率的に再生することができる。
【0060】上述の油水層分離操作の好適な例として、
加熱または冷却によって、溶剤の水への溶解度を変化さ
せおよび/または水の溶剤への溶解度を変化させてエマ
ルションを破壊して2層に分離する方法が挙げられる。
この方法によれば、遠心分離装置や油水分離装置などの
特別な装置を用いる必要がなく、簡便な操作で油水分離
が達成できる。
【0061】また、油水層分離操作の別の好適な例とし
て、凝結剤あるいはその溶液を使用済み洗浄用組成物に
添加する方法が上げられる。凝結剤の添加量は、0.3
重量%以上とすることが望ましく、1重量%程度であれ
ば十分速やかに分離させることができる。
【0062】凝結剤は、該凝結剤の水への溶解度が5重
量%以上となる温度範囲で使用することが望ましく、必
要に応じて加熱あるいは冷却することが好ましい。溶解
度が5重量%以下の温度では、凝結剤が水に十分に解け
ないため、その凝結作用を十分に発揮しづらい傾向があ
るためである。
【0063】本発明に用いられる凝結剤としては、有機
酸、有機酸塩類、無機酸、無機酸塩類、高分子コロイ
ド、または界面活性剤などが挙げられる。これらの凝結
剤をもう少し詳しく列挙すると、有機酸としては、クエ
ン酸、酒石酸、または酢酸が好ましく、無機酸として
は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸、または臭酸が好まし
い。なお、ここに挙げていない酸類、例えばヘテロポリ
酸などでも本発明に利用できる。また、ここに挙げた酸
類から誘導される塩類、特に上記の有機酸類または無機
酸類とアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の組合せ
からなる塩をいずれか1種類以上含む塩類あるいはその
水溶液の添加によっても速やかに油水分離が達成でき
る。特に、水溶性が高く安価な硫酸マグネシウムや塩化
カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの塩
類を用いると、その強い塩析作用のため、極めて安価か
つ効果的な油水分離が達成できる。
【0064】なお、ここに示した凝結剤以外の公知慣用
の凝集剤・凝結剤を用いてもかまわないし、ここに示し
た以外の公知慣例のエマルション破壊方法、例えば遠心
分離、水の添加、吸着剤の添加、あるいは油水分離フィ
ルタ(例えば旭化成工業(株)製ユーテック)を使用す
る方法、交流電界を引加する方法等をも利用できる。ま
た、これらの公知慣例のエマルション破壊方法に上述の
方法を併用しても良い。
【0065】また、本発明では、有機溶剤と水との混合
物を蒸留する工程を含む洗浄用組成物の製造方法が提供
される。その際、該有機溶剤と水との混合物としては、
不純物などを含まない有機溶剤と水とから調製したもの
に限らず、使用済みの洗浄用組成物などであってもよ
く、使用済みの洗浄用組成物は、蒸留工程などにより簡
単に再生することができる。蒸留工程において行なわれ
る蒸留は、特殊な蒸留である必要はないが、共沸蒸留ま
たは水蒸気蒸留が簡便である。
【0066】なお、使用済みの洗浄用組成物を蒸留し、
発生した蒸気を補集、凝集した後、得られた液体に、所
定の濃度になるように、水および/または有機溶剤を添
加してもよい。また、必要に応じて界面活性剤などを補
充してもよい。
【0067】上記混合物の蒸留工程を含む洗浄用組成物
の製造には、有機溶剤として水と共沸する物質を用い、
該組成物中の有機溶剤と水との重量比を、その共沸混合
比を1:xとするとき、0.8:x〜1.2:xとする
ことが望ましい。このような場合には、有機溶剤と水と
の混合物を共沸蒸留あるいは水蒸気蒸留し、発生蒸気を
凝結させれば、それだけで、ほぼ当初の組成比の混合物
(すなわち、再生済み洗浄用組成物)が得られるため、
蒸留後の濃度調整などを行なうことなく再利用しても、
洗浄能力は低下しない。
【0068】このように、廃液(使用済み洗浄用組成
物)を直接蒸留する再生方法により洗浄用組成物を製造
する場合には、上述の油水分離工程を含まない、効果的
かつ速やかな洗浄液の再生が達成できる。なお、当該洗
浄液から自然に発生する揮発分も、混合蒸気の場合と同
様に活用できる。
【0069】本発明の洗浄用組成物の回収、精製に際し
ては、上述以外の公知慣例の回収・精製方法、例えば、
吸着剤(活性炭など)や凝集剤などを利用したり、限外
濾過膜や逆浸透膜などを用いたり、あるいは液−液抽出
や浸透気化蒸留などを行なってもよい。
【0070】有機溶剤として、水と混合したとき、第1
の温度では2層に分離するかあるいはエマルションにな
り、第2の温度では均一層になるものを用いる場合に
は、別の再生方法により洗浄用組成物を製造することが
できる。また、このような組成物を利用することによ
り、使用済みの洗浄用組成物を簡便に再生することがで
きる。
【0071】すなわち、第1の温度において洗浄を行な
い、その廃液を第2の温度になるまで加熱あるいは冷却
して均一層にすれば、水の貧溶媒効果により洗浄液中の
溶剤の方に溶解していた油溶性汚染物質が析出する。洗
浄液中の水の方に溶解していたイオン性汚染物質にとっ
ては、洗浄液中の有機溶剤が貧溶媒となるため、やはり
貧溶剤効果(ただし、この場合には有機溶剤による貧溶
媒効果)によって析出することになる。したがって、洗
浄液中に溶解していた汚染物質の大半が析出することと
なるので、この汚染物質を、例えばろ過などによって取
り除いた後に、所定の濃度となるように洗浄用組成物の
混合比を調製して、第1の温度に戻せば、再度エマルシ
ョン洗浄液として使用することができる。
【0072】また、本発明では、洗浄用組成物のエマル
ション化を、単に該洗浄液を加熱および/または冷却す
ることによって行なってもよい。洗浄用組成物を加熱お
よび/または冷却することによって該溶剤の水への溶解
度、および/または該溶剤への水の溶解度が減少すれ
ば、層分離がおこってエマルションになるからである。
【0073】また別のエマルション化の工程として、有
機溶剤の蒸気と水蒸気とを混合させながら凝結させる
か、有機溶剤の蒸気を水の中へ吹き込むか、有機溶剤の
中へ水蒸気を吹き込むか、のいずれかの方法を用いても
よい。これらの方法は、分子レベルに拡散した状態(蒸
気)から凝集し始めるその初期の段階で液中に分散させ
ることになるため、きわめて微細な液滴からなるエマル
ションを形成できるので好ましい。有機溶剤の蒸気を水
蒸気と混合する簡便な方法の具体例として、該溶剤を水
蒸気蒸留および/または共沸蒸留する方法が挙げられ
る。
【0074】本発明で好適に用いられるエマルション化
の別の方法として、有機溶剤と水とをそれぞれポンプで
汲み上げ、パイプの中で両者を混合した後ノズルを通し
て噴出させる方法や、有機溶剤と水との所定の重量比の
混合物をフィルタに通す方法がある。有機溶剤と水とを
混合した後ノズルを通して噴出させれば、ノズルから噴
出される際に該混合液体に応力が作用してエマルション
化がおこる。同様に、フィルタを通すと、フィルタを通
過する際に混合液体に作用する応力によって、エマルシ
ョン化がおこる。本発明で好適に用いられるフィルタと
しては、細孔を有する散気管などが挙げられる。
【0075】なお、図4(a)に示すように、混合槽5
1と、混合槽51へ有機溶剤を供給する有機溶剤供給機
構52と、混合槽51へ水を供給する水供給機構53
と、少なくとも一端が混合槽に連通した、フィルタ55
を備えるパイプ54とを備える製造装置を用いれば、効
果的にエマルション洗浄液を調製することができる。ま
た、図4(b)に示すように、有機溶剤供給機構52と
水供給機構53とから、直接、フィルタ55を備えるパ
イプ54に有機溶剤および水が供給され、パイプ54内
で両液の混合が行なわれるようにしてもよい。これらの
装置は、有機溶剤と水とを混合槽51および/またはパ
イプ54内で混合し、その混合物をフィルタ55に通す
ことにより、エマルション化させるものである。なお、
図4(a)および(b)に示した例では、有機溶剤供給
機構52および水供給機構53は、それぞれ、液体を保
持するためのタンク56と、バルブ57とを備えてい
る。
【0076】また、図4(c)に示すように、この装置
に、パイプ内の液体を流動させるためのポンプ58をさ
らに備え、パイプ54の両端を混合槽に連通させれば、
さらに効果的にエマルション洗浄液を調製できる。な
お、図4(c)に示した例では、混合槽51に、バルブ
57を備える給液用パイプ59が備えられており、混合
槽51内に保持されたエマルション洗浄液は、この給液
用パイプ59から外部に取り出される。このような構造
にすれば、洗浄用組成物をポンプで循環させることによ
り、良好なエマルションを得ることができる。なお、洗
浄用組成物をポンプ循環させる替わりに、フィルタ55
を多重構造にしてもよい。
【0077】さらに、本発明のエマルション洗浄液の製
造に適する装置として、図5(a)〜(e)に示すよう
な装置が挙げられる。図5(a)に示す装置は、温度調
整機構61を備える混合槽51と、混合槽51へ有機溶
剤を供給する機構52と、混合槽へ水を供給する機構5
3とを備える。図5(b)に示す装置は、混合槽51
と、混合槽51へ液体(水/有機溶剤)を供給する機構
62と、混合槽51中の液体へ蒸気(有機溶剤/水の蒸
気)を供給する機構63とを備える。この図に示した蒸
気供給機構63は、蒸気発生のための超音波振動装置
(加熱装置でもよい)64を備える。図5(c)に示す
装置は、冷却機構65を備える混合槽51と、少なくと
も2つの、混合槽へ有機溶剤または水の蒸気を供給する
機構63とを備える。図5(d)に示す装置は、有機溶
剤の供給機構52と、水の供給機構53と、それらの供
給機構52,53に連通したパイプ66と、該パイプ6
6内の液体を噴出するためのノズル67とを備える。な
お、図5(d)に示した装置では、ノズル67がポンプ
を有しているが、パイプ66にポンプを備えていてもよ
い。図5(e)に示す装置は、冷却機構65を備える混
合槽51と、混合槽51へ液体(水/有機溶剤)を噴霧
する機構(ノズル)67と、混合槽51中の液体へ蒸気
(有機溶剤/水の蒸気)を供給する機構63とを備え
る。
【0078】また、本発明では超音波照射などの公知慣
用なエマルション化方法を用いても構わないし、いわゆ
るホモジナイザ、ホモミキサ、マイクロマイザ、アトマ
イザ、ネブライザなど公知慣用のエマルション化機構い
ずれを用いてもよい。また上述のエマルション化の方法
に振動、振盪、震盪、撹拌、エア吹き込み等の操作と組
み合わせて使うことになんら支障はない。
【0079】また、洗浄液を循環して利用する場合に
は、本発明では上述のエマルション化のための操作を洗
浄中にも連続して行なう。こうすることによって、洗浄
などの工程の間にエマルション破壊が起こっても、速や
かに再エマルション化が起こる。このような場合には、
上述のエマルション化の操作を実現する装置を洗浄装置
の中にあらかじめ組み込んでおき、洗浄装置の起動と同
時にあるいは若干先行してエマルション化のための装置
の運転を始めると好都合である。
【0080】洗浄装置としては、例えば、図6(a)に
示すように、洗浄槽71とエマルション洗浄液製造装置
72とを接続したものを用いることができる。なお、図
6(a)に示した洗浄装置は、洗浄槽71と、洗浄槽7
1へ有機溶剤を供給する有機溶剤供給機構52と、洗浄
槽71へ水を供給する水供給機構53と、両端が洗浄槽
に連通した、内部にフィルタ55を備えるパイプ54
と、パイプ内の液体を流動させるためのポンプ58と、
洗浄槽71内へ被洗浄物74を配置するための被洗浄物
保持機構73とを備える。
【0081】また、図6(b)に示すように、洗浄槽7
1をエマルション化のための混合槽として用いてもよ
い。
【0082】なお、図6(a)および(b)には、エマ
ルション化のための構成として、図4(c)と同様の構
成を図示したが、この構成に限らず、上述したような他
の構成のエマルション洗浄液製造装置を用いてもよい。
【0083】本発明の洗浄装置は、洗浄槽71が、洗浄
液を揺動する機構をさらに備えるか、または、被洗浄物
保持機構機構73が、被洗浄物を揺動させる機構をさら
に備えることが望ましい。また、洗浄槽71は、音波ま
たは超音波を発生させる機構をさらに備えることが望ま
しい。
【0084】なお、本明細書では、「洗浄」という用語
を、「対象物の表面に付着した汚染物質を除去するこ
と」という意味で用いている。以上の説明では、一貫し
て洗浄について説明しているが、本発明は、他の表面に
付着した物質の除去、例えば、所望のパターンを感光さ
せた後のフォトレジストの現像などにも適用することが
できる。
【0085】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0086】<実施例1>本実施例で用いた洗浄装置の
構造を、図7に示す。本実施例の洗浄装置は、互いに連
通された液循環式スプレー装置75および洗浄槽71と
を備える。液循環式スプレー装置75は、一端が洗浄槽
に連通したパイプ54と、パイプ54の他端に取り付け
られた、液体を噴霧76するノズル67とを備え、さら
に、パイプ54内の液体をノズル67から噴出させるた
めのポンプ58を備える。また、洗浄槽71は、洗浄槽
71内へ被洗浄物74を配置するための被洗浄物保持機
構73を備える。
【0087】3−メトキシイソ酪酸のメチルエステル
(日東化学工業(株)製;沸点148℃、引火点46
℃、SP値8.7)を同重量の水と混合し、洗浄用組成
物(3−メトキシイソ酪酸のメチルエステル:水=1:
1)を得、この洗浄用組成物をホモミキサ(日立工機
(株)製HG−30、10000回転/分)を用いて2
5℃で5分間撹拌してエマルションとした。なお、エマ
ルション状態での引火点は63℃であった。この洗浄液
を、速やかに洗浄槽71に入れ、ポンプ58を起動し
て、被洗浄物74表面に噴出速度2.5リットル/分と
してスプレー状態で吹き付けたところ、この皮膜は30
秒で溶解が始まり、ほぼ1分で完全に洗浄除去された。
なお、被洗浄物74としては、膜厚50μmの不完全硬
化状態の紫外光/熱硬化型エポキシアクリレート樹脂皮
膜(4cm×4cm)が表面汚染物質として付着した塩
化ビニル基板または銅基板を用いた。
【0088】本実施例では、洗浄液をスプレーノズル6
7から噴出させて洗浄に使用した後、洗浄液のエマルシ
ョン状態が保持されるように液の循環速度を調節しなが
ら循環使用したが、塩化ビニル基板および銅基板のいず
れの基板も、洗浄後の表面は極めて清浄であり、十分な
洗浄効果が得られた。また、塩化ビニルの膨潤や銅の腐
食などの基板のダメージは全く認められなかった。
【0089】また、本実施例で使用した使用済み洗浄液
を室温に保ち、塩化ナトリウム粉末を1重量%になるよ
うに添加すると、塩化ナトリウムの塩析作用のために洗
浄液は10分以内に完全に油水分離させることができ
た。この後、得られた油相を蒸留精製して有機溶剤(3
−メトキシイソ酪酸のメチルエステル)を回収し、この
溶剤を再び同重量の水と混合した後にエマルション化し
たところ、使用前の洗浄液と同等の洗浄力を有する洗浄
液を再生することができた。図1に、塩化ナトリウム添
加後の相分離の状況と、塩化ナトリウムを添加しない場
合の相分離の状況を示す。
【0090】<実施例2>本実施例では、表面汚染物質
として、実施例1で用いたエポキシアクリレート樹脂の
代わりにフラックス(タムラ製作所製、Y−20)を用
いた。この表面汚染物質を塗布(4cm×4cm、膜厚
100μm)した基板(塩化ビニルまたは銅)を、実施
例1と全く同じ条件で洗浄したところ、塩化ビニル基板
および銅基板のいずれを用いた場合も、基板表面は極め
て清浄で基板のダメージも全く見られなかった。
【0091】なお、本実施例では、使用後の洗浄液を、
油水分離させずに加熱蒸留して精製し、有機溶剤と水と
の混合液である洗浄用組成物を得た。この混合液をエマ
ルション化して洗浄液とし、この洗浄液を用いて再び上
述のフラックスを塗布した基板を洗浄したところ、洗浄
力の低下は全く見られず、基板に対するダメージも全く
見られなかった。
【0092】<実施例3>本実施例では、有機溶剤とし
て、実施例1で用いた3−メトキシイソ酪酸のメチルエ
ステルの代わりに3−メトキシ−3−メチルブタノール
の酢酸エステル(沸点188℃、引火点75.5℃、S
P値8.35)を用いた以外は、混合比、エマルション
化方法など、実施例1と同様にして洗浄液を得た。得ら
れた洗浄液のエマルション状態での引火点は96℃であ
った。
【0093】容量1リットルのビーカー中で、このエマ
ルション洗浄液500mlに、実施例1で用いたものと
同じ表面を汚染させた基板を浸漬し、洗浄液に浸したま
ま1分間揺動した後引き上げたところ基板表面は極めて
清浄で、基板のダメージも全く認められなかった。
【0094】さらに、実施例1と同様にして使用済み洗
浄液を再生したところ、使用前と同様の洗浄力を有する
洗浄液を得ることができた。
【0095】なお、本実施例では、塩析現象を利用して
油水分離させるために添加する無機塩類として、実施例
1で用いた塩化ナトリウムの代わりに、塩化カルシウム
あるいは硫酸マグネシウム、またはそれらの飽和水溶液
を、塩濃度が1重量%になるように添加したところ、い
ずれの塩類を用いても10分以内に完全に油水分離がで
きることが確認された。
【0096】<実施例4>本実施例では、実施例3と同
様に、3−メトキシ−3−メチルブタノールの酢酸エス
テル(酢酸3−メトキシ−3−メチルブチル)を用いて
エマルション洗浄液を調製した。ただし、本実施例で
は、溶剤と水との混合比を有機溶剤/水=3/7(重量
比)とした。得られたエマルション洗浄液の引火点は9
8℃であった。
【0097】容量1リットルのビーカー中で、このエマ
ルション洗浄液500mlに、スクリーン用印刷用ソル
ダレジストインク(アサヒ化学研究所製、CCR−23
2およびその硬化剤)の付着(4cm×4cm、膜厚5
0μm)したスクリーン(ポリエステル製またはスチー
ル製)を浸漬したところ、1分間の揺動によってスクリ
ーン上に付着したレジストインクは完全に除去され、い
ずれのスクリーンの場合にもダメージは全く認められな
かった。
【0098】また、使用済みの洗浄液を、塩化カルシウ
ム水溶液を、洗浄液中での塩化カルシウム濃度が1重量
%になるように添加することによって油水分離させ、有
機溶剤層を蒸留精製して有機溶剤を得、これに混合比が
有機溶剤/水=3/7(重量比)となるように、水を加
えて混合液である洗浄用組成物を得、エマルション化し
て洗浄液を再生し、再度使用したところ、洗浄性の低下
は全く見られなかった。
【0099】<実施例5>本実施例では、実施例3と同
様に、3−メトキシ−3−メチルブタノールの酢酸エス
テルを用いてエマルション洗浄液を調製した。ただし、
本実施例では、溶剤と水との混合比を有機溶剤/水=1
/9(重量比)とした。なお、この混合比は共沸混合比
である。得られたエマルション洗浄液の引火点はほぼ1
00℃であった。
【0100】このエマルション洗浄液を用いて、シルク
スクリーン用レジストインク(イトー化学製、1液型フ
ェノールノボラックエポキシ系レジストHS−08、S
P値9.2)の付着(4cm×4cm、膜厚50μm)
したスクリーン(ポリエステル製またはスチール製)を
超音波槽(超音波出力60W)中で洗浄液500mlに
浸漬しながら、超音波を照射したところ、1分以内にス
クリーン上に付着したレジストインクは完全に除去され
た。超音波の照射エネルギーを極端に強くしないかぎ
り、いずれのスクリーンにもダメージは全く認められな
かった。
【0101】本実施例では、この洗浄液の成分である溶
剤(3−メトキシ−3−メチルブタノールの酢酸エステ
ル)が水と共沸することを利用して、使用済の洗浄液の
再生を行った。すなわち、使用済の洗浄液を前処理なし
に加熱し、発生した蒸気を急冷した。共沸した混合液
は、結露するだけでエマルションとなっている。そこ
で、このままエマルション洗浄液として再使用したとこ
ろ、洗浄性の低下は全く見られなかった。
【0102】<実施例6>本実施例では、有機溶剤とし
て、実施例1で用いた3−メトキシイソ酪酸のメチルエ
ステルの代わりに2−エトキシエタノールの酢酸エステ
ル(沸点156℃、引火点57℃、SP値8.7)を用
い、この溶剤/水の混合比を重量比で25/75として
洗浄用組成物を調製した。この洗浄用組成物の液温を3
0℃とし、実施例1と同様のエマルション化方法によっ
てエマルション洗浄液を得た。
【0103】このエマルション洗浄液500mlを用い
て、実施例1で用いたものと同様に作成した表面汚染基
板を、実施例1と同様に循環式スプレー洗浄装置75に
よって洗浄したところ基板表面は極めて清浄で、基板の
ダメ−ジも全く認められなかった。
【0104】また、この洗浄液の成分である溶剤(2−
エトキシエタノールの酢酸エステル)の水溶性が温度に
よって大きく変化することを利用して、使用済みの洗浄
液の再生を行った。すなわち、使用済みの洗浄液をその
まま10℃以下に冷却すると、溶剤(2−エトキシエタ
ノールの酢酸エステル)の水への溶解度が増大するた
め、洗浄用組成物全体が均一相になった。一方、洗浄液
の中に溶解していた汚染物質は、この操作によって凝
結、析出したので、汚染物質を濾過によって除去した。
汚染物質を除去した洗浄用組成物は、温度を再び30℃
にすると、2相に分離したので、これを実施例1で用い
たのと同じエマルション化の方法によってエマルション
化し、エマルション洗浄液として再使用したところ、使
用前と同様の洗浄力を示した。
【0105】<実施例7>本実施例では、実施例1と同
様の被洗浄物、すなわち、不完全硬化状態の紫外光/熱
硬化型エポキシアクリレート樹脂を4cm×4cmの範
囲に厚さが50μmになるように塗布した塩化ビニル基
板を6枚用意した。
【0106】また、洗浄液として、実施例4と同様のエ
マルション洗浄液(酢酸3−メトキシ−3−メチルブチ
ル水=3/7(重量比))であって、使用状況の異なる
ものを6種類用意した。第1の洗浄液は未使用のもので
あり、第2の洗浄液は1リットルあたり0.15m2×
50μmの汚染物質を洗浄した後の使用済み洗浄液であ
り、第3の洗浄液は1リットルあたり0.45m2×5
0μmの汚染物質を洗浄した後の使用済み洗浄液であ
り、第4の洗浄液は1リットルあたり0.75m2×5
0μmの汚染物質を洗浄した後の使用済み洗浄液であ
り、第5の洗浄液は1リットルあたり1.05m2×5
0μmの汚染物質を洗浄した後の使用済み洗浄液であ
り、第6の洗浄液は1リットルあたり1.35m2×5
0μmの汚染物質を洗浄した後の使用済み洗浄液であ
る。
【0107】これらのエマルション洗浄液500ml
に、それぞれ、実施例1と同様の表面汚染物質を4cm
×4cm、膜厚50μmに塗布した基板に、実施例1と
同様の洗浄装置を用い、実施例1と同様にして洗浄液を
スプレーし、表面汚染物質を完全に除去するのに要した
時間を測定した。洗浄液の循環速度は、噴出量と同じ
2.5リットル/分である。結果を図2の○に示す。な
お、図2の縦軸は、本実施例の洗浄に要した時間であ
り、横軸は、本実施例の洗浄前にその洗浄液を用いて行
われていた洗浄の、洗浄液単位体積当たりの洗浄面積を
示す。図2の直線1からわかるように、本実施例の洗浄
液は、使用済み洗浄液であっても洗浄力の低下が少な
い。
【0108】<実施例8>本実施例では、実施例7と同
様の被洗浄物、すなわち、不完全硬化状態の紫外光/熱
硬化型エポキシアクリレート樹脂を4cm×4cmの範
囲に、厚さが50μmになるように塗布した塩化ビニル
基板を4枚用意し、そのうちの3枚を用いた。
【0109】洗浄液には、実施例4と同じ溶剤(酢酸3
−メトキシ−3−メチルブタノール)を用いて調製され
たエマルション洗浄液であって、その溶剤含有率の異な
るものを、3種類用意した。第1の洗浄液は、溶剤/水
=70/30であり、第2の洗浄液は、溶剤/水=50
/50であり、第3の洗浄液は、溶剤/水=30/70
である。
【0110】上記の表面汚染塩化ビニル基板3枚を、そ
れぞれ、上述の第1〜第3のエマルション洗浄液500
mlに浸漬し、揺動して表面汚染物質を完全に除去する
のに要した時間を測定した。結果を図3に「○」として
示す。なお、図3の縦軸は、洗浄に要した時間であり、
横軸は、溶剤の含有率である。
【0111】図3からわかるように、本実施例の洗浄液
は、エマルション洗浄液として利用可能な溶剤の含有率
の範囲が広い。
【0112】<比較例1>実施例7と同様の被洗浄物を
3枚用意した。また、乳酸ブチルと水とを、乳酸ブチル
/水=3/7(重量比)になるように混合し、実施例1
と同様にしてエマルション化して得られた洗浄液であっ
て、使用状況の異なるものを3種類用意した。第1の洗
浄液は未使用のものであり、第2の洗浄液は1リットル
あたり0.3m2×50μmの汚染物質を洗浄した後の
使用済み洗浄液であり、第3の洗浄液は1リットルあた
り0.6m2×50μmの汚染物質を洗浄した後の使用
済み洗浄液である。なお、乳酸ブチル(沸点185℃、
引火点69℃)は、エステル基を有しているがエーテル
基を持たずに代わりにヒドロキシ基を有している。
【0113】これらのエマルション洗浄液を用いて、実
施例7と同様にして表面汚染物質の除去時間を測定した
ところ、図2の□に示す結果が得られた。図2の直線2
から、本比較例の洗浄液は、使用に伴って洗浄力が直線
的に低下し、その低下率が実施例7の結果に比べて急激
であることがわかる。
【0114】また、第1のエマルション洗浄液(未使用
のもの)を用いて、実施例3とまったく同じ洗浄実験を
行ったところ、1分程度では、表面汚染物質の一部に洗
浄残りがあった。
【0115】<比較例2>実施例7と同様の被洗浄物を
3枚用意した。また、安息香酸ブチルと水とを、安息香
酸ブチル/水=3/7(重量比)になるように混合し、
実施例1と同様にしてエマルション化して得られた洗浄
液であって、使用状況の異なるものを3種類用意した。
第1の洗浄液は未使用のものであり、第2の洗浄液は1
リットルあたり0.3m2×50μmの汚染物質を洗浄
した後の使用済み洗浄液であり、第3の洗浄液は1リッ
トルあたり0.6m2×50μmの汚染物質を洗浄した
後の使用済み洗浄液である。なお、安息香酸ブチル(沸
点249℃、引火点106℃)は、エステル基を有して
いるがエーテル基を持たない。
【0116】これらのエマルション洗浄液を用いて、実
施例7と同様にして表面汚染物質の除去時間を測定した
ところ、図2の△に示す結果が得られた。図2の直線3
から、本比較例の洗浄液は使用に伴って洗浄力が直線的
に低下し、その低下率が実施例7および比較例1の結果
に比べてはるかに急激であることが分かる。
【0117】また、第1のエマルション洗浄液(未使用
のもの)を用いて、実施例3とまったく同じ洗浄実験を
行ったところ、1分程度で表面汚染物質の洗浄除去がで
きたが、塩化ビニル基板がかなり膨潤し、基板の平坦性
が失われていた。
【0118】<比較例3>本比較例では、実施例1及び
2で用いた溶剤の替わりにt−ブチルメチルエーテルを
用いた。この溶剤は、エーテル基を有しているがエステ
ル基を持たない。実施例1及び2と同じ条件で洗浄実験
を行ったところ、実施例2の表面汚染物質(フラック
ス)は1分程度で完全に除去できたが、実施例1の表面
汚染物質は、5分以上処理しても完全には除去されなか
った。
【0119】<比較例4>本比較例では、実施例1及び
2で用いた溶剤の替わりにジエチレングリコールシクロ
ヘキシルエーテルとジプロピレングリコールシクロヘキ
シルエーテルとトリエタノールアミンの2:2:1混合
物を用い、この混合溶剤に対して同重量の水を添加した
後、実施例1と同様にエマルション化した。この洗浄液
は、実施例1や2の表面汚染物質をいずれも容易に洗浄
除去できたが、塩化カルシウムや硫酸マグネシウムなど
を1重量%になるように添加しても油水の分離はきわめ
て緩慢で、加熱、冷却や遠心分離などを用いたり、30
分以上静置したりしても分離は部分的であった。また、
蒸留によって精製しても、トリエタノールアミンはほと
んど回収できず、簡便にリサイクルすることはできなか
った。これは、トリエタノールアミンの沸点が335℃
と高いためであると考えられる。
【0120】<比較例5>本比較例では、実施例1で用
いた溶剤の替わりにキシレン(位置異性体の混合物)を
用いた。この溶剤は炭化水素であり、エーテル基もエス
テル基も持たない。この溶剤を用いて実施例1と同様に
洗浄用組成物を調製し、エマルション化してエマルショ
ン洗浄液として、実施例1および実施例2と同様にして
洗浄実験を行ったところ、実施例1の表面汚染物質は全
く洗浄除去できず、実施例2の表面汚染物質の洗浄除去
にも10分以上を要した。
【0121】<比較例6>本比較例では、実施例8で用
意した表面汚染塩化ビニル基板の残りの一枚を用いた。
洗浄液としては、酢酸3−メトキシ−3−メチルブタノ
ールのみを用い、水を添加せずに、溶剤単独成分の洗浄
液とした。すなわち、本比較例6の洗浄剤は、有機溶剤
の成分は実施例8と同じであるが、その組成混合比が溶
剤/水=100/0である点が実施例8とは異なってい
る。なお、この洗浄液は単一成分であるから、エマルシ
ョンとはならない。
【0122】表面汚染塩化ビニル基板の残りの一枚を、
この洗浄液500mlに浸漬し、揺動して表面汚染物質
を完全に除去するのに要した時間を測定した。結果を、
図3に「△」として示す。
【0123】実施例8および本比較例6の結果から、エ
マルション洗浄液で洗浄した場合(実施例8の結果)に
は、溶剤単独で洗浄した場合(本比較例6)より短い
か、あるいはほぼ同じ時間で洗浄できることが明らかに
なった。図3に示した実験結果は、エマルション界面の
作用によって洗浄が促進されていることを明確に示して
いる。
【0124】
【発明の効果】本発明により、低引火性と高洗浄力とを
両立し、低有害性で取扱至便にして液管理も比較的容易
であるばかりでなく、被洗浄物に対するダメ−ジも抑制
できるエマルション洗浄液が得られる。また、当該洗浄
液を使用後に簡便に再利用できるようにする方法も提供
される。
【0125】本実施例の洗浄液は、引火性および毒性が
低いため、洗浄のための設備コストを低く抑えることが
できる。
【0126】また、本発明によれば、被洗浄物の形状や
構造に依存せず、被洗浄物の腐食や膨潤を起こさずに、
表面汚染物質を除去できる。さらに、本発明の洗浄液
は、実施例7からわかるように洗浄力が長く持続するの
で、少量の洗浄液で短時間に充分な洗浄効果を得ること
ができる。
【0127】また、使用済みの洗浄液を油水分離してそ
れぞれの層を別個に回収、精製するか、あるいは該洗浄
液の蒸留を行なうか、あるいは該洗浄液を均一層化した
後、析出した表面汚染物質を取り除くことにより、簡便
かつ効果的に使用済み洗浄液を再生できる。従って、使
用済み洗浄液を原料にして洗浄液を製造することができ
るため、洗浄液のコストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の油水分離の結果を示すグラフであ
る。
【図2】 実施例7と比較例1および2との洗浄結果を
示すグラフである。
【図3】 実施例8と比較例6との洗浄結果を示すグラ
フである。
【図4】 エマルション洗浄液製造装置の概略を示す模
式図である。
【図5】 エマルション洗浄液製造装置の概略を示す模
式図である。
【図6】 洗浄装置の概略を示す模式図である。
【図7】 実施例1の洗浄槽値を示す模式図である。
【符号の説明】
1…安息香ブチルの洗浄力測定結果、2…乳酸ブチルの
洗浄力測定結果、3…酢酸3−メトキシ−3−メチルブ
チルの洗浄力測定結果、4…酢酸3−メトキシ−3−メ
チルブチルから得られるエマルション洗浄液の洗浄力測
定結果、5…酢酸3−メトキシ−3−メチルブチル溶剤
で洗浄した場合の洗浄力測定結果、51…混合槽、52
…有機溶剤供給機構、53…水供給機構、54…フィル
タを備えるパイプ、55…フィルタ、56…タンク、5
7…バルブ、58…ポンプ、59…給液用パイプ、61
…温度調節機構、62…液体供給機構、63…蒸気供給
機構、64…蒸気発生機構、65…冷却機構、66…パ
イプ、67…ノズル、71…洗浄槽、72…エマルショ
ン洗浄液製造装置、73…被洗浄物保持機構、74…被
洗浄物、75…循環式スプレー装置、76…霧状の洗浄
液。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23G 5/04 C23G 5/04 5/06 5/06 D06L 1/12 D06L 1/12 H05K 3/26 7511−4E H05K 3/26 E (72)発明者 渡部 真貴雄 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 田中 勇 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 岩本 由子 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 西村 尚樹 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 加藤 輝武 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 山田 圭一 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 加藤 琢郎 茨木県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 塚田 勝重 茨木県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(化1)で表される化合物の少
    なくとも一つである有機溶剤と、水とからなる洗浄用組
    成物。 【化1】 (ここで、R1はメチル基またはエチル基であり、R2
    炭素数2以上9以下の2価の有機基であり、R3は炭素
    数1以上4以下の脂肪族アルキル基である。)
  2. 【請求項2】請求項1において、 上記R2は炭素数2以上9以下のアルキレン基であるこ
    とを特徴とする洗浄用組成物。
  3. 【請求項3】請求項2において、 上記有機溶剤は、下記構造式群(化2)から選ばれる少
    なくとも1種の化合物であることを特徴とする洗浄用組
    成物。 【化2】
  4. 【請求項4】下記一般式(化3)で表される化合物の少
    なくとも一つである有機溶剤と、水とからなる洗浄用組
    成物。 【化3】 (ここで、R4はメチル基またはエチル基であり、R5
    炭素数2以上9以下の2価の有機基であり、R6は炭素
    数1以上4以下の脂肪族アルキル基である。)
  5. 【請求項5】請求項4において、 上記R4は炭素数2以上9以下のアルキレン基であるこ
    とを特徴とする洗浄用組成物。
  6. 【請求項6】請求項5において、 上記有機溶剤は、下記構造式群(化4)から選ばれる少
    なくとも1種の化合物であることを特徴とする洗浄用組
    成物。 【化4】
  7. 【請求項7】請求項1または4において、 上記有機溶剤の重量は、洗浄用組成物の全量を100部
    とするとき、15〜85重量部であることを特徴とする
    洗浄用組成物。
  8. 【請求項8】請求項1または4において、 上記有機溶剤は、水と共沸する物質であり、 上記有機溶剤と上記水との重量比は、その共沸混合比を
    1:xとするとき、0.8:x〜1.2:xであること
    を特徴とする洗浄用組成物。
  9. 【請求項9】下記一般式(化1)で表される化合物の少
    なくとも一つである有機溶剤と、水とを含むエマルショ
    ン洗浄液により、被洗浄物の表面に付着した汚染物質を
    除去することを特徴とする洗浄方法。 【化1】 (ここで、R1はメチル基またはエチル基であり、R2
    炭素数2以上9以下の2価の有機基であり、R3は炭素
    数1以上4以下の脂肪族アルキル基である。)
  10. 【請求項10】下記一般式(化3)で表される化合物の
    少なくとも一つである有機溶剤と、水とを含むエマルシ
    ョン洗浄液により、被洗浄物の表面に付着した汚染物質
    を除去することを特徴とする洗浄方法。 【化3】 (ここで、R4はメチル基またはエチル基であり、R5
    炭素数2以上9以下の2価の有機基であり、R6は炭素
    数1以上4以下の脂肪族アルキル基である。)
  11. 【請求項11】請求項9または10において、 上記被洗浄物を、上記エマルション洗浄液に浸漬しなが
    ら揺動する工程を含むことを特徴とする洗浄方法。
  12. 【請求項12】請求項11において、 上記揺動は、音波あるいは超音波の照射によって行われ
    ることを特徴とする洗浄方法。
  13. 【請求項13】請求項9または10において、 上記被洗浄物表面に付着した汚染物質に、上記エマルシ
    ョン洗浄液を噴射する工程を含むことを特徴とする洗浄
    方法。
  14. 【請求項14】請求項9または10において、 上記有機溶剤として、該有機溶剤の溶解度パラメ−タ
    (SP値)と、上記汚染物質の主成分のSP値との差
    が、絶対値で4.5以下であるものを用いることを特徴
    とする洗浄方法。
  15. 【請求項15】請求項9または10において、 上記有機溶剤として、水と混合した場合、第1の温度で
    は2層に油水分離するかあるいはエマルションになり、
    第2の温度では均一層になるものを用い、 上記汚染物質の除去は上記第1の温度において行われる
    ことを特徴とする洗浄方法。
  16. 【請求項16】有機溶剤と水とを含む洗浄用組成物の製
    造方法において、 使用済みの上記洗浄用組成物を油水分離し、水層および
    有機溶剤層の各層の液体を別々に回収する油水分離工程
    と、 上記油水分離工程により得られた有機溶剤層を精製し
    て、有機溶剤を得る精製工程と、 上記精製工程により得られた有機溶剤と、水とを、あら
    かじめ定められた重量比となるように混合して洗浄用組
    成物を得る工程とを備えることを特徴とする洗浄用組成
    物の製造方法。
  17. 【請求項17】請求項16において、 上記油水分離工程は、上記使用済み洗浄用組成物を加熱
    または冷却する工程を含むことを特徴とする洗浄用組成
    物の製造方法。
  18. 【請求項18】請求項16において、 上記油水分離工程は、上記使用済み洗浄用組成物に凝結
    剤を添加する工程を含むことを特徴とする洗浄用組成物
    の製造方法。
  19. 【請求項19】請求項18において、 上記凝結剤の添加後に、上記使用済み洗浄用組成物を、
    該凝結剤の水への溶解度が5wt%以上である温度に保
    持する工程を含むことを特徴とする洗浄用組成物の製造
    方法。
  20. 【請求項20】請求項18において、 上記凝結剤は、有機酸およびその塩類と、無機酸および
    その塩類と、高分子コロイドと、界面活性剤とのうちか
    ら選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする洗浄
    用組成物の製造方法。
  21. 【請求項21】請求項20において、 上記凝結剤は、 クエン酸、酢酸、および酒石酸と、これらの酸のアルカ
    リ金属塩およびアルカリ土類金属塩とのうちから選ばれ
    る少なくとも1種を含むことを特徴とする洗浄用組成物
    の製造方法。
  22. 【請求項22】請求項20において、 上記凝結剤は、 硫酸、硝酸、塩酸、臭酸、およびリン酸と、これらの酸
    のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩とのうちか
    ら選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする洗浄
    用組成物の製造方法。
  23. 【請求項23】請求項16において、 上記精製工程は、 上記油水分離工程により得られた有機溶剤層の濾過およ
    び/または蒸留を行う工程を備えることを特徴とする洗
    浄用組成物の製造方法。
  24. 【請求項24】有機溶剤と水とを含む洗浄用組成物の製
    造方法において、 該有機溶剤と水とを含む混合物を蒸留し、発生蒸気を凝
    縮して、有機溶剤と水とからなる洗浄用組成物を得る工
    程を備えることを特徴とする洗浄用組成物の製造方法。
  25. 【請求項25】請求項24において、 上記有機溶剤と水とを含む混合物が、洗浄に使用済みの
    洗浄用組成物であることを特徴とする洗浄用組成物の製
    造方法。
  26. 【請求項26】請求項23または24において、 上記有機溶剤は水と共沸する物質であり、 上記洗浄用組成物中での上記有機溶剤と水との重量比
    は、その共沸混合比を1:xとするとき、0.8:x〜
    1.2:xであることを特徴とする洗浄用組成物の製造
    方法。
  27. 【請求項27】請求項23または24において、 上記蒸留は、共沸蒸留または水蒸気蒸留であることを特
    徴とする洗浄用組成物の製造方法。
  28. 【請求項28】有機溶剤と水とを含む洗浄用組成物を用
    い、被洗浄物表面に付着した汚染物質を除去する洗浄方
    法において、 上記有機溶剤として、水と混合した場合、第1の温度で
    は2層に油水分離するかまたはエマルションになり、第
    2の温度では均一層になるものを用い、 上記第1の温度の上記洗浄用組成物のエマルションに被
    洗浄物表面を接触させて、上記汚染物質を除去する洗浄
    工程と、 上記洗浄工程において使用された上記洗浄用組成物を、
    上記第2の温度にして均一層とした状態で汚染物質を分
    離、除去し、上記洗浄用組成物を再生させる精製工程と
    を備えることを特徴とする洗浄方法。
  29. 【請求項29】有機溶剤と水とを含むエマルション洗浄
    液の製造方法において、 上記有機溶剤と水とを含む洗浄用組成物を加熱または冷
    却することにより、該洗浄用組成物をエマルション化さ
    せる工程を有することを特徴とするエマルション洗浄液
    の製造方法。
  30. 【請求項30】有機溶剤と水とを含むエマルション洗浄
    液の製造方法において、 有機溶剤の蒸気と水蒸気とを混合させながら凝結させる
    工程と、 上記有機溶剤の蒸気を水の中へ吹き込む工程と、 上記有機溶剤の中へ水蒸気を吹き込む工程とのいずれか
    の工程を有することを特徴とするエマルション洗浄液の
    製造方法。
  31. 【請求項31】有機溶剤と水とを含むエマルション洗浄
    液の製造方法において、 上記有機溶剤と水との混合物を、ノズルから噴出するこ
    とによりエマルション化させる工程を有することを特徴
    とするエマルション洗浄液の製造方法。
  32. 【請求項32】有機溶剤と水とを含むエマルション洗浄
    液の製造方法において、 上記有機溶剤と水との混合物を、フィルタに通すことに
    よりエマルション化させる工程を有することを特徴とす
    るエマルション洗浄液の製造方法。
  33. 【請求項33】温度調整機構を備える混合槽と、 上記混合槽へ有機溶剤を供給する有機溶剤供給機構と、 上記混合槽へ水を供給する水供給機構とを備えることを
    特徴とするエマルション洗浄液の製造装置。
  34. 【請求項34】混合槽と、 上記混合槽へ液体を供給する液体供給機構と、 上記混合槽中に有機溶剤の蒸気または水蒸気を供給する
    ための蒸気供給機構とを備えることを特徴とするエマル
    ション洗浄液の製造装置。
  35. 【請求項35】冷却機構を備える混合槽と、 少なくとも2つの、上記混合槽へ有機溶剤の蒸気または
    水蒸気を供給するための蒸気供給機構とを備えることを
    特徴とするエマルション洗浄液の製造装置。
  36. 【請求項36】有機溶剤の供給機構と、 水の供給機構と、 上記有機溶剤の供給機構および水の供給機構に連通した
    パイプと、 上記パイプ内の液体を噴出するためのノズルとを備える
    ことを特徴とするエマルション洗浄液の製造装置。
  37. 【請求項37】混合槽と、 上記混合槽へ有機溶剤を供給する有機溶剤供給機構と、 上記混合槽へ水を供給する水供給機構と、 少なくとも一端が上記混合槽に連通したパイプとを備
    え、 上記パイプは、内部にフィルタを備えることを特徴とす
    るエマルション洗浄液の製造装置。
  38. 【請求項38】請求項37において、 上記パイプ内の液体を流動させるためのポンプをさらに
    備え、 上記パイプは、両端が上記混合槽に連通されていること
    を特徴とするエマルション洗浄液の製造装置。
  39. 【請求項39】洗浄槽と、 上記洗浄槽へ有機溶剤を供給する有機溶剤供給機構と、 上記洗浄槽へ水を供給する水供給機構と、 両端が上記洗浄槽に連通したパイプと、 上記パイプ内の液体を流動させるためのポンプと、 上記洗浄槽内に被洗浄物を配置するための被洗浄物保持
    機構とを備え、 上記パイプは、内部にフィルタを備えることを特徴とす
    る洗浄装置。
  40. 【請求項40】請求項39において、 上記洗浄槽は、洗浄液を揺動する機構をさらに備えるこ
    とを特徴とする洗浄装置。
  41. 【請求項41】請求項39において、 上記被洗浄物保持機構は、上記被洗浄物を揺動させる機
    構をさらに備えることを特徴とする洗浄装置。
  42. 【請求項42】請求項39において、 上記洗浄槽は、音波または超音波を発生させる機構をさ
    らに備えることを特徴とする洗浄装置。
  43. 【請求項43】請求項1または4において、 上記化合物は、ハロゲン原子を含まないことを特徴とす
    る洗浄用組成物。
JP7310779A 1994-12-27 1995-11-29 洗浄用組成物、洗浄方法および洗浄液の製造方法 Pending JPH08231991A (ja)

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